(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】複数の電極を用いる温度制御式短時間アブレーション
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20231204BHJP
【FI】
A61B18/14
(21)【出願番号】P 2022100947
(22)【出願日】2022-06-23
(62)【分割の表示】P 2018128077の分割
【原出願日】2018-07-05
【審査請求日】2022-06-23
(32)【優先日】2017-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
(72)【発明者】
【氏名】ヤロン・エフラス
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-501596(JP,A)
【文献】特表2009-500052(JP,A)
【文献】特開2004-160084(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0049513(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12-18/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の臓器に挿入されるように構成されたカテーテルと、
前記カテーテル上に配置された第1の電極及び第2の電極であって、高周波(RF)アブレーションエネルギーを前記臓器の組織に伝達するように構成されている、第1の電極及び第2の電極と、
前記第1の電極の第1の温度を測定するように結合された第1の温度センサと、
前記第2の電極の第2の温度を測定するように結合された第2の温度センサと、
前記RFアブレーションエネルギーを提供するように構成された電源と、
前記電源に接続され、前記RFアブレーションエネルギーを前記第1及び第2の電極のうちの一方に向けるように構成されたスイッチと、
前記電源が前記スイッチを介して前記第1の電極に前記RFアブレーションエネルギーを提供する間に、前記第1及び第2の温度を監視し
、監視された温度に応答して、前記RFアブレーションエネルギーを前記第1及び第2の電極のうちの一方に向けるように前記スイッチをトグル式に切り替えるように構成されたプロセッサと、を備える、装置
であって、
前記プロセッサは、前記第1の温度が既定のアブレーション温度閾値を超えており、一方で、前記第2の温度が前記アブレーション温度閾値を超えていないことを検知すると、前記RFアブレーションエネルギーを前記第2の電極に向けるように前記スイッチをトグル式に切り替えるように構成されている、装置。
【請求項2】
前記第1の電極は第1の電力レベルで前記RFアブレーションエネルギーを伝達するように構成され、前記第2の電極は第2の電力レベルで前記RFアブレーションエネルギーを伝達するように構成され、前記電源は前記第1及び第2の電力レベルの最大値以下のレベルで電力を前記
第1の電極
及び前記第2の電極に供給するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カテーテルはバルーンカテーテルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記カテーテルはバスケットカテーテルを含む、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2017年7月6日に出願された米国特許仮出願第62/529,158号の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は一般に、外科手術、具体的には、高周波アブレーションを用いた外科手術に関する。
【背景技術】
【0003】
高周波(Radiofrequency、RF)アブレーションは、熱によって不要な組織を死滅させる治療法である。RFアブレーションは、1980年代の心不整脈治療から始まり、多数の疾患における臨床的応用を見出し、現在では特定の種類の心不整脈及び特定の癌に対する一般的な治療法である。RFアブレーション中、医学的画像ガイダンスの下で電極が標的部位に近接して挿入される。標的部位内の電極を包囲する組織は、RF電流を介して加熱することにより破壊される。
【0004】
Swansonらの米国特許出願公開第2003/0236455号は、肺静脈組織をマッピング及びアブレーションするためのプローブアセンブリについて説明している。プローブアセンブリは、複数のスプラインを有する拡張可能かつ折り畳み可能なバスケットアセンブリを含む。1つ又は2つ以上のスプラインは、肺静脈組織における電気的活性を検知するように構成された1つ又は2つ以上の電極を担持する。
【0005】
Coeらの米国特許出願公開第2014/0066921号は、バルーンカテーテル神経調節システムについて説明している。この出願は、機械的圧縮、エネルギー送達、又は流体送達によって神経を調節(例えば、破壊、アブレーション、刺激)することに言及している。
【0006】
Mackeyの米国特許第5,931,835号は、多極電極カテーテル用の高周波エネルギー送達システムについて説明している。これには、複数の電極に送達される電力、電圧、又は温度が動的に制御され得ることが記載されている。
【0007】
Buysseらの欧州特許出願第1,645,234号は、複数の電極を用いた電気外科システムについて説明している。このシステムは、組織中で大きなアブレーション体積を生成するために複数の電極を採用している。
【0008】
Shermanらの米国特許出願公開第2002/0161361号は、電極を用い、かつ自動温度制御を有するRFアブレーションシステムについて説明している。電極と組織との間の界面における温度を示す温度信号を提供するために、一部の電極はそれらに関連付けられた感温デバイスを有することが記載されている。
【0009】
Dalyらの米国特許出願公開第2001/0020166号は、同時単極多電極アブレーション(simultaneous unipolar multi-electrode ablation)のためのシステムについて説明している。このシステムは、複数の電極に同時に送達される単極RFエネルギーを用いて組織をアブレーションすることが記載されている。
【0010】
Tollnerの米国特許第6,319,249号は、とりわけ、複数のアブレーション電極、少なくとも1つのエネルギー源、及び電極をエネルギー源に接続するためのスイッチング素子を備えたアブレーションカテーテルを提供することを説明している。
【0011】
Wangらの米国特許出願公開第2008/0161797号は、複数の温度センサを有するアブレーションカテーテル電極について説明している。この電極は、電極内の様々な位置に2つ又はそれ以上の温度センサを含むことが記載されている。
【0012】
本特許出願に参照により組み込まれる文献は、いずれかの用語がこれらの組み込まれた文献において、本明細書に明確に、又は暗示的になされる定義と矛盾する形で定義されている場合には、本明細書中の定義のみが考慮されるべきである点を除き、本出願と一体化した部分とみなされるものとする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態は、
人体の臓器に挿入されるように構成されたカテーテルと、
カテーテル上に配置された複数の電極であって、高周波(RF)アブレーションエネルギーを臓器の組織に伝達するように構成されている、複数の電極と、
