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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】画像出力方法、および画像出力システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/765 20060101AFI20231205BHJP
   H04N 21/21 20110101ALI20231205BHJP
   H04N 21/2343 20110101ALI20231205BHJP
【FI】
H04N5/765
H04N21/21
H04N21/2343
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022104411
(22)【出願日】2022-06-29
(62)【分割の表示】P 2017189803の分割
【原出願日】2017-09-29
(65)【公開番号】P2022121584
(43)【公開日】2022-08-19
【審査請求日】2022-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】蝦名 淑恵
【審査官】鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】特許第7102700(JP,B2)
【文献】特開2010-118868(JP,A)
【文献】特開2003-348528(JP,A)
【文献】特開2013-183255(JP,A)
【文献】特開2005-345632(JP,A)
【文献】特開2003-169275(JP,A)
【文献】特開2003-078804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/76-5/775
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像選択方法により選択された静止画を出力する出力ステップ、を含む画像出力方法であって、
前記画像選択方法は、
1又は複数の人物を撮影した動画から切り出された複数のタイミングにおける静止画を取得する取得ステップと、
前記静止画ごとに、当該静止画に映る前記人物を所定の基準で評価する評価ステップと、
評価結果に基づいて、前記動画の販促用として提供または提示する前記静止画を選択する選択ステップと、を含み、
前記出力ステップにおいて、
2つに切り離し可能な所定の用紙の、切り離される一方側に前記静止画と動画の提供を受ける際に必要となるパスコードを印刷し、他方側に動画の提供を受けるために前記パスコードによる認証が必要となるダウンロードサイトのアドレス情報を印刷して出力することを特徴とする画像出力方法。
【請求項2】
画像選択方法により選択された静止画を出力する出力ステップ、を含む画像出力方法であって、
前記画像選択方法は、
1又は複数の人物を撮影した動画から切り出された複数のタイミングにおける静止画を取得する取得ステップと、
複数の前記静止画を表示し、前記動画の販促用として提供または提示する前記静止画の選択を受け付ける選択ステップと、を含み、
前記出力ステップにおいて、
2つに切り離し可能な所定の用紙の、切り離される一方側に前記静止画と動画の提供を受ける際に必要となるパスコードを印刷し、他方側に動画の提供を受けるために前記パスコードによる認証が必要となるダウンロードサイトのアドレス情報を印刷して出力することを特徴とする画像出力方法。
【請求項3】
前記出力ステップにおいて、前記一方側と前記他方側の用紙のそれぞれに、同一の識別情報を印刷することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像出力方法。
【請求項4】
撮影装置と画像選択装置と画像出力装置とを備えた画像出力システムであって、
前記撮影装置は、
1又は複数の人物を動画で撮影する動画撮影手段と、を備え、
前記画像選択装置は、
前記動画から切り出された複数のタイミングにおける静止画を取得する取得手段と、
前記静止画ごとに、当該静止画に映る前記人物を所定の基準で評価する評価手段と、
評価結果に基づいて、前記動画の販促用として提供または提示する前記静止画を選択する選択手段と、を備え、
前記画像出力装置は、
選択された前記静止画を出力する出力手段と、を備え、
前記出力手段は、所定の用紙に印刷して出力し、
前記用紙は、2つに切り離し可能な用紙であり、
前記出力手段は、切り離される一方側に前記静止画と動画の提供を受ける際に必要となるパスコードを印刷し、他方側に動画の提供を受けるために前記パスコードによる認証が必要となるダウンロードサイトのアドレス情報を印刷することを特徴とする画像出力システム。
【請求項5】
撮影装置と画像選択装置と画像出力装置とを備えた画像出力システムであって、
