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特許73957425G NRにおける熱影響を管理するためのスマート機構
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】5G NRにおける熱影響を管理するためのスマート機構
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/0404 20170101AFI20231204BHJP
   H04B 1/3827 20150101ALI20231204BHJP
   H04B 1/401 20150101ALI20231204BHJP
   H04B 7/0426 20170101ALI20231204BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20231204BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20231204BHJP
【FI】
H04B7/0404
H04B1/3827 110
H04B1/401
H04B7/0426 100
H04B7/08 022
H04B7/08 710
H04W16/28 150
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022531471
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 US2020065007
(87)【国際公開番号】W WO2021126798
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】62/951,232
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/952,906
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】プラバカー アロシオウス プラディープ
(72)【発明者】
【氏名】チャオ ウェン
(72)【発明者】
【氏名】カヴリ ラクシュミ エヌ
(72)【発明者】
【氏名】ス リ
(72)【発明者】
【氏名】スハー サガー ビー
(72)【発明者】
【氏名】スブラマニアン スリラム
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカタラマン ヴィジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ゴヴィンダラジュ ヴィシュワンス カマラ
(72)【発明者】
【氏名】ナラ シヴァ クリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】バラスブラマニアン サンジーヴィ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】シャンバーグ マドゥカル ケイ
(72)【発明者】
【氏名】スンケサラ サンディープ ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ニンマラ スリニヴァサン
(72)【発明者】
【氏名】ダナパル ムトゥクマラン
(72)【発明者】
【氏名】ダナニ タラクマール ジー
(72)【発明者】
【氏名】コダリ スリー ラム
(72)【発明者】
【氏名】ペフキアナキス イオアニス
(72)【発明者】
【氏名】ハティ ドゥルヴ
(72)【発明者】
【氏名】トラヴォスティノ フランコ
(72)【発明者】
【氏名】エランゴヴァン タニガイヴェル
(72)【発明者】
【氏名】チャウダリー マドゥスダン
(72)【発明者】
【氏名】ホール ジェフリー アール
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-036338(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0091747(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0069304(US,A1)
【文献】特開2012-249189(JP,A)
【文献】特開2004-336470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/0404
H04B 1/3827
H04B 1/401
H04B 7/0426
H04B 7/08
H04W 16/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器デバイス(UE)であって、
第1のアンテナ及び第2のアンテナを備える無線機と、
前記無線機に動作可能に結合されたプロセッサと、を備え、前記UEが、
前記第1のアンテナであって、前記第2のアンテナよりも高いリンクバジェットを有する、前記第1のアンテナを介してダウンリンクデータを受信し、
前記UEの温度が速度閾値よりも高い速度で上昇していることを判定し、
前記UEの前記温度が前記速度閾値よりも高い前記速度で上昇していると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のアンテナを介して前記ダウンリンクデータを受信することから、前記第2のアンテナを介して前記ダウンリンクデータを受信することに切り替え、
前記UEの前記温度が前記速度閾値よりも高い前記速度で上昇していると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ダウンリンクデータの受信に関連して使用されるアナログ-デジタル変換器(ADC)のダイナミックレンジを低減する、
ように構成されている、UE。
【請求項2】
前記ダウンリンクデータが、第5世代新無線(5G NR)無線アクセス技術(RAT)を介して受信される、請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記ダウンリンクデータが、前記第1のアンテナを介してよりも、前記第2のアンテナを介してより低いデータレートで受信される、
請求項1に記載のUE。
【請求項4】
前記UEが、
前記UEの前記温度が前記速度閾値よりも高い前記速度で上昇していると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のアンテナを介してアップリンクデータを送信することから、前記第2のアンテナを介して前記アップリンクデータを送信することに切り替えるように更に構成されている、請求項1に記載のUE。
【請求項5】
前記UEの前記温度が前記速度閾値よりも高い前記速度で上昇していることを前記判定することが、前記UEがデータ受信の持続ピークスループットに関与していることに応じて実行される、
請求項1に記載のUE。
【請求項6】
前記第1のアンテナを介して前記ダウンリンクデータを受信することから前記第2のアンテナを介して前記ダウンリンクデータを受信することに前記切り替えることが、前記UEの前記温度が温度閾値を上回るとの判定に更に基づいて実行される、
請求項1に記載のUE。
【請求項7】
ユーザ機器(UE)に、
前記UEの第1のアンテナであって、前記UEの第2のアンテナよりも高いリンクバジェットを有する、前記第1のアンテナを介してダウンリンクデータを受信させ、
前記UEの温度が速度閾値よりも高い速度で上昇していることを判定させ、
前記UEの前記温度が前記速度閾値よりも高い前記速度で上昇していると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のアンテナを介して前記ダウンリンクデータを受信することから、前記第2のアンテナを介して前記ダウンリンクデータを受信することに切り替えさせ、
前記UEの前記温度が前記速度閾値よりも高い前記速度で上昇していると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ダウンリンクデータの受信に関連して使用されるアナログ-デジタル変換器(ADC)のダイナミックレンジを低減させる、
ように構成された、ベースバンドプロセッサ。
【請求項8】
前記ダウンリンクデータが、第5世代新無線(5G NR)無線アクセス技術(RAT)を介して受信される、請求項に記載のベースバンドプロセッサ。
【請求項9】
前記ダウンリンクデータが、前記第1のアンテナを介してよりも、前記第2のアンテナを介してより低いデータレートで受信される、
請求項に記載のベースバンドプロセッサ。
【請求項10】
前記ベースバンドプロセッサが、前記UEに、
前記UEの前記温度が前記速度閾値よりも高い前記速度で上昇していると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のアンテナを介してアップリンクデータを送信することから、前記第2のアンテナを介して前記アップリンクデータを送信することに切り替えさせるように更に構成されている、請求項に記載のベースバンドプロセッサ。
【請求項11】
前記UEの前記温度が前記速度閾値よりも高い前記速度で上昇していることを前記判定することが、前記UEがデータ受信の持続ピークスループットに関与していることに応じて実行される、
請求項に記載のベースバンドプロセッサ。
【請求項12】
前記第1のアンテナを介して前記ダウンリンクデータを受信することから前記第2のアンテナを介して前記ダウンリンクデータを受信することに前記切り替えることが、前記UEの前記温度が温度閾値を上回るとの判定に更に基づいて実行される、
請求項に記載のベースバンドプロセッサ。
【請求項13】
ユーザ機器(UE)を動作させる方法であって、
前記UEの第1のアンテナであって、前記UEの第2のアンテナよりも高いリンクバジェットを有する、前記第1のアンテナを介してダウンリンクデータを受信することと、
前記UEの温度が速度閾値よりも高い速度で上昇していることを判定することと、
前記UEの前記温度が前記速度閾値よりも高い前記速度で上昇していると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のアンテナを介して前記ダウンリンクデータを受信することから、前記第2のアンテナを介して前記ダウンリンクデータを受信することに切り替えることと、
前記UEの前記温度が前記速度閾値よりも高い前記速度で上昇していると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ダウンリンクデータの受信に関連して使用されるアナログ-デジタル変換器(ADC)のダイナミックレンジを低減することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記ダウンリンクデータが、第5世代新無線(5G NR)無線アクセス技術(RAT)を介して受信される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ダウンリンクデータが、前記第1のアンテナを介してよりも、前記第2のアンテナを介してより低いデータレートで受信される、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記UEの前記温度が前記速度閾値よりも高い前記速度で上昇していると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のアンテナを介してアップリンクデータを送信することから、前記第2のアンテナを介して前記アップリンクデータを送信することに切り替えることを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記UEの前記温度が前記速度閾値よりも高い前記速度で上昇していることを前記判定することが、前記UEがデータ受信の持続ピークスループットに関与していることに応じて実行される、
請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のアンテナを介して前記ダウンリンクデータを受信することから前記第2のアンテナを介して前記ダウンリンクデータを受信することに切り替えることが、前記UEの前記温度が温度閾値を上回るとの判定に更に基づいて実行される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、デュアル無線アクセス技術の無線デバイスの過熱を緩和する方法、システム、及び装置を含む、無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムの使用が急速に増大している。更に、インターネット及びマルチメディアコンテンツなどのデータの送信をも含むように、音声専用通信から無線通信技術が発展してきた。
【0003】
モバイル電子デバイスは、一般的にユーザが持ち運ぶスマートフォン又はタブレットの形態をとることがある。ウェアラブルデバイス(アクセサリデバイスとも呼ばれる)は、モバイル電子デバイスのより新たな形態であり、1つの例がスマートウォッチである。加えて、定置又は移動性の配備のために意図された低コストで複雑性の低い無線デバイスはまた、「モノのインターネット」の配備の一部として急増している。換言すれば、ますます広範囲な所望のデバイスの複雑性、能力、トラフィックパターン、及び他の特性が存在している。一般に、広範囲の所望の無線通信特性に対する改善されたサポートを認識及び提供することが望ましいであろう。例えば、無線ネットワークの設計は、キャリアアグリゲーション(carrier aggregation、CA)をますます含むことができる。CA通信セッションの間、無線デバイスは、プライマリセル(primary cell、PCell)及び1つ以上のセカンダリセル(secondary cells、SCell)の各々と通信することができる。複数のアクティブセル、特にミリメートル波(millimeter wave、mmW)セルなどのより高い周波数で動作するセルの導入は、無線デバイスの過熱のリスクを高めることがある。それゆえ、この分野における改善が望まれる。
【発明の概要】
【0004】
とりわけ、キャリアアグリゲーションシナリオにおいてロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)及び第5世代新無線(5th Generation New Radio、5G NR)の両方を介して通信するように構成された無線デバイスの過熱を緩和するためのシステム、装置、及び方法の実施形態が、本明細書に提示される。
【0005】
いくつかの実施形態では、ユーザ機器デバイス(user equipment device、UE)は、プライマリセル(PCell)及び1つ以上のセカンダリセル(SCell)との接続を確立する。プライマリセルは、LTE eNBであってもよく、1つ以上のセカンダリセルは、5G NR gNB(単数又は複数)であってもよい。SCellは、サブ6GHz(サブ6)又はmm波(mmW)周波数範囲のいずれかに従って動作することができる。mmW周波数範囲にわたるUEによる長期伝送は、UEの過熱をもたらすことがあり、本明細書の様々な実施形態は、5G対応デバイスの過熱を緩和する方法及びデバイスを説明する。
【0006】
本明細書で説明された技術は、セルラ電話、タブレットコンピュータ、アクセサリコンピューティングデバイス及び/又はウェアラブルコンピューティングデバイス、ポータブルメディアプレーヤ、セルラ基地局及び他のセルラネットワークのインフラ機器、サーバ、並びに様々な他のコンピューティングデバイスのいずれかを含むがこれらに限定されない、多数の異なる種類のデバイスに実装する及び/又はそれらと共に使用することができる。
【0007】
この発明の概要は、この文書に記載された主題のいくつかの簡単な概要を提供することを意図している。したがって、上記説明された特徴は、実施例に過ぎず、いずれかの方式において本明細書で説明される主題の範囲及び趣旨を狭めると解釈されるべきでないことを理解されよう。本明細書に記載の主題の他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明、図、及び特許請求の範囲から明らかになる。
【0008】
実施形態の以下の詳細な説明について以下図面と併せて考察すると、本発明の主題をより良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】いくつかの実施形態に係る、例示的な(かつ簡略化された)無線通信システムを示す。
