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特許7395886チャット端末装置、チャットシステム、チャット入力方法及びチャット入力プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】チャット端末装置、チャットシステム、チャット入力方法及びチャット入力プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/04 20220101AFI20231205BHJP
   A63F 13/87 20140101ALI20231205BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20231205BHJP
【FI】
H04L51/04
A63F13/87
A63F13/53
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019160036
(22)【出願日】2019-09-03
(65)【公開番号】P2021039526
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鵜▲崎▼ 次郎
(72)【発明者】
【氏名】小原 瑞樹
(72)【発明者】
【氏名】岡田 直之
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-055915(JP,A)
【文献】特開2010-082335(JP,A)
【文献】特開2011-000377(JP,A)
【文献】特開2019-049879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/00
A63F 13/87
A63F 13/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試合の状況を示す試合状況データと、前記試合に対応したチャットの内容を示すチャットデータとを管理するサーバから前記試合状況データ及び前記チャットデータを受信可能であり、前記サーバに対して前記チャットデータを送信可能な通信部と、
前記通信部により受信した前記試合状況データ及び前記チャットデータを記憶する記憶部と、
前記チャットデータを入力可能な入力部と、
前記チャットデータを表示可能な表示部と、
前記入力部により前記チャットデータを入力する場合に、入力時点における前記試合状況データ及び予め登録された登録データに基づいた内容の前記チャットデータを候補データとして前記表示部に表示させる制御部と
を備えるチャット端末装置。
【請求項2】
前記登録データは、前記試合を行うチーム又は前記試合に参加する参加者に関するデータを含む
請求項1に記載のチャット端末装置。
【請求項3】
前記登録データは、前記試合における所定の前記試合状況データを含む
請求項1又は請求項2に記載のチャット端末装置。
【請求項4】
試合の状況を示す試合状況データと、前記試合に対応したチャットの内容を示すチャットデータとを管理するサーバと、
前記サーバから前記試合状況データ及び前記チャットデータを受信可能であり、前記サーバに対して前記チャットデータを送信可能な通信部と、前記通信部により受信した前記試合状況データ及び前記チャットデータを記憶する記憶部と、前記チャットデータを入力可能な入力部と、前記チャットデータを表示可能な表示部と、前記入力部により前記チャットデータを入力する場合に、入力時点における前記試合状況データ及び予め登録された登録データに基づいた内容の前記チャットデータを候補データとして前記表示部に表示させる制御部と、を有するチャット端末装置と
を備えるチャットシステム。
【請求項5】
試合の状況を示す試合状況データと、前記試合に対応したチャットの内容を示すチャットデータとを管理するサーバから前記試合状況データ及び前記チャットデータを受信することと、
受信した前記試合状況データ及び前記チャットデータを記憶部に記憶することと、
前記チャットデータを入力する場合に、入力時点における前記試合状況データ及び予め登録された登録データに基づいた内容の前記チャットデータを候補データとして表示部に表示させることと、
前記表示部に表示された前記候補データの一つが選択された場合、選択された前記候補データを前記チャットデータとして前記サーバに送信することと
を含むチャット入力方法。
【請求項6】
試合の状況を示す試合状況データと、前記試合に対応したチャットの内容を示すチャットデータとを管理するサーバから前記試合状況データ及び前記チャットデータを受信する処理と、
受信した前記試合状況データ及び前記チャットデータを記憶部に記憶する処理と、
前記チャットデータを入力する場合に、入力時点における前記試合状況データ及び予め登録された登録データに基づいた内容の前記チャットデータを候補データとして表示部に表示させる処理と、
前記表示部に表示された前記候補データの一つが選択された場合、選択された前記候補データを前記チャットデータとして前記サーバに送信する処理と
