(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】ハイブリッドネットワーク内のルーティング
(51)【国際特許分類】
H04L 45/85 20220101AFI20231204BHJP
【FI】
H04L45/85
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022064924
(22)【出願日】2022-04-11
(62)【分割の表示】P 2019531231の分割
【原出願日】2017-12-11
【審査請求日】2022-04-11
(32)【優先日】2016-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513180451
【氏名又は名称】ヴィアサット,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViaSat,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】フォックスワーシー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】コナー,エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】エルモア,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】アガーワル,アニル
(72)【発明者】
【氏名】ビューラー,グレゴリー
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-068225(JP,A)
【文献】国際公開第2014/112638(WO,A1)
【文献】米国特許第08611349(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0037434(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 45/85
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッドネットワーク内で信号をルーティングする方法において、前記方法は、
顧客構内設備からユーザ端末ルーティングシステムにおいて戻りリンクデータを受信する工程であって、前記戻りリンクデータは前記戻りリンクデータの関連付けられた宛先ノードを示し、前記ユーザ端末ルーティングシステムは、様々なネットワーク特徴を有する複数のネットワークと通信可能に結合され、前記ユーザ端末ルーティングシステムは、前記ユーザ端末ルーティングシステムで前記戻りリンクデータを受信する前に、複数のマッピングが投入されたルーティングテーブルを含み、各マッピングは、前記戻りリンクデータに関連付けられた宛先ノードと前記複数のネットワークのうちの1つとを関連付ける、工程と;
前記ルーティングテーブル内の前記マッピングのうちの1つを、前記戻りリンクデータに関連付けられた前記宛先ノードに対応するものとして識別する工程と;
前記マッピングのうちの前記識別されたものに従って前記複数のネットワークのうちの1つの上で前記戻りリンクデータをルーティングする工程と;
前記複数のネットワークのうちの少なくとも1つを介し前記ユーザ端末
ルーティングシステムにおいて複数の転送リンクデータパケットを受信する工程であって、各転送リンクデータパケットは転送リンクパケットのそれぞれのソースノードを示す、工程と;
すべてが同じそれぞれのソースノードを有するとともに前記複数のネットワークのうちの第1のネットワーク上ですべて受信される少なくとも閾値数の前記転送リンクデータパケットの受信を検出する工程と;
前記検出する工程に応答して、更新されたマッピングにより前記ルーティングテーブルを更新する工程であって、更新することは、前記第1のネットワークを前記同じそれぞれのソースノードに対応するルーティングテーブルエントリへマッピングすることを含む、工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記戻りリンクデータを受信する工程に先立って前記複数のネットワークのうちの第1のネットワークを介し前記ユーザ端末
ルーティングシステムにおいて転送リンクデータを受信する工程であって、前記転送リンクデータは前記転送リンクデータのソースノードを示す、工程と;
前記受信された転送リンクデータに従って、更新されたマッピングにより前記ルーティングテーブルを更新する工程と、をさらに含み、
前記識別する工程は、前記マッピングのうちの前記識別されたものが前記更新されたマッピングとなるように、前記戻りリンクデータの前記宛先ノードが前記転送リンクデータの前記ソースノードに対応するということを判断する工程を含み;
前記ルーティングする工程は、前記戻りリンクデータを、前記更新されたマッピングに従って前記第1のネットワーク上でルーティングする工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記更新する工程は、前記第1のネットワークを前記ソースノードのルーティングテーブルエントリへマッピングする工程を含み;
前記ルーティングする工程は、前記更新されたマッピングに従って前記第1のネットワーク上で前記戻りリンクデータをルーティングする工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記複数のネットワークのうちの1つを介し前記ユーザ端末
ルーティングシステムにおいて制御メッセージを受信する工程であって、前記制御メッセージは少なくとも1つのルーティングテーブル更新を示す、工程と;
前記少なくとも1つのルーティングテーブル更新に従って前記ルーティングテーブルを更新する工程と、をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、各ルーティングテーブルエントリは、ソースインターネットプロトコル(IP)アドレス、ソースポート、宛先IPアドレス、宛先ポート、及びデータ通信プロトコルを識別する5-タプルを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記戻りリンクデータは、前記戻りリンクデータの前記関連付けられた宛先ノードを示す戻りリンクルーティングタプルを含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、前記戻りリンクルーティングタプルはさらに、宛先インターネットプロトコル(IP)アドレス及び宛先ポートを示すことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記複数のネットワークのうちの1つは衛星ネットワークであり;
前記ルーティングテーブルは、前記衛星ネットワークのプロバイダ側コアノードから前記ユーザ端末ルーティングシステムにより受信される転送リンク通信に従ってデータを投入されることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記
プロバイダ側コアノードは前記複数のネットワークのうちの複数と通信可能に結合されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記マッピングのうちの前記識別されたものに従って前記戻りリンクデータをルーティングする工程は、一組のルーティング判断基準及び前記複数のネットワークのうちの別のネットワークを定義するルーティング規則ベースに従ってルーティングする工程を含み、前記一組のルーティング判断基準を満たすかどうかに従って、前記戻りリンクデータの前記ルーティングは、前記ルーティングテーブル内で前記戻りリンクデータの前記宛先ノードへマッピングされた前記複数のネットワークのうちの前記1つのネットワーク上であるか、又は前記別のネットワーク上であるかのいずれかであるようにされることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
前記マッピングのうちの前記識別されたものが前記マッピングのうちの前記識別されたものに関連付けられる妥当性ウィンドウに従って現在妥当であるかどうかを前記ユーザ端末ルーティングシステムにより判断する工程と;
前記マッピングのうちの前記識別されたものが現在妥当である場合だけ前記マッピングのうちの前記識別されたものに従って前記戻りリンクデータをルーティングする工程と、をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
転送リンクデータのソースノードを示す転送リンクデータを、前記複数のネットワークのうちの第1のネットワークを介し前記ユーザ端末
ルーティングシステムにおいて受信する工程と;
前記ルーティングテーブルの前記マッピングのうちの対応するものを、前記示されたソ
ースノードに対応するものとして識別する工程
と;
対応する
前記マッピングが前記複数のネットワークのうちの第2のネットワーク上のルーティングを現在指令しているということを前記ユーザ端末ルーティングシステムにより判断する工程と;
前記第2のネットワークが前記複数のネットワークのうちの第一位のネットワークである場合だけ前記第1のネットワーク上のルーティングを指令するように前記対応マッピングを更新する工程であって、前記第1のネットワークは前記複数のネットワークのうちの前記第一位のネットワークではない、工程と、をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、
転送リンクデータのソースノードを示す転送リンクデータを、前記複数のネットワークのうちの1つを介し前記ユーザ端末
ルーティングシステムにおいて受信する工程と;
前記ルーティングテーブルの前記マッピングのうちの対応するものを、前記示されたソースノードに対応するものとして識別する工程と;
前記対応マッピングが前記マッピングのうちの前記識別されたものに関連付けられた妥当性ウィンドウに従って現在執行されているかどうかを前記ユーザ端末ルーティングシステムにより判断する工程と、
前記対応マッピングが現在執行されていない場合だけ前記受信された転送リンクデータに従って前記対応マッピングを更新する工程と、をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法において、前記マッピングの少なくとも1つは戻りリンク宛先インターネットプロトコル(IP)アドレスを示し、前記方法はさらに、
前記戻りリンク宛先IPアドレスに対応するコンテンツホストを前記ユーザ端末ルーティングシステムにより判断することと;
前記コンテンツホストと前記複数のネットワークのうちのルーティングネットワークとの間の予め格納された関連性を識別することと;
