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  • 特許-コーティングされた熱収縮性フィルム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】コーティングされた熱収縮性フィルム
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/32 20060101AFI20231204BHJP
   B65D 65/40 20060101ALN20231204BHJP
【FI】
B32B27/32 C
B65D65/40 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021512391
(86)(22)【出願日】2019-09-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 US2019050563
(87)【国際公開番号】W WO2020068422
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-08-30
(31)【優先権主張番号】62/738,022
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】516370305
【氏名又は名称】ピービービー ポリシャー エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】バラ、カミラ ド
(72)【発明者】
【氏名】カサルビアス、フアンカルロス
(72)【発明者】
【氏名】ソラリ、セルジオ アリエル
(72)【発明者】
【氏名】ザネッティ、マクシミリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】オリヴェイラ、マルロス ジウンティーニ デ
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス、ジョルジ カミネロ
【審査官】武貞 亜弓
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-538818(JP,A)
【文献】特表2017-538004(JP,A)
【文献】特表2010-536672(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0157354(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00- 43/00
C08J 7/04- 7/06
B65D65/00- 65/46
B65D67/00- 79/02;
81/18- 81/30;
81/38- 81/38;85/88
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00- 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)多層フィルムであって、
(i)30~100重量パーセントの第1のエチレン系ポリマーを含む第1の層であって、前記第1のエチレン系ポリマーが、0.905~0.930g/cmの密度、190℃および2.16kgの荷重でASTM D 1238に従って測定したときに0.1~2.0g/10分のメルトインデックス(I)、および示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定したときに126℃未満のピーク融点を有する、第1の層、
(ii)50~100重量パーセントの第2のエチレン系ポリマーを含む第2の層であって、前記第2のエチレン系ポリマーが、0.905~0.970g/cmの密度およびDSCを使用して測定したときに100℃~135℃の範囲のピーク融点を有する、第2の層、ならびに
(iii)前記第1の層と前記第2の層との間の少なくとも1つの内層であって、0.930~0.970g/cmの密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有する10~50重量パーセントの第3のエチレン系ポリマーを含む、前記内層、を含む多層フィルムと、
(b)前記フィルムの前記第1の層または第2の層の外面上のコーティングであって、
30~90重量%(乾燥重量に基づく)のアクリル樹脂、
0.01~2.0重量%(乾燥重量に基づく)の多価金属架橋剤、および
0.1~6.0重量%(乾燥重量に基づく)の界面活性剤を含む水性アクリル系組成物から形成されているコーティングと、を含む熱収縮性フィルム。
【請求項2】
(a)30~60重量パーセントの第4のエチレン系ポリマーを含む単層フィルムであって、前記第4のエチレン系ポリマーが、0.905~0.930g/cmの密度、190℃および2.16kgの荷重でASTM D 1238に従って測定したときに0.1~0.9g/10分のメルトインデックス(I2)、および示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定したときに126℃未満のピーク融点を有する、単層フィルムと、
(b)前記単層フィルムの外面上のコーティングであって、
・30~90重量%(乾燥重量に基づく)のアクリル樹脂、
・0.01~2.0重量%(乾燥重量に基づく)の多価金属架橋剤、および
・0.1~6.0重量%(乾燥重量に基づく)の界面活性剤を含む水性アクリル系組成物から形成されているコーティングと、を含む熱収縮性フィルム。
【請求項3】
前記アクリル樹脂が、アクリル酸またはメタクリル酸のC1~C8アルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、および不飽和ジカルボン酸のコポリマーである、請求項1または2に記載のフィルム。
【請求項4】
前記アクリル樹脂が、40~90重量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1~C8アルキルエステル、9~50重量%の(メタ)アクリロニトリル、および1~15重量%の不飽和ジカルボン酸のコポリマーである、請求項3に記載のフィルム。
【請求項5】
前記アクリル酸またはメタクリル酸のC1~C8アルキルエステルがエチル(メタ)アクリレートである、請求項3または4に記載のフィルム。
【請求項6】
前記不飽和ジカルボン酸がα,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸である、請求項3~5に記載のフィルム。
【請求項7】
前記多価金属架橋剤の多価金属が、亜鉛、カドミウム、またはジルコニウムである、請求項1~6に記載のフィルム。
【請求項8】
前記界面活性剤が、N-アルキルスルホスクシナメート、ジアルキルスルホスクシネート、アルキルサルフェートおよびスルホネート、アルキルポリアルキレンオキシドサルフェート、アルキルアリールポリアルキレンオキシドサルフェート、アルキルアリールスルホネート、アルキルポリアルキレンオキシド、アルキルアリールポリアルキレンオキシド、またはこれらの組み合わせである、請求項1~7のフィルム。
【請求項9】
パッケージ用組立品であって、
複数のパッケージであって、各パッケージが、ポリマー材料を含む一次パッケージ用フィルムによって一緒に束ねられた複数の品物を含み、前記一次パッケージ用フィルムが、前記複数の品物の周りに巻き付けられて、一次パッケージを形成する、複数のパッケージと、
前記複数のパッケージを束ねるために使用される二次パッケージ用フィルムであって、請求項1~8のいずれか一項に記載の熱収縮性フィルムを含む、前記二次パッケージ用フィルムと、を含むパッケージ用組立品。
【請求項10】
ポリマーで包まれた一次パッケージをユニット化する方法であって、
前記一次パッケージのうちの1つ以上を請求項1~9のいずれか一項に記載の熱収縮性フィルムで包み、前記コーティングが前記1つ以上の一次パッケージの近位に配置されるようにすることと、
前記熱収縮性フィルムの寸法を縮小するために熱エネルギーを適用して、前記一次パッケージを前記熱収縮性フィルム内に拘束することと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、概して、熱収縮性フィルムに関し、より具体的には、アクリル系コーティング層を有する熱収縮性フィルムに関する。そのような熱収縮性フィルムは、ユニット化のプロセスで複数の製品をグループ化するための二次パッケージ材として使用することができる。
【背景技術】
【0002】
収縮性フィルムは、消費財製品などの製品のパッケージ材に一般的に使用される。例えば、ペットボトルの束は、ペットボトルを一緒に固定する一次収縮性フィルムパッケージによって固定することができる。一次収縮性フィルムは、物体の周りに配置され、元の寸法に対して収縮して、少なくとも部分的に物体を取り囲み、一次パッケージ内に保持された品物または複数の品物を固定し、一次パッケージを製造するポリマーフィルムを含み得る。例えば、プラスチック製の飲料容器を束ね、一次収縮性フィルムに固定することができる。段ボールパッケージ材などの他の従来のパッケージ材と比較して一次収縮性フィルムの利点には、環境への影響の軽減、コスト削減、シースルー性、および出荷用ならびに消費者向けディスプレイの両方のパッケージ材として機能する能力が含まれる。
【0003】
個別包装された製品を市場に持ち込むための物流および供給チェーンは、個別包装された製品のユニット化が頻繁に必要になる。ユニット化とは、取り扱い、輸送、および保管を容易にし、取り扱い、輸送、および保管中に個別包装された製品を保護するために、いくつかの個別包装された製品をグループ化することである。ユニット化は、一般的に、一次収縮性フィルムの上に二次収縮性フィルムまたは二次パッケージ材を適用することによって達成される。しかしながら、現在利用可能な二次収縮フィルムが一次収縮フィルム上で使用されて個々の一次パッケージを一緒に束ねる場合、これにより、一般に、収縮トンネルを通過した後に二次収縮フィルムは一次収縮フィルムに接着してしまう。この接着は望ましくなく、個別の一次パッケージに構造的損傷および視覚的損傷の両方を引き起こし、販売不能な製品または欠陥製品をもたらす。
【0004】
したがって、一次パッケージをユニット化し、損傷することなく下にある一次パッケージの取り出しを容易にする、二次パッケージ材で使用するためのフィルムが必要である。
【発明の概要】
【0005】
