(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】塗装装置および塗装装置の設置方法
(51)【国際特許分類】
B05B 16/80 20180101AFI20231205BHJP
B05B 12/00 20180101ALI20231205BHJP
B05B 16/20 20180101ALI20231205BHJP
B05B 16/40 20180101ALI20231205BHJP
B05B 16/60 20180101ALI20231205BHJP
B05B 5/04 20060101ALI20231205BHJP
B05B 5/08 20060101ALI20231205BHJP
B05C 15/00 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
B05B16/80
B05B12/00 A
B05B16/20
B05B16/40
B05B16/60
B05B5/04 A
B05B5/08 J
B05C15/00
(21)【出願番号】P 2020116590
(22)【出願日】2020-07-06
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷 真二
(72)【発明者】
【氏名】沼里 亮
(72)【発明者】
【氏名】田中 一基
(72)【発明者】
【氏名】木村 拓史
【審査官】大塚 美咲
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-121948(JP,A)
【文献】特開昭60-014964(JP,A)
【文献】特開2000-167453(JP,A)
【文献】特開2013-166113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 16/80
B05B 12/00
B05B 16/20
B05B 16/40
B05B 16/60
B05B 5/04
B05B 5/08
B05C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被塗装物に対する塗装が行われる塗装エリア
を挟んで対向するように配置される一対のサイドユニットと、
前記塗装エリアの上方に配置される給気ユニットと、
前記塗装エリアの下方に配置される排気ユニットとを備え、
前記排気ユニットに前記一対のサイドユニットを組み付け可能に構成され、前記一対のサイドユニットに前記給気ユニットを組み付け可能に構成され、
前記サイドユニットは、第1フレームを有する第1モジュールと、第2フレームを有する第2モジュールとを含み、前記第1モジュールに塗装ロボットが設けられ、
前記被塗装物が相対的に移動する移動経路方向に前記第1モジュールおよび前記第2モジュールが隣接するように配置された場合に、その隣接配置された前記第1モジュールの第1フレームと前記第2モジュールの第2フレームとを連結可能に構成され
、
前記給気ユニットは、複数の給気モジュールを含み、前記複数の給気モジュールは、前記移動経路方向に隣接配置された場合に連結可能に構成され、
前記排気ユニットは、複数の排気モジュールを含み、前記複数の排気モジュールは、前記移動経路方向に隣接配置された場合に連結可能に構成され、
前記第1モジュール、前記第2モジュール、前記給気モジュールおよび前記排気モジュールは、分けられた状態で運搬可能に構成されていることを特徴とする塗装装置。
【請求項2】
請求項1に記載の塗装装置において、
前記第1モジュールには、前記塗装ロボットを制御する制御盤が取り付けられていることを特徴とする塗装装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の塗装装置において、
前記第1モジュールおよび前記第2モジュールは、上下方向において分割可能に構成されていることを特徴とする塗装装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載の塗装装置において、
前記第1モジュール、前記第2モジュール、前記給気モジュールおよび前記排気モジュールは、短手方向の長さが同じに設定されていることを特徴とする塗装装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載の塗装装置において、
前記塗装ロボットには、塗料を静電微粒化して前記被塗装物に向けて吹き付けるスプレーガンが設けられていることを特徴とする塗装装置。
【請求項6】
被塗装物に対する塗装が行われる塗装エリア
を挟んで対向するように配置される一対のサイドユニットと、前記塗装エリアの上方に配置される給気ユニットと、前記塗装エリアの下方に配置される排気ユニットとを備える塗装装置を設置場所に設置するための塗装装置の設置方法であって、
塗装ロボットおよび第1フレームを含む第1モジュールを形成するとともに、第2フレームを含む第2モジュールを形成するステップと、
複数の給気モジュールを形成するステップと、
複数の排気モジュールを形成するステップと、
前記複数の給気モジュール、前記複数の排気モジュール、前記第1モジュールおよび前記第2モジュールを設置場所に運搬するステップと、
被塗装物が相対的に移動する移動経路方向に前記第1モジュールおよび前記第2モジュールを隣接するように配置し、その隣接配置された前記第1モジュールの第1フレームと前記第2モジュールの第2フレームとを連結
して前記サイドユニットを形成するステップと
、
前記移動経路方向に前記複数の給気モジュールを隣接するように配置し、その隣接配置された前記複数の給気モジュールを連結して前記給気ユニットを形成するステップと、
前記移動経路方向に前記複数の排気モジュールを隣接するように配置し、その隣接配置された前記複数の排気モジュールを連結して前記排気ユニットを形成するステップと、
前記排気ユニットに前記サイドユニットを組み付けるステップと、
前記サイドユニットに前記給気ユニットを組み付けるステップとを備えることを特徴とする塗装装置の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装装置および塗装装置の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
塗装作業域が形成された塗装ブースが知られている(たとえば、特許文献1参照)。この塗装ブースでは、天井部と両側壁と床とによってトンネル状の塗装作業域が形成されている。床にはコンベアが設けられ、コンベアは被塗装物を搬送するように構成されている。塗装作業域には自動塗装機が設けられ、自動塗装機は搬送される被塗装物を塗装するように構成されている。
【0003】
そして、自動塗装機はボックス体に設けられ、自動塗装機およびボックス体によって塗装機ユニットが構成されている。塗装機ユニットは、塗装ブースの側部に組み付けられている。
【0004】
