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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 5/50 20060101AFI20231205BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
G06T5/50
H04N1/387 200
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019159344
(22)【出願日】2019-09-02
(65)【公開番号】P2021039470
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115129
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【弁理士】
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】辻 亮佑
(72)【発明者】
【氏名】白木 聖二
(72)【発明者】
【氏名】宇根 清
(72)【発明者】
【氏名】三須 長政
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕士郎
【審査官】粕谷 満成
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-012432(JP,A)
【文献】特開2011-130301(JP,A)
【文献】特開2010-136048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 5/50
H04N 1/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
用紙内のパンチ穴の位置を示す情報であるパンチ穴位置情報を登録するにあたって、用紙内の位置を示す情報が記載されている情報画像が印刷されている用紙を読み込むように制御する、読込処理を行い、
前記読込処理によって読み込まれた用紙の画像から、前記情報画像を用いて前記パンチ穴の位置情報を登録する、登録処理を行い、
前記読込処理は、パンチ穴のあいた用紙と、前記情報画像が印刷された用紙とを重複して読み込む、
画像処理装置。
【請求項2】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
用紙内のパンチ穴の位置を示す情報であるパンチ穴位置情報を登録するにあたって、用紙内の位置を示す情報が記載されている情報画像が印刷されている用紙を読み込むように制御する、読込処理を行い、
前記読込処理によって読み込まれた用紙の画像から、前記情報画像を用いて前記パンチ穴の位置情報を登録する、登録処理を行い、
前記読込処理は、前記情報画像が印刷されており、パンチ穴のあいた用紙を読み込む、
画像処理装置。
【請求項3】
前記登録処理は、前記情報画像がない部分を、前記パンチ穴の位置とする、
請求項に記載の画像処理装置。
【請求項4】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
用紙内のパンチ穴の位置を示す情報であるパンチ穴位置情報を登録するにあたって、用紙内の位置を示す情報が記載されている情報画像が印刷されている用紙を読み込むように制御する、読込処理を行い、
前記読込処理によって読み込まれた用紙の画像から、前記情報画像を用いて前記パンチ穴の位置情報を登録する、登録処理を行い、
前記読込処理によって読み込まれた用紙のパンチ穴のパンチ穴位置情報を登録する登録画面を表示するように制御する、表示制御処理を行い、
前記登録処理は、前記登録画面におけるユーザーの操作にしたがって、前記パンチ穴位置情報を登録する、
画像処理装置。
【請求項5】
前記表示制御処理は、パンチ穴のあいた用紙を読み込む際に、前記登録処理によって登録された前記パンチ穴位置情報を選択するための画面を表示するように制御し、
選択された前記パンチ穴位置情報を用いて、用紙の画像からパンチ穴を削除する、削除処理を行う、
請求項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
用紙内のパンチ穴の位置を示す情報であるパンチ穴位置情報を登録するにあたって、用紙内の位置を示す情報が記載されている情報画像が印刷されている用紙を読み込む読込手段と、
前記読込手段によって読み込まれた用紙の画像から、前記情報画像を用いて前記パンチ穴の位置情報を登録する登録手段
として機能させ
前記読込手段は、パンチ穴のあいた用紙と、前記情報画像が印刷された用紙とを重複して読み込む、
画像処理プログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
用紙内のパンチ穴の位置を示す情報であるパンチ穴位置情報を登録するにあたって、用紙内の位置を示す情報が記載されている情報画像が印刷されている用紙を読み込む読込手段と、
前記読込手段によって読み込まれた用紙の画像から、前記情報画像を用いて前記パンチ穴の位置情報を登録する登録手段
として機能させ
前記読込手段は、前記情報画像が印刷されており、パンチ穴のあいた用紙を読み込む、
画像処理プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
用紙内のパンチ穴の位置を示す情報であるパンチ穴位置情報を登録するにあたって、用紙内の位置を示す情報が記載されている情報画像が印刷されている用紙を読み込む読込手段と、
前記読込手段によって読み込まれた用紙の画像から、前記情報画像を用いて前記パンチ穴の位置情報を登録する登録手段
として機能させ
前記読込手段によって読み込まれた用紙のパンチ穴のパンチ穴位置情報を登録する登録画面を表示するように制御する、表示制御処理を行い、
前記登録手段は、前記登録画面におけるユーザーの操作にしたがって、前記パンチ穴位置情報を登録する、
