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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】表示装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0483 20130101AFI20231205BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20231205BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231205BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231205BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20231205BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
G06F3/0483
G09G5/00 530T
G09G5/00 550C
G09G5/00 550B
G09G5/00 510H
G09G5/00 550D
G09F9/00 351
G09F9/00 366G
G09F9/00 366A
H04N1/00 350
B41J29/00 T
B41J29/42 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019218771
(22)【出願日】2019-12-03
(65)【公開番号】P2021089513
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】辻 拓也
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-020556(JP,A)
【文献】特開平10-161619(JP,A)
【文献】特開2009-086403(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0026381(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0483
G09G 5/00
G09G 5/36
G09F 9/00
H04N 1/00
B41J 29/00
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示部と第2表示部とを有し、前記第1表示部と前記第2表示部との境界部分で折り曲げ可能な表示部と、
表示順序が設定された複数のページから構成される画像データの前記ページを、前記表示順序に従って前記表示部に表示させる制御部と、
前記表示部が折り畳まれているか、又は開けられているかを判定する状態判定部と、を備え、
前記制御部は、前記ページが前記表示部に表示されているときに、前記状態判定部により前記表示部が折り畳まれたと判定され、その後、前記状態判定部により前記表示部が開けられたと判定されると、前記表示部が折り畳まれてから開けられるまでの経過時間に応じて、当該経過時間が長くなるほど多くなるページ送り量を算出し、当該算出したページ送り量に基づいて、前記表示順序に従って、前記表示部に表示される前記ページを切り替える表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像データを構成するページ全体のページ数に基づいて、前記ページ数が多くなるほど前記ページ送り量を多くして前記ページ送り量を算出する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
ユーザーによる操作を受け付ける操作受付部を更に備え、
前記制御部は、前記表示部が折り畳まれる前に、前記操作受付部が最後に受け付けた予め定められた操作に基づいて、前記表示部が開けられたときに、前記ページを前記表示順序の順方向に進めるのか、又は前記順方向とは逆方向に進めるのかを決定し、当該決定した方向に、前記表示部に表示される前記ページを切り替える請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、タッチパネルを有し、
前記予め定められた操作は、前記表示部に触れた指先をスライドさせる操作であり、
前記制御部は、指先をスライドさせた方向に従って、前記表示部が開けられたときに、前記ページを前記順方向に進めるのか、又は前記逆方向に進めるのかを決定する請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
記状態判定部は、更に、前記第1表示部が前記第2表示部よりも上の状態で閉じられたのか、又は前記第2表示部が前記第1表示部よりも上の状態で閉じられたのか、を判定し、
前記制御部は、前記状態判定部により判定された閉じ方に基づいて、前記表示部が開けられたときに、前記ページを前記表示順序の順方向に進めるのか、又は前記順方向とは逆方向に進めるのかを決定し、当該決定した方向に、前記表示部に表示される前記ページを切り替える請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示部は、前記表示部が閉じられた状態でもユーザーが視聴可能となる位置に側面表示部を更に備え、
前記制御部は、前記ページが前記表示部に表示されているときに、前記状態判定部により前記表示部が折り畳まれたと判定されると、前記表示部に表示されていた前記ページが、前記画像データを構成するページ全体におけるいずれの部分であるのかを示すスクロールボックスを有するスクロールバーを前記側面表示部に表示させ、
更に、前記表示部が折り畳まれてからの経過時間に応じた前記ページ送り量を算出し、当該算出したページ送り量に基づいて、前記スクロールボックスの表示位置を前記スクロールバー内で移動させる請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記表示部が折り畳まれてから開けられるまでの経過時間が予め定められた時間以上になった場合には、前記表示部が開けられたときに、前記ページではなく、予め定められた初期画面を前記表示部に表示させる請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の表示装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の表示装置と、
