(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】熱交換領域を組み込んだバッテリユニット
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6556 20140101AFI20231204BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231204BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20231204BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20231204BHJP
H01M 10/653 20140101ALI20231204BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20231204BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20231204BHJP
H01M 50/22 20210101ALI20231204BHJP
H01M 50/233 20210101ALI20231204BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20231204BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20231204BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20231204BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/625
H01M10/653
H01M10/6568
H01M50/204 401D
H01M50/204 401H
H01M50/22
H01M50/233
H01M50/249
H01M50/271 B
H01M50/293
(21)【出願番号】P 2021504571
(86)(22)【出願日】2019-04-08
(86)【国際出願番号】 EP2019058808
(87)【国際公開番号】W WO2019197338
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-02-03
(32)【優先日】2018-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520393417
【氏名又は名称】ソゲフィ・エア・アンド・クーリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】フロラン,アレクサンドル
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107293661(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0172726(US,A1)
【文献】中国実用新案第203260693(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0190664(US,A1)
【文献】中国実用新案第203260692(CN,U)
【文献】特開2016-170863(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/52-10/667
H01M50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッドおよび/または電気自動車用のバッテリユニット(1)であって
、一方では、物理的および/または電気的に複数のブロックまたはモジュール(2’)
にまとめられた複数のセル(2)またはバッテリ素子を含み、他方では、前記セルまたは素子(2)を収容かつ囲むハウジング(3)を含み、さらに、熱伝導流体(FC)の循環による前記セルまたは素子(2)の温度調整手段(4、5)を含み、
ハウジング(3)は、セル(2)が載せられる少なくとも1つの底部領域(6)の位置に前記セル(2)と前記熱伝導流体(FC)との熱交換を行う少なくとも1つの熱交換領域(6’)を含み、前記1つまたは複数の熱交換領域(6’)が、前記ハウジング(3)の構造内に組み込まれ、
前記または各熱交換領域(6’)が、一方ではセル(2)と、他方では熱伝導流体(FC)と接する高熱伝導率の表面素子(7)を含み、
前記または各熱交換領域(6’)が、セル(2)と直接接する高熱伝導率の表面素子(7)と低熱伝導率の表面素子(9)との間に画定される熱伝導流体(FC)の循環容積(8)を含むバッテリユニットにおいて、
前記ハウジング(3)が、低熱伝導率の剛性材料から出来ており、該ハウジングが、底壁(10’)および側壁(10”)を備えた下部トレイ(10)と上部カバー(11)とから構成され、
底部領域(6)が、高熱伝導率の表面素子(7)をそれぞれが備えた複数の熱交換領域(6’)を含み、高熱伝導率の表面素子の各々が、ハウジング(3)にはめ込まれる素子であり、低熱伝導率の表面素子(9)と液密に結合された、金属プレートまた
