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特許7396086システム、電波修正時計およびシステムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】システム、電波修正時計およびシステムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   G04R 20/02 20130101AFI20231205BHJP
   G04R 20/26 20130101ALI20231205BHJP
   G04G 5/00 20130101ALI20231205BHJP
   G04C 9/00 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
G04R20/02
G04R20/26
G04G5/00 J
G04C9/00 301A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020018475
(22)【出願日】2020-02-06
(65)【公開番号】P2021124408
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 照彦
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-124641(JP,A)
【文献】特開2018-159666(JP,A)
【文献】特開2005-331461(JP,A)
【文献】特開2018-194310(JP,A)
【文献】特開2018-159664(JP,A)
【文献】特開2017-156180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04R 20/00-60/14
G04G 3/00-99/00
G04C 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波修正時計と携帯装置とを備えるシステムであって、
前記電波修正時計は、
第1の時刻情報を含む衛星電波を受信する受信部と、
携帯装置から送信される第2の時刻情報を含む電波を受信する近距離受信部と、
指示操作を受け付ける操作部と、
予め設定された時刻になると前記受信部を動作させて前記第1の時刻情報を取得する第1受信処理と、前記操作部からの指示操作に応じて前記近距離受信部を動作させて前記第2の時刻情報を取得する第2受信処理と、を選択的に実行する受信制御部と、
前記第1受信処理で取得した前記第1の時刻情報あるいは前記第2受信処理で取得した前記第2の時刻情報に基づいて表示時刻を修正する時刻修正部と、を備え、
前記携帯装置は、第2操作部を備え、前記第2操作部の操作によって他の機器との通信を禁止する通信禁止モードに設定され、前記第2操作部の操作によって前記通信禁止モードが解除された場合に、前記電波修正時計と通信を行う機能を開始す
ことを特徴とするシステム
【請求項2】
請求項1のシステムに用いられる電波修正時計であって、
第1の時刻情報を含む衛星電波を受信する受信部と、
携帯装置から送信される第2の時刻情報を含む電波を受信する近距離受信部と、
指示操作を受け付ける操作部と、
予め設定された時刻になると前記受信部を動作させて前記第1の時刻情報を取得する第1受信処理と、前記操作部からの指示操作に応じて前記近距離受信部を動作させて前記第2の時刻情報を取得する第2受信処理と、を選択的に実行する受信制御部と、
前記第1受信処理で取得した前記第1の時刻情報あるいは前記第2受信処理で取得した前記第2の時刻情報に基づいて表示時刻を修正する時刻修正部と、を備える
ことを特徴とする電波修正時計。
【請求項3】
請求項に記載の電波修正時計において、
前記受信制御部は、前記第2受信処理を、前記操作部からの指示操作に応じてのみ実行する
ことを特徴とする電波修正時計。
【請求項4】
請求項または請求項に記載の電波修正時計において、
照射される光の光量が閾値レベル以上であるか否かを検出する光センサーを備え、
前記受信制御部は、前記光センサーで前記閾値レベル以上の光量を検出した場合、前記受信部による第1受信処理を動作させる
ことを特徴とする電波修正時計。
【請求項5】
請求項から請求項のいずれか一項に記載の電波修正時計において、
前記近距離受信部は、前記携帯装置とBluetoothもしくはNFCで無線通信を行うことを特徴とする電波修正時計。
【請求項6】
請求項から請求項のいずれか一項に記載の電波修正時計において、
前記受信制御部は、
前記操作部の操作によって設定され、前記予め設定された時刻になっても前記第1受信処理を実行しない自動受信禁止モードを備え、
前記操作部の操作によって前記自動受信禁止モードを解除させると前記第2受信処理を実行することを特徴とする電波修正時計。
【請求項7】
電波修正時計と携帯装置とを備えるシステムの制御方法であって、
前記電波修正時計は、
第1の時刻情報を含む衛星電波を受信する受信部と、
携帯装置から送信される第2の時刻情報を含む電波を受信する近距離受信部と、
指示操作を受け付ける操作部と、を備
予め設定された時刻になると前記受信部による第1受信処理を実行し、
前記操作部からの指示操作に応じて前記近距離受信部による第2受信処理を実行し、
前記第1受信処理で取得した前記第1の時刻情報あるいは前記第2受信処理で取得した前記第2の時刻情報に基づいて表示時刻を修正し、
前記携帯装置は、
第2操作部を備え、
前記第2操作部の操作によって他の機器との通信を禁止する通信禁止モードに設定された後、前記第2操作部の操作によって前記通信禁止モードが解除された場合に、前記電波修正時計と通信を行う機能を開始する、
ことを特徴とするシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波修正時計、システムおよび電波修正時計の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、GPS(Global Positioning System)等の位置情報衛星からの衛星信号を受信して時刻を修正する電子時計が開示されている。
特許文献2には、近隣の装置との間でBluetooth(登録商標)による近距離無線通信を行うことにより、当該装置から情報を取得して時刻を修正する電子時計が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-168620号公報
【文献】特開2002-328190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電子時計は、建物内等の衛星信号を受信できない環境では時刻を修正できない。このため、飛行機で時差を跨いだ移動を行い空港に到着した場合、空港建物内では衛星信号を受信できず時刻を修正できない。したがって、空港建物から屋外にでるまではタイムゾーンを修正できず、現地時刻に即座に修正できなかった。
一方、特許文献2の電子時計は、例えば、スマートフォンと電子時計との間で近距離無線通信を行う場合、スマートフォンでは電子時計との通信を行うアプリケーションを起動しておく必要があり、ユーザーにとって煩わしい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の電波修正時計は、第1の時刻情報を含む衛星電波を受信する受信部と、携帯装置から送信される第2の時刻情報を含む電波を受信する近距離受信部と、指示操作を受け付ける操作部と、予め設定された時刻になると前記受信部を動作させて前記第1の時刻情報を取得する第1受信処理と、前記操作部からの指示操作に応じて前記近距離受信部を動作させて前記第2の時刻情報を取得する第2受信処理と、を選択的に実行する受信制御部と、前記第1受信処理で取得した前記第1の時刻情報あるいは前記第2受信処理で取得した前記第2の時刻情報に基づいて表示時刻を修正する時刻修正部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本開示のシステムは、前記電波修正時計と、前記携帯装置とを備えるシステムであって、前記携帯装置は、第2操作部を備え、前記第2操作部の操作によって他の機器との通信を禁止する通信禁止モードに設定され、前記第2操作部の操作によって前記通信禁止モードが解除された場合に、前記電波修正時計と通信を行う機能を開始することを特徴とする。
【0007】
本開示の電波修正時計の制御方法は、第1の時刻情報を含む衛星電波を受信する受信部と、携帯装置から送信される第2の時刻情報を含む電波を受信する近距離受信部と、指示操作を受け付ける操作部と、を備える電波修正時計の制御方法であって、予め設定された時刻になると前記受信部による第1受信処理を実行し、前記操作部からの指示操作に応じて前記近距離受信部による第2受信処理を実行し、前記第1受信処理で取得した前記第1の時刻情報あるいは前記第2受信処理で取得した前記第2の時刻情報に基づいて表示時刻を修正することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態の電波修正時計および携帯装置を備えるシステムを示す図である。
図2】前記電波修正時計を示す正面図である。
図3】前記電波修正時計を示す断面図である。
図4】前記電波修正時計の回路構成を示すブロック図である。
図5】前記電波修正時計の制御部の構成を示すブロック図である。
図6】前記携帯装置の画面表示例を示す図である。
図7】前記電波修正時計の受信処理を示すフローチャートである。
図8】前記電波修正時計のBLE通信処理を示すフローチャートである。
図9】前記携帯装置の画面表示例を示す図である。
図10】前記電波修正時計のGPS測時受信処理を示すフローチャートである。
図11】第2実施形態の電波修正時計の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係るシステム10の構成を示す図である。システム10は、電波修正時計1と、携帯装置100とを含む。携帯装置100は、スマートフォンやタブレット、モバイルパソコン等であり、移動体通信網や公衆無線LAN(Local Area Network)などのネットワーク網を構成する基地局およびインターネット網を介して図示略のサーバー等と通信可能に構成されている。携帯装置100は、移動体通信網などを介して時刻情報を取得できるため、自動的に現在地の時刻に合わせた時刻を表示できる。
