(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】回転電機用冷却部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
H02K 15/14 20060101AFI20231204BHJP
【FI】
H02K15/14
(21)【出願番号】P 2022545553
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 JP2021027539
(87)【国際公開番号】W WO2022044647
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2020144844
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(73)【特許権者】
【識別番号】390008822
【氏名又は名称】アート金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 将起
(72)【発明者】
【氏名】岡澤 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】村上 聡
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-115177(JP,A)
【文献】特開2017-135844(JP,A)
【文献】特開2017-108579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電機に用いられる冷却部材の製造方法であって、
径方向の凹凸をそれぞれ有する円環状の複数の崩壊性中子を準備する準備工程と、
前記回転電機の回転軸の延在方向に沿って前記複数の崩壊性中子を同心状に積層する積層工程と、
金型内に前記複数の崩壊性中子が積層された状態で、前記金型内に前記冷却部材の材料を、前記材料が前記複数の崩壊性中子のそれぞれの外周面及び内周面を覆うように注湯する鋳造工程と、
前記鋳造工程の後に、前記複数の崩壊性中子を除去する除去工程とを含む、製造方法。
【請求項2】
前記積層工程において、前記複数の崩壊性中子は、軸方向に隣接する崩壊性中子同士で前記径方向の凹凸の周方向の位置が異なる態様で、積層される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記複数の崩壊性中子は、前記径方向の凹凸を形成する複数の第1凸部を有する第1崩壊性中子と、前記径方向の凹凸を形成する複数の第2凸部であって複数の前記第1凸部とは形態が異なる複数の第2凸部を有する円環状の第2崩壊性中子とを含み、
前記第1崩壊性中子は、周方向に沿って周期的に、複数の前記第1凸部と、前記第1凸部が形成されない複数の第1部位とを有し、かつ、前記回転軸を含む平面で切断した断面視で、前記第1凸部の断面積が前記第1部位の断面積よりも大きく、
前記第2崩壊性中子は、周方向に沿って周期的に、複数の前記第2凸部と、前記第2凸部が形成されない複数の第2部位とを有し、かつ、前記平面で切断した断面視で、前記第2凸部の断面積が前記第2部位の断面積よりも大きい、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第1凸部は、周方向で前記第1部位の一方の側に隣接する径方向外側への凸部と、周方向で前記第1部位の他方の側に隣接する径方向内側への凸部とを含み、
前記積層工程は、前記第1部位の周方向の位置が、前記第2凸部の周方向の位置と一致するように、前記第1崩壊性中子と前記第2崩壊性中子とを積層する、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記積層工程によって前記第1崩壊性中子及び前記第2崩壊性中子が積層されてなる積層体は、前記平面で切断した断面視で、少なくとも半周以上の区間にわたり、断面積が周方向に沿って略一定である、請求項4に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転電機用冷却部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
径方向内側の円筒状の壁部と径方向外側の円筒状の壁部との間に径方向の柱状の突起を設けた流路構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許公開第102009047215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来技術では、柱状の突起を複数有する流路構造は、熱交換が可能な表面積を効率的に増加できる点で有利であるが、柱状の突起を形成することに関して製造上の制約が大きいという問題がある。例えば、崩壊性中子を利用する場合、崩壊性中子は、当該柱状の突起を形成するための柱状の空洞を有するように成形される。しかしながら、圧力を付与して成形する種の崩壊性中子の場合、崩壊性中子の一ピースに、このような柱状の空洞を軸方向の複数個所に設定することは難しい。
【0005】
そこで、本開示は、崩壊性中子を利用して、熱交換が可能な表面積が比較的大きい回転電機用冷却部材を製造可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面によれば、回転電機に用いられる冷却部材の製造方法であって、
径方向の凹凸をそれぞれ有する円環状の複数の崩壊性中子を準備する準備工程と、
前記回転電機の回転軸の延在方向に沿って前記複数の崩壊性中子を同心状に積層する積層工程と、
金型内に前記複数の崩壊性中子が積層された状態で、前記金型内に前記冷却部材の材料を、前記材料が前記複数の崩壊性中子のそれぞれの外周面及び内周面を覆うように注湯する鋳造工程と、
前記鋳造工程の後に、前記複数の崩壊性中子を除去する除去工程とを含む、製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、崩壊性中子を利用して、熱交換が可能な表面積が比較的大きい回転電機用冷却部材を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施例によるモータの外観を概略的に示す正面図である。
【
図2】モータの一部を概略的に示す側面図(軸方向に視た平面図)である。
【
図3】モータの中心軸を通る平面で切断した際の、モータの一部を概略的に示す断面図である。
【
図4】冷却水路に係る中子の単体を示す斜視図である。
【
図6】単品状態の第1崩壊性中子の一部の斜視図である。
【
図7】単品状態の第2崩壊性中子の一部の斜視図である。
【
図8A】
図5のラインA-Aに沿った断面図である。
【
図8B】
図5のラインB-Bに沿った断面図である。
【
図8C】
図5のラインC-Cに沿った断面図である。
【
図9】ステータの製造方法の流れを示す概略フローチャートである。
【
図10A】マスキング用金型の取り付け状態を概略的に示す図である。
【
図10B】マスキング用金型の取り付け状態の概略的な断面図である。
【
図10C】支持ケースとステータコアとの接合方法の説明図である。
【
図10D】鋳造用の金型内における中子等のセット状態を概略的に示す断面図である。
【
