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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】導電性ペーストおよび半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/52 20060101AFI20231205BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20231205BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20231205BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20231205BHJP
   C09J 163/00 20060101ALI20231205BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20231205BHJP
   C09J 9/02 20060101ALI20231205BHJP
   H01B 1/22 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
H01L21/52 E
C09J201/00
C09J11/04
C09J11/08
C09J163/00
C09J11/06
C09J9/02
H01B1/22 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019206764
(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公開番号】P2021082640
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】河野 里穂
(72)【発明者】
【氏名】高本 真
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-110084(JP,A)
【文献】特開2013-149596(JP,A)
【文献】特開2012-172054(JP,A)
【文献】特開平10-265748(JP,A)
【文献】国際公開第2019/189512(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/043455(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
C09J 201/00
C09J 11/04
C09J 11/08
C09J 163/00
C09J 11/06
C09J 9/02
H01B 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バインダー樹脂と、
導電性金属粉と、
アルキルアセタール化ポリビニルアルコールと、
希釈剤と、
を含む電子部品接着用の導電性ペーストであって、
前記アルキルアセタール化ポリビニルアルコールが、当該導電性ペースト全体に対して、0.5質量%以上1.5質量%以下の量である、導電性ペースト
【請求項2】
前記バインダー樹脂が、熱硬化性エポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の導電性ペースト。
【請求項3】
硬化剤をさらに含む、請求項1または2に記載の導電性ペースト。
【請求項4】
前記希釈剤が、グリコールモノマー、アクリルモノマー、エポキシモノマー、およびマレイミドモノマーから選択される少なくとも1つを含む、請求項1~3のいずれかに記載の導電性ペースト。
【請求項5】
前記導電性金属粉が、銀粉、金粉、白金粉、パラジウム粉、銅粉、およびニッケル粉、ならびにそれらの合金から選択される少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれかに記載の導電性ペースト。
【請求項6】
前記導電性金属粉が、当該導電性ペースト全体に対して30質量%以上80質量%以下の量である、請求項1~5に記載の導電性ペースト。
【請求項7】
前記アルキルアセタール化ポリビニルアルコールが、前記希釈剤に対して、5質量%以上20質量%以下の量である、請求項1~のいずれかに記載の導電性ペースト。
【請求項8】
基材と、
前記基材状に接着層を介して搭載された半導体素子と、を備え、
前記接着層は、請求項1~のいずれかに記載の導電性ペーストの硬化物からなる、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性ペーストおよび半導体装置に関する。より詳細には、本発明は、半導体素子を金属フレームなどの支持部材上に接着、固定するために用いられる半導体用ダイアタッチペーストとして用いられる導電性ペースト、および当該導電性ペーストを用いて製造された半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リードフレーム上に半導体素子を搭載し、樹脂によりモールドした形態の半導体装置は広く用いられている。たとえば、IC、LSIなどの半導体素子は、リードフレーム等の金属片にマウントし、ダイアタッチペーストと称される導電性ペーストを用いて固定した後、リードフレームのリード部と半導体素子上の電極とを細線ワイヤ(ボンディングワイヤ)により接続し、次いでこれらをパッケージに収納して半導体製品とされる。また、種々の表示用などに実用化されている発光ダイオード(LED)などを用いた光半導体装置は、リードフレームや樹脂基板上の所定部分に光半導体素子を導電性ペースト等で接合後、透明封止樹脂等で封止して製造される(例えば、特許文献1)。
【0003】
半導体装置の製造において、半導体素子とリードフレームとの接合、およびこれらの間の電気伝導性および熱伝導性を良好にするために用いられるダイアタッチペーストは、一般に、樹脂と、フィラーとしての電気伝導率の高い粒子から構成されている。ダイアタッチペーストのチキソトロピック性が低いと、リードフレームの表面状態によってはペースト中に含まれる樹脂成分が基板に滲み出す、いわゆるブリードアウトと呼ばれる現象が生じる。この問題を解消するため、チキソトロピック性を十分に発現させるために、添加剤を配合する技術が提案されている。例えば、特許文献2では、添加剤としてシリコーンゴム微粉末を添加し、樹脂のブリードアウトの発生の抑制する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-273407号公報
