(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】情報提供システム、情報提供方法、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20231205BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G09B29/10 A
(21)【出願番号】P 2020507294
(86)(22)【出願日】2018-05-14
(86)【国際出願番号】 JP2018018452
(87)【国際公開番号】W WO2019180978
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-04-21
(31)【優先権主張番号】P 2018052169
(32)【優先日】2018-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139387
【氏名又は名称】森田 剛史
(72)【発明者】
【氏名】黒田 伸介
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-191988(JP,A)
【文献】特開2003-091793(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路上に設置され、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する路上検知部と、
自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する車載検知部を搭載する車両と、
前記車両に情報を提供する情報提供装置と、を備え、
前記車両は、
前記車載検知部の位置を示す車載検知位置情報と、前記車載検知部が検知した車載検知結果と、を含む車載検知部情報を前記情報提供装置に送信し、
前記情報提供装置は、
前記路上検知部の位置を示す路上検知位置情報と、前記路上検知部が検知した路上検知結果と、を含む路上検知部情報を取得するとともに、前記車載検知部情報を取得する取得部と、
前記路上検知部情報と前記車載検知部情報とに基づく統合検知結果を生成する統合部と、
前記統合検知結果を前記車両へ送信する送信部と、を備え、
前記統合部は、さらに、
前記路上検知部と前記車載検知部それぞれの検知領域の一部または全部を含む領域からなる統合領域を生成し、
前記路上検知部と前記車載検知部それぞれの検知領域において重複領域が存在する場合に、前記重複領域における前記路上検知結果が示す第
1動的物体に関する第1情報と、前記重複領域における前記車載検知結果が示す第
2動的物体に関する第2情報とを、それぞれ前記統合領域上に関連付け、
前記統合領域は、所定の大きさで区分された複数のグリッドから構成され、
前記統合部は、
前記第1情報と前記第2情報とを前記複数のグリッドのうちの一部または全部のグリッドに関連付け、
前記第1情報に関連付けられた第1グリッドと、前記第2情報に関連付けられた第2グリッドとが所定の位置関係を満たしているか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて前記第
1動的物体と前記第
2動的物体とを同一物体として前記統合領域上に関連付ける、情報提供システム。
【請求項2】
前記統合領域に用いられるグリッドの大きさは、前記第1グリッドおよび前記第2グリッドの大きさと同じである、請求項
1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記統合部は、前記第1グリッドおよび前記第2グリッドのうち主となるグリッドである主グリッドの位置に基づいて、前記第1グリッドおよび前記第2グリッドのうち前記主グリッドではない従グリッドの位置を調整する、請求項
1または請求項
2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記車両は、
自己が第1地点へ接近した場合に、前記車載検知部情報を前記情報提供装置に送信する、請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記路上検知部は、さらに、
前記車両の第1地点への接近を検知して、その接近検知情報を前記車両に送信し、
前記車両は、
前記接近検知情報に基づいて、前記車載検知部情報を前記情報提供装置に送信する、請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項6】
路上に設置され、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する路上検知部と、
自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する車載検知部を搭載する車両と、
前記車両に情報を提供する情報提供装置と、を備える情報提供システムにおける情報提供方法であって、
前記車載検知部の位置を示す車載検知位置情報と、前記車載検知部が検知した車載検知結果と、を含む車載検知部情報を前記情報提供装置に送信するステップと、
前記路上検知部の位置を示す路上検知位置情報と、前記路上検知部が検知した路上検知結果と、を含む路上検知部情報を取得するとともに、前記車載検知部情報を取得するステップと、
前記路上検知部情報と前記車載検知部情報とに基づく統合検知結果を生成するステップと、
前記統合検知結果を前記車両へ送信するステップと、を含み、
前記統合検知結果を生成するステップにおいて、さらに、
前記路上検知部と前記車載検知部それぞれの検知領域の一部または全部を含み、所定の大きさで区分された複数のグリッドから構成された領域からなる統合領域を生成し、
前記路上検知部と前記車載検知部それぞれの検知領域において重複領域が存在する場合に、前記重複領域における前記路上検知結果が示す第
1動的物体に関する第1情報と、前記重複領域における前記車載検知結果が示す第
2動的物体に関する第2情報とを、それぞれ前記統合領域上に関連付け、
前記第1情報と前記第2情報とを前記複数のグリッドのうちの一部または全部のグリッドに関連付け、
前記第1情報に関連付けられた第1グリッドと、前記第2情報に関連付けられた第2グリッドとが所定の位置関係を満たしているか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて前記第
1動的物体と前記第
2動的物体とを同一物体として前記統合領域上に関連付ける、情報提供方法。
【請求項7】
路上に設置され、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する路上検知部と、
自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する車載検知部を搭載する車両と、を備える情報提供システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記路上検知部の位置を示す路上検知位置情報と、前記路上検知部が検知した路上検知結果と、を含む路上検知部情報を取得するとともに、前記車載検知部の位置を示す車載検知位置情報と、前記車載検知部が検知した車載検知結果と、を含む車載検知部情報を取得する取得部と、
前記路上検知部情報と前記車載検知部情報とに基づく統合検知結果を生成する統合部と、
前記統合検知結果を前記車両へ送信する送信部と、して機能させ、
前記統合部は、さらに、
前記路上検知部と前記車載検知部それぞれの検知領域の一部または全部を含む領域からなる統合領域を生成し、
前記路上検知部と前記車載検知部それぞれの検知領域において重複領域が存在する場合に、前記重複領域における前記路上検知結果が示す第
1動的物体に関する第1情報と、前記重複領域における前記車載検知結果が示す第
2動的物体に関する第2情報とを、それぞれ前記統合領域上に関連付け、
前記統合領域は、所定の大きさで区分された複数のグリッドから構成され、
前記統合部は、
前記第1情報と前記第2情報とを前記複数のグリッドのうちの一部または全部のグリッドに関連付け、
前記第1情報に関連付けられた第1グリッドと、前記第2情報に関連付けられた第2グリッドとが所定の位置関係を満たしているか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて前記第
1動的物体と前記第
2動的物体とを同一物体として前記統合領域上に関連付ける、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、情報提供方法、コンピュータプログラムに関する。
この出願は、2018年3月20日に出願された日本出願特願2018-52169号を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2014-228637号公報)には、以下のような道路情報送信装置が掲載されている。すなわち、道路情報送信装置は、車両が走行可能な領域である走行可能領域とそれ以外の領域とが少なくとも区別された道路地図を生成するサーバとの間で通信を行うための通信機と、車両から周辺の物体までの距離を測定する測距センサと、車両の絶対位置及び方位を測定する測位センサと、が搭載された車両において用いられる道路情報送信装置であって、前記測距センサにより距離が測定された領域である測距領域において、前記測距センサによる測定結果に基づいて、走行面を基準とする高さが所定の判定しきい値以上の物体を障害物として検出し、前記測距領域から前記障害物が存在する部分を除外した領域を走行可能領域として抽出して、前記道路地図の一部分に相当する部分地図を表す情報を生成する領域抽出手段と、前記測距センサによる測定結果に基づいて、絶対位置が固定された所定の特徴物を前記測距領域から抽出し、当該部分地図における前記特徴物の位置を表す情報を生成する特徴物抽出手段と、前記部分地図を表す部分地図情報と、当該部分地図における前記特徴物の位置を表す特徴物情報と、前記測位センサにより測定された情報であって当該部分地図の前記道路地図における位置を特定するための位置特定情報と、を前記通信機から前記サーバへ送信する処理を行う送信手段と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