複数の電極の各々にRFアブレーションエネルギーを最大100Wのレベルで同時に供給して、電極に接触している臓器の組織のそれぞれの区分をアブレーションするように構成された電源と、を含む装置を提供する。
【0014】
開示される実施形態では、複数の電極は、最大12個の電極を含み、電源は、最大1.2kWの高周波電力を提供するように構成されている。
【0015】
更に開示される実施形態では、装置は、複数の電極のうちの1つのそれぞれの温度を測定するように各々結合された複数の温度センサを含み、電源は、組織の区分のうちの1つに接触している複数の電極のうちの1つのそれぞれの温度が選択された最大温度を超えると、複数の電極のうちの1つに供給されるRFアブレーションエネルギーの電力レベルを低下させるように構成されている。
【0016】
なお更に開示される実施形態では、装置は、電源に結合されており、複数の電極の各々に関してRFアブレーションエネルギーに対するそれぞれのインピーダンスを同時に測定し、かつ、組織の区分のうちの1つに接触している複数の電極のうちの1つに対するインピーダンスの変化が事前設定値を超えると、電源から複数の電極のうちの1つへのRFアブレーションエネルギーの供給を停止するように構成されたプロセッサを含む。
【0017】
カテーテルは、バルーンカテーテルを含んでもよい。あるいは、カテーテルは、バスケットカテーテルを含んでもよい。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、
人体の臓器に挿入されるように構成されたカテーテルと、
カテーテル上に配置された第1の電極及び第2の電極であって、高周波(RF)アブレーションエネルギーを臓器の組織に伝達するように構成されている、第1の電極及び第2の電極と、
第1の電極の第1の温度を測定するように結合された第1の温度センサと、
第2の電極の第2の温度を測定するように結合された第2の温度センサと、
RFアブレーションエネルギーを提供するように構成された電源と、
電源に接続され、RFアブレーションエネルギーを第1及び第2の電極のうちの一方に向けるように構成されたスイッチと、
電源がスイッチを介して第1の電極にRFアブレーションエネルギーを提供する間に、第1及び第2の温度を監視し、監視された温度に応答して、RFアブレーションエネルギーを第1及び第2の電極のうちの一方に向けるようにスイッチをトグル式に切り替えるように構成されたプロセッサと、を含む装置が更に提供される。
【0019】
代替的な一実施形態では、プロセッサは、第1の温度が既定のアブレーション温度閾値を超えており、一方で、第2の温度がアブレーション温度閾値を超えていないことを検知すると、RFアブレーションエネルギーを第2の電極に向けるようにスイッチをトグル式に切り替えるように構成されている。
【0020】
更なる代替的な一実施形態では、プロセッサは、第1の電極を介した第1のアブレーションの時間と、第2の電極を介した第2のアブレーションの時間とを監視し、監視された時間に応答して、RFアブレーションエネルギーを第1及び第2の電極のうちの一方に向けるようにスイッチをトグル式に切り替えるように構成されている。典型的には、プロセッサは、第1のアブレーションの時間が、第1の電極の事前設定された第1のアブレーションの時間以上であり、一方で、第2のアブレーションの時間が、第2の電極の事前設定された第2のアブレーションの時間未満であると検知すると、RFアブレーションエネルギーを第2の電極に向けるようにスイッチをトグル式に切り替えるように構成されている。
【0021】
なお更なる代替的な一実施形態では、第1の電極は第1の電力レベルでRFアブレーションエネルギーを伝達するように構成され、第2の電極は第2の電力レベルでRFアブレーションエネルギーを伝達するように構成され、電源は第1及び第2の電力レベルの最大値以下のレベルで電力を電極に供給するように構成されている。
【0022】
カテーテルは、バルーンカテーテルであってもよい。あるいは、カテーテルは、バスケットカテーテルであってもよい。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、
カテーテルを人体の臓器に挿入することと、
カテーテル上に、高周波(RF)アブレーションエネルギーを臓器の組織に伝達するように構成された複数の電極を配置することと、
電源を用いて複数の電極の各々にRFアブレーションエネルギーを最大100Wのレベルで同時に供給して、電極に接触している臓器の組織のそれぞれの区分をアブレーションすることと、を含む方法が更に提供される。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、
カテーテルを人体の臓器に挿入することと、
カテーテル上に、高周波(RF)アブレーションエネルギーを臓器の組織に伝達するように構成された第1の電極及び第2の電極を配置することと、
第1の温度センサを、第1の電極の第1の温度を測定するように結合することと、
第2の温度センサを、第2の電極の第2の温度を測定するように結合することと、
RFアブレーションエネルギーを提供するように電源を構成することと、
スイッチを電源に接続して、RFアブレーションエネルギーを第1及び第2の電極のうちの一方に向けるようにスイッチを構成することと、
電源がスイッチを介して第1の電極にRFアブレーションエネルギーを提供する間に、第1及び第2の温度を監視し、監視された温度に応答して、RFアブレーションエネルギーを第1及び第2の電極のうちの一方に向けるようにスイッチをトグル式に切り替えることと、を含む方法が更に提供される。
【0025】
以下の本開示の実施形態の詳細な説明を図面と併せ読むことで、本開示のより完全な理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態による、装置を用いた侵襲的医療処置の概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、バルーンカテーテルがその膨張構成にある概略斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、肺静脈中に配置されたバルーンカテーテルの概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、可撓性回路アセンブリの複数のリーフの概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、バルーンカテーテルから部分的に引き上げられた可撓性回路アセンブリの概略斜視図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態による、
図1の装置のブロック図である。
【
図7】第1の実施形態の動作で実施されるアルゴリズムの工程のフローチャートである。
【
図8】本発明の第2の実施形態による、
図1の装置のブロック図である。
【
図9】第2の実施形態の動作で実施されるアルゴリズムの工程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
概要
本発明の実施形態では、複数の電極が上に配置されたカテーテルが、人体の臓器、典型的には心臓に挿入される。電極は高周波(RF)アブレーションエネルギーを臓器の組織に伝達するように構成されている。
【0028】
本発明の第1の実施形態では、電源は複数の電極の各々にRFアブレーションエネルギーを最大100Wのレベルで同時に供給し、電極に接触している臓器の組織のそれぞれの区分をアブレーションする。このような同時アブレーション中、個別に各電極における温度及びインピーダンスを慎重に監視することで、本発明の実施形態が、組織に悪影響を及ぼすことなしに、各電極で最大100Wの電力で、複数の組織アブレーションを実施することが可能となる。高い電力によって、複数のアブレーションのためのアブレーションのセッション全体を、一般的に10秒以下の時間に短縮することが可能となる。
