(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】レーザー誘起転写印刷方法、及びインクの使用
(51)【国際特許分類】
B41M 5/382 20060101AFI20231204BHJP
C09D 11/00 20140101ALI20231204BHJP
B41M 3/12 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
B41M5/382
C09D11/00
B41M3/12
(21)【出願番号】P 2022516188
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(86)【国際出願番号】 EP2020073394
(87)【国際公開番号】W WO2021047886
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-03-10
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】322002676
【氏名又は名称】ヘリオゾニック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(72)【発明者】
【氏名】ウド レーマン
【審査官】中山 千尋
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-158182(JP,A)
【文献】特開2001-158177(JP,A)
【文献】特開平07-025164(JP,A)
【文献】国際公開第2019/154980(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0181600(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 5/382
C09D 11/00
B41M 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷されるべき基材が、インク層を有するインクキャリアと対向して配置され、前記インク層が、レーザービームによって局所的に照射される印刷方法であって、前記インク層は、反射性粒子、溶媒、及び前記溶媒に溶解された可溶性ポリマーを含んでおり、前記反射性粒子が、平均粒径/平均粒子厚さとして定義されるアスペクト比>25を有すること、及び前記反射性粒子が、金属又は金属被覆キャリア材料から成ることを特徴とする、印刷方法。
【請求項2】
前記反射性粒子において、P
T<80+3P
Sであり、式中、P
Tは、nmの単位での前記平均粒子厚さの絶対値であり、P
Sは、μmの単位での前記平均粒径の絶対値である、請求項1に記載の印刷方法。
【請求項3】
前記反射性粒子が、0.1~25μmの範囲内の平均粒径を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の印刷方法。
【請求項4】
前記可溶性ポリマーが、250,000g/molよりも大きい重量平均分子量(Mw)を有し、前記可溶性ポリマーの前記重量平均分子量(Mw)は、DIN 55672-2:2016-3に従って特定される、請求項1~3の何れか一項に記載の印刷方法。
【請求項5】
前記可溶性ポリマーが、250,000g/mol~2,500,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することを特徴とする、請求項4に記載の印刷方法。
【請求項6】
前記可溶性ポリマーが、250,000g/mol~1,500,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することを特徴とする、請求項5に記載の印刷方法。
【請求項7】
前記可溶性ポリマーの割合が、全インク混合物の0.05~2重量%を占めることを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載の印刷方法。
【請求項8】
前記可溶性ポリマーの前記割合が、前記全インク混合物の0.05~1重量%を占めることを特徴とする、請求項7に記載の印刷方法。
【請求項9】
前記可溶性ポリマーの前記割合が、前記全インク混合物の0.1~0.8重量%を占めることを特徴とする、請求項7に記載の印刷方法。
【請求項10】
用いられる前記可溶性ポリマーが、セルロースエステル、硝酸セルロース、セルロースエーテル
、ポリウレタン、又はビニルポリマーを含むことを特徴とする、請求項1~9の何れか一項に記載の印刷方法。
