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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】現金自動預払機、処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20231205BHJP
   G07D 11/00 20190101ALI20231205BHJP
   G07D 11/20 20190101ALI20231205BHJP
   G07F 7/08 20060101ALI20231205BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
G06Q40/02
G07D11/00
G07D11/20
G07F7/08 M
G07G1/12 321L
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019178575
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021056719
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】細川 達朗
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-025330(JP,A)
【文献】国際公開第2018/079167(WO,A1)
【文献】特開2004-318466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07D 11/00
G07D 11/20
G07F 7/08
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の口座を開設した第一ユーザに紐づいて記録される第二ユーザの生体情報と、購入処理を指示した前記第二ユーザから読み取った生体情報との一致状態に基づく認証が成功したかを判定する認証部と、
前記認証が成功した場合に、前記第二ユーザより入力した前記購入処理の対象商品の識別情報と、前記生体情報に基づいて特定された前記第二ユーザに関連する前記第一ユーザのユーザ識別情報との関係の有無による判定結果に基づいて、前記購入処理の対象商品の購入を許可する購入許可媒体を出力する出力部と、
を備える現金自動預払機。
【請求項2】
前記出力部は前記対象商品の識別情報を含み前記対象商品の購入を許可する前記購入許可媒体となる購入券を出力する
請求項1に記載の現金自動預払機。
【請求項3】
前記出力部は、前記対象商品の識別情報と、前記第一ユーザまたは前記第二ユーザの何れかに関連するユーザ識別情報とを含み、前記対象商品の購入を許可する前記購入許可媒体となる購入券を出力する
請求項1に記載の現金自動預払機。
【請求項4】
前記出力部は前記対象商品の購入を許可する前記購入許可媒体となる貨幣を出力する
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の現金自動預払機。
【請求項5】
現金自動預払機が、
第一の口座を開設した第一ユーザに紐づいて記録される第二ユーザの生体情報と、購入処理を指示した前記第二ユーザから読み取った生体情報との一致状態に基づく認証が成功したかを判定し、
前記認証が成功した場合に、前記第二ユーザより入力した前記購入処理の対象商品の識別情報と、前記生体情報に基づいて特定された前記第二ユーザに関連する前記第一ユーザのユーザ識別情報との関係の有無による判定結果に基づいて、前記購入処理の対象商品の購入を許可する購入許可媒体を出力する
処理方法。
【請求項6】
現金自動預払機のコンピュータを、
第一の口座を開設した第一ユーザに紐づいて記録される第二ユーザの生体情報と、購入処理を指示した前記第二ユーザから読み取った生体情報との一致状態に基づく認証が成功したかを判定する認証手段、
前記認証が成功した場合に、前記第二ユーザより入力した前記購入処理の対象商品の識別情報と、前記生体情報に基づいて特定された前記第二ユーザに関連する前記第一ユーザのユーザ識別情報との関係の有無による判定結果に基づいて、前記購入処理の対象商品の購入を許可する購入許可媒体を出力する出力手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金自動預払機、販売システム、端末装置、処理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
子供や収入の少ない老齢者などの遠隔にいる第三者が、商品の購入を必要とし、その第三者にお金を渡す必要が発生する場合がある。このような場合、お金を渡す人は、これまではお金の受取者に事前に手渡しでお金を渡すか、受取者の口座にお金を振り込んで、受取者が現金自動預払機を用いてそのお金を引き出す処理を行うことが多い。関連する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1には発行されたカードを用いて現金の取引を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-176127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
突然商品の購入が必要となった遠隔にいる子供などの第三者が、現金自動預払機を用いて容易に商品を購入できるようにする技術が求められている。
【0005】
そこでこの発明は、上述の課題を解決する現金自動預払機、販売システム、端末装置、処理方法、プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、現金自動預払機は、第一の口座を開設した第一ユーザに紐づいて記録される第二ユーザの生体情報と、購入処理を指示した前記第二ユーザから読み取った生体情報との一致状態に基づく認証が成功したかを判定する認証部と、前記認証が成功した場合に、前記購入処理の対象商品の購入を許可する購入許可媒体を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、販売システムは、現金自動預払機が、第一の口座を開設した第一ユーザに紐づいて記録される第二ユーザの生体情報と、購入処理を指示した前記第二ユーザから読み取った生体情報との一致状態に基づく認証が成功したかを判定する認証部と、前記認証が成功した場合に、前記購入処理の対象商品の購入を許可する購入許可媒体を出力する出力部と、を備え、販売端末が、前記購入許可媒体に含まれる商品属性情報に基づいて前記対象商品の販売可否を判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、端末装置は、第一の口座を開設した第一ユーザに紐づいて記録される第二ユーザの生体情報と、購入処理を指示した前記第二ユーザから読み取った生体情報との一致状態に基づく認証が成功したかを判定する認証部と、前記認証が成功した場合に、前記購入処理の対象商品の購入を許可する購入許可媒体を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の第4の態様によれば、処理方法は、第一の口座を開設した第一ユーザに紐づいて記録される第二ユーザの生体情報と、購入処理を指示した前記第二ユーザから読み取った生体情報との一致状態に基づく認証が成功したかを判定し、前記認証が成功した場合に、前記購入処理の対象商品の購入を許可する購入許可媒体を出力することを特徴とする。
