IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エレベーターコミュニケーションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-エレベータ操作装置、エレベータ 図1
  • 特許-エレベータ操作装置、エレベータ 図2
  • 特許-エレベータ操作装置、エレベータ 図3
  • 特許-エレベータ操作装置、エレベータ 図4
  • 特許-エレベータ操作装置、エレベータ 図5
  • 特許-エレベータ操作装置、エレベータ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】エレベータ操作装置、エレベータ
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/46 20060101AFI20231204BHJP
【FI】
B66B1/46 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023148893
(22)【出願日】2023-09-14
【審査請求日】2023-09-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523311649
【氏名又は名称】エレベーターコミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128141
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 圭一
(72)【発明者】
【氏名】薄田 章博
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-112484(JP,A)
【文献】特開平03-008677(JP,A)
【文献】特表2023-523460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00 - 1/52
B66B 3/00 - 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの乗場で該エレベータに対する操作を行うためのエレベータ操作装置であって、
前記エレベータの乗りかごが現在位置する階数の変化に追従して、該乗りかごが現在位置する階数を表す数字表示を同一表示位置で変化可能に表示する表示部と、
前記数字表示に重畳する領域(以下、数字重畳領域と呼ぶ。)内で、前記数字表示に干渉しない場所に配置され、前記エレベータに対する操作を受け付ける操作部と、
を備えることを特徴とする、
エレベータ操作装置。
【請求項2】
前記操作部は、
前記乗りかごを呼び寄せると共に、行き先を現在の階数を基準として上層階側へ指定する指示の入力を受け付ける上層階側操作片と、
前記乗りかごを呼び寄せると共に、行き先を現在の階数を基準として下層階側へ指定する指示の入力を受け付ける下層階側操作片と、
を有し、
前記上層階側操作片は、前記数字表示の上下方向を基準として、前記下層階側操作片よりも上方側に配置されることを特徴とする、
請求項1に記載のエレベータ操作装置。
【請求項3】
前記数字重畳領域として、前記数字表示における8表示を構成する2つの環のそれぞれに取り囲まれる上方側包囲領域及び下方側包囲領域を有し、
前記上層階側操作片は、前記上方側包囲領域内に配置され、
前記下層階側操作片は、前記下方側包囲領域内に配置されることを特徴とする、
請求項2に記載のエレベータ操作装置。
【請求項4】
前記表示部は、点灯することにより前記数字表示を表示可能な7セグメント表示器を有することを特徴とする、
請求項3に記載のエレベータ操作装置。
【請求項5】
前記7セグメント表示器は、8表示を表現可能な7つのセグメントにより取り囲まれる2つの環によって、前記上方側包囲領域及び前記下方側包囲領域が形成されることを特徴とする、
請求項4に記載のエレベータ操作装置。
【請求項6】
前記数字表示として、
一の位を表す第一数字表示と、
十の位を表す第二数字表示と、
を有し、
前記上層階側操作片及び前記下層階側操作片は、前記第一数字表示及び前記第二数字表示のいずれか一方の前記数字重畳領域に配置されることを特徴とする、
請求項2~5のいずれか一項に記載のエレベータ操作装置。
【請求項7】