ここで、塗装機ユニットは、別途工場で予め組立製作されており、塗装ブース構築現場に搬入された後に、塗装ブースに組み付けられる。すなわち、ボックス体が塗装ブースに組み付けられることにより、自動塗装機が塗装ブースの塗装作業域に配置されることになる。これにより、塗装ブース構築現場において自動塗装機自体を塗装ブースに組み付ける作業を行う必要がないので、塗装ブース構築現場での設置作業の時間短縮を図ることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような塗装ブースでは、塗装ブース構築現場での設置作業の時間短縮を図ることが可能であるが、塗装作業域の大きさを変更するためには塗装ブース全体の枠組みの変更が必要になるので、塗装作業域の大きさを変更するのが困難である。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、塗装エリア(ユニット)の大きさを容易に変更することが可能な塗装装置および塗装装置の設置方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による塗装装置は、被塗装物に対する塗装が行われる塗装エリアを挟んで対向するように配置される一対のサイドユニットと、塗装エリアの上方に配置される給気ユニットと、塗装エリアの下方に配置される排気ユニットとを備える。排気ユニットに一対のサイドユニットを組み付け可能に構成され、一対のサイドユニットに給気ユニットを組み付け可能に構成されている。サイドユニットは、第1フレームを有する第1モジュールと、第2フレームを有する第2モジュールとを含み、第1モジュールに塗装ロボットが設けられている。被塗装物が相対的に移動する移動経路方向に第1モジュールおよび第2モジュールが隣接するように配置された場合に、その隣接配置された第1モジュールの第1フレームと第2モジュールの第2フレームとを連結可能に構成されている。給気ユニットは、複数の給気モジュールを含み、複数の給気モジュールは、移動経路方向に隣接配置された場合に連結可能に構成されている。排気ユニットは、複数の排気モジュールを含み、複数の排気モジュールは、移動経路方向に隣接配置された場合に連結可能に構成されている。第1モジュール、第2モジュール、給気モジュールおよび排気モジュールは、分けられた状態で運搬可能に構成されている。
【0009】
このように構成することによって、モジュール化されているので、連結されるモジュールの個数を変更することで、塗装エリア(ユニット)の大きさを容易に変更することができる。
【0010】
上記塗装装置において、第1モジュールには、塗装ロボットを制御する制御盤が取り付けられていてもよい。
【0011】
上記塗装装置において、第1モジュールおよび第2モジュールは、上下方向において分割可能に構成されていてもよい。
【0012】
上記塗装装置において、第1モジュール、第2モジュール、給気モジュールおよび排気モジュールは、短手方向の長さが同じに設定されていてもよい。
【0013】
上記塗装装置において、塗装ロボットには、塗料を静電微粒化して被塗装物に向けて吹き付けるスプレーガンが設けられていてもよい。
【0014】
本発明による塗装装置の設置方法は、被塗装物に対する塗装が行われる塗装エリアを挟んで対向するように配置される一対のサイドユニットと、塗装エリアの上方に配置される給気ユニットと、塗装エリアの下方に配置される排気ユニットとを備える塗装装置を設置場所に設置するためのものであり、塗装ロボットおよび第1フレームを含む第1モジュールを形成するとともに、第2フレームを含む第2モジュールを形成するステップと、複数の給気モジュールを形成するステップと、複数の排気モジュールを形成するステップと、複数の給気モジュール、複数の排気モジュール、第1モジュールおよび第2モジュールを設置場所に運搬するステップと、被塗装物が相対的に移動する移動経路方向に第1モジュールおよび第2モジュールを隣接するように配置し、その隣接配置された第1モジュールの第1フレームと第2モジュールの第2フレームとを連結してサイドユニットを形成するステップと、移動経路方向に複数の給気モジュールを隣接するように配置し、その隣接配置された複数の給気モジュールを連結して給気ユニットを形成するステップと、移動経路方向に複数の排気モジュールを隣接するように配置し、その隣接配置された複数の排気モジュールを連結して排気ユニットを形成するステップと、排気ユニットにサイドユニットを組み付けるステップと、サイドユニットに給気ユニットを組み付けるステップとを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明の塗装装置および塗装装置の設置方法によれば、塗装エリア(ユニット)の大きさを容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態による塗装装置を示した模式図である。
【
図2】
図1の塗装装置を説明するための概略構成図である。
【
図4】
図3の塗装装置のサイドユニットの一方を示した図である。
【
図5】
図4のサイドユニットのサイドモジュールを分割した状態を示した図である。
【
図6】
図3の塗装装置のサイドユニットの他方を示した図である。
【
図7】
図3の塗装装置の給気ユニットを示した図である。
【
図8】
図3の塗装装置の排気ユニットを示した図である。
【
図9】
図2の塗装装置の塗装ロボットのスプレーガンを示した断面図である。
【
図10】
図9のスプレーガンの回転ヘッドの先端を示した斜視図である。
【
図11】
図9の塗装ロボットによる静電微粒化を説明するための模式図である。
【
図12】本実施形態の第1変形例による塗装装置を示した模式図である。
【
図13】本実施形態の第2変形例による塗装装置を示した模式図である。
【
図14】本実施形態の第3変形例による塗装装置を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
【0018】
まず、
図1および
図2を参照して、本発明の一実施形態による塗装装置100の概略構成について説明する。
【0019】
塗装装置100は、被塗装物150に対する塗装が行われる設備であり、
図1に示すように、サイドユニット1および2と、給気ユニット3と、排気ユニット4とを備えている。塗装装置100では、塗装が行われる塗装エリア5が形成されている。なお、
図1などにおいて、X方向が塗装装置100の幅方向であり、Y方向が塗装装置100の長さ方向(被塗装物150の搬送方向)であり、Z方向が塗装装置100の高さ方向(上下方向)である。このため、
図1は、被塗装物150の搬送方向(移動経路方向)と直交する断面で見た場合の模式図である。
【0020】
サイドユニット1および2は、塗装エリア5を挟んで対向するように配置されるとともに、排気ユニット4の上方に配置されている。サイドユニット1には塗装ロボット11が設けられ、サイドユニット2には塗装ロボット21が設けられている。塗装ロボット11および21は、塗装エリア5内の被塗装物150を塗装するように構成されている。被塗装物150は、たとえば車両のボディである。
【0021】
給気ユニット3は、塗装エリア5の上方に配置され、塗装エリア5に空気を供給するように構成されている。給気ユニット3は、サイドユニット1および2の間に設けられ、サイドユニット1および2に対して上方に配置されている。排気ユニット4は、塗装エリア5の下方に配置され、塗装エリア5の空気を排出するように構成されている。排気ユニット4には搬送装置6が設けられ、搬送装置6は被塗装物150を搬送方向(Y方向)に搬送するように構成されている。
【0022】
塗装装置100において被塗装物150に対する塗装が行われる場合には、給気ユニット3から排気ユニット4へと下方に向かう空気の流れ(ダウンフロー)が塗装エリア5に形成されるようになっている。これにより、被塗装物150に未塗着の塗料粒子(オーバースプレーミスト)を塗装エリア5から排出することが可能である。
【0023】
具体的には、
図2に示すように、サイドユニット1は、塗装装置100の一方側面を構成している。このサイドユニット1は、2つの塗装ロボット11と、補助ロボット12と、制御盤13とを含んでいる。2つの塗装ロボット11および補助ロボット12は塗装エリア5内に配置され、制御盤13は塗装エリア5外に配置されている。
【0024】
2つの塗装ロボット11は搬送方向に並ぶように設けられており、一方の塗装ロボット11が他方の塗装ロボット11に対して上側に配置されている。一方(上側)の塗装ロボット11は、他方(下側)の塗装ロボット11に対して幅方向内側に配置されている。各塗装ロボット11は、塗料を微粒化するスプレーガン111と、スプレーガン111を移動させるロボットアーム112とを含み、ロボットアーム112のベースが支柱113に取り付けられている。なお、スプレーガン111の詳細については後述する。制御盤13は、2つの塗装ロボット11を制御するように構成されている。
【0025】
また、サイドユニット2は、塗装装置100の他方側面を構成している。このサイドユニット2は、2つの塗装ロボット21と、補助ロボット22と、制御盤23とを含んでいる。2つの塗装ロボット21および補助ロボット22は塗装エリア5内に配置され、制御盤23は塗装エリア5外に配置されている。
