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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】自律走行車の予測のテスト
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20231204BHJP
   B60W 30/08 20120101ALI20231204BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
G08G1/16 D
B60W30/08
B60W40/04
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021034075
(22)【出願日】2021-03-04
(62)【分割の表示】P 2018566564の分割
【原出願日】2017-06-28
(65)【公開番号】P2021093207
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2021-03-05
(31)【優先権主張番号】15/202,698
(32)【優先日】2016-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】フェアフィールド,ナサニエル
(72)【発明者】
【氏名】ファーマン,ヴァディム
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-248892(JP,A)
【文献】特開2018-108768(JP,A)
【文献】特開2006-126949(JP,A)
【文献】特開平11-110693(JP,A)
【文献】特開2012-230532(JP,A)
【文献】米国特許第09381916(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方向転換を行うために、第1の車両を自律的に制御する方法であって、
1つまたは複数のプロセッサにより、前記方向転換の第1の部分を行うために、前記第1の車両を自律的に操縦することと、
前記1つまたは複数のプロセッサにより、第2の車両が前記操縦に応じて特定の動作を行っているかどうかを判断することと、
前記方向転換の前記第1の部分を行った後に、前記1つまたは複数のプロセッサにより、前記判断の結果が、前記第2の車両が前記特定の動作を行っていることを示す場合、前記方向転換の第2の部分を行うために前記第1の車両を自律的に操縦することと
を含む、方法。
【請求項2】
左側通行の道路において、第2の車道上の前記第2の車両が移動する経路を横断して、第1の車道から前記第2の車道へ左折することによって前記方向転換が行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記結果が、前記第2の車両が前記特定の動作を行っていることを示す場合、前記第1の車両を制御することは、前記第2の車両の前に入ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
左側通行の道路において、前記方向転換が、第1の車道から右折して前記第1の車道を離れ、前記第1の車道上の前記第2の車両が移動する経路を横切ることによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
左側通行の道路において、前記方向転換が、右折して駐車場または私道に入ることによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
左側通行の道路において、前記方向転換が、交差点で右折して第2の車道に入ることによって行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記特定の動作が、前記第2の車両が特定の速度まで減速することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記特定の動作が、前記第2の車両が車線を変更することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つまたは複数のプロセッサにより、前記第1の車両を目的地の位置までのルートに沿って自律的に制御することと、
前記方向転換を行うために前記第1の車両を操縦する前に、前記1つまたは複数のプロセッサにより、前記第1の車両が前記方向転換を行って前記ルートに沿って進むと判断することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の車両が前記方向転換の前記第1の部分を行う場合における前記第2の車両による動作を予測することと、
(a)前記第2の車両による動作の前記予測の結果と、(b)乗客の快適さおよび安全性を促進するように前記第2の車両による予測され動作を制限する適用プロトコルとに基づいて、前記第1の車両が前記方向転換の前記第1の部分を行うかどうかを判断することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記適用プロトコルが、前記予測される特定の動作の量を制限する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記適用プロトコルが、前記予測される特定の動作のための前記第2の車両による減速の予測量を制限する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記適用プロトコルが、前記予測される特定の動作のための前記第2の車両による加速の予測量を制限する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記適用プロトコルが、前記予測される特定の動作のタイプを制限する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記適用プロトコルが、前記方向転換の前記第1の部分が前記第2の車両に車線を変更させることを禁止する、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記適用プロトコルが、前記方向転換の前記第1の部分が前記第2の車両に路肩を走行させることを禁止する、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記適用プロトコルが、前記方向転換の前記第1の部分が前記第2の車両に違法な操縦を行わせることを禁止する、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2016年7月6日に出願された米国特許出願第15/202,698号の継続であり、その開示が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002] 人間の運転者を必要としない車両などの、自律走行車は、乗客または品目をある位置から別の位置へ輸送するのを支援するために使用できる。かかる車両は、乗客が、目的地などの、何らかの初期入力を提供し得、車両自体がその目的地まで操縦する、完全な自律モードで動作し得る。
【0003】