は剛性でありかつ良好な熱伝導性の材料から構成され、
プレート状の高熱伝導率の表面素子(7)の各々が、ハウジング(3)の壁(3’)と、一方では周辺で機械的な連結または溶接により結合され、他方では、前記プレート(7)の表面の内部に配置され
た複数の結合領域(15)であって、規則正しく前記プレート(7)の表面に配分された複数の結合領域(15)の位置で結合され、これらのプレート(7)の各々がモジュール(2’)のセル(2)に組み合わされることを特徴とする、
バッテリユニット(1)。
【請求項2】
ハイブリッドおよび/または電気自動車用のバッテリユニット(1)であって
、一方では、物理的および/または電気的に複数のブロックまたはモジュール(2’)
にまとめられた複数のセル(2)またはバッテリ素子を含み、他方では、前記セルまたは素子(2)を収容かつ囲むハウジング(3)を含み、さらに、熱伝導流体(FC)の循環による前記セルまたは素子(2)の温度調整手段(4、5)を含み、
前記ハウジング(3)は、少なくともセル(2)が載せられる底部領域(6)の位置に前記セル(2)と前記熱伝導流体(FC)との熱交換を行う少なくとも1つの熱交換領域(6’)を含み、前記1つまたは複数の熱交換領域(6’)が、前記ハウジング(3)の構造内に組み込まれ、
前記または各熱交換領域(6’)が、一方ではセル(2)と、他方では熱伝導流体(FC)と接する高熱伝導率の表面素子(7)を含み、
前記または各熱交換領域(6’)が、セル(2)と直接接触する高熱伝導率の表面素子(7)と低熱伝導率の表面素子(9)との間に画定される熱伝導流体(FC)の循環容積(8)を含むバッテリユニットにおいて、
底部領域(6)が、高熱伝導率の表面素子(7)をそれぞれが備えた複数の熱交換領域(6’)を含み、高熱伝導率の表面素子の各々が、ハウジング(3)にはめ込まれる素子であり、低熱伝導率の表面素子(9)と液密に結合された、金属プレートまた
は剛性かつ良好な熱伝導性の材料から構成され、
プレート状の高熱伝導率の表面素子(7)の各々が、ハウジング(3)の壁(3’)と、一方では周辺
で連続して
、機械的連結または溶接により結合され、他方では、前記プレート(7)の表面の内部に配置された少なくとも1つの結合領域(15)の位置で結合され、
前記ハウジング(3)が、低熱伝導率の剛性材料から出来ており、該ハウジングが、底壁(10’)および側壁(10”)を備えた下部トレイ(10)と上部カバー(11)とから構成され、
カバー(11)が、少なくとも幾つかのセル(2)と熱伝導流体(FC)との熱交換を行う1つまたは複数の熱交換領域(6’)をその構造内に同様に組み込みしており、カバー(11)の前記または各熱交換領域(6’)が熱伝導流体(FC)の循環容積(8)を含み、該熱交換領域が、低熱伝導率の表面素子(9)を構成するカバー(11)の壁(11’)の形成部または補強部と、セル(2)に、
またはモジュール(2’)の全てのセル(2)に接するプレート状の高熱伝導率の表面素子(7)との協働によって構成されることを特徴とする、
バッテリユニット(1)。
【請求項3】
前記または各熱交換領域(6’)の低熱伝導率の表面素子(9)が、ハウジング(3)の一部をなし
、このハウジングの壁(3’)の一部分を構成することを特徴とする、請求項1または2に記載のバッテリユニット。
【請求項4】
1つまたは複数の様々な熱交換領域(6’)の循環容積(8)がハウジング(3)の構造に組み込まれた熱伝導流体(FC)の1つまたは複数の循環回路(4)の複数部分を形成し、前記回路部分(4)が、流体力学的に直列に接続され、あるいは接続されず、かつ、熱伝導流体(FC)の供給/排出回路(5)の一部をなす分配/収集管(5’、5”)に接続され、これらの回路(4、5)がセル(2)の温度調整手段を構成することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
【請求項5】
ハウジング(3)がプラスチックで出来ており、下部トレイ(10)および上部カバー(11)が、ねじ止めにより周辺で組み立てられ
、密封構造が間に配置されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
【請求項6】
下部トレイ(10)が、その底壁(10)およ
びその側壁(10”)の少なくとも幾つかに形成部または補強部を有し、これらの形成部または補強部は、各々が低熱伝導率の表面素子(9)を構成し、セル(2)、
またはモジュール(2’)の全てのセル(2)と接触するプレート状の高熱伝導率の表面素子(7)とそれぞれ協働して、熱伝導流体(FC)の循環容積(8)を各々が備えた熱交換領域(6’)を形成することを特徴とする、請求項2または5に記載のバッテリユニット。
【請求項7】
カバー(11)が、少なくとも幾つかのセル、
または全てのセル(2)と熱伝導流体(FC)との熱交換を行う1つまたは複数の熱交換領域(6’)を同様に含み、カバー(11)の前記または各熱交換領域(6’)が、熱伝導流体(FC)の循環容積(8)を含み、該熱交換領域が、低熱伝導率の表面素子(9)を構成するカバー(11)の壁(11’)の形成部または補強部と、セル(2)、