【文献】特開平5-335353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、ダイボンディング用樹脂ペーストは、一般に、樹脂とフィラーから構成されている。このような樹脂ペーストは、塗布作業性を確保するために、希釈剤を加えて低粘度化、換言すると、ペースト化する必要がある。しかし、本発明者は、希釈剤として使用される有機溶剤は低粘度であるため、しばしば接合対象であるリードフレーム表面の微細な凹凸による毛細管現象により、溶剤成分が濡れ広がる場合があることを見出した。また、リードフレーム内の予期せぬ部分にブリードすることで、プロセス中に溶剤がリードフレーム底面へ漏れてしまったり、汚染によりワイヤーボンド不良を引き起こしてしまったりすることを見出した。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、低粘度化のために希釈剤を加えた場合であっても、希釈剤のブリードアウトを抑制して、垂れや滲みを防ぎ、また物理的、電気的な接続信頼性に優れたダイアタッチペーストとして使用可能な導電性ペーストを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、特定の添加剤を用いることにより、希釈剤のブリードアウトが抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明によれば、
バインダー樹脂と、
導電性金属粉と、
アルキルアセタール化ポリビニルアルコールと、
希釈剤と、
を含む電子部品接着用の導電性ペーストであって、
前記アルキルアセタール化ポリビニルアルコールが、当該導電性ペースト全体に対して、0.5質量%以上1.5質量%以下の量である、導電性ペーストが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ブリードアウトが抑制され、物理的、電気的な接続信頼性に優れたダイアタッチペーストとして好適に使用できる導電性ペーストが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る電子装置の一例を示す断面図である。
図2】本実施形態に係る電子装置の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
(導電性ペースト)
本実施形態の導電性ペーストは、半導体素子等の電子部品を、リードフレームまたは配線基板等の基材に接着するためのダイアタッチ層を形成するために用いられるダイアタッチペーストである。本実施形態の導電性ペーストは、バインダー樹脂と、導電性金属粉と、希釈剤と、アルキルアセタール化ポリビニルアルコールとを含む。本実施形態の導電性ペーストは、熱処理により、これに含まれるバインダー樹脂が硬化し、これにより導電性金属粉同士が互いに凝集して金属粉連結構造を形成する。これにより、導電性ペーストを加熱して得られるダイアタッチ層は、導電性または熱導電性、および電子部品や基材に対する密着性が発現される。
【0013】
本実施形態の導電性ペーストは、アルキルアセタール化ポリビニルアルコールを含むことにより、希釈剤のブリードアウトが抑制される。そのため、電子装置の製造においてこの導電性ペーストをリードフレーム表面上に配置した際、希釈剤が濡れ広がることがない。そのため、半導体素子と基板との接続は、物理的および電気的接続信頼性に優れたものとなる。
【0014】
本実施形態の導電性ペーストに用いられる各成分について以下に説明する。
【0015】
(バインダー樹脂)
本実施形態の導電性ペーストに用いられるバインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂が用いられ、熱硬化性樹脂としては、シアネート樹脂、エポキシ樹脂、ラジカル重合性の炭素-炭素二重結合を1分子内に2つ以上有する樹脂、およびマレイミド樹脂から選択される一種または二種以上を用いることができる。これらの中でも、熱伝導性ペーストの接着性を向上させる観点からは、エポキシ樹脂を含むことが特に好ましい。
【0016】
熱硬化性樹脂として用いられるエポキシ樹脂としては、1分子内にグリシジル基を2つ以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。本実施形態で用いられるエポキシ樹脂としては、たとえばビフェニル型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等のナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂が挙げられる。また、エポキシ樹脂としては、たとえばグリシジル基を1分子内に2つ以上含む化合物のうちの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノールなどのビスフェノール化合物またはこれらの誘導体、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、水素添加ビフェノール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノールなどの脂環構造を有するジオールまたはこれらの誘導体、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオールなどの脂肪族ジオールまたはこれらの誘導体などをエポキシ化した2官能のもの、トリヒドロキシフェニルメタン骨格、アミノフェノール骨格を有する3官能のもの、を用いることも可能である。熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂は、上記に例示されたものから選択される一種または二種以上を含むことができる。
【0017】
これらの中でも、得られる導電性ペーストの塗布作業性や接着性を向上させる観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含むことがより好ましく、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を含むことが特に好ましい。また、本実施形態においては、導電性ペーストの塗布作業性をより効果的に向上させる観点からは、室温(25℃)において液状である液状エポキシ樹脂を含むことがより好ましい。
【0018】
熱硬化性樹脂として用いられるシアネート樹脂は、特に限定されないが、たとえば1,3-ジシアナトベンゼン、1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼン、1,3-ジシアナトナフタレン、1,4-ジシアナトナフタレン、1,6-ジシアナトナフタレン、1,8-ジシアナトナフタレン、2,6-ジシアナトナフタレン、2,7-ジシアナトナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,4'-ジシアナトビフェニル、ビス(4-シアナトフェニル)メタン、ビス(3,5-ジメチル-4-シアナトフェニル)メタン、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4-シアナトフェニル)プロパン、ビス(4-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホン、トリス(4-シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4-シアナトフェニル)ホスフェート、ノボラック樹脂とハロゲン化シアンとの反応により得られるシアネート類、ならびにこれらの多官能シアネート樹脂のシアネート基を三量化することによって形成されるトリアジン環を有するプレポリマーから選択される一種または二種以上を含むことができる。上記プレポリマーは、上記の多官能シアネート樹脂モノマーを、たとえば鉱酸、ルイス酸などの酸、ナトリウムアルコラート、第三級アミン類などの塩基、または炭酸ナトリウムなどの塩類を触媒として重合させることにより得ることができる。
