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特許7395735側部衝撃保護リンク機構および安全座席基部
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】側部衝撃保護リンク機構および安全座席基部
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/28 20060101AFI20231204BHJP
   B60N 2/42 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
B60N2/28
B60N2/42
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022528109
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2020082043
(87)【国際公開番号】W WO2021094523
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】201911124365.4
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520144059
【氏名又は名称】バンビーノ プレツィオーソ スウィツァーランド アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Bambino Prezioso Switzerland AG
【住所又は居所原語表記】Beim Bahnhof 5, 6312 Steinhausen, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ホンボ・チェン
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0176746(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110126773(CN,A)
【文献】特表2018-526279(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/28
B60N 2/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全座席基部(200)に適用される側部衝撃保護リンク機構(100)であって、
前記安全座席基部(200)の側壁(20)に枢動可能に接続され、前記側壁(20)に取り付けられる折り畳み位置および前記側壁(20)から離れる展開位置を有し、前記展開位置に回転する性質を有する、側部衝撃保護ブロック(10)と、
前記側壁(20)内に配設され、係合部材(12)およびリンク部材(13)を備える、支持フレーム(11)であって、
前記係合部材(12)の端部は前記支持フレーム(11)に枢動可能に接続され、前記係合部材(12)の別の端部は前記側壁(20)から滑動可能に突出するロック部分(120)を有し、前記係合部材(12)は前記ロック部分(120)を介して前記側部衝撃保護ブロック(10)と取り外し可能に係合され、それにより、前記側部衝撃保護ブロック(10)は前記折り畳み位置にロックされかつロック解除可能であり、
前記リンク部材(13)は前記係合部材(12)の下に配設されて前記支持フレーム(11)に沿って上下に滑動することができ、前記リンク部材(13)は前記係合部材(12)を駆動して下方に回転させるように構成され、それにより、前記ロック部分(120)は、前記側部衝撃保護ブロック(10)から係合解除される、
支持フレーム(11)と、
前記安全座席基部(200)上に配設されて前記リンク部材(13)に接続された駆動部材(14)と、
を備えることを特徴とする、側部衝撃保護リンク機構(100)。
【請求項2】
前記リンク部材(13)は前記係合部材(12)の方に延びるフック部分(130)を有し、前記係合部材(12)は前記フック部分(130)に適合された翼板(121)を有し、前記リンク部材(13)が下方に動くとき、前記フック部分(130)は前記翼板(121)と協働して前記係合部材(12)を駆動して下方に回転させることをさらに特徴とする、請求項1に記載の側部衝撃保護リンク機構(100)。
【請求項3】
