(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/631 20060101AFI20231205BHJP
H01R 13/64 20060101ALI20231205BHJP
H01R 13/24 20060101ALI20231205BHJP
H01R 35/04 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
H01R13/631
H01R13/64
H01R13/24
H01R35/04 A
(21)【出願番号】P 2020092506
(22)【出願日】2020-05-27
【審査請求日】2022-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】北岡 賢一
(72)【発明者】
【氏名】椋野 潤一
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 裕昭
(72)【発明者】
【氏名】安久 竜也
(72)【発明者】
【氏名】板東 孝佳
(72)【発明者】
【氏名】吉野 智裕
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-039052(JP,U)
【文献】実開平07-034591(JP,U)
【文献】特開2016-213032(JP,A)
【文献】特開2006-004945(JP,A)
【文献】特開平10-326663(JP,A)
【文献】特開2002-151225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/631
H01R 13/64
H01R 13/24
H01R 35/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタ部と第2コネクタ部とが着脱可能に構成されたコネクタ装置であって、
前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部の少なくとも一方には、相手側電極部と電気的に接続され、前記第1コネクタ部と前記第2コネクタ部の着脱方向に延びるとともに着脱中心を通る仮想軸線の周りに長く延びる長尺電極部を有
しており、
前記仮想軸線上に、前記第1コネクタ部と前記第2コネクタ部との接続を検出するための中心電極部を有しており、
前記長尺電極部と電気的に接続される第1相手側電極部は、前記第1コネクタ部と前記第2コネクタ部とが接続されていない状況で、前記中心電極部と電気的に接続される第2相手側電極部よりも突出する位置に設けられる、コネクタ装置。
【請求項2】
前記第1相手側電極部と前記第2相手側電極部とは前記第1コネクタ部と前記第2コネクタ部との着脱方向において進退可能に構成される、請求項
1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記長尺電極部は、正極端子と負極端子とを有し、
前記正極端子及び前記負極端子は、前記仮想軸線の周りに長く延びている、請求項
1又は請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記正極端子及び前記負極端子は、前記仮想軸線を中心とした同一円周上に設けられている、請求項
3に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記正極端子及び前記負極端子は、互いに前記仮想軸線の周方向反対側の位置に設けられている、請求項
3又は請求項
4に記載のコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給電や充電を行うべく、機器同士を電気的に接続するコネクタ装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
このようなコネクタ装置では、一方の機器と電気的に接続される第1コネクタ部と、他方の機器に電気的に接続される第2コネクタ部とを備え、第1コネクタ部内の電極と第2コネクタ部内の電極とが電気的に接続されることで、機器間をコネクタ装置で接続することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなコネクタ装置において、第1コネクタ部と第2コネクタ部とは着脱可能な構成を採用することが考えられるが、例えば第1コネクタ部と第2コネクタ部との着脱方向を中心とした仮想軸線を中心に第1コネクタ部と第2コネクタ部とが相対的に回転し、第1コネクタ部の電極と第2コネクタ部の電極とが正しく接続されない虞がある。
【0005】
本開示の目的は、2つのコネクタ部間における回転方向のずれを許容するコネクタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコネクタ装置は、第1コネクタ部と第2コネクタ部とが着脱可能に構成されたコネクタ装置であって、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部の少なくとも一方には、相手側電極部と電気的に接続され、前記第1コネクタ部と前記第2コネクタ部の着脱方向に延びるとともに着脱中心を通る仮想軸線の周りに長く延びる長尺電極部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示のコネクタ装置によれば、2つのコネクタ部間における回転方向のずれを許容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態におけるコネクタ装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態におけるコネクタ装置の第1コネクタ部の斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態におけるコネクタ装置の第2コネクタ部の斜視図である。
【
図4】
図4は、一実施形態におけるコネクタ装置の第1コネクタ部の平面図である。
【
図5】
図5は、一実施形態におけるコネクタ装置の第2コネクタ部の平面図である。
【
図7】
図7は、一実施形態におけるコネクタ装置の平面図である。
【
図9】
図9は、一実施形態におけるコネクタ装置のアクチュエータの動作を説明するための断面図である。
【
図15】
図15は、コネクタ装置の電極部の接続状態を説明するための説明図である。
【
図16】
図16は、コネクタ装置の電極部の接続状態を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列挙して説明する。
本開示のコネクタ装置は、
[1]第1コネクタ部と第2コネクタ部とが着脱可能に構成されたコネクタ装置であって、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部の少なくとも一方には、相手側電極部と電気的に接続され、前記第1コネクタ部と前記第2コネクタ部の着脱方向に延びるとともに着脱中心を通る仮想軸線の周りに長く延びる長尺電極部を有する。