(1)本開示の情報提供システムは、路上に設置され、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する路上検知部と、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する車載検知部を搭載する車両と、前記車両に情報を提供する情報提供装置と、を備え、前記車両は、前記車載検知部の位置を示す車載検知位置情報と、前記車載検知部が検知した車載検知結果と、を含む車載検知部情報を前記情報提供装置に送信し、前記情報提供装置は、前記路上検知部の位置を示す路上検知位置情報と、前記路上検知部が検知した路上検知結果と、を含む路上検知部情報を取得するとともに、前記車載検知部情報を取得する取得部と、前記路上検知部情報と前記車載検知部情報とに基づく統合検知結果を生成する統合部と、前記統合検知結果を前記車両へ送信する送信部と、を備える。
【0005】
(9)本開示の情報提供方法は、路上に設置され、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する路上検知部と、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する車載検知部を搭載する車両と、前記車両に情報を提供する情報提供装置と、を備える情報提供システムにおける情報提供方法であって、前記車載検知部の位置を示す車載検知位置情報と、前記車載検知部が検知した車載検知結果と、を含む車載検知部情報を前記情報提供装置に送信するステップと、前記路上検知部の位置を示す路上検知位置情報と、前記路上検知部が検知した路上検知結果と、を含む路上検知部情報を取得するとともに、前記車載検知部情報を取得するステップと、前記路上検知部情報と前記車載検知部情報とに基づく統合検知結果を生成するステップと、前記統合検知結果を前記車両へ送信するステップと、を含む。
【0006】
(10)本開示のコンピュータプログラムは、路上に設置され、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する路上検知部と、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する車載検知部を搭載する車両と、を備える情報提供システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記路上検知部の位置を示す路上検知位置情報と、前記路上検知部が検知した路上検知結果と、を含む路上検知部情報を取得するとともに、前記車載検知部の位置を示す車載検知位置情報と、前記車載検知部が検知した車載検知結果と、を含む車載検知部情報を取得する取得部と、前記路上検知部情報と前記車載検知部情報とに基づく統合検知結果を生成する統合部と、前記統合検知結果を前記車両へ送信する送信部と、して機能させる。
【0007】
本開示の一態様は、このような特徴的な処理部や特徴的な処理を備える、情報提供システム、情報提供方法、コンピュータプログラムとして実現され得るだけでなく、情報提供システムに用いられる端末装置として実現され得る。また、本開示の一態様は、情報提供システムの一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムにおけるサーバの構成を示す図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの生成部が生成する統合領域の例を示す第1の説明図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの生成部が生成する統合領域の例を示す第2の説明図である。
【
図3C】
図3Cは、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの生成部が生成する統合領域の例を示す第3の説明図である。
【
図3D】
図3Dは、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの生成部が生成する統合領域の例を示す第4の説明図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの生成部が生成する統合領域の例を示す第5の説明図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの生成部が生成する統合領域の例を示す第6の説明図である。
【
図4C】
図4Cは、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの生成部が生成する統合領域の例を示す第7の説明図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの処理フローを示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の第2実施形態に係る情報提供システムの構成を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の第2実施形態に係る情報提供システムにおけるサーバの構成を示す図である。
【
図8A】
図8Aは、本発明の第2実施形態に係る情報提供システムの統合部が生成する統合領域の例を示す第1の説明図である。
【
図8B】
図8Bは、本発明の第2実施形態に係る情報提供システムの統合部が生成する統合領域の例を示す第2の説明図である。
【
図8C】
図8Cは、本発明の第2実施形態に係る情報提供システムの統合部が生成する統合領域の例を示す第3の説明図である。
【
図9】
図9は、本発明の第2実施形態に係る情報提供システムの処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
従来、車両から収集した情報を用いて道路地図を生成するための技術が開発されている。
【0010】
[本開示が解決しようとする課題]
特許文献1に記載の道路情報送信装置では、絶対位置が固定された所定の特徴物が含まれる複数の部分地図同士の位置を、特徴物の部分地図における位置に基づいて整合(統合)することで、上記特徴物を把握することができる。しかしながら、車両にとって、自己の検知部が検知した絶対位置が固定されない動的物体のみならず、他の検知部が検知した動的物体も含む自己周辺の動的物体を把握することについてはこの特許文献1に開示も示唆もされていない。
【0011】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、車両にとって自己の検知部が検知した動的物体のみならず他の検知部が検知した動的物体も含む自己周辺の動的物体を正確に把握することが可能な情報提供システム、情報提供方法、コンピュータプログラムを提供することである。
【0012】
[本開示の効果]
本開示によれば、車両にとって自己の検知部が検知した動的物体のみならず他の検知部が検知した動的物体も含む自己周辺の動的物体を正確に把握することができる。
【0013】
[本願発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
【0014】
(1)本発明の実施の形態に係る情報提供システムは、路上に設置され、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する路上検知部と、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する車載検知部を搭載する車両と、前記車両に情報を提供する情報提供装置と、を備え、前記車両は、前記車載検知部の位置を示す車載検知位置情報と、前記車載検知部が検知した車載検知結果と、を含む車載検知部情報を前記情報提供装置に送信し、前記情報提供装置は、前記路上検知部の位置を示す路上検知位置情報と、前記路上検知部が検知した路上検知結果と、を含む路上検知部情報を取得するとともに、前記車載検知部情報を取得する取得部と、前記路上検知部情報と前記車載検知部情報とに基づく統合検知結果を生成する統合部と、前記統合検知結果を前記車両へ送信する送信部と、を備える。
【0015】
このように、統合部が複数の検知部で検知された動的物体に関する情報を統合し、その統合検知結果を車両へ送信することで、車両にとって自己の検知部が検知した動的物体のみならず他の検知部が検知した動的物体も含む自己周辺の動的物体を正確に把握することができる。
【0016】
(2)好ましくは、前記統合部は、さらに、前記路上検知部と前記車載検知部それぞれの検知領域の一部または全部を含む領域からなる統合領域を生成し、前記路上検知部と前記車載検知部それぞれの検知領域において重複領域が存在する場合に、前記重複領域における前記路上検知結果が示す第1動的物体に関する第1情報と、前記重複領域における前記車載検知結果が示す第2動的物体に関する第2情報とを、それぞれ前記統合領域上に関連付ける。
【0017】
このように、統合部が複数の検知部の重複領域で検知された動的物体に関する情報を統合領域上に関連付けることで、車両にとって自己の検知部が検知した動的物体のみならず他の検知部が検知した動的物体も含む自己周辺の動的物体を正確に把握することができる。
【0018】
(3)好ましくは、前記路上検知部情報は、さらに、前記路上検知部が前記取得部へ送信した第1時刻情報を含み、前記車載検知部情報は、さらに、前記車両が前記取得部へ送信した第2時刻情報を含み、前記統合部は、さらに、前記第1時刻情報と、前記第2時刻情報とを関連付ける。
【0019】
このような構成により、統合部は、例えば路上検知部から情報提供装置(取得部)への情報伝送時間と、車載検知部から情報提供装置(取得部)への情報伝送時間とが異なる場合であっても、各時刻情報を関連付けることができる。したがって、車両にとって自己の検知部が検知した動的物体のみならず他の検知部が検知した動的物体も含む自己周辺の動的物体をより正確に把握することができる。
【0020】
(4)好ましくは、前記車両は、自己が第1地点へ接近した場合に、前記車載検知部情報を前記情報提供装置に送信する。
【0021】
このような構成により、情報提供装置は、車両が車載検知部情報を自己に送信するタイミングを正確に把握することができる。
【0022】
