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特許7395772ワイヤレス通信ネットワークにおける物理ダウンリンク制御チャネルの信頼性および性能を強化するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】ワイヤレス通信ネットワークにおける物理ダウンリンク制御チャネルの信頼性および性能を強化するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/232 20230101AFI20231204BHJP
   H04W 72/231 20230101ALI20231204BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20231204BHJP
   H04W 72/0457 20230101ALI20231204BHJP
   H04W 8/24 20090101ALI20231204BHJP
【FI】
H04W72/232
H04W72/231
H04L27/26 113
H04W72/0457
H04W8/24
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022567191
(86)(22)【出願日】2021-05-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 EP2021061760
(87)【国際公開番号】W WO2021224283
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】20172788.0
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20196152.1
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20202421.2
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20211637.2
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594102418
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツル フェルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシュング エー ファウ
【氏名又は名称原語表記】Fraunhofer-Gesellschaft zur Foerderung der angewandten Forschung e.V.
【住所又は居所原語表記】Hansastrasse 27c, D-80686 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(74)【代理人】
【識別番号】100214640
【弁理士】
【氏名又は名称】立山 千晶
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ランドマン、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァラタラージャン、スターシュン
【審査官】竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0314898(US,A1)
【文献】国際公開第2020/145609(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/064770(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04B 7/24-7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)(1000)によって実施される方法であって、
- (801)ネットワーク・ノード(1100)から、上位層を介して、1つまたは複数の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)について1つまたは複数の制御リソース・セット(CORESET)と関連付けられている1つまたは複数の探索空間セットの構成を受信する工程であって、各探索空間セットがCORESETに関連付けられているとともにいくつかのPDCCH候補を備え、各PDCCH候補は、いくつかのリソース要素または制御チャネル要素(CCE)を備え、前記UE(1000)は、構成された前記PDCCH候補の上位層を介して示されたフォーマットの1つまたは複数のダウンリンク制御情報(DCI)を監視する、工程と、
- (802)前記ネットワーク・ノード(1100)から、1つまたは複数の前記探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けの構成または標示を取得する工程であって、前記探索空間セット・プール内の1つまたは複数の探索空間セットからの少なくとも2つのPDCCH候補が、同じDCI内容を含むまたは搬送する、工程と、
- (803)1つまたは複数のPDCCHを受信するための前記関連付けの前記構成または標示を前記1つまたは複数の探索空間セットに適用する工程とを備える、方法。
【請求項2】
1つまたは複数の前記探索空間セットと探索空間セット・プールとの前記関連付けを提供する前記構成または標示が、前記ネットワーク・ノード(1100)から上位層を介して前記UE(1000)に対し提供される、または前記UE(1000)に知られている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記DCIの復号中に、異なるPDCCH候補で受信された複数のPDCCHを結合するおよび/または共に処理する工程をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記同じDCI内容と関連付けられている前記探索空間セット・プール内の前記探索空間セットの前記PDCCH候補が、同じ数のCCEもしくは異なる数のCCEを備える、または同じアグリゲーション・レベルと関連付けられる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記探索空間セット・プール内の前記少なくとも2つの探索空間セットのアグリゲーション・レベルLのi番目のPDCCH候補が、前記同じDCI内容と関連付けられる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
探索空間セット・プール内の前記探索空間セットが、同一のアグリゲーション・レベルのセットとアグリゲーション・レベルごとに同一数のPDCCH候補とによって構成される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記ネットワーク・ノード(1100)から、1つまたは複数の探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けを提供する上位層の標示または構成を受信する工程を備え、探索空間プール内の探索空間セットに対して設定された以下のパラメータ、すなわち、探索空間タイプ、監視されるべきDCIフォーマット、監視スロット周期およびオフセット、探索空間持続期間、ならびに前記関連付けられたCORESETの周波数領域リソースが構成されているダウンリンク帯域幅、のうちの少なくとも1つの値が、前記探索空間セット・プール内の別の探索空間セットに対して設定された対応するパラメータと同一である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
1つまたは複数のCORSET内のPDCCH候補のセットを、対応する探索空間セットに応じてPDCCH監視によって構成された各アクティブ化されたサービング・セル上のアクティブなダウンリンク帯域幅部分で監視する工程を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
所与のスロットにおいて、またはセル内の所与のスパンにおいて前記PDCCH候補を構成する工程を備え、PDCCH候補のグループgが、前記同じDCI内容と関連付けられているp>1個のPDCCH候補を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記所与のスロットにおいて、または前記セル内の前記所与のスパンにおいて、グループgについてカウントされる何回かのブラインド復号試行を実施する工程を備え、前記ブラインド復号試行の回数が、以下、すなわち、
- 1回のブラインド復号試行、
- sが、前記グループgのPDCCH候補の数の2倍以下である、s回のブラインド復号試行、のうちの一方である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
2つ以上の探索空間セットが1つの探索空間セット・プール内に存在する場合に、前記探索空間セット・プール内の前記少なくとも2つの探索空間セットのうちの、i番目のPDCCH候補またはアグリゲーション・レベルLでインデックスがiの前記PDCCH候補が、前記同じDCIまたはDCI内容と関連付けられる、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
PHY層または上位層を介して、以下、すなわち、
- 前記同じDCIまたはDCI内容と関連付けられているPDCCH候補のグループに関する前記UEのブラインド復号能力に対してカウントされる、監視されるPDCCH候補および/または監視されるCCEの数および/またはブラインド復号試行の回数についての1つまたは複数の値、あるいは
- 前記同じDCIまたはDCI内容と関連付けられているPDCCH候補のグループに関する前記UEのブラインド復号能力に対してカウントされる、監視されるPDCCH候補および/または監視されるCCEの数および/またはブラインド復号試行の回数をそれぞれが示す、1つまたは複数のインデックスまたはパラメータ、のうちの1つを、ネットワーク・ノードに対し報告する工程、または前記ネットワーク・ノードから受信する工程を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのPUSCH送信をスケジューリングする1つより多いPDCCH候補と関連付けられたPDCCH/DCIを受信する工程を備え、前記PDCCH/DCIは、ある時間t^より前に前記UEによって最も最近に送信されたSRSリソースまたはSRSリソース・セットの送信と関連付けられている、少なくとも1つのSRSリソース・インジケータ(SRI)フィールド値または少なくとも1つのSRI値を備え、
t^が、以下、すなわち、
- 前記DCIと関連付けられた前記PDCCH候補の中で最も早い時間に開始または終了する前記PDCCH候補または前記PDCCH候補のシンボル、
- 前記DCIと関連付けられた前記PDCCH候補の中で最も早い時間に開始または終了する前記PDCCH候補が受信されるスロット、のうちの少なくとも一方に基づいて決定される、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記UEの能力である、
- 前記同じDCI内容と関連付けられているPDCCH候補のグループに対する前記UEの監視能力またはブラインド復号能力に対してカウントされる可能性がある、監視されるPDCCH候補および/または監視されるCCEの数および/またはブラインド復号試行の回数に関連する1つまたは複数の値、
- ソフト結合、共同処理、選択的復号のうちの1つ以上を含むある特定の復号方法を採用して1つより多いPDCCH候補と関連付けられているDCIを復号するための、前記UEで採用されている復号方法または前記UEの能力、
- 所与のダウンリンク帯域幅部分および/またはセルにおいてサポートされることが可能である探索空間セット・プールの最大数、
- 前記UEが、1つより多いPDCCH候補と関連付けられたDCIを復号することができる場合に、セル内のスロットまたはスパンにおいて監視されることが可能なPDCCH候補の最大数であって、所与のスロットまたはスパンにおける関連付けられたPDCCH候補のグループ数によって決まる可能性がある、最大数、
- 探索空間セット・プールと関連付けられている探索空間セットを包含することができるCORESETの最大数、のうちの少なくとも1つを前記ネットワーク・ノードに対して報告する工程を備える、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
ユーザ機器(UE)(1000)によって実施される方法であって、
- (801)ネットワーク・ノード(1100)から、上位層を介して、1つまたは複数の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)について1つの制御リソース・セット(CORESET)と関連付けられている1つまたは複数の探索空間セットの構成を受信する工程であって、各探索空間セットがいくつかのPDCCH候補を備え、各PDCCH候補は、いくつかのリソース要素または制御チャネル要素(CCE)を備え、前記UE(1000)は、構成された前記PDCCH候補の上位層を介して示されたフォーマットの1つまたは複数のダウンリンク制御情報(DCI)を監視する、工程と、
- (802)2つ以上の送信構成標示(TCI)状態と単一のCORESETとの関連付け、PHY層の標示、MAC-CEメッセージを介して、もしくは上位層の標示を介して前記ネットワーク・ノードから取得する工程と、
- (803)前記単一のCORESETと関連付けられた2つ以上のTCI状態のすべてにおける提供された疑似コロケーション(QCL)仮定を、少なくとも1つのPDCCHを受信するために、少なくとも1回の監視機会の間に前記CORESET内の前記探索空間セットのうちの少なくとも1つに適用する工程とを備える、方法。
【請求項16】
スロットnでの監視機会の間、1つのCORESETが、監視されるべきs≧1個の探索空間セットを備え、前記CORESETと関連付けられたt>1個のTCI状態がある場合に、前記UEが、以下の動作、すなわち、
- s≦s個のTCI状態からのQCL仮定を、前記TCI状態の、ある順序付け後に、および/または前記TCI状態と前記探索空間セットの間のマッピング後に、前記CORESET中のs個の探索空間セット内の少なくとも1つのPDCCHを受信するために、前記s個の探索空間セットに適用すること、あるいは
- t≦t個のTCI状態からの前記QCL仮定を、前記TCI状態の、ある順序付けの後に、および/または前記TCI状態と前記探索空間セットの間のマッピング後に、前記CORESET中のs個の探索空間セット内の少なくとも1つのPDCCHを受信するために、前記s個の探索空間セットに適用することであって、変数s、t、s、tが任意の適切な値を取る、適用することのうちの1つを実施する工程を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
プロセッサ(1010)と、前記プロセッサ(1010)によって実行可能な命令を含有するメモリ(1020)とを備えるユーザ機器(UE)(1000)であって、方法請求項1乃至16のいずれか1項の主題を実施するように構成されている、ユーザ機器。
【請求項18】
ネットワーク・ノード(1100)によって実施される方法であって、
- (901)ユーザ機器(UE)(1000)に向けて、上位層を介して、1つまたは複数のPDCCHについて1つまたは複数のCORESETと関連付けられている1つまたは複数の探索空間セットの構成を送信する工程であって、前記UE(1000)が構成されたPDCCH候補の上位層を介して示されたフォーマットの1つまたは複数のDCIを監視できるようにするために、各探索空間セットがCORESETに関連付けられているとともにいくつかのPDCCH候補を備え、各PDCCH候補がいくつかのCCEを備える、工程と、
- (902)1つまたは複数の前記探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けの構成または標示前記UE(1000)に対し提供する工程であって、前記探索空間セット・プール内の1つまたは複数の探索空間セットからの少なくとも2つのPDCCH候補が、同じDCI内容を含むまたは搬送する、工程と、
- 前記1つまたは複数の探索空間セットについての1つまたは複数のPDCCHを前記UE(1000)に送信する工程と、を備える方法。
【請求項19】
ネットワーク・ノード(1100)によって実施される方法であって、
- ユーザ機器(UE)(1000)に、上位層を介して、1つまたは複数のPDCCHについて1つのCORESETと関連付けられている1つまたは複数の探索空間セットの構成を送信する工程であって、各探索空間セットがいくつかのPDCCH候補を備え、各PDCCH候補は、いくつかのCCEを備え、構成された前記PDCCH候補の上位層を介して示されたフォーマットの1つまたは複数のDCIを前記UE(1000)が監視可能とする、工程と、
- 2つ以上の送信構成標示(TCI)状態と単一のCORESETとの関連付け、PHY層の標示、MAC-CEメッセージを介して、もしくは上位層の標示を介して前記UE(1000)に提供する工程であって、前記単一のCORESETと関連付けられた2つ以上のTCI状態のすべてにおける提供された疑似コロケーション(QCL)仮定を、前記UE(1000)が適用可能とする工程と、
- 前記1つまたは複数の探索空間セットについての1つまたは複数のPDCCHを前記UE(1000)に送信する工程とを備える、方法。
【請求項20】
プロセッサ(1110)と、前記プロセッサ(1110)によって実行可能な命令を含有するメモリ(1120)とを備えるネットワーク・ノード(1100)であって、方法請求項18または19の主題を実施するように構成されている、ネットワーク・ノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤレス通信の分野に関し、詳細には、先進的な5Gネットワークのようなワイヤレス通信ネットワークにおける物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の信頼性および性能を強化するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
5Gとしても知られている第3世代パートナーシップ・プロジェクト新無線(3GPP(登録商標) NR)、およびそのさらなるリリース[1~6]において、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)は、以下の、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)または物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)のスケジューリング、スロット・フォーマット標示、電力制御コマンド送信、NR/LTEサイドリンク・チャネルのスケジューリング、アップリンク(UL)送信のキャンセリング、および省電力化情報など、のうちの1つに使用されるダウンリンク制御情報(DCI)を搬送する。5Gシステムの展開に不可欠なユースケースである超信頼・低レイテンシ通信(URLLC)システムでは、信頼性の高いDCIの送信が他の物理チャネルの堅牢性および性能のために必要になる。3GPP標準化ではこれまで、様々な送信確認操作、リンク適応策、ならびに様々な物理(PHY)層および上位層のシグナリング手順が、URLLC通信を支援するために存在している。多入力多出力(MIMO)通信のコンテキストでは、URLLCユースケースは、複数の送受信点(TRP)送信によってサポートされる可能性がある。
【0003】
ミリ波(mmWave)周波数(周波数範囲2(FR2))、すなわち6GHzを超える周波数では一般に、通信デバイス間のワイヤレス通信は、ビームと呼ばれる空間選択性/指向性の送受信によって実施される。以下で「ビーム」という用語は、デバイスのアンテナ・ポートにおいて信号を係数のセットでプリコーディング/フィルタリングすることによって達成される、空間選択性/指向性の出て行く信号の送信または入って来る信号の受信を表すために使用される。プリコーディングまたはフィルタリングという文言は、アナログまたはデジタル領域における信号の処理を指す場合がある。送信/受信をある方向に空間的に向けるために使用される係数のセットは、1つの方向と別の方向とで異なり得る。「Txビーム」という用語は、空間選択性/指向性の送信を表し、「Rxビーム」という用語は、空間選択性/指向性の受信を表す。送信または受信をプリコーディング/フィルタリングするために使用される係数のセットは、「空間フィルタ」という用語によって表される。「空間フィルタ」という用語は、送信/受信が空間的に向けられる方向を空間フィルタ係数が決定するので、本明細書では「ビーム方向」という用語と交換可能に使用される。
【0004】
以下で「上位層」という用語は、単独で使用される場合には、プロトコル・スタックの物理層よりも上の任意の通信層を表す。
サービング・セルおよびキャリア・コンポーネント(CC)という用語は、本開示では、UEに対して構成されたサービング・セルとして交換可能に使用されることがあり、通常は、あるキャリア周波数による別個の物理キャリアである。コンポーネント・キャリア/サービング・セルの周波数に応じて、セルのサイズとビームフォーミングされた参照信号とが変化し得る。各サービング・セルまたはコンポーネント・キャリアは、周波数領域リソースのセットであるNBWP≧1の帯域幅部分(BWP)を備える。サービング・セル内の所与の時刻において、UEは、セル内のDLにおける構成されたBWPのうちの1つで、TRPまたは他の任意のネットワーク要素からの物理層送信を受信することができ、また、セル内のULにおける構成されたBWPのうちの1つで、送信を実施することができる。
【0005】
以下では、物理層ダウンリンク(DL)チャネル、とりわけPDCCHに関する最新技術(SoTA)が提供される。次に、多数のTRPからのPDCCH送信をスケジューリングするために考慮されるべき問題が論じられ、マルチTRPコンテキストでのPDCCHの信頼性、堅牢性および性能に関する議論が後に続く。
【0006】
gNodeB(gNB)によって実施される動作についてのいずれの言及も、ネットワークの他の任意の要素によって実施されることが可能であり、それゆえに、いずれの関連する言明もそのように読まれるべきであることに留意されたい。
【0007】
(物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH))
PDCCHは、基地局またはネットワーク・ノードまたはgNodeB(gNB)によって、無線リソース制御(RRC)層レベルで構成される。gNBは、図1に示すようにRRCレベルで構成されている、1つまたは複数の制御リソース・セット(CORESET)でPDCCHを送信する。CORESETは、制御情報がUEへ送信される可能性があるリソースのセットである。CORESETは、周波数領域(上位層パラメータfrequencyDomainResourcesによって与えられる)の
【0008】
【数1】
リソースブロック(RB)と、時間領域(上位層パラメータdurationによって与えられる)の
【0009】
【数2】
シンボルとを備える。UEは、サービング・セルごとにBWPあたり最大3つのCORESETによって構成される場合がある[1]。
各CORESETは、1つまたは複数の制御チャネル要素(CCE)を備える。各CCEは、6つのリソース要素グループ(REG)を備え、各REGは、1つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの1つのリソース・ブロックに等しい。CORESET中のリソース要素グループには、最初のOFDMシンボルと制御リソース・セットの最下位番号のリソース・ブロックとの0から始まる、時間優先で昇順の番号付けがされる[1]。各CORESETは、CCE対REGマッピングと関連付けられる。CORESETのCCE対REGマッピングは、インターリーブされることもインターリーブされないことも可能であり、[1]に提供されているようにREGバンドルによって記述される。REGバンドルは、2つ、3つまたは6つのREGを備え得る。
【0010】
以下の目的のうちの1つのためにDCIを搬送するPDCCHは、1つまたは複数のCCEで送信されてもよい。
- PDSCHもしくはPUSCHもしくはNR/LTEサイドリンク・チャネルのスケジューリング、または
- スロット・フォーマット標示、または
- 電力制御コマンド送信、または
- UL送信のキャンセリング、または
- 省電力化情報通知、または
- ソフト・リソース利用可否通知など。
【0011】
PDCCHに使用されるCCEの数は、「アグリゲーション・レベル」によって示される。PDCCHのアグリゲーション・レベルが4であれば、PDCCHは4つのCCEで送信される。可能な「アグリゲーション・レベル」の値は、1、2、4、8、および16である[1]。アグリゲーション・レベルLのDCIは、連続して番号付けがされたL個のCCEを備え、これらのCCEは、1つのCORESET上のいくつかのREGにマッピングされる。CORESETで使用されるCCE対REGマッピングのタイプ(インターリーブされている、またはインターリーブされていない)と、マッピングに関する詳細とは、対応するCORESET構成において提供される[6]。
【0012】
本開示では、用語のPDCCHとDCIが交換可能に使用され得ることに留意されたい。両用語は、物理層を介して取得されるダウンリンク制御チャネル情報を指す。