【0010】
この構成によれば、第1コネクタ部及び第2コネクタ部の少なくとも一方に周方向に長い長尺電極部を有することで、第1コネクタ部と第2コネクタ部とが周方向にずれて取り付けられた場合であっても長尺電極部の範囲内において許容することができる。
【0011】
[2]前記長尺電極部は、正極端子と負極端子とを有し、前記正極端子及び前記負極端子は、前記仮想軸線の周りに長く延びていることが好ましい。
この構成によれば、長尺電極部を構成する正極端子と負極端子のそれぞれが仮想軸線の周りに長く伸びていることで、正極端子と負極端子のそれぞれにおいて第1コネクタ部と第2コネクタ部とが周方向にずれて取り付けられた場合であっても各端子の範囲内において許容することができる。
【0012】
[3]前記正極端子及び前記負極端子は、前記仮想軸線を中心とした同一円周上に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、正極端子と負極端子とが仮想軸線を中心とした同一円周上に設けられていることで、例えば各端子が同心円状であって径方向にずらして形成した場合と比較して、径方向への大型化を抑えることができる。
【0013】
[4]前記正極端子及び前記負極端子は、互いに前記仮想軸線の周方向反対側の位置に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、正極端子および負極端子が互いに仮想軸線を中心として周方向反対側に設けられることで、2つの端子を適切に離して配置することができる。
【0014】
[5]前記仮想軸線上に、前記第1コネクタ部と前記第2コネクタ部との接続を検出するための中心電極部を有することが好ましい。
この構成によれば、仮想軸線上に、第1コネクタ部と第2コネクタ部との接続を検出するための中心電極部を有することで、径方向への大型化を抑えつつ第1コネクタ部と第2コネクタ部との接続を検出することが可能となる。
【0015】
[6]前記長尺電極部と電気的に接続される第1相手側電極部は、前記第1コネクタ部と前記第2コネクタ部とが接続されていない状況で、前記中心電極部と電気的に接続される第2相手側電極部よりも突出する位置に設けられることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、第1コネクタ部と前記第2コネクタ部とが接続されていない状況で、第1相手側電極部が第2相手側電極部よりも突出することで第1相手側電極部と長尺電極部が先に接触するため、第2相手側電極部と中心電極部が接触する場合には必然的に第1相手側電極部と長尺電極部と接触した状態となる。このため例えば第2相手側電極部と中心電極部と接触した場合に第1相手側電極部と長尺電極部とが非接触となることがないため、第1相手側電極部と長尺電極部との間で確実な給電を実施することが可能となる。
【0017】
[7]前記第1相手側電極部と前記第2相手側電極部とは前記第1コネクタ部と前記第2コネクタ部との着脱方向において進退可能に構成されることが好ましい。
この構成によれば、中心電極部と長尺電極部とは第1コネクタ部と第2コネクタ部との着脱方向において進退可能に構成されることで、第1コネクタ部と第2コネクタ部とを接続した場合に、中心電極部と長尺電極部との位置を適切な位置に調整することができる。
【0018】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のコネクタ装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。本明細書における「平行」や「直交」は、厳密に平行や直交の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね平行や直交の場合も含まれる。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0019】
図1に示すように、コネクタ装置10は、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とを有する。コネクタ装置10は、例えば車両に搭載されるバッテリと充電装置とを電気的に接続するものである。コネクタ装置10は、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12と着脱可能に構成されている。
【0020】
(第1コネクタ部11の構成)
図2に示す第1コネクタ部11は、例えば車両側に搭載されてバッテリと電気的に接続されるものである。
【0021】
第1コネクタ部11は、例えば車両底面に搭載することができる。このとき、第1コネクタ部11は、第2コネクタ部12との着脱方向が鉛直方向(重力方向)と平行な方向となるように車両底面に搭載される。以降の説明において、前記着脱方向及び鉛直方向を上下方向として説明する。なお、各図面中のXYZ軸におけるX軸は第1コネクタ部11の上下方向を表し、Y軸はX軸と直交する第1コネクタ部11の前後方向(長さ方向)を表し、Z軸はXY平面に対して直交する第1コネクタ部11の左右方向(幅方向)を表している。以下の説明では、便宜上、X軸に沿って延びる方向を上下方向Xと称し、Y軸に沿って延びる方向を前後方向Yと称し、Z軸に沿って延びる方向を左右方向Zと称する。また、以下の説明では、
図2におけるX矢印方向を上方、Y矢印方向を前方とする。
【0022】
図2に示すように、第1コネクタ部11は、ハウジング21と、ハウジング21に設けられる第1電極部31と、第1電極部31と同様にハウジング21に設けられる第2電極部32と、ハウジング21に設けられるアクチュエータ41とを有する。第1電極部31と第2電極部32とは左右方向Zに並んで設けられている。
【0023】
図2及び
図4に示すように、ハウジング21は、ベースプレート部22と、ベースプレート部22に取り付けられて第1電極部31及び第2電極部32を保持する保持部23とを有する。
【0024】
ベースプレート部22は、略円板状をなすように構成される。ベースプレート部22には、上下方向Xに貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔は、例えば車両に対して締結固定するためのボルトが挿通可能となっている。
【0025】
保持部23は、例えば樹脂等の絶縁部材で構成される。保持部23は、略円板状の保持本体部24と、保持本体部24の外周側に設けられて第2コネクタ部12を案内する案内部25と、保持本体部24と案内部25との間に設けられて第2コネクタ部12の一部が嵌め入れられる環状溝部26とを有する。保持本体部24と案内部25と環状溝部26とは一体構成品である。
【0026】