本明細書の実施形態で開示されるのは、熱収縮性フィルムである。熱収縮性フィルムは、(a)(i)30~100重量パーセントの第1のエチレン系ポリマーを含む第1の層であって、第1のエチレン系ポリマーが、0.905~0.930g/cm3の密度、190℃および2.16kgの荷重でASTM D 1238に従って測定したときに0.1~2.0g/10分のメルトインデックス(I2)、および示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定したときに126℃未満のピーク融点を有する、第1の層、(ii)50~100重量パーセントの第2のエチレン系ポリマーを含む第2の層であって、第2のエチレン系ポリマーが、0.905~0.970g/cm3の密度およびDSCを使用して測定したときに100℃~135℃の範囲のピーク融点を有する、第2の層、ならびに(iii)第1の層と第2の層との間の少なくとも1つの内層であって、0.930~0.970g/cm3の密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有する10~50重量パーセントの第3のエチレン系ポリマーを含む、内層、を含む多層フィルムと、(b)フィルムの第1の層または第2の層の外面上のコーティングであって、コーティングが、30~90重量%(乾燥重量に基づく)のアクリル樹脂、0.01~2.0重量%(乾燥重量に基づく)の多価金属架橋剤、および0.1~6.0重量%(乾燥重量に基づく)の界面活性剤を含む水性アクリル系組成物から形成されている、コーティングと、を含む。
【0006】
熱収縮性フィルムもまた、本明細書に開示されている。熱収縮性フィルムは、(a)30~60重量パーセントの第4のエチレン系ポリマーを含む単層フィルムであって、第4のエチレン系ポリマーが、0.905~0.930g/cmの密度、190℃および2.16kgの荷重でASTM D 1238に従って測定したときに0.1~0.9g/10分のメルトインデックス(I2)、および示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定したときに126℃未満のピーク融点を有する、単層フィルムと、(b)単層フィルムの外面上のコーティングであって、コーティングが、30~90重量%(乾燥重量に基づく)のアクリル樹脂、0.01~2.0重量%(乾燥重量に基づく)の多価金属架橋剤、および0.1~6.0重量%(乾燥重量に基づく)の界面活性剤を含む水性アクリル系組成物から形成されている、コーティングと、を含む。
【0007】
パッケージ用組立品もまた、本明細書に開示されている。パッケージ用組立品は、複数のパッケージを備え、各パッケージは、ポリマー材料を含む一次パッケージ用フィルムによって一緒に束ねられた複数の品物を含み、一次パッケージ用フィルムは、複数の品物の周りに巻き付けられて、一次パッケージを形成する。パッケージ用組立品は、複数のパッケージを束ねるために使用される二次パッケージ用フィルムをさらに含み、二次パッケージ用フィルムは、本開示の実施形態による熱収縮性フィルムを含む。
【0008】
一次パッケージをユニット化する方法もまた、本明細書に開示される。本方法は、本開示の実施形態によるアクリルコーティングされた熱収縮性フィルムで一次パッケージのうちの1つ以上を包むことと、熱収縮性フィルムの寸法を縮小するために熱エネルギーを適用して、一次パッケージを熱収縮性内に拘束し、アクリルコーティングが1つ以上の一次パッケージの近位に配置されるようにすることと、を含む。
【0009】
実施形態のさらなる特徴および利点は、以下の発明を実施するための形態に記述され、その説明から一部は当業者に容易に明らかになるか、または、以下の発明を実施するための形態を含む本明細書に記載される実施形態を実施することによって認識されるであろう。上述および後述の説明は、様々な実施形態を記載し、特許請求される主題の性質および特性を理解するための概要または枠組みを提供するものであることが理解されるべきである前述および以下の説明の両方が様々な実施形態を説明し、特許請求される主題の性質および特徴を理解するための概要またはフレームワークを提供することを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の特定の実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて読むと最良に理解することができ、これらの図面では、同様の構造が同様の参照番号で示される。
【0011】
図1】本開示の1つ以上の実施形態による、複数の一次パッケージをユニット化する水性アクリル系のコーティングされた多層熱収縮性フィルムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、熱収縮性フィルムの外面上のコーティングを含む熱収縮性フィルムの実施形態を詳細に参照する。コーティングは、取り扱いの容易性および店の棚までの物流および供給チェーンの間の保護のために、熱収縮性フィルムを使用して、個別の販売可能な製品をより大きな小包にユニット化するとき、個別の製品をパッケージするために使用される下にある一次収縮性フィルムへの熱収縮性フィルムの接着を軽減する。しかしながら、これは、本明細書に開示される実施形態の例示的な実施態様に過ぎないことに留意すべきである。実施形態は、上述したものと同様の問題の影響を受けやすい他の技術にも適用可能である。
【0013】
定義
「ポリマー」という用語は、同一または異なるタイプのモノマーにかかわらず、モノマーを重合することにより調製されるポリマー化合物を指す。したがって、ポリマーという総称は、1つのタイプのモノマーのみから調製されるポリマーを指すために通常用いられる用語「ホモポリマー」、および2つ以上の異なるモノマーから調製されるポリマーを指す「コポリマー」を包含する。
【0014】
「ポリエチレン」または「エチレン系ポリマー」は、エチレンモノマー由来の50mol%超の単位を含むポリマーを意味するものとする。これには、エチレン系のホモポリマーまたはコポリマー(単位が2つ以上のコモノマーに由来することを意味する)が含まれる。当該技術分野において既知のポリエチレンの一般的な形態には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、超超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状と実質的に直鎖状との両方の低密度樹脂を含むシングルサイト触媒直鎖状低密度ポリエチレン(m-LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、ならびに高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
「LDPE」という用語はまた、「高圧エチレンポリマー」、または「高分岐ポリエチレン」とも称され得、ポリマーが、過酸化物などのフリーラジカル開始剤を使用して、14,500psi(100MPa)を上回る圧力で、オートクレーブまたは管状反応器中で、部分的または完全にホモ重合または共重合されることを意味するように定義される(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、U.S.4,599,392を参照されたい)。LDPE樹脂は、典型的には、0.916~0.940g/cmの範囲の密度を有する。
【0016】
「LLDPE」という用語には、チーグラー・ナッタ触媒系を使用して作製された樹脂、ならびにこれらに限定されないが、ビスメタロセン触媒(「m-LLDPE」と称されることもある)、ホスフィンイミン、および拘束幾何触媒を含むシングルサイト触媒を使用して作製された樹脂、およびこれらに限定されないが、ビス(ビフェニルフェノキシ)触媒(多価アリールオキシエーテル触媒とも称される)を含むポストメタロセン分子触媒を使用して作製された樹脂が含まれる。LLDPEには、直鎖状、実質的に直鎖状、または不均一なエチレン系コポリマーまたはホモポリマーが含まれる。LLDPEには、LDPEよりも少ない長鎖分岐が含有され、米国特許第5,272,236号、同第5,278,272号、同第5,582,923号、および同第5,733,155号でさらに定義される実質的に直鎖状のエチレンポリマー、米国特許第3,645,992号におけるものなどの均一分岐直鎖状エチレンポリマー、米国特許第4,076,698号に開示されるプロセスに従って調製されたものなどの不均一分岐エチレンポリマー、ならびにそれらのブレンド(米国特許第3,914,342号または同第5,854,045号に開示されるものなど)が含まれる。LLDPE樹脂は、当該技術分野で知られている任意の種類の反応器または反応器構成を使用して、気相、液相、もしくはスラリー重合、またはそれらの任意の組み合わせによって作製され得る。LLDPE樹脂は、当該技術分野で知られている任意の種類の反応器または反応器構成を使用して、気相、液相、もしくはスラリー重合、またはこれらの任意の組み合わせによって作製され得る。
【0017】
「HDPE」という用語は、一般に、チーグラー・ナッタ触媒、クロム触媒、またはさらにはメタロセン触媒を用いて調製される、約0.940g/cm以上の密度を有するポリエチレンを指す。
【0018】
「ポリプロピレン」または「プロピレン系ポリマー」は、プロピレンモノマーから誘導された、50重量%超の単位を含むポリマーを意味するものとする。これは、ポリプロピレンホモポリマーまたはコポリマー(2つ以上のコモノマーから誘導された単位を意味する)を含む。当技術分野で知られているポリプロピレンの一般的な形態としては、ホモポリマーポリプロピレン(hPP)、ランダムコポリマーポリプロピレン(rcPP)、インパクトコポリマーポリプロピレン(hPP+、少なくとも1つのエラストメリック耐衝撃性改良剤)(ICPP)または高耐衝撃性ポリプロピレン(HIPP)、高溶融強度ポリプロピレン(HMS-PP)、イソタクチックポリプロピレン(iPP)、シンジオタクチックポリプロピレン(sPP)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0019】
「多層構造」とは、2つ以上の層を有する任意の構造を意味する。例えば、多層構造(例えば、フィルム)は、2つ、3つ、4つ、5つ以上の層を有し得る。多層構造は、文字で示される層を有するとして説明され得る。例えば、コア層B、ならびに2つの外部層AおよびCを有する3層構造は、A/B/Cとして示されてもよい。同様に、2つのコア層BおよびC、ならびに2つの外部層AおよびDを有する構造体は、A/B/C/Dとして指定される。
