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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】無線監視システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 29/16 20060101AFI20231205BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
G08B29/16
G08B25/00 520A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020026356
(22)【出願日】2020-02-19
(65)【公開番号】P2021131696
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】平岩 洋介
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-117142(JP,A)
【文献】特開2012-74849(JP,A)
【文献】特開2001-8261(JP,A)
【文献】特開2014-225897(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 13/00-31/00
H03J 9/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の検出を行うセンサを備え、前記センサによる検出結果を無線で送信し、休止状態に移行可能である複数のセンサユニットと、
前記複数のセンサユニットから受信した前記検出結果に基づいて、所定の処理を実行する制御部と、
を備える無線監視システムであって、
前記制御部は、前記複数のセンサユニットがそれぞれ前記休止状態から起動して所定信号を無線で送信する送信時期を設定した起動予定を、前記複数のセンサユニットへ無線で送信し、前記複数のセンサユニットから前記所定信号を受信し、受信した前記所定信号に基づいて前記複数のセンサユニットの状態を判定して判定結果を報知し、
前記複数のセンサユニットは、前記制御部から前記起動予定を受信し、受信した前記起動予定に設定されたそれぞれの前記送信時期に対応して前記休止状態から起動して前記所定信号を無線で送信した後に前記休止状態に移行する第1処理と、受信した前記起動予定に設定された自身以外の前記センサユニットの前記送信時期に対応して前記休止状態から起動して自身以外の前記センサユニットが無線で送信した前記所定信号を受信した後に前記休止状態に移行する第2処理とを実行し、
前記所定信号は、前記複数のセンサユニットにおいて、自身以外の前記センサユニットが無線で送信した前記所定信号を自身が受信した状態に関する情報を含む、無線監視システム。
【請求項2】
前記所定信号は、前記複数のセンサユニットにおいて、自身以外の前記センサユニットが無線で送信した前記所定信号を自身が受信したか否かを示す情報を含む、請求項1に記載の無線監視システム。
【請求項3】
前記所定信号は、前記複数のセンサユニットにおいて、自身以外の前記センサユニットが無線で送信した前記所定信号を自身が受信した強度を示す情報を含む、請求項1又は2に記載の無線監視システム。
【請求項4】
前記複数のセンサユニットは、自身の前記センサが所定状態を検出した時に前記休止状態から起動して前記所定状態を検出したことを示す検出信号を無線で送信した後に前記休止状態に移行する第3処理を実行し、
前記所定信号は、前記複数のセンサユニットにおいて、自身の前記センサが前記所定状態を検出したことを示す第1検出情報と、自身以外の前記センサユニットの前記センサが前記所定状態を検出したことを示す第2検出情報とを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の無線監視システム。
【請求項5】
前記判定結果は、前記所定信号を送信していることを確認できなかったセンサユニットを示す情報と、前記所定信号を送信していることを確認できなかったセンサユニット以外の前記センサユニットから前記制御部が受信した前記所定信号とを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の無線監視システム。
【請求項6】
前記判定結果は、前記所定信号を送信していることを確認できなかったセンサユニットを示す情報と、前記所定信号を送信していることを確認できなかったセンサユニットの異常原因を推定した推定結果とを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の無線監視システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記起動予定に設定された所定のセンサユニットの前記送信時期に前記所定のセンサユニットから前記所定信号を受信する処理を実行できなかったことが複数回発生した場合に、前記所定のセンサユニットの前記送信時期を変更する変更信号を、前記複数のセンサユニットへ無線で送信し、
前記所定のセンサユニットは、前記制御部から前記変更信号を受信し、受信した前記変更信号に基づいて前記所定のセンサユニットの前記送信時期を変更する、請求項1~6のいずれか1項に記載の無線監視システム。
【請求項8】
前記所定信号は、前記変更信号を含む、請求項7に記載の無線監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサによる検出結果を無線で送受信する無線監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、侵入者を検知して侵入情報を無線送信するとともに正常動作信号を一定時間毎に無線送信する複数の侵入検知部と、侵入検知部から受信した侵入情報に基づいて警報情報を携帯端末に無線送信する監視部と、を備える無線監視システムがある(特許文献1参照)。特許文献1に記載の無線監視システムでは、監視部は、正常動作信号の一定時間毎の受信を確認できない場合には、侵入検知部が故障したと判断して故障情報を携帯端末に無線送信する。無線監視システムの管理者は、携帯端末を携帯しており、警報情報又は故障情報の受信時に、警報情報又は故障情報の対象の侵入検知部が設置された現地へ行って対処する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-163659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の無線監視システムでは、管理者は、携帯端末が故障情報を受信した場合に、侵入検知部が設置された現地へ行って状況を確認する必要がある。このため、現地で侵入検知部の故障原因を判断する必要があり、現地での対応に長時間がかかったり、種々の故障原因を予想して多くの機器を現地へ運んだりする必要がある。