前記戻りリンク宛先IPアドレスと前記識別されたルーティングネットワークとを関連付けるために前記少なくとも1つのマッピングを生成することと、により前記マッピングの少なくとも1つを生成する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、前記判断する工程は逆ドメインネームサーバ(DNS)検索を行う工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、前記逆DNS検索は、前記識別すること及び前記ルーティングすることと同時にバックグラウンドタスクとして前記ユーザ端末ルーティングシステムにより行われることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法において、前記ルーティングテーブルは前記受信する工程に先立って複数の予めロードされたマッピングにより予めロードされることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、前記予めロードされたマッピングの少なくとも一部分のそれぞれは、
対応コンテンツホストと前記複数のネットワークのうちの対応するものとの間の複数の予め格納された関連性のうちの1つを選択することと;
前記対応コンテンツホストに関連付けられた宛先インターネットプロトコル(IP)アドレスを判断するためにドメインネームサーバ(DNS)検索を行うことと;
前記複数のネットワークのうちの前記対応するものと前記宛先IPアドレスを含むルーティングテーブルエントリとを関連付けるために前記予めロードされたマッピングを生成
することと、により予めロードされることを特徴とする方法。
【請求項19】
ユーザ端末ルーティングシステムにおいて、
ローカルユーザネットワークと結合するように動作可能なローカルネットワークインターフェースと;
それぞれが様々なネットワーク特徴を有するハイブリッドネットワークの複数の通信ネットワークのそれぞれの1つと結合するように動作可能である複数のネットワークインターフェースを含むハイブリッドネットワークインターフェースと;
投入される複数のマッピングを格納したルーティングテーブルであって、各マッピングは、戻りリンクデータに関連付けられた宛先ノードを前記複数の通信ネットワークのうちの1つに関連付ける、ルーティングテーブルと;
前記ローカルネットワークインターフェースと前記ハイブリッドネットワークインターフェースとの間で結合されるルーティングステートマシンであって、前記ルーティングステートマシンは、前記ローカルネットワークインターフェースを介し戻りリンクデータを受信することに応答して前記ルーティングテーブルに従って計算されるルーティングステート出力を含み、
前記受信された戻りリンクデータは、前記マッピングのうちの識別されたものに対応する宛先ノードを示し、
前記ルーティングステート出力は前記マッピングのうちの前記識別されたものに従って前記ハイブリッドネットワークインターフェースを介し前記複数の通信ネットワークのうちの選択された通信ネットワーク上の前記受信された戻りリンクデータのルーティングを指令するようにされる、ルーティングステートマシンと;
前記ハイブリッドネットワークインターフェースと前記ルーティングテーブルとの間で結合されるルーティングテーブル更新器であって、
前記複数のネットワークインターフェースのうちの少なくとも1つを介し前記ユーザ端末
ルーティングシステムにおいて複数の転送リンクデータパケットを受信し、各転送リンクデータパケット
は転送リンクパケットのそれぞれのソースノードを示し、
前記ルーティングテーブル更新器は、すべてが同じそれぞれのソースノードを有するとともに前記複数のネットワークのうちの第1のネットワーク上ですべて受信される少なくとも閾値数の前記転送リンクデータパケットの受信を検出し、
この検出に応答して、前記ルーティングテーブル更新器は、更新されたマッピングにより前記ルーティングテーブルを更新し、この更新は、前記第1のネットワークを前記同じそれぞれのソースノードに対応するルーティングテーブルエントリへマッピングすることを含む、ルーティングテーブル更新器とを含むことを特徴とするユーザ端末ルーティングシステム。
【請求項20】
請求項19に記載のユーザ端末ルーティングシステムにおいて、
前記ハイブリッドネットワークインターフェースと前記ルーティングテーブルとの間で結合されるルーティングテーブル更新器であって、前記複数のネットワークのうちの少なくとも1つを介し受信される転送リンク通信に従って生成される更新出力と、前記更新出力に応答して更新される前記マッピングの少なくとも一部とを有する、ルーティングテーブル更新器をさらに含むことを特徴とするユーザ端末ルーティングシステム。
【請求項21】
請求項20に記載のユーザ端末ルーティングシステムにおいて、
前記更新出力は、それぞれがそれぞれのソースノードを示すとともに前記通信ネットワークのそれぞれの1つを介し受信される転送リンクデータフローを、前記ハイブリッドネットワークインターフェースを介し受信することに応答して生成可能であり、その結果、前記マッピングの前記少なくとも一部のそれぞれは前記それぞれのソースノードと前記通信ネットワークの前記それぞれの1つとをマッピングするために前記受信された転送リンクデータフローのそれぞれの1つに従って更新されることを特徴とするユーザ端末ルーティングシステム。
【請求項22】
請求項20に記載のユーザ端末ルーティングシステムにおいて、
前記更新出力は、それぞれのルーティングテーブル更新を示す制御メッセージを前記複数のネットワークのうちの1つを介し受信することに応答して発生可能であり、その結果、前記マッピングの少なくとも一部のそれぞれはそれぞれのルーティングテーブル更新に従って更新されることを特徴とするユーザ端末ルーティングシステム。
【請求項23】
請求項19に記載のユーザ端末ルーティングシステムにおいて、各宛先ノードはインターネットプロトコルアドレスを含むことを特徴とするユーザ端末ルーティングシステム。
【請求項24】
請求項19に記載のユーザ端末ルーティングシステムにおいて、
前記
ルーティングステートマシンは、一組のルーティング判断基準及び前記複数のネットワークの別のネットワークを定義する格納されたルーティング規則ベースを含み、その結果、前記一組のルーティング判断基準を満たすかどうかに従って、前記ルーティングステート出力は、前記ルーティングテーブル内で前記戻りリンクデータの前記宛先ノードへマッピングされた前記複数のネットワークのうちの前記1つのネットワーク上か、又は前記別のネットワーク上かのいずれかの上の前記戻りリンクデータのルーティングを指令することを特徴とするユーザ端末ルーティングシステム。
【請求項25】
請求項24に記載のユーザ端末ルーティングシステムにおいて、
前記格納された規則ベースは前記マッピングの少なくとも一部のそれぞれの妥当性ウィンドウを定義し;
前記ルーティングステート出力は、前記それぞれの妥当性ウィンドウにさらに従って前記戻りリンクデータのルーティングを指令することを特徴とするユーザ端末ルーティングシステム。
【請求項26】
請求項19に記載のユーザ端末ルーティングシステムにおいて、前記ルーティングテーブルは複数の予めロードされたデフォルトマッピングを含むことを特徴とするユーザ端末ルーティングシステム。
【請求項27】
請求項19に記載のユーザ端末ルーティングシステムにおいて、前記ローカルユーザネットワークは少なくとも1つの顧客構内設備(CPE)装置を含むことを特徴とするユーザ端末ルーティングシステム。
【請求項28】
ハイブリッド通信ネットワークにおいて、
複数の通信ネットワークと;
それぞれが前記複数の通信ネットワークとそれぞれのローカルユーザネットワークとの間で結合される複数のユーザ端末ルーティングシステムであって、それぞれが、戻りリンクデータの宛先ノードを前記複数の通信ネットワークのうちの1つに関連付ける複数のマッピングを格納したルーティングテーブルを含む、複数のユーザ端末ルーティングシステムとを含み、
各ユーザ端末ルーティングシステムは、そのそれぞれのローカルユーザネットワークから戻りリンクデータを受信するように動作し、前記受信された戻りリンクデータは、前記マッピングのうちの識別されたマッピングの宛先ノードに対応する宛先ノードを示し、各ユーザ端末ルーティングシステムは、前記マッピングのうちの前記識別されたものに従ってハイブリッドネットワークインターフェースを介し前記複数の通信ネットワークの選択された通信ネットワーク上で前記受信された戻りリンクデータをルーティングするように動作し、
各ユーザ端末ルーティングシステムは、前記
ハイブリッドネットワークインターフェースに含まれる複数のネットワークインターフェースのうちの少なくとも1つを介し前記ユーザ端末
ルーティングシステムにおいて複数の転送リンクデータパケットを受信するように動作し、各転送リンクデータパケット
は転送リンクパケットのそれぞれのソースノードを示し、
各ユーザ端末ルーティングシステムは、すべてが同じそれぞれのソースノードを有するとともに前記複数のネットワークのうちの第1のネットワーク上ですべて受信される少なくとも閾値数の前記転送リンクデータパケットの受信を検出するように動作し、この検出に応答して、
各ユーザ端末ルーティングシステムは、更新されたマッピングにより前記ルーティングテーブルを更新するように動作し、この更新は、前記第1のネットワークを前記同じそれぞれのソースノードに対応するルーティングテーブルエントリへマッピングすることを含む、ことを特徴とするハイブリッド通信ネットワーク。
【請求項29】
請求項28に記載のハイブリッド通信ネットワークにおいて、前記複数の通信ネットワークは衛星通信ネットワーク及び地上通信ネットワークを含むことを特徴とするハイブリッド通信ネットワーク。
【請求項30】
請求項28に記載のハイブリッド通信ネットワークにおいて、
前記ユーザ端末ルーティングシステムから離れた位置にあるとともに前記複数の通信ネットワークと結合されるプロバイダ側コアノードをさらに含み、
前記ルーティングテーブルは前記プロバイダ側コアノードから受信される転送リンク通信に従ってデータを投入されることを特徴とするハイブリッド通信ネットワーク。
【請求項31】
請求項28に記載のハイブリッド通信ネットワークにおいて、
前記ルーティングテーブルは、前記ハイブリッドネットワークインターフェースを介し受信される転送リンクデータフローに従って少なくとも部分的に更新され、各転送リンクデータフローは、それぞれのソースノードを示すとともに前記通信ネットワークのそれぞれの1つを介し受信され、その結果、前記マッピングの前記少なくとも一部のそれぞれは前記それぞれのソースノードと前記通信ネットワークの前記それぞれの1つとをマッピングするために前記受信された転送リンクデータフローのそれぞれの1つに従って更新されることを特徴とするハイブリッド通信ネットワーク。