をコンピュータに実行させるチャット入力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャット端末装置、チャットシステム、チャット入力方法及びチャット入力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツ競技、ゲーム競技等の試合が行われる際、試合に参加又は直接観戦できない者であっても試合状況を把握することができるように、例えばユーザがチャットを用いて試合状況等を知らせることが行われている。例えば、ゲームのスコア情報とユーザ同士のチャットを同一画面に表示するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-71076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のシステムでは、ユーザが頻繁にチャットを入力する必要があり、試合に集中することが困難な場合がある。このため、ユーザのチャット入力の手間を低減することが求められている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ユーザのチャット入力の手間を低減することが可能なチャット端末装置、チャットシステム、チャット入力方法及びチャット入力プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るチャット端末装置は、試合の状況を示す試合状況データと、前記試合に対応したチャットの内容を示すチャットデータとを管理するサーバから前記試合状況データ及び前記チャットデータを受信可能であり、前記サーバに対して前記チャットデータを送信可能な通信部と、前記通信部により受信した前記試合状況データ及び前記チャットデータを記憶する記憶部と、前記チャットデータを入力可能な入力部と、前記チャットデータを表示可能な表示部と、前記入力部により前記チャットデータを入力する場合に、入力時点における前記試合状況データに対応した内容の前記チャットデータを候補データとして前記表示部に表示させる制御部とを備える。
【0007】
本発明に係るチャットシステムは、試合の状況を示す試合状況データと、前記試合に対応したチャットの内容を示すチャットデータとを管理するサーバと、前記サーバから前記試合状況データ及び前記チャットデータを受信可能であり、前記サーバに対して前記チャットデータを送信可能な通信部と、前記通信部により受信した前記試合状況データ及び前記チャットデータを記憶する記憶部と、前記チャットデータを入力可能な入力部と、前記チャットデータを表示可能な表示部と、前記入力部により前記チャットデータを入力する場合に、入力時点における前記試合状況データに対応した内容の前記チャットデータを候補データとして前記表示部に表示させる制御部と、を有するチャット端末装置とを備える。
【0008】
本発明に係るチャット入力方法は、試合の状況を示す試合状況データと、前記試合に対応したチャットの内容を示すチャットデータとを管理するサーバから前記試合状況データ及び前記チャットデータを受信することと、受信した前記試合状況データ及び前記チャットデータを記憶部に記憶することと、前記チャットデータを入力する場合に、入力時点における前記試合状況データに対応した内容の前記チャットデータを候補データとして表示部に表示させることと、前記表示部に表示された前記候補データの一つが選択された場合、選択された前記候補データを前記チャットデータとして前記サーバに送信することとを含む。
【0009】
本発明に係るチャット入力プログラムは、試合の状況を示す試合状況データと、前記試合に対応したチャットの内容を示すチャットデータとを管理するサーバから前記試合状況データ及び前記チャットデータを受信する処理と、受信した前記試合状況データ及び前記チャットデータを記憶部に記憶する処理と、前記チャットデータを入力する場合に、入力時点における前記試合状況データに対応した内容の前記チャットデータを候補データとして表示部に表示させる処理と、前記表示部に表示された前記候補データの一つが選択された場合、選択された前記候補データを前記チャットデータとして前記サーバに送信する処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザのチャット入力の手間を低減することが可能なチャット端末装置、チャットシステム、チャット入力方法及びチャット入力プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態に係るチャットシステムの一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態に係るチャット端末装置の入力部及び表示部の一例を示す図である。
図3図3は、チャットデータ記憶部に記憶されるチャットデータの一例を示す図である。
図4図4は、同期データ記憶部に記憶される同期データの一例を示す図である。
図5図5は、候補データ記憶部に記憶される候補データの一例を示す図である。