複数のページの原稿を順番に読み取ることが可能な原稿読取部と、
前記原稿読取部による読み取りで得られた前記原稿の画像データに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記原稿読取部による読み取りで得られた前記原稿の画像データ、又は、前記画像データに基づく画像形成を行った場合のプレビュー画像を前記表示部に表示させる表示制御部と、
更に、前記表示制御部は、前記画像データが複数のページから構成されている場合、前記原稿読取部により読み取られた順番を前記表示順序として、当該表示順序に従って、前記プレビュー画像を前記表示部に表示させる画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のページを順番に表示する表示装置及びこれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子書籍のような、複数のページをユーザーの指示に従って順番に表示する機能を有したモバイル端末等が実用化されている(例えば、下記の特許文献1,2を参照)。また、昨今では、折り畳みが可能な表示装置を採用したモバイル端末等の商品化が始まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-158638号公報
【文献】特開2012-079315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1,2には、表示装置へのタッチ操作に基づいて、表示装置に表示されるページを先に進めたり、前に戻したりすることが記載されているが、1ページずつしかページを切り替えられず、操作性及び効率の更なる向上が望まれる。
【0005】
また、折り畳みが可能な表示装置には、一旦、折り畳まれると、次に開けられたときには、表示を初期画面に戻すという機能がある。しかしながら、一律に表示が初期画面に戻されると、ユーザーにとって使い勝手が悪くなるおそれがある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、ユーザーによる折り畳む操作に応じて効率良くページ表示を切り替えることを可能にして操作性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る表示装置は、折り畳みが可能な表示部と、表示順序が設定された複数のページから構成される画像データの前記ページを、前記表示順序に従って前記表示部に表示させる制御部と、前記表示部が折り畳まれているか、又は開けられているかを判定する状態判定部と、を備え、前記制御部は、前記ページが前記表示部に表示されているときに、前記状態判定部により前記表示部が折り畳まれたと判定され、その後、前記状態判定部により前記表示部が開けられたと判定されると、前記表示部が折り畳まれてから開けられるまでの経過時間に応じて、当該経過時間が長くなるほど多くなるページ送り量を算出し、当該算出したページ送り量に基づいて、前記表示順序に従って、前記表示部に表示される前記ページを切り替える。
【0008】
また、本発明の一局面に係る画像形成装置は、上記表示装置と、複数のページの原稿を順番に読み取ることが可能な原稿読取部と、前記原稿読取部による読み取りで得られた前記原稿の画像データに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記原稿読取部による読み取りで得られた前記原稿の画像データ、又は、前記画像データに基づく画像形成を行った場合のプレビュー画像を前記表示部に表示させる表示制御部と、更に、前記表示制御部は、前記画像データが複数のページから構成されている場合、前記原稿読取部により読み取られた順番を前記表示順序として、当該表示順序に従って、前記プレビュー画像を前記表示部に表示させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示部が折り畳まれてから開けられるまでの経過時間を利用して、ページ表示の切り替えが行われるので、効率のよいページ表示の切り替えが可能になる。また、従来のように、1ページずつページを切り替える操作をユーザーが行わなくても、ページが切り替えられるので、操作性の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図2】第1実施形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
図3】操作パネルの一例を概略的に示す斜視図であり、(A)はフラットな状態を示し、(B)は折り曲げられた状態を示し、(C)は折り畳まれた状態を示している。
図4】複数のページから構成される画像データが示すプレビュー画像の一例を示す図である。
図5】(A)乃至(C)は、表示部に表示される操作画面の一例を示す図である。
図6】第1実施形態に係る操作パネルの主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図7】操作パネルの表示制御の第1実施形態の一例を示すフローチャートである。
図8】操作パネルの一例を概略的に示す斜視図である。
図9】(A)及び(B)は、側面表示部に表示される表示の一例を示す図である。
図10】操作パネルの表示制御の第2実施形態の一例を示すフローチャートである。
図11】(A)及び(B)は、表示部の閉じ方を説明する図である。
図12】第2実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図13】第2実施形態に係る操作パネルの主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図14】(A)乃至(C)は、表示部に表示される操作画面の一例を示す図である。
図15】第2実施形態に係る画像形成装置における操作パネルの表示制御の一例を示すフローチャートである。
図16】(A)乃至(C)は、表示部に表示される操作画面の一例を示す図である。
図17】(A)乃至(C)は、表示部に表示される操作画面の一例を示す図である。
図18】表示部に表示される操作画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る表示装置及び画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。図2は、第1実施形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。図3は、操作パネル2の一例を概略的に示す斜視図であり、(A)はフラットな状態を示し、(B)は折り曲げられた状態を示し、(C)は折り畳まれた状態を示している。