【0019】
熱硬化性樹脂として用いられるラジカル重合性の炭素-炭素二重結合を1分子内に2つ以上有する樹脂としては、たとえば分子内に(メタ)アクリロイル基を二つ以上有するラジカル重合性のアクリル樹脂を使用することができる。本実施形態においては、上記アクリル樹脂として、分子量が500~10000であるポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリ(メタ)アクリレートであって、(メタ)アクリル基を有する化合物を含むことができる。なお、熱硬化性樹脂としてラジカル重合性の炭素-炭素二重結合を1分子内に2つ以上有する樹脂を用いる場合、熱伝導性ペーストは、たとえば熱ラジカル重合開始剤等の重合開始剤を含むことができる。
【0020】
熱硬化性樹脂として用いられるマレイミド樹脂は、特に限定されないが、たとえばN,N'-(4,4'-ジフェニルメタン)ビスマレイミド、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンなどのビスマレイミド樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。
【0021】
熱硬化性樹脂は、ビフェニル骨格を有する樹脂として、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂)を含むことができる。これにより、導電性ペーストの金属密着性を向上させることができる。
【0022】
ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂は、その分子構造内にビフェニル骨格を有し、かつ、エポキシ基を2個以上有するものであれば、その構造は特に限定するものではないが、例えば、ビフェノールまたはその誘導体をエピクロロヒドリンで処理した2官能エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても混合して用いても差し支えない。これらの中でも、特に分子内にエポキシ基が2個のものは、耐熱性の向上が優れたものとなるため好ましい。そのようなエポキシ樹脂としては、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂などの、ビフェノール誘導体をエピクロロヒドリンで処理した2官能エポキシ樹脂;ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂のうち、エポキシ基が2個であるもの(フェノール核体数が2であると表現されることもある);ビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型樹脂のうち、エポキシ基が2個であるもの;などが挙げられる。
【0023】
本実施形態の導電性ペーストにおいて、バインダー樹脂の含有量の下限値は、導電性ペースト全体に対して、例えば、1質量%以上であり、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上である。これにより、導電性ペーストの取扱い性を良好にすることができる。また導電性ペーストの粘度を使用に適切な程度にすることができる。また、バインダー樹脂の含有量の上限値は、導電性ペースト全体に対して、例えば、15質量%以下であり、好ましくは12質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下である。これにより、導電性ペーストの導電性、基材に対する密着性等の諸特性のバランス向上を図ることができる。
【0024】
(硬化剤)
本実施形態の導電性ペーストは、硬化剤を含んでもよい。これにより、導電性ペーストの硬化性を向上させることができる。硬化剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、ジシアンジアミド、ジヒドラジド化合物、酸無水物、およびフェノール化合物から選択される一種または二種以上を用いることができる。これらの中でも、ジシアンジアミドおよびフェノール化合物のうちの少なくとも一方を含むことが、製造安定性を向上させる観点から特に好ましい。
【0025】
硬化剤として用いられるジヒドラジド化合物としては、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、p-オキシ安息香酸ジヒドラジドなどのカルボン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。また、硬化剤として用いられる酸無水物としてはフタル酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、無水マレイン酸とポリブタジエンの反応物、無水マレイン酸とスチレンの共重合体等が挙げられる。
【0026】
硬化剤として用いられるフェノール化合物は、1分子内にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物である。より好ましい1分子内のフェノール性水酸基の数は2~5であり、特に好ましい1分子内のフェノール性水酸基数は2つまたは3つである。これにより、導電性ペーストの塗布作業性をより効果的に向上させることができるとともに、硬化時に架橋構造を形成して導電性ペーストの硬化物特性を優れたものとすることができる。上記フェノール化合物は、たとえばビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラメチルビフェノール、エチリデンビスフェノール、メチルエチリデンビス(メチルフェノール)、シクロへキシリデンビスフェノール、ビフェノールなどのビスフェノール類およびその誘導体、トリ(ヒドロキシフェニル)メタン、トリ(ヒドロキシフェニル)エタンなどの3官能のフェノール類およびその誘導体、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどのフェノール類とホルムアルデヒドを反応することで得られる化合物で2核体または3核体がメインのものおよびその誘導体から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、ビスフェノール類を含むことがより好ましく、ビスフェノールFを含むことが特に好ましい。
【0027】
また、本実施形態において、硬化剤としてのビフェニル骨格を有する樹脂としては、ビフェニル骨格を有するフェノール樹脂(フェノール化合物)を用いることができる。これにより、導電性ペーストの導電性および基材に対する密着性を向上させることができる。ビフェニル骨格を有するフェノール樹脂としては、その分子構造内にビフェニル骨格を有し、かつ、フェノール基を2個以上有するものであれば、その構造は特に限定するものではない。
【0028】