前記撮影装置は、
1又は複数の人物を動画で撮影する動画撮影手段と、を備え、
前記画像選択装置は、
前記動画から切り出された複数のタイミングにおける静止画を取得する取得手段と、
複数の前記静止画を表示し、前記動画の販促用として提供または提示する前記静止画の選択を受け付ける選択手段と、を備え、
前記画像出力装置は、
選択された前記静止画を出力する出力手段と、を備え、
前記出力手段は、所定の用紙に印刷して出力し、
前記用紙は、2つに切り離し可能な用紙であり、
前記出力手段は、切り離される一方側に前記静止画と動画の提供を受ける際に必要となるパスコードを印刷し、他方側に動画の提供を受けるために前記パスコードによる認証が必要となるダウンロードサイトのアドレス情報を印刷することを特徴とする画像出力システム。
【請求項6】
前記出力手段は、前記一方側と前記他方側の用紙のそれぞれに、同一の識別情報を印刷することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の画像出力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影された動画を販売するサービスにおいて、動画の販売を促進するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
遊園地などの観光地を訪れた来場者を撮影して記念品として写真や画像データを販売するサービスがある(例えば引用文献1)。この際、来場者の購買意欲を高めるため、販促用として販売する写真を来場者に提示したり、販売する写真の縮小写真を来場者に無償で提供することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-228637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、今後は、写真や画像データだけでなく、音声データを含む動画データを撮影して販売するサービスも期待されている。このような動画販売を目的としたサービスにおいても、動画の販売に繋がるような販促用の写真を無償提供または提示することが有効であると考えられる。例えば、動画販売の場合には、販売する動画の任意のタイミングの静止画を切り出して販促用の写真とすることができる。
【0005】
しかしながら、動画の場合、単なる写真撮影よりも動きがあるため撮影中に被写体の状態が刻々と変化する。このため、被写体の状態が悪いタイミング(例えば、目を閉じていたり、顔が下を向いていたり、など)の写真を販促用として提供または提示してしまうと、動画の購入意欲が削がれ、動画を購入してもらえない可能性が高くなる。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、動画を販売するサービスにおいて、販促用の写真を好適に選択し出力することが可能な、画像出力方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するための第1の発明は、画像選択方法により選択された静止画を出力する出力ステップ、を含む画像出力方法であって、前記画像選択方法は、1又は複数の人物を撮影した動画から切り出された複数のタイミングにおける静止画を取得する取得ステップと、前記静止画ごとに、当該静止画に映る前記人物を所定の基準で評価する評価ステップと、評価結果に基づいて、前記動画の販促用として提供または提示する前記静止画を選択する選択ステップと、を含み、前記出力ステップにおいて、2つに切り離し可能な所定の用紙の、切り離される一方側に前記静止画と動画の提供を受ける際に必要となるパスコードを印刷し、他方側に動画の提供を受けるために前記パスコードによる認証が必要となるダウンロードサイトのアドレス情報を印刷して出力することを特徴とする画像出力方法である。
【0008】
第2の発明は、画像選択方法により選択された静止画を出力する出力ステップ、を含む画像出力方法であって、前記画像選択方法は、1又は複数の人物を撮影した動画から切り出された複数のタイミングにおける静止画を取得する取得ステップと、複数の前記静止画を表示し、前記動画の販促用として提供または提示する前記静止画の選択を受け付ける選択ステップと、を含み、前記出力ステップにおいて、2つに切り離し可能な所定の用紙の、切り離される一方側に前記静止画と動画の提供を受ける際に必要となるパスコードを印刷し、他方側に動画の提供を受けるために前記パスコードによる認証が必要となるダウンロードサイトのアドレス情報を印刷して出力することを特徴とする画像出力方法である。
【0009】
