(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】表示装置および面光源装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20231205BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20231205BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231205BHJP
【FI】
G02F1/13357
G02F1/1333
F21S2/00 481
(21)【出願番号】P 2020034964
(22)【出願日】2020-03-02
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】小林 智弘
【審査官】植田 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0265549(US,A1)
【文献】特開2016-006465(JP,A)
【文献】特開2019-153436(JP,A)
【文献】特開2009-223314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
G02F 1/1333
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
光源と、
前記光源に対向するように配置され、前記光源からの光を拡散させて、前記光源とは反対側の出射面から出射させる拡散板と、
前記拡散板と前記光源との間に配置され、前記光源から照射される光を透過させる透過部と、前記光源から照射される光を反射させる反射部とを含むシート状の光学部材と、
前記光学部材と前記拡散板とを接着する接着剤層と、を備え、
前記接着剤層は、前記光学部材の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、
前記光学部材と前記拡散板との間でかつ隣り合う前記接着剤層の間には、前記接着剤層と同じ厚みの空気層が形成され
、
前記接着剤層は、前記光学部材の前記透過部を覆うように配置されている、表示装置。
【請求項2】
前記接着剤層は、空気よりも大きい屈折率を有し、前記光源から照射された光の一部を集光するように構成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記接着剤層は、光により硬化する性質を有する接着剤を含む、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記接着剤層は、光により硬化する性質と、光以外の要因により硬化する性質とを有する接着剤を含む、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記接着剤層は、光および湿気により硬化する光湿気硬化型接着剤を含む、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記光学部材は、貫通孔からなる前記透過部を有し、
前記接着剤層は、前記貫通孔を覆うように配置されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記光源は、複数設けられており、
前記接着剤層は、前記拡散板側から見て、前記光学部材が延びる方向において前記光源の間に配置されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記接着剤層は、単位面積当たりの前記透過部の大きさの割合が最大である領域に配置されている、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
表示パネルと、
光源と、
前記光源に対向するように配置され、前記光源からの光を拡散させて、前記光源とは反対側の出射面から出射させる拡散板と、
前記拡散板と前記光源との間に配置され、前記光源から照射される光を透過させる透過部と、前記光源から照射される光を反射させる反射部とを含むシート状の光学部材と、
前記光学部材と前記拡散板とを接着する接着剤層と、を備え、
前記接着剤層は、前記光学部材の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、
前記光学部材と前記拡散板との間でかつ隣り合う前記接着剤層の間には、前記接着剤層と同じ厚みの空気層が形成され、
前記接着剤層は、前記光源と対向するとともに、前記光学部材が延びる方向において前記光源と同じ位置に配置されている
、表示装置。
【請求項10】
前記接着剤層は、単位面積当たりの前記透過部の大きさの割合が最小である領域に配置されている、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記拡散板は、前記光学部材側に突出する第1突出部を含み、
前記第1突出部の突出長さは、前記空気層の厚みと同じである、請求項1~10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記光学部材に対して前記光源側に配置され、前記光源から照射される光を反射する反射シートをさらに備え、
前記拡散板は、前記第1突出部から前記透過部を介して前記光源側に突出し、前記反射シートに接触する第2突出部をさらに含む、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記光学部材に直交する方向から見て、前記接着剤層とは異なる位置に配置されているとともに、前記光源側から前記光学部材側に向かって延びて前記光学部材の前記透過部を介して前記拡散板に接触し、前記拡散板を支持する支持部材をさらに備える、請求項1~10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項14】
光源と、
前記光源に対向するように配置され、前記光源からの光を拡散させて、前記光源とは反対側の出射面から出射させる拡散板と、
前記拡散板と前記光源との間に配置され、前記光源から照射される光を透過させる透過部と、前記光源から照射される光を反射させる反射部とを含むシート状の光学部材と、
前記光学部材と前記拡散板とを接着する接着剤層と、を備え、
前記接着剤層は、前記光学部材の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、
前記光学部材と前記拡散板との間でかつ前記接着剤層の間には、前記接着剤層と同じ厚みの空気層が形成され
、
