(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】照明装置、除電装置およびそれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/08 20060101AFI20231205BHJP
G02B 6/00 20060101ALI20231205BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231205BHJP
【FI】
G03G21/08
G02B6/00 331
F21S2/00 443
(21)【出願番号】P 2019148008
(22)【出願日】2019-08-09
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】大橋 広章
(72)【発明者】
【氏名】辻 浩文
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼井 宏章
(72)【発明者】
【氏名】橋本 康隆
(72)【発明者】
【氏名】山田 知晴
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-198820(JP,A)
【文献】特開2010-210823(JP,A)
【文献】特開2013-125143(JP,A)
【文献】特開2013-190767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/08
G02B 6/00
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から入射した光を軸方向に沿って導光しながら出射する棒状の導光体と、
前記導光体を長手方向に沿って保持する導光体カバーと、
前記導光体カバーが装着されるユニットフレームと、
を備え、
前記導光体カバーは、
細長平板状の本体部と、
前記本体部の長手方向に沿って設けられ、前記導光体の長手方向の複数箇所を保持する複数の導光体保持部と、
前記本体部の長手方向に沿って設けられる複数のガイド係合部と、
を有し、
前記ユニットフレームは、
前記導光体カバーが装着されるカバー装着面と、
前記カバー装着面に形成され、複数の前記ガイド係合部がそれぞれ係合する複数のカバーガイドと、
を有
し、
前記ガイド係合部は、前記導光体保持部を挟んで前記本体部と反対側であって前記導光体カバーの長手方向の同じ位置に、前記導光体保持部と一体形成されることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記ガイド係合部は、
前記カバーガイドとの対向部分に開口部を有する平面視U形状であり、
前記カバーガイドは、前記カバー装着面から突出する柱状の軸部と、前記軸部の先端に形成される前記軸部よりも大径の頭部と、を有し、
前記軸部の軸方向長さは前記ガイド係合部の厚みと略同一であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記ガイド係合部は、
前記開口部の両端に前記カバーガイドとの係合方向に向かって下り勾配となる傾斜面が形成されることを特徴とする請求項
2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記導光体は、長手方向の一端に設けられ、前記光源からの光が入射する光入射面と、前記導光体の長手方向に沿って延在し、前記光入射面から入射した光を軸方向に沿って導光しながら出射する光出射面と、を有し、
前記ユニットフレームには、前記導光体の前記光入射面側の端部が挿入される挿入孔が形成されており、前記カバーガイドに対する前記ガイド係合部の係合方向が前記挿入孔への前記導光体の挿入方向と同方向であることを特徴とする請求項
2又は請求項
3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記導光体
保持部は、前記導光体を径方向に挟持する第1保持爪および第2保持爪を有し、前記導光体は、前記光出射面が前記第1保持爪と前記第2保持爪との隙間に位置するように保持されることを特徴とする請求項
4に記載の照明装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の照明装置を用いて、静電潜像が形成される像担持体の表面に除電光を照射することを特徴とする
除電装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の照明装置を
備えた画像形成装置。
【請求項8】
請求項
6に記載の除電装置と、