第3の発明は、撮影装置と画像選択装置と画像出力装置とを備えた画像出力システムであって、前記撮影装置は、1又は複数の人物を動画で撮影する動画撮影手段と、を備え、前記画像選択装置は、前記動画から切り出された複数のタイミングにおける静止画を取得する取得手段と、前記静止画ごとに、当該静止画に映る前記人物を所定の基準で評価する評価手段と、評価結果に基づいて、前記動画の販促用として提供または提示する前記静止画を選択する選択手段と、を備え、前記画像出力装置は、選択された前記静止画を出力する出力手段と、を備え、前記出力手段は、所定の用紙に印刷して出力し、前記用紙は、2つに切り離し可能な用紙であり、前記出力手段は、切り離される一方側に前記静止画と動画の提供を受ける際に必要となるパスコードを印刷し、他方側に動画の提供を受けるために前記パスコードによる認証が必要となるダウンロードサイトのアドレス情報を印刷することを特徴とする画像出力システムである。
【0010】
第4の発明は、撮影装置と画像選択装置と画像出力装置とを備えた画像出力システムであって、前記撮影装置は、1又は複数の人物を動画で撮影する動画撮影手段と、を備え、前記画像選択装置は、前記動画から切り出された複数のタイミングにおける静止画を取得する取得手段と、複数の前記静止画を表示し、前記動画の販促用として提供または提示する前記静止画の選択を受け付ける選択手段と、を備え、前記画像出力装置は、選択された前記静止画を出力する出力手段と、を備え、前記出力手段は、所定の用紙に印刷して出力し、前記用紙は、2つに切り離し可能な用紙であり、前記出力手段は、切り離される一方側に前記静止画と動画の提供を受ける際に必要となるパスコードを印刷し、他方側に動画の提供を受けるために前記パスコードによる認証が必要となるダウンロードサイトのアドレス情報を印刷することを特徴とする画像出力システムである。
【0011】
第1~4の発明によれば、撮影した動画から切り出された複数のタイミングにおける静止画から、動画の販促用として提供または提示する静止画を選択し、2つに切り離し可能な所定の用紙の、切り離される一方側に当該静止画を印刷し、他方側に動画の提供を受けるために必要となる情報を印刷して出力する。これにより、撮影された動画を販売するサービスにおいて、動画の販促用の写真(静止画)を好適に選択し出力することが可能となる。
【0012】
また第1~4の発明において、一方側と他方側の用紙のそれぞれに、同一の識別情報を印刷するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、撮影された動画を販売するサービスにおいて、販促用の写真を好適に選択し出力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】動画提供システム1の概要を示す図
図2】動画撮影の様子を示す図
図3】画像選択装置3のハードウェア構成の例を示す図
図4】印刷物80の例を示す図
図5】画像データ60のデータ内容の例を示す図
図6】ダウンロード情報70のデータ内容の例を示す図
図7】撮影処理の流れを示すフローチャート
図8】画像選択処理の流れを示すフローチャート
図9】評価された笑顔度の例を示す図
図10】プリント処理の流れを示すフローチャート
図11】ダウンロード処理の流れを示すフローチャート
図12】画像選択装置3Aのハードウェア構成の例を示す図
図13】画像選択処理の流れを示すフローチャート
図14】静止画の選択を受け付ける表示部の画面例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施の形態では、遊園地などに設置されたアトクラション(ジェットコースター)を体験した来場者を撮影した動画を販売する動画撮影販売サービスにおいて、本発明を適用した例について説明するが、本発明はこの例に限定されない。本発明は、前述の課題を有する様々な動画撮影販売サービスに適用可能である。
【0016】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の動画提供システム1の概要を示す図である。動画提供システム1は、カメラ2、画像選択装置3、プリンタ4、ユーザ端末7、ダウンロードサイト8、ストレージ100等から構成される。以下、各構成について説明する。
【0017】
(カメラ2)
カメラ2(撮影装置)は、遊園地などのアトラクション(ジェットコースター)を体験中の1又は複数の来場者(被写体)の様子を動画で撮影する。また、撮影した動画から複数のタイミングにおける静止画を切り出して出力する。撮影した動画のデータ(以下、「動画データ62」とも表記する)と動画から切り出された静止画のデータ(以下、「静止画データ63」とも表記する)は、カメラ2と有線または無線接続されたストレージ100に記憶される(図5参照)。
【0018】
本実施の形態では、図2に示すように、カメラ2は、ジェットコースターの途中の撮影ポイントに設置され、ジェットコースターを走行する車両9に搭乗した来場者10の様子を動画(音声を含む)で撮影する。本実施の形態では、ジェットコースターのレール上に車両9の車輪の通過を検知するセンサ20が設置されており、車両9の車輪がセンサ20を通過すると、センサ信号がカメラ2に送られる。カメラ2は、センサ信号を受けたタイミングをトリガとして、動画撮影を開始し、所定時間撮影を行う。カメラ2が実行する撮影処理については後述する(図7)。