前記接着剤層は、前記光学部材の前記透過部を覆うように配置されている、面光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置および面光源装置に関し、特に、光学部材と拡散板とを備える表示装置および面光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光学部材と拡散板とを備える表示装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、複数の光源を有し、複数の光源が発する光を照射する光源基板と、光源基板から照射される光の輝度分布を均一化する光学部材と、光源基板と光学部材との間に設けられ、光学部材を支持する支持部材と、拡散板とを備える表示装置が開示されている。特許文献1では、光学部材はシート状であるとともに、光の透過率を調整する孔部を有している。そして、支持部材は、光学部材の孔部に挿入されて、光学部材を支持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のように光学部材がシート状の場合、光学部材が撓みやすいため支持部材を複数配置する必要がある。しかしながら、配置する支持部材が多いと支持部材により光路が阻害されるため、光の透過性が低下するという問題点がある。
【0006】
そのため、特許文献1には開示されていないが、支持部材の数を減らすために光学部材または拡散板の全面に接着剤を塗布し、拡散板に光学部材を重ねて接着することにより拡散板と光学部材とを一体化して光学部材の撓みを抑制することが考えられる。しかしながら、接着剤は、空気よりも屈折率が大きいため、光が接着剤と空気との界面で屈折する。その結果、屈折することにより光の進む向きが変更されて光が拡散する範囲が空気層に比べて狭くなるため、照射される光の輝度分布を均一化する光学部材の拡散効果が低下するという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、支持部材の数を低減しつつ、光学部材の撓みを抑制することが可能であるとともに光の拡散効果を向上させることが可能な表示装置および面光源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による表示装置は、表示パネルと、光源と、光源に対向するように配置され、光源からの光を拡散させて、光源とは反対側の出射面から出射させる拡散板と、拡散板と光源との間に配置され、光源から照射される光を透過させる透過部と、光源から照射される光を反射させる反射部とを含むシート状の光学部材と、光学部材と拡散板とを接着する接着剤層とを備え、接着剤層は、光学部材の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材と拡散板との間でかつ隣り合う接着剤層の間には、接着剤層と同じ厚みの空気層が形成され、接着剤層は、光学部材の透過部を覆うように配置されている。
【0009】
この発明の第1の局面による照明装置では、上記のように、光学部材と拡散板とを接着する接着剤層を備え、接着剤層は、光学部材の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材と拡散板との間でかつ隣り合う接着剤層の間には、接着剤層と同じ厚みの空気層が形成されている。これにより、接着剤層を介して光学部材と拡散板とを接着させることにより光学部材が拡散板により支持されるため、支持部材を多く配置しなくとも光学部材が撓むことを抑制することができる。また、接着剤層は、光学部材の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材と拡散板との間でかつ隣り合う接着剤層の間には、接着剤層と同じ厚みの空気層が形成されていることにより光が屈折することを抑制することができるため、拡散効果を向上させることができる。その結果、支持部材の数を低減しつつ、光学部材の撓みを抑制することが可能であるとともに光の拡散効果を向上させることができる。
【0010】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、接着剤層は、空気よりも大きい屈折率を有し、光源から照射された光の一部を集光するように構成されている。このように構成すれば、接着剤層の屈折率が大きいことにより、空気層から接着剤層に入る光は、入射角よりも小さい角度で屈折する。そのため、光源から異なる角度で照射された光が集まるため、輝度を大きくすることができる。そのため、接着剤層を他の領域に比べて暗い領域に配置することにより輝度を大きくすることができるため、表示装置の輝度分布を均一にすることができる。
【0011】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、接着剤層は、光により硬化する性質を有する接着剤を含む。このように構成すれば、接着剤層が光により硬化する性質を有する接着剤を含むことにより、光を照射することにより容易に光学部材と拡散板とを接着することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、接着剤層は、光により硬化する性質と、光以外の要因により硬化する性質とを有する接着剤を含む。このように構成すれば、光により硬化する接着剤を使用するため、接着剤層を設けた後にまず光を照射することによって、接着剤層の表面を硬化させることができる。そのため、接着剤層が硬化することにより、拡散板と光学部材とにより接着剤層を挟んだ際に、接着剤層が光学部材の延びる方向に広がることを抑制することができる。これにより、接着剤層の厚みを任意の大きさに設定することが容易となる。また、光以外の要因で硬化させることにより、光学部材と拡散板とを貼り合わせた後に、光以外の要因により接着剤層の内部まで硬化させることができる。その結果、光学部材と拡散板とを貼り合わせた後に、照射する光の強度を大きくすることなく光学部材と拡散板とを確実に接着することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、接着剤層は、光および湿気により硬化する光湿気硬化型接着剤を含む。このように構成すれば、光学部材または拡散板に接着剤層を設けた後にまず光を照射することにより、接着剤層の表面を硬化させることができる。そのため、接着剤層が硬化することにより、拡散板と光学部材とにより接着剤層を挟んだ際に、接着剤層が光学部材の延びる方向に広がることを抑制することができる。また、光学部材と拡散板とを貼り合わせた後に、湿気により硬化させることができるため、光学部材と拡散板とを接着後であって接着剤層に光を十分に照射しにくい場合でも、空気中の水分により十分に接着剤層を硬化させることができる。その結果、光学部材と拡散板とをより確実に接着することができる。
【0014】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、光学部材は、貫通孔からなる透過部を有し、接着剤層は、貫通孔を覆うように配置されている。このように構成すれば、光学部材の透過部を透過する光が他の領域よりも少ない場合であっても、接着剤層を有することにより集光されて輝度が大きくなるため、表示装置の輝度分布の均一性を向上させることができる。