図4に示すように、保持本体部24は、上下方向Xの一方側の略円形状の端面24aに、第1電極部31の一部を嵌め入れるための第1溝部27と、第2電極部32を嵌め入れるための第2溝部28とを有する。なお、保持本体部24の端面24aは、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とを取り付けた状態で、上下方向Xにおいて第2コネクタ部12側に面している。以下の説明において、保持本体部24の端面24aの中心を通り、上下方向Xに沿って平行な第1中心軸線L1を基準として周方向(回転方向)や径方向を用いて説明する場合がある。すなわち、単に「周方向」と記載した場合には、第1中心軸線L1を基準とした周方向を意味し、単に「径方向」と記載した場合には、第1中心軸線L1を基準とした径方向を意味する。
【0027】
第1溝部27と第2溝部28とは、上下方向Xに窪んだ形状となるように形成されている。第1溝部27は、端面24aの径方向外側に2つ設けられる。以下の説明では、2つの第1溝部27のうちの一方を第1溝部27aとし、他方を第1溝部27bとして区別する場合がある。
【0028】
各第1溝部27は、互いに周方向180度反対側に形成されている。各第1溝部27は、上下方向Xから視て環状扇形をなすように構成される。ここで「環状扇形」とは、円環形状を所定の中心角で扇形に切り取った形状である。以下の説明において環状扇形は同様の意味として用いる。各第1溝部27は、周方向において互いに離れている。
【0029】
第2溝部28は、端面24aの略中央位置であって、端面24aから上下方向Xに窪んだ形状となるように形成されている。第2溝部28は、上下方向Xから視て略円形状をなすように構成される。本実施形態では、第2溝部28を挟んで2つの第1溝部27が周方向180度反対側に形成されている。
【0030】
保持本体部24は、その端面24aにおける角部24bに面取り部24cが形成されている。面取り部24cは、保持本体部24の上下方向Xにおいて先端側である端面24a側から基端側にかけて径が徐々に大きくなるように形成されている。なお、面取り部24cは、所謂ピン角から後加工により面取りすることで形成した場合と、樹脂成形時に予め面取りをしたような形状に成形した場合のいずれであってもよい。
【0031】
保持本体部24には、上下方向Xに貫通する2つの貫通孔24d,24eが形成されている。2つの貫通孔24d,24eのうちの一方の貫通孔24dは、周方向において一方の第1溝部27aの周方向中心位置と略一致する位置であって、該第1溝部27aの径方向外側に形成されている。2つの貫通孔24d,24eのうちの他方の貫通孔24eは、周方向において他方の第1溝部27bの周方向中心位置と略一致する位置であって、該第1溝部27bの径方向外側に形成されている。
【0032】
図7及び
図8に示すように、案内部25は、略円筒状をなすように構成される。より具体的には、案内部25は、その径方向外側面25aが上下方向Xから視た場合に円形状に形成され、径方向内側面25bが上下方向Xに対して傾斜するようになっている。径方向内側面25bは、上下方向Xにおいて第1コネクタ部11とは反対側の第2コネクタ部12側ほど径方向外側に拡開されるような傾斜面となっている。換言すると、径方向内側面25bは、上下方向Xにおいて第2コネクタ部12とは逆側ほど徐々に径方向内側に狭まる傾斜面となっている。このため、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とを接続する際に第2コネクタ部12が案内部25の径方向内側面25bと接触すると案内部25によって環状溝部26に案内されるようになっている。
【0033】
図2に示すように、環状溝部26は、案内部25及び保持本体部24に対して上下方向Xに窪んだ形状となるように形成されている。環状溝部26は、例えば上下方向Xから視て円環状に形成されている。
【0034】
図4に示すように、第1電極部31は、正極側高圧端子33と負極側高圧端子36とを有する。
正極側高圧端子33は、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とを取り付けた状態で第2コネクタ部12側に面する第1板状部34と、第2コネクタ部12とは反対側に突出する第2板状部35とを有する。
【0035】
図4に示すように、第1板状部34は、上下方向Xから視て環状扇形をなすように構成される。第1板状部34は、ハウジング21の2つの第1溝部27a,27bのうちの1つの第1溝部27aに嵌め入れ可能なように、上下方向Xから視た形状が第1溝部27aを上下方向Xから視た形状と概ね相似した形状であり、上下方向Xから視た大きさが第1溝部27aよりも僅かに小さく形成されている。第1板状部34は、第1溝部27aに嵌め入れられた状態で上下方向Xに面する平面部34aを有する。平面部34aは、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とを取り付けた状態で上下方向Xにおいて第2コネクタ部12側に面している。
【0036】
図4に示すように、第2板状部35は、第1電極部31を保持部23によって保持した状態で第1板状部34よりも径方向外側に位置している。第2板状部35は、周方向において第1板状部34の略中心に形成されている。第2板状部35は、第1板状部34を第1溝部27aに嵌め入れた状態で、保持本体部24に形成された2つの貫通孔24d,24eのうちの1つの貫通孔24d内を通って第1板状部34が面する方向とは逆側に延びている。すなわち、本実施形態の正極側高圧端子33は、上下方向Xの一方側に第1板状部34が面し、上下方向Xの他方側に第2板状部35が位置する構成となっている。
【0037】
負極側高圧端子36は、正極側高圧端子33と同様に、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とを取り付けた状態で第2コネクタ部12側に面する第1板状部37と、第2コネクタ部12とは反対側に突出する第2板状部38とを有する。なお、本実施形態の負極側高圧端子36は、正極側高圧端子33と同一形状である。
【0038】
図4に示すように、第1板状部37は、正極側高圧端子33の第1板状部34と同様に、上下方向Xから視て環状扇形をなすように構成される。すなわち、第1板状部34は、径方向長さが周方向に亘って均等な長さとなっている。第1板状部34は、ハウジング21の2つの第1溝部27a,27bのうちの1つの第1溝部27bに嵌め入れ可能なように、上下方向Xから視た形状が第1溝部27bを上下方向Xから視た形状と概ね相似した形状であり、上下方向Xから視た大きさが第1溝部27bよりも僅かに小さく形成されている。第1板状部37は、第1溝部27bに嵌め入れられた状態で上下方向Xに面する平面部37aを有する。平面部37aは、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とを取り付けた状態で上下方向Xにおいて第2コネクタ部12側に面している。すなわち、負極側高圧端子36の平面部37aと正極側高圧端子33の平面部34aとは、上下方向Xにおいて同方向に面している。