UEは、CORESET上の構成された探索空間セットにおけるPDCCH候補の中で、有効なPDCCH/DCIを探索する。UEがCORESETでPDCCH候補を探索する探索空間セットは、探索空間(SS)セット(図2に示すように情報要素SearchSpace)の上位層構成を介して提供される。各探索空間セットは、図2に示すように上位層構成を介してCORESETと関連付けられており、UEが有効なPDCCH/DCIを探索する際にブラインド復号を実施する、所与のアグリゲーション・レベルのPDCCH候補の数を備える。ブラインド復号処理は、誤り訂正復号に加えて、すべての探索空間セットにおける各PDCCH候補の巡回冗長検査(CRC)ビットを、これらが場合によりスクランブルされている可能性のある様々な無線ネットワーク一時識別子(RNTI)値によってスクランブル解除することを伴い、また、PDCCH候補に対応するCCEが、所与の探索空間セットが監視されるべきDCIフォーマットに従って有効なDCIを備えるかどうかを検証するためのCRC検査を実施することを伴う。
【0013】
SSセットには以下の2つのタイプがある[3][6]。
- 共通探索空間(CSS)セット(セル内のUEのグループによって一般的に監視される)、および
- UE特有の探索空間(USS)セット(個々のUEによって監視される)。
探索空間(SS)を上記の2つのタイプのうちの一方に分類することは、SearchSpaceのパラメータsearchSpaceTypeを「common」または「ue-Specific」に設定することによって達成される。各探索空間セットは、CORESETと関連付けられる(関連付けられたCORESETのIDは、上位層構成SearchSpaceのcontrolResourceSetIdで提供される)。UEは、DL BWPあたり最大10個の探索空間セットによってサービング・セル内で構成されることが可能である。すなわち、サービング・セル内には最大で40個の構成された探索空間セットがあり得、各構成された探索空間セットにはSearchSpaceIdが提供される。
【0014】
上記で示されたように構成されたCORESETおよび探索空間セットとは別に、CORESET 0およびsearchSpaceZeroがUEに対して別個に提供される。CORESET 0は、図3に示すように、セル定義同期信号および物理放送チャネル(PBCH)ブロック(SSB)から取得されるマスター情報ブロック(MIB)を用いて構成される。CORESET 0は、上位層構成が提供される前でも、すなわち追加のシステム情報または専用の構成が提供される前でも、獲得されることが可能であるが、その構成は、他のCORESETと比較して限定された数のパラメータの組み合わせに制限される。同様に、共通探索空間セットである探索空間0もまた、図3に示すようにMIBによってUEに対して提供され、その構成は、他の探索空間セットと比較して限定された数のパラメータの組み合わせに制限される。
【0015】
共通探索空間セット(CSS)上で送信されるPDCCHは、ページング情報、ランダム・アクセス手順情報、システム情報ブロック1(SIB1)および他のシステム情報などをUEに対して提供する。上位層構成PDCCH-ConfigCommonは、前述の各情報を取得するために使用される探索空間セットのIDを提供する[6]。上位層構成PDCCH-ConfigCommonはまた、共通探索空間のリストと、任意選択で、CORESET 0の帯域幅に含有される任意の共通またはUE特有の探索空間に対して使用できる、共通CORESETの構成とを提供する。
【0016】
(PDCCHオーバーブッキング)
UEは、限定された数のPDCCH候補だけを監視する能力、すなわちブラインド復号を実施することが可能である。UEが所与のスロットのサービング・セルにおいて監視することが可能なPDCCH候補の数は、3GPP Rel.16規格で規定されており、サービング・セルのヌメロロジー(numerology)に依存する。しかし、gNBは、UEが監視/復号できる数よりも多くのPDCCH候補を設定またはスケジューリングすることが許容されている。すなわち、gNBは、UEのためにPDCCHをオーバーブッキングすることが許容されており、それによりUEの全能力が利用され得る。
【0017】
PDCCH候補を監視するUE能力は、gNBに対して2つの異なるタイプで提供されることが可能である。
- タイプ1:UEは、ヌメロロジーμを持つ所与のセルのスロットにおいて、最大
【0018】
【数3】
個のPDCCH候補を監視することができる。UEはまた、ヌメロロジーμを持つ所与のセルのスロットにおいて、最大
【0019】
【数4】
個のCCEのチャネル推定を実施することもできる。これらの値は、仕様([3]の表10.1-2および表10.1-3)で固定されている。
- タイプ2:UEは、ヌメロロジーμおよびスパン・パターン(X、Y)を持つ所与のセルのスロットにおいて、最大
【0020】
【数5】
個のPDCCH候補を監視することができる。UEはまた、ヌメロロジーμおよびスパン・パターン(X、Y)を持つ所与のセルのスロットにおいて、最大
【0021】
【数6】
個のCCEのチャネル推定を実施することもできる。これらの値は、仕様中に提供されている([3]の表10.1-2Aおよび表10.1-3A)。スパン・パターン(X、Y)とは、スロットの少なくとも2つのPDCCH機会が、各機会の最初のシンボルが少なくともX個のシンボルによって分離された状態で発生する可能性があり、各機会がY個の連続したシンボルに及ぶことを意味する。
【0022】
タイプ2ベースのUE監視能力は、そのUEが、あるスパン・パターンを監視する能力を有していると報告したときに、gNBによって仮定され得る。
3GPP Rel.15では、各UEは、
【0023】
【数7】
を監視する能力を有している。
【0024】
【数8】
がUEに対して設定されている場合、
【0025】
【数9】
候補、または
【0026】
【数10】
候補が監視される可能性があり、最大
【0027】
【数11】
個または
【0028】
【数12】
個のCCEについてのチャネル推定が、ヌメロロジーμを持つ
【0029】
【数13】
のUEによって実施される可能性がある。そうでない場合、UEは、
【0030】
【数14】
個よりも多いPDCCH候補を監視することが必要とされず、またUEは、
【0031】
【数15】
よりも多くについてチャネルを、ヌメロロジーμを持つ
【0032】
【数16】
において推定することが必要とされない。
3GPP Rel.16では、PDCCH監視が、マルチTRP送信を採用するために強化されており、複数のTRPからのPDCCHが受信される可能性があり、各CORESETが特定のTRPと関連付けられている。以下の強化策が導入された。
- UEは、
【0033】
【数17】
個のセルによって構成されており、それぞれのセルのPDCCHは、CORESETpoolIndex値によって設定されていないセルのCORESETで受信され、またはCORESETは、CORESETpoolIndex値0だけによって設定され(シングルTRPセルは、CORESETpoolIndex値が設定されていないことがあり、またはCORESETpoolIndex0だけによって設定されることがある)、またUEは、
【0034】
【数18】
個のセルによって構成され、それぞれのセルのPDCCHは、CORESETpoolIndex-0または1、の2つの異なる値によって構成されたセルのCORESETで受信される(マルチTRPセルは、CORESETpoolIndex値0または1、によって構成されたCORESETを有し得る)。
- パラメータR(またはγ)が導入された。オーバーブッキング中に1つより多いCORESETpoolIndex値と関連付けられたCORESETによって構成されたセル(すなわち、マルチTRPセル)において監視される、UE能力からのPDCCH候補の数は、ただ1つのCORESETpoolIndex値と関連付けられた、またはいずれのCORESETpoolIndex値とも関連付けられていないCORESETによって構成されたセル(すなわち、シングルTRPセル)と比較して、γ倍だけ増加される(γの値が設定された上位層であるか、またはデフォルト値が提供され[3]、UEは、γの値に対するその能力を報告することができる)。すなわち、
【0035】
【数19】
であるとき、UEは、
【0036】
【数20】
個よりも多いPDCCH候補を監視することが必要とされず、また、
【0037】
【数21】
個よりも多いCCEについてのチャネルの推定を、ヌメロロジーμを持つ
【0038】
【数22】
個のシングルTRPセルで実施することが必要とされず、さらにUEは、
【0039】
【数23】
個よりも多いPDCCH候補を監視する必要とされず、また
【0040】
【数24】
個よりも多いCCEについてのチャネル推定を、ヌメロロジーμを持つ
【0041】
【数25】
個のマルチTRPセルで実施することが必要とされず、
【0042】
【数26】
であるとき、UEは、
【0043】
【数27】
個よりも多いPDCCH候補を
【0044】
【数28】
個のセルで監視することが必要とされず、また
【0045】
【数29】
個よりも多いCCEについて
【0046】
【数30】
個のセルでチャネル推定を実施することが必要とされない。
オーバーブッキングの場合、前述のPDCCH候補の数は、以下のように監視される。
- 共通探索空間セットがまず監視される。
- 次に、ユーザ特有の探索空間セットが監視され、優先順位がUSSに対して、探索空間IDに従って与えられる(探索空間IDが低いほど、優先順位は高くなる)。
PDCCH候補のオーバーブッキングの場合の、上記のステップに従って監視される探索空間セット(CSSセットとUSSセットを合わせたもの)の総数は、前述のUE能力以下となる[3]。
【0047】
(ダウンリンク送信構成標示)
前に説明されたように、PDCCHおよびPDSCHはそれぞれ、DL制御情報およびDLデータをUEまで搬送する[1~6]。
【0048】
復調参照信号(DMRS)が、UEでPDCCH/PDSCHをコヒーレントに復調するために埋め込まれる。DMRSは、一組のDMRSポートから成る。DMRSポートの数は、PDSCHに含有される送信層の数を決定する。DMRSは、PDSCHまたはPDCCHをコヒーレントに復調するために、UEにおけるチャネル推定のために使用される。PDCCHの場合には、そのうちの1つまたは複数がCORESETで送信されることがある。したがって、CORESETでPDCCHをコヒーレントに復調するためのDMRSは、CORESETで送信されるPDCCH全体にわたって埋め込まれる可能性がある。
【0049】
PDCCHおよびPDSCHの送信の際のパラメータは、「TransmissionConfigurationIndication」状態(TCI状態)である[4]。3GPP Rel.16では、制御チャネルまたは共有チャネルがgNBによってどのように送信されるかと、これらを受信中にUEがどんな仮定を考慮すべきかとの標示は、参照信号(RS)を介して行われる。UEに対する標示は、図4に示されるように、RRCによって構成されたTCI状態情報要素(IE)を用いて実施される。TCI状態IEなどは、以下の要素から成る。
- 1つまたは複数の参照信号、および
- 参照信号ごとの、1つまたは複数の疑似コロケーション(QCL)仮定。
TCI状態は、CORESETで送信されるPDSCHまたはPDCCHをどのように受信するかについて言及するために使用される。TCI状態をPDSCHまたはCORESETに適用することは、CORESETで送信される、PDSCHのDMRSポートまたはPDCCHのDMRSポートが、TCI状態で言及された参照信号と疑似コロケーションされていると仮定されるべきであることを示唆する。
【0050】
任意のチャネルまたは信号について、特定の参照信号またはリソースまたは他の任意のチャネルに関して「疑似コロケーション」を仮定することは、以下のチャネル・パラメータ:ドップラーシフト、ドップラー拡散、平均遅延、遅延拡散、空間Rxパラメータ、のうちの1つまたは複数が、前記RSまたはリソースまたはチャネルのチャネル・パラメータから導出され得るか、またはこれらと同じであると仮定され得ることを意味する。関連付けられたRSまたはリソースまたはチャネルから取得または導出されるパラメータのセットに応じて、1つのQCLタイプが前記RSまたはリソースまたはチャネルと関連付けられてもよい。
【0051】
「疑似コロケーション」を仮定することは、ドップラーシフト/拡散、遅延拡散、平均遅延および/またはTxビーム方向のような、いくつかのチャネル・パラメータが、TCI状態で言及されたRS、およびPDSCHのDMRSポートに関して、またはCORESETで送信されたPDCCHのDMRSポートに関して同じであると仮定されることを意味する。4つの異なるQCLタイプが、3GPP Rel.16で示される可能性がある[4]。
- 「QCL-TypeA」:{ドップラーシフト、ドップラー拡散、平均遅延、遅延拡散}
- 「QCL-TypeB」:{ドップラーシフト、ドップラー拡散}
- 「QCL-TypeC」:{ドップラーシフト、平均遅延}
- 「QCL-TypeD」:{空間Rxパラメータ}
QCL-Infoパラメータのうちの1つまたは複数は、TCI状態と関連付けられたQCL仮定を提供するためにTCI状態IEに包含される。
【0052】
たとえば、QCL仮定「QCL-typeA」を持つDL参照信号(RS)「A」と、QCL仮定「QCL-TypeD」を持つDL RS「B」とを備えるTCI状態IEが考慮される。このTCI状態を、所与の疑似コロケーション仮定を持つPDSCHまたはCORESETに適用することは、UEが、CORESETおよびDL RS Aで送信されるPDSCHまたはPDCCHについて、同じドップラーシフト、ドップラー拡散、平均遅延および遅延拡散を仮定できることを意味し、UEは、CORESETで送信されるDL RS「B」およびPDSCHもしくはPDCCHを受信するための同じ空間フィルタ、またはCORESETでPDCCHを受信するためのRx空間フィルタを使用することができ、あるいはPDSCHは、DL RS「B」を受信するために使用されるものから取得されても、それと類似するものであってもよい。
【0053】
通常、PDCCHまたはPDSCHをスケジューリングするために使用されるTCI状態は、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)または同期信号ブロック(SSB)の識別子(ID)を参照信号のQCL仮定と共に含有する。TCI状態のRSは通常、UEが以前に測定したRSであり、それによりUEは、そのRSを基準として使用してPDCCHまたはPDSCHのDMRSを受信することができ、それゆえにそのDMRSを復調することができる。CORESETまたはPDSCHのTCI状態の標示は、MAC-CEメッセージを介して、またはPDSCHをスケジューリングするために使用されるダウンリンク制御情報(DCI)中のTCI標示フィールドを使用して、実施される。
【0054】
gNBとUEが空間選択性/指向性のビームを介して接続を確立するFR2では、UEが受信できるRxビームを示すために、すなわち、UEによって使用されて、UEが受信したCSI-RSまたはSSBによる「qcl-TypeD」仮定を介してPDSCH/PDCCHを受信し得る空間フィルタを示すために、TCI状態が使用される。PDCCH/PDSCHを送信するためのDL Txビームの決定は、ネットワーク・ノード(たとえば、gNB)によるビーム掃引手順を介して実施される。ビーム掃引手順では、gNBは、UEに対してRRCを介してDL RSのセット(CSI-RSまたはSSB)を構成して、このDL RSのセットを測定する。構成されたDL RSのそれぞれは、異なる空間フィルタで送信されることが可能である。すなわち、構成されたDL RSのそれぞれは、gNBによって別々の方向に送信されることが可能である。UEは、構成されたDL RSのそれぞれを、1つまたは複数の空間フィルタを用いて受信することによって測定する(RSはすべて、同じ空間フィルタによって受信されてもよく、または、各RSを受信するために、異なる空間フィルタが使用されてもよい)。測定の後にUEは、ビーム報告をgNBへ送る。ビーム報告は、1≦L≦4の構成されたDL RSのインデックス(本質的に、L個のDL Txビーム方向であり、各ビーム方向は、gNBで特定の空間フィルタを使用することにより生じる)を、各RSの受信電力と共に備える[4]。ビーム報告の助けにより、gNBは、PDCCHおよびPDSCHの送信のための1つまたは複数の適切なDL Txビーム方向、すなわち、空間フィルタを決定する。3GPP DRAFT; R1-1908990 (2019-08-16)では、マルチTRPおよびマルチパネルについて説明されている。3GPP DRAFT; R1-1902091 (2019-02-16)では、マルチTRP/パネル送信の強化策について説明されている。
【0055】
以下では、5GネットワークにおけるPDCCHの信頼性/堅牢性および性能の改善が、本明細書の実施形態に従って論じられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0056】
本明細書の実施形態の目的は、5G先進ネットワークにおけるPDCCH送信の信頼性および性能を強化するための方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0057】
本明細書のいくつかの実施形態の一態様によれば、UEによって実施される方法が提供され、この方法は、ネットワーク・ノード(またはgNB)から、上位層を介して、1つまたは複数のPDCCHについて1つまたは複数の制御リソース・セット(CORESET)と関連付けられている1つまたは複数の探索空間セットの構成を受信する工程であって、各探索空間セットがいくつかのPDCCH候補を備え、各PDCCH候補は、(CCE)とも呼ばれるいくつかのリソース要素を備えるか、またはこれらから作り上げられており、UEが、構成されたPDCCH候補の上位層を介して示された特定のフォーマットの1つまたは複数のDCIを監視し、1つまたは複数の前記探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けの構成または標示がUEに対し提供され、探索空間セット・プール内の1つまたは複数の探索空間セットからの少なくとも2つのPDCCH候補が、同じDCI内容と関連付けられ、あるいは、2つ以上のTCI状態と単一のCORESETとの関連付けが、PHY層の標示、MAC-CEメッセージを介して、または上位層の標示を介してネットワーク・ノードから取得される、受信する工程と、1つまたは複数のPDCCHを受信するための関連付けの構成または標示を探索空間セットに適用する工程とを備える。1つまたは複数の前記探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けを提供する設定もしくは標示は、ネットワーク・ノード(またはgNB)から上位層を介してUEに対してシグナリングされることが可能であり、または、UEに推測的に知られており、たとえば仕様で固定されている。
【0058】
PDCCH候補が所与のスロット内に、またはセルの所与のスパン内にあってもよく、PDCCH候補のグループgが、同じDCI内容と関連付けられているp>1のPDCCH候補を備えることもまた提案される。この場合、所与のスロット内、またはセルの所与のスパン内のグループgについてカウントされる、いくつかのブラインド復号試行が実施される可能性があり、このブラインド復号試行の回数が以下のうちの1つであることが提案される。
- 1回のブラインド復号試行
- s回のブラインド復号試行、ここでsは、前記グループgのPDCCH候補の数以下である。
【0059】
以下のうちの1つがネットワーク・ノードに報告され得ることが提案される。
- 同じDCI内容と関連付けられているPDCCH候補のグループに関して、監視されるPDCCH候補の数、および/または監視されるCCEの数、および/またはブラインド復号試行の回数、
- 同じDCI内容と関連付けられているPDCCH候補のグループに関して、監視されるPDCCH候補の数、および/または監視されるCCEの数、および/またはブラインド復号試行の回数を示す、インデックスまたはパラメータ。
【0060】
提案された本発明の別の態様では、2つ以上の探索空間セットが1つの探索空間セット・プール内に存在する場合に、
- 探索空間セット・プール内の少なくとも2つの探索空間セットのうちの、i番目のPDCCH候補もしくはインデックスがiでアグリゲーション・レベルがLのPDCCH候補が、同じDCI内容と関連付けられる、または
- 第1のCCEのインデックスに関して少なくとも同じ値を持つ探索空間セット・プール内の少なくとも2つの探索空間セットからのPDCCH候補が、同じDCI内容と関連付けられる
ことを教示する。
【0061】
本発明の別の態様によれば、アップリンク制御情報のPUCCHリソースが、複数のPDCCH候補と関連付けられたDCIまたはDCI内容から、以下の値のうちの少なくとも1つを用いて決定されることが提案される。
- DCIのPUCCHリソース・インジケータ(PRI)フィールド内に示される値、および/または
- PDCCH候補のうちの1つまたは複数と関連付けられた少なくとも1つのCORESETからのCCEの数、および/または
- PDCCH候補のうちの少なくとも1つからの第1のCCEのインデックス。
【0062】
本明細書の実施形態の別の態様によれば、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を含有するメモリとを備えるUEが提供され、それによって、前記UEは、UEによって実施される動作に関連する、発明を実施するための形態において提示されている実施形態のいずれか1つを実施するように動作可能であるか、そのように構成される。
【0063】
本明細書のいくつかの実施形態の一態様によれば、ネットワーク・ノードまたはgNBによって実施される方法が提供され、この方法は、UEに向けて、上位層を介して、1つまたは複数のPDCCHについて1つまたは複数のCORESETと関連付けられている1つまたは複数の探索空間セットの構成を送信する工程を備え、各探索空間セットがいくつかのPDCCH候補を備え、各PDCCH候補は、UEが、構成されたPDCCH候補の上位層を介して示された特定のフォーマットの1つまたは複数のDCIを監視できるようにするための、いくつかのCCEを備えるか、またはこれらから作り上げられており、1つまたは複数の前記探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けの構成または標示がUEに対し提供され、探索空間セット・プール内の1つまたは複数の探索空間セットからの少なくとも2つのPDCCH候補が、同じDCI内容と関連付けられ、あるいは、2つ以上のTCI状態と単一のCORESETとの関連付けが、PHY層の標示、MAC-CEメッセージを介して、または上位層の標示を介してネットワーク・ノードによってUEに提供される。1つまたは複数の前記探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けを提供する設定もしくは標示は、ネットワーク・ノード(またはgNB)から上位層を介してUEに対してシグナリングされることが可能であり、または、UEに推測的に知られており、たとえば仕様で固定されている。上位層を介してシグナリングされる探索空間セット・プールは、たとえば、SSセットの上位層構成、新上位層情報要素(IE)を介するリスティング、MAC-CEシグナリング等、を用いて実施されることが可能である。別の例として、上位層のシグナリングは、RRCを介して実施されてもよい。
【0064】
PDCCH候補が所与のスロット内に、またはセルの所与のスパン内に構成される場合、また、PDCCH候補のグループgが、同じDCI内容と関連付けられているp>1個のPDCCH候補を備える場合、所与のスロット内、またはセルの所与のスパン内のグループgについてカウントされる何回かのブラインド復号試行が実施された可能性があり、このブラインド復号試行の回数が以下のうちの1つであり得ることが提案される。
- 1回のブラインド復号試行
- s回のブラインド復号試行、ここでsは、前記グループgのPDCCH候補の数の2倍以下である。
【0065】
この場合、以下のうちの1つがUEから受信されることが提案される。
- 同じDCI内容と関連付けられているPDCCH候補のグループに関して、監視されるPDCCH候補の数および/または監視されるCCEの数および/またはブラインド復号試行の回数、
- 同じDCI内容と関連付けられているPDCCH候補のグループに関して、監視されるPDCCH候補の数および/または監視されるCCEの数および/またはブラインド復号試行の回数を示すインデックスまたはパラメータ。
【0066】
次に、2つ以上の探索空間セットが1つの探索空間セット・プール内に存在する場合には、次であることが提案される。
- 探索空間セット・プール内の少なくとも2つの探索空間セットのうちの、i番目のPDCCH候補もしくはインデックスがiでアグリゲーション・レベルがLのPDCCH候補が、同じDCI内容と関連付けられる、または
- 第1のCCEのインデックスに関して少なくとも同じ値を持つ探索空間セット・プール内の少なくとも2つの探索空間セットからのPDCCH候補が、同じDCI内容と関連付けられる。
【0067】
本発明の別の態様によれば、その方法は、複数のPDCCH候補と関連付けられたDCIまたはDCI内容から、以下の値のうちの少なくとも1つを用いて決定されたアップリンク制御情報のPUCCHリソースを受け取る工程を備える、ということが提案される。
- DCIのPUCCHリソース・インジケータ(PRI)フィールド内に示される値、および/または