またはモジュール(2’)の全てのセル(2)に接するプレート状の高熱伝導率の表面素子(7)との協働によって構成されることを特徴とする請求項1を引用する、請求項5または6のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
【請求項8】
可撓性かつ熱伝導性のプレートまたはシート(12)が、一方では、カバー(11)内でトレイ(6)の底部(6’)および/またはトレイ(10)の側壁(10”)内に組み込まれた1つまたは複数の熱交換領域(6’)の1つまたは複数の高熱伝導率
の表面素子(7)と、他方では、向かい合ったモジュール(2’)のセル(2)の関係する面との間に配置されることを特徴とする、請求項2、6、7のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
【請求項9】
各熱交換領域(6’)が、U字形または蛇行した形状の回路部分を形成する熱伝導流体(FC)の循環容積(8)を含み、その2個の分枝の2つの自由端が、熱伝導流体(FC)の供給/排出回路(5)の一部をなす分配/収集ライン(5、5”)に流体力学的に接続されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
【請求項10】
プレート状の高熱伝導率
の表面素子(7)の各々が、ハウジング(3)の壁(3’)との機械的連結
またはスナップリベット留め、クリック係止、クランプ、
もしくはねじ止め
により結合され、表面素子(7)に向かい合った壁部分(3’)が低熱伝導率の表面素子(9)を構成することを特徴とする、請求項1~3、6、7のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
【請求項11】
プレート状の高熱伝導率
の表面素子(7)の各々が、一続きの、または一体成形によりはめ込まれてハウジング(3)の壁(3’)との溶接により結合された、周辺フレーム(13)を形成する縁領域を含み、表面素子(7)に向かい合った壁部分(3’)が低熱伝導率の表面素子(9)を構成することを特徴とする、請求項1~3、6、7のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
【請求項12】
2個の表面素子(7、9)に互いに結合される周辺縁の間に、圧縮された状態で密封構造(14)が存在することを特徴とする、請求項10または11に記載のバッテリユニット。
【請求項13】
プレート状の高熱伝導率
の表面素子(7)の各々が、少なくとも1つの結合領域(15)の位置、
または規則正しく配分された複数の結合領域(15)の位置で、低熱伝導率の表面素子(9)を構成するハウジング(3)の壁部分(3’)と結合され、各結合領域(15)が、金属プレートの形態で表面素子(7)から壁部分(3’)に向かって突出する局部的な変形部(16)からなり、前記変形部(16)は
、レーザ溶接結合のために前記壁部分(3’)の材料と相容れる材料(16’)により一体成形されることを特徴とする、請求項1、2、5、6、9~12のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
【請求項14】
長方形である熱交換領域(6’)の熱伝導流体(FC)の循環容積(8)を互いの間に画定する向かい合った2個の表面素子(7、9)の一方が、前記循環容積(8)をU字形、S字形または蛇行した形状の基本循環回路部分4’の2つの分枝に分割するリブ(17)を有することを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
【請求項15】
温度調整手段(4、5)が、熱伝導流体(FC)の1つまたは複数の供給/排出回路を構成する分配管(5’)/収集管(5”)を含み、これらの管(5’、5”)は、熱交換領域(6’)の循環容積(8)に前記管(5’、5”)を接続する第2のラインまたは管接合ライン(18)と同じくハウジング(3)内に構造的に組み込まれ、これらの管(5’、5”)とライン(18)は、ハウジング(3)の
壁(3’)と少なくとも部分的に一続きで形成されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
【請求項16】
管(5’、5”)とライン(18)の管状壁が、一方では
、概してほぼ直方体であるハウジング(3)の壁(3’)内および/またはこの壁に部分的に形成され、他方では、一体成形材料(23、23’)および/または、はめ込まれて振動溶接またはレーザ溶接により組み立てられた壁部分から部分的に形成されることを特徴とする、請求項15に記載のバッテリユニット。
【請求項17】
前記または各供給/排出回路(5)は、1つまたは複数の分配管(5’)のための接続端部品(19)と、1つまたは複数の収集管(5”)のための接続端部品(19’)とを含み、ハウジング(3)の2つの構成部分を形成する下部トレイ(10)とカバー(11)と
に存在する熱交換領域(6’)の循環容積(8)に対して共通回路(5)または分離回路(5”)
が設けられることを特徴とする、請求項15および16のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