[0003] 典型的には、完全に自律的に、または自律モードで走行する車両が車道上で他の車両または物体に遭遇する場合、これらの車両は、可能な限り安全に動作するようにプログラムされている。言い換えれば、これらの車両は、方向転換する際に他の車両の前に進み出る場合などに、抑え気味になり、「誤る(err)」傾向にある。しかし、多くの状況では、この安全性および抑え気味になる挙動を選好することは-特に、車両または歩行者の混雑が比較的高い状況では、運用における遅れおよび乗客の苛立ちにつながり得る。同時に、別の車両の前に進み出るなど、他の車両が減速するか、方向転換するか、または何らかの他の操縦で反応することを必要とし得る、より主張的な操縦を行うことは、本質的に危険である。一例として、他の車両が人間の運転者によって制御されているとすれば、自律モードの車両が他の車両の前に入ると、人間の運転者は、衝突を回避するために、車両を減速する、方向転換するなどの、素早い反応ができないことがある。従って、これらの自律走行車の主張的な性質を向上させることと、安全性を損なうこととの間に微妙なバランスがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] 本開示の一態様は、第1の車両を自律的に制御する方法を提供する。本方法は、1つまたは複数のプロセッサにより、動作を行うために、第1の車両を操縦する計画を立てること;第2の車両が反応する動作を予測すること;1つまたは複数のプロセッサにより、第1の車両と第2の車両とが衝突する前に、第1の車両が動作を取り消し得るように動作を行うこと、かつ、第1の車両が動作を行おうとしていることを第2の車両または第2の車両の運転者に示すために第1の車両を操縦すること;1つまたは複数のプロセッサにより、第2の車両が、かかる操縦に応じて特定の動作で反応しているかどうかを判断すること;および第1の車両が動作を行うことが可能であると判断される場合、1つまたは複数のプロセッサにより、第2の車両が特定の動作で反応し始めるかどうかの判断を使用して、第1の車両を自律的に制御することにより動作を行うことを含む。
【0005】
[0005] 一例では、動作は、第2の車道上の第2の車両の前に進めるために、第1の車道から第2の車道へ右折することである。別の例では、動作は、第1の車道から左折して第1の車道を離れることであり、第1の車道上の第2の車両の前を横切る必要がある。この例では、動作は、左折して駐車場または私道に入ることである。代替として、動作は、交差点で左折して第2の車道に入ることである。
【0006】
[0006] 別の例では、第2の車両は、第1の車両と同じ車線内にあり、動作は、第2の車両を追い越すことである。別の例では、特定の動作は、第2の車両を特定の速度まで減速する反応を含む。別の例では、特定の動作は、第2の車両の現在の車線を変更する反応を含む。別の例では、第2の車両が特定の動作で反応し始めていると判断される場合、たとえ第1の車両が動作を行っていなかったとしても、第2の車両が第1の車両によって追い越される時よりも前に動作は行われる。別の例では、本方法は、1つまたは複数のプロセッサにより、第1の車両をルートに沿って自律的に制御すること、および動作を行うために第1の車両を操縦する前に、1つまたは複数のプロセッサにより、第1の車両がルートに沿って進むために動作を行う必要があると判断することも含む。別の例では、第2の車両が反応する動作を予測することは、第1の車両が特定の時点で動作を行う場合に、第1の車両が第1の車両の適用プロトコル(accommodation protocol)に従うことができるようにする特定の動作で第2の車両が反応するという予測を生成することを含み、適用プロトコルは、別の車両があるタイプの動作で反応する必要がある第1の車両による動作を禁止する。
【0007】
[0007] 本開示の別の態様は、第1の車両を自律的に制御するためのシステムを提供する。本システムは、動作を行うために、第1の車両を操縦する計画を立てること;第2の車両が反応する動作を予測すること; 第1の車両と第2の車両とが衝突することなく、第1の車両が動作を取り消し得るように動作を行うこと、かつ、第1の車両が動作を行おうとしていることを第2の車両または第2の車両の運転者に示すために第1の車両を操縦すること;第2の車両が、かかる操縦に応じて特定の動作で反応しているかどうかを判断すること;および第1の車両が動作を行うことが可能であると判断される場合、第2の車両が特定の動作で反応し始めるかどうかの判断を使用して、第1の車両を自律的に制御することにより動作を行うこと、を行うように構成された1つまたは複数のプロセッサを備える。
【0008】
[0008] 一例では、特定の動作は、第2の車両を特定の速度まで減速する反応を含む。別の例では、特定の動作は、第2の車両の現在の車線を変更する反応を含む。別の例では、第2の車両が特定の動作で反応し始めていると判断される場合、1つまたは複数のプロセッサは、たとえ第1の車両が動作を行っていなかったとしても、第2の車両が第1の車両によって追い越される時よりも前に動作を行うように構成される。別の例では、1つまたは複数のプロセッサは、操縦の前に、第2の車両が特定の動作で反応しそうであることを予測するようにさらに構成される。別の例では、動作は、第2の車道上の第2の車両の前に進めるために、第1の車道から第2の車道へ右折することである。別の例では、動作は、第1の車道から左折して第1の車道を離れることであり、第1の車道上の第2の車両の前を横切る必要がある。別の例では、動作は、左折して駐車場または私道に入ることである。
【0009】
[0009] 本開示のさらなる態様は、命令がその上に格納される持続性コンピュータ可読記憶媒体を提供する。命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行される際に、1つまたは複数のプロセッサに第1の車両を自律的に制御する方法を実行させる。本方法は、1つまたは複数のプロセッサにより、動作を行うために、第1の車両を操縦する計画を立てること;第2の車両が反応する動作を予測すること;1つまたは複数のプロセッサにより、第1の車両と第2の車両とが衝突することなく、第1の車両が動作を取り消し得るように動作を行うこと、かつ、第1の車両が動作を行おうとしていることを第2の車両または第2の車両の運転者に示すために第1の車両を操縦すること;1つまたは複数のプロセッサにより、第2の車両が、かかる操縦に応じて特定の動作で反応しているかどうかを判断すること;および第1の車両が動作を行うことが可能であると判断される場合、1つまたは複数のプロセッサにより、第2の車両が特定の動作で反応し始めるかどうか判断して、第1の車両を自律的に制御することにより動作を行うことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0010]本開示の態様に従った、車両例の機能図である。
図2】[0011]本開示の態様に従った、詳細な地図情報の表現例である。
図3A】[0012]本開示の態様に従った、車両の外観図例である。
図3B】[0012]本開示の態様に従った、車両の外観図例である。
図3C】[0012]本開示の態様に従った、車両の外観図例である。
図3D】[0012]本開示の態様に従った、車両の外観図例である。
図4】[0013]例示的な実施形態に従った、システム例の機能図である。
図5】[0014]本開示の態様に従った、図6のシステムの絵図である。
図6】[0015]本開示の態様に従った状況例である。
図7】[0015]本開示の態様に従った状況例である。
図8】[0015]本開示の態様に従った状況例である。
図9】[0015]本開示の態様に従った状況例である。
図10】[0015]本開示の態様に従った状況例である。
図11】[0015]本開示の態様に従った状況例である。
図12】[0016]本開示の態様に従った流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0017] 他の車両が自律走行車の動作に安全に反応する可能性を高めるために、自律走行車は第1に、自律走行車がその動作を行った場合に何が起こるかを予測し得る。一例として、動作は、目的地までの特定のルートを辿るために、別の車両の前で左折をすること(誰かの前で左折すること)、別の車両を(すなわち、町の1車線道路上で)追い越すこと、または車両の前で右折する(他の車両の前に進み出る)ことを含み得る。これらの例では、他の車両が、減速など、何らかの動作で反応する限り、自律走行車を安全に(すなわち、車両の速度に応じて他の車両のある距離内に近づかない)動作行うことが可能であり得ることを予測は示し得る。従って、動作は、他の車両に何らかの動作を行うことを必要とするので、動作は、主張的動作(assertive action)と考えられ得る。これに関して、動作が主張的動作ではなかった場合、自律走行車は単に動作を行うだけだろう。
【0012】
[0018] 予測自体は、物体のタイプに対する挙動モデルに基づき得る。これらの挙動モデルは、特定のシナリオを考慮して、事前に格納されて、物体のタイプに対して1つまたは複数の予測挙動結果を提供するように構成され得る。これらの挙動モデルは従って、人間研究、車両の知覚システムによって収集されたデータから学習された、物体がどのように動くかに関する直観から作成され得る。挙動モデルは、予測情報を提供し、例えば、予期される反応時間、速度変化、進行方向の変化などを含み得る。
