(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】タバコ処理方法
(51)【国際特許分類】
A24B 15/28 20060101AFI20231204BHJP
【FI】
A24B15/28
(21)【出願番号】P 2021552925
(86)(22)【出願日】2020-02-14
(86)【国際出願番号】 GB2020050355
(87)【国際公開番号】W WO2020178546
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-09-14
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】エッセン、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ビショップ、デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ウッドコック、ドミニク コンラッド
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-527947(JP,A)
【文献】国際公開第2019/016535(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0100625(US,A1)
【文献】特表2010-534475(JP,A)
【文献】国際公開第2012/171676(WO,A1)
【文献】特表2014-531193(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0173317(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B15/00-15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのpH-処理されたタバコ材を有効量の1つ以上の気体と接触させることを含むpH-処理されたタバコ材の処理方法であって、前記1つ以上の気体は二酸化炭素を含み、前記1つ以上の気体はpH-処理されたタバコ材のpHを初期のpHから7未満のpH値に低下させ、さらにそのpH-処理されたタバコ材のpHの低下は、前記pH-処理されたタバコ材が前記有効量の1つ以上の気体ともはや接触しなくなったときに戻される方法。
【請求項2】
前記1つ以上の気体の少なくとも20容量%が二酸化炭素であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の気体の約25~約100容量%が二酸化炭素であることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の気体の約50~約100容量%が二酸化炭素であることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上の気体は、実質的に二酸化炭素からなることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのpH-処理されたタバコ材の初期pHが7超であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのpH-処理されたタバコ材の初期pHが約8~約10であることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の方法。
【請求項8】
i.pH-処理されたタバコ材を貯蔵容器に入れることと、
ii.請求項1乃至7いずれか1項記載の方法でpH-処理されたタバコ材を処理することと、
iii.貯蔵容器を封止することと、を含むpH-処理されたタバコ材の貯蔵方法。
【請求項9】
i.請求項1乃至7いずれか1項記載の方法でpH-処理されたタバコ材を処理することと、
ii.処理工程(i)から得られたタバコ材を有効量の1つ以上の気体との接触を維持したまま貯蔵容器に入れることと、
iii.貯蔵容器を封止することと、を含むpH-処理されたタバコ材の貯蔵方法。
【請求項10】
貯蔵容器はpH-処理されたタバコ材の大量貯蔵に適した密閉容器またはpH-処理されたタバコ材の個別の貯蔵に適した密閉梱包部材であることを特徴とする請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
pH-処理されたタバコ材の保存可能期間または大量貯蔵時間を向上させるための請求項8または9記載の貯蔵方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タバコ産業製品に使用されるpH-処理されたタバコ材、例えばpH処理されたタバコ顆粒または粒子を処理する方法に関する。さらに本開示は、前記方法から得られたpH-処理されたタバコ材、pH-処理されたタバコ材の貯蔵方法および前記方法から得られる貯蔵容器に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコ産業製品としては使用時タバコを燃やす紙巻きタバコ、シガーなどの喫煙品および燃焼させずに喫煙材から化合物を放出させる代替品がある。そのような製品の例として燃やす代わりに加熱して化合物を発生させるタバコ加熱装置または製品がある。またタバコ産業製品としては、一般に液剤の貯蔵部を有するカトマイザーおよび/またはタバコ系製品などの基材を含み、ここから例えば熱気化によってユーザーが吸入するためのエアロゾルまたは蒸気が発せられる電子エアロゾル供給装置がある。一般にニコチンそして場合によっては風味剤または風味付け剤が貯蔵部の液体および/または基材に含まれる。しかしながら、一部の国において各地の条例または感覚的判断は、ニコチンは基材のみに含ませることが可能であることを意味する。
【0003】
従って、それらの国々ではエアロゾル供給装置は、通常、エアロゾル発生チェンバーにエアロゾルを発生させるための前駆体材料の一部をエアロゾル化するために配置されたエアロゾルまたは蒸気発生部材(気化器)、例えばヒーターを有するカトマイザーと、ニコチンを含む基材とを含む。ユーザーがエアロゾル供給装置またはデバイスで吸入し、電力がヒーターに供給されると、空気が入り口穴を介してデバイス内にそしてエアロゾル発生チェンバー内に引き込まれ、そこで空気はエアロゾル前駆体材料と混ざる。そして次にはニコチンを含む基材を介してエアロゾル発生チェンバーとデバイスのマウスピースの開口部を接続する流路があり、これによりエアロゾル発生チェンバーを介して引き込まれて空気が流路に沿って基材を介して入り続け、エアロゾルをユーザーによる吸入のためにマウスピース開口部を介して搬出する。基材は場合によってはエアロゾルまたは蒸気発生部材および/またはエアロゾル自体によって加熱され、ニコチンをユーザーによって吸入されるエアロゾル内に抽出する。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で説明する一部の実施態様では少なくとも1つのpH-処理されたタバコ材を有効量の1つ以上の気体と接触させることを含むpH-処理されたタバコ材の処理方法が提供され、前記1つ以上の気体はpH-処理されたタバコ材のpHを低下させ、pH-処理されたタバコ材のpHの低下は可逆的である。
【0005】