- PDCCH候補のうちの1つまたは複数と関連付けられた少なくとも1つのCORESETからのCCEの数、および/または
- PDCCH候補のうちの少なくとも1つからの第1のCCEのインデックス。
【0068】
本明細書の実施形態の別の態様によれば、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を含有するメモリとを備えるネットワーク・ノードが提供され、それによって、前記ネットワーク・ノードは、ネットワーク・ノードによって実施される動作に関連する、発明を実施するための形態において提示されている実施形態のいずれか1つを実施するように動作可能であるか、そのように構成される。
【0069】
UEの少なくとも1つのプロセッサで実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサが本明細書に提示された動作または方法の工程を遂行する命令を備える、コンピュータ・プログラムもまた提供される。
【0070】
ネットワーク・ノードの少なくとも1つのプロセッサで実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサが本明細書に提示された方法の工程を遂行する命令を備える、コンピュータ・プログラムもまた提供される。
【0071】
コンピュータ・プログラムを含有するキャリアもまた提供され、このキャリアは、コンピュータ可読記憶媒体、電子信号、光信号、または無線信号のうちの1つである。
本明細書の実施形態の一利点は、PDCCHの信頼性、堅牢性、および/または性能を強化することである。別の利点は、DCI復号の信頼性を改善することである。
【0072】
本明細書の実施形態のさらなる利点は、本開示の発明を実施するための形態に提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図1】CORESETの上位層構成を描写する図(最新技術(SoTA))。
図2】探索空間セットの上位層構成を説明する図(SoTA)。
図3】RRCを介してUEに対し提供されるマスター情報ブロック(MIB)を示す図(SoTA)。
図4】TCI状態情報要素のRRC構成を説明する図(SoTA)。
図5】いくつかの実施形態による探索空間セット・プール・インデックスを備える探索空間セットの新上位層構成を描写する図。
図6】一実施形態による、探索空間セットIDのリストを備える探索空間セット・プール情報要素の新上位層構成を説明する図。
図7】例示的な実施形態による、同じDCI内容と関連付けられた探索空間セット・プール内の異なる探索空間セットからの複数のPDCCH候補の例示的な関連付けを描写する図。
図8】いくつかの実施形態による、UEによって実施される方法のフローチャート図。
図9】いくつかの実施形態によるネットワーク・ノードによって実施される方法のフローチャート図。
図10】本明細書のいくつかの実施形態によるUEを描写するブロック図。
図11】本明細書のいくつかの実施形態によるネットワーク・ノードを描写するブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0074】
以下では、例示的な実施形態の詳細な説明について、本明細書で説明される解決策の容易な理解を可能にするためのいくつかのシナリオで、図面と併せて説明される。
以前に言及されたように、5Gベースの先進ネットワークのPDCCHの信頼性および/または堅牢性ならびに性能を強化するための方法および装置が、UEおよびgNBそれぞれにおいて提供される。以下では、諸実施形態の詳細な説明が、本発明によって提供される利点が十分に理解されるように提示される。
【0075】
<複数の探索空間セットを探索空間セット・プールと関連付けること>
一実施形態によれば、UEによって実施される方法は、ネットワーク・ノード(またはgNB)から、上位層を介して、1つまたは複数のPDCCHについて1つまたは複数のCORESETと関連付けられている1つまたは複数の探索空間セットの構成または標示を受信する工程を備え、各探索空間セットがいくつかのPDCCH候補を備え、各PDCCH候補は、制御チャネル要素またはCCEと表されるいくつかのリソース要素を備え、UEが、構成されたPDCCH候補の上位層を介して示された特定のフォーマットを有するDCIを監視し、1つまたは複数の探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けの構成または標示がUEに対し提供され、探索空間セット・プール内の1つまたは複数の探索空間セットからの少なくとも2つのPDCCH候補が、同じDCI内容と関連付けられる。この方法はさらに、1つまたは複数のPDCCHを受信するための構成または標示を探索空間セットに適用する工程を備える。
【0076】
したがって、UEには、1つまたは複数の探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けを提供する構成または標示が提供される。一実施形態によれば、UEは、1つまたは複数の探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けを提供する構成または標示をgNBまたは他の任意のネットワーク・ノードから、上位層を介して受信するように構成される。別の実施形態によれば、1つまたは複数の探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けを提供する構成が、UEに推測的に知られている(たとえば、仕様で固定されている)。
【0077】
上記の方法において、「監視」という用語は、UEが、復号処理中に上位層を介して示されたDCIフォーマットに従って有効なDCIを探索して、前記PDCCH候補からDCIを取得することを意味する。
【0078】
UEは、同じ探索空間セット・プール内の1つまたは複数の探索空間(SS)セット上でUEによって監視される少なくとも2つのPDCCH候補が、同じDCI内容と関連付けられることを予期する。
【0079】
一実施形態においては、PDCCH候補の複数のセットまたはグループがあり得、各セットまたはグループは、探索空間セット・プール内の1つまたは複数の探索空間セットからのPDCCH候補を備え、セットまたはグループ内のすべてのPDCCH候補上で送信されるPDCCHは、同じDCI内容と関連付けられている。別の実施形態においては、探索空間セット・プール内の1つまたは複数の探索空間セットからのすべてのPDCCH候補を含有する単一のグループだけがあり、グループ内のすべてのPDCCH候補上で送信されるPDCCHは、同じDCI内容と関連付けられる。このことは、UEが、DCIを復号するときに、異なるPDCCH候補で受信した複数のPDCCHを結合および/または共に処理して、PDCCHの信頼性または他の任意の性能測定基準を向上できることを意味する。
【0080】
1つまたは複数の探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けを提供する上位層の標示または構成は、以下のオプションのうちの1つによって実現される可能性がある。
【0081】
オプション1:探索空間セットの上位層構成は、たとえば、「SearchSpaceSetPoolIndex」または「SearchSpaceSetGroupIndex」のような名称が付けられた新上位層パラメータを備える。このパラメータは、探索空間セット・プールの識別子(ID)またはインデックスまたはインジケータとして使用されてもよい値を備える。パラメータ「SearchSpaceSetPoolIndex」または「SearchSpaceSetGroupIndex」に関して同じ値と関連付けられた探索空間セットは、探索空間セット・プールを形成すると考えられ得る。
【0082】
図5は、新上位層パラメータ「SearchSpaceSetPoolIndex」を備える探索空間セットの上位層構成の一例を示す。探索空間セット・プールの識別子は、探索空間セット・プール・インデックスまたは探索空間セット・プール・インジケータまたは探索空間セット・プール識別子(ID)と呼ばれることがあることに留意されたい。
【0083】
オプション2:同じ探索空間セット・プールに属する探索空間セットの識別子(ID)またはインデックスまたはインジケータのリストを備える、新上位層情報要素が定義される。図6は、例示的なこのような上位層情報要素を示す。情報要素は、探索空間セット・プールを識別するインデックスまたはインジケータを備え得る。
【0084】
オプション3:媒体アクセス制御・制御要素(MAC-CE)メッセージが、1つの探索空間セット・プールに対して複数の探索空間セットの関連付けを実施するUEに対し提供される。MAC-CEメッセージは、媒体アクセス制御(MAC)層を介して取得される。MAC-CEメッセージは、UEの所定のフィールドのセット(たとえば固定されており、仕様から知られる)を持つ1つまたは複数のオクテットを備える。たとえば、UEは、gNBまたは他の任意のネットワーク・ノードからMAC-CEメッセージを受信して、少なくとも以下のフィールド:探索空間セットIDのリスト、および任意選択で探索空間セット・プール・インデックスまたはインジケータまたは識別子ID、を備える探索空間セット・プールを示すことができる。
【0085】
本開示における「DCI内容」という用語は、あるフォーマットの単一のダウンリンク制御情報の内容を表すことに留意されたい。加えて、同じ/単一のDCI内容と関連付けられたPDCCH候補の標示、または1つのDCI内容と関連付けられたPDCCH候補の標示は、本開示において、以下のうちの1つを意味し得る。
- 関連付けられたすべてのPDCCH候補は、特別なフォーマットの単一のDCIおよび特別なビット・ストリームと関連付けられている。
- 各PDCCH候補は、特別なフォーマットのDCIと関連付けられてもよく、すべてのDCIが同じ機能性を有する。すなわち、すべてのDCIが、同じPDSCH、PUSCH、サイドリンクをスケジューリングし、同じスロット・フォーマット標示を提供し、電力制御コマンド、またはソフト・リソースの利用可否等を送信することができる。各DCIによって搬送される情報は、他の少なくとも1つのDCIと比べて、一部が異なっている可能性がある。1つの例では、DCIによって示されるTCI状態設定値は、同じPDSCHまたはPUSCHをスケジューリングするDCIのものとは異なっていることがある。別の例では、PDSCHまたはPUSCHをスケジューリングするためのDCIの時間領域リソース割り当てと関連付けられたパラメータ(たとえば、スロット・オフセット、シンボル開始インデックスおよびPDSCH/PUSCH長)は、異なっていることがある。例として、DCIが送信されるスロットに応じて、DCIのスロット・オフセット値が異なっている可能性がある。
【0086】
DCIの内容は、処理され、変調され、1つまたは複数のCCEにマッピングされる。
本開示では、DCIの送信処理は、あるフォーマットに従うDCI内容に対する以下の動作:ゼロ・パディング、CRC添付、誤り制御コーディング方法を用いた符号化、インターリービング、速度マッチングおよび変調、のうちの少なくとも1つを実施することを表す。
【0087】
「DCI内容と関連付けられたPDCCH候補」という語句は、本開示において、関連付けられたPDCCH候補のうちの1つまたは複数のCCEが、前記送信処理されたDCIの一部だけ、または前記送信処理されたDCIの全部のどちらかを備え得ることを示唆することがある。
【0088】
「探索空間セット・プール」という用語は、本明細書において、1つまたは複数の探索空間セット内に提供されるPDCCH候補のプールを示すために使用され、1つまたは複数の探索空間セットからのPDCCH候補の1つまたは複数のグループが実在することができ、各グループが1つまたは複数のPDCCH候補を備え、各グループ内のPDCCH候補が、同じDCI内容と関連付けられる、ということにさらに留意されてもよい。前記PDCCH候補と関連付けられた探索空間セットのうちの1つのセットの監視されるシンボルまたはスロットは、前記PDCCH候補と関連付けられた別の探索空間セットのシンボルまたはスロットと異なっていてもよい。たとえば、同じDCI内容と関連付けられたPDCCH候補は、同じスロットまたは異なるスロットと関連付けられることが可能である。すなわち、PDCCH候補はスロット内で多重化(スロット内時分割多重化)され、またはスロット全体にわたって多重化(スロット間時分割多重化)されることが可能である。「探索空間セット・プール」という用語は、「探索空間セット・グループ」または「探索空間セット関連付け」のような他の用語と交換可能に使用されることがある。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、UEは、1つまたは複数の探索空間セットを探索空間セット・プールと関連付けることによって構成され、PDCCH候補のM≧1個のセットが実在する可能性があり、m番目のセット(m=1,2,・・・,M)は、探索空間セット・プール内のS≧1個の探索空間セット上で監視されるK>1個のPDCCH候補を備え、m番目のセット内のK個すべてのPDCCH候補は、同じDCI内容と関連付けられている。同じDCI内容と関連付けられているK個のPDCCH候補上で送信されたPDCCHは、UEによって結合されるかまたは共に処理されて、複数のPDCCHからのDCIを復号することが可能である。単一のDCIを探索空間セット・プールからの複数のPDCCH候補と関連付ける一例が、図7に提供されている。示すように、SSセット・プールからの、(場合によりアグリゲーション・レベル(AL)が異なる)複数のPDCCH候補(印が付けられたボックス)が、同じDCI内容と関連付けられている。
【0090】
一実施形態によれば、UEは、PDCCH候補の上記M≧1個のセットの標示を、上位層を介して受信するように構成され、各セットのPDCCH候補は、同じDCI内容と関連付けられている。
【0091】
別の実施形態によれば、PDCCH候補の上記M≧1個のセットの構成は、UEに知られている(たとえば、仕様で固定されている)か、またはUEによって決定され、gNBもしくは他の任意のネットワーク・ノードに対して報告される。
【0092】
本明細書では、複数のPDCCH候補を用いる、ネットワーク・ノードによってDCIを送信するための2つの異なる方法が提示される。
1)送信方法1:DCIが送信処理され、変調されたシンボルがいくつかのCCEにマッピングされる。CCEは、いくつかのPDCCH候補にマッピングされる。これは、各PDCCH候補がDCIの一部と関連付けられることを意味する。DCIの異なる部分を備えるCCEは、DCIと関連付けられた複数のPDCCH候補からUEによって収集されて、DCIを復号する。
2)送信方法2:いくつかのCCEが複数のDCIと関連付けられ、各DCIがPDCCH候補のCCEにマッピングされ、すべてのDCIは同じ内容と関連付けられており、すなわち、すべてのDCIが同じフォーマットおよびビット・ストリームを有するか、またはすべてのDCIが同じ機能性を有しており、少なくとも1つのDCIのフォーマットおよび/またはビット・ストリームは、他の1つのDCIと比べて異なり得る。DCIの送信処理は、別々のPDCCH候補に対して同一であっても同一でなくてもよい。この送信方法は、本質的に、各PDCCH候補中のDCI内容を同一または非同一の送信処理によって繰り返す。すべてのPDCCH候補が、同じDCI内容と関連付けられる。すなわちDCIは、UEによって、前記PDCCH候補のうちの少なくとも1つからCCEを復号することによって取得されることが可能である。UEは、PDCCH候補のうちの1つまたは複数を選択および復号してDCIを取得すること、あるいは、DCIと関連付けられた2つ以上のPDCCH候補から取得されたCCEを結合して、および/またはその共同処理を実施して、DCI復号の信頼性を改善することができる。
それゆえに、送信方法1は、ダイバーシティ・ベースのPDCCH送信方式であり、送信方法2は、信頼性ベースの送信方式である。両方式は、PDCCHの復号性能の改善を目的としている。
【0093】
以下の2つの異なる送信の方式は、DCI内容が、上記の第2の方法に従って、UEによって受信された複数のPDCCH上で繰り返されるときに、UEにおける別々の結合方法に場合によってはなり得る。
(i)方式1:同じDCI内容と関連付けられている探索空間セット・プール内の探索空間セットのPDCCH候補は、同じ数の制御チャネル要素(CCE)を備えることができ、すなわち、同じアグリゲーション・レベルと関連付けられている。DCIの送信処理は同一であるか、または少なくとも、速度マッチングされた出力の長さが、すべての受信PDCCHで同一である。すなわち、速度マッチング後に各PDCCH候補にマッピングされるように提供されるビットのセットは、同一の送信処理を採用することによって同一であり、あるいは、すべての関連付けられたPDCCH候補が同一数のCCEを備えるので、少なくとも同一数のビットが、各PDCCH候補にマッピングされるように使用可能である。すべての受信PDCCHでのDCIの送信処理が同一である場合、UEは、同じDCI内容と関連付けられたPDCCH候補上で監視される受信PDCCH(等化後)を結合し、次に、結合されたPDCCHに基づいてDCIを復号することができる。別の場合では、UEは、受信PDCCHの共同処理および復号を実施してDCIを復号することができる。第3の場合では、UEは、受信PDCCHのうちの1つまたは複数を処理および復号するように選択してDCIを取得することができる。たとえば、UEは、DCIと関連付けられたPDCCH候補を1つずつ復号することを、DCIが成功裏に復号されるまで試みることができる。別の例では、UEは、関連付けられたPDCCH候補の中から1つを選ぶこと、および、それを復号してDCIを取得することを試みることができる。
(ii)方式2:同じDCI内容と関連付けられている探索空間セット・プール内の探索空間セットのPDCCH候補は、異なる数の制御チャネル要素(CCE)を備えることができ、すなわち、異なるアグリゲーション・レベルと関連付けられている。この場合、受信PDCCHでのDCIの送信処理は同一ではない可能性がある。UEは、DCIの復号動作中、同じDCI内容と関連付けられたPDCCH候補上で監視された受信PDCCHを共同で処理することができる。別の場合では、UEは、受信PDCCHのうちの1つまたは複数を、処理および復号してDCIを取得するように選択することができる。たとえば、UEは、DCIと関連付けられたPDCCH候補を1つずつ復号することを、DCIが成功裏に復号されるまで試みることができる。別の例では、UEは、関連付けられたPDCCH候補の中から1つを選ぶこと、および、それを復号してDCIを取得することを試みることができる。
【0094】
いくつかの実施形態によれば、UEは、gNBまたは他の任意のネットワーク・ノードから上位層を介して1つの標示を受信するように構成されており、この標示は、同じDCI内容と関連付けられている同じ探索セット・プールと関連付けられた探索空間セットのPDCCH候補上でUEによって受信されたPDCCHが、各PDCCH内に送信処理されたDCIの一部を備えるのか、それとも、同じDCI内容と関連付けられている同じ探索セット・プールと関連付けられた探索空間セットのPDCCH候補上でUEによって受信されたPDCCHが、各PDCCH内に送信処理されたDCI内容の全部を備えるのか、を示す。このことは、第1の方法では、単一のDCIをカバーしているCCEがPDCCH候補全体にわたって分散していること、すなわち各PDCCH候補がDCIの一部を備えること、を意味する。したがって、1つより多いPDCCHからのCCEが、DCIを復号するために必要とされる。
【0095】
第2の方法では、いくつかのCCEが複数のDCIと関連付けられ、すべてのDCIが同じ内容を搬送する。CCEはいくつかのPDCCH候補にマッピングされ、各PDCCH候補はDCIと関連付けられる。UEは、1つまたは複数の個々のPDCCH候補を選択的に処理することができ、あるいは複数の受信PDCCHを結合して、および/またはその共同処理を実施して、復号の信頼性を改善することができる。第2の方法におけるPDCCH候補は、アグリゲーション・レベルが同一であっても同一でなくてもよく、また、PDCCH候補にマッピングされる前のDCI内容の送信処理は、同一であっても同一でなくてもよい。
【0096】
第1または第2の方法を探索空間セット・プールと関連付けることは、上位層のシグナリングまたはMAC-CEメッセージを介して実施されてもよい。MAC-CEメッセージは、たとえば、少なくとも以下のフィールド:探索空間セット・プールID、および送信方法を示すためのフィールド、を備え得る。別の例では、この方法は一般に、構成されたすべての探索空間セット・プールについて、上位層を介して示されてもよい。
【0097】
同じDCI内容と関連付けられている、同じプール内の異なる探索空間セットのPDCCH候補の標示は、gNBまたは他の任意のネットワーク・ノードによって構成されてもよく、または、プール内の異なる探索空間セットからのPDCCH候補を同じDCI内容と関連付けることは、仕様で提供されてもよい(すなわち、UEに推測的に知られている)。
【0098】
探索空間セット・プール内のPDCCH候補同士の関連付けの諸例は、以下で提供される。
<探索空間セット・プール内のPDCCH候補と同一アグリゲーション・レベルとの関連付け>
探索空間セット・プール内の1つまたは複数の探索空間セットからのPDCCH候補を関連付けるための第1の方法は、PDCCHのアグリゲーション・レベルに基づいている。たとえば、送信方法2の方式1のような、複数のPDCCHを介して同じDCI内容を送信するとき、すべてのPDCCHのアグリゲーション・レベルが同一であってもよい。
【0099】
一実施形態によれば、UEは、1つまたは複数の探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けによって構成され、PDCCH候補のM≧1個のセットが実在する可能性があり、m番目のセット(m=1,2,・・・,M)は、探索空間セット・プール内のS>1個の探索空間セット上で監視されるK>1個のPDCCH候補を備え、m番目のセット内のK個すべてのPDCCH候補は、同じアグリゲーション・レベルおよび同じDCI内容と関連付けられる。
【0100】
用いられる送信方法に応じて、UEは、前記PDCCH候補上で受信されたPDCCHの適切な処理(たとえば、CCEの結合、共同処理または一括の復号)を実施して、より高い信頼性を達成することができ、またはPDCCH送信の他の任意の性能測定基準を改善することができる。
【0101】
この方法を用いる例示的な関連付けは以下の通りである:探索空間セット・プール内の少なくとも2つの探索空間セットの、アグリゲーション・レベルL(このアグリゲーション・レベルが設定されている場合)のi番目のPDCCH候補が、同じDCI内容と関連付けられる。同じプール内の探索空間セットのPDCCH候補間の対応関係は、1つの探索空間セットのPDCCH候補に対して、対応するPDCCH候補が別の探索空間セット内に実在するときにだけ適用できる。互いに対応するPDCCH候補は、同じDCI内容と関連付けられる。
【0102】
注:値iはまた、「i番目のPDCCH候補」と言明する場合、PDCCH候補のインデックスと考えられ得る。PDCCH候補にインデックス付けする2つの異なる方法があり得る。インデックスiは、探索空間セット内の特定のアグリゲーション・レベルと関連付けられてもよい。すなわち、1つのインデックスに対するPDCCH候補の順序付けは、探索空間セット内の所与のアグリゲーション・レベルについて実施されてもよい。たとえば、アグリゲーション・レベルがLの4つのPDCCH候補と、アグリゲーション・レベルがLの4つのPDCCH候補とを備えるSSセットを考える。探索空間セットにおいてPDCCH候補を一意に識別するには、PDCCH候補のインデックス、たとえばiとそのアグリゲーション・レベルが言及されて、探索空間セット内で識別しなければならない。PDCCH候補のインデックスだけが、たとえばi=1が与えられたとすれば、それがアグリゲーション・レベルLまたはLの第1のPDCCH候補を表すことができる。したがって、PDCCH候補を識別するには、アグリゲーション・レベルの標示も必要とする。インデックス付けの別の方法では、SSセット内のすべてのPDCCH候補が一括してインデックス付けされるのが可能である。たとえば、アグリゲーション・レベルがLの4つのPDCCH候補と、アグリゲーション・レベルがLの4つのPDCCH候補とを持つSSセットを考える。インデックス1~4は、アグリゲーション・レベルがLの4つのPDCCH候補を表し、インデックス5~8は、アグリゲーション・レベルがLの4つのPDCCH候補を表すことができる。どちらのインデックス付け方法でも、インデックス付けは、1ではなく0から開始することも可能であることにも留意されたい。
【0103】
一例として、同じ探索空間セット・プールと関連付けられている2つの探索空間セットsおよびsを考える。探索空間セットsは、アグリゲーション・レベル2の2つのPDCCH候補と、アグリゲーション・レベル4の2つのPDCCH候補とを備えるとする。さらに、探索空間セットsは、アグリゲーション・レベル2の4つのPDCCH候補と、アグリゲーション・レベル4の4つのPDCCH候補とを備えるとする。この例によれば、以下のPDCCH候補の対が、同じDCI内容と関連付けられる。
- アグリゲーション・レベル2の、探索空間セットs内の第1のPDCCH候補と、アグリゲーション・レベル2の、探索空間セットs内の第1のPDCCH候補。
- アグリゲーション・レベル2の、探索空間セットs内の第2のPDCCH候補と、アグリゲーション・レベル2の、探索空間セットs内の第2のPDCCH候補。