【0010】
本発明の第5の態様によれば、プログラムは、現金自動預払機のコンピュータを、第一の口座を開設した第一ユーザに紐づいて記録される第二ユーザの生体情報と、購入処理を指示した前記第二ユーザから読み取った生体情報との一致状態に基づく認証が成功したかを判定する認証手段、前記認証が成功した場合に、前記購入処理の対象商品の購入を許可する購入許可媒体を出力する出力手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、突然商品の購入が必要となった遠隔にいる子供などの第三者が、現金自動預払機を用いて容易に商品を購入できるようにする現金自動預払機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態によるATMシステムの構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態によるATMのインタフェースの一部を示す図である。
図3】本発明の一実施形態によるATMの制御装置のハードウェア構成図である。
図4】本発明の一実施形態によるATMの制御装置と販売端末の機能ブロック図である。
図5】本発明の一実施形態によるサーバ装置が記憶するユーザ管理テーブルを示す図である。
図6】本発明の第一実施形態によるATMの処理フローを示す図である。
図7】本発明の第一実施形態による販売端末の処理フローを示す図である。
図8】本発明の第二実施形態によるATMの処理フローを示す図である。
図9】本発明の第三実施形態によるATMの処理フローを示す図である。
図10】本発明の第三実施形態による販売端末の処理フローを示す図である。
図11】本発明の最小構成によるATMの最小構成を示す図である。
図12】本発明の最小構成によるATMの処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態によるATMシステムを、図面を参照して説明する。
図1はATMシステムの構成を示す図である。
本実施形態によるATMシステム100は、ATM1(現金自動預払機)と、サーバ装置2、販売端末4とが通信ネットワークを介して接続して構成する。ATM1は、一例としてはコンビニエンスストアなどの店舗内や、駅構内などの公共施設内に設置される。ATM1は、主に、ユーザが自身の口座からの現金の出金、または自身の口座への入金、または自身の口座から他ユーザの開設した他口座への振込、などの金額移動処理の実施を受け付ける装置である。サーバ装置2にはATM1の多数が通信接続されてよい。サーバ装置2は、ATM1を利用するユーザ(子)の親などの携帯端末3とも通信接続してよい。販売端末4は一例としてはPOS(Point of sale system)端末であり、ATM1が設置されている店舗内に同様に設置される。販売端末4は、ユーザが商品の購入時に利用する決済処理等を行う。販売端末4はサーバ装置2と通信接続できてよい。なお、図1においては説明の便宜上、1台のATM1、販売端末4のみを図示する。ATM1はユーザの顔や、ユーザの周囲画像を撮影するカメラ51を備える。
【0014】
図2はATMのインタフェースの一部を示す図である。
図2で示すようにATM1はメインディスプレイ11、NFC(Near field communication)アンテナ12、コードリーダ14、貨幣排出口16、カード投入口17、紙媒体排出口18等を備える。なお図2には図示していないが、現金自動預払機1はその他のハードウェア構成として、メインディスプレイ11の上方に設けられたサブディスプレイ、スピーカ、テンキー、などが設けられているが、説明の便宜上、それらの詳細な説明は省略する。
【0015】
メインディスプレイ11には操作の案内画面等が表示される。メインディスプレイ11は、タッチパネルの機能を有しており、ユーザが画面にタッチした位置を検出し、またその検出位置に応じたボタンの処理を実行する。
NFCアンテナ12は、メインディスプレイ11の下方に設けられた水平台座部91に内蔵されている。
コードリーダ14は、水平台座部91の台座面に載置された紙媒体や、ユーザの携帯端末の表示するコード情報を読み取る。コード情報はバーコードや二次元コード等であってよい。
貨幣排出口16は、本実施形態においては紙幣が排出される排出口である。
カード投入口17は、クレジットカード、銀行キャッシュカード、その他ICカードを引き込むと共に、それらカードに記録された情報に基づく処理が完了したのちに当該カードを排出する。
紙媒体排出口18は、金額移動処理などの処理結果等を印字したレシートや商品の購入券を排出する。
【0016】
図3はATMの制御装置のハードウェア構成図である。
この図が示すようにATM1に内蔵される制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)10-1、ROM(Read Only Memory)10-2、RAM(Random Access Memory)10-3、SSD(Solid State Drive)10-4、通信モジュール10-5等の各ハードウェアを備えたコンピュータである。制御装置10は、上述した各ハードウェアを制御する。
【0017】
図4はATMの制御装置と販売端末の機能ブロック図である。
制御装置10は、ATM1に電源が投入されると起動し、予め記憶する制御プログラムを実行する。これにより制御装置40には、制御部41、UI部42、撮影部43、認証部44、媒体出力部45、金額移動部46、画像送信部47、の各機能を発揮する。
【0018】
制御部41は、一部の処理として、ATM1の制御のほか、他の機能部の制御を行う。
UI部42は、一部の処理として、ATMのメインディスプレイ11などの出力装置への情報の出力と、コードリーダ14などの入力装置から情報の入力とを制御する。
撮影部43は、一部の処理として、ATM1を利用するユーザの顔とその背景を含む画像を撮影する。
認証部44は、一部の処理として、ATM1を利用するユーザの生体認証を行う。本実施形態において認証部44は、ユーザの顔画像を用いて認証のための処理を行う。
【0019】
媒体出力部45は、ATM1を利用したユーザに利用履歴や残高などの情報が含まれるレシートや、商品の購入券などの紙媒体等を出力する。