【請求項18】
トレイ(10)が
、前記トレイ(10)の壁を構成する熱可塑性材料により一体成形された、トレイ(10)の本体内に組み込まれる補強構造を含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
【請求項19】
前記トレイ(10)が、前記トレイ(10)の熱可塑性の壁との形状結合により外部で協働する補強構造(20)を含み、該補強構造が
、フレームタイプであって、前記トレイ(10)に中央および周辺の剛性
を提供することを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
【請求項20】
トレイ(10)が、少なくとも1つの分割内壁(21)を含み、この分割内壁は、トレイ(10)の底部から一続きで延在し、補強構造(20)
と協働し、熱伝導流体(FC)の循環容積(8)
を組み込み、これらの循環容積(8)は
、トレイ(10)の循環手段(4)の一部をなし、流体力学的に分配手段(5)に接続されることを特徴とする、請求項
18または19に記載のバッテリユニット。
【請求項21】
熱伝導流体の温度、循環および/または分配の制御手段(22)が、構造的に
、ハウジング(3)に少なくとも部分的に組み込まれることを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載のバッテリユニット。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか一項に記載の少なくとも1つのバッテリユニット(1)を含み、このバッテリユニット(1)が、さらに、少なくとも1つの内部温度測定手段、セルまたは素子(2)の相互電気接続手段、および外部接続手段を含み、これらの外部接続手段が、ハウジング(3)の壁(3’)と共に、またはこの壁内
に部分的に形成されることを特徴とする
、電気またはハイブリッド自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自立型の電源、特に自動車に搭載された車載電源に関し、バッテリユニットと、少なくとも1つのこのようなユニットを含むハイブリッドまたは電気自動車とを目的とする。
【0002】
ハイブリッド/電気自動車は、その動作に必要な電気エネルギーを蓄電可能なバッテリを備える。
【背景技術】
【0003】
現在の問題点は、「バッテリパック」とも呼ばれるバッテリユニットの設計を最適化して、それにより寿命(充電/放電)と走行連続動作能力との観点から最高の性能を引き出すことが必要な点にある。これらのバッテリパックの日常的な使用では、充電時間が同様に重要なファクタである。
【0004】
使用されるバッテリでは、特に、たとえばリチウム-イオンまたはリチウム-ポリマータイプの高密度蓄電池を、理想的には温度10℃~30℃で動作させる必要がある。温度が低すぎると連続動作能力に影響し、温度が高すぎるとバッテリの寿命に影響する。したがって、バッテリの温度を最適に調整することが必要である。
【0005】
車載用途の場合、バッテリを空気により冷却するという解決方法が存在するが、熱交換は依然としてかなり制限される。現在の傾向は、熱伝導流体を用いて熱交換を改善すると共に調整効率を上げることにある。
【0006】
さらに、これらのバッテリを受容する溝は、車両の一部から直接製造されるか、あるいは、この車両の構造部品に形成された空洞から構成可能である。しかし、上記の解決方法は設置の観点から柔軟性に乏しく、メンテナンスが難しい。このため、自立型で車両構造に組み込まれないバッテリパックという解決方法を優先すべきである。
【0007】
従来技術には多くの構想が存在する:これらは金属(鋼、アルミニウム等)による解決方法を用いており、組み立てられた冷却プレートがバッテリパックの内部に配置され、バッテリのセルまたは素子をまとめたモジュールがその上に載せられ、この冷却プレートまで熱伝導流体がホースにより分配される。
【0008】
その結果、多数の部品の組立から形成されるので構成が複雑化し、製造時には多くの密封接続を実施しなければならず(その老化耐性には問題がありうる)、大型のマルチコンポーネント構造となる。
【0009】
しかも、バッテリユニットのハウジングは金属(好ましくはアルミニウム)で製造されるので外部に向けてバッテリパックを断熱かつ絶縁不能であり、その上、原価が高く、さらには腐食しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上記の主な制限を少なくとも解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このため、本発明は、特にハイブリッドおよび/または電気自動車用のバッテリユニットを目的とし、このユニットは主に、一方では、物理的および/または電気的に複数のブロックまたはモジュールに必要に応じてまとめられた複数のセルまたはバッテリ素子を含み、他方では、上記セルまたは素子を収容かつ囲むハウジングを含み、さらに、熱伝導流体FCの循環による上記セルまたは素子の温度調整手段を含み、