【0005】
なお、侵入者を検知する無線監視システムに限らず、センサによる検出結果を無線で送受信する無線監視システムであれば、こうした実情は概ね共通している。近年、自動化の要求から使用するセンサの数が増加しており、上記問題がより顕著となっている。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、センサによる検出結果を無線で送受信する無線監視システムにおいて、異常が発生した場合に管理者は、センサが設置された現地へ行く前に異常原因を特定しやすくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の手段は、
所定の検出を行うセンサを備え、前記センサによる検出結果を無線で送信し、休止状態に移行可能である複数のセンサユニットと、
前記複数のセンサユニットから受信した前記検出結果に基づいて、所定の処理を実行する制御部と、
を備える無線監視システムであって、
前記制御部は、前記複数のセンサユニットがそれぞれ前記休止状態から起動して所定信号を無線で送信する送信時期を設定した起動予定を、前記複数のセンサユニットへ無線で送信し、前記複数のセンサユニットから前記所定信号を受信し、受信した前記所定信号に基づいて前記複数のセンサユニットの状態を判定して判定結果を報知し、
前記複数のセンサユニットは、前記制御部から前記起動予定を受信し、受信した前記起動予定に設定されたそれぞれの前記送信時期に対応して前記休止状態から起動して前記所定信号を無線で送信した後に前記休止状態に移行する第1処理と、受信した前記起動予定に設定された自身以外の前記センサユニットの前記送信時期に対応して前記休止状態から起動して自身以外の前記センサユニットが無線で送信した前記所定信号を受信した後に前記休止状態に移行する第2処理とを実行し、
前記所定信号は、前記複数のセンサユニットにおいて、自身以外の前記センサユニットが無線で送信した前記所定信号を自身が受信した状態に関する情報を含む。
【0008】
上記構成によれば、複数のセンサユニットは、所定の検出を行うセンサを備え、センサによる検出結果を無線で送信し、休止状態に移行可能である。制御部は、複数のセンサユニットから受信した検出結果に基づいて、所定の処理を実行する。例えば、センサが窓の開閉状態を検出する開閉センサであり、制御部がセンサユニットから窓が開いた状態になったことを受信すると、制御部は警報信号を送信する。
【0009】
ここで、制御部は、複数のセンサユニットがそれぞれ休止状態から起動して所定信号を無線で送信する送信時期を設定した起動予定を、複数のセンサユニットへ無線で送信する。複数のセンサユニットは、制御部から起動予定を受信する。複数のセンサユニットは、受信した起動予定に設定されたそれぞれの送信時期に対応して休止状態から起動して所定信号を無線で送信した後に休止状態に移行する第1処理を実行する。このため、制御部は、複数のセンサユニットから所定信号を受信することができ、受信した所定信号に基づいて複数のセンサユニットの状態を判定して判定結果を報知することができる。例えば、制御部は、起動予定に設定されたセンサユニットの送信時期に、センサユニットから所定信号を受信しなかった場合に、何らかの異常が発生したと判定して、無線監視システムの管理者(作業者)に判定結果を報知することができる。複数のセンサユニットは、休止状態から起動して所定信号を無線で送信した後に休止状態に移行するため、複数のセンサユニットの電力消費を抑制することができる。
【0010】
さらに、複数のセンサユニットは、受信した起動予定に設定された自身以外のセンサユニットの送信時期に対応して休止状態から起動して自身以外のセンサユニットが無線で送信した所定信号を受信した後に休止状態に移行する第2処理を実行する。すなわち、複数のセンサユニットは、自身以外のセンサユニットが所定信号を無線で送信する送信時期には、自身が所定信号を無線で送信する送信時期でなくても起動し、自身以外のセンサユニットが無線で送信した所定信号を受信した後に休止状態に移行する。このため、複数のセンサユニットは、自身以外のセンサユニットから所定信号を受信したか否か、受信した所定信号の強度等、自身以外のセンサユニットが無線で送信した所定信号を自身が受信した状態に関する情報を取得することができる。複数のセンサユニットは、自身以外のセンサユニットが無線で送信した所定信号を受信した後に休止状態に移行するため、複数のセンサユニットの電力消費を抑制することができる。
【0011】
そして、所定信号は、複数のセンサユニットにおいて、自身以外のセンサユニットが無線で送信した所定信号を自身が受信した状態に関する情報を含んでいる。このため、制御部は、第2のセンサユニットから受信した所定信号に基づいて、第1のセンサユニットが所定信号を無線で送信した状態を把握した上で、第1のセンサユニットの状態を判定して判定結果を報知することができる。例えば、所定信号が、複数のセンサユニットにおいて自身以外のセンサユニットが無線で送信した所定信号を自身が受信したか否かを示す情報を含み、制御部が第1のセンサユニットから所定信号を受信することができない異常が生じ、且つ第1のセンサユニットが無線で送信した所定信号を第2のセンサユニットが受信していたとする。この場合は、第1のセンサユニットが所定信号を無線で送信していないことを、異常原因から除外することができる。したがって、無線監視システムの管理者は、センサユニットが設置された現地へ行く前に異常原因を特定しやすくなる。
【0012】
第2の手段では、前記所定信号は、前記複数のセンサユニットにおいて、自身以外の前記センサユニットが無線で送信した前記所定信号を自身が受信したか否かを示す情報を含む。
【0013】