金額移動部46は、一部の処理として、引出処理、入金処理、振込処理などの金額移動処理を行う。具体的には、一例としてATM1を利用するユーザが子供である場合、その子供の親(第一ユーザ)に紐づいて予め記録される子(第二ユーザ)の生体情報と、ATM1を用いて金額移動処理を指示したユーザから読み取った顔画像(生体情報)との一致状態に基づく認証が成功した場合に、親の口座に紐づく当該ユーザである子の預金枠として記録される金額情報に関する金額移動処理を実施する。
【0020】
画像送信部47は、一部の処理として、商品購入処理や金額移動処理の指示を入力した際に撮影したユーザ(子)の撮影画像を、そのユーザに紐づく他のユーザ(親)に関する送信先へ送信する。送信先は一例としては、当該他のユーザ(親)が所持する携帯端末3である。
【0021】
また図4で示すように販売端末4は、制御部401、POS処理部402、判定部403の機能を発揮する。
制御部401は、販売端末4を制御する。
POS処理部402は、販売端末4にPOS端末としての機能を発揮させる。
判定部403は、ユーザによる商品の購入可否を判定する。
【0022】
これらの機能を備えることにより、ATM1は、第一の口座を開設した第一ユーザである親に紐づいて記録される第二ユーザである子の生体情報と、購入処理を指示した子から読み取った生体情報との一致状態に基づく認証が成功した場合に、購入処理の対象商品の商品属性情報の入力を受け付ける。そしてATM1は、認証が成功した場合に、購入処理の対象商品の購入を許可する購入許可媒体を出力する。購入許可媒体とは、以下の実施形態においては、購入券または貨幣である。
【0023】
販売端末4は、購入許可媒体が購入券である場合には、購入券に記録される商品属性情報に基づいて対象商品の販売可否を判定する。これにより、突然商品の購入が必要となった遠隔にいる子供などは、ATM1を用いて容易に商品を購入することができる。
【0024】
図5はサーバ装置が記憶するユーザ管理テーブルを示す図である。
この図が示すようにサーバ装置2は、第一ユーザの口座番号(以降、第一口座番号と呼ぶ)、第二ユーザの口座番号(以降、第二口座番号と呼ぶ)、第二ユーザの顔特徴情報、サービス提供条件、を少なくとも対応付けて、ユーザ管理テーブルで記憶している。サービス提供条件には、予め親が申請した購入可能な商品の識別情報や分類、上限金額などの情報が含まれる。サービス提供条件には、緊急サービス許可フラグ、金額移動上限金額、サービス利用地域、サービス利用時間、などの情報が含まれてよい。これらサービス提供条件の詳細については後述する。
【0025】
またサーバ装置2は、第一ユーザの口座番号に紐づく口座情報、第二ユーザの口座番号に紐づく口座情報を保持している。口座情報には口座名義人情報、預入金額、携帯端末3の送信先アドレス、住所、電話番号などの情報が含まれる。ユーザ管理テーブルに記録されているこれら情報は予め、第一ユーザや、第二ユーザが、ATM1を管理する金融機関などに提示した情報に基づいて記録される。以下、第一ユーザが親、第二ユーザが第一ユーザの子である場合を例に説明を行う。
【0026】
<第一実施形態>
図6は第一実施形態によるATMの処理フローを示す図である。
子は、突然商品の購入が必要となった場合、近くのコンビニエンスストア等に設置されているATM1に向かい、ATM1の前に立つ。ATM1の撮影部43の制御により、カメラ51は、数ミリ秒間隔などで画像を撮影する(ステップS101)。撮影部43はカメラ51から順次、撮影された画像を取得する。撮影部43は、取得した画像内に人の顔が映っているかを判定する(ステップS102)。撮影部43は、画像内に人の顔が映っている場合には、画像を認証部44へ出力する。認証部44は、画像を一時、メモリ等の記憶部に記録する。また撮影部43は、画像内に人の顔が映っている場合、UI部42に処理開始を指示する。
【0027】
UI部42は、メインディスプレイ11にメイン画像を出力する(ステップS103)。当該メイン画像には、ユーザが操作を指示するためのアイコンボタンがいくつか表示される。アイコンボタンの中には、ユーザが、現金や電子マネーを記憶する媒体などを保持していなくとも商品を購入することのできるサービスの名称が記載されたアイコンボタンが存在する。当該サービス名称を、一例として「緊急商品購入サービス」と呼ぶこととする。ユーザが、緊急商品購入サービスに対応するアイコンボタンにタッチする。
【0028】
UI部42は、ユーザが緊急商品購入サービスに対応するアイコンボタンにタッチしたことを検出する(ステップS104)。するとUI部42は、認証部44へ認証開始を指示する。なおUI部42は暗証番号の入力画面をメインディスプレイ11に表示して、ユーザによる暗証番号の入力を求めてもよい。この場合、UI部42は、入力された暗証番号を、認証部44へ出力する。この暗証番号の代替として、NFC媒体の固有IDや、事前に固有の暗証番号を二次元コード等の形により出力した可搬媒体記録情報(該可搬媒体記録情報は、ユーザが操作する端末に表示する情報、紙に印字する情報等である)を、ATM1のNFCアンテナ12やコードリーダ14で読み取って、その情報をUI部42が取得し、認証部44へ出力するようにしてもよい。
【0029】
認証部44は、一時的にメモリに記録した画像を読み取る。認証部44は、画像に映るユーザの顔の特徴情報を算出する。認証部44は、顔の特徴情報をサーバ装置2へ送信する(ステップS105)。認証部44は、暗証番号や固有IDや可搬媒体記録情報を受け付けた場合には、当該暗証番号や固有IDや可搬媒体記録情報を、顔の特徴情報と共にサーバ装置2へ送信する。
【0030】
サーバ装置2は、ATM1から受信した顔の特徴情報と一致する特徴情報を、ユーザ管理テーブルに保持しているかを判定する。サーバ装置2は、その特徴情報をユーザ管理テーブルに保持している場合、ユーザ管理テーブルに特徴情報に紐づいて登録されている親の第一口座番号と、ATM1を現在利用している子の第二口座番号とを読み取る。サーバ装置2は、第一口座番号と第二口座番号とを含む認証成功信号を、ATM1へ送信する。サーバ装置2は暗証番号や固有IDや可搬媒体記録情報を受信した場合には、当該暗証番号を、顔の特徴情報と紐づけて予め記憶しているか、または固有IDや可搬媒体記録情報が正しい情報かをさらに判定し、暗証番号を顔の特徴情報と紐づけて記憶している場合や、固有IDや可搬媒体記録情報が正しい情報である場合に、認証成功信号をAMT1へ送信してよい。サーバ装置2は、ATM1を利用するユーザの顔の特徴情報をユーザ管理テーブルに保持していない場合、認証不成功信号をATM1へ送信する。
【0031】
ATM1の制御部41は認証成功信号を受信したか、認証不成功信号を受信したかを判定する(ステップS106)。ATM1の制御部41は認証不成功信号を受信した場合には処理を中止する。例えばATM1の制御部41は、認証不成功信号を認証部44へ出力する。認証部44は認証不成功をUI部42へ出力する。UI部42は、メインディスプレイ11に、緊急商品購入サービスの利用不可を示す情報を出力する。