【0019】
(画像選択装置3)
画像選択装置3は、ストレージ100に記憶された複数の静止画データ63の中から、動画の販促用として提供する静止画データを選択する。選択された静止画データ63を「代表静止画データ64」とも表記する。
【0020】
具体的には、画像選択装置3は、静止画データ63ごとに、所定の基準で画像内の被写体を評価し、その評価結果が良い画像を選択する。特に本実施の形態では、被写体の笑顔度を評価し、笑顔度が最も高い静止画データ63を選択する。ただし、どのような基準で被写体を評価するかは、特に限定されるものではなく、動画販売のサービス業者等が任意に定めてよい。画像選択装置3が実行する画像選択処理については後述する(図8)。
【0021】
図3は、画像選択装置3(コンピュータ)のハードウェア構成の例を示す図である。図に示すように、画像選択装置3は、制御部31、記憶部32、通信制御部33、バス38等から構成される。
【0022】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等によって構成される。CPUは、記憶部32、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス38を介して接続された各装置を駆動制御し、画像選択装置3が行う後述する処理(画像選択処理、図8参照)を実現する。
【0023】
記憶部32は、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等であり、制御部31が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(Operating System)等が格納される。プログラムに関しては、OSに相当する制御プログラムや、後述する処理(画像選択処理、図8参照)を画像選択装置3に実行させるためのアプリケーションプログラムが格納されている。これらの各プログラムコードは、制御部31により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
【0024】
通信制御部33は、通信制御装置、通信ポート等を有し、画像選択装置3とネットワーク間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワークを介して、ストレージ100や他のコンピュータ間との通信制御を行うことが可能である。ネットワークは、有線、無線を問わない。バス38は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
【0025】
(プリンタ4)
プリンタ4(画像出力装置)は、例えばアトラクションの出口付近に設置され、画像選択装置3により選択された静止画データ63(代表静止画データ64)とダウンロードサイト8へのアドレス情報71を所定の用紙に印刷して出力する。プリンタ4は、例えば、高解像度カラープリンタであり、昇華型、溶融型等、プリンタの方式は問わない。プリンタ4が実行するプリント処理については後述する(図10)。
【0026】
図4は、プリンタ4により出力される印刷物80の例を示す図である。図に示すように、印刷物80は、印刷物80を2つに切り離すことができるミシン目81を有している。ミシン目81を境界として左側が、動画販促用として無償提供されるサンプル写真80Aである。また、ミシン目81を境界として右側が動画購入後に提供されるダウンロード用チケット80Bである。
【0027】
サンプル写真80Aには、画像選択装置3により選択された静止画データ(代表静止画データ64)が画像印刷されており、この画像の下にはパスコード72が印刷されている。パスコード72はダウンロードサイト8へアクセスする際に入力する認証コードである。ダウンロード用チケット80Bには、動画のダウンロード手順を説明する文章とともに、ダウンロードサイト8へのアドレス情報71がQRコード(登録商標)の形態で印刷されている。
【0028】
アトクラションのスタッフ等は、ミシン目81上にサンプル写真80Aとダウンロード用チケット80Bを切り離し、アトクラションを終えた来場者にサンプル写真80Aを無償で提供する。
【0029】
アトラクションを終えた来場者(またはその家族や友人など)がサンプル写真80Aを見て、動画の購入を決めた場合には、サンプル写真80Aをアトクラションのスタッフ等に提示し、動画の購入代金と引き換えに、ダウンロード用チケット80Bを受け取ることができる。
【0030】