前記支持フレーム(11)は互いに反対側の2つの第1の長手方向の溝(110)を有し、前記リンク部材(13)は前記2つの第1の長手方向の溝(110)に適合された2つの突出する軸(131)を有し、前記リンク部材(13)は前記2つの突出する軸(131)と前記2つの第1の長手方向の溝(110)との間の協働によって前記支持フレーム(11)に滑動可能に接続されることをさらに特徴とする、請求項2に記載の側部衝撃保護リンク機構(100)。
【請求項4】
第1の弾性部材(16)が前記リンク部材(13)の下端と前記支持フレーム(11)との間に配設され、前記第1の弾性部材(16)は前記係合部材(12)を駆動して前記支持フレーム(11)に沿って上方に動かすための弾性力を供給することをさらに特徴とする、請求項2に記載の側部衝撃保護リンク機構(100)。
【請求項5】
第1のねじりばね(122)が前記係合部材(12)の枢動軸上でスリーブとされ、前記第1のねじりばね(122)は前記係合部材(12)を駆動して上方に回転させるように構成されることをさらに特徴とする、請求項2に記載の側部衝撃保護リンク機構(100)。
【請求項6】
前記駆動部材(14)は引っ張り部材(17)によって前記リンク部材(13)に接続されることをさらに特徴とする、請求項1に記載の側部衝撃保護リンク機構(100)。
【請求項7】
前記側部衝撃保護ブロック(10)は枢動ソケット(101)によって前記安全座席基部(200)の前記側壁(20)に枢動可能に接続され、第2のねじりばね(102)が前記枢動ソケット(101)の枢動軸上でスリーブとされ、前記第2のねじりばね(102)は前記側部衝撃保護ブロック(10)を駆動して前記展開位置の方に回転させるための駆動力を供給することをさらに特徴とする、請求項1に記載の側部衝撃保護リンク機構(100)。
【請求項8】
前記枢動ソケット(101)は、滑動して前記枢動ソケット(101)に出入りすることができる位置決め部材(1010)を有し、前記安全座席基部(200)の前記側壁(20)は前記位置決め部材(1010)に対応する位置決め穴(21)を有し、前記側部衝撃保護ブロック(10)が前記展開位置に回転するとき、前記位置決め部材(1010)は前記位置決め穴(21)に入って前記側部衝撃保護ブロック(10)を前記展開位置にロックすることをさらに特徴とする、請求項7に記載の側部衝撃保護リンク機構(100)。
【請求項9】
前記枢動ソケット(101)は前記係合部材(12)の前記ロック部分(120)に適合された係合穴(1011)をさらに有し、前記側部衝撃保護ブロック(10)が前記折り畳み位置に回転するとき、前記ロック部分(120)は前記係合穴(1011)と協働して前記側部衝撃保護ブロック(10)を前記折り畳み位置に固定することをさらに特徴とする、請求項8に記載の側部衝撃保護リンク機構(100)。
【請求項10】
前記側部衝撃保護ブロック(10)は前記位置決め部材(1010)に接続されたロック解除部材(103)をさらに有し、前記ロック解除部材(103)は前記位置決め部材(1010)を前記位置決め穴(21)から取り除くように動作することをさらに特徴とする、請求項8に記載の側部衝撃保護リンク機構(100)。
【請求項11】
前記ロック解除部材(103)は第1のリンクロッド(1030)および第2のリンクロッド(1031)を含み、前記第1のリンクロッド(1030)は、第1の枢動部分(1032)と、第2の枢動部分(1033)と、第3の枢動部分(1034)と、を有し、前記第1の枢動部分(1032)および前記第2の枢動部分(1033)は前記第1のリンクロッド(1030)の各反対側の端部に配置され、前記第3の枢動部分(1034)は前記第1の枢動部分(1032)と前記第2の枢動部分(1033)との間に配置され、前記第1のリンクロッド(1030)は前記第1の枢動部分(1032)によって前記位置決め部材(1010)に枢動可能に接続され、前記第1のリンクロッド(1030)は前記第2の枢動部分(1033)によって前記第2のリンクロッド(1031)に枢動可能に接続され、前記第1のリンクロッド(1030)は前記第3の枢動部分(1034)によって前記側部衝撃保護ブロック(10)に枢動可能に接続され、前記第2のリンクロッド(1031)の端部が前記第1のリンクロッド(1030)から離れた動作部分(1035)を有し、前記動作部分(1035)は前記側部衝撃保護ブロック(10)の底壁の方に突出するリブ(1036)を有することをさらに特徴とする、請求項10に記載の側部衝撃保護リンク機構(100)。
【請求項12】
中空室(1016)が前記位置決め部材(1010)内に形成され、前記位置決め部材(1010)の側壁が前記中空室(1016)と連通している第2の長手方向の溝(1014)を有し、前記側部衝撃保護ブロック(10)の枢動軸が前記第2の長手方向の溝(1014)および前記中空室(1016)を貫通することをさらに特徴とする、請求項11に記載の側部衝撃保護リンク機構(100)。
