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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231205BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231205BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231205BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
H04N1/00 C
B41J29/38 501
G03G21/00 388
G06F3/12 330
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019225459
(22)【出願日】2019-12-13
(65)【公開番号】P2021097269
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】林 輝威
(72)【発明者】
【氏名】綱島 俊治
(72)【発明者】
【氏名】三好 伸和
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-140068(JP,A)
【文献】特開2015-054397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
自装置の機能に対する追加処理を実行する追加処理装置が接続されたことに応じて、当該追加処理を実行させる追加処理プログラムを取得し、
取得した前記追加処理プログラムを自装置内に保存し、
前記追加処理装置を使用できない場合に、自装置内に保存された前記追加処理プログラムを用いて、自装置に前記追加処理を実行させ、
前記追加処理を使用する第1の機能と、前記追加処理を使用しない第2の機能とを並行して実行する場合に、当該第1の機能を構成する少なくとも一部の処理が当該第2の機能よりも先に完了するように処理の順序を変更することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記少なくとも一部の処理は、操作者が自装置から回収する物体を用いる処理であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第1の機能を構成する前記少なくとも一部の処理と当該少なくとも一部の処理以外の他の処理との順序を入れ換えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置に、
前記情報処理装置の機能に対する追加処理を実行する追加処理装置が接続されたことに応じて、当該追加処理を実行させる追加処理プログラムを取得する機能と、
取得した前記追加処理プログラムを前記情報処理装置内に保存する機能と
前記追加処理装置を使用できない場合に、前記情報処理装置内に保存された前記追加処理プログラムを用いて、当該情報処理装置に前記追加処理を実行させる機能と、
前記追加処理を使用する第1の機能と、前記追加処理を使用しない第2の機能とを並行して実行する場合に、当該第1の機能を構成する少なくとも一部の処理が当該第2の機能よりも先に完了するように処理の順序を変更する機能と
を実現させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複合装置に搭載予定の機器を利用した機能を含む複合装置の機能の設定処理を実行した際に発生したエラーの種類を複合装置から受信し、設定対象の複合装置の機能に対応して作成された第1の対応テーブルで、複合装置のエラーの種類と、エラーを回避した設定処理である暫定処理の内容と、を対応付けた第1のテーブルを参照し、受信したエラーの種類に基づいて、暫定処理の内容を決定し、決定された暫定処理の内容を複合装置に送信する管理装置は、知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
複合機Aは、解除情報を用いて使用制限を解除したオプション機能が異常の発生で使用不可能になったことを条件に、上記の解除情報を、使用不可能になったオプション機能と同じ機能を有するものの該機能が使用制限されている他の複合機Bにて該機能の使用制限を一時的に解除するための解除情報として、複合機Bに送信する画像処理システムは、知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-196091号公報
【文献】特開2010-109721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
情報処理装置の機能に対する追加処理を実行する追加処理装置を情報処理装置に接続することにより、情報処理装置の機能に対する追加処理を追加処理装置で実行することがある。しかしながら、このような場合、例えば追加処理装置が抜かれたり、接続不良が生じたり、故障になったりして、追加処理装置を使用できない状態になると、追加処理は実行できなくなる。
【0006】
本発明の目的は、情報処理装置の機能に対する追加処理を実行する追加処理装置が使用できない状態となっても、追加処理を実行できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、自装置の機能に対する追加処理を実行する追加処理装置が接続されたことに応じて、当該追加処理を実行させる追加処理プログラムを取得し、取得した前記追加処理プログラムを自装置内に保存し、前記追加処理装置を使用できない場合に、自装置内に保存された前記追加処理プログラムを用いて、自装置に前記追加処理を実行させ、前記追加処理を使用する第1の機能と、前記追加処理を使用しない第2の機能とを並行して実行する場合に、当該第1の機能を構成する少なくとも一部の処理が当該第2の機能よりも先に完了するように処理の順序を変更することを特徴とする情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記少なくとも一部の処理は、操作者が自装置から回収する物体を用いる処理であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記プロセッサは、前記第1の機能を構成する前記少なくとも一部の処理と当該少なくとも一部の処理以外の他の処理との順序を入れ換えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、情報処理装置に、前記情報処理装置の機能に対する追加処理を実行する追加処理装置が接続されたことに応じて、当該追加処理を実行させる追加処理プログラムを取得する機能と、取得した前記追加処理プログラムを前記情報処理装置内に保存する機能と、前記追加処理装置を使用できない場合に、前記情報処理装置内に保存された前記追加処理プログラムを用いて、当該情報処理装置に前記追加処理を実行させる機能と、前記追加処理を使用する第1の機能と、前記追加処理を使用しない第2の機能とを並行して実行する場合に、当該第1の機能を構成する少なくとも一部の処理が当該第2の機能よりも先に完了するように処理の順序を変更する機能とを実現させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、追加処理を使用する機能を構成する少なくとも一部の処理の順序を変更しないよう構成された場合に比較して、その少なくとも一部の処理を早く完了させたくても自装置で追加処理を実行することにより早く完了しないという事態の発生を低減することができる。