【0032】
ATM1の制御部41は、認証成功信号を受信した場合、その認証成功信号の情報を認証部44へ出力する。認証部44は、認証成功信号の受信に基づいて認証成功を検知する。認証部44は、認証成功を検知すると、緊急商品購入サービスの開始をUI部42へ出力する。また認証部44は、認証成功信号に含まれる第一口座番号と第二口座番号とを、メモリ等に記録する。なお第一口座番号と第二口座番号とは、緊急商品購入サービスの提供を受けるユーザに関する情報の一例である。サーバ装置2はATM1へ、これらの情報に代えて、例えば、緊急商品購入サービスの提供を受けるATM1を現在利用しているユーザ(子)の情報が特定できる情報であれば、例えば第一口座番号や第二口座番号に紐づいてサーバ装置2で保持するよう生成した管理IDや、第二口座番号のみをATM1へ送信し、ATM1がそれらの情報を記録しておくようにしてもよい。
【0033】
UI部42は緊急商品購入サービスの開始を検知する。するとUI部42は、緊急商品購入サービス画面を、メインディスプレイ11へ出力する(ステップS107)。緊急商品購入サービス画面には、一例として、商品識別情報の入力欄、商品の選択欄、商品購入金額の入力欄、サービス開始ボタン、連絡ボタン、などが表示される。
【0034】
ユーザは、緊急商品購入サービス画面が表示されている状態で、ATM1のテンキーやメインディスプレイ11に表示されている選択ボタンなどを操作して、商品識別情報や商品購入金額の入力、商品の選択等を行う。UI部42は、入力または選択された商品の識別情報や、商品購入金額をメインディスプレイの所定の表示欄に表示すると共に、それらの情報を第一口座番号と第二口座番号とに紐づけて、一時的に記憶する。なお商品識別情報が商品に印刷されているバーコードや二次元コードの印字に含まれており、この二次元コードをATM1のUI部42がコードリーダ14を制御してコードリーダ14を介して読み取るようにしてもよい。ユーザは購入した商品を店舗内の所定の棚から当該店舗内に設置されているATM1まで持ち運び、コードリーダ14にその商品に印刷されている二次元コードを読み込ませるだけで、ATM1に対して購入した商品の識別情報を読み取らせることができる。
【0035】
緊急商品購入サービス画面が表示されている状態で、ユーザが、サービス開始ボタンを押下したとする。UI部42はサービス開始ボタンの押下を検出する(ステップS108)。するとUI部42は、記憶する第一口座番号、第二口座番号、商品識別情報、商品購入金額、を含む購入券排出要求を媒体出力部45へ出力する。なお購入券排出要求に含まれる第一口座番号や第二口座番号やATM1を利用するユーザを識別するための情報の一例である。媒体出力部45は、第一口座番号、第二口座番号、商品識別情報、商品購入金額を含む購入許可要求を生成し、サーバ装置2へ送信する(ステップS109)。
【0036】
サーバ装置2は、購入許可要求を受信する。サーバ装置2は、購入許可要求に含まれる第一口座番号と商品識別情報とを読み取る。サーバ装置2は、予めデータベースに記憶するユーザ管理テーブルに、第一口座番号と商品識別情報とが紐づいて記録されているかを判定する。なお第一ユーザである親は、予め自身の子が緊急商品購入サービスを利用できるように申請する。この時、親は、子が購入できる商品を示す商品識別情報を申請する。これにより、ユーザ管理テーブルには予め第一ユーザである親の第一口座番号と、その親が申請した購入可能な商品を示す商品識別情報を紐づけて記憶している。サーバ装置2は、ユーザ管理テーブルに、購入許可要求に含まれる第一口座番号と商品識別情報とが紐づいて記録されている場合には、ATM1を利用して入力した商品識別情報や商品名が示す商品の当該ユーザによる購入を許可すると判定する。なおユーザ管理テーブルには予め第一ユーザである親の第一口座番号と、その親が申請した購入不可能な商品を示す商品識別情報を紐づけて記憶していてもよい。この場合には、サーバ装置2は、ユーザ管理テーブルに、購入許可要求に含まれる第一口座番号と商品識別情報とが紐づいて記録されていない場合に、ATM1を利用して入力した商品識別情報や商品名が示す商品の当該ユーザによる購入を許可すると判定するようにしてもよい。
【0037】
なおサーバ装置2は、商品識別情報の代わりに商品分類情報を用いて、購入許可要求に含まれる第一口座番号と商品分類情報が、ユーザ管理テーブルに記録されている場合に、当該商品分類情報に分類される商品のユーザによる購入を許可すると判定してもよい。
【0038】
サーバ装置2は購入を許可すると判定した場合、第一ユーザである親が携帯する携帯端末3の送信先アドレスを、第一ユーザの第一口座番号に紐づいて当該送信先アドレスを記憶するユーザ管理テーブルから読み取る。サーバ装置2は、親の送信先アドレスを含む購入許可応答を生成し、ATM1へ送信する。サーバ装置2は購入を許可しないと判定した場合、購入不可応答を生成し、ATM1へ送信する。
【0039】
ATM1は購入許可応答を受信する(ステップS110)。またはATM1は購入不可応答を受信する。ATM1の制御部41は購入不可応答を受信した場合には、UI部42へ購入不可応答を出力する。UI部42は、購入不可応答を取得した場合、メインディスプレイ11に購入不可を示す情報を表示する。これにより、親が指定していない商品であり購入不可であることを、第二ユーザである子は把握することができる。これにより制御部41は、緊急商品購入サービスの処理を中止する制御を行う。
【0040】
他方、制御部41は購入許可応答を受信した場合、媒体出力部45へ購入許可応答を出力する。媒体出力部45は、第一口座番号、第二口座番号、商品識別情報、商品購入金額を含む二次元コードを生成する。媒体出力部45は、生成した二次元コードを印字した購入券を紙媒体排出口18から排出する(ステップS111)。ユーザは、排出された購入券を受け取る。ユーザは、購入券と商品を持って販売端末4まで移動する。
【0041】
以上の処理によれば、ATM1を利用するユーザは、お金が無い状況で突然商品の購入が必要となった場合に、ATM1を用いて容易に商品を購入するための、購入券を受け取ることができる。
【0042】
なお、媒体出力部45は、購入券の排出が完了したことを検出する。すると媒体出力部45は、画像送信部47に、購入許可応答から読み取った、親の携帯端末3の送信先アドレスを含む排出完了信号を出力する。画像送信部47は、排出完了信号を取得すると、その排出完了信号から親の携帯端末3の送信先アドレスを読み取る。また画像送信部47は、排出完了信号を取得すると、撮影部43がカメラ51から取得した画像を取得する。画像送信部47は、親の携帯端末3の送信先アドレスに、取得した画像を送信する(ステップS112)。なお、撮影部43は、カメラ51を制御して、ATM1を利用するユーザが、緊急商品購入サービスの開始を指示したタイミングなどの所定の撮影開始時刻から継続して当該ユーザを含む背景を複数回撮影し、それら画像を順次取得してもよい。そして、画像送信部47にそれら、複数の画像を出力してもよい。画像送信部47は、カメラ51が撮影した動画像を、親の携帯端末3に送信してもよい。これにより、親は、緊急商品購入サービスを利用した子供と、その周囲の状況を、画像を見ることで確認することができる。