【0039】
図4に示すように、第2板状部38は、第1電極部31を保持部23によって保持した状態で第1板状部37よりも径方向外側に位置している。第2板状部38は、周方向において第1板状部37の略中心に形成されている。第2板状部38は、第1板状部37を第1溝部27bに嵌め入れた状態で、保持本体部24に形成された2つの貫通孔24d,24eのうちの1つの貫通孔24e内を通って第1板状部37が面する方向とは逆側に延びている。すなわち、本実施形態の負極側高圧端子36は、正極側高圧端子33と同様に上下方向Xの一方側に第1板状部37が面し、上下方向Xの他方側に第2板状部38が位置する構成となっている。
【0040】
第2電極部32は、左右方向Zにおいて第1電極部31を構成する正極側高圧端子33と負極側高圧端子36との間に設けられる。より具体的には第2電極部32は、左右方向Zにおいて正極側高圧端子33と負極側高圧端子36との間の中心位置に設けられる。第2電極部32は、第1電極部31を構成する正極側高圧端子33及び負極側高圧端子36の各平面部34a,37aと同一平面上に位置する略円形の平面部32aを有する。平面部32aは、他の平面部34a,37aと同方向に面している。
【0041】
第2電極部32は、上下方向Xから視て略円形状をなすように構成される。第2電極部32は、ハウジング21の第2溝部28に嵌め入れ可能なように、上下方向Xから視た大きさが第2溝部28よりも僅かに小さく形成されている。第2電極部32は、第2溝部28に嵌め入れられた状態で上下方向Xに面している。なお、第2電極部32並びに第2溝部28の形状を上下方向Xから視て略円形状としたが、多角形状などその他の形状であってもよい。
【0042】
図8及び
図9に示すように、本実施形態で用いるアクチュエータ41は、例えばピン部材42を出没可能なように往復直線運動させるものである。アクチュエータ41は、例えばモータ等を利用した電動アクチュエータである。アクチュエータ41は、ハウジング21を構成するベースプレート部22に固定されている。アクチュエータ41は、ベースプレート部22に固定された状態でハウジング21を構成する保持部23と前後方向Yに並ぶように設けられている。なお、アクチュエータ41は、前述したようにピン部材42を出没可能ように往復直線運動させるものであれば、周知のものを利用することができる。
【0043】
(第2コネクタ部の構成)
図3及び
図5に示すように、第2コネクタ部12は、第1電極部51と、第2電極部52と、第1電極部51及び第2電極部52を保持するハウジング121とを有する。第1電極部51は、第1コネクタ部11の第1電極部31と電気的に接続されるものである。第2電極部52は、第1コネクタ部11の第2電極部32と電気的に接続されるものである。なお、以下の説明において、ハウジング121を構成し、後述する第1コネクタ部11の環状溝部26内に嵌合される筒状突起部133の中心を通り、上下方向Xに沿って平行な第2中心軸線L2を基準として周方向(回転方向)や径方向を用いて説明する場合がある。すなわち、単に「周方向」と記載した場合には、第2中心軸線L2を基準とした周方向を意味し、単に「径方向」と記載した場合には、第2中心軸線L2を基準とした径方向を意味する。なお、本例においては、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とが取り付けられた状態で第1中心軸線L1と第2中心軸線L2とが一致するようになっている。
【0044】
第1電極部51は、2つの第1端子モジュール61を有する。
図10に示すように、2つの第1端子モジュール61は、同一構造であり、一方が第1コネクタ部11の正極側高圧端子33と電気的に接続され、他方が第1コネクタ部11の負極側高圧端子36と電気的に接続されるものである。2つの第1端子モジュール61のそれぞれは、対応する各高圧端子33,36の第1板状部34,37の接触することで電気的に接続された状態となる。なお、以下の説明では、2つの第1端子モジュール61のそれぞれが対応する第1板状部34,37の周方向中央位置で接触した状態において、上下方向X、前後方向Y、左右方向Zを用いて説明する。また、2つの第1端子モジュール61のそれぞれが対応する第1板状部34,37の周方向中央位置で接触した状態を、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とが正規位置で接続した状態とし、以下の説明においても同様の意味として「正規位置」という表現を用いる場合がある。
【0045】
図11及び
図12に示すように、第1端子モジュール61は、支持部材62と、支持部材62に収容されたコイルばね63と、コイルばね63の弾性力が作用する可動部材64とを有する。第1端子モジュール61は、充電装置側と電気的に接続される接続部材65と、接続部材65と可動部材64とを電気的に接続する可撓導電部材66とを有する。
【0046】
コイルばね63は、例えば圧縮コイルばねである。コイルばね63は、円筒コイルばね、円錐コイルばね等の種々のコイルばねを用いることができる。コイルばね63は、等ピッチコイルばね及び不等ピッチコイルばねのいずれであってもよい。本実施形態のコイルばね63は、等ピッチの円筒コイルばねを採用している。
【0047】
支持部材62は、コイルばね63の端部が接触する第1壁部71と、第1壁部71の両側縁から延出する一対の第2壁部72と、第1壁部71の第2壁部72が延出する両側縁とは異なる両側縁側から延出する一対の規制片73とを有する。
【0048】
第1壁部71は、矩形板状をなすように構成される。第1壁部71は、上下方向Xにおいてコイルばね63の端部と接触するようになっている。
一対の第2壁部72は、互いに平行となるように第1壁部71から延出形成される。第2壁部72には可動部材64の一部が嵌め入れられて可動部材64の移動方向を規制するガイド部72aを有する。ガイド部72aは、例えば各第2壁部72の左右方向Zに貫通する貫通孔である。ガイド部72aは、各第2壁部72のそれぞれに左右方向Zにおいて対向する位置に形成されている。ガイド部72aは、各第2壁部72のそれぞれに2つずつ、計4つ設けられている。
【0049】
一対の規制片73は、第1壁部71の両側縁側の略中央位置から延出形成される。一対の規制片73は、例えば一対の第2壁部72と比較して幅や長さ(延出方向長さ)が小さくなっている。すなわち、規制片73は、第2壁部72と比較して撓みやすい板ばね構造となっている。このため、例えば支持部材62内にコイルばね63を収容させる際に、規制片73が撓んで収容させやすくなっている。一対の規制片73は、先端側が互いに離れる方向に屈曲されている。このため、コイルばね63を収容させる際の入口部分が広がることとなるため、コイルばね63を収容させやすくなっている。
【0050】
可動部材64は、コイルばね63と当接するばね当接部81と、外部に露出する接点部82と、可撓導電部材66と接続される接続部83とを含む。