(5)好ましくは、前記路上検知部は、さらに、前記車両の第1地点への接近を検知して、その接近検知情報を前記車両に送信し、前記車両は、前記接近検知情報に基づいて、前記車載検知部情報を前記情報提供装置に送信する。
【0023】
このような構成により、情報提供装置は、車両が車載検知部情報を自己に送信するタイミングを正確に把握することができる。
【0024】
(6)好ましくは、前記統合部は、さらに、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記第1動的物体と前記第2動的物体とを同一物体として前記統合領域上に関連付ける。
【0025】
このような構成により、複数の検知部それぞれで検知された動的物体が同一である場合に、統合部はこれらの動的物体を同一物体として正確に判断することができる。
【0026】
(7)好ましくは、前記統合領域は、所定の大きさで区分された複数のグリッドから構成され、前記統合部は、前記第1情報と前記第2情報とを前記複数のグリッドのうちの一部または全部のグリッドに関連付ける。
【0027】
このように、統合部が統合領域を当該グリッド(グリッド地図)で構成し、グリッド単位で第1情報と第2情報との関連付けを行うことで、統合部にとって例えば重複領域の把握等を容易に行うことができる。
【0028】
(8)好ましくは、前記統合部は、前記第1情報に関連付けられた第1グリッドと、前記第2情報に関連付けられた第2グリッドとが所定の位置関係を満たしているか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて前記第1動的物体と前記第2動的物体とを同一物体として前記統合領域上に関連付ける。
【0029】
このように、統合部がグリッド単位で、複数の検知部それぞれで検知された動的物体に関する情報を統合領域上に関連付けることで、統合部にとってこれらの動的物体が同一物体であるか否かの判断を容易に行うことができる。
【0030】
(9)本発明の実施の形態に係る情報提供方法は、路上に設置され、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する路上検知部と、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する車載検知部を搭載する車両と、前記車両に情報を提供する情報提供装置と、を備える情報提供システムにおける情報提供方法であって、前記車載検知部の位置を示す車載検知位置情報と、前記車載検知部が検知した車載検知結果と、を含む車載検知部情報を前記情報提供装置に送信するステップと、前記路上検知部の位置を示す路上検知位置情報と、前記路上検知部が検知した路上検知結果と、を含む路上検知部情報を取得するとともに、前記車載検知部情報を取得するステップと、前記路上検知部情報と前記車載検知部情報とに基づく統合検知結果を生成するステップと、前記統合検知結果を前記車両へ送信するステップと、を含む。
【0031】
このように、統合部が複数の検知部の重複領域で検知された動的物体に関する情報を統合し、その統合検知結果を車両へ送信することで、車両にとって自己の検知部が検知した動的物体のみならず他の検知部が検知した動的物体も含む自己周辺の動的物体を正確に把握することができる。
【0032】
(10)本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラムは、路上に設置され、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する路上検知部と、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する車載検知部を搭載する車両と、を備える情報提供システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記路上検知部の位置を示す路上検知位置情報と、前記路上検知部が検知した路上検知結果と、を含む路上検知部情報を取得するとともに、前記車載検知部の位置を示す車載検知位置情報と、前記車載検知部が検知した車載検知結果と、を含む車載検知部情報を取得する取得部と、前記路上検知部情報と前記車載検知部情報とに基づく統合検知結果を生成する統合部と、前記統合検知結果を前記車両へ送信する送信部と、して機能させる。
【0033】
このように、統合部が複数の検知部の重複領域で検知された動的物体に関する情報を統合し、その統合検知結果を車両へ送信することで、車両にとって自己の検知部が検知した動的物体のみならず他の検知部が検知した動的物体も含む自己周辺の動的物体を正確に把握することができる。
【0034】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0035】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの構成を示す図である。
【0036】
図1を参照して、情報提供システム1は、サーバ10と、複数の検知部20(第1検知部20a,第2検知部20bを含む。以下も同様とする。)とを備える。なお、符号におけるアルファベット(例えば第1検知部20aにおける「a」)を省略した場合(検知部20)は、その符号の対象の総称を指すものとする。これは以降の説明においても同様である。
【0037】
検知部20は、例えばカメラやLiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)等を含むセンサであり、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体(
図1にて不図示。)を検知する。なお、検知部20は路側に設置されていても車両に設置されていてもよいが、第1実施形態では、複数の検知部20が路側に設置されている場合について説明する。
【0038】
検知部20が検知可能な領域である現実検知領域21(第1検知部20aが検知可能な領域である第1現実検知領域21a、第2検知部20bが検知可能な領域である第2現実検知領域21bを含む)は、例えば自己を中心として半径40メートルである。検知部20は、サーバ10へ、検知部20が現実検知領域21内に存在する動的物体に係る検知情報を送信する。この検知情報は、例えばLiDAR点群検知情報を含む。
【0039】
サーバ10は、例えば複数の検知部20の位置情報を有する。当該位置情報は、例えばGPS(Global Positioning System)に基づいた、緯度、経度に関する座標(以下、単に「座標」とも称する。)情報等を含む。当該位置情報は、例えば検知部20が定期的に自己の位置情報をサーバ10に送信し、サーバ10が当該位置情報を取得して管理する。
【0040】
なお、検知部20が位置情報を有しない場合には、サーバ10のオペレータがサーバ10に検知部20の位置情報を登録してもよい。
【0041】
検知部20が送信する検知情報は、例えば動的物体の位置(座標)、特徴(大きさ、形状、色)等に関する情報を含む。動的物体の詳細については後述する。
【0042】
第1実施形態では、複数の検知部20のうちの第1検知部20aと第2検知部20bそれぞれの現実検知領域21(第1現実検知領域21aと第2現実検知領域21b)が重複する領域である現実重複領域22が存在する場合を想定する。
【0043】
図2は、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムにおけるサーバの構成を示す図である。
【0044】
図2を参照して、サーバ10は、通信部4aと、生成部11と、関連付け部12とを備える。
【0045】
通信部4aは、例えば複数の検知部20から検知情報を受信し、生成部11または関連付け部12に当該検知情報を提供する。
【0046】
生成部11は、複数の検知部20のうちの第1検知部20aと第2検知部20bそれぞれの現実検知領域21(21a,21b)の一部または全部を含む領域からなる統合領域(
図2にて不図示。)を生成する。詳細については後述する。
【0047】
関連付け部12は、統合領域上における所定の領域と、所定の動的物体とを関連付ける。詳細については後述する。
【0048】
図3Aは、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの生成部が生成する統合領域の例を示す第1の説明図である。
図3Bは、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの生成部が生成する統合領域の例を示す第2の説明図である。
図3Cは、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの生成部が生成する統合領域の例を示す第3の説明図である。
図3Dは、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの生成部が生成する統合領域の例を示す第4の説明図である。
【0049】
図3A~
図3Dを参照して、複数の検知部20(20a,20b)の構成については
図1~
図2に掲載の構成と同様とし、現実検知領域21(21a,21b)の構成については
図1に掲載の構成と同様とする。
【0050】
グリッド地
図23(
図3Aの第1グリッド地
図23a、
図3Bの第2グリッド地
図23b)は、検知部20(20a,20b)及び動的物体50(50a,50b)を統合領域24に関連付けるための部分地図であり、例えば所定の大きさで区分された複数のグリッド(等間隔の格子線)から構成される。1つのグリッドの大きさは、例えば30センチメートル四方である。統合領域24の詳細については後述する。
【0051】
生成部11は、例えば現実検知領域21(21a,21b)に内接、または内包されるようにグリッド地
図23を生成する。すなわち、生成部11は、例えば現実検知領域21を、検知部20の位置を原点として複数のグリッドで区切り、そこから最大の大きさとなる四角形(正方形または長方形)を抽出することによって、グリッド地
図23を生成する。
【0052】
グリッド地
図23は、サーバ10(関連付け部12)が現実検知領域21を管理しやすいように加工した検知領域であることから、管理検知領域23とも称する。現実検知領域21(21a,21b)と管理検知領域23(23a,23b)を総称して検知領域という。そうすると、第1実施形態では、サーバ10(生成部11)は、第1検知部20aと第2検知部20bそれぞれの管理検知領域23(23a,23b)の一部または全部を含む領域からなる統合領域を生成する、とも言える。
