(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】端末
(51)【国際特許分類】
H04W 8/24 20090101AFI20231204BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20231204BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20231204BHJP
【FI】
H04W8/24
H04W72/0457 110
H04W16/32
(21)【出願番号】P 2021539804
(86)(22)【出願日】2019-08-15
(86)【国際出願番号】 JP2019032081
(87)【国際公開番号】W WO2021029080
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】高田 卓馬
(72)【発明者】
【氏名】梅田 大將
(72)【発明者】
【氏名】小熊 優太
【審査官】横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; NR; Radio Resource Control (RRC) protocol specification (Release 15) [online],3GPP TS 38.331 V15.6.0 (2019-06),2019年06月29日,[検索日2023.4.24],インターネット <URL:https://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/38_series/38.331/38331-f60.zip>
【文献】3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; NR; User Equipment (UE) radio transmission and reception; Part 3: Range 1 and Range 2 Interworking operation with other radios (Release 15) [online],3GPP TS 38.101-3 V15.6.0 (2019-06),2019年07月04日,[検索日2023.4.24],インターネット <URL:https://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/38_series/38.101-3/38101-3-f60.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末であって、
キャリアの周波数上における連続または不連続の配置の少なくとも何れかのうち、前記端末が対応している配置を設定する制御部と、
設定された前記配置を示す配置情報を無線基地局に送信する送信部と
を備え、
前記配置情報は、
Inter-band EN-DC(E-UTRA-NR Dual Connectivity)用として規定されるバンド組合せの少なくとも一部が、
Intra-band EN-DC用の
規定を適用
して規定される場合でも、前記端末が対応可能なコンポーネントキャリアの配置を示し、
前記配置情報中の第1のバンドの周波数範囲は、前記
Intra-band EN-DC用として規定される第2のバンドの周波数範囲の一部である端末。
【請求項2】
キャリアの周波数上における連続または不連続の配置の少なくとも何れかのうち、端末が対応している配置を示す配置情報を前記端末から受信する受信部と、
前記配置情報に基づいて前記配置を設定する制御部と
を備え、
前記配置情報は、
Inter-band EN-DC(E-UTRA-NR Dual Connectivity)用として規定されるバンド組合せの少なくとも一部が、
Intra-band EN-DC用の
規定を適用
して規定される場合でも、前記端末が対応可能なコンポーネントキャリアの配置を示し、
前記配置情報中の第1のバンドの周波数範囲は、前記
Intra-band EN-DC用として規定される第2のバンドの周波数範囲の一部である無線基地局。
【請求項3】
端末と無線基地局とを含む無線通信システムであって、
前記端末は、
キャリアの周波数上における連続または不連続の配置の少なくとも何れかのうち、前記端末が対応している配置を設定する制御部と、
設定された前記配置を示す配置情報を前記無線基地局に送信する送信部と
を備え、
前記配置情報を前記端末から受信する受信部を備え、
前記配置情報は、
Inter-band EN-DC(E-UTRA-NR Dual Connectivity)用として規定されるバンド組合せの少なくとも一部が、
Intra-band EN-DC用の
規定を適用
して規定される場合でも、前記端末が対応可能なコンポーネントキャリアの配置を示し、
前記配置情報中の第1のバンドの周波数範囲は、前記
Intra-band EN-DC用として規定される第2のバンドの周波数範囲の一部である無線通信システム。
【請求項4】
端末が、キャリアの周波数上における連続または不連続の配置の少なくとも何れかのうち、前記端末が対応している配置を設定するステップと、
前記端末が、設定された前記配置を示す配置情報を無線基地局に送信するステップとを含み、
前記配置情報は、
Inter-band EN-DC(E-UTRA-NR Dual Connectivity)用として規定されるバンド組合せの少なくとも一部が、
Intra-band EN-DC用の
規定を適用
して規定される場合でも、前記端末が対応可能なコンポーネントキャリアの配置を示し、
前記配置情報中の第1のバンドの周波数範囲は、前記
Intra-band EN-DC用として規定される第2のバンドの周波数範囲の一部である無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を実行する端末に関し、特に、対応可能な周波数バンドの組合せを決定する端末に関する。
【背景技術】
【0002】
3rd Generation Partnership Project(3GPP)は、Long Term Evolution(LTE)を仕様化し、LTEのさらなる高速化を目的としてLTE-Advanced(以下、LTE-Advancedを含めてLTEという)、さらに、5th generation mobile communication system(5G、New Radio(NR)またはNext Generation(NG)とも呼ばれる)の仕様化も進められている。
【0003】
3GPP Release 15では、端末(User Equipment, UE)が無線信号(具体的にはキャリア)を送受信できる周波数バンドの組合せ(Band combination)の通知方法が規定されている(非特許文献1)。
【0004】
具体的には、端末は、対応している周波数バンドの番号(バンド番号)を組み合わせて1つのBand combinationを作成する。端末は、このようなBand combinationを複数作成することができる。
【0005】
また、同一周波数バンド内(Intra-band)のE-UTRA-NR Dual Connectivity(EN-DC)に関して、端末は、Band combination毎に、コンポーネントキャリア(CC)が周波数バンド上に連続して配置される"Contiguous"、またはCCが、1つまたは複数の周波数バンド上において不連続に配置される"Non-contiguous"の対応可否を通知できる。具体的には、"MRDC-Parameters"と呼ばれる情報要素(IE)が用いられる。
【0006】
