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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】低温喫煙具
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20231204BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20231204BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20231204BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
A24F40/46
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022509140
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-18
(86)【国際出願番号】 CN2020109011
(87)【国際公開番号】W WO2021027899
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】201910754223.X
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】廖▲ヤン▼程
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209202161(CN,U)
【文献】中国実用新案第208957014(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00~47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(1)、加熱モジュール(2)及び駆動機構(3)を含み、前記本体(1)は、タバコ体(6)が挿設される収容室(132)を含み、前記加熱モジュール(2)は、前記タバコ体(6)に挿接される挿接部(211)を含み、前記駆動機構(3)は前記加熱モジュール(2)に接続され、
前記加熱モジュール(2)は、前記本体(1)内に装着されるとともに、前記駆動機構(3)の駆動によって、前記タバコ体(6)の軸方向に沿って、前記タバコ体(6)に挿接される第1の位置と、前記タバコ体(6)から離脱する第2の位置の間で往復直線移動が可能であり、
前記本体(1)は、ハウジングと、前記ハウジング内に装着される押管(13)を含み、前記押管(13)の内孔が前記収容室(132)を形成し、
前記押管(13)の軸方向の一端には、前記タバコ体(6)を挿入するための第1挿入口(131)が設けられており、他端には底壁(133)が形成されており、前記底壁(133)には、前記挿接部(211)を挿入するための第2挿入口(1331)が開設されており、
前記駆動機構(3)は、前記ハウジング内に装着されるモータ(31)を含み、前記モータ(31)は前記加熱モジュール(2)に接続されて、前記加熱モジュール(2)を前記第1の位置と前記第2の位置の間で往復直線移動させ、
前記加熱モジュール(2)が前記第1の位置にある場合、前記挿接部(211)は前記収容室(132)に完全に伸入し、前記加熱モジュール(2)が前記第2の位置にある場合、前記挿接部(211)は少なくとも部分的に前記収容室(132)から退出することを特徴とする低温喫煙具であって、
前記駆動機構(3)は、更に、前記加熱モジュール(2)が装着される装着ベース(33)を含み、
前記装着ベース(33)は前記モータ(31)及び前記加熱モジュール(2)にそれぞれ接続されて、前記加熱モジュール(2)を前記タバコ体(6)の軸方向に沿って前記第1の位置と前記第2の位置との間で往復直線移動させることを特徴とする低温喫煙具であって、
前記加熱モジュール(2)は加熱部材(21)及びホルダ(22)を含み、前記加熱部材(21)は前記ホルダ(22)を介して前記装着ベース(33)に装着され、前記加熱部材(21)は、前記第1挿入口(131)と対向する一端に前記挿接部(211)が形成されていることを特徴とする低温喫煙具であって、