請求項2の発明によれば、操作者が自装置から回収する物体を用いる処理の順序を変更しないよう構成された場合に比較して、操作者が自装置からその物体を回収して自装置を離れる時間を早めることができる。
請求項3の発明によれば、追加処理を使用する機能を構成する少なくとも一部の処理とそれ以外の処理との順序を入れ換えないよう構成された場合に比較して、その少なくとも一部の処理を早く完了させたくてもそれ以外の処理を実行することにより早く完了しないという事態の発生を低減することができる。
請求項4の発明によれば、追加処理を使用する機能を構成する少なくとも一部の処理の順序を変更しないよう構成された場合に比較して、その少なくとも一部の処理を早く完了させたくても情報処理装置で追加処理を実行することにより早く完了しないという事態の発生を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施の形態における画像処理装置の構成例を示した図である。
図2】本発明の第1の実施の形態における画像処理装置の第1の動作例を示した概略図である。
図3】本発明の第1の実施の形態における画像処理装置の第1の動作例で参照される処理順判定テーブルの一例を示した図である。
図4】本発明の第1の実施の形態における画像処理装置の第2の動作例を示した概略図である。
図5】本発明の第1の実施の形態における画像処理装置の第2の動作例で参照される処理順判定テーブルの一例を示した図である。
図6】本発明の第1の実施の形態における画像処理装置の第3の動作例を示した概略図である。
図7】本発明の第1の実施の形態における画像処理装置の第3の動作例で参照される処理順判定テーブルの一例を示した図である。
図8】本発明の第1の実施の形態における画像処理装置の動作例を示したフローチャートである。
図9】本発明の第2の実施の形態における画像処理装置の構成例を示した図である。
図10】本発明の第2の実施の形態における画像処理装置の動作例を示したタイムシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
[本実施の形態の概要]
本実施の形態では、情報処理装置が、自装置の機能に対する追加処理を実行する追加処理装置が接続されたことに応じて、追加処理を実行させる追加処理プログラムを取得し、取得した追加処理プログラムを自装置内に保存する。
【0012】
また、情報処理装置は、追加処理装置が接続された後の予め定められた時点で、追加処理プログラムを取得してよく、この予め定められた時点は、追加処理又は追加処理を使用する機能を実行する指示を受け付けた時点であってよいが、以下では、追加処理装置が接続された際に、追加処理プログラムを取得するものとして説明する。
【0013】
更に、情報処理装置は、自装置内に保存された追加処理プログラムを如何なる目的で使用してもよいが、以下では、追加処理装置を使用できない場合に自装置に追加処理を実行させるために用いるものとして説明する。
【0014】
ここで、情報処理装置は、画像読取や画像形成以外の情報処理を行う一般の情報処理装置であってもよいが、以下では、画像読取や画像形成を行う画像処理装置、特に画像処理装置の本体プロセッサデバイスを例にとって説明する。また、追加処理は、画像処理装置に元から備わっていた基本機能に追加する新たな機能であってもよいし、画像処理装置の基本機能が元から実行していた処理に追加する新たな処理であってもよいが、以下では、後者を例にとって説明する。そして、この追加処理を実行する追加処理装置としては、外部プロセッサデバイスを例にとって説明する。
【0015】
また、本体プロセッサデバイスは、追加処理を実行させる追加処理プログラムを、例えばインターネット上のサーバから取得してもよいが、以下では、外部プロセッサデバイスから取得するものとして説明する。
【0016】
[第1の実施の形態]
(画像処理装置の構成)
図1は、第1の実施の形態における画像処理装置1の構成例を示した図である。図示するように、画像処理装置1は、本体プロセッサデバイス10と、外部プロセッサデバイス20と、格納装置50と、画像読取装置60と、画像形成装置70とを備える。そして、本体プロセッサデバイス10は、有線LAN(Local Area Network)8に有線LANケーブル80で接続され、外部プロセッサデバイス20は、本体プロセッサデバイス10にUSB(Universal Serial Bus)ケーブル90で接続されている。
【0017】
本体プロセッサデバイス10は、画像処理装置1の基本機能を提供する。ここでは、基本機能として、スキャン機能、コピー機能、プリント機能を例にとる。本体プロセッサデバイス10は、メインボードに搭載されたハードウェアにより実現される。
【0018】
外部プロセッサデバイス20は、画像処理装置1の基本機能に対するオプション機能を提供する。オプション機能は、基本機能から独立した機能であっても、本体プロセッサデバイス10が基本機能を実現するために実行する基本処理で使用されるオプション処理であってもよく、これらは何れも追加処理の一例である。ここでは、オプション機能として、本体プロセッサデバイス10がスキャン機能、コピー機能を実現するために実行するスキャン処理、コピー処理で使用される高圧縮処理、高画質処理を例にとる。外部プロセッサデバイス20は、オプションボードに搭載されたハードウェアにより実現される。
【0019】
格納装置50は、画像読取装置60が読み取った画像データを圧縮して格納する。また、後述するように外部プロセッサデバイス20からオプション処理を実行する追加処理プログラムの一例としての処理プログラムを取得した場合には、この処理プログラムを格納してもよい。格納装置50は、例えばHDD(Hard Disk Drive)により実現される。
【0020】
画像読取装置60は、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る。ここで、画像読取装置60は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
【0021】
画像形成装置70は、紙等の記録媒体に画像を形成する。ここで、画像形成装置70は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
【0022】
次に、本体プロセッサデバイス10の構成について詳しく説明する。図示するように、本体プロセッサデバイス10は、プロセッサ11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、デバイスコントローラ14と、LANコントローラ15と、USBデバイスコントローラ16とを備える。
【0023】
プロセッサ11は、ROM13等に記憶された各種プログラムをRAM12にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
