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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】繊維巻取装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 57/28 20060101AFI20231205BHJP
   B65H 57/04 20060101ALI20231205BHJP
   B65H 63/06 20060101ALI20231205BHJP
   B65H 54/02 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
B65H57/28
B65H57/04
B65H63/06 Z
B65H54/02 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019207994
(22)【出願日】2019-11-18
(65)【公開番号】P2021080055
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】591159619
【氏名又は名称】島津産機システムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100094248
【弁理士】
【氏名又は名称】楠本 高義
(72)【発明者】
【氏名】村田 茂
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-079759(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 57/28
B65H 57/04
B65H 63/06
B65H 54/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本のフィラメントを集束してストランドを形成するギャザリングシューと、
前記ストランドを巻き取り、ケーキが形成されるコレットと、
前記ギャザリングシューとコレットとの間に配置され、ストランドに所定の張力をかけるガイドと、
前記ガイドを支持する支持装置と、
前記ガイドによって折れ曲がったストランドの角度が一定になるように支持装置を移動させる移動装置と、
を備えた繊維巻取装置。
【請求項2】
前記移動装置は、ガイドとコレットの間を走行するストランドの走行方向に対して垂直方向に支持装置を移動させる請求項1に記載の繊維巻取装置。
【請求項3】
前記コレットにストランドを巻き始めてからの時間を計時する計時装置を備え、
前記移動装置はコレットにストランドを巻き始めてからの時間に応じて支持装置を移動させる請求項1または2の繊維巻取装置。
【請求項4】
前記コレットにストランドを巻き始めてからのコレットの回転数を計測する回転数計を備え、
前記移動装置はコレットにストランドを巻き始めてからのコレットの回転数に応じて支持装置を移動させる請求項1または2の繊維巻取装置。
【請求項5】
前記コレットに形成されたケーキの厚みを検出する装置を備え、
前記移動装置はコレットに巻かれたケーキの厚みに応じて支持装置を移動させる請求項1または2の繊維巻取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1をはじめとして、ガラス繊維などの繊維を巻き取る装置が開発されている。たとえば、図10に示す従来の繊維巻取装置100は複数本のフィラメント(単繊維)102を集束してストランド104を形成するギャザリングシュー106、ストランド104に所定の張力を与えるガイド108、ストランド104が巻き取られるコレット110を備える。ガイド108は櫛歯状またはロール状になっており、繊維巻取装置100の任意の箇所に取り付けられている。複数本のフィラメント102がギャザリングシュー106で束ねられてストランド104になり、そのストランド104がコレット110に巻き取られてケーキ(繊維巻取り体)112が形成される。コレット110にストランド104を巻き取る際、ガイド108がストランド104に所定の張力を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-137222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ストランド104がコレット110に巻き取られるにしたがって、ケーキ112の厚みが厚くなる。ガイド108からコレット110に向かうストランド104の角度がθ1からθ2に変化する(図11)。ストランド104が巻き取られる際の張力が変化し、ストランド104に毛羽が生じたり、断線したりするおそれがある。コレット110に巻き取られたストランド104の品質が低下する。