前記除電装置により表面が除電される前記像担持体と、を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源と、光源からの光を導光しながら出射する導光体とを含む照明装置および除電装置、並びにそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、像担持体の周辺に帯電部、露光部、現像部、転写部、クリーニング部、および除電装置等が設けられている。画像形成を行う場合、帯電部によって像担持体の表面が一様に帯電された後、露光部によって露光が行われて像担持体の表面に静電潜像が形成され、さらに静電潜像が現像部によって現像される。その後、現像されたトナー像は転写部によって記録媒体上に転写され、記録媒体は定着部へと搬送されて定着された後、装置外へと排出される。転写の際に像担持体上に残留したトナーはクリーニング部によって除去される。また、転写後に除電装置によって像担持体上の残留電荷が除去され、像担持体は再び帯電部によって帯電される。帯電前に残留電荷を除去することで、その後の像担持体の表面を均一に帯電させることができる。残留電荷の除電には、光による除電等が用いられる。
【0003】
例えば特許文献1には、LEDランプ(光源)と、LEDランプからの光が入射される光入射部を有し、感光体ドラムの軸方向に沿って延びる棒状の導光体(導光部材)と、を備えた除電装置が開示されている。導光体の感光体ドラムとは反対側の部分には、LEDランプからの光を反射する反射部が形成されている。導光体に入射した光は拡散しながら導光体内を進行し、反射部によって感光体ドラム側に反射され、感光体ドラムに向かって出射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の除電装置に用いられる導光体は、光学特性に優れたアクリル樹脂等によって形成される。そのため、導光体自体の反りや、熱および湿度による経時的な変形によって発生する反りによって導光体の軸方向における光量むらが発生するという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、導光体の反りを抑制するとともに、組み立ても容易に行うことのできる照明装置および除電装置、並びにそれを備えた画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、光源と、導光体と、導光体カバーと、ユニットフレームと、を備えた照明装置である。導光体は、棒状であって光源から入射した光を軸方向に沿って導光しながら出射する。導光体カバーは、導光体を長手方向に沿って保持する。ユニットフレームは、導光体カバーが装着される。導光体カバーは、細長平板状の本体部と、本体部の長手方向に沿って設けられ、導光体の長手方向の複数箇所を保持する複数の導光体保持部と、本体部の長手方向に沿って設けられる複数のガイド係合部と、を有する。ユニットフレームは、導光体カバーが装着されるカバー装着面と、カバー装着面に形成され、複数のガイド係合部がそれぞれ係合する複数のカバーガイドと、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の第1の構成によれば、導光体カバーの長手方向に沿って設けられる複数のガイド係合部がユニットフレームのカバーガイドに係合することで、導光体カバーがユニットフレームのカバー装着面に対し略平行に装着される。これに伴い、導光体カバーの導光体保持部に長手方向の複数箇所を保持された導光体も導光体カバーと共にカバー装着面に対し略平行に保持される。従って、導光体に反りがある場合でもカバーガイドとガイド係合部との係合によって反りが矯正され、導光体の軸方向における光量むらを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の除電装置20を備えた画像形成装置100の構造を示す側面断面図
【
図2】
図1における画像形成部Pa周辺の部分拡大図
【
図3】ドラムユニット40aを感光体ドラム1a側から見た斜視図
【
図4】ドラムユニット40aをクリーニング装置7a側から見た斜視図
【
図5】本発明の一実施形態に係る除電装置20の光源51および導光体52の構造を示す模式図
【
図6】本実施形態の除電装置20を構成する導光体52および導光体カバー60の斜視図
【
図7】
図6における導光体保持部62周辺の部分拡大図
【
図8】導光体カバー60をユニットフレーム41に装着する直前のカバーガイド43およびガイド係合部63周辺の部分拡大図
【
図9】導光体カバー60をユニットフレーム41に装着する直前の導光体カバー60の光入射面52a側の端部周辺の部分拡大図
【
図10】導光体カバー60をユニットフレーム41に装着した後のカバーガイド43およびガイド係合部63周辺の部分拡大図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の除電装置20を備えた画像形成装置100の内部構造を示す断面図である。画像形成装置100(ここではカラープリンター)本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、PcおよびPdが、搬送方向上流側(