【0024】
RAM12は、プロセッサ11の作業用メモリ等として用いられるメモリである。また、RAM12は、画像読取装置60が読み取った画像データを一時的に格納する。更に、後述するように外部プロセッサデバイス20からオプション処理を実行する処理プログラムを取得した場合には、この処理プログラムを格納してもよい。
【0025】
ROM13は、プロセッサ11が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
【0026】
デバイスコントローラ14は、画像読取装置60での画像読取や画像形成装置70での画像形成を制御する。
【0027】
LANコントローラ15は、有線LANケーブル80を経由して各種情報の送受信を行うためのネットワークインタフェースコントローラである。
【0028】
USBデバイスコントローラ16は、外部プロセッサデバイス20と活線挿抜可能なインタフェースであるUSBに準拠したUSBケーブル90を経由して各種情報の送受信を行うためのネットワークインタフェースコントローラである。ここで、各種情報には、外部プロセッサデバイス20が有するオプション処理を使用する機能の情報、本体プロセッサデバイス10が取得したスキャンデータ、コピーデータ、プリントデータ等がある。尚、ここではUSBを例にとったが、ネットワークインタフェースの規格はUSBでなくてもよい。
【0029】
また、本体プロセッサデバイス10では、プロセッサ11がROM13等に記憶された各種プログラムをRAM12にロードして実行することにより、デバイス装着制御部101と、メモリ制御部104と、デバイス制御部105と、処理順入れ換え部106とが実現される。
【0030】
デバイス装着制御部101は、USBデバイスコントローラ16での外部プロセッサデバイス20の接続検知イベントの発生を監視する。接続検知イベントが発生すると、ネットワークの初期設定を行った上で、外部プロセッサデバイス20からそれが有するオプション処理を使用する機能の情報を取得する。そして、その機能の中にスキャン機能やコピー機能があれば、そのオプション処理を実行する処理プログラムを取得し、本体プロセッサデバイス10内に保存する。また、本体プロセッサデバイス10のネットワークテーブルの設定を変更し、本体プロセッサデバイス10が保持するスキャンデータ及びコピーデータに外部プロセッサデバイス20がUSBデバイスコントローラ16を介してアクセス可能にする。本実施の形態では、追加処理プログラムを取得する手段の一例として、また、取得した追加処理プログラムを自装置内に保存する手段の一例として、デバイス装着制御部101を設けている。
【0031】
メモリ制御部104は、RAM12、ROM13等のメモリデバイスを制御する。また、メモリ制御部104は、RAM12等のメモリリソースを、優先度の低い処理から優先度の高い処理へ再配分する。
【0032】
デバイス制御部105は、デバイスコントローラ14に対して、画像読取装置60での画像読取又は画像形成装置70での画像形成を指示する。また、デバイス制御部105は、画像読取装置60及び画像形成装置70の処理状態を確認する。
【0033】
処理順入れ換え部106は、並行して実行される複数の処理の優先度を判定し、その判定結果に従って、その複数の処理の処理順序を入れ換える。
【0034】
例えば、スキャン処理とプリント処理とが並行して実行される場合、処理順入れ換え部106は、スキャン処理の少なくとも一部の処理がプリント処理よりも先に完了するようにスキャン処理とプリント処理の順序を入れ換える。この場合、少なくとも一部の処理とは、例えば、原稿を読み取る処理である。これは、操作者が情報処理装置から回収する物体を用いる処理の一例である。
【0035】
また、コピー処理とプリント処理とが並行して実行される場合、処理順入れ換え部106は、コピー処理の少なくとも一部の処理がプリント処理よりも先に完了するようにコピー処理とプリント処理の順序を入れ換える。この場合、少なくとも一部の処理とは、例えば、原稿を読み取る処理及び印刷物を出力する処理である。これは、操作者が情報処理装置から回収する物体を用いる処理の一例である。
【0036】
本実施の形態では、追加処理を使用する第1の機能の一例として、スキャン処理又はコピー処理を用いており、追加処理を使用しない第2の機能の一例として、プリント処理を用いている。また、第1の機能と第2の機能とを並行して実行する場合に、第1の機能を構成する少なくとも一部の処理が第2の機能よりも先に完了するように処理の順序を変更する手段の一例として、処理順入れ換え部106を設けている。
【0037】
或いは、処理順入れ換え部106は、プリント処理の少なくとも一部の処理が他の処理よりも先に完了するようにプリント処理と他の処理の順序を入れ換えてもよい。この場合、少なくとも一部の処理とは、例えば、記録媒体からデータを読み出す処理である。これも、操作者が情報処理装置から回収する物体を用いる処理の一例である。
【0038】
また、処理順入れ換え部106は、1つの処理の中で実行される複数の処理の優先度を判定し、その判定結果に従って、その複数の処理の処理順序も入れ換える。
【0039】
例えば、スキャン処理の中で複数の処理が実行される場合、処理順入れ換え部106は、スキャン処理の少なくとも一部の処理とそれ以外の他の処理との順序を入れ換える。この場合、少なくとも一部の処理とは、例えば、原稿を読み取る処理であり、他の処理とは、読み取った画像を圧縮する処理、圧縮した画像を格納する処理である。
【0040】
本実施の形態では、第1の機能を構成する少なくとも一部の処理の一例として、原稿を読み取る処理を用いており、少なくとも一部の処理以外の他の処理の一例として、読み取った画像を圧縮する処理、圧縮した画像を格納する処理を用いている。また、少なくとも一部の処理と他の処理との順序を入れ換える手段の一例として、処理順入れ換え部106を設けている。
【0041】
尚、高圧縮処理部102及び高画質処理部103は、外部プロセッサデバイス20が接続されることにより、外部プロセッサデバイス20から取得されるものであるが、図にはこれらも括弧付きで示している。
【0042】
次に、外部プロセッサデバイス20の構成について詳しく説明する。図示するように、外部プロセッサデバイス20は、プロセッサ21と、RAM22と、ROM23と、USBホストコントローラ26とを備える。
【0043】
プロセッサ21は、ROM23等に記憶された各種プログラムをRAM22にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
【0044】
RAM22は、プロセッサ21の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
【0045】
ROM23は、プロセッサ21が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
【0046】
USBホストコントローラ26は、本体プロセッサデバイス10と活線挿抜可能なインタフェースであるUSBに準拠したUSBケーブル90を経由して各種情報の送受信を行うためのネットワークインタフェースコントローラである。ここで、各種情報には、外部プロセッサデバイス20が有するオプション処理を使用する機能の情報、本体プロセッサデバイス10が取得したスキャンデータ、コピーデータ、プリントデータ等がある。尚、ここではUSBを例にとったが、ネットワークインタフェースの規格はUSBでなくてもよい。