【請求項32】
請求項28に記載のハイブリッド通信ネットワークにおいて、
前記ルーティングテーブルは、前記複数のネットワークのうちの1つを介し受信される制御メッセージであってそれぞれのルーティングテーブル更新を示す制御メッセージに従って少なくとも部分的に更新され、その結果、前記マッピングの少なくとも一部のそれぞれはそれぞれのルーティングテーブル更新に従って更新されることを特徴とするハイブリッド通信ネットワーク。
【請求項33】
請求項28のハイブリッド通信ネットワークにおいて、
各ユーザ端末ルーティングシステムは、一組のルーティング判断基準及び前記複数のネットワークの別のネットワークを定義する格納されたルーティング規則ベースにさらに従って前記受信された戻りリンクデータをルーティングするように動作し、その結果、前記一組のルーティング判断基準を満たすかどうかに従って、前記戻りリンクデータの前記ルーティングは、前記ルーティングテーブル内で前記戻りリンクデータの前記宛先ノードへマッピングされた前記複数のネットワークのうちの前記1つのネットワーク上であるか、又は前記別のネットワーク上であるかのいずれかであることを特徴とするハイブリッド通信ネットワーク。
【請求項34】
請求項28に記載のハイブリッド通信ネットワークにおいて、各ルーティングテーブルは複数の予めロードされたデフォルトマッピングを含むことを特徴とするハイブリッド通信ネットワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、一般的には通信システムに関し、具体的にはハイブリッド通信ネットワーク内の戻りリンクトラフィックのルーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの通信ネットワークは多数のユーザ端末を介し通信ネットワークとインターフェースする多数のユーザを有する。このようなネットワークではユーザ端末が比較的低費用で、且つ比較的低複雑性でもって実現されることが望ましい可能性がある。いくつかの最近の通信環境は、ユーザ端末が、様々な特性を有する複数の異なるタイプのネットワークと通信するハイブリッドネットワークを含む。例えば、ハイブリッドネットワークは、1つ又は複数の高スループット高レイテンシーネットワーク(例えば衛星ネットワーク)及び1つ又は複数の低スループット低レイテンシーネットワーク(例えばケーブルネットワーク、セルラネットワークなど)を含み得る。様々なトラフィックフローを様々なネットワーク上でルーティングすることで、ハイブリッドネットワークの資源全体をより効率的に利用し得る。しかし、各トラフィックフローにネットワークのうちのどれを(例えばリアルタイムで)使用すべきかを判断することは計算集約的であり得る。ネットワークのプロバイダ側ノード(例えばゲートウェイ、コアノードなど)は転送リンク(forward-link)トラフィックのこのような判断を行うための十分な処理能力を含み得るが、ユーザ端末は戻りリンクトラフィックのこのような判断を行う十分な処理能力を有しないことがある。
【発明の概要】
【0003】
とりわけ、ハイブリッド通信ネットワーク内の戻りリンクルーティングを提供するシステム及び方法について説明する。ハイブリッド通信ネットワークは、様々な特性(例えば様々なレイテンシー、様々なスループット、ビット当たり異なるユーザ費用など)を有する多くの異なるネットワークを含む。ユーザはユーザ端末ルーティングシステムを含むそれぞれのユーザ端末を介しハイブリッドネットワークとインターフェースし得る。例えば、各ユーザ端末ルーティングシステムは、ローカルユーザネットワーク(例えば1つ又は複数の顧客構内設備(CPE:consumer premises equipment)装置とのローカル通信を提供する)とハイブリッドネットワークの複数の通信ネットワークとの間のインターフェースを提供する。各ユーザ端末ルーティングシステムは複数のマッピングを格納したルーティングテーブルを含み得る。マッピングは、ネットワークのうちの少なくとも1つを介し受信される転送リンク通信に従ってデータを投入され、各マッピングは、複数のルーティングテーブルエントリのそれぞれの1つと通信ネットワークのうちの1つとを関連付ける。各ルーティングテーブルエントリは、少なくとも1つの転送リンクコンテンツソース(FLCS:forward-link content source)識別子を例えばルーティングタプルの一部などとして識別する。ユーザ端末ルーティングシステムがそのそれぞれのローカルユーザネットワークから戻りリンクデータを受信すると、受信された戻りリンクデータは宛先ノードを示す。ユーザ端末ルーティングシステムは、格納されたマッピングのうちのどれが宛先ノードに対応する(例えば整合する)FLCS識別子を有するかを判断し得、ユーザ端末ルーティングシステムは、受信された戻りリンクデータを、マッピングのうちの識別されたマッピングに従って通信ネットワークのうちの選択された通信ネットワーク上でルーティングし得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本開示は添付図面と併せて説明される。
【0005】
【
図1】
図1は、様々な実施形態の文脈として例示的ハイブリッド通信環境を示す。
【
図2A】
図2Aは、戻りリンクルーティング判断がハイブリッド通信環境内のユーザ端末により行われる第1組の例を示す。
【
図2B】
図2Bは、戻りリンクルーティング判断がハイブリッド通信環境内のユーザ端末により行われる第1組の例を示す。
【
図2C】
図2Cは、戻りリンクルーティング判断がハイブリッド通信環境内のユーザ端末により行われる第1組の例を示す。
【
図3】
図3は、戻りリンクルーティング判断がハイブリッド通信環境内のユーザ端末により行われる第2の例を示す。
【
図4】
図4は、様々な実施形態によるローカルユーザネットワーク及びハイブリッド通信ネットワークと通信する例示的ユーザ端末を含むユーザ端末環境のブロック図を示す。
【
図5】
図5は、様々な実施形態によるハイブリッドネットワーク環境内のユーザ端末による戻りリンクルーティングの例示的方法の流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
添付図面では、同様な部品及び/又は特徴は同じ参照ラベルを有し得る。さらに、同じタイプの様々な部品は、同様な部品を識別する第2のラベルにより参照ラベルを辿ることによって識別され得る。第1の参照ラベルだけが本明細書において使用される場合、その説明は、第2の参照ラベルにかかわらず同じ第1の参照ラベルを有する同様の部品の任意の1つに適用可能である。
【0007】
以下の説明では、多くの具体的詳細が本発明を十分に理解するために記載される。しかし、当業者は、本発明がこれらの具体的詳細無しに実行され得るということを認識すべきである。いくつかの例では、回路、構造、及び技術については本発明を曖昧にしないように詳細には示さなかった。
【0008】
図1は様々な実施形態の文脈として例示的ハイブリッド通信環境100を示す。図示のように、ハイブリッド通信環境100は、ハイブリッド通信ネットワーク130を介し少なくとも1つのプロバイダ側ネットワークノード150と通信する多くのユーザ端末110を含む。ハイブリッド通信ネットワーク130は様々なネットワーク特徴を提供する多くの通信ネットワーク132を含む。通信ネットワーク132は様々なタイプのトラフィックを行うための任意の好適なタイプのネットワークを含み得、有線、無線、公衆、構内、安全な、安全でないネットワークリンク及び/又は他のネットワークリンクを含み得る。例えば、通信ネットワーク132のうちの1つは、比較的高いレイテンシー及び比較的高い費用/ビットを有する比較的高いスループットを提供し得る。例えば、通信ネットワーク132は、静止地球軌道(GEO:geosynchronous earth orbit)衛星、中間地球軌道(MEO:medium earth orbit)衛星、低地球軌道衛星(LEO:low earth orbit satellite)などを有する衛星リンクを含み得る。通信ネットワーク132の別のものは、比較的低いレイテンシー及び比較的低い費用/ビットを有する比較的低いスループットを提供し得る。例えば、通信ネットワーク132は、デジタル加入者線(DSL:digital subscriber line)ネットワーク、ケーブルベースネットワーク、ロングタームエボリューション(LTE:long-term evolution)無線ネットワーク、セルラネットワークなどの地上ネットワークを含み得る。代替的に、1つの通信ネットワーク132はGEO衛星ネットワークであり得、別の通信ネットワーク132はMEO又はLEO衛星ネットワークであり得る。いくつかのケースでは、ハイブリッド通信ネットワーク130の通信ネットワーク132のうちの複数は同様又は同一ネットワーク特徴を有し得る。
【0009】
ハイブリッド通信ネットワーク130は、ユーザ端末110、通信ネットワーク132、及びプロバイダ側ネットワークノード150を介したローカルユーザネットワーク105とコンテンツネットワーク175との間の通信を提供し得る。各ローカルユーザネットワーク105は、有線又は無線接続を介しそれぞれのユーザ端末110と結合される1つ又は複数の顧客構内設備装置(CPE)102を含み得る。例えば、ユーザ端末110は、ローカルエリアネットワークを実現する有線及び/又は無線ルータなどの任意の好適なローカルネットワークインターフェース127を含み得る。CPE102は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレット装置、インターネット使用可能テレビ又は他の機器などのホーム又はオフィスコンピュータ装置であり得る。コンテンツネットワーク175はインターネットなどの任意の好適な遠隔ネットワークを含み得る。図示のように、コンテンツネットワーク175は、コンテンツサーバなどの任意の好適な数のホストコンピュータ172を含み得る。ホストコンピュータ172は、音声及び/又は映像ファイルアクセス、音声及び/又は映像ストリーミングサービス、ボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP:voice over Internet protocol)サービス、オンラインゲームコンテンツ、メッセージング(例えば、ハイブリッド通信ネットワーク130の制御メッセージを含む)などの任意の好適なタイプのコンテンツをホスト(又はそうでなければ提供)し得る。