【0015】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、光源は、複数設けられており、接着剤層は、拡散板側から見て、光学部材が延びる方向において光源の間に配置されている。ここで、光源と光源との間の領域は光学部材の他の領域よりも到達する光が少なくなるため、他の領域よりも暗くなる。そのため、接着剤層を光学部材が延びる方向において光源の間に配置することにより、接着剤層によって光が集光されるため光源と光源との間の領域の輝度を大きくすることができる。その結果、表示装置の輝度分布を輝度分布の均一性をより向上させることができる。
【0016】
この場合、好ましくは、接着剤層は、単位面積当たりの透過部の大きさの割合が最大である領域に配置されている。ここで、光学部材のうち光源から離れた領域では他の領域よりも暗くなるため、光源から照射される光を他の領域よりも透過させるために、透過部の単位面積当たりの大きさが最大となるように配置される。そのため、単位面積当たりの透過部の大きさの割合が最大である領域に接着剤層を設けることにより、光源からの光が集光されるため光学部材の光源から離れた領域を明るくすることができる。その結果、表示装置の輝度分布の均一性をより一層向上させることができる。
【0017】
この発明の第2の局面による表示装置は、表示パネルと、光源と、光源に対向するように配置され、光源からの光を拡散させて、光源とは反対側の出射面から出射させる拡散板と、拡散板と光源との間に配置され、光源から照射される光を透過させる透過部と、光源から照射される光を反射させる反射部とを含むシート状の光学部材と、光学部材と拡散板とを接着する接着剤層と、を備え、接着剤層は、光学部材の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材と拡散板との間でかつ隣り合う接着剤層の間には、接着剤層と同じ厚みの空気層が形成され、接着剤層は、光源と対向するとともに、光学部材が延びる方向において光源と同じ位置に配置されている。ここで、光学部材の光源と対向するとともに、光学部材が延びる方向において光源と同じ位置は光が多く到達するため、暗くなるように構成される。そのため、暗くなるように構成された光学部材の領域に接着剤層を設けることにより、接着剤層を目立ちにくくすることができる。
【0018】
この場合、好ましくは、接着剤層は、単位面積当たりの透過部の大きさの割合が最小である領域に配置されている。ここで、光学部材における光源に対向する領域では、他の領域よりも明るくなることを抑制するために、透過部が小さく設計される。そのため、上記のように構成すれば、透過部が小さいことにより、接着剤層によって他の領域よりも明るくなりすぎることを抑制しつつ、透過部が小さいことにより他の領域よりも暗くなることを、接着剤層で集光することにより抑制することができる。
【0019】
上記第1および第2の局面による表示装置において、好ましくは、拡散板は、光学部材側に突出する第1突出部を含み、第1突出部の突出長さは、空気層の厚みと同じである。このように構成すれば、第1突出部を設けることにより、拡散板と光学部材との間の空気層の厚みをより確実に確保することができる。
【0020】
この場合、好ましくは、光学部材に対して光源側に配置され、光源から照射される光を反射する反射シートをさらに備え、拡散板は、第1突出部から透過部を介して光源側に突出し、反射シートに接触する第2突出部をさらに含む。このように構成すれば、反射シートを有することにより、光源から照射され光学部材の反射部で反射された光を、光学部材側に反射させることができるため、光学部材を透過する光を十分に確保することができる。また、拡散板が、第2突出部を有することにより拡散板と反射シートとの距離を一定の距離に保持することができる。
【0021】
上記第1および第2の局面による表示装置において、好ましくは、光学部材に直交する方向から見て、接着剤層とは異なる位置に配置されているとともに、光源側から光学部材側に向かって延びて光学部材の透過部を介して拡散板に接触し、拡散板を支持する支持部材をさらに備える。このように構成すれば、支持部材を設けることにより、拡散板と反射シートとの距離を一定の距離に保持しつつ、光学部材が撓むことを抑制することができる。
【0022】
この発明の第3の局面による面光源装置は、光源と、光源に対向するように配置され、光源からの光を拡散させて、光源とは反対側の出射面から出射させる拡散板と、拡散板と光源との間に配置され、光源から照射される光を透過させる透過部と、光源から照射される光を反射させる反射部とを含むシート状の光学部材と、光学部材と拡散板とを接着する接着剤層と、を備え、接着剤層は、光学部材の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材と拡散板との間でかつ隣り合う接着剤層の間には、接着剤層と同じ厚みの空気層が形成され、接着剤層は、光学部材の透過部を覆うように配置されている。
【0023】
この発明の第3の局面による面光源装置では、上記のように、光学部材と拡散板とを接着する接着剤層と、を備え、接着剤層は、光学部材の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材と拡散板との間でかつ接着剤層によって、接着剤層の間には、接着剤層と同じ厚みの空気層が形成されている。これにより、接着剤層を介して光学部材と拡散板とを接着させることにより光学部材が拡散板により支持されるため、支持部材を多く配置しなくとも光学部材が撓むことを抑制することができる。また、接着剤層は、光学部材の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材と拡散板との間でかつ隣り合う接着剤層の間には、接着剤層と同じ厚みの空気層が形成されていることにより光が屈折することを抑制することができるため、光の拡散効果が向上し、均一に光を照射することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、上記のように、支持部材の数を低減しつつ、光学部材の撓みを抑制することが可能であるとともに光の拡散効果を向上させることが可能な表示装置および面光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】液晶テレビジョン装置の全体構成を示した斜視図である。
【
図3】第1実施形態による接着剤層と支持部材との配置の一例を示す図である。
【
図4】光源から照射された光の光路を示す図である。
【
図6】第1実施形態による接着剤層と光源との配置を示す図である。
【
図7】接着剤層による光の集光を説明するための図である。
【
図8】第1実施形態による接着剤層の配置を示す図である。
【
図9】第2実施形態による接着剤層の配置を示す図である。
【
図10】第2実施形態による接着剤層と支持部材との配置を示す図である。
【