【請求項13】
第2の弾性部材(1015)が前記中空室(1016)内に配設され、前記第2の弾性部材(1015)は前記位置決め部材(1010)を駆動して前記枢動ソケット(101)の外に自動的に延在させるための弾性力を供給することをさらに特徴とする、請求項12に記載の側部衝撃保護リンク機構(100)。
【請求項14】
前記駆動部材(14)の端部が前記安全座席基部(200)に枢動可能に接続され、前記駆動部材(14)の別の端部が前記安全座席基部(200)から突出する突出部分(140)を有し、前記引っ張り部材(17)は前記突出部分(140)が配置された前記駆動部材(14)の端部に接続されることをさらに特徴とする、請求項6に記載の側部衝撃保護リンク機構(100)。
【請求項15】
弾性部材(141)が、前記駆動部材(14)と前記安全座席基部(200)との間に配設され、前記駆動部材(14)を自動的に戻すように構成されることをさらに特徴とする、請求項14に記載の側部衝撃保護リンク機構(100)。
【請求項16】
安全座席基部(200)であって、請求項1から15のいずれか一項に記載の側部衝撃保護リンク機構(100)が、前記安全座席基部(200)上に配設されることを特徴とする、安全座席基部(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子ども用安全座席基部に関し、詳細には、安全座席基部に適用される側部衝撃保護リンク機構と安全座席基部とに関する。
【背景技術】
【0002】
子ども用安全座席は、自動車の座席の上に設置され、拘束デバイスを介してデバイス上の子どもを拘束するデバイスである。自動車の緊急制動または偶発的衝突の場合、安全座席は、事故時の子どもの負傷を低減して自動車内の子どもの安全を確保するために、安全座席のケーシングによって子どものけがを低減し、拘束デバイスによって子どもの体の動きを拘束する。
【0003】
子ども用安全座席は、基部と基部上に取り外し可能に配設された座席本体とを含む。側部衝撃保護を提供するために、横方向保護デバイスが、通常、子ども用安全座席の座席本体の側部に配設され、横方向保護デバイスは、折り畳み可能な構造である。すなわち、横方向保護デバイスは、子どもが座席に着座しているときに保護を提供するために手動で開かれる必要があり、横方向保護デバイスは、子どもが座席を離れるときに横方向空間の占拠を回避するために折り畳まれる必要がある。しかしながら、子ども用安全座席が使用されているとき、ユーザは、横方向保護デバイスを手動で開くことを怠って、横方向保護デバイスが十分に機能することができないという結果を招くことが多い。
【0004】
現在、いくつかの横方向保護デバイスは、自動的に開かれ得る。しかしながら、横方向保護デバイスを駆動するための駆動機構の構造は、より複雑であり、その応答はあまり敏感ではない。それゆえ、横方向保護デバイスの駆動機構を改善することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、簡単な構造と敏感な応答とを有する側部衝撃保護リンク機構を提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、さらに、簡単な構造と敏感な応答とを有する側部衝撃保護リンク機構を備える安全座席基部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これは、請求項1による側部衝撃保護リンク機構と請求項16による安全座席基部とによって達成される。従属請求項は、対応するさらなる進歩および改善に関する。
【0008】
以下の発明を実施するための形態からより明確になるように、請求項に係る側部衝撃保護リンク機構は、安全座席基部に適用される。側部衝撃保護リンク機構は、安全座席基部の側壁に枢動可能に接続された側部衝撃保護ブロックを含み、側部衝撃保護ブロックは、側壁に取り付けられる折り畳み位置および側壁から離れる展開位置を有する。側部衝撃保護ブロックは、展開位置に回転する性質を有する。支持フレームは、側壁内に配設される。支持フレームは、係合部材およびリンク部材を備えている。係合部材の端部は、支持フレームに枢動可能に接続され、係合部材の別の端部は、側壁から滑動可能に突出するロック部分を有する。係合部材は、ロック部分を介して側部衝撃保護ブロックと取り外し可能に係合され、それにより、側部衝撃保護ブロックは、折り畳み位置においてロックされかつロック解除可能である。リンク部材は、係合部材の下に配設され、支持フレームに沿って上下に滑動することができる。リンク部材は、係合部材を駆動して下向きに回転させ、それにより、ロック部分が側部衝撃保護ブロックから係合解除されるように構成される。そのうえ、側部衝撃保護リンク機構は、安全座席基部上に配設されてリンク部材に接続された駆動部材をさらに含む。