【0020】
「熱収縮性フィルム」、「収縮性フィルム」、または「照合収縮性フィルム」という用語は、収縮して、1つ以上の品物の周りにフィットして固定できる任意のポリマーフィルム材料を指す。これには、「一次パッケージ材」と「二次パッケージ材」が包含され得る。理論に縛られることなく、収縮プロセス中のプラスチックの配向応力の緩和により、収縮性フィルムの収縮が生じ得る。収縮性フィルムは、上記で言及されたようなエチレン系ポリマーまたはプロピレン系ポリマーなどであるがこれらに限定されないポリマーを含み得る。収縮性フィルムは、多層構造であっても、単層構造であってもよい。
【0021】
「一次パッケージ材」という用語は、物体の周りに配置され、それらの元の寸法に対して収縮して、少なくとも部分的に物体を取り囲み、品物または複数の品物を一次パッケージ内に固定し、一次パッケージを製造するポリマーフィルムを指す。一次パッケージは、一般に、飲料ボトルの包まれた6ユニットパックなどの、店の棚に配置されるか、または消費者に配達される販売可能な品物である。
【0022】
「二次パッケージ材」という用語は、複数の一次パッケージの周りに配置されて、一次パッケージの統合されたグループを提供して、取り扱い、輸送、保管を容易にし、ならびに取り扱い、輸送、および輸送中の一次パッケージの保護を提供するポリマーフィルムを指す。
【0023】
特記しない限り、本明細書および特許請求の範囲におけるいかなる範囲の開示は、その範囲自体、およびその中に包含されるあらゆるもの、ならびに終点も含むものとして理解されるべきである。
【0024】
図1を参照すると、本開示の熱収縮性フィルム10の実施形態は、ポリマーフィルム20と、ポリマーフィルム20の外面上のコーティング30とを含む。ここで、本出願の特定の実施形態について記載する。しかしながら、本開示は異なる形態で具体化されてもよく、本開示に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が徹底的かつ完全であり、本主題の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0025】
図1を参照すると、1つ以上の実施形態では、熱収縮性フィルム10ポリマーフィルム20は、単層フィルムまたは多層フィルムであり得る。単層フィルムは、エチレン系ポリマーを含み得る。多層フィルムは、第1の層、第2の層、および第1の層と第2の層との間の少なくとも1つの内層を含み得る。多層構造について示されるように、多層フィルムは、A/B/Cとして配置される、コア層B、ならびに2つの外層AおよびCを有する3層構造として形成され得る。外層AおよびCの厚さは、同じでも異なっていてもよい。代替の実施形態では、多層フィルムは、A/B/C/Dとして配置される、2つのコア層BおよびC、ならびに2つの外層AおよびDを有する構造として形成され得る。多層フィルムの実施形態の多層構造は、A/B/A、A/B/C/A、およびA/B/C/B/Dなどの無数の可能性を提供し、本開示は、各可能性を考慮していることが理解されるであろう。
【0026】
多層フィルムの第1の層は、1立方センチメートル当たり0.905~0.930グラム(g/cm)の密度、190℃および2.16kgの荷重でASTM D 1238に従って測定される0.1~2.0グラム/10分(g/10分)のメルトインデックス(I)、および示差走査熱量測定(DSC)に従って測定される126℃未満のピーク融点を有する30~100重量パーセント(重量%)の第1のエチレン系ポリマーを含む。30~100重量パーセント(重量%)の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、描写された特徴を有する第1のエチレン系ポリマーの量は、30、40、または50重量%の下限から70、80、90、または100重量%の上限までであり得る。例えば、第1のエチレン系ポリマーの量は、30~80重量%、または別の方法では40~90重量%、または別の方法では35~55重量%、または別の方法では62~87重量%であり得る。
【0027】
示されるように、第1のエチレン系ポリマーは、0.905~0.930g/cmの密度を有し得る。0.905~0.930g/cmの全ての個々の値および部分範囲が本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、第1のエチレン系ポリマーの密度は、0.928、0.925、0.920、または0.915g/cmの下限から0.910、0.915、0.920、または0.925g/cmの上限までであり得る。
【0028】
示されているように、第1のエチレン系ポリマーは、190℃および2.16kgの荷重でASTM D 1238に従って測定したときに0.1~2.0g/10分のメルトインデックス(I)を有していてもよい。0.1~2.0g/10分の全ての個々の値および部分範囲が本明細書に含まれ、本明細書で開示され、例えば、第1のエチレン系ポリマーのメルトインデックスは、2.0、1.7、1.4、1.1、または0.9g/10分の下限から0.1、0.2、0.3、0.4、0.6、または0.8g/10分の上限までであり得る。
【0029】
第1のエチレン系ポリマーは、126℃未満のピーク融点を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1のエチレン系ポリマーは、様々なさらなる実施形態では、125℃以下、120℃以下、118℃以下、または115℃以下のピーク融点を有し得る。さらに、様々な実施形態では、第1のエチレン系ポリマーは、95℃超、100℃超、または105℃超えのピーク融点を有し得る。
【0030】
第1のエチレン系ポリマーの例には、例えば、DOW(商標)LDPE132I、DOWLEX(商標)NG2045B、およびELITE(商標)5111Gを含む、ミシガン州ミッドランドのthe Dow Chemical Companyから市販されているものが挙げられ得る。
【0031】
第2の層は、0.905~0.970g/cmの密度およびDSCを使用して測定したときに100℃~135℃の範囲のピーク融点を有する、50~100重量%の第2のエチレン系ポリマーを含む。50~100重量%の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、描写された特徴を有する第2のエチレン系ポリマーの量は、50、60、または70重量%の下限から80、90、または100重量%の上限までであり得る。例えば、第2のエチレン系ポリマーの量は、50~80重量%、または別の方法では60~90重量%、または別の方法では65~85重量%、または別の方法では62~87重量%であり得る。
【0032】
示されるように、第2のエチレン系ポリマーは、0.905~0.970g/cmの密度を有し得る。0.905~0.970g/cmの全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、第1のエチレン系ポリマー密度は、0.968、0.960、0.955、または0.950g/cmの上限から0.910、0.915、0.920、または0.925g/cmの下限までであり得る。
【0033】
第2のエチレン系ポリマーは、DSCにより測定される100℃~135℃の範囲のピーク融点を有し得る。第2のエチレン系ポリマーは、様々なさらなる実施形態では,135℃、130℃、125℃、または120℃のピーク融点上限および100℃、105℃、110℃、または115℃のピーク融点下限を有し得る。
【0034】
第2のエチレン系ポリマーは、密度、メルトインデックス、またはピーク融点などの1つ以上の特徴において、第1のエチレン系ポリマーと同じであっても異なっていてもよい。第2のエチレン系ポリマーの例には、例えば、DOW(商標)LDPE132I、DOWLEX(商標)NG2045B、UNIVAL(商標)DMDA6200NT7、およびELITE(商標)5111Gなどの、ミシガン州ミッドランドのthe Dow Chemical Companyから市販されているものが挙げられ得る。
【0035】
少なくとも1つの内層は、0.930~0.970g/cmの密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有する10~50重量%の第3のエチレン系ポリマーを含む。10~50重量%の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、描写された特徴を有する第3のエチレン系ポリマーの量は、10、20、または30重量%の下限から30、40、または50重量%の上限までであり得る。例えば、第3のエチレン系ポリマーの量は、10~40重量%、または別の方法では20~50重量%、または別の方法では15~45重量%、または別の方法では22~47重量%であり得る。
【0036】
第3のエチレン系ポリマーは、0.930~0.970g/cmの密度を有し得る。0.905~0.930g/cmの全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、第3のエチレン系ポリマーの密度は、下限値0.968、0.960、0.955、または0.950g/cmの上限から0.930、0.935、0.940、または0.950g/cmの下限までであり得る。
【0037】
第3のエチレン系ポリマーは、DSCにより測定される120℃~135℃の範囲のピーク融点を有し得る。第3のエチレン系ポリマーは、様々な実施形態では、135℃、132℃、130℃、または128℃のピーク融点上限および120℃、122℃、125℃、または128℃のピーク融点下限を有し得る。
【0038】
第3のエチレン系ポリマーは、密度、メルトインデックス、またはピーク融点などの1つ以上の特徴において、第1および/または第2のエチレン系ポリマーと同じであっても異なっていてもよい。第3のエチレン系ポリマーの例には、例えば、例えば、DOWLEX(商標)NG2038BおよびUNIVAL(商標)DMDA6200NT7などの、ミシガン州ミッドランドのthe Dow Chemical Companyから市販されているものが挙げられ得る。
【0039】