【0053】
また、第1検知部20aと第2検知部20bそれぞれの管理検知領域23(第1管理検知領域23aと第2管理検知領域23b)が重複する領域である重複領域を管理重複領域31という。現実重複領域22と管理重複領域31を総称して重複領域という。そうすると、第1実施形態では、第1検知部20aと第2検知部20bそれぞれの管理検知領域23(23a,23b)が重複する領域である管理重複領域31が存在する場合を想定している、とも言える。
【0054】
さらに、サーバ10が、例えば複数の検知部20の位置情報、複数の検知部20が検知する方角情報等を有していれば、グリッド地
図23を構成する全てのグリッドそれぞれの中心点の座標を算出することができ、それらの座標をそれぞれのグリッドのグリッド位置に対応させることができる。
【0055】
統合領域24は、上述のグリッド地図(管理検知領域)23と同様に、例えば所定の大きさで区分された複数のグリッドから構成される。このグリッドの大きさは、例えばグリッド地
図23に用いられるグリッドの大きさと同じであるが、これに限定されるわけではなく、例えばグリッド地
図23に用いられるグリッドの大きさとは異なっていてもよい。
【0056】
サーバ10(生成部11)は、例えば、統合領域24を以下のように作成する。すなわち、生成部11は、まず、
図3Cに示すように、一つの平面上に第1グリッド地
図23aと第2グリッド地
図23bとを描く。
【0057】
次に、生成部11は、第1グリッド地
図23aと第2グリッド地
図23bそれぞれの領域において重複領域が存在する場合に、第1グリッド地
図23aにおける重複部分のグリッド(
図3Aの斜線のグリッド)と第2グリッド地
図23bにおける重複部分のグリッド(
図3Bの斜線のグリッド)とに、ずれが生じているか否かを判定する。この判定結果において、ずれが生じていない場合には、生成部11は、平面における第1グリッド地
図23aと第2グリッド地
図23bとの位置を確定する。ここで、第1実施形態ではずれが生じていないものとする。
【0058】
最後に、生成部11は、
図3Dに示すように、第1グリッド地
図23aと第2グリッド地
図23bとを含む最小の四角形が生成されるように、第1グリッド地
図23aと第2グリッド地
図23b以外の領域にグリッドを加えていく。この四角形の生成が完成することにより、この四角形が統合領域24となる。
【0059】
生成部11は、例えば
図3C,
図3Dに示すように統合領域24を構成するグリッドの縦の列と横の列それぞれにアルファベット等の符号を振る。以下の説明では、統合領域24における縦の列を示す符号と横の列を示す符号の組合せからなる位置をグリッド位置という。例えばグリッド位置が「Bf」となるグリッドは、横の列の符号が「B」、縦の列の符号が「f」であるグリッドを示すものとする。グリッド位置は、統合領域24において一意に定まり、検知情報に含まれる座標情報に基づいて設置することができる。
【0060】
ここで、横E~F列かつ縦e~f列のグリッドからなる領域は、グリッド地図(管理検知領域)23(23a,23b)それぞれのうちのいずれにも属する管理重複領域31である。一方で、横A~D列かつ縦a~d列のグリッドからなる領域、及び、横G~J列かつ縦g~j列のグリッドからなる領域はグリッド地図(管理検知領域)23(23a,23b)それぞれのうちのいずれにも属さない領域(外部領域)である。
【0061】
第1動的物体50a、第2動的物体50bは、動的物体であり、例えば人間である。なお、これらは車両や動物等であってもよい。
【0062】
また、第1実施形態においては、第1グリッド地
図23aに係る第1検知部20aの第1検知結果が示す第1動的物体50aに関する情報を第1情報とする。さらに、第2グリッド地
図23bに係る第2検知部20bの第2検知結果が示す第2動的物体50bに関する情報を第2情報とする。
【0063】
第1情報は、例えば第1動的物体50aの位置(検出位置)、特徴(大きさ、形状、色)等に関する情報を含む。第2情報は、例えば第2動的物体50bの位置(検出位置)、特徴(大きさ、形状、色)等に関する情報を含む。
【0064】
具体的には、第1情報は、第1動的物体50aの検出位置に加えて、大きさ(高さ)が1.7メートル、形状が人間、色(服の色)が青と黒である、等の情報を含む。また、第2情報は、第2動的物体50bの検出位置に加えて、大きさ(高さ)が1.7メートル、形状が人間、色(服の色)が青と黒である、等の情報を含む。
【0065】
関連付け部12は、上述の管理重複領域31が存在する場合に、管理重複領域31における第1動的物体50aに関する第1情報と、第2動的物体50bに関する第2情報とを、それぞれ複数のグリッド(統合領域24上)のうちの一部または全部のグリッドに関連付ける。具体的には、関連付け部12は、第1情報の検出位置からグリッド位置(
図3Cにおける管理重複領域31の「Fe」の位置)に変換して、そのグリッド位置のグリッドに第1情報を関連付け、第2情報の検出位置からグリッド位置(
図3Cにおける管理重複領域31の「Ef」の位置)に変換して、そのグリッド位置のグリッドに第2情報を関連付ける。
【0066】
ところで、特許文献1(特開2014-228637号公報)に記載の道路情報送信装置では、絶対位置が固定された所定の特徴物が含まれる複数の部分地図同士の位置を、特徴物の部分地図における位置に基づいて整合(統合)することで、上記特徴物を把握することができるが、複数のセンサ(検知部)で検知した、絶対位置が固定されない動的物体を把握することについてはこの特許文献1に開示も示唆もされていない。
【0067】
それに対して、本発明の実施の形態に係るサーバ10は、以上説明したように、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体50を検知する複数の検知部20を備える情報提供システム1に用いられるサーバ10であって、複数の検知部20それぞれの検知領域(現実検知領域21(21a,21b)または管理検知領域23(23a,23b))の一部または全部を含む領域からなる統合領域24を生成する生成部11と、複数の検知部20のうちの第1検知部20aと第2検知部20bそれぞれの検知領域(現実検知領域21(21a,21b)または管理検知領域23(23a,23b))において重複領域(現実重複領域22または管理重複領域31)が存在する場合に、重複領域における第1検知部20aの第1検知結果が示す第1動的物体50aに関する第1情報と、重複領域における第2検知部20bの第2検知結果が示す第2動的物体50bに関する第2情報とを、それぞれ統合領域24上に関連付ける関連付け部12と、を備える。
【0068】
このように、関連付け部12が複数の検知部20の重複領域で検知された動的物体50に関する情報を統合領域24上に関連付けることで、複数の検知部20で検知した動的物体50を正確に把握することができる。
【0069】
また、サーバ10が高度、高速な演算処理機能を有している場合は、生成部11、関連付け部12で行う処理をサーバ10で行う構成により、高速、高度な情報提供システムを提供することができる。
【0070】
また、本発明の実施の形態に係るサーバ10では、統合領域24は、所定の大きさで区分された複数のグリッドから構成され、関連付け部12は、第1情報と第2情報とを複数のグリッドのうちの一部または全部のグリッドに関連付ける。
【0071】
このように、関連付け部12が、統合領域24を当該グリッド(グリッド地図)で構成し、グリッド単位で第1情報と第2情報との関連付けを行うことで、関連付け部12にとって例えば重複領域の把握等を容易に行うことができる。
【0072】
<変形例1>
以下では、第1動的物体と第2動的物体とが同一物体である場合に好適な情報提供システム1に用いられるサーバ10について説明する。
【0073】
図4Aは、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの生成部が生成する統合領域の例を示す第5の説明図である。
図4Bは、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの生成部が生成する統合領域の例を示す第6の説明図である。
図4Cは、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの生成部が生成する統合領域の例を示す第7の説明図である。
【0074】
図4A~
図4Cを参照して、
図4Aにおける第1動的物体50cの位置が
図3Aの第1動的物体50aの位置と異なるものとし、その他の、検知部20(20a,20b)、現実検知領域21(21a,21b)、管理検知領域(グリッド地図)23(23a,23b)、統合領域24、管理重複領域31の構成については、それぞれ
図3A~
図3Dに掲載の構成と同様とする。また、
図4Bにおける第2動的物体50dの位置は、
図3A~
図3Dの第2動的物体50bの位置と同様とする。また、
図4Cにおける統合領域24の作成手順は、上述の
図3A~
図3D等の説明と同様であるので省略する。
【0075】
ここで、第1動的物体50cと第2動的物体50dとが同一物体である場合に、関連付け部12は、第1動的物体50cに関する第1情報と第2動的物体50dに関する第2情報とに基づいて、第1動的物体50cと第2動的物体50dとを同一物体70として統合領域24上に関連付ける。
【0076】
具体的には、例えば関連付け部12は、(1)第1動的物体50cの位置と第2動的物体50dの位置とが所定の条件を満たしているか否か、あるいは(2)第1動的物体50cの特徴と第2動的物体50dの特徴とが所定の条件を満たしているか否か、等の判定を行い、その判定結果に基づいて第1動的物体50cと第2動的物体50dとを同一物体70として統合領域24上に関連付ける。
【0077】
上記(1)について、より詳細には、関連付け部12は、第1情報(第1動的物体50cに関する情報)に関連付けられた第1グリッドと、第2情報(第2動的物体50dに関する情報)に関連付けられた第2グリッドとが所定の位置関係を満たしているか否かの判定を行う。