ハウジングは、セルが載せられる少なくとも1つの底部領域の位置にセルと熱伝導流体との熱交換を行う少なくとも1つ、好ましくは複数の熱交換領域を含み、上記1つまたは複数の熱交換領域が上記ハウジングの構造、好ましくはこのハウジングの壁に組み込まれることを特徴とする。
【0012】
本発明は、限定的ではなく例として挙げられ、概略的な添付図面に関して説明された好ましい実施形態に関する以下の説明を読めば、いっそう理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】下部トレイとカバーとを組み立てて形成される直方体のハウジングを備えた本発明によるバッテリユニットを1つの角度から見た斜視図である。
【
図1B】下部トレイとカバーとを組み立てて形成される直方体のハウジングを備えた本発明によるバッテリユニットを別の角度から見た斜視図である。
【
図2】カバーを外したところを示す、
図1Aと同様の斜視図である。
【
図3】
図1と
図2に示したバッテリユニットの全体的な断面図である。
【
図6】本発明によるバッテリユニットの別の実施形態によるバッテリを備えた下部トレイを示す概略的な断面図である。
【
図7】本発明によるバッテリユニットの別の実施形態によるバッテリユニットを示す概略的な断面図である。
【
図8A】セルまたはバッテリ素子を外して下部トレイだけを示す
図2と同様の図である。
【
図8B】セルを外して補強フレームをトレイにはめ込んだ、トレイの別の変形実施形態を示す
図8Aと同様の図である。
【
図9】
図1Aと
図1Bに示したバッテリユニットを下から見たところを示す斜視図である。
【
図11】下部トレイに組み込まれた熱交換領域の熱伝導性または高熱伝導率プレートを外した後を示す、
図8と同様の図である。
【
図12】
図11の細部(伝導性のプレートを外した熱交換領域の補強部)を示す拡大図である。
【
図13】熱交換領域の高熱伝導率のプレートを下から見たところを示す斜視図である。
【
図14】供給管と排出管内の熱伝導流体の循環を示す
図1Aと同様の図である。
【
図15】供給管と排出管内、管接合ライン内の熱伝導流体の循環を示す
図1Bと同様の図である。
【
図16】U字形の基本回路部分を形成する熱交換領域の内部容積における熱伝導流体の循環を示す
図1Cと同様の図である。
【
図17】供給/排出管、管接合ライン、および熱交換領域における熱伝導流体の循環を示す、
図1A、
図1Bに示したバッテリユニットの部分横断面図である。
【
図18】バッテリユニットのハウジングの周囲および下部トレイにはめ込むための補強フレームを同様に示す、
図1Aと同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1、
図3、
図7、
図14、
図15、
図17は、特にハイブリッドおよび/または電気自動車用のバッテリユニット1を示しており、このユニットは、主に、一方では、物理的および/または電気的に複数のブロックまたはモジュール2’に必要に応じてまとめられた複数のセル2またはバッテリ素子を含み、他方では、上記セルまたは素子2を収容かつ囲むハウジング3を含み、さらに、熱伝導流体FCの循環によるセルまたは素子2の温度調整手段4、5を含む。
【0015】
本発明によれば、ハウジング3は、セル2が載せられる少なくとも1つの底部領域6の位置に上記セル2と熱伝導流体FCとの熱交換を行う少なくとも1つ、好ましくは複数の熱交換領域6’を含み、上記1つまたは複数の熱交換領域6’が上記ハウジング3の構造、好ましくはこのハウジングの壁3’に組み込まれている。
【0016】
そのため、ハウジング3の同じ構造内に温度調整手段4、5の少なくとも一部(ここでは少なくとも熱交換領域6’)が組み込まれるので小型構造が得られ(最大の内部容積、最小の外部容積)、部品数および組立部分の数が制限される(ハウジング3の構成部分10、11だけを互いに結合することが必要であり、1つまたは複数の熱交換領域6’はハウジング3の上記部分に組み込まれる)。
【0017】
好ましくは、当該または各熱交換領域6’が、一方では、セル2と、他方では、熱伝導流体FCと接する高熱伝導率の表面素子7を含み、表面素子7は、必要に応じてモジュール2’のセル2に結合される。
【0018】
そのため、熱交換領域6’は、セル2の温度調整手段を構成可能であり、該温度調整手段は、ハウジング3の構造自体に組み込まれるだけではなく組織化され、こうした組織化に応じた分割や、必要に応じてセル2を(モジュール2’として)まとめたものに応じた分割が同様に可能であり、熱伝達効率が最適化される。
【0019】
特に
図4~
図13および
図17による本発明の有利な構成上の特徴によれば、当該または各熱交換領域6’が、セル2と直接接触する高熱伝導率の表面素子7と、必要に応じて外部環境と接する低熱伝導率の表面素子9との間に画定される熱伝導流体FCの循環容積8を含む。
【0020】
そのため、容積8の熱伝導流体FCとの熱交換は、表面素子7の位置で非常に促進され、その反対に、係合する表面素子9の位置では最大限減らされる。
【0021】
高熱伝導率、より一般的には熱伝導流体FCとセル2との間の良好な熱伝達は、熱伝導性が本質的に良好で比較的薄肉で使用される材料を、表面素子7とセル2との間、必要に応じて関係するモジュール2’との間の最大接触面積と最適接触品質とに関係づけて用いることにより実現可能である。