【0026】
2つの塗装ロボット21は、2つの塗装ロボット11と幅方向(X方向)において対向するように配置されている。2つの塗装ロボット21は搬送方向に並ぶように設けられており、一方の塗装ロボット21が他方の塗装ロボット21に対して上側に配置されている。一方(上側)の塗装ロボット21は、他方(下側)の塗装ロボット21に対して幅方向内側に配置されている。各塗装ロボット21は、塗料を微粒化するスプレーガン211と、スプレーガン211を移動させるロボットアーム212とを含み、ロボットアーム212のベースが支柱213に取り付けられている。なお、スプレーガン211は、スプレーガン111と同様に構成されている。制御盤23は、2つの塗装ロボット21を制御するように構成されている。
【0027】
給気ユニット3は、塗装エリア5の上方に配置され、塗装エリア5内の天井(上面)を構成している。給気ユニット3は、矩形箱状の給気室31を有する。給気室31の上面にはダクト接続部32が設けられ、ダクト接続部32に給気ダクト7が接続されている。給気室31の下面には、塗装エリア5に空気を導入するための導入口33が設けられ、導入口33には、空気中の塵埃などを取り除くためのフィルタ34が取り付けられている。
【0028】
そして、給気室31は、空調機(図示省略)からの温度および湿度が調整された空気が給気ダクト7を介して流入されるようになっている。この給気室31は、給気ダクト7から流入する空気を整流する機能を有し、内部空間に風量調整ダンパ35が設けられている。風量調整ダンパ35により、給気室31の内部空間が上流側空間311と下流側空間312とに仕切られている。上流側空間311が給気ダクト7に連通され、下流側空間312が導入口33のフィルタ34を介して塗装エリア5に連通されている。風量調整ダンパ35は、上流側空間311から下流側空間312に流れる単位時間あたりの空気量を調整するために設けられている。
【0029】
排気ユニット4は、塗装エリア5の下方に配置され、幅方向(X方向)の中央に搬送装置6が設けられている。排気ユニット4は、塗装エリア5内の床(下面)を構成する格子板41と、格子板41の下方に配置された排気室42とを有する。排気室42は、矩形箱状に形成され、塗装エリア5から排出される空気中の塗料粒子を回収するように構成されている。排気室42には複数の排出口421が設けられ、各排出口421にはフィルタ422が取り付けられている。フィルタ422は、薄型の乾式フィルタであり、空気中の塗料粒子を取り除くために設けられている。このため、塗装エリア5からの空気が排出口421を介して排気室42内に取り込まれる際に、フィルタ422によって空気中の塗料粒子が除去されるようになっている。また、排気室42は、排気ダクト8が接続され、排気ダクト8を介して外部に連通されている。
【0030】
搬送装置6は、塗装エリア5に被塗装物150を搬入するとともに、塗装エリア5から被塗装物150を搬出するために設けられている。
【0031】
[スプレーガン]
次に、
図9~
図11を参照して、塗装ロボット11のスプレーガン111について説明する。
【0032】
スプレーガン111は、
図11に示すように、回転ヘッド51から糸状の塗料P1を放出し、その糸状の塗料P1が静電微粒化されることにより、塗料粒子(微粒化された塗料)P2を形成して被塗装物150に塗着させるように構成されている。
【0033】
このスプレーガン111は、
図9に示すように、回転ヘッド51と、回転ヘッド51を回転させるエアモータ(図示省略)と、回転ヘッド51の外周面を覆うキャップ52と、回転ヘッド51に塗料を供給する塗料供給管53と、回転ヘッド51に負の高電圧を印加するための電圧発生器54(
図11参照)とを含んでいる。
【0034】
回転ヘッド51は、液体の塗料が供給され、その塗料を遠心力によって放出するように構成されている。回転ヘッド51では、ハブ511が取り付けられることにより塗料空間Sが形成され、塗料空間Sに塗料供給管53の先端が配置されている。塗料供給管53は、塗料カートリッジに格納された塗料を塗料空間Sに供給するように構成されている。ハブ511の外縁部には、塗料空間Sから塗料を流出させるための複数の流出孔511aが形成されている。
【0035】
そして、回転ヘッド51の流出孔511aに対する径方向の外側には、塗料が遠心力により拡散される拡散面51aが形成されている。拡散面51aは、回転ヘッド51の先端側に向けて拡径するように形成され、流出孔511aから流出した塗料を膜状にするように構成されている。また、拡散面51aの外縁部51bには、
図10に示すように、膜状の塗料を糸状にして放出するための溝部51cが形成されている。なお、
図9では見やすさを考慮して溝部51cの図示を省略している。
【0036】
溝部51cは、軸方向から見た場合に、径方向に延びるように形成されるとともに、周方向に複数設けられている。すなわち、溝部51cは、拡散面51aの外縁部51bに、その拡散面51aの傾斜方向に延びるように形成されている。この溝部51cは、回転ヘッド51の径方向の外側端部まで達するように形成されている。このため、回転ヘッド51の先端が外周面側から見て凹凸状になっている。
【0037】
このスプレーガン111では、
図11に示すように、電圧発生器54により回転ヘッド51に負の高電圧が印加され、回転ヘッド51の溝部51cから放出される糸状の塗料P1が帯電されており、その帯電電荷による反発力を利用して糸状の塗料P1が分裂されて塗料粒子P2になる。すなわち、回転ヘッド51の溝部51cから放出される糸状の塗料P1が静電微粒化されて塗料粒子P2になる。つまり、塗装ロボット11では、シェーピングエアを吐出するエア吐出部が設けられていないため、シェーピングエアによらず塗料粒子P2が形成されるようになっている。したがって、塗装ロボット11では、シェーピングエアレスの静電微粒化方式であり、シェーピングエアによる塗料粒子の舞い上がりが発生しないことから、オーバースプレーミストの発生が抑制されるとともに、そのオーバースプレーミストの発生範囲が狭くされている。
【0038】
このような静電微粒化方式の塗装ロボット11および21が設けられた塗装装置100(
図2参照)では、小型化を図ることにより、エネルギ消費量およびCO
2排出量の低減を図ることが可能である。たとえば、
図2に示す塗装装置100の寸法は、幅(X方向の長さ)が9mであり、高さ(Z方向の長さ)が5.6mであり、長さ(Y方向の長さ)が4.5mである。
【0039】
-塗装装置のモジュール構造-
次に、
図3~
図8を参照して、本実施形態による塗装装置100のモジュール構造について説明する。塗装装置100は、
図3に示すように、各ユニットがモジュール化されている。
【0040】
[サイドユニット]
サイドユニット1は、
図4に示すように、3つのサイドモジュール10a~10cによって構成されている。3つのサイドモジュール10a~10cは、被塗装物150の搬送方向(Y方向)に隣接配置された場合に連結可能に構成されている。そして、3つのサイドモジュール10a~10cが連結されることによってサイドユニット1が形成されている。なお、サイドモジュール10aは本発明の「第1モジュール」の一例であり、サイドモジュール10bおよび10cは本発明の「第2モジュール」の一例である。
【0041】
サイドモジュール10aは、ユニット化される場合に、サイドモジュール10bおよび10cの間に配置されている。このサイドモジュール10aは、フレーム(枠組み)14aと、パネル15aと、隔壁16aと、格子板17aとを含んでいる。フレーム14aは、サイドモジュール10aの骨格であり、複数の棒状部材が組み付けられることによって形成されている。パネル15a、隔壁16aおよび格子板17aは、フレーム14aに取り付けられている。パネル15aは、塗装エリア5外の床などを構成している。隔壁16aは、塗装エリア5を仕切る仕切板である。格子板17aは、塗装エリア5内の床を構成している。なお、フレーム14aは、本発明の「第1フレーム」の一例である。
【0042】