MRDC-Parametersには、端末が、ContiguousもしくはNon-contiguousのみに対応しているのか、またはNon-contiguous及びContiguousの両方に対応しているのかを明確に示すため、intraBandENDC-Support-v1540と呼ばれるフィールドも規定されている。
【0007】
一方、周波数バンド間(Inter-band)EN-DCに関して、Inter-band EN-DC用として規定されるBand combinationの一部は、Intra-band EN-DC用の規定を適用することが合意されている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】3GPP TS 38.331 V15.6.0, 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; NR; Radio Resource Control (RRC) protocol specification (Release 15)、3GPP、2019年6月
【文献】"Draft CR for clarification of note for B42_n77 and B42_n78 to TS 38.101-3", R4-1907424, 3GPP TSG-RAN WG4 Meeting #91, 3GPP, 2019年5月
【発明の概要】
【0009】
Intra-band EN-DCの規定を適用するInter-band EN-DC(以下、適宜「Intra-band相当(comparable)Inter-band EN-DC」と称呼する)についても、端末が、ContiguousもしくはNon-contiguousのみに対応しているのか、またはNon-contiguous及びContiguousの両方に対応しているのかのパターンが存在し得る。
【0010】
しかしながら、端末は、このようなNon-contiguous及びContiguousの対応状況をネットワークに通知することができない。
【0011】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、周波数バンド間のデュアルコネクティビティ用として規定されるバンド組合せの一部が、同一周波数バンド内のデュアルコネクティビティ用の規定に適用される場合でも、対応可能なコンポーネントキャリアの周波数配置をネットワークに知らしめることができる端末の提供を目的とする。
【0012】
本開示の一態様は、端末(UE200)が対応しているキャリアの周波数配置(Contiguous/Non-contiguous)を決定する制御部(制御部240)と、決定された前記周波数配置を識別可能な配置情報(intraBandENDC-Support-v1540の再利用、またはinterBandENDC-Support)をネットワークに向けて送信する送信部とを備え、前記周波数配置は、特定の周波数バンド間のデュアルコネクティビティに適用される端末である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、無線通信システム10の全体概略構成図である。
【
図2】
図2は、UE200の機能ブロック構成図である。
【
図3】
図3は、UE Capability Informationの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、LTE及びNRの周波数バンドにおけるUE200のキャリア周波数配置の対応例を示す図である。
【
図5】
図5は、UE Capability Informationの通知シーケンス例を示す図である。
【
図6】
図6は、UE200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0015】
(1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システム10の全体概略構成図である。無線通信システム10は、Long Term Evolution(LTE)及び5G New Radio(NR)に従った無線通信システムであり、無線アクセスネットワーク20(以下、RAN20、及びユーザ端末200(User Equipment 200、以下、UE200)を含む。
【0016】
RAN20は、Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN)及びNext Generation-Radio Access Network(NG-RAN)を含む無線アクセスネットワークである。
【0017】
RAN20は、無線基地局100A, 100B(以下、eNB100A, gNB100B)を含む。なお、eNB, gNB及びUEの数を含む無線通信システム10の具体的な構成は、
図1に示した例に限定されない。
【0018】
RAN20は、実際には複数のRAN Node、具体的には、LTE方式のeNB、及びNR方式のgNBを含み、LTE/5Gに従ったコアネットワーク(EPC/5GC、不図示)と接続される。なお、RAN20及び当該コアネットワークは、単にネットワークと表現されてもよい。
【0019】
eNB100A, gNB100Bは、UE200とLTEまたは5Gに従った無線通信を実行する。eNB100A, gNB100B及びUE200は、複数のアンテナ素子から送信される無線信号を制御することによって、より指向性の高いビームを生成するMIMO、複数のコンポーネントキャリア(CC)を束ねて用いるキャリアアグリゲーション(CA)、及びUEと複数のNG-RAN Nodeそれぞれとの間において同時に通信を行うデュアルコネクティビティ(DC)などに対応することができる。
【0020】
特に、無線通信システム10は、LTEとNRとの間におけるDCであるE-UTRA-NR Dual Connectivity(EN-DC)をサポートする。なお、無線通信システム10は、他のDC、具体的には、NR-NR Dual Connectivity(NR-DC)またはNR-E-UTRA Dual Connectivity(NE-DC)をサポートしてもよい。
【0021】
また、本実施形態では、無線通信システム10は、同一周波数バンド内(Intra-band)のEN-DC(Intra-band EN-DC)、及び周波数バンド間(Inter-band)のEN-DC(Inter-band EN-DC)の両方をサポートする。
【0022】
UE200は、自端末が対応している周波数バンドの番号(バンド番号)を組み合わせて1つのバンド組合せ(Band combination)を作成し、作成したBand combinationを能力情報(UE Capability Information)としてネットワークに通知することができる。
【0023】
さらに、UE200は、複数のキャリア(具体的には、CC)を用いてCAまたはDCを実行する場合、複数の当該キャリアの周波数バンド上への連続配置(Contiguous)及び/または複数の当該キャリアの周波数バンド上への不連続配置(Non-contiguous)に対応しているのかをネットワークに通知することもできる。
【0024】
また、本実施形態では、Inter-band EN-DCに関して、Inter-band EN-DC用として規定されるBand combinationの一部は、Intra-band EN-DC用の規定が適用される。
このようなIntra-band EN-DCの規定を適用するInter-band EN-DCを、以下、適宜「Intra-band相当Inter-band EN-DC」(Intra-band comparable Inter-band EN-DC)と称呼する。
【0025】
(2)無線通信システムの機能ブロック構成