【請求項11】
用いられる反射性粒子が、L
*a
*b
*色空間において50超
のL
*値を有する粒子であり、並びに前記L
*a
*b
*色空間において+/-5未
満のa
*及び/又はb
*値を有する粒子であることを特徴とする、請求項1~10の何れか一項に記載の印刷方法。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載の印刷方法における、反射性粒子及び可溶性ポリマーを含むインクの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷方法及びインクの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
インクコーティングされたキャリアから印刷されるべき基材上にインクの滴が転写されるものである基板の印刷方法は、例えば米国特許第6241344(B1)号明細書から公知である。インクを転写するために、基材が印刷されるべき位置で、キャリア上のインクへキャリアを通してエネルギーが導入される。これにより、インクの一部が気化して、インクがキャリアから離れる。気化したインクの圧力の結果として、このようにして離れたインクの滴が基材上へと推進される。
【0003】
方向を付けてエネルギーを導入することによって、印刷されるべきパターンに従って基材上にインクを転写することが可能である。インクを転写するために必要なエネルギーは、例えばレーザーによって導入される。塗布されたインクを担持するキャリアは、例えば、印刷領域の前に塗布装置によってインクが塗布される循環リボンである。レーザーは、循環リボンの内部に配置されるため、レーザーは、キャリアのインクとは反対側の面に作用する。インクキャリアへのインクの塗布は、例えば、インクタンクに浸漬されるロールによって達成される。
【0004】
このタイプの印刷機は、例えば米国特許第5021808(A)号明細書からも公知である。さらにこの文書の教示内容によると、インクは、塗布装置を用いてタンク容器から循環リボンに塗布され、循環リボン内にはレーザーが位置しており、それによって、インクは指定された位置で気化され、それに応じて印刷されるべき基材上に噴出される。このケースでは、リボンは、レーザーに対して透過性である材料で作製される。インクを標的化して気化するために、循環リボンを吸収層でコーティングすることが可能であり、レーザー光は、この吸収層で吸収されて熱に変換され、それによって、インクは、レーザーへの露光位置で気化される。
【0005】
さらに、特許公開明細書の独国特許出願公開第10210146(A1)号明細書から、小さいレーザー吸収粒子を用いることによって、レーザー誘起印刷方法の効率を高めることが可能であることも知られている。これは、記載された方法の生産性を大きく高めるという点で重要である。
【0006】
吸収粒子を用いる場合の1つの欠点は、これらの粒子が可視光波長スペクトルでも吸収することが非常に多く、その結果、印刷されることになるインク(液体インク)の多少強めの変色をもたらすことである。
【0007】
さらなる欠点は、粒子のレーザー誘導放出が、サテライトと称する数多くの問題となる非常により小さい粒子の放出を伴い得ることであり、このことは、印刷結果の品質を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これと比較して、本発明の目的は、記載した先行技術の欠点を少なくとも低減することである。全体として、目的は、良好な印刷結果を実現することである。
【0009】
本発明の目的は、請求項1に記載の印刷方法によって既に実現される。
【0010】
本発明の好ましい実施形態及び発展は、従属請求項の主題から、及びさらには本明細書からも明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、印刷されるべき基材が、インク層を有するインクキャリアと対向して配置され、インク層が、レーザービームによって局所的に照射される印刷方法であって、インク層が、反射性粒子、溶媒、及び溶媒に溶解された可溶性ポリマーを含むことを特徴とする、印刷方法に関し、反射性粒子は、平均粒径/平均粒子厚さとして定義されるアスペクト比>25を有する。
【0012】
本発明に従う印刷方法の1つの実施形態では、反射性粒子は、>50のアスペクト比を有する。
【0013】
本発明に従う印刷方法のさらなる実施形態では、反射性粒子は、PT<80+3PSの平均粒子厚さを有し、式中、PTは、nmの単位での平均粒子厚さの絶対値であり、PSは、μmの単位での平均粒径の絶対値である。