1つ以上の気体は、二酸化炭素を含んでもよい。例えば、1つ以上の気体の少なくとも約20容量%は、二酸化炭素であってもよい。1つの実施態様では1つ以上の気体の約25~約100容量%は、二酸化炭素であってもよい。別の実施態様では1つ以上の気体の約50~約100容量%は、二酸化炭素であってもよい。別の実施態様では1つ以上の気体は、実質的に二酸化炭素からなり、「実質的に~からなる」という表現は、当業界における通常の意味であり、気体の基本的な特徴に重要な影響を与えない別の成分も含む。
【0006】
少なくとも1つのpH-処理されたタバコ材の初期pHは、7超、例えば約8~約10であってもよい。pH-処理されたタバコ材のpHは、上記1つ以上の気体によって下げられ、7未満、例えば約5~約6.5のpH値に低下させる。しかしながら、当業者には当然のことながらpHの低下はすべて有利であり、本開示は初期のpHからの特定の低下に限定されない。
【0007】
また本願明細書で説明する処理方法で得られるタバコ材も提供される。
【0008】
さらに pH-処理されたタバコ材の貯蔵方法も提供される。この方法は、(i)pH-処理されたタバコ材を貯蔵容器に入れること、そして(ii)貯蔵容器を封止することと、(iii)本願明細書で説明する処理方法でpH-処理されたタバコ材を処理することと、あるいは(ii)本願明細書で説明する処理方法でpH-処理されたタバコ材を処理することと、(iii)貯蔵容器を封止することとを含んでもよい。
【0009】
これとは別に 本発明の方法は、(i)本願明細書で説明する処理方法でpH-処理されたタバコ材を処理すること、(ii)工程(i)から得られたタバコ材を貯蔵容器に入れること、そして(iii)貯蔵容器を封止することを含んでもよい。
【0010】
貯蔵容器は、pH-処理されたタバコ材の大量貯蔵に適した密閉容器またはpH-処理されたタバコ材の個別の貯蔵に適した密閉梱包部材であってもよい。「大量貯蔵」および「個別貯蔵」なる用語については本明細書でさらに説明する。
【0011】
また本願明細書で説明する貯蔵方法によって得られたタバコ材を含む貯蔵容器も提供され、タバコ材のpHは標準的な大気条件に晒されると上昇する。
【0012】
最後にpH-処理されたタバコ材の保存可能期間または大量貯蔵時間を延ばすための二酸化炭素の使用が提供される。
【0013】
これらの実施態様は添付の独立および従属請求項に記載されている。当然のことながら従属請求項の特徴は互いにそして従属請求項の特徴とこれら請求項に明確に記載された特徴以外の組み合わせと組み合わせてもよい。さらに本願明細書で説明する手法はいかに説明されているものなどの特定の実施態様に制限されず、本願明細書に示されている特徴のあらゆる適当な組み合わせを含み、予測する。例えば、処理方法、それから得られるタバコ材、貯蔵方法および/またはそれから得られる貯蔵容器は、必要に応じて以下に説明する種々の特徴の任意の1つ以上を含む本願明細書で説明する手法によって提供されてもよい。
【0014】
本開示の実施態様を添付図面を参照し、あくまで例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の特定の実施態様による貯蔵容器1の高度に省略された断面図であり、以下にさらに詳しく説明するようにpH-処理されたタバコ材2と、実質的に二酸化炭素からなる1つ以上の気体3とを含む密閉された容器1を示し、当業者には当然のことながら
図1は正確な縮尺ではない。
【
図2】本開示の特定の実施態様による貯蔵方法の重要な工程を示すフローチャートである。
【
図3】本開示の特定の実施態様による貯蔵方法の重要な工程を示すフローチャートである。
【
図4】本開示の特定の実施態様による貯蔵方法の重要な工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
特定の実施例および実施態様の態様および特徴は、本願明細書で考察され、説明される。一部の特定の実施例および実施態様の一部の態様および特徴は、従来通り実行してもよく、それらは簡潔にするために詳しく考察も説明もされない。当然のことながら詳しくは説明されないここで述べられる装置および方法の様相および特徴はこのような様相および特徴を実行するための何らかの従来の技術に従って実行してもよい。
【0017】
本開示は、pH-処理されたタバコ材の処理方法、この処理方法によって得られるタバコ材、pH-処理されたタバコ材の貯蔵方法、この貯蔵方法によって得られるタバコ材を含む貯蔵容器および二酸化炭素の使用を提供する。本開示のこれらの態様は、例えばタバコ産業製品に使用されるpH-処理されたタバコ顆粒または粒子などのpH-処理されたタバコ材の保存可能期間または大量貯蔵時間を驚異的に向上させることができる。
【0018】
本明細書中では「タバコ産業製品」なる用語は、
紙巻きタバコ、シガリロ、シガーおよびパイプまたは手巻きまたは自作紙巻きタバコ用タバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替え品または他の喫煙材をベースにしているかに関係無く)などの燃焼性喫煙品、
電子タバコ、タバコ加熱製品およびエアロゾル化可能な材料の組み合わせを使用してエアロゾルを発生させるためのハイブリッド装置などのエアロゾル化可能な材料を燃やさずにエアロゾル化可能な材料から化合物を放出させる加熱装置などの非燃焼系エアロゾル供給装置、
エアロゾル化可能な材料を含み、これらの非燃焼系エアロゾル供給装置の1つに使用されるように構成された物品および
トローチ、ガム、パッチ、吸入可能な粉末を含む物品、スヌースおよび嗅ぎタバコなどの無煙タバコ製品などのエアロゾルを含まないニコチンを含むまたは含まない刺激剤供給品を含むものとする。
【0019】
当業界では共通して「蒸気」および「エアロゾル」なる用語および「気化する」、「揮発させる」および「エアロゾル化する」などの関連する用語は相互に置き換えて使用してもよい。エアロゾル供給装置またはデバイスは、従って本願明細書では「蒸気供給装置またはデバイス」、「エアロゾル送出装置またはデバイス」、「電子エアロゾル供給装置またはデバイス」または「e-タバコまたは電子タバコ」と言う場合がある。これらの用語は相互に置き換えて使用してもよく、1つ以上のエアロゾル化可能な材料を燃やさずに1つ以上のエアロゾル化可能な材料、例えばタバコ材から化合物を放出させる加熱装置などの非燃焼系エアロゾル供給装置またはデバイスを意味することを意図している。非燃焼系エアロゾル供給装置は加熱または振動などの他の技法によってエアロゾル前駆体材料からエアロゾルを発生させる電子タバコまたはe-タバコおよびエアロゾル前駆体材料および固体基材の組み合わせを介してエアロゾルを供給するハイブリッド装置を含み、例えばハイブリッド装置は液体またはゲル状前駆体材料と固体基材を含む。
【0020】
本開示に到達するに当たって本発明者はpH-処理されたタバコ材を含むタバコ産業製品は、pH-処理されたタバコ材が使用前にかなりの長時間貯蔵された場合に、ユーザーに満足のいく感覚を供することができないことがあると認識した。このことはpH-処理されたタバコ材が大量または個別のコンパートメントに貯蔵された後に観察されたが、特に個々のコンパートメントにタバコを貯蔵した後に顕著であり、ユーザーが満足できない喫煙感覚は、主に利用可能なニコチンの量の減少によるものであった。
【0021】
当業界で知られているようにニコチンは2つの塩基性窒素を有し、非プロトン化、モノプロトン化またはジプロトン化の形体で存在することができる。プロトン化された形体は揮発せず、非プロトン化の形体では高度に揮発し、5.5Paの25℃蒸気圧で容易に気相に入ることができる。ニコチンを放出しやすくするためにタバコ材は、従ってタバコ産業製品に使用する前に一般にpH処理される。pH処理はタバコ材のpHを酸性pH(例えば5.5)からアルカリ性のpH(例えば9.5)と上昇させ、これによりニコチンを脱プロトン化し、以下に示すように揮発性の遊離塩基の状態に変換する。