【0078】
所定の位置関係とは、例えば、第1動的物体50cが存在する第1グリッド位置と第2動的物体50dが存在する第2グリッド位置とが、管理重複領域31内における同じグリッド位置(
図4Cの場合はグリッド位置「Ef」)となる関係を含む。なお、所定の位置関係は、上述した同じグリッド位置同士となる関係に限られず、隣接するグリッド位置同士となる関係(例えば
図4Cでグリッド位置「Ef」とグリッド位置「Ff」)であってもよい。
【0079】
なお、上記(1)に加えて、関連付け部12は、複数の検知部20が例えばLiDARであり、第1情報及び第2情報にそれぞれ動的物体50(50c,50d)が向いている方向に関する情報(以下、「向き情報」とも称する。)が含まれていれば、これらの情報に基づいて第1動的物体50cと第2動的物体50dとが同一物体70であるか否かの判断をしてもよい。
【0080】
より詳細には、関連付け部12は、例えば第1検知部20aの位置情報と、第1動的物体50cの位置情報及び向き(第1検知部20aから見た相対的な向き)情報等に基づいて、第1動的物体50cが向いている方向が南であると判断したとする。同様に、第2検知部20bの位置情報と、第2動的物体50dの位置情報及び向き(第2検知部20bから見た相対的な向き)情報等に基づいて、第2動的物体50dが向いている方向が南であると判断した場合に、第1動的物体50cと第2動的物体50dとを同一物体70としてもよい。
【0081】
また、上記(2)について、上記の特徴とは例えば大きさ(体積)、形状、色である。複数の検知部20が例えばLiDARである場合、当該LiDARによって動的物体50(50c,50d)の大きさや形状は認識可能である。関連付け部12は、これらの大きさや形状の情報に基づいて第1動的物体50cと第2動的物体50dとが同一物体70であるか否かの判断をしてもよい。
【0082】
また、複数の検知部20が例えばカメラである場合、関連付け部12は、当該カメラから送信された画像データを解析し、色に関する情報(RGB値)に基づいて第1動的物体50cと第2動的物体50dとが同一物体70であるか否かの判断をしてもよい。
【0083】
所定の条件を満たすとは、例えば第1動的物体50cの特徴を示す数値と第2動的物体50dの特徴を示す数値とが一致することまたはこれらの数値の差異が所定の範囲内に含まれることをいう。
【0084】
より詳細には、所定の条件を満たすか否かの判断は、[1]第1動的物体50cが向いている方向と第2動的物体50dが向いている方向との差異が例えば45度以内(さらに好ましくは30度以内、さらに好ましくは20度以内、さらに好ましくは10度以内)であるか否か、[2]第1動的物体50cの大きさ(体積)と第2動的物体50dの大きさ(体積)との差異が10%以内(さらに好ましくは5%以内、さらに好ましくは3%以内、さらに好ましくは1%以内)であるか否か、[3]第1動的物体50cの色(RGB値)と第2動的物体50dの色(RGB値)とのR値、G値、B値それぞれの差異が10%以内(さらに好ましくは5%以内、さらに好ましくは3%以内、さらに好ましくは1%以内)であるか否か、等の判断を含む。
【0085】
なお、[4]第1動的物体50cの形状と第2動的物体50dの形状とが所定の条件を満たしているか否か、の判定については、例えば形状パターンの認識技術(形状マッチング技術)を用いて行うことができる。
【0086】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係るサーバ10では、関連付け部12は、さらに、第1情報と第2情報とに基づいて、第1動的物体50cと第2動的物体50dとを同一物体70として統合領域24上に関連付ける。
【0087】
このような構成により、複数の検知部20それぞれで検知された動的物体50(50c,50d)が同一である場合に、関連付け部12はこれらの動的物体50(50c,50d)を同一物体70として正確に判断することができる。
【0088】
また、本発明の実施の形態に係るサーバ10では、関連付け部12は、第1動的物体50cの位置と第2動的物体50dの位置とが所定の条件を満たしているか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて第1動的物体50cと第2動的物体50dとを同一物体70として統合領域24上に関連付ける。
【0089】
このように、関連付け部12が、複数の検知部20それぞれで検知された動的物体50(50c,50d)の位置が所定の条件を満たしているか否かの判定を行うことで、これらの動的物体50(50c,50d)が同一物体70であるか否かをより正確に判断することができる。
【0090】
また、本発明の実施の形態に係るサーバ10では、関連付け部12は、第1動的物体50cの特徴と第2動的物体50dの特徴とが所定の条件を満たしているか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて第1動的物体50cと第2動的物体50dとを同一物体70として統合領域24上に関連付ける。
【0091】
このように、関連付け部12が、複数の検知部20それぞれで検知された動的物体50(50c,50d)の特徴が所定の条件を満たしているか否かの判定を行うことで、これらの動的物体50(50c,50d)が同一物体70であるか否かをより正確に判断することができる。
【0092】
また、本発明の実施の形態に係るサーバ10では、関連付け部12は、第1情報に関連付けられた第1グリッドと、第2情報に関連付けられた第2グリッドとが所定の位置関係を満たしているか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて第1動的物体50cと第2動的物体50dとを同一物体70として統合領域24上に関連付ける。
【0093】
このように、関連付け部12が、グリッド単位で、複数の検知部20それぞれで検知された動的物体50(50c,50d)に関する情報を統合領域24上に関連付けることで、関連付け部12にとってこれらの動的物体が同一物体70であるか否かの判断を容易に行うことができる。
【0094】
<第1実施形態に係る情報提供システムの処理フロー>
図5は、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの処理フローを示す図である。
【0095】
図5を参照して、まずサーバ10(生成部11)は、複数の検知部20(20a,20b)それぞれの検知領域(現実検知領域21(21a,21b)または管理検知領域23(23a,23b))の一部または全部を含む領域からなる統合領域24を生成する(ステップS101)。
【0096】
次に、サーバ10(関連付け部12)は、例えば複数の検知部20のうちの第1検知部20aと第2検知部20bそれぞれの検知領域(現実検知領域21(21a,21b)または管理検知領域23(23a,23b))において重複領域(現実重複領域22または管理重複領域31)が存在する場合に、重複領域における第1検知部20aの第1検知結果が示す第1動的物体50cに関する第1情報と、重複領域における第2検知部20bの第2検知結果が示す第2動的物体50dに関する第2情報とに基づいて、第1動的物体50cと第2動的物体50dとを同一物体70として統合領域24上に関連付ける(ステップS102)。この関連付けの詳細については、上述の
図4A~
図4C等の説明と同様であるので省略する。
【0097】
第1動的物体50cと第2動的物体50dとが同一物体であるか否かは、例えば動的物体50それぞれの位置が所定の条件を満たしているか否か、動的物体50それぞれの特徴が所定の条件を満たしているか否か、等の判定を行い、その判定結果に基づいて行う。この判定の詳細についても、上述の
図4A~
図4C等の説明と同様であるので省略する。
【0098】
なお、サーバ10(関連付け部12)は、第1動的物体50aと第2動的物体50bとが同一物体70でない場合等は、単に上述の第1情報と第2情報とを、それぞれ統合領域24上に関連付ければよい。すなわち、第1動的物体50aと第2動的物体50bとを同一物体70と判断せずに、単に第1動的物体50aと第2動的物体50bとを統合領域24上に関連付ければよい。この場合の動作の詳細については、上述の
図3A~
図3D等の説明と同様であるので省略する。
【0099】
このように、関連付け部12が複数の検知部20の重複領域で検知された動的物体50に関する情報を統合領域24上に関連付けることで、複数の検知部20で検知した動的物体50を正確に把握することができる。
【0100】
<第2実施形態>
上述の第1実施形態では複数の検知部が路側に設置されている構成について説明したが、これに限定されるわけではない。本発明の第2実施形態では、複数の検知部のうちの一部が車両に設置されている構成について説明する。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0101】
図6は、本発明の第2実施形態に係る情報提供システムの構成を示す図である。
【0102】
図6を参照して、情報提供システム1は、サーバ(情報提供装置)13と、路上検知部40aと、車載検知部40bを搭載した車両2とを備える。以下、路上検知部40a,車載検知部40bを含む検知部それぞれを、「検知部40」とも表記する。
【0103】
路上検知部40aは、例えばカメラやLiDAR等を含むセンサであり、路上に設置され、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体(
図6にて不図示。)を検知する。
【0104】
車載検知部40bは、例えばカメラやLiDAR等を含むセンサを備え、このセンサにより、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体(
図6にて不図示。)を検知する。
【0105】
路上検知部40aや車載検知部40bが検知可能な領域である現実検知領域25(路上検知部40aが検知可能な領域である第1現実検知領域25a、車載検知部40bが検知可能な領域である第2現実検知領域25bを含む)は、例えば自己を中心として半径40メートルである。路上検知部40aや車載検知部40bは、サーバ13へ、路上検知部40aや車載検知部40bが現実検知領域25内に存在する動的物体に係る検知情報を送信する。この検知情報は、例えばLiDAR点群検知情報を含む。