【0009】
従来技術と比較すると、本発明の側部衝撃保護リンク機構は、安全座席基部の側壁内に支持フレームを配設し、支持フレーム上に係合部材とリンク部材とを設置し、係合部材は側部衝撃保護ブロックの近くにあり、リンク部材は係合部材の下に位置する。リンク部材が支持フレームに沿って下方に動くとき、係合部材は、下方に回転するように駆動され、それにより、係合部材のロック部分が側部衝撃保護ブロックから分離されて、側部衝撃保護ブロックから係合部材をロック解除する。次いで、側部衝撃保護ブロックは、安全座席基部の外に延びて、作動状態に入る。それに応じて、上述の構造を用いて係合部材とリンク部材とを接続するために支持フレームを使用することによって、本発明は、簡単な構造および敏感な応答の利点を有する。そのうえ、安全座席基部は、さらに、リンク部材に接続された駆動部材を備えている。安全座席基部が使用されているとき、駆動部材は、リンク部材を駆動して下方に動かし、それにより係合部材の働きを自動的に始動するように強制される。その結果として、本発明の動作は使い勝手が良い。
【0010】
好ましくは、リンク部材は、係合部材の方に延びるフック部分を有し、係合部材は、フック部分に適合された翼板を有する。リンク部材が下方に動くとき、フック部分は、翼板と協働して係合部材を駆動して下方に回転させる。
【0011】
好ましくは、支持フレームは、互いに反対側の2つの第1の長手方向の溝を有し、リンク部材は、2つの第1の長手方向の溝に適合された2つの突出する軸を有し、リンク部材は、2つの突出する軸と2つの第1の長手方向の溝との間の協働によって支持フレームに滑動可能に接続される。
【0012】
好ましくは、第1の弾性部材が、リンク部材の下端と支持フレームとの間に配設され、第1の弾性部材は、係合部材を駆動して支持フレームに沿って上方に動かすための弾性力を供給する。
【0013】
好ましくは、第1のねじりばねが、係合部材の枢動軸上でスリーブとされ(sleeved on)、第1のねじりばねは、係合部材を駆動して上方に回転させるように構成される。
【0014】
好ましくは、駆動部材は、引っ張り部材によってリンク部材に接続される。
【0015】
好ましくは、側部衝撃保護ブロックが、枢動ソケットによって安全座席基部の側壁に枢動可能に接続され、第2のねじりばねが、枢動ソケットの枢動軸上でスリーブとされ、第2のねじりばねは、側部衝撃保護ブロックを駆動して展開位置の方に回転させるための駆動力を供給する。
【0016】
好ましくは、枢動ソケットは、滑動して枢動ソケットに出入りすることができる位置決め部材を有し、安全座席基部の側壁は、位置決め部材に対応する位置決め穴を有する。側部衝撃保護ブロックが展開位置の方に回転するとき、位置決め部材が位置決め穴に入って、側部衝撃保護ブロックを展開位置においてロックする。
【0017】
好ましくは、枢動ソケットは、さらに、係合部材のロック部分に適合された係合穴を有する。側部衝撃保護ブロックが折り畳み位置に回転するとき、ロック部分が係合穴と協働して、側部衝撃保護ブロックを折り畳み位置において固定する。
【0018】
好ましくは、側部衝撃保護ブロックは、さらに、位置決め部材に接続されたロック解除部材を有し、ロック解除部材は、位置決め穴から位置決め部材を取り除くように動作する。
【0019】
好ましくは、ロック解除部材は、第1のリンクロッドと第2のリンクロッドとを含む。第1のリンクロッドは第1の枢動部分と、第2の枢動部分と、第3の枢動部分と、を有し、第1の枢動部分および第2の枢動部分は第1のリンクロッドの各反対側の端部に配置され、第3の枢動部分は第1の枢動部分と第2の枢動部分との間に配置される。第1のリンクロッドは、第1の枢動部分によって位置決め部材に枢動可能に接続される。第1のリンクロッドは、第2の枢動部分によって第2のリンクロッドに枢動可能に接続される。第1のリンクロッドは、第3の枢動部分によって側部衝撃保護ブロックに枢動可能に接続される。第2のリンクロッドの端部は、第1のリンクロッドから離れた動作部分を有する。動作部分は、側部衝撃保護ブロックの底壁の方に突出するリブを有する。
【0020】