【0014】
したがって、印刷方法のこの実施形態によると、反射性粒子は、>25のアスペクト比及びPT<80+3PSを有する。
【0015】
インク層は、反射性粒子、可溶性ポリマー、染料及び/又は顔料、並びに溶媒を含むインクでインクリボンをコーティングすることによって形成されてよい。可溶性ポリマーは、インク組成物の溶媒として用いられる溶媒に溶解可能であるポリマーである。
【0016】
本発明によると、本発明の方法に用いられるインクは、インク層の部分でのレーザー吸収のために反射性粒子と混合される。
【0017】
反射性粒子はまた、レーザービームに対して、特に用いられるレーザーの波長範囲内の、より詳細には300~3,000nmの範囲内のレーザービームに対して吸着性を有する場合もあり得る。しかし、カーボンブラック粒子のような吸収粒子とは対照的に、反射性粒子は、可視光波長スペクトルに関する反射特性も有する。
【0018】
用いられるレーザーの波長に対して、より詳細には300~3,000nmに対して高い反射性を有する粒子が用いられ場合もあり得る。
【0019】
例えばカーボンブラックなどの従来技術から知られている吸収粒子とは対照的に、反射性粒子は、インク層によって伝えられる着色の印象に対して実質的に中性であり得る。
【0020】
用いられ得る粒子は、第一に、例えば金属の粒子、又は金属被覆キャリア材料の粒子である。これらの粒子は、鏡面に基づく反射を発生させる。特に、エフェクト顔料、好ましくはラスター顔料と称される顔料を用いることが可能である。
【0021】
反射性粒子は、特に、インク層に用いられるインクに対して1重量%超及び/又は10重量%未満の量で添加されてよい。
【0022】
さらに、全反射によって鏡効果を発現する透明粒子も用いられ得る。光学干渉被覆を有する粒子も用いられ得る。
【0023】
本発明の1つの実施形態によると、平均粒径が0.1~25μmの粒子が用いられる。いくつかの用途では、1~15μmの範囲内の粒径を有することが有利な場合もあり得る。
【0024】
このようにして、特に有効な吸収を実現することができる。
【0025】
高い反射効果を実現するために、L*a*b*色空間において50超の、好ましくは70超の、より好ましくは80超のL*値を有する粒子が用いられ得る。
【0026】
さらに、粒子は、特にアルミニウム粒子は、中間色であってもよい。1つの実施形態では、L*a*b*色空間において、粒子は、+/-30のa*及び/又はb*値を有する。より詳細には、L*a*b*色空間において+/-5未満、好ましくは+/-3未満のa*及び/又はb*値を有する粒子が用いられてもよい。
【0027】
本発明に従う方法では、金属の粒子又は金属被覆ポリマー粒子から構成される反射性材料が用いられ得る。
【0028】
本発明はさらに、印刷されるべき基材が、インク層を有するインクキャリアと対向して配置され、インク層が、レーザービームによって局所的に照射され、前記層が、レーザービームの吸収によって基材方向へ加速する印刷方法に関し、レーザー吸収は、粒子によって生ずる。
【0029】
本発明の1つの態様によると、分子量Mwが250,000g/molよりも大きい可溶性ポリマーが、インク層に用いられるインクの溶媒に添加剤として添加される。
【0030】
インクは、詳細には、溶媒、染料、より詳細には顔料、さらにはレーザー光の吸収を高める粒子、より詳細には上記で述べた反射性粒子、を含む。
【0031】
溶媒に可溶性であるポリマーを添加することによって、サテライト(インクのはね(splashes))が形成されるリスクを大きく低減することが可能であることが見出された。
【0032】
可溶性ポリマーの割合は、本発明の1つの実施形態によると、全インク混合物の0.05~2重量%である。可溶性ポリマーの割合は、好ましくは、全インク混合物の0.05重量%超及び/又は1重量%未満、典型的には0.1重量%超及び/又は0.8重量%未満である。
【0033】
本発明の1つの好ましい実施形態に従って用いられる可溶性ポリマーは、セルロースエステル、硝酸セルロース、セルロースエーテル、より詳細にはヒドロキシプロピルセルロース、ポリウレタン、又はビニルポリマーを含む。特に、ヒドロキシプロピルセルロース、すなわちヒドロキシル基の一部がヒドロキシプロピル基とのエーテルとして結合しているセルロースエーテルが、本発明の効果にとって特に適していると思われる。
【0034】
本発明で用いられるインク組成物に用いられる組成物に用いることができる適切な溶媒としては、グリコールエーテル、アルコール、エステル、芳香族炭化水素、ジアルキルエーテル、グリコールエステル、及びグリコールエーテルが挙げられる。