図2】いくつかの実施形態に係る、ユーザ機器(User Equipment、UE)デバイスと通信する基地局(Base Station、BS)を示す。
図3】いくつかの実施形態に係る、UEの例示的なブロック図を示す。
図4】いくつかの実施形態に係る、BSの例示的なブロック図を示す。
図5A】いくつかの実施形態に係る、非スタンドアロン(non-standalone、NSA)及びスタンドアロン(standalone、SA)通信構成の概略図である。
図5B】いくつかの実施形態に係る、非スタンドアロン(non-standalone、NSA)及びスタンドアロン(standalone、SA)通信構成の概略図である。
図6】いくつかの実施形態に係る、送信電力に重ね合わされた経時的なUEの温度の例示的なグラフを示す。
図7】いくつかの実施形態に係る、バックオフモードを実装する送信電力デューティサイクルを示す。
図8】いくつかの実施形態に係る、送信電力デューティサイクル中の通常モード中の高優先度データ及び5G通信の割り当てを示す。
図9A】いくつかの実施形態に係る、熱緩和の程度に応じて、バックオフモードを実装するための異なる3つのデューティサイクルを示す。
図9B】いくつかの実施形態に係る、熱緩和の程度に応じて、バックオフモードを実装するための異なる3つのデューティサイクルを示す。
図9C】いくつかの実施形態に係る、熱緩和の程度に応じて、バックオフモードを実装するための異なる3つのデューティサイクルを示す。
図10】いくつかの実施形態に係る、5G送信電力バジェットを示す概略図である。
図11】いくつかの実施形態に係る、通常モードと送信電力遮断モードとの間の周期的な交代を示す。
図12】いくつかの実施形態に係る、熱緩和のための送信電力バックオフモードを実装する方法を示すフローチャート図である。
図13】いくつかの実施形態において、UEが5G gNBをドロップし、LTEを介して排他的に通信する方法を示す通信フロー図である。
図14】いくつかの実施形態に係る、UEがUEと通信するアクティブSCellの数を低減する方法を示すフローチャート図である。
図15】いくつかの実施形態に係る、選択的NRセル測定プルーニングを実行する方法を示すフローチャート図である。
図16】いくつかの実施形態に係る、UEがアクティブコンポーネントキャリアの最大数を低減する方法を示す通信フロー図である。
図17A】いくつかの実施形態に係る、異なる2つのカバレッジシナリオ間で移動するUEを示す。
図17B】いくつかの実施形態に係る、異なる2つのカバレッジシナリオ間で移動するUEを示す。
図18】いくつかの実施形態に係る、ENDCカバレッジシナリオにおいて、UEがセル測定を実行する方法を示すフローチャート図である。
図19】いくつかの実施形態に係る、無線リソース制御(radio resource control、RRC)アイドル又は接続モードにある間に、UEがENDCカバレッジシナリオでセル測定を実行する方法を示すフローチャート図である。
図20】いくつかの実施形態に係る、SCG障害開始手順を実行する方法を示すフローチャート図である。
図21】いくつかの実施形態に係る、セカンダリセルグループ(secondary cell group、SCG)障害開始手順を実行するためのタイマを開始するための複数のトリガ条件を示す。
【0010】
本明細書で説明される特徴は、様々な修正及び代替形態の余地があると同時に、その特定の実施形態を例として図面に示し、本明細書で詳細に説明する。しかし、図面及びそれらに対する詳細な説明は、開示されている特定の形態に限定することを意図するものではなく、逆に、その意図は、添付の「特許請求の範囲」によって定義されるような本主題の趣旨及び範囲内に収まる、全ての修正、均等物、及び代替物を包含することである点を理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0011】
略称
【0012】
以下の頭字語が、本開示において使用される。
【0013】
3GPP:第3世代パートナーシッププロジェクト
【0014】
3GPP2:第3世代パートナーシッププロジェクト2
【0015】
RAN:無線アクセスネットワーク
【0016】
GSM:移動体通信用のグローバルシステム
【0017】
UMTS:ユニバーサル移動体通信システム
【0018】
UTRAN:UMTS地上無線アクセスネットワーク又はユニバーサル地上無線アクセスネットワーク
【0019】
UE:ユーザ機器
【0020】
LTE:ロングタームエボリューション
【0021】
NR:新無線
【0022】
E-UTRAN:進化型UMTS無線アクセスネットワーク又は進化型ユニバーサル無線アクセスネットワーク
【0023】
RRC:無線リソース制御
【0024】
RLC:無線リンク制御
【0025】
MAC:媒体アクセス制御
【0026】
PDCP:パケットデータコンバージェンスプロトコル
【0027】
RF:無線周波数
【0028】
DL:ダウンリンク
【0029】
UL:アップリンク
【0030】
NW:ネットワーク
【0031】
BS:基地局
【0032】
MME:モビリティ管理エンティティ
【0033】
AMF:アクセス管理機能
【0034】
AS:アクセス層
【0035】
NAS:非アクセス層
【0036】
RAT:無線アクセス技術
【0037】
PLMN:公衆陸上移動体ネットワーク
【0038】
LAA:免許支援アクセス
【0039】
CA:キャリアアグリゲーション
【0040】
Rx:受信機
【0041】
PDCCH:物理ダウンリンク制御チャネル
【0042】
PDSCH:物理ダウンリンク共用チャネル
【0043】
PRB:物理リソースブロック
【0044】
DCI:ダウンリンク制御情報
【0045】
SNR:信号対雑音比
【0046】
RSRP:基準信号受信電力
【0047】
SF:サブフレーム
用語
【0048】
以下は、本開示で使用されている用語の用語集である。
【0049】
記憶媒体-様々な種類の非一時的メモリデバイス又は記憶デバイスのうちの任意のもの。用語「記憶媒体」は、例えば、CD-ROM、フロッピーディスク、又はテープデバイスなどのインストール媒体、DRAM、DDR RAM、SRAM、EDO RAM、Rambus RAMなどのコンピュータシステムメモリ又はランダムアクセスメモリ、フラッシュ、例えば、ハードドライブ、又は光学ストレージなどの磁気媒体などの不揮発性メモリ、レジスタ、又は他の類似のタイプのメモリ要素などを含むことが意図されている。記憶媒体は、他のタイプの非一時的メモリ、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。加えて、記憶媒体は、プログラムが実行される第1のコンピュータシステムにおいて位置してもよく、又はインターネットなどのネットワークを介して第1のコンピュータシステムに接続する第2の異なるコンピュータシステムにおいて位置してもよい。後者のインスタンスでは、第2のコンピュータシステムは、実行のために、プログラム命令を第1のコンピュータに提供することができる。用語「記憶媒体」は、異なる位置、例えば、ネットワークを通じて接続された異なるコンピュータシステム内に存在することができる2つ以上の記憶媒体を含んでもよい。記憶媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行することができるプログラム命令(例えば、コンピュータプログラムとして具現化された)を記憶してもよい。
【0050】
キャリア媒体-上述のような記憶媒体、並びにバス、ネットワークなどの物理的伝送媒体、及び/又は電気信号、電磁信号、若しくはデジタル信号などの信号を伝送する他の物理的伝送媒体。
【0051】
プログラム可能ハードウェア要素-プログラム可能相互接続を介して接続された複数のプログラム可能機能ブロックを備える、様々なハードウェアデバイスを含む。例として、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、プログラム可能論理デバイス(Programmable Logic Device、PLD)、フィールドプログラム可能オブジェクトアレイ(Field Programmable Object Array、FPOA)、及び複合PLD(Complex PLD、CPLD)が挙げられる。プログラム可能機能ブロックは、細かい粒度のもの(組み合わせ論理又はルックアップテーブル)から粗い粒度のもの(演算論理装置又はプロセッサコア)にまで及ぶことができる。プログラム可能ハードウェア要素はまた、「再構成可能な論理」と称されることがある。
【0052】
コンピュータシステム-パーソナルコンピュータシステム(personal computer system、PC)、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク装置、インターネット装置、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、テレビシステム、グリッドコンピューティングシステム、又は他のデバイス若しくはデバイスの組み合わせを含む、様々なタイプのコンピューティング又は処理システムのうちのいずれか。一般に、用語「コンピュータシステム」は、記憶媒体からの命令を実行する少なくとも1つのプロセッサを有する任意のデバイス(又はデバイスの組み合わせ)を包含するように広義に定義され得る。
【0053】
ユーザ機器(UE)(又は、「UEデバイス」)-移動式又は携帯式であり、無線通信を実行する、様々な種類のコンピュータシステム又はデバイスのうちの任意のもの。UEデバイスの例としては、携帯電話又はスマートフォン(例えば、iPhone(登録商標)、Android(登録商標)ベースの電話)、ポータブルゲームデバイス(例えば、Nintendo DS(登録商標)、PlayStation Portable(登録商標)、Gameboy Advance(登録商標)、iPhone(登録商標))、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、スマートグラス)、ラップトップ、PDA、ポータブルインターネットデバイス、音楽プレーヤ、データ記憶デバイス、又は他のハンドヘルドデバイスなどが挙げられる。一般に、用語「UE」又は「UEデバイス」は、ユーザによって容易に持ち運ばれ、無線通信が可能な、あらゆる電子的、コンピューティング及び/又は遠隔通信デバイス(又はデバイスの組み合わせ)を包含するように幅広く定義され得る。
【0054】
無線デバイス-無線通信を実行する様々な種類のコンピュータシステム又はデバイスのうちの任意のもの。無線デバイスは、ポータブル(若しくはモバイル)であることができ、又はある場所に定置若しくは固定されてもよい。UEは、無線デバイスの一例である。
【0055】
通信デバイス-通信を実行する様々なタイプのコンピュータシステム又はデバイスのうちのいずれか。通信は、有線又は無線であることができる。通信デバイスは、ポータブル(若しくはモバイル)であることができ、又はある場所に定置若しくは固定されてもよい。無線デバイスは、通信デバイスの一例である。UEは、通信デバイスの別の例である。
【0056】
基地局-用語「基地局」は、その通常の意味の全範囲を有し、少なくとも、固定場所に設置され、無線電話システム又は無線システムの一部として通信するために使用される無線通信局を含む。
【0057】
処理要素-様々な要素又は要素の組み合わせを指す。処理要素は、例えば、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)などの回路、個別のプロセッサコアの一部分若しくは回路、プロセッサコア全体、個別プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)などのプログラム可能なハードウェアデバイス、及び/又は複数のプロセッサを含むシステムのより大きい部分を含む。
【0058】
チャネル-送信側(送信機)から受信機に情報を伝達するために使用される媒体。「チャネル」の特性は、異なる無線プロトコルに従って異なることがあるため、本明細書で使用されるとき、用語「チャネル」は、この用語がそれを参照して使用されるデバイスのタイプの規格に合致するように使用されるとして考えられることに留意されたい。いくつかの規格では、チャネル幅は、(例えば、デバイス能力、帯域条件などに依存して)可変であることができる。例えば、LTEは、1.4MHz~20MHzのスケーラブルなチャネル帯域幅をサポートしてもよい。対照的に、WLANのチャネルは22MHz幅を有してもよく、Bluetoothのチャネルは1Mhz幅を有してもよい。他のプロトコル及び規格は、異なるチャネルの定義を含み得る。更に、いくつかの規格は、複数のタイプのチャネル、例えば、アップリンク若しくはダウンリンクのための異なるチャネル、及び/又は、データ、制御情報などの異なる使用のための異なるチャネルを定義及び使用することができる。
【0059】
帯域-用語「帯域」は、帯域の通常の意味の全範囲を有し、少なくとも、チャネルが同じ目的で使用される又は除外される、スペクトルの部分(例えば、無線周波数スペクトル)を含む。
【0060】
自動的に-ユーザ入力が、アクション又は動作を直接指定若しくは実行することなく、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムによって実行されるソフトウェア)又はデバイス(例えば、回路機構、プログラム可能なハードウェア要素、ASICなど)によって、それらのアクション又は動作が実行されることを指す。よって、用語「自動的に」は、ユーザが入力を提供して動作を直接実行する、ユーザによって手動で実行又は指定される動作とは対照的である。自動手順は、ユーザが提供する入力によって開始されてもよいが、「自動的に」実行される後続のアクションはユーザによって指定されるものではなく、すなわち、実行するべき各アクションをユーザが指定する「手動で」は実行されない。例えば、ユーザが、各フィールドを選択し、情報を明示する入力を提供することによって(例えば、情報のタイピング、チェックボックスの選択、ラジオボタンの選択などによって)、電子フォームに記入することは、コンピュータシステムが、ユーザアクションに応じて、フォームをアップデートしなければならない場合であっても、手動でフォームに記入することである。フォームは、コンピュータシステムによって自動的に記入されてもよく、この場合、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステム上で実行されるソフトウェア)は、そのフィールドに対する回答を指定する何らのユーザ入力なしに、そのフォームのフィールドを分析して、フォームに記入する。上述のように、ユーザは、フォームの自動記入を呼び出すことができるが、フォームの実際の記入には関与しない(例えば、ユーザがフィールドに対する回答を手動で指定することはなく、むしろ、それらは自動的に完了される)。本明細書は、ユーザが取った動作に応じて自動的に実行される様々な動作の例を提供する。
【0061】
ように構成されている-様々な構成要素が、タスクを実行する「ように構成されている」と説明され得る。そのようなコンテキストにおいて「ように構成されている」は、動作中のタスクを実行する「構造を有する」ことを一般的に意味する広範な説明である。従って、構成要素は、構成要素がタスクを現在実行していないときでも、このタスクを実行するように構成され得る(例えば、電気導体のセットは、2つのモジュールが接続されていないときでも、モジュールを別のモジュールに電気的に接続するように構成されていてもよい)。いくつかのコンテキストにおいて、「ように構成されている」は、動作中のタスクを実行する「回路を有する」ことを一般的に意味する広範な説明であってもよい。このように、構成要素は、現在オンでなくても、そのタスクを実行するように構成することができる。一般に、「ように構成されている」に対応する構造を形成する回路は、ハードウェア回路を含んでもよい。
【0062】
本明細書の記載では、便宜上、タスクを実行するとして様々な構成要素を説明することができる。そのような説明は、語句「ように構成されている」を含むように解釈されるべきである。1つ以上のタスクを実行するように構成されている構成要素の説明は、米国特許法112条第6パラグラフのその構成要素についての解釈を引き起こさないことが、明確に意図されている。
図1図2-通信システム
【0063】
図1は、いくつかの実施形態に係る、本開示の態様を実施することができる例示的な(かつ簡易化した)無線通信システムを示す。例えば、図1に示される無線デバイスのいずれか又は全ては、例えば、本明細書に記載の方法のうちの1つ以上に従って、本明細書に記載されるような信号検出を実行するように構成することができる。図1のシステムは、可能なシステムの単なる一例であり、実施形態は、要望に応じて、各種システム内のいずれかにおいて実施されてもよいことに留意されたい。