- アグリゲーション・レベル4の、探索空間セットs内の第1のPDCCH候補と、アグリゲーション・レベル4の、探索空間セットs内の第1のPDCCH候補。
- アグリゲーション・レベル4の、探索空間セットs内の第2のPDCCH候補と、アグリゲーション・レベル4の、探索空間セットs内の第2のPDCCH候補。
【0104】
探索空間セットsの残りのPDCCH候補(すなわち、アグリゲーション・レベル2および4であるため取り残された2つのPDCCH候補)には、対応するPDCCH候補が探索空間セットs内にない。同じDCI内容を持つPDCCH候補間のこの関連付けは、上位層を介して構成もしくは示され、または仕様によって明確に知られる。
【0105】
同じプール内の探索空間セット中のPDCCH候補間の対応関係は、1つの探索空間セットのPDCCH候補に対して、対応するPDCCH候補が別の探索空間セット内に実在する場合にだけ適用されることに留意されたい。
【0106】
別の例では、同じ探索空間セット・プールと関連付けられている2つの探索空間セットsおよびsを考える。探索空間セットsは2つのPDCCH候補によって構成され、それぞれアグリゲーション・レベルが1、2および4であるとし、探索空間セットsは4つのPDCCH候補によって構成され、それぞれアグリゲーション・レベルが2および4であるとする。この例では、以下のPDCCH候補の対が、同じDCI内容と関連付けられる。
- アグリゲーション・レベル2の、探索空間セットs内の第1のPDCCH候補と、アグリゲーション・レベル2の、探索空間セットs内の第1のPDCCH候補。
- アグリゲーション・レベル2の、探索空間セットs内の第2のPDCCH候補と、アグリゲーション・レベル2の、探索空間セットs内の第2のPDCCH候補。
- アグリゲーション・レベル4の、探索空間セットs内の第1のPDCCH候補と、アグリゲーション・レベル4の、探索空間セットs内の第1のPDCCH候補。
- アグリゲーション・レベル4の、探索空間セットs内の第2のPDCCH候補と、アグリゲーション・レベル4の、探索空間セットs内の第2のPDCCH候補。
【0107】
探索空間セットs内の残りのPDCCH候補(アグリゲーション・レベル値2および4であるためそれぞれ取り残された2つのPDCCH候補、すなわちアグリゲーション・レベル2および4の第3および第4のPDCCH候補)と、探索空間セットs内の残りのPDCCH候補(アグリゲーション・レベル値1の2つのPDCCH候補)とには、対応するPDCCH候補が他の探索空間セット内にない。同じDCI内容を持つPDCCH候補間のこの関連付けは、上位層を介して構成もしくは示され、または仕様によって明確に知られる。
【0108】
探索空間セット・プール内の探索空間セットのそれぞれにおいて、アグリゲーション・レベルLに対して同数のPDCCH候補が提供されるならば、同じプール内の探索空間セットのPDCCH候補間には完全な対応関係があり得る。
【0109】
さらに別の例では、プール内のすべての探索空間セットは、同一のアグリゲーション・レベルのセットによって構成され、同一数のPDCCH候補が各アグリゲーション値に対して提供される。この場合、プール内の探索空間セットの任意の所与のPDCCH候補に対して、同じDCI内容と関連付けられた対応するPDCCH候補が、プール内の他のすべての探索空間セット中にある。
【0110】
<アグリゲーション・レベルが異なる探索空間セットのPDCCH候補同士の関連付け>
UEとTRP間のリンク品質が大きく変動するときのマルチTRP送信の場合に、各TRPからのPDCCH送信のためにそれぞれ異なるコーディング速度が必要とされることがある。したがって、異なるTRPからのPDCCHのCCEの数(アグリゲーション・レベル)は変化し得る。このような場合、同じプール内の探索空間セットの、異なるアグリゲーション・レベルのPDCCH候補間の関連付けが、以下で説明されるように用いられることがある。
【0111】
一実施形態によれば、アグリゲーション・レベルの順序付けが、探索空間セット・プールの各探索空間セット内で、昇順または降順で実施され、探索空間セット・プール内の2つ以上の探索空間セットのl番目に順序付けられたアグリゲーション・レベルのi番目のPDCCH候補が、同じDCI内容と関連付けられる。同じDCI内容を持つプール内の探索空間セット中のPDCCH候補間の対応関係は、1つの探索空間セットのPDCCH候補に対して、対応するPDCCH候補が別の探索空間セット内に実在する場合にだけ適用できることに再度留意されたい。この方法は、以前に説明された送信方法1および2の両方に適用されることが可能である。
【0112】
たとえば、同じ探索空間セット・プールと関連付けられている2つの探索空間セットsおよびsを考える。探索空間セットsは2つのPDCCH候補によって構成され、それぞれアグリゲーション・レベルが1、2および4であるとし、探索空間セットsは4つのPDCCH候補によって構成され、それぞれアグリゲーション・レベルが2および4であるとする。アグリゲーション・レベルは、すべての探索空間セットにおいて昇順に順序付けられてもよい。この場合、上記の実施形態によれば、セットs内のアグリゲーション・レベル1のPDCCH候補と、セットs内のアグリゲーション・レベル2のPDCCH候補とは、同じDCI内容と関連付けられることが可能である。同様に、セットs内のアグリゲーション・レベル2のPDCCH候補と、セットs内のアグリゲーション・レベル4のPDCCH候補とは、同じDCI内容と関連付けられる。具体的には、以下のPDCCH候補の対が結合されるまたは共に処理されて、関連付けられた共通DCI内容が取得され得る。
- アグリゲーション・レベル1の、探索空間セットs内の第1のPDCCH候補と、アグリゲーション・レベル2の、探索空間セットs内の第1のPDCCH候補。
- アグリゲーション・レベル1の、探索空間セットs内の第2のPDCCH候補と、アグリゲーション・レベル2の、探索空間セットs内の第2のPDCCH候補。
- アグリゲーション・レベル2の、探索空間セットs内の第1のPDCCH候補と、アグリゲーション・レベル4の、探索空間セットs内の第1のPDCCH候補。
- アグリゲーション・レベル2の、探索空間セットs内の第2のPDCCH候補と、アグリゲーション・レベル4の、探索空間セットs内の第2のPDCCH候補。
【0113】
探索空間セットs内の残りのPDCCH候補(アグリゲーション・レベル値2および4のそれぞれ取り残された2つのPDCCH候補 - アグリゲーション値2および4の第3および第4のPDCCH候補)と、s内の残りのPDCCH候補(アグリゲーション・レベル値4の2つのPDCCH候補)とには、対応するPDCCH候補が探索空間セットs内にない。
【0114】
マルチTRPシナリオでは、探索空間セットは、異なるCORESETと関連付けられてもよく、各CORESETは、異なるCORESETpoolIndex値によって構成される。この場合、探索空間セット・プール構成の上記の構成は、同じDCI内容のマルチTRP PDCCH送信を容易にするために、マルチTRP送信の場合に対して拡張されることが可能である。一実施形態によれば、UEは、1つまたは複数の探索空間セットと1つの探索空間セット・プールとの関連付けを提供する上位層の標示または構成を受信するように構成され、各探索空間セットがCORESETと関連付けられ、各CORESETがCORESETpoolIndexと関連付けられ、探索空間セット・プール内の2つの異なる探索空間セットと関連付けられた少なくとも2つのCORESETが、パラメータCORESETpoolIndexの異なる値によって構成される。探索空間セット・プール内の探索空間セットと関連付けられたCORESETが、異なるCORESETpoolIndex値によって構成される場合、CORESETと関連付けられた探索空間セットは、異なるTRPと関連付けられることが可能である。この手法は、DCIの信頼性またはダイバーシティを向上させるマルチTRPベースのPDCCH送信を容易にする。
【0115】
<2つ以上の探索空間セットからのPDCCH候補同士を関連付けるための方法>
以下の実施形態は、PDCCH候補同士を関連付けるための方法を提供する。
一実施形態によれば、UEは、2つ以上の探索空間セットSと同じ探索空間セット・プールとの関連付けによって構成され、PDCCH候補のM≧1個のセットが存在している可能性があり、m番目のセット(m=1,2,・・・,M)は、S>1個の探索空間セット上でUEによって監視されるK>1個のPDCCH候補を備え、m番目のセット内のK個すべてのPDCCH候補が、同じDCIまたはDCI内容と関連付けられる。異なる探索空間セットからのPDCCH候補の関連付けは、NR仕様で固定されること、またはgNBもしくは他の任意のネットワーク・ノードによってUEに対して示されることが可能である。PDCCH候補の関連付けは、以下のうちの少なくとも1つに基づいて実施され得る。
- 関連付けられている別々のSSセットからのPDCCH候補は、それが属するそれぞれの探索空間セット内で同じPDCCH候補インデックスを有することができ、および/または
- 関連付けられている別々のSSセットからのPDCCH候補は、PDCCH候補の第1のCCEに対して同じインデックスを有することができ、および/または
- 関連付けられている別々のSSセットからのPDCCH候補は、上位層構成、またはUEに対する標示を介して明確に示され得る。
【0116】
PDCCH候補インデックスを用いたPDCCH候補の関連付けの一例は次の通りである:同じ探索空間セット・プールと関連付けられている2つの探索空間セットsおよびsを考える。探索空間セットsが、合計でn個の、すべてのアグリゲーション・レベルのPDCCH候補を備え、探索空間セットsが、合計でn個の、すべてのアグリゲーション・レベルのPDCCH候補を備え、nはnに等しいことも等しくないこともあるとする。この場合、探索空間セットs内の、インデックスがiのPDCCH候補またはi番目のPDCCH候補は、探索空間セットs内の、同じPDCCH候補インデックスiまたはi番目のPDCCH候補と関連付けられる。インデックスがiのPDCCH候補またはi番目のPDCCH候補が、探索空間セットのうちの1つに存在していない場合、たとえばiの値が、探索空間セットs内のPDCCH候補インデックスを超える場合には、関連付けられたPDCCH候補が探索空間セットs内にはない可能性がある。関連付けられたPDCCH候補は、アグリゲーション・レベルが同じであることもないこともある。
【0117】
PDCCH候補の第1のCCEのインデックスを用いるPDCCH候補の関連付けの一例は、次の通りである:同じ探索空間セット・プールと関連付けられている2つの探索空間セットsおよびsを考える。探索空間セットsは、2つのPDCCH候補を備える。探索空間セットsもまた、2つのPDCCH候補を備える。例として、SSセットs内の2つのPDCCH候補に対する第1のCCEのインデックスは、2および3であり、SSセットs内の2つのPDCCH候補に対する第1のCCEのインデックスは、3および2である。この場合、SSEセットsの第1のPDCCH候補は、SSセットsの第2のPDCCH候補と関連付けられ、SSセットsの第2のPDCCH候補は、SSセットsの第1のPDCCH候補と関連付けられる。ここで再び、関連付けられたPDCCH候補は、アグリゲーション・レベルが同じであることもないこともある。
【0118】
諸実施形態によれば、UEは、2つ以上の異なる探索空間セット間の関連付けを受信するように構成され、少なくとも2つの探索空間セットからの少なくとも2つのPDCCH候補は、以下の手段のうちの1つで、上位層構成または標示を介して関連付けられることが可能である。
- 互いに関連付けられている、またはリンクされている2つのSSセットからのPDCCH候補のうちの少なくとも1つのセットのインデックスを少なくとも備える、上位層情報要素、構成、または標示(たとえば、RRCまたはMAC)。
- SSセット中のPDCCH候補間の特定の関連付け方式に対する標示を提供する、上位層情報要素、構成、または標示(たとえば、RRCまたはMAC)。いくつかの例では、2つの方式があり、第1の方式が示された場合には、異なるSSセット内の、同じPDCCH候補インデックスを持つPDCCH候補が、互いに関連付けられるかリンクされ、第2の方式が示された場合には、異なるSSセット内の、第1のCCEと同じインデックスを持つPDCCH候補が、互いに関連付けられるかリンクされる。
【0119】
本開示で説明されているすべての方法に関して、PDCCH候補を同じDCI内容と関連付けることは、複数のPDCCHの送信が同じシンボルのセット内で、または少なくとも、ある制限されたシンボルのセット内で実施されることを意味し得る。このような制限の理由は、たとえば、DCIが、PDSCHまたはPUSCHのスケジューリングのために意図されることがあるためであり得る。DCIは、PUSCH送信またはPDSCH受信より前に復号されなければならず、それゆえに、DCIと関連付けられたすべてのPDCCH候補は、DCIの復号を完了してDCI中の命令を遂行するために、同時に、または少なくとも特定の持続時間内に受信されなければならない。同様に、同じ探索空間セット・プールに属する探索空間セットのPDCCH候補は、それが共有制御情報を備えるので、同じ周期およびオフセットで監視される必要がある。したがって、前述のものを包含するいくつかのパラメータは、同じDCIが前記探索空間セット上で送信されることが可能なように、探索空間セット・プール内の探索空間セット間で共有されなければならない場合がある。
【0120】
一実施形態によれば、UEは、ネットワーク・ノードから、1つまたは複数の探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けを提供する上位層の標示または構成を受信するように構成され、前記プール内の探索空間セットに対して設定された以下のパラメータのうちの少なくとも1つの値が、前記探索空間セット・プール内の別の探索空間セットに対して設定された対応するパラメータと同一である:探索空間タイプ、監視されるべきDCIフォーマット、監視スロット周期およびオフセット、探索空間持続期間、ならびに関連付けられたCORESETの周波数領域リソースが構成されているダウンリンク帯域幅。
【0121】
<探索空間セットおよびCORESETとTCI状態との関連付け>
上述のように、1つまたは複数の探索空間セットを探索空間セット・プールと関連付けることは、探索空間上のPDCCHがUEによって受信されるための信頼性を改善する助けになり得る。この特徴の拡張は、1つまたは複数の探索空間セットまたはCORESETを異なるTCI状態と関連付けることになる。このことは、探索空間セットまたはCORESETで受信されたPDCCHが、様々なビームによって送信される、または1つもしくは複数のネットワーク・ノードと関連付けられた様々なTRPもしくは送信パネルから送信される可能性があることを意味し得る。PDCCHを多数受信することは、PDCCHを復号するときの信頼性の向上をもたらす。この受信は、多くの手段で実施され得る。
【0122】
一実施形態によれば、UEは、1つまたは複数のTCI状態と1つまたは複数の探索空間セット・プールとの関連付けを受信するように構成される。UEは、この関連付けの標示を、PHY層の標示、MAC-CEメッセージ(すなわち、MAC-CE層標示)を介して、または上位層を介して受信するように構成されることが可能である。別の代替形態では、関連付けは固定され、3GPP NR仕様で提供されることが可能である。UEが1つまたは複数のTCI状態と探索空間セット・プールとの関連付けを取得した後に、UEは、TCI状態で提供されたQCL仮定を、PDCCHを受信するための1つまたは複数の監視機会の間、探索空間セット・プールと関連付けられた探索空間セットに適用することができる。特殊な場合には、UEは、関連付けられたTCI状態で提供されたQCL仮定を次々に、探索空間セット・プールに対する一連の1つまたは複数の監視機会の間に、少なくとも1つのPDCCHを受信するために、前記探索空間セット・プールに適用することができる。たとえば、探索空間セット・プールが2つのTCI状態と関連付けられている場合、UEは、少なくとも1つのPDCCHを受信するための第1のTCI状態を、第1の監視機会の間に前記探索空間セット・プールに適用するとともに、少なくとも1つのPDCCHを受信するための第2のTCI状態を、第2の監視機会の間に前記探索空間セット・プールに適用することができる。加えて、CORESETと関連付けられたTCI状態を監視機会に対してマッピングすることは、ネットワーク・ノードによってUEに対して構成された上位層構成を介して実施されることが可能であるか、またはUEに知られている、すなわち、3GPP仕様によって予め決められている。たとえば、CORESETがTCI状態TおよびTと関連付けられている場合、上位層構成は、TCI状態Tが、奇数の監視機会に対して適用されるべきであり、TCI状態Tが、奇数の監視機会に、さらには偶数の監視機会に対して適用されるべきであることを示すことができる。別の例では、CORESETがTCI状態T,...,Tと関連付けられている場合(ただしn>1)、上位層構成は、監視機会M={m,...,m}の間(ただしp≧1)、TCI状態T,i∈{1,2,...,n}が監視機会Mi⊆Mに対して適用されるべきであることをUEに対して示すことができ、ここで、TCI状態Tが適用された監視機会のセット、M⊆Mと、TCI状態Tが適用された監視機会のセット、M⊆Mとに関して、任意のi,j=1,…,nおよびi≠jについて、M≠Mであり、すなわち、MとMは等しくないセットである。
【0123】
一実施形態によれば、UEは、1つまたは複数のTCI状態と1つまたは複数のCORESETとの関連付けを受信するように構成される。UEは、この関連付けの標示を、PHY層の標示、MAC-CEメッセージ(すなわち、MAC-CE層標示)を介して、または上位層の標示を介して受信するように構成されることが可能である。別の代替形態では、関連付けは固定され、3GPP NR仕様で提供されることが可能である。UEが、CORESETと関連付けられた1つまたは複数のTCI状態を取得した後に、UEは、TCI状態のうちの少なくとも1つで提供されたQCL仮定を、1つまたは複数の監視機会の間、少なくとも1つのPDCCHを受信するために、CORESETと関連付けられた1つまたは複数の探索空間セットに適用することができる。特殊な場合には、UEは、少なくとも1つのPDCCHを受信するための関連付けられたTCI状態で次々に提供されたQCL仮定を、一連の1つまたは複数の監視機会の間、前記CORESETに適用することができる。たとえば、CORESETが2つのTCI状態と関連付けられている場合、UEは、少なくとも1つのPDCCHを受信するための第1のTCI状態を、第1の監視機会の間、CORESET中の少なくとも1つの探索空間セットに適用するとともに、少なくとも1つのPDCCHを受信するための第2のTCI状態を、第2の監視機会の間、少なくとも1つの探索空間セット(探索空間セットは、第1の監視機会の時と同じであるか、または異なる)に適用することができる。別の場合では、UEは、2つ以上のTCI状態と単一のCORESETとの関連付けを取得することができ、UEは、少なくとも1つのPDCCHを受信するためのTCI状態のうちの少なくとも1つにおいて提供されたQCL仮定を、1つまたは複数の監視機会の間、CORESET中の少なくとも1つの探索空間セットに適用することができる。この場合の一例は以下の通りである:CORESETが2つのTCI状態と関連付けられている場合、UEは、1つまたは複数のPDCCHを受信するための第1のTCI状態を、1つまたは複数の監視機会の間、探索空間セットの第1のグループに適用し、1つまたは複数のPDCCHを受信するための第2のTCI状態を、1つまたは複数の監視機会の間、探索空間セットの第2のグループに適用することができる。前記探索空間セットの各グループは、1つまたは複数の探索空間セットを備えることがあり、グループ自体は、共通の探索空間セットを有していることも、互いに素であることもある。第3の場合では、UEは、2つ以上のTCI状態と単一のCORESETとの関連付けを取得することができ、ここでUEは、少なくとも1つのPDCCHを受信するためのTCI状態のすべてで提供されたQCL仮定を少なくとも1つの監視機会において、CORESET中の探索空間セットのうちの少なくとも1つに適用することができる。
【0124】
上記の方法の拡張においては、CORESET中の探索空間セットは、以前の方法で説明されたように、1つまたは複数の探索空間セット・プールと関連付けられてもよい。UEは、CORESETと関連付けられた1つまたは複数のTCI状態を取得した後、TCI状態で提供されたQCL仮定を、1つまたは複数の監視機会の間、CORESETと関連付けられた1つまたは複数の探索空間セット・プール内の1つまたは複数の探索空間セットに適用する。この方法の一バージョンでは、UEは、1つのCORESETに対して2つ以上のTCI状態を受信することができる。その場合、UEは、第1のTCI状態のQCL仮定を、CORESETと関連付けられた少なくとも1つの探索空間セット・プール内の1つまたは複数の探索空間セットに適用し、第2のTCI状態のQCL仮定を、CORESETと関連付けられた少なくとも1つの別の探索空間セット・プール内の1つまたは複数の探索空間セットに適用することができる。
【0125】
上記の方法の別の拡張では、UEは、CORESETと関連付けられた1つまたは複数のTCI状態を取得した後、TCI状態内のQCL仮定を、1つまたは複数の監視機会の間、前記CORESET中の1つまたは複数の探索空間セットに適用することができる。この方法の一バージョンでは、スロットnでの監視機会の間、1つのCORESETが、監視されるべきs≧1個の探索空間セットを備え、CORESETと関連付けられたt>1個のTCI状態がある場合、UEは、以下の動作のうちの1つを実施することができる。
- UEは、s≦s個のTCI状態からのQCL仮定をTCI状態の、ある順序付け後に、および/またはTCI状態と探索空間セットの間のマッピング後に、CORESET中のs個の探索空間セット内の少なくとも1つのPDCCHを受信するために、s個の探索空間セットに適用する、あるいは
- UEは、t≦t個のTCI状態からのQCL仮定をTCI状態の、ある順序付けの後に、および/またはTCI状態と探索空間セットの間のマッピング後に、CORESET中のs個の探索空間セット内の少なくとも1つのPDCCHを受信するために、s個の探索空間セットに適用する。
変数s、t、s、tは、任意の適切な値をとることができる。1つの探索空間セットが、2つ以上の異なるTCI状態にマッピングされてもよく、単一のTCI状態が、2つ以上の異なる探索空間セットにマッピングされてもよいことに留意されたい。
【0126】
上記の方法は、2つの手段でPDCCHの信頼性強化への道を開く。
1)DLにおいて複数のTRPまたはパネルまたはビームを介して、PDCCHを送信すること。
2)情報を制御するために、複数の探索空間またはPDCCH候補上でPDCCHを送信すること。
上記の手段を用いて複数のバージョンのPDCCHを繰り返すこと、または送信することが、受信PDCCHの周波数、時間、および空間ダイバーシティを増加させ、それによってPDCCHの復号中の信号対雑音比が改善する。
【0127】
<PDCCH候補間または探索空間セット間の関連付けの動的な標示または切り替え>
上述の方法では、探索空間セット同士の、または1つもしくは複数の探索空間セットと関連付けられている2つ以上のPDCCH候補同士の関連付けについて論じられる。以下の実施形態では、ダイバーシティ・ベースまたは信頼性ベースのPDCCH送信と、レガシーまたは非信頼性ベースのPDCCH送信との間の動的な切り替えについて論じる。たとえば、異なるタイプのトラフィック(たとえば、低レイテンシ対高データ速度のトラフィック)によってUEがサービスされることが必要とされるシナリオでは、マルチTRPベースのPDCCH送信と単一のTRPベースのPDCCH送信との間の動的な切り替えをサポートすることが有益であり得る。動的切り替えのための異なるシグナリング方法が、以下の実施形態で提案される。
【0128】
一実施形態によれば、UEは、物理層を介して、または上位層を介して、以下のうちの少なくとも1つに関する標示を受信するように構成される。
- 探索空間セット内の少なくとも1つのPDCCH候補と、同じ探索空間セット内の、または同じであるかもしくは異なるCORESETと関連付けられた別の探索空間セット内の少なくとも1つの他のPDCCH候補との間の、関連付けのアクティブ化または形成。
- 探索空間セット内の少なくとも1つのPDCCH候補と、同じ探索空間セット内の、または同じであるかもしくは異なるCORESETと関連付けられた別の探索空間セット内の少なくとも1つの他のPDCCH候補との間の、関連付けの非アクティブ化または終了。
言及されたPDCCH候補同士の関連付けは、本開示で説明されている探索空間セット・プールである可能性が非常に高い。1つもしくは複数の探索空間セットからのPDCCH候補の関連付けのアクティブ化または形成/標示のシグナリングと、その関連付けの非アクティブ化/終了のシグナリングとが、PDCCH送信の動作モードを決定する。このシグナリングはまた、1つの探索空間セット内のPDCCH候補同士の関連付けを修正するために使用されてもよい。
【0129】
上記の機能性を実現するための複数の異なる手段があり得る。
一実施形態によれば、UEは、1つまたは複数の探索空間セットを備える探索空間セット・プールをアクティブ化する、MAC-CEメッセージを受信するように構成される。このメッセージは少なくとも、1つまたは複数の探索空間セットの識別子と、任意選択で、探索空間セット・プールの識別子とを備える。探索空間セット・プールのアクティブ化は本質的に、PDCCH候補の1つまたは複数のグループが、示された探索空間セット内のPDCCH候補間に存在している可能性があることを意味し、2つ以上のPDCCH候補が所与のグループに実在する。所与のグループのPDCCH候補は、示された探索空間セットのうちの1つまたは複数からのものであってもよく、1つのセット内のPDCCH候補は、同じDCI内容と関連付けられる。