次に、無線通信システム10の機能ブロック構成について説明する。具体的には、UE200の機能ブロック構成について説明する。
図2は、UE200の機能ブロック構成図である。
【0026】
図2に示すように、UE200は、無線送信部210、無線受信部220、バンド組合せ決定部230、制御部240及び能力送信部250を備える。
【0027】
無線送信部210は、NRに従った上りリンク信号(UL信号)を送信する。無線受信部220は、NRに従った下りリンク信号(DL信号)を受信する。
【0028】
具体的には、無線送信部210及び無線受信部220は、制御チャネルまたはデータチャネルを介して無線通信を実行する。
【0029】
制御チャネルには、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PRACH(Physical Random Access Channel)、及びPBCH(Physical Broadcast Channel)などが含まれる。
【0030】
また、データチャネルには、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、及びPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)などが含まれる。
【0031】
なお、参照信号には、Demodulation reference signal(DMRS)、Sounding Reference Signal(SRS)、Phase Tracking Reference Signal (PTSS)、及びChannel State Information-Reference Signal(CSI-RS)が含まれる。また、信号には、チャネル及び参照信号が含まれ得る。また、データとは、データチャネルを介して送信されるデータを意味してよい。
【0032】
バンド組合せ決定部230は、UE200が対応(サポート)している周波数バンドの組合せを決定する。具体的には、バンド組合せ決定部230は、UE200が無線信号を送受信できる周波数バンドの組合せ(Band combination)を決定する。なお、無線信号は、キャリア、周波数キャリア或いはコンポーネントキャリア(CC)と読み替えられてもよい。
【0033】
バンド組合せ決定部230は、対応している周波数バンドの番号(バンド番号)を組み合わせて1つのBand combinationを作成する。バンド組合せ決定部230は、このようなBand combinationを複数作成することができる。
【0034】
制御部240は、UE200を構成する各機能ブロックを制御する。本実施形態では、制御部240は、UE200が対応している周波数バンドの組合せを、周波数バンドの情報に基づいてバンド組合せ決定部230に決定させる。
【0035】
特に、制御部240は、UE200が対応しているキャリア、具体的には、デュアルコネクティビティ実行時におけるコンポーネントキャリア(CC)の周波数配置を、UE200が対応している周波数バンドの情報に基づいてバンド組合せ決定部230に決定させる。
【0036】
なお、本実施形態では、EN-DCを想定する。ここで言う「コンポーネントキャリアの周波数配置」とは、Inter-band EN-DC用として規定されるBand combinationの少なくとも一部が、Intra-band EN-DC用の規定に適用される場合、つまり、Intra-band相当Inter-band EN-DCにおける対応可能なコンポーネントキャリアの周波数配置を意味し、特定のInter-band EN-DCに適用される。
【0037】
能力送信部250は、UE200の無線通信などに関する能力を示す情報をネットワークに向けて送信する。
【0038】
具体的には、能力送信部250は、上位レイヤ(例えば、無線リソース制御レイヤ(RRC))のシグナリングを用いて、UE200の能力情報(UE Capability Information)をネットワークに向けて送信する。
【0039】
特に、本実施形態では、能力送信部250は、バンド組合せ決定部230及び制御部240によって決定されたキャリア(具体的には、コンポーネントキャリア)の周波数配置を識別可能な配置情報をネットワークに向けて送信する。本実施形態において、能力送信部250は、送信部を構成する。
【0040】
また、能力送信部250は、バンド組合せ決定部230によって決定された周波数バンドの組合せ(Band combination)とともに、当該配置情報をネットワークに向けて送信することもできる。
【0041】
当該配置情報には、UE200がキャリアの周波数バンド上への連続配置(Contiguous)及び/または複数の当該キャリアの周波数バンド上への不連続配置(Non-contiguous)に対応しているのかを示す情報が含まれ得る。
【0042】
当該配置情報は、3GPP TS38.331において規定されているintraBandENDC-Support-v1540相当でもよいし、新たなフィールド(または情報要素)によって構成されてもよい。
【0043】
(3)無線通信システムの動作
次に、無線通信システム10の動作について説明する。具体的には、UE200によるBand combination、及び周波数バンド上への連続配置(Contiguous)及び/または複数の当該キャリアの周波数バンド上への不連続配置(Non-contiguous)のネットワークへの通知に関する動作について説明する。
【0044】
(3.1)能力情報の構成例
まず、UE200によって送信される能力情報(UE Capability Information)の構成例について説明する。
【0045】
図3は、UE Capability Informationの構成例を示す。具体的には、
図3は、UE Capability Informationの一種であるUE-NR-Capabilityの構成例を示す。
【0046】
図3に示すように、は、RF-Parametersを含み、RF-Parametersでは、UE200が対応しているBand combinationがリスト化されている。
【0047】
Band combinationは、複数のBandParametersを含み、複数のBandParametersによってBand combinationが構成される。
【0048】
BandParametersでは、E-UTRAまたはNRの何れか一方が指定される。また、FreqBandIndicatorでは、バンド番号が1つ設定される。
【0049】
また、MRDC-Parametersは、Intra-band EN-DCに関して、Band combination毎に
ContiguousまたはNon-contiguousの対応可否を設定できる。具体的には、MRDC-Parametersには、intraBandENDC-Support-v1540が含まれる。
【0050】
intraBandENDC-Support-v1540は、ContiguousまたはNon-contiguousに関して、表1に示すような情報を提供し得る。
【0051】
【0052】
具体的には、intraBandENDC-Support-v1540によって、Non-contiguousのみ対応(Non-contiguous)、または両方対応(Both)を通知できる。intraBandENDC-Support-v1540が通知されない場合(オプション無効の場合)、ネットワークは、Contiguousのみ対応と判定する。
【0053】
(3.2)通知動作例
次に、UE200によるBand combination、及びContiguous及び/またはNon-contiguousのネットワークへの通知動作例について説明する。
【0054】
