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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】管理サーバおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20231205BHJP
   G06Q 40/02 20230101ALI20231205BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
G06Q40/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019156521
(22)【出願日】2019-08-29
(65)【公開番号】P2021033912
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】碓氷 明寿
(72)【発明者】
【氏名】相良 雅宏
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-091507(JP,A)
【文献】特開2009-064127(JP,A)
【文献】特開2010-204935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀行口座の口座情報、および電子的価値を示す情報を格納する媒体の識別情報が対応付けられた対応テーブル、および前記銀行口座の預金に基づき前記媒体に電子的価値が発行された履歴である発行履歴を記憶する記憶部と、
自動取引装置における取引の実行のために前記自動取引装置において媒体の識別情報が読み取られた場合に当該識別情報を受信する受信部と、
前記対応テーブルを参照し、前記受信部により受信された識別情報に対応する銀行口座を特定し、特定した銀行口座の発行履歴を照会する履歴照会部と、
前記履歴照会部により照会された前記発行履歴が、前記電子的価値が発行された回数および/または総額が閾値以上であることを含む所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記所定の条件が満たされると判定された場合に、前記履歴照会部により特定された前記銀行口座の口座情報を送信する送信部と、
を備える、管理サーバ。
【請求項2】
前記送信部は、前記判定部により前記所定の条件が満たされないと判定された場合に、前記自動取引装置における取引の実行が不可である旨を示す応答を送信する、請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項3】
前記自動取引装置における取引は出金取引である、請求項1または2に記載の管理サーバ。
【請求項4】
コンピュータを、
銀行口座の口座情報、および電子的価値を示す情報を格納する媒体の識別情報が対応付けられた対応テーブル、および前記銀行口座の預金に基づき前記媒体に電子的価値が発行された履歴である発行履歴を記憶する記憶部と、
自動取引装置における取引の実行のために前記自動取引装置において媒体の識別情報が読み取られた場合に当該識別情報を受信する受信部と、
前記対応テーブルを参照し、前記受信部により受信された識別情報に対応する銀行口座を特定し、特定した銀行口座の発行履歴を照会する履歴照会部と、
前記履歴照会部により照会された前記発行履歴が、前記電子的価値が発行された回数および/または総額が閾値以上であることを含む所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記所定の条件が満たされると判定された場合に、前記履歴照会部により特定された前記銀行口座の口座情報を送信する送信部と、
として機能させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理サーバおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子マネーの利用が広く普及している。電子マネー事業者は、利用者からの現金の支払いに基づき、当該現金に相当する電子マネーを利用者の電子マネー媒体にチャージする。利用者は、電子マネー媒体にチャージされた電子マネーを、交通および買物などでの支払いに利用することができる。
【0003】
このような電子マネーのチャージ方法として、銀行口座の預金に基づき電子マネー媒体に電子マネーをチャージする方法も提案されている。例えば、特許文献1には、電子媒体識別子と口座を事前に対応付けておき、利用者が電子媒体を自動取引装置にかざすと、自動取引装置が電子媒体から電子媒体識別子を読み取り、電子媒体識別子に対応付けられている口座の資金に基づいて電子マネーを電子媒体にチャージする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-289249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような電子マネー媒体を、ATMでの出金に利用することも考えられる。すなわち、ATMにおいて、電子マネー媒体から読み出された識別情報に対応する口座から現金を出金する、キャッシュカードレス取引も実現され得る。
【0006】