【0130】
上記の方法でMAC-CEを受信後、UEは、PDCCH候補からのDCIの復号を、同じDCI内容と関連付けられた1つより多いPDCCH候補があり得る、という仮定で実施することができる。UEが各PDCCH候補の独立した復号を実施できるようにするために、すなわち、単一のDCI内容に関連付けられた、示された探索空間セットから2つ以上のPDCCH候補の仮定を除去するために、ネットワークまたはネットワーク・ノードは、UEに対して非アクティブ化コマンドをシグナリングすることができる。示された探索空間セット内の、PDCCH候補に関する仮定の除去またはPDCCH候補間の関連付けの除去は、探索空間セット・プールの非アクティブ化または終了と称される。
【0131】
一実施形態によれば、UEは、探索空間セット・プールをアクティブ化する/示す、または非アクティブ化/終了するMAC-CEメッセージを受信するように構成され、このMAC-CEメッセージは少なくとも、1つまたは複数の探索空間セットの識別子と、探索空間セット・プールのアクティブ化/標示または非アクティブ化/終了を示すxビット・フィールドと、任意選択で、探索空間セット・プールの識別子とを備える。xビット・フィールドがbの値に設定されたMAC-CEを受信後、UEは、MAC-CEを探索空間セット・プールのアクティブ化または標示と考えることができ、MAC-CEが、xビット・フィールドがbの値に設定された状態で受信された場合には、前記探索空間セット・プールは、UEによって非アクティブ化または終了されることが可能である。
【0132】
一実施形態によれば、UEは、探索空間セット・プールをアクティブ化する/示す、または非アクティブ化/終了するMAC-CEメッセージを受信するように構成される。MAC-CEメッセージは、それが探索空間セット・プールをアクティブ化する/示すときと、探索空間セット・プールを非アクティブ化/終了するときとで、異なるフィールドのセットを備え得る。第1の例では、探索空間セット・プールをアクティブ化する、または示すと、MAC-CEメッセージは少なくとも、1つまたは複数の探索空間セットの識別子と、任意選択で、探索空間セット・プールの識別子とを備え得る。探索空間セット・プールを非アクティブ化する、または終了すると、MAC-CEメッセージは、少なくとも探索空間セット・プールの識別子を何らかの探索空間セットの識別子の標示がなくても備え得る。第2の例では、探索空間セット・プールをアクティブ化する、または示すと、MAC-CEメッセージは少なくとも、1つまたは複数の探索空間セットの識別子と、探索空間セット・プールのアクティブ化/標示または非アクティブ化/終了を示すxビット・フィールドと、任意選択で、探索空間セット・プールの識別子とを備え得る。探索空間セット・プールを非アクティブ化する、または終了すると、MAC-CEメッセージは少なくとも、探索空間セット・プールの識別子と、探索空間セットのアクティブ化/標示または非アクティブ化/終了を示すxビット・フィールドとを備え得る。アクティブ化では、xビット・フィールドは、MAC-CEメッセージが、探索空間セット・プールを示す、またはアクティブ化するための1つまたは複数の探索空間セットを示すフィールドをさらに備えることを示す、bの値に設定されることが可能である。非アクティブ化では、xビット・フィールドは、探索空間セット・プールを非アクティブ化するためにMAC-CEメッセージが所与の識別子でシグナリングされることを示す、bの値に設定されることが可能である。
【0133】
一実施形態によれば、UEは、RRCまたは上位層を介して、1つまたは複数の探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けを受信するように構成される。下位層(たとえば、MAC-CEまたはPHY層)を介してシグナリングすることによって、探索空間セット・プールと関連付けられた探索空間セットが修正されることが可能であり、または探索セット・プールがアクティブ化/標示もしくは終了/非アクティブ化されることが可能である。この方法は、アクティブ化または非アクティブ化のシグナリングだけを、下位層を介した探索空間セットのプーリング/グルーピングのシグナリングなしで可能にする。たとえば、UEは、少なくとも次のもの:1つまたは複数の探索空間セットの識別子、を備える探索空間セット・プールを示す、上位層情報要素(IE)を受信することができる。UEはまた、任意選択で、探索空間セット・プールまたはグループまたは関連付けのための識別子を備え得る。UEは、RRCまたは他の層を介して、前記探索空間セット・プールをアクティブ化または非アクティブ化/終了する標示(たとえば、MAC-CEメッセージまたはPDCCH標示)を受信することができる。UEはまた、RRCまたは他の任意の層を介して、探索空間セット・プール内の探索空間セットの包含または除去または修正に関する標示(たとえばMAC-CEメッセージまたはPDCCH標示)を受信することもできる。このようにして、探索空間セット・プールの初期グルーピングのタスクと、探索空間セット・プールのアクティブ化または非アクティブ化または動的修正とは分離されることが可能である。
【0134】
<探索空間セットと複数のCORESETとの関連付け>
一実施形態によれば、UEが、上位層を介して探索空間セットの構成を受信するように構成され、探索空間セットは、サービング・セル内の1つより多いCORESETと関連付けられている。UEには、探索空間セットと1つまたは複数のCORESETとの関連付けの構成または標示が提供され得る。前記探索空間セットと関連付けられたPDCCHは、探索空間セットと関連付けられた1つまたは複数のCORESETで送信される。つまり、探索空間セット内のPDCCH候補に対応するCCEは、関連付けられたCORESETのうちの1つまたは複数にマッピングされることが可能である。この方法は、1つまたは複数のPDCCHを受信するための構成または標示を探索空間セットに適用することをさらに備え得る。
【0135】
UEには、探索空間セットと1つまたは複数のCORESETとの関連付けの構成または標示が上記の方法で提供され得る。一実施形態によれば、UEは、探索空間セットと1つまたは複数のCORESETとの関連付けを提供する構成または標示を、gNBまたは他の任意のネットワーク・ノードから上位層を介して受信するように構成される。別の実施形態によれば、探索空間セットと1つまたは複数のCORESETとの関連付けを提供する構成は、UEに推測的に知られている(たとえば、仕様で固定されている)。
【0136】
探索空間セットと1つまたは複数のCORESETとの関連付けは、複数の手段またはオプションで上位層のシグナリングを介して実施されることが可能であり、そのうちのいくつかが以下に提供されている。
【0137】
オプション1:UEは、MAC-CEメッセージを受信して、探索空間セットを、少なくとも次のフィールド:探索空間ID、ID、または1つもしくは複数のCORESET、を備える1つまたは複数のCORESETと関連付けることができる。
オプション2:UEは、探索空間セットのIDと、探索空間と関連付けられたCORESETのIDとを備える上位層情報要素(IE)を受信することができる。
オプション3:探索空間セットの上位層構成では、パラメータ「ControlResourceSetId」中の1つまたは複数のCORESET IDを示して、探索空間を1つまたは複数のCORESETと関連付けることができる。
【0138】
それゆえに、UEは、探索空間セットが複数のCORESETと関連付けられると、1つまたは複数のCORESETで受信された探索空間セットからのPDCCHを結合または共同で処理して、PDCCHを復号する信頼性または性能を改善することができる。
【0139】
探索空間セットが上述のように複数のCORESETによって構成される場合には、探索空間セット内のPDCCH候補のCCEを、関連付けられたCORESETにマッピングする異なる手段があり得る。
【0140】
いくつかの実施形態によれば、探索空間セットと関連付けられたCORESETへのPDCCH候補のマッピングは、gNBまたは他の任意のネットワーク・ノードによって、上位層を介してUEに対して構成または示されるか、あるいは仕様で固定されている。UEは、前記標示または仕様指示を用いてCCEをPDCCH候補ごとに、関連付けられたCORESET上で識別することができる。
【0141】
たとえば、関連付けられたCORESETにCCEをマッピングするには、以下の方法のうちの1つが使用され得る。
- 方法1:探索空間セット内の、L個のCCE(アグリゲーション・レベルL)によって構成された任意のPDCCH候補に対して、探索空間セットが関連付けられている各CORESETは、そのPDCCH候補に対応するL個のCCEを備える。この場合、[3]で説明されたハッシュ関数は、関連付けられた各CORESETに対する探索空間内のPDCCH候補のCCEマッピングを決定するために、ありとあらゆるCORESETと共に使用されることが可能である。たとえば、探索空間セットsが2つのCORESET cおよびcと関連付けられている場合、ハッシュ関数はまず、CORESET cと共に使用されて、s内のすべてのPDCCH候補をCORESET c上のCCEにマッピングする。次に、ハッシュ関数は、CORESET cと共に使用されて、s内のすべてのPDCCH候補をCORESET c上のCCEにマッピングする。
- 方法2:P個のCORESETと関連付けられている探索空間セット内の、L個のCCE(アグリゲーション・レベルL)によって構成された任意のPDCCH候補に対して、探索空間セットが関連付けられているp番目のCORESETは、PDCCHのL個のCCEを備え、ここでL=L+・・・+L+・・・L、ただし0≦L≦L、p=1,...Pである。この方法では、PDCCH候補のCCEは本質的に分割され、探索空間と関連付けられた様々なCORESETにマッピングされる。
【0142】
マッピング方法と共に、マッピングを決定するために必要とされる追加のパラメータもまた、上位層のシグナリングを介して提供されること、または仕様で固定されることが可能であり、たとえば、第2の方法の場合、PDCCH候補のCCEのCORESET間での分割が行われる可能性がある。
【0143】
以前に説明された、PDCCHのダイバーシティおよび信頼性ベースの送信のための送信方法(送信方法1および送信方法2)もまた、ここで適用されることが可能である。
いくつかの実施形態によれば、UEは、gNBまたは他の任意のネットワーク・ノードから上位層を介して、P>1個のCORESETと関連付けられた探索空間セット上で1つまたは複数のDCIをUEが受信できることを示す、1つの標示を受信するように構成され、各DCIが、以下の方法のうちの1つを使用して1つまたは複数のPDCCH候補上で送信される。
- 送信処理されたDCI内容は、1つのPDCCH候補のL個のCCEにマッピングされ、そのPDCCH候補のL個のCCEは、P個のCORESETにわたって拡散している。すなわち、関連付けられたPDCCH候補のL個のCCEは、DCIを復号するために複数のCORESETから収集されなければならない。
- 送信処理されたDCI内容は、P個のCORESET上で1つのPDCCH候補のLP個のCCEにマッピングされ、PDCCH候補はアグリゲーション・レベルLによって構成され、すなわち、P個のCORESETのそれぞれは、1つのPDCCH候補に対応するL個のCCEを備え、変調されたDCI内容は、PDCCH候補のLP個のCCEにわたって分割され、関連付けられたすべてのCORESETからのPDCCH候補に対応するLP個すべてのCCEが、DCIを復号するために収集されなければならない。
- DCI内容は、別個に送信処理され、P個のCORESETのそれぞれでDCIと関連付けられたPDCCH候補のL個のCCEにマッピングされる。すなわち、DCI内容は、関連付けられたPDCCH候補のL個のCCEから、関連付けられたCORESETのうちの1つだけで復号されることが可能であり、UEは、P個のCORESETからPDCCH候補のLP個のCCEを結合して、またはその共同処理を実施して、復号の信頼性または性能を改善することができる。
【0144】
たとえば、送信方法および/または方式を、複数のCORESETによって構成されている探索空間セットと関連付けることは、上位層のシグナリングまたはMAC-CEメッセージを介して実施されてもよい。MAC-CEメッセージは、たとえば、少なくとも以下のフィールド:探索空間セット・プールID、送信の方法および/または方式を示すためのフィールド、を備え得る。別の例では、送信の方法および/または方式は一般に、構成されたすべての探索空間セットについて上位層を介して示されてもよい。
【0145】
複数のTRP送信の場合、探索空間セットと関連付けられたCORESETは、別々のCORESETプール・インデックス値に属し得る。
いくつかの実施形態によれば、上位層を介して構成された探索空間セットは、上位層のシグナリングを介してサービング・セル内の1つより多いCORESETと関連付けられ、探索空間セットと関連付けられたCORESETは、パラメータCORESETpoolIndexの別々の値と関連付けられる。このことは、特有の探索空間セットと関連付けられたPDCCHが、複数のTRPから別々のCORESETで送信されることを意味する。
【0146】
複数のCORESET内で同じ探索空間セットを有するために、および同じDCI内容の複数またはダイバーシティ・ベースの受信を可能にするために、CORESETは、いくつかのパラメータが同一である、または少なくとも類似している必要があり得る。
【0147】
諸実施形態によれば、探索空間セットが複数のCORESETと関連付けられる場合、CORESETのうちの1つの次のパラメータ:CORESETの周波数領域リソースが構成されるダウンリンク帯域幅部分、または(シンボル数の)持続時間、のうちの少なくとも1つは、同じ探索空間と関連付けられた別のCORESETの対応するパラメータと同一である。
【0148】
<UE能力およびPDCCHオーバーブッキング>
UEは、限定された数のPDCCH候補をサービング・セル上の所与のスロット内でブラインド復号する能力を有する。この能力は、5GNR規格[3]で規定されており、サービング・セルの波形ヌメロロジーに依存する。UEがサービング・セル上のスロット内でブラインド復号することができるPDCCH候補の数と同様に、UEが監視できる、すなわちUEが受信してチャネルを推定できるCCEの数にも限界がある。この能力もまた、サービング・セルの波形ヌメロロジーに依存し、[3]に規定されている。
【0149】
複数のPDCCH候補が単一のDCI内容と関連付けられる可能性があるシナリオでは、PDCCHオーバーブッキングの事例が再検討される必要がある。現在の仕様[3]におけるUE能力仕様では、PDCCH候補の監視されたDCIフォーマットに応じて、PDCCHの復号を個別に扱っている。複数のPDCCH候補を単一のDCIと関連付ける提案された方法では、複数のPDCCHが共同で処理されてDCIを復号することが可能である。したがって、PDCCHの共同処理および復号に関するUEの能力は、PDCCHをスケジューリングするために、また、PDCCHオーバーブッキングの場合にUEの限界を理解するためにも、ネットワークに知られる可能性がある。UEが各PDCCH候補の個別の復号を実施できるかどうか、あるいは、複数のPDCCH候補の結合/共同処理を実施してDCIを復号できるかどうか、についてのネットワーク側の知識によって、PDCCHオーバーブッキング・インスタンスの間、PDCCHの構成に応じて、異なるUE能力が適用されてもよく、また、ネットワークは、オーバーブッキング中にUEが復号するPDCCHを理解していることができる。
【0150】
PDCCHオーバーブッキングの場合、推定されるべきCCEの数および監視されるべきPDCCH候補の数は、UEが探索空間セット・プールによって構成されるときに、または探索空間セットが複数のCORESETで繰り返されるときに、再検討される必要がある。一般に、単一のDCIを復号するのに複数のPDCCH候補を共同処理することを要するいかなるシナリオでも、CCEチャネル推定またはPDCCH候補監視の回数に関するUE能力は、対処される必要がある
i)推定されるべきCCE:UEによって推定されることが可能なCCEの数は、実施され得るPDCCH候補の結合/共同処理に関係なく、同じままであり得る。
ii)監視されるべきPDCCH候補:監視されるべきPDCCH候補の数は、PDCCH候補の個別または共同処理に応じて修正され得る。3GPP Rel.16仕様によれば、以下の定義が「監視」という用語に対して用いられる:「UEが、1つまたは複数のCORESET内のPDCCHのセットを、対応する探索空間セットに応じてPDCCH監視によって構成された各アクティブ化サービング・セル上のアクティブなDL BWPで監視し、この場合監視は、監視されるDCIフォーマットに応じて各PDCCH候補を復号することを示唆する。」
現在の仕様は、各PDCCHの個別の復号だけに対処しており、このUE能力定義に基づいて、オーバーブッキングの場合に復号されるべきPDCCH候補を決定する。一部の共同処理/復号が必要とされる可能性があるとき、「監視」のUE能力、および/または実在するUE能力の解釈は、修正される必要があり得る。
【0151】
DCIを取得するために複数のPDCCH候補が共に処理される可能性があるシナリオにおいて、UEのPDCCHブラインド復号能力について理解しておくために、UEのブラインド復号の以下の能力が提供される。
【0152】
いくつかの実施形態によれば、UEが、1つまたは複数のCORESET内のPDCCH候補のセットを、対応する探索空間セットに応じてPDCCH監視によって構成された各アクティブ化されたサービング・セル上のアクティブなDL BWPで監視し、ここで、M個のPDCCH候補のセットを監視することは、以下のどちらか一方を示唆する。
- 監視されるDCIフォーマットに応じてセット内の各PDCCH候補を個別に処理すること、すなわち、総数が最大M個のDCIが取得され得る、または
- セット内のPDCCH候補のG≧1個のグループを処理すること。各グループは、関連付けられたPDCCH候補中の監視されたDCIフォーマットに応じて単一のDCIを復号するために、K≧1個のPDCCH候補を備える。すなわち、総数が最大D≦G≦M個のDCIが取得され得る(Dは任意の適切な値をとることができる)。
【0153】
「監視」の定義の第2の部分はまた、各グループがK=1個のPDCCH候補およびG=M個のグループを備える場合、第1の部分をカバーすることもでき、M個のグループ内のPDCCH候補の個々の復号が、監視されたDCIフォーマットに応じて実施されてM個のDCIが取得され、各グループは、ただ1つのPDCCH候補を備える。第1の部分によるUE処理では、個々のPDCCH候補のブラインド復号が実施され得る。第2の部分によれば、グループ内の1つまたは複数のPDCCH候補の結合および/または共同処理が実施されてDCIを復号することが可能であり、ブラインド復号処理が必要とされ得る。この場合にブラインド復号することは、処理の中でとりわけ巡回冗長検査(CRC)ビットを、DCIのCRCが場合によりスクランブルされることを可能にする様々な無線ネットワーク一時識別子(RNTI)値でスクランブル解除することと、監視されるべきDCIフォーマットに応じて有効なDCIが存在するかどうかを検証するためのCRC検査を実施することとを備え得る。
【0154】
いくつかの実施形態によれば、上記の、UEによってPDCCH候補を監視することについて理解すると、2つの異なるUE能力がもたらされることになり得る。
- 能力1:UEによってサービング・セル内のスロットにおいて復号されることが可能なPDCCH/DCIの数
【0155】
【数31】
であり、各PDCCH/DCIは、監視されるDCIフォーマットに応じて単一のPDCCH候補から復号される。
- 能力2:UEによってサービング・セル内のスロットにおいて復号されることが可能なPDCCH/DCIの数
【0156】
【数32】
であり、各PDCCH/DCIは、監視されるDCIフォーマットに応じて1つまたは複数のPDCCH候補から復号される。
- 能力3:UEによってサービング・セル内のスロットにおいて復号されることが可能なPDCCH/DCIの数
【0157】
【数33】
であり、各PDCCH/DCIは、監視されるDCIフォーマットに応じて1つ、または最大
【0158】
【数34】
個の候補から復号される。
上記のUE能力は、仕様で固定されることも、UEによって報告されることもある。この能力は、サービング・セルのヌメロロジーに依存することもある。
【0159】
上記の能力に加えて、スパン・パターン・ベースの能力が定義されることもある。
いくつかの実施形態によれば、スロットにおけるPDCCH監視スパン・パターン(X、Y)について、以下のUE能力が定義され得る。
- 能力1A:UEによって、スパン・パターン(X、Y)についてサービング・セル内のスロットにおいて復号されることが可能なPDCCH/DCIの数
【0160】
【数35】
であり、各PDCCH/DCIは、監視されるDCIフォーマットに応じて単一のPDCCH候補から復号される。
- 能力2A:UEによって、スパン・パターン(X、Y)についてサービング・セル内のスロットにおいて復号されることが可能なPDCCH/DCIの数
【0161】
【数36】
であり、各PDCCH/DCIは、監視されるDCIフォーマットに応じて1つまたは複数のPDCCH候補から復号される。
- 能力3A:UEによって、スパン・パターン(X、Y)についてサービング・セル内のスロットにおいて復号されることが可能なPDCCH/DCIの数
【0162】
【数37】
であり、各PDCCH/DCIは、監視されるDCIフォーマットに応じて1つ、または最大
【0163】
【数38】
個の候補から復号される。
上記のUE能力は、仕様で固定されることも、UEによって報告されることもある。この能力は、サービング・セルのヌメロロジーに依存することもある。
【0164】
諸実施形態によれば、UEは、PDCCH候補を監視するその能力を、以下のうちの少なくとも1つを報告することによってネットワークに対して報告することができる。
- UEによってサービング・セル内のスロットにおいて復号されることが可能なPDCCH/DCIの最大数
【0165】
【数39】
。各DCIは、監視されるDCIフォーマットに応じて単一のPDCCH候補から復号される。
- UEによってサービング・セル内のスロットにおいて復号されることが可能なPDCCH/DCIの最大数
【0166】
【数40】
。各DCIは、監視されるDCIフォーマットに応じて1つまたは複数のPDCCH候補から復号される。
【0167】
【数41】
および/または
【0168】
【数42】
であり、UEは、サービング・セル内のスロットにおいて最大
【0169】
【数43】
個のPDCCH/DCIを復号することが可能である。各DCIは、1つまたは最大
【0170】
【数44】
個の候補から復号される。
- スパン・パターンX、Yおよび/または
【0171】
【数45】
であり、UEは、スパン・パターン(X、Y)について、サービング・セル内のスロットにおいて最大
【0172】
【数46】
個のPDCCH/DCIを復号することが可能である。各DCIは、監視されるDCIフォーマットに応じて単一のPDCCH候補から復号される。
- スパン・パターンX、Yおよび/または
【0173】
【数47】
であり、UEは、スパン・パターン(X、Y)について、サービング・セル内のスロットにおいて最大
【0174】
【数48】
個のPDCCH/DCIを復号することが可能である。各DCIは、監視されるDCIフォーマットに応じて1つまたは複数のPDCCH候補から復号される。
- スパン・パターン(X、Y)および/または値
【0175】
【数49】
および/または値
【0176】
【数50】
であり、UEは、スパン・パターン(X、Y)について、サービング・セル内のスロットにおいて最大
【0177】
【数51】
個のPDCCH/DCIを復号することが可能である。各DCIは、1つまたは最大
【0178】
【数52】
個の候補から復号される。
報告される能力は、波形のヌメロロジーに依存する可能性があり、異なるヌメロロジーに対して異なる値が報告される可能性がある。報告されない値は、仕様で固定されることが可能である。たとえば、所与のスパン・パターン(X、Y)について、値
【0179】
【数53】
および
【0180】
【数54】
は、様々なヌメロロジーに対して仕様で固定されることが可能であり、
【0181】
【数55】
は、UEが単一のDCIに対して共同で処理できる特定の数のPDCCH候補に対して、および/または、共同処理によって復号されることが可能であるスロット内の特定の数のDCIに対して、固定されることが可能である。したがって、スパン・パターンだけを報告することによって、PDCCH候補を監視するUE能力が決定される。別の例では、所与のスパン・パターン(X、Y)および
【0182】
【数56】
について、値
【0183】
【数57】
は、様々なヌメロロジーに対して仕様で固定されることが可能である。それゆえに、スパン・パターン、および
【0184】
【数58】
の値だけを報告することによって、UE能力
【0185】
【数59】
が決定される。能力のタイプおよび報告された値に応じて、ネットワークは、UEが複数のPDCCH候補を処理することによってDCIを復号できるか否かを決定することができる。たとえば、
【0186】
【数60】