図1では右側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa~Pdは、異なる4色(イエロー、シアン、マゼンタおよびブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像および転写の各工程によりイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの画像を順次形成する。
【0011】
これらの画像形成部Pa~Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム(像担持体)1a、1b、1cおよび1dがそれぞれ配設されている。感光体ドラム1a~1dは、例えばアルミニウム製のドラム素管の外周面に有機感光層(OPC)が積層され、さらに有機感光層の表面にコート層が積層された有機感光体であり、メインモーター(図示せず)によって回転駆動される。なお、有機感光体ドラムに代えて、ドラム素管の外周面にアモルファスシリコン感光層が形成されたアモルファスシリコン感光体ドラムを用いることもできる。
【0012】
また、ベルト駆動モーター(図示せず)により
図1において時計回り方向に回転する中間転写ベルト(中間転写体)8が各画像形成部Pa~Pdに隣接して設けられている。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが主に用いられる。また、二次転写ローラー9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナー等を除去するためのブレード状のベルトクリーナー19が配置されている。
【0013】
トナー像が二次転写される転写紙Pは、画像形成装置100の本体下部に配置された用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9と中間転写ベルト8の駆動ローラー11とのニップ部へと搬送される。
【0014】
次に、画像形成部Pa~Pdについて説明する。
図2は、
図1における画像形成部Pa付近の拡大図である。なお、画像形成部Pb~Pdについても基本的に同様の構成であるため説明を省略する。
図2に示すように、回転可能に配設された感光体ドラム1aの周囲および下方には、感光体ドラム1aを帯電させる帯電装置2aと、感光体ドラム1aに画像情報を露光する露光装置5(
図1参照)と、感光体ドラム1a上にトナー像を形成する現像装置3aと、感光体ドラム1a上に残留した現像剤(トナー)等を除去するクリーニング装置7aと、除電装置20と、が配設され、中間転写ベルト8を挟んで一次転写ローラー6aが配置されている。
【0015】
帯電装置2aは、感光体ドラム1aに接触して感光体ドラム1aの表面を帯電させる帯電ローラー21と、帯電ローラー21をクリーニングする帯電クリーニングローラー22を有している。帯電ローラー21には直流電圧、若しくは直流電圧に交流電圧を重畳した帯電電圧が印加される。
【0016】
現像装置3aは、感光体ドラム1aに対向する現像ローラー31を備える。現像装置3a内には磁性キャリアおよびトナーからなる二成分現像剤が収容されており、攪拌搬送スクリュー26aおよび供給搬送スクリュー26bによって現像ローラー31に二成分現像剤が供給され、現像ローラー31上に磁気ブラシが形成される。現像ローラー31には、直流電圧に交流電圧を重畳した現像電圧が印加される。
【0017】
クリーニング装置7aは、感光体ドラム1aの表面の残留トナーを除去するクリーニングブレード32と、感光体ドラム1a表面の残留トナーを除去するとともに感光体ドラム1aの表面を摺擦して研磨する摺擦ローラー33と、クリーニングブレード32および摺擦ローラー33によって感光体ドラム1aから除去された残留トナーをクリーニング装置7aの外部に排出する搬送スパイラル35と、を含む。
【0018】
除電装置20は、感光体ドラム1aの回転方向に対し一次転写ローラー6aの下流側、且つクリーニング装置7aの上流側に配置されている。除電装置20は、感光体ドラム1a~1dに除電光を照射して感光体ドラム1aの表面の残留電荷を所定電位以下まで除去する。なお、除電装置20の詳細な構成については後述する。
【0019】
また、感光体ドラム1aと、帯電装置2aと、クリーニング装置7aと、除電装置20とはユニット化されている。なお、各画像形成部Pa~Pdにおいて、感光体ドラム1a~1dと、帯電装置2a~2dと、クリーニング装置5a~5dと、除電装置20と、から成るユニットを、以下ではドラムユニット40a~40dと称する。