例えば、ユーザは、それらのCPE102を介しハイブリッド通信ネットワーク130上でアクセスし得る通信サービス及び/又はコンテンツサービス(例えばインタネットサービス)を定期購読し得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、ユーザ端末110は、ハイブリッド通信ネットワーク130の複数の通信ネットワーク132から転送リンクデータを受信するとともにそれへ戻りリンクデータを送信するためのハイブリッドネットワークインターフェース125を含み得る。例えば、以下に述べるように、ユーザ端末110は、物理的及び/又は論理的ポート122、レイヤ3ルーティングモジュール、転送モジュール(例えば、レイヤ2トンネルを介し転送するための)及び/又は任意の他の好適な部品を含み得る。プロバイダ側ネットワークノード150は、ハイブリッド通信ネットワーク130の通信ネットワーク132とインターフェースするための同様な又は異なる部品を含むプロバイダ側ハイブリッドネットワークインターフェース145を含み得る。例えば、プロバイダ側ハイブリッドネットワークインターフェース145は、物理的及び/又は論理的ポート142、レイヤ3ルーティングモジュール、転送モジュールなどを含み得る。プロバイダ側ネットワークノード150はまた、ハイブリッド通信ネットワーク130上でトラフィックをルーティング及び/又は転送するためのルーティング判断(例えば転送リンクルーティング判断)を行うためのプロバイダ側ルーティングモジュール160を含み得る。プロバイダ側ルーティングモジュール160はデータ分類器及び/又はルーティング判断を行うための任意の他の好適な部品を含み得る。例えば、プロバイダ側ネットワークノード150内のデータ分類器は、CPE102へ宛てられた転送リンクデータを分類し、次にどの通信ネットワーク132上で転送リンクデータを分類に従って転送すべきかを判断する。プロバイダ側ネットワークノード150の実施形態は、エッジサーバ、トラフィックシェーパ、ネットワークアクセラレータ、データ分類器、及び/又は任意の他の好適な部品などの任意の他の好適な部品を含み得る。1つのプロバイダ側ネットワークノード150だけがすべての通信ネットワーク132と結合されて示されるが、他の実施形態は他のアーキテクチャにより実現される。例えば、通信ネットワーク132の一部又はすべてはそれぞれのプロバイダ側ネットワークノード150(例えばゲートウェイ、ヘッドエンド、移動通信交換局など)内のそれぞれのプロバイダ側で終端し得、それらのプロバイダ側ネットワークノード150は、本明細書で説明される転送リンクルーティング機能を行う別のプロバイダ側ネットワークノード150(例えばコアノードなど)と通信し得る。
【0011】
ハイブリッド通信ネットワーク130を介したルーティングトラフィックは、好適なトラフィックの単位(例えば各トラフィックフロー、各確立された論理接続、各決定論的サイズのデータの塊、各パケットなど)毎に、通信ネットワーク132のうちのどの通信ネットワーク上でトラフィックをルーティングすべきかに関し判断することに関与する。転送リンク方向に、トラフィックは通常、コンテンツホスト172のうちの1つから出てCPE102のうちの1つへ宛てられる。トラフィックはプロバイダ側ネットワークノード150により傍受され得、プロバイダ側ネットワークノード150は、例えばトラフィックのコンテンツを分類することにより、適切なルーティング又は転送決定を判断し得る。一例として、特定家庭では、家庭の一員が映画をストリームしており、一方、別の一員はインターネットをサーフィンしている。プロバイダ側ネットワークノード150は、衛星ネットワークである通信ネットワーク132aのうちの第1の通信ネットワーク上でストリーミング映画を配送する(例えば、高スループットは映画の高品質ストリームを生じ、高レイテンシーは視聴体験にそれほどの影響を及ぼさないので)ことと、DSLネットワークである通信ネットワーク132bのうちの第2の通信ネットワーク上でインターネットサーフィントラフィックを配送する(例えば、レイテンシーの低減は恐らくサーフィン体験のためになり、一方、スループットの低下は恐らくサーフィン体験にそれほどの影響を及ぼさないので)こととを判断し得る。
【0012】
データ分類及びルーティング判断の他の態様は非常に計算集約的であり得る。例えば、分類することはディープパケットインスペクション、統計処理などに関与し得る。さらに、典型的プロバイダ側ネットワークノード150は、実質的にリアルタイムであっても、且つ多数のトラフィックフローに関しても、転送リンクトラフィックのためのこのような判断を行うために十分な計算資源により実施され得る。しかし、ユーザ端末110が比較的低費用でそして比較的低複雑性でもって実現されることが通常は望ましい。例えば、プロバイダ側ネットワークノード150は大きく且つ高価なコンピュータ環境において実現され得るが、各ユーザ端末110は各ユーザの敷地内に設置され得る小さく、安価で、信頼でき、単純な装置として実現されることが通常は望ましい。したがって、ユーザ端末110は通常、戻りリンクトラフィックのこのような判断を行うための十分な処理能力を有しないことがある。
【0013】
したがって、本明細書で説明される実施形態は、ハイブリッド通信ネットワーク130と通信するユーザ端末110内の戻りリンクルーティングを提供するための新規なシステム及び方法を含む。図示のように、各ユーザ端末110は、ハイブリッドネットワークインターフェース125とローカルネットワークインターフェース127との間に結合されたユーザ端末ルーティングシステム(UTRS:user terminal routing system)120を含む。UTRS120はルーティングモジュール114及びルーティングテーブル112を含む。本明細書で述べるように、計算集約的ルーティング判断を行うのではなく、ルーティングモジュール114は、受信された転送リンク通信に従ってルーティングテーブル112内に投入されそして動的に更新されるマッピングに従ってルーティング判断を行い得る。例えば、各マッピングはルーティングテーブルエントリと通信ネットワーク132のうちの1つとを関連付け、その結果、戻りリンクトラフィックが(CPE102から)ルーティングモジュール114により受信されると、ルーティングモジュール114は、対応するルーティングテーブルエントリを有するルーティングテーブル112内のマッピングを見出し、これに応じて戻りリンクトラフィックをルーティングし得る。各ルーティングテーブルエントリは、転送リンクコンテンツソース(FLCS:forward-link content source)識別子に少なくとも従って一意的に識別され得る。例えば、FLCS識別子は、前に受信された転送リンクトラフィックのソースIPアドレスであったインターネットプロトコル(IP:Internet protocol)アドレスであり得、後続の戻りリンクトラフィックの宛先IPアドレスであり得る。本明細書で述べたように、FLCS識別子は、ルーティングタプル(例えば2-タプル、5-タプルなど)、制御メッセージ、ドメインネームサーバ(DNS:domain name server)検索又は逆検索から、又は任意の他の好適なやり方で取得又は導出され得る。ルーティングテーブル112は、非常に速く且つ非常に低い計算強度でもって照会され得る検索テーブルなどとして実現され得る。
【0014】
図2A~2Cは、戻りリンクルーティング判断がハイブリッド通信環境200内のユーザ端末110により行われる第1組の例を示す。図示された一組の例では、戻りリンクルーティング判断は転送リンク通信の受信に従って行われる。
図2Aを最初に参照すると、太い破線矢印は、コンテンツネットワーク175内のホストコンピュータ172のうちの1つから出て、ユーザ端末110に関連付けられたローカルユーザネットワーク105のCPE102のうちの1つにおいて終端する転送リンクトラフィックフロー経路を示す。このフローはプロバイダ側ネットワークノード150により受信される(例えば傍受される)。プロバイダ側ネットワークノード150内のプロバイダ側ルーティングモジュール160は、トラフィックを分類し得る、及び/又は通信ネットワーク132のどの通信ネットワーク上でトラフィックをルーティングすべきかに関する判断を支援するいかなる判断も行い得る。トラフィックは、プロバイダ側ハイブリッドネットワークインターフェース145の適切なインターフェース(例えばポート142)を介しハイブリッド通信ネットワーク130へ出力され得る。示されたケースでは、この判断は、第1のインターフェースポート142a(例えば、及びレベル3ルータ、図示せず)を介しトラフィックを衛星ネットワークである第1の通信ネットワーク132aへルーティングするためのものである。
【0015】
トラフィックは、ユーザ端末110のハイブリッドネットワークインターフェース125の第1のインターフェースポート122を介し第1の通信ネットワーク132aから受信され、UTRS120のルーティングモジュール114へ渡される。転送リンクトラフィックは、UTRS120からローカルネットワークインターフェース127を介し適切な宛先CPE102へ渡され得る。加えて、以下により詳細に説明するように、ルーティングモジュール114は、受信されたトラフィックに基づきルーティングテーブル112マッピングを更新(及び/又は更新すべきかどうかを判断)し得る。示されたケースでは、ルーティングモジュール114は、トラフィックのソースIPアドレスとトラフィックが受信されたネットワーク(すなわち第1の通信ネットワーク132a)とに基づきルーティングテーブル112内のマッピングを生成又は更新し得る。いくつかの実施形態では、転送リンクトラフィックパケットは、少なくとも1つのソースIPアドレスを含むタプルを含む。例えば、タプルは、ソースIPアドレスとソースポートとを示す2つのタプルであり得る;又は、タプルは、ソースIPアドレス、ソースポート、宛先IPアドレス、宛先ポート及び通信プロトコルを示す5-タプルであり得る。ルーティングモジュール114は、少なくともソースIPアドレスをルーティングテーブルエントリのFLCS識別子として格納し得る。FLCS識別子はルーティングテーブルエントリであり得る、又はルーティングテーブルエントリはFLCS及び追加情報を含み得る。例えば、いくつかの実施形態は、受信された5-タプルを反転し、反転された5-タプルをルーティングテーブルエントリとしてルーティングテーブルエントリ内に格納し(すなわち、5-タプルのソースポート及びIPアドレスが宛先ポート及びIPアドレスとして格納されるように)、そしてルーティングテーブルエントリを受信通信ネットワーク132へマッピングし得る。追加情報がいくつかの実施形態では使用され得る。例えば、いくつかの実施形態は、同一コンテンツホスト172へ宛てられた場合ですら様々な通信プロトコルなどを有する様々なCPE102からのトラフィックの様々な戻りリンクマッピングを有し得る。
【0016】
図2Bを参照すると、