本実施形態において、導電性ペースト中における硬化剤の含有量は、熱伝導性ペースト全体に対して0.5質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましい。これにより、導電性ペーストの硬化性を、より効果的に向上させることができる。一方で、導電性ペースト中における硬化剤の含有量は、導電性ペースト全体に対して10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましい。これにより、導電性ペーストペーストを用いて形成される接着層の、低熱膨張性や耐湿性を向上させることができる。
【0029】
(導電性金属粉)
本実施形態の導電性ペーストに含まれる導電性金属粉は、導電性ペーストに対して熱処理が施されることにより、凝集して金属粒子連結構造を形成する。すなわち、導電性ペーストを加熱して得られるダイアタッチペースト層において、金属粉同士は互いに凝集して存在する。これにより、導電性や熱伝導性、基材への密着性が発現される。
【0030】
本実施形態の導電性ペーストに用いられる導電性金属粉としては、銀粉、金粉、白金粉、パラジウム粉、銅粉、またはニッケル粉、あるいはこれらの合金を用いることができる。導電性および取扱い容易性の観点から銀粉を用いることが好ましい。
【0031】
導電性金属粉の形状は、特に限定されないが、たとえば球状、フレーク状、および鱗片状等を挙げることができる。本実施形態においては、導電性金属粉が球状粒子を含むことがより好ましい。これにより、導電性金属粉の凝集の均一性を向上させることができる。また、コストを低減させる観点からは、導電性金属粉がフレーク状粒子を含む態様を採用することもできる。さらには、コストの低減と凝集均一のバランスを向上させる観点から、導電性金属粉が球状粒子とフレーク状粒子の双方を含んでいてもよい。
【0032】
導電性金属粉の平均粒径(D50)は、たとえば0.1μm以上10μm以下である。導電性金属粉の平均粒径が上記下限値以上であることにより、比表面積の過度な増大を抑制し、接触熱抵抗による熱伝導性の低下を抑えることが可能となる。また、導電性金属粉の平均粒径が上記上限値以下であることにより、導電性金属粉間の金属粒子連結構造体の形成性を向上させることが可能となる。また、導電性ペーストのディスペンス性を向上させる観点からは、導電性金属粉の平均粒径(D50)が0.6μm以上2.7μm以下であることがより好ましく、0.6μm以上2.0μm以下であることが特に好ましい。なお、導電性金属粉の平均粒径(D50)は、たとえば市販のレーザー式粒度分布計(たとえば、(株)島津製作所製、SALD-7000等)を用いて測定することができる。
【0033】
また、導電性金属粉の最大粒径は、特に限定されないが、たとえば1μm以上50μm以下とすることができ、3μm以上30μm以下であることがより好ましく、4μm以上18μm以下であることが特に好ましい。これにより、導電性金属粉の凝集の均一性とディスペンス性のバランスをより効果的に向上させることが可能となる。
【0034】
導電性ペースト中における導電性金属粉の含有量は、たとえば導電性ペースト全体に対して30質量%以上80質量%以下であることが好ましく、40質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。上記下限値以上とすることにより、導電性ペーストを熱処理して得られるダイアタッチペースト層の熱伝導性と導電性の向上に寄与することが可能となる。一方で、上記上限値以下とすることにより、得られる導電性ペーストの塗布作業性や、導電性ペーストを熱処理して得られるダイアタッチペースト層の機械強度等の向上に寄与することができる。
【0035】
(希釈剤)
本実施形態の導電性ペーストには、半導体素子または基材への塗布性や細部への充填性を考慮して、導電性ペーストを適切な粘度とするために、希釈剤が配合される。希釈剤としては、反応性希釈剤または非反応性溶剤を用いることができる。ここで、反応性希釈剤とは、導電性ペーストに含まれるバインダー樹脂の架橋反応に関与する反応性基を有する化合物を意味し、非反応性溶剤とは、バインダー樹脂の架橋反応に関与する反応性基を有していない溶剤を意味する。
【0036】
希釈剤として用いられる反応性希釈剤としては、例えば、グリコールモノマー、アクリルモノマー、エポキシモノマー、およびマレイミドモノマー等が挙げられる。
【0037】
反応性希釈剤として用いられるグリコールモノマーとしては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn-プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノn-ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノn-ブチルエーテル、テトラエチレングリコール、テトラチレングリコールモノメチル、テトラチレングリコールモノエチル、テトラエチレングリコールモノn-ブチル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn-ブチルエーテルなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0038】
導電性ペーストを熱処理した場合、これに含まれる金属粉同士が凝集して金属粒子連結構造を良好に形成する観点より、グリコールモノマーとしては、トリプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテルまたはエチレングリコールモノ-n-ブチルアセテートを用いることが好ましい。
【0039】
反応性希釈剤として用いられるアクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル基を1つのみ有する単官能アクリルモノマー、または(メタ)アクリル基を2つ以上有する多官能アクリルモノマーを用いることができる。
【0040】
単官能アクリルモノマーとしては、例えば、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n-ラウリル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、n-ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングルコール(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、フェニルフェノールエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、グリシジル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、および2-(メタ)アクロイロキシエチルアシッドホスフェートなどを挙げることができる。単官能アクリルモノマーとしては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0041】
単官能アクリルモノマーとしては、上記具体例のうち、2-フェノキシエチルメタクリレートを用いることが好ましい。これにより、得られる導電性ペーストの基材への密着性を向上することができる。
【0042】