図11】第2実施形態による接着剤層と光源との配置を示す図である。
【
図12】第3実施形態による接着剤層と支持部材との配置を示す図である。
【
図13】第4実施形態による接着剤層と支持部材との配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
[第1実施形態]
(液晶テレビジョン装置の構成)
図1~
図8を参照して、本発明の第1実施形態による液晶テレビジョン装置100の構成について説明する。なお、液晶テレビジョン装置100は、特許請求の範囲の「表示装置」の一例である。
【0028】
本発明の第1実施形態による液晶テレビジョン装置100には、
図1に示すように、表示部101と、筐体102とが設けられている。
図2に示すように、液晶テレビジョン装置100は、前側筐体1と、表示パネル2と、中間フレーム3と、バックライト4と、後側筐体9と、を備えている。バックライト4は、拡散板5と、光学部材6と、反射シート7と、基板8と、を備えている。基板8には、複数の光源81が設けられている。なお、バックライト4は、特許請求の範囲の「面光源装置」の一例である。
【0029】
前側筐体1は、樹脂により形成されている。そして、前側筐体1は、表示パネル2を前面側(Z1方向側)から支持するように構成されている。また、前側筐体1の中央部には、表示パネル2の表示面を前面側(Z1方向側)に露出させるための矩形状の開口部が設けられている。
【0030】
表示パネル2は、液晶セルを含む。また、表示パネル2は、複数の画素を含み、複数の画素の各々により、光源81から照射される光の透過率を変化させて映像を表示させる。また、表示パネル2は、映像信号に基づいて駆動される。
【0031】
中間フレーム3は、表示パネル2を、側方側(X1方向側およびX2方向側)および上下方向(Y1方向側およびY2方向側)から支持するように構成されている。
【0032】
バックライト4は、表示パネル2の背面側(Z2方向側)に配置されている。また、バックライト4は、表示パネル2の背面側から表示パネル2に光を照射するように構成されている。
【0033】
拡散板5は、光源81からの光を拡散させて、光源81とは反対側(Z1方向側)の出射面から出射させる。拡散板5は、略矩形の板状に構成されている。拡散板5は、表示パネル2と光源81との間に配置されている。また、拡散板5は、光源81に対向するように配置されている。拡散板5は、表示パネル2の背面とZ方向に向かい合うように、表示パネル2のZ2方向側の位置に配置されている。拡散板5は、後側筐体9と、表示パネル2を支持する中間フレーム3との間に挟まれるように配置されている。
【0034】
拡散板5は、樹脂により形成されている。拡散板5は、たとえば、ポリカーボネートにより形成されている。また、拡散板5は、数mm(1mm以上5mm以下)程度の厚み(Z方向の長さ)を有している。また、拡散板5は、光学部材6よりも大きい厚みを有している。これにより、拡散板5は、光学部材6よりも撓みにくい。
【0035】
図3に示すように、拡散板5は、光学部材6側に突出する第1突出部51を含む。第1突出部51は、柱状である。第1突出部51の厚みは、拡散板5と光学部材6との間に形成される空気層10の厚みと同じである。また、拡散板5と光学部材6との間には、接着剤層11が設けられている。接着剤層11の厚みは、空気層10の厚みと同じである。第1突出部51のZ2側の面と光学部材6の反射部62とが、接触する。
【0036】
図2および
図3に示すように、光学部材6は、拡散板5と光源81との間に配置されている。
図3では、X方向に沿った断面を示しているが、Y方向から見た断面も同様である。光学部材6は、光源81から照射される光を透過させる透過部61と、光源81から照射される光を反射させる反射部62とを含んでいる。また、光学部材6は、
図2に示すように、シート状に形成されている。そのため、光学部材6は、板状の拡散板5と比べて撓みやすい。また、光学部材6は、拡散板5の背面とZ方向に向かい合うように、拡散板5のZ2方向側の位置に配置されている。光学部材6の周縁は、後側筐体9と、表示パネル2を支持する中間フレーム3との間に挟まれるように配置されている。
【0037】
光学部材6は、樹脂により形成されている。光学部材6は、たとえば、微細発泡樹脂により形成されている。光学部材6は、たとえば、微細発泡ポリエチレンテレフタラートにより形成されている。また、光学部材6は、0.5mm以上1mm以下の厚み(Z方向の長さ)を有している。また、光学部材6は、拡散板5よりも小さい厚みを有している。
【0038】
図3および
図4に示すように、光学部材6の透過部61は、厚み方向(Z方向)に貫通する貫通孔からなる。また、透過部61は、複数設けられており、光源81との位置関係に対応して、所定のパターンを有するように配置されている。また、光学部材6の反射部62は、貫通孔が設けられている以外の部分である。反射部62では、入射するほとんどの光が反射されるように構成されている。
図3および
図4では、X方向に沿った断面を示しているが、Y方向から見た断面も同様である。
【0039】
図5に示すように、光学部材6は、透過部61毎の光の透過量を調整することにより、面方向(XY方向)における前方(Z1方向)に透過する光を均一な光強度にするように構成されている。第1実施形態では、光学部材6の透過部61は、光源81からX方向またはY方向に離れるにつれて面積が大きくなるように構成されている。また、光学部材6のZ方向において光源81に対向する位置(光源81の直上)は、透過部61の面積が小さいか、反射部62が配置される。これにより、光源81に近く、他の領域よりも明るくなりやすい領域に到達する光の透過量を減らし、光源81から遠く、他の領域よりも暗くなりやすい領域に到達する光の透過量を増やしやすくすることにより輝度分布が均一になる。なお、
図5は、1つの光源81に対する透過部61の配置を示している。
【0040】
図2に示すように、反射シート7は、後側筐体9の内側表面上に配置され、光源81から照射される光を前面側(Z1方向側)に反射するように構成されている。反射シート7は、光学部材6に対向して光源81側に配置されている。また、反射シート7は、光源用開口部71を含む。光源用開口部71は、光源81を反射シート7の光学部材6側(Z1方向側)に突出させるために配置される。これにより、光源81と光学部材6との間に反射シート7が配置されることを抑制できる。
【0041】
反射シート7は、樹脂により形成されている。反射シート7は、たとえば、微細発泡樹脂により形成されている。反射シート7は、たとえば、微細発泡ポリエチレンテレフタラートにより形成されている。
【0042】
複数の光源81は、基板8に設けられている。基板8は、反射シート7の背面側(Z2方向側)に配置されている。光源81は、発光素子を含んでいる。光源81は、通電されることにより、発光するように構成されている。光源81は、LED(Light Emitting Diode)を含む。光源81は、基板8を介して後側筐体9に支持されている。複数の光源81は、
