(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/025 20220101AFI20231205BHJP
H04L 67/306 20220101ALI20231205BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
H04L67/025
H04L67/306
H04M1/00 U
(21)【出願番号】P 2022124461
(22)【出願日】2022-08-04
(62)【分割の表示】P 2018182887の分割
【原出願日】2018-09-27
【審査請求日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】P 2018039122
(32)【優先日】2018-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】安藤 光男
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-182406(JP,A)
【文献】特開2004-287863(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104318194(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0126818(US,A1)
【文献】特開2015-187839(JP,A)
【文献】特開2014-078220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
H04L 67/306
H04L 67/50
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
前記端末は、
外部から第1の識別情報と前記情報処理装置の宛先情報を取得する取得部と、
前記宛先情報が示す前記情報処理装置に前記第1の識別情報を送信する送信部とを有し、
前記情報処理装置は、
登録要求に応じて、前記第1の識別情報とサービスを関連付けて登録する制御部と、
前記サービスを実行させる機器の情報を記憶する記憶部と、
前記第1の識別情報を受信する受信部と、を有し、
前記制御部は、前記受信部が受信した前記第1の識別情報に予め関連付けて登録されている前記サービスを前記機器の情報によって特定される機器に実行させる、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記受信部が受信した前記第1の識別情報及び前記端末のユーザを識別する第2の識別情報の組に予め関連付けて登録されている前記サービスを、前記機器の情報によって特定される機器に実行させる、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記取得部は、任意の位置に配置されている外部記録媒体から前記第1の識別情報を取得し、
前記第1の識別情報は、前記外部記録媒体に応じて異なる、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記受信部が受信した前記第1の識別情報に予め関連付けて登録されている前記サービスに係る第1の処理を実行してデータを入力し、前記サービスに係る第2の処理である前記データの出力を前記機器の情報によって特定される機器に実行させる、
ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記外部記録媒体は、NFCタグ、アクティブRFIDタグ、バーコード又は2次元コードを含む、
ことを特徴とする請求項3記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記宛先情報は、URLである、
ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第1の識別情報は、URLのオプション情報に含まれている、
ことを特徴とする請求項1乃至6いずれか一項記載の情報処理システム。
【請求項8】
外部から第1の識別情報
と情報処理装置の宛先情報を取得する取得部と、
前記宛先情報が示す前記情報処理装置に前記第1の識別情報を送信する送信部とを有
する端末とネットワークを介して通信可能な前記情報処理装置であって、
登録要求に応じて、前記第1の識別情報とサービスを関連付けて登録する
登録部と、
前記サービスを実行させる機器の情報を記憶する記憶部と、
前記第1の識別情報を受信する受信部と
、
前記受信部が受信した前記第1の識別情報に予め関連付けて登録されている前記サービスを前記機器の情報によって特定される機器に実行させる
制御部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
端末と情報処理装置とが実行する情報処理方法であって、
前記端末が、
外部から第1の識別情報と前記情報処理装置の宛先情報を取得する取得手順と、
前記宛先情報が示す前記情報処理装置に前記第1の識別情報を送信する送信手順とを実行し、
前記情報処理装置が、
登録要求に応じて、前記第1の識別情報とサービスを関連付けて登録する登録手順と、
前記サービスを実行させる機器の情報を記憶部に記憶する記憶手順と、
前記第1の識別情報を受信する受信手順と、
前記受信手順が受信した前記第1の識別情報に予め関連付けて登録されている前記サービスを前記機器の情報によって特定される機器に実行させる制御手順と、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
外部から第1の識別情報と情報処理装置の宛先情報を取得する取得部と、
前記宛先情報が示す前記情報処理装置に前記第1の識別情報を送信する送信部とを有する端末とネットワークを介して通信可能な前記情報処理装置に、
登録要求に応じて、前記第1の識別情報とサービスを関連付けて登録する登録手順と、
前記サービスを実行させる機器の情報を記憶部に記憶する記憶手順と、
前記第1の識別情報を受信する受信手順と、
前記受信手順が受信した前記第1の識別情報に予め関連付けて登録されている前記サービスを前記機器の情報によって特定される機器に実行させる制御手順と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
外部から第1の識別情報と情報処理装置の宛先情報を取得する取得部と、
前記宛先情報が示す前記情報処理装置に前記第1の識別情報を送信する送信部とを有する端末とネットワークを介して通信可能な前記情報処理装置が、
登録要求に応じて、前記第1の識別情報とサービスを関連付けて登録する登録手順と、
前記サービスを実行させる機器の情報を記憶部に記憶する記憶手順と、
前記第1の識別情報を受信する受信手順と、
前記受信手順が受信した前記第1の識別情報に予め関連付けて登録されている前記サービスを前記機器の情報によって特定される機器に実行させる制御手順と、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスにおいては、様々な機器を活用して業務が遂行されている。各種の機器を活用することで、業務の効率化や作業ミスの低減等を期待することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、各機器は、機能の高度化等により操作が複雑になり、機器の操作方法の習得までに必要な期間が長期化している。また、機器の種別に応じてユーザインタフェースが異なることも、機器の操作方法の習得を長期化させる要因となっている。
【0004】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、機器に関して新規な操作性を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで上記課題を解決するため、端末と情報処理装置とを含む情報処理システムであって、前記端末は、外部から第1の識別情報と前記情報処理装置の宛先情報を取得する取得部と、前記宛先情報が示す前記情報処理装置に前記第1の識別情報を送信する送信部とを有し、前記情報処理装置は、登録要求に応じて、前記第1の識別情報とサービスを関連付けて登録する制御部と、前記サービスを実行させる機器の情報を記憶する記憶部と、前記第1の識別情報を受信する受信部と、を有し、前記制御部は、前記受信部が受信した前記第1の識別情報に予め関連付けて登録されている前記サービスを前記機器の情報によって特定される機器に実行させる。
【発明の効果】
【0006】
機器に関して新規な操作性を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】第1の実施の形態におけるサーバ装置10のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】第1の実施の形態におけるユーザ端末20のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】第1の実施の形態の概要を説明するための図である。
【
図6】第1の実施の形態におけるユーザ端末20及びサーバ装置10の機能構成例を示す図である。
【
図7】第1の実施の形態における処理フェーズを説明するための図である。
【
図8】タグシールに対するユーザ端末20の近接に応じて実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図9】機器情報記憶部122の構成例を示す図である。
【
図10】タグ情報記憶部125の構成例を示す図である。
【
図11】タグIDの登録処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図13】ユーザ情報記憶部124の構成例を示す図である。
【
図14】サービス情報記憶部121の構成例を示す図である。
【
図15】ソフト情報記憶部123の構成例を示す図である。
【
図16】サービスの制御処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図17】サービス画面の初期状態の表示例を示す図である。
【
図18】ファイル名及びプレビュー画像が追加されたサービス画面の表示例を示す図である。
【
図19】スタートボタンのグレーアウトが解除されたサービス画面の表示例を示す図である。
【
図20】第4の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図21】第4の実施の形態におけるユーザ端末20aのハードウェア構成例を示す図である。
【
図22】第4の実施の形態における仲介装置50のハードウェア構成例を示す図である。
【
図23】第4の実施の形態の概要を説明するための図である。
【
図24】第4の実施の形態における各装置の機能構成例を示す図である。
【
図25】仲介装置50の起動に応じて実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図26】機器情報記憶部132の構成例を示す図である。
【
図27】登録情報記憶部134の構成例を示す図である。
【
図28】アプリ情報記憶部131の構成例を示す図である。
【
図29】タグシールに対するユーザ端末20aの近接に応じて実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図30】ユーザ情報記憶部133の構成例を示す図である。
【
図31】アップロード画面の表示例を示す図である。
【
図32】ユーザ端末20aから仲介装置50への画像データの配信処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図33】第5の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図34】第5の実施の形態における仲介装置50のハードウェア構成例を示す図である。
【
図35】第5の実施の形態における各装置の機能構成例を示す図である。
【
図36】第5の実施の形態における事前準備処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図37】第5の実施の形態におけるユーザ情報記憶部133の構成例を示す図である。
【
図38】メッセージビーコンの発信元に対するユーザ端末20aの近接に応じて実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づいて第1の実施の形態を説明する。
図1は、第1の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
図1に示される情報処理システム1において、サーバ装置10、ユーザ環境E1、及びオンラインストレージシステム40等は、インターネット等の広域的なネットワークN1を介して通信可能とされている。但し、ネットワークN1は、イントラネット等、所定の範囲内においてアクセスが可能なネットワークであってもよい。
【0009】
ユーザ環境E1は、各種の機器30が設置された企業等の組織におけるシステム環境である。ユーザ環境E1において、各機器30は当該組織内のLAN(Local Area Network)等を介してネットワークN1に接続される。各機器30は、ネットワークN1を介してサーバ装置10と双方向の通信が可能である。なお、複合機、プリンタ、電子黒板、プロジェクタ、PC(Personal Computer)等が機器30の一例として挙げられる。
【0010】