図11】軸方向に隣接して配置された4つの第2崩壊性中子の一部を平面視で模式的に示す変形例(その1)の説明図である。
【
図12】軸方向に隣接して配置された4つの第2崩壊性中子の一部を平面視で模式的に示す変形例(その2)の説明図である。
【
図13】軸方向に隣接して配置された4つの第2崩壊性中子の一部を平面視で模式的に示す変形例(その3)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
【0010】
図1は、本実施例によるモータ10の外観を概略的に示す正面図であり、
図2は、モータ10の一部を概略的に示す側面図(軸方向に視た平面図)であり、
図3は、モータ10の中心軸I(回転軸)を通る平面で切断した際の、モータ10の一部を概略的に示す断面図である。
図4は、冷却水路95に係る中子795Aの単体を示す斜視図である。
図1~
図3では、モータ10のロータの図示が省略され、ステータコイル114等が非常に概略的に示される。
【0011】
以下では、径方向は、特に言及しない限り、モータ10の中心軸I(=ステータコア112の中心軸)を基準とする。また、以下の説明では、上下方向は、中心軸Iが水平方向に略平行になるように搭載されたモータ10の搭載状態での上下方向を表す。
図1等には、当該上下方向に対応したZ方向と、軸方向に対応するX方向とが図示されている。この場合、Z方向は、中心軸Iに直交し、Z1側が上側であり、Z2側が下側である。
【0012】
モータ10は、ロータ(図示せず)と、ステータ10bとを備え、ステータ10bは、ステータコア112と、ステータコイル114とを含む。ステータコイル114は、軸方向両端にコイルエンド220A、220Bを含む。
【0013】
また、モータ10は、支持ケース60を含む。
【0014】
支持ケース60は、
図1及び
図2等に示すように、円筒状の形態であり、モータ10のケースとして機能できる。支持ケース60は、例えば、軸方向の両側が開口した形態(軸方向に視て、ステータコア112に実質的に重なることがない形態)である。支持ケース60は、軸方向の両側で他のケース部材600A、600B(
図3に、一点鎖線で概略的に図示)に結合される。なお、
図3では、図示しないが、軸方向の一端側のケース部材600A又は600Bは、ロータ(図示せず)を回転可能に支持してよい。なお、
図2及び
図3には、他のケース部材600A、600Bとのボルト結合用の穴610が図示されている。このように、支持ケース60は、軸方向の端面が他のケース部材600A、600Bの軸方向の端面に軸方向に当接する態様で、他のケース部材600A、600Bに結合されてもよい。なお、ボルト結合用の穴610は、軸方向に貫通する貫通穴の形態であってもよいし、非貫通穴の形態であってもよい。
【0015】
支持ケース60は、アルミを主成分とする材料により形成される。例えば、支持ケース60は、後述のように冷却水が通る冷却水路95を形成する関係上、好ましくは、耐腐食性が良好なアルミ合金により形成される。アルミ合金としては、例えば、Al-Si系合金や、Al-Mg系合金、Al-Mg-Si系合金等、任意である。
【0016】
支持ケース60は、後述のようにケース油路35及び冷却水路95(
図3参照)を形成する中空部(空洞)を有する構造である。かかる中空部を有する支持ケース60は、一ピースの部材であり、中子(入れ子)(
図4の中子795A参照)を利用して、鋳造で形成されてもよい。
【0017】
ここで、
図4は、冷却水路95に係る中子795Aを概略的に示すが、ケース油路35に係る中子も同様に用意される。なお、
図4に示す中子795Aは、冷却水路95を形成するための円筒部7951を備え、円筒部7951には、後述する凹凸部1951A、1951B(
図3参照)を形成するため凸部711、712、722が複数形成される。また、中子795Aは、軸方向の溝部(周方向の離間部)957Aを備え、軸方向の溝部957Aは、冷却水路95の周方向の連続性を、支持ケース60の天頂部領域で軸方向に遮断するための仕切り壁(図示せず)を形成する。溝部957Aは、径方向に貫通する形態である。また、中子795Aは、入口水路942及び出口水路944を形成するための円柱部942A、944Aを有する。
【0018】
支持ケース60は、このような2つの中子(
図10Dの中子735A、795A参照)を、金型(図示せず)内に、ケース油路35に係る中子の径方向内側に冷却水路95に係る中子が径方向に隙間を介して配置される態様でセットし、溶融した金属材料(支持ケース60の材料であり、例えばアルミ合金)を当該金型内に注入することで形成(鋳造)できる。この場合、各中子は、例えば崩壊性の塩中子であってよく、金型から取り出された鋳造物における各中子の部分に水を注入することで、塩を溶かして除去する。この結果、ケース油路35に係る中子の部分が空間(ケース油路35等の空間)となり、冷却水路95に係る中子の部分が空間(冷却水路95等の空間)となり、径方向でケース油路35に係る中子と冷却水路95に係る中子との間の隙間(支持ケース60の軸方向の略全長にわたり軸方向に延在する円環状の隙間)が境界壁面部位652(
図3参照)となり、金型の外周面とケース油路35に係る中子の径方向外側の表面との間の隙間(支持ケース60の軸方向の略全長にわたり軸方向に延在する円環状の隙間)が外径側壁面部位653(
図3参照)となり、型の内周面と冷却水路95に係る中子の径方向内側の表面との間の隙間(支持ケース60の軸方向の略全長にわたり軸方向に延在する円環状の隙間)が内径側壁面部位651(
図3参照)となり、かつ、型と各中子の軸方向の両端面との間の隙間(円環状の隙間)が両端壁部660(
図3参照)となる支持ケース60を製造できる。
【0019】
支持ケース60は、径方向でステータコア112に接する態様でステータコア112を径方向内側に保持する。すなわち、支持ケース60は、ステータコア112の径方向外側の表面を隙間なく覆う態様で、ステータコア112を保持する。このようにして、支持ケース60は、ステータコア112を含むステータ10bを回転不能に支持する。
【0020】
支持ケース60とステータコア112とは、ボルトによる締結ではなく、接合により一体化される。すなわち、支持ケース60は、ステータコア112の径方向外側の表面に、その径方向内側の表面が接合される。支持ケース60とステータコア112との接合方法については後述する。
【0021】
支持ケース60は、好ましくは、ステータコア112の径方向外側の表面の略全体に、その径方向内側の表面が接する態様(面接触する態様)でステータコア112を保持する。この場合、支持ケース60内の冷却水路95を通る冷却水によりステータコア112の全体を効率的に冷却できる。本実施例では、一例として、支持ケース60は、
図3に示すように、ステータコア112のX方向の全長にわたり延在し、ステータコア112の外周面の略全体に、その内周面が接する。なお、ステータコア112の外周面の“略全体”とは、ステータコア112の溶接溝(図示せず)のような箇所(ステータコア112の外周面と支持ケース60の内周面とが径方向で離間しうる箇所)を許容する概念である。
【0022】
支持ケース60は、内部にケース油路35及び冷却水路95を形成する。この際、径方向内側からステータコア112、冷却水路95、及びケース油路35の順に隣接して配置される。なお、“隣接”とは、支持ケース60に係る材料部分以外は介在しない態様を指す。