【0064】
図示のように、例示的な無線通信システムは、1つ以上のユーザデバイス106A、106B等から106Nまでと、伝送媒体を介して通信する基地局102Aを含む。ユーザデバイスのそれぞれは、本明細書では、「ユーザ機器」(User Equipment、UE)と称され得る。よって、ユーザデバイス106は、UE又はUEデバイスと称される。
【0065】
基地局102Aは、無線基地局(base transceiver station、BTS)又はセルサイトであってよく、UE106A~106Nとの無線通信を可能にするハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでもよい。基地局102Aはまた、ネットワーク100(例えば、種々の可能性の中で、セルラサービスプロバイダのコアネットワーク、公衆交換電話網(PSTN)などの電気通信ネットワーク、及び/又はインターネット)と通信する機能を備えることもできる。したがって、基地局102Aは、ユーザデバイス間の通信、及び/又はユーザデバイスとネットワーク100との間の通信を容易にしてもよい。
【0066】
基地局の通信エリア(又は、カバレッジエリア)は「セル」と称される場合がある。基地局102A及びUE106は、無線通信技術又は電気通信規格とも呼ばれる、GSM、UMTS(WCDMA、TD-SCDMA)、LTE、LTE-Advanced(LTE-A)、5G NR、3GPP2 CDMA2000(例えば、1xRTT、1xEV-DO、HRPD、eHRPD)、Wi-Fi、WiMAXなどの、種々の無線アクセス技術(RAT)のいずれかを使用して、伝送媒体を介して通信するように構成することができる。
【0067】
したがって、基地局102A、及び同一の又は異なるセルラ通信規格に従って動作する他の同様の基地局(基地局102B~102Nなど)は、セルのネットワークとして提供されてもよく、それは、1つ以上のセルラ通信規格を介して、地理的エリアにわたって、UE106A~106N及び同様のデバイスに、連続性のある又はほぼ連続性のある重複するサービスを提供することができる。
【0068】
したがって、図1に示すように、基地局102Aは、UE106A~106Nに対して、「サービングセル」として機能することができ、各UE106は、「隣接セル」と称される場合がある1つ以上の他のセル(基地局102B~102N及び/又は任意の他の基地局によって提供され得る)から信号を受信する(場合によってはその通信範囲内にある)こともできる。このようなセルはまた、ユーザデバイス間の通信、及び/又はユーザデバイスとネットワーク100との間の通信を容易にすることが可能である。このようなセルは、「マクロ」セル、「マイクロ」セル、「ピコ」セル、及び/又はサービスエリアサイズの様々な他の粒度のうちのいずれかを提供するセルを含んでもよい。例えば、図1に例示する基地局102Aと102Bはマクロセルであってもよく、その一方で、基地局102Nは、マイクロセルであってもよい。他の構成も可能である。
【0069】
UE106は、複数の無線通信標準を使用して通信する能力を有することができることに留意されたい。例えば、UE106は、GSM、UMTS、CDMA2000、WiMAX、LTE、LTE-A、5G NR、WLAN、Bluetoothのうちの2つ以上、1つ以上のグローバル衛星航法システム(global navigational satellite systems、GNSS、例えばGPS又はGLONASS)、1つ及び/又は複数のモバイルテレビ放送規格(例えば、ATSC-M/H又はDVB-H)等を使用して通信するように構成することができる。無線通信規格の他の組み合わせ(2つより多い無線通信規格を含む)も可能である。
【0070】
図2は、いくかの実施形態に係る、基地局102(例えば、基地局102A~102Nのうちの1つ)と通信するユーザ機器106(例えば、デバイス106A~106Nのうちの1つ)を示す。UE106は、携帯電話、ハンドヘルドデバイス、ウェアラブルデバイス、コンピュータ若しくはタブレット、などのセルラ通信機能を有するデバイス、又は実質上あらゆる種類の無線デバイス、であってもよい。
【0071】
UE106は、メモリに記憶されたプログラム命令を実行するように構成されたプロセッサを含んでもよい。UE106は、そのような記憶された命令を実行することによって、本明細書で説明される方法の実施形態のいずれかを実行してもよい。代わりに、又は加えて、UE106は、本明細書で説明される方法の実施形態のいずれか、又は本明細書で説明される方法の実施形態のいずれかの任意の部分を実行するように構成された、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などのプログラム可能なハードウェア要素を含んでもよい。
【0072】
上述したように、UE106は、複数のRATのいずれかを使用して通信するように構成することができる。例えば、UE106は、GSM、CDMA2000、UMTS、LTE、LTE-A、NR、
WLAN、又はGNSSのうちの2つ以上を使用して通信するように構成されていてもよい。無線通信技術の他の組み合わせもまた可能である。
【0073】
UE 106は、1つ以上の無線通信プロトコル又は技術を使用して通信するための1つ以上のアンテナを含み得る。一実施形態では、UE106は、単一の共有無線機を使用して、CDMA2000(1xRTT/1xEV-DO/HRPD/eHRPD)又はLTEのいずれかを用いて、及び/又は、単一の共有無線機を使用して、GSM若しくはLTEのいずれかを用いて、通信するように構成することができる。共有無線機は、無線通信を実行するために、単一のアンテナに結合することができる、又は複数のアンテナ(例えば、多重入出力(multiple input multiple output、MIMO)通信のための)に結合することができる。概して、無線機は、ベースバンドプロセッサ、アナログRF信号処理回路(例えば、フィルタ、ミキサ、発振器、増幅器などを含む)、又はデジタル処理回路(例えば、デジタル変調と共に他のデジタル処理のための)の任意の組み合わせを含んでもよい。同様に、無線機は、上述したハードウェアを使用して1つ以上の受信チェーン及び送信チェーンを実装してもよい。例えば、UE 106は、上記の技術などの複数の無線通信技術間で、受信及び/又は送信チェーンの1つ以上の部分を共用し得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、UE106は、UE106がそれを使用して通信するように構成されているそれぞれの無線通信プロトコルについて(例えば、別個のRF及び/又はデジタル無線構成要素を含む)別個の送信及び/又は受信チェーンを含んでもよい。更なる可能性として、UE 106は、複数の無線通信プロトコルの間で共用される1つ以上の無線機、及び単一の無線通信プロトコルによってもっぱら使用される1つ以上の無線機を含み得る。例えば、UE106は、LTE又は1xRTT(あるいは、LTE又はGSM)のいずれかを使用して通信するための共有無線機と、Wi-Fi及びBluetoothのそれぞれを使用して通信するための別々の無線機とを含み得る。他の構成も可能である。
【0075】
UE106及び/又はBS102は、キャリアアグリゲーション(CA)を実行するように構成することができる。例えば、BS102は、RATの任意の組み合わせを使用するキャリアを使用して、UE106と通信することができる。1つの可能性として、UE106及びBS102は、免許支援アクセス(licensed assisted access、LAA)技術を用いることができ、したがって、通信のために認可及び無認可スペクトルを集約することができる。キャリアアグリゲーションは、プライマリセル(PCell)及び1つ以上のセカンダリセル(SCell)を用いてもよく、これらは、様々な実施形態に従って、単一の基地局タワー内に併置することができる、又は第1のBS及び1つ以上の隣接するBSにわたって分散することができる。
図3-UEデバイスのブロック図
【0076】
図3は、UEデバイス106の1つの考えられるブロック図を示す。図示のように、UEデバイス106は、様々な目的のための部分を含むことができる、システムオンチップ(system on chip、SOC)300を含むことができる。例えば、図に示すように、SOC300は、UEデバイス106に対するプログラム命令を実行することができるプロセッサ(単数又は複数)302と、グラフィック処理を実行し、ディスプレイ360に表示信号を提供することができる表示回路304と、を含んでもよい。SOC300はまた、例えば、ジャイロスコープ、加速度計、及び/又は様々な他の動き感知構成要素のうちのいずれかを使用して、UE106の動きを検出できる動き感知回路370も含んでもよい。プロセッサ(単数又は複数)302はまた、プロセッサ(単数又は複数)302からアドレスを受信し、それらのアドレスをメモリ(例えば、メモリ306、読み出し専用メモリ(read only memory、ROM)350、フラッシュメモリ310)内の位置に変換するように構成され得る、メモリ管理ユニット(memory management unit、MMU)340に結合されてもよい。MMU340は、メモリ保護及びページテーブル変換又はセットアップを実行するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、MMU340は、プロセッサ(単数又は複数)302の一部として含まれてもよい。
【0077】
図示するように、SOC300は、UE106の様々な他の回路に結合されてもよい。例えば、UE106は、(例えば、NANDフラッシュ310を含む)様々な種類のメモリ、(例えば、コンピュータシステム、ドック、充電ステーションなどに結合するための)コネクタインタフェース320、ディスプレイ360、及び(例えば、LTE、LTE-A、NR、CDMA2000、Bluetooth、Wi-Fi、NFC、GPSなどのための)無線通信回路330を含んでもよい。
【0078】
UEデバイス106は、基地局及び/又は他のデバイスとの無線通信を実行するための、少なくとも1つのアンテナ、並びに一部の実施形態では、複数のアンテナ335a及び335b(並びに/又は更なる追加のアンテナ)を含んでもよい。例えば、UEデバイス106は、アンテナ335a及び335bを使用して、無線通信を実行することができる。上述したように、UEデバイス106は、一部の実施形態では、複数の無線通信規格又は無線アクセス技術(RAT)を使用して無線で通信するように構成されていてもよい。
【0079】
無線通信回路330は、Wi-Fiロジック332、セルラモデム334、及びBluetoothロジック336を含んでもよい。Wi-Fiロジック332は、UEデバイス106が802.11ネットワーク上でWi-Fi通信を実行できるようにするためのものである。Bluetoothロジック336は、UEデバイス106がBluetooth通信を実行できるようにするためのものである。セルラモデム334は、1つ以上のセルラ通信技術(例えばLTE、5G NR、GSMなど)に従って、セルラ通信を実行することができる低電力セルラモデムであってもよい。
【0080】
本明細書で説明されるように、UE106は、本開示の実施形態を実装するためのハードウェア及びソフトウェア構成要素を含んでもよい。例えば、UEデバイス106の無線通信回路330(例えば、セルラモデム334)のうちの1つ以上の構成要素は、例えば、記憶媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体)に記憶されたプログラム命令を実行するプロセッサ、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)として構成されたプロセッサによって、かつ/又はASIC(特定用途向け集積回路)を含むことができる専用ハードウェア構成要素を使用して、本明細書で説明する方法の一部又は全てを実行するように構成されていてもよい。
図4-基地局(BS)のブロック図
【0081】
図4は、いくつかの実施形態に係る、基地局102の例示的なブロック図を示す。図4の基地局は、可能な基地局の単なる一例であることに留意されたい。図示するように、基地局102は、基地局102に対してプログラム命令を実行することができるプロセッサ(単数又は複数)404を含んでもよい。プロセッサ(単数又は複数)404はまた、プロセッサ(単数又は複数)404からアドレスを受信し、それらのアドレスをメモリ(例えば、メモリ460及び読み出し専用メモリ(ROM)450)又は他の回路若しくはデバイス内の場所に変換するように構成されてもよいメモリ管理ユニット(MMU)440に結合されてもよい。
【0082】
基地局102は、少なくとも1つのネットワークポート470を含んでもよい。ネットワークポート470は、電話網に結合し、図1及び図2において上記説明したようなUEデバイス106などの複数のデバイスに、電話網へのアクセスを提供するように構成されていてもよい。
【0083】
ネットワークポート470(又は追加のネットワークポート)は、更に又は代替的に、セルラネットワーク、例えばセルラサービスプロバイダのコアネットワークに結合するように構成されていてもよい。コアネットワークは、モビリティ関連サービス及び/又は他のサービスを、UEデバイス106などの複数のデバイスに提供することができる。一部の場合には、ネットワークポート470は、コアネットワークを介して電話網に結合することができ、及び/又はコアネットワークは、(例えば、セルラサービスプロバイダによってサービス提供される他のUEデバイスとの間で)電話網を提供することができる。
【0084】
基地局102は、少なくとも1つのアンテナ434、場合によっては、複数のアンテナを含んでもよい。アンテナ(単数又は複数)434は、無線送受信機として動作するように構成されていてもよく、無線機430(又は複数の無線機430)を介してUEデバイス106と通信するように更に構成されていてもよい。アンテナ(単数又は複数)434は、通信チェーン432を介して、無線機430と通信する。通信チェーン432は、受信チェーン、送信チェーン、又はその両方であってもよい。無線機430は、LTE、LTE-A、NR、GSM、UMTS、CDMA2000、Wi-Fiなどを含むがこれらには限定されない種々の無線通信規格によって、通信するように構成することができる。
【0085】
基地局102は、複数の無線通信規格を使用して無線通信するように構成されていてもよい。いくつかのインスタンスでは、基地局102は、複数の無線機を含むことができ、複数の無線機は、基地局102が複数の無線通信技術に従って通信することを可能にし得る。例えば、ひとつの可能性として、基地局102は、LTEに従って通信を実行するためのLTE無線機、並びに、Wi-Fiに従って通信するためのWi-Fi無線機を備えてもよい。このような場合、基地局102は、LTE基地局及びWi-Fiアクセスポイントの両方として動作することができる。別の可能性として、基地局102は、マルチモード無線機を含んでもよく、マルチモード無線機は、複数の無線通信技術(例えば、LTEとWi-Fi、LTEとUMTS、LTEとCDMA2000、LTEと5G NR、UMTSとGSM、等)のうちのいずれかに従って、通信を行うことができる。BS102は、1つ以上の通信技術及び/又は1つ以上の公衆陸上移動体ネットワーク(public land mobile networks、PLMN)の1つ以上のセルを提供することができる。BS102は、いくつかの実施形態に係る、1つ以上のセルセットとして編成、グループ化、又は構成することができる複数のセルを提供することができる。BS102によって提供される1つ以上のセルセットはまた、いくつかの実施形態に係る、1つ以上の追加の基地局によって提供されるセルを含むことができる。
【0086】