図6図6は、登録データ記憶部に記憶される登録データの一例を示す図である。
図7図7は、チャットデータを入力する入力用画面の一例を示す図である。
図8図8は、チャット入力方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0013】
図1は、本実施形態に係るチャットシステム100の一例を示すブロック図である。図1に示すチャットシステム100は、例えば野球等のスポーツ競技において、試合内容に関するチャットを行う場合に用いられる。このチャットシステム100を用いることにより、例えば試合に参加又は直接観戦できない者であっても試合状況を把握することができるように、チャットを用いて試合状況等を知らせることが可能である。以下、スポーツ競技として野球を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、サッカー、バレーボール、テニス、バドミントン等、他のスポーツ競技においても同様の説明が可能である。また、チャットシステム100は、例えばダンス大会(舞踊競技)、ピアノコンクール(演奏競技)、かるた大会(カード競技又はテーブルゲーム競技)、カラオケ大会(歌唱競技)、ゲーム大会等のスポーツ以外の競技にも適応可能である。
【0014】
図1に示すように、チャットシステム100は、スコア入力部20と、サーバ30と、チャット端末装置40、40Aとを備える。なお、チャットシステム100は、不図示のカメラを有してもよい。この場合、カメラは、例えば試合場において試合内容を撮影する。カメラで撮影した映像データは、例えばサーバ30に送信され、サーバ30において管理される。カメラは、例えば複数台設けられる。また、カメラは、映像データを撮影可能であればよく、例えば携帯電話やスマートフォン等に付属のカメラ等であってもよい。カメラは、映像データを撮影した場合、撮影時刻を示すデータを映像データに含ませる。
【0015】
スコア入力部20は、試合の状況を示す試合状況データをサーバ30に入力する。本実施形態では、野球の試合の状況を示す試合状況データとして、例えばスコアデータが挙げられる。スコアデータは、野球のスコアブックに記載されるスコアを構成するデータであり、投手の投球を起点とした一連のイベントを構成する個々のイベントである。スコアは、スコアデータの集合である。したがって、投手が1球投げるごとに複数のスコアデータが作成され、これにより1つのスコアが作成される。例えば、1塁に出塁している状態での打撃結果がライトフライアウトになって1塁走者もタッチアウトになった場合、打者がアウトというスコアデータと、ライトフライというスコアデータと、1塁走者がアウトというスコアデータが作成され、これらのスコアデータから1つのスコアが構成されることになる。
【0016】
スコアには、上記に例示したスコアデータの他にも、打者のアクション、野手のアクション、カウントの確定、既に出塁している走者がいる場合はその走者の進塁状況、その他、打者や野手のその他の行動などのスコアデータが含まれ得る。具体的には、スコアには、ストライク、ボール、ファウル、打撃結果、打球の種類、捕球野手、進塁結果などのスコアデータが含まれ得る。打撃結果は、アウト、1塁打、2塁打、3塁打、本塁打などの情報である。打球の種類は、ゴロ、ライナー、フライ、バントなどの情報であり、さらに細かく分類してもよい。捕球野手は、実際に打球を捕球した野手または野手の守備位置を特定するための情報である。進塁結果は、たとえば「1塁から2塁」など、出塁していた走者の進塁に関する情報であり、その他に打者や野手のその他の行動などを含めることができる。
【0017】
スコア入力部20としては、例えば上記のスコアデータを電子データとしてサーバ30に入力するアプリケーション等が挙げられる。この場合、スコア入力部20は、サーバ30の外部に設置されるパーソナルコンピュータ等の処理装置に設けられてもよい。また、スコア入力部20は、サーバ30に設けられてもよい。なお、本実施形態において、スコア入力部20は、設けられなくてもよい。
【0018】
サーバ30は、チャットシステム100を統括的に管理する。サーバ30は、チャットシステム100の管理を行うための各種アプリケーション、データ、プログラム等を有する。サーバ30としては、例えばパーソナルコンピュータ、ワークステーション等が用いられるが、これに限定されない。
【0019】
サーバ30においては、複数のチャットグループが設定されている。チャットグループは、例えば競技ごと、試合ごと、又はチームごとに個別に設定されている。サーバ30は、チャットグループ毎に、以下説明する各種処理を行う。
【0020】
サーバ30には、試合に対応したチャットの内容を示すチャットデータが入力される。サーバ30は、入力されたチャットデータを記憶する。サーバ30がチャットデータを記憶することにより、チャットデータがサーバ30から受信可能な状態となる。サーバ30は、チャットデータを記憶した場合、当該チャットデータを記憶した時刻(以下、アップロード時刻と表記する)のデータをチャットデータにそれぞれ含ませる。つまり、サーバ30に記憶されたチャットデータは、アップロード時刻のデータを含んでいる。サーバ30は、映像データ及びチャットデータを管理する管理アプリケーションを有する。