【0029】
本発明の第2の実施形態では、複数の電極は、第1の電極と第2の電極とを含む。第1の温度センサが第1の電極の第1の温度を測定し、第2の温度センサが第2の電極の第2の温度を測定する。電源はRFアブレーションエネルギーを供給し、スイッチは電源に接続され、かつRFアブレーションエネルギーを第1及び第2の電極のうちの一方に向けるように構成されている。プロセッサは、電源がスイッチを介して第1の電極にRFアブレーションエネルギーを提供する間に、第1及び第2の温度を監視し、監視された温度に応答して、RFアブレーションエネルギーを第1及び第2の電極のうちの一方に向けるようにスイッチをトグル式に切り替えるように構成されている。電極の温度に応じて電極間でRFエネルギーを切り替えることにより、電源の最大電力定格のために両方の電極に同時に高電力を供給できない電源を効率的に利用することができる。
【0030】
(詳細な説明)
以下の説明において、図面中の同様の要素は、同様の数字により識別され、同様の要素は、必要に応じて識別用の数字に文字を添えることにより区別される。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態による、装置12を用いた侵襲的医療処置の概略図である。この処置は、医療専門家14により行われ、一例として、本明細書の以下の説明における処置は、ヒト患者18の心臓の心筋16の一部のアブレーションを含むと仮定される。但し、当然のことながら、本発明の実施形態は、この特定の処置にだけ適用可能であるわけではなく、生物学的組織又は非生物学的材料に対する実質的に如何なる処置も包含し得ることを理解されたい。
【0032】
アブレーションを行うために、医療専門家14は、患者のルーメン内に事前に位置付けられているシース21の中へプローブ20を挿入する。シース21は、プローブ20の遠位端22が患者の心臓に入るように位置付けられている。
図2~
図5を参照して以下により詳細に説明されているバルーンカテーテル24は、プローブ20のルーメン23を通って配置されて、プローブ20の遠位端22から出ている。
【0033】
図1に示すように、装置12は、装置の操作コンソール15内に位置するシステムプロセッサ46により制御される。コンソール15は、プロセッサと通信するために専門家14によって用いられる制御装置49を含む。処置の間、プロセッサ46は、典型的には、当該技術分野において既知である任意の方法を使用してプローブ20の遠位端22の場所及び配向を追跡する。例えば、プロセッサ46は、患者18の体外にある磁気送信器25X、25Y、及び25Zが、プローブ20の遠位端に位置付けられた1つ又は2つ以上のコイル中で信号を生成する磁気追跡法を使用することができる。Biosense Webster(33 Technology Drive,Irvine,CA 92618)から入手可能なCARTO(登録商標)システムは、このような追跡法を用いている。
【0034】
プロセッサ46用のソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して、電子形態でプロセッサにダウンロードすることができる。代替的に又は追加的に、ソフトウェアは、光学的、磁気的、又は電子的記憶媒体などの非一時的有形媒体上で提供され得る。遠位端22の追跡は、典型的には、画面62上に患者18の心臓の3次元表示60で表示される。
【0035】
本明細書の説明では、プロセッサ46は、ASIC(application specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)、FPGA(field-programmable gate array、フィールドプログラム可能ゲートアレイ)、及びMCU(microcontroller unit、マイクロ制御装置)、並びにCPUを含むが、それに限定されない任意の好適な集積回路から形成されると想定される。
【0036】
装置12を操作するために、プロセッサ46は、装置を操作するためにプロセッサにより使用されるいくつかのモジュールを有するモジュールバンク50と通信する。したがって、バンク50は、温度モジュール52と、電源54と、スイッチ57と、灌注モジュール55と、心電計(electrocardiograph、ECG)モジュール56と、を含む。これらの機能については以下で説明する。バンク50は、典型的には、遠位端22上の力を測定するための力モジュール、及びプロセッサ46によって使用される追跡法を操作するための追跡モジュールなどの他のモジュールを含む。簡潔化のために、かかる他のモジュールは、
図1に図示されていない。モジュールは、ハードウェア要素並びにソフトウェア要素を含み得る。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態による、膨張構成にあるバルーンカテーテル24の概略斜視図であり、
図3は、肺静脈中に配置されたバルーンカテーテルの概略図である。
図3に示すように、バルーンカテーテル24を使用して、肺静脈13などのルーメンの小孔11をアブレーションする開示された実施形態では、バルーンカテーテル24は、近位シャフト部分82及び遠位シャフト端88を有する中空シャフト70によって支持されている。シャフト70は、中空の中心管74を含み、これにより、支持カテーテルは、中心管を通って遠位シャフト端88を通過することができる。支持カテーテルは、図示するように、局所線状カテーテル又はラッソカテーテル72であってもよい。ラッソカテーテル72は、小孔をアブレーションする前にバルーンカテーテル24を小孔に対して正しく位置付けるために、肺静脈(pulmonary vein、PV)内へ挿入することができる。カテーテル72の遠位のラッソ部分は、典型的には、ニチノールなどの形状記憶保持材料によって形成されている。
【0038】
バルーンカテーテル24はまた、心臓のPV又は他の場所で、線状又は局所カテーテル99(
図2の破線で示す)によっても支持され得ることを理解されたい。局所カテーテル99は、その遠位先端に力センサを備えることができる。好適な力送信型遠位先端が、2013年1月22日にGovariらに発行された発明の名称「CATHETER WITH PRESSURE SENSING」の米国特許第8,357,152号、及び2009年11月30日に出願されたBeecklerらに対する発明の名称「CATHETER WITH PRESSURE MEASURING TIP」の米国特許出願公開第2011/0130648号に開示されており、これらの両方の全体の内容が参照により本明細書に組み込まれる。バルーンカテーテルと共に使用される任意のカテーテルは、例えば、圧力検知、アブレーション、診断、例えば、ナビゲーション及びペーシングを含む機構及び機能を有することができる。
【0039】
バルーンカテーテル24の膨張可能なバルーン80は、例えばポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリウレタン、又はPEBAX(登録商標)などのプラスチックから形成された生体適合性材料からなる外壁又は膜26を有する。シャフト70及び遠位シャフト端88は、バルーン80の長手方向軸線78を画定する。バルーン80は、プローブ20のルーメン23を介して、潰れた非膨張形態で配置され、遠位端22から出た後で膨張することができる。バルーン80は、シャフト70を通る生理食塩水溶液などの流体の注入及び圧出によって膨張及び収縮することができる。バルーン80の膜26は、灌注孔又は灌注口27(
