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特許7395621音波系電動クリーニングケア用具、そのような用具に用いられる圧力アラーム装置
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  • 特許-音波系電動クリーニングケア用具、そのような用具に用いられる圧力アラーム装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】音波系電動クリーニングケア用具、そのような用具に用いられる圧力アラーム装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/22 20060101AFI20231204BHJP
【FI】
A61C17/22 B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021570929
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-02
(86)【国際出願番号】 CN2020083634
(87)【国際公開番号】W WO2020238421
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-02-21
(31)【優先権主張番号】201910457281.6
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】317019812
【氏名又は名称】シャンハイ・シフト・エレクトリクス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ダイ、シャオグオ
(72)【発明者】
【氏名】シー、ジェンウー
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/095365(WO,A1)
【文献】特開平05-237014(JP,A)
【文献】特表2018-514336(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0331119(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/22-17/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップハウジング(13)を有するグリップ及びグリップリアハウジング(9)を含み、グリップハウジング(13)は、電源(10)と、回路基板(11)と、トランスデューサ(3)と、駆動コイルアセンブリ(4)と、クリーニング素子キャリアおよびクリーニング素子(21)を含むクリーニングアセンブリ(2)とを内蔵し、前記トランスデューサ(3)は、前記クリーニングアセンブリ(2)に挿入された駆動軸(37)と、トランスデューサの左右ホルダ(5、7)と、駆動軸縦軸線(L)の左右両側にそれぞれ配置された少なくとも2つのトランスデューサ永久磁石(36、35)と、対応する永久磁石ホルダと、前記永久磁石ホルダに固定接続して駆動軸(37)に固定接続された左右側のトランスデューサアクチュエータアームと、駆動軸縦軸線(L)の左右両側にそれぞれ設けられた少なくとも2つのトランスデューサ弾性部材(38)と、前記トランスデューサの左右ホルダ(5、7)に締め付けられた少なくとも1つのトランスデューサ弾性部材の固定具(39)とを含み、前記トランスデューサ弾性部材(38)の一端はそれぞれトランスデューサ弾性部材の固定具(39)に固定接続され、前記トランスデューサ弾性部材の他端はそれぞれ対応するトランスデューサアクチュエータアームに固定接続され、前記左右側の永久磁石(36、35)は互いに独立しており、一方の永久磁石の駆動コイル方向に向かう磁極極性と他方の永久磁石の駆動コイル方向に向かう磁極極性とが逆極性であり、前記左右側の永久磁石(36、35)は、トランスデューサ弾性部材の固定具(39)に対して移動可能である音波系電動クリーニングケア用具であって、
前記駆動軸(37)には駆動軸上軸受(33)と駆動軸下軸受(34)とがそれぞれ固定され、前記駆動軸上軸受(33)は前記トランスデューサの左右ホルダ(5、7)に位置する駆動軸上軸受の固定面(75)を介して前記トランスデューサホルダ(5、7)に固定され、かつ当該駆動軸上軸受の固定面(75)に対して運動不能であり、前記駆動軸下軸受(34)と駆動軸下軸受の上固定面(73)及び駆動軸下軸受の下固定面(76)が互いに関連しており、当該駆動軸下軸受(34)は、前記トランスデューサの左右ホルダ(5、7)に位置する駆動軸下軸受の上固定面(73)を介して前記トランスデューサホルダ(5、7)に固定され、それによって、当該駆動軸下軸受(34)は、前記駆動軸下軸受の上固定面(73)または駆動軸下軸受の下固定面(76)に対して相対運動可能であり、前記駆動軸下軸受(34)と前記トランスデューサの左右ホルダ(5、7)における駆動軸下軸受の上固定面(73)との間の離接を実現し、
前記クリーニングケア用具は、光感知圧力アラーム装置をさらに含み、当該アラーム装置は前記トランスデューサの左右ホルダ(5、7)に取り付けられたレバー(32)と、前記回路基板(11)に設けられ前記レバー(32)に隣接された発光素子(112)と、前記回路基板(11)に設けられ前記レバー(32)に隣接された光感知素子(111)とを含み、前記レバー(32)は回路基板(11)に向かう方向にレバー遮蔽面(325)および/または遮光突起(327)が配置され、当該レバー遮蔽面(325)および/または遮光突起(327)と前記光感知素子(111)との間の隙間の変化により、発光素子(112)から発光された、前記隙間を通って前記光感知素子(111)に到達する光エネルギーが変化し、当該光感知素子(111)の対応する電気的性能パラメータの変化を検出することによって、前記クリーニング素子(21)に加えられる負荷圧力(F)を取得する、音波系電動クリーニングケア用具。
【請求項2】
前記駆動軸下軸受の上固定面(73)と駆動軸下軸受の下固定面(76)は、前記駆動軸下軸受(34)が駆動軸横方向回転軸線(L)周りのみに制限回動可能となるように規制し、すなわち、前記駆動軸下軸受(34)は、前記駆動軸下軸受の上固定面(73)と前記駆動軸下軸受の下固定面(76)とに同時に接触することができない、請求項1に記載の音波系電動クリーニングケア用具。
【請求項3】
前記駆動軸下軸受(34)が前記駆動軸下軸受の下固定面(73)に接触すると、当該駆動軸下軸受(34)と前記駆動軸(37)とが駆動軸横方向回転軸線(L)周りの反時計回りの回動が最大角度に達し、当該最大角度は、前記駆動軸の回動制限角度である、請求項2に記載の音波系電動クリーニングケア用具。
【請求項4】
前記駆動軸の回動制限角度は、0‐≦2度である、請求項3に記載の音波系電動クリーニングケア用具。
【請求項5】
前記駆動軸の回動制限角度は、0‐≦1.5度である、請求項4に記載の音波系電動クリーニングケア用具。
【請求項6】