【0047】
また、外部プロセッサデバイス20では、プロセッサ21がROM23等に記憶された各種プログラムをRAM22にロードして実行することにより、高圧縮処理部202と、高画質処理部203と、メモリ制御部204とが実現される。
【0048】
高圧縮処理部202は、対象となるデータを高圧縮率で圧縮する処理を行う。例えばスキャン機能で使用され、スキャンデータをその容量削減のために圧縮する処理を行う。即ち、この高圧縮処理部202は、基本機能であるスキャン機能に対し、スキャンデータの容量を小さくするという付加価値を与えるものである。
【0049】
高画質処理部203は、対象となるデータの画質を向上させる処理を行う。例えばコピー機能で使用され、コピーデータの画質を向上させる処理を行う。或いは、スキャン機能で使用され、スキャンデータの画質を向上する処理を行ってもよい。即ち、この高画質処理部203は、基本機能であるコピー又はスキャン機能に対し、コピーデータ又はスキャンデータの画質を向上させるという付加価値を与えるものである。
【0050】
メモリ制御部204は、RAM22、ROM23等のメモリデバイスを制御する。
【0051】
尚、図1に示した例では、格納装置50は本体プロセッサデバイス10外に設けられるものとした。これは、本体プロセッサデバイス10をメインボードに搭載されたハードウェアにより実現されるものとし、格納装置50としてHDDにより実現されるものを想定したからである。しかしながら、格納装置50としてHDD以外の媒体により実現されるものを想定する場合、その媒体の種類によっては、格納装置50は本体プロセッサデバイス10内に設けられるものとしてもよい。
【0052】
また、上記では、外部プロセッサデバイス20から取得した処理プログラムは、格納装置50及びRAM12の何れかに保存するものとしたが、この何れに保存するかを明確にしない場合は、処理プログラムを本体側に保存する、と言うものとする。
【0053】
(画像処理装置の動作)
まず、第1の実施の形態における画像処理装置1の第1の動作例について説明する。第1の動作例では、本体プロセッサデバイス10が、外部プロセッサデバイス20の接続時に、高圧縮処理を行う処理プログラムを外部プロセッサデバイス20からインストールする。その後、本体プロセッサデバイス10は、スキャン処理とプリント処理とを並行して実行する。
【0054】
図2は、第1の実施の形態における画像処理装置1の第1の動作例を示した概略図である。但し、この概略図は、本体プロセッサデバイス10が既に外部プロセッサデバイス20から高圧縮処理を行う処理プログラムをインストールしていることを前提として、その後、スキャン処理とプリント処理とを並行して実行する際の様子を示したものである。
【0055】
この例では、画像処理装置1が、3ページの原稿をスキャンするスキャン処理を行っているとする。この場合、1ページ目の原稿について、本体プロセッサデバイス10が画像読取装置60による画像読取処理111aを実行した後、外部プロセッサデバイス20が高圧縮処理212を実行し、本体プロセッサデバイス10が格納装置50への格納処理113aを実行している。
【0056】
一方で、画像処理装置1は、複数ページの印刷物を出力するプリント処理も行っているとする。この場合、本体プロセッサデバイス10は、スキャン処理と並行に、プリント処理として、複数ページ分のプリント前処理116aを実行し、画像形成装置70による複数ページ分のプリント出力処理117aを実行している。
【0057】
ここで、爆発マーク218で示すように、外部プロセッサデバイス20が抜かれたとする。
【0058】
この場合、本体プロセッサデバイス10は、プリント前処理等のスキャン処理に関係ない処理を一旦停止させる。また、その際、使用していたワークメモリ等のリソースもスキャン処理に再配分する。具体的には、本体プロセッサデバイス10は、矢印119の開始で示すように、複数ページ分のプリント前処理116bを一旦停止させている。
【0059】
一方で、2ページ目の原稿について、本体プロセッサデバイス10が画像読取装置60による画像読取処理111bを実行した後、外部プロセッサデバイス20の代わりに本体プロセッサデバイス10が高圧縮処理112bを実行し、本体プロセッサデバイス10が格納装置50への格納処理113bを実行している。
【0060】
また、3ページ目の原稿について、本体プロセッサデバイス10が画像読取装置60による画像読取処理111cを実行する。この時点で、3枚目の原稿を読み込んだので、ユーザは全ての原稿を読み込んだことになり、帯マーク219で示すように、画像処理装置1からユーザの手が離れる。その後、外部プロセッサデバイス20の代わりに本体プロセッサデバイス10が高圧縮処理112cを実行し、本体プロセッサデバイス10が格納装置50への格納処理113cを実行している。これにより、スキャン処理は終了する。
【0061】
すると、本体プロセッサデバイス10は、矢印119の終了で示すように、複数ページ分のプリント前処理116bを再開し、画像形成装置70による複数ページ分のプリント出力処理117bを実行する。
【0062】
ところで、この第1の動作例において、本体プロセッサデバイス10は、スキャン処理の各処理とプリント処理の各処理との処理順序を、RAM12や格納装置50等に記憶された処理順判定テーブルを参照して決定する。
【0063】
図3は、第1の実施の形態における画像処理装置1の第1の動作例で参照される処理順判定テーブルの一例を示した図である。図中、優先順は、その値が小さいほど優先度が高いことを示す。即ち、図3は、スキャン処理の画像読取処理、高圧縮処理、高画質処理、格納処理が最も優先度が高く、プリント処理のプリント前処理、プリント出力処理が最も優先度が低いことを示している。従って、本体プロセッサデバイス10は、この処理順判定テーブルを参照することにより、スキャン処理をプリント処理よりも先に実行することになる。これにより、ユーザはスキャン処理で用いた原稿を早く持ち帰ることが可能となる。
【0064】
次に、第1の実施の形態における画像処理装置1の第2の動作例について説明する。第2の動作例でも、本体プロセッサデバイス10が、外部プロセッサデバイス20の接続時に、高圧縮処理を行う処理プログラムを外部プロセッサデバイス20から取得して保存する。その後、本体プロセッサデバイス10は、スキャン処理とプリント処理とを並行して実行する。
【0065】
図4は、第1の実施の形態における画像処理装置1の第2の動作例を示した概略図である。但し、この概略図は、本体プロセッサデバイス10が既に外部プロセッサデバイス20から高圧縮処理を行う処理プログラムをインストールしていることを前提として、その後、スキャン処理とプリント処理とを並行して実行する際の様子を示したものである。
【0066】
この例でも、画像処理装置1が、3ページの原稿をスキャンするスキャン処理を行っているとする。この場合、1ページ目の原稿について、本体プロセッサデバイス10が画像読取装置60による画像読取処理121aを実行した後、外部プロセッサデバイス20が高圧縮処理222を実行し、本体プロセッサデバイス10が格納装置50への格納処理123aを実行している。