ユーザ端末20は、ユーザ環境E1における機器30の各ユーザが携帯する情報処理端末である。例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は携帯電話等がユーザ端末20として利用されてもよい。なお、ユーザ端末20は、ユーザ環境E1内のLAN等を介さずに、直接的に(例えば、移動体通信網等を介して)ネットワークN1に接続可能である。但し、ユーザ端末20は、ユーザ環境E1内のネットワークに接続可能であってもよい。
【0011】
サーバ装置10は、ユーザ端末20を利用した簡易な操作で1以上の機器30又は1以上のソフトウェアが実行主体となるサービスをユーザに提供するための処理を実行する1以上のコンピュータである。なお、サーバ装置10は、ユーザ環境E1に設置されてもよい。
【0012】
オンラインストレージシステム40は、ネットワークを介してオンラインストレージと呼ばれるクラウドサービスを提供するコンピュータシステムである。オンラインストレージとは、ストレージの記憶領域を貸し出すサービスである。
【0013】
図2は、第1の実施の形態におけるサーバ装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図2のサーバ装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、及びインタフェース装置105等を有する。
【0014】
サーバ装置10での処理を実現するプログラムは、CD-ROM等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0015】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従ってサーバ装置10に係る機能を実行する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0016】
図3は、第1の実施の形態におけるユーザ端末20のハードウェア構成例を示す図である。
図3において、ユーザ端末20は、CPU201、ROM202、RAM203、タッチパネル204、補助記憶装置205及びNFCリーダ206等を有する。
【0017】
ROM202及び補助記憶装置205は、ユーザ端末20にインストールされたプログラム等を記憶する。RAM203は、プログラムの起動指示があった場合に、ROM202又は補助記憶装置205からプログラムを読み出して記憶する。CPU201は、RAM203に記憶されたプログラムに従ってユーザ端末20に係る機能を実現する。
【0018】
タッチパネル204は、入力機能と表示機能との双方を備えた電子部品であり、情報の表示や、ユーザからの入力の受け付け等を行う。タッチパネル204は、表示装置211及び入力装置212等を含む。
【0019】
表示装置211は、液晶ディスプレイ等であり、タッチパネル204の表示機能を担う。入力装置212は、表示装置211に対する接触物の接触を検出するセンサを含む電子部品である。なお、接触物とは、タッチパネル204の接触面(表面)に接触する物体をいう。斯かる物体の一例として、ユーザの指や専用又は一般のペン等が挙げられる。
【0020】
NFCリーダ206は、NFCタグに記憶されている情報を読み取る。
【0021】
図4は、第1の実施の形態の概要を説明するための図である。
図4に示されるように、機器30には、シール状のNFCタグ(以下、単に「タグシール」という。)が貼り付けられている。タグシールには、サーバ装置10に対するURLが記憶されている。当該URLは、オプション情報としてタグIDを含む。例えば、当該URLは、例えば、以下のような形式を有する。
https://xxx.yyy.com/?tagid=Tag03
ここで、「tagid=XXX」における「XXX」の部分(上記では「Tag03」)がタグIDに相当する。タグIDは、タグシールごとに異なる識別情報である。但し、複数のタグシールに対して同じタグIDが割り当てられてもよい。一方、「https://xxx.yyy.com/」の部分は、ユーザ環境E1内において利用される各タグシールについて共通であってもよい。
【0022】
ユーザが、機器30に貼り付けられているタグシールにユーザ端末20を翳すと(S1)、ユーザ端末20のNFCリーダ206は、タグシールに記憶されているURLを読み取る(S2)。続いて、ユーザ端末20は、当該URLの宛先(「https://xxx.yyy.com」)であるサーバ装置10へアクセスする(S3)。この際、URLのオプション情報(「tagid=Tag03」)や、ユーザ端末20のユーザの識別情報(以下「ユーザID」という。)等もサーバ装置10へ通知される。
【0023】
サーバ装置10は、当該ユーザIDと当該タグIDとの組み合わせに対して予め登録されているサービスの実行を制御する。例えば、当該サービスが、特定の機器30に何らかの処理(ジョブ)を実行させることであれば、サーバ装置10は、当該機器30に当該処理を実行させるための制御命令を送信する(S4)。機器30は、当該制御命令に応じた処理を実行する。なお、各機器30は、サーバ装置10から制御命令をネットワークを介して受け付けるためのAPI(Application Program Interface)を有している。当該APIは、例えば、HTTP(HyperText Transfer Protocol)ベースのWebAPIであってもよい。
【0024】
なお、当該ユーザIDと当該タグIDとの組み合わせに対して予め登録されている処理が、当該ユーザIDに関連付けられてオンラインストレージシステム40に記憶されているファイルの印刷であれば、サーバ装置10は、当該ファイルを取得し、当該ファイルの印刷を機器30に実行させる。
【0025】
したがって、ユーザは、機器30に配置(貼付)されたタグシールにユーザ端末20を翳す(近接させる)といった簡易な操作によって、上記のようなサービスを受けることができる。なお、上記の通り、タグIDとユーザIDとの組み合わせに応じて実行されるサービスが特定される。すなわち、同じタグID(すなわち、同じタグシール)に対して、ユーザごとに異なるサービスを関連付けることができる。
【0026】
本実施の形態において「サービス」は、例えば、以下の類型に分類される。
図5は、サービスの類型の一例を示す図である。
図5には、(1)~(4)の4つの類型が示されている。
【0027】
(1)は、単独サービスである。単独サービスにおいて利用される機器30又はソフトウェアは、基本的には1種類である。例えば、当該機器30が会議室等の照明であり、タグシールにユーザ端末20が翳されると、当該照明が明るくなるといったサービスが、単独サービスの一例として挙げられる。
【0028】
(2)は、入力サービスと出力サービスとの組み合わせである。入力サービスとは、サービスにおいて処理対象とされるデータをソフトウェア又は機器30を利用して入力又は取得するサービスをいう。出力サービスとは、サービスにおいて処理対象とされるデータをソフトウェア又は機器30を利用して出力又は保存等するサービスをいう。
図4に示した例は、(2)の類型に相当する。すなわち、
図4において、「ユーザIDに関連付けられてオンラインストレージシステム40に記憶されているファイルの取得」が入力サービスに相当し、「当該ファイルの印刷」が出力サービスに相当する。
【0029】
(3)は、入力サービスと出力サービスとの間にパイプサービスが挿入される類型である。パイプサービスは、サービスにおいて処理対象とされるデータをソフトウェア又は機器30を利用して加工又は変換するサービスをいう。例えば、OCR(Optical Character Recognition)や翻訳等が、パイプサービスの一例として挙げられる。
【0030】
(4)は、入力サービス、パイプサービス及び出力サービス等の複雑な組み合わせである。例えば、或る入力サービスから入力されたデータが2以上のパイプサービス又は出力サービスへ入力されたり、或る出力サービスが、2以上の入力サービス又は2つ以上のパイプサービスから入力されたデータを出力したりする。
【0031】
なお、NFCタグは、「単純タグ」と「アクティブタグ」との2種類に大別すされるが、本実施の形態のタグシールには、単純タグが好適である。単純タグとは、NFCリーダライタからURL等の情報を書き込んだり、当該情報を読み込んだりすることができるNFCタグをいう。
【0032】
図4において説明した処理を実現するために、ユーザ端末20及びサーバ装置10は、
図6に示されるような機能構成を有する。
【0033】
図6は、第1の実施の形態におけるユーザ端末20及びサーバ装置10の機能構成例を示す図である。
図6において、ユーザ端末20は、タグ通信部21及びブラウザ部22等を有する。これら各部は、ユーザ端末20にインストールされた1以上のプログラムが、CPU201に実行させる処理により実現される。
【0034】
タグ通信部21は、NFCリーダ206を利用してタグシールからタグIDを含むURLを取得し、当該URLを入力情報としてブラウザ部22を起動する。なお、タグ通信部21は、ユーザ端末20のOS(Operating System)の一部によって実現されてもよい。
【0035】
ブラウザ部22は、例えば、一般的なWebブラウザである。ブラウザ部22は、タグ通信部21から入力情報として通知されたURLに対応するサーバ装置10のポータル部12に、当該URLに含まれているタグIDと、ユーザ端末20のユーザのユーザIDとを含む情報を送信する。ブラウザ部22は、また、ポータル部12から送信されるWebページを表示装置211に表示する。
【0036】
サーバ装置10は、制御部11、ポータル部12並びにサービス部13a、13b及び13c等の1以上のサービス部13を有する。これら各部は、サーバ装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。サーバ装置10は、また、サービス情報記憶部121、機器情報記憶部122、ソフト情報記憶部123、ユーザ情報記憶部124及びタグ情報記憶部125等を利用する。これら各記憶部は、例えば、補助記憶装置102、又はサーバ装置10にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0037】
ポータル部12は、ブラウザ部22から送信されるユーザID及びタグIDを受信し、当該ユーザID及び当該タグIDを制御部11に通知する。ポータル部12は、また、当該サービスに関する画面を示すWebページをブラウザ部22に送信する。
【0038】
制御部11は、ポータル部12から通知されたユーザID及びタグIDに対応するサービスの実行を制御する。具体的には、制御部11は、当該サービスに対応するサービス部13に当該サービスに関する処理を実行させる。
【0039】
各サービス部13は、それぞれが対応するサービスを実現するための処理を実行する。
【0040】
なお、各記憶部に記憶される情報の詳細については後述される。
【0041】
以下、情報処理システム1において実行される処理手順について説明する。
図7は、第1の実施の形態における処理フェーズを説明するための図である。
【0042】
まず、ユーザは、タグシールとサービスとの関連付けを行う(S10)。上記したように、ユーザごとにタグID(タグシール)とサービスとの関係を異ならすことが可能であるからである。斯かる作業は、ユーザが利用するタグシールごとに行われる。
【0043】
その後、ユーザは、サービスを関連付けたタグシールにユーザ端末20を翳す(近接させる)ことで、当該ユーザ及び当該タグシールに関連付いたサービスを利用することができる(S20)。なお、
図4は、S20の処理フェーズの概要を説明したものである。
【0044】
図8は、タグシールに対するユーザ端末20の近接に応じて実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0045】
制御部11は、ユーザ環境E1内の機器30群のうち、機器情報記憶部122に登録されている各機器30から当該機器30の機器情報を定期的に取得している(S101、S102)。
【0046】
図9は、機器情報記憶部122の構成例を示す図である。
図9に示されるように、機器情報記憶部122には、機器30ごとに、主体ID、IPアドレス、分類、型名、名称、所在地、機器状態及び機器アカウント等が記憶される。
【0047】
主体IDは、サービスの実行主体としての機器30の識別情報である。分類は、機器30の種別である。「IWB」は、電子黒板を示し、「MFP」は、複合機を示す。他の分類が定義されてもよい。型名は、機器30の商品名である。名称は、機器30に対してユーザによって任意に付与された名称である。所在地は、機器30の所在地である。機器状態は、機器30の現在の状態である。本実施の形態において、機器状態は、「電源オフ」、「省エネ」、「電源オン」の3種類の電源状態のいずれかの値を示す。「電源オフ」は、機器30を利用不可な状態であり、制御部11によって電源オンへの移行ができない状態である。「省エネ」は、省電力状態である。制御部11は、機器30のAPIを呼び出すことで、「省エネ」から「電源オン」へ機器30の状態を移行させることができる。「電源オン」は、機器30を利用可能な状態である。機器アカウントは、サーバ装置10が機器30のAPIを遠隔的に呼び出す際に必要とされるアカウント情報である。
【0048】
例えば、主体ID、IPアドレス及び機器アカウントは、予めユーザ環境E1の管理者等によって登録されていてもよい。この場合、制御部11は、機器情報記憶部122に記憶されている各IPアドレス宛に係る各機器30へ機器情報の取得要求を送信する。各機器30から返信される機器情報には、分類、型名、名称、所在地、機器状態が含まれていてもよい。制御部11は、返信された機器情報を、送信元のIPアドレスに関連付けて機器情報記憶部122に記憶する。
【0049】