熱収縮性フィルムの多層フィルムの範囲および幅を簡単に説明してきたが、多層フィルムの構成要素および構造の特定の例が提供される。1つ以上の実施形態では、多層フィルムは、30~100重量%の第1のエチレン系ポリマーを含む第1の層と、50~100重量%の第2のエチレン系ポリマーを含む第2の層と、10~50重量%の第3のエチレン系ポリマーを含む、第1の層と第2の層との間の少なくとも1つの内層とを含む。第1のエチレン系ポリマーは、0.905~0.930g/cmの密度、0.1~2.0g/10分のメルトインデックス(I)、および126℃未満のピーク融点を有し得る。第2のエチレン系ポリマーは、0.905~0.970g/cmの密度および100℃~135℃の範囲のピーク融点を有し得る。最後に、第3のエチレン系ポリマーは、0.930~0.970g/cmの密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有し得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、多層フィルムは、50~70重量%の第1のエチレン系ポリマーを含む第1の層と、50~70重量%の第2のエチレン系ポリマーを含む第2の層と、20~40重量%の第3のエチレン系ポリマーを含む、第1の層と第2の層との間の少なくとも1つの内層とを含む。第1のエチレン系ポリマーおよび第2のエチレン系ポリマーは、各々、0.1~0.4g/10分のメルトインデックス(I)および120℃未満のピーク融点を有し得る。第3のエチレン系ポリマーは、0.930~0.970g/cmの密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有し得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、多層フィルムは、30~50重量%の第1のエチレン系ポリマーを含む第1の層と、30~50重量%の第2のエチレン系ポリマーを含む第2の層と、60~80重量%の第3のエチレン系ポリマーを含む、第1の層と第2の層との間の少なくとも1つの内層とを含む。第1のエチレン系ポリマーおよび第2のエチレン系ポリマーは、各々、0.4~1.0g/10分のメルトインデックス(I)および125℃未満のピーク融点を有し得る。第3のエチレン系ポリマーは、0.910~0.930g/cmの密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有し得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、多層フィルムは、60~80重量%の第1のエチレン系ポリマーを含む第1の層と、60~80重量%の第2のエチレン系ポリマーを含む第2の層と、60~85重量%の第3のエチレン系ポリマーを含む、第1の層と第2の層との間の少なくとも1つの内層とを含む。第1のエチレン系ポリマーおよび第2のエチレン系ポリマーは、各々、0.3~1.2g/10分のメルトインデックス(I)および115℃~135℃の範囲のピーク融点を有し得る。第3のエチレン系ポリマーは、0.910~0.930g/cmの密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有し得る。
【0043】
第1の層、第2の層、および内層に配置された第1のエチレン系ポリマー、第2のエチレン系ポリマー、および第3のエチレン系ポリマーのうちの1つ以上は、それぞれ、同じ基礎となるエチレン系ポリマーを含み得ることが理解されるであろう。例えば、第1の層および第2の層は、各々、同じポリマーのうちの1つ以上を含み得る。
【0044】
上記のように、いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマー層は、単層フィルム20である。そのような実施形態では、単層フィルムは、0.905~0.930g/cm3の密度、190℃および2.16kgの荷重でASTM D 1238に従って測定される0.1~0.9g/10分のメルトインデックス(I2)、およびDSCを使用して測定したときに126℃未満のピーク融点を有する、30~60重量%の第4のエチレン系ポリマーを含む。30~60重量%の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、描写された特徴を有する第4のエチレン系ポリマーの量は、30、40、または50重量%の下限から40、50、または60重量%の上限までであり得る。例えば、第4のエチレン系ポリマーの量は、30~50重量%、または別の方法では40~60重量%、または別の方法では35~55重量%、または別の方法では42~57重量%であり得る。
【0045】
示されるように、第4のエチレン系ポリマーは、0.905~0.930g/cmの密度を有し得る。0.905~0.930g/cmの全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、第4のエチレン系ポリマーの密度は、0.928、0.925、0.920、または0.915g/cmの上限から0.910、0.915、0.920、または0.925g/cmの下限までであり得る。
【0046】
示されるように、第4のエチレン系ポリマーは、190℃および2.16kgのASTM D 1238に従って測定された0.1~0.9g/10分の密度メルトインデックス(I)を有し得る。0.1~2.0g/10分の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書で開示され、例えば、第4のエチレン系ポリマーのメルトインデックスは、0.9、0.8、0.7、または0.6g/10分の上限から0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、または0.6g/10分の下限までであり得る。
【0047】
第4のエチレン系ポリマーは、DSCを使用して測定したときに126℃未満のピーク融点を有し得る。第4のエチレン系ポリマーは、様々なさらなる実施形態では、125℃以下、120℃以下、115℃以下、または110℃以下のピーク融点を有し得る。さらに、第4のエチレン系ポリマーは、様々な実施形態では、95℃超、100℃超、または105℃超のピーク融点を有し得る。
【0048】
1つ以上の第4のエチレン系ポリマーは、多層フィルムを形成する第1のエチレン系ポリマー、第2のエチレン系ポリマー、および第3のエチレン系ポリマーのうちの1つ以上と同じであり得ることが理解されるであろう。
【0049】
第1の層が100重量%未満の第1のエチレン系ポリマーを含む多層の実施形態では、多層フィルムの第1の層は、0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の低密度ポリエチレン(LDPE)、0.930g/cm以下の密度および0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の追加の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、または0.940g/cm以上の密度および0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の高密度ポリエチレン(HDPE)などの1つ以上の追加のエチレン系ポリマーをさらに含み得る。LDPEを添加して溶融強度を高めることができ、これは、押出プロセスに役立つ。LLDPEを添加して、得られるフィルムの柔軟性を高めることができる。得られるフィルムの強度を高めるため、およびそのバリア特性のために、HDPEを添加することができる。1つ以上の実施形態では、第1の層は、多層フィルムの強度特性を高めるために、最大40重量%のHDPEを含み得る。多層フィルムの第1の層の残りを構成し得る追加のエチレン系ポリマーには、例えば、UNIVAL(商標)DMDA6200NT7を含む、the Dow Chemical CompanyからAFFINITY(商標)、DOWLEX(商標)、UNIVAL(商標)、AGILITY(商標)、TUFLIN(商標)、ATTANE(商標)、INNATE(商標)、およびELITE(商標)の名称で市販されているものが挙げられる。
【0050】
さらに、多層フィルムの第2の層が100重量%未満の第2のエチレン系ポリマーを含む多層の実施形態では、第2の層は、0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の低密度ポリエチレン(LDPE)、0.930g/cm以下の密度および0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の追加の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、または0.940g/cm以上の密度および0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の高密度ポリエチレン(HDPE)などの1つ以上の追加のエチレン系ポリマーをさらに含む。多層フィルムの第2の層の残りを構成し得る追加のエチレン系ポリマーには、ミシガン州ミッドランドのthe Dow Chemical CompanyからAFFINITY(商標)、DOWLEX(商標)、UNIVAL(商標)、AGILITY(商標)、TUFLIN(商標)、ATTANE(商標)、INNATE(商標)、およびELITE(商標)の名称で市販されているものが挙げられる。
【0051】
さらに、内層が100重量%未満の第3のエチレン系ポリマーを含む多層の実施形態では、多層フィルムの内層は、0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の低密度ポリエチレン(LDPE)、0.930g/cm以下の密度および0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の追加の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、または0.940g/cm以上の密度および0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の高密度ポリエチレン(HDPE)などの1つ以上の追加のエチレン系ポリマーをさらに含み得る。1つ以上の実施形態では、内層は、押出中に多層フィルムの溶融強度特性を高めるために、最大70重量%のLDPEを含み得る。1つ以上の実施形態では、内層は、多層フィルムの柔軟性を高めるために、最大30重量%のLLDPEを含み得る。多層フィルムの内層の残りを構成し得る追加のエチレン系ポリマーには、例えば、DOW(商標)LDPE132IおよびDOWLEX(商標)NG2045Bを含む、the Dow Chemical CompanyからAFFINITY(商標)、DOWLEX(商標)、UNIVAL(商標)、AGILITY(商標)、TUFLIN(商標)、ATTANE(商標)、INNATE(商標)、およびELITE(商標)の名称で市販されているものが挙げられる。