画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンタクトガラスに載置された原稿を走査するスキャナと、パンチ穴パターン等をメモリできる記憶装置とを備え、前記スキャナによる原稿読み取りデータからパンチ穴を判別し、パンチ穴の影消去等を行う画像処理部を備えた画像形成装置において、コンタクトガラスに載置された原稿を抑える圧板のシートを前記スキャナで読み取り、画像データレベルを検知して、パンチ穴を判別する判別基準として記憶し、随時変更できる変更手段を備えたことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3518639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
用紙内のパンチ穴を検出する場合に、予め定められた位置にあるパンチ穴を検出する構成では、パンチ穴の位置を登録する必要がある。
そのため、ユーザーは、パンチ穴の位置を事前に計測する必要がある。
そこで本発明は、パンチ穴の位置を登録する場合に、ユーザーがパンチ穴の位置を事前に計測する場合に比べ、ユーザーによってパンチ穴の位置を計測することを不要とした画像処理装置及び画像処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。なお、以下の「請求項」とあるのは、出願当初の請求項である。
請求項1の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、用紙内のパンチ穴の位置を示す情報であるパンチ穴位置情報を登録するにあたって、用紙内の位置を示す情報が記載されている情報画像が印刷されている用紙を読み込むように制御する、読込処理を行い、前記読込処理によって読み込まれた用紙の画像から、前記情報画像を用いて前記パンチ穴の位置情報を登録する、登録処理を行う、画像処理装置である。
【0006】
請求項2の発明は、前記読込処理は、パンチ穴のあいた用紙と、前記情報画像が印刷された用紙とを重複して読み込む、請求項1に記載の画像処理装置である。
【0007】
請求項3の発明は、前記読込処理は、前記情報画像が印刷されており、パンチ穴のあいた用紙を読み込む、請求項1に記載の画像処理装置である。
【0008】
請求項4の発明は、前記登録処理は、前記情報画像がない部分を、前記パンチ穴の位置とする、請求項3に記載の画像処理装置である。
【0009】
請求項5の発明は、前記読込処理によって読み込まれた用紙のパンチ穴のパンチ穴位置情報を登録する登録画面を表示するように制御する、表示制御処理を行い、前記登録処理は、前記登録画面におけるユーザーの操作にしたがって、前記パンチ穴位置情報を登録する、請求項1に記載の画像処理装置である。
【0010】
請求項6の発明は、前記表示制御処理は、パンチ穴のあいた用紙を読み込む際に、前記登録処理によって登録された前記パンチ穴位置情報を選択するための画面を表示するように制御し、選択された前記パンチ穴位置情報を用いて、用紙の画像からパンチ穴を削除する、削除処理を行う、請求項5に記載の画像処理装置である。
【0011】
請求項7の発明は、コンピュータを、用紙内のパンチ穴の位置を示す情報であるパンチ穴位置情報を登録するにあたって、用紙内の位置を示す情報が記載されている情報画像が印刷されている用紙を読み込む読込手段と、前記読込手段によって読み込まれた用紙の画像から、前記情報画像を用いて前記パンチ穴の位置情報を登録する登録手段として機能させるための画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の画像処理装置によれば、パンチ穴の位置を登録する場合に、ユーザーがパンチ穴の位置を事前に計測する場合に比べ、ユーザーによってパンチ穴の位置を計測することを不要とすることができる。
【0013】
請求項2の画像処理装置によれば、用紙内のパンチ穴部分には、情報画像を露出させることができる。
【0014】
請求項3の画像処理装置によれば、情報画像が印刷された用紙に、パンチ穴をあけて用いることができる。
【0015】
請求項4の画像処理装置によれば、パンチ穴の位置として情報画像がない部分を用いることができる。
【0016】
請求項5の画像処理装置によれば、ユーザーの操作によって、パンチ穴位置情報を登録させることができる。
【0017】
請求項6の画像処理装置によれば、用紙の画像からパンチ穴を削除することができる。
【0018】
請求項7の画像処理プログラムによれば、パンチ穴の位置を登録する場合に、ユーザーがパンチ穴の位置を事前に計測する場合に比べ、ユーザーによってパンチ穴の位置を計測することを不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
図2】本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
図3】パンチ穴を削除する処理例を示す説明図である。
図4】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図5】パンチ穴位置情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図6】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図7】本実施の形態による処理例(A)を示す説明図である。
図8】位置情報の座標系の例を示す説明図である。
図9】位置情報埋め込み用紙とパンチ穴あり原稿を重ね合わせる例を示す説明図である。
図10】本実施の形態による処理例(B)を示す説明図である。