図2Aにおいて受信された転送リンクトラフィックに従ってルーティングテーブル112を更新することに続いて、戻りリンクトラフィックがローカルユーザネットワーク105のCPE102からUTRS120により受信される。戻りリンクトラフィックが受信されると、ルーティングモジュール114は、戻りリンクトラフィックの宛先識別子を判断(例えば、解析)し、宛先識別子に対応するルーティングテーブル112内のマッピングのうちの1つを識別し得る。例えば、戻りリンクトラフィックは、ルーティングテーブルエントリのうちの1つのエントリのFLCS識別子と整合する宛先IPアドレスを示し得る。ルーティングテーブル112内の識別されたマッピングはFLCS識別子を通信ネットワーク132のうちの1つへマッピングする。示されたケースでは、戻りリンクトラフィックは、転送リンクトラフィックが
図2Aにおいて衛星ネットワーク(第1の通信ネットワーク132a)上で受信された同じホストコンピュータ172に宛てられる。
図2Aにおいて更新されたマッピングは、このホストコンピュータ172のFLCS識別子と第1の通信ネットワーク132aとを関連付ける。したがって、図示のように、UTRS120は、受信された戻りリンクトラフィックを第1の通信ネットワーク132a上で(例えばインターフェースポート142a及びプロバイダ側ルーティングモジュール160を介し)接続先ホスト172aへルーティングすることを(ルーティングテーブル112に従って)判断し得る。
【0017】
いくつかのケースでは、特定ホストコンピュータ172に関連付けられたトラフィックは、転送リンク方向と戻りリンク方向とにおいて異なるやり方でルーティングされ得る。
図2Cはこのようなケースを示し、ここでは、戻りリンクトラフィックは、第1のホストコンピュータ172a(
図2Aのルーティングテーブル112内の第1の通信ネットワーク172aへ以前にマッピングされた)へ宛てられているが、ハイブリッド通信ネットワーク130の第2の通信ネットワーク172bを介しルーティングされる。このようなケースは多くの異なる文脈において発生し得る。1つのこのような文脈では、ルーティングテーブル112の各ルーティングテーブルは宛先識別子だけでなくそれ以外のものにより一意的に識別される。例えば、ルーティングテーブル112は、同じ宛先識別子を有するが異なる他のパラメータ(例えば異なるプロトコルなど)を有する複数のルーティングテーブルエントリを含み得る。このような文脈の一例として、
図2Aのホストコンピュータ172aから受信される転送リンクトラフィックはストリーミング映画のトラフィックフローの一部であり、一方、
図2Cにおいて送信される戻りリンクトラフィックはCPE102aからホストコンピュータ172aへ送り返される再生ナビゲーションメッセージ(例えば「休止」)である。別のこのような文脈では、ルーティングモジュール114及び/又はルーティングテーブル112は、競合するマッピングがルーティングテーブル112内に存在するかどうかにかかわらず、いくつかの規則に従っていくつかのトラフィックをルーティングするいくつかのルーティング指令を含む。例えば、ルーティングモジュール114は、第2の通信ネットワーク132b上で特定CPE102からの(例えば特定秘密戻りリンクソースIPアドレスからの)戻りリンクトラフィックを常にルーティングする規則を含み得る(又は、ルーティングテーブル112は階層的に優勢なマッピングを有し得る)。さらに別のこのような文脈では、他のネットワーク考察がルーティングテーブル112に優先し得る。例えば、第1の通信ネットワーク132a上で検出されたネットワーク輻輳は、それとは逆のいかなるマッピングにもかかわらず第1の通信ネットワーク132aから第2の通信ネットワーク132bへの(例えば大きなファイルアップロードの)トラフィックの進路の変更をトリガし得る。さらに別の文脈では、ルーティングモジュール114内のマッピングは、関連付けられた妥当性ウィンドウ、又は他のタイプのヒステリシスなどを有し得る。例えば、マッピングの一部又はすべては所定閾値数の変更事象が発生した後だけ変更され得る(例えば、連続した3つのトラフィックフローが通信ネットワーク132のうちの同じ通信ネットワーク上で特定ホストコンピュータ172から受信された後だけ)、又は、マッピングの一部又はすべては特定ウィンドウ上だけで妥当であり得る(例えば、マッピングは、マッピングを確認した最後の事象から一定期間が経過した後(特定論理接続セッションが終了した後など)にマッピングデフォルトへ自動的にリセットされる)。
【0018】
図3は、戻りリンクルーティング判断がハイブリッド通信環境300内のユーザ端末110により行われる第2の例を示す。図示の例では、戻りリンクルーティング判断は転送リンク通信を介した制御メッセージの受信に従って行われる。太い破線矢印は、プロバイダ側ネットワークノード150のプロバイダ側ルーティングモジュール160から出る転送リンク制御メッセージフロー経路を示す。制御メッセージは、プロバイダ側ハイブリッドネットワークインターフェース145の適切なインターフェース(例えばポート142)を介しハイブリッド通信ネットワーク130へ出力される。図示されたケースは1つの特定通信ネットワーク132上でルーティングされている制御メッセージを示すが、他の実施形態は、制御メッセージを通信ネットワーク132のうちの任意の1つ又は複数の通信ネットワーク上で送信し得る。制御メッセージは、ユーザ端末110のハイブリッドネットワークインターフェース125を介し(例えば第1のインターフェースポート122aを介し)ハイブリッド通信ネットワーク130から(例えば第1の通信ネットワーク132aから)受信され、UTRS120のルーティングモジュール114へ渡される。この場合、制御メッセージは、制御メッセージがマッピングを生成及び/又は更新するためにUTRS120により直接使用されるように仕立てられるのでCPE102へ渡されない。ルーティングモジュール114は、受信された制御メッセージからルーティングテーブル更新を取得(例えば、解析、導出等)し得、それに従ってルーティングテーブル112を更新し得る。例えば、制御メッセージは、マッピングが生成され得るルーティングテーブルエントリ(例えばFLCS識別子、5-タプルなど)及び関連付けられた通信ネットワーク132のリストを含み得る。いくつかの実施形態は、例えば
図3のような制御メッセージと
図2Aのような転送リンクトラフィックデータとの両方を使用することにより、ルーティングテーブル112にデータを投入する及び/又はルーティングテーブル112を動的に更新する技術の組み合わせを使用する。
【0019】
図4は、様々な実施形態によるユーザ端末環境400のブロック図を示し、ローカルユーザネットワーク105及びハイブリッド通信ネットワーク130と通信する例示的ユーザ端末110を含む。図示のように、転送リンクトラフィック402は、ハイブリッド通信ネットワーク130から受信され、ローカルユーザネットワーク105内の適切なCPEへ向けられ、戻りリンクトラフィック452はローカルユーザネットワーク105のCPEから受信され、ハイブリッド通信ネットワーク130の適切な通信ネットワークへルーティング(例えば、転送、ルーティング等)される。ユーザ端末110はハイブリッドネットワークインターフェース125及びユーザ端末ルーティングシステム(UTRS)120を含み得、ユーザ端末ルーティングシステム(UTRS)120はルーティングテーブル112とルーティングステートマシン414として実現されたルーティングモジュールとを有する。いくつかの実施形態では、ルーティングテーブル112は検索テーブルとして実現される。他の実施形態では、ルーティングテーブル112は任意の好適なタイプの高速アクセスデータ記憶装置として実現される。
【0020】
ハイブリッドネットワークインターフェース125の実施形態は、ハイブリッド通信ネットワーク130の特定部品ネットワークへ適応化され得る物理的及び/又は論理的ネットワークインターフェース(例えば、ポート122)を含み得る。ハイブリッドネットワークインターフェース125はまた、(例えば衛星ネットワークなどの部品ネットワークのうちの第一位の部品ネットワーク上での)レイヤ3ルーティングのためのルータ470と、(例えば、レイヤ2トンネル終点を実現する)レイヤ2転送のための転送器(forwarder)475とを含み得る。ハイブリッドネットワークインターフェース125のいくつかの実施形態はネットワークアドレス変換器(NAT:network address translator)460などの追加ネットワークインターフェース部品を含み得る。例えば、NAT460は、ハイブリッド通信ネットワーク130により見られるローカルユーザネットワーク105のCPEの秘密IPアドレスとユーザ端末110の公開アドレスとの間で翻訳し得る。
【0021】
図示のように、UTRS120の実施形態は、ローカルユーザネットワーク105と結合するように動作可能なローカルネットワークインターフェース127を含む(例えば、それと結合される、それを中に取り込むなど)。UTRS120はまた、それぞれがハイブリッド通信ネットワーク130の複数の通信ネットワーク132のそれぞれの1つと結合するように動作可能である複数のネットワークインターフェース122を有するハイブリッドネットワークインターフェース125を含む。UTRS120はまた、通信ネットワーク132の少なくとも1つを介し受信される転送リンク通信(例えば402、412)に従ってデータを投入された複数のマッピングを格納したルーティングテーブル112を含む。各マッピングは、多くのルーティングテーブルエントリのそれぞれの1つと通信ネットワーク132のうちの1つとを関連付け、各ルーティングテーブルエントリは少なくとも1つの転送リンクコンテンツソース(FLCS:forward-link content source)識別子(例えばホストコンピュータIPアドレス)を識別する。
【0022】
UTRS120はまた、図示のように、ルーティングステートマシン414として実現され得るルーティングモジュール114を含む。ルーティングステートマシン414は任意の好適なやり方で実現され得る。いくつかの実施形態では、ルーティングステートマシン414は、プログラマブル回路、及びプロセッサなどの回路を使用することにより様々な機能を行うハードウェアステートマシンである。他の実施形態では、いくつかの機能はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実現される。ソフトウェアで実現されれば、機能は非一時的コンピュータ可読媒体上の1つ又は複数の命令として格納され得る。記憶媒体はコンピュータによりアクセスされ得る任意の利用可能有形媒体であり得る。一例としてそして限定するものではないが、このようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、又は他の光学ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、又は他の磁気記憶装置、又は命令又はデータ構造の形式の所望のプログラムコードを担持又は格納するために使用され得るとともにコンピュータによりアクセスされ得る任意の他の有形媒体を含み得る。