【0106】
サーバ13は、例えば路上検知部40aや車載検知部40bの位置情報を有する。当該位置情報は、例えばGPSに基づいた座標情報等を含む。当該位置情報は、例えば路上検知部40aや車載検知部40bが定期的に自己の位置情報をサーバ13に送信し、サーバ13が当該位置情報を取得して管理する。
【0107】
路上検知部40aや車載検知部40bが送信する検知情報は、例えば動的物体の位置(座標)、特徴(大きさ、形状、色)等に関する情報を含む。動的物体の詳細については、第1実施形態(上述の
図3A~
図3D等の説明)と同様であるので説明を省略する。
【0108】
第2実施形態では、路上検知部40aと車載検知部40bそれぞれの現実検知領域25(第1現実検知領域25aと第2現実検知領域25b)が重複する領域である現実重複領域27が存在する場合を想定する。
【0109】
図7は、本発明の第2実施形態に係る情報提供システムにおけるサーバの構成を示す図である。
【0110】
図7を参照して、サーバ13は、通信部4bと統合部80とを備え、通信部4bは、さらに、取得部14と送信部15とを備える。
【0111】
路上検知部40aは、自己の位置を示す路上検知位置情報と、路上検知部40aが検知した路上検知結果と、を含む路上検知部情報をサーバ13(取得部14)に送信する。路上検知位置情報は、例えばGPSに基づいた座標情報等を含む。路上検知結果は、例えば動的物体に関する情報を示す結果(検知情報)を含む。なお、路上検知部40aは、路上検知位置情報を含まない路上検知部情報を送信してもよい。この場合、サーバ13のオペレータが路上検知部40aの位置をサーバに入力し、サーバ13(取得部14)はこれを取得する。
【0112】
車載検知部40b(車両2)は、自己の位置を示す車載検知位置情報と、車載検知部40bが検知した車載検知結果と、を含む車載検知部情報をサーバ13(取得部14)に送信する。車載検知位置情報は、例えばGPSに基づいた座標情報等を含む。車載検知結果は、例えば動的物体に関する情報を示す結果(検知情報)を含む。
【0113】
取得部14は、路上検知部40aから送信された路上検知部情報を取得するとともに、車載検知部40bから送信された車載検知部情報を取得する。路上検知結果は、例えば動的物体に関する情報を示す結果(検知情報)を含む。統合部80、送信部15の動作については後述する。
【0114】
図8Aは、本発明の第2実施形態に係る情報提供システムの統合部が生成する統合領域の例を示す説明図である。
図8Bは、本発明の第2実施形態に係る情報提供システムの統合部が生成する統合領域の例を示す第2の説明図である。
図8Cは、本発明の第2実施形態に係る情報提供システムの統合部が生成する統合領域の例を示す第3の説明図である。
【0115】
図8A~
図8Cを参照して、路上検知部40aと車載検知部40bとの構成については
図6~
図7に掲載の構成と同様とし、現実検知領域25(25a,25b)の構成については
図6に掲載の構成と同様とする。
【0116】
グリッド地
図28(
図8Aの第1グリッド地
図28a、
図8Bの第2グリッド地
図28b)は、検知部40(40a,40b)及び動的物体51(51a~51c)を
図8Cの統合領域26に関連付けるための部分地図であり、例えば所定の大きさで区分された複数のグリッドから構成される。1つのグリッドの大きさは、例えば30センチメートル四方である。統合領域26の詳細については後述する。
【0117】
統合部80は、例えば現実検知領域25(25a,25b)に内接、または内包されるようにグリッド地
図28を生成する。すなわち、統合部80は、例えば現実検知領域25を、検知部40の位置を原点として複数のグリッドで区切り、そこから最大の大きさとなる四角形(正方形または長方形)を抽出することによって、グリッド地
図28を生成する。
【0118】
グリッド地
図28は、サーバ13(統合部80)が現実検知領域25を管理しやすいように加工した検知領域であることから、第1実施形態と同様に管理検知領域28とも称する。現実検知領域25(25a,25b)と管理検知領域28(28a,28b)を総称して検知領域という。そうすると、第2実施形態では、サーバ13(統合部80)は、路上検知部40aと車載検知部40bそれぞれの管理検知領域28(28a,28b)の一部または全部を含む領域からなる統合領域を生成する、とも言える。
【0119】
また、路上検知部40aと車載検知部40bそれぞれの管理検知領域28(第1管理検知領域28aと第2管理検知領域28b)が重複する領域である重複領域を第1実施形態と同様に管理重複領域32という。現実重複領域27と管理重複領域32を総称して重複領域という。そうすると、第2実施形態では、路上検知部40aと車載検知部40bそれぞれの管理検知領域28(28a,28b)が重複する領域である管理重複領域32が存在する場合を想定している、とも言える。
【0120】
さらに、サーバ13が、例えば複数の検知部40の位置情報、複数の検知部40が検知する方角情報等を有していれば、グリッド地
図28を構成する全てのグリッドそれぞれの中心点の座標を算出することができ、それらの座標をそれぞれのグリッドのグリッド位置に対応させることができる。
【0121】
第1動的物体51a,51b、第2動的物体51cは、動的物体であり、例えば人間である。なお、これらは車両2を除く他の車両や動物等であってもよい。
【0122】
また、第2実施形態においては、第1グリッド地
図28aに係る路上検知部40aの路上検知結果が示す第1動的物体51a,51bに関する情報を第1情報とする。さらに、第2グリッド地
図28bに係る車載検知部40bの車載検知結果が示す第2動的物体51cに関する情報を第2情報とする。
【0123】
第1情報は、例えば第1動的物体51a,51bの位置(検出位置)、特徴(大きさ、形状、色)等に関する情報を含む。第2情報は、例えば第2動的物体51cの位置(検出位置)、特徴(大きさ、形状、色)等に関する情報を含む。
【0124】
具体的には、第1情報は、第1動的物体51aの検出位置に加えて、大きさ(高さ)が1.7メートル、形状が人間、色(服の色)が青と黒である、等の情報や、第1動的物体51bの検出位置に加えて、大きさ(高さ)が1.7メートル、形状が人間、色(服の色)が青と黒である、等の情報を含む。また、第2情報は、第2動的物体51cの検出位置に加えて、大きさ(高さ)が1.7メートル、形状が人間、色(服の色)が青と黒である、等の情報を含む。
【0125】
なお、第2実施形態の統合領域26においても、上述の第1実施形態の統合領域24と同様に、統合部80によって路上検知部40aと車載検知部40bそれぞれの検知領域(現実検知領域25(25a,25b)または管理検知領域28(28a,28b))の一部または全部を含む領域として生成され、例えば所定の大きさで区分された複数のグリッドから構成される。
【0126】
このグリッドの大きさは、例えばグリッド地
図28に用いられるグリッドの大きさと同じであるが、これに限定されるわけではなく、例えばグリッド地
図28に用いられるグリッドの大きさとは異なっていてもよい。また、統合領域26の作成手順は、第1実施形態(上述の
図3A~
図3D等の説明)と同様であるので説明を省略する。
【0127】
統合部80は、例えば第1実施形態の関連付け部12と同様、上述の管理重複領域32が存在する場合に、管理重複領域32における第1動的物体51aに関する第1情報と、第2動的物体51cに関する第2情報とを、それぞれ複数のグリッド(統合領域26上)のうちの一部または全部のグリッドに関連付ける。具体的には、統合部80は、統合領域26上において、管理重複領域32のうちのグリッド位置「Ef」に第1動的物体51aを関連付け、管理重複領域32のうちのグリッド位置「Ef」に第2動的物体51cを関連付ける。
【0128】
なお、第1実施形態(上述の
図4A~
図4C等の説明)と同様、第1動的物体51aと第2動的物体51cとが同一物体である場合に、統合部80は、第1動的物体51aに関する第1情報と第2動的物体51cに関する第2情報とに基づいて、第1動的物体51aと第2動的物体51cとを同一物体71として統合領域26上に関連付けてもよい。
【0129】
このように、統合部80は、上述の管理重複領域32が存在する場合に、路上検知部情報と車載検知部情報とに基づく統合検知結果(各情報を関連付けた結果)を生成する。
【0130】
サーバ13(送信部15)は、上記統合検知結果を含む情報を車載検知部40bに送信する。
【0131】
なお、統合部80は、上述の管理重複領域32が存在しない場合であっても、上記統合検知結果を生成してもよい。すなわち、統合部80は、上述の管理重複領域32が存在しない場合であっても、管理検知領域28における動的物体51を、統合領域26上の所定のグリッド位置に関連付けてもよい。
【0132】
このような構成により、車載検知部40bにとって例えば死角となる情報を検知することができる。したがって、車載検知部40bにとって自己が検知した動的物体51(第2動的物体51c)のみならず路上検知部40aが検知した動的物体51(第1動的物体51a,51b)も含む自己周辺の動的物体51(51a~51c)、特に第1動的物体51bを正確に把握することができる。
【0133】
より具体的には、
図6に示すような障害物3が存在する場合、車載検知部40bにとって自己の周辺の第1動的物体51bを検知する妨げとなり得る。すなわち、障害物3が原因で車載検知部40bが第1動的物体51bを検知できない場合がある。このような場合であっても、路上検知部40aが第1動的物体51bを検知し、さらにサーバ13(統合部80、送信部15)が統合検知結果を生成して統合検知結果を車載検知部40bへ送信することで、車載検知部40bは第1動的物体51bを検知することができる。
【0134】
ところで、特許文献1(特開2014-228637号公報)に記載の道路情報送信装置では、絶対位置が固定された所定の特徴物が含まれる複数の部分地図同士の位置を、特徴物の部分地図における位置に基づいて整合(統合)することで、上記特徴物を把握することができるが、車両にとって、自己の検知部が検知した絶対位置が固定されない動的物体のみならず、他の検知部が検知した動的物体も含む自己周辺の動的物体を把握することについて開示も示唆もされていない。