上記構成によれば、制御部は、第2のセンサユニットから受信した所定信号に基づいて、第1のセンサユニットが無線で送信した所定信号を第2のセンサユニットが受信したか否かを把握した上で、第1のセンサユニットの状態を判定して判定結果を報知することができる。したがって、制御部が第1のセンサユニットから所定信号を受信することができない異常が生じ、且つ第1のセンサユニットが無線で送信した所定信号を第2のセンサユニットが受信していた場合は、第1のセンサユニットが所定信号を無線で送信していないことを、異常原因から除外することができる。また、制御部が第1のセンサユニットから所定信号を受信することができない異常が生じ、且つ第1のセンサユニットが無線で送信した所定信号を第2のセンサユニットが受信していなかった場合は、第1のセンサユニットが所定信号を無線で送信していないことが異常原因であると推定することができる。
【0014】
第3の手段では、前記所定信号は、前記複数のセンサユニットにおいて、自身以外の前記センサユニットが無線で送信した前記所定信号を自身が受信した強度を示す情報を含む。
【0015】
上記構成によれば、制御部は、第2のセンサユニットから受信した所定信号に基づいて、第1のセンサユニットが無線で送信した所定信号を第2のセンサユニットが受信した強度を把握した上で、第1のセンサユニットの状態を判定して判定結果を報知することができる。したがって、制御部が第1のセンサユニットから所定信号を受信することができない異常が生じ、且つ第1のセンサユニットが無線で送信した所定信号を第2のセンサユニットが受信した強度が所定強度よりも高い場合は、第1のセンサユニットが所定信号を無線で送信していないことを、異常原因から除外することができる。また、制御部が第1のセンサユニットから所定信号を受信することができない異常が生じ、且つ第1のセンサユニットが無線で送信した所定信号を第2のセンサユニットが受信した強度が所定強度よりも低い場合は、第1のセンサユニットが無線で送信する所定信号の強度が低下していることが異常原因であると推定することができる。
【0016】
第4の手段では、前記複数のセンサユニットは、自身の前記センサが所定状態を検出した時に前記休止状態から起動して前記所定状態を検出したことを示す検出信号を無線で送信した後に前記休止状態に移行する第3処理を実行し、前記所定信号は、前記複数のセンサユニットにおいて、自身の前記センサが前記所定状態を検出したことを示す第1検出情報と、自身以外の前記センサユニットの前記センサが前記所定状態を検出したことを示す第2検出情報とを含む。
【0017】
上記構成によれば、複数のセンサユニットは、自身のセンサが所定状態を検出した時に休止状態から起動して所定状態を検出したことを示す検出信号を無線で送信した後に休止状態に移行する第3処理を実行する。このため、第1のセンサユニットは、自身のセンサが所定状態(例えば窓が開いた状態)を検出した時に検出信号を無線で送信することにより、自身のセンサが所定状態を検出したことを制御部へ直ちに伝えることができる。複数のセンサユニットは、所定状態を検出したことを示す検出信号を無線で送信した後に休止状態に移行するため、複数のセンサユニットの電力消費を抑制することができる。
【0018】
ここで、第1のセンサユニットが無線で送信した検出信号が、制御部により正常に受信されないおそれがある。この場合、制御部は、第1のセンサユニットのセンサが所定状態を検出したことを把握することができない。この点、所定信号は、複数のセンサユニットにおいて、自身のセンサが所定状態を検出したことを示す第1検出情報を含んでいる。このため、第1のセンサユニットが無線で送信した検出信号が、制御部により正常に受信されなかった場合でも、制御部は、第1のセンサユニットが送信する所定信号に含まれる第1検出情報により、第1のセンサユニットのセンサが所定状態を検出したことを把握することができる。
【0019】
さらに、第1のセンサユニットが無線で送信した所定信号も、制御部により正常に受信されないおそれがある。この場合、制御部は、第1のセンサユニットが送信した所定信号によっても、第1のセンサユニットのセンサが所定状態を検出したことを把握することができない。この点、所定信号は、複数のセンサユニットにおいて、自身以外のセンサユニットのセンサが所定状態を検出したことを示す第2検出情報を含んでいる。このため、第1のセンサユニットが無線で送信した検出信号及び所定信号が、制御部により正常に受信されなかった場合でも、制御部は、第2のセンサユニットが送信する所定信号に含まれる第2検出情報により、第1のセンサユニットのセンサが所定状態を検出したことを把握することができる。なお、第2のセンサユニットは、第1のセンサユニットが送信した第1検出情報を含む所定信号を受信することにより、第1のセンサユニットのセンサが所定状態を検出したことを把握することができる。
【0020】
第5の手段では、前記判定結果は、前記所定信号を送信していることを確認できなかったセンサユニットを示す情報と、前記所定信号を送信していることを確認できなかったセンサユニット以外の前記センサユニットから前記制御部が受信した前記所定信号とを含む。
【0021】
上記構成によれば、判定結果は、所定信号を送信していることを確認できなかったセンサユニット以外のセンサユニットから制御部が受信した所定信号を含んでいる。そして、所定信号は、複数のセンサユニットにおいて、自身以外のセンサユニットが無線で送信した所定信号を自身が受信した状態に関する情報を含んでいる。このため、無線監視システムの管理者は、報知された所定信号に基づいて異常原因を特定することができ、センサユニットが設置された現地へ行く前に異常原因を特定しやすくなる。
【0022】
第6の手段では、前記判定結果は、前記所定信号を送信していることを確認できなかったセンサユニットを示す情報と、前記所定信号を送信していることを確認できなかったセンサユニットの異常原因を推定した推定結果とを含む。
【0023】
上記構成によれば、判定結果は、所定信号を送信していることを確認できなかったセンサユニットの異常原因を推定した推定結果を含んでいる。このため、無線監視システムの管理者は、報知された所定信号により異常原因の推定結果を知ることができ、センサが設置された現地へ行く前に異常原因を特定しやすくなる。
【0024】
制御部は、起動予定に設定された所定のセンサユニットの送信時期に、他の装置との通信等を実行していると、所定のセンサユニットから所定信号を受信する処理を実行できないおそれがある。そして、このような状況が繰り返されると、制御部が所定のセンサユニットの異常を判定することができない状態が継続することとなる。
【0025】