本明細書にその後に更に記載するように、BS102は、本明細書に記載の特徴を実装する又はこれらの実装をサポートするためのハードウェア及びソフトウェア構成要素を含むことができる。基地局102のプロセッサ404は、例えば、記憶媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書に記載の方法の一部分又は全てを実装する又はこれらの実装をサポートするように構成されていてもよい。代わりに、プロセッサ404は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などのプログラム可能なハードウェア要素として、若しくはASIC(特定用途向け集積回路)として、又はそれらの組み合わせとして構成されていてもよい。代替として(又は加えて)、BS102のプロセッサ404は、他の構成要素430、432、434、440、450、460、470のうちの1つ以上と共同して、本明細書に記載の特徴の一部分又は全てを実装する又はこれらの実装をサポートするように構成されていてもよい。BS102は、キャリアアグリゲーション(CA)を実行するように構成することができる。
【0087】
BS102は、様々な実施形態に係る、eNodeB(eNB)又はgNodeB(gNB)であってもよい。
図5A図5B-ENDC及びスタンドアロン配備
【0088】
いくつかの実施形態では、図5Aに示されるように、UEデバイスは、進化型ユニバーサル地上無線アクセス(Evolved Universal Terrestrial Radio Access、EUTRA)新無線(New Radio、NR)二重接続性(Dual Connectivity、ENDC)配備を有するエリアで動作することができ、UEは、非スタンドアロン(NSA)配備のNR gNB及びLTE eNBの両方に接続され、gNB及びeNBの両方は、進化型パケットコア(evolved packet core、EPC)に接続される。あるいは、UEデバイスは、図5Bに示されるようなNRスタンドアロン(SA)配備を有するエリアで動作することができ、UEは、gNBを介して次世代収束ネットワーク(next generation converged network、NGCN)に接続される。本明細書の実施形態は、熱影響を緩和し、バッテリ寿命を延ばし、かつ、これら及び他の環境において他の利点を達成する、様々な方法及びデバイスを説明する。
キャリアアグリゲーション
【0089】
5G新無線(NR)及びLTE、並びに他の無線ネットワークは、キャリアアグリゲーション(CA)を含むことができ、UE106などのユーザ機器デバイス(UE)が別個の帯域幅上で複数のセルと通信して、全体的なスループットを増加させることを可能にすることができる。CA技術は、ネットワークに利用可能なスペクトル/周波数リソースを効率的に使用することによって、スループット又は性能の増加を可能にすることができる。
【0090】
一般に、UEは、プライマリセル(PCell)を介したネットワークとの接続を確立することができ、続いて、1つ以上のセカンダリセル(SCell)との二次接続を確立して、スループットを増加させることができる。様々な実施形態によれば、PCell及び1つ以上のSCellは、併置されてもよく、又は別個の基地局としてインスタンス化されてもよい。様々な実施形態によれば、PCell及び1つ以上のSCellは、同じRAT(例えば、5G NR)又は異なるRAT(例えば、LTE及び5G NR)に従って動作することができる。例示的な実施形態では、PCellは、アンカーセルとして機能し、かつ初期シグナリングが確立される、マスターセルグループ(Master Cell Group、MCG)と呼ばれるLTEセル(eNBなど)であるが、SCellは、セカンダリセルグループ(Secondary Cell Group、SCG)と呼ばれる5G NRセル(gNBなど)である。5G SCellは、盲目的に又はUEの5Gセル測定に基づいてのいずれかで、PCellに取り付けられたUEに続いて追加することができる。次いで、データは、5Gセルを介した構成に応じて転送することができる。この構成は、LTEアンカーを有する非スタンドアロン(NSA)構成と呼ばれることがあり、図5Aに概略的に示されている。
【0091】
異なるUEは、CAに関して異なる能力を有することができる。例えば、いくつかのUEは、周波数範囲の特定の組み合わせでCAを実行することができることがあるが、周波数範囲の他の組み合わせでは、実行することができないことがある。同様に、異なるセル、異なる領域、又は異なるネットワークは、CAの周波数範囲の様々な組み合わせを使用することができる。例えば、所与のPLMNは、1つの領域では別の領域とは異なる周波数範囲を使用するライセンスを有することができる。
【0092】
5G新無線(5G NR)は、他の可能性の中でも、超信頼性低待ち時間(Ultra Reliable Low Latency、URLLC-1msのラウンドトリップ待ち時間許容誤差)、高速大容量(Enhanced Mobile Broadband、eMBB-約20Gbpsのダウンリンクスループット)、並びに多数同時接続(Massive internet-of-things、MIOT-セル内の数千のデバイスをサポートする)を必要とする多様な使用事例をサポートするように設計されている。
【0093】
いくつかの実装形態では、サブ6Ghz周波数範囲(サブ6)(すなわち、6GHz未満の周波数範囲)並びにmm波周波数範囲(mmW)は、1つ以上のgNBによって配備することができる。mmW配備の場合、帯域幅は、サブ6GHz周波数範囲よりもはるかに大きくなり得る(例えば、mmW帯域幅は、他の可能性の中でも、50MHz、100Mhz、200Mhz、又は400Mhzであり得る)。サブ6範囲は、「FR1」と呼ばれることがあり、mmW範囲は、「FR2」と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、UEは、これらのより広い帯域幅をスキャン及び/又は測定することができるために、特別な無線周波数(radio frequency、RF)モジュールを利用する必要があり得、これは、LTE又はサブ6に対して実行されるスキャン及び/又は測定よりも多くの電力を消費し得る。したがって、5G mmWを使用しているときに、バッテリ使用量を増加させることがある。加えて、ビーム管理のために、これらのRFモジュール内のより多くの要素がアクティブであるため、電力消費は、より高くなり得る。
【0094】
サブ6及びmmW周波数の両方に対するNRのフィールド配備は、重複するカバレッジを有することができることが予想される。これらの実施形態では、残りのバッテリ寿命の特定の閾値を下回る場合、UEがバッテリ電力を節約し、ネットワークによるNRセル追加をトリガし得る測定レポート決定をインテリジェントに行うことが望ましい場合がある。
【0095】
非スタンドアロン(NSA)ENDC配備の場合、アクティブデータセッション中にデバイス内で熱が増加するため、本明細書のいくつかの実施形態は、ブラウンアウト条件を回避するように熱を制御するために行うことができる方策を説明する。以前に実装された無線アクセス技術(RAT)では、アクティブセッションは、LTE又はWCDMAなどの1つの技術のみを含むことができる。対照的に、ENDC配備は、単一のデータセッションに対してアクティブであるUEのLTE及び5Gモデムの両方の同時使用を含むことができる。したがって、各技術に関するデータを評価し、データセッション又はユーザ体験に悪影響を及ぼすことなく、どこで及びいつモデム電力をバックオフして熱を緩和することができるかを識別するためのインテリジェントな決定を行うことが望ましい場合がある。
バックオフモード
【0096】
いくつかの実施形態では、UEの温度が特定の閾値を上回るとき、1つ以上の予防措置を取って、温度上昇を緩和し、デバイスへの損傷を防止することができる。例えば、いくつかの実施形態では、通常モード動作と比較して、セルラ技術の送信電力を低減する、送信電力バックオフを実装することができる。しかしながら、UEが制限されたリンクバジェット条件にある場合、より低い送信電力は、接続性の喪失又は伝送障害をもたらすことがある。例えば、図6は、いくつかの既存の実装形態による、送信電力に重ね合わされた経時的なUEの温度の例示的なグラフを示す。図示されるように、温度が温度閾値を横切ると、送信電力バックオフが実施され、送信電力を低減し、温度上昇を緩和する。しかしながら、図6に示す実装形態は、接続性の喪失及び/又は伝送障害をもたらすことがある。本明細書の実施形態は、接続性喪失及び伝送障害のリスクがより小さい状態で、所望の温度低減を達成するために、周期的なバックオフモードを実装することを提案する。
【0097】
例えば、いくつかの実施形態では、図7に示すように、通常モードとバックオフモードとの間で周期的に切り替えるために、送信電力デューティサイクルが導入される。図示されるように、UEは、最大送信電力での伝送と低減された送信電力での伝送との間で周期的に交互になることができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、通常モードでは、UEは、最大電力で伝送して、リンクが高優先度データに対して機能的であり、かつシグナリングが維持されることを確実にすることができる。逆に、バックオフモード中に、UEは、より低い送信電力で伝送し、より低い優先度のデータを伝送することができる。言い換えれば、UEは、通常モード動作の期間中に高優先度データ及びシグナリングを優先的に伝送することができ、UEは、バックオフモード動作中により低い優先度のデータを優先的に伝送することができる。有利には、通常モードでの周期的な動作は、依然としてバックオフモードの熱緩和を経験しながら、高優先度データ及びシグナリングのための高い送信電力を提供して、接続性の喪失を防止することができる。いくつかの実施形態では、データ(例えば、高優先度又は低優先度)の所望のサービス品質(quality of service、QoS)は、サービスデータ適応プロトコル(service data adaptation protocol、SDAP)によって処理することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、UEは、ENDC配備で動作することができ、LTE MCG及び5G SCGの両方に接続することができる。これらの実施形態では、UEは、通常モード中にNR SCGにデータを優先的に送信することができ、バックオフモード中にLTE MCGにデータを送信することができる。例えば、UEは、更新UL-DataSplitThresholdパラメータをローカルにバイアスして、バックオフモード中にLTEへの転送をバイアスし、UEにLTE MCGに関するデータを優先させることができる。いくつかの実施形態では、UEは、バッファステータスレポート(Buffer Status Report、BSR)を送信して、UEがどのデータを送信することを望むかをネットワークに示すことができる。言い換えれば、いくつかの実施形態では、UEは、通常モード又はバックオフモード中にデータを送信するかを判定するときに、データの優先度及びデータに関連付けられたRAT(例えば、5G又は非5G)の一方又は両方を考慮することができる。これは図8に示されており、これは、通常モード中に高優先度データ及び5G通信が送信される一方で、残りのデータ(例えば、低優先度データ及び非5G通信)がバックオフモード中に送信されることを示す。いくつかの実施形態では、全ての高優先度データ及び5G通信が送信された後に、通常モード中に未使用の無線リソースが残っている場合、残りの未使用の無線リソースは、送信されるべき任意の残りのデータの少なくとも一部分に利用することができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、UEの温度を連続的に監視することができ、通常モードとバックオフモードとの間で交互になるデューティサイクルは、どのくらい熱緩和が所望されるかに応じて調整することができる。例えば、図9A図9Cに示すように、所望の熱緩和の程度に応じて、異なる3つのデューティサイクルを用いることができる。具体的には、低い熱緩和の場合(例えば、温度が温度閾値よりもわずかに高いだけの場合、及び/又は温度がゆっくりと上昇している、若しくは更に穏やかに低下している場合)、UEは、バックオフモードよりも通常モードでより多くの時間を費やすことができる。通常の熱緩和の場合(温度が低い熱緩和の場合よりも高く、かつ/又はより急速に上昇している場合)、UEは、通常及びバックオフモードで等しい(又はほぼ等しい)時間を費やすことができる。最後に、高い熱緩和が所望される場合(例えば、温度が危険なほどに高く、かつ/又は危険なほどに速い速度で増加している場合)、UEは、通常モードよりもバックオフモードでより多くの時間を費やすことができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、UEは、利用可能な全体的な電力バジェットを実装することができ、それにより、所与の時間ウィンドウに対して、UEは、5G送信のための許容可能な電力バジェットを有する。これは、図10に概略的に示されており、UEは、利用可能な5G電力バジェットが枯渇するまで、第1の期間にわたって5G高優先度データを送信し、その後、UEは、非5Gデータベアラを介して高優先度データを送信することに切り替える(例えば、LTEを介してデータをeNBに送信することができる)。例えば、5Gの全体的な電力バジェットが枯渇すると、UEは、SCG障害をネットワークに通知することができ、その結果、非5G上の高優先度データベアラに移行することができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、高い熱緩和が所望される場合、UEは、通常モード動作と全ての送信電力を遮断することとの間で交互になることができる。これは、図11に示されており、デバイスは、通常モード動作と、UEが任意の送信を実行することを控える送信電力遮断モードとの間で周期的に交互になる。これらの実施形態では、UEは、送信されるべき高優先度データ及びシグナリングの量に基づいて持続時間に対する送信電力を決定することができ、通常モード動作中の送信のための高優先度データ及びシグナリングを優先することができる。
図12-バックオフモードを実装するためのフローチャート
【0103】
図12は、いくつかの実施形態に係る、熱緩和のための送信電力バックオフモードを実装する方法を示すフローチャート図である。図12の方法の態様は、図に関して示し説明したように、1つ以上の基地局(例えば、BS102)と通信しているUE(単数又は複数)106などの無線デバイスによって実施することができ、又は、より一般的に、所望に応じて、他のデバイスの中でもとりわけ、図に示す他の回路、システム、デバイス、要素、若しくは構成要素の中でもとりわけ、図に示すコンピュータシステム若しくはデバイスのいずれかと共同して実施することができる。例えば、UEの1つ以上のプロセッサ(又は処理要素)(例えば、様々な可能性の中でもとりわけ、プロセッサ(単数又は複数)302、ベースバンドプロセッサ(単数又は複数)、通信回路(例えば、330)に関連付けられたプロセッサ(単数又は複数)など)は、UEに例示された方法要素の一部又は全てを実行させることができる。同様に、様々な可能性の中でもとりわけ、プロセッサ(単数又は複数)404、ベースバンドプロセッサ(単数又は複数)、通信回路(例えば、430、432)に関連付けられたプロセッサ(単数又は複数)などは、BSに例示された方法要素の一部又は全てを実行させることができる。
【0104】
様々な実施形態では、図に示す方法の要素のうちのいくつかは、同時に実行されてもよく、図に示す順序とは異なる順序で実行されてもよく、他の方法要素によって置換されてもよく、又は省略されてもよい。要望に応じて、追加の方法要素も実行されてもよい。図に示すように、方法は以下のように動作してもよい。
【0105】
1202において、UEの温度が第1の閾値温度を上回って上昇したことが判定される。例えば、UEは、UEの1つ以上の構成要素の温度を周期的又は連続的に測定するように構成された1つ以上の温度センサを備えることができる。いくつかの実施形態では、温度センサ(単数又は複数)は、UEの無線機及び/又はプロセッサなどの、典型的にはセルラ送信を実行することから最大の程度の加熱を経験するUEの構成要素を測定するように構成することができる。
【0106】
1204において、UEの温度が第1の閾値温度を上回って上昇したと判定したことに少なくとも部分的に基づいて、UEは、標準モードで動作することとバックオフモードで動作することとの間で周期的に交互になる。UEは、標準モードにある間に通常の送信電力で送信するように構成されており、UEは、バックオフモードにある間に低減された送信電力で送信するように構成されている。
【0107】