多官能アクリルモノマーとしては、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アタクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ヘキサン-1,6-ジオールビス(2-メチル(メタ)アクリレート)、4,4'-イソプロピリデンジフェノールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ビス((メタ)アクリロイルオキシ)-2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロヘキサン、1,4-ビス((メタ)アクリロイルオキシ)ブタン、1,6-ビス((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキサン、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、N,N'-ジ(メタ)アクリロイルエチレンジアミン、N,N'-(1,2-ジヒドロキシエチレン)ビス(メタ)アクリルアミド、又は1,4-ビス((メタ)アクリロイル)ピペラジンなどが挙げられる。
【0043】
反応性希釈剤として用いられるエポキシモノマーとしては、エポキシ基を1つのみ有する単官能エポキシモノマー、またはエポキシ基を2つ以上備える多官能エポキシモノマーを用いることができる。
【0044】
単官能エポキシモノマーとしては、4-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、m,p-クレジルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテルなどが挙げられる。単官能エポキシモノマーとしては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0045】
多官能エポキシモノマーとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノールなどのビスフェノール化合物またはこれらの誘導体;水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、水素添加ビフェノール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シジロヘキサンジエタノールなどの脂環構造を有するジオールまたはこれらの誘導体;ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオールなどの脂肪族ジオールまたはこれらの誘導体などをエポキシ化した2官能のもの;トリヒドロキシフェニルメタン骨格、アミノフェノール骨格を有する3官能のもの;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂などをエポキシ化した多官能のものなどが挙げられる。多官能エポキシモノマーとしては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0046】
反応性希釈剤として用いられるマレイミドモノマーとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール-ジ(2-マレイミドアセテート)などが挙げられる。
【0047】
本実施形態において、導電性ペースト中における反応性希釈剤の含有量は、導電性ペースト全体に対して3質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましい。これにより、導電性ペーストの塗布作業性や、得られる接着層の平坦性をより効果的に向上させることができる。一方で、導電性ペースト中における反応性希釈剤の含有量は、導電性ペースト全体に対して20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。これにより、塗布作業中における液だれの発生等を抑制して、塗布作業性の向上を図ることができる。また、導電性ペーストの硬化性を向上させることも可能となる。
【0048】
本実施形態の導電性ペーストは、非反応性溶剤を含んでもよい。非反応性溶剤を含むことにより、得られる導電性ペーストの流動性を調整して、取扱い性や作業性を向上することができる。非反応性溶剤としては、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、メチルメトキシブタノール、α-ターピネオール、β-ターピネオール、へキシレングリコール、ベンジルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、イゾパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはグリセリン等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン)、2-オクタノン、イソホロン(3、5、5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン)もしくはジイソブチルケトン(2、6-ジメチル-4-ヘプタノン)等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、アセトキシエタン、酪酸メチル、ヘキサン酸メチル、オクタン酸メチル、デカン酸メチル、メチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1,2-ジアセトキシエタン、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジルもしくはリン酸トリペンチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、エトキシエチルエーテル、1,2-ビス(2-ジエトキシ)エタンもしくは1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン等のエーテル類;酢酸2-(2ブトキシエトキシ)エタン等のエステルエーテル類;2-(2-メトキシエトキシ)エタノール等のエーテルアルコール類;トルエン、キシレン、n-パラフィン、イソパラフィン、ドデシルベンゼン、テレピン油、ケロシンもしくは軽油等の炭化水素類;アセトニトリルもしくはプロピオニトリル等のニトリル類;アセトアミドもしくはN,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類;低分子量の揮発性シリコンオイル、または揮発性有機変性シリコンオイル等が挙げられる。
【0049】
本実施形態の導電性ペーストは、非反応性溶剤を含まなくてもよい。ここで非反応性溶剤を含まないとは、実質的に含まないことを意味し、導電性ペースト全体に対する非反応性溶剤の含有量が0.1質量%以下である場合を指す。
【0050】
(アルキルアセタール化ポリビニルアルコール)
本実施形態の導電性ペーストは、アルキルアセタール化ポリビニルアルコールを含む。これにより、上述の希釈剤が基材上に濡れ広がる現象である、ブリードの発生を抑制することができる。
【0051】