前記駆動軸の回動制限角度は、1度である、請求項5に記載の音波系電動クリーニングケア用具。
【請求項7】
前記レバー(32)の左右両側にそれぞれレバーの左右回動軸(321、322)が設けられ、当該レバー(32)は、レバー回転軸線(L)に離れて前記クリーニングアセンブリ(2)に近づく方向であって、且つ前記駆動軸下軸受(34)に向かう向きに沿って、駆動軸下軸受(34)に支持されるレバー短アームの突起(323)が設けられ、前記レバー回転軸線(L)に離れて前記グリップリアハウジング(9)に近づく方向であって、且つ前記駆動軸下軸受(34)に向かう向きに沿って、レバー長アームの突起(324)が設けられ、前記レバー長アームの突起(324)の外部にバネ(31)が巻きつけられ、当該レバー長アームの突起の底平面(326)はバネ(31)の一端を支持し、トランスデューサの左右ホルダ(5、7)に設けられたバネ受け孔の底平面(77)はバネ(31)の他端を支持する、請求項1に記載の音波系電動クリーニングケア用具。
【請求項8】
前記レバーの左右回動軸(321、322)は、同一のレバー回転軸線(L)を有する、請求項7に記載の音波系電動クリーニングケア用具。
【請求項9】
音波系電動クリーニングケア用具に用いられ、当該電動クリーニングケア用具は、グリップハウジング(13)を有するグリップ及びグリップリアハウジング(9)を含み、グリップハウジング(13)は、電源(10)と、回路基板(11)と、トランスデューサ(3)と、駆動コイルアセンブリ(4)と、クリーニング素子キャリアおよびクリーニング素子(21)を含むクリーニングアセンブリ(2)とを内蔵し、前記トランスデューサ(3)は、前記クリーニングアセンブリ(2)に挿入された駆動軸(37)と、トランスデューサの左右ホルダ(5、7)とを含み、前記駆動軸(37)には、それぞれ駆動軸上軸受(33)と駆動軸下軸受(34)とが固定される、圧力アラーム装置であって、
前記圧力アラーム装置は、前記トランスデューサの左右ホルダ(5、7)に取り付けられたレバー(32)と、前記回路基板(11)に設けられ前記レバー(32)に隣接する発光素子(112)と、前記回路基板(11)に設けられ前記レバー(32)に隣接する光感知素子(111)とを含み、前記レバー(32)は、前記回路基板(11)に向かう方向にレバー遮蔽面(325)および/または遮光突起(327)を有し、当該レバー(32)の左右両側にそれぞれレバーの左右回動軸(321、322)が設けられ、当該レバー(32)は、レバー回転軸線(L)に離れて前記クリーニングアセンブリ(2)に近づく方向であって、且つ前記駆動軸下軸受(34)に向かう向きに沿って、前記駆動軸下軸受(34)に支持されるレバー短アームの突起(323)が設けられ、レバー回転軸線(L)に離れて前記グリップリアハウジング(9)に近づく方向であって、且つ前記駆動軸下軸受(34)に向かう向きに沿って、レバー長アームの突起(324)が設けられ、前記レバー長アームの突起(324)の外部周りにバネ(31)が設けられ、当該レバー長アームの突起の底平面(326)は前記バネ(31)の一端を支持し、前記トランスデューサの左右ホルダ(5、7)に設けられたバネ受け孔の底平面(77)は前記バネ(31)の他端を支持し、前記レバー遮蔽面(325)および/または遮光突起(327)と前記光感知素子(111)との間の隙間の変化により、発光素子(112)から発光された、前記隙間を通って光感知素子(111)に到達する光エネルギーが変化し、光感知素子(111)の対応する電気的性能パラメータの変化を検出することによって、クリーニング素子(21)に加えられる負荷圧力(F)を取得し、圧力アラームを実現する、圧力アラーム装置。
【請求項10】
前記レバー(32)のレバー長アームの長さはXであり、レバー短アームの長さはXであり、XとXとの比は1.5‐5の範囲である、請求項9に記載の圧力アラーム装置。
【請求項11】
前記XとXとの比は2‐4の範囲である、請求項10に記載の圧力アラーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧力アラーム装置を有する音波系電動クリーニングケア用具に関し、更にこの音波系電動クリーニングケア用具に用いられる圧力アラーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電動クリーニング用具(例えば電動歯ブラシ)はヘッドアセンブリの運動方式によって分類され、通常、ヘッドアセンブリにおけるクリーニング素子とクリーニング素子キャリアが往復直線運動(上下揺動または左右揺動を含む)をするものと、ヘッドアセンブリにおけるクリーニング素子とクリーニング素子キャリアが往復回転運動をするものと、ヘッドアセンブリ全体が往復回転運動(音波系と略す)をするものと、の3種類がある。
【0003】
音波系電動クリーニングケア用具(以下はクリーニングケア用具と略す)においては、所望の高効率で操作を行うために、諧振駆動システムを採用し、クリーニング素子を駆動して回転運動させることが多い。本出願人の特許出願PCT/CN2015/071696に記載されるように、クリーニングケア用具は、グリップハウジングを有するグリップを含み、グリップハウジングの内部には、クリーニングケア用具の各部に電力を提供するための電源部分と、クリーニングケア用具の各種の作業モード及び当該クリーニングケア用具のオンまたはオフを制御するための制御部分と、前記クリーニングケア用具の運転をオンまたはオフにするためのトリガー部分と、入力される電気エネルギーを機械的エネルギーに変換して出力する駆動器とが装備される。前記駆動器は、トランスデューサと、駆動コイルと、前記駆動コイルに設けられた駆動コイル鉄芯とを含む。駆動コイルに交番電流iが通電されると、トランスデューサに分布する永久磁石は電磁力の反力を受けて、交番電流の周波数でトランスデューサを駆動して往復回転運動させ、これにより、トランスデューサの駆動軸に取り付けられたクリーニング素子キャリアと、クリーニング素子キャリアに分布するクリーニング素子とを連れて往復回転運動させ、クリーニング動作を実現する。前記構造において、トランスデューサと、クリーニング素子キャリアと、クリーニング素子とは固有周波数fを有し、駆動コイルにおける電流は駆動周波数f0を有し、fとf0は非常に近く、通常0.85f0<f<1.05f0を満すようにし、駆動コイルとトランスデューサとの間の電磁力は、トランスデューサとクリーニング素子キャリアとクリーニング素子とを諧振状態にすることができ、これにより、より高い機械的効率を得ることができる。そして、前記トランスデューサは、少なくとも2つのトランスデューサ弾性部材(左側トランスデューサ弾性部材と右側トランスデューサ弾性部材)を含み、弾性材料の曲げ歪みを利用して固有振動周波数fを有するトランスデューサを構成し、トランスデューサの固有周波数fが駆動周波数f0に非常に近づくときに、グリップハウジングにおける駆動コイルが発生してトランスデューサに作用する電磁力は、トランスデューサを諧振状態にし、トランスデューサの固有周波数fが駆動周波数f0に等しいときに、グリップハウジングにおける駆動コイルが発生してトランスデューサに作用する電磁力は、トランスデューサを共振状態にする。