【0012】
画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機であり、装置本体11に、制御ユニット10、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、定着部13、給紙部14、通信部91、及び操作パネル2を含んで構成されている。
【0013】
原稿給送部6は、複数のページの原稿を原稿読取部5へ順番に送り出すADF(Auto Document Feeder)であり、原稿読取部5の上面に図略のヒンジ等によって開閉可能に構成される。また、原稿給送部6は、図略のプラテンガラス上に載置された原稿を読み取る場合に原稿押さえカバーとして機能する。原稿読取部5は、原稿給送部6から送られてくる複数のページの原稿を順番に読み取ることが可能である。
【0014】
画像形成装置1で原稿読取動作が行われる場合について説明する。原稿給送部6により原稿読取部5へ供給された原稿、又は上記プラテンガラス上に載置された原稿の画像を、原稿読取部5が光学的に読み取り、そして画像データを生成する。原稿読取部5により生成された画像データは、図略の画像メモリー等に保存される。
【0015】
画像形成装置1で画像形成動作が行われる場合について説明する。原稿読取動作により生成された画像データや、ネットワーク接続された外部装置(例えば、パソコン)から受信した画像データ等に基づいて、画像形成部12が、給紙部14から給紙される記録媒体としての記録紙にトナー像を形成する。
【0016】
定着部13は、画像形成部12によりトナー像が形成された記録紙を加熱及び加圧して、トナー像を記録紙に定着させるものであり、定着処理が施された記録紙は排出トレイ71に排出される。給紙部14は、複数の給紙カセットを備える。
【0017】
操作パネル2は、装置本体11の前面に着脱自在に装備される。操作パネル2は、表示部21を備える。表示部21は、例えば、折り曲げ可能にする可撓性を有するLCD(Liquid Crystal Display)である。表示部21には、タッチパネルが配置され、ユーザーへの操作案内等を表示する。表示部21には、タッチパネルを介して、ユーザーにより表示部21に表示されるボタン等に触れる操作により、画像形成装置1の操作指示が入力される。表示部21は、タッチパネルを介して、画像形成装置1の実行可能な各種動作及び処理について、ユーザーからの指示を受け付ける。
【0018】
図3(A)(B)(C)に示すように、表示部21は、並列に配置された第1表示部211及び第2表示部212を有する。第2表示部212は、第1表示部211以外の表示部21の部分である。第1表示部211及び第2表示部212は図略のヒンジ等で接続され、第1表示部211と第2表示部212との境界部分で、折り曲げ可能になっている。
【0019】
なお、操作パネル2には、モーションセンサー22(図6)が内蔵されている。モーションセンサー22は、第1表示部211と第2表示部212との成す角度θ1を検出する。モーションセンサー22は、例えば、上記ヒンジに設けられた回転角度センサーであり、第1表示部211と第2表示部212との成す角度θ1を検出して、検出した角度θ1を制御部200(図6)に出力する。
【0020】
通信部91は、有線インターフェイス及び無線インターフェイスを有する。画像形成装置1の制御ユニット10は、操作パネル2が装置本体11に取り付けられているときには、有線インターフェイスによって、操作パネル2と双方向通信を行い、操作パネル2が装置本体11から取り外されているときには、無線インターフェイス(例えばBluetooth(登録商標)等)によって、操作パネル2と双方向通信を行う。
【0021】
制御ユニット10は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット10は、制御部100と、表示制御部101と、を備えている。
【0022】
制御ユニット10は、図略のHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等に記憶されている制御プログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部100及び表示制御部101として機能するものである。但し、制御部100等は、制御ユニット10による制御プログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0023】
制御部100は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。制御部100は、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、定着部13、給紙部14、通信部91、及び操作パネル2と接続され、これら各部の駆動制御等を行う。例えば、制御部100は、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿の画像データに基づいて、画像形成部12等の動作を制御して、記録媒体に画像を形成する。
【0024】
表示制御部101は、操作パネル2の表示を制御するための処理を行う。例えば、表示制御部101は、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿の画像データ、又は、当該読み取られた画像データ等に基づく画像形成を行った場合のプレビュー画像を示す画像データを、操作パネル2に、通信部91を介して送信することによって、当該操作パネル2の表示部21に当該プレビュー画像を表示させる。
【0025】
また、表示制御部101は、プレビュー画像を示す画像データが複数のページから構成されている場合、原稿読取部5により読み取られた順番を表示順序として、当該表示順序を示す情報を付加して、上記画像データを操作パネル2に送信する。これにより、操作パネル2は、制御部200(図6)による制御で、当該表示順序に従って、上記画像データが示すプレビュー画像を表示部21に表示させることが可能になる。
【0026】
図4は、複数のページから構成される画像データが示すプレビュー画像の一例を示す図である。図中P1乃至P3はそれぞれ、1ページ目乃至3ページ目のプレビュー画像を示し、図中PNは最終ページであるNページ目のプレビュー画像を示している。