【0021】
また、サーバ30には、スコア入力部20からスコアデータが入力されてもよい。この場合、サーバ30は、入力されたスコアデータに基づいてチャットデータを生成し、当該チャットデータを保存してもよい。例えば、サーバ30は、新たなスコアデータが入力される度に、当該スコアデータの内容を文字等で表したチャットデータを生成可能である。これにより、スコアデータが更新される場合に、更新されたスコアデータをチャットの情報として確認することが可能となる。また、サーバ30には、カメラにより撮影された映像データが入力されてもよい。
【0022】
チャット端末装置40、40Aは、入力部41と、表示部42と、通信部43と、記憶部44と、制御部45とを有している。入力部41、表示部42、通信部43、記憶部44及び制御部45は、例えばバスライン等を介して接続されている。チャット端末装置40としては、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯型情報端末が挙げられる。
【0023】
入力部41は、チャットデータ等の情報を入力するための所定の入力操作が可能である。入力部41は、入力操作に応じて、制御部45に対する指示信号を出力する。入力部41としては、例えばタッチパネル等の入力装置が用いられる。なお、入力部41として、タッチパネルに加えて又はタッチパネルに代えて、ボタン、レバー、ダイヤル、スイッチ又は他の入力装置が用いられてもよい。入力部41は、所定の入力操作に応じた指示信号を出力する。表示部42は、文字及び画像を含む各種情報を表示する。表示部42は、液晶パネル等の表示パネルを有する。
【0024】
図2は、本実施形態に係るチャット端末装置40の入力部41及び表示部42の一例を示す図である。図2に示すように、チャット端末装置40は、例えばタッチパネル型の入力部41及び表示部42を有している。つまり、表示部42である表示パネルに入力部41であるタッチパネルが重ねて配置されている。
【0025】
表示部42には、例えばスコア表示領域42aと、チャット表示領域42bと、グループ表示領域42gとが表示されている。スコア表示領域42aには、スコアデータが表示される。例えば、スコア表示領域42aには、イニングごとに得点が表示されるスコアボード81や、ランナーの進塁状況を表示する進塁表示82、イニングを表示するイニング表示83、チームごとの総得点を表示する得点表示84、ボールカウント及びアウトカウントを表示するカウント表示85、打者を表示する打者表示86、投手を表示する投手表示87等が表示される。なお、スコア表示領域42aの表示については、これに限定されるものではなく、例えば一部の表示を省略可能としてもよい。
【0026】
チャット表示領域42bには、チャットデータが表示される。例えば、チャット表示領域42bには、サーバ30で生成されたチャットデータであるサーバメッセージ88や、チャット端末装置40とは異なる他のチャット端末装置40Aで入力されたチャットデータである他者メッセージ89、チャット端末装置40で入力されたチャットデータである自己メッセージ90等が表示される。サーバメッセージ88は、例えばサーバ30に入力されたスコアデータの内容を文字により示したものである。図2の上側のサーバメッセージ88aは、例えば8回裏に打者007がセンター前ヒットを打った、という内容である。また、図2の下側のサーバメッセージ88bは、8回裏に打者008が三振した、という内容である。
【0027】
なお、サーバメッセージ88及び他者メッセージ89は、例えばチャット表示領域42bの左側の領域に表示される。また、自己メッセージ90は、例えばチャット表示領域42bの右側の領域に表示される。また、サーバメッセージ88と他者メッセージ89とは、例えばメッセージが表示される枠の種類が異なるなど、区別して表示してもよい。これにより、サーバメッセージ88と他者メッセージ89とを識別可能となる。グループ表示領域42gには、チャット端末装置40の操作者の属するグループの情報が表示される。なお、自己メッセージ90は、テキストデータからなるメッセージであってもよい。
【0028】
入力部41は、タッチパネルの表面のうち所定の領域に対してタッチ操作、スクロール操作等の操作が行われた場合、操作が行われた領域の位置情報及び操作内容を含む所定の指示信号を出力する。当該位置情報は、例えば表示部42の位置に対応して設定されている。なお、入力部41及び表示部42の構成は、上記構成に限定するものではない。
【0029】
通信部43は、有線又は無線によって外部機器との間で情報の通信を行う。通信部43は、例えば外部のサーバ30との間で映像データ、チャットデータ、スコアデータ等の送受信を行う。
【0030】