計算機を有する制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記エレベータの乗りかごが現在位置する階数を前記表示部に表示させるよう制御すると共に、前記操作部の操作を受け付けた際に、前記操作部を点灯させるように制御することを特徴とする、
請求項1に記載のエレベータ操作装置。
【請求項8】
自身の乗場のドアの周囲のいずれかに設置され、該乗場で前記乗りかごに対する操作を行うためのエレベータ操作装置と、
前記乗りかごが現在位置する階数を表す第二数字表示を表示する第二表示部と、
を備え、
前記エレベータ操作装置は、
前記乗りかごが現在位置する階数の変化に追従して、該乗りかごが現在位置する階数を表す数字表示を同一表示位置で変化可能に表示する第一表示部と、
前記数字表示に重畳する領域(以下、数字重畳領域と呼ぶ。)内で、前記数字表示に干渉しない場所に配置され、前記乗りかごに対する操作を受け付ける操作部と、
を有し、
前記第二表示部は、前記第一表示部よりも上方側に配置されることを特徴とする、
エレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの乗場に設けられるエレベータ操作装置、及びそのエレベータ操作装置を備えたエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの乗場には、エレベータの乗りかごを呼び出すための操作装置が設けられている。操作装置の乗りかご呼び出しボタンを押すことにより、乗りかごは、その階に移動する。エレベータの乗場操作装置として、例えば、筐体、上昇用乗場呼びボタン、下降用乗場呼びボタン、表示装置及び乗場通話装置を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。上昇用乗場呼びボタンと下降用乗場呼びボタンは、筐体の前面の下部に設けられる。表示装置は、筐体の前面の上部に設けられる。そして、表示装置の上部には、現時点における乗りかごの移動方向と、乗りかごの存在階を示す情報が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-094492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のエレベータの乗場操作装置では、上昇用乗場呼びボタン及び下降用乗場呼びボタンと、乗りかご情報を表示する表示装置を上下方向に一列に並べて配置している。このため、乗りかごの存在階を示す情報の表示領域を大きくできず、乗りかごの存在階を示す情報の表示を小さくしなければならなかった。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、乗りかごの存在階を示す情報を大きく表示可能なエレベータ操作装置、及びそのエレベータ操作装置を備えたエレベータを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエレベータ操作装置は、エレベータの乗場で該エレベータに対する操作を行うためのエレベータ操作装置であって、前記エレベータの乗りかごが現在位置する階数の変化に追従して、該乗りかごが現在位置する階数を表す数字表示を同一表示位置で変化可能に表示する表示部と、前記数字表示に重畳する領域(以下、数字重畳領域と呼ぶ。)内で、前記数字表示に干渉しない場所に配置され、前記エレベータに対する操作を受け付ける操作部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明のエレベータ操作装置において、前記操作部は、前記乗りかごを呼び寄せると共に、行き先を現在の階数を基準として上層階側へ指定する指示の入力を受け付ける上層階側操作片と、前記乗りかごを呼び寄せると共に、行き先を現在の階数を基準として下層階側へ指定する指示の入力を受け付ける下層階側操作片と、を有し、前記上層階側操作片は、前記数字表示の上下方向を基準として、前記下層階側操作片よりも上方側に配置されることを特徴とする。
【0008】
本発明のエレベータ操作装置において、前記数字重畳領域として、前記数字表示における8表示を構成する2つの環のそれぞれに取り囲まれる上方側包囲領域及び下方側包囲領域を有し、前記上層階側操作片は、前記上方側包囲領域内に配置され、前記下層階側操作片は、前記下方側包囲領域内に配置されることを特徴とする。
【0009】