図11】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図12】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図13】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図14】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図15】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図16】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(「ソフトウェア」の解釈として、コンピュータ・プログラムを含む)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(例えば、コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(例えば、データの授受、指示、データ間の参照関係、ログイン等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(「2以上の値」には、もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(「ネットワーク」には、一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(つまり、社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスクドライブ、RAM(Random Access Memoryの略)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unitの略)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0021】
本実施の形態である画像処理装置100は、文書を読み込んだ画像から、パンチ穴を削除する画像処理機能を有しており、図1の例に示すように、読込モジュール105、登録モジュール110、記憶モジュール115、表示制御モジュール120、ユーザーインタフェースモジュール125、パンチ穴削除モジュール130、出力モジュール135を有している。
特に、画像処理装置100は、パンチ穴の位置情報を登録する機能を有しており、その登録したパンチ穴の位置情報を用いてパンチ穴を削除する。
パンチ穴とは、書類等の紙を穿孔した(穴を開けた)ことによって生じる穴をいう。例えば、ファイル、クリップボード、綴り紐等を用いて書類を綴じるために穿孔された丸い穴をいう。なお、パンチ穴には、パンチ穴がある書類を複写したものを含む。
【0022】
読込モジュール105は、登録モジュール110、表示制御モジュール120、パンチ穴削除モジュール130と接続されている。読込モジュール105は、文書の画像を読み込むように、スキャナ等の読込機器を制御し、その画像を登録モジュール110、表示制御モジュール120、又は、パンチ穴削除モジュール130に渡す。画像の読み込みの制御における「読み込み」として、例えば、スキャナ、カメラ等で紙の文書を読み込むこと、ファックス等で通信回線を介して外部機器から画像を受信すること、記憶装置(コンピュータに内蔵されているハードディスク等の他に、ネットワークを介して接続されているサーバー等を含む)に記憶されている画像を読み出すこと等が含まれる。画像は、2値画像、多値画像(多値画像には、カラー画像を含む)であってもよい。読み込む対象の画像は、1枚の画像であってもよいし、複数ページからなる画像であってもよい。また、画像の内容として、ビジネスに用いられる文書、広告宣伝用のパンフレット等であってもよい。
【0023】
また、読込モジュール105は、用紙内のパンチ穴の位置を示す情報であるパンチ穴位置情報を登録するにあたって、用紙内の位置を示す情報が記載されている情報画像が印刷されている用紙を読み込む。
読込モジュール105によって行われる読み込みは、パンチ穴の登録だけを行うためのスキャン(一般的にはプレスキャンとも言われる)であってもよいし、本来のスキャン対象である用紙のスキャンであってもよい。前者の場合は、プレスキャンが行われた用紙と同じサイズの用紙のスキャンがプレスキャンの後に行われ、後者の場合は、そのスキャンされた用紙以降の用紙であって、そのスキャンされた用紙と同じサイズの用紙のスキャンが続行されることになる。一般的に、後者の場合は、先頭ページがこの読み込みの対象となる用紙である。
ここで「用紙内の位置を示す情報」として、具体的には、用紙内に原点を設定した座標系における位置を示す情報がある。
【0024】
また、読込モジュール105は、パンチ穴のあいた用紙と、情報画像が印刷された用紙とを重複して読み込むようにしてもよい。
「パンチ穴のあいた用紙と、情報画像が印刷された用紙とを重複」しているので、パンチ穴部分には、情報画像が露出しており、読込モジュール105は、パンチ穴部分に情報画像を読み込むことになる。
なお「重複」の形態は、読み込む面側に「パンチ穴のあいた用紙」があり、その裏側に(又は2枚目に)「情報画像が印刷された用紙」があればよい。2枚の用紙を1回で読み込むために、例えば、(1)1枚目の「パンチ穴のあいた用紙」と、2枚目の「情報画像が印刷された用紙」とを重ねて、プラテンガラス上に置き、読み込むようにしてもよいし、
(2)「パンチ穴のあいた用紙」の裏に「情報画像が印刷された用紙」は貼り合わせて、読み込むようにしてもよいし、(3)透明のフォルダーシートに1枚目の「パンチ穴のあいた用紙」と2枚目の「情報画像が印刷された用紙」を挿入して、そのフォルダーシートごと読み込むようにしてもよい。
【0025】
登録モジュール110は、読込モジュール105、記憶モジュール115、ユーザーインタフェースモジュール125と接続されている。登録モジュール110は、読込モジュール105によって読み込まれた用紙の画像から、情報画像を用いてパンチ穴の位置情報を記憶モジュール115に登録する。
読込モジュール105によって、パンチ穴のあいた用紙と、情報画像が印刷された用紙とが重複して読み込まれた場合は、情報画像から「用紙内の位置を示す情報」が抽出され、パンチ穴の部分に情報画像があるので、その「用紙内の位置を示す情報」は、パンチ穴の位置を示す情報である。
【0026】
また、読込モジュール105は、情報画像が印刷されており、パンチ穴のあいた用紙を読み込むようにしてもよい。つまり、用紙内には情報画像が印刷されているが、パンチ穴の部分は、情報画像が欠落していることになる。したがって、この場合、登録モジュール110は、情報画像がない部分を、パンチ穴の位置とする。
ここで「情報画像がない部分を、パンチ穴の位置とする」のに、具体的には、情報画像から位置情報を抽出すると、パンチ穴以外の領域の位置情報が検出されることになる。そこで、用紙内の本来の全ての位置情報から、検出した位置情報を削除すれば、パンチ穴の領域の位置情報を検出できることになる。
【0027】