図4は、LTE及びNRの周波数バンドにおけるUE200のキャリア周波数配置の対応例を示す。具体的には、
図4では、LTEの周波数バンド B42と、NRの周波数バンド n78との組合せの例を示す。
【0055】
また、ここでは、上述したように、Inter-band EN-DCに関して、Inter-band EN-DC用として規定されるBand combinationの一部が、Intra-band EN-DC用の規定を適用して規定されている、つまり、Intra-band相当Inter-band EN-DCにおける周波数配置の対応例であることを前提とする。
【0056】
上述した非特許文献2に示されているように、Inter-band EN-DC用として規定されるBand combinationの一部が、Intra-band EN-DC用の規定を適用して規定されるが、このような場合においても、UE200は、ContiguousまたはNon-contiguousの何れか一方、或いは両方への対応パターンがあり得る。本通知動作例では、このような場合におけるUE200のContiguous及び/またはNon-contiguousの対応状況を確実にネットワークに知らしめることができる。
【0057】
図4に示すように、UE200は、当該周波数バンド(B42, n78)において、キャリア(CC)のContiguousな周波数配置、及びNon-contiguousな周波数配置の両方に対応し得る。
【0058】
このようなUE200の周波数配置の対応状況をネットワークに知らしめるため、UE200は、UE Capability Informationをネットワークに通知する。
【0059】
図5は、UE Capability Informationの通知シーケンス例を示す。
図5に示すように、UE200は、ネットワークからの問合せ(UE Capability Enquiry)に応じて(S10)、UE Capability Informationを返送する(S20)。
【0060】
当該UE Capability Informationには、上述したUE-NR-Capability(
図3参照)が含まれる。UE200は、UE-NR-Capabilityに、Intra-band相当Inter-band EN-DCにおけるContiguous及び/またはNon-contiguousの対応状況を示す情報(配置情報)を含めることができる。
【0061】
具体的には、intraBandENDC-Support-v1540を再利用することによって、Intra-band相当Inter-band EN-DCでも、Contiguous及び/またはNon-contiguousの対応状況をネットワークに通知するようにしてもよい。
【0062】
或いは、Intra-band相当Inter-band EN-DC用として、新たな能力情報、具体的には、フィールド(または情報要素(IE))が設けられてもよい。例えば、"interBandENDC-Support"といったフィールドまたはIEが規定されてもよい。
【0063】
この場合、interBandENDC-Supportは、表1に示したintraBandENDC-Support-v1540と同様に、intraBandENDC-Support-v1540によって、Non-contiguousのみ対応(Non-contiguous)、または両方対応(both)を通知してよく、interBandENDC-Supportが通知されない場合(オプション無効の場合)、ネットワークは、Contiguousのみ対応と判定してもよい。
【0064】
或いは、Intra-band相当Inter-band EN-DCの場合、interBandENDC-Support(または再利用されるintraBandENDC-Support-v1540)が通知されない場合、Contiguousのみと想定するのではなく、Contiguous及びNon-contiguousの両方に対応していると読み替えてもよい。
【0065】
また、
図5に示したUE Capability Informationによる通知は、一例であり、interBandENDC-Supportと同様の配置情報が通知可能であれば、他のシグナリングなどによってネットワークに通知されてもよい。
【0066】
(4)作用・効果
上述した実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。具体的には、UE200は、UE200が対応(サポート)可能なキャリア(具体的には、コンポーネントキャリア)の周波数配置(Contiguous/Non-contiguous、または両方)を識別可能な配置情報(intraBandENDC-Support-v1540の再利用、またはinterBandENDC-Support)をネットワークに向けて送信できる。
【0067】
また、当該周波数配置は、Intra-band相当Inter-band EN-DCにおける対応可能なコンポーネントキャリアの周波数配置を意味し、特定のInter-band EN-DCに適用される。
【0068】
すなわち、UE200によれば、Inter-band EN-DC用として規定されるBand combinationの一部が、Intra-band EN-DC用の規定が適用されるIntra-band相当Inter-band EN-DCの場合でも、対応可能なコンポーネントキャリアの周波数配置をネットワークに知らしめることができる。
【0069】
本実施形態では、UE200は、UE200が対応可能なBand combinationとともに、当該配置情報をネットワークに向けて送信できる。このため、既存のUE Capability Informationの仕組み、具体的には、UE-NR-Capability(
図3参照)を用いて当該配置情報をネットワークに通知できる。これにより、3GPPの仕様に対する影響を抑制しつつ、Intra-band相当Inter-band EN-DCに対応し得る。
【0070】
さらに、このようなIntra-band相当Inter-band EN-DCの場合において、UE200が対応可能なコンポーネントキャリアの周波数配置をネットワークに知らしめることによって、結果的に、効率的な無線リソース活用を実現するとともに、ネットワーク側における誤設定または意図しない電波放射を回避し得る。
【0071】
(5)その他の実施形態
以上、実施例に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0072】
例えば、上述した実施形態では、EN-DCを例として説明したが、Intra-band相当Inter-band EN-DCと同様の仕組みが、他のDC(NR-DC, NE-DC)にも適用される場合には、上述した通知動作が、当該DCにも適用されてもよい。
【0073】
また、上述した実施形態の説明に用いたブロック構成図(
図2)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的または論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的または論理的に分離した2つ以上の装置を直接的または間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置または上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0074】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。何れも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0075】