図6に示すように、格子状に配置されている。光源81は、反射シート7の光源用開口部71内に配置されることによって、反射シート7と光学部材6との間に形成される空間内に露出している。
【0043】
図4に示すように、光源81から照射された光は、様々な角度で照射される。そのため、光学部材6の透過部61に直接到達する光と、反射部62に到達し、反射される光とがある。反射部62で反射された光の一部は、反射シート7に反射して、透過部61に到達する。
【0044】
後側筐体9は、
図2に示すように、表示パネル2を背面側(Z2方向側)から支持するように構成されている。後側筐体9は、金属により形成されており、背面方向(Z2方向)に窪む凹形状に形成されている。後側筐体9は、前側筐体1に組み合わされている。
【0045】
図6に示すように、支持部材12は、光学部材6に直交する方向(Z方向)から見て、接着剤層11とは異なる位置に配置されている。また、支持部材12は、光源81側から光学部材6側に向かってZ1方向に延びるとともに、光学部材6を挟むように拡散板5の第1突出部51のZ2側の面と対向して配置される。
【0046】
空気層10は、光学部材6と拡散板5との間に形成されている。また、空気層10は、隣り合う接着剤層11の間に形成されている。空気層10の厚みは、光学部材6の透過部61を透過した光を十分に拡散させるための所定の大きさを有する。空気層10の厚みは、たとえば、0.2mm以上1mm以下である。透過部61を透過した光は、様々な角度で拡散し拡散板5に到達するが、空気層10の厚みが小さいと拡散する前に拡散板5に到達し、輝度むらが生じる可能性がある。
【0047】
図3に示すように接着剤層11は、拡散板5と光学部材6との間に設けられているとともに、拡散板5と光学部材6とを接着する。具体的には、接着剤層11は、拡散板5のZ2側の面と光学部材6のZ1側の面とに接触している。また、
図3示すように、接着剤層11は、柱状である。接着剤層11は、光および他の要因で硬化する接着剤を含む。第1実施形態では、接着剤は、光および湿気により硬化する光湿気硬化型接着剤が使用される。光湿気硬化型接着剤の硬化に使用する光は、紫外線である。
【0048】
図7に示すように、接着剤層11は、空気の屈折率よりも屈折率が大きい接着剤を含む。つまり屈折率が1より大きい接着剤が使用される。接着剤の屈折率は、1.2以上1.6以下である。屈折率が大きいことにより、空気層10から接着剤層11に入った光は入射角よりも小さい角度で屈折する。その結果、さまざまな角度で透過部61に入射した光の一部が重なり、集光されて明るく見える。接着剤層11を構成する接着剤は、アクリル系またはシリコン系の接着剤である。接着剤は、光路を妨げないために高透過率を有する接着剤が好ましい。透過率は、90%以上である。また、接着剤は、接着するために圧力をかける際に光学部材6がしわになることを抑制するとともに、光学部材6または拡散板5が引っ張られた場合に、解離することを抑制するために、低弾力性を有する接着剤が好ましい。接着剤は、縦弾性係数が10MPa以下であることが好ましい。
【0049】
図6に示すように、接着剤層11は、拡散板5側(Z1側)から見て、光学部材6の延びる方向(X方向およびY方向)に間隔を空けて複数配置される。また、光源81は、拡散板5側(Z1側)から見て、光学部材6の延びる方向(X方向およびY方向)に間隔を空けて複数配置される。支持部材12は、光源81と光源81との間でかつ接着剤層11と接着剤層11との間に複数配置される。配置の仕方は、光源81の配置および光学部材6の透過部61の配置により異なる。接着剤層11は、支持部材12よりも多く配置される。接着剤層11は、光学部材6の透過部61を覆うように配置される。
【0050】
図8に示すように、第1実施形態では、接着剤層11は、光源81と光源81との間に配置される。また、接着剤層11は、単位面積当たりの透過部61の大きさの割合が最大である領域に配置される。単位面積当たりの透過部61の大きさの割合が最大となる領域は、光学部材6が延びる方向において光源81と光源81との中間の領域である。この領域は、光源81から照射された光が届きにくいため、多くの光を取り込むために透過部61の面積が他の透過部61よりも大きく形成される。そのため、光源81と光源81との中間の領域は、単位面積当たりの透過部61の大きさの割合が最大となる。言い換えると、反射部62に対する透過部61の面積割合が最大となる領域である。接着剤層11をこの領域に配置することにより、光学部材6の透過部61が大きいことに起因し、多くに光を透過させやすくし、かつ接着剤層11によって、光を集光させることにより光量を増やすことができる。その結果、光の届きにくい領域、いいかえれば、他の領域よりも暗い領域の光量を増やすことができるため、他の領域と光量の差を縮めることができる。その結果、拡散板5へ入射する光がXY面内において均一になる。
【0051】
拡散板5と光学部材6とを接着する方法は、まず、拡散板5または光学部材6に接着剤を塗布し、紫外線を照射して一次硬化させる。一次硬化させることにより接着剤がゲル状になるため、拡散板5と光学部材6とを貼り合わせるまでの間、塗布した接着剤が濡れ広がることを抑制することができる。その結果、接着剤に所望の厚み、所望の形状を維持させることができる。接着剤は、空気層10と同じまたは少し大きい厚みを有するように、拡散板5または光学部材6のうちの一方に塗布される。そして、接着剤を塗布した拡散板5または光学部材6のうちの一方に対して、接着剤を塗布していない拡散板5または光学部材6のうちの他方を重ねて12kPa以上20kPa以下の圧力でプレスする。プレスは、錘、ばねまたはシリンダによる荷重、アクチュエータの駆動力、拡散板5の自重等を利用して行われる。その後、二次硬化させて拡散板5と光学部材6とが接着される。二次硬化は、加湿してもよく、室内の湿気により行ってもよい。プレスにより、拡散板5と光学部材6とが、所望の間隔(設計した空気層10および接着剤層11の厚み)となるように貼り合わされる。第1突出部51は、貼り合わせの際のスペーサとしても機能する。
【0052】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0053】
第1実施形態では、上記のように、液晶テレビジョン装置100は、光学部材6と拡散板5とを接着する接着剤層11と、を備え、接着剤層11は、光学部材6の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材6と拡散板5との間でかつ隣り合う接着剤層11の間には、接着剤層11と同じ厚みの空気層10が形成されている。これにより、接着剤層11を介して光学部材6と拡散板5とを接着させることにより光学部材6が拡散板5により支持されるため、支持部材12を多く配置しなくとも光学部材6が撓むことを抑制することができる。また、接着剤層11は、光学部材6の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材6と拡散板5との間でかつ隣り合う接着剤層11の間には、接着剤層11と同じ厚みの空気層10が形成されていることにより光が屈折することを抑制することができるため、光の拡散効果を向上させることができる。その結果、支持部材12の数を低減しつつ、光学部材6の撓みを抑制することが可能であるとともに光の拡散効果を向上させることができる。