【0004】
本出願人の授権公告番号がCN106618776Bであり、名称が「電動クリーニングケア用具、当該用具に用いられる圧力アラーム方法及び装置」である発明特許において、開示された圧力アラーム装置は、検出と採集とアラーム回路およびアラーム部品を含み、前記回路は電源と、プログラマブルマイクロチッププロセッサICと、トランジスタによって構成された、電源と駆動コイルとを接続するためのHブリッジ回路とを含み、前記プログラマブルマイクロチッププロセッサICのプログラムには、f0max-nが記憶され、選定されたnの値に対応するf0max-nを駆動コイルに流れる電流の固定周波数fとし、但し、-0.3(f0max-f0min)≦n≦0.85(f0max-f0min)で、f0maxは電流検出抵抗における平均電圧の最大値に対応する駆動コイルの電流の周波数であり、f0minは電流検出抵抗における平均電圧の最小値に対応する駆動コイルの電流の周波数であり、それに、アラーム負荷での電源電圧の平均値UL源と電流検出抵抗R25における平均電圧ULR25が予め記憶され、当該プログラマブルマイクロチッププロセッサICはHブリッジ回路を駆動するように固定周波数がfである矩形波を出力し、もし(UN源/UL源)×UNR25>ULR25であれば、アラーム信号出力なしにするか、または現在の圧力アラーム信号出力を中止し、もし(UN源/UL源)×UNR25≦ULR25であれば、圧力アラーム信号を出力してアラームする。この特許はクリーニング素子の縦方向軸線とトランスデューサ弾性部材の平面の法線方向との角度を合理的に調節することによって、トランスデューサ弾性部材の固有周波数fが、負荷のクリーニング素子に作用する力の増加につれて大きくなって、且つトランスデューサ弾性部材の固有周波数fが、負荷のクリーニング素子に作用する力の増加につれて変化する速さを制御することができ、それに、この固定の駆動周波数が設定されると、クリーニングケア用具の作業期間に当該駆動周波数が変更されず、クリーニング素子の振幅を小から大にさせながら、駆動コイルの電流値を高から低へ単調に減少させ、よって、合理的な負荷において、前記パーソナル電動クリーニングケア用具がさらに高い機械的効率と、さらに小さい作業電流と、更に小さいエネルギー消費と、最大なクリーニング素子の振幅と、最高なクリーニング効果とを得ることを保証するだけでなく、負荷が合理的な値を超えた後に、振幅を低減して歯茎を保護し、それに、構造が簡単で、コストも低い。
【0005】
本出願人の名称が「電動クリーニングケア用具に用いられる光感知圧力アラーム装置」である別の発明特許(出願公開番号が201711125025.4である)において、当該光感知圧力アラーム装置は、少なくとも1つの光源と少なくとも1つの光感知ユニットから構成される光感知部と、前記光源と光感知ユニットに面する光反射面と、検出回路と、アラーム部とを含む。前記光源と光感知ユニットはハンドルハウジングに対して移動可能な可動部材又はハンドルハウジングに対して移動しない静止部材に設置され、且つ同じ側に位置し、前記光反射面は、光源と光感知ユニットに面する側の静止部材又は可動部材に設置され、光源と光感知ユニットにほぼ正対している。クリーニング素子に加えられる、クリーニング素子の長手方向に沿う軸線に近似的に沿うまたは平行となる方向の外力Fと、グリップに内蔵された弾性部材による、外力Fに抗した弾性部材の弾性力Fとの協働により、グリップハウジングに対して移動可能な可動部材に設けられた光源と光感知ユニット又は光反射面を前記可動部材に追従して移動させ、光源からの光の光反射面への入射角と反射角の変化によって、光源からの光を受光可能な光感知ユニットの受光面積を変化させ、ひいては光感知ユニットの電気的性能を変化させる。
【0006】
出願公開番号がCN104883997Aの発明特許出願には、圧力センサを有する電動歯ブラシであって、直接力測定によって歯ブラシのブラシ毛がユーザの歯に加える圧力を確定するためのシステムと、動的力測定によって歯ブラシのブラシ毛がユーザの歯に加える圧力を確定するためシステムと、直接力測定と動的力測定によって確定された圧力に応答して、過度なブラシ毛の力の圧力の事前設定量を調整して指示する処理システムと、を含む電動歯ブラシが開示された。この装置においては、直接力または変位情報はホール効果センサ装置から供給され、動的荷重情報もホール効果センサから供給され、駆動信号の位相に対する磁界応答の位相シフトを測定するために使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、クリーニングケア用具の体積とコストを増大させることなく、クリーニング素子にかかる負荷圧力に対する検出精度を大幅に向上させることができ、これにより圧力アラーム装置の感度を向上させる、圧力アラーム装置を有する音波系電動クリーニングケア用具を提供することにある。
【0008】
本発明によれば、係る音波系電動クリーニングケア用具は、グリップハウジングを有するグリップ及びグリップリアハウジングを含み、グリップハウジングは、電源と、回路基板と、トランスデューサと、駆動コイルアセンブリと、クリーニング素子キャリアおよびクリーニング素子を含むクリーニングアセンブリとを内蔵し、トランスデューサは、前記クリーニングアセンブリに挿入された駆動軸と、トランスデューサの左右ホルダと、駆動軸縦軸線Lの左右両側にそれぞれ配置された少なくとも2つのトランスデューサ永久磁石と、対応する永久磁石ホルダと、前記永久磁石ホルダに固定接続して駆動軸に固定接続された左右側のトランスデューサアクチュエータアームと、駆動軸縦軸線Lの左右両側にそれぞれ設けられた少なくとも2つのトランスデューサ弾性部材と、前記トランスデューサの左右ホルダに締め付けられた少なくとも1つのトランスデューサ弾性部材の固定具とを含み、前記トランスデューサ弾性部材の一端はそれぞれトランスデューサ弾性部材の固定具に固定接続され、トランスデューサ弾性部材の他端はそれぞれ対応するトランスデューサアクチュエータアームに固定接続され、左右側の永久磁石は互いに独立しており、一方の永久磁石の駆動コイル方向に向かう磁極極性と他方の永久磁石の駆動コイル方向に向かう磁極極性とが逆極性であり、左右側の永久磁石は、トランスデューサ弾性部材の固定具に対して移動可能である。駆動軸には駆動軸上軸受と駆動軸下軸受とがそれぞれ固定され、駆動軸上軸受はトランスデューサの左右ホルダに位置する駆動軸上軸受の固定面を介してトランスデューサホルダに固定され、かつ駆動軸上軸受の固定面に対して運動不能であり、駆動軸下軸受と駆動軸下軸受の上固定面及び駆動軸下軸受の下固定面が互いに関連しており、駆動軸下軸受は、トランスデューサの左右ホルダに位置する駆動軸下軸受の上固定面を介してトランスデューサホルダに固定され、したがって、駆動軸下軸受は、駆動軸下軸受の上固定面または駆動軸下軸受の下固定面に対して相対運動可能であり、駆動軸下軸受とトランスデューサの左右ホルダにおける駆動軸下軸受の上固定面との間の離接を実現する。このクリーニングケア用具は、光感知圧力アラーム装置をさらに含み、前記アラーム装置はトランスデューサの左右ホルダに取り付けられたレバーと、回路基板に設けられレバーに隣接された発光素子と、回路基板に設けられレバーに隣接された光感知素子とを含み、前記レバーは回路基板に向かう方向にレバー遮蔽面および/または遮光突起が配置され、レバー遮蔽面および/または遮光突起と光感知素子との間の隙間の変化により、発光素子から発光された、前記隙間を通って光感知素子に到達する光エネルギーが変化し、光感知素子の対応する電気的性能パラメータの変化を検出することによって、クリーニング素子に加えられる負荷圧力Fを取得する。