好ましくは、中空室が位置決め部材内に形成され、位置決め部材の側壁が、中空室と連通している第2の長手方向の溝を有し、側部衝撃保護ブロックの枢動軸が、第2の長手方向の溝および中空室を貫通する。
【0021】
好ましくは、第2の弾性部材が中空室内に配設され、第2の弾性部材は、位置決め部材を駆動して枢動ソケットの外に自動的に延在させるための弾性力を供給する。
【0022】
好ましくは、駆動部材の端部が安全座席基部に枢動可能に接続され、駆動部材の別の端部が、安全座席基部から突出する突出部分を有し、引っ張り部材が、突出部分が配置された駆動部材の端部に接続される。
【0023】
好ましくは、弾性部材が、駆動部材と安全座席基部との間に配設され、駆動部材を自動的に戻すように構成される。
【0024】
以下の発明を実施するための形態からより明確になるように、請求項に係る安全座席基部は、上述の側部衝撃保護リンク機構を備えている。
【0025】
以下では、本発明について、貼付の図面を参照しながら例としてさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】側部衝撃保護ブロックが展開位置において配置される、本発明の実施形態による安全座席基部と座席本体とのアセンブリを示す概略図である。
図2】側部衝撃保護ブロックが折り畳み位置において配置される、本発明の実施形態による安全座席基部を示す概略図である。
図3】側部衝撃保護ブロックが展開位置において配置される、本発明の実施形態による安全座席基部を示す概略図である。
図4】1つの側部衝撃保護ブロックが図3の片側から取り外されていることを示す概略図である。
図5】本発明の実施形態による側部衝撃保護リンク機構および安全座席基部を示す分解図である。
図6図5に示す領域Aを示す拡大図である。
図7】本発明の実施形態による、リンク部材に接続された係合部材を示す概略図である。
図8】本発明の実施形態による、側部衝撃保護ブロックを示す概略図である。
図9図8の分解図である。
図10図8に示すロック解除部材を示す拡大図である。
図11】見る方向が安全座席基部の後ろからに規定された、本発明の実施形態による安全座席基部を示す斜視図である。
図12図11に示す領域Bを示す拡大図である。
図13図11に示す領域Cを示す拡大図である。
図14】本発明の実施形態による駆動部材の内部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示、構造的特徴、原理、および達成された効果を詳細に説明するために、本発明について、以下の実施形態および図面とともにさらに説明する。
【0028】
図1図7に示すように、本発明は、安全座席基部200を提供する。2つの側部衝撃保護リンク機構100が、それぞれ、安全座席基部200の2つの側壁20上に設置される。側部衝撃保護リンク機構100は、側部衝撃保護ブロック10を含む。側部衝撃保護ブロック10は、安全座席基部200の側壁20に枢動可能に接続され、(図1および図2に示す)側壁20に取り付けられる折り畳み位置および(図3に示す)側壁20から離れる展開位置を有する。側部衝撃保護ブロック10は、展開位置に回転する性質を有する。安全座席基部200が座席本体300とともに使用されているとき、両側の側部衝撃保護ブロック10が自動的に展開して、安全座席基部200上の人を直接の衝撃から保護する。本実施形態において、側部衝撃保護リンク機構100の駆動機構を簡素化してその敏感さを高めるために、側部衝撃保護リンク機構100は、安全座席基部200の側壁20内に配設された支持フレーム11をさらに含む。支持フレーム11は、係合部材12および係合部材12の下に配置されたリンク部材13を備えている。係合部材12の端部は、支持フレーム11に枢動可能に接続され、係合部材12の別の端部は、側壁20から滑動可能に突出するロック部分120を有する。係合部材12は、ロック部分120を介して側部衝撃保護ブロック10と取り外し可能に係合され、それにより、側部衝撃保護ブロック10は、折り畳み位置にロックされかつロック解除可能である。リンク部材13は、支持フレーム11に沿って上下に滑動し、係合部材12を駆動して下方に回転させることができ、それにより、ロック部分120が側部衝撃保護ブロック10から係合解除され、側部衝撃保護ブロック10をロック解除する。そのうえ、側部衝撃保護リンク機構100は、安全座席基部200上に配設されてリンク部材13に接続された駆動部材14をさらに含む。安全座席基部200が使用されているとき、駆動部材14が押されてリンク部材13を駆動し、支持フレーム11に沿って下方に動かす。リンク部材13は、係合部材12を駆動して下方に動かしながら下方に回転させ、それにより、係合部材12のロック部分120は、側部衝撃保護ブロック10から脱出する。その結果として、側部衝撃保護ブロック10は、折り畳み位置から展開位置に回転する。