【0005】
そこで本発明の目的は、コレットにストランドを巻き取る際にストランドの品質の低下を防止できる繊維巻取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決すべく、本発明に係る繊維巻取装置は、以下に述べるような構成を有する。
【0007】
本発明の繊維巻取装置は、複数本のフィラメントを集束してストランドを形成するギャザリングシューと、前記ストランドを巻き取り、ケーキが形成されるコレットと、前記ギャザリングシューとコレットとの間に配置され、ストランドに所定の張力をかけるガイドと、前記ガイドを支持する支持装置と、前記ガイドによって折れ曲がったストランドの角度が一定になるように支持装置を移動させる移動装置とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ストランドの角度が一定になるようにガイドを移動させることで、コレットにストランドを巻き始めてから終わるまでのストランドの張力が一定になり、同一状態を維持しながらストランドをコレットに巻きつけることができる。ストランドに毛羽が生じたり、断線したりすることを防止でき、ストランドの品質低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の繊維巻取装置の構成を示す正面図である。
図2】本発明の繊維巻取装置の構成を示す側面図である。
図3】制御装置に対して信号を入出力する装置を示すブロック図である。
図4】ストランドの角度を示す図である。
図5】モーターの回転数を計測する構成を示すブロック図である。
図6】非接触でストランドの巻き厚を計測する繊維巻取装置の構成を示す正面図である。
図7図6の繊維巻取装置の制御装置に対して信号を入出力する装置を示すブロック図である。
図8】ストランドに接触しながらストランドの巻き厚を計測する繊維巻取装置の構成を示す正面図である。
図9】ストランドに接触しながらストランドの巻き厚を計測する繊維巻取装置の構成を示す側面図である。
図10】従来の繊維巻取装置の構成を示す正面図である。
図11】従来の繊維巻取装置のストランドの角度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の繊維巻取装置について図面を参照して説明する。複数の実施形態を説明するが、異なる実施形態であっても同じ手段には同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0011】
[実施形態1]
図1に示す本願の繊維巻取装置10は、複数本のフィラメント12を集束させるギャザリングシュー14、ストランド16を巻き取るコレット18、ギャザリングシュー14とコレット18の間に配置されたガイド20、ガイド20を支持する支持装置22、支持装置22を移動させる移動装置24を備える。
【0012】
フィラメント12は単繊維であり、たとえばガラス繊維またはバサルト繊維などである。ギャザリングシュー14は溝を備えたローラである。複数本のフィラメント12が1つの溝で集束される。複数本のフィラメント12が集束されることでストランド16が形成される。
【0013】
コレット18は筒状になっている。タレット盤26に2つのコレット18が取り付けられている。2つのコレット18の間には仕切り板28が備えられる。図2に示すように、コレット18を回転させるためのモーター30を備える。なお、図2は一部の部品を省略している。モーター30がコレット18を回転させ、コレット18にストランド16を巻き取ってケーキ32を形成する。
【0014】
繊維巻取装置10は制御装置34を備える(図3)。制御装置34がモーター30に信号を送信し、その信号によってモーター30が回転または停止される。制御装置34はPLC(Programmable Logic Controller)またはCPU(Central Processing Unit)などの演算回路を使用できる。制御装置34はメモリなどの記憶装置36に必要情報を記憶しておき、その情報に基づいて演算をおこなう。
【0015】
タレット盤26は円盤形になっており、中心を軸として回転できる。一方のコレット18にケーキ32が形成されると、タレット盤26が回転し、2つのコレット18の位置が入れ替わる。次に他方のコレット18が回転してストランド16を巻き取ってケーキ32を形成する。
【0016】