【0009】
本発明においては、駆動軸下軸受の上固定面と駆動軸下軸受の下固定面は、駆動軸下軸受が駆動軸横方向回転軸線L周りにのみ制限回動可能となるように規制することができ、すなわち、駆動軸下軸受は、駆動軸下軸受の上固定面と駆動軸下軸受の下固定面とに同時に接触することができない。駆動軸下軸受が駆動軸下軸受の下固定面に接触すると、駆動軸下軸受と駆動軸とが駆動軸横方向回転軸線L周りの反時計回りの回動が最大角度に達し、この最大角度は、即ち駆動軸の回動制限角度である。前記駆動軸の回動制限角度は、0‐≦2度であってもよく、好ましくは0‐≦1.5度であり、より好ましくは、1度である。
【0010】
一実施例においては、前記レバーの左右両側にそれぞれレバーの左右回動軸が設けられ、レバーは、レバー回転軸線Lに離れてクリーニングアセンブリに近づく方向であって、且つ駆動軸下軸受に向かう向きに沿って、駆動軸下軸受に支持されるレバー短アームの突起が設けられ、レバー回転軸線Lに離れて前記グリップリアハウジングに近づく方向であって、且つ駆動軸下軸受に向かう向きに沿って、レバー長アームの突起が設けられ、前記レバー長アームの突起の外部にバネが取り囲まれ、このレバー長アームの突起の底平面はバネの一端を支持し、トランスデューサの左右ホルダに設けられたバネ受け孔の底平面は前記バネの他端を支持する。
【0011】
好ましくは、前記レバーの左右回動軸は、同一のレバー回転軸線Lを有する。
【0012】
本発明の別の目的は、音波系電動クリーニングケア用具に用いられる圧力アラーム装置であって、この電動クリーニングケア用具は、グリップハウジングを有するグリップ及びグリップリアハウジングを含み、グリップハウジングは、電源と、回路基板と、トランスデューサと、駆動コイルアセンブリと、クリーニング素子キャリアおよびクリーニング素子を含むクリーニングアセンブリとを内蔵し、前記トランスデューサは、前記クリーニングアセンブリに挿入された駆動軸と、トランスデューサの左右ホルダとを含み、前記駆動軸には、それぞれ駆動軸上軸受と駆動軸下軸受とが固定され、前記圧力アラーム装置は、トランスデューサの左右ホルダに取り付けられたレバーと、回路基板に設けられレバーに隣接する発光素子と、回路基板に設けられレバーに隣接する光感知素子とを含み、前記レバーは、前記回路基板に向かう方向にレバー遮蔽面および/または遮光突起を有し、レバーの左右両側にそれぞれレバーの左右回動軸が設けられ、レバーは、レバー回転軸線Lに離れてクリーニングアセンブリに近づく方向であって、且つ駆動軸下軸受に向かう向きに沿って、駆動軸下軸受に支持されるレバー短アームの突起が設けられ、レバー回転軸線Lに離れてグリップリアハウジングに近づく方向であって、且つ駆動軸下軸受に向かう向きに沿って、レバー長アームの突起が設けられ、前記レバー長アーム突起の外部周りにバネが設けられ、このレバー長アームの突起の底平面は前記バネの一端を支持し、トランスデューサの左右ホルダに設けられたバネ受け孔の底平面は前記バネの他端を支持し、レバー遮蔽面および/または遮光突起と光感知素子との間の隙間の変化により、発光素子から発光された、前記隙間を通って光感知素子に到達する光エネルギーが変化し、光感知素子の対応する電気的性能パラメータの変化を検出することによって、クリーニング素子に加えられる負荷圧力Fを取得し、圧力アラームを実現する、圧力アラーム装置を有する音波系電動クリーニングケア用具を提供することにある。
【0013】
好ましくは、前記レバーのレバー長アームの長さはXであり、レバー短アームの長さはXであり、XとXとの比は1.5‐5の範囲であり、より好ましくは、XとXとの比は2‐4の範囲である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る圧力アラーム装置を有する音波系電動クリーニングケア用具及びこの音波系電動クリーニングケア用具に用いられる圧力アラーム装置によれば、クリーニングケア用具の体積とコストを増大させることなく、クリーニング素子に加えられる負荷圧力を検出する精度を大幅に向上させることができ、これにより圧力アラーム装置の感度を向上させる。また、本発明において、駆動軸下軸受の上固定面と駆動軸下軸受の下固定面を設けることにより駆動軸の回動制限角度を決定し、弾性部材の負荷変形を効果的に制御し、よって、弾性部材の負荷変形によるトランスデューサの寿命への影響を効果的に低減または解消する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は本発明における電動歯ブラシの模式図である。
図2図2図1に示す電動歯ブラシの組立模式図であり、グリップ部分とヘッドアセンブリとの組立関係を示す。
図3図3図2における電動歯ブラシのトランスデューサの模式図である。
図4図4は、図1に示クリーニング素子の無負荷状態における、電動歯ブラシのトランスデューサ、駆動コイル及び回路基板、並びにレバーの組み合わせの模式図である。
図5図5は、図1に示クリーニング素子の負荷状態における、電動歯ブラシのトランスデューサ、駆動コイル及び回路基板、並びにレバーの組み合わせの模式図である。
図6図6図4の部分拡大模式図である。
図7図7図5の部分拡大模式図である。
図8図8はトランスデューサの右ホルダ、レバー及び駆動軸下軸受の組み合わせの模式図である。
図9図9はトランスデューサの右ホルダと駆動軸下軸受の組み合わせの模式図である。
図10図10はトランスデューサの右ホルダの模式図である。
図11図11はレバーの模式図である。
図12図12は、図1に示クリーニング素子の負荷状態における、レバーと回路基板の組み合わせの模式図である。
図13図13は、図1に示クリーニング素子の無負荷状態における、レバーと回路基板の組み合わせの模式図である。
図14図14は、駆動軸がそれぞれ無負荷状態と負荷状態にあるときの、駆動軸下軸受との組み合わせの模式図である。
図15図15は、本発明の別の実施例において、クリーニング素子の無負荷状態における、レバーと回路基板の組み合わせの模式図である。
図16図16は、図15に示す実施例において、クリーニング素子の負荷状態における、レバーと回路基板の組み合わせの模式図である。
【符号の説明】
【0016】
1 グリップ
2 クリーニングアセンブリ
3 トランスデューサ
4 駆動コイルアセンブリ
5 トランスデューサの左ホルダ
6 駆動コイルの左ホルダ
7 トランスデューサの右ホルダ
8 駆動コイルの右ホルダ
9 グリップリアハウジング