いくつかの実施形態では、標準モードとバックオフモードとの間で交互になるデューティサイクルは、UEの温度が第1の閾値温度を上回って上昇した度数に少なくとも部分的に基づいて決定される。例えば、デューティサイクルは、UEがUEのより低い温度に対してよりもUEのより高い温度に対してバックオフモードでより多くの時間を費やすように、選択することができる。代替的又は追加的に、標準モードとバックオフモードとの間で交互になるデューティサイクルは、UEの温度の上昇速度に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。例えば、デューティサイクルは、UEがUEの温度のより低い上昇速度に対してよりもUEの温度のより速い上昇速度に対してバックオフモードでより多くの時間を費やすように、選択することができる。いくつかの実施形態では、UEの絶対温度及び温度の上昇速度の両方の重み付けされた考慮を使用して、デューティサイクルを決定することができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、高優先度データは、標準モードで動作している間に優先的に送信され、低優先度データは、バックオフモードで動作している間に優先的に送信される。高優先度データは、ライブビデオストリーミング、音声通話、及び/又は制御シグナリングのうちの1つ以上を含むことができる。逆に、低優先度データは、送信制御プロトコル(transmission control protocol、TCP)データ、ユーザデータグラムプロトコル(user datagram protocol、UDP)データ、及び/又はバッファビデオストリーミングのうちの1つ以上を含むことができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、UEは、eNB及び少なくとも1つのgNBとの進化型ユニバーサル地上無線アクセス(EUTRA)新無線(NR)二重接続性(ENDC)接続を確立していてもよい。これらの実施形態では、UEは、バックオフモードで動作している間にロングタームエボリューション(LTE)無線アクセス技術(RAT)を介してeNBと優先的に通信するように構成することができ、UEは、通常モードで動作している間に第5世代新無線(5G NR)RATを介してgNBと優先的に通信するように構成することができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、UEは、5G NR RATに関連付けられた送信電力バジェットを有することができ、UEが所定の持続時間の所与の時間ウィンドウで利用することが許可される送信電力の最大バジェットが存在する。これらの実施形態では、UEは、5G NR RATに関連付けられた送信電力バジェットが枯渇したことを判定することができる。5G NR RATに関連付けられた送信電力バジェットが枯渇したと判定したことに少なくとも部分的に基づいて、UEは、通常モードで動作している間に、時間ウィンドウの残りの部分にわたってLTE RATを介してeNBと通信することに切り替えることができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、UEは、UEの温度が第2の閾値温度を上回って上昇したことを判定することができ、第2の閾値温度は、第1の閾値温度よりも高い。UEの温度が第2の閾値温度を上回って上昇したと判定したことに少なくとも部分的に基づいて、UEは、標準モードで動作することと送信電力遮断モードで動作することとの間で周期的に交互になることができ、UEは、送信電力遮断モード中に任意の送信を実行することを控えるように構成されている。
図13-5G送信を中止するためのプロトコル
【0112】
図13は、いくつかの実施形態において、UEが5G gNBをドロップし、LTEを介して排他的に通信する方法を示す通信フロー図である。例えば、ENDC配備で動作するUEは、SCGとして5G gNBをドロップすることを決定することができ、LTEを介してeNB MCGとのみ通信することを決定することができる。これを達成するために、他の可能性の中でも、以下のプロトコルを実施することができる。1306において、UEは、ネットワークからの無線リソース制御(RRC)再構成を要求することができる。続いて、1308において、UEは、gNBを介してネットワークに「SCGFailureInformation」メッセージを送信することができる。これにより、UEがeNBとのLTE動作にフォールバックすることを可能にすることができ、5Gセルを監視することに電力をもはや費やさなくてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、gNBとの通信を中止するための手順を開始すると、UEは、全てのシグナリング無線ベアラ(signaling radio bearers、SRB)及びデータ無線ベアラ(data radio bearers、DRB)に対してSCG送信を中断し、SCG-MACをリセットし、実行している場合、T304タイマを停止し、UEがEN-DCで動作している場合、SCGFailureInformationNRメッセージの送信を開始し、T310タイマ満了に起因するとして障害タイプを設定することができる。
ENDC配備のための低減した5G測定
【0114】
以前の実装形態では、UEのアプリケーションプロセッサ(application processor、AP)が眠っている場合、UEのベースバンドプロセッサ(baseband processor、BB)は、既知のポート番号(例えば、既知のポート番号は、APに関連することがUEによって知られている複数のポート番号であり得る)を対象とする入力インターネットプロトコル(internet protocol、IP)パケットがある場合にのみAPをウェイクアップすることができる。これにより、BBがAPに関連しないパケットを受信する場合に、APを不必要にウェイクアップすることを回避することができる。しかしながら、NR配備において、UEによって報告されたNR測定に基づいて、UEがRRC接続状態に入った直後に、NR SCGベアラを構成することができる。これらの実装形態では、NR SCGベアラが構成されるとすぐに、BBは、ユーザインターフェース(user interface、UI)アイコンを更新して「5G」を表示するために、APをウェイクアップすることができる。これらの場合、入力ダウンリンクIPパケットが未知のポート番号に属する場合、このパケットは、APに関連しない場合がある。しかしながら、このインスタンスではNR SCGが構成されているため、BBは、依然としてAPをウェイクアップして、UIアイコンを更新し、不必要な電力ドレインをもたらすことがある。
【0115】
これら及び他の懸念に対処するために、いくつかの実施形態では、APが眠っており、かつBBが入力ページ又はBB中心トラフィック(例えば、加入者識別モジュール(subscriber identity module、SIM)トラフィック)のいずれかのための無線接続を開始する場合、APは、NRセル測定を実行することを控えることができる。追加的又は代替的に、UEの温度に応じて、UEは、NR/ENDCをサブ6又はmmW周波数範囲で動作させるべきかどうかを判定することができる。例えば、温度が、mmW動作が望ましくないほど十分に高い場合、UEは、ENDCベアラがサブ6について追加されるだけのように、任意のmmWセル測定を実行することを控え、サブ6セル測定のみを実行することができる。
進行中のアクティブトラフィックに基づくセル測定プルーニング
【0116】
いくつかの実施形態では、RRC接続が確立される前に、UEは、NR測定をプルーニングするか否かを決定することができる。いくつかの実施形態では、UEのディスプレイがオフ又はアイドル状態のいずれかである場合、かつ/又は低レベルの進行中のデータ転送及び/若しくは低レベルのトラフィッククラスが存在する場合、UEは、サブ6及びmmW測定の両方をプルーニングする(すなわち、実行することを控える)ことができる。中間レベルのデータ転送/トラフィッククラスが進行中である場合、UEは、mmW測定のみをプルーニングすることができる。逆に、高レベルのデータ転送/トラフィッククラスが進行中である場合(例えば、複数のトラフィッククラス及び/又は大量の進行中のデータが存在する場合)、UEは、通常どおりサブ6及びmmW測定の両方を実行することができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、UEが高い移動状態にある場合、かつ更にUEが短期間にわたって複数のビーム障害に遭遇した場合(例えば、「x」秒の所定の期間にわたるビーム障害の数がビーム障害の閾値「y」数より多い場合)、UEは、UEが高い移動状態にある間に、特定の持続時間にわたってmmW測定をプルーニングすることができる。いくつかの実施形態では、測定を完全にプルーニングする代わりに、UEは、NR周波数を測定し続けることができるが、RRC層は、高優先度トラフィッククラス(例えば、高優先度データを起動するアプリケーション)がアクティブでない限り、NR測定レポートを報告しなくてもよい。有利には、これらの実施形態では、測定は、容易に利用可能であり得、所望された場合、NWに直ちに送信することができる。これにより、例えば、数秒から数ミリ秒まで、NR SCGを追加するための遅延を低減することができる。
【0118】
以前の実装形態では、UEが長期持続時間にわたってより高いデータ使用量を利用するアプリケーションを有効化する場合(例えば、ビデオストリーミングの使用事例)、UEは、複数のgNB及び/又は複数のコンポーネントキャリア(component carriers、CC)のmmW測定結果を報告することができ、NWは、UEにサービスを提供するためのmmWの複数のコンポーネントキャリアを追加し、潜在的により急速に熱トラップがヒットすることになり得る。これら及び他の懸念に対処するために、UEは、そのmmW測定レポートを少数のCC(例えば、アクティブアプリケーションのデータ要件に応じて、1つ又は2つ)に制限することができ、その結果、NWは、より少ない数のmm波セルを追加し、それによって、より高いNRスループットを提供し、並びに、長期のアプリケーション使用により、熱トラップにヒットする可能性を低減する。言い換えれば、UEが長期持続時間の高スループットデータアプリケーションのアクティブ化を検出する場合、UEは、過熱のリスクを緩和しながらスループット要件を満たすために、mmW測定の数を小さな所定の数に制限することができる。いくつかの実施形態では、mmW測定を実行するためにUEがピックアップする特定の周波数は、他の可能性の中でも、以前のmmW測定の結果、PHY、L2、及びビーム特性のような過去のヒューリスティック、特定のmmW周波数が以前のScell/PScellリストに存在した回数(例えば、PScellリストは、より高い優先度と見なすることができる)、又は直近に使用された(most recently used、MRU)テーブルなどの直近のキャンプオンセルに関する情報のテーブル内の存在を含むがこれらに限定されない、1つ以上の考慮事項に基づいて決定することができる。
特定のNR SCellの選択的無効化
【0119】
いくつかの実施形態では、特定のNR gNB SCellは、それらの動作の帯域及び/又は周波数に起因する、より高い熱的懸念に関連付けることができる。ブロックエラー率(block error rate、BLER)及び/又は信号対干渉雑音比(signal-to-interference-plus-noise ratio、SINR)に基づいて、UEは、どのSCell(単数又は複数)が劣って実行しているかを検出することができる。現在の実装形態では、過熱インジケーションにより、UEにアクティブCCの数を低減させ、集約された帯域幅を低減させ、かつ/又はアクティブな多重入力出力(MIMO)層の数を低減させることができる。これらの実装形態を改善するために、いくつかの実施形態では、UEは、過熱シナリオの場合に、どのSCell識別子(identifier、ID)を最初にドロップすることを好むかをネットワークに示すことができる。様々な実施形態では、UEは、単一のセルID、又はSCellをドロップするための順序(例えば、最初にID1に関連付けられたSCellをドロップし、その後、ID2、及び最後にID3に関連付けられたSCellをドロップする)を示すランク付けされた複数のSCell IDを含むドロップ優先度リスト(例えば、{ID1,ID2,ID3})のいずれかを示すことができる。
熱影響を低減するための選択的CA組み合わせレポート
【0120】
NSAモード又はSAモードのいずれかで動作している間に、UEは、1つ以上のNR SCG上でキャリアアグリゲーション(CA)を用いることができる。PCellに追加されるSCell CCの数は、UEによってサポートされる総チャネル帯域幅(total channel bandwidth、TCB)に依存し得る。例えば、UEが800MHzの最大チャネル帯域幅をサポートする場合、UEは、以下のように、MCGとSCGとの間で800MHzを割り当てることができる。
【0121】
サービングセル=200MHz
【0122】
コンポーネントキャリア1=200MHz
【0123】
コンポーネントキャリア2=200MHz
【0124】
コンポーネントキャリア3=100MHz
【0125】
コンポーネントキャリア4=50MHz
【0126】
コンポーネントキャリア5=50MHz
【0127】
上記の例では、UEがCCの数を低減することが望ましい場合があり得る。しかしながら、RRC接続モードにある間に、SCellを追加又は解放する決定は、典型的には、NWによって行われる。したがって、いくつかの実施形態では、UEは、代替機構を用いて、アクティブSCell CCの数を低減することができる。例えば、いくつかの実施形態では、UEが1つ以上のSCellを解放したい場合、UEは、UE能力変更メッセージを介してそれがサポートする低減された最大チャネル帯域幅(maximum channel bandwidth、MCB)をネットワークに報告することができる。
【0128】
図14は、いくつかの実施形態に係る、UEがUEと通信するアクティブSCellの数を低減する方法を示すフローチャート図である。図14の方法の態様は、図に関して示し説明したように、1つ以上の基地局(例えば、BS102)と通信しているUE(単数又は複数)106などの無線デバイスによって実施することができ、又は、より一般的に、所望に応じて、他のデバイスの中でもとりわけ、図に示す他の回路、システム、デバイス、要素、若しくは構成要素の中でもとりわけ、図に示すコンピュータシステム若しくはデバイスのいずれかと共同して実施することができる。例えば、UEの1つ以上のプロセッサ(又は処理要素)(例えば、様々な可能性の中でもとりわけ、プロセッサ(単数又は複数)302、ベースバンドプロセッサ(単数又は複数)、通信回路(例えば、330)に関連付けられたプロセッサ(単数又は複数)など)は、UEに例示された方法要素の一部又は全てを実行させることができる。同様に、様々な可能性の中でもとりわけ、プロセッサ(単数又は複数)404、ベースバンドプロセッサ(単数又は複数)、通信回路(例えば、430、432)に関連付けられたプロセッサ(単数又は複数)などは、BSに例示された方法要素の一部又は全てを実行させることができる。
【0129】
様々な実施形態では、図に示す方法の要素のうちのいくつかは、同時に実行されてもよく、図に示す順序とは異なる順序で実行されてもよく、他の方法要素によって置換されてもよく、又は省略されてもよい。要望に応じて、追加の方法要素も実行されてもよい。図に示すように、1つ以上のSCellを解放するための通信フローは、以下のように進行することができる。
【0130】
1402において、UEは、複数のSCellをキャンプオンすることができ、アップリンク(uplink、UL)及びダウンリンク(downlink、DL)の両方についてUEによってサポートされる最大チャネル帯域幅を設定することができる。いくつかの実施形態では、SCellは、5G gNBであってもよい。
【0131】
1404において、UEは、UL及びDLの一方又は両方において通信し、かつアクティブであるように構成された複数のSCellとのRRC接続状態にあることができる。
【0132】
1406において、特定のトリガ条件に基づいて、UEは、SCellの一部を解放することを決定することができる。UEは、バッテリの節約、低バッテリ、高BLER、頻繁なRLF、及び/又は熱緩和を含むがこれらに限定されない様々な理由で、アクティブSCellの数を低減することを決定することができる。トリガ条件が存在しない場合、UEは、1408で通常の動作を継続することができる。
【0133】