しかし、ある観点によれば、電子マネー媒体のような電子的価値を示す情報を格納する媒体の偽造はキャッシュカードの偽造に比べて容易である。このため、偽造された媒体で悪意ある第三者が出金を繰り返すという不正利用により、被害が拡大することが懸念される。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、媒体の不正利用に対する安全性を向上することが可能な、新規かつ改良された管理サーバおよびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、銀行口座の口座情報、および電子的価値を示す情報を格納する媒体の識別情報が対応付けられた対応テーブル、および前記銀行口座の預金に基づき前記媒体に電子的価値が発行された履歴である発行履歴を記憶する記憶部と、自動取引装置における取引の実行のために前記自動取引装置において媒体の識別情報が読み取られた場合に当該識別情報を受信する受信部と、前記対応テーブルを参照し、前記受信部により受信された識別情報に対応する銀行口座を特定し、特定した銀行口座の発行履歴を照会する履歴照会部と、前記履歴照会部により照会された前記発行履歴が、前記電子的価値が発行された回数および/または総額が閾値以上であることを含む所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記所定の条件が満たされると判定された場合に、前記履歴照会部により特定された前記銀行口座の口座情報を送信する送信部と、を備える、管理サーバが提供される。
【0010】
前記送信部は、前記判定部により前記所定の条件が満たされないと判定された場合に、前記自動取引装置における取引の実行が不可である旨を示す応答を送信してもよい。
【0011】
前記自動取引装置における取引は出金取引であってもよい。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、銀行口座の口座情報、および電子的価値を示す情報を格納する媒体の識別情報が対応付けられた対応テーブル、および前記銀行口座の預金に基づき前記媒体に電子的価値が発行された履歴である発行履歴を記憶する記憶部と、自動取引装置における取引の実行のために前記自動取引装置において媒体の識別情報が読み取られた場合に当該識別情報を受信する受信部と、前記対応テーブルを参照し、前記受信部により受信された識別情報に対応する銀行口座を特定し、特定した銀行口座の発行履歴を照会する履歴照会部と、前記履歴照会部により照会された前記発行履歴が、前記電子的価値が発行された回数および/または総額が閾値以上であることを含む所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記所定の条件が満たされると判定された場合に、前記履歴照会部により特定された前記銀行口座の口座情報を送信する送信部と、として機能させるための、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
以上説明した本発明によれば、媒体の不正利用に対する安全性を向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による情報処理システムの構成を示す説明図である。
図2】利用者端末10の構成を示す説明図である。
図3】チャージ管理サーバ20の構成を示す説明図である。
図4】対応テーブルの具体例を示す説明図である。
図5】チャージ履歴の具体例を示す説明図である。
図6】電子マネー事業者サーバ30の構成を示す説明図である。
図7】ATM40の構成を示す説明図である。
図8】ATM管理サーバ50の構成を示す説明図である。
図9】勘定系サーバ60の構成を示す説明図である。
図10】電子マネー初期設定の動作を示す説明図である。
図11】銀行口座の預金に基づいて電子マネーをチャージするための動作を示す説明図である。
図12】非接触IC150を用いた出金取引の動作を示す説明図である。
図13】非接触IC150を用いた出金取引の動作を示す説明図である。
図14】チャージ管理サーバ20のハードウェア構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。
【0017】
<0.情報処理システムの概要>
図1は、本発明の一実施形態による情報処理システムの構成を示す説明図である。図1に示したように、本発明の一実施形態による情報処理システムは、利用者端末10と、チャージ管理サーバ20と、電子マネー事業者サーバ30と、ATM40と、ATM管理サーバ50と、勘定系サーバ60と、を有する。
【0018】
利用者端末10、チャージ管理サーバ20および電子マネー事業者サーバ30は、ネットワーク8Aを介して接続されている。ネットワーク8Aは、インターネットであってもよい。また、チャージ管理サーバ20、ATM40、ATM管理サーバ50および勘定系サーバ60は、ネットワーク8Bを介して接続されている。ネットワーク8Bは、銀行の内部ネットワークであってもよい。
【0019】
利用者端末10は、利用者が利用する情報処理装置である。利用者端末10は、電子的価値を示す情報を格納する媒体の一例である非接触IC(Integrated Circuit)を搭載している。利用者は、当該非接触ICに電子マネーをチャージし、チャージされた電子マネーを各種支払に利用することが可能である。特に、本発明の一実施形態では、非接触ICに事前に対応付けられた銀行口座の預金に基づいて非接触ICに電子マネーをチャージすること、および、ATM40において非接触ICを用いて銀行口座の預金から現金を出金することが可能である。
【0020】
なお、電子マネーは、銀行口座の預金に基づいて発行される電子的価値の一例である。銀行口座の預金に基づいて発行される電子的価値は、電子的なポイントであってもよい。本明細書においては、電子マネーのチャージ(発行)について主に説明するが、本発明の一実施形態は、銀行口座の預金に基づく電子的なポイントの発行にも同様に適用可能である。
【0021】
チャージ管理サーバ20は、利用者端末10の非接触ICへの電子マネーのチャージを管理する管理サーバである。チャージ管理サーバ20は、非接触ICに発行された利用者通番と利用者の銀行口座を対応付けて記憶し、チャージの依頼があった場合には、依頼元の非接触ICに対応付けられた銀行口座の預金に基づいて当該依頼元の非接触ICに電子マネーがチャージされるように動作する。当該動作に際して、チャージ管理サーバ20は、例えば、利用者の銀行口座から電子マネー事業者の口座への資金移動を勘定系サーバ60に依頼し、電子マネーの発行を電子マネー事業者サーバ30に依頼する。