【0054】
また、第1実施形態では、上記のように、接着剤層11は、空気よりも大きい屈折率を有し、光源81から照射された光の一部を集光するように構成されている。これにより、接着剤層11の屈折率が大きいことにより、空気層10から接着剤層11に入る光は、入射角よりも小さい角度で屈折する。そのため、光源81から異なる角度で照射された光が集まるため、輝度を大きくすることができる。そのため、接着剤層11を他の領域に比べて暗い領域に配置することにより輝度を大きくすることができるため、表示装置の輝度分布を均一にすることができる。
【0055】
また、第1実施形態では、上記のように、接着剤層11は、光により硬化する性質を有する接着剤を含む。これにより、接着剤層11が光により硬化する性質を有する接着剤を含むことにより、光を照射することにより容易に光学部材6と拡散板5とを接着することができる。
【0056】
また、第1実施形態では、上記のように、接着剤層11は、光により硬化する性質と、光以外の要因により硬化する性質とを有する接着剤を含む。これにより、光により硬化する接着剤を使用するため、接着剤層11を設けた後にまず光を照射することによって、接着剤層11の表面を硬化させることができる。そのため、接着剤層11が硬化することにより、拡散板5と光学部材6とにより接着剤層11を挟んだ際に、接着剤層11が光学部材6の延びる方向に広がることを抑制することができる。これにより、接着剤層11の厚みを任意の大きさに設定することが容易となる。また、他の要因で硬化させることにより、光学部材6と拡散板5とを貼り合わせた後に、光以外の要因により接着剤層11の内部まで硬化させることができる。その結果、光学部材6と拡散板5とを貼り合わせた後に、照射する光の強度を大きくすることなく光学部材6と拡散板5とを確実に接着することができる。
【0057】
また、第1実施形態では、接着剤層11は、光および湿気により硬化する光湿気硬化型接着剤を含む。これにより、光学部材6または拡散板5に接着剤層11を設けた後にまず光を照射することにより、接着剤層11の表面を硬化させることができる。そのため、接着剤層11が硬化することにより、拡散板5と光学部材6とにより接着剤層11を挟んだ際に、接着剤層11が光学部材6の延びる方向に広がることを抑制することができる。また、光学部材6と拡散板5とを貼り合わせた後に、湿気により硬化させることができるため、光学部材6と拡散板5とを接着後であって接着剤層11に光を十分に照射しにくい場合に、空気中の水分により十分に接着剤層11を硬化させることができる。その結果、光学部材6と拡散板5とをより確実に接着することができる。
【0058】
また、第1実施形態では、上記のように、光学部材6は、貫通孔からなる透過部61を有し、接着剤層11は、貫通孔を覆うように配置されている。これにより、光学部材6の透過部61を透過する光が他の領域よりも少ない場合であっても、接着剤層11を有することにより集光されて輝度が大きくなるため、液晶テレビジョン装置100の輝度分布の均一性を向上させることができる。
【0059】
また、第1実施形態では、上記のように、光源81は、複数設けられており、接着剤層11は、拡散板5側から見て、光学部材6が延びる方向において光源81の間に配置されている。ここで、光源81と光源81との間は光学部材6の他の領域よりも透過される光が少なくなるため、他の部分よりも暗くなる。そのため、接着剤層11が、光学部材6が延びる方向において光源81の間に配置されていることにより、接着剤層11によって光が集光されるため光源81と光源81との間の領域の輝度を大きくすることができる。その結果、液晶テレビジョン装置100の輝度分布の均一性をより向上させることができる。
【0060】
また、第1実施形態では、上記のように、接着剤層11は、単位面積当たりの透過部61の大きさの割合が最大である領域に配置されている。ここで、光学部材6のうち光源81から離れた領域では他の領域よりも暗くなるため、光源81から照射される光を他の領域よりも透過させるために、透過部61の単位面積当たりの大きさが最大となるように配置される。そのため、単位面積当たりの透過部61の大きさの割合が最大である領域に接着剤層11を設けることにより、光源81からの光が集光されるため光学部材6の光源81から離れた領域を明るくすることができる。その結果、液晶テレビジョン装置100の輝度分布の均一性をより向上させることができる。
【0061】
また、第1実施形態では、上記のように、拡散板5は、光学部材6側に突出する第1突出部51を含み、第1突出部51の突出長さは、空気層10の厚みと同じである。これにより、第1突出部51を設けることにより、拡散板5と光学部材6との間の空気層10の厚みをより確実に確保することができる。
【0062】
また、第1実施形態では、上記のように、バックライト4は、光学部材6と拡散板5とを接着する接着剤層11と、を備え、接着剤層11は、光学部材6の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材6と拡散板5との間でかつ接着剤層11によって、接着剤層11の間には、接着剤層11と同じ厚みの空気層10が形成されている。これにより、接着剤層11を介して光学部材6と拡散板5とを接着させることにより光学部材6が拡散板5により支持されるため、支持部材12を多く配置しなくとも光学部材6が撓むことを抑制することができる。また、接着剤層11は、光学部材6の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材6と拡散板5との間でかつ隣り合う接着剤層11の間には、接着剤層11と同じ厚みの空気層10が形成されていることにより光が屈折することを抑制することができるため、光の拡散効果が向上し、均一に光を照射することができる。
【0063】
[第2実施形態]
次に、
図1および
図9~11を参照して、第2実施形態による液晶テレビジョン装置200のバックライト4の構成について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、接着剤層11は、単位面積当たりの透過部61の大きさの割合が最小である領域に配置される。
【0064】
図9~