1410において、トリガ条件が存在する場合、UEは、「UE無線能力情報更新が必要な」情報要素(information element、IE)を有効にして、トラッキングエリア更新要求をネットワークに送信することができる。それに応じて、ネットワークは、新しい/更新されたUE能力情報をUEに問い合わせすることができる。最後に、UEは、その実際のMCBよりも低いMCBを明示的にアドバタイズすることができ、その結果、NWは、CCのより小さいサブセットでUEを構成する。追加的又は代替的に、UEは、低い熱影響を有するが高スループットを提供することができるCA組み合わせの特定のサブセットをアドバタイズすることができる。例えば、CA_1A_3A_5A及びCA_25A_12A_66Aは、同じ集約帯域幅及びCCの数を有することができるが、CA_1A_3A_5Aは、より低い熱影響を有することができる。したがって、UEは、CA_25A_12A_66Aをアドバタイズすることを控えることができ、CA_1A_3A_5Aをアドバタイズすることができる。
アクティブ帯域幅部分に基づく選択的測定プルーニング
【0134】
いくつかの実施形態では、熱条件により、ENDC接続のUEがそのLTE及び/又はそのNR無線機を無効にしてデバイス内の温度を下げることが望ましくする場合がある。これらの実施形態では、UEは、セル測定をプルーニングするか否か及びどのようにプルーニングするかを判定する際に、ENDC接続において使用される周波数範囲並びにアクティブ帯域幅部分(bandwidth part、BWP)の帯域幅の両方を考慮することができる。
【0135】
例えば、UEは、その温度が閾値を上回って上昇したことを判定することができ、その結果、様々なシナリオにおいて、温度緩和手順を以下のように実施することができる。最初に、UEがLTE eNB及びサブ6 gNBの両方と通信しているとき、NRアクティブBWPが閾値帯域幅(例えば、20MHz)よりも大きい場合、UEは、ULトラフィックをLTEにプッシュし、熱条件を監視することができる。温度が所定の分(又は秒)数内で一貫して上昇し続ける場合、UEは、SCGFailureInformationを送信して更なるNRセル測定をプルーニングすることによって、NRを無効にすることができる。あるいは、UEがLTE eNB及びmmW gNBの両方と通信しているとき、NRアクティブBWPが閾値帯域幅よりも大きい場合、UEは、SCGFailureInformationを送信して将来のNRセル測定をプルーニングすることによって、NRを直ちに無効にすることができる。
【0136】
あるいは、UEがLTE eNB及びサブ6 gNBの両方と通信しており、かつNRアクティブBWPが閾値帯域幅未満であるとき、UEは、LTE及びNRでUL及びDLトラフィックの両方を継続することができる。UEがLTE eNB及びmWW gNBの両方と通信しており、かつNRアクティブBWPが閾値帯域幅未満であるとき、ULトラフィックをMCGにプッシュすることができ(例えば、BSR0メッセージをmmW gNBに送信することによって)、DLトラフィックは、NWスケジューリングに続くことができる。
【0137】
上記で与えられる実施例は、20MHzの閾値BWを指定しているが、所望に応じて、他の閾値BWも使用することができる。しかしながら、20MHzは、閾値BWとしていくつかの利点を提示することができる。例えば、20MHzは、LTE通信のための最大帯域幅であり、その結果、20MHzは、それを上回るとNR通信がLTE通信よりも著しく多くのバッテリドレイン及び/又は熱生成を呈し始める帯域幅の推定値として使用することができる。したがって、LTEに通信をシャンティングする熱緩和は、帯域幅において20MHzを上回るNR通信に対してより顕著になり得る。
【0138】
他の実施形態では、熱緩和が開始されたときに、ENDC通信環境でNRセル測定をプルーニングするのではなく、UEは、UE支援情報を利用して、NR通信のBWを20MHzに反復的に低減することができる。NR BWが20Mhzに達すると、UEは、LTE PCCのBWを反復的に低減するように進むことができる。代替的に又は追加的に、UEは、アクティブBWPを変更することができる。
UL制限条件に応じたトラフィック転換
【0139】
いくつかの実施形態では、ENDCカバレッジシナリオにおけるUEは、アップリンク(UL)条件に応じて、LTEとNR RATとの間でトラフィックを転換することができる。例えば、いくつかの実施形態では、LTEカバレッジがUL制限され、かつNRが良好なカバレッジ内にある場合、UEは、BSR「0」メッセージをLTE eNBに送信し、全てのULトラフィックをNR gNBに移動させることができる。有利には、これにより、アクティブな送信電力を低減し、熱を緩和することができる。あるいは、NRがUL制限カバレッジ内にあり、かつLTEが良好なカバレッジ内にある場合、UEは、BSR「0」メッセージをNR gNBに送信し、全てのULトラフィックをLTE eNBに移動させることができる。
【0140】
LTE及びNRが両方ともUL制限されている場合、UEは、SCGFailureInformationメッセージを送信することによって、NRを無効にすることができる。更に、ULトラフィックが重要なULトラフィックではない場合(例えば、優先度の閾値レベルを下回る場合)、UEは、熱条件が改善するまで、LTEを介したULトラフィックを遅延させることができる。あるいは、LTE及びNRの両方がUL制限されている場合、UEは、補足UL(supplementary UL、SUL)チャネルを有効にすることができ、全てのULトラフィックをSULチャネルに移動させることができる。
図15-高優先度データセッション中の選択的測定プルーニング
【0141】
いくつかの実施形態では、NSA配備(例えば、ENDCシナリオ)におけるUEは、ボイスオーバーLTE(voice over LTE、VoLTE)通話などの高いサービス品質(QoS)要件を有する進行中の高優先度データ転送を有することができる。図15は、いくつかの実施形態に係る、この又は他のシナリオにおける選択的NRセル測定プルーニングを実行する方法を示すフローチャート図である。図15の方法の態様は、図に関して示し説明したように、1つ以上の基地局(例えば、BS102)と通信しているUE(単数又は複数)106などの無線デバイスによって実施することができ、又は、より一般的に、所望に応じて、他のデバイスの中でもとりわけ、図に示す他の回路、システム、デバイス、要素、若しくは構成要素の中でもとりわけ、図に示すコンピュータシステム若しくはデバイスのいずれかと共同して実施することができる。例えば、UEの1つ以上のプロセッサ(又は処理要素)(例えば、様々な可能性の中でもとりわけ、プロセッサ(単数又は複数)302、ベースバンドプロセッサ(単数又は複数)、通信回路(例えば、330)に関連付けられたプロセッサ(単数又は複数)など)は、UEに例示された方法要素の一部又は全てを実行させることができる。同様に、様々な可能性の中でもとりわけ、プロセッサ(単数又は複数)404、ベースバンドプロセッサ(単数又は複数)、通信回路(例えば、430、432)に関連付けられたプロセッサ(単数又は複数)などは、BSに例示された方法要素の一部又は全てを実行させることができる。
【0142】
様々な実施形態では、図に示す方法の要素のうちのいくつかは、同時に実行されてもよく、図に示す順序とは異なる順序で実行されてもよく、他の方法要素によって置換されてもよく、又は省略されてもよい。要望に応じて、追加の方法要素も実行されてもよい。図に示すように、方法は以下のように動作してもよい。
【0143】
1502において、ENDCが可能なUEは、LTE eNBにキャンプオンされている。NWは、UEの位置からNR ENDCをサポートすることができ、これは、システム情報ブロック2(system information block 2、SIB-2)アップリンク情報(uplink information、ULI)を介して有効にすることができる。
【0144】
1504において、UEは、VoLTE通話などの高QoS要件(例えば、1~4のQoSクラス識別子(QoS class identifier、QCI))を有する進行中の高優先度データセッションがあるかどうかを判定することができる。高QoSセッションが進行中でない場合、UEは、ステップ1506で通常の動作に戻ることができる。
【0145】
1508において、高QoSセッションが進行中である場合、UEは、LTE及びNRの両方がデバイス上で現在アクティブであるかどうかを判定することができる(例えば、UEは、ENDC配備に関連付けられたeNB及びgNBの両方とアクティブな接続を有するかどうかを判定することができる)。LTE及びNRの両方がデバイス上で現在アクティブでない場合、UEは、ステップ1506で通常の動作に戻ることができる。
【0146】
1510において、LTE及びNRの両方が現在アクティブである場合、UEは、(例えば、LTE eNB上で)全てのULデータがMCGに送信されているかどうかを判定することができる。ULデータがMCGに対して実行されていないと判定された場合、ステップ1512において、UEは、BSR0メッセージをNR gNBに送信し、NR gNB上の任意のULトラフィックを回避することができ、UEは、次いでステップ1514に進むことができる。
【0147】
1514において、全てのULデータがMCGに送信されていると判定された場合、UEは、UEの温度が温度閾値(例えば、最大安全温度の80%、又は別の閾値)よりも高いかどうかを判定することができる。温度が閾値を上回らない場合、UEは、ステップ1506で通常の動作に戻ることができる。
【0148】
1516において、温度が温度閾値を上回ると判定された場合、UEは、NRセル測定プルーニング手順を実施することができる。例えば、UEは、ネットワークに「SCGFailureInformation」メッセージを送信することによって、NR gNBとの接続を無効にすることができる。SCGFailureInformationメッセージでは、UEは、測定結果周波数リスト(「measResultFreqList」)又は測定結果セカンダリセルグループ(SCG)障害(「measResultSCG-Failure)情報要素(IE)を含まなくてもよい。有利には、これにより、ネットワークがNR接続を再構成することを防止することができる。加えて、UEは、高優先度データセッションが終了するまで、かつ/又は熱条件が改善する(例えば、温度が閾値又は閾値を下回る所定の度数を下回って低下する)まで、更なるNRセル測定を実施することを控えることができる。
SA配備におけるNRの無効化
【0149】
いくつかの実施形態では、UEは、LTE eNBにも接続されることなく、スタンドアロン(SA)接続で5G gNBと通信することができる。これらの実施形態では、過熱を緩和するために様々な技術を実装することができる。例えば、図16に示すように、UEは、UEAssistanceInformationメッセージをgNBに送信して、接続のためのCCの最大数を低減し、サブ6及びmmWの両方に対するダウンリンク(DL)とアップリンク(UL)との組み合わせにおける最大集約BWを低減し、かつ/又はDL及びULのMIMO層の最大数を低減することができる。
【0150】
あるいは、いくつかの配備では、ネットワークは、UEAssistanceInformationメッセージをサポートしなくてもよく、代替方法を用いることができる。一例として、UEが過熱を経験しており、かつサービングセル(例えば、MCG)がサブ6 gNBである場合、UEは、RAT間のB1及び/又はB2測定を実行することができる。例えば、B1測定は、RAT間ネイバー(例えば、LTEセル)が閾値を上回る信号強度を有するかどうかを判定することができ、B2測定は、サービングセルが第1の閾値よりも信号強度が悪化し、かつRAT間隣接セルが第2の閾値よりも信号強度が強くなるかどうかの両方を判定することができる。これらの実施形態では、B1及び/又はB2RAT間測定中に、UEがサブ6 gNBセルと同じ周波数範囲にない認定LTEセルを見つけた場合、UEは、NRを無効にし、LTEセルに移動することができる。あるいは、B1及び/又はB2測定がサブ6 gNBと同じ周波数範囲内の認定LTEセルを見つけ、かつサービングgNBセルとLTEセルとの間の信号強度の差(例えば、受信信号対受信電力(received signal to received power、RSRP)比、又は信号強度の別の尺度)が閾値未満(例えば、3~5dBm以内)である場合、UEは、gNBにキャンプオンしたままであり、所定秒数にわたってLTEの測定を回避することができる。
【0151】
他の実施形態では、UEがmmW gNBにキャンプオンされている間に過熱を経験する場合、UEは、B1又はB2測定を満たすLTEセルが見つけられた場合、熱条件が改善するまで、常にNRを無効にし、LTEセルに移動することができる。
図17A図17B-カバレッジシナリオの変更
【0152】
図17A図17Bは、いくつかの実施形態に係る、異なる2つのカバレッジシナリオ間で移動するUEを示す。具体的には、図17Aは、LTEセル及びサブ6NRセルのカバレッジ境界の方向に移動するUEを示す。図17Bは、LTEセル及びサブ6NRセルの両方のカバレッジ内にあり、かつNR mmWセル(例えば、NR mmWセル#1)に向かって移動するUEを示す。このカバレッジシナリオでは、一例として、UEは、MCGとしてLTEセルに取り付けることができ、SCGとしてサブ6NRセルに取り付けることができる、又はできなくてもよい。
図18図19-ENDCにおけるセル測定を実行するためのフローチャート
【0153】
図18は、いくつかの実施形態に係る、ENDCカバレッジシナリオにおいて、UEがセル測定を実行する方法を示すフローチャート図である。具体的には、図18は、特定の基準が満たされる場合、UEがmmW NRセルに対してサブ6NRセルを優先することができる方法を示す。1902において、UEは、LTEセルに取り付けられており、かつRRC接続状態にあるかどうかを判定する。そうでない場合、UEは、1904で通常の動作を継続する。1906において、UEは、NR測定がネットワークによって構成されているかどうかを判定することができ、1910において、測定を実行するように構成された利用可能なサブ6及びmmW周波数NRセルがあるかどうかを判定することができる。いずれかの判定が否定である場合、UEは、1908又は1912それぞれで通常動作を継続する。1914において、利用可能なNRセルは、それらの信号強度(例えば、それらのRSRP及び/又はSNR)に基づいてランク付けすることができ、1916において、残りのUEバッテリ寿命が30%、50%、又は別の閾値などの閾値レベルを下回るかどうかを判定することができる。バッテリ寿命が閾値レベルを下回る場合、1920において、UEは、最高信号強度を有するmmWセルに対して信号強度が所定のデシベル数(例えば、3dB)内にある利用可能なサブ6セルが存在するかどうかを判定することができ、そうである場合、サブ6セルの信号強度がヒステリシスレベルよりも大きいかどうかを判定することができる。利用可能なサブ6セルがmmWセルの所定のデシベル数内にない場合、UEは、1924で通常の動作を継続する。
【0154】
バッテリ寿命が閾値レベルを下回らない場合、1918において、UEは、UEがロック状態にあるかどうか、そのディスプレイがオフであるかどうか、かつ/又はWLANホットスポットとして現在機能していないかどうかをチェックすることができる。そうでない場合、UEは、1920で通常の動作を継続する。これらの条件のうちの1つ以上が満たされる場合、UEは同様に、1920で最も強い利用可能なmmWセルから信号強度の閾値差内にある利用可能なサブ6セルのチェックに進むことができる。
【0155】
サブ6セルが最も強いmmWセルから信号強度の所定の差内にある場合、1922において、UEは、mmWセルに対してサブ6セルを優先し、サブ6セルに関する測定を報告することができる。いくつかの実施形態では、-100dBmなどのヒステリシス値よりも大きい信号強度を有しない限り、セルサブ6セルが優先されないヒステリシスを用いることができる。バッテリレベルが閾値を上回って戻ると、この機能は、非アクティブ化することができ、通常のレポート動作に従うことができる。
【0156】
いくつかの実施形態では、サブ6セルを優先することに続いて、アプリケーションが高データスループットを利用するUE上で開始したことを判定することができる。少なくとも部分的に、アプリケーションが高データスループットを利用するUE上で開始したと判定したことに応じて、UEは、高データスループットを実行するためのeNB及びmmW NRセルとのENDC接続を確立することができる。