なお、図4に示すように、サンプル写真80Aとダウンロード用チケット80Bの用紙のそれぞれには、サンプル写真80Aとダウンロード用チケット80Bとのセットを識別する同一の識別番号83(「0004」)が印刷されている。この識別番号83によって、サンプル写真80Aとダウンロード用チケット80Bとを照合させることができるので、アトクラションのスタッフ等が、誤って別のダウンロード用チケットを購入者に提供してしまうようなことを防ぐことができる。
【0031】
(ユーザ端末7)
ユーザ端末7は、ダウンロード用チケット80Bを購入した購入者が保有するスマートフォンなどの情報端末である。ダウンロード用チケット80Bに印刷されたアドレス情報71(QRコード(登録商標))をユーザ端末7に読込ませることで、ダウンロードサイト8へアクセスし、撮影された動画をダウンロードして閲覧することができる。動画のダウンロード処理については後述する(図11)。
【0032】
(ストレージ100)
図4は、ストレージ100に記憶される画像データ60の内容を示す図である。画像データ60は、撮影ID61と紐づけて、動画データ62、静止画データ63、代表静止画データ64の各画像データを記憶する。
【0033】
撮影ID61は、カメラ2により撮影された動画を一意に識別する識別情報である。動画データ62は、カメラ2により撮影された動画のデータである。静止画データ63は、カメラ2により撮影された動画から切り出された複数のタイミングにおける静止画のデータである。代表静止画データ64は、静止画データ63の中から画像選択装置3により選択された静止画のデータである。
【0034】
以上、動画提供システム1の各構成について説明した。
次に、図7図14を参照して、動画提供システム1が実行する各処理について説明する。
【0035】
(撮影処理)
まず、図7を参照して、アトラクション(ジェットコースター)を体験中の来場者(被写体)の様子を動画で撮影する処理(撮影処理)について説明する。まず、ジェットコースターの車両9に来場者10が搭乗し、車両9の走行が開始すると、ジェットコースターのレール上に設置されたセンサ20は車両9の車輪の通過の検知を開始する(ステップS1)。
【0036】
そして、センサ20が車両9の車輪の通過を検知すると(ステップS1;Yes)、センサ信号がカメラ2に送られ、カメラ2は、センサ信号を受けたタイミングをトリガとして、動画の撮影を開始する(ステップS2)。
【0037】
また、動画を撮影している間、カメラ2は、動画の撮影を開始してから所定時間おきに撮影中の動画から静止画を切り出して出力する(ステップS3)。これにより、動画から複数のタイミングにおける静止画が出力される。例えば、5秒間の動画を撮影した場合において、1秒間隔で静止画を出力した場合には、5枚の静止画が出力される。
【0038】
動画の撮影が終了すると(ステップS4)、カメラ2は、当該撮影を一意に識別する撮影IDを発行し、撮影IDと撮影した動画と動画から切り出された静止画をストレージ100に送り、ストレージ100に保存して撮影処理を終了する(ステップS5)。
【0039】
例えば、図5に示すように、発行した撮影ID61(「20170901_001」)と紐づけて、撮影された動画のデータ(動画データ62=「・・・/movie01」)と、動画から切り出された3枚の静止画のデータ(静止画データ63-1=「・・・/photo01」、静止画データ63-2=「・・・/photo02」、静止画データ63-3=「・・・/photo03」)がストレージ100に保存される。
【0040】
(画像選択処理)
次に、図8、9を参照して、画像選択装置3が動画の販促用として無償提供する静止画を選択する処理(画像選択処理)について説明する。
【0041】
画像選択装置3は、カメラ2による撮影が終了すると、当該撮影の撮影ID61に紐づく全ての静止画データ63をストレージ100から取得する(ステップS11)。ここでは、図5のストレージ100(画像データ60)から撮影ID61「1」に紐づく3枚の静止画データ63(63-1、63-2、63-3)が取得されたものとする。
【0042】
続いて、画像選択装置3は、取得した静止画データ63(63-1、63-2、63-3)ごとに、公知の顔画像認識技術を用いて、画像内に映る各被写体の表情を認識し、笑顔度を評価する(ステップS12)。笑顔度は、画像内の各被写体のレイティング結果から評価可能であり、例えば、各被写体のレイティング点数の平均値を笑顔度として評価する。
【0043】
図9は、評価された笑顔度の例を示す図である。図の例では、静止画データ63-1の笑顔度は「5」、静止画データ63-2の笑顔度は「20」、静止画データ63-3の笑顔度は「80」、のように笑顔度が評価されている。
【0044】
そして、画像選択装置3は、笑顔度が最も高い静止画データ63を、動画の販促用に無償提供する画像として選択する(ステップS13)。例えば図9の例では、最も笑顔度が高い静止画データ63-3が選択される。
【0045】