【0010】
[電波修正時計]
本実施形態の電波修正時計1は、図1に示すように、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星や準天頂衛星などの位置情報衛星Sからの衛星信号を受信して衛星時刻情報を取得し、表示時刻を修正できるように構成されている。さらに、電波修正時計1は、発電装置として太陽電池パネルを備え、太陽電池パネルで発電した電力を蓄電する二次電池を備える。
したがって、電波修正時計1は、太陽光などの光エネルギーを電気エネルギーに変換するソーラー機能と、位置情報衛星から受信した衛星信号に基づいて現在地時刻を表示する衛星電波修正機能とを備える。
なお、太陽電池パネルは、照射される光エネルギーに応じて発電電圧が変動するため、照射される光の光量が閾値レベル以上であるか否かを検出する光センサーとしても利用できる。
【0011】
電波修正時計1は、図2および図3に示すように、文字板11および外装ケース2を備える。外装ケース2は、略円筒状に形成されたケース胴13と、ケース胴13の表面側に固定されるリング状のベゼル14と、ベゼル14に固定されるカバーガラス31と、ケース胴13の裏面側に固定される裏蓋5とを備える。
なお、本実施形態では、ケース胴13と裏蓋5とは、別体で構成されているが、これに限らず、ケース胴13および裏蓋5が一体化されたワンピースケースを用いてもよい。
また、以降の説明において、電波修正時計1を、文字板11の表面に直交する方向から見ることを平面視という。
【0012】
電波修正時計1は、図2に示すように、文字板11の平面中心より、2時方向の位置にAボタン7Aが設けられ、4時方向の位置にBボタン7Bが設けられ、3時方向の位置にりゅうず6が設けられている。Aボタン7A、Bボタン7B、りゅうず6が操作されることにより、操作に応じた操作信号が出力される。したがって、Aボタン7A、Bボタン7B、りゅうず6は、電波修正時計1において、ユーザーの操作を受け付ける操作部である。
外装ケース2の12時側には第1バンド15が接続され、6時側には第2バンド16が接続され、第1バンド15および第2バンド16は、図示略の中留で連結されている。第1バンド15、第2バンド16は、外装ケース2に取り付けられるチタン等の金属製のエンドピースと、複数の駒とを備えるメタルバンドである。なお、バンドとしては、メタルバンドに限らず、レザーバンドや樹脂バンドなどでもよい。
【0013】
文字板11は、ポリカーボネートなどの非導電性部材にて円板状に形成されている。図2に示すように、文字板11の平面中心には、文字板11を貫通して設けられる指針軸4が配置されている。指針軸4は、図3に示すように、秒針軸4B、分針軸4C、時針軸4Dを備え、各軸には、現時刻表示用の指針3である秒針3B、分針3C、時針3Dが取り付けられている。文字板11の外周部には、ダイヤルリング32が配置されている。
【0014】
電波修正時計1は、図2に示すように、3つの小窓(サブダイヤル)770、780、790と、指針軸773、783、793と、各指針軸773、783、793に取り付けられた指針771、781、791、792とを備える多機能時計である。
第1小窓770は、文字板11の平面中心に対して2時方向に設けられる。第2小窓780は、文字板11の平面中心に対して10時方向に設けられる。第3小窓790は、文字板11の平面中心に対して6時方向に設けられる。
文字板11には、その平面中心に対して、4時と5時との間の方向に矩形の日窓5Aが設けられている。文字板11の裏面側には日車5Bが配置され、日車5Bは日窓5Aから視認可能となっている。
【0015】
本実施形態では、第1小窓770の指針771は、クロノグラフ60分計の指針である。第2小窓780の指針781は、各種情報を指示するモード針およびクロノグラフ時針を兼用している。第3小窓790の指針791、792は、ホームタイムやローカルタイムを指示する小時計用の分針および時針である。
前述の秒針3B、分針3C、時針3D、指針771、781、791、792および日車5Bは、図示略のモーターおよび輪列を介して駆動される。
【0016】
モード針である指針781で指示される第2小窓780には、二次電池24の残量を示すパワーインジケーターと、機内モードと、GPS衛星信号の受信モードと、近距離無線通信モードの各モードの設定を指示する目盛と、クロノグラフ時を指示する目盛とが表示されている。
パワーインジケーターは、第2小窓780の9時位置から略8時位置に渡って帯状に表示され、9時位置がF(Full)、8時位置がE(Empty)を意味する。すなわち、二次電池24の電池電圧が第一閾値以上の場合に指針781がFを指示して充電量が十分であることを示し、電池電圧が第一閾値より低い第二閾値未満の場合に指針781がEを指示して充電量が不足していることを示す。電池電圧が第二閾値以上、第一閾値未満の所定値の場合、指針781がFとEの間を指示して充電量が下がっていることを示す。
機内モードを示す飛行機マークは、第2小窓780の略9.5時位置に表示されている。機内モードは、後述するように、自動受信条件に該当しても自動受信処理を開始しない自動受信禁止モードの一例である。
受信モードの測時モードを示す「1」は略10時位置に表示され、測位モードを示す「4+」は略11時位置に表示されている。
近距離無線通信モードを示す記号「BLE」は、第2小窓780の6時位置から略8時位置に渡って表示されている。
クロノグラフ時を指示する目盛は、第2小窓780の12時位置から3時位置を経由して6時位置まで6時間分の目盛が設定されている。
【0017】
[電波修正時計の内部構造]
次に、電波修正時計1の外装ケース2に内蔵される内部構造について説明する。
図3は電波修正時計1の要部断面図である。図3に示すように、円筒状のケース胴13の上側(表面側)には円筒状のベゼル14が嵌合されており、ベゼル14の上側の開口は、円板状のカバーガラス31で塞がれている。また、ケース胴13の下側(裏面側)の開口は、裏蓋5で塞がれている。ケース胴13と裏蓋5は、例えばスクリュー溝で固定されている。電波修正時計1の外装ケース2は、例えば、ケース胴13と、ベゼル14と、カバーガラス31と、裏蓋5とで構成されている。
外装ケース2の本体部分となるケース胴13と、裏蓋5およびベゼル14はステンレス、チタン、アルミ、真鍮などの金属で作られている。なお、ベゼル14部分はジルコニア(ZeO2)、炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、アルミナ(Al2O3)などのセラミックから作られていてもよい。ベゼル14部分をセラミック製にすれば、セラミックは電波を透過するので無線通信性能が良くなるとともに、セラミックは硬く、耐傷性に優れ、長期間美観が維持できる利点がある。
【0018】
外装ケース2内には、文字板11の他、ダイヤルリング32、ムーブメント20、リングアンテナ40等が収容される。
ムーブメント20は、地板21、太陽電池パネル22、駆動機構23、二次電池24、回路基板25、回路押さえ26等を備えている。
【0019】
ダイヤルリング32は、円環状に形成され、カバーガラス31の下側であり、ベゼル14の内周に沿って配置されている。ダイヤルリング32は、外周側がベゼル14に接触する平坦部分となっており、内周側は内側に向かって傾斜する傾斜部分となっている。ダイヤルリング32の下側にはドーナツ状の収納空間が設けられており、この収納空間に円環状のリングアンテナ40が収納されている。リングアンテナ40は文字板11の周囲に配置されている。具体的にはケース胴13やベゼル14の内周より内側に配置され、その上方がダイヤルリング32で覆われている。
【0020】
リングアンテナ40の下側には、金属等の導電性材料で形成された円環状のグランド板90が設けられている。グランド板90および地板21には、挿通孔が形成され、給電ピン44、45が挿通されている。
また、地板21には、挿通孔が形成され、グランド板90にグランド電位を供給するための図示略の導通ピンが挿通されている。導通ピンは、少なくとも1本、例えば4本設けられ、グランド板90に当接している。このため、グランド板90の電位は、グランド電位に維持される。また、グランド板90は、ケース胴13の内周面に接触する複数の導通ばね90Aを備えている。従って、ケース胴13の電位は、グランド板90と同じ電位、つまりグランド電位に維持されている。
【0021】
リングアンテナ40の内側には、文字板11及び太陽電池パネル22が設けられている。文字板11は、プラスチック等の光透過性の非導電性材料で形成されている。また、太陽電池パネル22は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する複数のソーラーセルを直列接続した円形の平板である。文字板11及び太陽電池パネル22は重ねて配置され、指針軸4、773、783、793が貫通する孔がそれぞれ設けられている。
【0022】
太陽電池パネル22の下側には、プラスチックやセラミック等の非導電性材料で形成された地板21が設けられている。
地板21の下側には、図3に示すように、指針軸4等を回転させて指針3を駆動する駆動機構23が設けられている。駆動機構23は、ステップモーターと、歯車等の輪列とを有し、ステップモーターが輪列を介して指針軸4を回転させることにより指針3を駆動する。なお、ステップモーターおよび輪列は、ムーブメント20において適宜設定される。例えば、本実施形態のムーブメント20では、秒針3B用の秒モーターと、分針3Cおよび時針3D用の時分モーターと、日車5B用の日車モーターと、指針771用のクロノグラフ分モーターと、指針781用のモード兼クロノグラフ時モーターと、指針791、792用の小時計用モーターとの6個のステップモーターを備えている。
【0023】