【0027】
図5(A)乃至(C)は、制御部200による制御で操作パネル2の表示部21に表示される操作画面の一例を示す図である。図5(A)は、1ページ目のプレビュー画像P1が表示された操作画面G1を示し、図5(B)は、2ページ目のプレビュー画像P2が表示された操作画面G2を示し、図5(C)は、Nページ目のプレビュー画像PNが表示された操作画面GNを示している。
【0028】
図5(B)に示した操作画面G2には、プレビュー画像を表示順序の順方向に進めるページ送り指示を受け付けるための第1指示ボタンB1が表示されると共に、プレビュー画像を当該順方向とは逆方向に進めるページ戻し指示を受け付けるための第2指示ボタンB2が表示される。
【0029】
図5(A)に示した操作画面G1に表示されているプレビュー画像は1ページ目であるので、操作画面G1には、第1指示ボタンB1は表示されるが、第2指示ボタンB2は表示されない。
【0030】
図5(C)に示した操作画面GNに表示されているプレビュー画像は最終ページであるので、操作画面GNには、第2指示ボタンB2は表示されるが、第1指示ボタンB1は表示されない。
【0031】
図6は、第1実施形態に係る操作パネル2の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。操作パネル2は、制御ユニット20と、表示部21と、通信部23と、を備える。
【0032】
操作パネル2は、上述したように、折り曲げ可能な可撓性を有する表示部21を備えると共に、表示部21にはタッチパネルが配置され、操作部としての役割を果たす。また、操作パネル2には、モーションセンサー22が内蔵され、第1表示部211(図3)と第2表示部212(図3)との成す角度θ1を検出することができるようになっている。
【0033】
通信部23は、画像形成装置1の装置本体11側の通信部91と同様に、有線インターフェイス及び無線インターフェイスを有する。操作パネル2の制御ユニット20は、操作パネル2が装置本体11に取り付けられているときには、有線インターフェイスによって、画像形成装置1の装置本体11と双方向通信を行い、操作パネル2が装置本体11から取り外されているときには、無線インターフェイスによって、画像形成装置1の装置本体11と双方向通信を行う。
【0034】
制御ユニット20は、プロセッサー、RAM、フラッシュメモリー、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えばCPU、ASIC、又はMPU等である。制御ユニット20は、制御部200と、操作受付部201と、状態判定部202と、を備えている。
【0035】
制御ユニット20は、内部ストレージとしてのフラッシュメモリーに記憶されている制御プログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部200、操作受付部201、及び状態判定部202として機能するものである。
【0036】
制御部200は、操作パネル2の全体的な動作制御を司る。制御部200は、表示部21及び通信部23と接続され、これら各部の駆動制御等を行う。例えば、制御部200は、画像形成装置1の装置本体11から送信され、通信部23を介して受信した画像データに基づいて、当該画像データが示す画像を表示部21に表示させる。
【0037】
制御部200は、図4に示したような、表示順序が設定された、複数のページから構成される画像データが示すプレビュー画像については、当該表示順序に従って、図5(A)乃至(C)に示したように、表示部21に表示させる。
【0038】
操作受付部201は、ユーザーからの操作入力を受け付ける。操作受付部201は、操作パネル2の表示部21に表示されている操作画面に対するユーザー操作(タッチ操作)に基づく指示を、表示部21が有するタッチパネル機能により受け付ける。
【0039】
例えば、図5(B)に示したような操作画面G2が表示部21に表示されているときに、操作受付部201が第1指示ボタンB1に対するタッチ操作に基づいてページ送り指示を受け付けると、制御部200は、表示部21に表示されるプレビュー画像を、プレビュー画像P2からプレビュー画像P3に切り替える。
【0040】
状態判定部202は、表示部21が折り畳まれているか、又は開けられているかを判定する。状態判定部202は、モーションセンサー22から出力されてくる検出内容に基づいて、第1表示部211と第2表示部212との成す角度θ1が、予め定められた範囲R1内(例えば、0度乃至5度)内であるか、又は範囲R1外であるかを判定する。すなわち、状態判定部102は、角度θ1が範囲R1内であるとき、表示部21は折り畳まれた状態であると判定し、角度θ1が範囲R1外であるとき、表示部21は折り畳まれた状態でない(開けられている)と判定する。
【0041】
次に、操作パネル2の表示制御の第1実施形態を、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、この表示制御が実行されるのは、複数のページから構成される画像データのプレビュー画像が表示部21に表示されているときに、状態判定部202が、表示部21が折り畳まれたと判定した場合である。
【0042】
まず、制御部200は、制御ユニット20に内蔵されるタイマーを0にリセットして起動させ、表示部21が折り畳まれてからの経過時間Tを計測する(S1)。
【0043】
制御部200は、状態判定部202により「表示部21が開けられた」と判定されたか否かを判断する(S2)。制御部200は、状態判定部202により「表示部21が開けられた」と判定されたと判断した場合(S2でYES)、経過時間Tが予め定められた時間T1(例えば、100秒)以上であるか否かを判断する(S3)。一方、制御部200が、状態判定部202により「表示部21が開けられた」と判定されてない、と判断した場合(S2でNO)、処理はS2に戻る。
【0044】
制御部200は、経過時間Tが時間T1以上であると判断した場合(S3でYES)、表示部21が折り畳まれてから長時間が経過したことになるので、プレビュー画像ではなく、予め定められた初期画面を表示部21に表示させる(S4)。この後、処理は終了する。
【0045】