【0067】
一方で、画像処理装置1は、複数ページの印刷物を出力するプリント処理も行っているとする。この場合、本体プロセッサデバイス10は、スキャン処理と並行に、プリント処理として、複数ページ分のプリント前処理126aを実行し、画像形成装置70による複数ページ分のプリント出力処理127aを実行している。
【0068】
ここで、爆発マーク228で示すように、外部プロセッサデバイス20が抜かれたとする。
【0069】
この場合、本体プロセッサデバイス10は、プリント前処理等のスキャン処理に関係ない処理を一旦停止させる。また、その際、使用していたワークメモリ等のリソースもスキャン処理に再配分する。具体的には、本体プロセッサデバイス10は、矢印129の開始で示すように、複数ページ分のプリント前処理126bを一旦停止させている。
【0070】
加えて、この第2の動作例では、残りの全ての原稿について画像読取処理を行った後に、それらの原稿について高圧縮処理及び格納処理を行うように、スキャン処理の中でも処理の順序を変更する。
【0071】
従って、本体プロセッサデバイス10は、2ページ目の原稿について、画像読取装置60による画像読取処理121bを実行した後、格納装置50に対する暫定格納処理124bを実行している。そして、3ページ目の原稿について、画像読取装置60による画像読取処理121cを実行した後、格納装置50に対する暫定格納処理124cを実行している。この時点で、3枚目の原稿を読み込んだので、ユーザは全ての原稿を読み込んだことになり、帯マーク229で示すように、画像処理装置1からユーザの手が離れる。
【0072】
その後、2ページ目の原稿について、本体プロセッサデバイス10が格納装置50からの格納データ読出処理125bを実行し、外部プロセッサデバイス20の代わりに本体プロセッサデバイス10が高圧縮処理122bを実行し、本体プロセッサデバイス10が格納装置50への格納処理123bを実行している。
【0073】
また、3ページ目の原稿について、本体プロセッサデバイス10が格納装置50からの格納データ読出処理125cを実行し、外部プロセッサデバイス20の代わりに本体プロセッサデバイス10が高圧縮処理122cを実行し、本体プロセッサデバイス10が格納装置50への格納処理123cを実行している。これにより、スキャン処理は終了する。
【0074】
すると、本体プロセッサデバイス10は、矢印129の終了で示すように、複数ページ分のプリント前処理126bを再開し、画像形成装置70による複数ページ分のプリント出力処理127bを実行する。
【0075】
ところで、この第2の動作例においても、本体プロセッサデバイス10は、スキャン処理の各処理とプリント処理の各処理との処理順序を、RAM12や格納装置50等に記憶された処理順判定テーブルを参照して決定する。
【0076】
図5は、第1の実施の形態における画像処理装置1の第2の動作例で参照される処理順判定テーブルの一例を示した図である。図中、優先順は、その値が小さいほど優先度が高いことを示す。即ち、図5は、スキャン処理の画像読取処理が最も優先度が高く、スキャン処理の高圧縮処理、高画質処理、格納処理が次に優先度が高く、プリント処理のプリント前処理、プリント出力処理が最も優先度が低いことを示している。従って、本体プロセッサデバイス10は、この処理順判定テーブルを参照することにより、スキャン処理をプリント処理よりも先に実行し、スキャン処理の中では、画像読取処理を高圧縮処理、高画質処理、格納処理よりも先に実行することになる。これにより、ユーザはスキャン処理で用いた原稿をより早く持ち帰ることが可能となる。
【0077】
次に、第1の実施の形態における画像処理装置1の第3の動作例について説明する。第3の動作例では、本体プロセッサデバイス10が、外部プロセッサデバイス20の接続時に、高画質処理を行う処理プログラムを外部プロセッサデバイス20からインストールする。その後、本体プロセッサデバイス10は、コピー処理とプリント処理とを並行して実行する。
【0078】
図6は、第1の実施の形態における画像処理装置1の第3の動作例を示した概略図である。但し、この概略図は、本体プロセッサデバイス10が既に外部プロセッサデバイス20から高画質処理を行う処理プログラムをインストールしていることを前提として、その後、コピー処理とプリント処理とを並行して実行する際の様子を示したものである。
【0079】
この例では、画像処理装置1が、3ページの原稿をコピーするコピー処理を行っているとする。この場合、1ページ目の原稿について、本体プロセッサデバイス10が画像読取装置60による画像読取処理131aを実行した後、外部プロセッサデバイス20が高画質処理232を実行し、本体プロセッサデバイス10が画像形成装置70によるプリント出力処理133aを実行している。
【0080】
一方で、画像処理装置1は、複数ページの印刷物を出力するプリント処理も行うことになっているとする。但し、本体プロセッサデバイス10は、コピー処理を行っているため、矢印139の開始で示すように、複数ページ分のプリント前処理136を一旦停止させている。
【0081】
ここで、爆発マーク238で示すように、外部プロセッサデバイス20が抜かれたとする。
【0082】
この場合、本体プロセッサデバイス10は、プリント前処理等のコピー処理に関係ない処理を一旦停止させる。また、その際、使用していたワークメモリ等のリソースもスキャン処理に再配分する。具体的には、本体プロセッサデバイス10は、複数ページ分のプリント前処理136を停止させたままにしている。
【0083】
一方で、2ページ目の原稿について、本体プロセッサデバイス10が画像読取装置60による画像読取処理131bを実行した後、外部プロセッサデバイス20の代わりに本体プロセッサデバイス10が高画質処理132bを実行し、本体プロセッサデバイス10が画像形成装置70によるプリント出力処理133bを実行している。
【0084】
また、3ページ目の原稿について、本体プロセッサデバイス10が画像読取装置60による画像読取処理131cを実行した後、外部プロセッサデバイス20の代わりに本体プロセッサデバイス10が高画質処理132cを実行し、本体プロセッサデバイス10が画像形成装置70によるプリント出力処理133cを実行している。この時点で、3枚目の印刷物が出力されたので、ユーザは全ての印刷物を手にしたことになり、帯マーク239で示すように、画像処理装置1からユーザの手が離れる。また、これにより、コピー処理は終了する。
【0085】
すると、本体プロセッサデバイス10は、矢印139の終了で示すように、複数ページ分のプリント前処理136を再開し、画像形成装置70による複数ページ分のプリント出力処理137を実行する。
【0086】
ところで、この第3の動作例において、本体プロセッサデバイス10は、コピー処理の各処理とプリント処理の各処理との処理順序を、RAM12や格納装置50等に記憶された処理順判定テーブルを参照して決定する。
【0087】