【0020】
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電装置2a~2dによって感光体ドラム1a~1dの表面を一様に帯電させる。次いで露光装置5によって画像データに応じて光照射し、各感光体ドラム1a~1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a~3dには、それぞれイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a~3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ4a~4dから各現像装置3a~3dにトナーが補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置3a~3dにより感光体ドラム1a~1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光装置5からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0021】
そして、一次転写ローラー6a~6dにより一次転写ローラー6a~6dと感光体ドラム1a~1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与され、感光体ドラム1a~1d上のイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、一次転写後に感光体ドラム1a~1dの表面に残留したトナー等がクリーニング装置7a~7dにより除去される。また、感光体ドラム1a~1dの表面の残留電荷が除電装置20によって除去される。
【0022】
中間転写ベルト8が時計回り方向に回転を開始すると、転写紙Pがレジストローラー対12bから駆動ローラー11と二次転写ローラー9とのニップ部(二次転写ニップ部)へ所定のタイミングで搬送され、中間転写ベルト8上のフルカラー画像が転写紙P上に二次転写される。トナー像が二次転写された転写紙Pは定着部13へと搬送される。
【0023】
定着部13に搬送された転写紙Pは、定着ローラー対13aにより加熱および加圧されてトナー像が転写紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された転写紙Pは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられ、そのまま(或いは、両面搬送路18に送られて両面に画像が形成された後に)、排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
【0024】
図3および
図4は、それぞれドラムユニット40aを感光体ドラム1a側およびクリーニング装置7a側から見た斜視図である。なお、
図4においては除電装置20の内部構成が視認できるように、ドラムユニット40aのユニットフレーム41の一部を取り外した状態を示している。除電装置20は、ドラムユニット40aにおいて感光体ドラム1aの側方、且つクリーニング装置7aの上方に配置されている。
【0025】
図5は、本発明の一実施形態に係る除電装置20の光源51および導光体52の構造を示す模式図である。除電装置20は、除電光を出射する光源51と、感光体ドラム1a~1dの軸方向に沿って延びる棒状の導光体52と、導光体52の光源51とは反対側の端面(後述する対向面52b)に対向配置される反射部材55と、導光体52を保持する導光体カバー60(
図6参照)によって構成されている。
【0026】
光源51は、除電光を出射する発光ダイオード(LED)等により構成されている。光源51は図示しない光源基板に実装されている。
【0027】
導光体52は、透光性を有するアクリル樹脂等を用いて略半円形状の断面を有する細長形状に形成されている。導光体52は、光源51からの光を導光体52の延びる方向(感光体ドラム1a~1dの軸方向)に沿って導光しながら、感光体ドラム1a~1dに向けて出射する。
【0028】
導光体52は、光源51に対向配置され光源51からの光が入射される光入射面52aと、光源51とは反対側に配置される対向面52bと、光入射面52aおよび対向面52bの間に配置され、感光体ドラム1a~1dに対向する断面円弧状の光出射面52cと、光出射面52cと反対側に配置される背面52dと、を有する。
【0029】
背面52dの縁部を除く領域には、導光体52に入射した光を感光体ドラム1a~1d側(光出射面52c側)に反射する反射部52eが導光体52の長手方向に沿って形成されている。反射部52eには、感光体ドラム1a~1dの軸方向と交差する方向(