【0013】
[0019] 次に、自律走行車は、主張的挙動に対する予測を「テストする」ために動作し得る。この動作は、方向転換または車両の周辺での移動を物理的に開始するが、主張的動作を完全には行わずに、後に中止する(適切な場合)か、または減速することを含み得る。この動作は、動作を行うための極小さいステップであり得るが、自律走行車が主張的動作を行う意図があることを他の車両に通知するのに十分である。言い換えれば、主張的動作を行うための極小さい動きは、主張的動作を行うという車両の「意図」を他の人間の運転者に可能な限り速やかに通知できる。その上、自律走行車は、主張的動作を実際に行うかどうかを判断する時間がまだあるので、車両のコンピュータは主張的動作を遅らせて、完全に中止して主張的動作を行わない余地を残すことができる。
【0014】
[0020] 一旦、自律走行車が予測をテストするために動作を行うと、自律走行車のコンピュータは、他の物体がその予測に従った動作で反応し始めているかどうかを判断し得る。これが予測に従って生じていないか、または遅すぎる場合、自律走行車は主張的挙動を行うための何らかの小さいステップを行っているのに過ぎないので、自律走行車は主張的挙動を「中止(abort)」し得る。このように、自律走行車は、事故または車両が相互に近づき過ぎるのを防ぐように動作し得る。
【0015】
[0021] 他の車両がその予測に従って動作で反応し始めていて、例えば、減速している場合、自律走行車は、主張的挙動を完全に行って進み得る。このようにして、自律走行車は、主張的挙動が他の車両によって理解されていることをより確信でき、主張的挙動を安全に行うことができる。
【0016】
[0022] 本明細書で説明する特徴は、自律走行車がもっと巧みに、むしろもっと人間の運転者のように走行できるようにし得る。これは、その結果として、前述のように安全性を損なうことなく、車両内の乗客のストレスや苛立ちをより少ないものにできる。
【0017】
システム例
[0023] 図1に示すように、本開示の一態様に従った車両100は様々な構成要素を含む。本開示のある態様は、特定のタイプの車両に関連して特に有用であるが、車両は、自動車、トラック、オートバイ、バス、レクリエーショナルビークルなどを含むが、それらに限定されない、任意のタイプの車両であり得る。車両は、1つまたは複数のプロセッサ120、メモリ130および汎用コンピューティング装置内に典型的に存在する他の構成要素を含む、コンピューティング装置110などの、1つまたは複数のコンピューティング装置を有し得る。
【0018】
[0024] メモリ130は、プロセッサ120によって実行され得るか、または他の方法で使用され得る命令132およびデータ134を含む、1つまたは複数のプロセッサ120によってアクセス可能な情報を格納する。メモリ130は、プロセッサによってアクセス可能な情報を格納可能な任意のタイプであり得、コンピューティング装置可読媒体、または、ハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVDもしくは他の光ディスクなどの、電子機器によって読み取られ得るデータを格納する他の媒体、ならびに他の書込み可能および読出し専用メモリを含む。システムおよび方法は、前述の異なる組合せを含み得、それにより、命令およびデータの異なる部分が、異なるタイプの媒体上に格納される。
【0019】
[0025] 命令132は、プロセッサによって、直接的(機械コードなど)または間接的(スクリプトなど)に実行される命令の任意のセットであり得る。例えば、命令は、コンピューティング装置可読媒体上にコンピューティング装置コードとして格納され得る。それに関連して、用語「命令」および「プログラム」は、本明細書では区別しないで使用され得る。命令は、プロセッサによる直接処理のためにオブジェクトコード形式で、または要求に応じて解釈されるか、もしくは予めコンパイルされるスクリプトもしくは独立したソースコードモジュールの集合を含む任意の他のコンピューティング装置言語で、格納され得る。命令の機能、方法およびルーチンは以下でさらに詳細に説明される。
【0020】
[0026] データ134は、命令132に従い、プロセッサ120によって、取得、格納、または変更され得る。一例として、メモリ130のデータ134は、挙動モデルを格納し得る。挙動モデルは、異なる車両(乗用車、オートバイ、大型トラック(例えば、トラクタートレーラー)、バスなど)または歩行者または自転車運転者などの、特定のタイプの物体の動作に対する予測を提供するように構成され得る。これらの挙動モデルは従って、人間研究、車両の知覚システムによって収集されたデータから学習された、物体がどのように動くかに関する直観から作成され得る。挙動モデルは、予測情報を提供し、例えば、予期される反応時間、速度変化(どのくらい迅速に物体が加速または減速するか、およびどのくらい積極的に物体がブレーキをかけるか、もしくは加速するか)、進行方向の変化などを含み得る。
【0021】
[0027] データは、車両のための適用プロトコルも格納し得る。例えば、以下で説明する地図情報に組み込まれ得る、制限速度、交通信号、車線変更などの、法的要求事項の順守に加えて、適用プロトコルは、車両の乗客の快適さおよび安全性を促進するように車両が動作できることを意図した、車両に対する追加の要求事項を含み得る。
【0022】
[0028] 例えば、適用プロトコルは、車両100が別の車両の前で方向転換する場合に、2台の車両が、5~10メートルなど、何らかの所定の距離よりも近づかないことを必要とし得る。これは、「法的」要求事項ではない可能性があるが、かかる適用プロトコルを有することは、車両100(および車道上の他の車両)の乗客が安全でより快適に感じるのを可能にする。別の例として、適用プロトコルは、車両100の任意の動作によって、他の車両の乗客の快適さおよび安全性を損ない得る動作を他の車両が行うことにならないことを要求し得る。例えば、車両は、別の車両に対し他の車両の現在の挙動を「あまりに多く」変更することを要求し得る動作を行わないことがある。言い換えれば、適用プロトコルは、車両100による動作に応じた、別の車両による動作の量または動作のタイプを制限し得る。一例として、適用プロトコルが車両100の動作によって違反され得る場合、車両のコンピューティング装置は、車両100がその動作を行うのを禁止し得る。例えば、衝突を回避するために、別の車両が、急な加速もしくは急な減速を行うこと(加速または減速のレートが高すぎると乗客にとって心地良くないであろう)、車線変更もしくは路肩を走行すること、または速すぎる速度で、もしくは違法な方向転換など、車両に対する法的要求事項に反するように走行することを必要とし得る動作は、適用プロトコルによって禁止されるであろう。しかし、同時に、別の車両によるわずかな減速または加速を引き起こし得る車両100による何らかの動作は、以下でさらに説明するように、適用プロトコルに従って許容可能であるか、または適用プロトコルの範囲内であり得る。
【0023】
[0029] 1つまたは複数のプロセッサ120は、市販のCPUなどの、任意の従来型のプロセッサであり得る。代替として、1つまたは複数のプロセッサは、ASICまたは他のハードウエアベースのプロセッサなどの、専用装置であり得る。図1は、コンピューティング装置110のプロセッサ、メモリ、および他の要素を同じブロック内にあるとして機能的に例示しているが、プロセッサ、コンピューティング装置、またはメモリは、実際には、同じ物理筐体内に格納されることもあれば格納されないこともある、複数のプロセッサ、コンピューティング装置、またはメモリを含み得ることが当業者によって理解されるであろう。一例として、内部電子ディスプレイ152は、プロセッサまたは中央処理装置(CPU)、メモリなどを有する専用コンピューティング装置によって制御され得、それは、高帯域幅または他のネットワーク接続を経由してコンピューティング装置110とインタフェースを取り得る。いくつかの例では、このコンピューティング装置は、ユーザーのクライアント装置と通信できるユーザーインタフェースコンピューティング装置であり得る。同様に、メモリは、コンピューティング装置110のそれとは異なる筐体内に配置されたハードドライブまたは他の記憶媒体であり得る。従って、プロセッサまたはコンピューティング装置への言及は、並行して動作することもあれば動作しないこともあるプロセッサまたはコンピューティング装置またはメモリの集合への言及を含むと理解されるであろう。