【0023】
冷却水路95は、入口水路942及び出口水路944に接続される。具体的には、冷却水路95は、上流側の端部が入口水路942に接続され、下流側の端部が出口水路944に接続される。入口水路942及び出口水路944は、
図1に示すように、支持ケース60の径方向外側(上下方向では上側)に突出する態様で、形成されてもよい。なお、
図4に示す中子795Aは、入口水路942及び出口水路944を形成するための円柱部942A、944Aを備える。
【0024】
冷却水路95は、ステータコア112の軸方向の延在範囲において周方向に延在する。本実施例では、一例として、冷却水路95は、多数の凹凸部1951A、1951B(径方向に凹凸状となる部位)により形成される形態(
図3及び
図4参照)である。より具体的には、冷却水路95は、径方向内側が内径側壁面部位651により仕切られ、径方向外側が境界壁面部位652により仕切られ、かつ、軸方向の両端部が両端壁部660により閉塞される。そして、このようにして形成される円環状の空間(支持ケース60の軸方向の略全長にわたり軸方向に延在する円環状の空間)は、径方向内側では、内径側壁面部位651の径方向外側表面により形成される多数の凹凸部1951Aにより仕切られ、径方向外側では、境界壁面部位652の径方向内側表面により形成される多数の凹凸部1951Bにより仕切られる。多数の凹凸部1951A、1951Bは、流れに対して抵抗となりつつ、ステータコア112の径方向外側の表面の全体にわたり、淀みなく冷却水が流れるように機能する。多数の凹凸部1951A、1951Bは、当該円環状の空間において略均等な態様で分散して配置されてよい。また、多数の凹凸部1951A、1951Bは、かかる凹凸部1951A、1951Bを有しない平滑な表面に比べて、冷却水路95の表面積(冷却水が接触する表面積)を効率的に増加させる機能を有する。冷却水路95は、軸方向の一端が、入口水路942に接続され、軸方向の他端が出口水路944に接続される。
【0025】
なお、
図4に示す中子795Aは、上述したように支持ケース60の天頂部領域において軸方向の仕切り壁(図示せず)を形成するための軸方向の溝部957Aを備え、溝部957Aは、径方向に貫通する形態である。冷却水路95は、溝部957Aに対応する仕切り壁を有することで、入口水路942から出口水路944へと直線状に流れる冷却水の流れを防止できる。すなわち、入口水路942から導入された冷却水は、出口水路944まで至るためには、ステータコア112の径方向外側を周回しつつ軸方向に流れる必要があるので、入口水路942から出口水路944まで直線状に冷却水が流れる場合に比べて、ステータコア112を効果的に冷却できる。
【0026】
ケース油路35は、ステータコア112の軸方向の延在範囲において周方向に延在する。本実施例では、一例として、ケース油路35は、多数の凹凸部1351A,1351B(径方向に凹凸状となる部位)により形成される形態(
図3参照)である。より具体的には、ケース油路35は、径方向内側が境界壁面部位652により仕切られ、径方向外側が外径側壁面部位653により仕切られ、かつ、軸方向の両端部が両端壁部660により閉塞される。そして、このようにして形成される円環状の空間(支持ケース60の軸方向の略全長にわたり軸方向に延在する円環状の空間)は、径方向内側では、境界壁面部位652の径方向外側表面に形成された多数の凹凸部1351Bにより仕切られ、径方向外側では、外径側壁面部位653の径方向内側表面に形成された多数の凹凸部1351Aにより仕切られる。多数の凹凸部1351A,1351Bは、当該円環状の空間において略均等な態様で分散して配置されてよい。なお、多数の凹凸部1351A,1351Bは、かかる凹凸部1351A,1351Bを有しない平滑な表面に比べて、ケース油路35の表面積(油が接触する表面積)を効率的に増加させる機能を有する。
【0027】
また、本実施例では、一例として、ケース油路35は、
図3に示すように、軸方向の一方の側の第1油路部351と、軸方向の他方の側の第2油路部352とを含む。第1油路部351と第2油路部352とは、入口油路330、331よりも上流側以外は、互いに対して連通しない独立した油路部である。なお、入口油路330、331は、
図1に示すように、支持ケース60に径方向外側(上下方向では下側)に突出する態様で、形成されてもよい。
【0028】
第1油路部351は、ステータコア112の軸方向の延在範囲の一方の側(本例ではX1側)において周方向に延在する。第1油路部351は、中心軸Iまわりの円筒状の形態(上述のように径方向の凹凸部1351A,1351Bを備える円筒状の形態)であり、一端が入口油路330に連通し、他端が油滴下部(図示せず)にて開口する。
【0029】
第2油路部352は、ステータコア112の軸方向の延在範囲の他方の側(本例ではX2側)において周方向に延在する。第2油路部352は、中心軸Iまわりの円筒状の形態(上述のように径方向の凹凸部1351A,1351Bを備える円筒状の形態)であり、一端が入口油路331に連通し、他端が油滴下部(図示せず)にて開口する。
【0030】
なお、本実施例では、一例として、第1油路部351及び第2油路部352は、ステータコア112の軸方向の延在範囲の中心付近で分離した対称な形態である。これにより、ケース油路35を軸方向に分離しつつ、ステータコア112を第1油路部351及び第2油路部352のそれぞれを通る油により均等に冷却することが容易となる。ただし、変形例では、第1油路部351及び第2油路部352は、ステータコア112の軸方向の延在範囲の中心に関して非対称な形態であってもよいし、冷却水路95のように、第1油路部351及び第2油路部352が連通(連続)する態様であってもよい。
【0031】
ここで、上述した冷却水路95及びケース油路35における冷却水と油の流れを概説する。
【0032】
入口水路942に供給(
図1の矢印R1参照)される冷却水は、冷却水路95に入り、冷却水路95を通って、ステータコア112の径方向外側で中心軸Iまわりを回りつつX1側からX2側へと流れ、出口水路944から出ていく(
図1の矢印R3参照)。
【0033】
入口油路330、331に供給(
図1の矢印R10参照)される油は、ケース油路35の第1油路部351及び第2油路部352に供給され、第1油路部351に供給された油は、X1側へと中心軸Iまわりを回りつつ流れ、X1側端部における天頂部領域に至って油滴下部(図示せず)から、X1側のコイルエンド220Aに滴下される(図示せず)。同様に、第2油路部352に供給された油は、X2側へと中心軸Iまわりを回りつつ流れ、X2側端部における天頂部領域に至って油滴下部(図示せず)から、X2側のコイルエンド220Bに滴下される(図示せず)。
【0034】
図1~
図4に示す例によれば、冷却水路95を形成する支持ケース60が、ステータコア112に接するので、冷却水とステータコア112との間には、支持ケース60の内径側壁面部位651が存在するだけである。ここで、冷却水は、ラジエータ(図示せず)で外気(例えば車両の走行時に通過する空気)と熱交換されて冷却され、油は、冷却水路95内の冷却水と熱交換されて冷却されるものであるので、冷却水の方が油よりも低温である。従って、冷却水とステータコア112との間に、例えば油等の他の媒体や部材が介在する場合に比べて、冷却水によりステータコア112を効率的に冷却できる。