図5に示す)を備えて形成され、流体は、小孔における組織アブレーション部位を冷却するために、灌注孔又は灌注口27を通ってバルーン80の内側からバルーンの外へ出ることができる。
図3は、ジェットストリームとしてバルーン80から出て行く流体を示しているが、流体は、流体がバルーンの外へ滲出する速度を含む任意の所望の流速及び/又は圧力でバルーンから出ることができることを理解されたい。
【0040】
膜26は、多層の可撓性回路電極アセンブリ84として構成される組み合わされた電極及び感温部材を支持及び担持する。「フレックス回路電極アセンブリ」84は多くの様々な幾何学形体を有することができる。図示された実施形態では、フレックス回路電極アセンブリ84は複数の放射状リーフ又はストリップ30を有する。
【0041】
図4は、本発明の一実施形態による、複数のリーフ30の概略図である。リーフ30は、遠位端88及びバルーン80の周りに均一に分配されている。それぞれのリーフは、より狭い遠位部分に対して徐々に先細りするより広い近位部分を有する。
図4は、例として10個の放射状に広がるリーフ30を示しているが、本発明の実施形態は10枚より多い又は少ないリーフを有してもよいことが理解されよう。下記の一実施形態では、12個のリーフ30が存在する。
【0042】
図2及び
図4を参照すると、各リーフ30は、近位テール部31P及び遠位テール部31Dを有する。近位テール部31Pは、シャフト70の近位シャフト部分82上に装着された近位リング28Pによってカテーテル24の下に押し込まれ、固定されている。遠位テール部31Dは、(図示しない)遠位リング部によって、カテーテル24の下に押し込まれ、固定されている。テール部31D及び31Pの組のいずれか一方又は両方は、遠位キャップ28D等のそれぞれの半球状キャップによって更に覆われてもよい。それぞれのリーフ上の1つ又は2つ以上のコンタクト電極33は、アブレーション処置中に小孔11によりガルバニック収縮(galvanic contract)をきたし、
図3に示すように、アブレーション処置中に、電流は、コンタクト電極33から小孔11に流れる。本明細書の説明では、必要に応じて、電極33A、33B...が存在するように識別用の数字に文字を付けることにより電極33は差別化される。
【0043】
図5は、本発明の一実施形態による、バルーンカテーテルから部分的に引き上げられた可撓性回路アセンブリの概略斜視図である。簡潔化のために、フレックス回路電極アセンブリ84は、
図5に示すように、リーフ30のうちの1つに関して説明されているが、以下の説明は、アセンブリの各リーフに適用し得ることを理解されたい。フレックス回路電極アセンブリ84は、例えば、ポリイミドなどの好適な生体適合性材料で構成された、可撓性があり弾力的なシート状の基板34を含む。いくつかの実施形態では、シート状の基板34は、バルーンの膜26の耐熱性と比較してより大きい耐熱性(又はより高い融解温度)を有する。いくつかの実施形態では、基板34は、バルーンの膜26の融解温度より約100℃以上高い分解温度を有する熱硬化性材料から構成されている。
【0044】
基板34は、バルーン部材26の灌注口35と整列する1つ若しくは2つ以上の灌注孔又は灌注口35が形成され、灌注口35を通過する流体を、小孔のアブレーション部位に渡すことができる。
【0045】
基板34は、バルーンの膜26から離れる方向に対向する第1のすなわち外側表面36と、バルーンの膜26と対向する第2のすなわち内側表面37と、を有する。その外側表面36上で、基板34は、小孔と接触している組織に適合したコンタクト電極33を支持及び担持する。その内側表面37上で、基板34は、配線電極38を支持及び担持する。コンタクト電極33は、アブレーション中、電源54によって供給されるRFエネルギーを小孔に送達し、また、小孔の温度検知のための熱電対接合部(下記でより詳細に説明する)に接続している。図示された実施形態において、コンタクト電極33は、長手方向細長部分40と、概ね等間隔に配置された、拡大近位端42Pと遠位端42Dとの間の細長部分40のそれぞれの横側から概ね垂直に延在する、複数の横断する細い線状部分、すなわち、フィンガー部41を有する。細長部分40は、より大きい幅を有し、フィンガー部のそれぞれは、概ね均一なより小さい幅を有する。したがって、コンタクト電極33の形体又はトレースは、「魚の骨形」に類似している。
【0046】
1つ又は2つ以上の排除ゾーン47がコンタクト電極33内に形成され、それぞれは、基板26において形成された灌注口27を取り囲んでいる。排除ゾーン47は、以下に更に詳細に説明されるように、これらの場所でこれらの機能において灌注口27を収容する際に、電極アセンブリ84の構成中、コンタクト電極33に損傷を与えることを避けるために、コンタクト電極33内に意図的に形成された空隙である。
【0047】
基板34中の貫通孔を通って延在する導電性形成物又は金属製形成物であり、また外側表面36上のコンタクト電極33と内側表面37上の配線電極38とを接続する電線用導管として構成された、1つ又は2つ以上の導電性ブラインドビア48もコンタクト電極33中に形成される。「導電性の」は、本明細書において、全ての関連する事例において、「金属製の」と互換的に使用されることを理解されたい。
【0048】
例えば、はんだ溶接部63によって、電極38の活性はんだパッド部分61Aに、対線、例えば、コンスタンタン線51及び銅線53が取り付けられる。銅線53は、配線電極33へリード線を提供し、銅線53及びコンスタンタン線51は、その接合部がはんだ溶接部63にある熱電対を提供するため、本明細書で溶接部63は熱電対接合部63とも称される。接合部63は温度センサとしての役割を果たし、また本明細書ではセンサ63とも称されるが、必要に応じてセンサ63A、63B...が存在するように識別用の数字に文字を付けることによりセンサは差別化される。したがって、各電極33A、33B、...に対して、それぞれの温度センサ63A、63B、...が存在する。
【0049】
対線51/53は、膜26に形成された貫通孔29を通過する。貫通孔29が存在しない他の実施形態において、対線51/53が近位リング28により近接する中空シャフト70の側壁に形成された(図示しない)他の貫通孔を介して中空シャフトに入るまで、対線51/53は、膜26と基板34との間、更に近位には膜26と近位テール部31Pとの間を通過することができることを理解されたい。
【0050】
リーフ30並びにテール部31P及び31Dを含むフレックス回路電極アセンブリ84は、バルーンの膜26に固着され、基板34の外側表面36は、露出され、基板34の内側表面37は、バルーンの膜26に固着され、配線電極38及び対線51/53は、基板34とバルーンの膜26との間に挟まれている。
【0051】
第1の実施形態
図6は、本発明の第1の実施形態による、装置12のブロック図である。
図6では、プロセッサ46、温度モジュール52、電源54、スイッチ57、及びカテーテル24が矩形のブロックとして図示されており、ブロック図は、装置12の異なる素子間の検知信号、制御信号、及び電源接続を更に図示している。スイッチ57は、複数のサブスイッチ59A、...、59D、...、59Nを含み、これらは集合的にサブスイッチ59と称される。カテーテル24は、それぞれセンサ63A、...、63D、...63Nに取り付けられ、またサブスイッチ59A、...、59D、...、59Nを介して電源から電力を受信するように接続された、電極33A、...、33D、...33Nを含む。