【0022】
電子マネー事業者サーバ30は、電子マネー事業者が管理するサーバである。電子マネー事業者サーバ30は、チャージ管理サーバ20からの依頼に基づいて利用者端末10の非接触ICにチャージするための電子マネーを発行し、利用者端末10の非接触ICに電子マネーを配布する。
【0023】
ATM(Automatic Teller Machine)40は、現金の入金取引および出金取引などの多様な取引を自動で行う自動取引装置である。ATM40は、キャッシュカードが挿入されると、当該キャッシュカードから読み取られる情報に基づいて取引を進めることが可能である。さらに、本発明の一実施形態によるATM40は、利用者端末10がかざされると、利用者端末10が搭載する非接触ICから読み取られる利用者通番に基づいて出金取引などを行うことも可能である。
【0024】
ATM管理サーバ50は、複数台のATM40を束ねるサーバであり、ATM40と勘定系サーバ60との間で多様な情報および通知などを中継する。例えば、ATM管理サーバ50は、出金取引においてATM40に入力された暗証番号および指定金額などを勘定系サーバ60に送信し、勘定系サーバ60から出金処理終了通知を受信すると、当該出金処理終了通知をATM40に送信する。
【0025】
勘定系サーバ60は、預金勘定元帳を処理し、為替、ATM40との接続などを制御する装置である。本発明の一実施形態おいては、勘定系サーバ60は、ATM40において非接触ICから利用者通番が読み取られた場合、当該利用者通番に対応付けられた銀行口座の預金に基づいて出金処理を行う。
【0026】
(課題の整理)
しかし、ある観点によれば、スキミングまたはフィッシングなどの行為により、非接触ICはキャッシュカードよりも容易に偽造され得る。このため、偽造された非接触ICで第三者が出金を繰り返すという不正行為により、本来の利用者の被害が拡大することが懸念される。
【0027】
本件発明者は、上記事情を一着眼点にして本発明の一実施形態を創作するに至った。本発明の一実施形態によれば、非接触ICのような媒体の不正利用に対する安全性を向上することが可能である。以下、このような本発明の一実施形態に関する構成および動作を順次詳細に説明する。
【0028】
<1.利用者端末の構成>
図2は、本発明の一実施形態による利用者端末10の構成を示す説明図である。図2に示したように、本発明の一実施形態による利用者端末10は、通信部120、表示部130、操作部140、非接触IC150および制御部170を有する。
【0029】
(通信部)
通信部120は、他の装置と多様な情報を通信する。例えば、通信部120は、非接触IC150と利用者の銀行口座を対応付ける処理(以下、電子マネー初期設定とも称する。)のための情報をチャージ管理サーバ20との間で通信する。また、通信部120は、非接触IC150から配布された電子マネーを受信する。
【0030】
(表示部)
表示部130は、制御部170により生成された表示画面を表示する。例えば、表示部130は、電子マネー初期設定のための入力画面、および電子マネーのチャージ完了を示す通知画面などを表示する。
【0031】
(操作部)
操作部140は、利用者が操作により利用者端末10に情報および指示などを入力するための構成である。利用者は、例えば、電子マネー初期設定のための入力画面において、利用者の銀行口座の店番、科目、口座番号、暗証番号および生年月日など、銀行認証情報を入力する。
【0032】
(非接触IC)
非接触IC150は、セキュアメモリ、セキュアメモリ内の情報を読み書きする際に要する認証を実行するための認証機能、および、いわゆるリーダ/ライタとの間で近接通信するための非接触通信機能を有する電子マネー媒体(情報記録媒体)である。セキュアメモリは、図2に示したように、例えば、当該非接触IC150に発行された識別情報の一例である利用者通番、および当該非接触IC150にチャージ済みの電子マネーのバリューを格納する。
【0033】
(制御部)
制御部170は、利用者端末10の動作全般を制御する。例えば、制御部170は、通信部120とチャージ管理サーバ20との通信を制御する機能、表示部130に表示される多様な表示画面を生成する機能などを有する。
【0034】
<2.チャージ管理サーバの構成>
続いて、チャージ管理サーバ20の構成を説明する。図3は、チャージ管理サーバ20の構成を示す説明図である。図3に示したように、チャージ管理サーバ20は、通信部220、記憶部250および制御部270を有する。
【0035】
(通信部)
通信部220は、他の装置と多様な情報を通信する。例えば、通信部220は、利用者端末10から電子マネーのチャージ依頼を受信するチャージ受付部として機能する。また、通信部220は、ATM40において利用者端末10の非接触IC150の利用者通番が出金取引のために読み取られた場合に、ATM管理サーバ50から当該利用者通番を含む利用承認依頼を受信する受信部として機能する。当該利用承認依頼は、ATM40において利用者の銀行口座から現金を出金する出金取引ために非接触IC150を利用することの承認を依頼するものである。通信部220は、利用承認依頼に対する応答を送信する送信部としても機能する。
【0036】
(記憶部)
記憶部250は、チャージ管理サーバ20の動作に用いられる情報を記憶する。例えば、記憶部250は、図3に示したように、対応テーブルおよびチャージ履歴を記憶する。対応テーブルは、各非接触IC150に発行された利用者通番、および利用者の銀行口座の口座情報が対応付けられたテーブルである。チャージ履歴は、銀行口座の預金に基づき電子マネーが発行された履歴(発行履歴)である。以下、図4および図5を参照し、対応テーブルおよびチャージ履歴について説明する。
【0037】