【0024】
[0030] コンピューティング装置110は、前述したプロセッサおよびメモリならびにユーザー入力150(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーンおよび/またはマイクロホン)および様々な電子ディスプレイ(例えば、スクリーンを有するモニターまたは情報を表示するために動作可能な任意の他の電子機器)などの、コンピューティング装置と接続して通常使用される構成要素の全てを含み得る。この例では、車両は、情報または視聴覚体験を提供するために、内部電子ディスプレイ152および1つまたは複数のスピーカ154を含む。これに関連して、内部電子ディスプレイ152は、車両100の室内に設置され得、車両100内の乗客に情報を提供するためにコンピューティング装置110によって使用され得る。内部スピーカに加えて、1つまたは複数のスピーカ154は、車両100の外部の物体に可聴通知を提供するために、車両上の様々な場所に配置される外部スピーカを含み得る。
【0025】
[0031] 一例では、コンピューティング装置110は、車両100に組み込まれた自律運転コンピューティングシステムであり得る。自律運転コンピューティングシステムは、車両の様々な構成要素と通信可能であり得る。例えば、図1に戻ると、コンピューティング装置110は、車両の乗客からの継続的または定期的な入力を要求も必要ともしない自律走行モードで、メモリ130の命令132に従って、車両100の動き、速度などを制御するために、減速システム160(車両の制動を制御するため)、加速システム162(車両の加速を制御するため)、ステアリングシステム164(車輪の方向および車両の向きを制御するため)、信号通知システム166(方向指示器を制御するため)、ナビゲーションシステム168(車両を場所または物体の周辺にナビゲートするため)、位置決めシステム170(車両の位置を決定するため)、知覚システム172(車両の環境内で物体を検出するため)、および動力システム174(例えば、バッテリおよび/もしくはガソリンまたはディーゼル駆動エンジン)などの、車両100の様々なシステムと通信し得る。この場合もやはり、これらのシステムはコンピューティング装置110の外部として示されているが、実際には、これらのシステムも同様に、車両100を制御するための自律運転コンピューティングシステムとして、コンピューティング装置110に組み込まれ得る。
【0026】
[0032] 知覚システム172は、他の車両、車道上の障害物、交通信号、標識、木などの、車両の外部の物体を検出し、それに関する分析を実行するための1つまたは複数の構成要素も含む。例えば、知覚システム172は、レーザー、ソナー、レーダー、1つまたは複数のカメラ、またはコンピューティング装置110によって処理され得るデータを記録する任意の他の検出装置を含み得る。車両が、自動車などの小型乗用車である場合、自動車はルーフまたは他の好都合な場所に取り付けられたレーザーを含み得る。
【0027】
[0033] コンピューティング装置110は、様々な構成要素を制御することによって車両の向きおよび速度を制御し得る。例として、コンピューティング装置110は、地図情報およびナビゲーションシステム168(以下でさらに説明)からのデータを使用して、完全に自律的に目的地の位置まで車両をナビゲートし得る。コンピューティング装置110は、位置決めシステム170を使用して車両の位置を判断し、知覚システム172を使用して、目的地の位置に安全に到達するために必要に応じて物体を検出し、それに対応し得る。それを行うために、コンピュータ110は、車両に加速(例えば、加速システム162によって、エンジンに供給される燃料または他のエネルギーを増加させることによる)、減速(例えば、減速システム160によって、エンジンに供給される燃料を減少させ、ギアを変更し、かつ/またはブレーキをかけることによる)、方向転換(例えば、ステアリングシステム164によって、車両100の前輪または後輪の向きを変えることによる)、およびかかる変更の信号通知(例えば、信号通知システム166の方向指示器を点灯することによる)を行わせ得る。従って、加速システム162および減速システム162は、車両のエンジンと車両の車輪との間の様々な構成要素を含むドライブトレインの一部であり得る。この場合もやはり、これらのシステムを制御することにより、コンピュータ110は、車両を自律的に操縦するために、車両のドライブトレインも制御し得る。
【0028】
[0034] 一例として、コンピューティング装置110は、車両の速度を制御するために、減速システム160および加速システム162とやり取りし得る。同様に、ステアリングシステム164は、車両100の向きを制御するためにコンピューティング装置110によって使用され得る。例えば、車両100が、自動車またはトラックなど、道路上での使用のために構成される場合、ステアリングシステムは、車両の向きを変えるために、車輪の角度を制御するための構成要素を含み得る。信号通知システム166は、車両の意図を他の運転者または車両に、例えば、方向指示器またはブレーキライトを必要に応じて点灯することによって、信号通知するために、コンピューティング装置110によって使用され得る。
【0029】
[0035] ナビゲーションシステム168は、位置までのルートを決定して辿るためにコンピューティング装置110によって使用され得る。これに関連して、ナビゲーションシステム168および/またはデータ134は、地図情報、例えば、コンピューティング装置110が車両をナビゲートまたは制御するために使用できる非常に詳細な地図、を格納し得る。一例として、これらの地図は、車道の形状および隆起、車線マーカー、交差点、横断歩道、制限速度、交通信号灯、建物、標識、リアルタイム交通情報、草木、または他のかかる物体および情報を識別し得る。車線マーカーは、例えば、実線または破線の二重もしくは一重の車線境界線、実線または破線の車線境界線、反射板などの特徴を含み得る。所与の車線は、左右の車線境界線または車線の境界を画定する他の車線マーカーと関連付けられ得る。従って、ほとんどの車線は、1つの車線の左縁と別の車線の右縁によって境界され得る。
【0030】
[0036] 図2は、交差点202および204を含む車道の部分に対する地図情報200の一例である。この例では、詳細な地図情報200は、車線境界線210、212、214、交通信号灯220、222、横断歩道230、232、歩道240、停止標識250、252、および譲れの標識260の形状、位置、および他の特徴を識別する情報を含む。車両が走行できるエリアは、地図情報内の様々な位置で車両が一般に、進むべき位置および方向を示す、1つまたは複数のレール270、272、および274と関連付けられ得る。例えば、車両は、車線境界線210と212との間の車線を走行する場合に、レール270を走行し得、交差点204で右折するためにレール272に移行し得る。その後、車両はレール274を辿り得る。言うまでもなく、レールの数および特質を考慮して、簡潔さおよび理解を容易にするために、地図情報200内には2~3だけが描かれている。
【0031】
[0037] 詳細な地図情報は、本明細書では画像ベースの地図として示されているが、地図情報は完全に画像ベースである必要はない(例えば、ラスター)。例えば、詳細な地図情報は、道路、車線、交差点、およびこれらの特徴間の連結などの情報の1つまたは複数のロードグラフまたは、グラフネットワークを含み得る。各特徴はグラフデータとして格納され得、地理的位置などの情報と関連付けられ得、他の関連した特徴にリンクされるか否かに関わらず、例えば、停止標識は道路および交差点などにリンクされ得る。いくつかの例では、関連付けられたデータは、あるロードグラフ特徴の効率的な検索を可能にするために、ロードグラフのグリッドベースの指標を含み得る。