この点、第7の手段では、前記制御部は、前記起動予定に設定された所定のセンサユニットの前記送信時期に前記所定のセンサユニットから前記所定信号を受信する処理を実行できなかったことが複数回発生した場合に、前記所定のセンサユニットの前記送信時期を変更する変更信号を、前記複数のセンサユニットへ無線で送信し、前記所定のセンサユニットは、前記制御部から前記変更信号を受信し、受信した前記変更信号に基づいて前記所定のセンサユニットの前記送信時期を変更する。こうした構成によれば、所定のセンサユニットの送信時期を変更することにより、制御部が所定のセンサユニットの異常を判定することができるようになる。
【0026】
制御部が無線で送信した変更信号を、所定のセンサユニットが受信することができないおそれがある。この場合、所定のセンサユニットは、所定信号の送信時期を変更することができない。
【0027】
この点、第8の手段では、前記所定信号は、前記変更信号を含む。このため、制御部が無線で送信した変更信号を、所定のセンサユニットが受信することができない場合でも、所定のセンサユニットは、自身以外のセンサユニットが送信する所定信号に含まれる変更信号に基づいて、所定信号の送信時期を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】コントローラ及び複数のセンサユニットを示すブロック図。
図2】センサユニットの起動予定の一例を示す図。
図3】所定信号I1をコントローラが受信できない場合の態様を示す模式図。
図4】所定信号I1をコントローラ及びセンサユニットSU2が受信できない場合の態様を示す模式図。
図5】所定信号I1を受信する処理をコントローラが実行できなかった場合の態様を示す模式図。
図6】変更信号R1をセンサユニットSU1が受信できない場合の態様を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、オフィスや住宅への不法侵入を検知する無線監視システムに具現化した一実施例について、図面を参照して説明する。図1に示すように、無線監視システム10は、コントローラ20、及びセンサユニットSU1~SU3(複数のセンサユニット)を備えている。
【0030】
コントローラ20(制御部)は、センサユニットSU1~SU3と無線通信を行い、安全監視動作を行う。コントローラ20は、データ処理部21、無線送信部23、及び無線受信部24等を備えている。データ処理部21は、CPU、ROM、RAM、記憶装置、入出力インターフェース等を備えるマイクロコンピュータにより構成されている。無線送信部23は、データ処理部21からの指令に基づいて、センサユニットSU1~SU3へ信号を無線で送信する。無線受信部24は、センサユニットSU1~SU3から無線で送信された信号を受信し、データ処理部21へ出力する。
【0031】
センサユニットSU1は、同様に、データ処理部31、無線送信部32、及び無線受信部33等を備えている。センサユニットSU1は、マグネットセンサ34及びセンサ検出部35を備えている。マグネットセンサ34(開閉センサ)は、例えばオフィスの窓やドア(扉)に取り付けられており、窓やドアが開けられたことを検出(所定の検出)して信号を出力する。センサ検出部35は、マグネットセンサ34から信号を入力し、データ処理部31へ出力する。データ処理部31は、センサ検出部35から信号を入力すると、無線送信部32により、コントローラ20へ検出信号を無線で送信させる。検出信号は、窓やドアが開けられたこと(所定状態)を検出したことを示す信号であり、センサユニットSU1を識別する情報(識別番号等)を含んでいる。
【0032】
センサユニットSU1は、図示しない電池から供給される電力により動作する。電池の消耗を抑制するため、センサユニットSU1は、信号を送受信する期間を除いてスリープ状態(休止状態)になっている。スリープ状態では、無線送信部32及び無線受信部33は停止しており(センサユニットSU1の一部の機能のみが動作しており)、センサユニットSU1の電力消費量が抑制される。センサユニットSU1は、マグネットセンサ34(自身のセンサ)が窓やドアが開けられたことを検出した時にスリープ状態から起動して送受信可能状態(通常動作状態)となり、上記検出信号を無線で送信した後にスリープ状態に移行する第3処理を実行する。
【0033】
センサユニットSU2,SU3は、センサユニットSU1と同様の構成を備えており、センサユニットSU1と同様の処理を実行する。具体的には、センサユニットSU2は、センサユニットSU1のデータ処理部31、無線送信部32、無線受信部33、マグネットセンサ34、及びセンサ検出部35に対応して、データ処理部41、無線送信部42、無線受信部43、マグネットセンサ44、及びセンサ検出部45を備えている。センサユニットSU3は、センサユニットSU1のデータ処理部31、無線送信部32、無線受信部33、マグネットセンサ34、及びセンサ検出部35に対応して、データ処理部51、無線送信部52、無線受信部53、マグネットセンサ54、及びセンサ検出部55を備えている。
【0034】
コントローラ20は、センサユニットSU1~SU3のいずれかから検出信号を受信すると、無線監視システム10の動作を監視するセンターへ検出信号の通知(所定の処理)を行う。コントローラ20は、センターへの通知と共に、又はセンターへの通知に代えて、所定の処理として、無線監視システム10において警報を鳴らしたり、音声により警告を行ったり、警告灯を点灯させたりしてもよい。
【0035】
無線監視システム10の管理者(作業者)は、無線監視システム10の設置時に、コントローラ20とセンサユニットSU1~SU3との送受信設定を行う。
【0036】
すなわち、管理者は、センサユニットSU1~SU3により、それぞれ正常動作信N1~N3を順に無線で送信させる。正常動作信号N1~N3は、それぞれセンサユニットSU1~SU3が正常に動作していることを示す信号であり、それぞれセンサユニットSU1~SU3を識別する情報(識別番号等)を含んでいる。センサユニットSU1~SU3は、正常動作信号N1~N3を送信後、送受信可能状態を一定期間維持する。
【0037】
コントローラ20は、センサユニットSU1~SU3から、それぞれ正常動作信号N1~N3を受信すると、受信確認信号ACK1~ACK3をそれぞれ無線で送信する。受信確認信号ACK1~ACK3は、それぞれセンサユニットSU1~SU3から正常動作信号N1~N3を受信したことを示す信号であり、それぞれセンサユニットSU1~SU3を識別する情報(識別番号等)を含んでいる。
【0038】