一方、制御部200は、経過時間Tが時間T1以上でないと判断した場合(S3でNO)、表示部21が折り畳まれる前に、操作受付部201が、ユーザーによる予め定められた操作(例えば、フリック等の表示部21に触れた指先をスライドさせる操作)を受け付けていたか否かを判断する(S5)。ここでは、制御部200は、表示部21が折り畳まれる前に「フリック」が行われていたか否かを判断するものとする。
【0046】
制御部200は、表示部21が折り畳まれる前に、操作受付部201がフリックを受け付けていたと判断した場合(S5でYES)、経過時間Tに応じて、当該経過時間Tが長くなるほど多い値とするページ送り量A1を算出する(S6)。例えば、制御部200は、ページ送り量A1=経過時間T×時間当たりのページ数(例えば、1ページ/秒)の数式1を用いて、ページ送り量A1を算出する。
【0047】
なお、別の実施形態として、制御部200は、画像データを構成するページ全体のページ数に基づいて、当該ページ数が多くなるほどページ送り量A1を多くして、当該ページ送り量A1を算出するようにしてもよい。例えば、制御部200は、ページ全体のページ数が50ページ以下である場合、上記数式1の「時間当たりのページ数」を「1ページ/秒」に設定し、ページ全体のページ数が51ページ以上100ページ以下である場合、上記数式1の「時間当たりのページ数」を「1ページ/0.5秒」に設定し、ページ全体のページ数が101ページ以上である場合、上記数式1の「時間当たりのページ数」を「1ページ/0.2秒」に設定する。
【0048】
続いて、制御部200は、表示部21が折り畳まれる前に、最後に行われたフリックが左フリック(左に払うフリック。ページを上記表示順序の順方向に進める指示を入力するための操作の一例として示す)であるか否かを判断する(S7)。制御部200は、最後に行われたフリックが左フリックであると判断した場合(S7でYES)、ページ送り量A1に基づいて、表示部21に表示されるページを上記表示順序の順方向に進めることによって、表示されるページの切り替えを行う(S8)。この後、処理は終了する。
【0049】
例えば、2ページ目のプレビュー画像が表示部21に表示されているときに、左フリックが行われ、その後、表示部21が折り畳まれ、10秒経過してから、表示部21が開けられると、制御部200は、12ページ目のプレビュー画像を表示部21に表示させる。すなわち、ページが順方向に10ページ進められる。これにより、ユーザーは予め定められた操作(ここでは、左フリック)を行い、表示部21を折り畳み、そして、開放することで、表示部21に表示されるページを先に進めることができることになる。なお、ページ送り量A1が多過ぎて、計算上、最終ページを超える場合、制御部200は、最終ページのプレビュー画像を表示部21に表示させる。
【0050】
一方、制御部200は、最後に行われたフリックが左フリックでない(例えば、右フリックである)と判断した場合(S7でNO)、ページ送り量A1に基づいて、表示部21に表示されるページを上記順方向とは逆方向に進めることによって、表示されるページの切り替えを行う(S9)。この後、処理は終了する。
【0051】
例えば、15ページ目のプレビュー画像が表示部21に表示されているときに、右フリックが行われ、その後、表示部21が折り畳まれ、8秒経過してから、表示部21が開けられると、制御部200は、7ページ目のプレビュー画像を表示部21に表示させる。すなわち、ページが順方向とは逆方向に8ページ進められる。これにより、ユーザーは予め定められた操作(ここでは、左フリック以外のフリック)を行い、表示部21を折り畳み、そして、開放することで、表示部21に表示されるページを前に戻すことができる。なお、ページ送り量A1が多過ぎて、計算上、1ページ目を割る場合、制御部200は、1ページ目のプレビュー画像を表示部21に表示させる。
【0052】
S5において、制御部200は、表示部21が折り畳まれる前に、操作受付部201がフリックを受け付けていないと判断した場合(S5でNO)、表示部21が折り畳まれる前に表示されていたページを、表示部21に表示させる(S10)。この後、処理は終了する。
【0053】
上記第1実施形態によれば、表示部21が折り畳まれてから開けられるまでの経過時間Tを利用して、ページ表示の切り替えが行われるので、効率のよいページ表示の切り替えが可能になる。また、従来のように、1ページずつページを切り替える操作をユーザーが行わなくても、ページが切り替えられるので、操作性の向上が図られる。また、本のように、操作パネルを閉じて開けると、違うページが表示されるので、ユーザーに与える興趣性が高められる。
【0054】
なお、別の実施形態として、図8に示すように、操作パネル2が、表示部21の側面位置に、表示部21が閉じられた状態でもユーザーが視聴可能となる側面表示部24を備える形態を示す。図9(A)(B)は、表示部21が折り畳まれた状態で側面表示部24方向(側面方向)から操作パネル2を視認した状態を示す図である。
【0055】
制御部200は、表示部21が折り畳まれているときに、図9(A)に示すように、表示部21に表示されていたページが、上記ページ全体におけるいずれの部分であるのかを示すスクロールボックスBXを有するスクロールバーBARを側面表示部24に表示させる。
【0056】
更に、制御部200は、表示部21が折り畳まれてからの経過時間Tに応じたページ送り量A1を算出し、図9(B)に示すように、スクロールボックスBXの表示位置を、スクロールバーBAR内における、当該算出したページ送り量A1に応じた位置とする。これにより、表示部21が折り畳まれた状態でも、ページの切り替わる状況をユーザーが把握することが可能になる。
【0057】
次に、操作パネル2の表示制御の第2実施形態を、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。但し、S1乃至S4は、図7に示したフローチャートと同様の処理であるので、説明を省略する。
【0058】
S3において、制御部200は、経過時間Tが時間T1以上でないと判断した場合(S3でNO)、表示部21が折り畳まれる前に、操作受付部201がページを順方向に進めるための第1指示操作による指示又はページを逆方向に進めるための第2指示操作による指示を受け付けていたか否かを判断する(S15)。すなわち、制御部200は、表示部21が折り畳まれる前に「ページ切替操作」が行われていたか否かを判断する。
【0059】
第1指示操作は、例えば、図5に示した第1指示ボタンB1に対するタップ、或いは、表示部21に対する左スワイプである。スワイプは、表示部21に触れた指を滑らせる動作であり、左スワイプは、表示部21に触れた指を左方向に滑らせる動作である。第2指示操作は、例えば、図5に示した第2指示ボタンB2に対するタップ、或いは、表示部21に対する左スワイプ以外のスワイプである。