【0029】
図14に示すように、駆動部材14の端部が安全座席基部200に枢動可能に接続され、駆動部材14の別の端部が、安全座席基部200から突出する突出部分140を有し、引っ張り部材17が、突出部分140が配置された駆動部材14の端部に接続される。この実施形態では、引っ張り部材17は鋼線である。安全座席基部200が使用されているとき、突出部分140が押されて下方に動き、リンク部材13を駆動して鋼線を介して下方に動かす。そのうえ、弾性部材141が、駆動部材14と安全座席基部200との間にさらに配設されてよく、駆動部材14を自動的に戻すように構成される。弾性部材141は、ねじりばね、引張ばねなどであり得る。
【0030】
リンク部材13と係合部材12との間の好ましい接続を、図6および図7に示す。リンク部材13は、係合部材12の方に延びるフック部分130を有し、係合部材12は、フック部分130に適合された翼板121を有する。この実施形態では、翼板121は、係合部材12の枢動軸に近い端部からロック部分120の端部の方に延びる。リンク部材13が下方に動くとき、フック部分130が、翼板121を下方に引っ張って係合部材12を駆動して下方に回転させ、それにより、ロック部分120は、側部衝撃保護ブロック10から係合解除される。そのうえ、支持フレーム11は、互いに反対側の2つの軸受穴111を有する。係合部材12の枢動軸は、2つの軸受穴111を介して支持フレーム11に枢動可能に接続される。またさらに、支持フレーム11は、互いに反対側の2つの第1の長手方向の溝110を有し、リンク部材13は、2つの第1の長手方向の溝110に適合された2つの突出する軸131を有する。リンク部材13は、2つの突出する軸131と2つの第1の長手方向の溝110との間の協働によって支持フレーム11に滑動可能に接続される。鋼線がリンク部材13を引っ張るように強制されるとき、リンク部材13は、第1の長手方向の溝110に沿って下方に動く。
【0031】
図7に示すように、リンク部材13を自動的に戻らせるために、第1の弾性部材16が、リンク部材13の下端と支持フレーム11との間に配設される。第1の弾性部材16は、係合部材12を駆動して支持フレーム11に沿って上方に動かすための弾性力を供給する。リンク部材13が引っ張られて下方に動くとき、第1の弾性部材16は、圧縮されて弾性的に変形する。リンク部材13に作用する引っ張り力が存在しなくなると、第1の弾性部材16の弾性力がリンク部材13を上端まで押し戻し、それにより、リンク部材13は自動的に戻る。そのうえ、上方に回転して側部衝撃保護ブロック10を展開位置に配置する性質を係合部材12に持たせるために、第1のねじりばね122が、係合部材12の枢動軸上でスリーブとされる。第1のねじりばね122の自由端が係合部材12に当接し、第1のねじりばね122の別の自由端が支持フレーム11に当接する。
【0032】
図8に示すように、側部衝撃保護ブロック10は、枢動ソケット101によって安全座席基部200の側壁20に枢動可能に接続される。この実施形態では、枢動ソケット101は、側部衝撃保護ブロック10と一体に形成された円筒形の構造である。第2のねじりばね102が、枢動ソケット101の枢動軸上でスリーブとされる。第2のねじりばね102は、側部衝撃保護ブロック10を駆動して展開位置の方に回転させるための駆動力を供給する。駆動部材14が側部衝撃保護ブロック10から係合部材12をロック解除すると、側部衝撃保護ブロック10は、第2のねじりばね102によって展開位置の方に自動的に回転する。
【0033】
図4図6および図8を参照すると、側部衝撃保護ブロック10が展開位置に位置するとき、側部衝撃保護ブロック10を良好に位置付けるために、枢動ソケット101は、滑動して枢動ソケット101に出入りすることができる位置決め部材1010を有する。そのうえ、枢動ソケット101は、位置決め部材1010が出入りするための開口1012を有する。安全座席基部200の側壁20は、位置決め部材1010に対応する位置決め穴21を有する。側部衝撃保護ブロック10が展開位置に回転するとき、(図11および図13に示すように)位置決め部材1010が位置決め穴21に入って、側部衝撃保護ブロック10を展開位置にロックする。側部衝撃保護ブロック10が折り畳み位置の方に回転するとき、(図11および図12に示すように)位置決め部材1010は、位置決め穴21から脱出する。