図4は、対応テーブルの具体例を示す説明図である。図4に示したように、対応テーブルは、利用者通番、銀行口座の店番、科目および口座情報を含む。当該対応テーブルは、後述する制御部270の口座登録部271により登録される。
【0038】
図5は、チャージ履歴の具体例を示す説明図である。図5に示したように、チャージ履歴は、店番、科目および口座情報などの口座情報、チャージ日時およびチャージ金額を含む。図5に示した例では、店番が「002」であり、科目が「普通」であり、口座番号が「0123456」である銀行口座から、2019年6月15日に10000円、2019年7月10日に20000円がチャージされている。
【0039】
(制御部)
制御部270は、チャージ管理サーバ20の動作全般を制御する。制御部270は、図3に示したように、口座登録部271、資金移動依頼部272、電子マネー発行依頼部273、電子マネー発行通知部274、チャージ履歴照会部275および出金可否判定部276の機能を有する。
【0040】
口座登録部271は、電子マネー初期設定において、利用者端末10から受信した銀行認証情報を勘定系サーバ60に送信し、勘定系サーバ60からの認証成功通知に基づき、非接触IC150の利用者通番と銀行口座の口座情報を対応付けて記憶部250の対応テーブルに登録する。
【0041】
資金移動依頼部272は、電子マネーのチャージ依頼が利用者端末10から受信された場合に、勘定系サーバ60に、チャージ金額に相当する資金を利用者の銀行口座から電子マネー事業者の銀行口座に移動することを依頼する。具体的には、電子マネーのチャージ依頼は、チャージ金額および非接触IC150の利用者通番を含み、資金移動依頼部272は、対応テーブルを参照し、当該利用者通番に対応する銀行口座の店番、科目および口座番号を特定する。そして、資金移動依頼部272は、特定した銀行口座の店番、科目および口座番号とチャージ金額とを含む資金移動依頼を勘定系サーバ60に送信する。
【0042】
電子マネー発行依頼部273は、電子マネー事業者サーバ30に対して電子マネーの発行を依頼する。具体的には、電子マネー発行依頼部273は、資金移動依頼に基づいて勘定系サーバ60において資金移動が行われた後に、電子マネーのチャージ依頼に含まれるチャージ金額および利用者通番を電子マネーの発行依頼として電子マネー事業者サーバ30に送信する。
【0043】
電子マネー発行通知部274は、利用者端末10に対して資金移動と電子マネーの発行の完了を通知する。また、電子マネー発行通知部274は、記憶部250のチャージ履歴に、資金移動元の銀行口座の口座情報、チャージ日時およびチャージ金額などを追加する。
【0044】
チャージ履歴照会部(履歴照会部)275は、ATM40における非接触IC150を用いた出金取引に際して、図4を参照して説明した対応テーブルを参照し、ATM管理サーバ50から受信された利用者承認依頼に含まれる利用者通番に対応する銀行口座を特定する。さらに、チャージ履歴照会部275は、特定した銀行口座の取引履歴として、図5を参照して説明したチャージ履歴を照会する。
【0045】
出金可否判定部(判定部)276は、チャージ履歴照会部275により照会されたチャージ履歴が所定の出金条件を満たすか否かを判定する。出金条件は、電子マネーがチャージされた回数および/または総額が閾値以上であることを含む。例えば、出金条件は、過去の1か月などの所定期間内に電子マネーがチャージされた回数が閾値回数以上であることを含んでもよいし、過去の1年間などの所定期間内にチャージされた電子マネーの総額が閾値金額以上であることを含んでもよい。
【0046】
出金可否判定部276は、出金条件が満たされると判定した場合、利用承認依頼を承認し、チャージ履歴照会部275により特定された銀行口座の口座情報をATM管理サーバ50に通信部220を介して送信する。一方、出金可否判定部276は、出金条件が満たされないと判定した場合、利用承認依頼を承認せず、ATM40における非接触IC150を用いた出金取引の実行が不可である旨を示す応答をATM管理サーバ50に送信する。
【0047】
<3.電子マネー事業者サーバの構成>
続いて、電子マネー事業者サーバ30の構成を説明する。図6は、電子マネー事業者サーバ30の構成を示す説明図である。図6に示したように、電子マネー事業者サーバ30は、通信部320、記憶部350および制御部370を有する。
【0048】
(通信部)
通信部320は、他の装置と多様な情報を通信する。例えば、通信部320は、チャージ管理サーバ20から電子マネーの発行依頼を受信し、電子マネーの発行完了を示す発行完了通知をチャージ管理サーバ20に送信する。
【0049】
(記憶部)
記憶部350は、各非接触IC150にチャージされている電子マネーのバリュー残高を示すバリュー残高DBを記憶する。
【0050】
(制御部)
制御部370は、電子マネー事業者サーバ30の動作全般を制御する。制御部370は、図6に示したように、利用者通番発行部371およびバリュー管理部372の機能を有する。
【0051】
利用者通番発行部371は、電子マネー初期設定の際に電子マネーの利用者通番を発行する。具体的には、利用者通番発行部371は、電子マネー初期設定の際に利用者端末10から利用者通番の発行依頼が受信されると、利用者端末10の非接触IC150に対して利用者通番を発行する。
【0052】
バリュー管理部372は、電子マネーの発行、および記憶部350が記憶するバリュー残高DBの管理を行う。例えば、バリュー管理部372は、チャージ金額および利用者通番を含む電子マネーの発行依頼がチャージ管理サーバ20から受信されると、当該利用者通番を有する非接触IC150に当該チャージ金額に相当する電子マネーを発行し、バリュー残高DBにおいて当該利用者通番を有する非接触IC150のバリュー残高を更新する。
【0053】
<4.ATMの構成>
続いて、ATM40の構成を説明する。図7は、ATM40の構成を示す説明図である。図7に示したように、ATM40は、通信部420、表示部430、操作部440、利用者通番読取部450、出金部460および制御部470を有する。