本実施形態の導電性ペーストに用いられるアルキルアセタール化ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールとアルデヒドとのアセタール化反応によって合成されるアルキルアセタール化ポリビニルアルコールである。アルキルアセタール化ポリビニルアルコールは、ビニルアルコール単位(式(I))、ビニルエステル単位(式(II))およびビニルアセタール単位(2個のビニルアルコール単位がアルデヒドでアセタール化された構造、式(III))を有する樹脂である。下記の式において、lはビニルアルコール単位のモル比であり、mはビニルエステル単位のモル比であり、k/2はビニルアセタール単位のモル比であり、kはアルデヒドでアセタール化されたビニルアルコール単位のモル比であり、Raはアセタール化に用いたアルデヒド(Ra-CHO)中のRaであり、Raは、炭素数1~10のアルキル基である。Rbはビニルエステル(RbCOOCH=CH2)中のRbであり、Rbは炭素数1~6のアルキル基である。ただし、lおよび/またはmはゼロであってもよい。ポアルキルアセタール化ポリビニルアルコールが、ビニルアルコール単位、ビニルエステル単位およびビニルアセタール単位のみからなるとき、k+l+m=1である。各単位の配列順序に制限はなく、ランダムに配列されていてもよいし、ブロック状に配列されていてもよいし、テーパー状に配列されていてもよい。また、繰り返し単位間の結合は、Head-to-Tailであってもよいし、Head-to-Headであってもよい。
【0052】
【化1】
【0053】
【化2】
【0054】
【化3】
【0055】
アルキルアセタール化ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアルキルアセタール化することにより得られる。
【0056】
ここで、式(II)で表されるビニルエステル単位を形成するためのビニルエステル単量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニルなどが挙げられる。これらの中でも、入手容易性から、酢酸ビニルが好ましい。同様の観点から、アルキルアセタール化ポリビニルアルコールは、好ましくは分子構造中にメチル基を含み、より好ましくは上記一般式(II)中のRbがメチル基である。
【0057】
ポリビニルアルコールをアルキルアセタール化するために用いられるアルデヒドとしては、アセトアルデヒド(パラアセトアルデヒドを含む)、プロピオンアルデヒド、グリオキザール、ブチルアルデヒド、n-オクチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2-エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2-メチルベンズアルデヒド、3-メチルベンズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、m-ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β-フェニルプロピオンアルデヒドなどが挙げられる。中でも、製造の容易さの観点から、ブチルアルデヒドが特に好ましい。同様の観点から、アルキルアセタール化ポリビニルアルコールは、好ましくは分子構造中にブチル基を含み、より好ましくは上記一般式(III)中のRaがブチル基である。
【0058】
アルキルアセタール化ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、例えば、6×10以上15×10以下であり、好ましくは、8×10以上12×10以下である。
【0059】
市販のアルキルアセタール化ポリビニルアルコールとしては、エスレック(積水化学工業社製)などが挙げられ、種々のグレードを市場より入手することが出来る。より具体的には、エスレックBH-3、エスレックBX-6、エスレックKS-1、エスレックKS-10、エスレックKS-3等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
本実施形態の導電性ペーストにおいて、アルキルアセタール化ポリビニルアルコールの配合量は、導電性ペースト全体に対して、例えば、0.5質量%以上1.5質量%以下であり、好ましくは、0.8質量%以上1.2質量%以下である。上記範囲の量でアルキルアセタール化ポリビニルアルコールを配合することにより、ブリードの発生を効果的に抑制することができる。
【0061】
(その他の成分)
本実施形態の導電性ペーストは、上述の成分に加え、必要に応じて、当該分野で通常用いられる種々のさらなる成分を含み得る。さらなる成分としては、シランカップリング剤、硬化促進剤、ラジカル重合開始剤、低応力剤、無機フィラー等が挙げられるが、これらに限定されず、所望の性能に応じて選択することができる。
【0062】
シランカップリング剤は、導電性ペーストと基材との密着性を向上するために用いられる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン;2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン;p-スチリルトリメトキシシランなどのスチリルシラン;3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのメタクリルシラン;メタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピル、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリルシラン;N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン;イソシアヌレートシラン;アルキルシラン;3-ウレイドプロピルトリアルコキシシランなどのウレイドシラン;3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシラン;3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネートシラン等が挙げられる。
【0063】
硬化促進剤は、反応性希釈剤として用いられるエポキシモノマーまたはバインダー樹脂として用いられるエポキシ樹脂と、硬化剤との反応を促進させるために用いられる。硬化促進剤としては、例えば、有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;ジシアンジアミド、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、ベンジルジメチルアミン等のアミジンや3級アミン;上記アミジンまたは上記3級アミンの4級アンモニウム塩等の窒素原子含有化合物などが挙げられる。
【0064】
ラジカル重合開始剤としては、具体的には、アゾ化合物、過酸化物などを用いることができる。
【0065】
低応力剤としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム等のシリコーン化合物;ポリブタジエン無水マレイン酸付加体などのポリブタジエン化合物;アクリロニトリルブタジエン共重合化合物等を用いることができる。