さらに、上述したUE200は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図6は、UE200のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6に示すように、UE200は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0076】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。当該装置のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つまたは複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0077】
UE200の各機能ブロック(
図2参照)は、当該コンピュータ装置の何れかのハードウェア要素、または当該ハードウェア要素の組み合わせによって実現される。
【0078】
また、UE200における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0079】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。
【0080】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。さらに、上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいし、2つ以上のプロセッサ1001により同時または逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0081】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る方法を実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0082】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Compact Disc ROM(CD-ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記録媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0083】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0084】
通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)及び時分割複信(Time Division Duplex:TDD)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0085】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0086】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0087】
さらに、当該装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor: DSP)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部または全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0088】
また、情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、Downlink Control Information(DCI)、Uplink Control Information(UCI)、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、Medium Access Control(MAC)シグナリング、報知情報(Master Information Block(MIB)、System Information Block(SIB))、その他の信号またはこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0089】
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、Future Radio Access(FRA)、New Radio(NR)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0090】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0091】
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0092】
情報、信号(情報等)は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0093】
入出力された情報は、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報は削除されてもよい。入力された情報は他の装置へ送信されてもよい。
【0094】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0095】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0096】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0097】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line:DSL)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0098】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0099】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一のまたは類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0100】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0101】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0102】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるため、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0103】
本開示においては、「基地局(Base Station:BS)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0104】
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head:RRH)によって通信サービスを提供することもできる。
【0105】
「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部または全体を指す。
【0106】