図6に示す装置12の第1の実施形態では、全てのサブスイッチ59が常時閉じているため、起動時には、電源54は全ての電極33に同時に電力を供給する。
【0052】
これにより、装置12の動作時には、また更に
図1を参照すると、温度モジュール52は、各電極33の各センサ63からの検知信号を受信し、これらの信号を用いて、各電極に接触している組織表面の温度である組織温度を求める。温度モジュールは、本明細書では33ms毎と想定される一定の速度で組織温度を計算するように構成されているが、他の実施形態は、より高い又はより低い速度で組織温度を計算してもよい。温度モジュールは、各電極33に関して算出された組織温度値をプロセッサ46に渡し、次にプロセッサ46が制御信号を電源54に渡す。
【0053】
電源54は、それぞれのサブスイッチ59を介して、RF電力を個別にかつ単独でバルーンカテーテル24の各電極33に供給する。一部の実施形態では、RF電力は銅線53を介して提供される。あるいは又は更に、RF電力は別の導体によってそれぞれの各電極33に提供してもよい。各電極の電力は1W~100Wの範囲で供給することができ、電力は全ての電極33に同時に提供することができる。このように、12個の電極33を含む本発明の実施形態では、モジュール54は、1.2kWのカテーテルへの全体的な電力入力のために、各電極に100Wを供給することができる。
【0054】
これらの高電力を供給するために、電極33に至る導線及び基板34は、電極からのアーク放電を一切回避するのに十分な絶縁を提供することができることが理解されよう。
【0055】
本発明の実施形態では、電源は、70W~100Wの範囲内に設定可能な、各電極33に対する最大のRF電力を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、モジュールは、各電極33に最大とは異なる範囲で更なるRF電力を提供するように構成してもよい。一実施形態では、更なる電力範囲は20W~60Wであり、更なる電力は、典型的には最大電力の後に提供される。最大RF電力及び更なるRF電力は、本明細書では第1の電力及び第2の電力とも称される。
【0056】
電源は、各電極33のインピーダンスも測定する。インピーダンスは、本明細書では500ms毎と仮定される既定の速度で測定されるが、他の実施形態は、より低い又はより高い速度でインピーダンスを測定してもよい。
【0057】
各電極33に関して、電極の最大電力及び電力が送達される期間は専門家14によって選択される。専門家は更に、70W未満の電力値、及びこの低減された電力を送達するための対応する期間を選択することもできる。後述するように、任意の所与の電極によって送達される実電力は、この電極用の温度モジュール52から受信した組織温度により決定される。
【0058】
一般的に、アブレーションセッションの間、所与の電極33に提示されるインピーダンスは低下する。本発明の実施形態はまた、各電極に提示されるインピーダンスが、前のインピーダンス測定値から、本明細書では7Ωと仮定される事前設定値を超えて増加しているかを確認することもできるが、他の実施形態は、事前設定値よりも大きな又はより小さなインピーダンス値を用いてもよい。一般に、インピーダンスの増加は、炭化又はスチームポップのようなアブレーションされる組織に望ましくない変化が存在する場合に生じる。任意の所与の電極33に関して、インピーダンスが事前設定値を超えて増加すると、電源は、所与の電極へのRF送達を停止するように構成されている。
【0059】
専門家によって選択され電力に関わらず、電源は、温度モジュールから受信した所与の電極のための組織温度が既定の温度閾値に達するかまはたそれを超えると、所与の電極によって送達される電力を、典型的には約5%から約95%の間で減少させるように構成されている。既定の温度閾値は専門家14によって設定される最大許容温度であり、以下の説明では、既定の温度閾値は最大許容温度とも称される。
【0060】
一実施形態では、当初90Wに設定されていた所与の電極に対する電力は、センサ63からの測定値とは無関係に、4秒後に50Wまで低減される。本発明の一実施形態では、全ての電極の最大許容温度は、60℃~65℃の範囲内に設定してもよい。一般的には、最大許容温度を超えると、アブレーションされる組織中で、炭化、電極33上の凝固、及び/又はスチームポップのような望ましくない影響が生じる。
【0061】
灌注モジュール58(
図1)は、バルーンカテーテル24に灌注流体が送達される速度を調節する。本発明の実施形態では、これは5~60mL/分の範囲で設定されてもよい。
【0062】
図7は、装置12の第1の実施形態の動作で実施されるアルゴリズムの工程のフローチャートである。フローチャートの工程は、
図6のブロック図を適用する、すなわち、全てのサブスイッチ59が常に閉じており、そのため電源が全ての電極33に同時に電力を供給することを想定している。
【0063】
範囲設定工程200では、上記で参照された各変数パラメータの範囲を設定する。これらの範囲は、各電極33で個別に設定してもよい。一実施形態では、これは一般的に全ての電極で同じであるが、これは必ずしも当てはまるものではなく、他の実施形態では範囲は様々な電極で異なる。
【0064】
一実施形態では、範囲は表Iに示すとおりに設定する。一般には、電力に関して、通常は専門家14である装置12のオペレータは第1の電力のみを設定し、一方、第2の電力はプロセッサ46によって自動的に事前設定される。
【0065】
【0066】
専門家14がアブレーションを行う前に、範囲設定工程200が実施される。
【0067】
アブレーションセッションの開始時、プローブ導入工程202で、専門家14は、装置12に組み込まれた追跡システムを用いて、心筋16の所望の位置にバルーンカテーテル24を挿入する。
【0068】
アブレーション処置を実施する前の値選択工程204で、専門家14は、処置に用いるための表Iに記載されたパラメータの値を選択し、制御装置49を用いてシステムに値を提供する。あるいは、専門家は、一般的には値を含む「レシピ」をこうしたレシピの群から選択することによって、表Iに記載されたパラメータの値の所定のセットを選択する。選択される値は、一般には、処置によって形成することを所望される損傷の深さに依存する。本発明者らは、深さ1~3mmの損傷の場合、表IIに与えられたパラメータの値が良好な結果をもたらすことを見出した。本発明者らは、深さ4~5mmの損傷の場合、表IIIに与えられたパラメータの値が良好な結果をもたらすことを見出した。
【0069】
工程204で専門家14によって下される選択は、各電極33に対して独立したものであることが理解されよう。したがって、12個の電極33の場合は12組のパラメータが選択される。全ての電極33に対して選択は同じであってよいが、これは必須ではない。例えば、専門家は、一部の電極に対しては表IIに従って、他の電極に対しては表IIIに従ってパラメータを選択することができる。
【0070】
更に、各電極33の選択されたパラメータは、一般的には全ての電極に同時に印加されるが、これもまた必須ではない。したがって、パラメータは、少なくとも部分的に連続的かつ/又は千鳥状に提供することができ、例えば、1つの電極に対してアブレーションを開始した2秒後に、隣接する電極に対してアブレーションを開始することができる。
【0071】
【0072】
【0073】
当業者は、他の深さの損傷に関して、必要以上の実験を行うことなく、表Iによって与えられた範囲内のパラメータの必要な値を決定することができる。
【0074】