【0035】
また、
図1~
図4に示す例によれば、上述のように、冷却水路95は、ステータコア112の径方向外側でステータコア112の軸方向の全体にわたり延在しかつ周方向の全体にわたり延在するので、ステータコア112の全体から熱を奪うことができる。
【0036】
また、
図1~
図4に示す例によれば、支持ケース60内に冷却水路95とケース油路35とが形成されるので、支持ケース60内に冷却水路95とケース油路35との間の境界部を形成できる。すなわち、冷却水路95を形成する支持ケース60がケース油路35を形成するので、径方向で冷却水と油との間には、支持ケース60の境界壁面部位652が存在するだけである。従って、冷却水と油との間に、例えば他の部材が介在する場合に比べて、冷却水により油を効率的に冷却できる。従って、
図1~
図4に示す例によれば、出力の比較的高いモータ10においても、オイルクーラを不要とすることができる。
【0037】
また、
図1~
図4に示す例によれば、上述したように、支持ケース60は、1ピースの部材でありながら、冷却水路95とケース油路35とを内部に形成するので、2つ以上の部材を結合することで支持ケース60のような支持ケースを形成する構成に比べて、部品点数を少なくすることができるとともに、結合のための構造(例えばボルト締結構造)等が不要となり、簡易な構成を実現できる。
【0038】
なお、
図1~
図4に示す例において、ケース油路35内の油は、モータ10の動作中は常に循環されてもよいし、あるいは、モータ10の動作中の一部の期間だけ循環されてもよい。例えば、ケース油路35内の油は、上述したように主にコイルエンド220A、220Bの冷却に使用されるので、コイルエンド220A、220Bの発熱が比較的大きくなる期間だけ循環されてもよい。
【0039】
なお、
図1~
図4では、特定の構造のモータ10が示されるが、モータ10の構造は、
図4に示す中子795Aのような中子を利用して形成される支持ケース60が設けられる限り、任意である。従って、支持ケース60は、冷却水路95及びケース油路35のうちの、一方又は双方を有していなくてもよい。冷却水路95及びケース油路35を有さない場合、支持ケース60は、中実の構造であってよい。また、
図1~
図4では、特定の冷却方法が開示されているが、モータ10の冷却方法は任意である。従って、例えば、冷却水路95及びケース油路35は、冷却水及び油がそれぞれ螺旋状で中心軸Iまわりを旋回するように形成されてもよい。また、支持ケース60は、焼き嵌めや圧入等により、ステータコア112の径方向外側に結合されてもよい。
【0040】
次に、中子795Aの構成とともに、上述したように中子795Aにより形成される冷却水路95の構成について説明する。ここでは、冷却水路95に関しては、当該冷却水路95を形成するための中子795Aの構成を利用して、説明する。これは、中子795Aの構成が定まると、当該中子795Aにより形成できる冷却水路95の構成が一意に決まるためである。換言すると、中子795Aの図は、冷却水路95の外表面(輪郭)を表す。従って、以下では、中子795Aの構成と、冷却水路95の構成とを、特段区別せずに説明する場合がある。
【0041】
なお、
図4に示したように、冷却水路95(中子795A)のうちの、入口水路942及び出口水路944に接続される軸方向の流路部分951、952は、それ以外の流路部分(周方向の流路部分)と入口水路942及び出口水路944との間での冷却水の流れを適切に調整するためのバッファ領域として機能する。以下では、特に言及しない限り、冷却水路95(中子795A)のうちの、流路部分951、952以外の流路部分(周方向の流路部分)の構成に関して説明する。なお、中子795Aのうちの、流路部分951、952を形成する部分は、流路部分951、952以外の流路部分(周方向の流路部分)を形成する部分とは別に成形されてもよい。
【0042】
図5は、
図4の中子795AのQ1の拡大図である。
図6は、単品状態の第1崩壊性中子71の一部の斜視図であり、
図7は、単品状態の第2崩壊性中子72の一部の斜視図である。
図8Aは、
図5のラインA-Aに沿った断面図であり、
図8Bは、
図5のラインB-Bに沿った断面図である。
図8Cは、
図5のラインC-Cに沿った断面図である。以下では、用語「断面積」は、特に言及しない限り、中心軸Iを含む平面で切断した際の断面における断面積を指す。なお、以下では、冷却水路95に係る中子795Aについて説明するが、ケース油路35に係る中子についても同様に適用できる。
【0043】
中子795Aは、第1崩壊性中子71と第2崩壊性中子72とのセットからなる。
図5に示す例では、計10個の第1崩壊性中子71及び計9個の第2崩壊性中子72は、中心軸Iの方向に沿って交互に1つずつ同心状に積層されている。なお、この場合、第1崩壊性中子71が軸方向両端に配置されている。なお、変形例では、第1崩壊性中子71及び第2崩壊性中子72は、中心軸Iの方向に沿って交互に2つずつ積層されてもよいし、軸方向の連続する数は任意である。また、他の変形例では、第1崩壊性中子71は2つが1セットとなり、第2崩壊性中子72は3つが1セットとなり、中心軸Iの方向に沿って交互に1セットずつ積層されてもよい。なお、この場合、各1つのセットに含まれる数は、1つ以上の任意である。
【0044】
第1崩壊性中子71と第2崩壊性中子72とは、軸方向の側面同士(
図6の第1崩壊性中子71の側面710と
図7の第2崩壊性中子72の側面720参照)が軸方向に当接し合う関係(軸方向に隣接する関係)で、積層される。すなわち、第1崩壊性中子71と第2崩壊性中子72とは、周方向の全周にわたり、軸方向に隙間が生じない態様で、積層される。従って、
図4における第1崩壊性中子71の側面710と第2崩壊性中子72の側面720との間の接触部分(軸方向の境界線)で冷却水路95が仕切られることはない。
【0045】
以下では、中子795Aとは、積層された第1崩壊性中子71と第2崩壊性中子72の全体(積層体)を指す。なお、中子795Aは、後述する製造工程における金型内における鋳造工程の直前の状態に対応する。
【0046】
第1崩壊性中子71及び第2崩壊性中子72は、それぞれ、崩壊性中子である。崩壊性中子は、鋳造工程後に“崩壊”して取り除くことができる種の中子を指す。崩壊性中子は、例えば塩中子やシェル中子(砂)等がある。塩中子は、シェル中子に比べて熱に強く、鋳造時の制約が小さい。このため、本実施例では、第1崩壊性中子71及び第2崩壊性中子72は、好ましくは、塩中子である。
【0047】
第1崩壊性中子71及び第2崩壊性中子72は、それぞれ、円筒状の形態である。ただし、第1崩壊性中子71及び第2崩壊性中子72は、
図4に示すように、周方向で、溝部957Aに対応する部分が不連続である。第1崩壊性中子71及び第2崩壊性中子72は、互いに略同一の内径と外径を有する。なお、略同一とは、後述する凸部711、712、凸部722に起因して厳密には同一とならないことを意味する。
【0048】
第1崩壊性中子71は、軸方向の幅d1が、一定であり、中子795Aの同幅d0(
図5参照)よりも有意に小さい。例えば、
図5に示す例では、一の第1崩壊性中子71の軸方向の幅d1は、中子795Aの同幅d0の1/10よりも小さい。
【0049】
第2崩壊性中子72は、軸方向の幅d2が、一定であり、中子795Aの同幅d0(