記憶モジュール115は、登録モジュール110、ユーザーインタフェースモジュール125、パンチ穴削除モジュール130と接続されている。記憶モジュール115は、用紙内のパンチ穴の位置を示す情報であるパンチ穴位置情報を記憶する。例えば、パンチ穴位置情報テーブル400を記憶する。
図5は、パンチ穴位置情報テーブル400のデータ構造例を示す説明図である。
パンチ穴位置情報テーブル400は、ID欄405、名称欄410、パンチ穴数欄415、位置欄420、パンチ穴画像欄430を有しており、位置欄420は、X欄422、Y欄424を有している。ID欄405は、本実施の形態において、パンチ穴があいている用紙のフォームを一意に識別するための情報(ID:IDentificationの略)を記憶している。名称欄410は、そのフォームの名称を記憶している。パンチ穴数欄415は、そのフォームにおけるパンチ穴の数を記憶している。位置欄420は、そのパンチ穴の位置を記憶している。X欄422は、そのパンチ穴の外接矩形の左角のX座標を記憶している。Y欄424は、そのパンチ穴の外接矩形の左角のY座標を記憶している。パンチ穴画像欄430は、そのパンチ穴の画像を記憶している。パンチ穴数欄415内の数だけ、位置欄420とパンチ穴画像欄430の組み合わせが続く。パンチ穴画像欄430の記憶対象は、パンチ穴の画像自体であってもよいし、パンチ穴がある位置を示す座標情報であってもよい。なお、パンチ穴位置情報テーブル400から、パンチ穴画像欄430を削除してもよい。つまり、少なくともパンチ穴画像欄430は、必須の構成要件ではない。
なお、名称欄410は、ユーザーインタフェースモジュール125によってユーザーの操作に応じて、パンチ穴のフォームの名称が入力される。そして、パンチ穴数欄415、位置欄420、パンチ穴画像欄430は、登録モジュール110によって、用紙の情報画像から入力される。
例えば、図5に示すパンチ穴位置情報テーブル400では、1行目のID:1は、フォームの名称が「Default」であり、パンチ穴数が「2」であることを示しており、2行目のID:2は、フォームの名称が「MyPunchHole1」であり、パンチ穴数が「2」であることを示しており、3行目のID:3は、フォームの名称が「MyPunchHole2」であり、パンチ穴数が「2」であることを示している。
【0028】
表示制御モジュール120は、読込モジュール105、ユーザーインタフェースモジュール125と接続されている。表示制御モジュール120は、読込モジュール105によって読み込まれた用紙のパンチ穴のパンチ穴位置情報を、記憶モジュール115に登録するための登録画面を表示するようにユーザーインタフェースモジュール125を制御する。
この場合、登録モジュール110は、登録画面におけるユーザーの操作にしたがって、パンチ穴位置情報を登録するようにしてもよい。
ここでの表示制御モジュール120による処理は、プレスキャン時の処理に該当する。
【0029】
そして、表示制御モジュール120は、パンチ穴のあいた用紙を読み込む際に、登録モジュール110によって登録されたパンチ穴位置情報を選択するための画面を表示するよう制御するようにしてもよい。
ここでの表示制御モジュール120による処理は、情報画像が印刷されている用紙を読み込んだ後に、パンチ穴を削除するために、パンチ穴のある用紙を読み込んだ場合の処理に該当する。
ここで「パンチ穴位置情報を選択するための画面」として、例えば、パンチ穴位置情報そのものを表示して選択できるようにしてもよいし、「A4用紙(縦長)で左側に2つのパンチ穴」、「A4用紙(縦長)で上側に2つのパンチ穴」等のように、登録されているパンチ穴位置情報に名称を付して選択できるようにしてもよい。
【0030】
ユーザーインタフェースモジュール125は、登録モジュール110、記憶モジュール115、表示制御モジュール120、パンチ穴削除モジュール130と接続されている。ユーザーインタフェースモジュール125は、ユーザーインタフェース機能を有する。例えば、ユーザーインタフェースモジュール125は、表示制御モジュール120の制御にしたがって、タッチパネルを兼ねる液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置を制御し表示を行い、ユーザーの操作を受け付け、ユーザーに対してメッセージ等を提示する。この他、マウス、キーボード、カメラ、マイク等を用いたユーザーの操作(視線、ジェスチャ、音声等も含む)を受け付けるようにしてもよいし、スピーカーによる音声出力、触覚デバイスを用いた触感によって、ユーザーへのメッセージを提示するようにしてもよい。
例えば、ユーザーインタフェースモジュール125は、パンチ穴のフォームの登録画面を表示し、ユーザーの操作にしたがって、パンチ穴の位置情報が選択され、パンチ穴のフォームの名称が入力され、記憶モジュール115に記憶される。
【0031】
パンチ穴削除モジュール130は、読込モジュール105、記憶モジュール115、ユーザーインタフェースモジュール125、出力モジュール135と接続されている。パンチ穴削除モジュール130は、ユーザーインタフェースモジュール125においてユーザーによって選択されたパンチ穴位置情報を用いて、読込モジュール105によって読み込まれた用紙の画像からパンチ穴を削除する。パンチ穴の削除方法として、従来の技術を用いればよい。削除する方法として、例えば、そのパンチ穴の周囲と同色の色を、そのパンチ穴内に埋め込むようにしてもよい。
【0032】
出力モジュール135は、パンチ穴削除モジュール130と接続されている。出力モジュール135は、パンチ穴削除モジュール130からパンチ穴が削除された画像を受け取り、その画像を出力する。画像を出力するとは、例えば、プリンタ等の印刷装置で印刷すること、ディスプレイ等の表示装置に表示すること、FAX等の画像送信装置で画像を送信すること、画像データベース等の画像記憶装置へ画像を書き込むこと、メモリーカード等の記憶媒体に記憶すること、他の情報処理装置へ渡すこと等が含まれる。
【0033】
図2は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。画像処理装置100による機能を画像処理装置200内に備えさせる場合の構成例を示すものである。