本実施形態では、コントローラ20は、受信確認信号ACK1~ACK3をそれぞれ無線で送信する際に、受信確認信号ACK1~ACK3と共にセンサユニットSU1~SU3の起動予定を無線で送信する。センサユニットSU1~SU3は、それぞれ送受信可能状態を維持している期間に、それぞれ受信確認信号ACK1~ACK3と起動予定とを受信する。センサユニットSU1~SU3は、それぞれ受信確認信号ACK1~ACK3と起動予定とを受信した後、スリープ状態に移行する。以上により、コントローラ20とセンサユニットSU1~SU3との送受信設定を終了する。
【0039】
図2は、センサユニットSU1~SU3の起動予定の一例を示す図である。
【0040】
起動予定は、センサユニットSU1~SU3が、それぞれ自身発報(第1処理)を実行する時刻(間隔)と、それぞれ発報受信(第2処理)を実行する時刻(間隔)と、一連の自身発報及び発報受信を実行する周期とを設定している。自身発報は、センサユニットSU1~SU3がそれぞれ設定された時刻(送信時期)にスリープ状態から起動して、それぞれ所定信号I1~I3を無線で送信した後にスリープ状態に移行する処理である。発報受信は、センサユニットSU1~SU3が、自身以外のセンサユニットSU1~SU3が自身発報を実行する時刻にスリープ状態から起動して、自身以外のセンサユニットSU1~SU3が無線で送信した所定信号I1~I3を受信した後にスリープ状態に移行する処理である。自身発報及び発報受信を実行する周期は、例えば数時間~24時間に設定することができる。
【0041】
例えば、12:00において、全てのセンサユニットSU1~SU3がスリープ状態から起動して、センサユニットSU1が所定信号I1を無線で送信し、センサユニットSU2,SU3が所定信号I1を受信する。所定信号I1は、正常動作信号N1と、前周期においてセンサユニットSU2が送信した正常動作信号N2をセンサユニットSU1が受信した強度を示す情報A21と、前周期においてセンサユニットSU3が送信した正常動作信号N3をセンサユニットSU1が受信した強度を示す情報A31とを含んでいる。その後、全てのセンサユニットSU1~SU3がスリープ状態に移行する。
【0042】
12:10において、全てのセンサユニットSU1~SU3がスリープ状態から起動して、センサユニットSU2が所定信号I2を無線で送信し、センサユニットSU1,SU3が所定信号I2を受信する。所定信号I2は、正常動作信号N2と、今周期においてセンサユニットSU1が送信した正常動作信号N1をセンサユニットSU2が受信した強度を示す情報A12と、前周期においてセンサユニットSU3が送信した正常動作信号N3をセンサユニットSU2が受信した強度を示す情報A32とを含んでいる。
【0043】
12:20において、全てのセンサユニットSU1~SU3がスリープ状態から起動して、センサユニットSU3が所定信号I3を無線で送信し、センサユニットSU1,SU2が所定信号I3を受信する。所定信号I3は、正常動作信号N3と、今周期においてセンサユニットSU1が送信した正常動作信号N1をセンサユニットSU3が受信した強度を示す情報A13と、今周期においてセンサユニットSU2が送信した正常動作信号N2をセンサユニットSU3が受信した強度を示す情報A23とを含んでいる。その後、全てのセンサユニットSU1~SU3がスリープ状態に移行する。
【0044】
センサユニットSU1~SU3において、自身以外のセンサユニットSU1~SU3が無線で送信した正常動作信号N1~N3(所定信号I1~I3)を自身が受信した強度を示す情報Aは、自身以外のセンサユニットSU1~SU3が無線で送信した正常動作信号N1~N3を自身が受信したか否かを示す情報であるともいえる。例えば、センサユニットSU1が無線で送信した正常動作信号N1をセンサユニットSU2が受信した強度が略0であることを示す情報A12≒0は、センサユニットSU1が無線で送信した正常動作信号N1をセンサユニットSU2が受信していないことを示している。すなわち、所定信号I1~I3は、センサユニットSU1~SU3において、自身以外のセンサユニットSU1~SU3が無線で送信した正常動作信号N1~N3(所定信号I1~I3)を自身が受信した状態に関する情報Aを含んでいる。
【0045】
12:30以降においては、全てのセンサユニットSU1~SU3がスリープ状態を継続している。そして、一連の自身発報及び発報受信を実行する周期の経過後に、同様の処理が繰り返される。
【0046】
図3は、センサユニットSU1が送信した所定信号I1を、コントローラ20が受信できない場合の態様を示す模式図である。
【0047】
12:00において、センサユニットSU1が、正常動作信号N1を含む所定信号I1(N1)を送信する。センサユニットSU1が送信した所定信号I1(N1)を、コントローラ20は受信することができず、センサユニットSU2は受信できたとする。コントローラ20は、12:00において、センサユニットSU1からの所定信号I1(N1)を受信することができなかった場合、直ちにはセンサユニットSU1が異常であると判定しない。コントローラ20は、センサユニットSU2,SU3からの所定信号I2,I3の受信を待つ。
【0048】
12:10において、センサユニットSU2は、正常動作信号N2及び情報A12を含む所定信号I2(N2,A12)を送信する。情報A12は、12:00にセンサユニットSU1が送信した正常動作信号N1を、センサユニットSU2が受信した強度を示す情報である。ここでは、情報A12は、正常動作信号N1をセンサユニットSU2が受信した強度が所定強度よりも大きいこと、すなわち正常動作信号N1をセンサユニットSU2が正常に受信したことを示している。コントローラ20は、12:10において、センサユニットSU2からの所定信号I2(N2,A12)を受信した場合、所定信号I1を送信していることを確認できなかったセンサユニットSU1を示す情報と、所定信号I2(N2,A12)とを、センターへ通知する。すなわち、コントローラ20は、センサユニットSU1~SU3から所定信号I1~I3を受信し、受信した所定信号I1~I3に基づいてセンサユニットSU1~SU3の異常(状態)を判定して判定結果をセンターへ通知(報知)する。
【0049】
図4は、センサユニットSU1が送信した所定信号I1を、コントローラ20及びセンサユニットSU2が受信できない場合の態様を示す模式図である。
【0050】
12:00において、センサユニットSU1が、正常動作信号N1を含む所定信号I1(N1)を送信する。センサユニットSU1が送信した所定信号I1(N1)を、コントローラ20は受信することができず、センサユニットSU2も受信できなかったとする。コントローラ20は、12:00において、センサユニットSU1からの所定信号I1(N1)を受信することができなかった場合、直ちにはセンサユニットSU1が異常であると判定しない。コントローラ20は、センサユニットSU2,SU3からの所定信号I2,I3の受信を待つ。