10 バッテリ
11 回路基板
12 固定ネジ
13 グリップハウジング
21 クリーニング素子
31 バネ
32 レバー
33 駆動軸上軸受
34 駆動軸下軸受
35 トランスデューサの右永久磁石
36 トランスデューサの左永久磁石
37 駆動軸
38 トランスデューサ弾性部材
39 トランスデューサ弾性部材の固定具
41 駆動コイル鉄芯
42 駆動コイル
71 レバー固定孔
72 バネ受け孔
73 駆動軸下軸受の上固定面
74 突起貫通孔
75 駆動軸上軸受の固定面
76 駆動軸下軸受の下固定面
77 バネ受け孔の底平面
111 光感知素子
112 発光素子
321 レバーの左回動軸
322 レバーの右回動軸
323 レバー短アームの突起
324 レバー長アームの突起
325 レバー遮蔽面
326 レバー長アームの突起の底平面
327 遮光突起
レバー短アームの長さ
レバー長アームの長さ
駆動軸縦軸線
L’ 駆動軸が駆動軸上軸受の縦軸線に対して傾斜しているときの、駆動軸の駆動軸縦軸線
駆動軸上軸受の中心点を通って、駆動軸縦軸線Lに垂直となり、且つクリーニング素子の縦方向軸線Lと略平行な駆動軸上軸受の横方向軸線
レバー回転軸線
駆動軸上軸受の横方向軸線Lと駆動軸縦軸線に垂直となる駆動軸横方向回転軸線
クリーニング素子の縦方向軸線
F 駆動軸に作用する外力
クリーニング素子に加えられる負荷圧力
レバー短アームの突起に伝達する負荷力
レバー長アームにおける突起にかかるバネ力
回転モーメント
レバー短アームのモーメント
レバー長アームのモーメント
【発明を実施するための形態】
【0017】
上記のように、以下に本発明の音波系電動クリーニングケア用具の典型的な例として音波系電動歯ブラシを挙げ、図面を結合して本発明の例示的な実施例をより詳細に説明する。以下、電動歯ブラシを例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は音波系電動シェーバー、音波系電動洗顔器、音波系電動垢すり器などのような、個人用の音波系電動クリーニングケア用具にも適用される。
【0018】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な実施例を説明するためにのみ使用され、限定するものではない。
【0019】
本願で使用される用語「および/または」は、列挙された1つ以上の関連する用語のいずれか及び全ての組み合わせを含む。
【0020】
上下文が特に明記しない限り、ここで使用される単数形「一」、「1つ」及び「この」は、複数形を含んでもよい。用語「備える」、「含む」及び「有する」は、規定された特徴、集合、ステップ、操作、素子および/または部品の存在を明確に示す広い範囲であるが、1つまたは複数の他の特徴、集合、ステップ、操作、素子、部品および/またはそれらのグループの存在または追加は除外されない。
【0021】
全ての図面において、類似される符号は似ている部品を表す。
【0022】
説明をはっきりさせるために、本明細書において空間の相対位置を記述する言葉、例えば「上」、「下」、「左」、「右」、「横方向」などで、図面に示す1つの素子または特徴と別の素子(1つまたは複数)または特徴(1つまたは複数)との相互関係を簡単に説明する。但し、「上」と「下」はクリーニング素子の縦方向軸線に対するもので、クリーニング素子に近接する一端は「上」に定義され、「上」に反対される側(即ち、クリーニング素子に離れる一端)は「下」に定義され、「左」と「右」は駆動軸の縦方向軸線に対するもので、対応するビューに面する際に、駆動軸の縦方向軸線に垂直となる方向に沿って駆動軸の縦方向軸線の左側は「左」に定義され、その右側は「右」に定義され、「横方向」は駆動軸の縦方向軸線に垂直となる方向を指す。
【0023】
図1-14は本発明の電動クリーニングケア用具の一例である音波系電動歯ブラシを示す。図1-5を参照し、本発明に係る音波系電動歯ブラシは、グリップハウジング13を有するグリップを含み、グリップハウジング13の内部に、歯ブラシの各部に電力を提供するための電池10と、歯ブラシのオンまたはオフ及び各種の作動モードを制御するための回路基板11と、入力される電気エネルギーを機械的エネルギーに変換して出力するトランスデューサ3と、駆動コイルアセンブリ4と、クリーニング素子キャリアとクリーニング素子キャリア上に分布されたクリーニング素子(すなわちブラシ毛)21とを含むクリーニングアセンブリ2とが装備される。クリーニングアセンブリ2は駆動軸37(図4、5)に取り外し可能に接続される。トランスデューサ3は、クリーニングアセンブリに挿入される駆動軸37と、トランスデューサの左右ホルダ5、7(図2)に締め付けられた少なくとも1つのトランスデューサ弾性部材の固定具39(図3)と、駆動軸縦軸線Lに対してそれぞれ左右両側に配置される少なくとも2つのトランスデューサの左右永久磁石36、35(図3)と、前記トランスデューサの左右永久磁石36、35を固定接続するための対応する永久磁石ホルダと、永久磁石ホルダに固定接続されて駆動軸37に固定接続される左右側のトランスデューサアクチュエータアームと、駆動軸縦軸線Lの左右両側にそれぞれ設けられた少なくとも2つの左右側のトランスデューサ弾性部材38(図3)と、を含む。左右側のトランスデューサ弾性部材38の一端はトランスデューサ弾性部材の固定具39にそれぞれ固定接続され、左右側のトランスデューサ弾性部材38の他端は対応するトランスデューサアクチュエータアームにそれぞれ固定接続される。左右側の永久磁石36、35は互いに独立され、一側の永久磁石の駆動コイルに向かう方向における磁極の極性はS極またはN極であり、他側の永久磁石の駆動コイルに向かう方向における磁極の極性は前記一側の永久磁石の磁極の極性と反対であり、左右側の永久磁石36、35は、トランスデューサ弾性部材の固定具39に対して移動可能である。駆動コイル42(図4)に周波数がfである交番電流が通電されると、左右トランスデューサ永久磁石36、35が駆動軸縦軸線L周りに往復回転され、左右トランスデューサ永久磁石36、35は、駆動軸37を連れて駆動軸縦軸線L周りに往復回転させ、駆動軸37は、クリーニングアセンブリ2におけるクリーニング素子21を連れて駆動軸縦軸線L周りに往復回転させる。
【0024】
図6-10、図14に示すように、駆動軸37には、駆動軸上軸受33と駆動軸下軸受34とがそれぞれ固定され、駆動軸上軸受33は、トランスデューサの左右ホルダ5、7に位置する駆動軸上軸受の固定面75を介してトランスデューサホルダ5、7に固定され、この駆動軸上軸受の固定面75に対して移動不能であり、駆動軸下軸受34と駆動軸下軸受の上固定面73と駆動軸下軸受の下固定面76とは互いに関連しており、駆動軸下軸受34は、トランスデューサの左右ホルダ5、7に位置する駆動軸下軸受の上固定面73を介してトランスデューサホルダ5、7に固定されるため、駆動軸下軸受34は、駆動軸下軸受の上固定面73または駆動軸下軸受の下固定面76に対して相対運動可能であり、駆動軸下軸受34とトランスデューサの左右ホルダ5、7における駆動軸下軸受の上固定面73との間の離接を実現する。
【0025】