なお、機器情報は、機器30からのプッシュ通知によって取得されてもよいし、制御部11からのポーリングによって取得されてもよい。また、機器情報の取得にはSNMP(Simple Network Management Protocol)が利用されてもよい。すなわち、機器情報は、MIB(Management Information Base)を構成する情報の一部でもよい。
【0050】
一方、ユーザが、いずれかの機器30(以下、「対象機器30」という。)に貼付されているタグシールにユーザ端末20を翳すと(S111)、ユーザ端末20のタグ通信部21は、NFCリーダ206を利用して当該タグシールに記憶されているタグ情報を取得する(S112、S113)。当該タグ情報には、タグID(以下、「対象タグID」という。)をオプション情報として含むURLが含まれている。続いて、タグ通信部21は、当該タグ情報にURLが含まれていることに基づき、当該URLを入力情報としてブラウザ部22を自動的に起動する(S114)。
【0051】
続いて、ブラウザ部22は、入力情報であるURL(以下、「対象URL」という。)に対応するアクセス先(サーバ装置10のポータル部12)に対して、HTTPリクエストを自動的に送信する(S115)。当該HTTPリクエストには、対象タグIDの他に、アカウント情報が含まれる。アカウント情報とは、ユーザ端末20が過去に当該URLにアクセスし、認証に成功した場合であれば、当該認証に成功した際にユーザ端末20に当該URLに関連付けられて保存されているcookieである。ユーザ端末20が過去に当該URLにアクセスしたことが無ければ、アカウント情報は、空である。また、当該HTTPリクエストには、位置情報(
図8では、「gps」として表記されている。)が含まれてもよい。位置情報は、ユーザ端末20のGPS(Global Positioning System)機能によって測位された緯度及び経度である。位置情報が含まれることで、後段の処理において、ユーザの近辺の機器30をサーバ装置10が特定することができる。
【0052】
ポータル部12は、当該HTTPリクエストを受信すると、アカウント情報について認証を行う。認証に成功した場合、ステップS116以降が実行される。認証に失敗した場合(当該アカウント情報が空である場合も含む。)、ポータル部12は、アカウント情報の入力要求をブラウザ部22へ返信する。ブラウザ部22は、当該入力要求に応じ、ログイン画面を表示して、テナントID、ユーザID及びパスワード等を含むアカウント情報の入力をユーザから受け付ける。ブラウザ部22は、入力されたアカウント情報をポータル部12へ送信する。ポータル部12は、当該アカウント情報について改めて認証を行い、認証に成功すれば、当該アカウント情報に基づいて生成したcookieをブラウザ部22に返信して、ステップS116以降を実行する。当該cookieを受信したブラウザ部22は、当該cookieを対象URLに関連付けてユーザ端末20に保存する。なお、テナントIDとは、ユーザ環境E1ごと(例えば、企業ごと)に割り当てられる識別情報である。
【0053】
ステップS116において、ポータル部12は、対象タグIDと当該アカウント情報に係るユーザID(以下「対象ユーザID」という。)とを指定して、対象ユーザIDに対する対象タグIDの登録の有無の確認を制御部11に要求する。
【0054】
制御部11は、タグ情報記憶部125を参照して、対象ユーザIDに対して対象タグIDが登録されているか(関連付けられているか)を確認し、確認結果として登録の有無を示す情報をポータル部12へ返却する(S117)。
【0055】
図10は、タグ情報記憶部125の構成例を示す図である。
図10に示されるように、タグ情報記憶部125には、ユーザIDごとに、タグIDと、当該ユーザID及び当該タグIDの組に対して関連付けられた入力サービス及び出力サービスのそれぞれのサービスの識別情報(以下「サービスID」という。)が記憶されている。
図10においては、ユーザIDが「Taro」であるユーザTaroについては、「Tag01」、「Tag02」が登録されている。したがって、対象ユーザIDが「Taro」であり、対象タグIDがこれらのいずれかであった場合、制御部11は、対象ユーザIDに対して対象タグIDが登録されていることを示す応答をポータル部12に返却する。一方、対象タグIDが、「Tag03」等のように「Tag01」及び「Tag02」のいずれでもない場合、制御部11は、対象ユーザIDに対して対象タグIDが登録されていないことを示す応答をポータル部12に返却する。
【0056】
なお、
図10におけるタグ情報記憶部125において、入力サービス及び出力サービスの組がユーザID及びタグIDに関連付けられることからも明らかなように、本実施の形態では、
図5に示した4つの類型のうち(2)の類型について説明するが、他の類型が採用される場合、当該他の類型に合わせてタグ情報記憶部125の構成を変更すればよい。
【0057】
対象ユーザIDに対して対象タグIDが登録されていない場合、タグIDの登録処理が実行される(S200)。対象ユーザIDに対して対象タグIDが登録されている場合、サービスの制御処理が実行される(S300)。
【0058】
続いて、ステップS200の詳細について説明する。
図11は、タグIDの登録処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0059】
ステップS201において、ポータル部12は、対象タグIDに対するサービスの関連付けをユーザに設定させるための連携設定画面を示すWebページを生成し、当該Webページをブラウザ部22へ送信する。ブラウザ部22は、当該Webページを受信すると、当該Webページに基づいて連携設定画面を表示装置211に表示する。
【0060】
図12は、連携設定画面の表示例を示す図である。
図12において、連携設定画面510は、入力サービス選択領域511、出力サービス選択領域512、OKボタン513、及びキャンセルボタン514等を含む。
【0061】
入力サービス選択領域511は、対象タグIDに関連付ける入力サービスの選択を受け付けるための領域であり、選択候補の入力サービスごとに、サービスID、主体ID及び説明等を含む行が表示される。
【0062】
出力サービス選択領域512は、対象タグIDに関連付ける出力サービスの選択を受け付けるための領域であり、選択候補の出力サービスごとに、サービスID、主体ID及び説明等を含む行が表示される。
【0063】
図12に示される連携設定画面510の構成は、
図5の(2)の類型に対応したものである。他の類型を採用する場合、他の類型に適した構成を有するように、連携設定画面510が生成されればよい。
【0064】
なお、連携設定画面510において選択候補とされる入力サービス及び出力サービスは、ユーザ情報記憶部124を参照して特定される。
【0065】
図13は、ユーザ情報記憶部124の構成例を示す図である。
図13において、ユーザ情報記憶部124には、テナントID別に、当該テナントIDに係るユーザ環境E1における各ユーザのユーザIDに関連付けて、当該ユーザが利用可能なサービスのサービスIDが記憶されている。例えば、ユーザTaroは、サービスIDが、「SD_DISP」、「SD_PRINT」又は「SS_LATEST」である3つのサービスを利用可能であることが分かる。したがって、
図12では、合計で3つのサービスが選択候補として表示されている。すなわち、
図12は、対象ユーザIDが「Taro」である場合の連携設定画面510の表示例を示す。
【0066】
なお、ユーザ情報記憶部124の内容は、例えば、ユーザ環境E1の管理者等によって予め登録される。
【0067】
ユーザ情報記憶部124に記憶されている各サービスIDに係るサービスの詳細情報は、サービス情報記憶部121に記憶されている。
【0068】
図14は、サービス情報記憶部121の構成例を示す図である。
図14に示されるように、サービス情報記憶部121には、テナントIDに関連付けて、当該テナントIDに係るユーザ環境E1において定義されているサービスごとに、サービスID、サービス名、種別、主体ID及び説明が記憶されている。
【0069】
サービス名は、サービスの名称である。種別は、当該サービスが入力サービスであるか出力サービスであるかを示す情報である。すなわち、「入力」は、入力サービスを示し、「出力」は、出力サービスを示す。主体IDは、当該サービスを実行する主体の主体IDである。主体IDによって識別される対象は、機器30又はソフトウェアである。説明は、サービスの概要の説明である。
【0070】
なお、 "D_"で始まる主体IDは、機器30の主体IDを意味し、"S_"で始まる主体IDは、ソフトウェアの主体IDを意味する。"D_"で始まる主体IDに係る各機器の機器情報は、機器情報記憶部122(
図9)に記憶されている。"S_"で始まる主体IDに係る各ソフトウェアのソフト情報は、ソフト情報記憶部123に記憶されている。
【0071】
図15は、ソフト情報記憶部123の構成例を示す図である。
図15に示されるように、ソフト情報記憶部123には、サービスの実行主体の候補のソフトウェアごとに、主体ID、URL、分類及びユーザアカウントが記憶されている。URLは、当該ソフトウェアのURLである。分類は、データの扱い方に基づくソフトウェアの分類である。「Storage」は、オンラインストレージを示し、「DB」は、データベースを示す。ユーザアカウントは、当該ソフトウェアを利用するためのアカウント情報である。
【0072】
なお、ポータル部12は、ユーザ情報記憶部124(
図13)及びサービス情報記憶部121(
図14)を参照して、連携設定画面510を生成可能である。また、
図8のステップS115のHTTPリクエストに位置情報(gps)が含まれている場合、機器30によって実行されるサービス("D_"で始まる主体IDが関連付いているサービス)ついては、所在地が当該位置情報に対応するサービスのみが選択候補とされてもよい。
【0073】
図11に戻る。連携設定画面510の入力サービス選択領域511においていずれか1つの入力サービスが選択され、出力サービス選択領域512においていずれか1つの出力サービスが選択されて、OKボタン513が押下されると(S202)、ブラウザ部22は、選択された入力サービスのサービスID(InSID)と、選択された出力サービスのサービスID(OutSID)とを含む登録要求をポータル部12へ送信する(S203)。
【0074】
ポータル部12は、当該登録要求に応じ、対象タグID、InSID、OutSID及び対象ユーザIDを指定して、対象タグIDの登録を制御部11に要求する(S204)。斯かる要求に応じ、制御部11は、対象ユーザIDに関連付けて、対象タグID、InSID及びOutSIDをタグ情報記憶部125(
図10)に記憶し、登録結果を応答する(S205)。当該登録結果は、InSIDに係るサービス及びOutSIDに係るサービスの双方がソフトウェアによって実行されるサービスであれば、登録の成功を示す情報である。一方、InSIDに係るサービス及びOutSIDに係るサービスのうちの少なくともいずれか一方が、機器30によって実行されるサービスである場合、当該登録結果は、仮登録の成功を示す情報である。仮登録の成功とは、対象タグIDに関連付けるサービスを実行する機器30が、ユーザの意図している機器30であるか否かを確認する必要が有ることを示す登録結果である。なお、InSID又はOutSIDに係るサービスがソフトウェアによって実行されるのか機器30によって実行されるのかは、サービス情報記憶部121(
図14)において、当該サービスIDに関連付けられている主体IDが"S_"で始まるか"D_"で始まるかに基づいて判定可能である。
【0075】
当該登録結果が登録の成功を示す場合、ポータル部12は、登録の成功を示すWebページをブラウザ部22へ送信する(S206)。ブラウザ部22が当該Webページを表示することで、対象ユーザは、対象タグIDの登録が成功したことを確認することができる。
【0076】
一方、当該登録結果が仮登録の成功を示す場合、ポータル部12は、InSID又はOutSIDに係るサービスの主体IDに係る機器30について、所定時間内(例えば、3分間等)に電源のON/OFFを所定回数繰り返すことの指示を示すWebページをブラウザ部22へ送信する(S207)。すなわち、InSIDに係るサービスが機器30によって実行されるサービスであれば、当該機器30が電源のON/OFFの対象とされる。また、OutSIDに係るサービスが機器30によって実行されるサービスであれば、当該機器30が電源のON/OFFの対象とされる。InSIDに係るサービス及びOutSIDに係るサービスの双方が機器30によって実行されるサービスであれば、2つの機器30が、電源のON/OFFの対象とされる。
【0077】
ブラウザ部22が、当該Webページを表示すると(S208)、ユーザは、自らがサービスの実行主体であるとして認識している機器30について、電源のON/OFFの操作を実行すべきことを認識する。そこで、ユーザは、当該機器30の電源ボタンを操作して、当該機器30の電源のON/OFFを所定時間内に所定回数繰り返す(S209)。
【0078】
一方、制御部11は、ステップS205において仮登録の成功を示す情報を応答した場合、仮登録に成功したタグIDに関連付けられたサービスを実行する機器30の状態の監視を開始する。例えば、制御部11は、当該機器30のIPアドレスを対象として、pingコマンドを繰り返し実行してもよいし、他の方法によって当該機器30の状態を監視してもよい。その結果、制御部11が監視対象としている機器30と、ユーザが電源のON/OFFを行っている機器30とが一致していれば、制御部11は、監視対象の機器30(すなわち、対象タグIDに関連付けられるサービスを実行する機器30)の電源が、所定時間内に所定回数だけON/OFFされるのを検知することができる(S210)。この場合、制御部11は、登録の成功をポータル部12へ通知する(S211)。当該通知には、対象タグID、InSID、OutSID及び対象ユーザID等が含まれてもよい。ポータル部12は、当該通知に応じ、ブラウザ部22に対し、登録の成功を示すWebページを送信する(S212)。ブラウザ部22が当該Webページを表示すると、対象ユーザは、対象タグIDの登録の成功を確認することができる(S213)。