このサイドモジュール10aには、2つの塗装ロボット11と、補助ロボット12と、制御盤13とが設けられている。塗装ロボット11の支柱113は、格子板17aに取り付けられている。補助ロボット12は、隔壁16aに取り付けられている。制御盤13は、パネル15aに取り付けられている。また、サイドモジュール10aは、
図5に示すように、サイドモジュールアッパ18aとサイドモジュールロア19aとに分割可能に構成されている。たとえば、サイドモジュールアッパ18aの上端部は、給気ユニット3の後述する給気モジュール30a(
図3参照)の幅方向の一方端部を組付可能に構成されている。
【0043】
図4に示すように、サイドモジュール10bは、ユニット化される場合に、サイドモジュール10aに対して搬送方向の一方側に配置されている。このサイドモジュール10bは、フレーム14bと、パネル15bと、隔壁16bと、格子板17bとを含んでいる。フレーム14bは、サイドモジュール10bの骨格であり、複数の棒状部材が組み付けられることによって形成されている。フレーム14bは、フレーム14aとほぼ同様に構成されている。パネル15b、隔壁16bおよび格子板17bは、フレーム14bに取り付けられている。パネル15bは、塗装エリア5外の床などを構成している。隔壁16bは、塗装エリア5を仕切る仕切板であり、作業者が塗装エリア5に出入りするための扉161bが設けられている。塗装エリア5の側面を構成する隔壁16bは、塗装エリア5の側面を構成する隔壁16aに対して幅方向内側に配置されている。格子板17bは、塗装エリア5内の床を構成している。なお、フレーム14bは、本発明の「第2フレーム」の一例である。
【0044】
このサイドモジュール10bには、排気ダクト8(
図2参照)の一部を構成するダクト構成部81が設けられている。ダクト構成部81は、塗装エリア5外に配置され、上下方向に延びるように形成されている。サイドモジュール10bには、塗装ロボット11などが設けられていない。また、サイドモジュール10bは、サイドモジュールアッパ18bとサイドモジュールロア19bとに分割可能に構成されている。たとえば、サイドモジュールアッパ18bの上端部は、給気ユニット3の後述する給気モジュール30b(
図3参照)の幅方向の一方端部を組付可能に構成されている。
【0045】
サイドモジュール10cは、ユニット化される場合に、サイドモジュール10aに対して搬送方向の他方側に配置されている。このサイドモジュール10cは、フレーム14cと、パネル15cと、隔壁16cと、格子板17cとを含んでいる。フレーム14cは、サイドモジュール10cの骨格であり、複数の棒状部材が組み付けられることによって形成されている。フレーム14cは、フレーム14aとほぼ同様に構成されている。パネル15c、隔壁16cおよび格子板17cは、フレーム14cに取り付けられている。パネル15cは、塗装エリア5外の床などを構成している。隔壁16cは、塗装エリア5を仕切る仕切板である。塗装エリア5の側面を構成する隔壁16cは、塗装エリア5の側面を構成する隔壁16aに対して幅方向内側に配置されるとともに、塗装エリア5の側面を構成する隔壁16bと幅方向において対応する位置に配置されている。格子板17cは、塗装エリア5内の床を構成している。なお、フレーム14cは、本発明の「第2フレーム」の一例である。
【0046】
このサイドモジュール10cには、塗装ロボット11やダクト構成部81などが設けられていない。また、サイドモジュール10cは、サイドモジュールアッパ18cとサイドモジュールロア19cとに分割可能に構成されている。たとえば、サイドモジュールアッパ18cの上端部は、給気ユニット3の後述する給気モジュール30c(
図3参照)の幅方向の一方端部を組付可能に構成されている。
【0047】
サイドユニット2は、
図6に示すように、3つのサイドモジュール20a~20cによって構成されている。3つのサイドモジュール20a~20cは、被塗装物150の搬送方向(Y方向)に隣接配置された場合に連結可能に構成されている。そして、3つのサイドモジュール20a~20cが連結されることによってサイドユニット2が形成されている。なお、サイドモジュール20aは本発明の「第1モジュール」の一例であり、サイドモジュール20bおよび20cは本発明の「第2モジュール」の一例である。
【0048】
サイドモジュール20aは、ユニット化される場合に、サイドモジュール20bおよび20cの間に配置されている。このサイドモジュール20aは、フレーム24aと、パネル25aと、隔壁26aと、格子板27aとを含んでいる。フレーム24aは、サイドモジュール20aの骨格であり、複数の棒状部材が組み付けられることによって形成されている。パネル25a、隔壁26aおよび格子板27aは、フレーム24aに取り付けられている。パネル25aは、塗装エリア5外の床などを構成している。隔壁26aは、塗装エリア5を仕切る仕切板である。格子板27aは、塗装エリア5内の床を構成している。なお、フレーム24aは、本発明の「第1フレーム」の一例である。
【0049】
このサイドモジュール20aには、2つの塗装ロボット21(
図2参照)と、補助ロボット22(
図2参照)と、制御盤23とが設けられている。また、サイドモジュール20aは、サイドモジュールアッパ28aとサイドモジュールロア29aとに分割可能に構成されている。たとえば、サイドモジュールアッパ28aの上端部は、給気ユニット3の後述する給気モジュール30aの幅方向の他方端部を組付可能に構成されている。
【0050】
サイドモジュール20bは、ユニット化される場合に、サイドモジュール20aに対して搬送方向の一方側に配置されている。このサイドモジュール20bは、フレーム24bと、パネル25bと、隔壁26bと、格子板(図示省略)とを含んでいる。フレーム24bは、サイドモジュール20bの骨格であり、複数の棒状部材が組み付けられることによって形成されている。フレーム24bは、フレーム24aとほぼ同様に構成されている。パネル25b、隔壁26bおよび格子板は、フレーム24bに取り付けられている。パネル25bは、塗装エリア5外の床などを構成している。隔壁26bは、塗装エリア5を仕切る仕切板であり、作業者が塗装エリア5に出入りするための扉(図示省略)が設けられている。塗装エリア5の側面を構成する隔壁26bは、塗装エリア5の側面を構成する隔壁26aに対して幅方向内側に配置されている。格子板は、塗装エリア5内の床を構成している。なお、フレーム24bは、本発明の「第2フレーム」の一例である。
【0051】
このサイドモジュール20bには、塗装ロボット21などが設けられていない。また、サイドモジュール20bは、サイドモジュールアッパ28bとサイドモジュールロア29bとに分割可能に構成されている。たとえば、サイドモジュールアッパ28bの上端部は、給気ユニット3の後述する給気モジュール30bの幅方向の他方端部を組付可能に構成されている。
【0052】
サイドモジュール20cは、ユニット化される場合に、サイドモジュール20aに対して搬送方向の他方側に配置されている。このサイドモジュール20cは、フレーム24cと、パネル25cと、隔壁26cと、格子板27cとを含んでいる。フレーム24cは、サイドモジュール20cの骨格であり、複数の棒状部材が組み付けられることによって形成されている。フレーム24cは、フレーム24aとほぼ同様に構成されている。パネル25c、隔壁26cおよび格子板27cは、フレーム24cに取り付けられている。パネル25cは、塗装エリア5外の床などを構成している。隔壁26cは、塗装エリア5を仕切る仕切板である。塗装エリア5の側面を構成する隔壁26cは、塗装エリア5の側面を構成する隔壁26aに対して幅方向内側に配置されるとともに、塗装エリア5の側面を構成する隔壁26bと幅方向において対応する位置に配置されている。格子板27cは、塗装エリア5内の床を構成している。なお、フレーム24cは、本発明の「第2フレーム」の一例である。
【0053】