前記ホルダ(22)には、前記加熱部材(21)に電気的に接続される第1接点(2221)が設けられており、前記装着ベース(33)には第2接点(332)が設けられており、前記ホルダ(22)が前記装着ベース(33)に装着されると、前記第1接点(2221)と前記第2接点(332)が接触して導通することを特徴とする低温喫煙具。
【請求項2】
前記モータ(31)はリニアモータであり、前記リニアモータの出力軸は前記加熱モジュール(2)に接続されて、前記加熱モジュール(2)を前記タバコ体(6)の軸方向に沿って前記第1の位置と前記第2の位置の間で往復直線移動させることを特徴とする請求項に記載の低温喫煙具。
【請求項3】
前記モータ(31)は回転モータであり、前記駆動機構(3)は、更に、前記回転モータの出力軸に接続されるネジ(32)を含み、前記ネジ(32)の軸方向は前記タバコ体(6)の軸方向と平行であり、前記装着ベース(33)は、前記ネジ(32)の外側に螺接されて、前記加熱モジュール(2)を前記タバコ体(6)の軸方向に沿って前記第1の位置と前記第2の位置の間で往復直線移動させることを特徴とする請求項1に記載の低温喫煙具。
【請求項4】
前記ネジ(32)及び前記回転モータは、軸方向において前記加熱モジュール(2)とずらして設置されることを特徴とする請求項に記載の低温喫煙具。
【請求項5】
前記装着ベース(33)は前記加熱モジュール(2)の外側に覆設され、前記装着ベース(33)の外形寸法は前記第2挿入口(1331)の外形寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の低温喫煙具。
【請求項6】
前記加熱部材(21)はシート状をなしており、且つ、前記加熱部材(21)は、前記第1挿入口(131)と対向する端部(212)が二等辺三角形又は等脚台形となっていることを特徴とする請求項1に記載の低温喫煙具。
【請求項7】
前記加熱部材(21)は棒状をなしており、且つ、前記加熱部材(21)は、前記第1挿入口(131)と対向する端部(212)が円錐形又は円錐台形となっていることを特徴とする請求項1に記載の低温喫煙具。
【請求項8】
前記ハウジングには、前記加熱モジュール(2)の運動方向に沿って延設される第1案内部(123)が設けられており、前記装着ベース(33)には、前記第1案内部(123)と凹凸摺動係合する第2案内部(331)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の低温喫煙具。
【請求項9】
前記ハウジングは、下ハウジング(12)と、前記下ハウジング(12)の上端に覆設される上ハウジング(11)を含み、前記押管(13)は前記下ハウジング(12)の上部に装着され、前記下ハウジング(12)には、前記押管(13)を担持するための仕切り(121)が形成されており、前記仕切り(121)には、前記第2挿入口(1331)に対応して設置される貫通孔(1211)が開設されており、前記第2挿入口(1331)及び前記貫通孔(1211)の形状は、前記挿接部(211)の横断面の形状に対応していることを特徴とする請求項に記載の低温喫煙具。
【請求項10】
前記ハウジングは、下ハウジング(12)と、前記下ハウジング(12)の上端に覆設される上ハウジング(11)を含み、前記押管(13)と前記上ハウジング(11)は一体成型されていることを特徴とする請求項に記載の低温喫煙具。
【請求項11】
前記低温喫煙具は、更に、前記ハウジング内に装着される電池(4)と、前記電池(4)から電気を供給される回路基板(5)を含み、前記回路基板(5)は、前記加熱モジュール(2)及び前記モータ(31)にそれぞれ電気的に接続されることを特徴とする請求項に記載の低温喫煙具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙用品の技術分野に関し、より具体的には、低温喫煙具に関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコは新たな技術であり、従来の燃焼式タバコをリキッド加熱又は低温タバコ方式で代替しているため、動作温度が低い。また、発生するベイパーに含まれる有害成分が従来の燃焼式タバコよりも遥かに少ないことから、電子タバコを使用することでタバコによる人体への悪影響を極めて大きく回避可能となる。よって、電子タバコはより健康的な喫煙方式とされている。
【0003】