本発明のエレベータ操作装置において、前記表示部は、点灯することにより前記数字表示を表示可能な7セグメント表示器を有することを特徴とする。
【0010】
本発明のエレベータ操作装置において、前記7セグメント表示器は、8表示を表現可能な7つのセグメントにより取り囲まれる2つの環によって、前記上方側包囲領域及び前記下方側包囲領域が形成されることを特徴とする。
【0011】
本発明のエレベータ操作装置において、前記数字表示として、一の位を表す第一数字表示と、十の位を表す第二数字表示と、を有し、前記上層階側操作片及び前記下層階側操作片は、前記第一数字表示及び前記第二数字表示のいずれか一方の前記数字重畳領域に配置されることを特徴とする。
【0012】
本発明のエレベータ操作装置において、計算機を有する制御装置を備え、前記制御装置は、前記エレベータの乗りかごが現在位置する階数を前記表示部に表示させるよう制御すると共に、前記操作部の操作を受け付けた際に、前記操作部を点灯させるように制御することを特徴とする。
【0013】
本発明のエレベータ操作装置において、前記表示部は、前記乗りかごが上昇していることを表示する上昇表示部と、前記乗りかごが下降していることを表示する下降表示部と、を有することを特徴としてもよい。
【0014】
本発明のエレベータは、自身の乗場のドアの周囲のいずれかに設置され、該乗場で前記乗りかごに対する操作を行うためのエレベータ操作装置と、前記乗りかごが現在位置する階数を表す第二数字表示を表示する第二表示部と、を備え、前記エレベータ操作装置は、前記乗りかごが現在位置する階数の変化に追従して、該乗りかごが現在位置する階数を表す数字表示を同一表示位置で変化可能に表示する第一表示部と、前記数字表示に重畳する領域(以下、数字重畳領域と呼ぶ。)内で、前記数字表示に干渉しない場所に配置され、前記乗りかごに対する操作を受け付ける操作部と、を有し、前記第二表示部は、前記第一表示部よりも上方側に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のエレベータ操作装置及びエレベータによれば、乗りかごの存在階を示す情報を大きく表示することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態におけるエレベータ操作装置を含むエレベータの概要図である。
図2】本発明の実施形態におけるエレベータ操作装置を含むエレベータの変形例の概要図である。
図3】本発明の実施形態におけるエレベータ操作装置の正面図である。
図4】(A)は、乗りかごが現在4階に位置し、上昇状態であることを示す本発明の実施形態におけるエレベータ操作装置の正面図である。(B)は、乗りかごが現在5階に位置し停止状態であることを示す本発明の実施形態におけるエレベータ操作装置の正面図である。
図5】(A)は数字の「8」表示を示す図であり、(B)は数字の「5」を表示する図であり、(C)は数字の9を表示する図であり、(D)は数字の「2」を表示する図である。
図6】(A)及び(B)は、本発明の実施形態におけるエレベータ操作装置の変形例の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0018】
本発明の実施形態におけるエレベータ操作装置1は、エレベータ100の乗場200でエレベータ100に対する操作を行うためのものである。本実施形態におけるエレベータ操作装置1は、エレベータ100のドア110の脇の壁から外部に剥き出しになった状態で取り付けられるが、これに限定されるものではなく、例えば、エレベータ100の乗場200のドア110の脇において床面から立設する台210の上端面に設けられてもよい(図2参照)。
【0019】
<全体構成>
本実施形態におけるエレベータ操作装置1は、図1に示すように、表示部2と、操作部3と、を備える。表示部2及び操作部3は、エレベータ100の各部を制御する制御装置10により制御される。制御装置10は、例えば、計算機を有する。計算機は、各種プログラムが実行されるCPU(中央演算装置)、CPUで必要とする情報を一時的に展開するメモリ、プログラムや各種データが保存される情報記憶媒体、外部との通信を行う通信インターフェース等を備える。なお、表示部2は、後述する第二表示部4と区別するため、第一表示部2と称してもよい。
【0020】
<表示部>