地板21及び駆動機構23の下側には、回路基板25が設けられている。この回路基板25の下面(裏面側の面)には、GPS受信モジュール50、制御表示モジュール60、電源供給モジュール70、近距離無線通信モジュール150等を含む回路ブロックが実装されている。各モジュール50、60、70、150は、例えば1チップのICモジュールで構成され、アナログ回路やデジタル回路が含まれる。各モジュール50、60、70、150の詳細は後述する。
【0024】
[リングアンテナ]
次に、リングアンテナ40の構造について説明する。
リングアンテナ40は、GPS受信用の1.5GHz電極パターンとBLE通信用の2.4GHz電極パターンの両方を備えている。具体的には、プラスチックやセラミック等の誘電体で形成された円環状の基材401と、基材401の表面に形成された無給電素子402と、所定の電位が給電される導電性の給電素子403、407及び結合部404、408とを備える。
基材401とグランド板90は円環の中心軸が同じであり、この中心軸は指針軸4と一致する。基材401とグランド板90の離間間隔は、グランド板90と基材401上に設けられた給電素子403との間で共振を生じさせて電波を受信できる間隔に設定されている。
【0025】
無給電素子402、給電素子403、407及び結合部404、408は、いずれも金属等の導電性材料で形成されており、例えばメッキや銀ペースト印刷等によって形成できる。基材401の材料は、酸化チタン等の高周波で使用可能な誘電材料を樹脂に混ぜることで、比誘電率が5~20程度となるように調整されている。また、基材401の断面は、五角形とされている。すなわち、基材401は、ベゼル14の内周面に沿った外周面と、外周面の上端つまりダイヤルリング32側の端部に連続する上面と、外周面の下端つまりグランド板90側の端部に連続する底面と、上面の内周端に連続し、地板21側に向かって傾斜する第1傾斜面と、第1傾斜面および底面間に設けられた第2傾斜面とを備える。
【0026】
無給電素子402は、基材401の上面に形成され、給電素子403、407は、基材401の第1傾斜面に形成されている。また、結合部404、408は、第2傾斜面および底面に亘って形成され、給電素子403、407および給電ピン44、45を導通している。このため、結合部404、408は、給電ピン44、45が配置された位置に対応して形成され、給電素子403、407には、給電ピン44、45および結合部404、408を介して所定の電位が供給される。
一方、無給電素子402に対しては外部から何ら電位は給電されない。
【0027】
無給電素子402は、基材401の上面に沿って、円環形状に形成されている。一方、給電素子403、407は、それぞれ平面視で略半円弧状に形成されている。
給電素子403は、GPS受信用の電極パターンであり、GPS衛星から送信される1.5GHzの衛星信号に共振するアンテナ長を有する。
給電素子407は、BLE通信用の電極パターンであり、近距離無線通信用の2.4GHzの電波に共振するアンテナ長を有する。
これらの給電素子403、407は、平面視で重ならない位置に形成されている。例えば、給電素子403を、文字板11の4時から6時を経由して8時までの範囲に沿って形成し、給電素子407を、文字板11の10時から12時を経由して2時までの範囲に沿って形成してもよい。結合部404は、給電素子403が形成された範囲内、例えば6時位置に形成し、結合部408は、給電素子407が形成された範囲内、例えば12時位置に形成すればよい。
【0028】
無給電素子402は、給電素子403、407と離間して設けられており、いずれかの給電素子403、407に電流が流れると無給電素子402にも電流が誘起されるように設定されている。従って、給電素子403、407と無給電素子402とは、両者が一体となって電磁波を電流に変換するアンテナ素子として機能する。
【0029】
[電波修正時計の回路構成]
図4は、電波修正時計1の回路構成を示すブロック図である。
電波修正時計1は、回路基板25に各々配置された制御表示モジュール60と、GPS受信モジュール50と、近距離無線通信モジュール150と、電源供給モジュール70とを有する。
【0030】
[GPS受信モジュール]
GPS受信モジュール50は、リングアンテナ40の給電素子403、無給電素子402により実現されるGPSアンテナ40AおよびSAW(Surface Acoustic Wave)フィルター59を介して、位置情報衛星SであるGPS衛星から第1の時刻情報を含む衛星電波を受信し、その衛星信号を処理する。このため、GPS受信モジュール50、GPSアンテナ40A、SAWフィルター59は、第1の時刻情報を含む衛星電波を受信する受信部R1の一例である。
SAWフィルター59は、バンドパスフィルターであり、1.5GHzの衛星信号を通過させるものとなっている。なお、GPSアンテナ40AとSAWフィルター59との間に、受信感度を良好にするLNA(ローノイズアンプ)を別途挿入してもよい。また、SAWフィルター59をGPS受信モジュール50内に組み込んだ構成としてもよい。
【0031】
GPS受信モジュール50は、SAWフィルター59を通過した衛星信号を処理するものであり、RF(Radio Frequency)部51と、ベースバンド部52と、温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)53と、フラッシュメモリー54とを備えている。
【0032】
RF部51は、PLL(Phase Locked Loop)511、VCO(Voltage Controlled Oscillator)512、LNA(Low Noise Amplifier)513、ミキサー514、IF(Intermediate Frequency)アンプ515、IFフィルター516、ADC(A/D変換器)517を備えている。
【0033】
PLL511およびVCO512は、TCXO53により発生されるクロックから受信周波数に対応した周波数の局部発振信号を発生する。
SAWフィルター59を通過した衛星信号は、LNA513で増幅された後、ミキサー514によってVCO512からの局部発振信号とミキシングされ、IF帯のIF信号にダウンコンバートされる。
ミキサー514から出力されたIF信号は、IFアンプ515、IFフィルター516を通り、ADC(A/D変換器)517によってデジタル信号に変換される。
【0034】
ベースバンド部52は、DSP(Digital Signal Processor)521、CPU(Central Processing Unit)522、RTC(リアルタイムクロック)523、SRAM(Static Random Access Memory)524を備えている。
また、ベースバンド部52には、TCXO53やフラッシュメモリー54等も接続されている。
【0035】
そして、ベースバンド部52は、RF部51のADC517からデジタル信号が入力され、相関処理や測位演算等を行うことにより、衛星時刻情報や測位情報を取得できるようになっている。
また、ベースバンド部52は、衛星信号に含まれるうるう秒のデータをSRAM524に記憶しているため、取得した衛星時刻情報つまりZカウントを前記うるう秒で補正し、世界協定時であるUTCを算出して制御部61に出力できるようになっている。
局部発振信号の基となるクロックは、TCXO53からベースバンド部52を介してPLL511に供給されるようになっている。
【0036】
[フラッシュメモリー内のデータ]
フラッシュメモリー54には、時差データベース等が記憶される。本実施形態において、フラッシュメモリー54内の情報は、BLE(Bluetooth Low Energy)規格の近距離無線通信により近隣の携帯装置100から取得され、フラッシュメモリー54内に格納される。
時差データベースは、緯度および経度によって特定される位置情報と、その場所の時差情報とが対応付けられている。このため、GPS受信モジュール50は、測位モードで位置情報を取得した場合、その位置情報(緯度、経度)に基づいて時差情報つまりUTCに対する時差を取得し、制御部61に出力できるようにされている。
したがって、受信部R1を構成するGPS受信モジュール50は、測時モードでの衛星電波の受信に成功した場合は、第1の時刻情報としてUTCを出力し、測位モードでの衛星電波の受信に成功した場合は、第1の時刻情報としてUTCと時差情報とを出力する。
【0037】
[近距離無線通信モジュール]
近距離無線通信モジュール150は、リングアンテナ40の給電素子407、無給電素子402により実現される近距離無線通信アンテナ40Bによって、BLE規格の近距離無線通信を実行し、近隣の携帯装置100から送信される第2の時刻情報を含む電波を受信して処理する。このため、近距離無線通信モジュール150、近距離無線通信アンテナ40Bは、携帯装置100から送信される第2の時刻情報を含む電波を受信する近距離受信部R2の一例である。
近距離無線通信モジュール150は、RF(Radio Frequency)部1500と、ベースバンド部1600と、BLEコントローラー部1700と、16MHzのマスタークロックを発生する水晶発振器1701とを含む。
【0038】
RF部1500は、近距離無線通信アンテナ40Bを介して受信される近距離無線通信信号を復調に適したIF信号にダウンコンバートするとともに、送信情報により変調されたIF信号を高周波信号にアップコンバートする回路である。
【0039】
このRF部1500において、LNA(Low Noise Amplifier)1511は、近距離無線通信アンテナ40Bにより受信される近距離無線通信信号の高周波増幅を行い、BPF1512は、このLNA1511から不要な帯域のノイズを除去する。
PLL1501およびVCO1502からなるシンセサイザーは、受信用選局周波数に対応した周波数の局部発振信号をミキサー1513に供給する。
ミキサー1513は、BPF1512を介して出力される信号を局部発振信号とミキシングすることによりダウンコンバートし、IF信号を出力する。
IFアンプ1514は、このIF信号を増幅し、ADC(Analog Digital Converter)1515は、このIFアンプ1514の出力するIF信号をデジタル信号に変換してベースバンド部1600に供給する。
【0040】