図5参照)よりも有意に小さい。例えば、
図5に示す例では、一の第2崩壊性中子72の軸方向の幅d2は、中子795Aの同幅d0の1/10よりも小さい。第2崩壊性中子72の軸方向の幅d2は、第1崩壊性中子71の軸方向の幅d1と同じであってもよいし、
図5に示すように、わずかに小さくてもよい。あるいは、第2崩壊性中子72の軸方向の幅d2は、第1崩壊性中子71の軸方向の幅d1よりもわずかに大きくてもよい。
【0050】
軸方向の幅d1及び軸方向の幅d2は、小さいほど、冷却水路95の表面積を効率的に大きくしやすくなる。従って、軸方向の幅d1及び軸方向の幅d2は、中子795A(積層体)への組み付け性が有意に悪くならない範囲内で、最小化されてもよい。
【0051】
第1崩壊性中子71は、径方向の凹凸を有する形態であり、具体的には、周方向に沿って周期的に、径方向外側への凸部711を有するともに、周方向に沿って周期的に、径方向内側への凸部712を有する。凸部711は、周方向の隣接部(凸部712)よりも径方向外側の表面が径方向外側に突出(拡径)している部位であり、凸部712は、周方向の隣接部(凸部711)よりも径方向内側の表面が径方向内側に突出(縮径)している部位である。また、第1崩壊性中子71は、周方向で凸部711と凸部712の間に、遷移部713を有する。このようにして、第1崩壊性中子71は、周方向に沿って凸部711及び凸部712が交互に遷移部713を介して連続する。
【0052】
凸部711の断面積は、凸部712の断面積と同じであり、凸部711及び凸部712は、互いに対して径方向にオフセットした関係である。遷移部713の断面積は、凸部711の断面積よりも有意に小さい。従って、冷却水路95のうちの、第1崩壊性中子71により形成される流路部分は、周方向に沿って、断面積が比較的大きい区間と、断面積が比較的小さい区間とを交互に繰り返しながら、径方向内側と径方向外側との間を蛇行する。ただし、変形例では、凸部711及び凸部712のいずれか一方だけが形成されてもよい。
【0053】
なお、本実施例では、一例として、凸部711の周方向の長さは、凸部712の周方向の長さと同じであるが、異なってもよい。また、遷移部713の周方向の長さは、凸部711の周方向の長さよりも有意に短いが、同じであってもよいし、長くてもよい。
【0054】
第2崩壊性中子72は、径方向の凹凸を有する形態であり、具体的には、周方向に沿って周期的に、ベース部721を有するともに、周方向に沿って周期的に、径方向両側への凸部722(第2凸部の一例)を有する。凸部722は、周方向の隣接部(ベース部721)よりも径方向の表面が径方向両側に突出している部位である。このようにして、第2崩壊性中子72は、周方向に沿ってベース部721及び凸部722が交互に連続する。なお、変形例では、凸部722は、凸部711及び凸部712のように、径方向一方側に突出する形態であってもよい。
【0055】
凸部722の断面積は、ベース部721よりも有意に大きい。従って、冷却水路95のうちの、第2崩壊性中子72により形成される流路部分は、周方向に沿って、断面積が比較的大きい区間と、断面積が比較的小さい区間とを交互に繰り返す。
【0056】
なお、本実施例では、一例として、ベース部721の周方向の長さは、凸部722の周方向の長さよりもわずかに長いが、同じであってもよいし、短くてもよい。
【0057】
各凸部722の周方向のピッチは、好ましくは、上述した第1崩壊性中子71の各遷移部713の周方向のピッチと同じである。この場合、後述するように、第1崩壊性中子71の遷移部713の周方向の位置と、第2崩壊性中子72の凸部722の周方向の位置とが一致する態様で、中子795Aを形成できる。すなわち、第1崩壊性中子71の各遷移部713と第2崩壊性中子72の各凸部722とが軸方向で隣り合う態様で、中子795Aを形成できる。
【0058】
ここで、本実施例では、中子795Aの第1崩壊性中子71及び第2崩壊性中子72は、
図5に示すように、凸部711と凸部722のそれぞれの周方向の位置が異なる関係、かつ、凸部712と凸部722のそれぞれの周方向の位置が異なる関係で、積層される。すなわち、第1崩壊性中子71及び第2崩壊性中子72は、
図5に示すように、第1崩壊性中子71の遷移部713の周方向の位置が、第2崩壊性中子72の凸部722の周方向の位置と一致するように、積層される。これにより、中子795Aの断面積を、周方向に沿って均一化することができる。すなわち、中子795A(積層体)の状態において、中子795Aの断面積をS0とし、第1崩壊性中子71の断面積をS1とし、第2崩壊性中子72の断面積をS2としたとき、中子795Aの断面積S0(=S1+S2)を、周方向に沿って均一化することができる。具体的には、第1崩壊性中子71の断面積S1は、凸部711又は凸部712の周方向の位置では比較的大きい値S11となり、遷移部713の周方向の位置では比較的小さい値S12となる。また、第2崩壊性中子72の断面積S2は、ベース部721の周方向の位置では比較的小さい値S21となり、凸部722の周方向の位置では比較的大きい値S22となる。このとき、凸部711又は凸部712の周方向の位置での断面積S0(
図8A及び
図8C参照)は、S0=S11+S21となり、遷移部713の周方向の位置での断面積S0(
図8B参照)は、S0=S12+S22となる。S0=S11+S21とS0=S12+S22との差が比較的小さくできるので、中子795Aの断面積S0(=S1+S2)を、周方向に沿って均一化することができる。
【0059】
ところで、このような第1崩壊性中子71の凸部711、712や第2崩壊性中子72の凸部722は、上述した冷却水路95における凹凸部1951A、1951Bを形成するための構成であり、凹凸部1951A、1951Bは、冷却水路95の表面積(冷却水に接触する表面積)を効率的に増加させる機能を有する。また、凹凸部1951A、1951Bは、冷却水路95における冷却水の流れに対して抵抗となるので、冷却水の流れを規制する機能も有する。
【0060】
しかしながら、凹凸部1951A、1951Bに起因して冷却水路95の断面積が、周方向に沿って有意に変動すると、冷却水の流れに有意な圧力損失が発生しやすくなり、冷却水を所望の態様で周方向に沿って流すことが難しくなる。
【0061】
これに対して、本実施例によれば、上述したように、中子795Aの断面積S0(=S1+S2)が周方向に沿って均一化されるので、凹凸部1951A、1951Bに起因して冷却水路95の断面積が、周方向に沿って有意に変動することを、防止できる。この結果、冷却水を所望の態様で周方向に沿って流すことが容易となり、上述した冷却水による冷却効果を効率的に高めることができる。
【0062】
このような観点から、中子795Aの断面積S0(=冷却水路95の断面積)は、好ましくは、周方向の半周(180度)以上の区間(例えば流路部分951、952に係る区間を除く全区間)において、断面積が周方向に沿って略一定である。ここで、“略一定”とは、10%以内の誤差を許容する概念である。これにより、凹凸部1951A、1951Bに起因して冷却水路95の断面積が、周方向に沿って有意に変動することを、より確実に防止でき、その結果、上述した冷却水による冷却効果を効率的に高めることができる。
【0063】