【0052】
いくつかの実施形態において、多層フィルムの1つ以上の層は、1つ以上の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、特定の用途の要件に応じて、帯電防止剤、カラーエンハンサ、染料、潤滑剤、充填剤(例えば、TiOまたはCaCO)、乳白剤、成核剤、加工助剤、顔料、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、UV安定剤、抗ブロック剤、スリップ剤、粘着付与剤、難燃剤、抗菌剤、臭気低減剤、抗真菌剤、酸素捕捉剤、水分捕捉剤、およびこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0053】
従来の収縮性フィルムは、熱にさらされたときにそれ自体または他の高分子フィルムに粘着するように調合される。この現象は、パッケージをシールするときに望ましい。しかしながら、前述のように、収縮性フィルムはまた、ユニット化のプロセスにおける輸送および保管の各々のために、以前に収縮包装された複数の販売可能な品物を単一のユニットに包むためにも利用され得る。フィルム間の粘着または接着は、販売可能な品物が潜在的に損傷を受け、製品の損失または廃棄につながるため、問題となるであろう。この有害な影響を回避するために、ユニット化に使用される収縮性フィルムは、粘着または接着を回避するように調合および製造され得る。
【0054】
本発明は、単層フィルムまたは多層フィルムのいずれかで、熱収縮性フィルム10の外面上にアクリル系コーティング30を提供する。多層フィルムの場合、外面は第1の層または第2の層の外面である。コーティングは、30~90重量%(乾燥重量に基づく)、別の方法では40重量%~90重量%または50重量%~90重量%(乾燥重量に基づく)のアクリル樹脂、0.01~2.0重量%(乾燥重量に基づく)、別の方法では0.05~2.0重量%または0.05重量%~1.5重量%(乾燥重量に基づく)の多価金属架橋剤、および0.1~6.0重量%(乾燥重量に基づく)、別の方法では1.0重量%~6.0重量%または2.0重量%~6.0重量%(乾燥重量に基づく)の界面活性剤を含む水性アクリル系組成物から形成されている。
【0055】
上記のように、コーティングは、30~90重量%(乾燥重量に基づく)のアクリル樹脂を含む。30~90重量%(乾燥重量に基づく)の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、アクリル樹脂の量は、30、40、または50重量%(乾燥重量に基づく)の下限から90、80、または70重量%(乾燥重量に基づく)の上限であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、アクリル樹脂の量は、40~90重量%(乾燥重量に基づく)、または別の方法では50~90重量%(乾燥重量に基づく)、または別の方法では50~80重量%(乾燥重量に基づく)であり得る。
【0056】
アクリル樹脂は、(i)アクリル酸またはメタクリル酸のC1~C8アルキルエステルなどであるがこれらに限定されないエチレン性不飽和非イオン性モノマー、(ii)(メタ)アクリロニトリル、および(iii)エチレン性不飽和酸モノマーのコポリマーである。いくつかの実施形態では、アクリル樹脂は、40~90重量%(別の方法では、45~85重量%、50~85重量%、または55~85重量%)のアクリル酸またはメタクリル酸のC1~C8アルキルエステル、9~50重量%(別の方法では、10~40重量%、15~40重量%、または20~40重量%)の(メタ)アクリロニトリル、および1~15重量%(別の方法では、1~10重量%、1~7重量%、または1~5重量%)のジカルボン酸のコポリマーである。本明細書で使用される場合、(メタ)アクリロニトリルは、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを指す。
【0057】
エチレン性不飽和非イオン性モノマーの例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、エチルメタクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレートを含む(メタ)アクリルエステルモノマー、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、スチレン、置換スチレン、エチレン、ブタジエン;酢酸ビニル、酪酸ビニル、およびその他のビニルエステル(塩化ビニル、トルエンビニル、ベンゾフェノンビニルなどのビニルモノマー)、塩化ビニリデン、ならびにこれらが挙げられる。いくつかの実施形態にでは、エチレン性不飽和非イオン性モノマーは、アクリル酸またはメタクリル酸のC1~C8アルキルエステルである。他の実施形態では、アクリル酸またはメタクリル酸のC1~C8アルキルエステルは、エチル(メタ)アクリレートである。
【0058】
好適なエチレン性不飽和酸モノマーの例としては、例えば、ジカルボン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノブチル、無水マレイン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、1-アリルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキルアリルスルホコハク酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、ホスホアルキル(ホスホエチル(メタ)アクリレート、ホスホプロピル(メタ)アクリレート、およびホスホブチル(メタ)アクリレートなどのメタクリレート、ホスホアルキルクロトン酸塩、ホスホアルキルマレイン酸塩、ホスホアルキルフマレート、ホスホジアルキル(メタ)アクリレート、ホスホジアルキルクロトン酸塩、およびアリルホスフェート、ならびにこれらが挙げあられる。いくつかの実施形態では、エチレン性不飽和酸モノは、ジカルボン酸である。他の実施形態では、ジカルボン酸は、α、β-エチレン性不飽和ジカルボン酸である。他の実施形態では、ジカルボン酸は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノブチル、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。さらなる実施形態では、ジカルボン酸は、マレイン酸、フマル酸、またはイタコン酸である。
【0059】
好適な多価金属架橋剤の例としては、多価金属錯体または多価金属キレートが含まれ、これらは、系において少なくとも部分的にイオン化可能または可溶性である。いくつかの実施形態では、多価金属は遷移金属である。他の実施形態では、多価金属は、周期表のグループII-BまたはIV-Bから選択される。さらなる実施形態では、多価金属は、亜鉛、カドミウム、またはジルコニウムである。多価金属および陰イオンの選択は、使用される液体溶媒中の得られた金属錯体または化合物の溶解度によって支配される。
【0060】
多価金属架橋剤の具体例としては、アルミノメタケイ酸マグネシウム、アラニン酸ジルコニウム、アラニン酸亜鉛、グリシン酸亜鉛またはチタン化合物、チタン酸テトラエチル、チタン酸テトライソプロピル、イソプロピル酸アルミニウムまたはセクブトリ酸アルミニウム、およびジプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、テトラオクチレングリコールチタネート、アルミニウムイソプロピルエート、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピルエート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)またはアルミニウムトリス(アセチルアセトネート))、酢酸亜鉛、酢酸カドミウム、グリシン酸亜鉛、グリシン酸カドミウム、炭酸ジルコニウム、炭酸亜鉛、炭酸カドミウム、安息香酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、グリコレート亜鉛、およびグリコレートカドミウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
本明細書で有用な界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。有用な界面活性剤の非限定的な例としては、N-アルキルスルホスクシナメート、ジアルキルスルホスクシネート、アルキルサルフェートおよびスルホネート、アルキルポリアルキレンオキシドサルフェート、アルキルアリルポリアルキレンオキシドサルフェート、アルキルアリルスルホネート、アルキルポリアルキレンオキシド、アルキルアリルポリアルキレンオキシド、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0062】
水性アクリル系組成物は、流体溶媒をさらに含む。流体溶媒は任意の溶媒であり得、例えば、流体溶媒は水であり得、または代替で、流体溶媒は、水と1つ以上の有機溶媒、例えば、1つ以上の水混和性溶媒もしくは1つ以上の水非混和性溶媒、またはこれらの組み合わせとの混合物であり得る。本明細書の実施形態では、水性アクリル系組成物は、分散液の総体積に基づいて、15~99体積パーセントの水を含む。特定の実施形態では、含水量は、分散液の総体積に基づいて、30~75の範囲、または代替で、35~65、または代替で、40~65体積パーセントの範囲であり得る。分散液の含水量は、好ましくは、固形分が約1体積パーセント~約99体積パーセントになるように制御することができる。特定の実施形態では、固形分範囲は、約15パーセント~約45パーセントであり得る。他の特定の実施形態では、固形分範囲は、25体積パーセント~約70体積パーセントであり得る。他の特定の実施形態では、固形分範囲は、約30体積パーセント~約45体積パーセントであり得る。特定の他の実施形態では、固形分範囲は、約35パーセント~約60体積パーセントである。
【0063】