【0051】
12:10において、センサユニットSU2は、正常動作信号N2及び情報A12を含む所定信号I2(N2,A12=0)を送信する。情報A12は、12:00にセンサユニットSU1が送信した正常動作信号N1を、センサユニットSU2が受信した強度を示す情報である。ここでは、情報A12=0は、センサユニットSU1からセンサユニットSU2に到達した正常動作信号N1の強度が検出可能強度よりも小さいこと、すなわち正常動作信号N1をセンサユニットSU2が受信しなかったことを示している。検出可能強度は、センサユニットSU2が信号を受信したと判定する最小の受信強度である。コントローラ20は、12:10において、センサユニットSU2からの所定信号I2(N2,A12=0)を受信した場合、所定信号I1を送信していることを確認できなかったセンサユニットSU1を示す情報と、所定信号I2(N2,A12=0)とを、センターへ通知する。
【0052】
また、図示は省略するが、センサユニットSU1が送信した所定信号I1(N1)を、コントローラ20は受信することができず、センサユニットSU2が受信した強度が所定強度よりも小さかったとする。この場合、情報A12は、正常動作信号N1をセンサユニットSU2が受信した強度が検出可能強度よりも大きく且つ所定強度よりも小さいこと、すなわち正常動作信号N1をセンサユニットSU2が受信した強度が小さいことを示している。コントローラ20は、12:10において、センサユニットSU2からの所定信号I2(N2,A12)を受信した場合、所定信号I1を送信していることを確認できなかったセンサユニットSU1を示す情報と、所定信号I2(N2,A12)とを、センターへ通知する。
【0053】
また、窓やドアが開けられたことがマグネットセンサ34により検出された時に、センサユニットSU1が無線で送信した上記検出信号が、コントローラ20により正常に受信されないおそれがある。この場合、コントローラ20は、センサユニットSU1のマグネットセンサ34が、窓やドアが開けられたことを検出したことを、把握することができない。
【0054】
そこで、所定信号I1~I3は、センサユニットSU1~SU3において、自身のマグネットセンサ34,44,54が、窓やドアが開けられたことを検出したことを示す第1検出情報を含んでいる。このため、例えばセンサユニットSU1が無線で送信した検出信号が、コントローラ20により正常に受信されなかった場合でも、コントローラ20は、センサユニットSU1が送信する所定信号I1に含まれる第1検出情報により、センサユニットSU1のマグネットセンサ34が、窓やドアが開けられたことを検出したことを把握することができる。
【0055】
さらに、センサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1も、コントローラ20により正常に受信されないおそれがある。この場合、コントローラ20は、センサユニットSU1が送信した所定信号I1によっても、センサユニットSU1のマグネットセンサ34が、窓やドアが開けられたことを検出したことを把握することができない。
【0056】
そこで、所定信号I1~I3は、自身以外のセンサユニットSU1~SU3のマグネットセンサ34,44,54が、窓やドアが開けられたことを検出したことを示す第2検出情報を含んでいる。このため、例えばセンサユニットSU1が無線で送信した検出信号及び所定信号I1が、コントローラ20により正常に受信されなかった場合でも、コントローラ20は、センサユニットSU2が送信する所定信号I2に含まれる第2検出情報により、センサユニットSU1のマグネットセンサ34が、窓やドアが開けられたことを検出したことを把握することができる。なお、センサユニットSU2は、センサユニットSU1が送信した第1検出情報を含む所定信号I1を受信することにより、センサユニットSU1のマグネットセンサ34が、窓やドアが開けられたことを検出したことを把握することができる。
【0057】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
【0058】
・コントローラ20は、センサユニットSU1~SU3がそれぞれスリープ状態(休止状態)から起動して所定信号I1~I3を無線で送信する送信時期(起動時刻)を設定した起動予定を、センサユニットSU1~SU3へ無線で送信する。センサユニットSU1~SU3は、コントローラ20から起動予定を受信する。センサユニットSU1~SU3は、受信した起動予定に設定されたそれぞれの送信時期に対応してスリープ状態から起動して所定信号I1~I3を無線で送信した後にスリープ状態に移行する第1処理を実行する。このため、コントローラ20は、センサユニットSU1~SU3から所定信号I1~I3を受信することができ、受信した所定信号I1~I3に基づいてセンサユニットSU1~SU3の異常(状態)を判定して判定結果を報知(通知)することができる。
【0059】
・センサユニットSU1~SU3は、スリープ状態から起動して所定信号I1~I3を無線で送信した後にスリープ状態に移行するため、センサユニットSU1~SU3の電力消費を抑制することができる。
【0060】
・センサユニットSU1~SU3は、受信した起動予定に設定された自身以外のセンサユニットの送信時期に対応してスリープ状態から起動して自身以外のセンサユニットが無線で送信した所定信号I1~I3を受信した後にスリープ状態に移行する第2処理を実行する。すなわち、センサユニットSU1~SU3は、自身以外のセンサユニットが所定信号I1~I3を無線で送信する送信時期には、自身が所定信号I1~I3を無線で送信する送信時期でなくても起動し、自身以外のセンサユニットが無線で送信した所定信号I1~I3を受信した後にスリープ状態に移行する。このため、センサユニットSU1~SU3は、自身以外のセンサユニットから所定信号I1~I3を受信したか否か、受信した所定信号I1~I3の強度等、自身以外のセンサユニットが無線で送信した所定信号I1~I3を自身が受信した状態に関する情報を取得することができる。
【0061】
・センサユニットSU1~SU3は、自身以外のセンサユニットが無線で送信した所定信号I1~I3を受信した後にスリープ状態に移行するため、センサユニットSU1~SU3の電力消費を抑制することができる。
【0062】