図7は、第1の実施の形態における画像処理装置1の第3の動作例で参照される処理順判定テーブルの一例を示した図である。図中、優先順は、その値が小さいほど優先度が高いことを示す。即ち、図7は、コピー処理の画像読取処理、高画質処理、プリント出力処理が最も優先度が高く、プリント処理のプリント前処理、プリント出力処理が最も優先度が低いことを示している。従って、本体プロセッサデバイス10は、この処理順判定テーブルを参照することにより、コピー処理をプリント処理よりも先に実行することになる。これにより、ユーザはコピー処理で用いた原稿及びコピー処理で出力された印刷物を早く持ち帰ることが可能となる。
【0088】
図8は、第1の実施の形態における画像処理装置1の本体プロセッサデバイス10の動作例を示したフローチャートである。尚、本実施の形態では、本体プロセッサデバイス10が外部プロセッサデバイス20からオプション処理を実行する処理プログラムを、外部プロセッサデバイス20の接続時にインストールするものとして説明することとしたが、この動作例に限っては、スキャン処理の開始時にインストールするものとして説明する。また、この動作例では、図2図7に示したように、本体プロセッサデバイス10がスキャン処理又はコピー処理とプリント処理とを同時に実行する場合を想定する。
【0089】
スキャン処理の開始が指示されると、本体プロセッサデバイス10では、まず、デバイス装着制御部101が、外部プロセッサデバイス20が装着されているかどうかを判定する(ステップ151)。
【0090】
ステップ151で外部プロセッサデバイス20が装着されていると判定されれば、デバイス装着制御部101が、外部プロセッサデバイス20に問い合わせることにより、外部プロセッサデバイス20のオプション処理を特定する(ステップ152)。図2図5に示した例では、少なくとも高圧縮処理を特定し、図6及び図7に示した例では、少なくとも高画質処理を特定する。
【0091】
これにより、デバイス装着制御部101は、ステップ152で特定したオプション処理を実行する処理プログラムが本体側にインストールされているかどうかを判定する(ステップ153)。
【0092】
ステップ153でオプション処理を実行する処理プログラムが本体側にインストールされていると判定しなければ、デバイス装着制御部101は、その処理プログラムを外部プロセッサデバイス20から取得し(ステップ154)、本体側にインストールする(ステップ155)。そして、処理をステップ156へ進める。
【0093】
一方、ステップ153でオプション処理を実行する処理プログラムが本体側にインストールされていると判定すれば、デバイス装着制御部101は、その処理プログラムを本体側にインストールすることなく、処理をステップ156へ進める。
【0094】
この状態で、本体プロセッサデバイス10は、基本処理を実行する(ステップ156)。その一方で、外部プロセッサデバイス20が、オプション処理を実行する。図2図5に示した例では、本体プロセッサデバイス10が画像読取処理及び格納処理を実行し、外部プロセッサデバイス20では高圧縮処理部202が高圧縮処理を実行する。また、図6及び図7に示した例では、本体プロセッサデバイス10が画像読取処理及びプリント出力処理を実行し、外部プロセッサデバイス20では高画質処理部203が高画質処理を実行する。尚、本体プロセッサデバイス10は、プリント処理の実行が指示されている場合は、これも同時に実行する。
【0095】
その後、本体プロセッサデバイス10では、デバイス装着制御部101が、外部プロセッサデバイス20が使用できない状態になったかどうかを判定する(ステップ157)。ここで、使用できない状態とは、例えば、外部プロセッサデバイス20が抜かれたことや、外部プロセッサデバイス20が故障したことである。
【0096】
ステップ157で外部プロセッサデバイス20が使用できない状態になったと判定されなければ、本体プロセッサデバイス10は、継続する処理があるかどうかを判定する(ステップ158)。
【0097】
ステップ158で継続する処理があると判定すれば、本体プロセッサデバイス10は、ステップ156へ戻って、処理を継続する。図2図7に示した例では、ステップ156で原稿単位の処理を行っているとすると、ステップ158で次の原稿があると判定すれば、処理を継続する。
【0098】
一方、ステップ158で継続する処理があると判定しなければ、本体プロセッサデバイス10は、処理を終了する。図2図7に示した例では、ステップ156で原稿単位の処理を行っているとすると、ステップ158で次の原稿があると判定しなければ、スキャン処理又はコピー処理を終了する。
【0099】
また、ステップ157で外部プロセッサデバイス20が使用できない状態になったと判定されれば、デバイス制御部105が、本体の処理状態を確認する(ステップ159)。そして、実行中のプリント処理があれば、処理順入れ換え部106が、処理順判定テーブルの優先順に従い、プリント処理等の優先順が低い処理は一旦停止し、優先順の高いスキャン処理又はコピー処理と処理順を入れ換える(ステップ160)。また、メモリ制御部104が、RAM12等のメモリリソースを優先順の高いスキャン処理又はコピー処理に再配分する(ステップ161)。
【0100】
この状態で、本体プロセッサデバイス10は、基本処理を実行し、外部プロセッサデバイス20が実行していたオプション処理を外部プロセッサデバイス20に代わって実行する(ステップ162)。図2図5に示した例では、本体プロセッサデバイス10が画像読取処理及び格納処理に加え、外部プロセッサデバイス20に代わって高圧縮処理を実行する。具体的には、図2及び図3に示した例では、本体プロセッサデバイス10は、画像読取処理、高圧縮処理、格納処理を実行する。図4及び図5に示した例では、本体プロセッサデバイス10は、画像読取処理、暫定格納処理を原稿がなくなるまで実行した後に、格納データ読出処理、高圧縮処理、格納処理を実行する。また、図6及び図7に示した例では、本体プロセッサデバイス10が画像読取処理及びプリント出力処理に加え、外部プロセッサデバイス20に代わって高画質処理を実行する。具体的には、本体プロセッサデバイス10は、画像読取処理、高画質処理、プリント出力処理を実行する。
【0101】
また、ステップ151で外部プロセッサデバイス20が装着されていると判定されなかった場合も、本体プロセッサデバイス10は、処理をステップ162へ進める。但し、ステップ163では、オプション処理を実行する処理プログラムが本体側にインストールされている場合のみ、基本処理及びオプション処理を実行し、オプション処理を実行する処理プログラムが本体側にインストールされていない場合は、基本処理のみを実行する。
【0102】
その後、本体プロセッサデバイス10は、継続する処理があるかどうかを判定する(ステップ163)。
【0103】
ステップ163で継続する処理があると判定すれば、本体プロセッサデバイス10は、ステップ162へ戻って、処理を継続する。図2図7に示した例では、ステップ162で原稿単位の処理を行っているとすると、ステップ163で次の原稿があると判定すれば、処理を継続する。
【0104】
一方、ステップ163で継続する処理があると判定しなければ、本体プロセッサデバイス10は、処理を終了する。図2図7に示した例では、ステップ162で原稿単位の処理を行っているとすると、ステップ163で次の原稿があると判定しなければ、スキャン処理又はコピー処理を終了する。