本開示においては、「移動局(Mobile Station:MS)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment:UE)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0107】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0108】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型または無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
【0109】
また、本開示における基地局は、移動局(ユーザ端末、以下同)として読み替えてもよい。例えば、基地局及び移動局間の通信を、複数の移動局間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、基地局が有する機能を移動局が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0110】
同様に、本開示における移動局は、基地局として読み替えてもよい。この場合、移動局が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。
サブフレームはさらに時間領域において1つまたは複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0111】
ニューメロロジーは、ある信号またはチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SubCarrier Spacing:SCS)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0112】
スロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボル(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM))シンボル、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)シンボルなど)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0113】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(またはPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(またはPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0114】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、何れも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0115】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0116】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0117】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0118】
なお、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロットまたは1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0119】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partialまたはfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0120】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0121】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
【0122】
また、RBの時間領域は、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0123】
なお、1つまたは複数のRBは、物理リソースブロック(Physical RB:PRB)、サブキャリアグループ(Sub-Carrier Group:SCG)、リソースエレメントグループ(Resource Element Group:REG)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0124】
また、リソースブロックは、1つまたは複数のリソースエレメント(Resource Element:RE)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0125】
帯域幅部分(Bandwidth Part:BWP)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0126】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つまたは複数のBWPが設定されてもよい。
【0127】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0128】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームまたは無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロットまたはミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix:CP)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0129】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1またはそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
【0130】
参照信号は、Reference Signal(RS)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0131】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0132】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0133】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0134】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0135】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0136】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0137】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0138】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0139】
10 無線通信システム
20 RAN
100A eNB
100B gNB
200 UE
210 無線送信部
220 無線受信部
230 バンド組合せ決定部
240 制御部
250 能力送信部
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
1007 バス