の値が報告されない場合、または
【0187】
【数61】
が報告された場合、gNBは、UEが単一のDCIについて複数のPDCCH候補を処理する能力がないと仮定することができる。このことはまた、gNBが、UEについて上述のように、探索空間セット・プールの構成を決定する、または複数のCORESETで探索空間セットを構成する助けになる。たとえば、パラメータ
【0188】
【数62】
または
【0189】
【数63】
により、設定されることが可能な探索空間セット・プールのサイズを決定すること(およびそれによって、同じDCI内容と関連付けられるプール内の別々の探索空間セットからのPDCCH候補の数を決定すること)、または探索空間セットが関連付けられ得るCORESETの数を決定することができる。UE能力が報告されない場合、gNBは、UEにはPDCCH候補ごとに個別に復号する能力しかないと仮定することができる。別の代替形態では、UEに、ある復号方法の能力(個々のPDCCH候補をDCIごとに処理する、または1つもしくは複数のPDCCH候補をDCIごとに処理する能力)がある場合、UEは、これらをUEが処理できる方法のどれにでも、および/または構成を処理することに必要な方法のどれにでも応じて、構成されたPDCCHを処理することができる。
【0190】
UEが1つまたは複数の探索空間セット・プールによって構成される場合、または1つもしくは複数の探索空間セットがセル内の1つより多いCORESETによって構成される場合、上述のUE能力のうちの1つが適用され得る。
【0191】
諸実施形態によれば、UEが1つまたは複数の探索空間セット・プールによって構成される場合、または1つまたは複数の探索空間セットがセル内の1つより多いCORESETによって構成される場合、UEは、以下のどちらかを行うための能力を有することができる。
- サービング・セル内のスロットにおいて最大
【0192】
【数64】
個のPDCCH/DCIを復号すること。各DCIは、1つもしくは最大
【0193】
【数65】
個の候補から復号される。または
- スパン・パターン(X、Y)について、サービング・セル内のスロットにおいて最大
【0194】
【数66】
個のPDCCH/DCIを復号すること。各DCIは、1つもしくは最大
【0195】
【数67】
個の候補から復号される。
この方法はまた、逆に適用されてもよい。すなわち、UEが、1つまたは複数のPDCCH候補を処理してDCIを取得する能力を報告したときだけ、UEは、gNBがそのようなSSセットまたはPDCCH構成を提供することを予期する。
【0196】
UEが、複数のPDCCH候補(すなわち、PDCCH)を処理して単一のDCIを取得する能力をgNBまたは他の任意のネットワーク・エンティティに対して何も報告しない場合には、UEは、たとえば、gNBが何らかの上位層構成を提供することを予期しない可能性があり、複数のPDCCH候補が、DCIを復号するためにUEによって処理されなければならない可能性がある、1つまたは複数のCORESET上の1つまたは複数の探索空間セットに提供され得る。したがって、ネットワーク構成は、UEが、そのPDCCH復号の能力を報告することを条件とすることができる。同様に、PDCCH復号に関するUE能力が報告されない場合には、gNBは、UEにはPDCCH候補ごとに個別に復号する能力しかないと仮定し、最新技術のUE能力仮定に戻ることができる。
【0197】
UEが、共同処理する能力がUEにない場合に結合または共同PDCCH処理を必要とするネットワークによって提供される、いかなる構成も無視できることもまた場合によってはあり得る。
【0198】
例示的な一実施形態によれば、UEが、複数のPDCCH候補を処理してDCIを復号するいかなる能力もgNBまたは他の任意のネットワーク・エンティティに報告しない場合に、また、UEがgNBまたは他の任意のネットワーク・エンティティから上位層構成を提供され、複数のPDCCH候補が、DCIを復号するためにUEによって処理されなければならない可能性がある、1つまたは複数のCORESET上の1つまたは複数の探索空間セットに提供される可能性がある場合に、UEは、各PDCCH候補を個別に復号することを試みる。DCIが送信方法2を用いて送信される場合には、個々に復号することが、基礎となるDCIをもたらすことができるが、UEにその動作を行う能力がない可能性があるので、PDCCHの信頼性は結合することによって強化されない。DCIが送信方法1を用いて送信される場合には、UEは、この方法によってDCIを復号することができない。
【0199】
例示的な別の実施形態によれば、UEが、1つより多いPDCCH候補と関連付けられたDCIを復号することと関連付けられた、いかなる能力もgNBまたは他の任意のネットワーク・エンティティに報告しない場合に、また、UEがgNBまたは他の任意のネットワーク・エンティティから上位層構成を提供され、DCIが、1つまたは複数のCORESET上の1つまたは複数の探索空間セットに提供された1つより多いPDCCH候補と関連付けられる場合に、UEは、各PDCCH候補を個別に復号することを試みるか、またはブラインド復号する。
【0200】
上記の方法で、最新技術のUEおよび更新されたUEとの差別化に対するgNBのデフォルトの仮定が提供される。UEによって報告される、1つより多いPDCCH候補と関連付けられたDCIを復号することに関係している能力は、以下のうちの、それだけには限定されないが、少なくとも1つであり得る。
- 同じDCI内容と関連付けられているPDCCH候補のグループに対するUEの監視能力またはブラインド復号能力に対してカウントされる可能性がある、監視されるPDCCH候補および/または監視されるCCEの数および/またはブラインド復号試行の回数に関連する1つまたは複数の値、
- ある特定の復号方法(たとえば、ソフト結合、共同処理、選択的復号等)を採用して1つより多いPDCCH候補と関連付けられているDCIを復号するための、UEで採用されている復号方法またはUEの能力、
- 所与のダウンリンク帯域幅部分および/またはセルにおいてサポートされることが可能である探索空間セット・プールの最大数、
- UEが、1つより多いPDCCH候補と関連付けられたDCIを復号することができる場合に、セル内のスロットまたはスパンにおいて監視されることが可能なPDCCH候補の最大数であって、所与のスロットまたはスパンにおける関連付けられたPDCCH候補のグループ数によって決まる可能性がある、最大数、
- 探索空間セット・プールと関連付けられている探索空間セットを包含することができるCORESETの最大数。
【0201】
異なるPDCCH構成のシナリオにおいて変化し得る、PDCCH復号に関するUE能力についてのネットワーク側での理解があると、UEが復号できるPDCCH/DCIと、PDCCHオーバーブッキング・インスタンス中に復号されない可能性があるPDCCH/DCIとについての知識は、ネットワークによって取得されることが可能である。
【0202】
<ブラインド復号能力、およびブラインド復号試行のカウント>
前に言及されたように、UEは、サービング・セル上の所与のスロットにおいて限定された数のPDCCH候補をブラインド復号する能力を有し、UEはまた、限定された数のCCEを監視する能力、すなわちチャネルを推定する能力を有している。両能力はサービング・セルの波形ヌメロロジーに依存し、[3]で規定されている。
【0203】
複数のPDCCH候補が同じDCI内容と関連付けられる可能性があるシナリオでは、ブラインド検出/復号およびCCE推定/監視、PDCCHオーバーブッキング等に関するUE能力を報告するための方法が、本開示で以前に論じられた。このサブセクションでは、ブラインド復号能力および/またはCCE推定/監視能力の改正または再決定のための方法が論じられる。
【0204】
現在のNR仕様[3]におけるUEの能力は、PDCCH候補の監視されるDCI形式に応じて、PDCCHの復号を個別に扱っている。この場合、UEがブラインド復号することができるPDCCH候補の数は、UEが実施することができるブラインド復号試行の回数と同じである。複数のPDCCH候補を単一のDCI(これは、本開示で提供される任意の方法、またはNR仕様の任意のそのような方法に適用される)と関連付ける方法を用いると、複数のPDCCHが、UEによって選択的に、または別個に、または共同で処理されて、単一のDCIが取得されることが可能である。したがって、ブラインド復号試行の回数は、所与のスロットに、またはセル内のスパンに設定されたPDCCH候補の数とは異なる可能性がある。それゆえに、ブラインド復号試行の回数のカウント、またはUEの能力に対するPDCCH候補の数は、NR仕様において再検討されるべきである。このような場合、PDCCHの復号に関するUEの能力は、UEの限界または能力を理解することによってPDCCHをスケジューリングするために、ネットワーク・ノードに知られることが可能である。
【0205】
<複数のPDCCH候補からのDCIの復号>
複数のPDCCH候補と関連付けられたDCIが取得されることが可能である、2つの方法があり得る(ここでは、各PDCCH候補が、送信処理されたDCI全体を備えると仮定されている)。
i)DCIを取得するための選択的/個別の復号:複数のPDCCH候補が同一のDCIと関連付けられるとき、UEは、1つまたは複数のPDCCH候補を個別にブラインド復号してDCIを探索することを試みることができる。PDCCH候補が選ばれる順序、またはUEがブラインド復号することを試みるPDCCH候補の選択および/もしくは順序は、UEによって決定されること、NR仕様で予め決められ固定されていること、または上位層を介してUEに対して構成されることが可能である。
ii)DCIを取得するための結合および/または共同処理:複数のPDCCH候補が同じDCIと関連付けられるとき、UEはDCIを得るために、ソフト結合を実施すること、またはDCIと関連付けられたPDCCH候補のうちの2つ以上を共同処理する他の任意の方法を実施することができる。ソフト結合および/または共同処理のために選ばれるPDCCH候補の数は、UEによって決定されること、NR仕様で予め決められていること、または上位層を介してUEに対して設定されることが可能である。
復号方法は、複数のPDCCH候補が単一のDCIと関連付けられているときに使用される送信方法に依存し得る。本開示で前に説明された送信方法1では、関連付けられたすべてのPDCCH候補からのすべてのCCEを共同処理することが必要とされる可能性がある。送信方法2では、復号方法のどれかが使用され得る。
【0206】
<PDCCH候補の個別または選択的復号>
単一のDCIと関連付けられた複数のPDCCH候補を選択的/個別に復号する場合、ブラインド検出およびCCE推定限界は以下のように影響を受ける。
i)推定/監視されるべきCCE:DCIを復号するためにUEによって推定されるべきCCEの数は、UEがブラインド復号することを試みるPDCCH候補の数に依存する。最初のPDCCH候補自体のブラインド検出試行中にDCIが取得された場合、UEは、他のものを復号することを試みない。この場合、監視されるCCEの数は、最初のPDCCH候補のCCEの数に等しい。この場合の「CCEを監視すること」とは、前記CCEに対して次の動作:推定(次の推定:チャネル推定、雑音電力推定、ドップラー推定、遅延推定等、のうちの1つまたは複数)、等化、復調、のうちの少なくとも1つを実施することを意味し得る。
ii)ブラインド復号試行の回数:3GPP Rel.16仕様によれば、また以前に提示されたように、以下の定義が「監視」という用語について用いられる:「UEが、1つまたは複数のCORESET内のPDCCH候補のセットを、対応する探索空間セットに応じてPDCCH監視によって構成された各アクティブ化されたサービング・セル上のアクティブなDL帯域幅部分(BWP)で監視し、ここで監視は、監視されるDCIフォーマットに応じて各PDCCH候補を復号することを示唆している」。本開示の以下の方法において、「PDCCH候補の監視」という用語は、前記PDCCH候補に対応するCCEに対して次の動作のうちの少なくとも1つの性能を意味し得る:推定(次の推定:チャネル推定、雑音電力推定、ドップラー推定、遅延推定等、のうちの1つまたは複数)、等化、復調、前記PDCCH候補において監視されるべきDCIフォーマットに応じて復号すること。監視されるPDCCH候補の数は、DCIが取得される復号試行に依存する。
【0207】
したがって、複数のPDCCH候補が単一のDCIと関連付けられているときに、推定されるべきCCEの数と、DCIを取得するための個別または選択的復号によるブラインド復号試行の回数とは、可変である。ブラインド復号試行の回数は、1からpまで変化する可能性があり、ここでpは、同じDCIと関連付けられたPDCCH候補の数である。複数のPDCCH候補が同じDCIと関連付けられているときに、PDCCH復号または監視に関するUEの実際の能力を把握するために、監視されるべきPDCCH候補またはブラインド復号試行の回数、それゆえにUEの能力限界に関して推定されるべきCCEをカウントするための複数の手段があり得る。このカウント方法に応じて、gNBまたはネットワーク・ノードは、行われることが可能であるPDCCHスケジューリングまたはオーバーブッキングを決定することができる。
【0208】
<PDCCH候補のソフト結合および/または共同処理>
ソフト結合および/または他の共同処理の場合では、同じDCIと関連付けられた複数のPDCCH候補からDCIを取得するためにUEによって実施される方法、ブラインド検出およびCCE推定限界は、以下のように影響を受ける。
i)推定されるべきCCE:UEによって推定されることが可能なCCEの数は、使用されるソフト結合または他の任意の共同処理方法に関係なく、ソフト結合および/または共同処理のために使用されるDCIと関連付けられたPDCCH候補からの、PDCCH候補の数によって決定される。
ii)監視されるべきPDCCH候補:監視されるべきPDCCH候補の数は、送信処理されたDCIがPDCCH候補に含有される方法に依存し得る。すべてのPDCCH候補中のDCIが同じビット・ストリームを備え、かつ/または同一の送信処理を有する場合、これらはソフト結合されて、単一のブラインド復号試行が実施されることが可能である。DCI内のビット・ストリーム、および/またはDCIのために使用される送信処理方法、および/またはPDCCH候補のアグリゲーション・レベルが異なる場合、1つまたは複数のブラインド復号試行を実施しながら何らかの共同処理方法が採用される可能性があるか、または1つより多いブラインド復号試行が、それらを別々に処理するために必要とされる可能性がある。
【0209】
したがって、個別または選択的復号方法と同様に、監視されるべきCCEまたはPDCCH候補をカウントする、またはこれらCCEまたはPDCCH候補についてのUEの能力に関するブラインド復号試行の回数をカウントする、複数の可能性が得られる。
【0210】
<監視/推定されるPDCCH候補、またはブラインド復号試行をカウントするための方法>
一実施形態によれば、UEは、所与のスロット内の、またはセルの所与のスパン内の、1つまたは複数の探索空間セットおよび1つまたは複数のCORESETと関連付けられている、いくつかのPDCCH候補によって構成され、PDCCH候補の1つまたは複数のグループが存在する可能性があり、1つのグループgが、同じDCI内容と関連付けられているp>1個のPDCCH候補を備える。この場合、UEによって行われるブラインド復号試行の回数、および/または、所与のスロット内の、またはセルの所与のスパン内のブラインド復号試行の回数についてのUEの能力に関して、グループgについてカウントされたブラインド復号試行の回数は、以下の一方であり得る。
- 1回のブラインド復号試行、
- s回のブラインド復号試行、ここでブラインド復号試行の回数sは、グループg内のPDCCH候補の数以下である。
【0211】
所与のブラインド復号試行では、PDCCH候補の数、または推定もしくは監視されるCCEの数は、UEによって採用された復号方法に応じて変化し得る。UEによって監視されるPDCCH候補もしくはCCEの数、または、2つの場合のそれぞれでのUEの能力に関してグループgについてカウントされた、監視されるPDCCH候補もしくは監視されるCCEの数は、すべてのブラインド復号試行が合わさったPDCCH候補の総数または推定もしくは監視されるCCEの総数と等しい。
【0212】
カウントは、UEおよび/またはネットワーク・ノードもしくはgNBで実施されることが可能である。カウントは、ネットワークによるPDCCHのスケジューリングを目的として用いられることが可能である。
【0213】
以下では、ブラインド復号試行の回数が異なる例について論じる。1つの例では、UEは、単一のブラインド復号試行を実施し、ソフト結合および/または共同処理に対するグループからのすべてのp個のPDCCH候補、またはp個のPDCCH候補のサブセットを使用してDCIを取得することができる。この事例は、グループのPDCCH候補がDCIの同一の送信処理によって取得され、同一のビット・ストリームおよび/または同数のCCEを有するときに場合によってはあり得る。別の例では、UEは、グループから単一のPDCCH候補を選択することによって単一のブラインド復号試行を実施することができる。UEは、固定された、またはネットワークによって示された測定基準もしくは基準(たとえば、ランダム選択、受信信号電力、すなわちRSRP、RSSI、信号対干渉プラス雑音比、PDCCH候補の優先度、PDCCH候補と関連付けられたCORESET、またはPDCCH候補と関連付けられたSSセット等)に基づいて「最適」PDCCH候補を選択することができ、そのPDCCH候補のみをブラインド復号することを試みる。測定基準または基準がネットワークによって示される場合は、測定基準または基準のためのシグナリングが上位層を介して取得されることが可能である。PDCCH候補の選択もまた、何らかのシグナリングまたはNR仕様の何らかの固定された基準/測定基準がなくてもUE実施態様に委ねられることが可能であり、すなわち、UEは、NR仕様またはネットワーク・ノード指示がなくても、それ自体でPDCCH候補の選択を実施してブラインド復号することができる(たとえば、UEが使用できる基準または測定基準はその実施態様によって決定されてもよく、あるいは、UEは、基準または測定基準を用いずに単にランダム選択を実施することができる)。これら2つの例では、1つのPDCCH候補は、監視されるPDCCH候補の数またはブラインド復号限界数に対してカウントされ得る。
【0214】
別の例では、s(1≦s≦p)回のブラインド復号試行が、PDCCH監視またはブラインド復号限界に対してカウントされることが可能であり、グループからのt(t≧s,1≦t≦p)個のPDCCH候補がブラインド復号のために使用される。例として、グループから選択されたt個のPDCCH候補の中に、PDCCH候補のs≦p個のセットがある可能性があり、各セット内のPDCCH候補は、同じDCIと関連付けられている。1つのPDCCH候補が、1つより多いs個のセットのうちの一メンバであり得ることに留意されたい。UEは、PDCCH候補のセットごとに、ソフト結合および/または共同処理を実施することができる。各セットは、有効なDCIが取得されるまで選択的に復号され得る。t=sの場合は、セットあたりただ1つのPDCCH候補に対応し、それによって、グループからのPDCCH候補のサブセットからの各PDCCH候補を個別/選択的に復号することになることに留意されたい。ブラインド復号で試行される、最悪の場合でのセットの数は、UEのブラインド復号限界に対してカウントされる。t>sとt=sの両方の場合で、最悪の場合のカウントs(行われる得るブラインド復号試行の最大回数)が、ブラインド検出のUEの能力限界に対してカウントされる。
【0215】
上記で言及された場合では、同じDCI内容と関連付けられたPDCCH候補の所与のグループについて推定または監視されるPDCCH候補またはCCEの数は、ブラインド復号試行をすべて合わせたものについて推定または監視されるPDCCH候補またはCCEの総数と等しい。
【0216】
UEは、個別/選択的復号とソフト結合および/または共同処理とを組み合わせたものを採用することができる。たとえば、mmWaveのような高い搬送波周波数では、送受信点と受信機の間に何らかの障害物があると、「妨害」(受信機における信号の受信電力の障害物による急低下)が生じる可能性がある。これにより、リンクが信頼性を大きく失ったり、最終的に機能しなくなったりする可能性がある。ハイブリッド復号手法を採用することは、PDCCH候補が妨害を受けやすいときに有用である(たとえば、異なる送受信点(TRP)と関連付けられたPDCCH候補)。PDCCH候補が妨害を受けやすい場合、UEにおいて信号等化後に生成された送信コードワードに関するビットの確信度(すなわち、尤度比)は、信頼できない可能性がある。したがって、誤りを起こしやすい確信度が復号器で処理されたときには、誤った復号コードワードを得る確率が高い。2つの異なるPDCCH候補の等化後に生成された尤度比同士が結合される場合のソフト結合および/または共同処理の場合、より信頼性の高いPDCCH候補から取得されたコードワード・ビットの尤度比は、より信頼性の低いPDCCH候補からのものによって損なわれる可能性がある。SNRが異なるチャネルからの尤度比同士を組み合わせると、各チャネルからの尤度比を選択的/個別に復号するよりも、ときとして性能が悪くなり得る。しかし、この現象は、高いSNRでは生じない可能性がある。したがって、様々なSNR領域における性能のバランスをとるために、個別/選択的復号とソフト結合および/または共同処理との組み合わせがUEで採用されてもよい。例として、1つまたは複数のPDCCH候補が、1つまたは複数の所与のまたは所定の基準に基づいて最初に選択され、次に、ソフト結合および/または共同処理に基づいて複数のPDCCH候補の復号が実施されてもよい。この方法によって、UEは、異なるSNRの領域と、各リンクが独立した、および/または不確実なフェーディング状況(妨害、経路損失差異、瞬時フェーディング等)のもとにある別々のリンクから受信されるPDCCH候補から取得された、ビット尤度比の変動する信頼度とに対処するのに十分に堅牢であり得る。
【0217】
一実施形態によれば、UEには、PDCCH候補のグループの、個別/選択的処理またはソフト結合および/もしくは共同処理についての、あるいは個別/選択的処理とソフト結合および/または共同処理との組み合わせについての、1つまたは複数の基準が提供されてもよく、1つより多いPDCCH候補がグループ内に実在することが可能であり、また、グループ内のすべてのPDCCH候補が、同じDCI内容と関連付けられている。
【0218】
一例では、基準は、NR仕様で固定されていることがあり、または、ネットワーク・ノードからの上位層のシグナリングを介して提供される。たとえば、UEは、グループ内でアグリゲーション・レベルが最も高いPDCCH候補のブラインド復号を最初に試みるように構成されてもよく、あるいは、グループ内でアグリゲーション・レベルが最も高いPDCCH候補だけのブラインド復号を試みるように構成されてもよい。複数のPDCCH候補が、グループ内の最も高いアグリゲーション・レベル値によって構成されているとき、UEは、PDCCH候補のうちのどれか1つの復号を試みることができ、または、PDCCH候補のソフト結合および/または共同処理を実施することができる。対応するUEの挙動は、NR仕様で固定されていても、ネットワーク・ノードによって上位層のシグナリングを介してUEに対して示されてもよい。別の例では、UEは、受信信号電力がより高いPDCCH候補のブラインド復号を試みるように構成されることが可能である。考慮されるべき受信電力は、たとえば、DMRSまたはCSI-RSまたはSSBから測定された参照信号受信電力(RSRP)であってもよく、このDMRSまたはCSI-RSまたはSSBは、CORESETと、またはPDCCH候補と(例としてQCL参照を介して)、または参照信号強度標示(RSSI)測定値と、または参照信号受信品質(RSRQ)測定値と、またはUEによって取得されることが可能であるNR仕様で提供されている他の任意の測定値と、関連付けられている。
【0219】
一実施形態によれば、PDCCH候補のグループ(1つより多いPDCCH候補がそのグループ内に実在することができ、グループ内のすべてのPDCCH候補が同じDCI内容と関連付けられている)を処理するための基準は、以下のうちの少なくとも1つであり得る:PDCCH候補のうちの1つまたは複数のアグリゲーション・レベル、RSSI測定値、RSRQ測定値、少なくとも1つのDMRSまたはCSI-RSまたはSSBの測定値から取得されたRSRPまたはSINR、PDCCH候補のうちの少なくとも1つと関連付けられた探索空間セットのID、PDCCH候補のうちの少なくとも1つと関連付けられている探索空間セットと関連付けられた探索空間セット・グループID、PDCCH候補のうちの少なくとも1つと関連付けられている探索空間セットのうちの少なくとも1つと関連付けられた探索空間タイプ、PDCCH候補のうちの少なくとも1つにおいて監視されるべきDCIフォーマット。
【0220】
(ブラインド復号試行の回数のカウントに関する追加の考慮事項)