開始のRF送達工程206では、電極33のアブレーションを実施するために専門家14が工程204で選択されたパラメータ値を用いて装置12を操作する。一般的には、アブレーション中に、画面62は表Iに記載されたパラメータの値を専門家に向けて表示する。画面62は更に、当該技術分野で既知の方法によって、個々の電極へのRF送達の進行状況を専門家に表示するように構成されてもよい。進行状況の表示は、アブレーションによって生成されるとおりのそれぞれの損傷の寸法のシミュレーションなど図形によるもの、及び/又は英数字からなるものであってよい。
【0075】
フローチャートに示すように、RF送達手順の間、判定工程208、210、及び214によって、プロセッサ46は温度モジュール及び電源を用いて手順の進行状況に対するいくつかのチェックを実施する。
【0076】
プロセッサ46は、所与の電極33のそれぞれに対して、独立してかつ個別に、アルゴリズムの工程208~222を動作させ、所与の電極のインピーダンス、及び電極のセンサ63によって提供された組織温度を測定する。明瞭にするため、以下の説明では、全ての電極のアブレーションは同時に実施されるものとして仮定され、この場合、プロセッサは全ての異なる電極に対して工程206~222を同時に実施する。当業者は、非同時のアブレーションの場合に対して、この説明に必要な変更を加えて適合させることが可能であろう。
【0077】
工程208では、プロセッサ46は、電源54を用いて、所与の電極33のインピーダンスが事前設定されたインピーダンス値を超えて増加したか否かをチェックする。それが事前設定されたインピーダンス値を超えて増加していれば、システムは終了工程216で所与の電極の手順を中止する。工程208が否定の値を返すと、アルゴリズムの制御は判定工程210に続く。
【0078】
工程210では、プロセッサは、温度モジュール52を用いて、電極のセンサ63によって測定される所与の電極に関する測定組織温度が、既定の温度閾値、すなわち工程204で選択された最大許容温度を超えるか又はそれに達するかをチェックする。判定工程210が肯定の値を返すと、電源は、低減工程218で、所与の電極への電力を低減させる。
【0079】
工程218の電力低減は、以下のいくつかのパラメータの関数である。
最大許容温度T(工程204で設定)と時間tの測定温度Ttとの温度差、
連続した温度測定値、すなわちTt-1-Tt間で測定された温度の変化、
目標電力P(フローチャートが第1の期間で可動している場合、Pは第1の目標電力であり、フローチャートが第2の期間で可動している場合、Pは第2の目標電力である)、及び
時間tで測定される電力Pt。
【0080】
1つの実施形態では、以下の式が電力低減のために適用される。
【0081】
【数1】
式中、ΔP(T)は温度の関数としての電力の分数変化であり、a及びbは定数である。開示される実施形態では、a=10、b=1である。
【0082】
【数2】
式中、ΔP(p)は、電力の関数としての電力の分数変化である。
【0083】
【数3】
式中、min(ΔP(T),ΔP(p))は、ΔP(T)及びΔP(p)の最小であり、ΔPは、工程218で適用された電力の分数変化である。
【0084】
典型的には、測定された温度が既定の温度閾値未満になるまで、判定工程210により電力低減工程218が繰り返し実施される。
【0085】
工程210が否定の値を返すと、制御は判定工程214に続く。
【0086】
判定工程214では、プロセッサ46は、工程204で設定された所与の電極によるアブレーションの時間に達したかどうかをチェックする。もし達していれば、フローチャートは終了する。時間に達していなければ、制御は、継続するアブレーション工程222にパスし、プロセッサは、所与の電極によるアブレーションを継続し、判定工程208、210、及び214に戻る。判定工程208、210、及び214は、平易さ及び明瞭さのために、フローチャート内に連続的に提示されている。しかしながら、典型的に、システムは電源を用いて工程を並列で実行する。
【0087】
第2の実施形態
図8は、本発明の第2の実施形態による、装置12のブロック図である。下記の差異を除いて、第2の実施形態のブロック図は、第1の実施形態(
図6)のそれと概して類似しており、両方のブロック図で同じ参照数値によって示される要素は共通である。第1の実施形態とは対照的に、
図6によって示される装置12の第2の実施形態では、全てのサブスイッチ59は常に閉じられてはいない。むしろ、下記でより詳細に説明するように、装置12が任意の時点で動作している間、いくつかのサブスイッチ59は開き、いくつかは閉じられている。
図8は、一例として、サブスイッチ59A及び59Nが開いており、サブスイッチ59Dが閉じられていることを図示する。
【0088】
図9は、装置12の第2の実施形態の動作で実施されるアルゴリズムの工程のフローチャートである。
【0089】
電源54が全ての電極33に同時にアブレーション電力を供給することができる上記の第1の実施形態とは対照的に、本明細書で後述する第2の実施形態では、電源の最大電力定格のために、電源モジュールはサブセット(すなわち、より少ない数の電極33)に同時にアブレーション電力を供給することができるようにのみ制限される。
【0090】
初期工程250では、専門家14は、装置12に組み込まれた追跡システムを用いて、心筋16内の所望の場所にバルーンカテーテル24を挿入する。
【0091】
割当工程254では、専門家は、各電極33に個別にアブレーションパラメータ、すなわち各電極によって送達される電力、及び送達のための期間を割り当てる。いくつかの場合では、これらは各電極33に対して同じであってもよいが(例えば各電極33に対して90Wを4秒間)、これは必須ではない。例えば、電極33Aには80Wを3秒間割り当ててもよく、電極33Bには60Wを4秒間割り当ててもよく、電極33Cには70Wを3秒間割り当ててもよく、などである。
【0092】
いくつかの実施形態では、割当は、アブレーションされる組織に対するカテーテル24の位置付け(工程250で実施される)によって決定されてもよい。例えば、バルーンカテーテル24が肺静脈13の小孔11に接触するように位置付けられている場合(
図3)、それぞれの電極33に接触している小孔区分の測定又は想定される厚さに従って電力と時間を設定してもよい。
【0093】
各電極に個別にアブレーションパラメータを割り当てることに加えて、工程254ではセンサ63によって測定された温度に対する既定の温度閾値が割り当てられる。既定の温度閾値は、専門家14によって割り当てられてもよく、あるいは装置12のために事前設定されていてもよい。温度閾値とは、第1の実施形態に関して上述したように、所与の電極33に対する最大許容温度である。これも上述したように、組織の温度が温度閾値よりも高くなると、組織は望ましくない影響を受ける場合がある。
【0094】
初期アブレーション工程258では、専門家は装置12を始動してアブレーションを開始する。始動時に、プロセッサ46は電極33を、アブレーションに用いられる、本明細書で活性電極33と称する第1の群と、アブレーションに用いられない、本明細書で休止電極33と称する第2の群との2つの群に分ける。プロセッサ46は、サブスイッチ59を閉じたり開いたりすることにより、選択を行うことができる。したがって、サブスイッチ59の第1の組を閉じることにより活性電極33が選択され、その結果、これらの電極のための電源54から電極に至る導線が生じる。サブスイッチ59の第2の組を開くことにより黙従的(Acquiescent)電極33が選択され、その結果、これらの電極のための電源54から電極に至る導線は生じない。プロセッサは、活性電極レジスタ内の活性電極33の識別情報、及び休止電極レジスタ内の休止電極33の識別情報を記憶する。
【0095】