【0105】
この後の処理については、図8には示していないが、メモリ制御部104が、再配分したRAM12等のメモリリソースを元の配分に戻し、本体プロセッサデバイス10は、一旦停止していたプリント処理を再開する。
【0106】
尚、上記説明では、ステップ158及びステップ163で継続する処理があるかどうかを、1ページの原稿をスキャンするごとに判定することとしたが、これには限らない。例えば、スキャン又はコピーを指示する複数の指示情報が処理待ちをしている場合は、指示情報が切り替わるごとに判定してもよい。また、バンド処理が行われている場合は、バンドが切り替わるごとに判定してもよい。更に、色ごとに異なる処理が行われる場合は、色が切り替わるごとに判定してもよい。
【0107】
[第2の実施の形態]
(画像処理装置の構成)
図9は、第2の実施の形態における画像処理装置2の構成例を示した図である。図示するように、画像処理装置2は、本体プロセッサデバイス30と、外部プロセッサデバイス40と、格納装置50と、画像読取装置60と、画像形成装置70とを備える。そして、本体プロセッサデバイス30は、有線LAN8に有線LANケーブル80で接続され、外部プロセッサデバイス40は、本体プロセッサデバイス30にUSBケーブル90で接続されている。
【0108】
本体プロセッサデバイス30は、画像処理装置2の基本機能を提供する。ここでは、基本機能として、スキャン機能、コピー機能、プリント機能を例にとる。本体プロセッサデバイス30は、メインボードに搭載されたハードウェアにより実現される。
【0109】
外部プロセッサデバイス40は、画像処理装置2の基本機能に対するオプション機能を提供する。オプション機能は、基本機能から独立した機能であってもよいし、本体プロセッサデバイス30が基本機能を実現するために実行する基本処理で使用されるオプション処理であってもよい。ここでは、オプション機能として、本体プロセッサデバイス30がスキャン機能、コピー機能を実現するために実行するスキャン処理、コピー処理で使用される高圧縮処理、高画質処理を例にとる。外部プロセッサデバイス40は、オプションボードに搭載されたハードウェアより実現される。
【0110】
格納装置50、画像読取装置60、画像形成装置70は、第1の実施の形態で述べたものと同じなので、説明を省略する。
【0111】
次に、本体プロセッサデバイス30の構成について詳しく説明する。図示するように、本体プロセッサデバイス30は、プロセッサ31と、RAM32と、ROM33と、デバイスコントローラ34と、LANコントローラ35と、USBデバイスコントローラ36とを備える。
【0112】
プロセッサ31、RAM32、ROM33、デバイスコントローラ34、LANコントローラ35、USBデバイスコントローラ36は、図1に示したプロセッサ11、RAM12、ROM13、デバイスコントローラ14、LANコントローラ15、USBデバイスコントローラ16と同じなので、説明を省略する。
【0113】
また、本体プロセッサデバイス30では、プロセッサ31がROM33等に記憶された各種プログラムをRAM32にロードして実行することにより、デバイス装着制御部301と、メモリ制御部304と、デバイス制御部305とが実現される。
【0114】
デバイス装着制御部301は、USBデバイスコントローラ36での外部プロセッサデバイス40の接続検知イベントの発生を監視する。接続検知イベントが発生すると、ネットワークの初期設定を行った上で、外部プロセッサデバイス40からそれが有するオプション処理を使用する機能の情報を取得する。そして、その機能の中にスキャン機能やコピー機能があれば、そのオプション処理を実行する処理プログラムを取得し、本体プロセッサデバイス30内に保存する。また、本体プロセッサデバイス30のネットワークテーブルの設定を変更し、本体プロセッサデバイス30が保持するスキャンデータ及びコピーデータに外部プロセッサデバイス40がUSBデバイスコントローラ36を介してアクセス可能にする。本実施の形態では、追加処理プログラムを取得する手段の一例として、また、取得した追加処理プログラムを自装置内に保存する手段の一例として、デバイス装着制御部301を設けている。
【0115】
メモリ制御部304は、RAM32、ROM33等のメモリデバイスを制御する。また、メモリ制御部304は、RAM32等のメモリリソースを、優先度の低い処理から優先度の高い処理へ再配分する。
【0116】
デバイス制御部305は、デバイスコントローラ34に対して、画像読取装置60での画像読取又は画像形成装置70での画像形成を指示する。また、デバイス制御部305は、画像読取装置60及び画像形成装置70の処理状態を確認する。
【0117】
尚、圧縮処理部302は、外部プロセッサデバイス40が接続されることにより、外部プロセッサデバイス40から取得されるものであるが、図にはこれらも括弧付きで示している。
【0118】
次に、外部プロセッサデバイス40の構成について詳しく説明する。図示するように、外部プロセッサデバイス40は、プロセッサ41と、RAM42と、ROM43と、USBホストコントローラ46とを備える。
【0119】
プロセッサ41、RAM42、ROM43、USBホストコントローラ46は、図1に示したプロセッサ21、RAM22、ROM23、USBホストコントローラ26と同じなので、説明を省略する。
【0120】
また、外部プロセッサデバイス40では、プロセッサ41がROM43等に記憶された各種プログラムをRAM42にロードして実行することにより、圧縮処理部402と、メモリ制御部404とが実現される。
【0121】
圧縮処理部402は、対象となるデータを圧縮する処理を行う。例えばスキャン機能で使用され、スキャンデータをその容量削減のために圧縮する処理を行う。即ち、この圧縮処理部402は、基本機能であるスキャン機能に対し、スキャンデータの容量を小さくするという付加価値を与えるものである。
【0122】
メモリ制御部404は、RAM42、ROM43等のメモリデバイスを制御する。
【0123】
尚、図9に示した例でも、格納装置50は本体プロセッサデバイス30外に設けられるものとした。これは、本体プロセッサデバイス30をメインボードに搭載されたハードウェアにより実現されるものとし、格納装置50としてHDDにより実現されるものを想定したからである。しかしながら、格納装置50としてHDD以外の媒体により実現されるものを想定する場合、その媒体の種類によっては、格納装置50は本体プロセッサデバイス30内に設けられるものとしてもよい。
【0124】
(画像処理装置の動作)
図10は、第2の実施の形態における画像処理装置2の動作例を示したタイムシーケンス図である。
【0125】
このタイムシーケンス図において、画像読取処理のシーケンスのON、OFFはそれぞれ、画像読取処理が実行されていること、実行されていないことを示す。また、圧縮処理(本体)のON、OFFはそれぞれ、本体プロセッサデバイス30で圧縮処理が実行されていること、実行されていないことを示し、圧縮処理(外部)のON、OFFはそれぞれ、外部プロセッサデバイス40で圧縮処理が実行されていること、実行されていないことを示す。
【0126】