【0066】
無機フィラーとしては、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ等の溶融シリカ;結晶シリカ、非晶質シリカ等のシリカ;二酸化ケイ素;アルミナ;水酸化アルミニウム;窒化珪素;および窒化アルミ等が挙げられる。
【0067】
(導電性ペーストの調製)
導電性の調製方法は、特に限定されないが、たとえば上述した各成分を予備混合した後、3本ロールを用いて混練を行い、さらに真空脱泡することにより、ペースト状の組成物を得ることができる。この際、たとえば予備混合を減圧下にて行う等、調製条件を適切に調整することによって、導電性ペーストの長期作業性を向上することができる。
【0068】
本実施形態の導電性ペーストは、用途に応じて粘度を調整することができる。導電性ペーストの粘度は、用いるバインダー樹脂の種類、希釈剤の種類、それらの配合量等を調整することにより制御することができる。本実施形態の導電性ペーストの粘度の下限値は、
例えば、10Pa・s以上であり、好ましくは20Pa・s以上であり、より好ましくは30Pa・s以上である。これにより、導電性ペーストの作業性を向上させることができる。一方で、導電性ペーストの粘度の上限値は、例えば、1×10Pa・s以下であり、好ましくは5×10Pa・s以下であり、より好ましくは2×10Pa・s以下である。これにより、塗布性を向上させることができる。
【0069】
(用途)
本実施形態の導電性ペーストの用途について説明する。
本実施形態に係る導電性ペーストは、例えば、基板と、半導体素子とを接着するために用いられる。ここで、半導体素子としては、例えば、半導体パッケージ、LEDなどが挙げられる。
本実施形態に係る導電性ペーストは、従来のペースト状接着剤組成物と比べて、接続信頼性と外観とが向上できる。これにより、発熱量が大きい半導体素子を基板に搭載する用途に好適に用いることができる。なお、本実施形態において、LEDとは、発光ダイオード(Light Emitting Diode)を示す。
【0070】
LEDを用いた半導体装置としては、具体的には、砲弾型LED、表面実装型(Surface Mount Device:SMD)LED、COB(Chip On Board)、Power LEDなどが挙げられる。
【0071】
なお、上記半導体パッケージの種類としては、具体的には、CMOSイメージセンサ、中空パッケージ、MAP(Mold Array Package)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、CSP(Chip Size Package)、QFN(Quad Flat Non-leaded Package)、SON(Small Outline Non-leaded Package)、BGA(Ball Grid Array)、LF-BGA(Lead Flame BGA)、FC-BGA(Flip Chip BGA)、MAP-BGA(Molded Array Process BGA)、eWLB(Embedded Wafer-Level BGA)、Fan-In型eWLB、Fan-Out型eWLBなどの種類が挙げられる。
【0072】
以下に、本実施形態に係るペースト状接着剤組成物を用いた半導体装置の一例について説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体装置の一例を示す断面図である。
本実施形態に係る半導体装置100は、基材30と、導電性ペーストの硬化物である接着剤層10を介して基材30上に搭載された半導体素子20とを備える。半導体素子20と基材30は、たとえばボンディングワイヤ40等を介して電気的に接続される。また、半導体素子20は、たとえば封止樹脂50により封止される。
【0073】
ここで、接着剤層10の厚さの下限値は、例えば、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。これにより、導電性ペーストの硬化物の熱容量を向上し、放熱性を向上できる。また、接着剤層10の厚さの上限値は、例えば、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。これにより、導電性ペーストが、放熱性を向上した上で好適な密着力を発現できる。
【0074】
図1において、基材30は、例えば、リードフレームである。この場合、半導体素子20は、ダイパッド32または基材30上に接着剤層10を介して搭載されることとなる。また、半導体素子20は、例えば、ボンディングワイヤ40を介してアウターリード34(基材30)へ電気的に接続される。リードフレームである基材30は、例えば、42アロイ、Cuフレームにより構成される。
【0075】
基材30は、有機基板や、セラミック基板であってもよい。有機基板としては、たとえばエポキシ樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂等によって構成されるものが好ましい。なお、基材30の表面は、例えば、銀、金などの金属により被膜されていてもよい。これにより、接着剤層10と、基材30との接着性を向上できる。
【0076】
図2は、図1の変形例であり、本実施形態に係る半導体装置100の一例を示す断面図である。本変形例に係る半導体装置100において、基材30は、たとえばインターポーザである。インターポーザである基材30のうち、半導体素子20が搭載される一面と反対側の他面には、たとえば複数の半田ボール52が形成される。この場合、半導体装置100は、半田ボール52を介して他の配線基板へ接続されることとなる。
【0077】
(半導体装置の製造方法)
本実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例について説明する。
まず、基材30の上に、導電性ペーストを塗工し、次いで、その上に半導体素子20を配置する。すなわち、基材30、ペースト状接着剤組成物、半導体素子20がこの順で積層される。導電性ペーストを塗工する方法としては限定されないが、具体的には、ディスペンシング、印刷法、インクジェット法などを用いることができる。
【0078】
次いで、導電性ペーストを前硬化、続いて後硬化することで、導電性ペーストを硬化させる。前硬化および後硬化といった熱処理により、導電性ペースト中の銀粒子が凝集し、複数の銀粒子同士の界面が消失してなる熱伝導層が接着剤層10中に形成される。これにより、接着剤層10を介して、基材30と、半導体素子20とが接着される。次いで、半導体素子20と基材30を、ボンディングワイヤ40を用いて電気的に接続する。次いで、半導体素子20を封止樹脂50により封止する。これにより半導体装置を製造することができる。
【0079】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、実施形態の例を付記する。
1. バインダー樹脂と、
導電性金属粉と、
アルキルアセタール化ポリビニルアルコールと、
希釈剤と、
を含む電子部品接着用の導電性ペースト。
2. 前記バインダー樹脂が、熱硬化性エポキシ樹脂を含む、1.に記載の導電性ペースト。
3.