現在市販されている電子タバコは、主に、リキッドを蒸発させて吸引可能なベイパーを形成するベイプ(VAPE)と、低温(150~300度)の非燃焼・加熱方式でタバコスティックを加熱し、吸引可能なベイパーを形成する低温加熱喫煙具の2種類に分けられる。低温加熱喫煙具の場合には、一般的に、加熱チップのような加熱モジュールをタバコスティックに挿入してタバコスティックを加熱する。加熱温度(通常は200~400度)を制御することで、タバコスティック内の成分が揮発して、吸引用のベイパーが発生する。そして、1本が一定時間加熱され、発生するベイパー量が上限に達した場合には、タバコスティックを喫煙具から抜き出して喫煙をやめるか、新しいタバコスティックに交換して喫煙を続けることになる。このとき、如何にしてタバコスティックを喫煙具から容易且つ素早く抜き出し、タバコスティックを傷付けず、また加熱モジュール上に残留物を残さないかが極めて重要な課題となっている。従来の低温加熱喫煙具は、タバコスティックを加熱して使用したあと、一般的には手動で引き抜く方式で喫煙具からタバコスティックを取り出し、タバコスティックと加熱モジュールを分離させる。しかし、ユーザの力の大きさや向きの違いによって、引き抜く力にも大きな違いが生じ、多くのユーザは、引き抜く際にタバコスティックを破断させてしまう。或いは、タバコスティックと加熱モジュールとの接触部分に粘着が生じて加熱モジュール上に残留物が形成され、次に使用する際の加熱効果に支障が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術における上記の欠点に対し、改良した低温喫煙具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が技術的課題を解決するために採用する技術方案は以下の通りである。即ち、本体、加熱モジュール及び駆動機構を含む低温喫煙具を構成する。前記本体は、前記タバコ体が挿設される収容室を含む。前記加熱モジュールは、前記タバコ体に挿接される挿接部を含む。前記駆動機構は前記加熱モジュールに接続される。
【0006】
前記加熱モジュールは、前記本体内に装着されるとともに、前記駆動機構の駆動によって、前記タバコ体の軸方向に沿って、前記タバコ体に挿接される第1の位置と、前記タバコ体から離脱する第2の位置の間で往復直線移動が可能である。
【0007】
前記加熱モジュールが前記第1の位置にある場合、前記挿接部は前記収容室に完全に伸入する。前記加熱モジュールが前記第2の位置にある場合、前記挿接部は少なくとも部分的に前記収容室から退出する。
【0008】
いくつかの実施例において、前記本体は、ハウジングと、前記ハウジング内に装着される押管を含み、前記押管の内孔が前記収容室を形成する。
【0009】
前記押管の軸方向の一端には、前記タバコ体を挿入するための第1挿入口が設けられており、他端には底壁が形成されている。前記底壁には、前記挿接部を挿入するための第2挿入口が開設されている。
【0010】
いくつかの実施例において、前記駆動機構は、前記ハウジング内に装着されるモータを含む。前記モータは前記加熱モジュールに接続されて、前記加熱モジュールを前記第1の位置と前記第2の位置の間で往復直線移動させる。
【0011】
いくつかの実施例において、前記モータはリニアモータである。前記リニアモータの出力軸は前記加熱モジュールに接続されて、前記加熱モジュールを前記タバコ体の軸方向に沿って前記第1の位置と前記第2の位置の間で往復直線移動させる。
【0012】
いくつかの実施例において、前記駆動機構は、更に、前記加熱モジュールが装着される装着ベースを含む。
【0013】
前記装着ベースは前記モータ及び前記加熱モジュールにそれぞれ接続されて、前記加熱モジュールを前記タバコ体の軸方向に沿って前記第1の位置と前記第2の位置の間で往復直線移動させる。
【0014】
いくつかの実施例において、前記モータは回転モータである。前記駆動機構は、更に、前記回転モータの出力軸に接続されるネジを含む。前記ネジの軸方向は前記タバコ体の軸方向と平行である。
【0015】
前記装着ベースは、前記ネジの外側に螺接されて、前記加熱モジュールを前記タバコ体の軸方向に沿って前記第1の位置と前記第2の位置の間で往復直線移動させる。
【0016】
いくつかの実施例において、前記ネジ及び前記回転モータは、軸方向において前記加熱モジュールとずらして設置される。