繊維巻取装置10はガイド20とコレット18の間を走行するストランド16の位置を移動させる押出装置38を備える。押出装置38はストランド16を押す押出バー40とその押出バー40を前後させるエアシリンダ42を備える。エアシリンダ42のピストンロッド44に押出バー40が取り付けられている。エアシリンダ42は制御装置34からの信号によってピストンロッド44を前後させる。コレット18にケーキ32が完成してタレット盤26が回転する前に、押出バー40が前進されて、ストランド16がケーキ32の外側に押し出される。ストランド16がケーキ32に巻きつかず、コレット18の端部46に巻きつく。タレット盤26が回転すると一方のコレット18の端部46から他方のコレット18の端部46にストランド16が巻きかえられる。その後、押出バー40が元の位置に戻されることで、他方のコレット18にストランド16が巻き取られる。
【0017】
繊維巻取装置10は水などの液体を噴出するスプレー装置48を備える。タレット盤26が回転すると一方のコレット18から他方のコレット18にストランド16が巻きかえられる。その際、一方のコレット18は回転を停止し、他方のコレット18が回転を始めることで、ストランド16が引っ張られ、新しく巻き始めるコレット18にストランド16が巻きついていく途中で屈折し、それにより切断される。ストランド16が切断されるときに微細になったフィラメント12が飛び散るおそれがある。スプレー装置48でストランド16に液体を吹き付けることで、フィラメント12の飛び散りを防止できる。
【0018】
コレット18とガイド20の間にトラバース装置50が配置されている。トラバース装置50は回転棒52にトラバース54が取り付けられている。トラバース54は曲線状の線状体であるが、これに限らずトラバース54には様々な形状・材質のものを用いることができる。回転棒52が回転することでトラバース54も回転する。ストランド16がトラバース54に当てられており、トラバース54に沿ってストランド16が移動する。ストランド16がコレット18に巻きつけられる位置を移動させることができる。
【0019】
ガイド20はギャザリングシュー14とコレット18の間に配置されている。ガイド20は櫛歯状の板体または溝を備えたローラである。櫛歯の中または溝の中をストランド16が通過する。ガイド20にストランド16が接しており、ストランド16がガイド20で折れ曲がっている(図4)。ガイド20からストランド16に一定の張力が与えられる。
【0020】
ガイド20は支持装置22に取り付けられて支持されている。支持装置22はスライド装置56およびガイド20を支持する支持部58を備える。スライド装置56はシャフト60に取り付けられている。スライド装置56はエアシリンダなどの直線移動可能な装置であり、支持部58はそのスライド装置56によって直線移動させられる。支持部58がスライド装置56によって直線移動するとガイド20も直線移動する。ファイバ12を束ね始めた段階はガイド20をギャザリングシュー14に近づけ、ケーキ32を形成する段階でガイド20をコレット18に近づける。
【0021】
移動装置24は支持装置22を移動させる。移動装置24はボールネジ、エアシリンダまたはモーターなどであり、シャフト60が移動装置24によって移動させられる。シャフト60を移動させることでガイド20が移動させられる。移動装置24は制御装置34の信号によって駆動する。
【0022】
シャフト60の移動方向は、ガイド20とコレット18の間を走行するストランド16の走行方向に対して垂直方向である。また、コレット18にストランド16を巻き取るにしたがって、ケーキ32の厚みが厚くなり、そのケーキ32の厚みあわせてガイド20が移動される。図4に示すように、点線で示されたストランド16が実線で示されたストランド16になるように、ガイド20が移動される。ガイド20によってストランド16に所定の張力を発生させるため、ストランド16はガイド20によって所定角度に折れ曲がる。ガイド20が移動することで、その折れ曲がった角度θは一定になる。巻取りを開始してから終了するまで、ストランド16が同じ張力になっている。
【0023】
繊維巻取装置10はストランド16を巻き始めてからの時間を計時する計時装置62を備える。計時装置62はタイマーである。計時装置62は制御装置34からの信号によって計時を開始し、計時する時間を制御装置34に入力する。計時装置62は所定時間まで計時すると計時を終了する。制御装置34は押出装置38のエアシリンダ42を制御しており、エアシリンダ42に対して押出バー40が元に戻る信号を送信し終わって押出バー40が元の位置に戻ったときに、計時装置62に計時を開始する信号を送信する。予めストランド16をコレット18に巻き取って形成されるケーキ32の厚みの時間変化を測定しておき、記憶手段36に記憶しておく。制御装置34は計時装置62で計時された時間と記憶されたケーキ32の厚みに応じて移動装置24に信号を送信し、移動装置24がシャフト60を移動させる。シャフト60が移動することでガイド20で折れ曲がったストランド16の角度θが一定になる。