水性アクリル系組成物は、水性溶媒中で1つ以上のアクリル樹脂モノマーを最初に重合してアクリルポリマー分散液を形成することによって形成することができる。例示的な重合技術としては、溶液、乳化、ミニエマルション、マイクロエマルション、または懸濁重合プロセスが挙げられる。乳化重合の実践は、D.C.Blackley,Emulsion Polymerization(Wiley,1975)およびH.Warson,The Applications of Synthetic Resin Emulsions,Chapter 2(Ernest Benn Ltd.,London 1972)で詳細に説明されている。ポリマー分散液を中和し、中和後、界面活性剤および金属架橋剤を添加して、水性アクリル系組成物を形成することができる。
【0064】
水性アクリル系組成物の調製中に、任意選択で、1つ以上の充填剤;任意選択で、触媒、湿潤剤、消泡剤、流動剤、離型剤、スリップ剤、ブロック防止剤、硫黄染色をマスクするための添加剤、顔料湿潤/分散剤、沈降防止剤、UV安定剤、接着促進剤などの1つ以上の添加剤;任意選択で、脂肪酸エステルワックス、シリコン系ワックス、フッ素系ワックス、ポリエチレンもしくは任意の他の同様のポリオレフィンワックス、カルナウバワックス、またはラノリンワックスなどの1つ以上の潤滑剤;任意選択で、アルミニウムおよび亜鉛などの1つ以上の腐食防止剤:任意選択で、1つ以上の顔料、例えば、二酸化チタン、雲母、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、酸化亜鉛、粉砕ガラス、アルミニウム三水和物、タルク、三酸化アンチモン、フライアッシュ、および粘土など;任意選択で、1つ以上の染料;任意選択で、1つ以上の共溶媒、例えば、グリコール、グリコールエーテル、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート、アルコール、ミネラルスピリット、および安息香酸エステルなど;任意選択で、1つ以上の分散剤、例えばアミノアルコール、およびポリカルボキシレート;任意選択で、1つ以上の界面活性剤;任意選択で、1つ以上の消泡剤;任意選択で、1つ以上の防腐剤、例えば、殺生物剤、殺カビ剤、殺菌剤、殺藻剤、およびこれらの組み合わせ;任意選択で、1つ以上の増粘剤、例えば、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロースベースの増粘剤、疎水性修飾アルカリ可溶性エマルジョン(UCAR POLYPHOBE TR-116などのHASE増粘剤)および疎水性修飾エトキシル化ウレタン増粘剤(HEUR);または任意選択で、1つ以上の追加の中和剤、例えば、ヒドロキシド、アミン、アンモニア、および炭酸塩を、水性分散液配合物に添加してもよく、または代替で、水性アクリル系組成物の乳化後重合プロセスに添加してもよい。
【0065】
図1を参照すると、コーティング30は、例えば、グラビアコーティングおよびフレキソ印刷コーティングを含むがこれらに限定されない、コーティングが典型的にフィルムに適用される様々な技術を使用してポリマーフィルム20の外面に適用することができる。また、他の薄いコーティング技術も使用することができる。水系コーティングおよび接着剤を適用するための設備を有する当業者は、ポリマーフィルム20に水性アクリル系組成物を適用するために、それらのプロセスを容易に適合させて、本開示のコーティングされた熱収縮性フィルム10を得ることができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、ポリマーフィルム20に適用されるコーティング30の量は、1平方メートル当たり少なくとも0.1グラムであり得る。本明細書で使用される場合、コーティングの量は、コーティング前と、コーティング30が適用され、乾燥した後とのエチレン系ポリマーフィルム20の重量の差を測定することによって決定される。いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマー層20に適用されるコーティング30の量は、1平方メートル当たり最大5グラムである。コーティング30は、最大コーティング厚さを有さず、所望のコーティング特性および性能を提供するために必要とされるものを超えて、不必要に厚く高価なコーティングを回避する経済性によって単に制限されることが理解される。いくつかの実施形態では、フィルムに適用されるコーティング30の量は、1平方メートル当たり0.1~0.8グラム(g/m)である。0.1~5g/mの全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、コーティングの量は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、または0.6g/mの下限から0.7、0.8、0.9、1、3、または5g/mの上限までであり得る。例えば、コーティング30の量は、いくつかの実施形態では、0.3~0.8g/mであり得る。
【0067】
1つ以上の実施形態では、コーティング30は、ポリマーフィルム20の外面上のコーティングされた領域およびコーティングされていない領域の規定されたパターンに従って適用される。コーティングされた熱収縮性フィルム10が一般に、巻かれたフィルムとして提供されるため、コーティングされた熱収縮性フィルム10が物体の周りの包みとして利用されるとき、コーティングされていない領域は、シールエリアと整列して配置される。コーティングされていない領域にコーティング30がないことにより、コーティングされた熱収縮性フィルム10は、コーティングされた領域と整列した接着を排除する利点を保持しながら、コーティング30で物体を包むときにそれ自体をシールまたは接着することができる。多層フィルムでは、コーティング30は、多層フィルムの第1の層24または第2の層26の外面上のコーティングされた領域およびコーティングされていない領域の規定されたパターンに従って適用される。同様に、単層フィルムでは、コーティング30は、単層フィルムの外面上のコーティングされた領域およびコーティングされていない領域の規定されたパターンに従って適用される。
【0068】
本開示の実施形態はまた、本明細書に記載される熱収縮性フィルム10のいずれかから形成される物品を提供する。そのような物品の例には、製品のユニット化されたグループの取り扱い、輸送、および保管を容易にするために、いくつかの製品を一緒にグループ化するための二次パッケージ材を含むことができる。
【0069】
図1を参照すると、複数の一次パッケージ60をユニット化するためのオーバー収縮性フィルムとしての熱収縮性フィルム10の適用が示されている。各一次パッケージ60は、個々の品物62を販売可能な一次パッケージ60に束ねる一次パッケージ用フィルム64を有する複数の個別品物62を含むものとして示されている。一次パッケージ用フィルム64は、ポリマーフィルムであり得る。次に、熱収縮性フィルム10を二次パッケージ用フィルムとして利用して、複数の一次パッケージ60をより大きな小包に束ねて、取り扱い、輸送、および保管を容易にすると共に、物流チェーン全体にわたって一次パッケージ60に保護を提供する。コーティング30を形成するために使用される水性アクリル系組成物は、一次パッケージ60の一次パッケージ用フィルム64と熱収縮性フィルム10のエチレン系ポリマー層(複数可)20との間の中間機能層の役割をし、それらの間の接着を実質的に低減または完全に防止する。付着防止は、一次パッケージ用フィルム64の完全性を維持するのに役立つ。
【0070】
ポリマーで包まれた一次パッケージ60を一体化する方法は、一次パッケージ60のうちの1つ以上を本開示の熱収縮性フィルム10で包むことと、熱収縮性フィルム10の寸法を縮小するために熱エネルギーを適用して、一次パッケージ60を熱収縮性フィルム10内に拘束することと、を含む。水性アクリル系を含むコーティング30は、一次パッケージの個々の製品62を束ねているポリマーフィルム64がコーティング30にさらされ、かつ下にあるエチレン系ポリマー層(複数可)20から隔離されるように、包まれている間に1つ以上の一次パッケージ60の近位に配置される。
【0071】
一次パッケージ60は、その中に様々な種類の個々の製品62を含み得ることが理解されるであろう。図1は、個々の製品62としてペットボトルを示しているが、さらなる非限定的な例には、ペットフードもしくは米などの食品、ガラス瓶、家庭用品、または供給チェーン業務中に、典型的に統合された束にユニット化される他の製品が含まれる。
【0072】
様々な実施形態では、一次パッケージ60のうちの1つ以上の周りでの熱収縮性フィルム10の収縮を開始させるために、熱収縮性フィルム10は、少なくとも約120℃、少なくとも、約140℃、少なくとも約150℃、少なくとも約180℃、またはさらに250℃超に加熱され得る。実施形態では、熱収縮性フィルム10は、一次パッケージ60のうちの1つ以上の周りでの熱収縮性フィルム10の収縮を開始させるために、約140℃~約190℃または約150℃~約180℃の範囲の温度に加熱され得る。加熱保持時間は、約1秒~約1分、約2秒~約30秒、または約3秒~約20秒であり得る。
【0073】
包まれた個々の製品62の複数の一次パッケージ60を、二次パッケージとして単一のグループにユニット化するために利用される熱収縮性フィルム10の厚さは、例えば、一次パッケージ60のサイズ、一次パッケージ60の体積、一次パッケージ60および個々の製品62の重量、一次パッケージ60の内容物、二次パッケージ材の所望の特性、および他の要因を含むいくつかの要因に応じて選択することができる。いくつかのそのような実施形態では、熱収縮性フィルム10は、20~500ミクロンの厚さを有する。20~500ミクロンの全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、熱収縮性フィルム10の厚さは、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、または190ミクロンの下限から30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、220、250、280、300、330、350、370、400、430、450、470、または500ミクロンの上限までであり得る。25.4ミクロンは、熱収縮性フィルムの厚さに対して約1~20ミルの開示された範囲を仮定すると、厚さ1ミルの当量であることが注目される。
【0074】
試験方法