【0135】
それに対して、本発明の実施の形態に係る情報提供システム1は、以上説明したように、路上に設置され、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体51(第1動的物体51a,51b)を検知する路上検知部40aと、自己が検知可能な領域内に存在する動的物体51(第2動的物体51c)を検知する車載検知部40bを搭載する車両2と、車両2に情報を提供するサーバ(情報提供装置)13と、を備え、車両2は、車載検知部40bの位置を示す車載検知位置情報と、車載検知部40bが検知した車載検知結果と、を含む車載検知部情報をサーバ(情報提供装置)13に送信し、サーバ(情報提供装置)13は、路上検知部40aの位置を示す路上検知位置情報と、路上検知部40aが検知した路上検知結果と、を含む路上検知部情報を取得するとともに、車載検知部情報を取得する取得部14と、路上検知部情報と車載検知部情報とに基づく統合検知結果を生成する統合部80と、統合検知結果を車両2へ送信する送信部15と、を備える。
【0136】
このように、統合部80が複数の検知部40で検知された動的物体51(51a~51c)に関する情報を統合し、その統合検知結果を車両2(車載検知部40b)へ送信することで、車両2(車載検知部40b)にとって自己の検知部40bが検知した動的物体51(第2動的物体51c)のみならず他の検知部40aが検知した動的物体51(第1動的物体51a,51b)も含む自己周辺の動的物体51(51a~51c)を正確に把握することができる。
【0137】
さらに、サーバ13が高度、高速な演算処理機能を有している場合は、取得部14、統合部80、送信部15で行う処理をサーバ13で行う構成により、高速、高度な情報提供システムを提供することができる。
【0138】
また、本発明の実施の形態に係る情報提供システム1では、統合部80は、さらに、路上検知部40aと車載検知部40bそれぞれの検知領域(現実検知領域25(25a,25b)または管理検知領域28(28a,28b))の一部または全部を含む領域からなる統合領域26を生成し、路上検知部40aと車載検知部40bそれぞれの検知領域(現実検知領域25(25a,25b)または管理検知領域28(28a,28b))において重複領域(現実重複領域27または管理重複領域32)が存在する場合に、重複領域における路上検知結果が示す第1動的物体51aに関する第1情報と、重複領域における車載検知結果が示す第2動的物体51cに関する第2情報とを、それぞれ統合領域26上に関連付ける。
【0139】
このように、統合部80が複数の検知部40の重複領域で検知された動的物体51(第1動的物体51a,第2動的物体51c)に関する情報を統合領域26上に関連付けることで、車載検知部40bにとって自己が検知した動的物体51(第2動的物体51c)のみならず他の検知部40(路上検知部40a)が検知した動的物体51(第1動的物体51a)も含む自己周辺の動的物体51を正確に把握することができる。
【0140】
また、本発明の実施の形態に係る情報提供システム1では、統合部80は、さらに、第1情報と第2情報とに基づいて、第1動的物体51aと第2動的物体51cとを同一物体71として統合領域26上に関連付ける。
【0141】
このような構成により、複数の検知部40それぞれで検知された動的物体51(第1動的物体51a,第2動的物体51c)が同一である場合に、統合部80はこれらの動的物体51(第1動的物体51a,第2動的物体51c)を同一物体71として正確に判断することができる。
【0142】
また、統合領域26は、所定の大きさで区分された複数のグリッドから構成され、統合部80は、第1情報と第2情報とを複数のグリッドのうちの一部または全部のグリッドに関連付ける。
【0143】
このように、統合部80が統合領域26を当該グリッド(グリッド地図)で構成し、グリッド単位で第1情報と第2情報との関連付けを行うことで、統合部80にとって例えば重複領域の把握等を容易に行うことができる。
【0144】
また、統合部80は、第1情報に関連付けられた第1グリッドと、第2情報に関連付けられた第2グリッドとが所定の位置関係を満たしているか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて第1動的物体51aと第2動的物体51cとを同一物体71として統合領域26上に関連付ける。
【0145】
このように、統合部80がグリッド単位で、複数の検知部40それぞれで検知された動的物体51(第1動的物体51a,第2動的物体51c)に関する情報を統合領域26上に関連付けることで、統合部80にとってこれらの動的物体51(第1動的物体51a,第2動的物体51c)が同一物体71であるか否かの判断を容易に行うことができる。
【0146】
<変形例2>
路上検知部情報は、さらに、路上検知部40aが取得部14へ送信した第1時刻情報を含み、車載検知部情報は、さらに、車両2(車載検知部40b)が取得部14へ送信した第2時刻情報を含み、統合部80は、さらに、第1時刻情報と、第2時刻情報とを関連付けてもよい。
【0147】
このような構成により、統合部80は、例えば路上検知部40aからサーバ(情報提供装置)13(取得部14)への情報伝送時間と、車載検知部40bからサーバ(情報提供装置)13(取得部14)への情報伝送時間とが異なる場合であっても、各時刻情報を関連付けることができる。したがって、車両2(車載検知部40b)にとって自己の検知部40bが検知した動的物体51(第2動的物体51c)のみならず他の検知部40aが検知した動的物体51(第1動的物体51a,51b)も含む自己周辺の動的物体51(51a~51c)をより正確に把握することができる。
【0148】
また、車両2は、自己が第1地点へ接近した場合に、車載検知部情報をサーバ(情報提供装置)13に送信してもよい。第1地点は、例えば交差点等を含むがこれに限られず、本発明の実施の形態に係る情報提供システムが適用可能な地点であればよい。
【0149】
なお、車両2(車載検知部40b)が第1地点へ接近したか否かの判定は、例えば車載検知部40bが、自己の位置情報と第1地点の位置情報とに基づいて、車載検知部40bの位置と第1地点の位置との間の距離が所定メートル以内(例えば、10メートル以内、30メートル以内、50メートル以内、100メートル以内)であるか否か、の判定を含む。
【0150】
このような構成により、サーバ(情報提供装置)13は、車両2(車載検知部40b)が車載検知部情報を自己に送信するタイミングを正確に把握することができる。
【0151】
あるいは、路上検知部40aは、さらに、車両2の第1地点への接近を検知して、その接近検知情報を車両2に送信し、車両2は、その接近検知情報に基づいて、車載検知部情報をサーバ(情報提供装置)13に送信してもよい。
【0152】
なお、車両2(車載検知部40b)が第1地点へ接近したか否かの判定は、例えば路上検知部40aが、車載検知部40bの位置情報と第1地点の位置情報とに基づいて、車載検知部40bの位置と第1地点の位置との間の距離が所定メートル以内(例えば、10メートル以内、30メートル以内、50メートル以内、100メートル以内)であるか否か、の判定を含む。
【0153】
このような構成によっても、サーバ(情報提供装置)13は、車両2(車載検知部40b)が車載検知部情報を自己に送信するタイミングを正確に把握することができる。
【0154】
<第2実施形態に係る情報提供システムの処理フロー>
図9は、本発明の第2実施形態に係る情報提供システムの処理フローを示す図である。
【0155】
図9を参照して、まず車載検知部40bは、例えば自己が第1地点へ接近したか否かを判断する(ステップS201)。
【0156】
次に、車載検知部40bは、例えば上述の車載検知部情報をサーバ13に送信する(ステップS202)。
【0157】
なお、車載検知部40bは、自己が第1地点へ接近した場合に、車載検知部情報をサーバ13に送信する構成であってもよい。あるいは、車載検知部40bは、路上検知部40aが車載検知部40bの第1地点への接近を検知して、その接近検知情報を車載検知部40bに送信し、車載検知部40bが、その接近検知情報に基づいて車載検知部情報をサーバ13に送信する構成であってもよい。
【0158】
次に、サーバ13(取得部14)は、例えば上述の路上検知部情報と車載検知部情報とを取得する。さらに、サーバ13(統合部80)は、例えばこれらの路上検知部情報と車載検知部情報とに基づく統合検知結果を生成し、上述の重複領域(現実重複領域27または管理重複領域32)が存在する場合に、第1動的物体51a,51bに関する上述の第1情報と第2動的物体51cに関する上述の第2情報とを、それぞれ上述の統合領域26上に関連付ける(ステップS203)。なお、重複領域が存在しない場合は、当該第1情報と当該第2情報とをそれぞれ統合領域26上に関連付けずに、後述のステップS204へ進んでもよい。
【0159】
最後に、サーバ13(送信部15)は、例えば統合検知結果を車載検知部40bへ送信する(ステップS204)。
【0160】
このように、統合部80が複数の検知部40で検知された動的物体51(51a~51c)に関する情報を統合し、その統合検知結果を車両2(車載検知部40b)へ送信することで、車両2(車載検知部40b)にとって自己の検知部40bが検知した動的物体51(第2動的物体51c)のみならず他の検知部40aが検知した動的物体51(第1動的物体51a,51b)も含む自己周辺の動的物体51(51a~51c)を正確に把握することができる。
【0161】
<その他の変形例>
情報提供システム1における車両2、サーバ13、検知部20、検知部40や、サーバ13に係る生成部11、関連付け部12、取得部14、統合部80、送信部15、また、これらに備えられる各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、上記実施の形態に記載の構成、動作、シーケンス図またはフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0162】
また、上記実施の形態は、生成部11、関連付け部12や、取得部14、統合部80、送信部15のうちの少なくともいずれか1つは、サーバ10またはサーバ13に備えられていなくてもよい。