【0054】
(通信部)
通信部420は、ATM管理サーバ50と多様な情報を通信する。例えば、通信部420は、非接触IC150を用いた出金取引に際して、利用者通番読取部450により読み取られた非接触IC150の利用者通番を含む出金依頼、操作部440に入力された指定金額および暗証番号などをATM管理サーバ50に送信する。また、通信部420は、勘定系サーバ60における出金処理が終了したことを示す出金処理終了通知をATM管理サーバ50から受信する。
【0055】
(表示部)
表示部430は、制御部470により生成される多様が表示画面を表示する。例えば、表示部430は、取引を選択するためのメニュー画面、出金取引において指定金額および暗証番号などを入力するための情報入力画面などを表示する。
【0056】
(操作部)
操作部440は、利用者が操作によりATM40に情報および指示などを入力するための構成である。利用者は、操作部440を操作することにより、出金取引において例えば指定金額および暗証番号などを入力することが可能である。
【0057】
(利用者通番読取部)
利用者通番読取部450は、非接触通信機能を有する。利用者通番読取部450に利用者端末10がかざされると、利用者通番読取部450は利用者端末10の非接触IC150から非接触通信により電子マネーの利用者通番を読み取る。
【0058】
(出金部)
出金部460は、出金取引において現金を出金するための構成である。出金部460は、例えば、現金を収納する現金収納部、利用者が現金を取り出すための接客部、現金収納部から接客部に現金を搬送する搬送部などを有する。
【0059】
(制御部)
制御部470は、ATM40の動作全般を制御する。例えば、制御部470は、通信部420とATM管理サーバ50との通信、表示部430による画面の表示、および出金部460による現金の出金などを制御する。
【0060】
<5.ATM管理サーバの構成>
続いて、ATM管理サーバ50の構成を説明する。図8は、ATM管理サーバ50の構成を示す説明図である。図8に示したように、ATM管理サーバ50は、通信部520および制御部570を有する。
【0061】
(通信部)
通信部520は、他の装置と多様な情報を通信する。例えば、通信部520は、非接触IC150を用いた出金取引に際して、ATM40から利用者通番を含む出金依頼を受信し、チャージ管理サーバ20に当該利用者通番を含む利用承認依頼を送信する。また、通信部520は、非接触IC150を用いた出金取引に際して、ATM40から指定金額および暗証番号などを受信し、指定金額および暗証番号などと共に利用者の銀行口座の口座情報を勘定系サーバ60に送信する。
【0062】
(制御部)
制御部570は、ATM管理サーバ50の動作全般を制御する。制御部570は、図8に示したように、利用承認依頼部571、情報入力依頼部572、処理依頼部573および処理終了通知部574の機能を有する。
【0063】
利用承認依頼部571は、非接触IC150を用いた出金取引に際してATM40から利用者通番を含む出金依頼が受信されると、当該利用者通番を含む利用承認依頼をチャージ管理サーバ20に通信部520を介して送信する。なお、利用承認依頼は、上述したように、ATM40において利用者の銀行口座から現金を出金する出金取引のために非接触IC150を利用することの承認を依頼するものである。利用承認依頼をチャージ管理サーバ20が承認した場合、利用承認依頼部571は、利用承認依頼に含まれる利用者通番に対応する銀行口座の口座情報をチャージ管理サーバ20から受信する。一方、利用承認依頼をチャージ管理サーバ20が承認しなかった場合、利用承認依頼部571は、ATM40における非接触IC150を用いた出金取引の実行が不可である旨を示す応答をチャージ管理サーバ20から受信する。
【0064】
情報入力依頼部572は、利用承認依頼がチャージ管理サーバ20により承認された場合、ATM40に出金のための指定金額および暗証番号などの入力を依頼する。
【0065】
処理依頼部573は、ATM40に入力された指定金額および暗証番号と、チャージ管理サーバ20から利用承認依頼に対する応答として受信された銀行口座の口座情報とを含む出金処理依頼を勘定系サーバ60に送信する。
【0066】
処理終了通知部574は、勘定系サーバ60から出金処理の終了を示す出金処理終了通知が受信されると、当該出金処理終了通知をATM40に通信部520を介して送信する。
【0067】
<6.勘定系サーバの構成>
続いて、勘定系サーバ60の構成を説明する。図9は、勘定系サーバ60の構成を示す説明図である。図9に示したように、勘定系サーバ60は、通信部620および制御部670を有する。
【0068】
(通信部)
通信部620は、チャージ管理サーバ20およびATM管理サーバ50と多様な情報を通信する。例えば、通信部620は、チャージ管理サーバ20から電子マネー初期設定のための銀行認証情報を受信し、認証結果をチャージ管理サーバ20に送信する。また、通信部620は、ATM管理サーバ50から出金処理依頼を受信し、出金処理終了通知をATM管理サーバ50に送信する。
【0069】
(制御部)
制御部670は、勘定系サーバ60の動作全般を制御する。制御部670は、図9に示したように、勘定系処理部671および処理終了通知部672の機能を有する。
【0070】
勘定系処理部671は、各取引で預金勘定元帳を処理する。例えば、勘定系処理部671は、チャージ管理サーバ20からの資金移動依頼に基づき、資金移動依頼で示される銀行口座から、資金移動依頼で示されるチャージ金額に相当する資金を、電子マネー事業者の銀行口座に移動する。また、勘定系処理部671は、50からの出金依頼に基づき、出金処理として、出金依頼で示される銀行口座から出金依頼で示される指定金額の資金を引き落とす。
【0071】