【0043】
図7は第一実施形態による販売端末の処理フローを示す図である。
店員は、商品と購入券をユーザから受け取る。店員の操作により、販売端末4は、自端末に備えられたコードリーダにより商品に印字されているコード情報を読み取る。これにより販売端末4は、コード情報に含まれる商品識別情報を読み取り一時記憶する(ステップS201)。また店員は、販売端末4に備えられたコードリーダを用いて、購入券に印字されている二次元コードのコード情報を読み取る。これにより販売端末4は、二次元コードに含まれる第一口座番号、第二口座番号、商品識別情報、商品購入金額を読み取り一時記憶する(ステップS202)。そして店員は、販売端末4を操作して、購入券による販売判定の開始を指示する。
【0044】
販売端末4の判定部403は、二次元コードから第一口座番号、第二口座番号、商品識別情報、商品購入金額を読み取ったことを認識したことにより、ATM1において既に販売許可を取得していることを検知する(ステップS203)。また判定部403は、商品から読み取った商品識別情報と、購入券から読み取った商品識別情報とが一致するかを判定する(ステップS204)。判定部403は、販売許可を検知し、また商品識別情報が一致している場合には、販売可と判定する。
【0045】
判定部403はPOS処理部402へ販売許可情報を出力する。POS処理部402は、販売許可を検知し、商品識別情報と商品購入金額とを含むPOS処理信号と、第一口座番号、第二口座番号、商品識別情報、商品購入金額を含む決済要求信号とを生成する。POS処理部402は、POS処理信号を所定のPOSサーバへ送信し、POS処理を行う(ステップS205)。POS処理は、商品の在庫情報から在庫を1つ減じるなどの処理である。POS処理部402は、決済要求信号をサーバ装置2へ送信する。
【0046】
サーバ装置2は決済要求信号を受信する。サーバ装置2は決済要求信号に含まれる第一口座番号、第二口座番号、商品購入金額を用いて、決済処理を行う。例えば、サーバ装置2は、第二口座番号に関する口座情報において、預入金額から商品購入金額を減じる決済処理を行う。これによりATM1を利用するユーザ(第二ユーザ)の口座情報で示される預入金額が、決済処理後の預入金額へと更新される。
【0047】
サーバ装置2は、緊急商品購入サービスを行う際に、子供の口座である第二口座番号に関する口座情報において、預入金額から商品購入金額を減じる決済処理を行ってもよいし、親の口座である第一口座番号に関する口座情報において、預入金額から商品購入金額を減じる決済処理を行ってもよい。または、サーバ装置2は、決済要求信号を受信した後に、第一口座番号の口座情報から第二口座番号の口座情報へ商品購入金額が示す金額を移動させたのち、第二口座番号の口座情報において、預入金額から商品購入金額が示す金額を減じる決済処理を行ってもよい。
【0048】
または、サーバ装置2は、第一口座番号の口座情報において、予め設定された子供専用の預金枠の預入金額から、商品購入金額が示す金額を減じる決済処理を行ってもよい。または、サーバ装置2は、第一口座番号の口座情報において、予め設定された子供専用の預金枠の預入金額から、商品購入金額が示す金額を第二口座番号の口座情報に移動させたのち、その第二口座番号の口座情報において、商品購入金額が示す金額を減じる決済処理を行ってもよい。これら子供専用の預金枠への入金は、予め親が行う。つまり、緊急商品購入サービスを行う場合の決済元となり得る、第一口座番号が示す口座、または第二口座番号が示す口座、または第一口座番号の口座に設定された預金枠などは全て、子である第二ユーザの預金枠である。
【0049】
サーバ装置2は決済処理を終了すると決済完了信号を販売端末4へ送信する。販売端末4のPOS処理部402は決済完了信号を取得する(ステップS206)。POS処理部402は、画面に決済終了を示す情報を出力する(ステップS207)。これにより、店員は商品をユーザに引き渡す。
【0050】
以上の処理によれば、子供などのユーザは、お金が無い状況で突然商品の購入が必要となった場合に、銀行キャッシュカードや貨幣を保持していない状況で、ATM1を用いて、お金を払う親などの人物の指定した商品種別の商品を購入するための購入券を受け取り、容易に商品を購入することができる。
【0051】
<第二実施形態>
図8は第二実施形態によるATMの処理フローを示す図である。
ATM1が購入券を排出する際に、ATM1は、ユーザが商品の購入に必要な商品購入金額に対応する貨幣を同時に排出するようにしてもよい。この場合、ステップS111において、購入券を紙媒体排出口18から排出すると、その後、制御部41は、第一口座番号、第二口座番号、商品購入金額、を記憶部から読み取り、それらの情報を含む緊急引出要求を金額移動部46へ出力する。なお第二実施形態においては、購入券を出さずに貨幣のみ排出するようにしてもよい。購入券はお金の代わりとなる一方、貨幣を出力することで、ユーザは購入券を店員に見せることなくATM1から排出された貨幣により商品を購入してもよい。購入券を出力しない場合には、ステップS110の購入許可応答を受信すると、媒体出力部45が購入券の排出のための処理を行うことなく、金額移動部46が以下の処理を行ってよい。金額移動部46は対象商品の購入処理を許可する媒体(貨幣)を出力する出力部の一態様である。
【0052】
金額移動部46は、緊急引出要求を取得する。金額移動部46は、第一口座番号、第二口座番号、商品購入金額を含む、緊急引出制御信号を生成する。金額移動部46は、緊急引出制御信号をサーバ装置2へ送信する(ステップS301)。
【0053】
サーバ装置2は、緊急引出制御信号を受信する。サーバ装置2は、緊急引出制御信号に含まれる、第一口座番号、第二口座番号、商品購入金額を読み取る。サーバ装置2は、第一口座番号と、第二口座番号とに紐づいて、ユーザ管理テーブルに記録されているサービス提供条件を読み取る。サーバ装置2は、サービス提供条件に含まれる情報のうち、緊急サービス許可フラグがONになっているかを判定する。この判定は、金額移動処理のうちの引出処理を許可するかを判定する処理の一態様である。緊急サービス許可フラグは、第一ユーザである親の事前の申請に基づいて、ATM1を管理する金融機関がそのフラグをONと設定する。つまり、親は自分の子が緊急商品購入サービスを受けたい場合には、直ちに、近くのATM1から貨幣を引き出すことができるよう、事前にそのサービスを、ATM1を管理する金融機関に申請している。
【0054】