プロセッサ46は、工程254で割り当てられたアブレーションパラメータに従って決定された活性群に送達することが必要な総電力が電力モジュール54の最大電力定格を超えないように、電極を2つの群に分割する。例えば、それぞれ工程254で50Wを送達するように割り当てられた12個の電極33が存在し、モジュール54が500Wの最大電力定格を有する場合、プロセッサは、最大5つの電極を活性群になるように割り当て、この場合は7つ又はそれ以上となる残部は休止群になるように割り当てることができる。典型的には、プロセッサ46は、電力モジュール54の最大電力定格を超えないという制約と一致する可能な限り多くの電極33を有するように活性群を割り当てる。いくつかの実施形態では、割当は、最初にランダムに行ってもよい。あるいは、専門家14が、例えば、活性群に割り当てる電極33の優先順位をプロセッサに提供することによって、どのように非ランダムな割当を行うかをプロセッサに指示してもよい。
【0096】
継続工程262では、工程254で設定した電力レベルに従って、モジュールが活性群の電極33のそれぞれ、すなわち、それぞれのサブスイッチ59が閉じた電極のそれぞれに電力を供給するように、プロセッサ46が電源54を起動してアブレーションを開始する。
【0097】
第1の判定工程264では、プロセッサ46は、所与の活性電極33がその割り当てられたアブレーションを完了したかどうかをチェックする。例えば、割当工程254で、所与の電極を50Wの電力で4秒間アブレーションするように割り当てた場合、プロセッサは、所与の電極が50Wの電力を放散する合計時間が4秒と等しいかどうかをチェックする。第1の判定が否定を返した場合、プロセッサは、温度判定工程268に進み、ここでプロセッサが適切なセンサ63を用いて所与の活性電極の温度が工程254で設定された温度閾値を超えているか否かをチェックする。閾値が超えられていない、すなわち温度条件が否定を返した場合、制御は第1の判定工程264に戻る。
【0098】
したがって、第1の判定工程264及び温度判定工程268の両方が否定を返すと、プロセッサはこれらの判定を繰り返してループし、所与の活性電極がその割り当てられたアブレーションを完了したかどうか、またそのセンサによって測定されたその温度が温度閾値を超えたかどうかを継続してチェックする。
【0099】
プロセッサ46は、上記の繰り返しループを全ての活性電極に対して同時に実施する。繰り返しループは、フローチャートの戻り線270に従う。
【0100】
下記でより詳細に説明するように、任意の所与の活性電極に対して、繰り返しは、第1の判定工程264又は温度判定工程268のいずれかが肯定を返した場合に停止する。
【0101】
温度判定工程268が肯定を返した場合、すなわちチェックされている活性電極33のセンサ63が、閾値温度が超えたことを示す場合、制御はスイッチトグリング工程272に移行する。これにより、判定268が肯定を返した場合、チェックされている活性電極の繰り返しループは切られる。
【0102】
スイッチトグリング工程272で、プロセッサ46は以下の動作を行う。
工程272に移行する前にチェックされた活性電極への電力は、プロセッサがスイッチ57中で活性電極を供給するサブスイッチ59を閉状態から開状態にトグル式に切り替えることにより終了される。
休止電極レジスタ内の電極識別情報を使用して、プロセッサは、活性電極に転換される休止電極を選択する。選択は、新たな活性電極が動作しているときは電力モジュール54の最大電力定格を超えないという制約に一致する。
選択された休止電極は、プロセッサがスイッチ57中で選択された電極を供給するサブスイッチ59を開状態から閉状態にトグリングすることによって活性電極となるように、電源を投入される。
プロセッサは、それに応じて活性電極レジスタ及び休止電極レジスタを更新する。すなわち、判定工程268でチェックされた電極の識別情報が活性電極レジスタから休止電極レジスタに転送され、スイッチトグリング工程で選択された休止電極の識別情報が休止電極レジスタから活性電極レジスタに転送される。
【0103】
一旦プロセッサが上記の工程272でこの動作を実行すると、制御は判定工程264に戻り、その結果、判定工程264、268、及び線270の繰り返しループが再開する。
【0104】
上述したように、繰り返しループは、判定工程264が肯定を返した場合に終了することもできる。この場合、チェック対象の電極はそのアブレーションを完了しており、制御は完了した電極工程276を継続して記録する。工程276で、プロセッサは、判定工程264でチェックされた電極の識別情報を活性電極レジスタから完了したアブレーションレジスタに転送する。
【0105】
フローチャートは判定工程280に続き、ここでプロセッサは、全ての電極がそのアブレーションを完了したかどうかをチェックする。工程280が否定を返す、すなわち、その割り当てられたアブレーションを完了していない少なくとも1つの電極が存在する場合、制御は上述のスイッチトグリング工程272を継続し、ここでは状態264でチェックされた活性電極はスイッチをオフにされ、利用可能な休止電極はスイッチをオンにされる。
【0106】
工程280が肯定を返す、すなわち全ての電極がそのアブレーションを終了した場合、最後の稼働電極である、判定工程264でチェックされた活性電極は最終フローチャート肯定284でスイッチをオフにされ、フローチャートは終了する。
【0107】
上記の説明は、それぞれのアブレーションのために複数の電極33を提供するのにバルーンカテーテルが用いられているが、本発明の実施形態がバルーンカテーテルに限定されないことは理解されよう。このように、本発明の実施形態は、それぞれのアブレーションのために用いられる複数の電極を備えたバスケットカテーテル、ラッソカテーテル、及びフォーカルカテーテルなどの他のカテーテルを含む。
【0108】
したがって、上記に述べた実施形態は、例として引用したものであり、また本発明は、上記に詳細に示し説明したものに限定されないことが認識されよう。むしろ、本発明の範囲は、本明細書の上文に記載された様々な特徴の組み合わせ及び部分組み合わせの両方、並びに前述の説明を一読すると、当業者が想起すると思われる、先行技術に開示されていないそれらの変形及び改変を含む。
【0109】
〔実施の態様〕
(1) 人体の臓器に挿入されるように構成されたカテーテルと、
前記カテーテル上に配置された複数の電極であって、高周波(RF)アブレーションエネルギーを前記臓器の組織に伝達するように構成されている、複数の電極と、
前記複数の電極の各々に前記RFアブレーションエネルギーを最大100Wのレベルで同時に供給して、前記電極に接触している前記臓器の前記組織のそれぞれの区分をアブレーションするように構成された電源と、を備える、装置。
(2) 前記複数の電極は、最大12個の電極を含み、前記電源は、最大1.2kWの高周波電力を提供するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記複数の電極のうちの1つのそれぞれの温度を測定するように各々結合された複数の温度センサを備え、前記電源は、前記組織の区分のうちの1つに接触している前記複数の電極のうちの前記1つの前記それぞれの温度が選択された最大温度を超えると、前記複数の電極のうちの前記1つに供給される前記RFアブレーションエネルギーの電力の前記レベルを低下させるように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記電源に結合されており、前記複数の電極の各々に関して前記RFアブレーションエネルギーに対するそれぞれのインピーダンスを同時に測定し、かつ、前記組織の区分のうちの1つに接触している前記複数の電極のうちの1つに対する前記インピーダンスの変化が事前設定値を超えると、前記電源から前記複数の電極のうちの前記1つへの前記RFアブレーションエネルギーの供給を停止するように構成されたプロセッサを備える、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記カテーテルはバルーンカテーテルを含む、実施態様1に記載の装置。