処理終了通知部672は、勘定系処理部671による処理が終了したことを示す処理終了通知を送信する。例えば、処理終了通知部672は、勘定系処理部671が出金処理を終了すると、出金処理終了通知をATM管理サーバ50に送信する。
【0072】
<7.動作>
以上、本発明の一実施形態による情報処理システムの各構成を説明した。続いて、図10図13を参照して、本発明の一実施形態による情報処理システムの動作を整理する。具体的には、図10を参照して電子マネー初期設定の動作を整理し、図11を参照して電子マネーのチャージのための動作を整理し、図12および図13を参照して非接触IC150を用いた出金取引の動作を整理する。
【0073】
(電子マネー初期設定)
図10は、電子マネー初期設定の動作を示す説明図である。まず、利用者端末10が電子マネーの利用のためのアプリケーションを起動し(S702)、利用者端末10の通信部120が電子マネーの利用者通番の発行依頼を電子マネー事業者サーバ30に送信する(S703)。電子マネー事業者サーバ30の利用者通番発行部371は、利用者通番の発行依頼が受信されると、利用者端末10の非接触IC150に対して電子マネーの利用者通番を発行する(S704)。
【0074】
そして、利用者端末10の通信部120が電子マネー事業者サーバ30から電子マネーの利用者通番を受信すると、非接触IC150に当該利用者通番が設定される(S705)。続いて、利用者端末10の表示部130が銀行認証情報の入力画面を表示し、利用者が操作部140を操作して銀行認証情報を入力すると(S706)、通信部120が銀行認証情報および非接触IC150の利用者通番をチャージ管理サーバ20に送信する(S707)。さらに、チャージ管理サーバ20の通信部220が銀行認証情報を勘定系サーバ60に送信し、勘定系サーバ60において銀行認証情報を用いた認証が成功して通信部220が認証成功通知を受信すると(S708)、口座登録部271が非接触IC150の利用者通番と銀行口座の口座情報を対応付けて記憶部250の対応テーブルに登録し(S709)、電子マネー初期設定が終了する(S710)。
【0075】
(電子マネーのチャージ)
図11は、銀行口座の預金に基づいて電子マネーをチャージするための動作を示す説明図である。まず、利用者端末10が電子マネーの利用のためのアプリケーションを起動し(S802)、利用者が操作部140を操作してチャージ金額を入力し、通信部120が当該チャージ金額および利用者通番を含む電子マネーのチャージ依頼をチャージ管理サーバ20に送信する(S803)。
【0076】
そして、チャージ管理サーバ20の資金移動依頼部272は、対応テーブルを参照し、チャージ依頼で示される利用者通番に対応する銀行口座の店番、科目および口座番号を特定し、特定した銀行口座の店番、科目および口座番号とチャージ金額とを含む資金移動依頼を勘定系サーバ60に送信する(S804)。勘定系サーバ60の勘定系処理部671は、当該資金移動依頼に基づき、資金移動依頼で示される銀行口座から、資金移動依頼で示されるチャージ金額に相当する資金を、電子マネー事業者の銀行口座に移動し、通信部620が資金移動の終了を示す資金移動終了通知をチャージ管理サーバ20に送信する(S805)。
【0077】
チャージ管理サーバ20の電子マネー発行依頼部273は、勘定系サーバ60から資金移動終了通知が受信されると、電子マネーのチャージ依頼に含まれるチャージ金額および利用者通番を電子マネーの発行依頼として電子マネー事業者サーバ30に送信する(S806)。そして、電子マネー事業者サーバ30の利用者通番発行部371により電子マネーが発行されると(S807)、電子マネー発行通知部274が、電子マネーの発行の完了通知を利用者端末10に送信すると共に、記憶部250のチャージ履歴に、資金移動元の銀行口座の口座情報、チャージ日時およびチャージ金額などを追加する(S808)。
【0078】
その後、利用者端末10が電子マネーの受取を電子マネー事業者サーバ30に依頼し(S809)、電子マネー事業者サーバ30が発行済みの電子マネーを利用者端末10に配布することで(S810)、電子マネーのチャージが完了する(S811)。
【0079】
(ATM40における非接触IC150を用いた出金取引)
図12および図13は、非接触IC150を用いた出金取引の動作を示す説明図である。まず、利用者が利用者端末10をATM40の利用者通番読取部450にかざすと(S902)、利用者通番読取部450が利用者端末10の非接触IC150から利用者通番を読み取り、当該利用者通番を含む出金依頼をATM管理サーバ50に送信する(S903)。ATM管理サーバ50の利用承認依頼部571は、ATM40から利用者通番を含む出金依頼が受信されると、当該利用者通番を含む利用承認依頼をチャージ管理サーバ20に通信部520を介して送信する(S904)。
【0080】
チャージ管理サーバ20のチャージ履歴照会部275は、対応テーブルを参照し、ATM管理サーバ50から受信された利用者承認依頼に含まれる利用者通番に対応する銀行口座を特定する(S905)。さらに、チャージ履歴照会部275は、特定した銀行口座に関するチャージ履歴を照会する(S906)。
【0081】
そして、出金可否判定部276が、チャージ履歴照会部275により照会されたチャージ履歴が所定の出金条件を満たすか否かを判定する(S907)。出金条件は、電子マネーがチャージされた回数および/または総額が閾値以上であることを含む。例えば、出金条件は、過去の1か月などの所定期間内に電子マネーがチャージされた回数が閾値回数以上であることを含んでもよいし、過去の1年間などの所定期間内にチャージされた電子マネーの総額が閾値金額以上であることを含んでもよい。
【0082】