【0032】
[0038] 図3A図3Dは、車両100の外観図の例である。図に示すように、車両100は、ヘッドライト302、フロントガラス303、テールライト/方向指示器304、リヤウィンドウ305、ドア306、サイドミラー308、タイヤおよび車輪310、ならびに方向指示器/駐車灯312などの、典型的な車両の多くの特徴を含む。ヘッドライト302、テールライト/方向指示器304、および方向指示器/駐車灯312は、信号通知システム166と関連付けられ得る。光バー307も信号通知システム166と関連付けられ得る。前述のとおり、車両100は、前述のように1つまたは複数のスピーカ154に対応する車両の外面上に配置された様々なスピーカ314を含み得る。
【0033】
[0039] 車両100の1つまたは複数のコンピューティング装置110は、また、他のコンピューティング装置に、および他のコンピューティング装置から情報を受信し、または伝達し得る。図4および図5はそれぞれ、ネットワーク440を介して接続された複数のコンピューティング装置410、420、430、440およびストレージシステム450を含むシステム例400の、絵図および機能図である。システム400は、車両100、および車両100と同様に構成され得る車両100Aも含む。簡略化のために2、3の車両およびコンピューティング装置しか示されていないが、典型的なシステムははるかに多くを含み得る。
【0034】
[0040] 図4に示すように、コンピューティング装置410、420、430、440の各々は、1つまたは複数のプロセッサ、メモリ、データおよび命令を含み得る。かかるプロセッサ、メモリ、データおよび命令は、コンピューティング装置110の1つまたは複数のプロセッサ120、メモリ130、データ134、および命令132と同様に構成され得る。
【0035】
[0041] ネットワーク440、および介在ノードは、Bluetooth、Bluetooth LEなどの近距離通信プロトコル、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルネットワーク、1つまたは複数の企業に専用の通信プロトコルを使用するプライベートネットワーク、イーサネット、WiFiおよびHTTP、ならびに前述の様々な組合せを含む様々な構成およびプロトコルを含み得る。かかる通信は、モデムおよび無線インタフェースなどの、他のコンピューティング装置へ、および他のコンピューティング装置からのデータの送信が可能な任意の装置によって容易にされ得る。
【0036】
[0042] 一例では、1つまたは複数のコンピューティング装置110は、複数のコンピューティング装置を有するサーバー、例えば、他のコンピューティング装置へ、および他のコンピューティング装置からデータを受信、処理、および送信する目的で、ネットワークの異なるノードと情報を交換する、負荷分散されたサーバーファームを含み得る。例えば、1つまたは複数のコンピューティング装置210は、車両100の1つまたは複数のコンピューティング装置110または車両100Aの同様のコンピューティング装置、およびクライアントコンピューティング装置420、430、440とネットワーク440を介して通信可能な1つまたは複数のサーバーコンピューティング装置を含み得る。例えば、車両100および車両100Aは、サーバーコンピューティング装置によって様々な位置に派遣できる車両群の一部であり得る。これに関連して、車両群は車両のそれぞれの位置決めシステムによって提供された位置情報をサーバーコンピューティング装置に定期的に送信し得、1つまたは複数のサーバーコンピューティング装置は車両の位置を追跡し得る。
【0037】
[0043] 加えて、サーバーコンピューティング装置410は、ネットワーク440を使用して、情報を、ユーザー422、432、442などのユーザーに、コンピューティング装置420、430、440のディスプレイ424、434、444などの、ディスプレイ上に送信して提示し得る。これに関連して、コンピューティング装置420、430、440は、クライアントコンピューティング装置と考えられ得る。
【0038】
[0044] 図5に示すように、各クライアントコンピューティング装置420、430、440は、ユーザー422、432、442による使用が意図されるパーソナルコンピューティング装置であり得、1つまたは複数のプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))、データおよび命令を格納するメモリ(例えば、RAMおよび内部ハードドライブ)、ディスプレイ424、434、444などのディスプレイ(例えば、画面を有するモニター、タッチスクリーン、プロジェクタ、テレビ、または情報を表示するために動作可能な他の装置)、およびユーザー入力装置426、436、446(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーンまたはマイクロホン)を含む、パーソナルコンピューティング装置と接続して通常使用される構成要素の全てを有し得る。クライアントコンピューティング装置は、ビデオストリームを記録するためのカメラ、スピーカ、ネットワークインタフェース装置、およびこれらの要素を相互に接続するために使用される構成要素の全ても含み得る。
【0039】
[0045] クライアントコンピューティング装置420、430、440は各々、フルサイズのパーソナルコンピューティング装置を含み得るが、それらは代替として、インターネットなどのネットワークを経由して、サーバーと無線でデータを交換可能なモバイルコンピューティング装置を含み得る。ほんの一例として、クライアントコンピューティング装置420は、携帯電話または、インターネットもしくは他のネットワークを介して情報を取得可能な無線対応PDA、タブレットPC、ウェアラブルコンピューティング装置もしくはシステム、ラップトップ、またはネットブックなどの装置であり得る。別の例では、クライアントコンピューティング装置430は、図4に示すような「スマートウォッチ」などの、ウェアラブルコンピューティング装置であり得る。一例として、ユーザーは、キーボード、キーパッド、多機能入力ボタン、マイクロホン、カメラまたは他のセンサーを用いた視覚信号(例えば、手または他のジェスチャ)、タッチスクリーンなどを使用して情報を入力し得る。
【0040】
[0046] いくつかの例では、クライアントコンピューティング装置440は、ユーザー422および432などのユーザーにコンシェルジュサービスを提供するために管理者によって使用されるコンシェルジュワークステーションであり得る。例えば、コンシェルジュ442は、以下でさらに詳細に説明するように、車両100および車両100Aの安全な運用ならびにユーザーの安全を確実にするために、コンシェルジュワークステーション440を使用して、ユーザーと、それぞれのクライアントコンピューティング装置または車両100もしくは車両100Aを通して、電話または音声接続経由で通信し得る。図4および図5には1つのコンシェルジュワークステーション440しか示されていないが、任意の数のかかるワークステーションが典型的なシステム内に含まれ得る。
【0041】
[0047] ストレージシステム450は、以下でさらに詳細に説明するように、様々なタイプの情報を格納し得る。この情報は、本明細書で説明する特徴の一部または全部を実行するために、1つまたは複数のサーバーコンピューティング装置410などの、サーバーコンピューティング装置によって取り出され得るか、または別の方法でアクセスされ得る。例えば、情報は、1つまたは複数のサーバーコンピューティング装置に対してユーザーを識別するために使用できる認証情報(例えば、従来型の単一要素認証の場合におけるようなユーザー名とパスワード、およびランダム識別子、生体認証などの多要素認証において典型的に使用される他のタイプの認証情報)などのユーザーアカウント情報を含み得る。ユーザーアカウント情報は、ユーザー名、連絡先、ユーザーのクライアントコンピューティング装置(または、同じユーザーアカウントで複数の装置が使用される場合には、複数の装置)の識別情報、およびユーザーに対する1つまたは複数の固有の信号などの、個人情報も含み得る。
【0042】