このサイドモジュール20cには、塗装ロボット21などが設けられていない。また、サイドモジュール20cは、サイドモジュールアッパ28cとサイドモジュールロア29cとに分割可能に構成されている。たとえば、サイドモジュールアッパ28cの上端部は、給気ユニット3の後述する給気モジュール30cの幅方向の他方端部を組付可能に構成されている。
【0054】
[給気ユニット]
給気ユニット3は、
図7に示すように、3つの給気モジュール30a~30cによって構成されている。3つの給気モジュール30a~30cは、被塗装物150の搬送方向(Y方向)に隣接配置された場合に連結可能に構成されている。そして、3つの給気モジュール30a~30cが連結されることによって給気ユニット3が形成されている
。
【0055】
給気モジュール30aは、ユニット化される場合に、給気モジュール30bおよび30cの間に配置されている。給気モジュール30aは、搬送方向の両端面が開放された角筒状に形成され、給気室31(
図2参照)の一部を構成する給気室構成体31aである。給気室構成体31aの上面には、ダクト接続部32が設けられている。給気室構成体31aの内部には、風量調整ダンパ35(
図2参照)の一部を構成するダンパ構成部35aが設けられ、給気室構成体31aの下面には、フィルタ34(
図2参照)の一部を構成するフィルタ構成部34aが設けられている。
【0056】
給気モジュール30bは、ユニット化される場合に、給気モジュール30aに対して搬送方向の一方側に配置されている。給気モジュール30bは、搬送方向の他方側の面が開放された有底角筒状に形成され、給気室31の一部を構成する給気室構成体31bである。給気室構成体31bの内部には、風量調整ダンパ35の一部を構成するダンパ構成部35bが設けられ、給気室構成体31bの下面には、フィルタ34の一部を構成するフィルタ構成部34bが設けられている。
【0057】
給気モジュール30cは、ユニット化される場合に、給気モジュール30aに対して搬送方向の他方側に配置されている。給気モジュール30cは、搬送方向の一方側の面が開放された有底角筒状に形成され、給気室31の一部を構成する給気室構成体31cである。給気室構成体31cの内部には、風量調整ダンパ35の一部を構成するダンパ構成部(図示省略)が設けられ、給気室構成体31cの下面には、フィルタ34の一部を構成するフィルタ構成部(図示省略)が設けられている。
【0058】
[排気ユニット]
排気ユニット4は、
図8に示すように、3つの排気モジュール40a~40cによって構成されている。3つの排気モジュール40a~40cは、被塗装物150の搬送方向(Y方向)に隣接配置された場合に連結可能に構成されている。そして、3つの排気モジュール40a~40cが連結されることによって排気ユニット4が形成されている
。
【0059】
排気モジュール40aは、ユニット化される場合に、排気モジュール40bおよび40cの間に配置されている。排気モジュール40aは、フレーム43aと、隔壁44aとを含んでいる。フレーム43aは、排気モジュール40aの骨格であり、複数の棒状部材が組み付けられることによって形成されている。フレーム43aの上面には、長手方向(X方向)の中央部に一対の格子板41が取り付けられている。一対の格子板41は、所定の間隔を隔てて配置され、その空間に搬送装置6(
図2参照)が配置されるようになっている。
【0060】
フレーム43aには、排気室42(
図2参照)の一部を構成する排気室構成体42aが取り付けられている。排気室構成体42aは、格子板41の下方に配置され、排出口421(
図2参照)にフィルタ422が取り付けられている。隔壁44aは、フレーム43aに取り付けられ、排気室構成体42aの外側に配置されている。隔壁44aは、塗装エリア5(
図2参照)からの空気が、外部に逃げることなく、排気室42に取り込まれるようにするために設けられている。
【0061】
また、フレーム43aの長手方向の一方端部431aは、サイドユニット1のサイドモジュール10a(
図3参照)を上面に組付可能に構成されている。フレーム43aの長手方向の他方端部432aは、サイドユニット2のサイドモジュール20a(
図3参照)を上面に組付可能に構成されている。
【0062】
排気モジュール40bは、ユニット化される場合に、排気モジュール40aに対して搬送方向の一方側に配置されている。排気モジュール40bは、フレーム43bと、隔壁44bとを含んでいる。フレーム43bは、排気モジュール40bの骨格であり、複数の棒状部材が組み付けられることによって形成されている。フレーム43bは、フレーム43aとほぼ同様に構成されている。フレーム43bの上面には、長手方向(X方向)の中央部に一対の格子板41が取り付けられている。一対の格子板41は、所定の間隔を隔てて配置され、その空間に搬送装置6が配置されるようになっている。
【0063】
フレーム43bには、排気室42の一部を構成する排気室構成体42bが取り付けられている。排気室構成体42bは、格子板41の下方に配置され、排出口421にフィルタ422が取り付けられている。隔壁44bは、フレーム43bに取り付けられ、排気室構成体42bの外側に配置されている。隔壁44bは、塗装エリア5からの空気が、外部に逃げることなく、排気室42に取り込まれるようにするために設けられている。
【0064】
また、フレーム43bの長手方向の一方端部431bは、サイドユニット1のサイドモジュール10b(
図3参照)を上面に組付可能に構成されている。フレーム43bの一方端部431bには、排気ダクト8(
図2参照)の一部を構成するダクト構成部82が設けられている。ダクト構成部82は、塗装装置100が設置される場合に、サイドモジュール10bのダクト構成部81(
図4参照)と排気室構成体42bとを接続するように構成されている。フレーム43bの長手方向の他方端部432bは、サイドユニット2のサイドモジュール20b(
図3参照)を上面に組付可能に構成されている。
【0065】
排気モジュール40cは、ユニット化される場合に、排気モジュール40aに対して搬送方向の他方側に配置されている。排気モジュール40cは、フレーム43cと、隔壁44cとを含んでいる。フレーム43cは、排気モジュール40cの骨格であり、複数の棒状部材が組み付けられることによって形成されている。フレーム43cは、フレーム43aとほぼ同様に構成されている。フレーム43cの上面には、長手方向(X方向)の中央部に一対の格子板41が取り付けられている。一対の格子板41は、所定の間隔を隔てて配置され、その空間に搬送装置6が配置されるようになっている。
【0066】
フレーム43cには、排気室42の一部を構成する排気室構成体42cが取り付けられている。排気室構成体42cは、格子板41の下方に配置され、排出口421にフィルタ422が取り付けられている。隔壁44cは、フレーム43cに取り付けられ、排気室構成体42cの外側に配置されている。隔壁44cは、塗装エリア5からの空気が、外部に逃げることなく、排気室42に取り込まれるようにするために設けられている。
【0067】
また、フレーム43cの長手方向の一方端部431cは、サイドユニット1のサイドモジュール10c(
図3参照)を上面に組付可能に構成されている。フレーム43cの長手方向の他方端部432cは、サイドユニット2のサイドモジュール20c(
図3参照)を上面に組付可能に構成されている。
【0068】
-塗装装置の設置方法-
次に、
図2~
図8を参照して、本実施形態による塗装装置100の設置方法の一例について説明する。
【0069】
まず、塗装装置100の生産工場(図示省略)において、各ユニットのモジュールが生産される。すなわち、
図3に示すように、サイドユニット1のサイドモジュール10a~10cと、サイドユニット2のサイドモジュール20a~20cと、給気ユニット3の給気モジュール30a~30cと、排気ユニット4の排気モジュール40a~40cとが生産される。
【0070】
具体的には、