ばね当接部81と接点部82とは、いずれも同方向に延びる板状部材であって、その板面が上下方向Xに面している。ばね当接部81と接点部82とは、互いに略平行な平板形状となっている。ばね当接部81と接点部82とは上下方向Xにおいて離れており、互いに対向している。ばね当接部81と接点部82とは、前後方向Yの一方側である後端部において第1板部84によって接続されている。第1板部84は上下方向Xに延びる平板形状となっている。
【0051】
ばね当接部81は、その左右方向Zの両側縁に左右方向Z外側に延出する突起81aを有する。突起81aは、一対の第2壁部72のそれぞれに形成されたガイド部72a内に嵌め入れられている。ガイド部72a内に嵌め入れられる突起81aは、ばね当接部81の各側縁に複数形成されている。本実施形態の突起81aは、各ガイド部に対応するように、ガイド部72aと同数個、すなわち、ばね当接部81の各側縁に2つずつ、計4つ設けられている。
【0052】
接点部82は、ばね当接部81との対向面とは反対側の平面部82aが第1電極部31の第1板状部34と当接可能に構成される。平面部82aは、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とを取りつけた状態で第1電極部31の第1板状部34と上下方向Xにおいて当接している。これにより、第1コネクタ部11の第1電極部31と、第2コネクタ部12の第1電極部51とが電気的に接続された状態となる。なお、本例では、接点部82の第1電極部31の第1板状部34との当接部位に平面部82aを有する構成としたが、例えば平面部82aから上下方向Xに突出する突部を更に有する構成を採用してもよい。このとき、突部は1つ設ける構成としてもよいし、複数設ける構成としてもよい。このように、接点部82は、第1電極部31と当接して電気的に接続する構成であれば、形状等は適宜変更してもよい。
【0053】
接続部83は、ばね当接部81及び接点部82と略平行な平板形状となっている。接続部83は、ばね当接部81及び接点部82よりも前後方向Yにおいて前側に位置している。接続部83の後端部は、接点部82の前端部と第2板部85により接続されている。第2板部85は、第1板部84と同様に上下方向Xに延びる平板形状となっている。第2板部85と第1板部84とは前後方向Yにおいて対向している。第2板部85は、第1板部84よりも上下方向Xに長くなっている。第2板部85は、接点部82の前後方向Yにおける前端部から上下方向Xにおいてばね当接部81側に延びている。このとき、第2板部85はばね当接部81を越えた位置において接続部83と接続されている。
【0054】
接続部材65は、充電装置側と電気的に接続されるものである。接続部材65は、例えば導電性を有する板状部材で構成することができる。
可撓導電部材66は、可動部材64と接続部材65との間を接続するものである。すなわち、可撓導電部材66は、相対的に位置が変わる可動部材64と接続部材65との間を接続している。可撓導電部材66は、例えば可撓性を有する。可撓導電部材66の一例として例えば導電性を有する金属素線を編み込んで形成した編組線を採用することで可撓性を有する構成にできる。このように、可撓導電部材66を可撓性を有する構成とすることで、可動部材64が所定の範囲で移動して前記接続部材65との間の位置が変わった場合であっても、可動部材64の動きに追従して変位することが可能となっている。
【0055】
第2電極部52は、2つの第2端子モジュール91を有する。2つの第2端子モジュール91は、同一構造であり、その両方が第1コネクタ部11の第2電極部32と電気的に接続されるものである。
【0056】
図13及び
図14に示すように、第2端子モジュール91は、支持部材92と、支持部材92に収容されたコイルばね93と、コイルばね93の弾性力が作用する可動部材94とを有する。第2端子モジュール91は、充電装置側と電気的に接続される接続部材95と、接続部材95と可動部材94とを電気的に接続する可撓導電部材96とを有する。
【0057】
コイルばね93は、例えば圧縮コイルばねである。コイルばね93は、円筒コイルばね、円錐コイルばね等の種々のコイルばねを用いることができる。コイルばね93は、等ピッチコイルばね及び不等ピッチコイルばねのいずれであってもよい。本実施形態のコイルばね93は、等ピッチの円筒コイルばねを採用している。
【0058】
支持部材92は、コイルばね93の端部が接触する第1壁部101と、第1壁部101の両側縁から延出する一対の第2壁部102と、第1壁部101の第2壁部102が延出する両側縁とは異なる両側縁側から延出する一対の規制片103とを有する。
【0059】
第1壁部101は、矩形板状をなすように構成される。第1壁部101は、上下方向Xにおいてコイルばね93の端部と接触するようになっている。
一対の第2壁部102は、互いに平行となるように第1壁部101から延出形成される。第2壁部102には可動部材94の一部が嵌め入れられて可動部材94の移動方向を規制するガイド部102aを有する。ガイド部102aは、例えば各第2壁部102の左右方向Zに貫通する貫通孔である。ガイド部102aは、各第2壁部102のそれぞれに左右方向Zにおいて対向する位置に形成されている。ガイド部102aは、各第2壁部102のそれぞれに2つずつ、計4つ設けられている。
【0060】
一対の規制片103は、第1壁部101の両側縁側の略中央位置から延出形成される。一対の規制片103は、例えば一対の第2壁部102と比較して幅や長さ(延出方向長さ)が小さくなっている。すなわち、規制片103は、第2壁部102と比較して撓みやすい板ばね構造となっている。このため、例えば支持部材92内にコイルばね93を収容させる際に、規制片103が撓んで収容させやすくなっている。一対の規制片103は、先端側が互いに離れる方向に屈曲されている。このため、コイルばね93を収容させる際の入口部分が広がることとなるため、コイルばね93を収容させやすくなっている。
【0061】
可動部材94は、コイルばね93と当接するばね当接部111と、外部に露出する接点部112と、可撓導電部材96と接続される接続部113とを含む。
ばね当接部111と接点部112とは、いずれも同方向に延びる板状部材であって、その板面が上下方向Xに面している。ばね当接部111と接点部112とは、互いに略平行な平板形状となっている。ばね当接部111と接点部112とは上下方向Xにおいて離れており、互いに対向している。ばね当接部111と接点部112とは、前後方向Yの一方側である後端部において第1板部114によって接続されている。第1板部114は上下方向Xに延びる平板形状となっている。
【0062】
ばね当接部111は、その左右方向Zの両側縁に左右方向Z外側に延出する突起111aを有する。突起111aは、一対の第2壁部102のそれぞれに形成されたガイド部102a内に嵌め入れられている。ガイド部102a内に嵌め入れられる突起111aは、ばね当接部111の各側縁に複数形成することができる。本実施形態の突起111aは、各ガイド部102aに対応するように、ガイド部102aと同数個、すなわちばね当接部111の各側縁に2つずつ、計4つ設けられている。