記憶部44は、例えばハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等のストレージを有している。なお、記憶部44として、リムーバブルディスク等の外部記憶媒体が用いられてもよい。記憶部44は、チャット端末装置40のオペレーティングシステムや、入力部41、表示部42及び通信部43の動作を制御するための各種プログラム、チャットを行うためのチャットアプリケーション、各種プログラム、及びデータ等を記憶する。例えば、記憶部44は、表示部42に表示させるスコア表示領域42a、チャット表示領域42b、グループ表示領域42g等のフレームデータ等が記憶されてもよい。
【0031】
また、記憶部44は、試合の状況を示す試合状況データと、試合に対応したチャットの内容を示すチャットデータとを管理するサーバから試合状況データ及びチャットデータを受信する処理と、受信した試合状況データ及びチャットデータを記憶する処理と、チャットデータを入力する場合に、入力時点における試合状況データに対応した内容のチャットデータを候補データとして表示部に表示させる処理と、表示部に表示された候補データの一つが選択された場合、選択された候補データをチャットデータとしてサーバに送信する処理とをコンピュータに実行させるチャット入力プログラムを記憶する。
【0032】
記憶部44は、スコアデータ記憶部51と、チャットデータ記憶部52と、同期データ記憶部53と、候補データ記憶部54と、登録データ記憶部55とを有する。
【0033】
スコアデータ記憶部51は、通信部43で受信したスコアデータを記憶する。スコアデータ記憶部51に記憶されるスコアデータとしては、例えば打者スコアデータ、走者スコアデータ、タグ情報等の情報を含む。なお、スコアデータとして、野手のアクション等の他の情報を含んでもよい。
【0034】
チャットデータ記憶部52は、通信部43で受信したチャットデータを記憶する。図3は、チャットデータ記憶部52に記憶されるチャットデータの一例を示す図である。図3に示すように、チャットデータは、入力ID75と、入力者ID76と、入力内容77と、タグ情報78とを含む。
【0035】
入力ID75は、チャットデータがサーバ30に入力又は生成される毎に1つ作成される。入力者ID76は、1つのチャットデータにおける入力者を識別する情報である。例えば、サーバ30によって生成されたチャットデータの場合、入力者ID76は所定の値(例えば「999」等)としてもよい。入力内容77は、チャット表示領域42bに表示されるメッセージの内容を示す情報である。入力内容77は、例えば文字データ又は所定のイラストデータを含む。タグ情報78は、入力ID75毎に作成されるチャットデータを識別する情報である。タグ情報78は、入力ID75が作成される毎に1つ作成される。タグ情報78は、インデックスとしてタグ番号(TC0054、TC0055、…)が昇順で付加される。なお、入力ID75のID番号をタグ情報として用いてもよい。
【0036】
同期データ記憶部53は、スコアデータとチャットデータとを対応付ける同期データを記憶する。図4は、同期データ記憶部53に記憶される同期データの一例を示す図である。図4に示すように、同期データは、タグ情報79及びアップロード時刻情報80を有している。タグ情報79は、上記のチャットデータのタグ情報78に対応する情報である。タグ情報79は、アップロード時刻情報80に沿った順序で配置される。タグ情報79は、例えば対応するタグ情報78と同一のタグ番号(TC0054、TC0055、…)が付加されているが、これに限定されるものではない。例えば、タグ情報79は、タグ情報78とは独立した一連のタグ番号が付加されてもよい。アップロード時刻情報80は、タグ情報79に対応付けられるスコアデータ及びチャットデータがサーバ30にアップロードされた時刻を示す。タグ情報79及びアップロード時刻情報80により、スコアデータとチャットデータとが、アップロード時刻によって対応付けられて記憶されることになる。
【0037】
候補データ記憶部54は、複数の候補データを記憶する。候補データは、入力部41によりチャットデータを入力する場合に、入力時点における試合状況データに対応した内容のチャットデータである。図5は、候補データ記憶部54に記憶される候補データの一例を示す図である。図5に示すように、候補データは、例えばスコアが有利な場合の「やったー」「おめでとう」「よかったね」といった喜び、祝福等を表す語句と、スコアが不利な場合の「残念」「やっちまったー」といった残念さ等を表す語句とが挙げられる。候補データには、スコアが有利な場合、スコアが不利な場合のそれぞれについて、優先順位が設定される。候補データは、チャットデータを入力する際、優先順位が高い順に表示される。上記のような候補データとして例示される語句については、例えばチャット端末装置40に搭載される文章入力ツール等に登録された語句が用いられてもよいし、チャットデータとして入力された語句が用いられてもよい。
【0038】