[0048] ストレージシステム450は、位置間のルートを生成および評価するためのルート指定データも格納し得る。例えば、ルート指定情報は、第1の位置における車両が第2の位置に到着するのにどのくらいかかるかを推定するために使用され得る。これに関して、ルート指定情報は、前述の詳細な地図情報ほど必ずしも詳細ではないが、道路、および方向(一方通行、対面通行など)、方位(北、南など)、制限速度などのそれらの道路に関する情報、および予期される交通状態などを識別する交通情報を含む、地図情報を含み得る。
【0043】
[0049] メモリ130と同様、ストレージシステム250は、ハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、CD-ROM、書込み可能、および読出し専用メモリなどの、サーバーコンピューティング装置410によってアクセス可能な情報を格納できる任意のタイプのコンピュータ制御ストレージにできる。加えて、ストレージシステム450は、同じか、または異なる地理的位置に物理的に設置され得る複数の異なる記憶装置上にデータが格納される分散ストレージシステムを含み得る。ストレージシステム450は、図4に示すように、ネットワーク440を介してコンピューティング装置に接続され得、かつ/またはコンピューティング装置110、410、420、430、440などのいずれかに直接接続されるか、またはそれらに組み込まれ得る。
【0044】
[0050] 前述して、図に例示する操作に加えて、ここで様々な操作を説明する。以下の操作は、以下で説明する正確な順序で実行する必要がないことを理解すべきである。むしろ、様々なステップは異なる順序で、または同時に処理でき、ステップはまた、追加または省略され得る。
【0045】
[0051] 一態様では、ユーザーは、車両を要求するためのアプリケーションをクライアントコンピューティング装置にダウンロードし得る。例えば、ユーザー422および432は、アプリケーションを、電子メール内のリンクを経由して、ウェブサイト、またはアプリケーションストアから直接、クライアントコンピューティング装置420および430にダウンロードし得る。例えば、クライアントコンピューティング装置は、アプリケーションに対する要求をネットワークを経由して、例えば、1つまたは複数のサーバーコンピューティング装置410に送信し、それに応答して、アプリケーションを受信し得る。アプリケーションは、クライアントコンピューティング装置にローカルにインストールされ得る。
【0046】
[0052] ユーザーは次いで、自身のクライアントコンピューティング装置を使用してアプリケーションにアクセスして、車両を要求し得る。一例として、ユーザー432などのユーザーは、クライアントコンピューティング装置430を使用して、車両に対する要求を1つまたは複数のサーバーコンピューティング装置410に送信し得る。要求は、迎車位置もしくはエリアおよび/または目的地の位置もしくはエリアを識別する情報を含み得る。それに応じて、1つまたは複数のサーバーコンピューティング装置410は、例えば、利用可能性および位置に基づいて、車両を識別して、迎車位置に派遣し得る。この派遣は、車両をユーザー(および/またはユーザーのクライアントコンピューティング装置)、迎車位置、および目的地の位置もしくはエリアに割り当てるためにユーザー(および/またはユーザーのクライアントコンピューティング装置)を識別する情報を車両に送信することを伴い得る。
【0047】
[0053] 一旦、車両100が車両を派遣する情報を受信すると、車両の1つまたは複数のコンピューティング装置110は前述の様々な特徴を使用して車両を迎車位置まで操縦し得る。一旦ユーザー、ここでは乗客が、安全に車両内に入ると、コンピュータ110は、目的地の位置までルートに沿って車両を自律的に制御するために必要なシステムを開始し得る。例えば、ナビゲーションシステム168は、データ134の地図情報を使用して、地図情報200の繋がれたレールの集合を辿る目的地の位置までのルートまたは経路を決定し得る。コンピューティング装置110は次いで、前述のように、ルートに沿って目的地に向かって、車両を自律的に(または自律走行モードで)操縦し得る。
【0048】
[0054] ルートに沿って進むために、コンピューティング装置110は、第1の車両が特定の動作を行う必要があると判断し得る。例えば、動作は、左折して別の車道、駐車場もしくは私道に入ること、他の車両が不規則に、または制限速度をはるかに下回って走行している場合に別の車両を追い越すこと、または別の車道に右折することを含み得る。これらの動作の多くは、例えば、衝突の可能性がある他の車両が周辺にいなくなるまで、単に待つことによって行われ得る。しかし、特に交通量の多いエリアでは、このタイプの方策は、乗客にとって苛立たしく、不当な遅延を生じ得る。それに関して、単に待つのではなく、車両は、目的地まで特定のルートを辿るために、例えば、車両の前で方向転換する(車両の前に進み出る)こと、狭い道へ進入すること、(例えば、車線を変更する際に)2台の車両間に車間距離を見つけること、多方向一時停止(すなわち、全方向一時停止または両方向一時停止)のある交差点を通過すること、または車両を追い越すことによって、より主張的動作を行うことができるかどうかを判断し得る。言うまでもなく、多くの状況において、より主張的動作を行うことは、車道上の他の車両がどのくらいその主張的動作に応じそうであるかによって決まり得る。
【0049】
[0055] 図6図10は、車両が、ルートに沿って進んで、車両の任意の乗客または複数の乗客に対して不快であるか、または不都合な遅延を回避するために、前述したような、かかる主張的動作を行う必要があり得る異なる状況の例である。例は、自律走行車が主張的挙動を行い得る現実世界の状況を提供することが含まれるが、それに限定することを意図していない。それに関して、例は、幾分単純化されており、本明細書で説明する特徴が利用され得る全ての状況は示していない。加えて、本明細書で提供する例は、左ハンドルの国に特有であるが、(車線および方向転換などの方向が逆であるとすれば)右ハンドルの国にも同様に関連し得る。
【0050】
[0056] 例の各々は、交差点602および604を含む車道600の部分を示す。この例では、交差点602、604、および606は、それぞれ、地図情報200の交差点202および204に対応する。この例では、車線境界線610、612、および614は、それぞれ、車線境界線210、212、および214の形状、位置、および他の特徴に対応する。同様に、横断歩道630および632は、それぞれ、横断歩道230および232の形状、位置、および他の特徴に対応し;歩道640は、歩道240に対応し;交通信号灯622、624、および626は、それぞれ、交通信号灯222、224、および226に対応し;停止標識650,652は、それぞれ、停止標識250,252に対応し;譲れの標識660は、譲れの標識260に対応する。
【0051】
[0057] 図6の例では、車両100は、交差点604に向かって走行していて、車両100が交差点604で左折することを必要とするルートを辿っている。そのルートは、破線矢印670によって表されている。図7の例では、車両100は、交差点604から出て離れるように走行していて、破線矢印770によって表されるルートを辿っている。図8の例では、車両は、右折をして、破線矢印870によって表されるルートを辿っている。
【0052】
[0058] 車両が目的地に向かいルートに沿って移動するとき、知覚システム172は、コンピューティング装置110に車両の環境に関する情報を提供し得る。これは、例えば、車両の環境内の物体を識別する情報および、タイプ、位置、速度、進行方向、サイズ、形状など、それらの物体の特徴を含み得る。例えば、コンピューティング装置110は、車道内の他の車両を識別する情報、車両のタイプ(乗用車、バス、トラックなど)およびそれらの速度、進行方向、サイズなどを受信し得る。図6に戻ると、車両100が交差点604に近づくと、コンピューティング装置110は、車両680の位置、ならびにそのタイプ、速度、および進行方向(矢印682の方向によって示される)に関する情報を受信し得る。図7では、車両100がルート770に沿って操縦しているとき、車両110は車両780に後ろから近付いている。この例では、交差点604に近づくと、コンピューティング装置110は、車両680の位置ならびにそのタイプ、速度、および進行方向に関する情報を受信し得る。この例では、情報は、車両780が車道内で停止またはほぼ停止しているか、そうでなければ、例えば、車線から逸れているか、または路肩上を一部走行するなどにより、不規則に走行していることを示し得る。図8では、車両100がルート870に沿って操縦しているとき、コンピューティング装置110は、車両880の位置ならびにそのタイプ、速度、および進行方向(矢印882の方向によって示される)に関する情報を受信し得る。