【0060】
制御部200は、表示部21が折り畳まれる前に、操作受付部201が「ページ切替操作」を受け付けていたと判断した場合(S15でYES)、経過時間Tに応じて、当該経過時間Tが長くなるほど多くするページ送り量A1を算出する(S16)。
【0061】
続いて、制御部200は、第1指示操作及び第2指示操作のうち、表示部21が折り畳まれる前に、最後に行われたのが第1指示操作(順方向への操作)であるか否かを判断する(S17)。制御部200は、最後に行われたのが第1指示操作(順方向への操作)であると判断した場合(S17でYES)、ページ送り量A1に基づいて、表示部21に表示されるページを順方向に進めることによって、表示されるページの切り替えを行う(S18)。この後、処理は終了する。
【0062】
一方、制御部200は、最後に行われたのが第1指示操作(順方向への操作)でなく、第2指示操作(逆方向への操作)であると判断した場合(S17でNO)、ページ送り量A1に基づいて、表示部21に表示されるページを逆方向に進めることによって、表示されるページの切り替えを行う(S19)。この後、処理は終了する。
【0063】
S15において、制御部200は、表示部21が折り畳まれる前に、操作受付部201が「ページ切替操作」を受け付けていないと判断した場合(S15でNO)、表示部21が折り畳まれる前に表示されていたページを、表示部21に表示させる(S20)。この後、処理は終了する。
【0064】
上記第2実施形態によれば、「ページ切替操作」を利用して、表示部21が開けられたときのページを進める方向が決定される。従って、上記第1実施形態と異なり、上記方向を決定させるための特別なユーザー操作(上記第1実施形態では、フリック)を必要としないので、更なる操作性の向上が図られる。
【0065】
また、表示部21が折り畳まれる前に、第1指示操作が行われた場合、ユーザーがページを先に進めることを希望している可能性が高く、第2指示操作が行われた場合、ユーザーがページを前に戻すことを希望している可能性が高いと言える。従って、ユーザーが希望する可能性の高い方向にページを切り替えることができる。
【0066】
次に、操作パネル2の表示制御の第3実施形態を説明する。第3実施形態では、操作パネル2において、状態判定部202が、第1表示部211が第2表示部212よりも上の状態で閉じられたのか、又は第2表示部212が第1表示部211よりも上の状態で閉じられたのか、を判定する。制御部200は、状態判定部202により判定された閉じ方に基づいて、表示部21が開けられたときに、ページを順方向に進めるのか、又は逆方向に進めるのかを決定する。
【0067】
例えば、図11(A)に示すように、第1表示部211が第2表示部212よりも上の状態で閉じられた場合、制御部200は、表示部21が開けられたときに、ページを表示順序の順方向に進め、図11(B)に示すように、第2表示部212が第1表示部211よりも上の状態で閉じられた場合、制御部200は、表示部21が開けられたときに、ページを上記順方向とは逆方向に進める。これにより、表示部21の閉じ方で、表示部21が開けられたときのページを進める方向が決定されるので、上記方向を決定させるためのユーザー操作を不要にすることができる。
【0068】
図12は、第2実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。第2実施形態では、四辺(上長辺311、下長辺312、右短辺313、及び左短辺314)を有する矩形状の表示部31を備える操作パネル3は、画像形成装置1の装置本体11(図2)の前面に着脱自在に装備されるが、表示部31が折り曲げ可能でなくてよい点で、第2実施形態に係る画像形成装置は、上記第1に係る画像形成装置と相違する。
【0069】
図13は、第2実施形態に係る画像形成装置の操作パネル3の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。操作パネル3は、制御ユニット30と、表示部31と、通信部33と、を備える。
【0070】
操作パネル3は、上述したように、表示部31を備えると共に、表示部31にはタッチパネルが配置され、操作部としての役割を果たす。また、操作パネル3には、ジャイロセンサー32が内蔵され、表示部31の傾斜角度θ2及び傾斜方向を検出することができるようになっている。ジャイロセンサー32は、表示部31におけるX軸、Y軸、Z軸の3方向についての加速度を検出し、3方向の加速度を示すそれぞれの検出信号を出力する。
【0071】
通信部33は、画像形成装置1の装置本体11側の通信部91と同様に、有線インターフェイス及び無線インターフェイスを有する。操作パネル3の制御ユニット30は、操作パネル3が装置本体11に取り付けられているときには、有線インターフェイスによって、画像形成装置1の装置本体11と双方向通信を行い、操作パネル3が装置本体11から取り外されているときには、無線インターフェイス(例えば、Bluetooth(登録商標)通信等)によって、画像形成装置1の装置本体11と双方向通信を行う。
【0072】
制御ユニット30は、プロセッサー、RAM、フラッシュメモリー、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えばCPU、ASIC、又はMPU等である。制御ユニット30は、制御部300と、操作受付部301と、傾斜検出部302と、を備えている。
【0073】
制御ユニット30は、内部ストレージとしてのフラッシュメモリーに記憶されている制御プログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部300、操作受付部301、及び傾斜検出部302として機能する。
【0074】
制御部300は、操作パネル3の全体的な動作制御を司る。制御部300は、表示部31及び通信部33と接続され、これら各部の駆動制御等を行う。例えば、制御部300は、画像形成装置1の装置本体11から送信され、通信部33を介して受信した画像データに基づいて、当該画像データが示す画像を表示部31に表示させる。
【0075】
制御部300は、図4に示したような、表示順序が設定された、複数のページから構成される画像データが示すプレビュー画像については、当該表示順序に従って、例えば、図14(A)乃至(C)に示すように、表示部31に表示させる。