画像処理装置200は、制御モジュール205、操作モジュール210、画像読取モジュール215、画像処理モジュール220、位置記憶モジュール225、画像形成モジュール230を有している。操作モジュール210はユーザーインタフェースモジュール125の一例であり、制御モジュール205は登録モジュール110、表示制御モジュール120の一例であり、位置記憶モジュール225は記憶モジュール115の一例であり、画像形成モジュール230は出力モジュール135の一例であり、画像読取モジュール215は読込モジュール105の一例であり、画像処理モジュール220はパンチ穴削除モジュール130の一例である。
【0034】
制御モジュール205は、操作モジュール210、画像読取モジュール215、画像処理モジュール220、位置記憶モジュール225、画像形成モジュール230と接続されている。制御モジュール205は、画像処理装置200内の全体のモジュールを制御する。
操作モジュール210は、制御モジュール205と接続されている。操作モジュール210は、ユーザーの操作を受け付ける。例えば、プレスキャンの操作、すなわち、パンチ穴のフォームを登録するための操作、プレスキャンが行われた後に、パンチ穴がある用紙を対象とし、そのパンチ穴を削除する複写の操作等がある。
【0035】
画像読取モジュール215は、制御モジュール205と接続されている。画像読取モジュール215は、スキャナとしての機能を有しており、プレスキャン時、複写時の原稿の読み取りを行う。
画像処理モジュール220は、制御モジュール205と接続されている。画像処理モジュール220は、画像読取モジュール215によって読み取られた画像に対して、情報画像からパンチ穴の位置の検出、パンチ穴の画像の削除等を行う。
位置記憶モジュール225は、制御モジュール205と接続されている。位置記憶モジュール225は、プレスキャンで読み取った画像に基づいて、パンチ穴のフォームを登録する。
画像形成モジュール230は、制御モジュール205と接続されている。画像形成モジュール230は、プリンタとしての機能を有しており、パンチ穴の画像を削除した後の画像を印刷する。
【0036】
図3は、パンチ穴を削除する処理例を示す説明図である。
パンチ穴あり原稿305は、紙の文書であり、パンチ穴307a、パンチ穴307bがある。
本実施の形態が搭載された画像処理装置200において、ユーザーからスキャン310が指示された場合は、パンチ穴あり原稿305を読み取り、電子文書322又は電子文書324を生成する。電子文書322、電子文書324は、パンチ穴あり原稿305の画像からパンチ穴307a、パンチ穴307bの画像を消去したパンチ穴消去文書350の画像である。
画像処理装置200において、ユーザーから複写330が指示された場合は、パンチ穴あり原稿305を読み取り、複写物340を生成する。複写物340は、パンチ穴あり原稿305の画像からパンチ穴307a、パンチ穴307bの画像を消去したパンチ穴消去文書350である。
【0037】
図4は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
本実施の形態は、プレスキャンによりパンチ穴の位置情報を取得し、本処理におけるパンチ穴の画像の削除を確実に行うようにする。
図4の例は、プレスキャンによって、パンチ穴位置情報テーブル400を生成する例を示したものである。
パンチ穴あり原稿305には、パンチ穴307a、パンチ穴307bがある。ただし、このパンチ穴307a、パンチ穴307bには、例えば、その位置を示す情報画像が記載されている。画像処理装置200は、その情報画像から位置情報を読み取り、パンチ穴位置情報テーブル400を生成する。
このようにすることによって、パンチ穴の箇所が、パンチ穴あり原稿305内のどのような場所にあっても、さらに、パンチ穴の数がいくつであっても、パンチ穴位置情報テーブル400に予め登録することができる。
【0038】
図6は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図4の例で示した処理によって、画像処理装置200内にはパンチ穴位置情報テーブル400が登録されている。この登録されているパンチ穴位置情報テーブル400を用いて、新たに読み込んだ用紙のパンチ穴の画像を除去して複写物340を印刷する。ここで、新たに読み込む用紙は、図4の例で示した処理によって読み込まれた用紙のパンチ穴と同じ数で同じ位置にあるものである。画像処理装置200は、パンチ穴位置情報テーブル400によって事前にパンチ穴の数と位置を把握しているので、パンチ穴の検出の精度が向上する。
【0039】
読み込まれた用紙の画像から、情報画像を用いてパンチ穴の位置情報を登録する処理例を2つ説明する。
図7は、本実施の形態による処理例(A)を示す説明図である。
(1)プレスキャン用の用紙を出力する。
図7(a)に示す例は、画像処理装置200がプレスキャン用の位置情報埋め込み用紙700を出力したことを示している。ここで情報画像には、座標情報が表現されており、例えば、特開2010-283536号公報、特開2011-171786号公報等に記載されているものを用いればよい。この情報画像を読み取り、解析することによって、その情報画像の座標を示す座標情報を抽出することができる。
【0040】
図8は、位置情報の座標系の例を示す説明図である。例えば、位置情報埋め込み用紙700の左上角を原点810(0,0)とし、右方向にX軸820、下方向にY軸830とした座標系で表現した場合、位置情報埋め込み用紙700の左上角には座標(0,0)を示す情報画像が印刷されており、例えば、座標(500,500)の位置には座標(500,500)を示す情報画像が印刷されている。したがって、その情報画像を解析することによって、その情報画像がある位置を取得することができる。
【0041】
(2)プレスキャン
パンチ穴307aとパンチ穴307bがあるパンチ穴あり原稿305と位置情報埋め込み用紙700を重ね合わせる。例えば、図7(b)に示すように、位置情報埋め込み用紙700上にパンチ穴あり原稿305を重ね合わせればよい。そして、パンチ穴あり原稿305側を読み込む面として、画像処理装置200で読み込む。つまり、パンチ穴307aとパンチ穴307b内には、位置情報埋め込み用紙700に印刷されている情報画像が見えるので、パンチ穴307aとパンチ穴307bの位置に情報画像がある画像を読み込むことになる。
【0042】
(3)読み込んだ画像から、情報画像に埋め込まれている位置情報を取得する。