【0063】
接点部112は、ばね当接部111との対向面とは反対側の平面部112aが第2電極部32の平面部32aと当接可能に構成される。平面部82aは、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とを取り付けた状態で第2電極部32の平面部32aと上下方向において当接している。これにより、第1コネクタ部11の第2電極部32と、第2コネクタ部12の第2電極部52とが電気的に接続された状態となる。なお、本例では、接点部112の第2電極部32の平面部32aとの当接部位に平面部112aを有する構成としたが、例えば平面部112aから上下方向Xに突出する突部を更に有する構成を採用してもよい。このとき、突部は1つ設ける構成としてもよいし、複数設ける構成としてもよい。このように、接点部112は、第2電極部32と当接して電気的に接続する構成であれば、形状等は適宜変更してもよい。
【0064】
接続部113は、ばね当接部111及び接点部112と略平行な平板形状となっている。接続部113は、ばね当接部111及び接点部112よりも前後方向Yにおいて前側に位置している。接続部113の後端部は、接点部112の前端部と第2板部115により接続されている。第2板部115は、第1板部114と同様に上下方向Xに延びる平板形状となっている。第2板部115と第1板部114とは前後方向Yにおいて対向している。第2板部115は、第1板部114よりも上下方向Xに長くなっている。第2板部115は、接点部112の前後方向Yにおける前端部から上下方向Xにおいてばね当接部111側に延びている。このとき、第2板部115はばね当接部111を越えた位置において接続部113と接続されている。
【0065】
接続部材95は、充電装置側と電気的に接続されるものである。接続部材95は、例えば導電性を有する板状部材で構成することができる。
可撓導電部材96は、可動部材94と接続部材95との間を接続するものである。すなわち、可撓導電部材96は、相対的に位置が変わる可動部材94と接続部材95との間を接続している。可撓導電部材96は、例えば可撓性を有する。可撓導電部材96の一例として例えば線径の小さな芯線で構成された被覆付電線を採用することで可撓性を有する構成にできる。このように、可撓導電部材96を可撓性を有する構成とすることで、可動部材94が所定の範囲で移動して前記接続部材95との間の位置が変わった場合であっても、可動部材94の動きに追従して変位することが可能となっている。
【0066】
ここで、第2電極部52は、第1電極部51と比較して印加される電圧が低電圧である。そのため、第2電極部52を構成する可撓導電部材96は、前述したように線径の小さな芯線で構成された被覆付電線を採用することができる。一方で、第1電極部51は、第2電極部52と比較して印加される電圧が高電圧である。そのため、前述したように編組線を用いることで高電圧に対応しつつ、可撓性を有することができる。
【0067】
図3及び
図5に示すように、ハウジング121は、ベースプレート部122と、ベースプレート部122に取り付けられて第1電極部51及び第2電極部52を保持する保持部123とを有する。
【0068】
ベースプレート部122は、略円板状をなすように構成される。
保持部123は、第1保持部124と、第1保持部124から前後方向Yに延びる第2保持部125とを有する。保持部123は、例えば樹脂等の絶縁部材で構成される。
【0069】
第1保持部124は例えば円筒状をなすように構成される。第1保持部124は、例えばベースプレート部122に対して例えばボルト等の締結部材によって固定されている。第1保持部124は、2つの第1端子モジュール61を独立して収容可能な収容部131と、2つの第2端子モジュール91を独立して収容可能な収容部132とを有する。
【0070】
収容部131は、第1端子モジュール61を構成する支持部材62を収容した状態で、第1端子モジュール61の支持部材62と上下方向Xにおいて係合するようになっている。これにより支持部材62が収容部131から上下方向Xに移動することが規制されている。
【0071】
収容部132は、第2端子モジュール91を構成する支持部材92を収容した状態で、第2端子モジュール91の支持部材92と上下方向Xにおいて係合するようになっている。これにより支持部材92が収容部132から上下方向Xに移動することが規制されている。
【0072】
収容部131に収容された第1端子モジュール61は、収容部132に収容された第2端子モジュール91と上下方向Xにおいてずれた位置に設けられている。
収容部131と収容部132とは、左右方向Zに並ぶように設けられている。より具体的には、
図6に示すように、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とが取り外された状態で第1端子モジュール61は第2端子モジュール91よりも上下方向Xにおいて上方に突出するようにそれぞれ収容部131,132に収容されている。このため、第1電極部51を構成する第1端子モジュール61の接点部82は、第2電極部52を構成する第2端子モジュール91の接点部112よりも上下方向Xにおいて上方に位置している。これにより、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とを取り付ける際、第2コネクタ部12の第1電極部51が第1コネクタ部11の第1電極部31に接触した後に、第2コネクタ部12の第2電極部52が第1コネクタ部11の第2電極部32に接触することとなる。つまり、第2コネクタ部12の第2電極部52が第1コネクタ部11の第2電極部32に接触した際には、必然的に第2コネクタ部12の第1電極部51が第1コネクタ部11の第1電極部31と接触した状態となる。このような構成において第2電極部32,52同士の電気的な接続を第1コネクタ部11と第2コネクタ部12との取り付けとして検知することで、給電(充電)が可能な状態となる。一方で、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とを取り外す場合には、第2コネクタ部12の第1電極部51と第1コネクタ部11の第1電極部31が非接触状態となった後に、第2コネクタ部12の第2電極部52が第1コネクタ部11の第2電極部32とが非接触状態となる。つまり、第2コネクタ部12の第2電極部52が第1コネクタ部11の第2電極部32と非接触状態となった際には、必然的に第2コネクタ部12の第1電極部51が第1コネクタ部11の第1電極部31と非接触状態となる。このような構成において第2電極部32,52同士の電気的な接続が解除された状態を第1コネクタ部11から第2コネクタ部12が取り外されたとして検知することで、給電(充電)終了の合図として利用することができる。