図11に示すように、接着剤層11は、単位面積当たりの透過部61の大きさの割合が最小である領域に配置される。単位面積当たりの透過部61の大きさの割合が最小となる領域は、光源81と対向するとともに、光学部材6が延びる方向(XY方向)において光源81と同じ位置となる光学部材6の領域である。光学部材6のこの領域は、光の透過量が多く、透過部61の面積が他の透過部61よりも小さく形成されるか、まったく形成されない。そのため、単位面積当たりの透過部61の大きさの割合が最小となる。
図10では、X方向に沿った断面を示しているが、Y方向から見た断面も同様である。
【0065】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0066】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、液晶テレビジョン装置100は、光学部材6と拡散板5とを接着する接着剤層11と、を備え、接着剤層11は、光学部材6の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材6と拡散板5との間でかつ接着剤層11の間には、接着剤層11と同じ厚みの空気層10が形成されている。これにより、接着剤層11を介して光学部材6と拡散板5とを接着させることにより光学部材6が拡散板5により支持されるため、支持部材12を多く配置しなくとも光学部材6が撓むことを抑制することができる。また、接着剤層11は、光学部材6の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材6と拡散板5との間でかつ隣り合う接着剤層11の間には、接着剤層11と同じ厚みの空気層10が形成されていることにより光が屈折することを抑制することができるため、光の拡散効果を向上させることができる。その結果、支持部材12の数を低減しつつ、光学部材6の撓みを抑制することが可能であるとともに光の拡散効果を向上させることができる。
【0067】
また、第2実施形態では、上記のように、接着剤層11は、光源81と対向するとともに、光学部材6が延びる方向において光源81と同じ位置に配置されている。ここで、光学部材6の光源81と対向するとともに、光学部材6が延びる方向において光源81と同じ位置は光が多く到達するため、暗くなるように構成される。そのため、暗くなるように構成された領域に接着剤層11を設けることにより、接着剤層11を目立ちにくくすることができる。
【0068】
また、第2実施形態では、上記のように、接着剤層11は、単位面積当たりの透過部61の大きさの割合が最小である領域に配置されている。ここで、光学部材6における光源81に対向する領域では、他の領域よりも明るくなることを抑制するために、透過部61が小さく設計される。そのため、これにより、透過部61が小さいことにより、接着剤層11によって他の領域よりも明るくなりすぎることを抑制しつつ、透過部61が小さいことにより他の領域よりも暗くなることを、接着剤層11で集光することにより抑制することができる。
【0069】
また、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0070】
[第3実施形態]
次に、
図1および
図12を参照して、第3実施形態による液晶テレビジョン装置300のバックライト4の構成について説明する。第3実施形態では、第1実施形態とは異なり、拡散板5は、第2突出部52を有する。また、第1突出部51と支持部材12とが光学部材6を挟むように対向していない。
【0071】
図12に示すように、第3実施形態では、拡散板5は、第2突出部52を有している。
図3および
図4では、第1突出部51が、反射部62の位置に配置されていたが、
図12では、第1突出部51が、透過部61の位置に配置され、透過部61の周囲の反射部62に接触するように設けられている。つまり、第1突出部51は、透過部61の直径よりも大きい径を有し、透過部61を覆っている。第2突出部52が、第1突出部51の先端において、透過部61の内部を通過するように設けられている、そして、第2突出部52は、第1突出部51から透過部61を介して反射シート7側(Z2側)に延びている。第2突出部52の長さは、特に限定されず、光源81からの光が、光源81と光学部材6との間で十分に拡散できる一定の距離を保持するように設計される。また、第2突出部52は、第1突出部51よりもXY方向の幅が小さくなるように構成されている。第2突出部52のZ2側の面は、反射シート7のZ1側の面と接触している。
図12では、X方向に沿った断面を示しているが、Y方向から見た断面も同様である。
【0072】
第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0073】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、液晶テレビジョン装置100は、光学部材6と拡散板5とを接着する接着剤層11と、を備え、接着剤層11は、光学部材6の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材6と拡散板5との間でかつ接着剤層11の間には、接着剤層11と同じ厚みの空気層10が形成されている。これにより、接着剤層11を介して光学部材6と拡散板5とを接着させることにより光学部材6が拡散板5により支持されるため、支持部材12を多く配置しなくとも光学部材6が撓むことを抑制することができる。また、接着剤層11は、光学部材6の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材6と拡散板5との間でかつ隣り合う接着剤層11の間には、接着剤層11と同じ厚みの空気層10が形成されていることにより光が屈折することを抑制することができるため、光の拡散効果を向上させることができる。その結果、支持部材12の数を低減しつつ、光学部材6の撓みを抑制することが可能であるとともに光の拡散効果を向上させることができる。
【0074】
また、第3実施形態では、上記のように、光学部材6に対して光源81側に配置され、光源81から照射される光を反射する反射シート7をさらに備え、拡散板5は、第1突出部51から透過部61を介して光源81側に突出し、反射シート7に接触する第2突出部52をさらに含む。これにより、反射シート7を有することにより、光源81から照射され光学部材6の反射部62で反射された光を、光学部材6側に反射することができる。その結果、光学部材6の反射部62において反射された光を透過部61に反射することができる。また、拡散板5が、第2突出部52を有することにより拡散板5と反射シート7との距離を一定の距離に保持することができる。
【0075】
また、第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0076】
[第4実施形態]
次に、
図1および
図13を参照して、第4実施形態による液晶テレビジョン装置400のバックライト4の構成について説明する。第4実施形態では、第1実施形態とは異なり、拡散板5は、第1突出部51を有していないとともに、反射シート7から拡散板5へ向かって延びる支持部材13を有している。