図4に示すように、複数の棒状部材が組み付けられることによってフレーム14aが形成される。そして、フレーム14aに、パネル15a、隔壁16aおよび格子板17aなどが取り付けられる。また、格子板17aには2つの塗装ロボット11が取り付けられ、隔壁16aには補助ロボット12が取り付けられ、パネル15aには制御盤13が取り付けられる。すなわち、2つの塗装ロボット11、補助ロボット12および制御盤13がフレーム14aに取り付けられる。また、塗装ロボット11と制御盤13とが配線(図示省略)によって接続される。これにより、サイドモジュール10aが生産される。たとえば、サイドモジュール10aの寸法は、長手方向の長さ(X方向の長さ)が3mであり、短手方向の長さ(Y方向の長さ)が1.5mであり、高さ(Z方向の長さ)が3.2mである。なお、
図5に示すように、サイドモジュール10aが分割された場合には、サイドモジュールアッパ18aの高さが0.95mになり、サイドモジュールロア19aの高さが2.25mになる。
【0071】
また、
図4に示すように、複数の棒状部材が組み付けられることによってフレーム14bが形成される。そして、フレーム14bに、パネル15b、隔壁16bおよび格子板17bなどが取り付けられる。また、フレーム14bには、ダクト構成部81が取り付けられる。これにより、サイドモジュール10bが生産される。たとえば、サイドモジュール10bの寸法は、サイドモジュール10aと同じである。
【0072】
また、複数の棒状部材が組み付けられることによってフレーム14cが形成される。そして、フレーム14cに、パネル15c、隔壁16cおよび格子板17cなどが取り付けられる。これにより、サイドモジュール10cが生産される。たとえば、サイドモジュール10cの寸法は、サイドモジュール10aと同じである。
【0073】
また、
図6に示すように、複数の棒状部材が組み付けられることによってフレーム24aが形成される。そして、フレーム24aに、パネル25a、隔壁26aおよび格子板27aなどが取り付けられる。また、格子板27aには2つの塗装ロボット21(
図2参照)が取り付けられ、隔壁26aには補助ロボット22(
図2参照)が取り付けられ、パネル25aには制御盤23が取り付けられる。すなわち、2つの塗装ロボット21、補助ロボット22および制御盤23がフレーム24aに取り付けられる。また、塗装ロボット21と制御盤23とが配線(図示省略)によって接続される。これにより、サイドモジュール20aが生産される。たとえば、サイドモジュール20aの寸法は、サイドモジュール10aと同じである。
【0074】
また、複数の棒状部材が組み付けられることによってフレーム24bが形成される。そして、フレーム24bに、パネル25b、隔壁26bおよび格子板(図示省略)などが取り付けられる。これにより、サイドモジュール20bが生産される。たとえば、サイドモジュール20bの寸法は、サイドモジュール10aと同じである。
【0075】
また、複数の棒状部材が組み付けられることによってフレーム24cが形成される。そして、フレーム24cに、パネル25c、隔壁26cおよび格子板27cなどが取り付けられる。これにより、サイドモジュール20cが生産される。たとえば、サイドモジュール20cの寸法は、サイドモジュール10aと同じである。
【0076】
また、
図7に示すように、角筒状の給気室構成体31aが形成される。そして、給気室構成体31aの上面にダクト接続部32が設けられる。また、給気室構成体31aの内部にダンパ構成部35aが設けられ、給気室構成体31aの下面にフィルタ構成部34aが設けられる。これにより、給気モジュール30aが生産される。たとえば、給気モジュール30aの寸法は、長手方向の長さ(X方向の長さ)が4.5mであり、短手方向の長さ(Y方向の長さ)が1.5mであり、高さ(Z方向の長さ)が1.4mである。
【0077】
また、有底角筒状の給気室構成体31bが形成される。そして、給気室構成体31bの内部にダンパ構成部35bが設けられ、給気室構成体31bの下面にフィルタ構成部34bが設けられる。これにより、給気モジュール30bが生産される。たとえば、給気モジュール30bの寸法は、給気モジュール30aと同じである。
【0078】
また、有底角筒状の給気室構成体31cが形成される。そして、給気室構成体31cの内部にダンパ構成部(図示省略)が設けられ、給気室構成体31cの下面にフィルタ構成部(図示省略)が設けられる。これにより、給気モジュール30cが生産される。たとえば、給気モジュール30cの寸法は、給気モジュール30aと同じである。
【0079】
また、
図8に示すように、複数の棒状部材が組み付けられることによってフレーム43aが形成される。そして、フレーム43aに、排気室構成体42a、格子板41および隔壁44aなどが取り付けられる。これにより、排気モジュール40aが生産される。たとえば、排気モジュール40aの寸法は、長手方向の長さ(X方向の長さ)が9mであり、短手方向の長さ(Y方向の長さ)が1.5mであり、高さ(Z方向の長さ)が1mである。
【0080】
また、複数の棒状部材が組み付けられることによってフレーム43bが形成される。そして、フレーム43bに、排気室構成体42b、格子板41、ダクト構成部82および隔壁44bなどが取り付けられる。これにより、排気モジュール40bが生産される。たとえば、排気モジュール40bの寸法は、排気モジュール40aと同じである。
【0081】
また、複数の棒状部材が組み付けられることによってフレーム43cが形成される。そして、フレーム43cに、排気室構成体42c、格子板41および隔壁44cなどが取り付けられる。これにより、排気モジュール40cが生産される。たとえば、排気モジュール40cの寸法は、排気モジュール40aと同じである。
【0082】
なお、上記したように、サイドモジュール10a~10c、20a~20c、給気モジュール30a~30cおよび排気モジュール40a~40cの短手方向の長さは、同じに設定されている。
【0083】
次に、生産工場で生産された各モジュールが所定の設置場所に運搬される。以下では、各モジュールがコンテナに収容されて運搬される場合の一例と、各モジュールがトラックに積載されて運搬される場合の一例とについて説明する。
【0084】
[コンテナ収容時]
サイドモジュール10aは、サイドモジュールアッパ18aとサイドモジュールロア19aとに分割される。そして、サイドモジュールアッパ18aおよびサイドモジュールロア19aが20フィートコンテナ(図示省略)に収容される。なお、収容されるサイドモジュールロア19aには塗装ロボット11および制御盤13が組み付けられ、収容されるサイドモジュールアッパ18aには補助ロボット12が組み付けられている。
【0085】
サイドモジュール10b、10cおよび20a~20cは、それぞれ、サイドモジュール10aと同様に分割されて20フィートコンテナに収容される。給気モジュール30a~30cは、それぞれ、20フィートコンテナに収容される。排気モジュール40aおよび40bは、二段積みされて40フィートコンテナ(図示省略)に収容され、排気モジュール40cは、40フィートコンテナに収容される。
【0086】
したがって、9個の20フィートコンテナと2個の40フィートコンテナとに塗装装置100が収容されて運搬される。
【0087】
[トラック積載時]
サイドモジュール10a~10cおよび20a~20cは、それぞれアッパとロアとに分割される。
【0088】
3つのサイドモジュールロア19a~19cは、1台のトラック(図示省略)に積載される。積載されるサイドモジュールロア19a~19cは、車両前後方向に連なるように配置されるとともに、長手方向が車両前後方向を向くように配置されている。なお、積載されるサイドモジュールロア19aには、塗装ロボット11および制御盤13が組み付けられている。
【0089】
3つのサイドモジュールロア29a~29cは、1台のトラックに積載される。積載されるサイドモジュールロア29a~29cは、車両前後方向に連なるように配置されるとともに、長手方向が車両前後方向を向くように配置されている。なお、積載されるサイドモジュールロア29aには、塗装ロボット21および制御盤23が組み付けられている。
【0090】