【0022】
低熱伝導率は、熱伝導性が低く、さらには断熱材である材料を、表面素子9の壁の比較的肉厚の厚さと組み合わせて用いることにより実現可能である。
【0023】
一般に、本説明において高熱伝導率λとは、λの値がλ>50W.m-1.K-1、好ましくはλ>100W.m-1.K-1であり、低熱伝導率λとは、λの値がλ<1W.m-1.K-1、好ましくはλ<0,5W.m-1.K-1を意味する。
【0024】
本発明の有利な実施形態によれば、高熱伝導率の表面素子7は、ハウジング3にはめ込まれる素子であり、低熱伝導率の表面素子9と液密に結合された、金属プレートまたは同様の剛性かつ良好な熱伝導性材料から有利には構成される。
【0025】
表面素子7の材料は、好ましくはアルミニウムであるが、非金属とすることも同様に可能であり、たとえば熱伝導率を高めるために添加剤を加えた熱可塑性または耐熱性材料から構成可能である。
【0026】
変形実施形態では、表面素子7は、また、良好な熱伝導体である一方でモジュール2’の平面性欠陥に合わせてこれを補正するために柔軟性または可撓性にすることができる(素子7をたとえばシリコーンから構成し、好ましくは添加剤を加える)。
【0027】
熱伝導性の当該または各プレート7は、セル2(必要に応じて単にセルに割り当てられたモジュール2’)との最適な熱交換に加えて、表面素子9と関係づけて熱伝導流体FCの基本循環容積8を密封式に画定し、温度変動によりもたらされる変形に抗し、セル2との最適な表面接触を常に保つようにしなければならない。したがって、ハウジング3および対になった表面素子9とのその結合および組立は、有利には周辺で行われると同時に、少なくとも局部的にその表面に配分される。
【0028】
図6と
図7が概略的に示すように、ハウジング3は、単一の熱交換領域6’(下部トレイ10内のみ-
図6)あるいは、その各構成部分の熱交換領域6’(たとえば下部トレイ10内の領域6’およびカバー11内の領域6’-
図7)だけを含むことができる。
【0029】
しかし、好ましくは、ハウジング3は、それらの構成部分(トレイ10、カバー11)の1つ、複数、または各々に複数の熱交換領域6’を含み、各領域6’が有利には1つのモジュール2’に割り当てられる(
図3、
図4、
図8、
図9、
図11、
図16参照)。
【0030】
別の有利な構成上の特徴によれば、当該または各熱交換領域6’の低熱伝導率の表面素子9がハウジング3の一部をなし、このハウジングの壁3’の一部分を有利には構成する。
【0031】
そのため、表面素子7、9は協働してハウジング3の二重壁構造の壁3’の領域を構成し、これらの二重壁の領域が熱交換領域6’に対応し、組み込まれた熱伝導流体FCの循環容積8を含む。
【0032】
有利には、たとえば
図10~
図12と
図15~
図17が示すように、1つまたは複数の様々な熱交換領域6’の循環容積8が、ハウジング3の構造に組み込まれた熱伝導流体FCの1つまたは複数の循環回路4の複数部分を形成し、上記回路部分4が、直列に流体接続され、あるいは接続されず、かつ、熱伝導流体FCの供給/排出回路5の一部をなす分配/収集管5’、5”に接続され、これらの回路4と5がセル2の温度調整手段を構成する。
【0033】
特に
図1、
図3、
図7、
図14、
図15、
図17に示された本発明の構成上の好ましい変形実施形態によれば、ハウジング3は、低熱伝導率の剛性材料、好ましくはプラスチックで出来ており、ハウジングは、好ましくはねじ止めにより周辺で組み立てられた、底壁10’および側壁10”を備えた下部トレイ10と上部カバー11とから構成され、必要に応じて密封構造が間に配置される。
【0034】
剛性のプラスチック材料(添加剤および/またはファイバを添加された、または添加されない熱可塑性材料。たとえばポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステルなど)と、周辺で組み立てられる2つの部分10、11とからハウジング3を製造することによって、(金属製のハウジングに比べて)断熱性が向上すると同時に原価を下げることができ、多種多様な形状を製造可能になる。
【0035】
カバー11とトレイ10の密封組立領域は周辺接触連続帯3”から構成可能であり、この帯は、トレイとカバーの個々の縁を押圧することによって、または、ハウジング3の2つの構成部分10と11の係合形状の対向縁の間で材料を必要に応じて溶融させることによって得られる。
【0036】
ねじ止め、クリップ係止または同等の着脱式の組立が好ましい。なぜなら、テスト操作、メンテナンス操作、およびセル2もしくはモジュール2’の交換操作のためにカバー11の分解が可能になるからである。
【0037】
さらに、組立領域3”の位置に接する2つの縁の間に公知の仕方で圧縮パッキンが挿入される。
【0038】
本発明の1つの特徴によれば、下部トレイ10は、その底壁10’および必要に応じてこれらの側壁10”の少なくとも幾つかに形成部または補強部を有し、これらの形成部または補強部は、各々が低熱伝導率の表面素子9を構成し、セル2、たとえばモジュール2’の全てのセル2と接触するプレート状の高熱伝導率の表面素子7とそれぞれ協働して、熱伝導流体FCの循環容積8を各々が備えた熱交換領域6’を形成する。