【0024】
なお、制御装置34、記憶装置36、移動装置24、エアシリンダ42、モーター30および計時手段62は筐体に収納されている。
【0025】
繊維巻取装置10は完成したケーキ32をコレット18から取りはずために、ケーキ32を持ち上げる受け部材66、この受け部材66を水平移動させる移動装置68を備える。移動装置68はボールネジ、エアシリンダまたはモーターを使用し、受け部材66をコレット18の軸方向に移動させる。受け部材66がケーキ32を支え、その状態で移動装置68によって受け部材66を移動させることでコレット18からケーキ32がはずされる。なお、受け部材66および移動装置68を備えず、オペレーターが手作業でケーキ32をコレット18から取り外してもよい。
【0026】
本願の繊維巻取装置10を使用したケーキ32の製造方法について説明する。(1)複数本のフィラメント12がギャザリングシュー14によって集束されてストランド16が形成され、ガイド20を通してコレット18に巻き取られる。このとき、押出装置38の押出バー40が前方に移動させられており、ストランド16がコレット18の端部46に巻き取られる。
【0027】
(2)制御装置34からエアシリンダ42に信号を送信し、押出装置38の押出バー40が後退して元の位置に戻され、コレット18にストランド16が巻きまわされる。押出バー40が元の位置に戻されたことを合図として、計時装置62が計時を開始する。具体的には、制御装置34から押出装置38のエアシリンダ42に対する信号を終了すると同時に計時装置62に信号を入力することで、計時装置62が計時を開始する。
【0028】
(3)計時装置62で計時された時間が制御装置34に入力される。制御装置34はその時間に応じて移動装置24に信号を送信する。移動装置24は制御装置34からの信号に応じてシャフト60を移動させる。すなわち、移動装置24は計時装置62で計時された時間に応じてシャフト60を移動させる。移動方向はガイド20とコレット18の間を走行するストランド16の走行方向に対して垂直方向にシャフト60を移動させる。シャフト60が移動させられることで、支持装置22に取り付けられたガイド20も移動する。ガイド20はケーキ32の厚みと同じ距離を移動する。ガイド20で折れ曲がったストランド16の角度θが維持され、ストランド16の張力も維持される。
【0029】
(4)コレット18にケーキ32が完成すると、押出装置38が駆動し、押出バー40が前進する。ストランド16が前方に押され、コレット18の端部46に巻きつけられる。ケーキ32が完成したときに計時された時間は所定時間になっており、計時装置62は計時を終了する。移動装置24はシャフト60を元の位置に戻す。タレット盤26が回転し、新たなコレット18が巻きつけ位置に配置され、そのコレット18の端部46にストランド16が巻きつけられる。
【0030】
以上のように、本願はコレット18に巻きつけられるストランド16の角度θを一定に保つことができる。コレット18にストランド16を巻き始めてから終わるまでのストランド16の張力が一定になり、同一状態を維持しながらストランド16をコレット18に巻きつけることができる。従来のようなストランド16に毛羽が生じたり、断線したりすることを防止でき、ストランド16の品質低下を防止できる。
【0031】
[実施形態2]
図3に示す計時装置62の代わりに、コレット18を回転させるモーター30の回転数を計測する回転数計70を備えてもよい(図5)。モーター30の回転数はコレット18の回転数であり、回転数計70はコレット18の回転数を計測することになる。このコレット18の回転数に対するケーキ32の厚みを予め求めておき、記憶装置36に記憶しておく。回転数計70はエアシリンダ42によって押出バー40が元の位置に戻されてからの回転数を計測する。この回転数に応じて移動装置24はシャフト60を移動させる。
【0032】
[実施形態3]
ケーキ32の厚みを検知する装置を備えてもよい。たとえば、図6の繊維巻取装置72のように、超音波を発振する発振装置74とケーキ32からの反射音を受信する受信装置76を備える。制御装置34と発振装置74および受信装置76が接続されている(図7)。制御装置34は発振装置74に超音波を発振する信号を送信し、発振装置74が超音波を発振する。受信装置76は超音波の反射を受信すると、受信装置76から制御装置34に信号を入力する。ケーキ32の厚みが変化すると、超音波を発振してから受信するまでの時間が異なる。制御装置34は超音波を発振してから受信するまでの時間に応じてケーキ32の厚みを求める。移動装置24は、このケーキの厚みに応じてシャフト60を移動させる。