【0079】
一方、制御部11が、監視対象の機器30について、電源のON/OFFを検知できなかった場合、制御部11は、ステップS204に応じてタグ情報記憶部125に記憶したレコードを削除して、登録の失敗をポータル部12に通知する。この場合、ポータル部12は、登録の失敗を示すWebページをブラウザ部22へ送信する。
【0080】
なお、ユーザ端末20が翳されたタグシールに対応付けられるサービスが、ユーザの意図した機器30によって実行されることについての確認は、上記以外の方法によって行われてもよい。例えば、InSID又hOutSIDに係る機器30が、表示装置を有する機器30であれば、制御部11は、ステップS205において仮登録の成功を示す応答を行った後で、ランダムに生成したPIN(Personal Identification Number:個人暗証番号)コードの表示指示を当該デバイスに送信してもよい。この場合、ポータル部12は、PINコードの入力を受け付けるためのWebページをステップS207においてブラウザ部22へ送信すればよい。ユーザが、機器30に表示されたPINコードを確認することができ、当該PINコードがWebページに入力された場合には、ポータル部12はブラウザ部22から送信されたPINコードを制御部11へ通知する。制御部11は、当該PINコードが、自らが生成したPINコードに一致すれば登録の成功をポータル部12へ通知し、一致しない場合は登録の失敗をポータル部12へ通知すればよい。なお、PINコードの代わりにランダムに生成される文字列が利用されてもよい。
【0081】
タグIDの登録が成功することで、対象ユーザは、ユーザ端末20を翳したタグシールを利用して、サービスの提供を受けることが可能となる。
【0082】
続いて、
図8のステップS300の詳細について説明する。
図16は、サービスの制御処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。ここでは、対象ユーザがユーザTaroであり、対象タグIDが「Tag01」であるとする。
【0083】
ステップS301において、ポータル部12は、
図8のステップS115のHTTPリクエストに対するHTTPレスポンスとして、当該HTTPリクエストに含まれている対象ユーザID及び対象タグIDの組み合わせに対応するサービス(入力サービス及び出力サービス)に関する画面(以下、「サービス画面」という。)を示すWebページをブラウザ部22に送信する。ブラウザ部22は、当該Webページに基づいて、サービス画面を表示装置211に表示する。
【0084】
図17は、サービス画面の初期状態の表示例を示す図である。
図17に示されるように、サービス画面520は、タイトル領域521、入力サービス領域522及びスタートボタン523等を含む。
【0085】
タイトル領域521には、入力サービスのサービス名及び出力サービスのサービス名が、データのフローの方向を示す矢印によって接続された文字列が表示されている。ポータル部12は、対象ユーザID及び対象タグIDの組み合わせに対応付けられている入力サービス及び出力サービスのそれぞれのサービスID(SS_LATEST、SD_PRINT)をタグ情報記憶部125(
図10)を参照して特定し、各サービスIDに対応するサービス名を、サービス情報記憶部121(
図14)から取得して、タイトル領域521を生成することができる。
【0086】
入力サービス領域522は、入力サービスによって入力されるデータのプレビューが表示される領域である。この時点では、入力サービスの実行は開始されていないため、入力サービス領域522は空欄となっている。
【0087】
スタートボタン523は、サービスの実行指示をユーザから受け付けるためのボタンである。この時点では、サービスを実行可能な条件が整っていないため、スタートボタン523は、グレーアウトされて操作不能とされている。
【0088】
続いて、ポータル部12は、対象タグID及び対象ユーザIDを指定して、サービスの開始を制御部11に要求する(S302)。制御部11は、対象タグID及び対象ユーザIDの組み合わせに対応する入力サービスのサービスID(SS_LATEST)と、出力サービスのサービスID(SD_PRINT)とを、タグ情報記憶部125(
図10)から取得し、入力サービスのサービスID(SS_LATEST)に対応するサービス部13aを生成する(S303)。ここで、サービス部13aの生成とは、例えば、サービス部13aとして機能するオブジェクトの生成である。又は、サービス部13aとして機能するプロセスの生成(プログラムの起動)であってもよい。この際、制御部11は、SS_LATESTの主体ID(S_WF1)に関連付けられてソフト情報記憶部123(
図15)に記憶されているソフト情報(主体ID、URL、分類、ユーザアカウント等)を、サービス部13aに入力する。
【0089】
続いて、サービス部13aは、入力されたソフト情報に含まれているURLに対して、当該ソフト情報に含まれているユーザアカウントを用いてアクセスして、オンラインストレージから最新ファイルを検索するソフトウェアサービスを呼び出す。当該ソフトウェアサービスには、予め、当該ユーザアカウントに係るユーザが利用する1以上のオンラインストレージシステム40が登録されている。したがって、当該ソフトウェアサービスは、当該オンラインストレージシステム40から、当該ユーザアカウントによって登録されたファイルのうち、最新のファイルを検索し(S304)、当該最新ファイルのファイル名及びプレビュー画像(例えば、1ページ目のプレビュー画像)を取得する(S305)。続いて、サービス部13aは、取得したファイル名及びプレビュー画像をブラウザ部22へ送信する(S306)。ブラウザ部22は、当該ファイル名及びプレビュー画像をサービス画面520に当てはめて表示する(S307)。
【0090】
図18は、ファイル名及びプレビュー画像が追加されたサービス画面の表示例を示す図である。
図18に示されるように、サービス画面520の入力サービス領域522には、プレビュー画像とファイル名とが追加されている。
【0091】
サービス画面520にファイル名及びプレビュー画像が表示されることにより、対象ユーザは、最新ファイルがいずれであるかを確認することができる(S307)。
【0092】
一方、制御部11は、サービス部13aの生成に続いて、又はサービス部13aの生成と並行して出力サービス(SD_PRINT)に対応するサービス部13bを生成する(S311)。この際、制御部11は、SD_PRINTの主体ID(S_MFP1)に関連付けられて機器情報記憶部122(
図9)に記憶されている機器情報(IPアドレス、分類、型名、名称、所在地、機器状態、機器アカウント等)をサービス部13bに入力する。当該機器情報を、以下「対象機器情報」という。
【0093】
サービス部13bは、対象機器情報に含まれているIPアドレスに基づいて、当該IPアドレスに係る機器30(すなわち、対象機器30)の状態を確認する(S312、S313)。当該状態の確認は、対象機器30のAPIを呼び出すことによって行われてもよいし、pingコマンド等の汎用的な手段を利用して行われてもよい。対象機器30の状態の確認は、対象機器30が正常に起動していること(「電源オン」)が確認されるまで繰り返される。対象機器30が正常に起動していることが確認されると、サービス部13bは、対象機器30が正常に起動していることを示す情報をブラウザ部22へ送信する(S314)。但し、対象機器30の状態が、「省エネ」である場合、サービス部13bは、対象機器30の状態を強制的に「省エネ」から「電源オン」に変更してもよい。
【0094】
ブラウザ部22は、当該情報を受信すると、スタートボタン523のグレーアウトの解除条件が満たされたか否かを確認し、当該解除条件が満たされた場合、スタートボタン523のグレーアウトを解除して、スタートボタン523を操作可能とする。
【0095】
図19は、スタートボタンのグレーアウトが解除されたサービス画面の表示例を示す図である。なお、当該解除条件とは、入力サービス領域522にファイル名及びプレビュー画像が表示され、かつ、対象機器30が正常に起動されていることである。当該解除条件の充足の有無は、例えば、サービス画面520を示すWebページ内のスクリプトによって判定されてもよい。
【0096】
対象ユーザは、
図19に示されるようなサービス画面520を参照して、サービスを利用可能な状態(すなわち、ここでは印刷の実行が可能な状態)が整ったことを確認することができる(S315)。
【0097】
なお、制御部11は、サービス部13bの生成後、サービス部13bのアドレス情報(例えば、オブジェクトのポインタ又は参照等)を出力先情報としてサービス部13aに通知しておく(S321)。
【0098】
その後、対象ユーザによってスタートボタン523が押下(タッチ)されると(S331)、ブラウザ部22は、サービス画面520に係るWebページにおけるスタートボタン523が押下された際の定義に基づいて、サービス部13aに対して実行要求を送信する(S332)。サービス部13aは、当該実行要求に応じ、ステップS304及びS305において検索した最新ファイルのファイル名に係る最新ファイルを、当該最新ファイルを記憶しているオンラインストレージから取得する(S333、S334)。
【0099】
続いて、サービス部13aは、ステップS321において通知された出力先情報に係るサービス部13bへサービスの実行要求を通知する(S325)。当該実行要求には、最新ファイルが含まれる。
【0100】
続いて、サービス部13bは、当該実行要求に応じ、当該実行要求に含まれている最新ファイルについての印刷要求を、対象機器情報に含まれているIPアドレスに係る機器30に送信する(S336)。当該印刷要求は、当該機器30が有するAPIを介して当該機器30に通知されてもよい。当該機器30は、当該印刷要求に応じて最新ファイルの印刷を実行する。印刷が完了すると、当該機器30は、印刷の完了通知を示す応答をサービス部13bへ返信する(S337)。続いて、サービス部13bは、サービスの実行の完了をサービス部13aへ通知する(S338)。サービス部13aは、当該通知に応じ、サービスの完了を示すWebページをブラウザ部22へ送信する(S339)。ブラウザ部22が当該Webページを表示すると、対象ユーザは、サービスの完了(すなわち、印刷の完了)を確認することができる(S340)。そこで、対象ユーザは、対象機器30において出力されている印刷物を取得する(S341)。
【0101】
上記の処理手順により、ユーザは、対象機器30に貼付されているタグシールにユーザ端末20を翳すと、対象機器30によって最新ファイルが印刷されるといった操作感を経験することができる。
【0102】
なお、上記では、最新ファイルの検索が入力サービスであり、印刷が出力サービスである例について説明したが、例えば、電子黒板に貼付されたタグシールのタグIDに関連付ける出力サービスとして、電子黒板への表示が選択された場合には、入力サービスによって入力されたデータを電子黒板に表示させることもできる。その他、1以上の入力サービス及び1以上出力サービスの各組み合わせ、又は各種の単独サービスを各タグシール(各タグID)に関連付けておき、各タグシールをユーザにとって便利な場所に貼付しておくことで、ユーザは、各タグシールにユーザ端末20を翳すといった簡易な操作で、業務を効率化できるサービスを享受することができる。
【0103】
なお、上記では、説明の便宜上、タグシールが、当該タグシールに関連付けられた出力サービスの実行主体となる機器30に貼付される例について説明したが、タグシールの貼り付け先に制限は無い。例えば、各ユーザの自席の机等の任意の位置にタグシールが貼られてもよい。当該タグシールのタグIDを、ユーザがよく利用するプリンタによる印刷のサービスに関連付けておけば、例えば、ユーザ端末20に表示させたデータを当該プリンタに印刷させるといった作業を、ユーザは、机に貼付された当該タグシールにユーザ端末20を翳すだけで行うことができる。
【0104】
上述したように、第1の実施の形態によれば、ユーザは、タグシールにユーザ端末20を近接させることで、当該タグシールに関連付けて予め設定した処理を機器30に実行させることができる。すなわち、機器30に関して新規な操作性を提供することができる。その結果、ユーザは、機器30ごとにことなる操作パネル等のユーザインタフェースを操作する機会を低減させることができ、複数の機器30に跨って統一性の高い操作によって各機器30を利用することができるようになる。
【0105】
また、1つのタグIDに入力サービス及び出力サービス等の複数のサービスの連携を関連付けておくことにより、ユーザは、簡易な操作で当該サービスの連携を享受することができる。
【0106】
また、本実施の形態では、ユーザが上記のサービスを利用するための準備作業としては、基本的には、タグIDの登録であり、予めユーザ端末20に対して特別なプログラムのインストール作業等が必要とされる可能性は低い。
【0107】
また、同一のタグIDに対してユーザごとに異なるサービスを関連付けることができるため、ユーザ別のカスタマイズも容易に行うことができる。
【0108】
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では第1の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第1の実施の形態と同様でもよい。