登録データ記憶部55は、チャット端末装置40を使用する使用者によって登録される登録データを記憶する。図6は、登録データ記憶部55に記憶される登録データの一例を示す図である。図6に示すように、登録データは、例えば使用者が属するチーム、使用者が指定する試合参加者(選手)、使用者が指定するスコアデータ等を含む。登録データは、詳細は後述するが、候補データを表示する際に用いられる。
【0039】
制御部45は、入力部41、表示部42、通信部43及び記憶部44の各部の制御を行う。また、制御部45は、入力部41による指示信号に応じた演算、処理等を行う。制御部45は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置や、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の記憶装置を有している。制御部45は、通信制御部61と、記憶制御部62と、表示制御部63と、候補データ設定部64とを有する。
【0040】
通信制御部61は、通信部43を介してサーバ30にアクセスし、サーバ30に記憶されているスコアデータ、チャットデータ等を受信させる。また、通信制御部61は、入力部41により入力又は選択されたチャットデータを、通信部43を介してサーバ30に送信させる。
【0041】
記憶制御部62は、サーバ30から取得したスコアデータ、チャットデータ等を、アップロード時刻と対応付けて記憶部44に記憶させる。
【0042】
表示制御部63は、表示部42に表示される表示内容を制御する。表示制御部63は、通信部43で取得されるスコアデータに基づいて、スコア表示領域42aの表示内容を制御する。
【0043】
また、表示制御部63は、通信部43で取得されるチャットデータに基づいて、チャット表示領域42bの表示内容を制御する。表示制御部63は、チャットデータをチャット表示領域42bに表示する際、当該チャット表示領域42bに表示可能な数のチャットデータをアップロード時刻に基づいて時系列で一方向に並べて表示する。本実施形態では、例えば図2に示すように、チャットデータが時系列でチャット表示領域42bの図中の上方から下方に並んで表示される。
【0044】
また、表示制御部63は、サーバ30に新たなチャットデータが記憶された場合、通信部43を介してサーバ30に記憶された最新のチャットデータを取得し、チャット表示領域42bの表示内容を更新する。この場合、表示制御部63は、チャット表示領域42bにおいて時系列的に直近に表示されたチャットデータの下方に新たなチャットデータを表示させるスペースがあるか否かを判断する。新たなチャットデータを表示させるスペースがある場合、表示制御部63は、当該スペースに新たなチャットデータを表示させる。また、新たなチャットデータを表示させるスペースが無い場合、表示制御部63は、チャット表示領域42bに表示されている中で時系列的に最も古いチャットデータ、つまり、チャット表示領域42bに表示される最も上側のチャットデータを、チャット表示領域42bの上方に押し出す方向にチャット表示領域42b全体をスクロールさせる。そして、表示制御部63は、スクロールによって空いた下部のスペースに新たなチャットデータを表示させる。これにより、表示制御部63は、サーバ30に新たなチャットデータがアップロードされ、記憶部44に記憶される毎に、チャット表示領域42bに表示されるチャットデータをリアルタイムで更新することが可能である。
【0045】
また、表示制御部63は、記憶部44に記憶される過去のチャットデータに基づいて、チャット表示領域42bの表示内容を制御可能である。例えば、操作者が入力部(タッチパネル)41のチャット表示領域42b内をタッチした状態でタッチ位置を上方又は下方にスライドさせる場合、つまり、チャット表示領域42bを手動でスクロールさせる操作を行う場合、表示制御部63は、スクロール方向及びスクロール量に応じて、チャット表示領域42bに表示させるチャットデータを変更する。例えば、操作者が当該タッチ位置を上方にスライドさせた場合には、それまで表示されていたチャットデータよりも時間的に後にアップロードされたチャットデータがチャット表示領域42bに表示される。また、操作者が当該タッチ位置を下方にスライドさせた場合には、それまで表示されていたチャットデータよりも時間的に前にアップロードされたチャットデータがチャット表示領域42bに表示される。なお、チャット表示領域42bに表示されるチャットデータを変更する手法は上記に限定されず、例えばボタンやキーボード、マウス等、他の手法により行ってもよい。
【0046】
また、本実施形態において、表示制御部63は、入力部41により新たなチャットデータを入力するための所定の操作が行われた場合、チャットデータの入力用の画面を表示する。図7は、チャットデータを入力する入力用画面の一例を示す図である。図7に示すように、表示制御部63は、チャットデータ入力部91と、候補データ表示部92と、入力ツール表示部93とを表示部42に表示する。
【0047】