【0053】
[0059] コンピューティング装置110は、適用プロトコルに従い、別の車両が反応する動作を必要とすることなく、特定の時点で動作し得るかどうかも判断し得る。言い換えれば、コンピューティング装置は、前述のように、動作が主張的動作であるかどうかを判断し得る。例えば、図6に戻ると、車両680の速度および車両680と交差点604との間の距離を考慮して、車両100が交差点604に入り、車両680に近づき過ぎることなく左折するためには時間が足りない可能性がある。言い換えれば、車両680の速度に変化がないとすれば、車両100が車両680の前で左折をした場合、両車両は相互に近づき過ぎて、車両100は適用プロトコルに違反することになるであろう。同様に、図8の例では、車両100が車両880の前で右折をした場合(例えば、車両880の前で車道に合流することにより)、両車両は相互に近づき過ぎて、車両100は適用プロトコルに違反することになるであろう。図7の例では、車両は2車線道路上を走行していて、追い越しには、車両780が車線境界線610を越えて対向車線に入ることを必要とし、これも同様に、適用プロトコルに違反することになるので、車両100は、典型的には、車両780を追い越すことができないであろう。
【0054】
[0060] 車両が適用プロトコルに違反することにならないか、または別の車両が反応する動作を必要としない場合、動作は主張的であると考えられないので、車両100は、単に動作を行うだけだろう。しかし、適用プロトコルに違反することになる場合(または実際には、かかる処理が連続して行われ得るので、いかなる場合でも)、コンピューティング装置110は、主張的動作を行おうとしている車両100に対して、別の物体がどのように反応するかに関して予測を行い得る。例えば、コンピューティング装置100は、第1の車両が特定の時点で動作を行うとしたら、車両100が第1の車両の適用プロトコルに従うことができるようにする特定の動作で他の物体が反応するだろうという予測を生成し得る。
【0055】
[0061] これらの例では、予測は、他の車両が予測された動作で反応した場合、自律走行車は、安全に、または適用プロトコルに従いながら、主張的動作を行うことができることを示し得る。例えば、図6または図8におけるように、左折または右折するには、適用プロトコルに従うために、車両の速度に応じて、車両が別の車両から、5または10メートルなど、ある距離にないことを必要とする。いくつかの場合、方向転換するには、車両間の最小距離を維持するために、他の車両が、減速などの、何らかの動作で反応する限り、依然として適用プロトコルに従い得る。従って、他の車両が何らかの動作で反応することを必要とするので、動作は、主張的動作と考えられ得る。これに関して、前述のように、動作が主張的動作ではなかった場合、車両100は、適用プロトコルに従いながら、動作を行うことができるので、その動作を単に行うだけだろう。
【0056】
[0062] 図7の例を参照すると、車両780を安全に追い越すには、車両100が対向車線内にいる時間をできるだけ短くするように、車両100はできるだけ迅速に追い越すことを必要とし得る。従って、同じ進行方向に空いている車線がないので、対向車線に入って車両を追い越すことは、常に、主張的動作と考えられ得る。
【0057】
[0063] 予測自体は、挙動モデルに基づき得る。例えば、図6に関して、車両100および車両680の交差点604に関する位置、進行方向および速度は、車両680のような車両(すなわち、小型乗用車)などの物体に対する挙動モデルへの入力として使用され得る。挙動モデルは、次いで、車両100が車両680の前で(すなわち、車両680が交差点を通過するのを待つことなく)左折しようとした場合、車両680がどのように反応するかに関する予測を提供し得る。例えば、図6の状況では、車両100が車両680の前でルート670に沿って左折しようとした場合、車両680は、減速することが予期され得る。言うまでもなく、車両680が減速することにより、車両100は、適用プロトコルに違反することなく、動作を行うことが可能であり得る。従って、図6の左折は主張的挙動と考えられ得る。同様に、車両680が交差点内で車両100を通り過ぎるまで、車両100が待った場合、左折は主張的挙動と見なされないであろう。
【0058】
[0064] 図7の例に関して、車両780周辺を安全に操縦して追い越すには、車両100が対向車線内にいる時間をできるだけ短くするように、車両100はできるだけ迅速に追い越すことを必要とし得る。挙動モデルは、安全に動作を行うためには、車両780は、減速すること、最も近くの路肩に寄せること、車線を変更すること(可能な場合)など、を含む様々な1つまたは複数の動作を行う必要があることを予測し得る。言い換えれば、車両780が加速した場合、動作を行うにはあまりにも危険になり得、そのため、コンピューティング装置110は追い越す操縦を行わないであろう。
【0059】
[0065] 図8の例では、挙動モデルは、車両100が車両880の前で右折しようとした(すなわち、車両880が車両100を通り過ぎるのを待つことなく)場合、車両880がどのように反応するかに関する予測を提供し得る。例えば、図8の状況では、車両100が車両880の前でルート870に沿って右折しようとした場合、車両880は、減速することが予期され得る。言うまでもなく、車両880が減速することにより、車両100は、適用プロトコルに違反することなく、動作を行うことが可能であり得る。従って、図8の右折は主張的挙動と考えられ得る。同様に、車両880が交差点内で車両100を追い越すまで、車両100が待った場合、左折は主張的挙動と見なされないであろう。
【0060】
[0066] 次に、車両は、主張的挙動に対する予測を「テストする」ために動作し得る。この動作は、動作を行うように車両を操縦するが、主張的動作を完全には行わないためように、非常にゆっくりと行うか、中止する(適切な場合)か、または減速することを含み得る。この動作は、動作を行うための極小さいステップであり得るが、車両100が主張的挙動を行う意図があることを他の車両に通知するのに十分である。言い換えれば、主張的動作を行うための極小さい動きは、主張的動作を行うという車両の「意図」を他の人間の運転者に可能な限り速やかに通知できる。その上、車両は、主張的動作を実際に行うかどうかを判断する時間がまだあるので、車両のコンピュータは主張的動作を遅らせて、完全に中止して主張的挙動を行わない余地を残すことができる。
【0061】
[0067] 図6の例に戻ると、コンピューティング装置110は、図9の例900に示す位置に車両100を移動させ得る。ここで、車両100は、交差点604に入り、右折に向けて曲がっている。車両100は車両680の車線の方にわずかに移動してその車線に入るよう位置決めされているが、依然として車両680に、車両100と衝突することなく、交差点604を通過する十分な余地を提供する。車両100のこの位置決めは、車両100が左折をする意図があることを車両680(または、場合によっては車両680の運転者)に示し得る。方向指示器などの、他の信号も、車両のコンピューティング装置の意図を示すために使用され得る。
【0062】
[0068] 図7の例では、コンピューティング装置110は、車両100を、図10の例1000に示す位置に移動させ得る。ここで、車両100は、対向車線に一部、入っていて、車両780を追い越すためにその速度をわずかに上げている。車両100のこの位置決めは、車両100が車両780を追い越す意図があることを車両780(または、場合によっては車両780の運転者)に示し得る。この場合もやはり、方向指示器などの、他の信号も、車両のコンピューティング装置の意図を示すために使用され得る。