また、本実施例によれば、中子795Aは、複数の第1崩壊性中子71と複数の第2崩壊性中子72とを積層して形成される。従って、複数の第1崩壊性中子71のそれぞれと、複数の第2崩壊性中子72のそれぞれとは、個別に成形できるので、一体に成形する場合に比べて、個々の成形性が良好となる。換言すると、第1崩壊性中子71及び第2崩壊性中子72のそれぞれの形状自由度を高めることができる。この結果、上述したような冷却効果を高めることができる支持ケース60を得ることができる。
【0064】
なお、本実施例では、例えば第1崩壊性中子71に係る流路部分を周方向に流れる冷却水は、凸部711、712間で遷移部713による断面積の減少に起因して、軸方向の隣の第2崩壊性中子72に係る流路部分へと一部が軸方向に流れる。このような軸方向の流れは、第2崩壊性中子72に係る流路部分における凸部722(軸方向で遷移部713に隣り合う凸部722)による断面積の増加によって促進される。また、同様に、第2崩壊性中子72に係る流路部分を周方向に流れる冷却水は、凸部722からベース部721への遷移の際の断面積の減少に起因して、軸方向の隣の第1崩壊性中子71に係る流路部分へと一部が軸方向に流れる。このような軸方向の流れは、第1崩壊性中子71に係る流路部分における凸部711、712(軸方向でベース部721に隣り合う凸部711、712)による断面積の増加によって促進される。このようにして、本実施例では、冷却水は、第1崩壊性中子71に係る流路部と、第2崩壊性中子72に係る流路部分とを軸方向に行き来しながら流れる。また、軸方向に視ると、冷却水は、例えば第1崩壊性中子71に係る流路部を流れるときは、凸部711、712により径方向内外に行き来しながら流れる。このようにして、本実施例によれば、冷却水が適切に混ざり合うので、第1崩壊性中子71に係る流路部分を流れる冷却水と、第2崩壊性中子72に係る流路部分を流れる冷却水との間の温度差を低減できる。これにより、冷却水による冷却性能の均一化(軸方向に沿った均一化)を図ることができる。
【0065】
また、本実施例によれば、第1崩壊性中子71及び第2崩壊性中子72は、上述したように、凸部711、712、722等を有するものの、径方向(厚み方向)に貫通する孔(空洞部)を有さない。なお、圧力を付与して成形する塩中子では、径方向に孔を有する場合、成形が困難となる。この場合、例えばN個の孔を軸方向に並べた塩中子を形成する場合、当該塩中子は、軸方向にN分割して成形する必要性が高くなる。この点、本実施例によれば、径方向に貫通する孔を有する場合に比べて、成形性が良好となるので、中子795Aを形成するためのピース数(第1崩壊性中子71と第2崩壊性中子72の合計数)を効率的に低減できる。
【0066】
次に、
図9以降を参照して、上述した中子795Aを利用したステータコア112の製造方法の好ましい例を説明する。
【0067】
図9は、ステータ10bの製造方法の流れを示す概略フローチャートである。
図10Aから
図10Dは、
図9に示す製造方法の説明図であり、具体的には、
図10A及び
図10Bは、マスキング用金型170の説明図であり、
図10Aは、マスキング用金型170がセットされた状態のステータコア112の一例を概略的な示す正面図であり、
図10Bは、その断面図である。なお、
図10A及び
図10Bには、
図3で定義したX方向が示されるが、X1側とX2側は逆であってもよい。また、
図10Cは、支持ケース60とステータコア112との接合方法の説明図であり、接合層61が形成された状態のステータコア112の拡大図(
図10BのQ2部の拡大図)である。また、
図10Dは、中子795A等のセット状態を模式的に示す断面図である。
【0068】
ステータ10bの製造方法は、まず、ステータコア112を準備する準備工程を含む(ステップS30)。ステータコア112は、例えば円環状の磁性体の積層鋼板からなる。この場合、各鋼板は、互いに結合されていなくてもよいし、溶接等により結合されていてもよい。
【0069】
次いで、ステータ10bの製造方法は、ステータコア112に対して、マスキング用金型170をセットすることを含む(ステップS31)。マスキング用金型170は、後述するように、ステータコア112の軸方向の両端面と、ステータコア112の径方向内側の表面(ロータコアが収容される側の表面)とを、保護する機能を有する。この機能は、ステップS33及びステップS36に関連して後述する。
【0070】
例えば
図10A及び
図10Bに示す例では、マスキング用金型170は、上側マスキング部材171と、下側マスキング部材172と、締付ボルト173とを含む。
【0071】
上側マスキング部材171は、ステータコア112のX1側の端面1125を覆うとともに、ステータコア112におけるロータコア(図示せず)が収容される空間80(
図10B参照)を軸方向のX1側から塞ぐ。下側マスキング部材172は、ステータコア112のX2側の端面1126を覆うとともに、ステータコア112におけるロータコア(図示せず)が収容される空間80(
図10B参照)を軸方向のX2側から塞ぐ。締付ボルト173は、上側マスキング部材171と下側マスキング部材172との間に軸方向の力(軸力)を発生する。具体的には、締付ボルト173が締め付けられると、上側マスキング部材171と下側マスキング部材172との間に軸方向の力が発生し、上側マスキング部材171とステータコア112のX1側の端面1125との間の当接(軸方向の当接)が強固となり、下側マスキング部材172とステータコア112のX2側の端面1126との間の当接(軸方向の当接)が強固となる。
【0072】
また、上側マスキング部材171は、管部材91が気密に接続される。なお、管部材91は、上側マスキング部材171と一体に形成されてもよい。管部材91は、後述する不活性ガス充填装置90を形成する。管部材91は、
図10Bに模式的に示すように、一端が空間80内に延在し、他端が不活性ガス供給路92に接続される。なお、不活性ガス供給路92は、管部材91に取り外し可能に接続されてもよいし、一体的に接続されてもよい。
【0073】
次いで、ステータ10bの製造方法は、不活性ガスをステータコア112の空間80内に充填することを含む(ステップS32)。
図10Bには、不活性ガスを空間80内に充填するための不活性ガス充填装置90が模式的に示される。
図10Bに示す例では、不活性ガス充填装置90は、管部材91と、不活性ガス供給路92と、バルブ93と、不活性ガス供給源94とを含む。この場合、不活性ガス供給源94からの不活性ガスは、不活性ガス供給路92及び管部材91を介して空間80内に充填される。なお、バルブ93は、空間80内の圧力を減圧できる減圧弁(圧力弁)であってよい。これにより、後述するステップS33やステップS36での温度上昇に起因して空間80内の不活性ガスが膨張した場合でも、空間80内の圧力を適切に保つことができる。
【0074】
次いで、ステータ10bの製造方法は、ステータコア112の表面(径方向外側の表面)に、接合層61(
図10C参照)を形成することを含む(ステップS33)。
図10Cは、接合層61を形成した後の、
図10BのQ2部の拡大図である。接合層61は、次の工程で導入されるアルミを主成分とする材料が、ステータコア112の表面に接合しやすくするための層であり、接合層61は、鉄とアルミの合金層である。鉄とアルミの合金層は、例えば、アルミナイジング処理を行うことで形成できる。アルミナイジング処理は、ステータコア112をアルミ槽(例えば溶融アルミニウム槽)等の槽に順次浸漬させることで実現されてよい。アルミナイジング処理の場合、ステータコア112の表面の一部が溶融し、アルミとの合金層が形成される。ステータコア112の表面の一部が溶融して接合層61が形成されるので、接合層61とステータコア112とは強固に一体化される。