また、RF部1500において、DAC(Digital Analog Converter)1521は、送信情報(ベースバンド信号)により変調されたデジタル信号をアナログ信号であるIF信号に変換し、IFアンプ1522は、このIF信号を増幅する。
ミキサー1523は、このIFアンプ1522が出力する中間周波信号を、PLL1501およびVCO1502からなるシンセサイザーにより生成される局部発振信号とミキシングすることによりアップコンバートし、送信用選局周波数に対応した帯域の高周波信号を出力する。
BPF1524は、このミキサー1523が出力する高周波信号から不要な帯域のノイズを除去する。
PA(Power Amplifier)1525は、このBPF1524が出力する高周波信号を増幅し、近距離無線通信アンテナ40Bから放射する。
【0041】
ベースバンド部1600は、復調部1610と変調部1620とを有する。
ここで、復調部1610は、RF部1500のADC1515から出力されるデジタル形式のIF信号から受信情報を復調し、BLEコントローラー部1700に供給する。受信情報は、通信相手である携帯装置100から送信された送信情報であり、第2の時刻情報を含む。第2の時刻情報は、具体的には、UTCと時差情報である。すなわち、携帯装置100は、移動体通信網などを介して、UTCと現在地の時差情報とを取得でき、このUTCおよび時差情報を第2の時刻情報として送信する。このため、復調部1610は、第2の時刻情報つまりUTCと時差情報とをBLEコントローラー部1700に出力する。
また、変調部1620は、BLEコントローラー部1700から供給される送信情報によりキャリアを変調し、デジタル形式のIF信号を生成し、RF部1500のDAC1521に供給する。
【0042】
BLEコントローラー部1700は、RF部1500およびベースバンド部1600を制御することにより、携帯装置100との間のBLEによる通信を制御する手段である。そして、BLEコントローラー部1700は、携帯装置100から受信して取得した第2の時刻情報として、UTCおよび時差情報を制御部61に出力する。
【0043】
なお、本実施形態の近距離無線通信モジュール150は、BLEの電波を通信するものであったが、NFC(Near Field Communication)の電波を受信するモジュールを用いてもよい。NFCの電波の周波数は、13.56MHzであるため、アンテナは2~3回巻きのループアンテナとなるが、リングアンテナ40に構成することができる。
【0044】
[制御表示モジュール]
制御表示モジュール60は、制御部(CPU)61と、指針3、771、781、791、792等の駆動を実施する駆動回路62と、水晶発振器63とを備えている。
【0045】
制御部61は、RTC(Real Time Clock)66、ROM67、記憶部68を含む。
RTC66は、水晶発振器63から出力される基準信号を用いて、内部時刻を計時している。このRTC66によって時刻情報生成部が構成されている。ROM67には、制御部61により実行される各種プログラムが記憶されている。本実施形態において、RTC66で計時される内部時刻は、世界協定時であるUTCである。制御部61は、測時モードまたは測位モードでの受信に成功した場合は、受信部R1から受信したUTCでRTC66を更新し、近距離無線通信モードでの受信に成功した場合は、近距離受信部R2から受信したUTCでRTC66を更新する。
【0046】
記憶部68は、GPS受信モジュール50から出力される衛星時刻情報や測位情報と、近距離無線通信モジュール150から出力される時刻情報とを記憶する。また、記憶部68は、指針3が指示する時刻とUTCとの時差である第1時差情報と、指針791、792が指示する時刻とUTCとの時差である第2時差情報とを記憶する。
このため、制御部61は、測位モードでの受信に成功した場合は、受信部R1から受信した時差情報を第1時差情報として記憶部68に記憶し、近距離無線通信モードでの受信に成功した場合は、近距離受信部R2から受信した時差情報を第1時差情報として記憶部68に記憶する。
【0047】
制御部61は、近距離無線通信モジュール150およびGPS受信モジュール50に制御信号を出力することで、近距離無線通信モジュール150およびGPS受信モジュール50を切り換えて起動する。
GPS衛星信号は、周波数が約1.5GHzと高く、受信信号の強度は1/100程度と微弱である。このため、GPS受信モジュール50によるGPS衛星信号の受信処理では、大きな電力を必要とする。そこで、制御部61は、近距離無線通信モジュール150およびGPS受信モジュール50を同時に起動することはせず、切り換えて起動する。
【0048】
本実施形態の電波修正時計1は、近距離無線通信モジュール150、GPS受信モジュール50および制御表示モジュール60を備えていることで、近距離無線通信により取得した時刻情報あるいは位置情報衛星Sから受信した時刻情報に基づいて時刻表示を修正することができる。
【0049】
[電源供給モジュール]
電源供給モジュール70は、充電制御回路71、第1レギュレーター72、第2レギュレーター73および電圧検出回路74を含む。
【0050】
太陽電池パネル22に光が入射して太陽電池パネル22が発電すると、充電制御回路71は、光発電により得られる電力を二次電池24に供給して二次電池24を充電する。
二次電池24は、第1レギュレーター72を介して制御表示モジュール60および近距離無線通信モジュール150に駆動電力を供給し、第2レギュレーター73を介してGPS受信モジュール50に駆動電力を供給する。このように二次電池24によって駆動電力を供給する電源手段が構成されている。
【0051】
電圧検出回路74は、二次電池24の出力電圧をモニターし、制御部61に出力する。すなわち、電圧検出回路74は、電源手段である二次電池24の電池残量を検出する電池残量検出部として機能する。
制御部61は、電圧検出回路74で検出された電池電圧が入力されるため、二次電池24の電圧を把握して受信処理を制御できる。
【0052】
また、充電制御回路71は、制御部61からの制御により、太陽電池パネル22と二次電池24とを切断した状態で、太陽電池パネル22の電圧を電圧検出回路74で検出するように制御できる。
この場合、電圧検出回路74は、二次電池24の電圧に影響されることなく、太陽電池パネル22の発電電圧(発電量)を検出できる。
したがって、電圧検出回路74は、太陽電池パネル22の発電量を検出する発電量検出部を構成し、この発電量は制御部61に入力される。
このため、制御部61は、太陽電池パネル22の発電量に基づいて、電波修正時計1に閾値レベル以上の光量の光が照射されているか否か、つまり屋外に配置されているか否かを判定できる。したがって、太陽電池パネル22、充電制御回路71、電圧検出回路74は、電波修正時計1に照射される光の光量が閾値レベル以上であるか否かを検出する光センサーの一例である。
【0053】
[制御部の構成]
図5は、制御部61の機能構成を示すブロック図である。
図5において、時刻情報修正部610、表示制御部620、電圧検出制御部630および受信制御部640は、CPUである制御部61がROM67に記憶されたプログラムを実行することにより実現される機能である。
【0054】
[時刻情報修正部]
時刻情報修正部610は、受信制御部640を制御し、時刻情報を受信して内部時刻を更新する処理と、りゅうず6の手動操作で時刻修正が行われた場合に内部時刻を修正する処理とを実行する。
例えば、時刻情報を受信してUTCを取得した場合、時刻情報修正部610は、RTC66が計時する内部時刻を取得したUTCで更新する。また、時刻情報を受信して第1時差情報も取得した場合、時刻情報修正部610は、記憶部68に記憶されている第1時差情報を取得した時差情報で更新する。
また、りゅうず6を1段目に引き出して回すと、時刻情報修正部610は、りゅうず6の回転量に応じて、RTC66が計時する内部時刻を更新し、基本時計の指針3が指示する時刻を修正する。また、りゅうず6を2段目に引き出して回すと、時刻情報修正部610は、りゅうず6の回転量に応じて、記憶部68に記憶されている第2時差情報を更新し、小時計の指針791、792が指示する時刻を修正する。
【0055】
[表示制御部]
表示制御部620は、通常モードにおいては、RTC66が計時する内部時刻および記憶部68に記憶された時差情報に基づいて駆動回路62を制御し、指針3で基本時計の時刻(時、分、秒)を表示し、指針791、792で小時計の時刻(時、分)を表示する。基本時計では、通常、現在地の時刻であるローカルタイムを表示する。小時計では、通常、生活の拠点となっている場所の時刻であるホームタイムを表示する。
表示制御部620は、時刻情報修正部610によって、RTC66が計時する内部時刻や第1時差情報が更新された場合は、基本時計の指針3が指示する時刻を修正する。また、表示制御部620は、時刻情報修正部610によって、第2時差情報が更新された場合は、小時計の指針791、792が指示する時刻を修正する。
このため、受信処理で取得した時刻情報に基づいて表示時刻を修正する時刻修正部は、時刻情報修正部610および表示制御部620で構成されている。
また、表示制御部620は、指針781の表示を電池残量や受信制御状態等に応じて制御する。
【0056】
[電圧検出制御部]
電圧検出制御部630は、電圧検出回路74により二次電池24の電圧つまり蓄電量や、太陽電池パネル22の発電量を検出する。電圧検出制御部630は、一定時間間隔で電圧検出回路74により電圧を検出する。電圧検出制御部630は、充電制御回路71の動作も制御する。
【0057】
[受信制御部]
受信制御部640は、受信モード選択部641と、衛星信号受信制御部642と、近距離無線通信制御部645と、受信判定部646とを備える。
【0058】
[受信モード選択部]
受信モード選択部641は、操作部であるAボタン7A、Bボタン7Bによる所定の操作を検出して、各種の受信処理の選択を実行するものである。
具体的には、受信モード選択部641は、操作部により測時受信操作が行われた場合は、測時モードを選択し、後述する測時受信制御部643を起動し、操作部により測位受信操作が行われた場合は、測位モードを選択し、後述する測位受信制御部644を起動する。