候補データ設定部64は、候補データ記憶部54に記憶される候補データの中から、候補データ表示部92に表示する候補データをスコアデータに基づいて選択する。例えば、候補データ設定部64は、チャットデータの入力用の画面を表示した時刻から遡って直近のスコアデータに基づいて候補データを選択又は設定する。この場合、候補データは、当該直近のスコアデータに関連する語句を選択又は設定することができる。
【0048】
また、候補データ設定部64は、登録データ記憶部55に記憶される登録データに基づいて、候補データを選択することができる。例えば、登録データとしてチームが登録される場合には、登録されたチームにとって有利なスコアデータが取得された際、候補データ設定部64は、スコアが有利な場合の語句を選択する。一方、登録されたチームにとって有利なスコアデータが取得された際、候補データ設定部64は、スコアが不利な場合の語句を選択する。
【0049】
また、例えば、登録データとして選手が登録される場合、候補データ設定部64は、上記同様、登録された選手にとって有利なスコアデータが取得された際にはスコアが有利な場合の語句を選択し、登録された選手にとって有利なスコアデータが取得された際にはスコアが不利な場合の語句を選択することができる。また、候補データ設定部64は、登録された選手の名前を含む語句を候補データとして設定することができる。
【0050】
また、例えば、登録データとして所定のスコアデータが登録される場合には、登録されたスコアデータが取得された際、候補データ設定部64は、登録されたスコアデータに応じた語句を選択する。例えば、登録データとしてホームランが登録され、ホームランのスコアデータが取得された場合、候補データ設定部64は、「ホームラン!」といったスコアデータに応じた語句を候補データとして選択することができる。更に、登録データとしてチーム、選手が併せて登録される場合、登録されたチームの選手又は登録した選手がホームランを打った場合、「ナイスホームラン」「やった、ホームラン」といったスコアが有利な場合の語句とスコアデータを含む語句とを組み合わせた候補データを選択又は設定することができる。一方、登録されたチームではなく相手チームの選手がホームランを打った場合、「ホームラン打たれた」「残念、ホームランか」といったスコアが不利な場合の語句とスコアデータを含む語句とを組み合わせた候補データを選択又は設定することができる。
【0051】
次に、上記のように構成されたチャットシステム100の動作を説明する。図8は、チャット入力方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態に係るチャットシステム100において、サーバ30では、試合の進行に伴って、スコア入力部20からスコアデータが入力され、チャット端末装置40、40A等によりチャットデータが入力される。サーバ30は、スコアデータに基づいて、チャットデータを生成する。サーバ30は、これらのスコアデータ及びチャットデータを記憶し、チャット端末装置40、40A等により受信可能な状態とする。
【0052】
この状態で、チャット端末装置40において、チャットアプリケーションを起動する。チャットアプリケーションを起動することにより、チャット端末装置40では、通信制御部61が、サーバ30からスコアデータ及びチャットデータを取得させる(ステップS10)。サーバ30からスコアデータ及びチャットデータを取得した場合、記憶制御部62は、取得したスコアデータ及びチャットデータをアップロード時刻によって対応付けて記憶部44に記憶させる(ステップS20)。表示制御部63は、記憶部44に記憶されたスコアデータ及びチャットデータを表示部42に表示する(ステップS30)。
【0053】
制御部45は、新たなチャットデータを入力するための所定の操作が行われたか否かを判定する(ステップS40)。操作が行われないと判定される場合(ステップS40のNo)、制御部45は、ステップS10以降の処理を繰り返し行わせる。
【0054】
ステップS40において、所定の操作が行われたと判定される場合(ステップS40のYes)、表示制御部63は、チャットデータを入力する入力用の画面を表示し(ステップS50)、入力用画面の候補データ表示部92に候補データを表示する(ステップS60)。ステップS60において、候補データ設定部64は、チャットデータの入力用の画面を表示した時刻から遡って直近のスコアデータに基づいて、候補データを選択又は設定する。
【0055】
制御部45は、表示部42に表示された候補データが選択されたか否かを判定する(ステップS70)。例えば、入力部41のうち候補データ表示部92に表示される候補データの表示領域に重なる領域がタッチされた場合、制御部45は、タッチされた領域に表示される候補データが選択されたと判定することができる。候補データが選択されたと判定された場合(ステップS70のYes)、通信制御部61は、選択された候補データをチャットデータとして通信部43からサーバ30に送信させる(ステップS80)。また、入力部41のうち例えば入力ツール表示部93の表示領域に重なる領域がタッチされた場合、制御部45は、候補データが選択されなかったと判定することができる。候補データが選択されなかったと判定された場合(ステップS70のNo)、通信制御部61は、入力ツール表示部93に表示された入力ツールによって入力されるチャットデータを通信部43からサーバ30に送信させる(ステップS90)。