硬化剤をさらに含む、1.または2.に記載の導電性ペースト。
4. 前記希釈剤が、グリコールモノマー、アクリルモノマー、エポキシモノマー、およびマレイミドモノマーから選択される少なくとも1つを含む、1.~3.のいずれかに記載の導電性ペースト。
5. 前記導電性金属粉が、銀粉、金粉、白金粉、パラジウム粉、銅粉、およびニッケル粉、ならびにそれらの合金から選択される少なくとも1つを含む、1.~4.のいずれかに記載の導電性ペースト。
6. 前記導電性金属粉が、当該導電性ペースト全体に対して30質量%以上80質量%以下の量である、1.~5.に記載の導電性ペースト。
7. 前記アルキルアセタール化ポリビニルアルコールが、当該導電性ペースト全体に対して、0.5質量%以上1.5質量%以下の量である、1.~6.のいずれかに記載の導電性ペースト。
8. 前記アルキルアセタール化ポリビニルアルコールが、前記希釈剤に対して、5質量%以上20質量%以下の量である、1.~7.のいずれかに記載の導電性ペースト。
9. 基材と、
前記基材状に接着層を介して搭載された半導体素子と、を備え、
前記接着層は、1.~8.のいずれかに記載の導電性ペーストの硬化物からなる、半導体装置。
【実施例
【0080】
以下、本発明を実施例、参考例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0081】
実施例、参考例および比較例で用いた成分を以下に示す。
(バインダー樹脂)
-エポキシ樹脂1:ビスフェノール-F-ジグリシジルエーテル(日本化薬社製、RE-303SL、エポキシ当量160g/eq)
(希釈剤)
-エポキシモノマー1:m-グリシジルエーテルとp-グリシジルエーテルとの混合物(阪本薬品工業社製、m,p-CGE、Mw=165、エポキシ当量165g/eq)
(アルキルアセタール化ポリビニルアルコール)
-ポリビニルブチラール樹脂1:積水化学工業社製、エスレックBH-3(10%ブチルカルビトール溶液として使用)
(カップリング剤)
-カップリング剤1:3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM-403E)
(硬化剤)
-硬化剤1:フェノールノボラック樹脂(水酸基当量105、住友ベークライト株式会社製、PR-51470)
-硬化剤2:ジシアンアミド(ADEKA社製、EH-3636AS)
(硬化促進剤)
-硬化促進剤1:テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート(北興化学工業社製、TPP-K)
(溶剤)
-溶剤1:トリプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル溶剤名(日本乳化剤株式会社、BFTG)
(導電性金属粉)
-銀粉1:フレーク状銀粉(平均粒径:5.0μm、徳力化学株式会社製、TKR-4A)
(シリカ)
-シリカ1:球状シリカ(トクヤマ社製、UF-320)
【0082】
参考例1~3、実施例~5、比較例1)
<ペースト状接着剤組成物の作製>
まず表1の「ワニス組成」に記載の配合量の成分を、常温で、3本ロールミルで混練することにより、ワニス状混合物を作製した。次いで、得られたワニス状混合物を、表1の「ペースト組成」に記載の配合量で用い、銀粉およびシリカを混合し、常温で、3本ロールミルで混練することにより、ペースト状の組成物(導電性ペースト)を得た。
【0083】
各実施例、各参考例及び各比較例の導電性ペーストを、以下の項目について評価した。
<導電性ペースト打点後のブリードの有無>
各実施例、参考例および比較例の導電性ペーストを、アルゴン処理(200w、180sec)によって活性化させた銀製リードフレーム上に塗布し、塗布した瞬間のペーストの濡れ拡がりを金属顕微鏡(U-PMTVC、OLYNPUS製)を用いて観察した。
ペーストは塗布した直後に濡れ広がり円形となり、これを金属顕微鏡で観察すると光が透過しない円形物として見える。この光が透過していない円形物の直径をA0とした。ペーストを塗布して1時間経過した後、塗布直後から濡れ広がったペーストは、金属顕微鏡で光が半透過した円形物として見える。この光が半透過した円形物の直径をA1とした。A1がA0より大きいほど、ペーストの濡れ広がり(ブリード)が生じていることを意味する。
結果を、A1/A0が1であれば「〇」、A1/A0が1より大きく1.1以下であれば「△」、A1/A0が1.1より大きければ「×」として表1に示す。
【0084】
<接着強度>
銀製リードフレーム上に、上述で得た導電性ペーストを塗布し、次いで、長さ2.0mm×幅2.0mm×厚さ350±5μmの銀メッキされたシリコンチップをこの導電性ペースト上に配置して、25℃から150℃まで30分間かけて昇温し、さらに150℃で2時間熱処理することで硬化体を得、これを試験片とした。この試験片について、銀製リードフレームと、シリコンチップとの150℃におけるダイシェア強度を測定した。結果を表1に示す。ダイシェア強度が52.0N/(2mm×2mm)以上であれば、半導体装置を作製した場合に、半導体装置の動作信頼性を確保するのに十分であるとみなすことができる。
【0085】
【表1】
【0086】
実施例の導電性ペーストは、ブリードの発生がほとんどまたは全く無く、またリードフレームとシリコンチップとの接着に用いた場合、優れた接着強度を示すものであった。
【符号の説明】
【0087】
100 半導体装置
10 接着剤層
20 半導体素子
30 基材
32 ダイパッド
34 アウターリード
40 ボンディングワイヤ
50 封止樹脂
52 半田ボール
図1
図2