本明細書で別途指示されない限り、本発明の態様を説明する際に、以下の分析法を使用する:
【0075】
メルトインデックス
メルトインデックス(I)を、ASTM D-1238に従い190℃、2.16kgで測定する。値は、g/10分で報告される。
【0076】
密度
密度測定のための試料は、ASTM D4703に従って調製される。測定は、ASTM D792、方法Bに従って、1時間の試料プレスの間に行われる。
【0077】
ピーク融点
示差走査熱量測定(DSC)を使用して、広範囲の温度にわたるポリマーの溶融および結晶化挙動を測定することができる。例えば、RCS(冷蔵冷却システム)およびオートサンプラーを備えたTA Instruments Q1000DSCを使用して、この分析を実行する。試験中、50ml/分の窒素パージガス流量を使用する。ペレット状の各試料を約150℃で溶融圧縮して薄いフィルムにし、次いで、溶融した試料を、室温(約25℃)まで空冷する。5~10mg、直径6mmの試験片を冷却したポリマーから抽出し、秤量し、軽量アルミニウムパン(約50mg)内に置き、圧着して閉じる。次いで、その熱的特性を決定するために分析を行う。
【0078】
試料の熱挙動は、試料温度を昇降して熱流量対温度プロファイルを作成することにより決定する。熱履歴を除去するために、まず、試料を180℃まで急速に加熱し、3分間等温保持する。次に、試料を10℃/分の冷却速度で-40℃まで冷却し、-40℃で3分間等温保持する。次いで、試料を、10℃/分の加熱速度で150℃(これは「第2の加熱」勾配である)に加熱する。冷却および第2の加熱曲線を記録する。第2の加熱曲線は、ベースラインエンドポイントを-30℃~135℃に設定することによって分析する。決定される値は、融点としても知られるピーク融解温度(Tm)である。ピーク融解温度は、第2の加熱曲線から報告される。複数のピークが観察される場合は、最高温度のピークを使用してTmを決定する。
【0079】
ダート
フィルムダート落下試験は、自由落下ダートによる衝撃の特定の条件下で、プラスチックフィルムを破壊させるエネルギーを測定する。試験結果は、試験される試験片の50%の破損をもたらすことになる、規定の高さから落ちる飛翔体の重量として表されるエネルギーである。
【0080】
ダート衝撃強度(ダート)は、ASTM D1709、方法Aに従って、26インチ±0.4インチ(66cm±1cm)の落下高さおよび直径38.10±0.13mmの研磨されたアルミニウム半球状ヘッドを使用して測定する。
【0081】
割線弾性係数
フィルムMD(縦方向)およびCD(横方向)2%割線弾性係数を、ASTM D882に従って、20インチ/分のクロスヘッド速度で決定した。試験片の幅は1インチであり、初期グリップの間隔は4インチである。報告された2%割線弾性係数値は、5つの測定値の平均であった。
【0082】
引裂試験
縦方向(MD)および横方向(CD)の両方のエルメンドルフ引裂試験は、ASTM D1922、種類B-一定半径に従って行われた。
【0083】
耐破壊性
穿刺抵抗は、TestXpertIIソフトウェアを備えたZWICKモデルZ010で測定される。試験片のサイズは「6インチ×6インチ」であり、平均穿刺値を決定するために、少なくとも5回の測定が行われる。丸型試験片ホルダーと共に、1000ニュートンのロードセルを使用する。試験片は、直径4インチの円形試験片である。穿刺抵抗手順は、本明細書に記載のプローブに対する修正を伴って、ASTM D5748-95規格に従う。穿刺プローブは、直径1/2インチのボール型研磨ステンレススチールプローブである。ゲージ長は存在せず、プローブは、試験片に可能な限り接近しているが接触はしていない。プローブが試験片に接触するまでプローブを上げることによって、プローブを設定する。次いで、プローブが試験片に接触しなくなるまで、プローブを徐々に下げる。次いで、クロスヘッドをゼロに設定する。最大移動距離を考慮すると、この距離はおよそ0.10インチであろう。使用されるクロスヘッド速度は、250mm/分である。厚さを、試験片の中央で測定する。フィルムの厚さ、クロスヘッドの移動距離、およびピーク荷重を使用して、ソフトウェアによる穿刺を判定する。穿刺プローブを、各試験片後に洗浄する。穿刺エネルギーは、荷重/伸び曲線の曲線下面積である(ジュール単位)。
【0084】
ヤング率
MD(縦方向)およびCD(横方向)ヤング率、または弾性率は、ASTM D882に従って決定される割線弾性係数と同じ装置で取得する。試験片の幅は、1インチであり、初期グリップの間隔は、20インチ/分のクロスヘッド速度で4インチである。報告されるヤング率の値は、5回の測定の平均であった。ヤング率は、応力-ひずみ図の直線部分の傾きである。
【0085】
自由収縮
プラスチックフィルムおよびシートの拘束されていない線形熱収縮は、ASTM D 2732-70に基づくダウ内部法に従って測定する。直径50mmの5個の試験片を準備し、試験前に、23±2℃および50±5%の相対湿度で40時間調整する。試験は、HANATEK Mod2010で実施する。試験温度150℃に達して安定すると、銅ディスクにシリコンオイルを数滴添加する。オイルが広がり、所定の温度で安定すると、試料をホットプレートに20秒間、できるだけ平らに注意深く置く。次に、試料をキャリアディスクから取り外し、冷却エリアに配置し、収縮率が読み取れるように、中央に置く。
【0086】
自由収縮の割合は、%=[(L-L)/L]×100で与えられ、式中、L=辺の初期の長さであり、L=収縮後の長さである。自由収縮値は、MD(縦方向)およびCD(横方向)で計算され、5回のそれぞれの測定の平均である。
【0087】
ヒートシール試験
フィルム上のヒートシール測定は、ASTM F-88(技法A)に従って市販の引張試験機で実施する。ヒートシール試験は、可撓性バリア材料のシールの強度(シール強度)のゲージである。これは、シールを含有する材料の試験ストリップを分離するのに必要な力を測定することによって行い、試験片の破損のモードを特定する。シール強度は、開封力とパッケージの完全性に関連する。切断する前に、フィルムをASTM D-618(手順A)に従って23℃(+2℃)および50%(+5%)のR.H.(相対湿度)で最低40時間調整する。次に、シートを、3層の共押出積層フィルムから縦方向に約11インチの長さおよび約8.5インチの幅に切断する。シートを、シーリング圧力または滞留力0.138N/mm(20psi)、ならびに0.3秒および0.5秒の滞留時間の条件下で一定の温度範囲で、Brugger HSG-Cシーラー上で縦方向にヒートシールする。ヒートシール力は、1平方インチあたりのグラム力(grf/in)で報告される。
【0088】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【実施例
【0089】
単層フィルムの調製
エチレン系ポリマー熱収縮性単層フィルムは、比較フィルム1としてインフレートフィルム押出により製造した。比較フィルム1は、市販されているエチレン系ポリマー熱収縮性フィルムに現在利用されている標準配合に従って調製した。調合物は、表2として提供される個々の樹脂の特性と共に、表1として以下に提供される。比較フィルム1は、3.0のブローアップ比(B.U.R.)、80mmのダイ直径、1.8mmのダイギャップを備えたCollin Blown Filmラインで製造し、40ダインのコロナ処理を施した。さらに、比較フィルム1は、219℃の溶融温度、235℃のダイ温度、59rpmのRPM、22.42kg/時の出力、258バールの圧力、および377mmのレイフラットの処理条件で調製した。また、190℃/210℃/220℃/235℃/235℃/235℃/235℃の温度プロファイルを使用してフィルムを調製した。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
比較フィルム1は、0.5g/mのミシガン州ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから入手可能なPRIMAL(商標)R-225で、100フィート/分で動作するLabo Combi400ラミネーション機でコーティングした。PRIMAL(商標)R-225は、本開示による水性アクリル系組成物である。PRIMAL(商標)R-225でコーティングされた、製造された熱収縮性フィルムを本発明のフィルム2と指定した。層構造および調合物を表3に示す。
【0093】
【表3】
【0094】
単層フィルムの性能試験
比較フィルム1と本発明のフィルム2との比較試験は、一次パッケージに対する収縮性フィルムの粘着性を評価するために完了した。具体的には、比較フィルム1および本発明のフィルム2の各々を使用して、6つの異なる種類の一次パッケージを束ねた。各種類の一次パッケージの説明を表4に示す。一次パッケージを比較フィルム1および本発明のフィルム2の各々に個別に束ね、2m/分および180℃で稼働するSmipack BP収縮トンネルに通した。2m/分および180℃での通過は、パッケージングラインの収縮トンネルで使用される典型的な温度範囲内である。
【0095】
【表4】
【0096】
6種類のパッケージのユニット化された束を、内部パッケージと、比較フィルム1および発明フィルム2のオーバー収縮性フィルムとの間の接着力について試験した。試験は、束ねられたパッケージからオーバー収縮性フィルムを取り外し、一次パッケージへの融着または粘着性、ならびに比較パッケージ1および発明フィルム2の取り外しによる一次パッケージへの損傷をチェックすることで完了した。接着結果を表5および表6に示す。
【0097】
【表5】
【0098】
表5に示されるように、パッケージ5を除く全ての一次パッケージは、比較フィルム1の使用によって損傷した。具体的には、比較フィルム1は、PEを調合した一次パッケージへの接着を示した。つまり、パッケージ1、2、および3は、比較フィルム1のオーバー収縮性フィルムへの接着により損傷を受けたため、小売店の棚での陳列ができなくなるであろう。パッケージ4に関して、比較フィルム1は、PETを含むペットフードバッグの外面には特に粘着しなかったが、PEのコア層が露出した端部に粘着した。予想通り、パッケージ5は、PP/PE/PPを含むため、比較フィルム1は、内部パッケージに粘着しなかった。最後に、比較フィルム1は、パッケージ6への幾分の接着を示し、一次パッケージを分離する力を必要とし、外観を損傷した。収縮後の接着の証拠は、取り外された比較フィルム1の表面およびパッケージ6の表面の両方に残った。
【0099】