【0063】
[0069] 図8の例に戻ると、コンピューティング装置110は、車両100を、図11の例1100に示す位置に移動させ得る。車両100は車両880の車線の方にわずかに移動してその車線に入るよう位置決めされているが、依然として車両880に、車両100と衝突することなく、車両100を通り過ぎるのに十分な余地を提供する。車両100のこの位置決めは、車両100が右折をする意図があることを車両880(または、場合によっては車両880の運転者)に示し得る。方向指示器などの、他の信号も、車両のコンピューティング装置の意図を示すために使用され得る。
【0064】
[0070] 一旦、車両が予測を「テストする」ために動作を行うと、自律走行車のコンピュータは、他の物体が予測に従った動作で対応し始めているかどうかを判断し得る。これが予測に従って生じていないか、または遅すぎる場合、車両100は主張的動作を行うための小さいステップを行っているのに過ぎないので、自律走行車は主張的動作を「中止(abort)」し得る。このように、自律走行車は、事故または車両が相互に近づき過ぎる(例えば、前述のように5または10メートル以内)のを防ぐように動作し得る。このようにして、自律走行車は、主張的挙動が他の車両(または他の車両の運転者)によって理解されており、主張的挙動を安全に行うことができることをより確信できる。
【0065】
[0071] 例えば、図9では、車両100が交差点604に入ると、車両680も交差点604に近づく(図6と比較して)。車両680が、予測された動作で反応するような特定の速度まで、または、特定の減速レートで減速している(言い換えれば、車両680が十分に減速している)場合、車両100は、単に主張的動作を行って、車両680が車両100を通り過ぎるか、または交差点を通過するのを待つことなく、左折し得る。車両が、予測された動作で反応しない場合、例えば、車両680が十分に減速しないか、または加速する場合、車両100は主張的動作を中止して、左折をする前に、車両680が車両100を通り過ぎるのを単に待ち得る。
【0066】
[0072] 図10に戻ると、車両100が対向車線に入るとき、車両780はわずかに前方に移動するか、または停止したまま(または他の例では、不規則に走行し続けている)であり得る。車両780が、予測された動作で反応するように、特定の速度まで、もしくは特定の減速レートで減速しているか、または路肩に寄る場合、車両100は、単に主張的動作を行い、対向車線を使用して車両780を追い越し得る。車両が、予測された動作で反応しない場合、例えば、車両680が十分に減速しないか、加速するか、または車線境界線610の方に移動する場合、車両100は主張的動作を中止して、車両780の車線に戻り得る。言うまでもなく、車両100は、その後、追い越し操縦を再度、試み得る。
【0067】
[0073] 図11に関して、車両100が車両880の車線に入ると、車両880も交差点604に入る(図8と比較して)。車両880が、予測された動作で反応する特定の速度まで、または特定の減速レートで減速している場合、車両100は、単に主張的動作を行って、車両680が車両100を通り過ぎるのを待つことなく、右折し得る。車両が、予測された動作で反応しない場合、例えば、車両880が十分に減速しないか、または加速する場合、車両100は主張的動作を中止して、右折をする前に、車両880が車両100を通り過ぎるのを単に待ち得る。
【0068】
[0074] 加えて、前述の例に従い、様々な他のタイプの主張的操縦に対する予測が行われてテストされ得る。例えば、車両100が、ごみ収集車、緊急車両、または工事で2車線道路の1車線が部分的に塞さがれている場所などの、狭い道に入る場合、コンピューティング装置は、他の車両の反応に関する予測を行ってテストし得る。これは、車両100が、物体を迂回して移動するか、または対向車両にも物体を通過するのに十分な余地を与えるために可能な限り右端に移動するために、対向交通の車線を部分的に走行することにより主張的動作を行うことを必要とし得る。この例では、コンピューティング装置は、他の車両が車両100に物体を安全に通過するために十分な余地を提供することも、しないこともあることを予測し得、コンピューティング装置は、車両100を、物体を迂回してゆっくりと移動させ始め、主張的動作を行う前に、対向車両が予測に従って反応するのを待つことにより、予測をテストし得る。
【0069】
[0075] 別の例では、2台の車両間に車間距離を見つける場合に、予測が行われてテストされ得る。例えば、車両100が隣の車線に移る必要があるが、隣の車線内の2台の車両間に、適用プロトコルに従った十分な余地がない場合である。この例では、コンピューティング装置は、車両100が2台の車両間に移動し始める場合に、2台の車両が車間距離をあけるかどうかを予測し得る。この場合もやはり、コンピューティング装置は、車両を2台の車両間に移動させ始め、方向指示器を使用して車両が2台の車両の間に移動する意図があることを示すことにより予測をテストし得る。コンピューティング装置は、2台の車両の一方または両方が反応し始める(例えば、車間距離を縮めるか、保つか、またはあけることによって)まで、主張的動作を行うのを待ち得る。
【0070】
[0076] さらに別の例では、コンピューティング装置は、交差点で別の車両も停止している、多方向一時停止(すなわち、全方向一時定置または両方向一時停止)のある交差点を進む前に停止する場合に、予測を行ってテストし得る。この例では、コンピューティング装置は、他の車両が車両100を最初に進ませ得るかどうかを予測し得る。この場合もやはり、コンピューティング装置は、予測をテストするために車両を操縦し得るが、例えば、車両100を交差点に入れて、他の車両が反応し始める(例えば、同様に交差点内に進むか、または静止したままによって)まで、主張的動作を行うのを待つ。
【0071】
[0077] 図12は、コンピューティング装置110などの、1つまたは複数のコンピューティング装置によって自律的に実行され得る、車両100などの、第1の車両を制御する流れ図例1200である。この例では、ブロック1210で、1つまたは複数のコンピューティング装置は、第1の車両が動作を行うことができるかどうかを判断する。これは、ブロック1212に示すように、第1の車両が特定の時点で動作を行うとしたら、第1の車両が第1の車両の適用プロトコルに従うのを可能にする特定の動作で第2の車両が反応するという予測を生成し;ブロック1214に示すように、第1の車両と第2の車両とが衝突する特定の時点より前に、第1の車両が動作を取り消し得るように動作を行い、かつ、第1の車両が動作を行おうとしていることを第2の車両または第2の車両の運転者に示すために第1の車両を操縦して;ブロック1216に示すように、第2の車両が、かかる操縦に応じて特定の動作で反応しているかどうかを判断することによって達成される。次に、ブロック1220に示すように、第1の車両が動作を行うことが可能であると判断される場合、第2の車両が特定の動作で反応し始めるかどうか判断して、第1の車両を自律的に制御することにより動作を行う。
【0072】
[0078] 特に指定のない限り、前述の代替例は相互に排他的ではなく、固有の利点を達成するために様々な組合せで実装され得る。前述した特徴のこれらおよび他の変形および組合せは特許請求の範囲によって定義される主題から逸脱することなく利用でき、実施形態の前述の説明は、特許請求の範囲によって定義される主題の限定ではなく例示として解釈されるべきである。加えて、本明細書で説明する例の提供、ならびに「など(such as)」、「を含む」および同様のものと表現される句は、特許請求の範囲の主題を特定の例に限定すると解釈されるべきではなく、むしろ、例は、多くの可能な実施形態の1つだけを例示することを意図する。さらに、異なる図面における同じ参照番号は、同じかまたは同様の要素を識別できる。
【0073】
産業上の利用可能性
[0079] 本発明は、自律走行車の制御を含むが、それに限定されず、幅広い産業上の利用可能性を享受する。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12