【0073】
図3及び
図5に示すように、第1保持部124は、収容部131,132の外側に位置して収容部131,132よりも上下方向Xに突出する筒状突起部133を有する。筒状突起部133は、収容部131,132の外側に位置して収容部131,132よりも上下方向Xに突出するように構成されている。筒状突起部133は、例えば上下方向Xに延びる円筒状に構成されており、第1コネクタ部11の環状溝部26に嵌め入れ可能となっている。
【0074】
図3に示すように、第2保持部125は、第1保持部124から前後方向Yの前方側に延出するように構成される。第2保持部125は、内部に各可撓導電部材66,96と各接続部材65,95とを収容している。
【0075】
また、本実施形態の第2コネクタ部12には、アクチュエータ41のピン部材42が嵌め入れ可能なピン係合溝部140が設けられる。ピン係合溝部140は、ベースプレート部122に取り付けられた取付片141に形成されている。取付片141は、第1保持部124の筒状突起部133に倣って円弧状をなすように構成される。取付片141は、筒状突起部133と前後方向Yにおいて隣り合う位置に設けられている。より具体的には、取付片141は、筒状突起部133の後方に設けられている。取付片141は、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とが正規位置で取り付けられた場合に、アクチュエータ41と前後方向Yにおいて対向する位置に位置している。取付片141は、正規位置から所定の範囲でずれた場合であってもアクチュエータ41との距離が一定となっている。
【0076】
ピン係合溝部140は、径方向内側に窪んだ形状であって、取付片141の周方向の所定範囲に長く形成されている。このため、例えば第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とが正規位置から周方向において所定の範囲でずれた位置で取り付けられた場合であっても、ピン係合溝部140が形成された範囲内であれば、アクチュエータ41のピン部材42が嵌め入れ可能となっている。そしてピン係合溝部140に対してアクチュエータ41のピン部材42が嵌め入れられることで上下方向Xにおいてピン係合溝部140とピン部材42とが係合して、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とが上下方向Xにおいて自重等によって外れることが抑制されている。
【0077】
しかしながら、ピン部材42がピン係合溝部140に嵌め入れられてピン部材42とピン係合溝部140とが上下方向Xにおいて接触すると、1箇所のみの接触であると安定してその状態を保持することができない。
【0078】
一方、本実施形態では、第1コネクタ部11の環状溝部26に第2コネクタ部12の筒状突起部133が嵌め入れられる構成である。これにより、重力方向である上下方向Xにおいてピン部材42とピン係合溝部140とが接触する接触位置を基準として第2コネクタ部12がずれるような動作が生じた場合に、環状溝部26と筒状突起部133とが当接するため、ピン部材42とピン係合溝部140の係合状態を安定して保持することができる。
【0079】
本実施形態の作用を説明する。
本実施形態のコネクタ装置10では、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とが着脱可能に構成されている。第1コネクタ部11の第1電極部31と第2コネクタ部12の第1電極部51とが接続されることで第1コネクタ部11に対して第2コネクタ部12から給電を行うことが可能となる。
【0080】
また、本実施形態の第1コネクタ部11は、第1電極部31を構成する各第1板状部34,37が周方向に長く形成されている。
図15に示すように、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とが正規位置で取り付けられた場合、第1電極部31の各第1板状部34,37の周方向中心に第1電極部51が位置し、第1電極部31と第1電極部51とが電気的に接続された状態となる。
【0081】
図16に示すように、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とが正規位置から周方向にずれて取り付けられた場合、各第1板状部34,37の周方向長さの範囲のずれであれば、第1電極部31と第1電極部51とが電気的に接続された状態となる。
【0082】
本実施形態の効果を記載する。
(1)第1コネクタ部11に周方向に長い長尺電極部としての第1電極部31を有することで、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とが仮想軸線である第1中心軸線L1を周方向にずれて取り付けられた場合であっても第1電極部31の範囲内において許容することができる。
【0083】
(2)第1電極部31を構成する正極側高圧端子33と負極側高圧端子36のそれぞれが第1中心軸線L1の周りに長く伸びていることで、正極側高圧端子33と負極側高圧端子36のそれぞれにおいて第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とが周方向にずれて取り付けられた場合であっても各端子33,36の範囲内において許容することができる。
【0084】
(3)正極側高圧端子33と負極側高圧端子36とが第1中心軸線L1を中心とした同一円周上に設けられていることで、例えば各端子33,36が同心円状であって径方向にずらして形成した場合と比較して、径方向への大型化を抑えることができる。
【0085】
(4)正極側高圧端子33と負極側高圧端子36が互いに第1中心軸線L1を中心として周方向反対側に設けられることで、2つの端子33,36を適切に離して配置することができる。
【0086】
(5)第1中心軸線L1上に、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12との接続を検出するための中心電極部としての第2電極部32,52を有することで、径方向への大型化を抑えつつ第1コネクタ部11と第2コネクタ部12との接続を検出することが可能となる。
【0087】
(6)第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とが接続されていない状況で、第1相手側電極部としての第1電極部51が第2相手側電極部としての第2電極部52よりも突出することで第1電極部51が第1電極部31と先に接触するため、第2電極部52が第2電極部32と接触する場合には必然的に第1電極部51が第1電極部31と接触した状態となる。このため例えば第2電極部52が第2電極部32と接触した場合に第1電極部51が第1電極部31と非接触となることがないため、第1電極部51と第1電極部31との間で確実な給電を実施することが可能となる。