【0022】
【0023】
しかしながら、本発明者はニコチンのpH-処理および脱プロトン化は、pH-処理されたタバコ材を長期に亘って貯蔵した場合にニコチンの安定化に顕著な問題の原因になることを確信した。タバコ材のニコチンの利用可能度は向上するが、pH-処理は遊離塩基のニコチンの揮発性によりタバコの保存可能期間を短くした。
【0024】
その結果、pH-処理されたタバコ材のニコチン安定度、特にpH-処理されたタバコ材の保存可能期間および大量貯蔵時間を向上させる要望がある。本開示はこれらのニーズに対処しつつ、pH-処理されたタバコ材と有効量の1つ以上の気体と接触させてpH-処理されたタバコ材のpHを可逆的に低下させて製品性能およびユーザー感覚を向上させる。本開示の可逆性は、それにより本願明細書で説明する方法を既存のタバコ処理技術に組み込むことを可能にし、またpH-処理されたタバコ材の大量貯蔵および個別(例えばブリスターなど)貯蔵に適用できるようにしているので特に有利である。
【0025】
いかなる1つの理論にも束縛されることを望まないが、本発明者は1つ以上の気体によるpHの可逆的低下は、1つ以上の気体からの弱い酸と水の可逆的形成によるものであると確信している。本発明の方法に使用する気体が二酸化炭素を含む場合、その二酸化炭素はpH-処理されたタバコ材および/または大気中に存在する水と反応し、炭酸を形成し、pHを下げ、ニコチンをプロトン化すると考えられている。通常の環境または通常の大気条件に晒すと、即ちタバコ材を貯蔵容器から解放すると、炭酸は二酸化炭素に再度変換し、pHをその元のレベルに戻し、ニコチンを脱プロトン化する。二酸化炭素による炭酸の可逆形成は次の平衡で表すことができる。
【0026】
【0027】
参照しやすいように本開示のこれらのおよびさらなる特徴を適当な表題のセクションにおいて考察する。しかしながら、各セクションでの教示は必ずしもその教示がされているセクションに限定されない。
【0028】
タバコ材
本開示はpH-処理されたタバコ材に関する。「pH-処理されたタバコ材」、「pH-処理されたタバコ基材」または「pH-処理されたタバコ」なる用語は、本願明細書では相互に置き換えて使用され、pH-処理されたタバコとは、即ち当業界で知られており、本願明細書で説明するpH-処理されたタバコを意味する。以下にさらに考察するようにpH-処理はタバコのpHを上げる。しかしながら、タバコ材の固有性は限定されない。
【0029】
pH処理前のタバコ材は、「タバコ材」、「タバコ出発原料」または「出発タバコ材」と言われる。
【0030】
タバコ出発原料は、任意の種類またはグレードのタバコであってもよく、あらゆる種類のタバコ属およびその再生材料のあらゆる部分、例えば葉または茎を含む。タバコ出発原料は、1つの実施態様ではタバコ種(species Nicotiana tabacum)から得られる。
【0031】
タバコ出発原料は、1つの異種タバコまたは2つ以上の異種タバコからのものであってもよい。当業界で知られているように後者をブレンドと言ってもよい。使用してもよいタバコ異種の例としてはヴァージニア、バーレー、オリエンタルおよびルスティカタバコなどがあるが、これらに限定されない。またタバコ出発原料は、特定のグレードまたは品質のタバコを含んでもよい。例えば、タバコ出発原料は、高、中および/または低グレードのタバコを含んでもよい。
【0032】
タバコ出発原料は、乾燥および硬化などの従来の作業に付してもよい。1つの実施態様ではタバコ出発原料は、あらゆるpH-処理の前に硬化される。
【0033】
タバコ出発原料は、あらゆる好適な形体であってもよい。タバコ出発原料は、固体、液体またはゲルであってもよい。1つの実施態様ではタバコ出発原料は固体またはゲルである。1つの実施態様ではタバコ出発原料は、固体である。別の実施態様ではタバコ出発原料はゲルの形体である。1つの実施態様ではタバコ出発原料は固体であり、刻まれたくず、粉タバコまたは梱入り葉から選択される。
【0034】
1つの実施態様ではタバコ出発原料は、固体でありpH-処理の前、pH-処理と同時にまたはpH-処理の後に粒子、ビーズ、顆粒、押し出し物などの形状に当業界で知られているあらゆる従来の方法、例えば乾式または湿式造粒、細断、裁断、切断、粉砕、ミリング、破砕、押し出しまたはこれらの組み合わせによって処理される。より小さいタバコ粒子、ビーズ、顆粒、押し出し物などは大きな表面積対体積比を有し、大きな粒子と比較して高い揮発成分の放出を呈することが知られている。このことは、例えば国際特許公報2019-016535号に説明されている。
【0035】
1つの実施態様ではタバコ出発原料は、予備処理によって所望の大きさの粒子、ビーズ、顆粒または押し出し物などにしてからpH-処理に付される。例えば、タバコ出発原料は、国際特許公報2019ー016535号の
図1に示すようにすりつぶして粒にしてからpH-処理される。
【0036】
別の実施態様ではタバコ出発原料は、pH-処理と同時に予備処理によって粒子、ビーズ、顆粒または押し出し物などにされる。タバコ粒子の形および/または大きさは、本開示の文脈において限定されない。当業者は、好適な粒径および形状を認識するはずである。
【0037】
本開示において使用されるタバコ出発原料は、ニコチンを含む。ニコチンは、タバコ出発原料に本来的に存在する、および/またはそれに加えられてもよい。ニコチンがタバコ出発原料に加えられる場合、これは通常はpH処理後に行われる。ニコチンは、必要であればpH処理前に加えてもよい。
【0038】
タバコ出発原料のニコチン含有量は、限定されず、ニコチンがエアロゾル化され、ユーザーによって吸入される際の所望の用量によって変わる。一般にはニコチン含有量は、タバコ出発原料の全量に対する乾式重量基準で約0.2wt%~約6wt%である。ニコチンの量に関するwt%値は、すべて乾式重量基準である。
【0039】
1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約6wt%以下の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.4wt%~約6wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.8wt%~約6wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約1wt%~約6wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約1.8wt%~約6wt%の量で存在する。
【0040】
1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約5wt%以下の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.4wt%~約5wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.8wt%~約5wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約1wt%~約5wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約1.8wt%~約5wt%の量で存在する。
【0041】