スキャン画像710から、パンチ穴情報画像717aとパンチ穴情報画像717bを検出して、そのパンチ穴情報画像717aとパンチ穴情報画像717bから座標情報を抽出する。
(4)位置を記憶する。
パンチ穴情報画像717aとパンチ穴情報画像717bから抽出した座標情報を、位置記憶モジュール225に記憶させる。つまり、パンチ穴位置情報テーブル400を生成する。
【0043】
なお、パンチ穴あり原稿305と位置情報埋め込み用紙700の重ね合わせに際して、パンチ穴あり原稿305と位置情報埋め込み用紙700のサイズは同じであることが望ましい。ただし、パンチ穴あり原稿が非定型である場合(つまり、画像処理装置200では印刷できない原稿サイズである場合)は、パンチ穴までのサイズがあればよい。
図9は、位置情報埋め込み用紙900とパンチ穴あり原稿910を重ね合わせる例を示す説明図である。
パンチ穴あり原稿910には、パンチ穴912aとパンチ穴912bがある。位置情報埋め込み用紙900は、パンチ穴912aとパンチ穴912bがある位置を覆う程度のサイズがあればよい。
なお、図9の例では、位置情報埋め込み用紙900はパンチ穴あり原稿910よりも大きいサイズである。この場合、パンチ穴912aとパンチ穴912b以外の部分(図9の例では、右端と下端の領域)からも情報画像が読み取られてしまうことになる。そこで、予め定められた面積未満又は以下の情報画像を解析対象とするようにしてもよい。「予め定められた面積」として、パンチ穴の面積、又は、パンチ穴の面積に予め定められた値を加えた面積としてもよい。
【0044】
図10は、本実施の形態による処理例(B)を示す説明図である。
(1)プレスキャン用の用紙を出力する。
図7(a)と同等の処理である。
(2)ユーザーによるパンチ処理を行う。
位置情報埋め込み用紙700に対して、ユーザーがパンチ穴をあける処理を行う。図10(b)の例に示すように、位置情報埋め込み用紙700には、パンチ穴1017aとパンチ穴1017bができる。
【0045】
(3)プレスキャン
パンチ穴1017aとパンチ穴1017bがある位置情報埋め込み用紙700を、画像処理装置200が読み込む。
(4)読み込んだ画像から、情報画像に埋め込まれている位置情報を取得する。
スキャン画像1020は、パンチ穴1017aとパンチ穴1017bにそれぞれ対応するパンチ穴1027aとパンチ穴1027bを有している。パンチ穴1027aとパンチ穴1027bには、情報画像がない。
そこで、スキャン画像1020内の情報画像を解析する。パンチ穴1027aとパンチ穴1027bのように情報画像が欠落している部分(つまり、情報画像として解析できない部分)は、座標情報が欠落していることになるので、その欠落している座標情報をパンチ穴における座標情報として抽出すればよい。具体的には、本来なら連続しているはずの座標情報が連続していない箇所を抽出し、その連続していない座標情報をパンチ穴の座標情報として抽出する。
(5)位置を記憶する。
(4)で抽出した座標情報を、位置記憶モジュール225に記憶させる。つまり、パンチ穴位置情報テーブル400を生成する。
【0046】
図11は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS1102では、パンチ穴モードを選択する。パンチ穴モードとは、パンチ穴に関する処理(具体的には、パンチ穴の登録処理、パンチ穴の削除処理)を行う処理体系である。
ステップS1104では、ユーザーの操作に応じて、位置登録を行うか否かを判断し、行う場合はステップS1106へ進み、それ以外の場合はステップS1122へ進む。つまり、プレスキャン処理を行うか否かを、ユーザーが選択する。
【0047】
ステップS1106では、ユーザーの操作に応じて、用紙サイズを設定する。全面に情報画像が印刷された用紙のサイズを設定する。
ステップS1108では、位置情報埋め込み用紙を出力する。図7の例で示した位置情報埋め込み用紙700を印刷する。
【0048】
ステップS1110では、登録方法Aであるか登録方法Bであるかを判断し、登録方法Aの場合はステップS1112へ進み、登録方法Bの場合はステップS1114へ進む。登録方法Aは、図7の例で示した方法であり、登録方法Bは、図10の例で示した方法である。
ステップS1112では、原稿を重ねて原稿置き台にセットする。図7(b)の例に示したように位置情報埋め込み用紙700とパンチ穴あり原稿305を重ね合わせて、読み込ませるようにする。
【0049】
ステップS1114では、ユーザーは、出力用紙にパンチ処理を行う。図10(b)の例で示したように、ユーザーは、ステップS1108で印刷された用紙にパンチ穴をあける。
ステップS1116では、パンチ穴のあいた出力用紙を原稿置き台にセットする。
【0050】
ステップS1118では、プレスキャンを開始する。登録方法Aにあっては、情報画像を解析して座標情報を抽出し、登録方法Bにあっては、連続していない座標情報を抽出する。これらの抽出した座標情報から、パンチ穴の位置情報を決定する。
ステップS1120では、位置情報を記憶し、ステップS1122へ進む。
【0051】
ステップS1122では、ユーザーの操作に応じて、位置設定を行うか否かを判断し、行う場合はステップS1124へ進み、それ以外の場合はステップS1126へ進む。
ステップS1124では、登録した位置の設定を行う。具体的には、パンチ穴位置情報テーブル400を生成する。そして、その際に、ユーザーの入力に応じて、パンチ穴位置情報テーブル400の名称欄410も設定する。
ステップS1126では、本処理を開始する。図6の例で示したように、登録されたパンチ穴と同じ数、同じ位置にある用紙の複写において、パンチ穴の削除処理を行う。
【0052】
図12は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
読み込まれる画像は、プレスキャンで読み込まれた画像とは天地逆になる可能性もあるので、パンチ穴位置情報テーブル400に登録されたパンチ穴の位置と対称の位置も処理対象とする処理例を示すものである。
読み取り画像1200に対して、パンチ穴存在領域1222a、パンチ穴存在領域1222b、パンチ穴存在領域1224a、パンチ穴存在領域1224bを探索する。なお、パンチ穴存在領域1222a、パンチ穴存在領域1222bは、パンチ穴位置情報テーブル400に登録されたパンチ穴の位置である。そして、パンチ穴存在領域1224a、パンチ穴存在領域1224bは、パンチ穴存在領域1222a、パンチ穴存在領域1222bと点対称の位置にある。