【0088】
(7)第1電極部51と第2電極部52とは第1コネクタ部11と第2コネクタ部12との着脱方向において進退可能に構成されることで、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とを接続した場合に、第1電極部51と第2電極部52との位置を適切な位置に調整することができる。
【0089】
(8)案内部25と保持本体部24の面取り部24cによって環状溝部26内に、第2コネクタ部12の筒状突起部133を案内することができる。本例では、案内部25と保持本体部24と環状溝部26とは一体構成品であるため、例えば案内部25と、保持本体部24と、環状溝部26とを例えば別体構成品として各部を組み付ける構成と比較して位置ずれの発生を抑制できる。このため、保持本体部24に設けられた第1溝部27と第2溝部28とは、案内部25や環状溝部26との相対位置もずれ難い。その結果、第1コネクタ部11の各電極部31,32と第2コネクタ部12の各電極部51,52との位置決めを高精度とすることができる。
【0090】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0091】
・上記実施形態では、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とが取り外された状態で、第1電極部51を構成する第1端子モジュール61の接点部82は、第2電極部52を構成する第2端子モジュール91の接点部112よりも上下方向Xにおいて上方に位置することとしたが、これに限らない。第1端子モジュール61の接点部82と第2端子モジュール91の接点部112とを上下方向Xにおいて同じ位置に設けてもよい。また、第2コネクタ部12側でなく第1コネクタ部11側で同様の構成を採用してもよい。このような構成の場合に第1コネクタ部11側において第1電極部31と第2電極部32とを上下方向Xにずらして配置する構成を採用してもよい。
【0092】
・上記実施形態では、第2コネクタ部12の各電極部51,52をコイルばね63,93を用いて上下方向Xに移動(進退)可能な構成としたが、これに限らない。例えばゴムなどのコイルばね以外の弾性部材を用いて同様な構成を採用してもよい。
【0093】
また、各電極部51,52を移動不能な構成としてもよい。また、第2コネクタ部12の第1電極部51のみを移動可能な構成とし、第2コネクタ部12の第2電極部52を移動不能な構成としてもよい。この場合、端子モジュール61,91にて可動部材64,94や可動部材64,94を所定の方向に移動可能としたガイド部72a,102a等の構成を省略することができる。同様に、可動部材64,94と接続部材65,95との間を接続する可撓導電部材66,96を省略することができる。
【0094】
・上記実施形態では、第1コネクタ部11の第2電極部32と第2コネクタ部12の第2電極部52とを備えた構成としたが、各第2電極部32,52を省略した構成を採用してもよい。
【0095】
・上記実施形態では、第1コネクタ部11のみに周方向に伸びる長尺電極部としての第1電極部31を有する構成としたが、これに限らない。例えば、第2コネクタ部12のみに周方向電極部を有する構成を採用してもよい。また、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12との両方に長尺電極部を有する構成を採用してもよい。
【0096】
・上記実施形態では、第1コネクタ部11の第1電極部31の各第1板状部34,37を環状扇形としたがこれに限らない。周方向に長ければよく、例えば第1電極部31の各第1板状部34,37を単に扇形としてもよい。
【0097】
・上記実施形態では、アクチュエータ41を電動によって駆動させてピン部材42を出没させる構成としたが、これに限らない。例えば圧縮コイルばね等を用いて手動によってピン部材42を出没させる構成を採用してもよい。
【0098】
・上記実施形態では、アクチュエータ41はピン部材42を直線運動させるものとしたが、これに限らない。ピン部材を円弧運動や回転運動させるアクチュエータを用いるようにしてもよい。要は、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とのいずれか一方にピン部材が出没可能なアクチュエータを設け、第1コネクタ部11と第2コネクタ部12とのいずれか他方に前記ピン部材の少なくとも一部が挿入されて係合可能な構成であれば、ピン部材の出没時の運動(動作)方向は特に問わない。
【0099】
・上記実施形態では、コネクタ装置10を車両(バッテリ)と充電装置とを電気的に接続するものとして説明したが、その用途はこれに限らない。他の例としてロボットと充電装置とを電気的に接続するコネクタ装置として用いるようにしてもよい。また、バッテリへの充電に限らず、例えばモータとインバータとの間のコネクタ装置として用いる構成を採用してもよい。この場合、3相交流電力を供給するべく第1電極部は3つの端子を用い、各端子を周方向に120度ずらして配置することが好ましい。
【符号の説明】
【0100】
L1 第1中心軸線
L2 第2中心軸線
X 上下方向
Y 前後方向
Z 左右方向
10 コネクタ装置
11 第1コネクタ部
12 第2コネクタ部
21 ハウジング
22 ベースプレート部
22a 貫通孔
23 保持部
24 保持本体部
24a 端面
24b 角部
24c 面取り部
24d 貫通孔
24e 貫通孔
25 案内部
25a 径方向外側面
25b 径方向内側面
26 環状溝部
27 第1溝部
27a 第1溝部
27b 第1溝部
28 第2溝部
31 第1電極部(長尺電極部)
32 第2電極部(中心電極部)
32a 平面部
33 正極側高圧端子(正極端子)
34 第1板状部
34a 平面部
35 第2板状部
36 負極側高圧端子(負極端子)
37 第1板状部
37a 平面部
38 第2板状部
41 アクチュエータ
42 ピン部材
51 第1電極部(第1相手側電極部、相手側電極部)
52 第2電極部(第2相手側電極部、相手側電極部)
61 第1端子モジュール
62 支持部材
63 コイルばね
64 可動部材
65 接続部材
66 可撓導電部材
71 第1壁部
72 第2壁部
72a ガイド部
73 規制片
81 ばね当接部
81a 突起
82 接点部
82a 平面部
83 接続部
84 第1板部
85 第2板部
91 第2端子モジュール
92 支持部材
93 コイルばね
94 可動部材
95 接続部材
96 可撓導電部材
101 第1壁部
102 第2壁部
102a ガイド部
103 規制片
111 ばね当接部
111a 突起
112 接点部
112a 平面部
113 接続部
114 第1板部
115 第2板部
121 ハウジング
122 ベースプレート部
123 保持部
124 第1保持部
125 第2保持部
131 収容部
132 収容部
133 筒状突起部
140 ピン係合溝部
141 取付片