1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約4wt%以下の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.4wt%~約4wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.8wt%~約4wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約1wt%~約4wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約1.8wt%~約4wt%の量で存在する。
【0042】
1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約3wt%以下の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.4wt%~約3wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.8wt%~約3wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約1wt%~約3wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約1.8wt%~約3wt%の量で存在する。
【0043】
1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約1.9wt%以下の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約1.8wt%以下の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.4wt%~約1.9wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.4wt%~約1.8wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.5wt%~約1.9wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.5wt%~約1.8wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.8wt%~約1.9wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.8wt%~約1.8wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約1wt%~約1.9wt%の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約1wt%~約1.8wt%の量で存在する。
【0044】
1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約1.9wt%未満の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約1.8wt%未満の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.4~約1.9wt%未満の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.4~約1.8wt%未満の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.5~約1.9wt%未満の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.5~約1.8wt%未満の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.8~約1.9wt%未満の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約0.8~約1.8wt%未満の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約1~約1.9wt%未満の量で存在する。1つの実施態様ではニコチンは、タバコ出発原料の全量基準で約1~約1.8wt%未満の量で存在する。
【0045】
用途に応じてタバコ出発原料またはpH-処理されたタバコ材は、1つ以上の成分をさらに含んでもよい。そのようなさらなる成分は、タバコ産業製品用のタバコ材または、pH-処理されたタバコ材に通常含有されるという意味で従来のものであってもよい。1つの実施態様ではその1つ以上のさらなる成分は、ニコチン以外の活性剤などである。この活性剤は、吸入された際にユーザーに生物学的効果を与える化合物であってもよく、植物から選択され、これらは合成または天然由来のものであってもよい。
【0046】
本発明で使用する活性剤は生理反応を達成するまたは高めることを意図した材料である生理的に活性な材料である。活性剤は、例えば栄養補助食品、向知性薬、向精神薬から選択されてもよい。活性物質は自然に発生したものまたは合成で得られたものであってもよい。活性物質は、例えばニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6またはB12またはCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、またはこれらの成分、派生物または混合物を含んでもよい。活性物質はタバコ、大麻または他の植物の成分、派生物または抽出物の1つ以上を含んでもよい。
【0047】
一部の実施態様では活性物質はニコチンを含む。一部の実施態様では活性物質はカフェイン、メラトニンまたはビタミンB12を含む。
【0048】
本明細書で説明するように 活性物質は植物またはその成分、派生物または抽出物を含むまたはそれらから派生したものであってもよい。ここで言う「植物」なる用語は抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種、花、果実、花粉、殻、さやなどの植物から派生したあらゆる材料を含むがこれらに限定されない。これとは別に材料は合成して得られる植物に天然に存在する活性化合物を含んでもよい。材料は液体、気体、固体、粉体、塵、粉砕された粒子、粒、ペレット、小片、ストリップ、シートなどの形体であってもよい。植物の例は、タバコ、ユーカリ、トウシミキ、オオアサ、ココア、大麻、ウイキョウ、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カミツレ、亜麻、ショウガ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、リコリス(甘草)、抹茶、マテ茶、オレンジの皮、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶または紅茶などの茶、タイム、チョウジ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、月桂樹の葉、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモン果皮、ミント、ビャクシン、ニワトコの花、バニラ、ヒメコウジ、シオガマギク、クルクマ、ターメリック、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、橙花、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、ハナハッカ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、桑、朝鮮人参、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブまたはこれらのあらゆる組み合わせが挙げられる。ミントは、コーンミント、モロッコミント、エジプトミント、ペパーミント、オーデコロンミント、キャンディミント、カーリーミント、ケンタッキーカーネルミント、ホースミント、パイナップルミント、ペニーロイヤルミント、カーリーミントおよびマルバハッカなどのミント異種から選択されてもよい。