出金可否判定部276は、出金条件が満たされると判定した場合、利用承認依頼を承認し、チャージ履歴照会部275により特定された銀行口座の口座情報をATM管理サーバ50に通信部220を介して送信する。一方、出金可否判定部276は、出金条件が満たされないと判定した場合、利用承認依頼を承認せず、ATM40における非接触IC150を用いた出金取引の実行が不可である旨を示す応答をATM管理サーバ50に送信する。ここでは、出金可否判定部276が利用承認依頼を承認したものとして説明を進める。
【0083】
ATM管理サーバ50の情報入力依頼部572は、チャージ管理サーバ20により利用承認依頼が承認されたことに基づき、ATM40に出金のための指定金額および暗証番号などの入力を依頼する(S908)。そして、利用者がATM40の操作部440を操作して指定金額および暗証番号を入力すると、入力された指定金額および暗証番号を通信部220がATM管理サーバ50に送信する(S909)。
【0084】
その後、ATM管理サーバ50の処理依頼部573は、図13に示したように、ATM40から受信された指定金額および暗証番号と、チャージ管理サーバ20から利用承認依頼に対する応答として受信された銀行口座の口座情報とを含む出金処理依頼を勘定系サーバ60に送信する(S910)。
【0085】
そして、勘定系サーバ60の勘定系処理部671がATM管理サーバ50からの出金処理依頼に基づき出金処理を行い(S911)、処理終了通知部672が出金処理終了通知をATM管理サーバ50に送信する(S912)。さらに、ATM管理サーバ50の処理終了通知部574が出金処理終了通知をATM40に送信し(S913)、ATM40が指定金額を出金することで、非接触IC150を用いた出金取引が終了する(S914)。
【0086】
<8.作用効果>
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、銀行口座から非接触IC150へのチャージ履歴が、電子マネーのチャージ回数および/または総額が閾値以上であることを含む出金条件を満たす場合に、非接触IC150を用いた出金取引を実行することが可能である。従って、第三者が非接触IC150を偽造しても、当該非接触IC150への電子マネーのチャージ回数および/または総額が閾値未満である場合には偽造媒体を用いた出金取引が不可となるので、第三者による不正利用を抑制することができる。また、銀行口座から非接触IC150への電子マネーのチャージ回数および/または総額が閾値以上であり第三者により出金取引が実行された場合であっても、当該銀行口座は本来の利用者により活発に利用されている口座であるので、本来の利用者が不正利用に早期に気付くことで、被害の拡大を防止できることが期待される。また、本発明の一実施形態は、主にチャージ管理サーバ20に対する工夫で実現されるので、電子マネー事業者サーバ30のシステム改変を伴う形態よりも容易に導入可能である。
【0087】
<9.ハードウェア構成>
以上、本発明の各実施形態を説明した。上述したチャージ履歴の照会および出金可否判定などの情報処理は、ソフトウェアと、以下に説明するチャージ管理サーバ20のハードウェアとの協働により実現される。
【0088】
図14は、チャージ管理サーバ20のハードウェア構成を示したブロック図である。チャージ管理サーバ20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、ホストバス204と、を備える。また、チャージ管理サーバ20は、ブリッジ205と、外部バス206と、インタフェース207と、入力装置208と、表示装置209と、音声出力装置210と、ストレージ装置(HDD)211と、ドライブ212と、ネットワークインタフェース215とを備える。
【0089】
CPU201は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従ってチャージ管理サーバ20内の動作全般を制御する。また、CPU201は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM202は、CPU201が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM203は、CPU201の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス204により相互に接続されている。これらCPU201、ROM202およびRAM203とソフトウェアとの協働により、図3を参照して説明した制御部270の各機能が実現され得る。
【0090】
ホストバス204は、ブリッジ205を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス206に接続されている。なお、必ずしもホストバス204、ブリッジ205および外部バス206を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0091】
入力装置208は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、センサー、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU201に出力する入力制御回路などから構成されている。チャージ管理サーバ20のユーザは、該入力装置208を操作することにより、チャージ管理サーバ20に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0092】
表示装置209は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、プロジェクター装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置を含む。また、音声出力装置210は、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置を含む。
【0093】