この実施形態では、側部衝撃保護ブロック10が展開位置に回転するとき、位置決め部材1010は位置決め穴21に自動的に入り、それにより、側部衝撃保護ブロック10は、位置決め部材1010と位置決め穴21との間の協働によって位置決めされる。そのうえ、枢動ソケット101は、さらに、係合部材12のロック部分120に適合された係合穴1011を有する。側部衝撃保護ブロック10が折り畳み位置に回転するとき、ロック部分120が係合穴1011に自動的に入り、それにより、側部衝撃保護ブロック10は、ロック部分120と係合穴1011との間の協働によって折り畳み位置に固定される。好ましくは、支持フレーム11の固定と設置とを容易にするために、この実施形態では、支持フレーム11は、設置フレーム15によって側部衝撃保護ブロック10の側壁20に接続される。
【0034】
図9および図10に示すように、安全座席基部200がアイドル状態にあるとき、側部衝撃保護ブロック10の折り畳みプロセスを容易にするために、側部衝撃保護ブロック10は、さらに、位置決め部材1010に接続されたロック解除部材103を有し、ロック解除部材103は、位置決め穴21から位置決め部材1010を取り除くように動作する。好ましくは、ロック解除部材103は、第1のリンクロッド1030と第2のリンクロッド1031とを含む。第1のリンクロッド1030は第1の枢動部分1032と、第2の枢動部分1033と、第3の枢動部分1034と、を有し、第1の枢動部分1032および第2の枢動部分1033は第1のリンクロッド1030の各反対側の端部に配置され、第3の枢動部分1034は第1の枢動部分1032と第2の枢動部分1033との間に配置される。第1のリンクロッド1030は、第1の枢動部分1032によって位置決め部材1010に枢動可能に接続される。第1のリンクロッド1030は、第2の枢動部分1033によって第2のリンクロッド1031に枢動可能に接続される。第1のリンクロッド1030は、第3の枢動部分1034によって側部衝撃保護ブロック10に枢動可能に接続される。第2のリンクロッド1031の端部は、第1のリンクロッド1030から離れた動作部分1035を有する。動作部分1035は、側部衝撃保護ブロック10の底壁の方に突出するリブ1036を有する。リブ1036を介して、第1のリンクロッド1030の展開方向と第2のリンクロッド1031の展開方向との間に含まれる角度は、自然状態にある。側部衝撃保護ブロック10が展開位置から折り畳み位置に折り畳まれる必要があるとき、第2のリンクロッド1031の動作部材1035が、図9に示す矢印F2で示される方向に沿って引っ張られる。次いで、第2のリンクロッド1031の別の端部が、第1のリンクロッド1030の第2の枢動部分1033の先端を駆動してリブ1036上に下向きにアーチ状に曲げ、それにより、第1のリンクロッド1030の前端が、第3の枢動部分1034上に上向きに傾き、位置決め部材1010を駆動して位置決め穴21から押し出して枢動ソケット101の中に入らせる。この実施形態のロック解除部材103は、簡単な構造および使い勝手が良い動作という利点を有する。
【0035】
ロック解除部材103の設置を容易にするために、図9に示すように、側部衝撃保護ブロック10は、一緒にネジ留め外部ケーシング104と内部ケーシング105とを含む。枢動ソケット101は、外部ケーシング104上に配置され、枢動ソケット101は中空構造である。外部ケーシング104は、第1のリンクロッド1030および第2のリンクロッド1031を収納するための収納凹所106を有する。収納凹所106は、枢動ソケット101内の中空室と連通している。内部ケーシング105の側壁は、第1のリンクロッド1030の第3の枢動部分1034を枢動可能に接続するための枢動穴108を有する。またさらに、内部ケーシング105は、収納凹所106と連通している貫通孔107を有する。第2のリンクロッド1031の動作部分1035は、内部ケーシング105の貫通孔107を貫通して、側部衝撃保護ブロック10の外側から露出される。
【0036】
第1のリンクロッド1030と位置決め部材1010との間の特定の接続構造は、図10に示されるものが好ましい。中空室1016は、位置決め部材1010内に形成される。位置決め部材1010の側壁は、中空室1016と連通している第2の長手方向の溝1014を有する。側部衝撃保護ブロック10の枢動軸は、第2の長手方向の溝1014と中空室1016とを貫通する。第1のリンクロッド1030が位置決め部材1010を駆動して上方に傾けるとき、位置決め部材1010は、第2の長手方向の溝1014を通じて、側部衝撃保護ブロック10の枢動軸に沿って上方に動く。そのうえ、第2の弾性部材1015が、さらに、位置決め部材1010の中空室1016内に配設され得る。第2の弾性部材1015は、位置決め部材1010を駆動して枢動ソケット101の外に自動的に延在させるための弾性力を提供する。