【0023】
ルーティングステートマシン414の実施形態はローカルネットワークインターフェース127とハイブリッドネットワークインターフェース125との間で結合され、ルーティングステートマシン414は、ローカルネットワークインターフェース127を介し戻りリンクデータ452を受信することに応答してルーティングテーブル112に従って計算されるルーティングステート出力442を含む。受信された戻りリンクデータ452は、マッピングのうちの識別されたマッピングのFLCS識別子に対応する宛先ノードを示し、ルーティングステート出力442は、マッピングのうちの識別されたマッピングに従ってハイブリッドネットワークインターフェース125を介し通信ネットワーク132のうちの選択されたネットワーク上で、受信された戻りリンクデータ452のルーティングを指令する。
【0024】
UTRS120のいくつかの実施形態はマッピング生成器430と戻りリンクルータ440のうちの一部又はすべてを含む。いくつかの実施形態では、ルーティングテーブル112は受信された転送リンクトラフィック402に従って更新される。本明細書で述べたように、実施形態は、様々なやり方で(受信された転送リンクトラフィックフロー402及び/又は制御メッセージ412に従ってを含む)ルーティングテーブル112マッピングにデータを投入し得る及び/又はルーティングテーブル112マッピングを更新し得る。明瞭性を加えるために、
図4は、ユーザ端末110により(そしてUTRS120により)受信されている両タイプの転送リンク通信を示す。さらに、マッピング生成器430は、転送リンクトラフィック402及び制御メッセージ412に応答してマッピングを更新するためのネットワークベース更新器410と制御ベース更新器420との両方を有するものとしてそれぞれ示される。マッピング生成器430のいくつかの実施形態はネットワークベース更新器410又は制御ベース更新器420のうちの1つだけを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、転送リンクトラフィック402は通信ネットワーク132のうちの1つからハイブリッドネットワークインターフェース125により受信され、マッピング生成器430のネットワークベース更新器410へ渡される。ネットワークベース更新器410は、少なくとも1つのFLCS識別子を(例えばソースIPアドレスとして)含む受信された転送リンクトラフィック402のルーティングプロファイルを取得(例えば、解析、導出等)し得る。いくつかのケースでは、ルーティングプロファイルは、転送リンクトラフィック402が受信された通信ネットワーク132の識別子、ソースポート、宛先IPアドレス、宛先ポート、ルーティングプロトコル、及び/又は転送リンクトラフィック402の他の特徴を含み得る。ネットワークベース更新器410は、ルーティングテーブル112内のマッピングを生成(例えば、生成、更新等)するために、取得されたルーティングプロファイルを使用し得る。例えば、FLCS識別子は、トラフィックが受信された通信ネットワーク132とのマッピング関連性でルーティングテーブルエントリとして格納され得る、又は、受信された転送リンクトラフィック402の5-タプルはルーティングテーブルエントリとして反転及び格納され、通信ネットワーク132の適切な1つへマッピングされ得る。更新されたマッピングは、マッピング生成器430によりルーティングテーブル112へ投入され得る。
【0026】
同様に、制御メッセージ412は、通信ネットワーク132のうちの1つ又は複数のネットワークからハイブリッドネットワークインターフェース125により転送リンク通信として受信され得る。制御メッセージ412はマッピング生成器430の制御ベース更新器420へ渡され得、制御ベース更新器420は、制御メッセージから1つ又は複数のマッピング更新を取得(例えば、解析、導出等)し得る。例えば、制御メッセージ412は、多くのFLCS識別子のそれぞれ(及び/又は他のルーティングプロファイル情報)と、FLCSに対応するホストコンピュータへ宛てられた戻りリンクデータをルーティング(例えばルーティング、転送など)する通信ネットワーク132のそれぞれの1つとの間のマッピングのリストを示し得る。更新されたマッピングはマッピング生成器430によりルーティングテーブル112へ投入され得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、ルーティングテーブル112は、転送リンク通信から発生しない情報により少なくとも部分的に予め投入される及び/又は自動的に投入される。このような場合、ルーティングテーブル112は、依然として動的に更新される及び/又は転送リンク通信から(例えば、転送リンクトラフィック402及び/又は制御メッセージ412から)さらにデータを投入される。いくつかのこのような実施形態では、ルーティングテーブル112はデフォルトマッピングにより予めロードされる(例えば、顧客の構内において装置を初期化することの一部として顧客構内への配備に先立ってなど)。いくつかのこのような実施形態はドメインネームサーバ(DNS:domain name server)検索モジュール437を含む。例えば、ルーティングテーブル112は、ホスト名(例えばコンテンツ領域)と、戻りリンクトラフィックをそれらのホストへルーティングする通信ネットワーク132のうちの特定のものとの間のデフォルトマッピングにより予め投入され得る。ハイブリッド通信ネットワーク130へ結合されたUT110(例えば、及びUTRS120)により、DNS検索モジュール437は、マッピングされたホスト名を、ルーティングテーブルエントリ内のFLCS識別子として使用されるIPアドレスに分解するためにDNS検索を行い得る。いくつかの実施形態では、DNS検索モジュール437は、関連性が新鮮なままであるということを保証するために、ホスト名の一部又はすべてを定期的に(例えば、スケジュールに従って、通信がこのホスト名を示すときは常に、及び/又は任意の他の好適な時刻に)再分解し得る。代替的に、分解されたホストIPアドレスは、本明細書で述べたように、デフォルトマッピングのためだけに使用され、それらのマッピングの一部又はすべてが、受信された転送リンク通信に従って動的に更新される。いくつかの実施形態では、ホスト名と分解されたホストIPアドレスとの間の関連性は、以下に述べるように例えばさらなる使用のために格納され得る。例えば、制御メッセージ412は、関連ホストの特定グループに関連付けられたすべてのIPアドレスの特定マッピング更新を示し得(例えば、1つのコンテンツホストがコンテンツ分配ネットワーク(CDN:content distribution network)として、ミラーサイトとして複数のIPアドレスを使用する場合等;特定グループのホスト名が同じクラスのトラフィック(例えば映像ストリーミング)に関連付けられる場合等);そして格納された関連性は示されたホストとのそれらの関連性に従って複数のルーティングテーブルエントリのマッピングを迅速に更新するために使用され得る。
【0028】
マッピング生成器430のいくつかの実施形態は、格納された規則ベース450と結合される検証器435を含む、又はそれと通信する。検証器435の実施形態は、マッピング生成器430が規則ベース450内の規則に従ってルーティングテーブル112内のマッピングを更新することを許容すべきかどうかといつ許容すべきかとを判断し得る。いくつかの実施形態では、規則ベース450内の規則の一部又はすべてはユーザ端末110の配備に先立ってハードコード化される。他の実施形態では、規則ベース450の規則の一部又はすべては、ローカルネットワークインターフェース127を介し受信されるローカルユーザ命令により及び/又は任意の他の好適なやり方で、ハイブリッドネットワークインターフェース125を介し受信される制御メッセージ412に従ってハードウェア又はソフトウェアプログラム可能である。いくつかの実施形態では、規則ベース450はルーティングテーブル112内のマッピングの一部又はすべての妥当性ウィンドウを定義する。例えば、特定マッピングは、特定時間フレーム内のある回数より多い回数(例えば2回以上/時間)更新され得なく、その最後の更新から一定量の時間内に更新され得ない。他の実施形態では、規則ベース450はマッピングの一部又はすべての更新閾値を定義する。例えば、特定マッピングは、特定ホストからのいくつかのフローが現在マッピングされているものとは異なる同じネットワーク上で受信された後にだけ更新され得る。他の実施形態では、規則ベース450は他のタイプの更新情報を定義する。例えば、いくつかのハイブリッド通信ネットワーク130は、ある階層(例えば、通信ネットワーク132のうちの第一位の通信ネットワーク、ここではすべての他の通信ネットワーク132は第二位の通信ネットワークであり、通信ネットワーク132のそれぞれはある優先順位にある、など)を有するように定義され得る。このような場合、特定規則は、マッピングが第一位のネットワークから第二位のネットワークへ、第二位のネットワークから第一位のネットワークなどへ変更されると、発効し得る。例えば、規則ベース450は、第二位のネットワークから第一位のネットワークへのマッピングよりむしろ第一位のネットワークから第二位のネットワークへのマッピングを更新するほうが容易であるように(例えば、第一位のネットワークからトラフィックをアンロードする傾向があるように)設計され得る。
【0029】
図示のように、マッピングを更新するために、受信された転送リンクトラフィック402を使用することに加えて、転送リンクトラフィック402は、ローカルユーザネットワーク105内の適切な宛先CPEへ転送され得る。ネットワークベース更新器410から転送されるとして示されたが、転送リンクトラフィック402は任意の好適なやり方で(例えばハイブリッドネットワークインターフェース125から直接に)転送され得る。ローカルユーザネットワーク105のCPEはまた、ハイブリッド通信ネットワーク130上でいくつかの宛先ホストへ宛てられる戻りリンクトラフィックフロー452を発生し得る。戻りリンクトラフィックフロー452は、戻りリンクルータ440が通信ネットワーク132のうちのどの上で戻りリンクトラフィックフロー452をルーティングすべきかに関し判断し得るように、ローカルネットワークインターフェース127を介しUT110の戻りリンクルータ440により受信される。本明細書で述べたように、実施形態は、ルーティングテーブル112内に格納されたマッピングに依存することにより小さな計算強度でもってこのような判断を迅速に行い得る。例えば、戻りリンクルータ440は、戻りリンクトラフィックフロー452から宛先識別子(例えば宛先IPアドレス)を取得(例えば、解析、導出等)し、取得された宛先識別子に対応(例えば整合)するルーティングテーブル112内のルーティングテーブルエントリを識別する。例えば、戻りリンクルータ440はルーティングテーブル112上で検索を行う。識別されたマッピングは、通信ネットワーク132のうちのどの上で戻りリンクトラフィック452をルーティングすべきかを示し得る。