【0110】
(6) 前記カテーテルはバスケットカテーテルを含む、実施態様1に記載の装置。
(7) 人体の臓器に挿入されるように構成されたカテーテルと、
前記カテーテル上に配置された第1の電極及び第2の電極であって、高周波(RF)アブレーションエネルギーを前記臓器の組織に伝達するように構成されている、第1の電極及び第2の電極と、
前記第1の電極の第1の温度を測定するように結合された第1の温度センサと、
前記第2の電極の第2の温度を測定するように結合された第2の温度センサと、
前記RFアブレーションエネルギーを提供するように構成された電源と、
前記電源に接続され、前記RFアブレーションエネルギーを前記第1及び第2の電極のうちの一方に向けるように構成されたスイッチと、
前記電源が前記スイッチを介して前記第1の電極に前記RFアブレーションエネルギーを提供する間に、前記第1及び第2の温度を監視し、前記監視された温度に応答して、前記RFアブレーションエネルギーを前記第1及び第2の電極のうちの一方に向けるように前記スイッチをトグル式に切り替えるように構成されたプロセッサと、を備える、装置。
(8) 前記プロセッサは、前記第1の温度が既定のアブレーション温度閾値を超えており、一方で、前記第2の温度が前記アブレーション温度閾値を超えていないことを検知すると、前記RFアブレーションエネルギーを前記第2の電極に向けるように前記スイッチをトグル式に切り替えるように構成されている、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記プロセッサは、前記第1の電極を介した第1のアブレーションの時間と、前記第2の電極を介した第2のアブレーションの時間とを監視し、前記監視された時間に応答して、前記RFアブレーションエネルギーを前記第1及び第2の電極のうちの一方に向けるように前記スイッチをトグル式に切り替えるように構成されている、実施態様7に記載の装置。
(10) 前記プロセッサは、前記第1のアブレーションの時間が、前記第1の電極の事前設定された第1のアブレーションの時間以上であり、一方で、前記第2のアブレーションの時間が、前記第2の電極の事前設定された第2のアブレーションの時間未満であると検知すると、前記RFアブレーションエネルギーを前記第2の電極に向けるように前記スイッチをトグル式に切り替えるように構成されている、実施態様9に記載の装置。
【0111】
(11) 前記第1の電極は第1の電力レベルで前記RFアブレーションエネルギーを伝達するように構成され、前記第2の電極は第2の電力レベルで前記RFアブレーションエネルギーを伝達するように構成され、前記電源は前記第1及び第2の電力レベルの最大値以下のレベルで電力を前記電極に供給するように構成されている、実施態様7に記載の装置。
(12) 前記カテーテルはバルーンカテーテルを含む、実施態様7に記載の装置。
(13) 前記カテーテルはバスケットカテーテルを含む、実施態様7に記載の装置。
(14) カテーテルを人体の臓器に挿入することと、
前記カテーテル上に、高周波(RF)アブレーションエネルギーを前記臓器の組織に伝達するように構成された複数の電極を配置することと、
電源を用いて前記複数の電極の各々に前記RFアブレーションエネルギーを最大100Wのレベルで同時に供給して、前記電極に接触している前記臓器の前記組織のそれぞれの区分をアブレーションすることと、を含む、方法。
(15) 前記複数の電極は、最大12個の電極を含み、前記電源は、最大1.2kWの高周波電力を提供するように構成されている、実施態様14に記載の方法。
【0112】
(16) 前記複数の電極のうちの1つのそれぞれの温度を測定するように複数の温度センサを結合することと、前記組織の区分のうちの1つに接触している前記複数の電極のうちの前記1つの前記それぞれの温度が選択された最大温度を超えると、前記複数の電極のうちの前記1つに供給される前記RFアブレーションエネルギーの電力の前記レベルを低下させるように前記電源を構成することと、を含む、実施態様14に記載の方法。
(17) 前記複数の電極の各々に関して前記RFアブレーションエネルギーに対するそれぞれのインピーダンスを同時に測定することと、前記組織の区分のうちの1つに接触している前記複数の電極のうちの1つに対する前記インピーダンスの変化が事前設定値を超えると、前記電源から前記複数の電極のうちの前記1つへの前記RFアブレーションエネルギーの供給を停止することと、を含む、実施態様14に記載の方法。
(18) 前記カテーテルはバルーンカテーテルを含む、実施態様14に記載の方法。
(19) 前記カテーテルはバスケットカテーテルを含む、実施態様14に記載の方法。
(20) カテーテルを人体の臓器に挿入することと、
前記カテーテル上に、高周波(RF)アブレーションエネルギーを前記臓器の組織に伝達するように構成された第1の電極及び第2の電極を配置することと、
第1の温度センサを前記第1の電極の第1の温度を測定するように結合することと、
第2の温度センサを前記第2の電極の第2の温度を測定するように結合することと、
前記RFアブレーションエネルギーを提供するように電源を構成することと、
スイッチを前記電源に接続して、前記RFアブレーションエネルギーを前記第1及び第2の電極のうちの一方に向けるように前記スイッチを構成することと、
前記電源が前記スイッチを介して前記第1の電極に前記RFアブレーションエネルギーを提供する間に、前記第1及び第2の温度を監視し、前記監視された温度に応答して、前記RFアブレーションエネルギーを前記第1及び第2の電極のうちの一方に向けるように前記スイッチをトグル式に切り替えることと、を含む、方法。
【0113】
(21) 前記第1の温度が既定のアブレーション温度閾値を超えており、一方で、前記第2の温度が前記アブレーション温度閾値を超えていないことを検知すると、前記RFアブレーションエネルギーを前記第2の電極に向けるように前記スイッチをトグル式に切り替えることを含む、実施態様20に記載の方法。
(22) 前記第1の電極を介した第1のアブレーションの時間と、前記第2の電極を介した第2のアブレーションの時間とを監視することと、前記監視された時間に応答して、前記RFアブレーションエネルギーを前記第1及び第2の電極のうちの一方に向けるように前記スイッチをトグル式に切り替えることと、を含む、実施態様20に記載の方法。
(23) 前記第1のアブレーションの時間が、前記第1の電極の事前設定された第1のアブレーションの時間以上であり、一方で、前記第2のアブレーションの時間が、前記第2の電極の事前設定された第2のアブレーションの時間未満であることを検知すると、前記RFアブレーションエネルギーを前記第2の電極に向けるように前記スイッチをトグル式に切り替えることを含む、実施態様22に記載の方法。
(24) 前記第1の電極は第1の電力レベルで前記RFアブレーションエネルギーを伝達するように構成され、前記第2の電極は第2の電力レベルで前記RFアブレーションエネルギーを伝達するように構成され、前記電源は前記第1及び第2の電力レベルの最大値以下のレベルで電力を前記電極に供給するように構成されている、実施態様20に記載の方法。
(25) 前記カテーテルはバルーンカテーテルを含む、実施態様20に記載の方法。
【0114】
(26) 前記カテーテルはバスケットカテーテルを含む、実施態様20に記載の方法。