【0109】
第1の実施の形態では、サービスの実行要求の宛先情報(URL)を記憶した外部記録媒体の一例としてNFCタグを利用した例を示したが、近距離無線通信を実行可能な他の外部記録媒体が用いられてもよい。例えば、アクティブRFID(Radio Frequency Identification)タグであるBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)ビーコンがNFCタグの代わりに利用されてもよい。この場合、ユーザ端末20は、BlueTooth(登録商標)信号からURL(タグID)を取得すればよい。BlueTooth(登録商標)の場合、通信距離が長いため、複数のBLEビーコンの信号が1度にユーザ端末20によって受信される可能性が有る。この場合、ユーザ端末20は、複数の信号のURL(タグID)の一覧を表示し、当該一覧の中から利用するURL(タグID)をユーザに選択させるようにしてもよい。
【0110】
又は、ユーザ端末20は、近距離無線通信以外の方法でURL(タグID)を取得してもよい。例えば、URL(タグID)が記録されたバーコード又は2次元コードが印字されたシールがタグシールの代わりに利用されてもよい。この場合、ユーザ端末20は、バーコードリーダ又は2次元コードリーダを用いてURL(タグID)を取得すればよい。
【0111】
又は、ユーザ端末20は、画像が印字されたシールからURL(タグID)を取得してもよい。この場合、ユーザ端末20は、当該画像をデジタルカメラによって入力し、当該画像に埋め込まれた地紋等からURL(タグID)を抽出してもよい。画像に対する地紋等によって情報を埋め込みや、当該地紋からの情報の抽出については公知技術が利用されればよい。
【0112】
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では第1又は第2の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第1又は第2の実施の形態と同様でもよい。
【0113】
上記各実施の形態ではサービスの実行要求の宛先情報がURLである例について示したが、例えば、サーバ装置10のポータル部12に対応するドメインを含むメールアドレスが当該宛先情報として利用されてもよい。この場合、タグ通信部21は、ユーザ端末20のメーラを起動し、当該メーラに、外部記録媒体から取得したメールアドレスを入力する。メーラは、当該メールアドレス宛にメールを自動送信する。ポータル部12は、当該メールを受信し、例えば、当該メールアドレスのローカル部をタグIDとして処理を実行してもよい。
【0114】
同様に、他のコミュニケーションアプリ等における宛先情報がURLの代わりに利用されてもよい。
【0115】
次に、第4の実施の形態について説明する。
図20は、第4の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
図20に示される情報処理システム2において、サーバ装置10a及びユーザ環境E2は、インターネット等の広域的なネットワークN2を介して通信可能とされている。但し、ネットワークN2は、イントラネット等、所定の範囲内においてアクセスが可能なネットワークであってもよい。
【0116】
ユーザ環境E2は、1以上のプロジェクタ60等の出力機器及び1以上の仲介装置50が設置された企業等の組織におけるシステム環境である。プロジェクタ60は、入力される画像を投影面に投影する装置であって出力機器の一例である。ユーザ環境E2において、各プロジェクタ60は、それぞれに対応する仲介装置50に接続される。すなわち、プロジェクタ60と仲介装置50とは一対一に対応する。プロジェクタ60と仲介装置50とは、例えば、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)等のように、画像を伝達可能な規格に準拠したインタフェースを介して接続される。例えば、プロジェクタ60と仲介装置50とは、当該インタフェースに対応したケーブル(例えば、HDMI(登録商標)ケーブル等)によって接続されてもよい。又は、仲介装置50が有する当該インタフェースに対応したコネクタと、プロジェクタ60が有する当該インタフェースに対するコネクタとが直接的に接続されてもよい。例えば、仲介装置50がプロジェクタ60のコネクタに挿入されることで、両者が接続されてもよい。又は、仲介装置50とプロジェクタ60の間が無線通信で接続されていてもよいし、ネットワークを介して接続されていてもよい。
【0117】
プロジェクタ60と仲介装置50とが上記のように接続されることで、仲介装置50は、プロジェクタ60に対して投影対象の画像を送信することができる。
【0118】
仲介装置50は、ユーザ環境E2内のLAN等を介してネットワークN2に接続される。仲介装置50は、ユーザ環境E2内のLAN等に無線接続してもよい。仲介装置50は、内部にWebブラウザを備え、当該Webブラウザによって、サーバ装置10aから送信される画像データに関する処理の実行要求に応じた処理を実行してプロジェクタ60等の出力機器を制御する(例えば該処理の実行結果をプロジェクタ60に出力させる)。具体的には、本実施の形態において、仲介装置50は、当該画像データの出力(例えば投影)をプロジェクタ60に実行させる。すなわち、仲介装置50は、サーバ装置10aから送信されるデータについてのプロジェクタ60による画像の出力(例えば投影)を仲介する。なお、例えば、HDMI(登録商標)ドングルやスティックPC等のコンピュータが、仲介装置50として利用されてもよい。
【0119】
ユーザ端末20aは、ユーザ環境E2における各ユーザが携帯する情報処理端末である。例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC、又は携帯電話等がユーザ端末20aとして利用されてもよい。なお、ユーザ端末20aは、ユーザ環境E2内のLAN等を介さずに(例えば、移動体通信網等を介して)ネットワークN2に接続可能である。但し、ユーザ端末20aは、ユーザ環境E2内のネットワークに接続可能であってもよい。
【0120】
サーバ装置10aは、ユーザ端末20aを利用した簡易な操作で、ユーザ端末20aにおいて指定された画像データについて、プロジェクタ60等の出力機器による出力を実現するための処理を実行する1以上のコンピュータである。なお、サーバ装置10aは、ユーザ環境E2に設置されてもよい。なお、サーバ装置10aのハードウェア構成は、上記各実施の形態におけるサーバ装置10のハードウェア構成と同様でよい。
【0121】
図21は、第4の実施の形態におけるユーザ端末20aのハードウェア構成例を示す図である。
図21中、
図3と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図21において、ユーザ端末20aは、NFCリーダ206の代わりに近距離無線通信機206aを有し、更に、デジタルカメラ207を有する。
【0122】
近距離無線通信機206aは、近距離無線通信を行うためのハードウェアである。第4の実施の形態において、近距離無線通信機206aは、NFCタグに記憶されている情報を読み取る。すなわち、第4の実施の形態において、近距離無線通信機206aは、NFCリーダが好適である。デジタルカメラ207は、撮像機能を有する一般的なデジタルカメラであってユーザ端末20aに電子部品として内蔵されていてもよいし、ユーザ端末20aと外付けで接続されていてもよい。
【0123】
図22は、第4の実施の形態における仲介装置50のハードウェア構成例を示す図である。
図2の仲介装置50は、補助記憶装置501、メモリ装置502、CPU503、通信インタフェース504、及び画像インタフェース505等を有する。
【0124】
仲介装置50での処理を実現するプログラムは、補助記憶装置501にインストールされる。補助記憶装置501は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0125】
メモリ装置502は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置501からプログラムを読み出して格納する。CPU503は、メモリ装置502に格納されたプログラムに従って仲介装置50に係る機能を実行する。通信インタフェース504は、ネットワークに接続するための物理的なインタフェースである。画像インタフェース505は、プロジェクタ60への画像の送信用の物理的なインタフェースである。
【0126】
図23は、第4の実施の形態の概要を説明するための図である。
図23に示されるように、プロジェクタ60には、例えばシール状のNFCタグ(以下、単に「タグシール」という。)が貼り付けられている。タグシールには、サーバ装置10aにアクセスするためのURLのうち、ユーザ端末20aが最初にアクセスすべきURL(以下、「初期アクセスURL」という。)を含む情報(以下、「タグ情報」という。)が記憶されている。タグ情報において、初期アクセスURLには、オプション情報として登録IDが付与されている。例えば、タグ情報は以下のような形式を有する。
https://xxx.yyy.com/?tagid=Tag01
ここで、「tagid=XXX」における「XXX」の部分(上記では「Tag01」)が登録IDに相当する。登録IDは、サーバ装置10aにおいて登録されている識別情報である。タグシールごとに異なる登録IDが割り当てられても良いし、複数のタグシールに対して同じ登録IDが割り当てられてもよい。一方、「https://xxx.yyy.com/」の部分(初期アクセスURL)は、ユーザ環境E2内において利用される各タグシールに記憶されているタグ情報について共通であってもよい。なお、登録IDは初期アクセスURLに含まれていなくともよく、初期アクセスURLとは別個に記憶されていてもよい。
【0127】
ユーザが、プロジェクタ60に貼り付けられているタグシールに例えばユーザ端末20aを翳すと(S21)、ユーザ端末20aの近距離無線通信機206aは、タグシールに記憶されているタグ情報を読み取ることでタグ情報を取得する(S22)。続いて、ユーザ端末20aは、当該取得したタグ情報に含まれている初期アクセスURLの宛先(「https://xxx.yyy.com」)であるサーバ装置10aへアクセスする(S23)。この際、取得したタグ情報に含まれる登録ID等もサーバ装置10aへ送信される。
【0128】
サーバ装置10aは、当該登録IDに関連付けて予め登録されているサービスの実行を制御する。例えば、当該サービスが、ユーザ端末20aが撮像する画像データを特定のプロジェクタ60に投影させることであれば、サーバ装置10aは、ユーザ端末20aが撮像した画像データをユーザ端末20aから取得して、当該画像データを当該登録IDに対応付けられている仲介装置50へ送信する(S24)。なお、サーバ装置10aは、例えば、画像データのアップロードを促す画面の表示データをユーザ端末20aへ送信し、当該画面を介したユーザによる操作に応じてユーザ端末20aが撮像した画像データをユーザ端末20aから受信することで、当該画像データを取得する。
【0129】
仲介装置50は、当該画像データをサーバ装置10aから受信すると、当該画像データを描画する。その結果、描画結果がプロジェクタ60へ送信される(S25)。プロジェクタ60は、当該描画結果(すなわち、当該画像データ)を投影する。
【0130】
したがって、ユーザは、ユーザ端末20aの外部からタグ情報を取得するといった簡易な操作によって、上記のような出力機器に関するサービスを受けることができる。例えば上記で説明した一例では、プロジェクタ60に配置(貼付)されたタグシールにユーザ端末20aを翳す(近接させる)といった簡易な操作によって、上記のようなサービスを受けることができる。なお、上記の通り、登録IDに応じて実行されるサービスが特定される。すなわち、登録IDごとに異なるサービスを関連付けることができる。
【0131】
図23において説明した処理を実現するために、ユーザ端末20a、仲介装置50及びサーバ装置10aは、
図21に示されるような機能構成を有する。
【0132】
図24は、第4の実施の形態における各装置の機能構成例を示す図である。
図24において、ユーザ端末20aは、情報取得部21a及びブラウザ部22等を有する。これら各部は、ユーザ端末20aにインストールされた1以上のプログラムが、CPU201に実行させる処理により実現される。
【0133】
情報取得部21aは、近距離無線通信機206aを利用して、タグシールからタグ情報(登録IDを含む初期アクセスURL)を取得し、当該タグ情報を入力情報としてブラウザ部22を起動する。なお、情報取得部21aは、ユーザ端末20aのOS(Operating System)の一部がCPU201に実行させる処理によって実現されてもよい。
【0134】
ブラウザ部22は、例えば、一般的なWebブラウザであり、HTML(HyperText Markup Language)データやスクリプト(例えば、JavaScript(登録商標))等に従った処理を実行する。ブラウザ部22は、情報取得部21aから入力情報として通知されたタグ情報に含まれる初期アクセスURLに対応するサーバ装置10aのアプリ判定部15に、当該タグ情報URLに含まれている登録ID等を送信する。ブラウザ部22は、また、初期アクセスURLへのアクセスに応じたアプリ判定部15からの応答であるリダイレクト要求に従って、サーバ装置10aが有するアプリケーションのうち、登録IDに関連付けられているアプリケーションにアクセスする。ブラウザ部22は、当該アプリケーションから、ユーザ端末20aへの処理の実行要求を示すデータ(HTMLデータやスクリプト等)を取得する。
【0135】