【0030】
様々な実施形態は、ルーティング判断に影響を与え得る追加考察を含み得る。いくつかのこのような実施形態では、戻りリンクルータ440は検証器435と結合される、又はそれを含む(例えば、又は戻りリンクルータ440の別個の検証器435及び規則ベース450が存在する)。上述のように、いくつかの実施形態では、規則ベース450は、ルーティングテーブル112内のマッピングのうちの一部又はすべてのマッピングの妥当性ウィンドウを定義する。例示的戻りリンクルーティング文脈では、特定マッピングは、およそ最後に更新された時から所定時間(その後に以前の(例えばデフォルト)マッピングへ戻り得る)の間有効であり得る、代替的に、特定マッピングは、いくつかのネットワークが現在利用可能容量などを有する一日のいくつかの時刻だけで有効である。このような場合、戻りリンクルータ440は、規則ベース450の規則がルーティングテーブル112内の1つ又は複数のマッピングと競合したとしてもこの規則に基づきルーティング判断を行い得る。
【0031】
他のこのような実施形態では、戻りリンクルータ440はDNS検索モジュール437と結合される又はそれを含む(例えば、又は、戻りリンクルータ440の別個のDNS検索モジュール437が存在する)。上に説明したように、ホスト名と分解されたホストIPアドレスとの間の関連性は別の使用のために格納され得る。例えば、戻りリンクルータ440は、ルーティング戻りリンクトラフィックを支援してホスト名を宛先IPアドレスへ迅速に分解するために、格納された関連性を使用し得る。他の実施形態では、DNS検索モジュール437は、IPアドレスからホスト名を取得するための逆DNS検索を行うために使用され得る。例えば、いかなる他の対応するルーティングテーブルエントリもルーティングテーブル112内に存在しない場合(例えば戻りリンクトラフィックが、ルーティングテーブル112内にマッピングされているものよりむしろコンテンツホストの異なる宛先IPアドレスを示す場合)にも、マッピングは、いくつかの通信ネットワーク132を介しいくつかのホストに関連付けられたトラフィックをルーティングするための特定マッピングを含み得る(例えば、又は規則は規則ベース450内に含まれ得る)。このような場合、指示された宛先IPアドレスがマッピングされていなくても例えば対応するホストがルーティングテーブル112内に既にマッピングされたかどうを判断するために逆DNS検索を行うことが望ましい可能性がある。
【0032】
これら及び他の実施形態のうちのいくつかでは、DNS検索モジュール437のDNS検索及び/又は逆DNS検索は、リアルタイム戻りリンクルーティング判断の一部として行うには余りに多くの時間がかかり得る。したがって、DNS検索モジュール437のいくつかの実施形態は、DNS検索及び/又は逆DNS検索をバックグラウンドタスクとして行い得る(例えば、戻りリンクルータ440がルーティング判断を行うのと並列に)。例えば、戻りリンクトラフィックフロー452が戻りリンクルータ440により受信されると、戻りリンクルータ440は、ルーティングテーブル112内の利用可能マッピングに従って及び/又は規則ベース450(例えばデフォルトマッピングなど)に従ってリアルタイムルーティング判断を行うことを始め得る。一方、戻りリンクルータ440はまた、DNS検索及び/又は逆DNS検索を行うためにDNS検索モジュール437をトリガし得、1つ又は複数のマッピングに対する更新又はその追加を生じ得る。次に、更新された又は新しいマッピングは、同じ戻りリンクトラフィックフロー452及び/又は後続フローの後続パケットをルーティングするために戻りリンクルータ440により使用され得る。
【0033】
ルーティング判断を行うと、戻りリンクルータ440は、ルーティングステート出力442として戻りリンクトラフィックフロー452及びルーティング判断を出力し得る。ハイブリッドネットワークインターフェース125は、ハイブリッド通信ネットワーク130上で戻りリンクトラフィックフロー452をルーティングするためにルーティングステート出力442を使用し得る。例えば、ハイブリッドネットワークインターフェース125は、ルータ470を使用することによりレイヤ3ルーティングとして部品ネットワーク132の第一位の部品ネットワーク(例えば衛星ネットワーク)上で戻りリンクトラフィックフロー452をルーティングし得、転送器475などを使用することにより通信ネットワーク132のうちの第二位の通信ネットワークを介しレイヤ2トンネル上で戻りリンクトラフィックフロー452をルーティングし得る。いくつかの実施形態では、追加機能が、ハイブリッド通信ネットワーク130上で戻りリンクトラフィックフロー452をルーティングすることの一部としてハイブリッドネットワークインターフェース125により行われる。例えば、NAT460は、ソースCPEの秘密IPアドレスをUT110の公開IPアドレスに変換し得る。さらに、いくつかの実施形態は、データをパケット化し、データを変調し得る、及び/又はそうでなければ、選択された通信ネットワーク132上の通信のための戻りリンクトラフィックフロー452を準備し得る。
【0034】
図5は、様々な実施形態による、ハイブリッドネットワーク環境内のユーザ端末による戻りリンクルーティングの例示的方法500の流れ図を示す。方法500の実施形態は、
図1~4を参照して説明したシステム又は任意の他の好適なシステムを使用して行われ得る。方法500の実施形態は、顧客構内設備(CPE)からユーザ端末ルーティングシステムにおいて戻りリンクデータを受信することにより段階504で始まり、戻りリンクデータは戻りリンクデータの関連付けられた宛先ノードを示す。本明細書で述べたように、ユーザ端末ルーティングシステム(UTRS)は、複数のネットワークと通信可能に結合され、ネットワークの少なくとも1つからユーザ端末ルーティングシステムにより受信される転送リンク通信に従ってデータを投入されるルーティングテーブルを有する。例えば、ネットワークの1つは衛星ネットワークであり、ルーティングテーブルは、UTRSにより衛星ネットワークのプロバイダ側コアノード(例えば、又はゲートウェイ)から受信される転送リンク通信に従ってデータを投入される。様々な実施形態では、コアノードは、ハイブリッドネットワークのネットワークのうちの1つ、複数、又はすべてと通信可能に結合される。ルーティングテーブルは、検索テーブルであってもよく、それぞれがルーティングテーブルエントリとネットワークのうちの1つとの間のマッピングである複数のマッピングを格納した他の好適なデータ記憶装置であってもよい。各ルーティングテーブルエントリは少なくとも1つの転送リンクコンテンツソース(FLCS)識別子を識別する。
【0035】
段階508では、実施形態は、戻りリンクデータに関連付けられた宛先ノードに対応するルーティングテーブルエントリを有するものとして、ルーティングテーブル内のマッピングのうちの1つを識別する。例えば、ルーティングテーブルエントリは、戻りリンク宛先IPアドレスなどの任意の好適なFLCS識別子を含み得る。いくつかの実施形態では、各ルーティングテーブルエントリは、ソースIPアドレス、ソースポート、宛先IPアドレス、宛先ポート、及びデータ通信プロトコルを識別する5-タプルを含む。戻りリンクデータは、戻りリンクデータの関連付けられた宛先ノードを示す戻りリンクルーティングタプルを含み得る。戻りリンクルーティングタプルはさらに、宛先インターネットプロトコル(IP)アドレス及び宛先ポートを示し得る。
【0036】
段階512において、実施形態は、マッピングのうちの識別されたものに従ってネットワークのうちの1つの上で戻りリンクデータをルーティングする。いくつかの実施形態では、段階512におけるルーティングは格納されたマッピングに直接従う。例えば、転送リンクデータは、ネットワークのうちの特定ネットワーク上で特定コンテンツホストから受信され、このコンテンツホストへ送信される戻りリンクデータはネットワークのうちの同じ特定ネットワーク上で送信される。他の実施形態では、ルーティングは他の要因を考慮し得る。図示のように、段階516におけるいくつかの実施形態は、段階508において識別されたマッピングがそのまま妥当かどうかを判断する。例えば、ルーティングは、マッピングが妥当であると段階516において判断された場合のみ段階512のマッピングに直接従い、ルーティングは、マッピングが妥当でないと段階516において判断されれば調整され得る。例えば、段階512におけるルーティングは、一組のルーティング判断基準及び複数のネットワークのうちの別のネットワークを定義するルーティング規則ベースに従って段階520において調整され得、その結果、一組のルーティング判断基準を満たすかどうかに従って、戻りリンクデータのルーティングはルーティングテーブル内で戻りリンクデータの宛先ノードへマッピングされたネットワークのうち1つのネットワーク上であるか、又は別のネットワーク上であるかのいずれかである。
【0037】
ルーティングに関する同様なタイプの検証、執行、調整などは様々な実施形態に従って様々なやり方で実施され得る。いくつかの実施形態では、転送リンクデータのソースノードを示す転送リンクデータは複数のネットワークのうちの1つを介しユーザ端末において受信される。ルーティングテーブルのマッピングのうちの対応するものは、示されたソースノードに対応するものとして識別され得、対応マッピングがマッピングのうちの識別されたものに関連付けられた妥当性ウィンドウに従って現在執行されているかどうかに関する判断が行われ得る。このような実施形態では、対応マッピングは、現在執行されていない場合だけ、受信された転送リンクデータに従って更新され得る。他のこのような実施形態では、転送リンクデータパケットは、複数のネットワークのうちの少なくとも1つを介しユーザ端末において受信され得、各転送リンクデータパケットは転送リンクパケットのそれぞれのソースノードを示し得る。方法500は、すべてが同じそれぞれのソースノードを有するとともに複数のネットワークのうちの第1のネットワーク上で受信される少なくとも閾値数の転送リンクデータパケットの受信を検出することを待ち得;そしてこのような検出の後にだけ、検出に応答して、更新されたマッピングによりルーティングテーブルを更新し得る。このような実施形態では、この更新は、第1のネットワークを同じそれぞれのソースノードに対応するルーティングテーブルエントリへマッピングすることを含む。さらに他のこのような実施形態では、方法500は、マッピングのうちの識別されたものがマッピングのうちの識別されたものに関連付けられた妥当性ウィンドウに従って現在妥当かどうかを判断し得、段階512におけるルーティングは、マッピングのうちの識別されたものが現在妥当である場合だけ、マッピングのうちの識別されたものに従って行われ得る。さらに他のこのような実施形態では、方法500は、転送リンクデータのソースノードを示す転送リンクデータを、複数のネットワークのうちの第1のネットワークを介しユーザ端末において受信し得;ルーティングテーブルのマッピングのうちの対応するものは、示されたソースノードに対応するものとして識別され得;対応マッピングが複数のネットワークのうちの第2のネットワーク上のルーティングを現在指令しているという判断が行われ得;対応マッピングは、第2のネットワークが複数のネットワークのうちの第一位のネットワークである場合だけ第1のネットワーク上のルーティングを指令するように更新され得、第1のネットワークは複数のネットワークのうちの第一位のネットワークではない。