サーバ装置2は、緊急サービス許可フラグがONになっている場合には、ATM1を利用するユーザに関する緊急商品購入サービスを許可すると判定する。サーバ装置2は、緊急商品購入サービスを許可すると判定した場合、第一口座番号と第二口座番号とに紐づいてユーザ管理テーブルに記録されている第一ユーザである親の携帯する携帯端末3の送信先アドレスを読み取る。サーバ装置2は、商品購入金額と、親の携帯端末3の送信先アドレスとを含む緊急引出許可信号をATM1へ送信する。またサーバ装置2は、第二口座番号に関する口座情報において、預入金額から商品購入金額を減じる引出処理を行う。これによりATM1を利用するユーザ(第二ユーザ)の口座情報で示される預入金額が、引出処理後の預入金額へと更新される。
【0055】
サーバ装置2は、緊急商品購入サービスを行う際に、子供の口座である第二口座番号に関する口座情報において、預入金額から商品購入金額を減じる引出処理を行ってもよいし、親の口座である第一口座番号に関する口座情報において、預入金額から商品購入金額を減じる引出処理を行ってもよい。または、サーバ装置2は、緊急商品購入サービスを提供するために、緊急引出制御信号を受信した後に、第一口座番号の口座情報から第二口座番号の口座情報へ商品購入金額が示す金額を移動させたのち、第二口座番号の口座情報において、預入金額から商品購入金額が示す金額を減じる引出処理を行ってもよい。または、サーバ装置2は、第一口座番号の口座情報において、予め設定された子供専用の預金枠の預入金額から、商品購入金額が示す金額を減じる引出処理を行ってもよい。または、サーバ装置2は、第一口座番号の口座情報において、予め設定された子供専用の預金枠の預入金額から、商品購入金額が示す金額を第二口座番号の口座情報に移動させたのち、その第二口座番号の口座情報において、商品購入金額が示す金額を減じる引出処理を行ってもよい。これら子供専用の預金枠への入金は、予め親が行う。つまり、緊急商品購入サービスを行う場合の引出元となり得る、第一口座番号が示す口座、または第二口座番号が示す口座、または第一口座番号の口座に設定された預金枠などは全て、子である第二ユーザの預金枠である。
【0056】
ATM1は、緊急引出許可信号を受信する(ステップS302)。制御部41は、緊急引出許可信号を金額移動部46へ出力する。金額移動部46は、緊急引出許可信号の取得に基づいて、金額移動処理の一態様である引出処理が許可されたことを検知する。金額移動部46は、緊急引出許可信号に含まれる商品購入金額を特定する。金額移動部46は、ATM1に格納されている貨幣のうち、商品購入金額に相当する貨幣の排出制御を行う(ステップS303)。貨幣は、購入許可媒体の一態様である。これにより、ATM1は貨幣排出口16から、商品購入金額に相当する貨幣を排出する。ユーザは、排出された貨幣を取り出すことができる。これによりユーザは、ステップS111で排出された購入券と、ステップS303の制御により排出された貨幣を受け取る。ユーザは、購入券、貨幣、商品を持って販売端末4まで移動する。ユーザは購入券と商品とを持って販売端末4に移動して、店員に提示することで、商品の引き渡しを受けることができる。なお購入券が排出されない多様の場合には、ユーザはATM1から排出された貨幣と、商品をもって販売端末4まで移動し、商品を購入してもよい。
【0057】
以上の処理によれば、ATM1を利用するユーザは、お金が無い状況で突然商品の購入が必要となった場合に、銀行キャッシュカードや貨幣を保持していない状況であっても、ATM1、お金を払う親などの人物の指定した商品種別の商品を購入するための、お金を受け取ることができる。
【0058】
なお緊急商品購入サービスを行うATM1が購入券と貨幣を共に排出する場合には、販売端末4は購入券に印刷される二次元コードを読み取って、貨幣により決済処理が完了すると、に二元コードに含まれる情報に基づいて、親の携帯端末3に決済完了を示す情報を送信するようにしてよい。この時、販売端末4は、購入券の二次元コードに含まれる第一口座番号、第二口座番号を含むアドレス送信要求をサーバ装置2へ送信する。サーバ送致2は第一口座番号、第二口座番号に基づいて親の携帯端末3の送信先アドレスを検出し、販売端末4へ送信する。販売端末4はサーバ装置2から取得した親の送信先アドレスに決済完了を示す情報を送信する。これにより子がATM1から受け取った貨幣を用いて商品の決済が行われたことを親が確認することができる。
【0059】
<第三実施形態>
上述の処理ではATM1の制御装置10が、サーバ装置に対してATM1を利用する第二ユーザに紐づく第一ユーザと、第二ユーザが購入を希望する商品を示す商品識別情報とがユーザ管理テーブルに記録されているかを問い合わせて、サーバ装置2による購入許可の判定を得た後に、購入券を排出する場合の例を示している。一方で、販売端末4が、サーバ装置やATM1に対して、商品の購入を希望する第二ユーザ(子)に紐づく第一ユーザ(親)と、当該第二ユーザ(子)が購入を希望する商品を示す商品識別情報とがユーザ管理テーブルに記録されているかを問い合わせて、サーバ装置2やATM1から購入許可の判定を得るようにしてもよい。
【0060】
図9は第三実施形態によるATMの処理フローを示す図である。
ATM1は、第三実施形態の処理として、第一実施形態のステップS101~S108の処理に対応するステップS401~ステップS408の処理を同様に行う。ステップS408により、UI部42がサービス開始ボタンの押下を検出すると、UI部42は、記憶する第一口座番号、第二口座番号、商品識別情報、商品購入金額、を含む購入券排出要求を媒体出力部45へ出力する。媒体出力部45は、第一口座番号、第二口座番号、商品識別情報、商品購入金額を含む二次元コードを生成する。媒体出力部45は、生成した二次元コードを印字した購入券を紙媒体排出口18から排出する(ステップS409)。ユーザは、排出された購入券を受け取る。ユーザは、購入券と商品を持って販売端末4まで移動する。
【0061】
以上の処理によれば、ATM1を利用するユーザは、お金が無い状況で突然商品の購入が必要となった場合に、ATM1を用いて、容易に、お金を払う親などの人物の指定した商品種別の商品を購入するための購入券を受け取ることができる。
【0062】
媒体出力部45は、購入券の排出が完了したことを検出する。すると媒体出力部45は、画像送信部47に、排出完了信号を出力する。画像送信部47は、排出完了信号を取得すると、第一口座番号、第二口座番号を含むアドレス要求をサーバ装置2へ送信する。サーバ装置2は、第一口座番号と第二口座番号とに紐づいてユーザ管理テーブルに記録されている親の携帯端末3の送信先アドレスを含むアドレス応答をATM1へ送信する。
【0063】