仲介装置50は、通信制御部51、ブラウザ管理部52及びブラウザ部53等を有する。これら各部は、仲介装置50にインストールされた1以上のプログラムが、CPU503に実行させる処理により実現される。
【0136】
通信制御部51は、サーバ装置10aの配信部14との間で双方向の通信路を接続(通信セッションを確立)し、当該通信路(通信セッション)において仲介装置50側の端点として機能する。当該通信路(通信セッション)を介した通信により、仲介装置50の状態をサーバ装置10aに通知したり、仲介装置50がプロジェクタ60に投影させるべき画像データがサーバ装置10aへ入力された(本実施の形態では、ユーザ端末20aからアップロードされた)ことの通知をサーバ装置10aから受信することができる。
【0137】
ブラウザ管理部52は、ブラウザ部53を例えばキオスクモードで起動する。キオスクモードとは、仲介装置50の用途をWebページの表示に制限するモードをいう。なお、キオスクモードはあくまで一例であって、Webページの表示が可能なモードであれば他のモードであってもよい。
【0138】
ブラウザ部53は、例えば、一般的なWebブラウザであり、HTMLデータやスクリプト等に従った処理を実行する。ブラウザ部53は、起動に応じ、初期アクセスURL(すなわち、サーバ装置10aのアプリ判定部15)にアクセスする。この際、初期アクセスURLに対して、ブラウザ部53の識別情報(以下、「ブラウザID」という。)がオプション情報として付与される。ブラウザ部53は、初期アクセスURLへのアクセスに応じたアプリ判定部15からの応答であるリダイレクト要求に従って、サーバ装置10aが有するアプリケーションのうち、当該ブラウザIDに関連付けられているアプリケーションにアクセスする。ブラウザ部53は、当該アプリケーションから、仲介装置50への処理の実行要求を示すデータ(HTMLデータやスクリプト等)を取得する。
【0139】
サーバ装置10aは、配信部14、アプリ判定部15、アップロードアプリ16及び出力アプリ17等を有する。これら各部は、サーバ装置10aにインストールされた1以上のプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。サーバ装置10aは、また、アプリ情報記憶部131、機器情報記憶部132、ユーザ情報記憶部133及び登録情報記憶部134等を利用する。これら各記憶部は、例えば、補助記憶装置102、又はサーバ装置10aにネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0140】
配信部14は、登録IDに対応付けられたサービスに関して入力となる画像データを当該画像データの入力元から受信し、当該サービスにおける当該画像データの出力先へ、当該画像データの入力を通知する。また、配信部14は、当該出力先からの要求に応じ、当該画像データを当該出力先へ送信する。本実施の形態において、当該入力元は、ユーザ端末20aであり、当該出力先は、仲介装置50である。
【0141】
アプリ判定部15は、初期アクセスURLに対応するアプリケーションを判定する。アプリ判定部15は、初期アクセスURLのアクセスに応じ、当該初期アクセスURLに付与されているオプション情報(登録ID又はブラウザID)に対応するアプリケーションを、登録情報記憶部134を参照して判定する。アプリ判定部15は、判定されたアプリケーションに対するURLを含むリダイレクト要求を含む応答を、初期アクセスURLへのアクセス元に送信する。本実施の形態では、画像データの入力元のユーザ端末20aからのアクセスについては、アップロードアプリ16のURLが登録IDに対応するアプリケーションとして判定される。また、画像データの出力先の仲介装置50からのアクセスについては、出力アプリ17のURLがブラウザIDに対応するアプリケーションとして判定される。
【0142】
アップロードアプリ16及び出力アプリ17は、本実施の形態において、サーバ装置10aが有するアプリケーションの一例である。アップロードアプリ16は、画像データのアップロードをユーザ端末20aに実行させるためのアプリケーションである。具体的には、アップロードアプリ16は、画像データのアップロードを実行させるためのHTMLデータ及びスクリプト等をユーザ端末20aへ送信する。出力アプリ17は、ユーザ端末20aからアップロードされた画像データの取得(ダウンロード)及び出力を、仲介装置50に実行させるためのアプリケーションである。具体的には、出力アプリ17は、当該取得及び出力を仲介装置50に実行させるためのHTMLデータ及びスクリプト等を仲介装置50へ送信する。
【0143】
アプリ情報記憶部131には、サーバ装置10aが有するアプリケーション(本実施の形態では、アップロードアプリ16及び出力アプリ17)ごとに、それぞれに関する情報(例えば、URL等)が記憶されている。
【0144】
ユーザ情報記憶部133には、サーバ装置10aにおけるアプリケーションを利用可能なユーザの識別情報等が記憶されている。
【0145】
機器情報記憶部132には、ユーザ環境E2に配置されている仲介装置50ごとに、当該仲介装置50の状態を示す情報が記憶される。
【0146】
登録情報記憶部134には、登録IDごとに、画像データの入力処理を実行するアプリケーションの識別情報や、画像データの出力処理を実行するアプリケーションの識別情報や、画像データの入力先となる仲介装置50のブラウザ部53の識別情報等が記憶されている。
【0147】
以下、情報処理システム2において実行される処理手順について説明する。
図25は、仲介装置50の起動に応じて実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0148】
ユーザによって、仲介装置50の電源がONにされると(S501)、通信制御部51は、サーバ装置10aの配信部14からの要求を非同期に受信するための通信路を配信部14との間で確立する(S502)。この際、通信制御部51は、自ら(通信制御部51)の識別情報である通信IDを配信部14に通知する。配信部14は、通知された通信ID(以下、「対象通信ID」という。)に基づいて、機器情報記憶部132を更新する。
【0149】
図26は、機器情報記憶部132の構成例を示す図である。
図26において、機器情報記憶部132には、テナントIDに対応付けられて、通信ID、アドレス情報、状態情報、ブラウザID及びブラウザ状態等が記憶される。テナントIDは、サーバ装置10aによって提供されるサービスの利用契約の締結者(テナント)の識別情報である。例えば、ユーザ環境E2が1つのテナントに相当してもよい。通信IDは、テナントIDに係るテナントに配置された各仲介装置50の通信制御部51の識別情報である。仲介装置50が1つの通信制御部51しか備えない場合には、通信IDは仲介装置50を識別する識別情報であってもよい。アドレス情報は、当該仲介装置50のローカルIPアドレスである。状態情報は、通信IDに係る通信制御部51がサーバ装置10aと接続中(通信路を確立した状態)であるか否か(「非接続」)を示す情報である。ブラウザIDは、通信IDに係る通信制御部51に対応するブラウザ部53の識別情報である。本実施の形態では、当該ブラウザIDは、通信IDに係る通信制御部51と同じ仲介装置50に含まれるブラウザ部53の識別情報である。ブラウザ状態は、ブラウザIDに係るブラウザ部53の起動状態を示す情報である。
【0150】
例えば、配信部14に通知された対象通信IDが「Eg001-01」であれば、機器情報記憶部132において当該通信IDに対応する状態情報が、
図26に示されるように「接続中」に変更される。
【0151】
続いて、通信制御部51は、ブラウザIDを取得するためにブラウザ管理部52を、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)等を利用して探査し(S503)、発見されたブラウザ管理部52から、当該ブラウザ管理部52の管理対象であるブラウザ部53の識別情報であるブラウザIDを取得する(S504)。本実施の形態では、仲介装置50内に通信制御部51とブラウザ管理部52とを備えている例が示されているが、仲介装置50が有する通信制御部51が他の仲介装置50が有するブラウザ管理部52と同一ネットワークを介して通信することによって複数のブラウザ管理部52及びブラウザ部53をも利用可能にするために、SNMP等を利用してブラウザ管理部52の探索が行われている。そのため、ブラウザ管理部52の探査は必ずしも必須ではなく、通信制御部51がブラウザIDを取得する取得先(ブラウザ管理部52)が予め設定されていてもよい。
【0152】
続いて、通信制御部51は、取得したブラウザIDに対応するブラウザ部53(本実施の形態では当該仲介装置50のブラウザ部53)が利用可能な状態になったことの通知を、当該ブラウザ部53のブラウザID(以下、「対象ブラウザID」という。)を指定して配信部14へ送信する(S505)。配信部14は、当該通知を受信すると、当該通知に指定されている対象ブラウザIDに基づいて、機器情報記憶部132(
図26)を更新する。具体的には、機器情報記憶部132において、対象ブラウザIDに対応するブラウザ状態の値が「電源OFF」から「電源ON」に更新される。
【0153】
続いて、通信制御部51は、対象ブラウザID及び初期アクセスURLを指定して、対象ブラウザIDに係るブラウザ部53の起動をブラウザ管理部52へ要求する(S506)。初期アクセスURLは、上記した通り、ブラウザ部53が最初にアクセスすべきURLをいい、ブラウザ管理部52に予め設定されている。
【0154】
ブラウザ管理部52は、通信制御部51からの要求に応じ、対象ブラウザIDに係るブラウザ部53をキオスクモードで起動する(S507)。この際、ブラウザ管理部52は、初期アクセスURLをブラウザ部53に入力する。ブラウザ部53は、キオスクモードでの起動に応じ、入力された初期アクセスURLへHTTPリクエストを送信する(S508)。当該HTTPリクエストには、対象ブラウザIDが含まれる。
【0155】
サーバ装置10aのアプリ判定部15は、当該HTTPリクエストを受信すると、リダイレクト要求を含む応答(HTTPレスポンス)をブラウザ部53へ送信する(S509)。当該リダイレクト要求には、リダイレクト先として当該ブラウザIDに対応付けられているアプリケーションのURLが含まれている。また、当該リダイレクト要求には、リダイレクト先への通知情報として、通信URL及びHTTPリクエストに含まれていた対象ブラウザIDが含まれている。なお、通信URLとは、通信制御部51のURLである。
【0156】
なお、アプリ判定部15は、登録情報記憶部134及びアプリ情報記憶部131を参照して、対象ブラウザIDに対応付けられているアプリケーションのURLを特定する。
【0157】
図27は、登録情報記憶部134の構成例を示す図である。
図27において、登録情報記憶部134には、登録ID、InアプリID、OutアプリID及びブラウザIDが対応付けられて記憶されている。
【0158】
InアプリIDは、登録IDに対応するサービスにおいて、画像データの入力を制御するアプリケーションのID(以下「アプリID」という。)である。「AP_Upload」は、アップロードアプリ16のアプリIDを示す。OutアプリIDは、登録IDに対応するサービスにおいて、画像データの出力を制御するアプリケーションのアプリIDである。「AP_PhotoShow」は、出力アプリ17のアプリIDを示す。ブラウザIDは、登録IDに対応するブラウザ部53のブラウザIDである。
【0159】
また、
図28は、アプリ情報記憶部131の構成例を示す図である。
図28において、アプリ情報記憶部131には、サーバ装置10aが有するアプリケーションごとに、アプリID、アプリ種別及びURL等が記憶されている。
【0160】
アプリ種別は、アプリIDに係るアプリケーションについて、画像データとの関係に基づいた種別を示す。「In」は、画像データの入力を制御するアプリケーション(上述したInアプリIDと対応する)であることを示す。「Out」は、画像データの出力を制御するアプリケーションであることを示す(上述したOutアプリIDと対応する)。URLは、アプリIDに係るアプリケーションのURLである。
【0161】
したがって、アプリ判定部15は、登録情報記憶部134を参照して、対象ブラウザIDに対応付けられているOutアプリIDを特定し、アプリ情報記憶部131を参照して、当該OutアプリIDに対応付けられているURLを特定する。ここでは、対象ブラウザIDが「BROWSER1」であるとする。この場合、アプリIDが「AP_PhotoShow」であるアプリケーション(出力アプリ17)のURL(以下、「出力アプリURL」)が特定される。
【0162】
また、アプリ判定部15は、機器情報記憶部132(
図26)において対象ブラウザIDに対応付けられているアドレス情報に基づいて、対象通信IDに係る通信制御部51の通信URLを自動生成する。
【0163】
続いて、ブラウザ部53は、当該リダイレクト要求に従い、リダイレクト先である出力アプリURL(すなわち、出力アプリ17)にHTTPリクエストを送信(リダイレクト)する(S510)。当該HTTPリクエストには、リダイレクト要求に含まれていた通信URL及びブラウザIDが含まれる。
【0164】
出力アプリ17は、当該HTTPリクエストに応じ、当該HTTPリクエストに含まれている通信URLへの接続をブラウザ部53に実行させるためのスクリプト(photo.js)と、画像データの出力(例えばスライドショー)のためのユーザインタフェースをブラウザ部53に描画させるための表示データ(photo.html)とを含む応答をブラウザ部53に送信する(S511)。なお、当該スクリプト及び当該表示データは、仲介装置50への処理の実行要求を示すデータの一例である。例えばスクリプトは他の形式のプログラムであってもよいし、表示データは他の形式のデータであってもよい。