【0056】
以上のように、本実施形態に係るチャット端末装置40は、試合の状況を示すスコアデータと、試合に対応したチャットの内容を示すチャットデータとを管理するサーバ30からスコアデータ及びチャットデータを受信可能であり、サーバ30に対してチャットデータを送信可能な通信部43と、通信部43により取得されたスコアデータ及びチャットデータを記憶する記憶部44と、チャットデータを入力可能な入力部41と、チャットデータを表示可能な表示部42と、入力部41によりチャットデータを入力する場合に、入力時点におけるスコアデータに対応した内容のチャットデータを候補データとして表示部42に表示させる制御部45とを備える。
【0057】
また、本実施形態に係るチャットシステム100は、試合の状況を示すスコアデータと、試合に対応したチャットの内容を示すチャットデータとを管理するサーバ30と、サーバ30からスコアデータ及びチャットデータを受信可能であり、サーバ30に対してチャットデータを送信可能な通信部43と、通信部43により取得されたスコアデータ及びチャットデータを記憶する記憶部44と、チャットデータを入力可能な入力部41と、チャットデータを表示可能な表示部42と、入力部41によりチャットデータを入力する場合に、入力時点におけるスコアデータに対応した内容のチャットデータを候補データとして表示部42に表示させる制御部45と、を有するチャット端末装置とを備える。
【0058】
また、本実施形態に係るチャット入力方法は、試合の状況を示すスコアデータと、試合に対応したチャットの内容を示すチャットデータとを管理するサーバ30からスコアデータ及びチャットデータを受信することと、取得されたスコアデータ及びチャットデータを記憶部44に記憶することと、チャットデータを入力する場合に、入力時点におけるスコアデータに対応した内容のチャットデータを候補データとして表示部42に表示させることと、表示部42に表示された候補データの一つが選択された場合、選択された候補データをチャットデータとしてサーバに送信することとを含む。
【0059】
また、本実施形態に係るチャット入力プログラムは、試合の状況を示すスコアデータと、試合に対応したチャットの内容を示すチャットデータとを管理するサーバ30からスコアデータ及びチャットデータを受信する処理と、取得されたスコアデータ及びチャットデータを記憶する処理と、チャットデータを入力する場合に、入力時点におけるスコアデータに対応した内容のチャットデータを候補データとして表示部42に表示させる処理と、表示部42に表示された候補データの一つが選択された場合、選択された候補データをチャットデータとしてサーバに送信する処理とをコンピュータに実行させる。
【0060】
この構成によれば、表示部42に表示される候補データを選択することでチャットデータを入力することができるため、ユーザにチャットデータを簡単かつ短時間で入力させることが可能となる。これにより、ユーザのチャット入力の手間を低減することが可能となる。
【0061】
本実施形態に係るチャット端末装置40において、制御部45は、スコアデータと、予め登録された登録データとに基づいた内容のチャットデータを候補データとする。これにより、ユーザの状況に応じた候補データを表示することができる。
【0062】
本実施形態に係るチャット端末装置40において、登録データは、試合を行うチーム又は試合に参加する参加者に関するデータを含む。これにより、ユーザが属するチーム、ユーザが指定する選手等の参加者に応じた候補データを表示することができる。
【0063】
本実施形態に係るチャット端末装置40において、登録データは、試合における所定のスコアデータを含む。これにより、スコアデータに応じた候補データを表示することができる。
【0064】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0065】
20…スコア入力部、30…サーバ、40,40A…チャット端末装置、41…入力部、42…表示部、42a…スコア表示領域、42b…チャット表示領域、42g…グループ表示領域、43…通信部、44…記憶部、45…制御部、51…スコアデータ記憶部、52…チャットデータ記憶部、53…同期データ記憶部、54…候補データ記憶部、55…登録データ記憶部、61…通信制御部、62…記憶制御部、63…表示制御部、64…候補データ設定部、77…入力内容、78,79…タグ情報、81…スコアボード、82…進塁表示、83…イニング表示、84…得点表示、85…カウント表示、86…打者表示、87…投手表示、88,88a,88b…サーバメッセージ、89…他者メッセージ、90…自己メッセージ、91…チャットデータ入力部、92…候補データ表示部、93…入力ツール表示部、100…チャットシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8