【0033】
図8図9の繊維巻取装置80は、コレット18に形成されたケーキ32に接触する接触ローラ82、接触ローラ82を保持するアーム84、アーム84の回転角度を計測する角度センサー86を備える。接触ローラ82はコレット18と平行になっており、接触ローラ82がケーキ32に接触して回転する。アーム84の一端に接触ローラ82が取り付けられており、アーム84は他端を軸にして回転する。角度センサー86はアーム84の回転角度を計測する。ケーキ32の厚みが厚くなるにしたがって回転角度が変化する。この角度に応じて移動装置24がシャフト60を移動させる。
【0034】
以上のようにガイド20を移動させる複数の実施形態を説明したが、本願はコレット18に形成されたケーキ32の厚みに応じてガイド20が移動させられれば、その構成は限定されない。
【0035】
(第1項)一態様に係る繊維巻取装置10、72、80は、複数本のフィラメント12を集束してストランド16を形成するギャザリングシュー14と、前記ストランド16を巻き取り、ケーキ32が形成されるコレット18と、前記ギャザリングシュー14とコレット18との間に配置され、ストランド16に所定の張力をかけるガイド20と、前記ガイド20を支持する支持装置22と、前記ガイド20によって折れ曲がったストランド16の角度θが一定になるように支持装置60を移動させる移動装置24とを備える。
【0036】
第1項に記載の繊維巻取装置10、72、80によれば、コレット18に巻きつけられるストランド16の角度θを一定に保つことができる。コレット18にストランド16を巻き始めてから終わるまでのストランド16の張力が一定になり、同一状態を維持しながらストランド16をコレット18に巻きつけることができる。従来のようなストランド16に毛羽が生じたり、断線したりすることを防止でき、ストランド16の品質低下を防止できる。
【0037】
(第2項)前記移動装置24は、ガイド20とコレット18の間を走行するストランド16の走行方向に対して垂直方向に支持装置22を移動させる。
【0038】
第2項に記載の繊維巻取装置10、72、80によれば、コレット18に対するストランド16の方向が一定になるようにガイド20が移動されており、ストランド16の角度を一定にすることができる。
【0039】
(第3項)前記コレット18にストランド16を巻き始めてからの時間を計時する計時装置62を備え、前記移動装置24はコレット18にストランド16を巻き始めてからの時間に応じて支持装置22を移動させる。
【0040】
第3項に記載の繊維巻取装置10によれば、計時装置62の計時した時間に応じてガイド20を移動させることができ、ストランド16の角度を一定にすることができる。
【0041】
(第4項)前記コレット18にストランド16を巻き始めてからのコレット18の回転数を計測する回転数計70を備え、前記移動装置24はコレット18にストランド16を巻き始めてからのコレット18の回転数に応じて支持装置22を移動させる。
【0042】
第4項に記載の繊維巻取装置10によれば、回転数計70が計測した回転数に応じてガイド20を移動させることができ、ストランド16を一定にすることができる。
【0043】
(第5項)前記コレット18に形成されたケーキ32の厚みを検出する装置を備え、前記移動装置24はコレット18に巻かれたケーキ32の厚みに応じて支持装置22を移動させる。
【0044】
第5項に記載の繊維巻取装置72、80によれば、検出したケーキ32の厚みに応じてガイド20を移動させることができ、ストランド16を一定にすることができる。
【0045】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。説明した各実施形態は独立したものではなく、当業者の知識に基づき適宜組み合わせて実施できるものである。
【符号の説明】
【0046】
10、72、80:繊維巻取装置
12:フィラメント
14:ギャザリングシュー
16:ストランド
18:コレット
20:ガイド
22:支持装置
24:移動装置
26:タレット盤
28:仕切り板
30:モーター
32:ケーキ
34:制御装置
36:記憶装置
38:押出装置
40:押出バー
42:エアシリンダ
44:ピストンロッド
46:コレットの端部
48:スプレー装置
50:トラバース装置
52:回転棒
54:トラバース
56:スライド装置
58:支持部
60:シャフト
62:計時装置
64:筐体
66:受け部材
68:移動装置
70:回転数計
74:発振装置
76:受信装置
82:接触ローラ
84:アーム
86:角度センサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11