画像選択装置3は、選択した静止画データをストレージ100(画像データ60)の代表静止画データ64(図5参照)に記録して処理を終了する。図5の例では、代表静止画データ64に、ステップS13において選択された静止画データ63-3のファイル(「・・・/photo03」)が記録される。
【0046】
(プリント処理)
次に、図10、11を参照して、プリンタ4が印刷物80を出力する処理(プリント処理)について説明する。
まず、プリンタ4は、図5のストレージ100(画像データ60)を参照し、代表静止画データ64を取得する(ステップS11)。図5の場合、「・・・/photo03」の画像データが取得される。続いて、プリンタ4は、取得した代表静止画データ64に対し、縮小処理を施して、無償配布用に所定のサイズまで画像サイズを落とす(ステップS22)。
【0047】
次に、プリンタ4は、代表静止画データ64とともに印刷物80に印刷するアドレス情報71とパスコード72を生成する(ステップS23)。生成したアドレス情報71とパスコード72は、図6のダウンロード情報70に示すように、撮影ID61と紐づけてストレージ100や他の記憶領域において管理される。そして、プリンタ4は、所定の用紙に、縮小処理が施された代表静止画データ64とアドレス情報71とパスコード72を印刷し、印刷物80を出力する(ステップS24)。
【0048】
本実施の形態では、所定の用紙とは、2つに切り離すことが可能なミシン目を有するキャリー用紙であり、プリンタ4は、ミシン目を境界として用紙の一方側に代表静止画データ64とパスコード72を印刷し、ミシン目を境界として用紙の他方側にアドレス情報71をQRコード(登録商標)の形態で印刷する。また、プリンタ4は、用紙の一方側と他方側の双方に同一の識別番号83を印刷する。これにより、図4に示すような印刷物80が出来上がる。図4に示すように、印刷物80のうち、ミシン目81を境界として左側が、無償提供するサンプル写真80Aとなり、ミシン目81を境界として右側が動画購入後に提供されるダウンロード用チケット80Bとなる。サンプル写真80Aは、アトラクションを終えた来場者に無償で提供され、ダウンロード用チケット80Bは、購入代金と引き換えに有償で提供される。
【0049】
なお、ステップS24において印刷する代表静止画データ64の画像範囲は、被写体が写っている範囲で任意に設定可能である。例えば、代表静止画データ64の全画像範囲を印刷してもよいし、被写体が写っている画像部分だけを切り出して印刷してもよい(後者の場合、被写体にズームアップしたような写真が得られる)。図4は、代表静止画データ64の中から被写体がメインに写る画像範囲を切り出して印刷した例を示している。
【0050】
(ダウンロード処理)
次に、図12を参照して、ダウンロード用チケット80Bの購入者が保有するユーザ端末7を用いて、ダウンロードサイト8から動画をダウンロードする処理(ダウンロード処理)について説明する。
【0051】
ここでは、図4のダウンロード用チケット80Bを用いて、図5の撮影ID61(「20170901_001」)に紐づく動画データ62をダウンロードする場合を説明する。なおこの動画データ62は、ダウンロード用チケット80BにQRコード(登録商標)の形態で印刷された図6のアドレス情報71(「https://AAA・・・」)によって指定されるダウンロードサイト8にアップロードされているものとする。また、動画データ62だけでなく、動画データ62から切り出された複数の静止画データ63(63-1、63-2、63-3)がダウンロードサイト8にアップロードされていてもよい。ダウンロードサイト8は認証が必要なWebサイトであり、サンプル写真80Aに印刷されたパスコード72によって認証を行うものとする。
【0052】
まず、購入者は、ダウンロード用チケット80Bのアドレス情報71(QRコード(登録商標))をユーザ端末7に読み取らせて(ステップS42)、ダウンロードサイト8へアクセスする(ステップS42)。ダウンロードサイト8へアクセスすると、ユーザ端末7にパスコード入力画面(不図示)が表示され、購入者は、パスコードを入力する。ダウンロードサイト8においてパスコードが正しく認証されると、ユーザ端末7にダウンロード画面(不図示)が表示され、動画データ62をダウンロードして閲覧することが可能となる。
【0053】
また、ダウンロードサイト8に動画データ62だけでなく、静止画データ63もアップロードされている場合には、購入者は、静止画データ63をダウンロードすることもできる。この静止画データ63はサンプル写真80Aのように縮小処理が施されてはいないため、高画質な画像として閲覧することができる。また、ダウンロードサイト8には、動画から切り出された全ての静止画データ63(63-1、63-2、63-3)がアップロードされているので、サンプル写真80Aとは別のタイミングの静止画データ63をダウンロードして閲覧することも可能となる。