【0165】
ブラウザ部53は、当該応答を受信すると、当該応答に含まれているスクリプト(photo.js)を実行して、通信URLによって識別される通信制御部51との間での通信路を確立する(S512)。当該通信路は、通信制御部51がサーバ装置10aから受信する通知をブラウザ部53へ伝達してもらうための通信路である。当該通信路には、websocketが用いられてもよい。
【0166】
続いて、ブラウザ部53は、当該応答に含まれている表示データ(photo.html)に基づく画面(以下、「投影画面」という。)をメモリ装置103の所定の領域(例えば、ビデオメモリ)に描画する(S513)。例えば、投影画面は、サーバ装置10aから配信される画像データが当てはめられる枠として機能する画面である。なお、ブラウザ部53による描画内容(投影画面)は、HDMI(登録商標)等のインタフェースを介してプロジェクタ60へ出力され、プロジェクタ60によって出力(投影)される。
【0167】
図29は、タグシールに対するユーザ端末20aの近接に応じて実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0168】
ユーザが、例えば、プロジェクタ60に貼付されているタグシールにユーザ端末20aを近接させると(例えば、翳すと)(S601)、情報取得部21aは、近距離無線通信機206aを利用した近距離無線通信を介して、当該タグシールに記憶されているタグ情報を取得する(S602、S603)。当該タグ情報には、登録ID(以下、「対象登録ID」という。)がオプション情報として付与されている初期アクセスURLが含まれている。なお、本実施の形態において、対象登録IDの値は、「Tag01」であるとする。
【0169】
続いて、情報取得部21aは、当該タグ情報にURLが含まれていることに基づき、当該タグ情報を入力情報としてブラウザ部22を起動する(S604)。
【0170】
ブラウザ部22は、起動に応じ、入力情報であるタグ情報に含まれている初期アクセスURLに対応するアプリ判定部15に対してHTTPリクエストを自動的に送信する(S605)。当該HTTPリクエストには、対象登録IDの他に、アカウント情報がオプション情報として含まれる。アカウント情報とは、ユーザ端末20aのユーザの識別情報(以下、「ユーザID」という。)と、当該ユーザが属するユーザ環境E2のテナントIDとを含む情報、又は当該ユーザID及びテナントIDを特定可能な情報である。例えば、cookie等がアカウント情報として利用されてもよい。
【0171】
サーバ装置10aのアプリ判定部15は、当該HTTPリクエストを受信すると、当該HTTPリクエストに含まれているアカウント情報について認証を行う。当該認証に成功した場合にステップS606以降が実行される。認証は、例えば、ユーザ情報記憶部133に当該HTTPリクエストに含まれているアカウント情報が登録されているか否かによって行われる。
【0172】
図30は、ユーザ情報記憶部133の構成例を示す図である。
図30において、ユーザ情報記憶部133には、サーバ装置10aのアプリケーションの利用が許可される各ユーザについて、テナントID及びユーザID等が記憶されている。
【0173】
認証に成功すると、アプリ判定部15は、リダイレクト要求を含む応答(HTTPレスポンス)をブラウザ部22へ送信する(S606)。当該リダイレクト要求には、リダイレクト先として対象登録ID(「Tag01」)に対応付けられて登録情報記憶部134(
図27)に記憶されているInアプリID(「AP_Upload」)に係るアップロードアプリ16のURL(以下、「アップロードアプリURL」という。)が含まれる。当該アップロードアプリURLは、アプリ情報記憶部131(
図28)を参照して特定可能である。
【0174】
ブラウザ部22は、当該リダイレクト要求に従い、リダイレクト先であるアップロードアプリURL(すなわち、アップロードアプリ16)にHTTPリクエスト(リダイレクト)を送信する(S607)。
【0175】
アップロードアプリ16は、当該HTTPリクエストに応じ、サーバ装置10aの配信部14への画像データのアップロードに関する画面(以下、「アップロード画面」という。)の表示データ(upload.html)と、アップロード画面の操作に応じて当該アップロードをユーザ端末20aに実行させるためのスクリプト(upload.js)とを含む応答をブラウザ部22に送信する(S608)。なお、当該スクリプト及び当該表示データは、ユーザ端末20aへの処理の実行要求を示すデータの一例である。
【0176】
ブラウザ部22は、当該応答を受信すると、当該表示データ(upload.html)に基づいて、アップロード画面を生成し、当該アップロード画面を表示装置211に表示する(S609)。
【0177】
図31は、アップロード画面の表示例を示す図である。
図31において、アップロード画面610は、ボタン611等を含む。ボタン611は、撮像操作の開始指示を受け付けるための画面である。ユーザは、ボタン611を選択して、撮像を行う。その結果、撮像された画像データが、表示装置211に表示される。
【0178】
図32は、ユーザ端末20aから仲介装置50への画像データの配信処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0179】
ユーザが、ユーザ端末20aの表示装置211に表示されている画像データ(以下、「対象画像データ」という。)について、アップロード指示に相当する所定の操作(例えば、スワイプ等)を行うと(S701)、ブラウザ部22は、スクリプト(upload.js)の定義に従って、対象画像データ(photo.jpeg)及び対象登録IDを、サーバ装置10aの配信部14へ送信(アップロード)する(S702)。配信部14は、対象画像データ及び対象登録IDを受信すると、対象画像データに対して識別情報(以下「画像ID」とういう。)を割り当て、対象画像データを、当該画像ID(以下、「対象画像ID」という。)に関連付けて、例えば、補助記憶装置102等に保存する。
【0180】
続いて、配信部14は、対象登録IDに関連付けられて登録情報記憶部134(
図27)に記憶されているブラウザID(対象ブラウザID)を特定する。配信部14は、対象ブラウザIDに関連付けられて機器情報記憶部132(
図26)に記憶されている通信ID(対象通信ID)に係る通信制御部51との間で確立されている通信路(
図25のステップS502において確立されている通信路)を利用して、画像データがアップロードされたことの通知(以下、「アップロード通知」という。)を当該通信制御部51へ送信する(S703)。当該アップロード通知には、対象画像ID及び対象ブラウザIDが含まれる。
【0181】
通信制御部51は、当該アップロード通知を受信すると、当該アップロード通知に含まれているブラウザIDに対応するブラウザ部53と通信制御部51との間で確立されている通信路(
図251のステップS512において確立されている通信路)を利用して、当該アップロード通知に含まれている対象画像IDをブラウザ部53へ通知する(S704)。
【0182】
ブラウザ部53は、通信制御部51からの通知に応じ、スクリプト(photo.js)の定義に従って、画像データの取得要求を配信部14へ送信する(S705)。当該取得要求には、対象画像IDが含まれる。配信部14は、当該取得要求に応じ、当該取得要求に含まれている対象画像IDに関連付けられている画像データ(photo.jpeg)を含む応答をブラウザ部53に送信する(S706)。
【0183】
ブラウザ部53は、当該画像データを受信すると、当該画像データを、
図25のステップS513において描画されている投影画面に当てはめるようにメモリ装置103の所定の領域(例えば、ビデオメモリ)に描画する(S707)。描画内容は、仲介装置50の画像インタフェース505又は通信インタフェース504によってプロジェクタ60に送信される。その結果、プロジェクタ60によって当該描画内容が投影される。
【0184】
上記した処理手順によって、ユーザ端末20aが画像データを撮像するたびに、当該画像データがプロジェクタ60等の出力機器によって出力されるといったサービスが実現される。例えば、パーティ、セミナー、展示会等の会場において、当該サービスを利用することで、会場内で撮像される画像データを、逐次的に大型の表示画面に表示出力させることができる。
【0185】
なお、上記では、仲介装置50に接続される機器がプロジェクタ60である例を示したが、デジタルサイネージ、電子黒板、ディスプレイ、又はプリンタ等、他の機器がプロジェクタ60の代わりに仲介装置50に接続されるようにしてもよい。この場合、仲介装置50の描画内容がデジタルサイネージ、電子黒板、ディスプレイ等に表示されてもよいし、プリンタによって印刷されてもよい。
【0186】
また、上記では、説明の便宜上、タグシールが、当該タグシールに関連付けられたプロジェクタ60に貼付される例について説明したが、タグシールの貼り付け先に制限は無い。例えば、プロジェクタ60が配置された部屋の任意の位置にタグシールが貼られてもよい。
【0187】
上述したように、第4の実施の形態によれば、ユーザは、タグシールにユーザ端末20aを近接させることで、当該タグシール(登録ID)に関連付けられて予め設定された処理を、仲介装置50に接続された機器(例えば、プロジェクタ60)に実行させることができる。すなわち、ユーザはプロジェクタ60等を直接操作する必要がなく、ユーザ端末20aの操作によってプロジェクタ60等を操作することができるため、プロジェクタ60等の機器に関して操作性を向上させることができる。
【0188】
また、ユーザ端末20aに表示される画面は、サーバ装置10aから配信されるHTMLデータ等の表示データに基づくものであり、タグシールに関連付いた機器への依存度は低い。したがって、本実施の形態によれば、ユーザが機器に応じて異なる操作パネル等のユーザインタフェースを操作する機会を低減させることができ、複数の機器に跨って統一性の高い操作によって各機器を利用することができるようになる。
【0189】
また、サーバ装置10aと機器(プロジェクタ60)との間に仲介装置50が介在することで、ネットワーク機能を有さない機器であっても、画像データの伝達用のインタフェースを有した機器であれば、本実施の形態を適用させることができる。また、画像データの出力先の機器を切り替えたい場合には、仲介装置50と接続する機器を切り替えればよく、サーバ装置10aにおける設定情報の変更の必要は無い。
【0190】
また、本実施の形態において、ユーザ端末20aには、一般的なスマートフォン等が有しているプログラムがインストールされていればよく、ユーザ端末20aに特別なアプリケーションがインストールされる必要はない。
【0191】
また、仲介装置50と機器とは、画像データの伝達用のインタフェースで接続されればよいため、例えば、ルータを介した無線LANでの接続や、有線LANでの接続のための設定は不要である。
【0192】
なお、第4の実施の形態では、タグ情報を記憶した外部記録媒体の一例としてNFCタグを利用した例を示したが、ユーザ端末20aが外部からタグ情報を取得できればよく、近距離無線通信以外の方法でタグ情報が取得されてもよい。例えば、タグ情報が記録されたバーコード又は2次元コードが印字されたシールがタグシールの代わりに利用されてもよい。この場合、ユーザ端末20aは、バーコードリーダ若しくは2次元コードリーダ、又はデジタルカメラ207等を用いてタグ情報を取得すればよい。なお、バーコード又は2次元コードは必ずしもシールに印字されている必要はなく、例えば出力機器のディスプレイに表示されていてもよいし、出力機器自身又はシール以外の外部記録媒体に印字されていてもよい。上記で説明したNFCタグのタグシールについてもあくまで一例であって、同様にシール以外の外部記録媒体がNFCタグを有していてもよい。
【0193】
又は、ユーザ端末20aは、出力機器の周辺に設置又は出力機器自身が備える発信装置から発信された音波や後述するビーコンを受信し、受信した音波やビーコンに埋め込まれたタグ情報を取得してもよい。
【0194】
又は、ユーザ端末20aは、出力機器の周辺に設置された装置又は出力機器自身にネットワークを介してアクセスすることによって記憶しているタグ情報を取得してもよい。
【0195】
又は、ユーザ端末20aは、画像が印字された外部記録媒体(例えばシール)からタグ情報を取得してもよい。この場合、ユーザ端末20aは、当該画像をデジタルカメラ207によって入力し、当該画像に埋め込まれた地紋等からタグ情報を抽出してもよい。画像に対する地紋等による情報を埋め込みや、当該地紋からの情報の抽出については公知技術が利用されればよい。
【0196】
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態では第4の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第4の実施の形態と同様でもよい。
【0197】
第5の実施の形態では、LINE(登録商標)等のメッセージアプリが利用される。また、第5の実施の形態では、タグシールの代わりに、登録IDを含む、メッセージアプリ23用のビーコン(BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の近距離無線通信によるビーコン)が利用される。以下、当該ビーコンを「メッセージビーコン」という。
【0198】
図33は、第5の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
図33中、
図20と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0199】