トランスデューサの左右ホルダ5、7に位置する駆動軸下軸受の上固定面73には、体積が駆動軸下軸受よりも大きなキャビティが形成されるため、このキャビティに駆動軸下軸受を収容することができる。このような接続構造により、駆動軸下軸受34は、駆動軸下軸受の上固定面73または駆動軸下軸受の下固定面76に対して制限された運動を行うことができる。軸受には内部隙間(遊び)があるので、図14に示すように、駆動軸37を駆動軸上軸受33の縦軸線に対して傾斜可能である。外力Fが作用せず、駆動軸37が駆動軸上軸受33の縦軸線に対して傾斜していない時には、駆動軸37の縦軸線Lと駆動軸上軸受33の縦軸線とが重なっており、駆動軸37が外力Fによって駆動軸上軸受33の縦軸線に対して傾斜している時には、駆動軸 37の駆動軸縦軸線L’は、駆動軸上軸受33の縦軸線に対して傾斜しており、両軸線のなす角はα(図14)であり、αは軸受の傾斜角であり、通常α角は2度未満である。
【0026】
クリーニング素子21に負荷圧力が加えられると、駆動軸37に圧力Fが加えられ、これに伴って回転モーメントM図7)が発生し、駆動軸上軸受33がトランスデューサの左右ホルダ5、7に固定され、そして、駆動軸37は、駆動軸上軸受33の縦軸線に対して傾斜可能であり、駆動軸37上の回転モーメントMは、O点(図7)を中心点とし、O点は、駆動軸縦軸線Lに位置する駆動軸上軸受33の中心点である。駆動軸37は、回転モーメントMにより、O点を基点として駆動軸横方向回転軸線L(図示せず)周りに反時計りに回動し、図7に示すように、駆動軸37に締め付けられた駆動軸下軸受34も、クリーニング素子21に加えられる負荷圧力Fによる回転モーメントMによって、O点を基点として駆動軸横方向回転軸線L周りに反時計回りに回動する。本発明において、トランスデューサの左右ホルダ5、7には、駆動軸下軸受の上固定面73が配置されており、駆動軸下軸受34は、回転モーメントMにより、O点を基点として駆動軸横方向回転軸線L周りに反時計回りに駆動軸の回動の制限角度まで回動可能である。出願人は、多くの試験の結果、この制限角度は、好ましくは1.5度、より好ましくは1度であることを見出した。本実施例においては、前記駆動軸の回動の制限角度を1度とし、他の実施例においては、この制限角度は0度から2度の間の任意の他の角度であってもよい。
【0027】
本発明において、駆動軸下軸受34には、前記駆動軸の回動角度の制限を図るための上固定面73が設けられており、回転モーメントMによって駆動軸下軸受34がO点を基点として駆動軸横方向回転軸線L周りに反時計回りに前記駆動軸の回動の制限角度まで回動すると、駆動軸下軸受の上固定面73は、駆動軸下軸受34の外面に接触し、駆動軸下軸受34のそれ以上の回動を制限する。
【0028】
図2図6図11に示すように、トランスデューサの左右ホルダ5、7にはレバー32が取り付けられ、レバー32には左右両側にレバーの左回動軸321とレバーの右回動軸322がそれぞれ設けられ、レバーの左右回動軸321、322は、同一のレバー回転軸線Lを有する。レバー32には、レバー回転軸線Lから離れてクリーニングアセンブリ2に近づく方向であって、且つ駆動軸下軸受34に向かう向きにレバー短アームの突起323が設けられている。レバー32には、レバー回転軸線Lから離れてグリップリアハウジング9に近づく方向であって、且つ駆動軸下軸受34に向かう向きにレバー長アームの突起324が設けられている。レバー短アームの突起323の受力点からレバー回転軸線Lまでのフォースアームの長さはレバー短アームの長さXであり、レバー長アームの突起324の受力点からレバー回転軸線Lまでのフォースアームの長さはレバー長アームの長さXである。トランスデューサの右ホルダ7(図2)にはボス貫通孔74(図9)が設けられ、トランスデューサの左ホルダ5(図2)にも同様にボス貫通孔が設けられ、レバー短アームの突起323は、上記2つの突起貫通孔を介して、レバー短アームの突起323を支持する駆動軸下軸受34に接触している。バネ31(図4)は、レバー長アームの突起323の外側を取り囲み、バネ31は円柱式バネであってもよく、レバー長アームの突起の底平面326はバネ31の一端を支持し、トランスデューサの左右ホルダ5、7に配置されたバネ受け孔の底平面77(図9)はバネ31の他端を支持する。図4図6に示すように、クリーニング素子21が無負荷状態にある時に、バネ31は予圧縮状態にあり、バネ31の前負荷がレバー32を押してレバー回転軸線L周りに回動し、レバー短アームの突起323を駆動軸上軸受33に押し付けさせる。
【0029】
図8図9図11に示すように、レバーの右回動軸322は、トランスデューサの右ホルダ7に設けられたレバー固定孔71に嵌め合い、レバーの左回動軸321は、トランスデューサの左ホルダ5に設けられたレバー固定孔71に嵌め合い、前記2つのレバー固定孔71は、レバー32がレバー回転軸線L周りにのみ回転できるように規制している。
【0030】
図11図13に示すように、レバー32には、回路基板11に向かう方向にレバー遮蔽面325が設けられ、クリーニング素子21が無負荷状態にある時には、レバー11に隣接して回路基板11に取り付けられた発光素子112から発光される光線は、レバー遮蔽面325とレバー11に隣接して回路基板11に取り付けられた光感知素子111との間の隙間を通って光感知素子111に到達することができる。図12に示すように、クリーニング素子21が十分に大きな負荷を受けると、レバー32はレバー短アームの突起にかかる負荷力Fとレバー長アームにかかるバネ力Fとの協働によりレバー回転軸線L周りに時計回りに回動し、レバー遮蔽面325と光感知素子111との間の隙間が徐に小さくなることによって、発光素子112が発する、レバー遮蔽面325と光感知素子111との間の隙間を通って光感知素子111に到達する光エネルギーが減少する。
【0031】
駆動軸下軸受34が、回転モーメントMの方向とは逆方向のモーメントによって、あるいは、レバー長アームの突起324に形成されたバネ力Fによって、O点を基点として駆動軸横方向回転軸線L周りに時計回りに駆動軸下軸受の下固定面76が駆動軸下軸受34に接触するまで回動すると、駆動軸下軸受34のそれ以上の回動が制限され、このとき駆動軸37の縦軸線Lと駆動軸上軸受33の縦軸線とが重なっており、この状態が駆動軸37の初期状態である。駆動軸37は、クリーニング素子21が無負荷状態にあるときに前記初期状態となる。
【0032】