【0039】
変形実施形態では、
図6と
図7が示すように、下部トレイ10はまた、その底部領域6の位置に単一のプレート7と単一の熱交換領域6’だけを有することができる。
【0040】
熱交換の境界面と利用可能な加熱/冷却能力とをふやすことによってセルの調整性能を上げるために、カバー11は、少なくとも幾つかのセル、好ましくは全てのセル2と熱伝導流体FCとの間の熱交換を行う1つまたは複数の熱交換領域6’をその構造内に同様に組み込むように構成可能である。カバー11の当該または各熱交換領域6’は、熱伝導流体FCの循環容積8を含むことができ、該熱交換領域は、低熱伝導率の表面素子9を構成するカバー11の壁11’の形成部または補強部と、セル2、たとえばモジュール2’の全てのセル2に接するプレート状の高熱伝導率の表面素子7との協働によって構成可能である(
図3および
図7)。そのため、カバー11の二重壁構造は、トレイ10のそれと同様のものとすることができる。
【0041】
特にカバー11の位置でセル2と熱伝導流体FCとの熱伝達性能を低下させないために、ハウジング3の各部分10、11の組立でおそらくできるクリアランスを補正できるように、可撓性かつ熱伝導性のプレートまたはシート12が、一方では、カバー11内でトレイ6の底部6’および/またはトレイ10の側壁10”内に組み込まれた1つまたは複数の熱交換領域6’の1つまたは複数の高熱伝導率表面素子7と、他方では、向かい合ったモジュール2’のセル2の関係する面との間に配置される。
【0042】
変形実施形態では、必要に応じて、プレート状の各表面素子7は、たとえば添加剤を加えたシリコーン等の高熱伝導率の材料の個々の層により被覆可能にされている。
【0043】
図16が示すように、各熱交換領域6’は、U字形または蛇行した形状の回路部分を形成する熱伝導流体FCの循環容積8を含み、その2個の分枝の2つの自由端が、熱伝導流体FCの供給/排出回路5の一部をなす分配/収集管5、5”に流体接続される。
【0044】
U字形または蛇行した形状の循環容積8(図示せず)は、流体的に:
-回路5に個々に直列かつ集合的に接続され(図示せず)、あるいは
-この回路5に個々にかつ並列に接続される(
図8~
図11および
図17)。
【0045】
本発明の第1の変形実施形態によれば、プレート状の高熱伝導率表面素子7の各々が、ハウジング3の壁3’との機械的連結たとえばスナップリベット留め、クリック係止、クランプ、ねじ止めまたは同等物により結合され、表面素子7に向かい合った壁部分3’が低熱伝導率の表面素子9を構成する。
【0046】
図4、
図5、
図11~13に示された本発明の第2の変形実施形態によれば、プレート状の高熱伝導率表面素子7の各々が、一続きの、または一体成形によりはめ込まれてハウジング3の壁3’との溶接により結合された、周辺フレーム13を形成する縁領域を含み、表面素子7に向かい合った壁部分3’が、低熱伝導率の表面素子9を構成する。このようなフレーム13によって、特に、好ましくはレーザ溶接によって周囲に連続結合部を設けることができる。
【0047】
有利には、2個の表面素子7と9に互いに結合される周辺縁の間に、圧縮された状態で密封構造14が存在する(たとえばトレイ10の溝に受容される)。
【0048】
好ましくは、
図11~
図13に例として示したように、プレート状の高熱伝導率表面素子7の各々が、ハウジング3の壁3’と、一方では、周辺で好ましくは連続して、たとえば機械的連結または溶接により結合され、他方では、上記プレート7の表面の内部に配置された少なくとも1つの結合領域15の位置、有利には、上記プレート7の表面に好ましくは規則正しく配分された複数の結合領域15の位置で結合される。
【0049】
そのため、周辺での固定に加えて、当該または各プレート7は分散された複数の地点または領域15に同様に剛性結合される。その結果、(トレイ10のプレート7-支点を同様に形成する領域15に対して)熱の影響下、また同様にセル2の重量の影響下での1つまたは複数のプレート7のあらゆる変形が回避される分配固定が得られ、プレート7とセル2の間で経時的に最適な表面接触を保証することができる。
【0050】
このため、各プレート7は、(必要に応じて連続して)その輪郭に沿って周辺で結合され、この輪郭の内部で(たとえば局部的に点によって)熱変動と変形とに対する強度を増す。
【0051】
これにより、溶接結合のために、トレイ6の材料と相容れる材料で金属プレート7を局部的に一体成形することによる機械的連結を特に提供できる。
【0052】
特に
図4、
図5による有利な実際の実施形態によれば、プレート状の高熱伝導率表面素子7の各々が、少なくとも1つの結合領域15の位置で、好ましくは規則正しく配分された複数の結合領域15の位置で、低熱伝導率の表面素子9を構成するハウジング3の壁部分3’に結合される。各結合領域15は、金属プレートの形態を呈する表面素子7を壁部分3’に向かって突出する局部的な変形部16からなり、上記変形部16は、たとえばレーザ溶接結合のために上記壁部分3’の材料と相容れる材料16’により一体成形される。
【0053】