【0038】
方法500のいくつかの実施形態は、段階504において受信することに先立って、ルーティングテーブルマッピングの一部又はすべてにデータを投入する及び/又はそれを更新することで始まる。例えば、段階501において、実施形態は、段階504において戻りリンクデータを受信することに先立ってネットワークのうちの第1のネットワークを介しユーザ端末において転送リンクデータを受信し得る。転送リンクデータは転送リンクデータのソースノードを示し得、ルーティングテーブルは、受信された転送リンクデータに従って、更新されたマッピングにより更新され得る。このような実施形態では、段階508において識別することは、マッピングのうちの識別されたものが更新されたマッピングとなるように「戻りリンクデータの宛先ノードが転送リンクデータのソースノードに対応する」ということを判断することを含み得;段階512におけるルーティングは、更新されたマッピングに従って第1のネットワーク上で戻りリンクデータをルーティングすることを含み得る。いくつかのこのような実施形態では、段階501において更新することは、第1のネットワークをソースノードのルーティングテーブルエントリへマッピングすることを含み、段階512においてルーティングすることは、戻りリンクデータを、更新されたマッピングに従って第1のネットワーク上でルーティングことを含む。方法500の他の実施形態は、ネットワークのうちの1つを介しユーザ端末において制御メッセージ(例えば、制御メッセージは少なくとも1つのルーティングテーブル更新を示す)を受信することと少なくとも1つのルーティングテーブル更新に従ってルーティングテーブルを更新することとにより段階502において開始し得る。方法500のさらに他の実施形態は、例えばデフォルトマッピングを有するルーティングテーブルの一部又はすべてにデータを予め投入することにより段階503において始まる。例えば、予めロードされたマッピングの少なくとも一部分のそれぞれは、以下のことにより予めロードされ得る:対応コンテンツホストと複数のネットワークのうちの対応する1つとの間の複数の予め格納された関連性のうちの1つを選択すること;対応コンテンツホストに関連付けられた宛先IPアドレスを判断するためにドメインネームサーバ(DNS)検索を行うこと;複数のネットワークのうちの対応するものと宛先IPアドレスを含むルーティングテーブルエントリとを関連付けるために、予めロードされたマッピングを生成すること。同様に、いくつかの実施形態では、ルーティングテーブルエントリの少なくとも1つは戻りリンク宛先IPアドレスを示し得、マッピングの少なくとも1つは以下のことにより生成され得る:少なくとも1つのルーティングテーブルエントリにより示される戻りリンク宛先IPアドレスに対応するコンテンツホストを判断すること;コンテンツホストと複数のネットワークのうちのルーティングネットワークとの間の予め格納された関連性を識別すること;ルーティングテーブルエントリと識別されたルーティングネットワークとを関連付けるために少なくとも1つのマッピングを生成すること。例えば、コンテンツホストは、(例えば、段階508における識別すること及び/又は段階512におけるルーティングすることと同時にバックグラウンドタスクとしてUTRSにより)逆DNS検索を行うことにより判断され得る。
【0039】
本明細書において開示された方法は上記方法を実現するための1つ又は複数の行為を含む。上記方法及び/又は行為は特許請求の範囲から逸脱することなく互いに入れ替えられ得る。換言すれば、行為の特定順序が規定されない限り、特定行為の順序及び/又は使用は特許請求の範囲から逸脱することなく修正され得る。
【0040】
コンピュータプログラム製品が本明細書では呈示されたいくつかの動作を行い得る。例えば、このようなコンピュータプログラム製品は、明確に格納(及び/又は符号化)された命令を有するコンピュータ可読有形媒体であり得、命令は、本明細書で述べた動作を行うために1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である。コンピュータプログラム製品は包装材料を含み得る。ソフトウェア又は命令はまた、送信媒体上で送信され得る。例えば、ソフトウェアは、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、撚線対、デジタル加入者線(DSL)などの送信媒体、又は赤外線、無線又はマイクロ波などの無線技術を使用することにより、ウェブサイト、サーバ又は他の遠隔ソースから送信され得る。
【0041】
さらに、本明細書で述べた方法及び技術を行うためのモジュール及び/又は他の適切な手段が、好適な端末によりダウンロード及び/又はそうでなければ取得され得、及び/又は本明細書で述べた方法を行うための手段の転送を容易にするためにサーバなどへ結合され得る。代替的に、本明細書で述べた様々な方法は、ユーザ端末及び/又は基地局が格納手段を装置へ結合又は提供すると様々な方法を取得し得るように格納手段(例えば、RAM、ROM、CD又はフロッピーディスクなど物理的記憶媒体など)を介し提供され得る。さらに、本明細書で述べた方法及び技術を装置へ提供するための任意の他の好適な技術が利用され得る。特徴実施機能がまた、機能の一部が様々な物理的位置において実施されるように分散されることを含み、様々な位置に物理的に配置され得る。
【0042】
本発明を説明する際、以下の用語が使用されることになる:冠詞及び不定冠詞の単数形は文脈が特に指示しない限り複数の参照物を含む。したがって、例えば、一項目への参照は1つ又は複数の項目への参照を含む。「複数形名詞」は1又は2以上を指し、通常は、量の一部又はすべての選択へ適用される。用語「複数」は2つ以上の項目を指す。用語「約」は、「量、寸法、サイズ、公式化、パラメータ、形状及び他の特性が、正確である必要はないが、許容可能公差、変換係数、丸め込み、測定誤差など及び当業者に知られた他の要因を反映して所望により近似され得る及び/又はより大きい又は小さい可能性がある」ということを意味する。用語「ほぼ」は、「列挙された特徴、パラメータ、又は値が正確に実現される必要はないが、例えば公差、測定誤差、測定精度限界、及び当業者に知られた他の要因を含む偏差又は変動が、特徴が提供しようとしていた効果を排除しない量で発生し得る」ということを意味する。数値データは本明細書では範囲形式で表現又は呈示され得る。このような範囲形式は、単に利便性及び簡潔さのために使用されるのであって、したがって、範囲の限界として明示的に列挙される数値だけを含むように柔軟に解釈されるべきであるだけではなく、各数値と副範囲が明示的に列挙されるかのように個々の数値のすべて又はこの範囲に包含される副範囲を含むようにも解釈されるべきであるということを理解すべきである。例示として、「約1~5」の数値範囲は、約1~約5の明示的に列挙された値を含むようにだけでなく、示された範囲内の個々の値及び副範囲も含むように解釈されるべきである。したがって、この数値範囲内に含まれるのは、2、3及び4などの個々の値、並びに1~3、2~4、3~5などの副範囲などである。この同じ原理はただ1つの数値を列挙する範囲(例えば、「約1より多い」)へ適用され、したがって記載される範囲又は特性の広さにかかわらず適用されるべきである。複数の項目が便宜上共通リスト内に呈示され得る。しかし、これらのリストは、あたかもリストの各メンバーが各別個及び独自メンバーとして個々に識別されるかのように解釈されるべきである。したがって、このようなリストのいかなる個々のメンバーも、別途指示がない限り、共通グループ内のそれらの提示だけに基づく同じリストの任意の他のメンバーの事実上の等価物として解釈されるべきではない。さらに、用語「及び」と「又は」が項目のリストと併せて使用される場合、これらは、リスト項目の任意の1つ又は複数が単独で又は他の列挙項目と組み合わせて使用され得るという意味で広義に解釈されることになる。用語「代替的に」は、2つ以上の代替物の1つの選択を指し、文脈が明示しない限りこの選択を一度に列挙代替物だけへ又は列挙代替案の1つだけへ限定するようには意図されていない。本明細書で使用される用語「結合された」は部品が互いに直接接続されるということを必要としない。その代りに、この用語はまた、1つ又は複数の他の部品が結合部品間に含まれ得る間接的接続を有する構成を含むように意図されている。例えば、このような他の部品は増幅器、減衰器、絶縁器、方向性結合器、冗長スイッチなどを含み得る。また、特許請求の範囲を含み本明細書で使用されるように、「少なくとも1つ」により先行される項目のリスト内に使用される「又は」は離接的(disjunctive)リストを示し、例えば「A、B又はCの少なくとも1つ」のリストはA又はBあるいはC又はABあるいはAC又はBCあるいはABC(すなわち、AとBとC)を意味する。さらに、用語「例示的」は記載例が他の例より好ましい又は良好であるということを意味しない。本明細書で使用されるように、「一組」の素子は、一組が2以上のものを明示的に有する必要がある又は空集合であることを明示的に許容される場合を除いて、それらの素子のうちの「1つ又は複数」を意味するように意図されている。
【0043】
本明細書で述べた技術に対する様々な変更、置換及び代替は、添付特許請求の範囲により定義される教示の技術から逸脱することなく行われ得る。さらに、本開示の範囲と特許請求の範囲は、上述の処理、機械、製造、組成物、手段、方法及び行為の特定態様に限定されない。ほぼ同じ機能を行う又は本明細書で述べた対応態様としてほぼ同じ結果を実現する現存している又は後に開発される処理、機械、製造、組成物、手段、方法又は行為が、利用され得る。したがって、添付特許請求の範囲はその範囲内にこのような処理、機械、製造、組成物、手段、方法又は行為を含む。