図5の紙面と垂直な方向)に延びるV溝等からなるプリズム(図示せず)が多数形成されている。
【0030】
光源51から出射されて導光体52の光入射面52aに入射した光は、拡散しながら導光体52内を進行し、反射部52eによって光出射面52c側に反射され、光出射面52cから感光体ドラム1a~1dに向かって出射される。
【0031】
反射部材55は、アルミニウム板等の光反射率の高い材料からなり、対向面52bから漏出した光を反射して対向面52bから再度導光体52の内部に入射させることによって、光の利用効率を向上させるために設けられている。
【0032】
図6は、本実施形態の除電装置20を構成する導光体52および導光体カバー60の斜視図である。
図7は、
図6における導光体保持部62周辺(
図6の破線円S′内)の部分拡大図である。
【0033】
導光体カバー60は、導光体52と略同一長さの細長平板状の部材であり、導光体52の対向面52bが対峙する長手方向の一端部(
図6の左端部)に反射部材55が固定されている。導光体カバー60は、細長平板状の本体部61と、導光体保持部62と、ガイド係合部63と、を有する。
【0034】
導光体保持部62は、本体部61の長手方向の中央部と両端部近傍の計3箇所において導光体カバー60の裏面側(
図6の下側)に突設されている。
図7に示すように、導光体保持部62は導光体52を径方向に保持する第1保持爪62aと第2保持爪62bとを有する。第1保持爪62aと第2保持爪62bの先端部の間隔は、導光体52の外径よりも僅かに小さく形成されている。
【0035】
ガイド係合部63は、各導光体保持部62の第2保持爪62bに一体形成されており、導光体保持部62を挟んで本体部61と反対側に位置する。ガイド係合部63は、ユニットフレーム41のカバーガイド43(
図8参照)との対向部分に開口部63aを有する平面視U形状であり、開口部63aの開口端(U形状の両端)には先端に向かって下り勾配となる傾斜面63bが形成されている。
【0036】
以下、除電装置20の組み立て手順について説明する。先ず、導光体カバー60の導光体保持部62に導光体52を取り付ける。より詳細には、
図7に示すように、導光体52の光出射面52cが第1保持爪62aと第2保持爪62bとの隙間に位置するように、導光体52を第1保持爪62aと第2保持爪62bとで挟持する。これにより、光出射面52cから出射される除電光が導光体保持部62によって遮られるおそれがなくなる。
【0037】
次に、導光体52が取り付けられた導光体カバー60をユニットフレーム41に装着する。
図8は、導光体カバー60をユニットフレーム41に装着する直前のカバーガイド43およびガイド係合部63周辺の部分拡大図である。
図9は、導光体カバー60をユニットフレーム41に装着する直前の導光体カバー60の光入射面52a側の端部周辺の部分拡大図である。
【0038】
図8に示すように、ユニットフレーム41のカバー装着面41aには、導光体カバー60の各ガイド係合部63に対応する位置にカバーガイド43が設けられている。カバーガイド43は、カバー装着面41aに形成されたビス孔(図示せず)にスタッドビスを螺入して形成されており、軸部43aと頭部43bとを有する。軸部43aは、カバー装着面41aから突出する円柱状である。軸部43aの外径は、ガイド係合部63の内径と略同一である。頭部43bは、軸部43aの先端に形成される軸部43aよりも大径の部分である。軸部43aの軸方向長さ(カバー装着面41aと頭部43bとの間隔)は、ガイド係合部63の厚みdと略同一である。
【0039】
図9に示すように、導光体カバー60の光入射面52a側の端部には、位置決めボス65および係止フック67が形成されている。また、ユニットフレーム41には、挿入孔45および位置決め孔47が形成されている。
【0040】
図10は、導光体カバー60をユニットフレーム41に装着した後のカバーガイド43およびガイド係合部63周辺(
図4の破線円S内)の部分拡大図である。
図8の状態から、導光体カバー60をカバー装着面41aに沿って装着方向(
図8の白矢印方向)にスライドさせることにより、
図10に示すようにガイド係合部63がカバーガイド43に係合する。ガイド係合部63の先端には傾斜面63bが形成されているため、ガイド係合部63をカバー装着面41aとカバーガイド43の頭部43bとの隙間に容易に挿入することができる。
【0041】
また、挿入孔45には導光体52の光入射面52a側の端部が挿入され、挿入孔45の内部に配置された光源51(
図5参照)が光入射面52aに対向する。位置決め孔47には導光体カバー60の位置決めボス65が挿入される。これにより、導光体カバー60がユニットフレーム41に対して長手方向と直交する方向に位置決めされる。そして、導光体カバー60の係止フック67がユニットフレーム41の角部41bに係合することで導光体カバー60がユニットフレーム41に対して長手方向(装着方向)に位置決めされる。