本実施例においては、左右側のトランスデューサ弾性部材38の曲げ変形を利用して左右トランスデューサ永久磁石36、35の動きに応答し、トランスデューサ3とクリーニングアセンブリ2とからなる弾性システムは、駆動コイル42からの交番電磁力によって諧振し、クリーニング素子21の効率的な往復回転を実現する。明らかに、駆動軸上軸受33には内部隙間があり、駆動軸37が駆動軸上軸受33に対して傾斜可能であるので、左右側のトランスデューサアクチュエータアームは駆動軸上軸受33の縦軸線に対して傾斜し、左右側のトランスデューサ弾性部材38は駆動軸上軸受33の縦軸線に対して傾斜している一方、駆動軸上軸受33及びトランスデューサ弾性部材の固定具39はトランスデューサの左右ホルダ5、7に対して静止しており、したがって、左右側のトランスデューサ弾性部材38は、トランスデューサ弾性部材の固定具39に対して変形し、すなわち、クリーニング素子21に加えられる負荷圧力Fは、左右側のトランスデューサ弾性部材38を変形させ、上記変形は、弾性部材の負荷変形と呼ばれる。左右トランスデューサ永久磁石36、35によって駆動される左右側のトランスデューサ弾性部材38の変形は、弾性部材の駆動変形と呼ばれる。弾性部材の駆動変形は、左右トランスデューサ永久磁石36、35の機械的エネルギーをクリーニング素子21に伝達するように作用し、弾性部材の負荷変形は、クリーニング素子21が機械的エネルギーを得るのに役立たない。過大な弾性部材の負荷変形は、トランスデューサ弾性部材の疲労劣化を促進し、トランスデューサ弾性部材38を短時間で疲労破壊させ、電動クリーニングケア用具の故障を引き起こす。本実施例において、駆動軸下軸受の上固定面73と駆動軸下軸受の下固定面76を設けることにより駆動軸の回動制限角度を決定し、弾性部材の負荷変形を効果的に制御し、よって、弾性部材の負荷変形によるトランスデューサ3の寿命への影響を効果的に低減または解消する。また、本実施例においては、駆動軸下軸受34が駆動軸横方向回転軸線L周りに制限回動可能であることを効果的に利用して圧力アラーム機能を実施する。
【0033】
ユーザが電動歯ブラシを起動すると、駆動コイル42に周波数がfである交番電流が通電され、左右トランスデューサ永久磁石36、35が駆動軸縦軸線L周りに往復回転され、左右トランスデューサ永久磁石36、35は、駆動軸37を連れて駆動軸縦軸線L周りに往復回転させ、駆動軸37は、クリーニングアセンブリ2におけるクリーニング素子21を連れて駆動軸縦軸線L周りに往復回転させる。クリーニング素子21が無負荷状態にあるときには、図6に示すように、駆動軸37に伝達される負荷力がゼロとなり、駆動軸縦軸線Lと駆動軸上軸受33の縦軸線とが重なっており、駆動軸37が初期状態となり、バネ31は予圧縮状態にあり、バネ31の前負荷がレバー32を押してレバー回転軸線L周りに回動し、レバー短アームの突起323が駆動軸上軸受33に押し付けさせ、駆動軸上軸受33はバネ31からの力を受けて駆動軸下軸受の下固定面76に密着し、レバー32におけるレバー遮蔽面325から光感知素子111までの隙間が最大となり、光感知素子111が発光素子112から受ける光エネルギーが最大値に達し、光感知素子111の対応する電気的パラメータ(例えば抵抗値)が最小値に達する。ユーザがクリーニング素子21に負荷圧力Fを加えると、図7に示すように、クリーニング素子21に加えられた負荷圧力Fが駆動軸37に伝達され、ひいては駆動軸上軸受33に伝達され、駆動軸上軸受33は、この力をレバー短アームの突起323に伝達し、レバー短アームの突起にかかる負荷力Fを形成する。図7図11に示すように、レバー短アームの突起323の受けた負荷力Fとレバー短アームの長さXとの積が、レバー短アームのモーメントM(図示せず)となり、 レバー長アームのバネ力Fとレバー長アームの長さXとの積が、レバー長アームのモーメントM(図示せず)となる。クリーニング素子21に加えられる負荷圧Fが大きくなると、レバー短アームのモーメントMがレバー長アームのモーメントMよりも大きくなると、レバー32がレバー回転軸線L周りに時計回りに回転し、レバー長アームの突起の底平面326がバネ31を押してさらに圧縮し、駆動軸縦軸線Lが駆動軸上軸受33の縦軸線に対して傾斜し、クリーニング素子21に加えられる負荷圧力Fは、駆動軸下軸受34を押して駆動軸下軸受の下固定面76から離間し、駆動軸下軸受34を駆動軸下軸受の上固定面73に接近するように運動させ、図12図11に示すように、レバー32におけるレバー遮蔽面325と光感知素子111との間の隙間が小さくなり、光感知素子111が発光素子112から受ける光エネルギーが小さくなり、光感知素子111に対応する電気的パラメータ(例えば抵抗値)が大きくなる。クリーニング素子21に加えられる負荷圧力Fがさらに大きくなると、駆動軸下軸受34が駆動軸下軸受の上固定面73に接触し、駆動軸下軸受の上固定面73が駆動軸下軸受34のそれ以上の回動を制限し、レバー短アームの突起にかかる負荷力Fは最大値に達し、レバー短アームのモーメントMは最大値に達し、レバー32におけるレバー遮蔽面325から光感知素子111までの隙間は最小値に達し、光感知素子111が発光素子112から受ける光エネルギーが最小値に達し、光感知素子111の対応する電気的パラメータ(例えば、抵抗値)が最大値に達する。
【0034】
クリーニング素子21に加えられる負荷圧力Fは、トランスデューサ弾性部材38に弾性部材の負荷変形を生じさせ、負荷圧力Fが大きいほど、弾性部材の負荷変形も大きくなり、過大な弾性部材の負荷変形は、トランスデューサ弾性部材38の疲労劣化を促進し、トランスデューサ弾性部材38を短時間で疲労破壊させ、ひいては電動クリーニングケア用具の故障を引き起こす。同時に、歯をクリーニングする中にクリーニング素子21に過大な負荷圧力Fが加えられると、歯茎にも損傷を与える可能性がある。本実施例において、上記のように、駆動軸37には、トランスデューサの左右ホルダ5、7に固定された駆動軸上軸受33と、駆動軸下軸受34とが締め付けられており、駆動軸上軸受33とトランスデューサの左ホルダ5、トランスデューサの右ホルダ7とを相対運動不能にする。駆動軸下軸受34もトランスデューサの左右ホルダ5、7に固定されているが、駆動軸下軸受34はトランスデューサの左右ホルダ5、7に対して制限された運動を行うことができる。駆動軸下軸受34は、駆動軸下軸受の上固定面73と駆動軸下軸受の下固定面76とに同時に接触することができないため、駆動軸下軸受の上固定面73と駆動軸下軸受の下固定面76は、駆動軸下軸受34が駆動軸横方向回転軸線L周りにのみ制限回動可能となるように規制する。駆動軸下軸受34が駆動軸下軸受の上固定面73に接触すると、駆動軸下軸受34と駆動軸37との駆動軸横方向回転軸線L周りの反時計回りの回動の最大角度が形成され、この最大角度は、前記駆動軸の回動制限角度である。上記のように、本発明において、前記駆動軸の回動制限角度の最大値は2度、好ましくは1.5度、より好ましくは1度である。
【0035】