また、受信モード選択部641は、操作部により近距離無線通信操作が行われた場合は、近距離無線通信モードを選択し、後述する近距離無線通信制御部645を起動する。
具体的な測時受信操作、測位受信操作、近距離無線通信操作は、電波修正時計1に設けられた操作部の数や種類に応じて設定すればよい。例えば、Aボタン7Aを3秒未満押す所定操作Aは測時受信操作の一例であり、Aボタン7Aを3秒以上押す所定操作Bは測位受信操作の一例であり、Bボタン7Bを3秒以上押す所定操作Cは近距離無線通信操作の一例である。
また、受信モード選択部641は、後述するように、自動受信条件に該当したと判定した場合に、測時受信制御部643を起動する。
したがって、受信制御部640は、測時受信制御部643、測位受信制御部644、近距離無線通信制御部645を選択的に起動して各受信処理を選択的に制御する。
【0059】
[衛星信号受信制御部]
衛星信号受信制御部642は、測時受信制御部643と、測位受信制御部644とを備える。
測時受信制御部643は、GPS受信モジュール50を起動して少なくとも1つの位置情報衛星Sを捕捉して衛星信号を受信し、受信した衛星信号から第1の時刻情報を取得して、内部時刻を修正する測時受信処理を実行する。具体的には、測時受信制御部643は、第1の時刻情報としてUTCを取得し、RTC66で計時する内部時刻を取得したUTCで更新する。
測位受信制御部644は、GPS受信モジュール50を起動して複数の位置情報衛星Sを捕捉して衛星信号を受信し、受信した複数の衛星信号に基づいて測位を行い、測位結果に基づいて得られた時刻情報に基づいて、内部時刻を修正する測位受信処理を実行する。具体的には、測位受信制御部644は、第1の時刻情報としてUTCおよび第1時差情報を取得し、RTC66で計時する内部時刻を取得したUTCで更新し、取得した第1時差情報を記憶部68に記憶する。
【0060】
[近距離無線通信制御部]
近距離無線通信制御部645は、近距離無線通信モジュール150を起動して、電波修正時計1の近くの携帯装置100とBLEによる近距離無線通信(BLE通信)を行い、この近距離無線通信により時刻情報を取得して、内部時刻を修正する。具体的には、近距離無線通信制御部645は、第2の時刻情報としてUTCおよび第1時差情報を取得し、RTC66で計時する内部時刻を取得したUTCで更新し、取得した第1時差情報を記憶部68に記憶する。
【0061】
[受信判定部]
受信判定部646は、時刻情報の受信に成功したか否かを判定する機能を備えている。
受信判定部646は、受信した時刻情報が、例えば、「25時」や「70分」のように時刻情報として存在しないものである場合は、時刻情報の受信に失敗したと判定する。
受信判定部646は、受信した時刻情報が存在し得るものであった場合、RTC66で計時している内部時刻と比較する。例えば、衛星信号から衛星時刻情報であるZカウントを取得した場合は、受信判定部646は、Zカウントを現時点のうるう秒で補正した時刻と、RTC66の内部時刻とを比較する。また、近距離無線通信で時刻情報を取得した場合は、受信判定部646は、取得した時刻情報と、RTC66の内部時刻とを比較する。
受信判定部646は、受信により取得した時刻情報と、RTC66の内部時刻との差が小さい場合、時刻情報の受信に成功したと判定する。
受信判定部646は、前記差が大きい場合は、受信した時刻情報によって整合判定を行う。例えば、衛星信号を受信している場合は、複数のサブフレームのZカウントを取得して両者のZカウントを比較したり、捕捉した位置情報衛星Sが複数あれば、複数の位置情報衛星Sから取得した各Zカウントを比較して、取得した時刻情報の整合が取れたかを判定する。近距離無線通信で時刻情報を取得している場合も、複数の時刻情報を取得して比較し、取得した時刻情報の整合が取れたかを判定する。
時刻情報修正部610は、受信判定部646が時刻情報の整合が取れたと判定した場合に、時刻修正を行う。
【0062】
[スマートフォンの事前設定]
携帯装置100には、予め電波修正時計1と通信を行うためのアプリケーションをインストールしておく。
次に、電波修正時計1と携帯装置100とのBLE通信の初期設定のために、ペアリングを実行する。すなわち、電波修正時計1のBluetooth設定をオン状態とし、電波修正時計1にインストールしたアプリケーションを起動し、接続準備のメニューを選択すると、携帯装置100のディスプレイ101には、図6に示すペアリング画面が表示される。
ユーザーがディスプレイ101に「ペアリングする」と表示された操作メニュー102をタッチすると、携帯装置100側はペアリング状態に移行する。
そして、ユーザーが、ディスプレイ101のガイダンスを参照し、電波修正時計1のBボタン7Bを3秒以上押すと、秒針3Bは30秒位置に移動し、インジケーター針である指針781は第2小窓780の「BLE」を指示し、携帯装置100とのペアリングを実行する。ペアリングは、Bluetooth機器同士の一般的なペアリングと同様であるため、説明を省略する。
【0063】
[電子時計の受信制御]
次に、電波修正時計1の制御部61による制御について、図7のフローチャートを参照して説明する。なお、図7は、機内モードに設定されていない通常モードでの制御を示す。
本実施形態において、電圧検出回路74は、電圧検出制御部630の制御によって一定間隔、例えば60秒間隔で起動され、二次電池24の電池電圧を検出する。
制御部61は、電圧検出回路74で検出される二次電池24の電池残量つまり蓄電量が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS1)。ここで、電圧検出制御部630は、二次電池24の電池電圧と比較する所定値として、GPS測位受信処理や近距離無線通信処理を行っても制御部61がシステムダウンしない電圧を設定する。例えば、前記所定値は3.6Vであり、この値は、二次電池24の放電特性に基づいて設定すればよい。
【0064】
制御部61は、ステップS1でYESと判定した場合、所定操作Cが行われたか否かを判定する(ステップS2)。所定操作Cは、近距離無線通信操作であり、具体的には、ペアリング時と同じ操作であり、Bボタン7Bを3秒以上押す操作である。
制御部61は、ステップS2でYESと判定した場合、受信モード選択部641によって、近距離無線通信制御部645を起動し、BLE通信処理を開始する(ステップS20)。BLE通信処理が実行される典型例として、電波修正時計1を装着したユーザーが屋内に所在する場合等、GPSの衛星信号の受信が困難な状況において時刻情報を取得する必要がある場合が挙げられる。
【0065】
制御部61は、ステップS2でNOと判定した場合、所定操作Bが行われたか否かを判定する(ステップS3)。所定操作Bは、測位受信操作であり、具体的には、Aボタン7Aを3秒以上押す操作である。
制御部61は、ステップS3でYESと判定した場合、受信モード選択部641によって、測位受信制御部644を起動し、GPS測位受信処理を開始する(ステップS40)。
【0066】
制御部61は、ステップS1でNOと判定した場合と、ステップS3でNOと判定した場合、自動受信条件に該当するか否かを判定する(ステップS4)。ここで、本実施形態の自動受信条件は、予め設定された定時受信時刻になった場合である。
【0067】
制御部61は、ステップS4でNOと判定した場合、所定操作Aが行われたか否かを判定するステップS5を実行する。所定操作Aは、測時受信操作であり、具体的には、Aボタン7Aを3秒未満押す操作である。
制御部61は、ステップS4でYESと判定した場合と、ステップS5でYESと判定した場合、受信モード選択部641によって、測時受信制御部643を起動し、GPS測時受信処理を開始する(ステップS30)。
【0068】
制御部61は、ステップS5でNOと判定した場合、つまり自動受信条件に該当せず、所定操作A~Cのいずれの操作も行われない場合は、表示制御部620による通常運針を継続する(ステップS10)。
制御部61は、以上の処理を所定時間間隔で繰り返し実行する。
【0069】
[BLE通信処理]
次に、ステップS20のBLE通信処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。
近距離無線通信制御部645が起動されると、表示制御部620は、BLE通信中であることを指針781で指示する(ステップS201)。具体的には、指針781は、第2小窓780の「BLE」の文字部分を指示する。
次に近距離無線通信制御部645は、近距離無線通信モジュール150により携帯装置100との間にBLEのリンクを確立する処理を開始する(ステップS202)。
次に近距離無線通信制御部645は、BLEのリンクが確立したか否かを判断する(ステップS211)。
この判断結果が「No」である場合、近距離無線通信制御部645は、所定のタイムアウト時間が経過したか否かを判断する(ステップS240)。
この判断結果が「No」である場合、近距離無線通信制御部645は、ステップS211の判断を繰り返す。
【0070】
BLEのリンクが確立することなく、タイムアウト時間が経過すると、ステップS240の判断結果が「Yes」となる。
この場合、近距離無線通信制御部645は、通信を終了する(ステップS231)。
これにより制御部61は、運針を通常運針に戻す(ステップS232)。
そして、制御部61の処理は、図7のステップS1に戻る。
【0071】
タイムアウト時間が経過する前にBLEのリンクが確立すると、ステップS211の判断結果が「Yes」となり、近距離無線通信制御部645は、近距離無線通信モジュール150により近隣の携帯装置100から時刻情報を取得する(ステップS212)。この時刻情報は、UTCと現在地の時差情報であり、第2の時刻情報の一例である。
次に受信判定部646は、携帯装置100から取得した時刻情報の整合性があるか否かを判断する(ステップS213)。
具体的には、受信判定部646は、前述したように、取得した時刻情報のUTCを、制御部61のRTC66の内部時刻と比較し、その差が所定値以内であるか否か等で整合がとれているかを確認する。
【0072】