【表6】
【0100】
本発明のフィルム2は、収縮トンネルを通過した後、どの一次パッケージにも粘着しなかった。6つの一次パッケージは、各々、本発明のフィルム2によってしっかりと包まれ、束ねられ、一次パッケージは、本発明のフィルム2を取り外しても損傷なしにそれらの完全性が維持された。
【0101】
本発明のフィルム2を生成するためのPRIMAL(商標)R-225水性アクリル系コーティングの適用時の比較フィルム1の機械特性および収縮特性の保持を測定した。機械特性および収縮特性の保持は、個々のパッケージが流通チェーン全体でユニット化されるように拘束するために、十分な収縮性およびパッケージ堅牢性を得るために求められる。比較フィルム1および本発明のフィルム2の機械特性および収縮特性を表7に示す。ダート落下抵抗を含む複数の特性、すなわち、クロス方向(CD)および縦方向(MD)でのエルメンドルフ引裂き評価、突起穿刺抵抗評価、割線弾性係数2%、ヤング率、クロス方向(CD)および縦方向(MD)での150℃での収縮を評価した。
【0102】
【表7】
【0103】
本発明のフィルム2は、比較フィルム1のコーティングされていないフィルムの機械特性および収縮特性を実質的に保持し、二次パッケージ材およびユニット化に好適なフィルムを提供する。
【0104】
多層フィルムの調製
2つのエチレン系ポリマー熱収縮性多層フィルムをインフレーションフィルム押出により製造した。調製された各多層フィルムの調合物を表8として以下に示し、個々の樹脂の特性を表9として示す。同じポリマー調合物を含む第1の層および第2の層と、第2のポリマー調合物を含む内層とを有する比較フィルム3と指定される第1の多層フィルムを調製した。同じポリマー調合物を含む第1の層および第2の層と、第2のポリマー調合物を含む内層とを有する比較フィルム4と指定される第2の多層フィルムも調製した。比較フィルム3および比較フィルム4は、3.0のブローアップ比(B.U.R.)、80mmのダイ直径、1.8mmのダイギャップ、230℃のダイ温度、377mmのレイフラットを備えたCollin Blown Filmラインで製造し、40ダインのコロナで処理した。層Aは、219℃の溶融温度、63rpmのRPM、4.95kg/時の出力、251バールの圧力、190℃/210℃/220℃/230℃/230℃/230℃の温度プロファイルの処理条件で調製した。層Bは、215℃の溶融温度、80rpmのRPM、9.9kg/時の出力、224バールの圧力、190℃/210℃/220℃/230℃/230℃/230℃の温度プロファイルの処理条件で調製した。層Cは、214℃の溶融温度、70rpmのRPM、5.21kg/時の出力、347バールの圧力、および190℃/210℃/220℃/230℃/230℃/230℃の温度プロファイルの処理条件で調製した。
【0105】
【表8】
【0106】
【表9】
【0107】
比較フィルム3および比較フィルム4は、表10に記載される一連の本発明のフィルムを生成するために、0.3g/mおよび0.5g/mのPRIMAL(商標)R-225でコーティングした。比較フィルム3および比較フィルム4もまた、表10に示される一連の比較水性アクリル系コーティングフィルムを生成するために、The Dow Chemical Company(ミシガン州ミッドランド)から入手可能な0.3g/m、および0.5g/mのPRIMAL(商標)GL 618、PRIMAL(商標)HA 8、およびPRIMAL(商標)TR 407でコーティングした。PRIMAL(商標)GL618、PRIMAL(商標)HA 8、およびPRIMAL(商標)TR 407は、アクリル系コーティング組成物であり、本明細書に記載の特許請求される水性アクリル系コーティング組成物の範囲外である。
【0108】
【表10】
【0109】
多層フィルムの性能試験
下にあるパッケージとの接着特性の比較を確立するために、多層フィルム(フィルム5~20)をコーティングされていない多層フィルム(比較フィルム3)にヒートシールして、内部のユニット化されたパックを包むこのような外部フィルムの接触および収縮トンネルを通過することをシミュレートした。結果を表11~表14に示す。自由収縮もテストし、結果を表15に示す。
【0110】
【表11】
【0111】
【表12】
【0112】
【表13】
【0113】
【表14】
【0114】
【表15】
【0115】
本開示の実施形態による多層フィルムへのアクリル系コーティングの適用は、(a)2つのコーティングされていない多層フィルム間の接着および(b)コーティングされていない多層フィルムと比較アクリル系コーティングでコーティングされた多層フィルムとの間の接着、の両方と比較して、ヒートシール力の有意な低下を提供する。また、コーティングは、コーティングされた多層フィルムの収縮能力に悪影響を及ぼさない。
【0116】
添付の特許請求の範囲に定義される本開示の範囲から逸脱することなく、修正および変更が可能であることは明らかであろう。より具体的には、本開示のいくつかの態様は、本明細書において好ましいまたは特に有利であると認識されているが、本開示は、必ずしもこれらの態様に限定されることはないと企図される。
【0117】
単数形を使用する特許請求の範囲および図面の組み合わせにおいて、複数形の可能性もまた含むことは明らかであろう。例えば、コーティング層への言及は、少なくとも1つのコーティング層への言及も暗黙的に含む。

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] (a)多層フィルムであって、
(i)30~100重量パーセントの第1のエチレン系ポリマーを含む第1の層であって、前記第1のエチレン系ポリマーが、0.905~0.930g/cm の密度、190℃および2.16kgの荷重でASTM D 1238に従って測定したときに0.1~2.0g/10分のメルトインデックス(I )、および示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定したときに126℃未満のピーク融点を有する、第1の層、
(ii)50~100重量パーセントの第2のエチレン系ポリマーを含む第2の層であって、前記第2のエチレン系ポリマーが、0.905~0.970g/cm の密度およびDSCを使用して測定したときに100℃~135℃の範囲のピーク融点を有する、第2の層、ならびに
(iii)前記第1の層と前記第2の層との間の少なくとも1つの内層であって、0.930~0.970g/cm の密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有する10~50重量パーセントの第3のエチレン系ポリマーを含む、前記内層、を含む多層フィルムと、
(b)前記フィルムの前記第1の層または第2の層の外面上のコーティングであって、
30~90重量%(乾燥重量に基づく)のアクリル樹脂、
0.01~2.0重量%(乾燥重量に基づく)の多価金属架橋剤、および
0.1~6.0重量%(乾燥重量に基づく)の界面活性剤を含む水性アクリル系組成物から形成されているコーティングと、を含む熱収縮性フィルム。
[2] (a)30~60重量パーセントの第4のエチレン系ポリマーを含む単層フィルムであって、前記第4のエチレン系ポリマーが、0.905~0.930g/cm の密度、190℃および2.16kgの荷重でASTM D 1238に従って測定したときに0.1~0.9g/10分のメルトインデックス(I2)、および示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定したときに126℃未満のピーク融点を有する、単層フィルムと、
(b)前記単層フィルムの外面上のコーティングであって、
・30~90重量%(乾燥重量に基づく)のアクリル樹脂、
・0.01~2.0重量%(乾燥重量に基づく)の多価金属架橋剤、および
・0.1~6.0重量%(乾燥重量に基づく)の界面活性剤を含む水性アクリル系組成物から形成されているコーティングと、を含む熱収縮性フィルム。
[3] 前記アクリル樹脂が、アクリル酸またはメタクリル酸のC1~C8アルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、およびジカルボン酸のコポリマーである、[1]または[2]に記載のフィルム。
[4] 前記アクリル樹脂が、40~90重量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1~C8アルキルエステル、9~50重量%の(メタ)アクリロニトリル、および1~15重量%のジカルボン酸のコポリマーである、[3]に記載のフィルム。
[5] 前記アクリル酸またはメタクリル酸のC1~C8アルキルエステルがエチル(メタ)アクリレートである、[3]または[4]に記載のフィルム。
[6] 前記ジカルボン酸がα,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸である、[3]~[5]に記載のフィルム。
[7] 前記多価金属架橋剤の多価金属が、亜鉛、カドミウム、またはジルコニウムである、[1]~[6]に記載のフィルム。
[8] 前記界面活性剤が、N-アルキルスルホスクシナメート、ジアルキルスルホスクシネート、アルキルサルフェートおよびスルホネート、アルキルポリアルキレンオキシドサルフェート、アルキルアリールポリアルキレンオキシドサルフェート、アルキルアリールスルホネート、アルキルポリアルキレンオキシド、アルキルアリールポリアルキレンオキシド、またはこれらの組み合わせである、[1]~[7]のフィルム。
[9] パッケージ用組立品であって、
複数のパッケージであって、各パッケージが、ポリマー材料を含む一次パッケージ用フィルムによって一緒に束ねられた複数の品物を含み、前記一次パッケージ用フィルムが、前記複数の品物の周りに巻き付けられて、一次パッケージを形成する、複数のパッケージと、
前記複数のパッケージを束ねるために使用される二次パッケージ用フィルムであって、[1]~[8]のいずれかに記載の熱収縮性フィルムを含む、前記二次パッケージ用フィルムと、を含むパッケージ用組立品。
[10] ポリマーで包まれた一次パッケージをユニット化する方法であって、
前記一次パッケージのうちの1つ以上を[1]~[9]のいずれかに記載の熱収縮性フィルムで包み、前記コーティングが前記1つ以上の一次パッケージの近位に配置されるようにすることと、
前記熱収縮性フィルムの寸法を縮小するために熱エネルギーを適用して、前記一次パッケージを前記熱収縮性フィルム内に拘束することと、を含む方法。
図1