図1図4を参照して、表示部2について説明する。表示部2は、図3に示すように、エレベータ100の乗りかご120が現在位置する階数を表す数字表示20を表示する。乗りかご120が現在位置する階数に変化があれば、それに追従して表示部2に表示される数字表示20も変化する。そして、数字表示20は、同一表示位置で変化する。例えば、乗りかご120が建物の4階から5階に上昇する場合、数字表示20は、同一表示位置で「4」(図4(A)参照)から「5」(図4(B)参照)に変化する。
【0021】
本実施形態において表示部2は、7セグメント表示器21を有する。7セグメント表示器21は、図3に示すように、七つのセグメント21A~21Gを有する。七つのセグメント21A~21Gは、複数の数字(アラビア数字:0~9)を表現可能に配列される。なお、七つのセグメント21A~21Gの詳細名称として、ここでは上水平セグメント21A、上左セグメント21B、上右セグメント21C、中央水平セグメント21D、下左セグメント21E、下右セグメント21F、下水平セグメント21Gと定義する。七つのセグメント21A~21Gのそれぞれには、LED等の発光部(図示省略)が内蔵される。発光部は、制御装置10からの指示に応じて点灯又は消灯する。発光部が点灯するセグメントは、7セグメント表示器21に表示され、発光部が消灯するセグメントは、7セグメント表示器21に表示されない。七つのセグメント21A~21Gのそれぞれに対応する発光部の点灯又は消灯によりアラビア数字が7セグメント表示器21で表示される。そして、7セグメント表示器21に表示されるアラビア数字が数字表示20に相当する。七つのセグメント21A~21Gは、8表示を表すように並ぶ。本実施形態における数字表示20は、0~9まで表示可能である。
【0022】
例えば、図1に示すように、乗りかご120が上昇して、乗りかご120が現在位置する階数が4階から5階に変化したとする。この際、制御装置10は、7セグメント表示器21に対して、「4」に相当する各セグメント(21B,21C,21D,21F)の点灯から「5」に相当する各セグメント(21A,21B,21D,21F,21G)の点灯に変えるように指示する。結果、図4(A),(B)に示すように、7セグメント表示器21における数字表示20は、「4」から「5」に変化する。
【0023】
また、表示部2(7セグメント表示器21)は、乗りかご120が移動している場合、移動方向を表示する移動方向表示を2つ有する。図3に示すように、移動方向表示の一方は、乗りかご120が上昇していることを表示する上昇表示部22Aで、残りは、乗りかご120が下降していることを表示する下降表示部22Bである。上昇表示部22Aと下降表示部22Bは、数字表示20を間に挟んで、数字表示20の上下方向Aに並ぶ。
【0024】
上昇表示部22Aと下降表示部22Bは、LED等の発光部(図示省略)を内蔵する。上昇表示部22A及び下降表示部22Bの発光部は、制御装置10からの指示に応じて点灯又は消灯する。乗りかご120は上昇中である場合、上昇表示部22Aの発光部が点灯し、下降表示部22Bの発光部が消灯する。乗りかご120は下降中である場合、上昇表示部22Aの発光部が消灯し、下降表示部22Bの発光部が点灯する。つまり、制御装置10により上昇表示部22A及び下降表示部22Bのいずれか一方の発光部を点灯状態にし、他方の発光部を消灯状態にすることにより、乗りかご120の移動方向が外部に明示される。なお、上昇表示部22A及び下降表示部22Bの双方の発光部が消灯状態の場合、乗りかご120は停止していることを表すように構成されてもよい。
【0025】
また、本実施形態では、エレベータ100は、エレベータ100のドア110の上端よりも上方側に第二表示部(ドア上表示部)4を有する。第二表示部4は、エレベータ100の乗りかご120が現在位置する階数を表す第二数字表示40を表示する。第二表示部4では、例えば、予め階数に相当する数字表示部がエレベータ100のドア110の幅方向に一列に並んでいる。そして、各数字表示部は、LED等の発光部(図示省略)を内蔵する。各数字表示部の発光部は、制御装置10からの指示に応じて点灯又は消灯する。現在位置する階数に相当する数字表示部の発光部(図示省略)のみが点灯して、第二表示部4に現在位置する階数が表示される。なお、第二表示部4は、表示部2と同様に同一表示位置で第二数字表示40が表示変化可能に構成されてもよい。
【0026】