【0049】
一部の実施態様では活性物質は、植物またはその成分、派生物または抽出物の1つ以上を含むまたはそれらから派生したものであってもよく、植物はタバコである。
【0050】
一部の実施態様では活性物質は、植物またはその成分、派生物または抽出物の1つ以上を含むまたはそれらから派生したものであってもよく、植物はユーカリ、トウシミキ、ココアおよび麻から選択される。
【0051】
一部の実施態様では植物またはその成分、派生物または抽出物の1つ以上を含むまたはそれらから派生したものであってもよく、植物はルイボスおよびウイキョウから選択される。
【0052】
その1つ以上のさらなる成分は1つ以上の香味料または香味付け剤を含んでもよい。そのような香味料または香味付け剤は、当業界では知られており、タバコ出発原料に元から存在するものであってもよく、またはタバコ出発原料またはpH-処理されたタバコ材に添加してもよい。本明細書中で使用する「香味料」および「香味剤」なる用語は、各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味、匂いまたは他の体性感覚刺激を生じさせるために使用される。
【0053】
それらは自然発生の香味材料、植物、植物の抽出物、合成によって得られた材料またはそれを組み合わせたものを含む。例えば、そのような香味料または香味付け剤は、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、クローブ、メントール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエキス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ピメント、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物または息消臭剤などのその他の添加剤からなる群から選択される。
【0054】
1つ以上の香味料または香味付け剤は、模造品、合成または天然成分であってもよく、またはこれらのブレンドであってもよく、例えば油、液体、粉末などの固体または気体などの任意の好適な形体であってもよい。当業者には当然のことながら1つ以上の香味料または香味付け剤は、多成分香味料または香味付け剤あるいは単独成分香味料または香味付け剤であってもよい。
【0055】
一部の実施態様では香味料はメンソール、スペアミントおよび/またはペパーミントを含む。一部の実施態様では香味料はキュウリ、ブルーベリー、柑橘類および/またはレッドベリーの香味成分を含む。一部の実施態様では風味料はオイゲノールを含む。一部の実施態様では香味料はタバコから抽出された風味成分を含む。一部の実施態様では香味料は大麻から抽出された風味成分を含む。
【0056】
一部の実施態様では風味料は、感覚惹起剤を含んでもよく、これはアロマまたは味覚神経に加えてまたは代わりに通常第5脳神経(三叉神経)の刺激によって化学的に誘発そして認識され、それらは加熱、冷却、ヒリヒリ感、しびれ感を与える薬剤を含んでもよい。好適な熱作用剤は、バニリルエチルエーテルであるが、これに限定されず、好適な冷却剤はオイカリプトール、WS-3であるが、これらに限定されない。
【0057】
タバコ出発原料に元から存在する1つ以上の香味料について pH-処理されたタバコ材からのユーザーへのそれらの放出はさらなる処理によって向上させてもよい。当業者は好適な処理を知っており、そのような処理はタバコ出発原料のpH処理の前、pH処理中またはpH処理後に行ってもよいことを理解している。
【0058】
1つの実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、あらゆる追加の処理を受けない。
【0059】
1つの実施態様ではタバコ出発原料またはpH-処理されたタバコ材は、添加酸を含まない。1つの実施態様ではタバコ出発原料またはpH-処理されたタバコ材は、安息香酸、レブリン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、乳酸、酢酸、コハク酸およびそれらの混合物からなる群から選択されるあらゆる添加有機酸を含まない。
【0060】
pH-処理されたタバコ材
上述したように「pH-処理されたタバコ材」、「pH-処理されたタバコ基材」および「pH-処理されたタバコ」なる用語は、本願明細書では相互に置き換えて使用され、そのpHを上げるための処理を受けたタバコ出発原料を意味する。上昇のレベルは、タバコ出発原料の初期のpHによって変わるので限定されず、これは、例えばタバコの種類、pH処理剤およびタバコ出発原料とpH処理剤の相対量などの多くの要因によって変わる。
【0061】
pH-処理されたタバコ材は、例えば固体、液体またはゲルなどのあらゆる形体であってもよい。1つの実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、固体またはゲルである。別の実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、固体である。別の実施態様ではpH-処理されたタバコ材はゲルである。タバコ材の形体は、上記で詳しく考察されており(当業界で知られており、国際特許公報2019-016535で考察されている粒子、顆粒、ビーズおよび押し出し物の形成を含む)、当業者はタバコ出発原料の形体は、pH-処理されたタバコ材の形体に影響を与えることを理解している。
【0062】
1つの実施態様ではpH処理はタバコ出発原料のpHを酸性pH(7未満)からアルカリpH(7超)に変える。別の実施態様ではpH処理は、タバコ出発原料に存在するニコチンが脱プロトン化されるようにpHを変える。当業者は、ニコチンのプロトン化および/または脱プロトン化レベルを検知する好適な技術、例えば1H核磁気共鳴分光法などについて知っており、従ってpH処理を容易に観察、制御できる。
【0063】
一般に硬化されたタバコの通常の未調整pHは、僅かに酸性であり、通常、約4.5~約6.5の範囲内、時には約5、例えば5.5である。pH処理がその後pHを7超の塩基性pHに上げる。従って、1つの実施態様ではpH処理はタバコ出発原料のpHを約4~7未満の範囲のpHから7超のpHに変える。別の実施態様ではpH処理は、タバコ出発原料のpHを約5~7未満の範囲のpHから7超のpHに変える。
【0064】
当業界で知られているようにタバコのpHは、CORESTA Recommended Method No. 69, “Determination of pH of Tobacco and Tobacco Products”(2017)を使用して測定される。この方法は、4~10の範囲にあるタバコおよびタバコ製品のpH測定に適用可能であり、タバコまたはタバコ製品の水性抽出物およびそのpH電極を使用して測定されたpHを準備することを伴う。CORESTA Recommended Method No. 69,“Determination of pH of Tobacco and Tobacco Products”(2017)を参照することでここに引用したものとする。