【0017】
いくつかの実施例において、前記装着ベースは前記加熱モジュールの外側に覆設される。前記装着ベースの外形寸法は前記第2挿入口の外形寸法よりも大きい。
【0018】
いくつかの実施例において、前記加熱モジュールは加熱部材及びホルダを含む。前記加熱部材は前記ホルダを介して前記装着ベースに装着される。前記加熱部材は、前記第1挿入口と対向する一端に前記挿接部が形成されている。
【0019】
いくつかの実施例において、前記ホルダには、前記加熱部材に電気的に接続される第1接点が設けられており、前記装着ベースには第2接点が設けられている。前記ホルダが前記装着ベースに装着されると、前記第1接点と前記第2接点が接触して導通する。
【0020】
いくつかの実施例において、前記加熱部材はシート状をなしている。且つ、前記加熱部材は、前記第1挿入口と対向する端部が二等辺三角形又は等脚台形となっている。
【0021】
いくつかの実施例において、前記加熱部材は棒状をなしている。且つ、前記加熱部材は、前記第1挿入口と対向する端部が円錐形又は円錐台形となっている。
【0022】
いくつかの実施例において、前記ハウジングには、前記加熱モジュールの運動方向に沿って延設される第1案内部が設けられており、前記装着ベースには、前記第1案内部と凹凸摺動係合する第2案内部が設けられている。
【0023】
いくつかの実施例において、前記ハウジングは、下ハウジングと、前記下ハウジングの上端に覆設される上ハウジングを含む。前記押管は前記下ハウジングの上部に装着される。前記下ハウジングには、前記押管を担持するための仕切りが形成されている。前記仕切りには、前記第2挿入口に対応して設置される貫通孔が開設されている。前記第2挿入口及び前記貫通孔の形状は、前記挿接部の横断面の形状に対応している。
【0024】
いくつかの実施例において、前記ハウジングは、下ハウジングと、前記下ハウジングの上端に覆設される上ハウジングを含む。前記押管と前記上ハウジングは一体成型されている。
【0025】
いくつかの実施例において、前記低温喫煙具は、更に、前記ハウジング内に装着される電池と、前記電池から電気を供給される回路基板を含み、前記回路基板は、前記加熱モジュール及び前記モータにそれぞれ電気的に接続される。
【発明の効果】
【0026】
本発明を実施することで、少なくとも以下の有益な効果が奏される。即ち、本発明の低温喫煙具は、加熱モジュールが第1の位置と第2の位置の間で往復移動可能である。加熱モジュールが第1の位置にある場合、加熱モジュールは、収容室内に挿入されたタバコ体を加熱可能である。一方、加熱モジュールが第2の位置にある場合、加熱モジュールはタバコ体から離脱可能となる。よって、ユーザはタバコをそのまま引き抜くことができ、タバコ葉が押管内に残留することがない。且つ、加熱モジュールの運動方向はタバコ体の軸方向であるため、タバコ体が破断することはない。
【0027】
以下に、図面と実施例を組み合わせて、本発明につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本発明の第1実施例における低温喫煙具にタバコ体を挿入する際の縦方向断面構造の概略図である。
図2図2は、図1における低温喫煙具の加熱モジュールが第1の位置にある際の断面構造の概略図である。
図3図3は、図1における低温喫煙具の加熱モジュールが第2の位置にある際の断面構造の概略図である。
図4図4は、図1に示す低温喫煙具の横方向断面構造の概略図である。
図5図5は、図1に示す低温喫煙具の加熱モジュールと装着ベースを分離した際の平面構造の概略図である。
図6図6は、本発明の第2実施例における低温喫煙具の加熱モジュールが第1の位置にある際の縦方向断面構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の技術的特徴、目的及び効果がより明瞭に理解されるよう、図面を参照して本発明の具体的実施形態につき詳細に説明する。
【0030】
図1~5に示すように、本発明の第1実施例における低温喫煙具は、本体1、加熱モジュール2、駆動機構3、電池4、回路基板5を含む。本体1は、タバコ体6が挿設される収容室132を含む。加熱モジュール2は、タバコ体6に挿接される挿接部211を含む。加熱モジュール2は、本体1内に装着されており、且つ、タバコ体6に挿接される第1の位置と、タバコ体6から離脱する第2の位置の間で往復移動が可能である。加熱モジュール2が第1の位置にある場合、挿接部211は収容室132に完全に伸入する。また、加熱モジュール2が第2の位置にある場合、挿接部211は少なくとも部分的に収容室132から退出する。