エレベータ操作装置1の前に人が立っていると、その人が邪魔になって、背後の人達は、表示部2の数字表示20を見ることができない場合があり得る。このため、第二表示部(ドア上表示部)4が別途設けられていれば、背後の人達も、乗りかご120が現在位置する階数を容易に確認することができる。
【0027】
<操作部>
図1図5を参照して、操作部3について説明する。操作部3は、エレベータ100に対する操作を受け付けるものである。操作部3は、上層階側操作片31と、下層階側操作片32を有する。
【0028】
上層階側操作片31は、乗りかご120を呼び寄せると共に、行き先を現在の階数を基準として上層階側へ指定する指示の入力を受け付ける。下層階側操作片32は、行き先を現在の階数を基準として下層階側へ指定する指示の入力を受け付ける。上層階側操作片31及び下層階側操作片32は、押下操作により入力を受け付ける機械式ボタンにより構成されてもよいし、タッチ操作により入力を受け付けるタッチ操作式ボタンにより構成されてもよい。図3に示すように、上層階側操作片31は、数字表示20の上下方向Aを基準として、下層階側操作片32よりも上方側に配置されることが好ましい。つまり、上層階側操作片31及び下層階側操作片32は上下方向Aに並列配置される。
【0029】
上層階側操作片31及び下層階側操作片32のそれぞれは、発光部(図示省略)を内蔵する。上層階側操作片31及び下層階側操作片32の発光部は、制御装置10からの指示に応じて点灯又は消灯する。上層階側操作片31が操作者により押下操作又はタッチ操作されると、上層階側操作片31の発光部が点灯する。下層階側操作片32が操作者により押下操作又はタッチ操作されると、下層階側操作片32の発光部が点灯する。これにより、上層階側操作片31及び下層階側操作片32のいずれかが選択されたことが外部に明示される。
【0030】
上層階側操作片31及び下層階側操作片32は、数字表示20に重畳する領域(以下、数字重畳領域と呼ぶ。)内に配置される。図3に示すように、数字重畳領域とは、変化し得る数字(0~9)全体を取り囲む矩形線80により画定される領域を指す。つまり、数字表示20が表示し得る数字が仮に1~4であっても、その矩形線は、図3の矩形線80とほとんど同じになる。より具体的には、表示部2の表示面2Aから操作部3(上層階側操作片31、下層階側操作片32)の一部が外部に剥き出しになる姿勢で、操作部3が表示部2に埋め込まれる。なお、操作部3は、数字重畳領域内において、数字表示20と干渉しない位置に配置される。
【0031】
数字表示20が7セグメント表示器21で表示される場合、図3に示すように、7セグメントは、数字表示20の上下方向Aに並ぶ2つの環を有する。上方側の環は、上水平セグメント21A、上左セグメント21B、上右セグメント21C、中央水平セグメント21Dによって形成される。下方側の環は、中央水平セグメント21D、下左セグメント21E、下右セグメント21F、下水平セグメント21Gによって形成される。上方側の環の内部を上方側包囲領域24A、下方側の環の内部を下方側包囲領域24Bと定義した際、上層階側操作片31は、上方側包囲領域24A内に配置され、下層階側操作片32は、下方側包囲領域24B内に配置される。
【0032】
なお、本発明は、数字表示20が7セグメント以外の表示態様であってもよい。一般的に図5(A)に示すように、数字の「8」表示は、「8」表示を構成する2つの環50,51を有する。2つの環50,51は、「8」表示の上下方向に並ぶ。そして、上方側の環50によって形成される上方側包囲領域52A内に上層階側操作片31が配置され、また、下方側の環51によって形成される下方側包囲領域52B内に下層階側操作片32が配置される。この場合、図5(B)~(D)に示すように、表示部2に表示される数字表示20が8以外に変わっても、上層階側操作片31、下層階側操作片32が、数字と干渉しないように8以外の数字表示20をデザインすることが好ましい。
【0033】
以上のように、本実施形態では、数字表示20の数字重畳領域における空白スペースに操作部3が配置されることにより、エレベータ操作装置1の専有面積を小さくしても、乗りかご120の現在階数を大きく表示させることができる。また、操作部3の背後に乗りかご120の現在階数が大きく表示されるように見えるので、利用者は、操作部3の操作と同時に現在階数を瞬時に認知できる。例えば、高所の視認が難しい車椅子の利用者は、表示部2と操作部3が重畳することで、利便性が大幅に向上する。なお、表示部2と操作部3の一体感によってデザイン性も向上する。結果、エレベータ操作装置1を見るだけで、乗りかご120の現在階数を容易に把握しつつ、乗りかご120の呼び出しを行うことができる。