【0076】
操作受付部301は、ユーザーによる各操作に基づく指示の入力を受け付ける。操作受付部301は、操作パネル3の表示部31に表示されている操作画面に対するユーザー操作(タッチ操作)に基づく指示を、表示部31が有するタッチパネル機能により受け付ける。
【0077】
例えば、図14(B)に示すように、プレビュー画像P2が表示されているときに、操作受付部301が左スワイプを受け付けると、制御部300は、表示部31に表示されるプレビュー画像を、プレビュー画像P2からプレビュー画像P3に切り替えることによって、ページを1ページ先に進める。また、操作受付部301が右スワイプを受け付けると、制御部300は、表示部31に表示されるプレビュー画像を、プレビュー画像P2からプレビュー画像P1に切り替えることによって、ページを1ページ前に戻す。
【0078】
傾斜検出部302は、表示部31の傾斜角度θ2を検出する。傾斜検出部302は、ジャイロセンサー32から出力されてくる検出信号に基づいて、表示部31の傾斜角度θ2を検出すると共に、予め定められた一辺(例えば、右短辺313)を上にして傾斜しているのか、又は上記予め定められた一辺(右短辺313)を下にして傾斜しているのか、を検出する。
【0079】
また、傾斜検出部302は、表示部31が傾いているか否かを判定する。傾斜検出部302は、ジャイロセンサー32から出力されてくる検出内容に基づいて、傾斜角度θ2が、予め定められた範囲R2内(例えば、0度乃至10度)内であるか、又は範囲R2外であるかを判定する。すなわち、傾斜検出部302は、傾斜角度θ2が範囲R2内であるとき、表示部31は傾いていないと判定し、傾斜角度θ2が範囲R2外であるとき、表示部31は傾いていると判定する。
【0080】
次に、第2実施形態に係る画像形成装置1における操作パネル2の表示制御を、図15に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理が実行されるのは、複数のページから構成される画像データのプレビュー画像が表示部31に表示されているときに、傾斜検出部302が、表示部31が傾いていると判定した場合である。
【0081】
まず、制御部300は、傾斜検出部302により検出された表示部31の傾斜が右短辺313を上にした傾斜であるか否かを判断する(S21)。
【0082】
制御部300は、表示部31の傾斜が右短辺313を上にした傾斜であると判断した場合(S21でYES)、傾斜検出部302により検出された傾斜角度θ2に応じて、当該傾斜角度θ2が大きくなるほど速くするページ送り速度Vを算出する(S22)。
【0083】
例えば、制御部300は、ページ送り速度V=傾斜角度θ2×角度当たりのページ送り速度(例えば、2ページ/秒・40度)の数式2を用いて、ページ送り速度Vを算出する。傾斜角度θ2が20度である場合、ページ送り速度Vは1ページ/秒となり、傾斜角度θ2が40度である場合、ページ送り速度Vは2ページ/秒となり、傾斜角度θ2が80度である場合、ページ送り速度Vは4ページ/秒となる。
【0084】
なお、別の実施形態として、制御部300は、画像データを構成するページ全体のページ数に基づいて、当該ページ数が多くなるほどページ送り速度Vが速くなるように、当該ページ送り速度Vを算出するようにしてもよい。例えば、制御部300は、ページ全体のページ数が50ページ以下である場合、上記数式2の「角度当たりのページ送り速度」を「2ページ/秒・40度」に設定し、ページ全体のページ数が51ページ以上100ページ以下である場合、上記数式2の「角度当たりのページ送り速度」を「4ページ/秒・40度」に設定し、ページ全体のページ数が101ページ以上である場合、上記数式2の「角度当たりのページ送り速度」を「10ページ/秒・40度」に設定する。
【0085】
続いて、制御部300は、算出したページ送り速度Vに基づいて、表示部31に表示されるページを上記表示順序の順方向に進める(S23)。
【0086】
例えば、制御部300は、図16(A)乃至(C)に示すように、表示部31に表示中のページを、傾斜検出部302により検出された傾斜方向において高い側(右短辺313)から低い側(左短辺314)に向かって移動しながら消えていくように表示させると共に、このようにページを消去させることによって空いた領域に、次の表示順序となるページを、上記傾斜方向において高い側(右短辺313)から低い側(左短辺314)に向かって移動しながら徐々に現れるように表示させることによって、表示部31に表示されるページを進める。
【0087】
そして、制御部300は、表示部31に表示されるページを順方向に進めたことによって、最終ページに到達したか否かを判断する(S24)。制御部300は、最終ページに到達したと判断した場合(S24でYES)、表示部31に表示されるページを進めるのを停止する(S25)。この後、処理は終了する。
【0088】
一方、制御部300は、最終ページに到達していないと判断した場合(S24でNO)、傾斜検出部302が「表示部31は傾いている」と判定しているか否かを判断する(S26)。
【0089】
制御部300は、傾斜検出部302が「表示部31は傾いている」と判定していない(すなわち、表示部31は傾いていない)と判断した場合(S26でNO)、表示部31に表示されるページを進めるのを停止する(S25)。この後、処理は終了する。一方、制御部300は、傾斜検出部302が「表示部31は傾いている」と判定している、と判断した場合(S26でYES)、処理はS22に戻る。
【0090】
また、S21において、制御部300は、表示部31の傾斜が右短辺313を上にした傾斜でないと判断した場合(S21でNO)、制御部300は、傾斜検出部302により検出された表示部31の傾斜が右短辺313を下にした傾斜であるか否かを判断する(S27)。
【0091】
制御部300は、表示部31の傾斜が右短辺313を下にした傾斜であると判断した場合(S27でYES)、傾斜検出部302により検出された傾斜角度θ2に応じて、当該傾斜角度θ2が大きくなるほど速くするページ送り速度Vを算出し(S28)、算出したページ送り速度Vに基づいて、表示部31に表示されるページを上記順方向とは逆方向に進める(S29)。
【0092】
例えば、制御部300は、図17(A)乃至(C)に示すように、表示部31に表示中のページを、傾斜検出部302により検出された傾斜方向において高い側(左短辺314)から低い側(右短辺313)に向かって移動しながら消去していくように表示させると共に、ページを消去させることによって空いた領域に、次の表示順序となるページを、上記傾斜方向において高い側(左短辺314)から低い側(右短辺313)に向かって移動しながら徐々に現れるように表示させることによって、表示部31に表示されるページを進める。