【0035】
印刷インクのレオロジーが改変されると、問題となるインクのはねが、まったく発生しない、又は大きく低減された程度にしか発生しないことが見出された。平均分子量Mwが約250,000g/mol~約1,500,000g/molの範囲内である可溶性ポリマーを低濃度で混合することが、インクの印刷挙動に対して良い影響を与えることが見出された。
【0036】
このような混合は、いわゆるインクの弾性を改変する。Mwが250,000g/molよりも小さい可溶性ポリマーの混合では、増粘効果しかなく、明確なインクのはね特性が見られる。より高いMw値(>1,500,000g/mol)のポリマーでは、対照的に、インクのはね防止特性にさらなる改善は得られず、単に溶解性がさらに妨げられるだけである。したがって、分子量(Mw)が2,500,000g/mol未満、より好ましくは1,500,000g/mol未満のポリマーを用いることが好ましい。
【0037】
表1は、印刷業界で従来から用いられている様々な溶媒との適切な可溶性ポリマーの混合物、及び良好なはね防止特性を示す全インク混合物中に典型的に用いられる量(重量%)の例である。
【表1】
【0038】
本発明はさらに、上記で述べた印刷方法における、アスペクト比が>25である反射性粒子及び可溶性ポリマーを有するインクの使用にも関する。
【0039】
本発明の主題は、
図1の図面を参照して、以下でより詳細に説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は、本発明の方法に用いられる印刷機の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図面の詳細な説明
図1は、本発明の印刷機(1)の1つの好ましい実施形態の模式図である。
【0042】
印刷機(1)は、インクキャリア(4)として循環インクリボンを備える。
【0043】
インクリボンは、インクユニット(8)により、その全領域にわたって均質にインク(2)でコーティングされる。インクリボンは、続いて、矢印の方向に、印刷ニップ(10)へ移動する。インクキャリア(4)は、印刷されるべき基材(6)から、あるギャップ分離れている。好ましくは、ギャップの幅は、調節可能である、及び/又は連続的に制御される。これは、例えば、調整可能な離間ロール(5)によって行われてよい。
【0044】
印刷ニップ(10)では、レーザースキャナ(11)を用いて、レーザービーム(3)が、レーザー光に対して透過性であるインクキャリア(4)を通してインク(2)へ集光される。レーザービーム(3)によってインク(2)の部分が局所的に標的化されて加熱されることで、インク(2)の小領域が爆発的に気化し、それによって、印刷インク(2)の部分が、インクリボンから対向する基材(6)へ転写される。
【0045】
離間ロール(5)及び偏向ローラー(7)によって制御されるインクリボンは、続いて、インクユニット(8)に戻る方向へ移動する。インクユニット(8)とインクリボンとが接触すると、消費されたインク(2)が補充される。
【0046】
インクユニット(8)の過剰のインク(2)は、底部にあるインク受け(9)で回収され、印刷操作に対して連続的に繰り返し添加される。
【0047】
測定方法
平均粒径:粒径分布は、Helos/BR Multirange(Sympatec)装置を用い、製造業者の指示に従い、及びISO13320-1に従ってレーザー散乱粒度分析によって測定する。粒径分布の測定前に、粒子を、撹拌しながらイソプロパノールに溶解する。粒径関数を、相当球の体積加重累積度数分布として、フランホーファー近似で算出する。メジアン値d50は、測定した粒子の50%がこの値よりも低いことを意味する(体積平均分布において)。d50値を、平均粒径として用いる。
【0048】
平均粒子厚さ:粒子径は、反射電子顕微鏡(REM)を用いて特定する。電子顕微鏡、例えばTEMPFIX(Gerhard Neubauer Chemikalien,D-48031 Munster,Germany)に従来から用いられている樹脂をサンプルプレートに適用し、ホットプレート上で軟化するまで加熱する。続いて、サンプルプレートをホットプレートから取り、測定されるべきサンプルを軟化した樹脂上に散布する。厚さの測定では、表面に対して垂直な面に対する顔料の方位角αを推計し、式Heff=Hmes/cosαに従って厚さを評価するときに割り当てる。
【0049】
累積度数曲線を、相対出現頻度を利用してHeff値からプロットした。少なくとも約100個の粒子をカウントし、Heffの平均値を平均粒子厚さとして用いる。