金属コア16を有するプラスチック材料の局部的な突起形成部16’の形状を呈するこれらの結合地点15は、表面素子9を構成する壁部分3’に形成された局部的な補強形成部9’にたとえば当接係合可能であり、同数の局部的な機械結合を実現する。
【0054】
(一体成形プロセスにより生じる)地点16’の間に必要に応じて材料帯が存在するにもかかわらず、関係する熱交換領域6’における熱伝導流体FCの循環経路は、2つの表面素子7と9の間で、それらが互いの間に画定する容積8に設けられる。
【0055】
有利には、長方形である熱交換領域6’の熱伝導流体FCの循環容積8を互いの間に画定する向かい合った2個の表面素子7、9の一方が、上記循環容積8をU字形、S字形または蛇行した形状の循環回路4’の基本部分の2つの分枝に分割するリブ17を有するように、有利には構成可能である。
【0056】
この基本循環回路4’の形状は、その製造が簡単で熱交換面積が広く、容易な循環に適した循環行程であることを理由に好ましいが、蛇行、S字形、Z型、または同等の他の形状も同様に可能である。
【0057】
図1~
図3、
図8~
図12および
図14~
図17から同様に明らかになるように、温度調整手段4、5は、熱伝導流体LCの1つまたは複数の供給/排出回路を構成する分配管5’/収集管5”を含み、これらの管5’、5”は、ハウジング3内に構造的に組み込まれ、同様に、第2のラインまたは管接合ライン18が、熱交換領域6’の循環容積8に上記管5’、5”を接続し、これらの管5’、5”とライン18は、ハウジング3の壁3’と少なくとも部分的に一続きで形成される。
【0058】
そのため、管5’、5”とライン18の組込みは、トレイ10とカバー11の製造時に少なくとも部分的に行われ、管およびホースの面倒な設置や密封接続を回避することができ、外部環境に対するこれらの手段の露出もまた回避される(分配手段が壁3’に接して並置される)。
【0059】
有利には、管5’、5”とライン18の管状壁が、一方では、好ましくは全体形状がほぼ直方体であるハウジング3の壁3’内および/またはこの壁に部分的に形成され、他方では、一体成形材料23、23’および/または、はめ込まれて振動溶接またはレーザ溶接により組み立てられる壁部分から部分的に形成される。
【0060】
上記管状壁の分布と切断は、トレイ10の壁10’、10”により形成されるそれらの部分と、部分ごとにはめ込まれるかまたは一体成形23、23’によりはめ込まれるそれらの部分との間で、トレイ10の成形金型の様々な可能性と、トレイ10自体、ならびに必要に応じてカバー11の形状の複雑度とに依存する。
【0061】
特に
図1が示すように、当該または各供給/排出回路5は、1つまたは複数の分配管5’のための接続端部品19と、1つまたは複数の収集管5”のための接続端部品19’とを含み、ハウジング3の2つの構成部分を形成する下部トレイ10とカバー11とを有する熱交換領域6’の循環容積8に対して共通回路5または分離回路5”が有利には設けられる。
【0062】
特に、セル2の重量が重くなりうることを考慮して、トレイ10の機械的強度と剛性を高めるために、トレイ10は以下を含むように構成可能である:
-上記トレイ10の壁を構成する熱可塑性材料によりたとえば一体成形され、トレイ10の本体内に組み込まれる補強構造、および/または
-上記トレイ10の熱可塑性の壁との形状結合により外側で協働し、上記トレイ10に中央および周辺の剛性を特に提供する、たとえばフレームタイプの補強構造20(
図18)。このフレーム20は、側壁20’と、中央のセパレータ20”を含むことができる。
【0063】
また、トレイ10の底部10’を構造的に補強すると共に、熱交換領域6’の整備のために付加的な壁面を必要に応じて提供するために、トレイ10は、少なくとも1つの分割内壁21をさらに含むことができ、分割内壁は、トレイ10の底部から一続きで延在し、補強構造20と有利には協働し、熱伝導流体FCの循環容積8を必要に応じて組み込み、これらの循環容積8は、好ましくはトレイ10の循環手段4の一部をなし、分配手段5に流体接続される(
図8、
図9、
図11、
図17)。
【0064】
分割壁21は、トレイ6を2つのサブトレイに分割して補強フレーム20のセパレータ20”に対して1つの受け溝を提供する二重壁とすることができる。
【0065】
さらに、熱伝導流体の温度、循環および/または分配の制御手段22が、構造的に、さらには実質的にハウジング3に少なくとも部分的に組み込まれる(
図8B参照-ウォーターポンプの部分的な組み込み)。
【0066】
最後に、本発明はまた、上記のような少なくとも1つのバッテリユニット1を含むことを特徴とする、特に電気またはハイブリッド自動車に関し、このバッテリユニット1は、さらに、少なくとも1つの内部温度測定手段、セルまたは素子2の相互電気接続手段、および外部接続手段を含み、外部接続手段は、ハウジング3の壁3’と共に、またはこの壁内に有利には部分的に形成される。
【0067】
もちろん、本発明は、記載および添付図面に示された実施形態に制限されるものではない。本発明の保護範囲を逸脱することなく、特に各種素子の構成の観点から、あるいは同等技術の代替によって様々な修正を行うことができる。