ブラインド復号試行の回数のカウントに関する上述の方法では、復号の試行の合計回数が、カウントについて考慮される唯一のパラメータであった。同じDCI内容と関連付けられたPDCCH候補の送信のために使用される方法、および使用される復号技法に応じて、カウントされるブラインド復号試行の回数が異なり得る。たとえば、ソフト結合またはハイブリッド復号の場合、同じDCI内容と関連付けられた2つの異なるPDCCH候補から計算されたLLRは、ブラインド復号のために結合する前に保存されなければならないことがある。この場合、LLRの保存に使用されるメモリは、そのメモリがブロックされ他のどのPDCCH候補のLLRにもブラインド復号のために使用できないので、考慮されなければならない可能性がある。したがって、ただ1回のブラインド復号試行が実際には2つのPDCCH候補から行われるとしても、LLRのために使用されるメモリは、他のいくつかのPDCCH候補のブラインド復号試行を可能にすることができない。したがって、UEは、所与のスパンまたは所与のセル内のスロットで行うことができる回数のブラインド復号試行の能力を有するが、同じDCI内容と関連付けられている2つのPDCCH候補が引き継ぐ前記能力のブラインド復号試行の回数は、そのようなUE処理のボトルネックを加味することでカウントされなければならない。
【0221】
一実施形態によれば、UEは、所与のスロットにおいて、または1つのセル内の所与のスパンにおいて1つまたは複数の探索空間セットおよび1つまたは複数のCORESETと関連付けられているいくつかのPDCCH候補によって構成され、PDCCH候補の1つまたは複数のグループが存在する可能性があり、1つのグループgが、同じDCI内容と関連付けられているp>1個のPDCCH候補を備える。この場合、UEによって行われるブラインド復号試行の回数、および/または所与のスロットにおける、またはセル内の所与のスパンにおけるブラインド復号試行の回数についてのUEの能力に対してグループgについてカウントされたブラインド復号試行の回数は、s回のブラインド復号試行でもよく、ここでsは、グループg内のPDCCH候補の数の2倍以下である。
【0222】
≧pのカウントは、UEの受信機アーキテクチャにボトルネックがあるとき(たとえば、PDCCH候補から取得されるLLRのために使用されるメモリ)、および/またはPDCCH候補が同じスロットまたはスパン内で送信されるときの、ハイブリッド復号の場合またはソフト結合の場合に適用可能であり得る。
【0223】
同じDCI内容と関連付けられたPDCCH候補のスロット間/スパン間送信の場合には、たとえば、LLRのためにメモリを使用することに起因して行われるカウントは、別のスロットまたはスパンに引き継がれなければならない可能性がある。
【0224】
諸実施形態によれば、UEは、1つまたは複数の探索空間セットおよび1つまたは複数のCORESETと関連付けられているいくつかのPDCCH候補によって構成され、PDCCH候補の1つまたは複数のグループが存在する可能性があり、1つのグループgが、同じDCI内容と関連付けられているp>1個のPDCCH候補を備える。前記PDCCH候補の少なくとも1つが、1つのセル内の他の前記PDCCH候補のうちの少なくとも1つとは異なるスロットまたはスパンにある場合には、UEによって行われるブラインド復号試行の回数、および/またはセル内のスロットtもしくはスパンtにおけるブラインド復号試行の回数についてのUEの能力に対してグループgについてカウントされたブラインド復号試行の回数は、値x≧yであり、ここでx>0およびy≧0は、セル内のスロットtまたはスパンtより前に受信されたグループgのPDCCH候補の数以下、すなわち、セル内の前記スロットまたはスパンより前に受信された同じDCI内容と関連付けられたPDCCH候補の数以下である。たとえば、同じDCI内容と関連付けられた2つのPDCCH候補がUEによって受信され、一方のPDCCH候補がスロットt-kで受信され、他方がスロットtで受信され、ここでk>0である場合、スロットtにおいて、UEは、少なくとも0≦y≦1の値をスロットtにおけるUEのブラインド復号能力xに対してカウントすることができる。所与のスロットまたはスパンtにおいて、x=y+zであることに留意されてもよく、ここでz≧0である。スロットt-kにおいて、所与の例では、UEの能力に対してカウントされるブラインド復号試行の回数はxt-k=yt-kとすることができ、ここで0<yt-k≦1である。yt-kの値は、UEによって使用される復号の方法、たとえば、選択復号、ソフト結合、またはハイブリッド復号、に依存し得る。
【0225】
<採用された復号方法のタイプに関するUE能力報告>
採用された復号方法(個別/選択的復号または結合復号/共同処理)に関係なく、UEの復号能力、gNBは、UEの能力限界に対してカウントされるべきPDCCH候補およびCCEの数を決定するための復号処理に関するUEの能力を知らされている可能性がある。
【0226】
一実施形態によれば、UEは、同じDCIもしくは同じDCI内容と関連付けられているPDCCH候補を個別/選択的に復号する能力、および/または共同の/結合された復号/処理をする能力がUEにあるかどうかを示すパラメータを、ネットワーク・ノードまたはgNBに報告するように構成される。たとえば、UE報告パラメータは、「decodingDCIfromMultiplePDCCHcandidates」という名称が付けられてもよく、取られる値は、「selection」、「combining」、「selectionAndCombining」とされてもよい。それゆえに、一実施形態によれば、UEによって実施される方法は、同じDCIもしくは同じDCI内容と関連付けられているPDCCH候補を個別/選択的に復号する能力、および/または共同の/結合された復号/処理をする能力がUEにあるかどうかを示す前記パラメータを、ネットワーク・ノードに報告する工程を備える。
【0227】
加えて、DCIを復号するためにUEによって選択または結合され得るPDCCH候補の最大数もまた、ネットワーク・ノードに報告される可能性がある。
一実施形態によれば、UEは、複数のPDCCH候補が同じDCIまたは同じDCI内容と関連付けられ得るときに、DCIを取得するためにUEが個別にブラインド復号することを試みることができるPDCCH候補の数を示すパラメータを、ネットワーク・ノードまたはgNBに報告するように構成される。たとえば、パラメータは、「numberOfBDPDCCHcandidatesForSelectiveDecoding」という名称が付けられてもよく、1つの整数値、たとえば、1、2、4を取ることができる。それゆえに、一実施形態によれば、UEによって実施される方法は、複数のPDCCH候補が同じDCIまたは同じDCI内容と関連付けられ得るときに、DCIを取得するためにUEが個別にブラインド復号を試みることができるPDCCH候補の数を示す前記パラメータを、ネットワーク・ノードに報告する工程を備える。
【0228】
一実施形態によれば、UEは、複数のPDCCH候補が同じDCIまたは同じDCI内容と関連付けられ得るときに、有効なDCIを探索してブラインド復号を実施するためにUEが結合/共同で処理し得るPDCCH候補の数を示すパラメータを、ネットワーク・ノードまたはgNBに報告するよう構成される。たとえば、パラメータは、「numberOfBDPDCCHcandidatesForCombinedDecoding」という名称が付けられてもよく、1つの整数値、たとえば、1、2、4を取ることができる。それゆえに、一実施形態によれば、UEによって実施される方法は、複数のPDCCH候補が同じDCIまたは同じDCI内容と関連付けられ得るときに、有効なDCIを探索してブラインド復号を実施するためにUEが結合/共同で処理し得るPDCCH候補の数を示す前記パラメータを、ネットワーク・ノードに報告する工程を備える。
【0229】
UEはまた、PDCCH候補またはブラインド復号試行をカウントするどの値またはどの方法が適用されるかを、ネットワーク・ノードまたはgNBに報告することができる可能性もある。
【0230】
一実施形態によれば、UEは、ネットワーク・ノードまたはgNBに、以下のうちの1つを報告するように構成される。
- 同じDCI内容と関連付けられているPDCCH候補のグループに関するUEの監視能力またはブラインド復号能力に対してカウントされる可能性がある、監視されるPDCCH候補および/または監視されるCCEの数および/またはブラインド復号試行の回数についての1つまたは複数の値、
- 同じDCI内容と関連付けられているPDCCH候補のグループに関するUEの監視能力またはブラインド復号能力に対してカウントされる可能性がある、監視されるPDCCH候補および/または監視されるCCEの数および/またはブラインド復号試行の回数をそれぞれが示す、1つまたは複数のインデックスまたはパラメータ。
【0231】
報告される値は、UEが採用する復号方法(個別/選択的復号方法、ソフト結合および/または共同処理方法、ハイブリッド復号方法)に依存し得る。
gNBまたはネットワーク・ノードは、同じDCIまたはDCI内容と関連付けられているPDCCH候補のグループに関するUEのブラインド復号能力に対してカウントされる、監視されるPDCCH候補および/または監視されるCCEの数および/またはブラインド復号試行の回数を、UEに示すことができる。前述のパラメータの複数の値をUEが報告する場合、gNBまたはネットワーク・ノードからの標示は、PDCCH候補を復号するために、およびBD限界に対するカウントのために使用する方法について、UEにガイダンスを提供することができる。
【0232】
諸実施形態によれば、UEは、ネットワーク・ノード、またはgNBから、PHY層または上位層を介して以下の標示のうちの1つを受信するように構成される。
- 同じDCIまたはDCI内容と関連付けられているPDCCH候補のグループに関するUEのブラインド復号能力に対してカウントされる可能性がある、監視されるPDCCH候補および/または監視されるCCEの数および/またはブラインド復号試行の回数についての1つまたは複数の値、
- 同じDCIまたはDCI内容と関連付けられているPDCCH候補のグループに関するUEのブラインド復号能力に対してカウントされる、監視されるPDCCH候補および/または監視されるCCEの数および/またはブラインド復号試行の回数をそれぞれが示す、1つまたは複数のインデックスまたはパラメータ。
【0233】
採用されることが可能である諸方法、ならびにブラインド復号試行をカウントすること、およびそれによって、監視されるPDCCH候補または監視されるCCEの数を方法ごとにカウントすることについての説明は、本開示の上記に提供されている。
【0234】
<DCI反復またはDCIマルチチャンスの事象におけるPUCCHリソース決定>
DCIは、アップリンク制御情報(UCI)の送信の要求を示すPUCCHリソース・インジケータ(PRI)フィールドを備え得る。UCIのアップリンク送信のために使用されるPUCCHリソースは、PUCCHリソース・セット内の1つまたは複数のPUCCHリソースから選択される。いくつかの例では、UCI送信のためにPUCCHリソース・セット内で選択されたPUCCHリソースは、DCI内のPRIフィールドによって示される。このような場合、PRIフィールドの各コードポイントは、PUCCHリソース・セット内のPUCCHリソースと関連付けられてもよい。たとえば、PRIフィールドがbビット・フィールドを備え、PUCCHリソース・セットが2個のリソースを備える場合、PRIフィールドのコードポイントとPUCCHリソース・セット内のPUCCHリソースとの間のマッピングが用いられ、それにより、UCIの送信のために用いられるPUCCHリソースが、bビットPRIフィールドの値によって示される。しかし、PUCCHリソース・セット内のPUCCHリソースの個数が、2個より多いPUCCHリソースを備える場合には、PRIフィールドの2個のコードポイントは、PUCCHリソース・セット内のPUCCHリソースを示すのに十分でない。このような場合、DCIが送信されるCORESET内のCCEの数、および/またはDCIと関連付けられたPDCCH候補の第1のCCEのインデックスなどの追加のパラメータが使用されて、以下の実施形態によって説明されるようにPUCCHリソースが示され得る。
【0235】
諸実施形態によれば、1つまたは複数のCORESET内の1つまたは複数の探索空間セットからの少なくとも2つのPDCCH候補が同じDCIまたはDCI内容と関連付けられているとき、UEは、以下の値のうちの少なくとも1つまたは複数に基づいて、PUCCHリソースを決定すること、またはアップリンク制御情報(UCI)のアップリンク送信のために使用されるべきPUCCHリソースのインデックスを導出することができる。
- DCI中のPUCCHリソース・インジケータ(PRI)フィールド内に示される値、および/または
- PDCCH候補のうちの1つまたは複数と関連付けられた少なくとも1つのCORESETからのCCEの数、および/または
- PDCCH候補のうちの少なくとも1つからの第1のCCEのインデックス。
前記PUCCHリソースが属するPUCCHリソース・セットは、NR仕様で提供されている任意の方法に応じて決定されてもよい。
【0236】
例示的な一実施形態では、同じDCIまたは同じDCI内容と関連付けられた2つ以上のPDCCH候補があり、また、これら2つ以上のPDCCH候補が、少なくとも2つの異なるCORESET内の1つまたは複数の探索空間セットからのものであるとき、PUCCHリソース、またはPUCCHリソースのインデックスは、最低のID値または最高のID値を持つCORESET内のCCEの数から決定される。最小または最大のID値を持つCORESETは、ここではDCIを送信するための、またはUCIを送信するためのPUCCHリソース決定のための、「デフォルトCORESET」として考えられ得る。たとえば、2つ以上のPDCCH候補が、ID値がCおよびC(ただしC<C)である2つのCORESET内の探索空間セットと関連付けられている場合、PUCCHリソースは、CORESET C内のCCEの数を使用して決定される。いくつかの例では、CORESET 0が少なくとも2つの異なるCORESETのうちの一方であるとき、このCORESETは、UCIのアップリンク送信のためのPUCCHリソースを決定するための「デフォルトCORESET」である。CORESET 0は、ネットワーク・ノードまたはgNBからUEに対してシステム情報を送信するために使用されることが可能である、特殊なCORESETであることに留意されたい。
【0237】
例示的な一実施形態では、少なくとも2つの異なるCORESETは、CORESETpoolIndex値と関連付けられていない少なくとも1つのCORESETを備える可能性がある。このような場合、PUCCHリソースは、前記CORESETの中でCORESETpoolIndex値なしで構成されたCORESET内のCCEの数を使用して決定される。いくつかの例では、PUCCHリソースは、CORESETpoolIndex値がない複数のCORESETが前記CORESETの中で存在する場合、CORESETpoolIndex値なしで構成されたCORESETからの最低のID値または最高のID値を持つCORESET内のCCEの数を使用して決定される。CORESETpoolIndex値は、CORESETと所与のCORESETpoolIndex値との関連付けが、またはCORESETとCORESETpoolIndex値との関連付けのないことが、関連付けられたCORESETのTRPを決定し得るマルチTRPシナリオにおいて使用されてもよいことに留意されたい。1つまたは複数のCORESETがCORESETpoolIndex 0と関連付けられているとき、またはどのCORESETpoolIndex値とも関連付けられていないとき、これは、1つまたは複数のCORESETが第1のTRPと関連付けられていることを意味し得る。このような場合、第1のTRPが、DCI送信またはPUCCHリソース決定のためのデフォルトTRPとして選ばれる。
【0238】
例示的な一実施形態では、少なくとも2つの異なるCORESETの各CORESETは、CORESETpoolIndex値と関連付けられている。この場合、PUCCHリソースは、前記CORESETの中でCORESETpoolIndex値0によって構成されたCORESET内のCCEの数から決定される。いくつかの例では、PUCCHリソースは、CORESETpoolIndex値0を持つ複数のCORESETが前記CORESETの中で存在する場合、CORESETpoolIndex値0によって構成されたCORESETの中で最低のID値または最高のID値を持つCORESET内のCCEの数を使用して決定される。別の例では、「デフォルトTRP」(この場合、第1のTRP)は本質的に、前記CORESETの中で最低のCORESETpoolIndex値に基づいて選ばれ、すなわち、最低のCORESETpoolIndex値によって構成されたCORESETからのCCEの数が、PUCCHリソース決定のために選ばれる。
【0239】
例示的な一実施形態では、同じDCIまたはDCI内容と関連付けられた少なくとも2つのPDCCH候補があり、また、これら少なくとも2つのPDCCH候補が、1つまたは複数のCORESET内の1つまたは複数の探索空間セットからのものであるとき、PUCCHリソース、またはPUCCHリソースのインデックスは、PUCCHリソースを決定するためにCCEの数が取得されたCORESETと関連付けられたPDCCH候補の最初のCCEのインデックスから決定される。前記CORESETについての前記DCIと関連付けられている複数のPDCCH候補がある場合、PUCCHリソースは、最低または最高のPDCCH候補インデックスを持つPDCCH候補の第1のCCEのインデックスから、または前記PDCCH候補からの第1のCCEのインデックスに対し最低値または最高値を持つPDCCH候補から決定される。
【0240】
上記の方法を一般化すると、PUCCHリソース決定のためのPDCCH候補を、このPDCCH候補に対し使用されるべきと決定されているCORESETにまったく依存せずに決定することになる。
【0241】
例示的な一実施形態では、同じDCIまたはDCI内容と関連付けられている1つまたは複数のCORESET内の1つまたは複数の探索空間セットからの少なくとも2つのPDCCH候補がある場合、PUCCHリソース、またはPUCCHリソースのインデックスは、以下の値のうちの少なくとも1つを使用して決定される。
- DCIと関連付けられたPDCCH候補の中で最低のPDCCH候補インデックスを持つPDCCH候補の第1のCCEのインデックス、または
- DCIと関連付けられたPDCCH候補の中でPDCCH候補の第1のCCEのインデックスに対し最低値を持つPDCCH候補の第1のCCEのインデックス。
この方式では、PDCCH候補を特定のCORESETにルーティングしないことによって、gNBに対するスケジューリング柔軟性が大きくなる。
【0242】
上記の方法に加えて、UCI送信のためのPUCCHリソースを決定するためにDCI内容と関連付けられたCORESETまたはPDCCH候補から取得される複数の値の組み合わせが、gNBにおける付加的なスケジューリング柔軟性を提供するために考えられ得る。
【0243】
例示的な一実施形態では、同じDCIまたはDCI内容と関連付けられている少なくとも2つの異なるCORESET内の2つ以上の探索空間セットからの少なくとも2つのPDCCH候補があるとき、UCIを送信するために使用されるPUCCHリソースまたはPUCCHリソースのインデックスは、前記CORESETからの1つより多いCORSETのCCEの数、たとえば、前記CORESETのうちの少なくとも2つ以上のCCEの数の最小値、最大値、平均値または他の任意の線形関数、に依存するスカラー関数に基づいて決定される。
【0244】
例示的な一実施形態では、同じDCIまたはDCI内容と関連付けられている少なくとも2つの異なるCORESET内の2つ以上の探索空間セットからの少なくとも2つのPDCCH候補があるとき、UCIを送信するために使用されるPUCCHリソースまたはPUCCHリソースのインデックスは、前記PDCCH候補のうちの少なくとも2つ以上の第1のCCEのインデックス、たとえば、前記PDCCH候補のうちの2つ以上の第1のCCEのインデックスの最小値、最大値、平均値または他の任意の線形関数に依存するスカラー関数に基づいて決定される。
【0245】
<PDCCHの繰り返しに関連する種々の問題>
<PDCCHを介するランダム・アクセス順序>
UEがネットワークに接続するには、ダウンリンクとアップリンクの同期が必要とされる。DL同期のために、UEは、ネットワーク・ノードまたはgNBから同期信号(物理同報チャネル・ブロック、SS/PBCHブロックまたはSSB)を受信および/または復号する。このステップの後にランダム・アクセス手順が、アップリンク同期およびRRC接続/再接続のために、UEおよびgNBによって遂行されることがあり、2つの手段:コンテンション・ベースおよびコンテンション・フリー、で実施されることが可能である。コンテンション・ベースのランダム・アクセスでは、UEがそれ自体でプリアンブルを選び、ランダム・アクセス手順を実施するので、他のUEとの衝突/干渉を引き起こすおそれがある。コンテンション・フリー・ランダム・アクセスでは、gNBまたは他の任意のネットワーク・ノードがアクセスのためのプリアンブルを提供して、UEがランダム・アクセス手順を実施できるようにする。このことが、UEによって開始されるランダム・アクセス処理が、他のUEからのいかなる衝突/干渉もなしに生じることを可能にする。UEによるランダム・アクセス工程の後には、gNBからのランダム・アクセス応答、およびいくつかの他のステップが続いて、アップリンク同期および/またはRRC接続/再接続が完了する。ランダム・アクセス手順は、受信または復号されたSSBまたはCSI-RSリソースと関連付けられてもよく、すなわち、SSBまたはCSI-RSリソース受信/復号からの設定値が、ランダム・アクセス手順中にUEによって送信/受信のために使用されてもよい。UEがコンテンション・フリー・ランダム・アクセスをトリガーするためのランダム・アクセス順序が、複数のPDCCH候補と関連付けられたDCIを介して提供されるとき、ランダム・アクセス手順のタイムライン、またはPDCCHに関する疑似コロケーション仮定、またはランダム・アクセス手順中にPDSCHまたはPDCCHにおいて受信されたランダム・アクセス応答に関して、競合が生じる可能性がある。以下の方法が、UEの決定の際に生じる競合を解決するために用いられることが可能である。
【0246】
諸実施形態によれば、UEは、1つより多いPDCCH候補と関連付けられているPDCCH/DCIを、コンテンション・フリー・ランダム・アクセスをトリガーする順序で受信するようには構成されていない、または受信することを予期しない。このことは、UEがPDCCHを受信してランダム・アクセス順序に、UEがランダム・アクセス手順のために復号したSSBのQCL仮定を提供することを可能にする。
【0247】
諸実施形態によれば、UEは、1つより多いPDCCH候補と関連付けられているPDCCH/DCIを、コンテンション・フリー・ランダム・アクセスをトリガーする順序で受信するように構成され、DCIと関連付けられたすべてのPDCCH候補を受信するためのQCL仮定が、SSBから、またはランダム・アクセス手順のために使用されるかもしくはランダム・アクセス手順と関連付けられたCSI-RSリソースから、取得される。すなわちPDCCH候補は、次のパラメータ:ドップラーシフト、ドップラー拡散、平均遅延、遅延拡散、空間RXパラメータ、のうちの1つまたは複数に関して前記SSBまたはCSI-RSリソースと疑似コロケーションされていると仮定されてもよい。このことは、単一のTRPを介したランダム・アクセス順序の繰り返しを意味し得る。1つの例では、コンテンション・フリー・ランダム・アクセスをトリガーする順序を提供するPDCCHは、同じCORESETに属していてもよい。その場合、PDCCHと単一のTRPとの関連付けが確保されることが可能である。
【0248】
諸実施形態によれば、UEは、1つより多いPDCCH候補と関連付けられているPDCCH/DCIを、コンテンション・フリー・ランダム・アクセスをトリガーする順序で受信するように構成され、PDCCH候補のうちの1つを受信するためのQCL仮定が、SSBから、またはランダム・アクセス手順のために使用されるかもしくはランダム・アクセス手順と関連付けられたCSI-RSリソースSから、取得され、関連付けられたPDCCH候補の中で少なくとも1つの他のPDCCH候補を受信するためのQCL仮定が、SSBから、またはリソースSとは異なるCSI-RSリソースSから取得される。SSBまたはCSI-RSリソースSは、以下のうちの1つまたは複数から選ばれてもよい。
- アクティブなダウンリンク帯域幅部分において最低のIDを持つCORESETのQCL仮定のために使用されたSSBまたはCSI-RSリソース、
- アクティブなダウンリンク帯域幅部分において最低のアクティブTCI状態で提供されたSSBまたはCSI-RSリソース、
- ある時間t’より前または後で最も最近に送信されたSSBまたはCSI-RSリソース、
- SSB、またはランダム・アクセス手順のために使用されるかもしくはランダム・アクセス手順と関連付けられたCSI-RSリソース。
時間基準t’は、以下のうちの少なくとも1つに基づいて決定され得る:
- コンテンション・フリー・ランダム・アクセスをトリガーするメッセージが受信されるPDCCH/PDCCH候補またはPDCCH候補のシンボル、
- 1つまたは複数の物理ランダム・アクセスチャネル送信がUEによって実施されるシンボル。
【0249】
この選択は、ランダム・アクセスをトリガーする順序を搬送するPDCCHと、異なるTRPとを関連付けることを可能にし得る。たとえば、前記PDCCHの中で少なくとも2つのPDCCHは、2つの異なるCORESETと関連付けられてもよく、この関連付けは、異なるTRPからのランダム・アクセス順序の送信の構成を可能にする。
【0250】
諸実施形態によれば、UEは、1つより多いPDCCH候補と関連付けられているPDCCH/DCIを、コンテンション・フリー・ランダム・アクセスをトリガーする順序で受信するように構成され、PDCCH候補のうちの1つを受信するためのQCL仮定が、SSBまたはCSI-RSリソースSから取得され、関連付けられたPDCCH候補の中で少なくとも1つの他のPDCCH候補を受信するためのQCL仮定が、SSBまたはCSI-RSリソースSから取得される。SSBまたはCSI-RSリソースSおよびSは、以下のうちの1つまたは複数から選ばれる:
- アクティブなダウンリンク帯域幅部分において最低のIDを持つCORESETのQCL仮定のために使用されたSSBまたはCSI-RSリソース、
- アクティブなダウンリンク帯域幅部分において最低のアクティブTCI状態で提供されたSSBまたはCSI-RSリソース、
- ある時間t’より前または後で最も最近に送信されたSSBまたはCSI-RSリソース、
- ランダム・アクセス手順のために使用されるかまたはランダム・アクセス手順と関連付けられたSSBまたはCSI-RSリソース。
時間基準は、前に言及されたように決定されてもよい。リソースSとSは、この場合には同じであっても異なっていてもよく、上記に提供された選択肢のうちの1つまたは複数から選ばれてもよい。
【0251】
<PUSCHをスケジューリングするときのSRI標示>
DCIを使用してPUSCHがスケジューリングされるとき、SRSリソース・インジケータ(SRI)がDCIで提供されてもよく、このSRIは、SRS送信と関連付けされなければならない。DCIが1つより多いPDCCH候補と関連付けられるときは、次に、示されたSRIが関連付けられているSRSリソースまたはSRSリソース・セットの送信が解決されなければならない。
【0252】
諸実施形態によれば、UEは、少なくとも1つのPUSCH送信をスケジューリングする1つより多いPDCCH候補と関連付けられたPDCCH/DCIを受信するように構成され、PDCCH/DCIは、ある時間t^(tの真上に「^」を付けた文字。以下同様)より前にUEによって最も最近に送信されたSRSリソースまたはSRSリソース・セットの送信と関連付けられている、少なくとも1つのSRSリソース・インジケータ(SRI)フィールド値または少なくとも1つのSRI値を備えることができ、ここで
t^は、以下のうちの少なくとも一方に基づいて決定され得る:
- 前記DCIと関連付けられたPDCCH候補の中で最も早い時間に開始または終了するPDCCH候補またはPDCCH候補のシンボル、
- 前記DCIと関連付けられたPDCCH候補の中で最も早い時間に開始または終了するPDCCH候補が受信されるスロット。
【0253】
この方法では、DCI中に示されたSRIは、関連付けられたすべてのPDCCH候補内で、同じSRSリソースまたはリソース・セットを参照する。
異なる方法において、異なるDCI中に示されたSRIは、異なるSRSリソースを示すことが許可されてもよい。
【0254】
諸実施形態によれば、UEは、少なくとも1つのPUSCH送信をスケジューリングする1つより多いPDCCH候補と関連付けられたPDCCH/DCIを受信するように構成され、PDCCH/DCIは、ある時間t^より前にUEによって最も最近に送信されたSRSリソースまたはSRSリソース・セットの送信と関連付けられている、少なくとも1つのSRSリソース・インジケータ(SRI)フィールド値または少なくとも1つのSRI値を備えることができ、ここでt^は、以下のうちの少なくとも一方に基づいて決定され得る:
- 前記DCIと関連付けられたPDCCH候補の中で最も遅い時間に開始または終了するPDCCH候補またはPDCCH候補のシンボル、
- 前記DCIと関連付けられたPDCCH候補の中で最も遅い時間に開始または終了するPDCCH候補が受信されるスロット。
この場合、DCIと関連付けられたPDCCHが、異なるスロットで、またはSRS送信がPDCCH間にある同じスロットで繰り返されるとき、SRSリソースまたはSRSリソース・セットとのSRI関連付けは、異なるPDCCH送信間で更新されることが可能である。
【0255】
図8を参照すると、以前に説明されたいくつかの実施形態による、UEによって実施される方法が提供されている。示すように、この方法は、
(801)ネットワーク・ノード(またはgNB)から、上位層を介して、1つまたは複数のPDCCHについて1つまたは複数のCORESETと関連付けられている1つまたは複数の探索空間セットの構成を受信する工程であって、各探索空間セットがいくつかのPDCCH候補を備え、各PDCCH候補は、制御チャネル要素(CCE)とも呼ばれるいくつかのリソース要素を備えるか、またはこれらから作り上げられており、UEが、構成されたPDCCH候補の上位層を介して示された特定のフォーマットの1つまたは複数のDCIを監視し、
(802)1つまたは複数の前記探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けの構成または標示がUEに対し提供され、探索空間セット・プール内の1つまたは複数の探索空間セットからの少なくとも2つのPDCCH候補が、同じDCI内容と関連付けられる、受信する工程と、
(803)1つまたは複数のPDCCHを受信するための構成または標示を探索空間セットに適用する工程とを備える。
【0256】
一実施形態によれば、1つまたは複数の前記探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けを提供する構成もしくは標示は、ネットワーク・ノード(またはgNB)から上位層を介してUEにシグナリングされることが可能であり、または、UEに推測的に知られており、たとえば仕様で固定されている。
【0257】
一実施形態によれば、探索空間セット・プールの上位層構成は、探索空間セット・プールに属する探索空間セットの識別子のリストを含む。
一実施形態によれば、上位層構成は、探索空間セット・プールを識別するインデックスもしくはインジケータ、または識別子を備える。
【0258】
一実施形態によれば、構成は、ネットワーク・ノードから、探索空間セットの識別子のリストと、任意選択で探索空間セット・プール・インデックスとを含むMAC-CEメッセージにより受信される。
【0259】
この方法は、少なくとも2つのPDCCH候補を1つまたは複数の探索空間セット上で監視する工程をさらに備える。この方法は、前記少なくとも2つのPDCCH候補上で受信された少なくとも2つのPDCCHを結合または共同で処理してDCIを復号する工程をさらに備え得る。少なくとも2つのPDCCH候補の結合または共同の処理は、DCIを復号中に実施される。
【0260】
一実施形態によれば、同じDCI内容と関連付けられている探索空間セット・プール内の探索空間セットのPDCCH候補は、同じアグリゲーション・レベルまたは異なるアグリゲーション・レベルである。
【0261】
一実施形態によれば、UEによって実施される方法は、複数のPDCCH候補が単一のDCIと関連付けられる場合に、関連付けられた各PDCCH候補が、送信処理されたDCIの一部を備えるか、それとも関連付けられた各PDCCH候補が、送信処理されたDCIの全部を備えるかを示す標示をネットワーク・ノードから受信する工程を含む。
【0262】
一実施形態によれば、各探索空間セットは少なくとも1つのCORESETと関連付けられ、各CORESETはパラメータCORESETpoolIndexと関連付けられており、探索空間セット・プール内の2つの異なる探索空間セットと関連付けられた少なくとも2つのCORESETは、パラメータCORESETpoolIndexの別々の値によって構成される。
【0263】
一実施形態によれば、探索空間セットに対して設定された以下のパラメータのうちの少なくとも1つの値が、別の探索空間セットに対して設定された対応するパラメータと同一である:探索空間タイプ、監視されるべきDCIフォーマット、監視スロット周期およびオフセット、探索空間持続期間、ならびに関連付けられたCORESETの周波数領域リソースが構成されているダウンリンク帯域幅。
【0264】
一実施形態によれば、UEによって実施される方法は、サービング・セル内の1つより多いCORESETと関連付けられた探索空間セットの構成を、ネットワーク・ノードから上位層を介して受信する工程を備え、探索空間セットと1つまたは複数のCORESETとの関連付けの構成または標示がUEに対して提供されてもよく、探索空間セットは、それぞれが1つまたは複数のCCEを備えるいくつかのPDCCH候補を備え、前記探索空間セットと関連付けられたPDCCHは、探索空間セットと関連付けられた1つまたは複数のCORESETで送信され、それゆえに、探索空間セット内のPDCCH候補に対応するCCEは、関連付けられたCORESETのうちの1つまたは複数にマッピングされ得る。この方法は、1つまたは複数のPDCCHを受信するための構成または標示を探索空間セットに適用する工程をさらに備え得る。
【0265】
一実施形態によれば、探索空間セットと1つまたは複数のCORSETとの関連付けを提供する構成または標示は、ネットワーク・ノード(またはgNB)から上位層を介してUEにシグナリングされることが可能であり、または、UEに推測的に知られており、たとえば仕様で固定されている。
【0266】
一実施形態によれば、探索空間セットと2つ以上のCORESETとの関連付けは、探索空間セットの上位層構成、もしくはMAC-CEメッセージを介して、または関連付けられたCORESETのリストを1つの探索空間セットに対し提供する上位層情報要素を介して、実施されてもよい。
【0267】
一実施形態によれば、UEによって実施される方法は、1つまたは複数のCORSET内のPDCCH候補のセットを、対応する探索空間セットに応じてPDCCH監視によって構成された各アクティブ化されたサービング・セル上のアクティブなダウンリンク帯域幅部分で監視する工程を備える。探索空間セットが複数のCORESETと関連付けられる場合、CORESETのうちの1つの次のパラメータ:CORESETの周波数領域リソースが構成されるダウンリンク帯域幅部分、またはシンボル数の持続時間、のうちの少なくとも1つは、同じ探索空間と関連付けられた別のCORESETの対応するパラメータと同一である。
【0268】
一実施形態によれば、UEによって実施される方法は、UEがサービング・セル内のスロットにおいて復号することができるPDCCHおよび/またはDCIの数を示すUEの能力をネットワーク・ノードに報告する工程を備える。
【0269】
一実施形態によれば、UEによって実施される方法は、
- サービング・セル内のスロットにおいて最大A個のPDCCH候補を処理して、最大D≦A個のDCI(DおよびAは任意の適切な値を取り得る)を取得する工程であって、各DCIは、
- UEは、各PDCCH候補のブラインド復号を個別に実施することが可能である、または
- UEが、各PDCCH候補を個別復号するための能力をネットワーク・ノードに報告する、または
- PDCCHの構成が、各PDCCH候補の個別復号を必要とする
場合に、単一のPDCCH候補をブラインド復号することから取得される、取得する工程と、
- サービング・セル内のスロットにおいて最大A個のPDCCH候補を処理して、最大D≦A個のDCI(DおよびAは任意の適切な値を取り得る)を取得する工程であって、各DCIは、
- UEは、1つまたは複数のPDCCH候補からDCIの復号を実施することが可能である、または
- UEが、1つまたは複数のPDCCH候補からDCIの復号を実施する能力をネットワーク・ノードに報告する、または
- PDCCHの構成が、1つまたは複数のPDCCH候補からのDCIの復号を必要とする
場合に、1つまたは複数のPDCCH候補を処理することから復号され得る、取得する工程とを備える。
【0270】
一実施形態によれば、PDCCH候補は、所与のスロットにおいて、またはセル内の所与のスパンにおいて構成され、PDCCH候補のグループgが、同じDCI内容と関連付けられているp>1個のPDCCH候補を備える。
【0271】
一実施形態によれば、UEによって実施される方法は、所与のスロットにおいて、またはセル内の所与のスパンにおいて、グループgについてカウントされる何回かのブラインド復号試行を実施する工程を備えることができ、ブラインド復号試行の回数は以下のうちの一方である:
- 1回のブラインド復号試行、
- s回のブラインド復号試行、ここでsは、前記グループgのPDCCH候補の数以下である。
【0272】
一実施形態によれば、UEによって実施される方法は、以下のうちの1つをネットワーク・ノードに報告する工程を備え得る:
- 同じDCI内容と関連付けられているPDCCH候補のグループに関して、監視されるPDCCH候補の数および/または監視されるCCEの数および/またはブラインド復号試行の回数、
- 同じDCI内容と関連付けられているPDCCH候補のグループに関して、監視されるPDCCH候補の数および/または監視されるCCEの数および/またはブラインド復号試行の回数を示すインデックスまたはパラメータ。
【0273】
UEによって実施される付加的な動作については、すでに説明されている。
図9を参照すると、以前に説明されたいくつかの実施形態による、ネットワーク・ノードまたはgNBによって実施される方法が提供されている。示すように、この方法は、
(901)UEに向けて、上位層を介して、1つまたは複数のPDCCHについて1つまたは複数のCORESETと関連付けられている1つまたは複数の探索空間(SS)セットの構成を送信する工程を備え、各探索空間セットがいくつかのPDCCH候補を備え、各PDCCH候補は、UEが、構成されたPDCCH候補の上位層を介して示された特定のフォーマットの1つまたは複数のDCIを監視できるようにするための、いくつかのCCEを備えるか、またはこれらから作り上げられており、
(902)1つまたは複数の前記探索空間セットと探索空間セット・プールとの関連付けの構成または標示がUEに対し提供され、探索空間セット・プール内の1つまたは複数の探索空間セットからの少なくとも2つのPDCCH候補が、同じDCI内容と関連付けられる。
【0274】
以前に説明されたように、ネットワーク・ノードまたはgNBが構成をUEへ送信すると、UEは、1つまたは複数のPDCCHを受信するためのその構成を、ネットワーク・ノードによって送信される探索空間セットに適用する。ネットワーク・ノードまたはgNBによって実施される付加的な動作については、すでに説明されている。
【0275】
一実施形態によれば、ネットワーク・ノードによって実施される方法は、探索空間セットの構成を、上位層を介してUEへ送信する工程を備え、探索空間セットがサービング・セル内の1つより多いCORESETと関連付けられており、探索空間セットと1つまたは複数のCORESETとの関連付けの構成または標示がUEに対し提供され、探索空間セットは、それぞれが1つまたは複数のCCEを備えるいくつかのPDCCH候補を備え、前記探索空間セットと関連付けられたPDCCHは、探索空間セットと関連付けられた1つまたは複数のCORESETで送信され、それゆえに、探索空間セット内のPDCCH候補に対応するCCEは、関連付けられたCORESETのうちの1つまたは複数にマッピングされ得る。
【0276】
以前に説明されたように、また一実施形態によれば、ネットワーク・ノードによって実施される方法は、同じDCIもしくは同じDCI内容と関連付けられているPDCCH候補を個別/選択的に復号する能力、および/または共同の/結合された復号/処理をする能力がUEにあるかどうかを示すパラメータを含む報告を、UEから受信する工程を備え得る。たとえば、パラメータは、「decodingDCIfromMultiplePDCCHcandidates」という名称が付けられてもよく、取られる値は、「selection」、「combining」、「selectionAndCombining」とされてもよい。
【0277】
ネットワーク・ノードによって実施される方法は、複数のPDCCH候補が同じDCIまたは同じDCI内容と関連付けられる可能性があるときに、有効なDCIを探索してブラインド復号を実施するためにUEが結合/共同で処理できるPDCCH候補の数を示すパラメータを報告で、または別の報告でUEから受信する工程をさらに備え得る。たとえば、パラメータは、「numberOfBDPDCCHcandidatesForCombinedDecoding」という名称が付けられてもよく、1つの整数値、たとえば、1、2、4を取ることができる。
【0278】
ネットワークによって実施される方法は、複数のPDCCH候補が同じDCIまたは同じDCI内容と関連付けられ得るときに、DCIを取得するためにUEが個別にブラインド復号することを試みることができるPDCCH候補の数を示すパラメータを同じ報告で、または別の報告でUEから受信する工程をさらに備え得る。たとえば、パラメータは、「numberOfBDPDCCHcandidatesForSelectiveDecoding」という名称が付けられてもよく、1つの整数値、たとえば、1、2、4を取ることができる。
【0279】
ネットワークによって実施される方法は、1つの値を、またはPDCCH候補もしくはブラインド復号試行をカウントするどの方法がUEに適用されるかを、報告で、または別の報告でUEから受信する工程をさらに備え得る。
【0280】
ネットワーク・ノードによって実施される付加的な動作については、すでに説明されている。
UEによって実施される、以前に説明されたプロセスまたは方法の工程を実施するために、UEもまた提供される。図10は、UEを描写するブロック図を示す。UE 1000は、プロセッサ1010または処理回路または処理モジュールまたはプロセッサまたは手段1010と、受信機回路または受信機モジュール1040と、送信機回路または送信機モジュール1050と、メモリ・モジュール1020と、送信機回路1050および受信機回路1040を含み得るトランシーバ回路またはトランシーバ・モジュール1030とを備える。UE 1000は、少なくともネットワーク・ノードとの間で信号を送受信するためのアンテナ回路を含むアンテナ・システム1060をさらに備える。アンテナ・システムは、以前に説明されたビームフォーミングを採用する。UEによって実施される動作については、すでに説明されている。
【0281】
UE 1000は、ビームフォーミング技術をサポートする4GまたはLTE、LTE-A、5G、先進5Gまたはこれらの組み合わせを含む、任意の無線アクセス技術に属し得る。プロセッサ1010およびメモリ1020を備えるUEは、プロセッサ1010によって実行可能な命令を含有し、それによってUE 1000は、以前に説明されたUEに関する実施形態のいずれか1つを実施するように動作可能である。
【0282】
処理モジュール/回路1010は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などを含み、「プロセッサ」と呼ばれることもある。プロセッサ1010は、ネットワーク・ノードおよびその構成要素の動作を制御する。メモリ(回路またはモジュール)1020は、プロセッサ1010によって使用されることが可能なデータおよび命令を記憶するためのランダム・アクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、および/または他のタイプのメモリを含む。一般に、1つまたは複数の実施形態におけるUE 1000は、本明細書に開示されている実施形態のいずれかにおいて動作を遂行するように構成されている固定された回路またはプログラムされた回路を含むことを理解されたい。
【0283】
少なくとも1つのそのような例では、プロセッサ1010は、処理回路内にある、または処理回路がアクセス可能である、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ・プログラムからのコンピュータ・プログラム命令を実行するように構成されている、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、ASIC、FPGA、または他の処理回路を含む。ここで、「非一時的」とは、必ずしも永久的または不変的な記憶を意味せず、ワーキング・メモリまたは揮発性メモリにおける記憶を含み得るが、この用語は、少なくともいくらか持続的な記憶を暗示する。プログラム命令を実行することが、UEに関して本開示で開示されている動作を遂行するように処理回路を特に適合させる、または構成する。さらに、UE 1000は付加的な構成要素を備え得ることが理解されよう。
【0284】
ネットワーク・ノードによって実施される、以前に説明されたプロセスまたは方法の工程を実施するために、ネットワーク・ノード(またはgNB)もまた提供される。図11は、ネットワーク・ノードの例示的なブロック図を示す。ネットワーク・ノード1100は、プロセッサ1110または処理回路または処理モジュールまたはプロセッサまたは手段1110と、受信機回路または受信機モジュール1140と、送信機回路または送信機モジュール1150と、メモリ・モジュール1120と、送信機回路1150および受信機回路1140を含み得るトランシーバ回路またはトランシーバ・モジュール1130とを備える。ネットワーク・ノード1100は、少なくともUEとの間で信号を送受信するためのアンテナ回路を含むアンテナ・システム1160をさらに備える。アンテナ・システムは、以前に説明されたビームフォーミングを採用する。ネットワーク・ノードによって実施される動作については、すでに説明されている。ネットワーク・ノードはまた、TRPとして見られることもある。
【0285】
処理モジュール/回路1110は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などを含み、「プロセッサ」と呼ばれることもある。プロセッサ1110は、ネットワーク・ノードおよびその構成要素の動作を制御する。メモリ(回路またはモジュール)1120は、プロセッサ1110によって使用されることが可能なデータおよび命令を記憶するためのランダム・アクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、および/または他のタイプのメモリを含む。一般に、1つまたは複数の実施形態におけるネットワーク・ノードは、本明細書に開示されている実施形態のいずれかにおいて動作を遂行するように構成されている固定された回路またはプログラムされた回路を含むことを理解されたい。
【0286】
少なくとも1つのそのような例では、プロセッサ1110は、処理回路内にある、または処理回路がアクセス可能である、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ・プログラムからのコンピュータ・プログラム命令を実行するように構成されているマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、ASIC、FPGA、または他の処理回路を含む。ここで、「非一時的」とは、必ずしも永久的または不変的な記憶を意味せず、ワーキング・メモリまたは揮発性メモリにおける記憶を含み得るが、この用語は、少なくともいくらか持続的な記憶を暗示する。プログラム命令を実行することが、本開示で開示されている動作を遂行するように処理回路を特に適合させる、または構成する。さらに、ネットワーク・ノードは付加的な構成要素を備え得ることが理解されよう。
【0287】
ネットワーク・ノード1100は、ビームフォーミング技術をサポートする4GまたはLTE、LTE-A、5G、先進5Gまたはこれらの組み合わせを含む、任意の無線アクセス技術に属し得る。プロセッサおよびメモリを備えるネットワーク・ノードは、プロセッサによって実行可能な命令を含有し、それによってネットワーク・ノード1100は、ネットワーク・ノードに関する本開示で開示された主題のいずれか1つを実施するように動作可能である。
【0288】
本明細書全体を通して「一例」または「例示的な」について言及することは、その例に関して説明された特別な特徴、構造、または特性が、本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それゆえに、本明細書全体を通して様々な場所で「一例では」という語句または「例示的な」という文言が出てきても、すべてが同じ実施形態について言及しているとは限らない。
【0289】
本開示を通じて、「備える(comprise)」または「備えている(comprising)」という文言は、非限定的な意味で、すなわち「から少なくとも成る」という意味で使用されている。本明細書では特定の用語が採用されることがあるが、これらは一般的かつ説明的な意味だけで使用されており、限定を目的としていない。本明細書の実施形態は、LTEまたは4G、LTE-A(またはLTE-Advanced)、5G、先進5G、WiMAX、WiFi、衛星通信、テレビ放送等を含むあらゆるワイヤレスシステムにおいて適用され得る。
【0290】
<参考文献>
[1]3GPP TS 38.211 V16.0.0:「3GPP;TSG RAN;NR;物理チャネルおよび変調(Physical channels and modulation)(Rel.16)」、2020年1月。
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[2]3GPP TS 38.212 V16.0.0:「3GPP;TSG RAN;NR;多重化およびチャネル・コーディング(Multiplexing and channel coding)(Rel.16)」、2020年1月。
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[3]3GPP TS 38.213 V16.0.0:「3GPP;TSG RAN;NR;制御のための物理層手順(Physical layer procedures for control)(Rel.16)」、2020年1月。
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図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11