【0031】
いくつかの実施例において、本体1は、ハウジングと、ハウジング内に装着される押管13を含み得る。また、当該ハウジングは、下ハウジング12と、下ハウジング12の上端に覆設される上ハウジング11を含み得る。押管13は管状をなしている。また、押管13の内孔が収容室132を形成する。押管13の軸方向の一端には、タバコ体6を挿入するための第1挿入口131が設けられており、他端には底壁133が形成されている。底壁133には、加熱モジュール2を挿入するための第2挿入口1331が開設されている。
【0032】
いくつかの実施例において、押管13は下ハウジング12の上部に固定的に装着可能である。下ハウジング12の上部には、押管13を装着するための装着溝122を設置可能である。装着溝122の上部は、押管13を装入するために開放されている。装着溝122の底部には、押管13を担持するための仕切り121を設置可能である。仕切り121には、第2挿入口1331に対応して設置される貫通孔1211が開設されている。これにより、加熱モジュール2は、貫通孔1211及び第2挿入口1331を通じて収容室132内に挿入され、収容室132内に挿入されたタバコ体6を加熱可能である。いくつかの実施例において、第2挿入口1331及び貫通孔1211の形状は挿接部211の横断面の形状に対応しており、例えば矩形とすればよい。これにより、挿接部211がタバコ体6と分離する際に、底壁133と仕切り121の双方によって挿接部211をクリーニング可能となる。本実施例において、第2挿入口1331の横断面積は貫通孔1211の横断面積より小さくてもよい。その他の実施例において、第2挿入口1331の横断面積は貫通孔1211の横断面積以上であってもよい。その他のいくつかの実施例において、押管13は上ハウジング11と一体的に成型して設置してもよい。
【0033】
加熱モジュール2、駆動機構3、電池4、回路基板5はいずれも本体1内に装着可能である。加熱モジュール2は、一端が第2挿入口1331から収容室132に伸入する加熱部材21を含む。加熱部材21は、第1挿入口131と対向する一端に挿接部211が形成されている。加熱部材21は、電池4から電気を供給されると、収容室132内に挿入されたタバコ体6を加熱可能となる。いくつかの実施例において、加熱部材21はシート状とすることができる。また、第2挿入口1331は、形状が加熱部材21に対応する矩形孔とすることができる。加熱部材21は、第1挿入口131と対向する端部212が二等辺三角形であってもよいし、等脚台形であってもよい。或いは、端部212は、第1挿入口131寄りの一端から第1挿入口131とは離間する方向に向かって幅が徐々に増大するその他の形状であってもよい。このことは、タバコ体6に挿入して加熱するのに都合がよい。その他のいくつかの実施例において、加熱部材21は棒状であってもよい。また、第2挿入口1331の横断面の形状は加熱部材21の横断面の形状に対応する。加熱部材21は、第1挿入口131と対向する端部212が円錐形であってもよいし、円錐台形であってもよい。或いは、端部212の断面は、第1挿入口131寄りの一端から第1挿入口131とは離間する方向に向かって幅が徐々に増大するその他の形状であってもよい。このことは、タバコ体6に挿入して加熱するのに都合がよい。
【0034】
加熱モジュール2は駆動機構3に接続される。加熱モジュール2は、駆動機構3の作用によって、第2挿入口1331を通じ、第1挿入口131に近接する第1の位置と、第1挿入口131から離間する第2の位置の間で往復直線移動を実施可能である。加熱モジュール2が第1の位置にある場合、加熱モジュール2は、収容室132内に挿入されたタバコ体6に挿接されて、タバコ体6を加熱可能である。一方、加熱モジュール2が第2の位置にある場合、加熱モジュール2はタバコ体6から離脱可能となる。よって、ユーザはタバコをそのまま引き抜くことができ、タバコ葉が押管13内に残留することがない。
【0035】