・所定信号I2は、センサユニットSU2において、自身以外のセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1を自身が受信した状態に関する情報を含んでいる。このため、コントローラ20は、センサユニットSU2から受信した所定信号I2に基づいて、センサユニットSU1が所定信号I1を無線で送信した状態を把握した上で、センサユニットSU1の異常を判定して判定結果を報知することができる。したがって、無線監視システム10の管理者は、センサユニットSU1~SU3が設置された現地へ行く前に異常原因を特定しやすくなる。
【0063】
・コントローラ20は、センサユニットSU2から受信した所定信号I2に基づいて、センサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1をセンサユニットSU2が受信したか否かを把握した上で、センサユニットSU1の異常を判定して判定結果を報知することができる。したがって、コントローラ20がセンサユニットSU1から所定信号I1を受信することができない異常が生じ、且つセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1をセンサユニットSU2が受信していた場合は、管理者は、センサユニットSU1が所定信号I1を無線で送信していないことを、異常原因から除外することができる。
【0064】
・コントローラ20がセンサユニットSU1から所定信号I1を受信することができない異常が生じ、且つセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1をセンサユニットSU2が受信していなかった場合は、管理者は、センサユニットSU1が所定信号I1を無線で送信していないことが異常原因であると推定することができる。
【0065】
・コントローラ20は、センサユニットSU2から受信した所定信号I2に基づいて、センサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1をセンサユニットSU2が受信した強度を把握した上で、センサユニットSU1の異常を判定して判定結果を報知することができる。したがって、コントローラ20がセンサユニットSU1から所定信号I1を受信することができない異常が生じ、且つセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1をセンサユニットSU2が受信した強度が所定強度よりも高い場合は、管理者は、センサユニットSU1が所定信号I1を無線で送信していないことを、異常原因から除外することができる。
【0066】
・コントローラ20がセンサユニットSU1から所定信号I1を受信することができない異常が生じ、且つセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1をセンサユニットSU2が受信した強度が所定強度よりも低い場合は、管理者は、センサユニットSU1が無線で送信する所定信号I1の強度が低下していることが異常原因であると推定することができる。ひいては、管理者は、センサユニットSU1の電池残量が少なくなっていると推定することができる。
【0067】
・所定のセンサユニットSUn(n=1~3)の送信時期に所定信号In(n=1~3)を受信しなかったことが複数回発生した場合に、所定のセンサユニットSUnが異常であると判定する構成と比較して、所定のセンサユニットSUn以外のセンサユニットから受信した所定信号I1~I3に基づいて所定のセンサユニットSUnが異常であると早く判定することができる。
【0068】
・センサユニットSU1~SU3は、自身のマグネットセンサ34,44,54が所定状態(例えば窓が開いた状態)を検出した時にスリープ状態から起動して所定状態を検出したことを示す検出信号を無線で送信した後にスリープ状態に移行する第3処理を実行する。このため、センサユニットSU1~SU3は、自身のマグネットセンサ34,44,54が所定状態を検出した時に検出信号を無線で送信することにより、自身のマグネットセンサ34,44,54が所定状態を検出したことをコントローラ20へ直ちに伝えることができる。
【0069】
・センサユニットSU1~SU3は、所定状態を検出したことを示す検出信号を無線で送信した後にスリープ状態に移行するため、センサユニットSU1~SU3の電力消費を抑制することができる。なお、センサユニットSU1~SU3は、所定状態を検出したことを示す検出信号を無線で送信した後に、スリープ状態に移行せず、検出信号を無線で送信し続けることもできる。
【0070】
・所定信号I1~I3は、センサユニットSU1~SU3において、自身のマグネットセンサ34,44,54が所定状態を検出したことを示す第1検出情報を含んでいる。このため、センサユニットSU1~SU3が無線で送信した検出信号が、コントローラ20により正常に受信されなかった場合でも、コントローラ20は、センサユニットSU1~SU3が送信する所定信号I1~I3に含まれる第1検出情報により、センサユニットSU1~SU3のマグネットセンサ34,44,54が所定状態を検出したことを把握することができる。
【0071】
・所定信号I1~I3は、センサユニットSU1~SU3において、自身以外のセンサユニットのマグネットセンサ34,44,54が所定状態を検出したことを示す第2検出情報を含んでいる。このため、センサユニットSU1が無線で送信した検出信号及び所定信号I1が、コントローラ20により正常に受信されなかった場合でも、コントローラ20は、センサユニットSU2が送信する所定信号I2に含まれる第2検出情報により、センサユニットSU1のマグネットセンサ34が所定状態を検出したことを把握することができる。
【0072】
・コントローラ20による判定結果は、所定信号I1~I3を送信していることを確認できなかったセンサユニットSU1~SU3以外のセンサユニットからコントローラ20が受信した所定信号I1~I3を含んでいる。そして、所定信号I1~I3は、センサユニットSU1~SU3において、自身以外のセンサユニットが無線で送信した所定信号I1~I3を自身が受信した状態に関する情報を含んでいる。このため、無線監視システム10の管理者は、報知された所定信号I1~I3に基づいて異常原因を特定することができ、センサユニットSU1~SU3が設置された現地へ行く前に異常原因を特定しやすくなる。
【0073】
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0074】