【0037】
本発明の側部衝撃保護リンク機構100を伴う安全座席基部の動作について、以下において、図1図14を参照しながら説明する。
【0038】
安全座席基部200が使用される必要がない場合、側部衝撃保護ブロック10は、側壁20上の格納凹所22内に折り畳まれる。係合部材12のロック部分120は、側壁20の外に延びて側部衝撃保護ブロック10の係合穴1011の中に係合し、側部衝撃保護ブロック10を折り畳み位置にロックする。この時点で、位置決め部材1010は、側壁20によって圧縮されて側部衝撃保護ブロック10の枢動ソケット101内に格納され、同時に第2の弾性部材1015を圧縮する。
【0039】
座席本体300が安全座席基部200上に設置されると、座席本体300の底が、安全座席基部200上に配設された突出部分140を押圧し、駆動部材14を駆動して回転させる。駆動部材14が、鋼線およびリンク部材13を介して係合部材12を引っ張って図14に示す矢印F1で示される方向に沿って滑動させ、その結果、係合部材12のロック部分120が、側部衝撃保護ブロック10の係合穴1011から分離される。この時点で、側部衝撃保護ブロック10は、第2のねじりばね102の押圧力によって押し出され、折り畳み位置から展開位置に回転する。そのうえ、駆動部材14が回転して弾性部材141を変形させ、同時に係合部材12が回転して第1のねじりばね122を変形させる。
【0040】
側部衝撃保護ブロック10が回転して脱出した後、側部衝撃保護ブロック10の位置決め部材1010の位置は、安全座席基部200の側壁20上の位置決め穴21に対応する。位置決め部材1010は側壁20によって押圧されないので、位置決め部材1010は、脱出して第2の弾性部材1015の働きによって係合穴21の中に係合し、それにより、側部衝撃保護ブロック10は、位置決め部材1010によって展開位置に保持される。
【0041】
側部衝撃保護ブロック10が折り畳まれる必要があるとき、第2のリンクロッド1031の動作部分1035が引っ張られ、第1のリンクロッド1030を介して位置決め部材1010を位置決め穴21の外に引き出す。位置決め部材1010が位置決め穴21から係合解除されると、側部衝撃保護ブロック10は、押されて折り畳み位置に回転することができる。次いで、座席本体300が取り外される。駆動部材14の突出部分140は座席本体300によって押圧されないので、駆動部材14は回転して、弾性部材141の働きによって戻る。鋼線にかかる引っ張り力は存在しなくなり、リンク部材13は第2のねじりばねの働きによって戻り、それにより、係合部材12は、第1のねじりばね122の働きによって戻る。その結果として、係合部材12のロック部分120は、枢動ソケット101の係合穴1011に入って側部衝撃保護ブロック10をロックする。
【0042】
本発明の側部衝撃保護リンク機構の革新的配置によって、安全座席基部200は、側部衝撃保護効果を有し、側部衝撃保護ブロック10を制御するためのリンク機構が最適化され、それにより、側部衝撃保護ブロック10の運動はより敏感になり、構造は簡単で製造が容易になる。
【符号の説明】
【0043】
10 側部衝撃保護ブロック
11 支持フレーム
12 係合部材
13 リンク部材
14 駆動部材
15 設置フレーム
16 第1の弾性部材
17 引っ張り部材
20 側壁
21 位置決め穴
22 格納凹所
100 側部衝撃保護リンク機構
101 枢動ソケット
102 第2のねじりばね
103 ロック解除部材
104 外部ケーシング
105 内部ケーシング
106 収納凹所
107 貫通孔
108 枢動穴
110 第1の長手方向の溝
111 軸受穴
120 ロック部分
121 翼板
122 第1のねじりばね
130 フック部分
131 突出する軸
140 突出部分
141 弾性部材
200 安全座席基部
300 座席本体
1010 位置決め部材
1011 係合穴
1012 開口
1014 第2の長手方向の溝
1015 第2の弾性部材
1016 中空室
1030 第1のリンクロッド
1031 第2のリンクロッド
1032 第1の枢動部分
1033 第2の枢動部分
1034 第3の枢動部分
1035 動作部分
1036 リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14