【0157】
図19は、UEがENDCシナリオにあり、かつRRCアイドル又は接続モードにおいてサブ6サービングNRセル並びにLTEセルに取り付けられている実施形態を更に考慮する、図18と同様のフローチャート図である。図19では、UEのバッテリレベルが閾値を下回っている場合、かつ/又はUEがロック状態にある場合、UEは、キャンプオンしたサブ6セルよりも高い信号強度を有する場合でも、mmWセルに関する測定を報告しないことを決定することができる。より具体的には、図19は、以下のように進行することができる。
【0158】
2002において、UEは、サブ6NRセルとのRRCアイドル又は接続状態でENDC接続に関与しているかどうかを判定する。そうでない場合、UEは、2004で通常の動作を継続する。2006において、UEは、測定を実行するように構成された利用可能なサブ6及びmmW周波数NRセルがあるかどうかを判定することができる。そうでない場合、UEは、2008で通常の動作を継続する。2010において、利用可能なNRセルは、それらの信号強度(例えば、それらのRSRP及び/又はSNR)に基づいてランク付けすることができ、2012において、残りのUEバッテリ寿命が30%、50%、又は別の閾値などの閾値レベルを下回るかどうかを判定することができる。バッテリ寿命が閾値レベルを下回る場合、2018において、UEは、最高信号強度を有するmmWセルに対して信号強度が所定のデシベル数(例えば、3dB)内にある利用可能なサブ6セル(サービングサブ6セルを含む)が存在するかどうかを判定することができ、そうである場合、サブ6セルの信号強度がヒステリシスレベル(例えば-100dBm又は別の閾値)よりも大きいかどうかを判定することができる。利用可能なサブ6セルがmmWセルの所定のデシベル数内にない場合、UEは、2022で通常の動作を継続する。
【0159】
バッテリ寿命が閾値レベルを下回らない場合、2014において、UEは、UEがロック状態にあるかどうか、そのディスプレイがオフであるかどうか、かつ/又はWLANホットスポットとして現在機能していないかどうかをチェックすることができる。そうでない場合、UEは、2016で通常の動作を継続する。これらの条件のうちの1つ以上が満たされる場合、UEは同様に、2018で最も強い利用可能なmmWセルから信号強度の閾値差内にある利用可能なサブ6セルのチェックに進むことができる。
【0160】
サブ6セルが最も強いmmWセルから信号強度が所定の差内にあり、かつサブ6セルの信号強度がヒステリシスレベルよりも大きい場合、2020において、UEは、最良の信号強度を有するmmWセルの代わりに、このサブ6セルに関する測定を報告することができる。更に、UEは、このmmWセルへのハンドオーバーをトリガするために、サービングgNB(すなわち、サービングサブ6セル)にイベントを報告しなくてもよい。いくつかの実施形態では、-100dBmなどのヒステリシス値よりも大きい信号強度を有しない限り、セルサブ6セルが優先されないヒステリシスを用いることができる。バッテリレベルが閾値を上回って戻ると、この機能は、非アクティブ化することができ、通常のレポート動作に従うことができる。
図20-SCG障害開始手順を実施するためのフローチャート
【0161】
図20は、いくつかの実施形態に係る、SCG障害開始手順を実施する方法を示すフローチャート図である。
【0162】
図5の方法の態様は、図に関して示し説明したように、1つ以上の基地局(例えば、BS102)と通信しているUE(単数又は複数)106などの無線デバイスによって実施することができ、又は、より一般的に、所望に応じて、他のデバイスの中でもとりわけ、図に示す他の回路、システム、デバイス、要素、若しくは構成要素の中でもとりわけ、図に示すコンピュータシステム若しくはデバイスのいずれかと共同して実施することができる。例えば、UEの1つ以上のプロセッサ(又は処理要素)(例えば、様々な可能性の中でもとりわけ、プロセッサ(単数又は複数)302、ベースバンドプロセッサ(単数又は複数)、通信回路(例えば、330)に関連付けられたプロセッサ(単数又は複数)など)は、UEに例示された方法要素の一部又は全てを実行させることができる。同様に、様々な可能性の中でもとりわけ、プロセッサ(単数又は複数)404、ベースバンドプロセッサ(単数又は複数)、通信回路(例えば、430、432)に関連付けられたプロセッサ(単数又は複数)などは、BSに例示された方法要素の一部又は全てを実行させることができる。
【0163】
様々な実施形態では、図に示す方法の要素のうちのいくつかは、同時に実行されてもよく、図に示す順序とは異なる順序で実行されてもよく、他の方法要素によって置換されてもよく、又は省略されてもよい。要望に応じて、追加の方法要素も実行されてもよい。図に示すように、方法は以下のように動作してもよい。
【0164】
2202において、5G-NSA mmW対応UEデバイスがオンにされる。
【0165】
2402において、UEがLTEセルカバレッジ内にあるかどうかが判定される。
【0166】
2404において、UEがLTEセルカバレッジ内にないと判定された場合、UEは、標準動作を継続することができる。
【0167】
2406において、UEがLTEセルカバレッジ内にあるとの判定に基づいて、UEは、LTE RRC接続状態にあるかどうか、かつmmW SCellを有するSCGに関する情報がネットワークから受信されたかどうかを判定することができる。そうでない場合、UEは、ステップ2408で通常動作を継続することができる。
【0168】
ステップ2406で肯定的な判定が行われた場合、ステップ2410において、UEは、任意のトリガ条件が満たされたかどうかを判定することができる。そうでない場合、UEは、2412で通常の動作を継続する。トリガ条件のリストは、図21(2102)に提示されており、これは、ユーザがUEをロックすること(2104)、UEが所定の閾値速度を上回る速度(例えば、ビークルでの移動に対応する速度)で移動していること(2106)、デバイスがWiFiに接続されているかどうか(2108)、デバイスがBlueTooth(商標)を介してビークルに接続されているかどうか(2110)、mmWの受信信号電力の緩やかな低下若しくは伝搬損失の増加が検出されたかどうか(2112)、又はデバイスが残りのバッテリ寿命の閾値レベルを下回るかどうか(2114)を含むことができる。
【0169】
トリガ条件が満たされる場合、UEは、ステップ2414でタイマを開始することができる。ステップ2416でタイマが満了すると、UEは、ステップ2418でSCG障害開始手順を実行することができ、ステップ2420でSCG障害をネットワークに報告することができる。ステップ2418及び2420は、トリガ条件の発生に応じて、mmWセルからUEを取り外すのに役立つことができる。
【0170】
2422において、UEがトリガ条件の反転を検出する場合(すなわち、2410でのトリガ条件がUEがロックされていることであった場合、トリガ条件の反転は、UEがその後にロック解除されたことを検出することを含むことができる)、UEは、ステップ2424で、ネットワークによって構成されたようにLTEからNRへの測定を報告し、通常動作を継続することができる。
トラフィックに応じたアンテナ切り替え
【0171】
いくつかの実施形態では、特にUEがデータ送信及び/又は受信の持続ピークスループットに関与する場合、UEは、経時的なUEの温度の変化速度を監視することができる。これらの実施形態では、温度の変化速度が所定の値よりも大きい場合、UEは、最良のアンテナモジュールよりも信号強度が悪い異なるアンテナモジュールに切り替えることができる。これにより、データレートを人工的に低減することができるが、温度を維持又は低下するのに役立つことができる。追加的又は代替的に、アナログ-デジタル変換器(analog-to-digital converter、ADC)のダイナミックレンジを調整して、性能の劣化を犠牲にして熱影響を低減することができる。有利には、これらの方法は、UEが過熱なしにより長い持続時間にわたって5Gネットワークを介して通信を行うことを可能にすることができる。
比吸収率(Specific Absorption Rate、SAR)バックオフ
【0172】
いくつかの実施形態では、UEは、比吸収率(SAR)バックオフ機能を実装するように構成することができ、UEは、UEのグリップの向きを検出するように、かつ/又はユーザの手及び/若しくは耳へのUEの近接を検出するように構成することができる。UEがユーザの特定の身体部分に十分に近い場合(例えば、UEがユーザの耳に対して配置されている場合)、SARバックオフ機能は、ユーザへの過度の放射線曝露を防止し、かつ/又は該当する法律及び規制に準拠するために、1つ以上の周波数範囲についてUEの送信(transmission、Tx)電力を制限することができる。例えば、mmW又はより高い周波数の送信をサポートするUEは、SAR制限及び/又は規制を満たすために、特定のユーザグリップ条件においてこれらの周波数についてそのTx電力を制限するように構成することができる。SAR制限は、段階的にすることができ、いくつかの実施形態では、デバイスが手に保持されている間に、第1の低減されたTx電力制限が設定され、デバイスがユーザの頭部に対して保持されている間に、第2の(例えば、より厳しい)Tx電力制限が設定される。いくつかの実施形態では、より厳しいTx電力制限は、mmW送信を完全に無効にすることを含むことができる。更に、いくつかの実施形態では、SAR規制によって課されるTx制限は、周波数に応じて変化し得る。例えば、5G NRによって利用されると予想されるものなどのより高い周波数送信(例えば、30GHzを上回る)は、より高い周波数がユーザに対してより大きな健康上のリスクを潜在的に引き起こす可能性があるため、より低い周波数よりも特定のグリップの向きの間により厳しい送信電力制限を受け得る。
【0173】
以下の番号付けされたパラグラフでは、追加の実施形態を説明する。
【0174】
いくつかの実施形態では、ユーザ機器デバイス(UE)は、無線機と、無線機に動作可能に結合されたプロセッサと、を備える。UEは、UEのベースバンドプロセッサ(BB)によって、リモートデバイスとの通信を開始する通知を受信するように構成されている。UEは、少なくとも部分的に、通知を受信したことに応じて、スリープからUEのアプリケーションプロセッサ(AP)をウェイクするように更に構成されている。UEは、リモートデバイスとの通信が第5世代新無線(5G NR)無線アクセス技術(RAT)に関連付けられていないことを判定するように更に構成されている。リモートデバイスとの通信が5G NR RATに関連付けられていないと判定したことに少なくとも部分的に基づいて、UEは、5G NR RATに関連付けられた第1の測定を実行することを控えるように更に構成されている。
【0175】
いくつかの実施形態では、UEは、UEの温度が閾値を上回ることを判定するように更に構成されており、第1の測定は、更にUEの温度が閾値を上回ると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、実行されず、第1の測定は、ミリメートル波(mm波)周波数測定を含む。これらの実施形態では、UEは、サブ6GHz周波数範囲上の5G NR RATに関連付けられた第2の測定を実行するように更に構成されている。
【0176】
いくつかの実施形態では、UEは、UEによって実行されるべきデータ転送のレベルが第1の閾値を下回るかどうかを判定し、かつ、UEによって実行されるべきデータ転送のレベルが第1の閾値を下回ると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、5G NR RATに関連付けられたミリメートル波(mm波)周波数無線測定を実行することを控える、ように構成されている。
【0177】
いくつかの実施形態では、UEは、UEが高い移動状態にあることを判定するように更に構成されており、第1の測定は、更にUEが高い移動状態にあると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、実行されない。
【0178】
いくつかの実施形態では、UEは、UEによって実行されるべきデータ転送のレベルが第2の閾値を下回ることを判定するように更に構成されており、第2の閾値は、第1の閾値未満である。これらの実施形態では、UEは、UEによって実行されるべきデータ転送のレベルが第2の閾値を下回ると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、5G NR RATに関連付けられたサブ6GHz周波数無線測定を実行することを控えるように更に構成されている。
【0179】
いくつかの実施形態では、UEは、UEのディスプレイがオフにされていることを判定し、かつ、UEのディスプレイがオフにされていると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、5G NR RATに関連付けられたサブ6GHz周波数無線測定を実行することを控える、ように更に構成されている。
【0180】
いくつかの実施形態では、UEは、5G NR RATに関連付けられた複数のセカンダリセル(SCell)を介したネットワークとの接続を確立し、複数のSCellの各々に関する信号品質測定を実行し、かつ、ネットワークに、少なくとも複数のSCellの第1のSCellをドロップするための選好を示すドロップ優先度リストを送信する、ように構成されており、ドロップ優先度リストは、信号品質測定の結果に少なくとも部分的に基づいて、決定される。
【0181】
いくつかの実施形態では、ドロップ優先度リストは、複数のSCellの各々をドロップするための選好のランク付けされた順序を含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、UEは、5G NR RATに関連付けられた複数のSCellを介したネットワークとの接続であって、第1の帯域幅を利用する、接続を確立し、低減された帯域幅条件が発生したことを判定し、少なくとも部分的に、低減された帯域幅条件が発生したと判定したことに応じて、更新されたUE能力情報であって、第2の帯域幅であって、第1の帯域幅よりも小さい、第2の帯域幅を利用してネットワークと通信する能力を指定する、更新されたUE能力情報をネットワークに送信し、かつ、少なくとも部分的に、更新されたUE能力情報をネットワークに送信したことに応じて、ネットワークから、複数のSCellのうちの1つ以上を接続から取り外すインジケーションを受信する、ように構成されている。
【0183】
いくつかの実施形態では、低減された帯域幅条件は、UEのバッテリレベルがバッテリレベル閾値を下回って低下すること、UEの温度が温度閾値を上回って上昇すること、接続に関連付けられたブロックエラー率(BLER)がBLER閾値を上回って上昇すること、又は無線リンク障害の頻度が無線リンク障害閾値を上回って上昇すること、のうちの1つ以上を含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、UEは、eNB及び1つ以上のgNBとの進化型ユニバーサル地上無線アクセス(EUTRA)新無線(NR)二重接続性(ENDC)接続を確立し、UEの温度が温度閾値を上回って上昇したことを判定し、ENDC接続に使用されるアクティブ帯域幅部分(BWP)が帯域幅閾値よりも大きいかどうかを判定し、かつ、アクティブBWPが帯域幅閾値よりも大きいと判定したことに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のgNBとの接続を無効にして、ENDC接続をeNBとのスタンドアロン接続に移行する、ように構成されている。
【0185】
いくつかの実施形態では、BWP閾値は、20MHzである。
【0186】
いくつかの実施形態では、UEは、eNB及びgNBを介してネットワークとのENDC接続を確立し、eNBが不十分なアップリンクカバレッジを経験していることを判定し、かつ、eNBが不十分なアップリンクカバレッジを経験しているとの判定に少なくとも部分的に基づいて、ネットワークにバッファステータスレポート(BSR)を送信して、接続に関連付けられた全てのデータトラフィックをgNBに移動させる、ように構成されている。
【0187】
いくつかの実施形態では、UEは、eNB及びgNBを介してネットワークとのENDC接続を確立し、gNBが不十分なアップリンクカバレッジを経験していることを判定し、かつ、gNBが不十分なアップリンクカバレッジを経験しているとの判定に少なくとも部分的に基づいて、ネットワークにバッファステータスレポート(BSR)を送信して、接続に関連付けられた全てのデータトラフィックをeNBに移動させる、ように構成されている。