6つのサイドモジュールアッパ18a~18cおよび28a~28cは、1台のトラックに積載される。積載されるサイドモジュールアッパ18a~18cおよび28a~28cは、車両前後方向に連なるように配置されるとともに、長手方向が車幅方向を向くように配置されている。なお、積載されるサイドモジュールアッパ18aには補助ロボット12が組み付けられ、積載されるサイドモジュールアッパ28aには補助ロボット22が組み付けられている。
【0091】
2つの給気モジュール30aおよび30bは、1台のトラックに積載される。積載される給気モジュール30aおよび30bは、車両前後方向に連なるように配置されるとともに、長手方向が車両前後方向を向くように配置されている。1つの給気モジュール30cは、その他の付属品(図示省略)とともに1台のトラックに積載される。
【0092】
3つの排気モジュール40a~40cは、1台のトラックに積載される。積載される排気モジュール40a~40cは、長手方向が車両前後方向を向くように配置されており、3つのうちの2つが車幅方向に隣接するように配置され、その上に残りの1つが載置されている。すなわち、3つの排気モジュール40a~40cが二段積みされており、3つのうちの2つが下段に配置され、残りの1つが上段に配置されている。
【0093】
したがって、6台のトラックによって塗装装置100が運搬される。
【0094】
次に、所定の設置場所に運搬された各モジュールが組み立てられることにより、所定の設置場所に塗装装置100が設置される。
【0095】
具体的には、
図8に示すように、排気モジュール40a~40cの短手方向が被塗装物150(
図2参照)の搬送方向(Y方向)を向くように配置されるとともに、その排気モジュール40a~40cが搬送方向(Y方向)に隣接するように配置される。そして、隣接配置された排気モジュール40aのフレーム43aおよび排気モジュール40bのフレーム43bが連結されるとともに、隣接配置された排気モジュール40aのフレーム43aおよび排気モジュール40cのフレーム43cが連結される。このため、所定の設置場所で排気ユニット4が組み立てられる。このとき、排気室構成体42a~42cによって排気室42(
図2参照)が形成され、その排気室42は隔壁44a~44cによって取り囲まれている。
【0096】
また、
図4に示すように、サイドモジュールアッパ18aとサイドモジュールロア19aとが結合され、サイドモジュールアッパ18bとサイドモジュールロア19bとが結合され、サイドモジュールアッパ18cとサイドモジュールロア19cとが結合される。次に、サイドモジュール10a~10cの短手方向が被塗装物150の搬送方向(Y方向)を向くように配置されるとともに、そのサイドモジュール10a~10cが搬送方向(Y方向)に隣接するように配置される。そして、隣接配置されたサイドモジュール10aのフレーム14aおよびサイドモジュール10bのフレーム14bが連結されるとともに、隣接配置されたサイドモジュール10aのフレーム14aおよびサイドモジュール10cのフレーム14cが連結される。このため、所定の設置場所でサイドユニット1が組み立てられる。
【0097】
また、
図6に示すように、サイドモジュールアッパ28aとサイドモジュールロア29aとが結合され、サイドモジュールアッパ28bとサイドモジュールロア29bとが結合され、サイドモジュールアッパ28cとサイドモジュールロア29cとが結合される。次に、サイドモジュール20a~20cの短手方向が被塗装物150の搬送方向(Y方向)を向くように配置されるとともに、そのサイドモジュール20a~20cが搬送方向(Y方向)に隣接するように配置される。そして、隣接配置されたサイドモジュール20aのフレーム24aおよびサイドモジュール20bのフレーム24bが連結されるとともに、隣接配置されたサイドモジュール20aのフレーム24aおよびサイドモジュール20cのフレーム24cが連結される。このため、所定の設置場所でサイドユニット2が組み立てられる。
【0098】
また、
図7に示すように、給気モジュール30a~30cの短手方向が被塗装物150の搬送方向(Y方向)を向くように配置されるとともに、その給気モジュール30a~30cが搬送方向(Y方向)に隣接するように配置される。そして、隣接配置された給気モジュール30aおよび30bが連結されるとともに、隣接配置された給気モジュール30aおよび30cが連結される。このため、所定の設置場所で給気ユニット3が組み立てられる。すなわち、給気室構成体31a~31cが連結されることによって給気室31(
図2参照)が形成される。このとき、給気室31の内部には風量調整ダンパ35(
図2参照)が形成され、給気室31の下面にはフィルタ34(
図2参照)が形成される。
【0099】
次に、
図2に示すように、排気ユニット4の上面には、幅方向(X方向)の一方端部にサイドユニット1が組み付けられ、幅方向の他方端部にサイドユニット2が組み付けられ、幅方向の中央部に搬送装置6が設けられる。そして、サイドユニット1および2の上端部には、給気ユニット3が組み付けられる。このようにして、塗装エリア5を有する塗装装置100が所定の設置場所で設置される。
【0100】
塗装エリア5は、たとえば、給気室31の下面と、サイドユニット1の隔壁16a~16cと、サイドユニット2の隔壁26a~26cと、サイドユニット1の格子板17a~17cと、サイドユニット2の格子板27a~27cと、排気ユニット4の格子板41とによって構成されていてもよい。塗装エリア5におけるサイドモジュール10bおよび20b間の幅(X方向の長さ)、および、塗装エリア5におけるサイドモジュール10cおよび20c間の幅は、塗装ロボット11および21や補助ロボット12および22が設けられていないので、塗装エリア5におけるサイドモジュール10aおよび20a間の幅に比べて狭くされている。なお、格子板17a~17c、27a~27cおよび41を介して塗装エリア5から下方に抜けた空気は、隔壁44a~44cによって外部に逃げずに排気室42に取り込まれるようになっている。
【0101】
-効果-
本実施形態では、上記のように、サイドモジュール10a~10cによりサイドユニット1が構成されることによって、連結されるサイドモジュールの個数を変更することで、塗装エリア5(サイドユニット)の大きさを容易に変更することができる。また、サイドモジュール10a~10cが設置場所に運搬された後に、そのサイドモジュール10a~10cが連結されることにより、サイドユニット1が設置場所で組み立てられることから、設置場所において塗装ロボットをフレームに組み付ける作業を行う必要がないので、設置場所での設置作業の時間短縮を図ることができる。なお、サイドユニット2についても同様である。
【0102】
また、本実施形態では、制御盤13がフレーム14aに生産工場で取り付けられることによって、設置場所での設置作業の時間短縮を図ることができる。また、生産工場において塗装ロボット11の動作確認を行うことができる。なお、サイドユニット2についても同様である。
【0103】
また、本実施形態では、給気モジュール30a~30cにより給気ユニット3が構成されることによって、運搬しやすくなるとともに、塗装エリア5(給気ユニット)の大きさを容易に変更することができる。また、排気モジュール40a~40cにより排気ユニット4が構成されることによって、運搬しやすくなるとともに、塗装エリア5(排気ユニット)の大きさを容易に変更することができる。
【0104】
また、本実施形態では、各モジュールの短手方向の長さが同じに設定されることによって、各ユニットのモジュール数を同じにするとともに、塗装エリア5の搬送方向の長さを容易に変更することができる。
【0105】
また、本実施形態では、塗装ロボット11および21が静電微粒化方式であることによって、塗装エリア5を小さくすることができるので、エネルギ消費量およびCO2排出量を低減することができる。
【0106】
また、本実施形態では、パネル15a、隔壁16aおよび格子板17aなどがフレーム14aに生産工場で取り付けられることによって、設置場所での設置作業の時間短縮を図ることができる。なお、サイドモジュール10b、10cおよび20a~20cについても同様である。
【0107】