駆動軸下軸受34は、レバー短アームの突起323を支持する。レバー長アームの突起の底平面326は、バネ31の圧力を受ける。レバーの左回動軸321とレバーの右回動軸322は、トランスデューサの左右ホルダ5、7に配置されたレバー固定孔71に、レバー32がレバー回動軸線L周りにのみ回動可能となるように嵌合されている。クリーニング素子21に加えられる負荷圧力Fは、駆動軸下軸受34を駆動軸横方向回転軸線L周りに反時計回りに回動させ、駆動軸下軸受34がレバー短アームの突起323を押し、レバー32をレバー回転軸線L周りに時計回りに回動させ、レバー32におけるレバー遮蔽面325から光感知素子111までの間の隙間が大きいから小さくなり、光感知素子111の対応する電気的パラメータ(例えば抵抗値)が小さいから大きくなる。回路基板11におけるマイクロコントローラユニットMCUは、光感知素子111の対応する電気的パラメータ(例えば抵抗値)の変化を検出することに応じて、クリーニング素子21にかかる負荷圧力Fの大きさを検出することができる。クリーニング素子21に加えられる負荷圧力Fが設定された閾値以上になると、グリップ1により、クリーニング素子21にかかる負荷圧力Fが過大であることを音、光、振動等の手段によりユーザに注意することができ、または電動歯ブラシに直接速度を落としたり停止したりするなどの処理を施すことで、ユーザの歯茎を効果的に保護する。上記実施例において、レバー32のレバー長アームの長さXとレバー短アームの長さXとの比により、クリーニング素子21に加える負荷圧力Fと駆動軸下軸受34の変位との対応関係を大きくすることができ、レバー32におけるレバー遮蔽面325と光感知素子111との間の隙間をより大きく変化させ、光感知素子111に対応する電気的パラメータ(例えば抵抗)の変化値をより大きくし、これにより、クリーニング素子21にかかる負荷圧力Fに対する検出精度が大幅に向上する。本実施例において、レバー長アームの長さXとレバー短アームの長さXとの比の範囲は、1.5-5であり、好ましくは2-4である。
【0036】
もちろん、光感知素子111と発光素子112及びレバー32との幾何学的関係は、上記実施例に限定されるものではない。別の実施例において、図15図16に示すように、レバー32には、レバー32から回路基板11に向かって延びる遮光突起327が設けられ、遮光突起327は、光感知素子111と発光素子112との間に介在しており、遮光突起327は、発光素子112からの光線を光感知素子111が受けることを遮断することができ、具体的な分析は、ここでは説明を省略する前の実施例と同様である。もちろん、上述した2つの実施例においては、回路基板11の光感知素子111と発光素子112の位置を入れ替えることが可能であり、本発明の目的を実現することもでき、同様の技術的効果を奏することができる。
【0037】
本発明において、レバー32には遮光面325および/または遮光突起327が設けられ、回路基板には発光素子112と光感知素子111が設けられている。クリーニング素子21に加えられる負荷圧力Fにより、駆動軸37における駆動軸下軸受34がレバー回転軸線L周りに回動し、駆動軸下軸受34がレバー短アームの突起323を駆動し、レバー32をレバー回転軸線L周りに回動させ、上記レバー32の回動により、遮光面325および/または遮光突起327から光感知素子111および/または発光素子112までの距離が変化し、遮光面325および/または遮光突起327は、発光素子112からの光エネルギーを光感知素子111が受けることを遮断することができ、上記レバー32の回動により光感知素子111の電気的パラメータ (例えば抵抗値) が変化し、回路基板11におけるMCUが光感知素子111の電気的パラメータ(例えば抵抗値)の変化を検出することにより、回路基板11におけるMCUによるクリーニング素子21に加える負荷圧力Fの検出を実現する。クリーニング素子21に加えられる負荷圧力Fが設定された閾値以上になると、グリップ1により、音、光、振動、停止等の手段により圧力過大を警報する。
【0038】
本発明と本出願人の前記別の中国発明特許出願(出願公開番号が201711125025.4である)はいずれも光感知圧力アラーム原理を採用しているが、本発明は音波系電動クリーニングケア用具専用の圧力アラーム装置であることは、強調すべきである。本発明において、駆動軸上軸受に内部隙間があることを利用し、駆動軸が駆動軸上軸受に対して傾斜可能であるので、左右側のトランスデューサアクチュエータアームは駆動軸上軸受の縦軸線に対して傾斜し、左右側のトランスデューサ弾性部材は駆動軸上軸受の縦軸線に対して傾斜している一方、駆動軸上軸受及びトランスデューサ弾性部材の固定具はトランスデューサの左右ホルダに対して静止しており、したがって、左右側のトランスデューサ弾性部材は、トランスデューサ弾性部材の固定具に対して変形し、すなわち、クリーニング素子に加えられる負荷圧力Fは、左右側のトランスデューサ弾性部材を弾性部材の負荷変形を生じさせるが、左右のトランスデューサ永久磁石の駆動による左右側のトランスデューサ弾性部材の変形は、弾性部材の駆動変形と呼ばれる。駆動軸下軸受の上固定面と駆動軸下軸受の下固定面を設けることにより駆動軸の回動制限角度を決定し、弾性部材の負荷変形を効果的に制御し、よって、弾性部材の負荷変形によるトランスデューサの寿命への影響を効果的に低減または解消する。同時に、駆動軸下軸受が駆動軸横方向回転軸線L周りに制限回動可能であることを効果的に利用して圧力アラーム機能を実施する。また、本発明において、レバー構造が設けられ、且つレバーとトランスデューサが接続され、レバーと駆動コイルアセンブリが非接触関係であり、駆動軸下軸受が駆動軸横方向回転軸線L周りに制限回動可能であることを効果的に利用して圧力アラーム機能を実施しながら、レバーを採用して変位構造を拡大し、クリーニング素子にかかる負荷圧力Fに対する検出精度が大幅に向上し、ひいては圧力アラーム装置の感度が向上する。
【0039】
しかし、公開番号が201711125025.4である発明特許出願において、光源と光感知ユニットは、グリップハウジングに対して移動可能な可動部材又はグリップハウジングに対して移動しない静止部材にそれぞれ同側に設けられ、光反射面は、光源と光感知ユニットに対向する側の静止部材又は可動部材に設けられ、光源と光感知ユニットに略正対しており、クリーニング素子に加えられる、クリーニング素子の長手方向に沿う軸線に近似的に沿うまたは平行となる方向の外力Fと、グリップに内蔵された弾性部材による外力Fに抗した弾性部材の弾性力Fとの協働により、グリップハウジングに対して移動可能な可動部材に設けられた光源と光感知ユニット又は光反射面を前記可動部材に追従して移動させ、光源からの光の光反射面への入射角と反射角の変化によって、光源からの光を受光可能な光感知ユニットの受光面積を変化させ、ひいては光感知ユニットの電気的性能を変化させる。2つの特許出願を比較すればわかるように、両者の構造が異なり、技術的解決案も異なる。201711125025.4である出願においては、この出願に開示された技術案を音波系電動クリーニングケア用具に用いることが図13図15に示されているが、この出願の技術案は、駆動アセンブリがマイクロモータを含む、クリーニング素子とクリーニング素子キャリアが往復直線運動又は往復回転運動する電動クリーニング素子ケア用具のタイプに更に適しており、それは、直流マイクロモータは、クリーニング素子にかかる負荷力に応答して大きな変位を生じることができ、且つ直流マイクロモータの全体的な動きがモータの動力出力に影響を及ぼさないからである。一方、音波系電動クリーニングケア用具に対して、クリーニング素子は負荷力によってトランスデューサに大きな変位を生じさせることができず、そうでなければトランスデューサの寿命が大幅に短くなる。
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