【0065】
ここでpH-処理されたタバコ材のpHをより詳しく考察すると、注目すべき点はこれらのpH値がタバコ出発原料のpHの上述の開示と組み合わせることができるということであり、1つの実施態様ではpH-処理されたタバコ材は約7~約14のpHを有する。別の実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、約7~約13のpHを有する。別の実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、約7~約12のpHを有する。別の実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、約7~約11のpHを有する。別の実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、約7~約10のpHを有する。
【0066】
1つの実施態様ではpH-処理されたタバコ材は約8超のpHを有する。別の実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、約8~約14のpHを有する。別の実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、約8~約13のpHを有する。別の実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、約8~約12のpHを有する。別の実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、約8~約11のpHを有する。別の実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、約8~約10のpHを有する。
【0067】
1つの実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、約9.5のpHを有する。
【0068】
別の実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、約8.5のpHを有する。
【0069】
当業界で知られているあらゆるpH処理を本開示のpH-処理されたタバコ材の調製に使用してもよく、当業者は好適な処理方法について認識しているはずである。pH処理は、例えば塩基性溶液をタバコ出発原料に添加することを含んでもよい。そのような方法は、国際特許公報2015-025158に記載されており、参照することでここに引用したものとする。塩基性溶液は、水性炭酸ナトリウム溶液または水酸化ナトリウムまたはリン酸ナトリウムなどのあらゆる他の好適な塩基性溶液であってもよい。
【0070】
上述したようにpH処理は、国際特許公報2019-016535に記載されているように小さい粒径の形体になるようにタバコ出発原料を予備処理した後に続いてもよい。pH処理後、タバコ材を特定の水分量に乾燥させてもよい。このような乾燥方法は、所望の水分量と共に当業界で知られており、所望の水分量は、通常タバコ材の用途によって変わる。
【0071】
これとは別にpH処理の後、冷蔵庫などの外部適用なしに、タバコ材は一定時間冷ましてもよい。
【0072】
1つ以上の気体による可逆的なpHの低下
本開示は、本明細書で説明したようなpH-処理されたタバコ材の有効量の1つ以上の気体との接触に依存しており、これら1つ以上の気体は、pH-処理されたタバコ材のpHを低下させ、pH-処理されたタバコ材のpHの低下は可逆的である。
【0073】
「有効量」なる用語は、pH-処理されたタバコ材のpHをその初期のpHから低いpHに下げるのに好適な1つ以上の気体の量を意味する。上述したように低下レベルは、あらゆる低下が有利に働くので重要ではない。1つの実施態様では1つ以上の気体の有効量は、pH-処理されたタバコ材の初期pHを少なくとも0.1pH下げるのに好適な量である。別の実施態様では低下は、少なくとも0.3pHである。別の実施態様では低下は少なくとも0.5pHである。別の実施態様では低下は、少なくとも1pHである。一つの実施態様ではpH-処理されたタバコ材が約7未満のpH、即ち酸性pHになるような低下である。所定の技術を使用して当業者は、使用される1つ以上の気体のそのような量を測定することができる。
【0074】
「可逆的」なる用語は、当業界におけるその通常の意味、即ち1つ以上の気体によるpHの低下がpH-処理されたタバコ材をその初期pHに少なくとも部分的に復元するために容易に戻されるという意味である。例えば、1つ以上の気体がpH-処理されたタバコ材のpHを約9.5から約5.5に低下させると、この低下をpH-処理されたタバコ材のpHを約7.5または約8.5に戻すことができる。一つの実施態様では少なくとも約50%戻る、即ちpHの低下が少なくとも約50%戻される。別の実施態様では少なくとも約60%または少なくとも75%または少なくとも80%戻される。1つの実施態様で少なくとも90%または少なくとも95%は戻される。1つの実施態様では約100%戻される。
【0075】
本開示のpH低下の可逆性は、pH-処理されたタバコ材が通常の大気条件(例えば空気)に晒された際にニコチンだけがその揮発性の遊離塩基の形に変換されるという意味で有利である。またこれは本発明の処理方法がpH-処理されたタバコ材のニコチンに永久的な衝撃または影響を与えないので利用可能なニコチンの損失を減らす。本開示は、pH-処理されたタバコ材の大量貯蔵および個別(例えばブリスター、カプセルなど)貯蔵に容易に適用できる。
【0076】
1つの実施態様では1つ以上の気体は二酸化炭素を含む。別の構成では1つ以上の気体は、実質的に二酸化炭素からなる。さらに別の実施態様では1つ以上の気体は二酸化炭素からなる、即ち気体は二酸化炭素である。
【0077】
1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも20容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも25容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも30容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも35容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも40容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも45容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも50容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも55容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも60容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも65容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも70容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも75容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも80容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも85容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも90容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも95容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも97容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、少なくとも99容量%の二酸化炭素を含む。