【0054】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。本実施の形態によれば、画像選択装置3が、遊園地などのアトラクション(ジェットコースター)を体験中の来場者(被写体)を撮影した動画から切り出された複数のタイミングにおける静止画を取得し、静止画ごとに、静止画に映る人物の笑顔度を評価し、笑顔度が高い静止画を販促用の画像として選択する。これにより、アトラクションなどで撮影された動画を販売するサービスにおいて、動画の販促用の静止画(写真)を好適に選択することが可能となる。
【0055】
また、選択された静止画はプリンタ4により印刷され、サンプル写真80Aとしてアトクラションを体験した来場者に無償提供されるので、記念や思い出として残すことができる。特に、被写体の写りの状態が良いタイミングの写真がサンプル写真80Aとして提供されるので、サンプル写真80Aを見た来場者等の動画への購入意欲が高まることが期待される。
【0056】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、画像選択装置の構成が異なる。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
図12は、第2の実施形態における画像選択装置3Aのハードウェア構成である。第1の実施形態と異なり、表示部34を備える。表示部34は、例えば、表示画面上で入力操作が可能なタッチパネルディスプレイである。
【0057】
第2の実施形態では、画像選択装置3Aは、例えばアトクラションの出口付近に設置され、表示部34に動画から切り出された全ての静止画を表示し、アトラクションを終えた来場者から静止画の選択を受け付ける。そして、来場者が自ら選択した画像がサンプル写真80Aに印刷される。
【0058】
図13は、画像選択装置3Aが動画の販促用として無償提供する画像(静止画)を選択する処理(画像選択処理)である。
第1の実施形態と同様に、画像選択装置3Aは、カメラ2による撮影が終了すると、当該撮影ID61に紐づく全ての静止画データ63をストレージ100から取得する(ステップS51)。ここでは、図5のストレージ100(画像データ60)から撮影ID61「1」に紐づく3枚の静止画データ63(63-1、63-2、63-3)が取得されたものとする。
【0059】
続いて、画像選択装置3Aは、取得した静止画データ63(63-1、63-2、63-3)を表示部34に一覧表示し、アトラクションを終えた来場者から画像の選択を受け付ける(ステップS52)。
図14は、画像の選択を受け付ける表示部34の画面例を示す図である。図に示すように、表示部36に3枚の静止画データ63(63-1、63-2、63-3)が一覧表示され、来場者は自身の好きな画像を選択することができる。図の例では、来場者が静止画データ63-1の画像を選択した場合を示している。
【0060】
そして、画像選択装置3Aは、選択した静止画データ63をストレージ100(画像データ60)の代表静止画データ64(図5参照)に記録して処理を終了する。その他の処理(撮影処理(図7)、プリント処理(図10)、ダウンロード処理(図11))については、第1の実施形態と同様であるので記載を省略する。
【0061】
以上、第2の実施形態における画像選択処理について説明した。第2の実施形態によれば、画像選択装置3Aが、遊園地などのアトラクション(ジェットコースター)を体験中の来場者(被写体)を撮影した動画から切り出された複数のタイミングにおける静止画を表示部に表示し、アトクラションを終えた来場者から静止画の選択を受け付け、選択された静止画を動画販促用の画像として決定する。これにより、アトラクションなどで撮影された動画を販売するサービスにおいて、動画の販促用の静止画(写真)を好適に選択することが可能となる。特に、第2の実施形態では、来場者が自ら好きなタイミングの静止画を選択でき、サンプル写真80Aとして無償でもらうことができるので、来場者の満足度を高めることができる。これに伴い、動画購入への意欲が高まることが期待される。
【0062】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。
【0063】
例えば、本実施の形態では、遊園地などに設置されたジェットコースターを体験した来場者を撮影した動画を販売する動画撮影販売サービスにおいて、本発明を適用した例について説明したが、お化け屋敷、観覧車、メリーゴーランドなどの他のアトクラションを体験する様子を撮影した動画を販売する動画撮影販売サービスにおいて、本発明を適用することもできる。また、キャラクターとのツーショット動画撮影販売サービス、観光スポットでの動画撮影販売サービス、結婚記念の動画撮影販売サービス、学校の卒業記念の動画撮影販売サービスなど、様々な場面で本発明を適用することができる。