【0075】
本実施例では、上述したように、ステータコア112は、マスキング用金型170が取り付けられた状態で、アルミ槽等の槽に浸漬される。従って、ステータコア112の端面1125、1126に溶融アルミニウム等が付着したり、空間80内に溶融アルミニウム等が浸入したりする可能性を低減できる。
【0076】
また、本実施例では、上述したように、アルミナイジング処理は、不活性ガスを空間80内に充填した状態で実現される。
【0077】
アルミナイジング処理が空間80内に不活性ガスが充填された状態で実現される場合、そうでない場合(すなわちアルミナイジング処理が空間80内に不活性ガスが充填されない状態で実現される場合)に比べて、ステータコア112を形成する鋼板の絶縁膜へのダメージを低減できる。
【0078】
具体的には、ステータコア112を形成する鋼板は、比較的高い温度(例えば600℃以上)の、酸素を含む雰囲気に晒されると、酸化スケール(錆)が発生しやすくなる。このような酸化スケールが発生すると、各鋼板の表面に付与されている絶縁膜が破壊され、ステータコア112の磁気性能が所期の性能でなくなる可能性がある。アルミナイジング処理が、空間80内に不活性ガスが充填されない状態(すなわち酸素を含む雰囲気)で実現される場合、ステータコア112が、溶融アルミニウムに起因して高温の雰囲気に晒されることになる。その結果、ステータコア112の各鋼板の絶縁膜が破壊され、ステータコア112の磁気性能が所期の性能でなくなる可能性がある。
【0079】
この点、アルミナイジング処理が不活性ガスを空間80内に充填した状態で実現される場合、ステータコア112が、溶融アルミニウムに起因して高温の雰囲気に晒されても、当該雰囲気が酸素を実質的に含まないので、酸化スケールの発生が防止又は効果的に低減される。この結果、ステータコア112の各鋼板の絶縁膜が保護され、ステータコア112の磁気性能が所期の性能でなくなる可能性を効果的に低減できる。
【0080】
接合層61は、好ましくは、ステータコア112における支持ケース60と接合する範囲全体をカバーするように形成される。これにより、ステータコア112と支持ケース60との間の接合を、ステータコア112と支持ケース60との間の接合範囲の全体にわたって強固にすることができる。
【0081】
次いで、ステータ10bの製造方法は、接合層61が形成されたステータコア112を、鋳造用の金型(図示せず)にセットすることを含む(ステップS34)。この際、ステータコア112は、上述したマスキング用金型170が取り付けられた状態で、鋳造用の金型にセットされる。また、この際、上述したケース油路35を形成するための中子及び冷却水路95を形成するための中子(
図4の中子795A参照)を鋳造用の金型にセットする(積層工程)。
図10Dには、上述したケース油路35を形成するための中子735Aと、冷却水路95を形成するための中子795Aとが、鋳造用の金型(図示せず)にセットされた状態が模式的に示される。
図10Dに模式的に示すように、中子795Aは、径方向内側のステータコア112に対して径方向外側に離間してセットされ、中子735Aは、中子795Aに対して径方向外側に離間してセットされる。また、中子735Aは、径方向外側の鋳造用の金型(図示せず)に対して径方向内側に離間してセットされる。中子795A(中子735Aについても同様)は、上述した第1崩壊性中子71及び第2崩壊性中子72を同心状に軸方向に積層(
図5参照)することでセットされる。なお、第1崩壊性中子71及び第2崩壊性中子72を同心状に軸方向に積層してなる積層体は、ステップS34に先立って形成されてよく、その場合、ステップS34では、当該積層体が鋳造用の金型に配置(セット)される。
【0082】
次いで、ステータ10bの製造方法は、ステータコア112(接合層61が形成されたステータコア112)がセットされた鋳造用の金型に、アルミを主成分とする材料(以下、単に「アルミ材料」とも称する)を、溶かした状態(すなわち溶湯の状態)で注湯することで、支持ケース60を鋳造する工程(鋳造工程)を含む(ステップS36)。なお、本実施例では、溶かしたアルミ材料の重さだけで鋳造する金型鋳造(アルミ重力鋳造)方法が採用されるが、他の鋳造方法が利用されてもよい。
【0083】
ここで、鋳造用の金型にセットされたステータコア112の表面には、上述のように接合層61が形成されている。従って、鋳造用の金型に、溶かしたアルミ材料を導入すると、アルミ材料が接合層61に含まれるアルミと一体化する。このようにして、接合層61を介してステータコア112の表面に支持ケース60を強固に接合できる。
【0084】
また、上述したように、中子795Aは、径方向内側のステータコア112に対して径方向外側に離間してセットされ、中子735Aは、中子795Aに対して径方向外側に離間してセットされ、かつ、径方向外側の鋳造用の金型(図示せず)に対して径方向内側に離間してセットされている。従って、これらの径方向の隙間をアルミ材料が埋める態様でアルミ材料が注入される。この結果、支持ケース60に係る部分が出来上がる。
【0085】
ここで、本実施例では、上述したように、ステータコア112は、マスキング用金型170が取り付けられた状態で、鋳造用の金型にセットされる。従って、ステータコア112の端面1125、1126にアルミ材料が付着したり、空間80内にアルミ材料が浸入したりする可能性を低減できる。
【0086】
また、本実施例では、本ステップS36の鋳造工程は、上述したアルミナイジング処理の場合と同様、不活性ガスを空間80内に充填した状態で実行される。ステップS36の鋳造工程が空間80内に不活性ガスが充填された状態で実行される場合、そうでない場合(すなわちステップS36の鋳造工程が空間80内に不活性ガスが充填されない状態で実行される場合)に比べて、ステータコア112を形成する鋼板の絶縁膜へのダメージを低減できる。
【0087】
具体的には、ステップS36の鋳造工程が、空間80内に不活性ガスが充填されない状態(すなわち酸素を含む雰囲気)で実現される場合、ステータコア112の径方向内側の表面が、高温のアルミ材料に起因して高温の雰囲気に晒されることになる。その結果、ステータコア112の各鋼板の絶縁膜が破壊され、ステータコア112の磁気性能が所期の性能でなくなる可能性がある。
【0088】
この点、ステップS36の鋳造工程が不活性ガスを空間80内に充填した状態で実行される場合、ステータコア112が高温の雰囲気に晒されても、当該雰囲気が酸素を実質的に含まないので、酸化スケールの発生が防止又は効果的に低減される。この結果、ステータコア112の各鋼板の絶縁膜が保護され、ステータコア112の磁気性能が所期の性能でなくなる可能性を効果的に低減できる。
【0089】
なお、ステップS36の鋳造工程に先立って、ステップS32が再度実行されてもよい。この場合、空間80内に不活性ガスが確実に充填された状態でステップS36の鋳造工程を実行できる。また、他の変形例では、ステップS36の鋳造工程の開始後や実行中に、空間80内に不活性ガスが再度充填されてもよい。また、例えば、管部材91内等に圧力センサを設け、空間80内の圧力(不活性ガスの圧力)がステップS36の鋳造工程中に所定値以上に保たれるように、不活性ガス供給源94からの不活性ガスの供給が制御されてもよい。