【0078】
1つの実施態様では1つ以上の気体は、約20~約100容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、約25~約100容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、約30~約100容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、約35~約100容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、約40~約100容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、約45~約100容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、約50~約100容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、約55~約100容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、約60~約100容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、約65~約100容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、約70~約100容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、約75~約100容量%の二酸化炭素を含む。1つの実施態様では1つ以上の気体は、約80~約100容量%の二酸化炭素を含む。
【0079】
1つの実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、7超のpHを有し、1つ以上の気体は、約25~100容量%の二酸化炭素を含む。
【0080】
別の実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、7超のpHを有し、1つ以上の気体は、実質的に二酸化炭素からなる。
【0081】
別の実施態様ではpH-処理されたタバコ材は、7超のpHを有し、1つ以上の気体は、約50~100容量%の二酸化炭素を含む。
【0082】
pH処理による増加のレベルと同じように1つ以上の気体によるpHの低下も特に制限されない。それはタバコの要因の中で特にpH-処理されたタバコ材のpHおよび使用される1つ以上の気体によって変わる。pHの低下の効果、即ちニコチンのプロトン化の効果を考慮すると、1つの実施態様でのpH-処理されたタバコ材のpHは酸性pH、即ち7未満のpHに低下する。
【0083】
1つの実施態様では1つ以上の気体によってpHは、約0.1pH低下する。別の実施態様では約0.2pH低下する。別の実施態様では約0.3pH低下する。別の実施態様では約0.4pH低下する。別の実施態様では約0.5pH低下する。別の実施態様では約1.0pH低下する。別の実施態様では約1.5pH低下する。別の実施態様では約2.0pH低下する。別の実施態様では約2.5pH低下する。別の実施態様では約3.0pH低下する。
【0084】
1つの実施態様では1つ以上の気体は、pH-処理されたタバコ材のpHを7未満に低下させる。1つの実施態様では1つ以上の気体は、pH-処理されたタバコ材のpHを約6.5未満に低下させる。1つの実施態様では1つ以上の気体は、pH-処理されたタバコ材のpHを約6未満に低下させる。1つの実施態様では1つ以上の気体は、pH-処理されたタバコ材のpHを約5未満に低下させる。1つの実施態様では1つ以上の気体は、pH-処理されたタバコ材のpHを約4未満に低下させる。1つの実施態様では1つ以上の気体は、pH-処理されたタバコ材のpHを約5.5未満に低下させる。
【0085】
本開示は本願明細書で説明した方法によって得られるタバコ材も提供する。本発明の処理方法によって得られるタバコ材は、1つ以上の気体(例えば二酸化炭素)と材料の相互作用およびpHの可逆的変性によって少なくとも従来のものとは異なる。
【0086】
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、本発明者は、1つ以上の気体とpH-処理されたタバコ材および/または大気中に存在する水との相互作用があり、その結果として弱い酸が形成され、pHを下げ、ニコチンをプロトン化すると考えている。しかしながら、このpH調整は、タバコが標準大気条件に晒された際にその初期の値の方に戻るという点で可逆的である。本発明の処理方法で得られるタバコ材は、従って少なくともその「動的」pHにより独特のものになっている。分子レベルではこのタバコ材は、1つ以上の気体とタバコ表面の相互作用により従来のタバコと異なる。
【0087】
貯蔵方法
pH-処理されたタバコ材の処理方法と共に 本開示はpH-処理されたタバコ材の貯蔵方法も提供する。その方法は少なくとも3つの可能な構成を有し、それらの構成の重要な工程を
図2、3および4のフローチャートとして記載する。
【0088】
本開示の方法は、(i)pH-処理されたタバコ材を貯蔵容器に入れることと、(ii)貯蔵容器を封止することと、(iii)本願明細書で説明した方法でpH-処理されたタバコ材を処理することとを含んでもよい。この構成を
図2に示す。
【0089】
これとは別に本開示の方法は、(i)pH-処理されたタバコ材を貯蔵容器に入れることと、(ii)本願明細書で説明した方法でpH-処理されたタバコ材を処理することと、(iii)貯蔵容器を封止することとを含んでもよい。
【0090】
さらにこれとは別
に本開示の方法は、(i)本願明細書で説明した方法でpH-処理されたタバコ材を処理することと、(ii)処理工程(i)から得られたタバコ材を貯蔵容器に入れることと、(iii)貯蔵容器を封止することとを含む。この構成を
図4に示す。
【0091】
図1は貯蔵容器の一例の略式断面図である。これはpH-処理されたタバコ材2と、実質的に二酸化炭素からなる1つ以上の気体3とを含む貯蔵容器1を含む。当業者には理解されるようにこの1つ以上の気体は上述したものであってもよい。
図1の例の貯蔵容器は、pH-処理されたタバコ材を貯蔵容器に入れ、貯蔵容器を封止し、次にpH-処理されたタバコ材を有効量の1つ以上の気体と接触させることによって調製してもよく、1つ以上の気体は、pH-処理されたタバコ材のpHを低下させ、pH-処理されたタバコ材のpHの低下は、可逆的である、即ち本願明細書で説明した方法でpH-処理されたタバコ材を処理する(
図2参照)。これとは別に
図1の例の貯蔵容器は、pH-処理されたタバコ材を貯蔵容器に入れ、pH-処理されたタバコ材のpHを低下させ、pH-処理されたタバコ材のpHを可逆的に低下させる(即ち、即ち本願明細書で説明した方法でpH-処理されたタバコ材を処理する)有効量の1つ以上の気体とpH-処理されたタバコ材を接触させ、次に貯蔵容器を封止して調製してもよい(