ステップS213の判断結果が「No」である場合、近距離無線通信制御部645は、通信を終了する(ステップS231)。これにより制御部61は、運針を通常運針に戻す(ステップS232)。そして、制御部61の処理は、図7のステップS1に戻る。
なお、ステップS231でNOと判定した場合、近距離無線通信制御部645は、携帯装置100に対して、不整合であることを通知してもよい。携帯装置100は、時刻情報の不整合が通知された場合は、ディスプレイ101に、不整合であるため、携帯装置100の時刻情報で、電波修正時計1の内部時刻を更新してよいかの確認ボタンを表示し、ユーザーがボタンを押した場合には、後述するステップS214の処理に進んでもよい。
【0073】
ステップS213の判断結果が「Yes」である場合、時刻情報修正部610は、携帯装置100から取得した時刻情報により制御部61のRTC66の内部時刻および第1時差情報を修正し、表示制御部620は修正された内部時刻および第1の時刻情報に応じて指針3が指示する表示時刻を修正する(ステップS214)。
【0074】
次に近距離無線通信制御部645は、携帯装置100から時差データベース等のデータ更新指示を受け取ったか否かを判断する(ステップS221)。
本実施形態において、ユーザーは、電波修正時計1のフラッシュメモリー54の内蔵データの書き換えを希望する場合、携帯装置100にインストールされたデータ書き換え用のアプリケーションプログラムを起動し、携帯装置100から電波修正時計1にデータ更新指示を送信させ、携帯装置100に事前にダウンロードされた時差データベース等のデータを電波修正時計1に対して送信させる。
ステップS221では、この携帯装置100からのデータ更新指示が受信されたか否かを判断する。
このステップS221の判断結果が「No」である場合、受信判定部646は、携帯装置100から通信終了指示が受信されたか否かを判断する(ステップS224)。
このステップS224の判断結果が「No」である場合、受信判定部646は、ステップS221の判断を繰り返す。
【0075】
携帯装置100からデータ更新指示が受信され、ステップS221の判断結果が「Yes」になると、近距離無線通信制御部645は、近距離無線通信モジュール150により携帯装置100から時差データベース等のデータを受信し(ステップS222)、受信したデータにより、GPS受信モジュール50のフラッシュメモリー54内のデータを書き換える(ステップS223)。
そして、受信判定部646は、携帯装置100から通信終了指示が受信されたか否かを判断する(ステップS224)。
【0076】
そして、携帯装置100から通信終了指示が受信されると、ステップS224の判断結果が「Yes」となる。
これにより制御部61は、通信を終了し(ステップS231)、運針を通常運針に戻す(ステップS232)。
そして、制御部61の処理は、図7のステップS1に戻る。
【0077】
また、近距離無線通信処理では、時刻情報や時差データベース以外に、携帯装置100のアプリケーションを利用して、時差情報であるタイムゾーン情報、サマータイム情報の更新、アシストデータの取得も可能である。
例えば、基本時計や小時計のタイムゾーン情報を変更する場合、携帯装置100のアプリケーションによって、図9に示すように、ディスプレイ101にタイムゾーン修正画面110を表示する。タイムゾーン修正画面110には、指針3で指示される基本時計のタイムゾーン、日付、時刻を修正する基本時計修正画面111と、指針791、792で指示される小時計のタイムゾーン、日付、時刻を修正する小時計修正画面112とが表示される。各画面111、112をユーザーがタップして、上下にフリックすると、タイムゾーンが変更され、連動して日付、時刻も変更される。
そして、「設定を時計に送る」と表示されたボタン113を押すと、各画面111、112のタイムゾーン情報が電波修正時計1に送信され、基本時計や小時計のタイムゾーンつまり第1時差情報および第2時差情報を変更することができる。
【0078】
[測時受信処理]
次に、ステップS30のGPS測時受信処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。以下、GPS測時受信処理を単に測時受信処理という。
測時受信処理は、制御部61の測時受信制御部643がGPS受信モジュール50を制御して実行する。
測時受信制御部643は、測時受信処理を開始すると、まず、指針781で「1」を指示して測時モード中であることを表示し、GPS受信モジュール50を起動して時刻受信を開始する(ステップS301)。
【0079】
次に測時受信制御部643は、GPS受信モジュール50により衛星サーチを開始する(ステップS302)。
そして、測時受信制御部643は、GPS受信モジュール50が衛星を捕捉できたか否かを判断する(ステップS311)。
この判断結果が「No」である場合、測時受信制御部643は、測時受信開始からの経過時間が、衛星捕捉用の所定のタイムアウト時間(例えば、15秒)になったか否かを判断する(ステップS351)。
【0080】
タイムアウトとなることによりステップS351の判断結果が「Yes」となった場合、測時受信制御部643は、GPS受信モジュール50による受信を終了する(ステップS342)。
これにより制御部61は、指針781を電池残量表示として通常運針に戻す(ステップS334)。
なお、GPS衛星信号の周波数は、約1.5GHzと高周波であり、モーターノイズの影響を受けないため、本実施形態では、衛星信号の受信中も、指針3の運針を継続させているが、運針を停止させてもよい。
【0081】
一方、ステップS311からステップS351に進んだ際にタイムアウトとなっておらず、ステップS351の判断結果が「No」となった場合、測時受信制御部643は、GPS受信モジュール50による衛星サーチ処理(ステップS302)を継続する。
【0082】
ステップS302からステップS311に進んだ際、衛星を捕捉できたことが確認され、ステップS311の判断結果が「Yes」となった場合、測時受信制御部643は、GPS受信モジュール50が捕捉できた位置情報衛星Sに関する衛星データをフラッシュメモリー54に格納する(ステップS312)。
【0083】
このフラッシュメモリー54には、過去の受信時に捕捉した衛星データが、受信時間帯を示す情報とともに記憶されている。
そして、フラッシュメモリー54に記憶された衛星データの時間帯と同じ時間帯にGPS受信モジュール50が記憶された衛星データとは異なる新たな位置情報衛星Sを捕捉した場合、測時受信制御部643は、ステップS312において、新たに捕捉した衛星データにより、フラッシュメモリー54内の同じ時間帯の衛星データを更新する。
【0084】
フラッシュメモリー54に記憶された衛星データは、ステップS302の衛星サーチ時に利用される。
すなわち、一般的に位置情報衛星、例えばGPS衛星は、略12時間で地球を一周しており、地球も自転をしていることから、同じ場所で同じ時間、例えば24時間後に位置情報衛星をサーチすれば、過去、例えば前回に捕捉した位置情報衛星と同一の位置情報衛星を捕捉できる可能性が高い。
このため、ステップS302の衛星サーチ時に、フラッシュメモリー54に同じ時間帯で捕捉でした衛星データが存在する場合は、その衛星のサーチを優先させることで、短時間で位置情報衛星Sを捕捉できる確率が向上する。
したがって、測時受信制御部643は、ステップS302の衛星サーチ時に、フラッシュメモリー54に記憶された衛星データを参照し、同じ時間帯の衛星データが記憶されている場合は、その衛星のサーチを優先して行い、衛星データが記憶されていない場合は、予め決められた順番で位置情報衛星Sのサーチを行う。
【0085】
衛星データのフラッシュメモリー54への格納(ステップS312)が完了すると、測時受信制御部643は、GPS受信モジュール50により捕捉した衛星から時刻情報が取得できたか否かを判断する(ステップS321)。すなわち、時刻情報としてZカウントを取得できたか否かを判断する。
なお、複数の衛星を捕捉できている場合には、信号強度(SNR)が高い衛星信号から時刻情報を取得してもよいし、複数の衛星からそれぞれ時刻情報を取得し、時刻情報の整合性を確認して時刻情報の取得成功を判断してもよい。
【0086】
ステップS321の判断結果が「No」となった場合、測時受信制御部643は、その処理がステップS312からステップS321に進んだ時刻からの経過時間が所定のタイムアウト時間(例えば60秒)に到達したか否かを判断する(ステップS341)。
このステップS341の判断結果が「No」である場合、測時受信制御部643は、ステップS321の処理を繰り返す。
【0087】
GPS衛星信号では、Zカウントは6秒間隔で受信できるため、ステップS341のタイムアウト時間が60秒であれば、タイムアウトになるまでにZカウントを最大で10回受信することができる。
【0088】
経過時間がタイムアウト時間以上となり、ステップS341の判断結果が「Yes」になると、GPS受信モジュール50は、受信処理を終了する(ステップS342)。これにより通常運針に戻る(ステップ334)。
【0089】
一方、ステップS321に進んだ際に、その時点において時刻データが取得できていると、ステップS321の判断結果が「Yes」となり、測時受信制御部643は、取得した時刻情報の整合性を確認する(ステップS322)。
具体的には、測時受信制御部643は、最初のZカウントを取得した時点では、そのZカウントをうるう秒で補正した時刻と制御部61のRTC66の内部時刻と比較し、その差が所定値以内であるか否かで整合がとれているかを確認する(ステップS322)。
このステップS322において、比較した時刻の差が所定値より大きい場合、例えば、5秒以上の差がある場合には、整合が取れていないと判定する。
【0090】
そして、ステップS322において、整合性がとれていないために「No」と判定された場合、測時受信制御部643は、ステップS341以降の処理を実行する。
したがって、取得した時刻情報が内部時刻と整合していない場合には、測時受信制御部643は、次の6秒後のサブフレームのZカウントを取得することになる。
【0091】