図33において、ネットワークN2には、更に、メッセージサービス70が接続される。メッセージサービス70は、メッセージアプリ23に対してサービスを提供する(メッセージアプリ23に対するサーバとして機能する)1以上のコンピュータである。メッセージアプリ23のユーザは、メッセージサービス70に対してユーザ登録をしてメッセージアプリ23用のユーザIDの発行を受ける。
【0200】
図34は、第5の実施の形態における仲介装置50のハードウェア構成例を示す図である。
図34中、
図22と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図34において、仲介装置50は、更に、近距離無線通信機506を有する。近距離無線通信機506は、BLE等の近距離無線通信を行うためのハードウェアである。本実施の形態において、近距離無線通信機506は、メッセージビーコンの発信に利用される。
【0201】
図35は、第5の実施の形態における各装置の機能構成例を示す図である。
図35中、
図24と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0202】
図35において、ユーザ端末20aは、更に、メッセージアプリ23を有する。メッセージアプリ23については上記した通りである。
【0203】
サーバ装置10aは、更に、メッセージボット18を有する。メッセージボット18は、メッセージアプリ23との間でメッセージでの送受信を自動実行するプログラム(Bot)である。
【0204】
図36は、第5の実施の形態における事前準備処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。第5の実施の形態では、事前準備として
図36に示される処理手順が実行される。
【0205】
ステップS801において、メッセージボット18がメッセージサービス70に対してユーザ登録され、メッセージボット18に対してユーザID(以下、「メッセージボットID」という。)が発行される。
【0206】
その後、ユーザ端末20aのユーザに対してメッセージボットIDが通知される(S802)。例えば、メッセージボットIDを含むメール又はQRコード(登録商標)等がユーザ端末20aに送信される。
【0207】
ユーザが、通知されたメッセージボットIDをユーザ端末20aのメッセージアプリ23に入力して友達登録を指示すると(S803)、メッセージアプリ23は、メッセージアプリ23に関する当該ユーザのユーザID(以下、「メッセージユーザID」という。)と、入力されたメッセージボットIDとを含む友達登録要求をメッセージサービス70へ送信する(S804)。なお、友達登録することで、メッセージアプリ23は、メッセージボット18からの通知(メッセージ)を即時的に受信することができるようになる。
【0208】
メッセージサービス70は、友達登録要求を受信すると、当該友達登録要求に含まれているメッセージボットIDに係るメッセージボット18に対し、当該友達登録要求に含まれているメッセージユーザIDに係るユーザが友達登録したことを通知する(S805)。
【0209】
続いて、メッセージボット18は、仲介装置50からメッセージビーコンを発信可能とするために、メッセージボットIDを含むビーコン申請をメッセージサービス70へ送信して、メッセージビーコンに含めるHardwareID(以下、「HID」という。)の発行をメッセージサービス70から受ける(S806)。
【0210】
続いて、メッセージボット18は、メッセージボット18を友達登録したメッセージユーザIDに対応するテナントIDに係る仲介装置50の通信制御部51に対して、メッセージビーコンを発信するためのビーコンの登録要求を送信する(S807)。当該登録要求には、HID、当該テナントIDに対応するブラウザID、及び当該ブラウザIDに対応する登録IDが含まれる。なお、メッセージユーザIDに対応するテナントIDは、ユーザ情報記憶部133を参照して特定可能である。
【0211】
図37は、第5の実施の形態におけるユーザ情報記憶部133の構成例を示す図である。
図37に示されるように、第5の実施の形態では、ユーザ情報記憶部133において、テナントID及びユーザIDの組ごとにメッセージユーザIDが対応付けられている。したがって、メッセージボット18は、斯かるユーザ情報記憶部133を参照して、メッセージユーザIDに対応するテナントIDを特定することができる。
【0212】
また、当該テナントIDに対応するブラウザIDは、機器情報記憶部132(
図26)を参照して特定可能である。更に、当該ブラウザIDに対応する登録IDは、登録情報記憶部134(
図27)を参照して特定可能である。
【0213】
続いて、通信制御部51は、当該登録要求を受信すると、当該登録要求に含まれているブラウザIDに係るブラウザ部53に対応するブラウザ管理部52に対して、対象登録ID及びHIDを含むビーコンの発信を要求する(S808)。続いて、ブラウザ管理部52は、近距離無線通信機506に対して対象登録ID及びHIDを含むメッセージビーコンの発信を要求する(S809)。その結果、仲介装置50の近距離無線通信機506は、対象登録ID及びHIDを含むメッセージビーコンの発信を開始する。
【0214】
図38は、メッセージビーコンの発信元に対するユーザ端末20aの近接に応じて実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。なお、
図38の処理手順の実行前までに、
図25の処理手順が実行される。
【0215】
ユーザが、メッセージビーコンを発信している仲介装置50へユーザ端末20aを近づけると(S901)、ユーザ端末20aの情報取得部21aは、近距離無線通信機206aを利用してメッセージビーコンを受信し(S902)、当該メッセージビーコンに含まれているHID(以下、「対象HID」という。)及び登録ID(以下、「対象登録ID」という。)を取得する(S903)。すなわち、第5の実施の形態において、近距離無線通信機206aは、仲介装置50の近距離無線通信機506が発信するBLE等によるビーコンを受信可能なハードウェアである。なお、本実施の形態において、対象登録IDの値は、「Tag01」であるとする。
【0216】
続いて、情報取得部21aは、メッセージビーコンの形式がメッセージアプリ23に対応した形式であることに基づき、メッセージビーコンの内容(対象HID及び対象登録ID)を、ユーザ端末20aのメッセージアプリ23へ通知する(S904)。メッセージアプリ23は、メッセージビーコンの内容の通知に応じ、メッセージビーコンを受信したことの通知(以下、「ビーコン受信通知」という。)をメッセージサービス70へ送信する(S905)。この際、メッセージアプリ23は、ユーザ端末20aのユーザのメッセージユーザID、対象HID及び対象登録IDを当該ビーコン受信通知に含める。
【0217】
メッセージサービス70は、対象HIDに対応するメッセージボット18へ当該ビーコン受信通知を送信する(S906)。すなわち、メッセージサービス70においては、HIDの発行を受けたメッセージボット18等は、HIDに関連付けられて管理されている。なお、当該ビーコン受信通知には、更に、当該ビーコン受信通知を識別するためのメッセージIDが含まれる。メッセージサービス70は、当該ビーコン受信通知に含まれている内容(メッセージユーザID等)を当該メッセージIDに対応付けて記憶しておく。
【0218】
メッセージボット18は、当該ビーコン受信通知を受信すると、当該ビーコン受信通知に対する応答をメッセージサービス70へ送信する(S907)。当該応答には、当該ビーコン受信通知に含まれていたメッセージID及び対象登録IDに加え、ワンショットID及び初期アクセスURLが含まれる。なお、初期アクセスURLは、第4の実施の形態において説明した通り、アプリ判定部15に対するURLである。第5の実施の形態において、初期アクセスURLは、予めメッセージボット18に設定されている。また、ワンショットIDは、サーバ装置10aへログイン可能な期間を限定するための識別情報であり、メッセージボット18により自動的に生成される。例えば、ワンショットIDは、現在日時に基づく値であってもよいし、ログイン可能な期限を示す日時等に基づく値であってもよい。なお、サーバ装置10aへログイン可能な期間を限定しない場合には、ワンショットIDは生成されなくてもよい。
【0219】
続いて、メッセージサービス70は、メッセージボット18からの応答に応じ、当該応答に含まれているメッセージIDに対応付けられて記憶されているメッセージユーザID宛てに、メッセージボット18からの応答の内容等(初期アクセスURL、ワンショットID、当該メッセージユーザID、対象登録ID等)を含むメッセージを、メッセージボット18からのメッセージとして送信する(S908)。例えば、当該メッセージには、ワンショットID、当該メッセージユーザID及び対象登録IDをオプション情報として含む初期アクセスURLに対するリンクに対応付けられた操作ボタンが含まれる。
【0220】
当該メッセージユーザIDに対応するユーザのユーザ端末20aのメッセージアプリ23が当該メッセージを受信すると、メッセージアプリ23は、当該メッセージを表示装置211に表示する(S909)。その結果、ユーザは、当該メッセージを確認することができる。
【0221】
続いて、ユーザが、当該メッセージに含まれている操作ボタンを押下すると(S910)、メッセージアプリ23は、当該操作ボタンに対応付けられたリンクが示す初期アクセスURLを入力情報としてブラウザ部22を自動的に起動する(S911)。なお、メッセージアプリ23が自らの内部にブラウザを有する場合、当該ブラウザがブラウザ部22として利用されてもよい。
【0222】
ブラウザ部22は、起動に応じ、入力情報に含まれている初期アクセスURLに対応するアプリ判定部15に対してHTTPリクエストを自動的に送信する(S912)。当該HTTPリクエストには、初期アクセスURLのオプション情報(ワンショットID、メッセージユーザID、対象登録ID)が含まれる。
【0223】
サーバ装置10aのアプリ判定部15は、当該HTTPリクエストを受信すると、当該HTTPリクエストに含まれているメッセージID及びワンショットIDについて認証を行う。例えば、当該メッセージユーザIDが、ユーザ情報記憶部133(
図37)においていずれかのユーザのメッセージユーザIDとして記憶されており、かつ、当該ワンショットIDの期限が切れていなければ、認証は成功し、そうでなければ認証は失敗する。
【0224】
認証に成功すると、
図29のステップS606~S609と同様の処理が実行される(S913~S916)。その結果、アップロード画面610(
図31)が、ユーザ端末20aの表示装置211に表示される。
【0225】
その後、ユーザ端末20aによる画像データの撮像に応じ、
図32において説明した処理手順が実行される。
【0226】
上述したように、第5の実施の形態によれば、タグシールを用いなくとも第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0227】
なお、上記実施形態におけるサーバ装置10a、仲介装置50、プロジェクタ60等の出力機器、ユーザ端末20a、及びメッセージサービス70は、それぞれ単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
【0228】
なお、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等の機器30を含むものとする。
【0229】
なお、上記各実施の形態において、ユーザ端末20は、端末の一例である。サーバ装置10は、情報処理装置の一例である。タグ通信部21は、取得部の一例である。ブラウザ部22は、送信部の一例である。ポータル部12又はアプリ判定部15は、受信部の一例である。タグIDは、第1の識別情報の一例である。ユーザIDは、第2の識別情報の一例である。アップロードアプリ16は、制御部の一例である。
【0230】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0231】
1、2 情報処理システム
10、10a サーバ装置
11 制御部
12 ポータル部
13 サービス部
14 配信部
15 アプリ判定部
16 アップロードアプリ
17 出力アプリ
18 メッセージボット
20、20a ユーザ端末
21 タグ通信部
21a 情報取得部
22 ブラウザ部
23 メッセージアプリ
30 機器
40 オンラインストレージシステム
50 仲介装置
51 通信制御部
52 ブラウザ管理部
53 ブラウザ部
60 プロジェクタ
70 メッセージサービス
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 CPU
105 インタフェース装置
121 サービス情報記憶部
122 機器情報記憶部
123 ソフト情報記憶部
124 ユーザ情報記憶部
125 タグ情報記憶部
131 アプリ情報記憶部
132 機器情報記憶部
133 ユーザ情報記憶部
134 登録情報記憶部
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 タッチパネル
205 補助記憶装置
206 NFCリーダ
206a 近距離無線通信機
207 デジタルカメラ
211 表示装置
212 入力装置
501 補助記憶装置
502 メモリ装置
503 CPU
504 通信インタフェース
505 画像インタフェース
506 近距離無線通信機
B バス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0232】