ストレージ装置211は、本実施形態にかかるチャージ管理サーバ20の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置211は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置211は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid Strage Drive)、あるいは同等の機能を有するメモリ等で構成される。このストレージ装置211は、ストレージを駆動し、CPU201が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0094】
ドライブ212は、記憶媒体用リーダライタであり、チャージ管理サーバ20に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ212は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体24に記録されている情報を読み出して、RAM203またはストレージ装置211に出力する。また、ドライブ212は、リムーバブル記憶媒体24に情報を書き込むこともできる。
【0095】
ネットワークインタフェース215は、例えば、ネットワーク8Aおよびネットワーク8Bなどに接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、ネットワークインタフェース215は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0096】
なお、利用者端末10、電子マネー事業者サーバ30およびATM管理サーバ50などにも上述したハードウェア構成を適用可能であり、利用者端末10、電子マネー事業者サーバ30およびATM管理サーバ50などに搭載されたCPUおよびRAMなどのハードウェアとソフトウェアとの協同により、制御部170、制御部370および制御部570などの機能が実現され得る。
【0097】
<10.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0098】
例えば、上記では非接触IC150を搭載する利用者端末10を用いた出金取引に本発明の実施形態が適用される例を説明したが、本発明の実施形態は、非接触ICを搭載しないプリペイドカードを用いた出金取引にも適用可能である。非接触ICを搭載しないプリペイドカードの電子マネーのバリューは電子マネー事業者システム側のみで管理されることがあるが、当該プリペイドカードも固有の識別情報を有する点は非接触IC150を搭載する利用者端末10と同じである。このため、銀行口座とプリペイドカードの固有の識別情報を対応付けること、銀行口座からプリペイドカードに電子マネーをチャージした履歴を記憶すること、当該履歴に基づいてプリペイドカードを用いたATM40での出金可否を判定することも、上述した本発明の実施形態と同様に実現可能である。
【0099】
また、チャージ管理サーバ20は、図12を参照して説明したS907において非接触IC150へのチャージ履歴が出金条件を満たすと判定した場合、利用者端末10に出金可否を問い合わせる通知を利用者端末10に送信し、利用者端末10から出金可を示す応答が得られた場合に銀行口座の情報をATM管理サーバ50に送信してもよい。かかる構成によれば、より確実に第三者による不正な出金を抑制することが可能である。
【0100】
また、上記では利用者端末10が非接触IC150を搭載し、利用者端末10がチャージ管理サーバ20と通信する例を説明したが、非接触IC150は、チャージ管理サーバ20との通信機能を有さないカード状の媒体に搭載されてもよい。この場合、利用者は、例えば情報処理端末に非接触IC150の利用者通番などを入力し、情報処理端末がチャージ管理サーバ20などと通信することにより、電子マネー初期設定および電子マネーのチャージなどが行われてもよい。
【0101】
また、本明細書の情報処理システムの処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、情報処理システムの処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0102】
また、利用者端末10、チャージ管理サーバ20、電子マネー事業者サーバ30、ATM40、ATM管理サーバ50および勘定系サーバ60に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した利用者端末10、チャージ管理サーバ20、電子マネー事業者サーバ30、ATM40、ATM管理サーバ50および勘定系サーバ60の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0103】
10 利用者端末
120 通信部
130 表示部
140 操作部
170 制御部
20 チャージ管理サーバ
220 通信部
250 記憶部
270 制御部
271 口座登録部
272 資金移動依頼部
273 電子マネー発行依頼部
274 電子マネー発行通知部
275 チャージ履歴照会部
276 出金可否判定部
30 電子マネー事業者サーバ
320 通信部
350 記憶部
370 制御部
371 利用者通番発行部
372 バリュー管理部
40 ATM
420 通信部
430 表示部
440 操作部
450 利用者通番読取部
460 出金部
470 制御部
50 ATM管理サーバ
520 通信部
570 制御部
571 利用承認依頼部
572 情報入力依頼部
573 処理依頼部
574 処理終了通知部
60 勘定系サーバ
620 通信部
670 制御部
671 勘定系処理部
672 処理終了通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14