一方、測時受信制御部643が複数のZカウントを取得し、それら複数のZカウント同士で整合が取れている場合、つまり6秒間隔のデータとなっている場合には、取得したZカウントの整合が取れているため、ステップS322で「Yes」と判定する。
【0092】
測時受信制御部643は、ステップS322において「Yes」と判断した場合、受信を終了する(ステップS331)。
次に時刻情報修正部610は、取得した時刻情報に基づいて内部時刻を修正し、表示制御部620は修正された内部時刻と、記憶部68に記憶されている第1の時刻情報とに応じて指針3が指示する表示時刻を修正する(ステップS332)。
時刻情報修正部610が内部時刻を修正すると、表示制御部620は、修正した内部時刻に基づいて、駆動回路62を介して指針3の表示を修正し、指針781も電池残量表示に戻して、通常運針に戻る(ステップS334)。
【0093】
以上により、測時受信処理が終了する。
この測時受信処理が終了すると、制御部61は、図7のステップS1に戻って処理を継続する。
測時受信処理では、5~15秒程度の受信時間で時刻情報を取得することができ、1つの衛星だけを捕捉できればよいので、省電力であり、かつ、受信感度も優れている。
【0094】
[GPS測位受信処理]
ステップS40のGPS測位受信処理は、捕捉する衛星数が、少なくとも3個、通常は4個である点と、測位のために衛星軌道データを取得して測位計算を行う点などが相違する点を除き、ステップS30のGPS測時受信処理と同様の処理であるため、説明を省略する。なお、GPS測位受信処理では、測位計算を行って受信処理を行った地点の位置情報を取得できるので、取得した位置情報とフラッシュメモリー54に記憶された時差データベースに基づいて、現在地の時差情報を取得し、ローカルタイムに掛かる時差情報を修正することができる。
なお、測時受信処理は1つの衛星から時刻情報であるZカウントを受信すればよいので、空が開けていない環境でも受信でき、例えばビル街や屋内でも窓際であれば受信可能である。また、衛星軌道データを受信せずにZカウントのみの受信でよいので、受信に掛かる時間も短く、測位受信処理と比べて受信成功率が高い。ただし測位計算を行わないため測時受信処理ではタイムゾーンの自動修正はできない。
一方、測位計算を行う測位受信処理は3個以上の衛星から衛星軌道データを受信しなければならず、一般的に30秒以上の受信時間が必要であり、空が開けた屋外の環境下でないと受信成功率が低い。よって、測位受信処理は自動受信には適しておらず、ユーザーの意思で受信を開始する手動受信の方が適している。
【0095】
[機内モードでの受信制御]
機内モードが実行されている場合、制御部61は、自動受信は実行しない。すなわち、機内モードでの受信制御は、図7に示す通常モードでの受信制御に対し、ステップS4の判定処理を行わない点のみが相違する。このため、機内モードでの受信制御の説明は省略する。
【0096】
[第1実施形態の作用効果]
本実施形態の電波修正時計1は、時刻情報を含む衛星電波を受信する受信部R1と、携帯装置100から送信される時刻情報を含む電波を受信する近距離受信部R2と、指示操作を受け付ける操作部であるAボタン7A、Bボタン7Bと、予め設定された時刻になると受信部による第1受信処理を動作させ、操作部からの指示操作に応じて近距離受信部による第2受信処理を動作させ、第1受信処理および第2受信処理を選択的に制御する受信制御部640と、第1受信処理で取得した時刻情報あるいは第2受信処理で取得した時刻情報に基づいて表示時刻を修正する時刻修正部である時刻情報修正部610および表示制御部620と、を備える。
このため、毎日、自動で行われる時刻修正は、予め設定された時刻に実行される第1受信処理つまりGPS測時受信処理で行われる。一方、第2受信処理つまりBLE通信処理は、ユーザーがBボタン7Bを押して指示操作を行った場合に実行される。
BLE通信処理は、予め携帯装置100のアプリケーションを起動させておく必要があり、毎日の時刻修正の目的のために、BLE通信処理を行う場合は、その都度、ユーザーはアプリケーションの起動操作を行う必要があり、ユーザーにとって操作が煩雑となる。また、携帯装置100のアプリケーションを起動し続けた場合は、携帯装置100の内部メモリーの一部を占有し、バッテリーも消費してしまう。
これに対し、本実施形態では、毎日の定時受信は、GPS測時受信処理であり、BLE通信処理は、ユーザーが操作する必要なときだけ実行すればよいため、ユーザーにとって操作が煩雑となることを防止でき、携帯装置100のメモリーの占有やバッテリーの消費も防止できる。
【0097】
第1受信処理は、予め設定された時刻になると自動的に実行されるため、電波修正時計1は、ユーザーが何ら操作しなくても、全世界中において正確な時刻表示を継続することができる。特に、通常、ユーザーはタイムゾーンの変化が無い同じ地域に留まっているため、BLE通信よりも消費電力が少ないGPS測時受信処理を毎日自動で行うことで、電波修正時計1を正確な時刻に自動的に合わせることができ、消費電力も抑制できる。
また、日常では、電波修正時計1は携帯装置100と連携しないので、携帯装置100において専用のアプリケーションを起動しておく煩わしさがなく、また携帯装置100と繋がらないというユーザーの不満を最小限にできる。
【0098】
ユーザーが操作部を操作して第2受信処理を実行すれば、GPS衛星信号が届かない屋内でもタイムゾーンを修正でき、現在地の正確な時刻に合わせることができる。例えば、ユーザーが飛行機に乗って時差を跨いで移動した場合、電波修正時計1は、空港建物内であっても近距離無線操作に応じて携帯装置100にリンクして、携帯装置100から現地時刻を表示するための時刻情報を取得できるため、速やかに現地時刻に修正することができる。
【0099】
[第2実施形態]
第2実施形態は、機内モード実行時の処理が第1実施形態と相違する。すなわち、機内モードが実行されていない通常モードでは、第1実施形態と同一の図7の処理を実行するため、説明を省略する。一方、機内モードが実行されている場合は、図11に示す機内モードの処理S401を実行する。
以下、第1実施形態と相違する機内モードの処理S401について、図11を参照して説明する。なお、図11において、図7のフローチャートと同じ処理には同じ符号を付して説明を省略する。
電波修正時計1の制御部61は、機内モードを実行し、蓄電量が所定値以上であるかを判定するステップS1でYESと判定すると、機内モード解除操作があるか否かを判定する(ステップS402)。
機内モードに移行する操作は、例えば、りゅうず6を1段目に引き出して、Bボタン7Bを3秒以上押す操作である。機内モードを解除する操作も同じ操作である。
【0100】
制御部61は、機内モードの解除操作があり、ステップS402でYESと判定すると、機内モードを解除し(ステップS403)、近距離無線通信制御部645を起動してBLE通信処理を実行する(ステップS20)。
制御部61は、機内モードの解除操作がなく、ステップS402でNOと判定した場合、ステップS2以降の処理を実行する。ステップS2、S3、S5、S10、S30、S40の各処理は図7に示す第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【0101】
制御部61は、ステップS1でNOと判定した場合、機内モード解除操作があるか否かを判定する(ステップS404)。
制御部61は、機内モードの解除操作があり、ステップS404でYESと判定すると、機内モードを解除する(ステップS405)。この際、ステップS1でNOと判定され、二次電池24の蓄電量が所定値未満であるため、ステップS20のBLE通信処理は実行せずに、通常モードの制御に戻る。
また、制御部61は、ステップS404でNOと判定すると、ステップS5以降の処理を実行する。
【0102】
なお、携帯装置100においても、携帯装置100に設けられた第2操作部による操作に基づいて、他の機器との通信を禁止する通信禁止モードに設定および解除可能である。なお、第2操作部は、携帯装置100のディスプレイ101に表示されてタッチ入力が可能なボタン等で実現される。
この通信禁止モードを設定した後、通信禁止モードを解除すると、電波修正時計1との間でBLE通信を実行するアプリケーションを一定期間、自動的に起動するように構成してもよい。また、通信禁止モードを解除した後、使用者が電波修正時計1との間でBLE通信を実行するアプリケーションを起動する操作を行ってもよい。
【0103】
[第2実施形態の作用効果]
第2実施形態によれば、タイムゾーンが異なる地域に飛行機で移動した場合に、機内モードを解除することで、自動的にBLE通信処理を開始できる。このため、飛行機の着陸時に必ず行う機内モードの解除操作と、BLE通信処理を開始する操作とを別々に行う場合に比べて、時差操作が簡略になり、操作性を向上できる。
また、スマートフォンなどの携帯装置100も、飛行機の着陸時に通信禁止モードの解除操作を行うため、携帯装置100のアプリケーションの起動も、携帯装置100の通信禁止モードを解除する操作に連動して自動的に行うようにすれば、操作性をより一層向上できる。
すなわち、ユーザーは、飛行機が着陸後に電波修正時計1および携帯装置100の機内モードを解除する操作を行うことで、空港到着後にすぐに現地の時刻に修正できる。
【0104】
[他の実施形態]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、BLE通信処理で携帯装置100から送信される時刻情報としては、UTCおよび時差情報に限らず、時差情報のみでもよいし、現地時刻情報を送信してもよい。要するに、携帯装置100は、携帯装置100が取得した現地時刻に、電波修正時計1の表示時刻を修正できる情報を時刻情報として送信すればよい。
また、前記各実施形態では、RTC66ではUTCを計時していたが、RTC66ではUTCに現地の時差を反映した現地時刻を計時してもよい。この場合、制御部61は、受信部R1や近距離受信部R2からUTCおよび時差情報が出力されている場合は、UTCに時差情報を反映させた現地時刻でRTC66を更新すればよい。また、受信部R1や近距離受信部R2から現地時刻を出力できるように構成されている場合は、出力された現地時刻でRTC66を更新すればよい。