【0077】
第4実施形態では、支持部材13は、光学部材6に直交する方向から見て、接着剤層11とは異なる位置に配置されている。支持部材13は、光源81側から光学部材6側に向かって延びて光学部材6の透過部61を介して拡散板5に接触し、拡散板5を支持する。支持部材13のZ1側の面は、拡散板5のZ2側の面と接触している、支持部材13は、Z2側からZ1側にかけて、径が小さくなる。支持部材13は、光学部材6の透過部61を反射シート7側から遮蔽するための鍔部14を有している。鍔部14を有することにより、支持部材13が設けられた透過部61から光が透過することを抑制することができる。鍔部14は、光学部材6の透過部61の径よりも大きい。支持部材13の鍔部14から拡散板5までの径は、光学部材6の透過部61の径よりも小さい。一方で、支持部材13の反射シート7側の面は、反射シート7に設けられた孔部よりも大きい径を有している。そして、支持部材13は、光学部材6に固定するための固定部15を有している。固定部15の径は、反射シート7に設けられた孔の径よりも大きい。
図13では、X方向に沿った断面を示しているが、Y方向から見た断面も同様である。
【0078】
第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0079】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、上記第1実施形態と同様に、液晶テレビジョン装置100は、光学部材6と拡散板5とを接着する接着剤層11と、を備え、接着剤層11は、光学部材6の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材6と拡散板5との間でかつ接着剤層11の間には、接着剤層11と同じ厚みの空気層10が形成されている。これにより、接着剤層11を介して光学部材6と拡散板5とを接着させることにより光学部材6が拡散板5により支持されるため、支持部材12を多く配置しなくとも光学部材6が撓むことを抑制することができる。また、接着剤層11は、光学部材6の延びる方向に間隔を空けて複数配置され、光学部材6と拡散板5との間でかつ隣り合う接着剤層11の間には、接着剤層11と同じ厚みの空気層10が形成されていることにより光が屈折することを抑制することができるため、光の拡散効果を向上させることができる。その結果、支持部材13の数を低減しつつ、光学部材6の撓みを抑制することが可能であるとともに光の拡散効果を向上させることができる。
【0080】
また、第4実施形態では、上記のように、光学部材6に直交する方向から見て、接着剤層11とは異なる位置に配置されているとともに、光源81側から光学部材6側に向かって延びて光学部材6の透過部61を介して拡散板5に接触し、拡散板5を支持する支持部材13をさらに備える。これにより、支持部材13を設けることにより、拡散板5と反射シート7との距離を一定の距離に保持しつつ、光学部材6が撓むことを抑制することができる。
【0081】
また、第4実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0082】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0083】
たとえば、上記第1~第4実施形態では、本発明の表示装置として、液晶テレビジョン装置の例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、本発明を、液晶テレビジョン装置以外の表示装置に適用してもよい。たとえば、PC(Personal Computer)用の表示装置などの一般的な表示装置に本発明を適用してもよい。
【0084】
また、上記第1~第4実施形態では、接着剤として、光湿気硬化型接着剤の例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、接着剤として、光と熱とにより硬化する接着剤を用いてもよい。
【0085】
また、上記第1~第4実施形態では、接着剤として、光湿気硬化型接着剤の例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、接着剤として、光学部材を透過する波長の光により硬化する性質を有する接着剤を用いてもよい。この場合、接着剤は、光学部材を透過する波長域である300nm以下の波長により硬化させてもよい。
【0086】
また、上記第1~第4実施形態では、接着剤として、光湿気硬化型接着剤の例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、接着剤として、二液硬化する接着剤を用いてもよい。
【0087】
また、上記第1~第4実施形態では、空気よりも屈折率の大きい接着剤の例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、屈折率が空気に略近い接着剤を用いてもよい。
【0088】
また、上記第1~第4実施形態では、接着剤層が貫通孔を覆う例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、接着剤層は貫通孔を覆わないように配置されてもよい。
【0089】
また、上記第1実施形態では、接着剤層が、単位面積当たりの透過部の大きさの割合が最大である領域に配置されている例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、単位面積当たりの透過部の割合が最大でなくとも、他の領域と比べて単位面積当たりの透過部の割合が大きい領域に配置されていてもよい。
【0090】
また、上記第2実施形態では、接着剤層が、単位面積当たりの透過部の大きさの割合が最小である領域に配置されている例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、単位面積当たりの透過部の割合が最小でなくとも、他の領域と比べて単位面積当たりの透過部の割合が小さい領域に配置されていてもよい。
【0091】
また、上記第1~第4実施形態では、光源が、XY方向に格子状に配置されている例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、光源は、円形に配置されていてもよい。
【0092】
また、上記第1~第4実施形態では、支持部材が、配置されている例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、支持部材は、配置されなくてもよい。
【符号の説明】
【0093】
4 バックライト(面光源装置)
5 拡散板
6 光学部材
7 反射シート
10 空気層
11 接着剤層
12 支持部材
13 支持部材
14 鍔部
51 第1突出部
52 第2突出部
61 透過部
62 反射部
81 光源
100、200、300、400 液晶テレビジョン装置(表示装置)