図3参照)。さらに別の例として
図1の例の貯蔵容器1は、pH-処理されたタバコ材のpHを低下させ、pH-処理されたタバコ材のpHを可逆的に低下させる(即ち、即ち本願明細書で説明した方法でpH-処理されたタバコ材を処理する)有効量の1つ以上の気体とpH-処理されたタバコ材を接触させ、pH-処理されたタバコ材を貯蔵容器に入れ、貯蔵容器を封止することによって調製してもよい(
図4)。
【0092】
さらに本開示は、前記貯蔵方法で得られた貯蔵容器を提供する。貯蔵容器の一例を
図1に示すが、当業者は本開示が
図1に示す特定の構成に限定されるものではないことを理解するはずである。この図は例示に過ぎない。
【0093】
貯蔵容器は、装置または封止される袋、箱などの大量貯蔵に使用する容器であってもよい。貯蔵容器は、より小さい規模でpH-処理されたタバコ材の貯蔵に使用するための装置または容器であってもよく、この種の貯蔵は、出荷時に貯蔵される多くの量ではなくタバコの消費者用の分または個別の分の貯蔵を意味することを意図しているので、本明細書では「個別貯蔵」と言う。1つの実施態様では個別貯蔵は、それぞれが一回分の用量または分量のタバコ材を含むブリスターパックである。別の実施態様では個別貯蔵はタバコポッドである。
【0094】
1つの実施態様では貯蔵容器は密閉容器である。容器の封止は限定されず、気密封止になる当業界で知られているあらゆる方法で実行可能である。1つの実施態様では貯蔵容器は密封容器である。別の実施態様では貯蔵はブリスターパックの密閉ブリスターまたは密閉タバコポッドである。ここでも封止は気密封止になる当業界で知られているあらゆる方法で実行可能である。
【0095】
上記の方法で得られる貯蔵容器は、pH-処理されたタバコ材の大量出荷および貯蔵に使用して、大量貯蔵時間を長くし、ブリスターパックまたはタバコポッドに貯蔵してpH-処理されたタバコ材の保存可能期間を長くするので有利である。「大量貯蔵時間」および「保存可能期間」なる用語についてさらに以下で考察する。
【0096】
保存可能期間および大量貯蔵時間
さらに本開示は、pH-処理されたタバコ材の保存可能期間または大量貯蔵時間を長くするための二酸化炭素の使用を提供する。「大量貯蔵時間」なる用語は、pH-処理されたタバコ材が、例えば出荷時に大量貯蔵に付されるまたは大量に貯蔵される時間を意味する。「保存可能期間」なる用語は、pH-処理されたタバコ材がユーザーに利用可能になる時間、例えば製品が購入可能そして使用可能になる時間を意味する。本開示は、両方の状況の向上を提供するので有利である。
【0097】
従って、本開示はサプライチェーン時間、即ち供給元でのブリスター、カプセルまたはポッドなどを封止した時から製品が購入可能になる時までの貯蔵の向上を提供する。
【0098】
保存可能期間または大量貯蔵時間を長くするまたは向上させることは経時的にブレンドニコチンおよび/またはエアロゾルニコチンの測定によって示すことができる。エアロゾルニコチンは、CORESTA Recommended Method Nos. 81 (June 2015) and 84 (June 2017)などの当業界で知られている方法で測定される。ニコチンブレンドもまたCORESTA Recommended Method No. 82 (February 2005)などの当業界で知られている方法で測定される。
【0099】
CORESTA Recommended Method Nos. 81 (June 2015)は、“Routine Analytical Machine for E-Cigarette Aerosol Generation and Collection - Definitions and Standard Conditions”と題され、分析的試験目的のために電子タバコエアロゾルの発生および収集に必要とされる要件を含む。CORESTA Recommended Method No. 84 (June 2017)は、“Determination of Glycerin, Propylene Glycol, Water, and Nicotine in the Aerosol of E-Cigarettes by Gas Chromatographic Analysis”と題され、CORESTA Recommended Method No. 81 (June 2015)を参照している。CORESTA Recommended Method No. 84は、エアロゾルが標準的な手順によってどのように電子タバコから発せられ、収集されるかについて詳述している。集められた物は、次に溶媒に溶かされ、この溶液のグリセリン、プロピレングリコール、水およびニコチン含有量をガスクロマトグラフィーで測定する。収集され、まとめられたエアロゾルは、重量測定法で測定され、結果は装置ごと、収集されたエアロゾルの重量ごと、パフごとまたはその結果としてのパフセットごとの収集された検体の重量として表される。ガスクロマトグラフィー分析を含む分析用の装置および助剤は、CORESTA法に詳述されている。
【0100】
CORESTA Recommended Method No. 62は、“Determination of nicotine in tobacco and tobacco products gas chromatographic analysis”と題され、タバコのサンプルまたはタバコ製品(「ブレンドニコチン」とここでは称されている)のニコチン含有量を内部標準を含む有機抽出溶媒内の液体/液体抽出、その後の炎イオン化検出によるガスクロマトグラフィー分析によってどのように測定するかに記載している。MTBEまたはn-ヘキサンのいずれかを有機抽出溶媒として使用してもよく、2つの異なる方法で得られる結果に大きな違いはない。分析用の装置および助剤は、CORESTA法に詳述されている。
【0101】
ブレンドおよび/またはエアロゾルニコチンは、上述のCORESTA法、即ちCORESTA Recommended Method Nos. 81, 84および62に従って本開示では測定される。これらのCORESTA法は、従って参照することでここに引用したものとする。
【0102】
1つの実施態様では保存可能期間または大量貯蔵時間の拡大は、二酸化炭素下で貯蔵されたpH-処理されたタバコ材のブレンドニコチンまたはエアロゾルニコチン値を測定し、それを二酸化炭素下で貯蔵されていない、例えば空気中に保存されたpH-処理されたタバコ材のブレンドまたはエアロゾルニコチンと比較することによって割り出される。貯蔵時間または保存可能期間が本開示による二酸化炭素の使用によって向上したかを決定するために貯蔵環境を除いてすべての変数を一定に保たなければならない。例えば、pH-処理されたタバコ材の2つのサンプルを周囲温度および圧力下で3ヶ月間貯蔵し、1つを空気下で1つを二酸化炭素下で貯蔵してもよい。ブレンドニコチンおよび/またはエアロゾルニコチンは、両方のサンプルで上述のCORESTA法に従って測定され、それらの比較で本開示によって保存可能時間および貯蔵時間が向上したかどうかが(即ち、拡大されたか)が実証される。
【0103】
本明細書で説明した種々の実施態様は、特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。これらの実施態様は単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。