【0105】
また、前記実施形態では、通常モード時にステップS4で判定する自動受信条件として、予め設定した定時受信時刻になった場合に自動受信条件に該当するとしていたが、太陽電池パネル22に照射される光量が閾値レベル以上の場合に自動受信条件に該当したと判定する光受信条件を追加してもよい。この場合、定時受信時刻でのGPS測時受信処理で時刻情報を取得できない場合に、光受信条件による自動受信を実行し、1日に2回以上、GPS測時受信処理を実行しないようにすればよい。
【0106】
さらに、所定操作A~Cで、GPS測時受信処理、GPS測位受信処理、BLE通信処理を実行して時刻情報を取得できた場合は、受信成功時から所定時間、例えば、12時間や24時間以内は、自動受信条件に該当してもGPS測時受信処理を実行しないように制御してもよい。
すなわち、受信制御部640は、自動受信条件に該当した場合、所定操作による受信処理の成功の有無に関係無く、第1受信処理を実行してもよいし、所定操作に成功してから所定時間経過するまでは、第1受信処理を実行せず、所定時間経過後に自動受信条件に該当した場合に第1受信処理を実行するように制御してもよい。
【0107】
また、前記各実施形態では、電波修正時計1の機内モード中は、自動受信を実行しないこととしたが、自動受信に加えて、手動受信も禁止するようにしてもよい。すなわち、機内モード中は、所定操作A~Cが行われても、受信を行わないようにしてもよい。
また、前記第2実施形態では、携帯装置100の通信禁止モードを解除した場合に、BLE通信を実行するアプリケーションを自動的に起動するようにしたが、携帯装置100のタイムゾーンを手動で修正した場合など、何らかの操作が行われたことを検知して、該アプリケーションを自動的に起動するようにしてもよい。この場合に、使用者が電波修正時計1においてBLE通信処理を実行すると、アプリケーションを起動する操作を少なくしつつ、内部時刻の修正を行うことができる。
【0108】
前記実施形態では、位置情報衛星Sの例として、GPS衛星について説明したが、位置情報衛星Sとしては、ガリレオ、GLONASS、Beidouなどの他の全地球的航法衛星システム(GNSS)や、静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS)や、準天頂衛星等の特定の地域のみで検索できる地域的衛星測位システム(RNSS)などの各衛星も適用できる。
また、近距離受信部は、BLEの電波を受信するものに限定されず、NFC等の他の電波を受信するものでもよい。
前記実施形態では、GPS測位受信処理を行って時差情報を修正することを説明したが、GPS測位受信処理は行わず、BLE通信処理でのみ時差情報を自動的に修正可能としてもよい。
【0109】
[まとめ]
本開示の電波修正時計は、第1の時刻情報を含む衛星電波を受信する受信部と、携帯装置から送信される第2の時刻情報を含む電波を受信する近距離受信部と、指示操作を受け付ける操作部と、予め設定された時刻になると前記受信部を動作させて前記第1の時刻情報を取得する第1受信処理と、前記操作部からの指示操作に応じて前記近距離受信部を動作させて前記第2の時刻情報を取得する第2受信処理と、を選択的に実行する受信制御部と、前記第1受信処理で取得した前記第1の時刻情報あるいは前記第2受信処理で取得した前記第2の時刻情報に基づいて表示時刻を修正する時刻修正部と、を備えることを特徴とする。
毎日、自動で行われる時刻修正は、予め設定された時刻に実行される第1受信処理つまり衛星電波を受信する受信部で実行される。一方、第2受信処理は、ユーザーが操作部で指示操作を行った場合に近距離受信部で実行される。
近距離受信部による電波受信処理は、予め携帯装置のアプリケーションを起動させておく必要がある。このため、毎日の時刻修正の目的のために、第2受信処理を行う場合は、その都度、ユーザーはアプリケーションの起動操作を行う必要があり、ユーザーにとって操作が煩雑となる。また、携帯装置のアプリケーションを起動し続けた場合は、携帯装置の内部メモリーの一部を占有し、バッテリーも消費してしまう。
本開示の電波修正時計によれば、毎日の定時受信は、受信部による第1受信処理であり、近距離受信部による第2受信処理は、ユーザーが指示操作した場合に実行されるため、携帯装置のアプリケーションの起動操作も必要最小限にでき、ユーザーにとって操作が煩雑となることを防止でき、携帯装置のメモリーの占有やバッテリーの消費も防止できる。
【0110】
本開示の電波修正時計において、前記受信制御部は、前記第2受信処理を、前記操作部からの指示操作に応じてのみ実行する。
自動受信条件に該当しても第2受信処理は実行しないので、携帯装置のアプリケーションの起動操作も必要最小限にでき、ユーザーにとって操作が煩雑となることを防止でき、携帯装置のメモリーの占有やバッテリーの消費も防止できる。
【0111】
本開示の電波修正時計において、照射される光の光量が閾値レベル以上であるか否かを検出する光センサーを備え、前記受信制御部は、前記光センサーで前記閾値レベル以上の光量を検出した場合、前記受信部による第1受信処理を動作させる。
受信制御部は、予め設定された時刻になった場合に加えて、光センサーで閾値レベル以上の光量を検出した場にも第1受信処理を動作させるので、衛星電波を受信する第1受信処理に成功する確率を向上できる。
【0112】
本開示の電波修正時計において、前記近距離受信部は、前記携帯装置とBluetoothもしくはNFCで無線通信を行う。
BluetoothもしくはNFCは、スマートフォンなどの携帯機器に通常組み込まれている機能であるため、特別な携帯装置を準備する必要が無く、利便性を向上できる。
【0113】
本開示の電波修正時計において、前記受信制御部は、前記操作部の操作によって設定され、前記予め設定された時刻になっても前記第1受信処理を実行しない自動受信禁止モードを備え、前記操作部の操作によって前記自動受信禁止モードを解除させると前記第2受信処理を実行する。
受信制御部は、電波修正時計の操作部の操作によって受信禁止モードが解除されると、第2受信処理を開始するため、飛行機の着陸後に機内モードのような自動受信禁止モードを解除する操作を行うだけで、第2受信処理を実行し、現地時刻に更新することができるため、利便性を向上できる。
【0114】
本開示のシステムは、前記電波修正時計と、前記携帯装置とを備えるシステムであって、前記携帯装置は、第2操作部を備え、前記第2操作部の操作によって他の機器との通信を禁止する通信禁止モードに設定され、前記第2操作部の操作によって前記通信禁止モードが解除された場合に、前記電波修正時計と通信を行う機能を開始することを特徴とする。
本開示のシステムによれば、携帯装置の第2操作部の操作によって通信禁止モードを解除すると、電波修正時計と通信を行う機能を開始するため、飛行機の着陸後に携帯装置の通信禁止モードを解除する操作を行うだけで、電波修正時計と通信を行える状態に移行でき、通信機能の実行操作を別途行う必要が無いため、利便性を向上できる。
【0115】
本開示の電波修正時計の制御方法は、第1の時刻情報を含む衛星電波を受信する受信部と、携帯装置から送信される第2の時刻情報を含む電波を受信する近距離受信部と、指示操作を受け付ける操作部と、を備える電波修正時計の制御方法であって、予め設定された時刻になると前記受信部による第1受信処理を実行し、前記操作部からの指示操作に応じて前記近距離受信部による第2受信処理を実行し、前記第1受信処理で取得した前記第1の時刻情報あるいは前記第2受信処理で取得した前記第2の時刻情報に基づいて表示時刻を修正することを特徴とする。
本開示の電波修正時計の制御方法によれば、毎日の定時受信は、受信部による第1受信処理であり、近距離受信部による第2受信処理は、ユーザーが指示操作した場合に実行されるため、携帯装置のアプリケーションの起動操作も必要最小限にでき、ユーザーにとって操作が煩雑となることを防止でき、携帯装置のメモリーの占有やバッテリーの消費も防止できる。
【符号の説明】
【0116】
1…電波修正時計、2…外装ケース、3…指針、3B…秒針、3C…分針、3D…時針、4…指針軸、4B…秒針軸、4C…分針軸、4D…時針軸、5…裏蓋、5A…日窓、5B…日車、6…りゅうず、7A…Aボタン、7B…Bボタン、10…システム、11…文字板、13…ケース胴、14…ベゼル、15…第1バンド、16…第2バンド、20…ムーブメント、21…地板、22…太陽電池パネル、23…駆動機構、24…二次電池、25…回路基板、26…回路押さえ、31…カバーガラス、32…ダイヤルリング、40…リングアンテナ、40A…GPSアンテナ、40B…近距離無線通信アンテナ、44…給電ピン、45…給電ピン、50…GPS受信モジュール、51…RF部、52…ベースバンド部、54…フラッシュメモリー、59…SAWフィルター、60…制御表示モジュール、61…制御部、62…駆動回路、63…水晶発振器、66…RTC、67…ROM、68…記憶部、70…電源供給モジュール、71…充電制御回路、72…第1レギュレーター、73…第2レギュレーター、74…電圧検出回路、90…グランド板、90A…導通ばね、100…携帯装置、101…ディスプレイ、102…操作メニュー、110…タイムゾーン修正画面、111…基本時計修正画面、112…小時計修正画面、113…ボタン、150…近距離無線通信モジュール、401…基材、402…無給電素子、403…給電素子、404…結合部、407…給電素子、408…結合部、610…時刻情報修正部、620…表示制御部、630…電圧検出制御部、640…受信制御部、641…受信モード選択部、642…衛星信号受信制御部、643…測時受信制御部、644…測位受信制御部、645…近距離無線通信制御部、646…受信判定部、770…第1小窓、771…指針、773…指針軸、780…第2小窓、781…指針、783…指針軸、790…第3小窓、791…指針、792…指針、793…指針軸、1500…RF部、1600…ベースバンド部、1610…復調部、1620…変調部、1700…BLEコントローラー部、1701…水晶発振器、R1…受信部、R2…近距離受信部。
図1
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