また、本実施形態では、格子板41、排気室構成体42aおよび隔壁44aなどがフレーム43aに生産工場で取り付けられることによって、設置場所での設置作業の時間短縮を図ることができる。なお、排気モジュール40bおよび40cについても同様である。
【0108】
また、本実施形態では、サイドモジュール10aに塗装ロボット11などが設けられ、サイドモジュール10bおよび10cに塗装ロボット11などが設けられておらず、サイドモジュール10aとサイドモジュール10bおよび10cとが異なる機能を有するが、フレーム14a~14cが共通化されているので、サイドモジュール10aとサイドモジュール10bおよび10cとを容易に組み付けることができる。なお、サイドユニット2についても同様である。
【0109】
また、本実施形態では、塗装エリア5におけるサイドモジュール10bおよび20b間の幅、および、塗装エリア5におけるサイドモジュール10cおよび20c間の幅が狭くされることによって、塗装エリア5を小さくすることができるので、エネルギ消費量およびCO2排出量を低減することができる。
【0110】
また、本実施形態では、サイドモジュール10aをサイドモジュールアッパ18aとサイドモジュールロア19aとに分割可能にすることによって、運搬しやすくすることができる。なお、サイドモジュール10b、10cおよび20a~20cについても同様である。
【0111】
また、本実施形態では、塗装ロボット11および21を幅方向(X方向)に対向するように配置することによって、塗装エリア5を小さくすることができるので、エネルギ消費量およびCO2排出量を低減することができる。
【0112】
また、本実施形態では、2つの塗装ロボット11がサイドモジュール10aに設けられるとともに、2つの塗装ロボット21がサイドモジュール20aに設けられることによって、塗装エリア5を小さくすることができるので、エネルギ消費量およびCO2排出量を低減することができる。
【0113】
また、本実施形態では、排気ユニット4にサイドユニット1および2が組み付けられることによって、対向配置されるサイドユニット1および2を容易に位置決めすることができる。
【0114】
-他の実施形態-
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0115】
たとえば、上記実施形態では、被塗装物150が車両のボディである例を示したが、これに限らず、被塗装物が車両のバンパなどであってもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、サイドユニット1が3つのサイドモジュール10a~10cによって構成される例を示したが、これに限らず、サイドユニットが2つまたは4つ以上のサイドモジュールによって構成されていてもよい。なお、サイドユニット2、給気ユニット3および排気ユニット4についても同様である。
【0117】
また、上記実施形態では、1つのサイドモジュール10aに2つの塗装ロボット11が設けられる例を示したが、これに限らず、1つのサイドモジュールに1つまたは3つ以上の塗装ロボットが設けられていてもよい。なお、サイドユニット2についても同様である。
【0118】
また、上記実施形態では、3つのサイドモジュール10a~10cのうちのサイドモジュール10aだけに塗装ロボット11が設けられる例を示したが、これに限らず、複数のサイドモジュールに塗装ロボットが設けられていてもよい。なお、サイドユニット2についても同様である。
【0119】
また、上記実施形態では、サイドモジュール10a~10c、20a~20c、給気モジュール30a~30cおよび排気モジュール40a~40cの短手方向の長さが同じに設定される例を示したが、これに限らず、サイドモジュール、給気モジュールおよび排気モジュールの短手方向の長さが異なっていてもよい。この場合、短手方向の長さが最も小さいモジュールの整数倍に、その他のモジュール(短手方向の長さが最短のモジュール以外のモジュール)の短手方向の長さが設定されていると、長さの異なるモジュールを組み合わせやすく設置しやすい。
【0120】
また、上記実施形態では、サイドモジュール10aが運搬時にサイドモジュールアッパ18aおよびサイドモジュールロア19aに分割される例を示したが、これに限らず、サイドモジュールが運搬時に分割されないようにしてもよい。なお、サイドモジュール10b、10cおよび20a~20cについても同様である。
【0121】
また、上記実施形態では、給気ユニット3がサイドユニット1および2の間に配置される例を示したが、これに限らず、
図12に示す第1変形例による塗装装置100aのように、給気ユニット3aがサイドユニット1および2の上面に取り付けられていてもよい。すなわち、塗装エリア5の幅(X方向の長さ)よりも、給気ユニット3aの幅(X方向の長さ)が長くされていてもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、サイドユニット1の塗装ロボット11およびサイドユニット2の塗装ロボット21が塗装エリア5の側面に配置される例を示したが、これに限らず、
図13に示す第2変形例による塗装装置100bのように、サイドユニット1bの塗装ロボット11およびサイドユニット2bの塗装ロボット21が塗装エリア5の上面に配置されていてもよい。すなわち、サイドユニット1bでは、塗装ロボット11のロボットアームが下方に延びるように設けられ、サイドユニット2bでは、塗装ロボット21のロボットアームが下方に延びるように設けられていてもよい。給気ユニット3bは、サイドユニット1bおよび2bの間に挟み込まれるように設けられていてもよい。
【0123】
また、上記実施形態では、サイドユニット1および2の下方に排気ユニット4が配置される例を示したが、これに限らず、
図14に示す第3変形例による塗装装置100cのように、排気ユニット4cがサイドユニット1および2の間に挟み込まれるように配置されていてもよい。
【0124】
また、上記実施形態では、シェーピングエアを吐出するエア吐出部が塗装ロボット11および21に設けられていない例を示したが、これに限らず、シェーピングエアを吐出するエア吐出部が塗装ロボットに設けられていてもよい。
【0125】
また、上記実施形態では、排気室42から排気ダクト8を介して空気が外部に放出される例を示したが、これに限らず、排気室から排気ダクトを介して空気が空調機に戻されるようにしてもよい。
【0126】
また、上記実施形態では、給気ユニット3および排気ユニット4が設けられる例を示したが、これに限らず、給気ユニットおよび排気ユニットの一方が設けられていなくてもよいし、給気ユニットおよび排気ユニットの両方が設けられていなくてもよい。
【0127】
また、上記実施形態では、塗装装置100に対して被塗装物150が移動される例を示したが、これに限らず、被塗装物に対して塗装装置が移動されるようにしてもよい。
【0128】
また、上記実施形態では、塗装ロボット11および制御盤13が同じサイドモジュール10aに設けられる例を示したが、これに限らず、塗装ロボットおよび制御盤が異なるサイドモジュールに設けられていてもよい。なお、サイドユニット2についても同様である。
【0129】
また、上記実施形態において、塗料は、水性塗料であってもよいし、溶剤系塗料であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明は、塗装装置およびその塗装装置の設置方法に利用可能である。
【符号の説明】
【0131】
1、1b、2、2b サイドユニット
3、3a、3b 給気ユニット
4、4c 排気ユニット
5 塗装エリア
10a、20a サイドモジュール(第1モジュール)
10b、10c、20b、20c サイドモジュール(第2モジュール)
11、21 塗装ロボット
13、23 制御盤
14a、24a フレーム(第1フレーム)
14b、14c、24b、24c フレーム(第2フレーム)
30a、30b、30c 給気モジュール
40a、40b、40c 排気モジュール
100、100a、100b、100c 塗装装置
111、211 スプレーガン
150 被塗装物