いくつかの実施例において、駆動機構3はモータ31を含むことができ、モータ31によって、加熱モジュール2を第1の位置と第2の位置の間で往復移動させる。回路基板5は電池4から電気を供給される。また、回路基板5は、導線を介して加熱モジュール2及びモータ31にそれぞれ電気的に接続可能である。
【0036】
いくつかの実施例において、モータ31は回転モータとすることができる。駆動機構3は、更に、ネジ32及び装着ベース33を含み得る。ネジ32は回転モータの出力軸に接続されて、回転モータにより回動する。装着ベース33はネジ孔334を有している。装着ベース33は、当該ネジ孔334を介してネジ32の外側に螺接され、ネジ32によって、ネジ32の軸方向と平行な方向に往復直線移動する。加熱モジュール2は装着ベース33に装着される。装着ベース33は、加熱モジュール2を伴って、ネジ32の軸方向と平行な方向に往復直線移動する。ネジ32の軸方向は、タバコ体6及び収容室132の軸方向と平行である。これにより、加熱モジュール2の運動方向はタバコ体6の軸方向となるため、加熱モジュール2が第1の位置から第2の位置に移動してタバコ体6から離脱する際に、タバコ体6に破断が生じることがない。
【0037】
当該低温喫煙具は、タバコ体6を加熱して使用し終わったあと、回路基板5により回転モータを回転駆動させることでネジ32を回動可能とする。これにより、装着ベース33がネジ32に沿って直線運動し、装着ベース33が加熱モジュール2を第1の位置から第2の位置まで直線移動させることで、加熱モジュール2をタバコ体6から迅速に分離させる。その後、ユーザはタバコ体6をそのまま引き抜けばよいため、タバコ葉が押管13内に残留することがない。また、加熱部材21に残留物が付着して次の使用時の加熱効果に支障をきたすとの事態も防止可能である。更に、底壁133と仕切り121は、摩擦の作用によって加熱部材21上の残留物を掻き落とすことができる。且つ、加熱モジュール2の運動方向はタバコ体6の軸方向であるため、タバコ体6が破断することはない。新しいタバコ体を加熱したい場合には、回転モータを反対方向に回転駆動させれば、装着ベース33が加熱モジュール2を第2の位置から第1挿入口131に近接する方向に移動させる。そして、加熱モジュール2が第1の位置に移動したあと、新しいタバコ体を第1挿入口131から挿入して加熱部材21の外側に差し込む。
【0038】
ネジ32及び回転モータは、軸方向において加熱モジュール2とずらして設置されており、加熱モジュール2の移動スペースを空けている。また、このことは、高さスペースの小型化設計にとっても都合がよい。その他の実施例において、ネジ32及び回転モータは、加熱モジュール2の真下に位置してもよい。
【0039】
装着ベース33は、加熱モジュール2の底部又は底部付近に覆設可能である。第2挿入口1331の外形寸法及び仕切り121の内孔寸法は、いずれも装着ベース33の外形寸法よりも小さければよい。このことは、装着ベース33を当止するのに都合がよい。
【0040】
いくつかの実施例では、下ハウジング12に第1案内部123を更に設置可能である。また、装着ベース33に、第1案内部123と凹凸摺動係合する第2案内部331を設置可能である。第1案内部123は、加熱モジュール2の移動方向に沿って延設される。第1案内部123と第2案内部331が凹凸係合してスライドレール構造を形成することで、装着ベース33の運動の安定性が増す。本実施例において、下ハウジング12の内壁は、内側(即ち、装着ベース33に向かう方向)に突出することで、加熱モジュール2の移動方向に沿って延設される2本の突出リブを形成し、当該2本の突出リブの間に形成されるスライド溝が第1案内部123を形成する。また、第2案内部331は、装着ベース33の外壁から外側(即ち、第1案内部123に向かう方向)に突出して形成されるスライダである。その他の実施例では、第1案内部123を下ハウジング12の内壁から外側(即ち、装着ベース33から離れる方向)に窪んで形成されるスライド溝とし、第2案内部331を装着ベース33の外壁から外側に突出して形成されるスライダとしてもよい。或いは、第1案内部123を下ハウジング12の内壁から内側に突出して形成される摺動部とし、第2案内部331を、装着ベース33の外壁から内側(即ち、第1案内部123から離れる方向)に窪むか、装着ベース33の外壁から外側に突出して形成されるスライド溝としてもよい。
【0041】