図5に示すように、コントローラ20は、起動予定に設定されたセンサユニットSU1(所定のセンサユニット)の送信時期に、他の装置との通信等を実行していると、センサユニットSU1から所定信号I1(N1)を受信する処理を実行できないおそれがある。そして、このような状況が繰り返されると、コントローラ20がセンサユニットSU1の異常を判定することができない状態が継続することとなる。
【0075】
そこで、コントローラ20は、起動予定に設定されたセンサユニットSU1の送信時期にセンサユニットSU1から所定信号I1を受信する処理を実行できなかったことが複数回発生した場合に、センサユニットSU1の送信時期を変更する変更信号R1を、センサユニットSU1へ無線で送信してもよい。センサユニットSU1は、コントローラ20から変更信号R1を受信し、受信した変更信号R1に基づいてセンサユニットSU1の送信時期(起動時刻)を変更する。こうした構成によれば、センサユニットSU1の送信時期を変更することにより、コントローラ20がセンサユニットSU1の異常を判定することができるようになる。
【0076】
図6に示すように、コントローラ20が無線で送信した変更信号R1を、センサユニットSU1が受信することができないおそれがある。この場合、センサユニットSU1は、所定信号I1(N1)の送信時期を変更することができない。そこで、コントローラ20は、センサユニットSU1の送信時期を変更する変更信号R1を、センサユニットSU1~SU3へ無線で送信してもよい。センサユニットSU2,SU3は、センサユニットSU1による所定信号I1(N1)の送信時期に対応して起動しているため、変更信号R1を受信することができる。そして、所定信号I1~I3に、変更信号R1を含めてもよい。こうした構成によれば、コントローラ20が無線で送信した変更信号R1を、センサユニットSU1が受信することができない場合でも、センサユニットSU1は、自身以外のセンサユニットSU2が送信する所定信号I2(N2,R1)に含まれる変更信号R1に基づいて、所定信号I1の送信時期を変更することができる。
【0077】
・上記実施形態では、コントローラ20は、センサユニットSU2からの所定信号I2(N2,A12)を受信した場合、所定信号I1を送信していることを確認できなかったセンサユニットSU1を示す情報と、所定信号I2(N2,A12)とを、センターへ通知した。これに代えて、コントローラ20は、センサユニットSU2からの所定信号I2(N2,A12)を受信した場合、所定信号I1を送信していることを確認できなかったセンサユニットSU1を示す情報と、センサユニットSU1の異常原因を推定した推定結果とを、センターへ通知してもよい。
【0078】
すなわち、コントローラ20による判定結果は、所定信号I1を送信していることを確認できなかったセンサユニットSU1を示す情報と、所定信号I1を送信していることを確認できなかったセンサユニットSU1の異常原因を推定した推定結果とを含んでいてもよい。こうした構成によれば、無線監視システム10の管理者は、通知された所定信号I1~I3により異常原因の推定結果を知ることができ、センサユニットSU1~SU3が設置された現地へ行く前に異常原因を特定しやすくなる。
【0079】
例えば、コントローラ20は、コントローラ20がセンサユニットSU1~SU3から受信した所定信号I1~I3の強度がいずれも所定強度よりも小さくなった場合は、コントローラ20の受信感度が低下していると推定することができる。また、コントローラ20は、コントローラ20がセンサユニットSU1から所定信号I1を受信することができず、且つコントローラ20がセンサユニットSU2,SU3から所定信号I2,I3を受信することができ、且つセンサユニットSU2,SU3がセンサユニットSU1から所定信号I1を受信することができた場合は、コントローラ20とセンサユニットSU2との間に障害物があると推定することができる。
【0080】
・コントローラ20は、センサユニットSU1の送信時期を変更する変更信号として、センサユニットSU1の送信時期を変更した起動予定を、センサユニットSU1~SU3へ無線で送信してもよい。すなわち、センサユニットSU1~SU3の送信時期を変更する変更信号が、センサユニットSU1~SU3の送信時期を変更した起動予定そのものであってもよい。こうした構成によっても、変更信号R1を送信する場合に準じた作用効果を奏することができる。また、無線監視システム10にセンサユニットSU4が追加された場合に、コントローラ20は、センサユニットSU4の送信時期を追加した起動予定(変更信号)を、センサユニットSU1~SU4へ無線で送信してもよい。こうした構成によれば、センサユニットの追加に対して柔軟に対応することができる。なお、無線監視システム10のセンサユニットSUを、数十個や、数百個まで増加することもできる。その場合、センサユニットの起動時刻同士の間隔を短く設定することが望ましい。
【0081】
・センサユニットSU1が送信した正常動作信号N1をセンサユニットSU2が受信した強度を示す情報A12に代えて、センサユニットSU1が送信した所定信号I1全体をセンサユニットSU2が受信した強度を示す情報を、所定信号I2が含んでいてもよい。
【0082】
・センサユニットSU1~SU3は、電池から供給される電力により動作するものに限らず、例えば商用電源から供給される電力により動作するものであってもよい。その場合であっても、センサユニットSU1~SU3がスリープ状態に移行することにより、センサユニットSU1~SU3の電力消費を抑制することができる。
【0083】
・センサユニットSU1~SU3は、窓やドアが開けられたことを検出するマグネットセンサ34,44,54に限らず、工場等において、温度を検出するセンサや、圧力を検出するセンサ、所定領域を撮影するカメラ(センサ)、作業者の入室の際にIDカード(入室許可カード)を読み取るカードリーダ(センサ)等を備えていてもよい。そして、センサユニットSU1~SU3は、これらのセンサによる検出結果を無線で送信し、休止状態に移行可能であり、コントローラ20は、センサユニットSU1~SU3から受信した検出結果に基づいて、所定の処理を実行するものであればよい。
【符号の説明】
【0084】
10…無線監視システム、20…コントローラ、34…マグネットセンサ、44…マグネットセンサ、54…マグネットセンサ、SU1…センサユニット、SU2…センサユニット、SU3…センサユニット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6