なお、パンチ穴存在領域1222a等にパンチ穴があるか否かについては、パンチ穴位置情報テーブル400のパンチ穴画像欄430を用いればよい。パンチ穴画像欄430に記憶されているパンチ穴画像1230とパターンマッチング処理を行って、パンチ穴存在領域1222a内にパンチ穴画像1212aがあること、パンチ穴存在領域1222b内にパンチ穴画像1212bがあることを検知する。
そして、パンチ穴画像1212a、パンチ穴画像1212bを削除して、出力画像1250を印刷する。
なお、この説明では、パンチ穴位置情報テーブル400に登録されたパンチ穴の位置から対称の位置を生成したが、予めパンチ穴位置情報テーブル400に対称の位置も記憶させるようにしてもよい。その場合は、単にパンチ穴位置情報テーブル400に登録されたパンチ穴の位置を探索対象とすればよい。
【0053】
図13は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。主に、ユーザーインタフェースの例を示すものである。画像処理装置200の表示装置に画面1300を表示する。図13図14は、プレスキャン時のユーザーインタフェースの例を示すものである。
【0054】
図13(1)の例に示す画面1300Aには、パンチ穴モードであることを示す「パンチ穴除去」と表示し、開始ボタン1310、位置登録ボタン1320、位置設定ボタン1330を表示する。ここで位置登録ボタン1320が、ユーザーによって選択されたとする。
図13(2)の例に示す画面1300Bには、「出力用紙の選択」と表示し、A3ボタン1340、A4ボタン1342、A5ボタン1344を表示する。ここでA3ボタン1340が、ユーザーによって選択されたとする。
【0055】
図13(3)の例に示す画面1300Cには、処理中コンテンツ1350を表示する。情報画像を生成して、用紙全面にその情報画像を印刷する処理を行っている状態である。
図13(4)の例に示す画面1300Dには、「パンチ穴除去」と表示し、登録方法Aボタン1360、登録方法Bボタン1370を表示する。
【0056】
図14は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図14(5)の例に示す画面1300Eには、各操作の説明表示領域1410、開始ボタン1420を表示する。各操作の説明表示領域1410には、プレスキャンにおけるユーザーの処理を説明する。例えば、登録方法Aボタン1360が、ユーザーによって選択された場合、ユーザーは、情報画像が印刷された用紙と登録するパンチ穴がある用紙を重ね合わせて読み取らせる処理を行うことの説明を表示する。また、登録方法Bボタン1370が、ユーザーによって選択された場合、ユーザーは、情報画像が印刷された用紙にパンチ穴をあけ、そのパンチ穴のある用紙を読み取らせる処理を行うことの説明を表示する。ここで開始ボタン1420が、ユーザーによって選択されたとする。
【0057】
図14(6)の例に示す画面1300Fには、処理中コンテンツ1430を表示する。パンチ穴位置情報テーブル400を生成する処理を行っている状態である。
図14(7)の例に示す画面1300Gには、「位置登録完了」と表示し、OKボタン1440、名称入力領域1450、タッチキー表示領域1460を表示する。例えば、ユーザーは、タッチキー表示領域1460内の仮想キーボードを用いて、名称入力領域1450内にパンチ穴のフォームの名称を入力する。具体的には、パンチ穴位置情報テーブル400の名称欄410に記憶させる名称である。
【0058】
図15は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。プレスキャンが終了した後に、本処理を行う場合のユーザーインタフェースの例を示すものである。
図15(1)の例に示す画面1500Aには、パンチ穴モードであることを示す「パンチ穴除去」と表示し、開始ボタン1510、位置登録ボタン1520、位置設定ボタン1530を表示する。ここで位置設定ボタン1530が、ユーザーによって選択されたとする。
図15(2)の例に示す画面1500Bには、「パンチ位置の設定」と表示し、Defaultボタン1540、MyPunchHole1ボタン1550、MyPunchHole2ボタン1560を表示する。ここでMyPunchHole1ボタン1550が、ユーザーによって選択されたとする。MyPunchHole1ボタン1550は、既にプレスキャンで登録されたパンチ穴のフォームの名称である。つまり、プレスキャンによって「MyPunchHole1」で登録された際の用紙のパンチ穴と同じ数、同じ位置にパンチ穴がある用紙が、今回のパンチ穴の画像を削除したいとする用紙である。
【0059】
図16を参照して、本実施の形態の画像処理装置100、画像処理装置200のハードウェア構成例について説明する。図16に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ等によって構成されるものであり、スキャナ等のデータ読み取り部1617と、プリンタ等のデータ出力部1618を備えたハードウェア構成例を示している。
【0060】
CPU(Central Processing Unitの略)1601は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、読込モジュール105、登録モジュール110、表示制御モジュール120、ユーザーインタフェースモジュール125、パンチ穴削除モジュール130、出力モジュール135、制御モジュール205、操作モジュール210、画像読取モジュール215、画像処理モジュール220、画像形成モジュール230等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0061】
ROM(Read Only Memoryの略)1602は、CPU1601が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memoryの略)1603は、CPU1601の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス1604により相互に接続されている。