【0042】
本実施形態の構成によれば、除電装置20の組み立て時には導光体カバー60の長手方向の3箇所に設けられた導光体保持部62によって導光体52が仮保持される。これにより、導光体52を導光体カバー60に装着した状態でユニットフレーム41に組み付けることができ、除電装置20の組み立てが容易となる。
【0043】
そして、導光体保持部62と一体形成されたガイド係合部63がユニットフレーム41のカバーガイド43に係合することで、導光体カバー60がユニットフレームのカバー装着面41aに対し略平行に装着される。これに伴い、導光体カバー60に保持された導光体52も導光体カバー60と共にカバー装着面41aに対し略平行に保持される。
【0044】
これにより、導光体52に反りがある場合でもカバーガイド43とガイド係合部63との係合によって反りが矯正される。従って、導光体52の軸方向における出射光の光量むらを抑制することができる。また、導光体保持部62とガイド係合部63とを導光体カバー60の長手方向の同じ位置に一体形成することにより、カバーガイド43とガイド係合部63との係合による反り矯正力が導光体52にダイレクトに伝達される。そのため、導光体52の反り矯正効率を高めることができる。
【0045】
また、カバーガイド43に対するガイド係合部63の係合方向が挿入孔45、位置決め孔47に対する導光体52、位置決めボス65の挿入方向と同方向である。そのため、カバーガイド43にガイド係合部63を係合させるだけで位置決め孔47に対する導光体52、位置決めボス65の位置合わせを行うことができる。その結果、除電装置20の組み立て作業性が向上する。
【0046】
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本実施形態では導光体カバー60の導光体保持部62にガイド係合部63を一体形成した例について示したが、ガイド係合部63を導光体保持部62とは異なる位置に形成してもよい。
【0047】
また、導光体保持部62、ガイド係合部63、カバーガイド43の形状や大きさ、個数等も、導光体52の寸法や形状等に応じて適宜変更することができる。例えば、ここでは円柱状の軸部43aと頭部43bとを有するカバーガイド43を例示したが、軸部43aを角柱状としてもよい。その場合、カバーガイド43に係合するガイド係合部63は半円弧状ではなく一辺に開口部63aを有する矩形状とすればよい。また、カバーガイド43はスタッドビスの螺入によって形成されるものに限らず、ユニットフレーム41に一体形成してもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、除電装置20の位置を、感光体ドラム1a~1dの回転方向に対しクリーニング装置7a~7dの上流側、且つ一次転写ローラー6a~6dの下流側としたが、除電装置20を、感光体ドラム1a~1dの回転方向に対し帯電装置2a~2dの上流側、且つクリーニング装置7a~7dの下流側に配置してもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、ユニットフレーム41に導光体52および導光体カバー60を装着した除電装置20について説明したが、例えば、複写機の画像読取部やイメージスキャナーにおいて原稿画像に光を照射する照明ユニットに本発明の構成を適用してもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、除電装置20が搭載される画像形成装置100として、
図1に示したようなカラープリンターに本発明を適用した例について示したが、本発明は、モノクロプリンター、モノクロ複写機、デジタル複合機、ファクシミリ等の他の画像形成装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、光源と、光源からの光を導光しながら像担持体に向けて出射する導光体とを含む照明装置に利用可能である。本発明の利用により、導光体の反りを抑制するとともに、組み立ても容易に行うことのできる照明装置およびそれを備えた画像形成装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0052】
1a~1d 感光体ドラム(像担持体)
20 除電装置(照明装置)
40a~40d ドラムユニット
41 ユニットフレーム
41a カバー装着面
43 カバーガイド
43a 軸部
43b 頭部
45 挿入孔
51 光源
52 導光体
52a 光入射面
52b 対向面
52c 光出射面
52d 背面
52e 反射部
55 反射部材
60 導光体カバー
61 本体部
62 導光体保持部
63 ガイド係合部
63a 開口部
63b 傾斜面
100 画像形成装置