画像送信部47は、アドレス応答を取得する。そして画像送信部47は、アドレス応答から親の携帯端末3の送信先アドレスを読み取る。また画像送信部47は、排出完了信号を取得すると、撮影部43がカメラ51から取得した画像を取得する。画像送信部47は、親の携帯端末3の送信先アドレスに、取得した画像を送信する(ステップS410)。撮影部43は、カメラ51を制御して、ATM1を利用するユーザが、緊急商品購入サービスの開始を指示したタイミングなどの所定の撮影開始時刻から継続して当該ユーザを含む背景を複数回撮影し、それら画像を順次取得してもよい。そして、画像送信部47にそれら、複数の画像を出力してもよい。画像送信部47は、カメラ51が撮影した動画像を、親の携帯端末3に送信してもよい。これにより、親は、緊急商品購入サービスを利用した子供と、その周囲の状況を、画像を見ることで確認することができる。
【0064】
図10は第三実施形態による販売端末の処理フローを示す図である。
店員は、商品と購入券をユーザから受け取る。店員の操作により、販売端末4は、自端末に備えられたコードリーダにより商品に印字されているコード情報を読み取る。これにより販売端末4は、コード情報に含まれる商品識別情報を読み取り一時記憶する(ステップS501)。また店員は、販売端末4に備えられたコードリーダを用いて、購入券に印字されている二次元コードのコード情報を読み取る。これにより販売端末4は、二次元コードに含まれる第一口座番号、第二口座番号、商品識別情報、商品購入金額を読み取り一時記憶する(ステップS502)。そして店員は、販売端末4を操作して、購入券による販売判定の開始を指示する。
【0065】
販売端末4の判定部403は、商品から読み取った商品識別情報と、購入券から読み取った商品識別情報とが一致するかを判定する(ステップS503)。判定部403は、商品識別情報が一致している場合には、記憶する第一口座番号、第二口座番号、商品識別情報、商品購入金額、を含む購入許可要求を生成し、サーバ装置2へ送信する(ステップS504)。
【0066】
サーバ装置2は、購入許可要求を受信する。サーバ装置2は、購入許可要求に含まれる第一口座番号と商品識別情報とを読み取る。サーバ装置2は、予めデータベースに記憶するユーザ管理テーブルに、第一口座番号と商品識別情報とが紐づいて記録されているかを判定する。なお第一ユーザである親は、予め自身の子が緊急商品購入サービスを利用できるように申請する。この時、親は、子が購入できる商品を示す商品識別情報を申請する。これにより、ユーザ管理テーブルには予め第一ユーザである親の第一口座番号と、その親が申請した商品を示す商品識別情報を紐づけて記憶している。サーバ装置2は、ユーザ管理テーブルに、第一口座番号と商品識別情報とが紐づいて記録されている場合には、ATM1から購入券を受け取ったユーザによる購入を許可すると判定する。
【0067】
なおサーバ装置2は、商品識別情報の代わりに商品分類情報を用いて、購入許可要求に含まれる第一口座番号と商品分類情報が、ユーザ管理テーブルに記録されている場合に、当該商品分類情報に分類される商品のユーザによる購入を許可すると判定してもよい。
【0068】
サーバ装置2は購入を許可すると判定した場合、購入許可応答を生成し、販売端末4へ送信する。サーバ装置2は購入を許可しないと判定した場合、購入不可応答を生成し、販売端末4へ送信する。販売端末4は、購入許可応答を受信する(ステップS505)。または販売端末4は、購入不可応答を受信する。販売端末4の判定部403、購入許可応答を取得した場合には購入許可を検出する。また販売端末4の判定部403は、購入不可応答を取得した場合には購入不可を検出する。
【0069】
なお、ステップS504において販売端末4は購入許可要求をATM1へ送信し、ATM1が購入許可要求を受信して、購入許可または購入拒否を判定し、購入許可応答または購入拒否応答を販売端末4へ送信するようにしてもよい。この場合、ATM1の制御装置10が単独で、サーバ装置2から取得した上記ユーザ管理テーブルに記録される情報を取得して、購入許可または購入拒否を判定してもよい。またはATM1の制御装置10とサーバ装置2とが連携して、購入許可または購入拒否を判定してもよい。
【0070】
判定部403は購入不可応答を受信した場合には、ディスプレイに購入不可を示す情報を表示する。これにより、店員は、商品を購入しようとするユーザの親が購入を拒否していることを把握し、商品のユーザ(子)への引き渡しを中止する。他方、判定部403は購入許可応答を受信した場合、ディスプレイに購入許可を示す情報を表示する。これにより、店員は、商品を購入しようとするユーザの親が購入を許可していることを把握する。
【0071】
なお判定部403は販売許可応答を取得した場合には、POS処理部402へ販売許可情報を出力する。POS処理部402は、販売許可を検知し、一時的に記憶する商品識別情報と商品購入金額とを含むPOS処理信号と、第一口座番号、第二口座番号、商品識別情報、商品購入金額を含む決済要求信号とを生成する。POS処理部402は、POS処理信号を所定のPOSサーバへ送信し、POS処理を行う(ステップS506)。POS処理は、商品の在庫情報から在庫を1つ減じるなどの処理である。POS処理部402は、決済要求信号をサーバ装置2へ送信する。
【0072】
サーバ装置2は決済要求信号を受信する。サーバ装置2は決済要求信号に含まれる第一口座番号、第二口座番号、商品購入金額を用いて、決済処理を行う。例えば、サーバ装置2は、第二口座番号に関する口座情報において、預入金額から商品購入金額を減じる決済処理を行う。これによりATM1を利用するユーザ(第二ユーザ)の口座情報で示される預入金額が、決済処理後の預入金額へと更新される。
【0073】
サーバ装置2は、緊急商品購入サービスを行う際に、子供の口座である第二口座番号に関する口座情報において、預入金額から商品購入金額を減じる決済処理を行ってもよいし、親の口座である第一口座番号に関する口座情報において、預入金額から商品購入金額を減じる決済処理を行ってもよい。または、サーバ装置2は、決済要求信号を受信した後に、第一口座番号の口座情報から第二口座番号の口座情報へ商品購入金額が示す金額を移動させたのち、第二口座番号の口座情報において、預入金額から商品購入金額が示す金額を減じる決済処理を行ってもよい。
【0074】
または、サーバ装置2は、第一口座番号の口座情報において、予め設定された子供専用の預金枠の預入金額から、商品購入金額が示す金額を減じる決済処理を行ってもよい。または、サーバ装置2は、第一口座番号の口座情報において、予め設定された子供専用の預金枠の預入金額から、商品購入金額が示す金額を第二口座番号の口座情報に移動させたのち、その第二口座番号の口座情報において、商品購入金額が示す金額を減じる決済処理を行ってもよい。これら子供専用の預金枠への入金は、予め親が行う。つまり、緊急商品購入サービスを行う場合の決済元となり得る、第一口座番号が示す口座、または第二口座番号が示す口座、または第一口座番号の口座に設定された預金枠などは全て、子である第二ユーザの預金枠である。
【0075】
サーバ装置2は決済処理を終了すると決済完了信号を販売端末4へ送信する。販売端末4のPOS処理部402は決済完了信号を取得する(ステップS507)。POS処理部402は、画面に決済終了を示す情報を出力する(ステップS508)。これにより、店員は商品をユーザに引き渡す。