【0090】
次いで、ステータ10bの製造方法は、上述したケース油路35及び冷却水路95を形成するための中子735A、795A(
図10D)を“崩壊”させることで除去することを含む(ステップS38)(除去工程の一例)。中子735A、795Aが塩中子である場合、上述したように注水等により“崩壊”させて除去できる。これにより、支持ケース60の内部に上述したケース油路35及び冷却水路95が形成される。
【0091】
次いで、ステータ10bの製造方法は、上述したマスキング用金型170をステータコア112から取り外すことを含む(ステップS39)。なお、本ステップS39は、上述したステップS38よりも前に実行されてもよい。
【0092】
次いで、ステータ10bの製造方法は、上述のように支持ケース60が接合されたステータコア112に、コイル片52(図示せず)を組み付けることを含む(ステップS40)。この場合、コイル片52は、ステータコア112のスロット(図示せず)内に軸方向に(又は径方向内側から)容易に組み付けることができる。
【0093】
次いで、ステータ10bの製造方法は、コイル片52同士を接合する接合工程を含む(ステップS42)。
【0094】
このようにして、
図9に示す例によれば、アルミナイジング処理により接合層61を形成することで、ステータコア112と支持ケース60とが強固に接合したステータ10bを容易に製造できる。なお、このようにして製造されたステータ10bの径方向内側に、ロータ(図示せず)が組み付けられ、モータ10を形成できる。
【0095】
なお、
図9に示す例では、ステータコア112を、鋳造用の金型(図示せず)にセットする前に接合層61が形成されるが、ステータコア112を鋳造用の金型(図示せず)にセットした後に、鋳造用の金型内で接合層61を形成してもよい。この場合も、ステータコア112は、マスキング用金型170が取り付けられた状態で鋳造用の金型内にセットされ、接合層61が形成されてよい。
【0096】
本実施例によれば、上述したように、ステータコア112にマスキング用金型170が取り付けられた状態で、アルミナイジング処理や鋳造工程が実行されるので、アルミ材料等が、ステータコア112の端面1125、1126に付着したり、ステータコア112の径方向内側の空間80に至って径方向内側の表面に付着したりする可能性を低減できる。
【0097】
また、本実施例によれば、上述したように、ステータコア112にマスキング用金型170が取り付けられた状態、かつ、ステータコア112の空間80内に不活性ガスが充填された状態で、アルミナイジング処理や鋳造工程が実行されるので、酸素を含む雰囲気下でステータコア112が高温化することに起因した不都合(ステータコア112の各鋼板の絶縁膜へのダメージ)を効果的に低減できる。
【0098】
このようにして、本実施例によれば、ステータコア112の径方向外側に、非磁性体の材料であるアルミからなる支持ケース60を適切に一体化させることが可能となる。
【0099】
なお、
図9に示す例では、鋳造用の金型に中子735A、795Aがセットされた状態で鋳造工程が実行されるので、中子735A、795Aは、好ましくは、塩中子である。これは、塩中子は、シェル中子(砂)に比べて熱に強く、鋳造時の制約が小さいためである。例えば、中子735A、795Aが塩中子である場合、中子735A、795Aは、加熱した状態で、鋳造用の金型(図示せず)にセットできる。この場合、鋳造用の金型に注入されるアルミ材料の熱が、中子735A、795Aによって有意に奪われることがないので、品質の高い支持ケース60を製造できる。
【0100】
また、
図9に示す例では、好ましい例として、ステータコア112にマスキング用金型170が取り付けられた状態で、アルミナイジング処理及び鋳造工程が双方で実行されるが、アルミナイジング処理及び鋳造工程のいずれか一方だけが、ステータコア112にマスキング用金型170が取り付けられた状態で実行されてもよい。また、同様に、
図9に示す例では、好ましい例として、ステータコア112の空間80に不活性ガスが充填された状態で、アルミナイジング処理及び鋳造工程が双方で実行されるが、アルミナイジング処理及び鋳造工程のいずれか一方だけが、ステータコア112の空間80に不活性ガスが充填された状態で実行されてもよい。
【0101】
また、
図9に示す例では、好ましい例として、マスキング用金型170は、ステータコア112の端面1125、1126の全体を覆うが、端面1125、1126の一部だけを覆う構成であってもよい。また、下側マスキング部材172の機能は、鋳造用の金型により実現されてもよい。
【0102】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0103】
例えば、上述した実施例では、第1崩壊性中子71及び第2崩壊性中子72の2種類の中子を利用して、中子735Aを形成しているが、3種類以上の中子を利用して、中子735Aのような中子を形成してもよい。あるいは、1種類の中子を利用して、中子735Aのような中子を形成してもよい。いずれの場合も、上述した実施例の場合と同様、複数の中子は個別に成形できるので、一体に成形する場合に比べて、個々の成形性が良好となる。換言すると、複数の中子のそれぞれの形状自由度を高めることができる。この結果、上述したような冷却効果を高めることができる支持ケース60を得ることができる。1種類の中子を利用する場合、例えば、第1崩壊性中子71のみを使用してもよく、この場合、軸方向で隣り合う各第1崩壊性中子71は、凸部711、712の周方向の位置が互いにずれる関係で配置されてもよいし、凸部711、712の周方向の位置が同じである関係(同相である関係)で配置されてもよい。同様に、例えば軸方向に隣接して配置された4つの第2崩壊性中子72の一部を平面視で模式的に示す
図11から
図13に示すように、第2崩壊性中子72のみを使用してもよく、この場合、
図11及び
図12に示すように、軸方向で隣り合う各第2崩壊性中子72は、凸部722の周方向の位置が互いにずれる関係で配置されてもよい。軸方向で隣り合う各第2崩壊性中子72間における凸部722の周方向の位置のずれ方は、任意であり、例えば、
図11に示すように、各凸部722の周方向のピッチの半分だけずれてもよいし、
図12に示すように、各凸部722の周方向のピッチの1/4程度だけずれてもよい。あるいは、
図13に示すように、軸方向で隣り合う各2つの第2崩壊性中子72は、凸部722の周方向の位置が同じである関係(同相である関係)で配置されてもよい。
【0104】
また、上述した実施例では、支持ケース60とステータコア112とは、ボルトによる締結ではなく、接合により一体化されるが、これに限られない。支持ケース60とステータコア112とは、焼き嵌め等により一体化されてもよい。
【符号の説明】
【0105】
10・・・モータ(回転電機)、60・・・支持ケース(冷却部材)、71・・・第1崩壊性中子、711、712・・・凸部(第1凸部)、713・・・遷移部(第1部位)、72・・・第2崩壊性中子、722・・・凸部(第2凸部)、721・・・ベース部(第2部位)