【0093】
そして、制御部300は、表示部31に表示されるページを逆方向に進めることによって、1ページ目に到達したか否かを判断する(S30)。制御部300は、1ページ目に到達したと判断した場合(S30でYES)、表示部31に表示されるページを進めるのを停止する(S25)。この後、処理は終了する。
【0094】
一方、制御部300は、1ページ目に到達していないと判断した場合(S30でNO)、傾斜検出部302が「表示部31は傾いている」と判定しているか否かを判断する(S31)。
【0095】
制御部300は、傾斜検出部302が「表示部31は傾いている」と判定していない(すなわち、表示部31は傾いていない)と判断した場合(S31でNO)、表示部31に表示されるページを進めるのを停止する(S25)。この後、処理は終了する。一方、制御部300は、傾斜検出部302が「表示部31は傾いている」と判定している、と判断した場合(S31でYES)、処理はS28に戻る。
【0096】
S27において、制御部300は、表示部31の傾斜が右短辺313を下にした傾斜でないと判断した場合(S27でNO)、表示部31に表示されるページを進める必要が無いので、処理は終了する。
【0097】
この実施形態によれば、表示部31を傾けることで、ページ表示の切り替えが行われるので、効率のよいページ表示の切り替えが可能になる。また、従来のように、1ページずつページを切り替える操作をユーザーが行わなくても、ページが切り替えられるので、操作性の向上が図られる。また、水が上流から下流に向かって流れるようにページが移動して表示部31に表示されるページが切り替えられるので、ユーザーに与える興趣性が高められる。
【0098】
なお、別の実施形態として、図18に示すように、表示部31に2つのページが見開きのように隣接して表示させる場合、操作パネル2の制御部200又は操作パネル3の制御部300が2ページ分毎に上記表示制御を行うようにしてもよい。この場合、操作パネル3の制御部300は、表示部31に表示させるページを進める際に、ページめくりを表現するアニメーション表示を行うようにしてもよい。例えば、右短辺313を上にして、表示部31を傾けた場合、操作パネル3の制御部300は、プレビュー画像P2のページがめくれるアニメーション表示を行い、この後に次の2ページ分の画像を表示させる。これにより、開けた本を実際に傾けたときにページがめくれていく様子を表現することができるため、ユーザーに与える興趣性が高められる。
【0099】
また、更に別の実施形態として、制御部300は、表示部31に表示されるページを進める途中で、予め定められた区切り(例えば、チャプターが指定されているページ)に到達すると、ページを進めるのを停止するようにしてもよい。これにより、ページが進み過ぎるのを防止することが可能になる。
【0100】
また、制御部300は、表示部31に表示されるページを進めることによって、進めたページ数が予め定められたページ数に到達すると、その旨を示す案内画像を表示部31に表示させるようにしてもよい。例えば、制御部300は、ページが10ページ進む毎に、「10ページ」、「20ページ」といった案内画像を割り込ませて表示する。これにより、ユーザーはページの進み具合を容易に把握することができるようになり、ユーザーの望む位置でページの進行を容易に停止させることが可能になる。
【0101】
更にこの実施形態では、制御部300は、傾斜角度θ2に応じて、ページ送り速度Vを算出し、算出したページ送り速度Vに基づいて、表示部31に表示されるページを進める場合について説明しているが、更なる実施形態として、制御部300は、傾斜角度θ2に応じて、ページ送り量A2を算出し、算出したページ送り量A2に基づいて、表示部31に表示されるページを進めるようにしてもよい。
【0102】
例えば、ページ送り量A2=傾斜角度θ2×角度当たりのページ送り量(例えば、2ページ/40度)の数式3を用いて、ページ送り量A2を算出する。傾斜角度θ2が20度である場合、ページ送り量A2は1ページとなり、傾斜角度θ2が40度である場合、ページ送り量A2は2ページとなり、傾斜角度θ2が80度である場合、ページ送り量A2は8ページとなる。
【0103】
また、ページ送り速度Vと同様に、制御部300は、画像データを構成するページ全体のページ数に基づいて、当該ページ数が多くなるほどページ送り量A2が多くするように、当該ページ送り量A2を算出するようにしてもよい。
【0104】
また、上記各実施形態では、操作パネル2の制御部200が表示部21の上記表示制御を行い、操作パネル3の制御部300が表示部31の上記表示制御を行うものとしているが、これら制御部200及び制御部300に代えて、上記表示制御を画像形成装置1の表示制御部101が行うものとしてもよい。この場合、操作パネル2及び操作パネル3には、上記表示制御を行うために必要な制御部又は処理はなくてもよい。
【0105】
本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。また、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置の一実施形態として複合機を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、例えば、コピー機能やプリンター機能を有した他の画像形成装置でもよい。
【0106】
また、本発明に係る表示装置は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等に採用してもよい。特に、電子書籍に用いる場合に有効である。
【0107】
また、上記実施形態では、図1乃至図18を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0108】
1 画像形成装置
5 原稿読取部
12 画像形成部
100 制御部
101 表示制御部
2 操作パネル
21 表示部
211 第1表示部
212 第2表示部
24 側面表示部
200 制御部
201 操作受付部
202 状態判定部
3 操作パネル
300 制御部
302 傾斜検出部
31 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18