また、この動作例では、例えば外部プロセッサデバイス40が本体プロセッサデバイス30に接続されることにより、圧縮処理を実行する処理プログラムが本体プロセッサデバイス30にインストールされているものとする。更に、この動作例では、本体プロセッサデバイス30がスキャン処理とプリント処理とを同時に実行する場合を想定する。
【0127】
まず、外部プロセッサデバイス40が接続されていない状態でスキャン処理が開始されたとする。すると、本体プロセッサデバイス30では、メモリ制御部304が、RAM32等のメモリに空きがあるかどうか確認し、空きがあれば、画像取り込みのためのメモリ領域を確保する。そして、デバイス制御部305が、デバイスコントローラ34に、画像読取装置60での原稿の画像読取を開始するよう指示する。これにより、画像読取装置60は、原稿の画像読取を行って、読み取った画像をメモリに格納する(ステップ311)。
【0128】
画像読取装置60による画像読取が終了すると、本体プロセッサデバイス30では、圧縮処理部302が、メモリに格納された画像を圧縮して格納装置50に格納する(ステップ321)。そして、格納装置50への画像の格納が終了すると、メモリ制御部304は、メモリを解放する。
【0129】
また、次の原稿があれば、メモリ制御部304は、画像取り込みのためのメモリ領域を確保し、デバイス制御部305は、デバイスコントローラ34に、画像読取装置60での原稿の画像読取を開始するよう指示する。これにより、画像読取装置60は、原稿の画像読取を行って、読み取った画像をメモリに格納する(ステップ312)。
【0130】
画像読取装置60による画像読取が終了すると、本体プロセッサデバイス30では、圧縮処理部302が、メモリに格納された画像を圧縮して格納装置50に格納する(ステップ322)。そして、格納装置50への画像の格納が終了すると、メモリ制御部304は、メモリを解放する。
【0131】
以降、メモリ制御部304、デバイス制御部305、画像読取装置60、圧縮処理部302がこの動作を繰り返すことにより、順次スキャン処理を行う(ステップ313,323)。
【0132】
ここで、タイミング線351で示すタイミングで、外部プロセッサデバイス40を使用できる状態になったとする。例えば、外部プロセッサデバイス40が接続されたり故障が復旧したりしたとする。すると、本体プロセッサデバイス30では、デバイス装着制御部301が、外部プロセッサデバイス40の接続を検知し、外部プロセッサデバイス40に圧縮処理部402及びメモリの空きがあるかどうかを判定する。そして、デバイス装着制御部301は、圧縮処理部402及びメモリの空きがあると判定すると、それらを使用可能である旨をデバイス制御部305に通知する。
【0133】
一方で、デバイス制御部305から指示を受けたメモリ制御部304は、本体プロセッサデバイス30にメモリの空きがあるかどうかを確認し、その結果をデバイス制御部305に伝える。そして、デバイス制御部305は、本体プロセッサデバイス30又は外部プロセッサデバイス40にメモリの空きがあると判定すると、デバイスコントローラ34に、画像読取装置60での原稿の画像読取を開始するよう指示する。これにより、画像読取装置60は、原稿の画像読取を行って、読み取った画像をメモリに格納する(ステップ314)。
【0134】
画像読取装置60による画像読取が終了すると、本体プロセッサデバイス30では、圧縮処理部302が、メモリに格納された画像を圧縮して格納装置50に格納する(ステップ324)。そして、格納装置50への画像の格納が終了すると、メモリ制御部304は、メモリを解放する。
【0135】
また、この場合は、次の原稿があれば、メモリ制御部304によるメモリの解放を待たずに、外部プロセッサデバイス40で、メモリ制御部404が、画像取り込みのためのメモリ領域を確保し、本体プロセッサデバイス30では、デバイス制御部305が、デバイスコントローラ34に、画像読取装置60での原稿の画像読取を開始するよう指示する。これにより、画像読取装置60は、原稿の画像読取を行って、読み取った画像を、外部プロセッサデバイス40のメモリに格納する(ステップ315)。
【0136】
画像読取装置60による画像読取が終了すると、外部プロセッサデバイス40では、圧縮処理部402が、メモリに格納された画像を圧縮して格納装置50に格納する(ステップ325)。そして、格納装置50への画像の格納が終了すると、メモリ制御部404が、メモリを解放する。
【0137】
以降、メモリ制御部304,404、デバイス制御部305、画像読取装置60、圧縮処理部302,402がこの動作を繰り返すことにより、順次スキャン処理を行う(ステップ316,326,317,327,318,328)。
【0138】
外部プロセッサデバイス40が接続されていない場合は、本体プロセッサデバイス30のメモリが空くのを待って、スキャン処理を行っていたが、このような制御を行えば、本体プロセッサデバイス30及び外部プロセッサデバイス40の何れかのメモリは直ぐに空くので、結果的に速く原稿を読み込めるようになる。
【0139】
その後、タイミング線352で示すタイミングで、外部プロセッサデバイス40を使用できない状態になったとする。例えば、外部プロセッサデバイス40が抜かれたり故障したりしたとする。すると、画像読み取り及び圧縮処理は、タイミング線351よりも前の処理に戻る(ステップ319,329)。
【0140】
その場合、デバイス制御部305は、中断できるプリント処理があるかどうかを判断する。そして、中断できるプリント処理があると判断すれば、そのプリント処理を中断し、使用していたメモリを解放してスキャン処理で使用できるように再分配する。
【0141】
[プロセッサ]
本実施の形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0142】
また、本実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施の形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0143】
[プログラム]
本実施の形態における画像処理装置1,2が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等の情報処理プログラムとして用意される。
【0144】
即ち、本実施の形態を実現する情報処理プログラムは、情報処理装置に、情報処理装置の機能に対する追加処理を実行する追加処理装置が接続されたことに応じて、追加処理を実行させる追加処理プログラムを取得する機能と、取得した追加処理プログラムを情報処理装置内に保存する機能とを実現させるための情報処理プログラムとして捉えられる。
【0145】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0146】
10,30…本体プロセッサデバイス、101,301…デバイス装着制御部、102,202…高圧縮処理部、103,203…高画質処理部、104,204,304,404…メモリ制御部、105,305…デバイス制御部、106…処理順入れ換え部、20,40…外部プロセッサデバイス、302,402…圧縮処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10