【0064】
また、本実施の形態では、カメラ2が動画を撮影と静止画の切り出しを同時に行う例を説明したが(図6参照)、静止画の切り出しは、動画の撮影の終了後に行ってもよい。また、本実施の形態では、カメラ2が静止画を切り出して出力する例を説明したが、静止画を切り出す主体はカメラ2でなくてもよい。例えば、カメラ2は動画だけを撮影してストレージ100に保存し、画像選択装置3がストレージ100に保存された動画を取得し、この動画から複数の静止画を切り出してもよい。
【0065】
また、本実施の形態では、ジェットコースターの車両の通過を検知するセンサ20の信号をトリガとして、カメラ2の撮影を開始する例を説明したが、撮影の開始のタイミングはこの例に限定されない。例えば、カメラ2の撮影ポタンを手動で押下することで撮影を開始してもよいし、画像認識技術によりジェットコースターがカメラ2の撮影視野内に入ったこと検知したタイミングで撮影を開始してもよいし、音センサにより所定の音量レベルを超えるとジェットコースターが撮影ポイントに近づいてきたものと判断し、撮影を開始してもよい。
【0066】
また、本実施の形態では、画像選択処理(図9)において、被写体の笑顔度を評価しているが、どのような基準により被写体を評価するかは任意である。例えば、公知の顔画像認識技術により、画像内に映る各被写体の黒目を検出し、黒目の検出数によって、被写体の目の開閉度を評価するようにしてもよい。このように被写体を評価すれば、被写体がしっかりと目を開いているタイミングの写真が選ばれやすくなる。
【0067】
また、公知の顔画像認識技術により各被写体の顔の向きを認識し、被写体が所定の方向を向いているかどうかを基準に評価してもよい。例えば、正面方向を向いている被写体の人数を評価値とすれば、被写体全員の顔が良く見えるタイミングの写真が選ばれやすくなる。
【0068】
また、被写体を評価する基準は、動画撮影販売サービス特有のものでもよい。例えば、観光スポットでの動画撮影販売サービスにおいて、観光スポットで流行っている定番のポーズがあるとする。この場合、公知の画像認識技術により、被写体のポーズを認識し、予め決められたポーズ(観光スポットで流行っているポーズ)との類似度を評価し、類似度が最も高いタイミング(ポーズが上手く決まったタイミング)の写真を販促用として提供することができる。また、キャラクターとのツーショット動画撮影販売サービスにおいて、キャラクターの決めポーズがあるとする。この場合も、公知の画像認識技術により、被写体のポーズを認識し、予め決められたポーズ(キャラクターの決めポーズ)との類似度を評価し、類似度が最も高いタイミングの写真を販促用として提供することができる。
【0069】
また、本実施の形態では、印刷物80(紙媒体)による出力の例を説明したが、出力の形態は紙媒体に限定されない。例えば、プリンタ4が通信制御部を備え、アトラクションの来場者が保有するスマートフォンなどの情報端末との間で通信接続を行い、代表静止画データ64とアドレス情報71を情報端末にデータ出力するようにしてもよい。
【0070】
また、本実施の形態では、プリンタ4は、サンプル写真80Aとダウンロード用チケット80Bの双方を1つの印刷物80で出力する例を説明したが、サンプル写真80Aとダウンロード用チケット80Bは別々に出力してもよい。例えば、プリンタ4はサンプル写真80Aのみを出力するだけとし、別の場所に設置された発券装置によってダウンロード用チケット80Bを出力するように構成してもよい。
【0071】
また、本実施の形態では、販促用の写真をアトラクションの来場者に無償で提供する例を説明したが、販促用の写真を来場者に提示するだけ(見せるだけ)でもよい。この場合の販促用の写真は、無償提供用に画像サイズを落とした縮小写真ではなく、例えば2PCなどのサイズで高画質プリントされた写真とするのが望ましい。このように販促用の写真を来場者に提示するだけでも十分な販促効果が期待できる。
【0072】
その他、当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0073】
1………動画提供システム
2………カメラ
3………画像選択装置
4………プリンタ
7………ユーザ端末
8………ダウンロードサイト
9………ジェットコースターの車両
10………アトラクションの来場者(被写体)
31………制御部
32………記憶部
33………通信制御部
34………表示部
60………画像データ
61………撮影ID
62………動画データ
63………静止画データ
64………代表静止画データ
70………ダウンロード情報
71………アドレス情報
72………パスコード
80………印刷物
80A………サンプル写真
80B………ダウンロード用チケット
100………ストレージ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14