【0050】
L*a*b値:L*a*b色空間における値は、DTM1045(登録商標)分光光度計を15~25°の角度で用いて特定する。
【0051】
分子量:可溶性ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、DIN 55672-2:2016-3に従って特定する。
【実施例】
【0052】
異なる反射性アルミニウム粒子を含む様々なインク組成物を調製した。米国特許第6241344(B1)号明細書に記載のプロセスを用いて、アルミニウム粒子の基材への転写を測定した。インク組成物は、以下の原材料を混合することによって調製した:
43重量%のエタノール
32重量%のメトキシプロパノール
10重量%の3%klucel水溶液
1.5重量%のエチルセルロース
1.5重量%のポリビニルブチラール
12重量%の反射性アルミニウム顔料
結果を表2に示す。
【表2】
【0053】
インクのはね挙動に対する可溶性ポリマーの分子量の効果を試験するために、様々な実験を行った。インク組成物中、反射性アルミニウム粒子と組み合わせて、溶媒として3-エトキシ-1-プロパノールを用いた。実験については表3にまとめた。
【0054】
これらの実験から、Mw>100,000である可溶性ポリマーが、インクのはねを大きく低減することが明らかに示される。
【表3】
本開示は以下も包含する。
[1]
印刷されるべき基材が、インク層を有するインクキャリアと対向して配置され、前記インク層が、レーザービームによって局所的に照射される印刷方法であって、前記インク層は、反射性粒子、溶媒、及び前記溶媒に溶解された可溶性ポリマーを含んでおり、前記反射性粒子が、平均粒径/平均粒子厚さとして定義されるアスペクト比>25を有することを特徴とする、印刷方法。
[2]
前記反射性粒子において、P
T
<80+3P
S
であり、式中、P
T
は、nmの単位での前記平均粒子厚さの絶対値であり、P
S
は、μmの単位での前記平均粒径の絶対値である、上記態様1に記載の印刷方法。
[3]
前記反射性粒子が、0.1~25μmの範囲内の平均粒径を有することを特徴とする、上記態様1又は2に記載の印刷方法。
[4]
前記可溶性ポリマーが、250,000g/molよりも大きい重量平均分子量(Mw)を有し、前記可溶性ポリマーの前記重量平均分子量(Mw)は、DIN 55672-2:2016-3に従って特定される、上記態様1~3の何れかに記載の印刷方法。
[5]
前記可溶性ポリマーが、250,000g/mol~2,500,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することを特徴とする、上記態様4に記載の印刷方法。
[6]
前記可溶性ポリマーが、250,000g/mol~1,500,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することを特徴とする、上記態様5に記載の印刷方法。
[7]
前記可溶性ポリマーの割合が、全インク混合物の0.05~2重量%を占めることを特徴とする、上記態様1~6の何れかに記載の印刷方法。
[8]
前記可溶性ポリマーの前記割合が、前記全インク混合物の0.05~1重量%を占めることを特徴とする、上記態様7に記載の印刷方法。
[9]
前記可溶性ポリマーの前記割合が、前記全インク混合物の0.1~0.8重量%を占めることを特徴とする、上記態様7に記載の印刷方法。
[10]
用いられる前記可溶性ポリマーが、セルロースエステル、硝酸セルロース、セルロースエーテル、より詳細にはヒドロキシプロピルセルロース、ポリウレタン、又はビニルポリマーを含むことを特徴とする、上記態様1~9の何れかに記載の印刷方法。
[11]
前記反射性粒子が、金属又は金属被覆キャリア材料から成ることを特徴とする、上記態様1~10の何れかに記載の印刷方法。
[12]
用いられる反射性粒子が、L
*
a
*
b
*
色空間において50超の、好ましくは70超の、より好ましくは80超のL
*
値を有する粒子であり、並びに前記L
*
a
*
b
*
色空間において+/-5未満、好ましくは+/-3未満のa
*
及び/又はb
*
値を有する粒子であることを特徴とする、上記態様1~11の何れかに記載の印刷方法。
[13]
上記態様1~12の何れかに記載の印刷方法における、反射性粒子及び可溶性ポリマーを含むインクの使用。
【符号の説明】
【0055】
1.印刷機
2.インク
3.レーザービーム
4.インクキャリア
5.離間ロール
6.基材
7.偏向ローラー
8.インクユニット
9.インク受け
10.印刷ニップ
11.レーザースキャナ