【0163】
また、生成部11、関連付け部12のうちの少なくともいずれか1つは、通信部4aを有する車両2に備えられていてもよい。生成部11、関連付け部12のそれぞれ全てが車両2に備えられている場合は、サーバ10を用いずに本発明の実施の形態に係る情報提供システムを実現することができる。
【0164】
また、サーバ10に係る、生成部11、関連付け部12、及び検知部20、及びサーバ13に係る、取得部14、統合部80、送信部15、のうちの少なくともいずれか1つは、車両2を除く他の車両、例えば車両2の周辺を走行する車両または車両2の周辺に停車している車両に備えられていてもよい。このような構成により、車両2と、車両2を除く他の車両との車車間通信を行うことで、本発明の実施の形態に係る情報提供システムを実現することができる。なお、車両2を除く他の車両が生成部11または関連付け部12を備える場合は、当該他の車両が通信部4aを有していればよい。
【0165】
また、グリッド地
図23(グリッド地
図28)は、グリッド毎にID(identifier)を振り分ける構成であってもよい。このような構成により、サーバ10(関連付け部12)あるいはサーバ13(統合部80)が動的物体50(動的物体51)の位置を管理しやすくなり、各動的物体が同一物体70(同一物体71)であるか否かをより正確に判断することができる。
【0166】
なお、複数のグリッド地
図23(グリッド地
図28)から統合領域24(統合領域26)を作成する際、複数のグリッド地
図23(グリッド地
図28)それぞれの重複部分のグリッドにずれが生じ、完全に一致しない場合等においては、サーバ10(関連付け部12)あるいはサーバ13(統合部80)は、各グリッドの中から主となるグリッド地図(主グリッド地図)を代表して選択し、それ以外のグリッド地図を主グリッド地図に合わせ込むように位置(座標)調整してもよい。この場合、サーバ10(関連付け部12)あるいはサーバ13(統合部80)は、第1情報と第2情報の統合領域24(統合領域26)への関連付けも位置調整を考慮して行う。このような構成により、主グリッド地図を基準として統合領域24(統合領域26)を生成しやすくすることができる。
【0167】
また、検知部20(検知部40)及び動的物体50(動的物体51)を1つの領域に配置するための部分地図は、グリッド地
図23(グリッド地
図28)である場合を想定したが、これに限定されるわけではない。グリッド地図以外の地図、すなわち等間隔の格子線がない地図においても、サーバ10(関連付け部12)あるいはサーバ13(統合部80)は、検知部20の現実重複領域22(検知部40の現実重複領域27)で検知された動的物体50(動的物体51)に関する情報を統合領域24(統合領域26)上に関連付けることで、検知部20で検知した動的物体50(検知部40で検知した動的物体51)を正確に把握することができる。この場合、例えば現実重複領域22は管理重複領域31よりも広範囲となるので、動的物体50をより広範囲に把握することができる。
【0168】
このような等間隔の格子線がない地図の場合においては、関連付け部12は、第1実施形態(上述の
図4A~
図4Cの説明)における所定の条件を満たすか否かの判断において、さらに第1情報と第2情報の検出位置(座標)情報を用いて、統合領域24への関連付けを行ってもよい。具体的には、関連付け部12は、[5]第1動的物体50cの位置(座標)と第2動的物体50dの位置(座標)との差異が例えば1メートル以内(さらに好ましくは50センチメートル以内、さらに好ましくは30センチメートル以内、さらに好ましくは10センチメートル以内)であるか否か、の判断を行って、統合領域24への関連付けを行ってもよい。
【0169】
上記実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0170】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する複数の検知部を備える情報提供システムに用いられるサーバであって、前記複数の検知部それぞれの検知領域の一部または全部を含む領域からなる統合領域を生成する生成部と、前記複数の検知部のうちの第1検知部と第2検知部それぞれの検知領域において重複領域が存在する場合に、前記重複領域における前記第1検知部の第1検知結果が示す第1動的物体に関する第1情報と、前記重複領域における前記第2検知部の第2検知結果が示す第2動的物体に関する第2情報とを、それぞれ前記統合領域上に関連付ける関連付け部と、を備える、サーバ。
このように、関連付け部が複数の検知部の重複領域で検知された動的物体に関する情報を統合領域上に関連付けることで、複数の検知部で検知した動的物体を正確に把握することができる。
[付記2]
前記関連付け部は、さらに、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記第1動的物体と前記第2動的物体とを同一物体として前記統合領域上に関連付ける、付記1に記載のサーバ。
このような構成により、複数の検知部それぞれで検知された動的物体が同一である場合に、関連付け部はこれらの動的物体を同一物体として正確に判断することができる。
[付記3]
前記関連付け部は、前記第1動的物体の位置と前記第2動的物体の位置とが所定の条件を満たしているか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて前記第1動的物体と前記第2動的物体とを同一物体として前記統合領域上に関連付ける、付記2に記載のサーバ。
このように、関連付け部が、複数の検知部それぞれで検知された動的物体の位置が所定の条件を満たしているか否かの判定を行うことで、これらの動的物体が同一物体であるか否かをより正確に判断することができる。
[付記4]
前記関連付け部は、前記第1動的物体の特徴と前記第2動的物体の特徴とが所定の条件を満たしているか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて前記第1動的物体と前記第2動的物体とを同一物体として前記統合領域上に関連付ける、付記2または付記3に記載のサーバ。
このように、関連付け部が、複数の検知部それぞれで検知された動的物体の特徴が所定の条件を満たしているか否かの判定を行うことで、これらの動的物体が同一物体であるか否かをより正確に判断することができる。
[付記5]
前記統合領域は、所定の大きさで区分された複数のグリッドから構成され、前記関連付け部は、前記第1情報と前記第2情報とを前記複数のグリッドのうちの一部または全部のグリッドに関連付ける、付記1から付記4のいずれかに記載のサーバ。
このように、関連付け部が、統合領域を当該グリッド(グリッド地図)で構成し、グリッド単位で第1情報と第2情報との関連付けを行うことで、関連付け部にとって例えば重複領域の把握等を容易に行うことができる。
[付記6]
前記関連付け部は、前記第1情報に関連付けられた第1グリッドと、前記第2情報に関連付けられた第2グリッドとが所定の位置関係を満たしているか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて前記第1動的物体と前記第2動的物体とを同一物体として前記統合領域上に関連付ける、付記5に記載のサーバ。
このように、関連付け部が、グリッド単位で、複数の検知部それぞれで検知された動的物体に関する情報を統合領域上に関連付けることで、関連付け部にとってこれらの動的物体が同一物体であるか否かの判断を容易に行うことができる。
[付記7]
自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する複数の検知部を備える情報提供システムにおける情報提供方法であって、前記複数の検知部それぞれの検知領域の一部または全部を含む領域からなる統合領域を生成するステップと、前記複数の検知部のうちの第1検知部と第2検知部それぞれの検知領域において重複領域が存在する場合に、前記重複領域における前記第1検知部の第1検知結果が示す第1動的物体に関する第1情報と、前記重複領域における前記第2検知部の第2検知結果が示す第2動的物体に関する第2情報とを、それぞれ前記統合領域上に関連付けるステップと、を含む、情報提供方法。
このように、関連付け部が複数の検知部の重複領域で検知された動的物体に関する情報を統合領域上に関連付けることで、複数の検知部で検知した動的物体を正確に把握することができる。
[付記8]
自己が検知可能な領域内に存在する動的物体を検知する複数の検知部を備える情報提供システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記複数の検知部それぞれの検知領域の一部または全部を含む領域からなる統合領域を生成する生成部と、前記複数の検知部のうちの第1検知部と第2検知部それぞれの検知領域において重複領域が存在する場合に、前記重複領域における前記第1検知部の第1検知結果が示す第1動的物体に関する第1情報と、前記重複領域における前記第2検知部の第2検知結果が示す第2動的物体に関する第2情報とを、それぞれ前記統合領域上に関連付ける関連付け部と、して機能させる、コンピュータプログラム。
このように、関連付け部が複数の検知部の重複領域で検知された動的物体に関する情報を統合領域上に関連付けることで、複数の検知部で検知した動的物体を正確に把握することができる。
【符号の説明】
【0171】
1 情報提供システム
2 車両
3 障害物
4,4a,4b 通信部
10 サーバ
11 生成部
12 関連付け部
13 サーバ(情報提供装置)
14 取得部
15 送信部
20 検知部
20a 第1検知部
20b 第2検知部
21,25 現実検知領域
21a,25a 第1現実検知領域
21b,25b 第2現実検知領域
22,27 現実重複領域
23,28 グリッド地図(管理検知領域)
23a,28a 第1グリッド地図(第1管理検知領域)
23b,28b 第2グリッド地図(第2管理検知領域)
24,26 統合領域
31,32 管理重複領域
40 検知部
40a 路上検知部
40b 車載検知部
50,51 動的物体
50a,50c,51a,51b 第1動的物体
50b,50d,51c 第2動的物体
70,71 同一物体
80 統合部