【0034】
<表示部及び操作部の動作>
図4を参照して、表示部2及び操作部3の動作について説明する。本実施形態におけるエレベータ100において制御装置10は、当然ながら、乗りかご120の現在位置をリアルタイムに把握するように構成される。現在、乗りかご120が建物の4階に位置する場合、制御装置10は、各階のエレベータ100のドア110の脇に設置されたエレベータ操作装置1の表示部2に対して「4」と表示するよう指示する。具体的に制御装置10は、7セグメント表示器21の「4」に相当する各セグメント(21B,21C,21D,21F)が点灯するように発光部を制御する(図4(A)参照)。なお、第二表示部4も同様に制御される。
【0035】
この状態で建物の5階でエレベータ操作装置1の上層階側操作片31が押されると(図4(A)参照)、そのことを制御装置10が検出して、制御装置10は、上層階側操作片31が点灯するように発光部を制御する。同時に、制御装置10は、建物の4階に位置する乗りかご120を5階に移動させるように制御しつつ、上昇表示部22Aが点灯するように発光部を制御する。
【0036】
そして、乗りかご120が5階に移動すると、制御装置10はそのことを検出して、各階のエレベータ100のドア110の脇に設置されたエレベータ操作装置1の表示部2に対して「5」と表示するよう指示する。具体的に制御装置10は、7セグメント表示器21の「4」に相当する各セグメント(21A,21B,21D,21F,21G)が点灯するように発光部を制御する(図4(B)参照)。なお、第二表示部4も同様に制御される。
【0037】
<変形例>
表示部2の数字表示20は、複数桁あってもよい。例えば、図6に示すように、表示部2の数字表示20が2桁である場合を例にとって説明する。数字表示20が2桁である場合、数字表示20は、一の位を表す第一数字表示25Aと、十の位を表す第二数字表示25Bにより構成される。
【0038】
この場合、上層階側操作片31及び下層階側操作片32のそれぞれは、第一数字表示25A及び第二数字表示25Bのいずれか一方の数字重畳領域(図6(A)参照)に配置される。また、上層階側操作片31及び下層階側操作片32のいずれかの一方が、第一数字表示25A及び第二数字表示25Bのいずれか一方の数字重畳領域に配置され、上層階側操作片31及び下層階側操作片32の残りが、第一数字表示25A及び第二数字表示25Bの残りの数字重畳領域に配置されてもよい(図6(B)参照)。
【0039】
尚、本発明のエレベータ操作装置及びエレベータは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。そして、当然に、以上の各構成要素の全ての組み合わせが本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0040】
1 エレベータ操作装置
2 表示部
3 操作部
4 第二表示部(ドア上表示部)
10 制御装置
20 数字表示
21 7セグメント表示器
21A~21G セグメント
22A 上昇表示部
22B 下降表示部
24A 上方側包囲領域
24B 下方側包囲領域
25A 第一数字表示
25B 第二数字表示
31 上層階側操作片
32 下層階側操作片
40 第二数字表示
100 エレベータ
110 ドア
200 乗場
210 台
【要約】
【課題】エレベータの乗りかごの存在階を示す情報を大きく表示可能なエレベータ操作装置を提供する。
【解決手段】本発明のエレベータ操作装置は、エレベータの乗場で該エレベータに対する操作を行うためのエレベータ操作装置であって、前記エレベータの乗りかごが現在位置する階数の変化に追従して、該乗りかごが現在位置する階数を表す数字表示を同一表示位置で変化可能に表示する表示部と、前記数字表示に内包される位置(以下、数字重畳領域と呼ぶ。)で前記表示部に重畳するよう配置され、前記エレベータに対する操作を受け付ける操作部と、を備える。前記表示部は、発光することにより前記数字表示を表示可能な7セグメント表示器を有する。前記操作部は、前記乗りかごを呼び寄せる上層階側操作片及び下層階側操作片を有する。
【選択図】 図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6