いくつかの実施例において、加熱モジュール2はホルダ22を更に含み得る。加熱部材21は、ホルダ22を介して装着ベース33に装着される。装着時には、まず、加熱部材21の底部又は底部付近をホルダ22に固定してから、ホルダ22を装着ベース33に装着すればよい。いくつかの実施例において、ホルダ22は、第1半部221と、第1半部221におけるタバコ体61から離間する側に設置される第2半部222を含み得る。第2挿入口1331の外形寸法及び仕切り121の内孔寸法は、いずれも第1半部221の外形寸法よりも小さい。このことは、ホルダ22を当止するのに都合がよい。且つ、第2半部222の外形寸法及び装着ベース33の装着孔333の寸法は、いずれも第1半部221の外形寸法よりも小さい。このことは、装着及び位置決めにとって都合がよい。装着時には、まず、加熱部材21を第1半部221側からホルダ22に挿入し、加熱部材21の底部を第2半部222の底部に当接及び位置決めしてから、ホルダ22を装着ベース33の装着孔333に挿入する。すると、第1半部221と第2半部222の間に形成される段差面が、装着ベース33の上部の端面に当接して位置決めされる。
【0042】
更に、ホルダ22の外壁には、加熱部材21に電気的に接続される第1接点2221を設置可能である。また、装着ベース33の装着孔333の孔壁には、回路基板5に電気的に接続される第2接点332を設置可能である。ホルダ22が装着ベース33に装着されると、第1接点2221と第2接点332が接触して導通し、加熱部材21が回路基板5と導通することで、回路基板5が加熱部材21に電気を供給する。
【0043】
いくつかの実施例において、当該低温喫煙具は、装着ベース33又はホルダ22が上方へ移動する際のストロークが過剰となって、仕切り121及び押管13に対し押圧及び衝突を生じるとの事態を防止するために、測距装置を更に含み得る(例えば、赤外線測距装置、磁界測距装置等)。これにより、装着ベース33又はホルダ22は、上方に向かって所定のストロークだけ移動すると、自動的に運動を停止する。当該測距装置は、発信器71及び受信器72を含み得る。発信器71は押管13の底部又は仕切り121に装着可能であり、受信器72は装着ベース33又はホルダ22に装着可能である。或いは、受信器72を押管13の底部又は仕切り121に装着し、発信器71を装着ベース33又はホルダ22に装着してもよい。
【0044】
図6は、本発明の第2実施例における低温喫煙具である。当該低温喫煙具と第1実施例との主な違いとして、本実施例では、モータ31がリニアモータとなっている。当該リニアモータの出力軸311は装着ベース33に接続可能であり、装着ベース33によって、加熱モジュール2をタバコ体6の軸方向に沿って第1の位置と第2の位置の間で往復直線移動させる。或いは、当該リニアモータの出力軸311を加熱部材21に直接接続し、加熱部材21をタバコ体6の軸方向に沿って第1の位置と第2の位置の間で往復直線移動させてもよい。或いは、当該リニアモータの出力軸311をホルダ22を介して加熱部材21に接続し、ホルダ22と加熱部材21をタバコ体6の軸方向に沿って第1の位置と第2の位置の間で往復直線移動させてもよい。いくつかの実施例において、当該リニアモータはピエゾモータとすることができる。
【0045】
第1実施例と同様に、当該リニアモータは、軸方向において加熱モジュール2とずらして設置することで、加熱モジュール2の移動スペースを空ければよい。また、このことは、高さスペースの小型化設計にとっても都合がよい。その他の実施例において、当該リニアモータは、加熱モジュール2の真下に位置してもよい。
【0046】
理解可能なように、上記の各技術的特徴は、制限なく任意に組み合わせて使用することが可能である。
【0047】
以上の実施例は本発明の好ましい実施形態を示したにすぎず、比較的具体的且つ詳細に記載したが、これにより本発明の権利範囲が制限されると解釈すべきではない。指摘すべき点として、当業者であれば、本発明の構想を逸脱しないことを前提に、上記の技術的特性を自由に組み合わせることも、若干の変形及び改良を行うことも可能であり、これらはいずれも本発明の保護の範囲に属する。従って、本発明の特許請求の範囲に基づき行われる等価の変形及び補足は、いずれも本発明の請求項がカバーする範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6