【0076】
以上の処理によれば、子供などのユーザは、お金が無い状況で突然商品の購入が必要となった場合に、銀行キャッシュカードや貨幣を保持していない状況で、ATM1を用いて、お金を払う親などの人物の指定した商品種別の商品を購入するための、購入券を受け取り、容易に商品を購入することができる。
【0077】
<第四実施形態>
上述の実施形態では、購入券や貨幣を排出しているが、ATM1は、購入券の代わりに購入券データを生成してユーザが携帯する端末へ購入券データを送信してもよいし、貨幣を出力する代わりに電子マネーをユーザが携帯する端末へ送信してもよい。これによりユーザは、端末で受信した購入券データや電子マネーを販売端末4で提示することにより、商品を購入できるようにしてもよい。
【0078】
ATM1が購入券データを出力する場合、AMT1の媒体出力部45は、第一実施形態におけるステップS111や、第三実施形態におけるステップS409の購入券の排出の制御に代えて、購入券データを生成し、UI部42に購入券データ送信開始を出力する。UI部42は、メインディスプレイ11に購入券データの送信開始をユーザへ通知する文章と、購入券データの記録媒体をNFCアンテナ12に翳すよう指示する文章とを表示する、購入券データ送信通知画像をメインディスプレイ11に出力する。
【0079】
ユーザは、メインディスプレイ11に出力された購入券データ送信通知画像を視認する。ユーザは、購入券データ記録媒体である端末をNFCアンテナ12に翳す。媒体出力部45は、NFCアンテナ12を制御して端末と通信接続する制御を行い、購入券データ送信信号の送信指示を行う。NFCアンテナ12は、媒体出力部45の制御に基づいて、端末と通信し、購入券データ送信信号を送信する。端末は、購入券データ送信信号を受信する。端末は、購入券データ送信信号を記憶する。購入券データは例えば二次元コードのデータである。端末はその二次元コードをディスプレイに表示することができる。ユーザは、端末と商品とを持ち販売端末4へ移動する。ユーザは、端末のディスプレイに表示した二次元コードを販売端末4の店員に提示する。そして店員の操作により、販売端末4は、自端末に備えられたコードリーダによりユーザの端末のディスプレイに表示にされている二次元コード(コード情報)を読み取る。以降の処理は、上述の第一実施形態で説明したステップS201からの処理と同様である(図7参照)。
【0080】
またATM1が貨幣に代えて電子マネーを出力する場合、AMT1の金額移動部46は、第二実施形態におけるステップS303の貨幣の排出の制御に代えて、電子マネーをユーザの端末へ送信する。具体的には、ATM1の金額移動部46は、商品購入金額に相当する金額を示す電子マネー送信信号を生成する。金額移動部46は、UI部42に電子マネー送信開始を出力する。UI部42は、メインディスプレイ11に電子マネーの送信開始をユーザへ通知する文章と、電子マネーの記録媒体をNFCアンテナ12に翳すよう指示する文章とを表示する、電子マネー送信通知画像をメインディスプレイ11に出力する。
【0081】
ユーザは、電子マネー送信通知画像を視認する。ユーザは、電子マネー記録媒体である端末をNFCアンテナ12に翳す。金額移動部46は、NFCアンテナ12を制御して端末と通信接続する制御を行い、電子マネー送信信号の送信指示を行う。NFCアンテナ12は、金額移動部46の制御に基づいて、端末と通信し、電子マネー送信信号を送信する。端末は電子マネー送信信号を受信する。端末は電子マネー送信信号から商品購入金額の情報を読み取り、メモリに記録されている金額情報(残高)と商品購入金額とを合計して、そのメモリに記録されている金額情報を、新たに合計した金額情報に更新する。ユーザは、端末と商品とを持ち販売端末4へ移動する。ユーザは、端末に記録されている電子マネーを用いて商品を購入することができる。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の処理によれば、突然商品の購入が必要となった遠隔にいる子供などが、ATM1を用いて容易に商品を購入できるようにすることができる。
【0083】
図11はATMの最小構成を示す図である。
図12は最小構成によるATMの処理フローを示す図である。
ATM1は、少なくとも認証部1001と、出力部1002とを備えればよい。
認証部1001は、第一の口座を開設した第一ユーザ(親)に紐づいて記録される第二ユーザ(子)の生体情報と、購入処理を指示した第二ユーザ(子)から読み取った生体情報との一致状態に基づく認証が成功したかを判定する(ステップS1111)。
出力部1002は、認証が成功した場合に、購入処理の対象商品の購入を許可する購入許可媒体を出力する(ステップS1112)。購入許可媒体が購入券の場合にはATM1はユーザから入力された商品に関する商品識別情報と、ユーザ識別情報とを含む購入券を出力する。購入許可媒体が貨幣である場合にはATM1はユーザから入力された商品に関する商品購入金額の貨幣を出力する。購入許可媒体はデータであってもよい。
【0084】
上述の各実施形態の処理においては、第一ユーザを親、第二ユーザを子としている。しかしながら第一ユーザと第二ユーザの関係は親子ではなく、親族に含まれるあるユーザと他のユーザの関係でもよい。例えば第一ユーザが成人した子、第二ユーザが老齢の親であってもよい。または第一ユーザと第二ユーザの関係は、親族に含まれないユーザ同士の関係であってもよい。
【0085】
上述の各実施形態の処理においては、各処理がATM1とサーバ装置2との間で行われる場合について説明したが、ATM1とは異なる端末装置が、上述のATM1と同様の処理を行うようにしてもよい。また上述のサーバ装置2で行われる処理の一部または全部を、ATM1が行うようにしてもよい。または、上述のATM1が行う処理の一部を、サーバ装置2が行うようにしてもよい。
【0086】
上述の各装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0087】
上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0088】
1・・・ATM(現金自動預払機)
2・・・サーバ装置
3・・・携帯端末
4・・・販売端末
11・・・メインディスプレイ
12・・・NFCアンテナ
14・・・コードリーダ
16・・・貨幣排出口
17・・・カード投入口
18・・・紙媒体排出口
91・・・水平台座部
10・・・制御装置
41・・・制御部
42・・・UI部
43・・・撮影部
44・・・認証部
45・・・媒体出力部
46・・・金額移動部
47・・・画像送信部
401・・・制御部
402・・・POS処理部
403・・・判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12