【0188】
いくつかの実施形態では、UEは、eNB及びgNBを介してネットワークとのENDC接続を確立し、eNB及びgNBの両方が不十分なアップリンクカバレッジを経験していることを判定し、かつ、eNB及びgNBが不十分なアップリンクカバレッジを経験しているとの判定に少なくとも部分的に基づいて、補足アップリンク(SUL)チャネルを有効にして、接続に関連付けられた全てのデータトラフィックをSULチャネルに移動させる、ように構成されている。
【0189】
いくつかの実施形態では、UEは、eNB及びgNBを介してネットワークとのENDC接続を確立し、ENDC接続を介してネットワークとの高優先度データセッションを開始し、UEの温度が温度閾値を上回ることを判定し、かつ、少なくとも部分的に、UEの温度が温度閾値を上回ると判定したことに応じて、gNBとの接続を無効にして、eNBとの高優先度データセッションを継続する、ように構成されている。
【0190】
いくつかの実施形態では、gNBとの接続を無効にすることは、SCGFailureInformationメッセージをgNBに送信することを含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、SCGFailureInformationメッセージは、測定結果周波数リスト情報要素又は測定結果セカンダリセルグループ(SCG)障害情報要素を含まない。
【0192】
いくつかの実施形態では、UEは、gNBとの接続を無効にした後に、高優先度データセッションが完了するまで、又はUEの温度が温度閾値を下回って低下するまで、gNBに関するセル測定を実行することを控えるように更に構成されている。
【0193】
いくつかの実施形態では、UEは、gNBを介してネットワークとのスタンドアロン(SA)接続を確立し、eNBに関する無線アクセス技術間(RAT間)セル測定を実行し、かつeNBがgNBを介したSA接続と重複する周波数範囲で動作しているかどうかを判定する、ように構成されている。eNBが重複する周波数範囲で動作していないとの判定に基づいて、UEは、gNBとの接続を無効にし、かつeNBとの接続を確立する、ように更に構成されている。
【0194】
いくつかの実施形態では、UEは、eNBが重複する周波数範囲で動作しているとの判定に基づいて、eNBの信号強度とgNBの信号強度が所定の量未満だけ異なるかどうかを判定するように更に構成されている。これらの実施形態では、eNBの信号強度とgNBの信号強度が所定の量未満だけ異なると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、UEは、gNBを介したネットワークとのSA接続を継続し、かつ所定の期間にわたってeNBに関するRAT間セル測定を更に実行することを控える、ように更に構成されている。
【0195】
いくつかの実施形態では、gNBを介したSA接続は、サブ6GHz周波数範囲内で動作する。
【0196】
いくつかの実施形態では、gNBを介したSA接続は、mm波周波数範囲内で動作する。
【0197】
いくつかの実施形態では、UEは、ENDCをサポートするeNBとの接続を確立し、サブ6GHz周波数帯域で動作する第1のgNB及びmm波周波数帯域で動作する第2のgNBの各々が利用可能であることを判定し、かつ第1のgNB及び第2のgNBの各々の信号強度を判定する、ように構成されており、第2のgNBの信号強度は、第1のgNBの信号強度よりも強い。第1のgNBの信号強度が第2のgNBの信号強度の所定のデシベル範囲内にあると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、UEは、eNB及び第1のgNBとのENDC接続を確立するように更に構成されている。
【0198】
いくつかの実施形態では、UEは、第1のgNBの信号強度が第2のgNBの信号強度の所定のデシベル範囲内にないと判定したことに少なくとも部分的に基づいて、eNB及び第2のgNBとのENDC接続を確立するように更に構成されている。
【0199】
いくつかの実施形態では、eNB及び第1のgNBとのENDC接続を確立することは、更にUEの残りのバッテリレベルが所定の閾値を下回ると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、実行される。
【0200】
いくつかの実施形態では、eNB及び第1のgNBとのENDC接続を確立することは、更にUEのディスプレイがオフにされていると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、実行される。
【0201】
いくつかの実施形態では、eNBとの接続は、無線リソース制御(RRC)アイドル又は接続状態にある。
【0202】
いくつかの実施形態では、UEは、UEが無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)ホットスポットとして機能していることを判定し、かつ、UEがWLANホットスポットとして機能していると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、eNB及び第1のgNBとの代わりに、eNB及び第2のgNBとのENDC接続を確立する、ように更に構成されている。
【0203】
いくつかの実施形態では、UEは、eNB及び第1のgNBとのENDC接続を確立すると、タイマを開始し、かつ、タイマの満了時に、eNB及び第2のgNBとのENDC接続を確立する、ように更に構成されている。
【0204】
いくつかの実施形態では、UEは、アプリケーションが高データスループットを利用するUE上で開始したことを判定し、かつ、少なくとも部分的に、アプリケーションが高データスループットを利用するUE上で開始したと判定したことに応じて、高データスループットを実行するためのeNB及び第2のgNBとのENDC接続を確立する、ように更に構成されている。
【0205】
いくつかの実施形態では、UEは、mm波周波数帯域を使用してgNBを介してネットワークとの無線通信を実行し、UEがユーザの第1の所定の範囲内にあることを判定し、かつ、UEがユーザの第1の所定の範囲内にあると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、mm波周波数帯域を使用するネットワークとの無線通信を減速する、ように構成されている。
【0206】
いくつかの実施形態では、UEがユーザの第1の所定の範囲内にあることを判定することは、UEの顔識別機能を利用して、ユーザの顔までの距離を判定すること、又はUEのグリップ検出機能を利用して、ユーザがUEを現在保持しているかどうかを判定すること、のうちの1つ以上を含む。
【0207】
いくつかの実施形態では、UEは、UEがユーザの第2の所定の範囲であって、第1の所定の範囲よりも小さい、第2の所定の範囲内にあることを判定し、かつ、UEがユーザの第2の所定の範囲内にあると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、mm波周波数帯域を使用するネットワークとの無線通信を無効にする、ように更に構成されている。
【0208】
いくつかの実施形態では、ユーザ機器デバイス(UE)は、無線機と、無線機に動作可能に結合されたプロセッサと、を備える。UEは、eNB及びgNBを介してネットワークとの進化型ユニバーサル地上無線アクセス(EUTRA)新無線(NR)二重接続性(ENDC)接続を確立し、ENDC接続を介してネットワークとの高優先度データセッションを開始し、UEの温度が温度閾値を上回ることを判定し、かつ、少なくとも部分的に、UEの温度が温度閾値を上回ると判定したことに応じて、gNBとの接続を無効にして、eNBとの高優先度データセッションを継続する、ように構成されている。
【0209】
いくつかの実施形態では、gNBとの接続を無効にすることは、SCGFailureInformationメッセージをgNBに送信することを含む。
【0210】
いくつかの実施形態では、gNBとの接続を無効にすることは、ネットワークからの無線リソース制御(RRC)再構成を要求することを更に含み、SCGFailureInformationメッセージは、ネットワークからのRRC再構成を要求した後に、gNBに送信される。
【0211】
いくつかの実施形態では、SCGFailureInformationメッセージは、測定結果周波数リスト情報要素又は測定結果セカンダリセルグループ(SCG)障害情報要素を含まない。
【0212】
いくつかの実施形態では、SCGFailureInformationメッセージの障害タイプは、T310タイマ満了として設定される。
【0213】
いくつかの実施形態では、gNBとの接続を無効にした後に、UEは、高優先度データセッションが完了するまで、又はUEの温度が温度閾値を下回って低下するまで、gNBに関するセル測定を実行することを控えるように更に構成されている。
【0214】
いくつかの実施形態では、gNBとの接続を無効にすることは、全てのシグナリング無線ベアラ(SRB)及びデータ無線ベアラ(DRB)のためのセカンダリセルグループ(SCG)送信を中断すること、SCG-メディアアクセス制御(MAC)をリセットすること、又はT304タイマを停止すること、のうちの1つ以上を含む。
【0215】
いくつかの実施形態では、UEは、UEの温度が第1の閾値温度を上回って上昇したことを判定し、かつ、UEの温度が第1の閾値温度を上回って上昇したと判定したことに少なくとも部分的に基づいて、標準モードで動作することとバックオフモードで動作することとの間で周期的に交互になる、ように構成されており、UEは、標準モードにある間に通常の送信電力で、かつバックオフモードにある間に低減された送信電力で、送信する。
【0216】
いくつかの実施形態では、標準モードとバックオフモードとの間で交互になるデューティサイクルは、UEがUEのより低い温度に対してよりもUEのより高い温度に対してバックオフモードでより多くの時間を費やすように、デューティサイクルが選択される、UEの温度が第1の閾値温度を上回って上昇した度数、又は、UEがUEの温度のより低い上昇速度に対してよりもUEの温度のより速い上昇速度に対してバックオフモードでより多くの時間を費やすように、デューティサイクルが選択される、UEの温度の上昇速度、のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて決定される。
【0217】
いくつかの実施形態では、高優先度データは、標準モードで動作している間に優先的に送信され、低優先度データは、バックオフモードで動作している間に優先的に送信される。
【0218】
いくつかの実施形態では、高優先度データは、他の可能性の中でもとりわけ、ライブビデオストリーミング、音声通話、又は制御シグナリングのうちの1つ以上を含むことができる。低優先度データは、他の可能性の中でもとりわけ、送信制御プロトコル(transmission control protocol、TCP)データ、ユーザデータグラムプロトコル(user datagram protocol、UDP)データ、又はバッファビデオストリーミングのうちの1つ以上を含むことができる。
【0219】
いくつかの実施形態では、UEは、eNB及び少なくとも1つのgNBとの進化型ユニバーサル地上無線アクセス(EUTRA)新無線(NR)二重接続性(ENDC)接続を確立し、バックオフモードで動作している間にロングタームエボリューション(LTE)無線アクセス技術(RAT)を介してeNBと優先的に通信し、かつ通常モードで動作している間に第5世代新無線(5G NR)RATを介してgNBと優先的に通信する、ように更に構成されている。
【0220】
いくつかの実施形態では、UEは、5G NR RATに関連付けられた送信電力バジェットが枯渇したことを判定し、かつ、5G NR RATに関連付けられた送信電力バジェットが枯渇したと判定したことに少なくとも部分的に基づいて、通常モードで動作している間に、LTE RATを介してeNBと通信することに切り替える、ように更に構成されている。
【0221】
いくつかの実施形態では、UEは、UEの温度が第2の閾値温度であって、第1の閾値温度よりも高い、第2の閾値温度を上回って上昇したことを判定し、かつ、UEの温度が第2の閾値温度を上回って上昇したと判定したことに少なくとも部分的に基づいて、標準モードで動作することと送信電力遮断モードで動作することとの間で周期的に交互になる、ように更に構成されており、ベースバンドプロセッサは、UEに、送信電力遮断モード中に任意の送信を実行することを控えさせるように構成されている。
【0222】
上述の例示的な実施形態に加えて、本開示の更なる実施形態は、様々な形態のいずれかで実現することができる。例えば、いくつかの実施形態は、コンピュータにより実施される方法、コンピュータ可読記憶媒体、又はコンピュータシステムとして実現することができる。他の実施形態は、ASICなどの1つ以上のカスタム設計されたハードウェアデバイスを使用して実現されてもよい。更なる他の実施形態は、FPGAなどの1つ以上のプログラム可能ハードウェア要素を使用して実現されてもよい。
【0223】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、プログラム命令及び/又はデータを記憶するように構成されてもよく、プログラム命令は、コンピュータシステムによって実行されると、コンピュータシステムに、本方法を、例えば、本明細書に記載された方法の実施形態のうちのいずれか、又は、本明細書に記載された方法の実施形態の任意の組み合わせ、又は、本明細書に記載された方法の実施形態のうちのいずれかの任意のサブセット、又は、そのようなサブセットの任意の組み合わせを実行させる。
【0224】
いくつかの実施形態では、デバイス(例えば、UE106)は、プロセッサ(又はプロセッサのセット)及び記憶媒体を含むように構成してもよい。ここで、記憶媒体は、プログラム命令を記憶し、プロセッサは、記憶媒体からプログラム命令を読み込み、実行するように構成されている。プログラム命令は、本明細書に記載された種々の方法の実施形態の任意のもの(又は、本明細書に記載された方法の実施形態の任意の組み合わせ、又は、本明細書に記載された方法の実施形態のいずれかの任意のサブセット、又は、このようなサブセットの任意の組み合わせ)を実施するために実行可能である。デバイスは、様々な形態のいずれかにおいて実現されてもよい。
【0225】
いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス(例えば、BS102)は、プロセッサ(又はプロセッサのセット)及び記憶媒体を含むように構成されていてもよい。ここで、記憶媒体は、プログラム命令を記憶し、プロセッサは、記憶媒体からプログラム命令を読み込み、実行するように構成されている。プログラム命令は、本明細書に記載されている種々の方法の実施形態の任意のもの(又は、本明細書に記載されている方法の実施形態の任意の組み合わせ、又は、本明細書に記載されている方法の実施形態のいずれかの任意のサブセット、又はこのようなサブセットの任意の組み合わせ)を実施するために実行可能である。ネットワークデバイスは、様々な形態のいずれかにおいて実現されてもよい。
【0226】
個人特定可能な情報の使用は、ユーザのプライバシーを維持するための業界又は政府の要件を満たす又は超えると一般に認識されているプライバシーポリシー及びプラクティスに従うべきであることに十分に理解されたい。特に、個人特定可能な情報データは、意図されない又は許可されていないアクセス又は使用のリスクを最小限に抑えるように管理及び取り扱いされるべきであり、許可された使用の性質はユーザに明確に示されるべきである。
【0227】
上記実施形態がかなり詳細に説明されてきたが、上記開示が完全に認識されると、多数の変形形態及び修正形態が当業者にとって明らかになる。以下の特許請求の範囲は、全てのそのような変形形態及び修正形態を包含すると解釈されることが意図されている。
図1
図2
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図5A
図5B
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図9B
図9C
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