【0062】
ホストバス1604は、ブリッジ1605を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interfaceの略)バス等の外部バス1606に接続されている。
【0063】
キーボード1608、マウス等のポインティングデバイス1609は、操作者により操作されるデバイスである。ディスプレイ1610は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tubeの略)等があり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。また、ポインティングデバイス1609とディスプレイ1610の両方の機能を備えているタッチスクリーン等であってもよい。その場合、キーボードの機能の実現について、キーボード1608のように物理的に接続しなくても、画面(例えば、タッチスクリーン)上にソフトウェアでキーボード(いわゆるソフトウェアキーボード、スクリーンキーボード等ともいわれる)を描画して、キーボードの機能を実現するようにしてもよい。
【0064】
HDD(Hard Disk Driveの略)1611は、ハードディスク(ハードディスク以外に、フラッシュ・メモリ等であってもよい)を内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU1601によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。HDD1611は、記憶モジュール115、位置記憶モジュール225等としての機能を実現させる。さらに、その他の各種データ、各種コンピュータ・プログラム等が格納される。
【0065】
ドライブ1612は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体1613に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース1607、外部バス1606、ブリッジ1605、及びホストバス1604を介して接続されているRAM1603に供給する。なお、リムーバブル記録媒体1613も、データ記録領域として利用可能である。
【0066】
接続ポート1614は、外部接続機器1615を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート1614は、インタフェース1607、及び外部バス1606、ブリッジ1605、ホストバス1604等を介してCPU1601等に接続されている。通信部1616は、通信回線に接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部1617は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部1618は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0067】
前述の実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、前述の実施の形態が実現される。
なお、図16に示す画像処理装置100等のハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図16に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、プロセッサとして、GPU(Graphics Processing Unitの略、GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Unitsの略)を含む)を用いてもよいし、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(具体例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略)等がある)や再構成可能な集積回路(具体例として、FPGA(Field-Programmable Gate Arrayの略)等がある)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに図16に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯情報通信機器として、携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(複合機とは、スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)等に組み込まれていてもよい。
【0068】
なお、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU、ASIC、FPGA、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって行われてもよいし、また、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0069】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu-ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digitalの略)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0070】
100…画像処理装置
105…読込モジュール
110…登録モジュール
115…記憶モジュール
120…表示制御モジュール
125…ユーザーインタフェースモジュール
130…パンチ穴削除モジュール
135…出力モジュール
200…画像処理装置
205…制御モジュール
210…操作モジュール
215…画像読取モジュール
220…画像処理モジュール
225…位置記憶モジュール
230…画像形成モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16