(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】蓄電ユニット
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6554 20140101AFI20231205BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231205BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20231205BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20231205BHJP
H01M 10/6553 20140101ALI20231205BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20231205BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20231205BHJP
【FI】
H01M10/6554
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/6553
H01M10/6568
H01M50/204 401H
(21)【出願番号】P 2022137900
(22)【出願日】2022-08-31
【審査請求日】2023-02-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 淳
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-174765(JP,A)
【文献】特開2022-110002(JP,A)
【文献】特開2020-009604(JP,A)
【文献】特開2013-229266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6554
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/647
H01M 10/6553
H01M 10/6568
H01M 50/204
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に配列された複数の蓄電デバイスと、
配列された複数の前記蓄電デバイスの前記第1方向と交差する第2方向に近接して配置される板状の冷却部材と、を有し、
前記蓄電デバイスは、
前記第1方向から見た形状が矩形状であって蓄電素子が収納される収納部と、
前記収納部の前記第1方向の面と交差する面より外方に突出するフランジ部と、を有し、
前記収納部は前記フランジ部の内縁から前記第1方向に形成された周壁を有し、
前記冷却部材は、各前記蓄電デバイスの前記フランジ部の前記第2方向に突出する部分の少なくとも一部がそれぞれ貫通する複数のスリットを有し、
前記スリットを貫通した前記フランジ部が、前記冷却部材に固定され、
前記冷却部材は金属からなる
とともに前記周壁の外面に接して配される蓄電ユニット。
【請求項2】
第1方向に配列された複数の蓄電デバイスと、
配列された複数の前記蓄電デバイスの前記第1方向と交差する第2方向に近接して配置される板状の冷却部材と、を有し、
前記蓄電デバイスは、
前記第1方向から見た形状が矩形状であって蓄電素子が収納される収納部と、
前記蓄電素子と電気的に接続され、前記収納部から前記第2方向に突出した電極端子を有し、
前記収納部は前記第1方向に形成された周壁を有し、
前記冷却部材は、各前記蓄電デバイスの前記電極端子の少なくとも一部がそれぞれ貫通する複数のスリットを有し、
前記スリットを貫通した前記電極端子が、前記冷却部材に固定され、
前記冷却部材は金属からなる
とともに前記周壁の外面に接して配される蓄電ユニット。
【請求項3】
前記蓄電デバイスは、前記蓄電素子と電気的に接続され、前記収納部から前記第2方向に突出した電極端子を、有し、
前記電極端子が、前記フランジ部とともに前記スリットに挿通されるとともに、前記冷却部材と接触する請求項1に記載の蓄電ユニット。
【請求項4】
前記冷却部材は、冷媒が流通する冷媒流路を有する請求項1から請求項3のいずれかに記載の蓄電ユニット。
【請求項5】
前記冷却部材は、表面から突出した複数の突起を有する請求項1から請求項3のいずれかに記載の蓄電ユニット。
【請求項6】
前記冷却部材は、配列された複数の前記蓄電デバイスの前記第2方向の両側に配置される請求項1から請求項3のいずれかに記載の蓄電ユニット。
【請求項7】
冷却部材は、
前記スリットが形成された第1冷却板と、
前記第1冷却板の前記蓄電デバイスと反対側に配置される第2冷却板と、を有し、
前記フランジ部の前記スリットから突出した部分の少なくとも一部が、前記第1冷却板及び前記第2冷却板によって前記第2方向に挟まれる請求項1又は請求項3に記載の蓄電ユニット。
【請求項8】
冷却部材は、
前記スリットが形成された第1冷却板と、
前記第1冷却板の前記蓄電デバイスと反対側に配置される第2冷却板と、を有し、
前記電極端子の前記スリットから突出した部分の少なくとも一部が、前記第1冷却板及び前記第2冷却板によって前記第2方向に挟まれる請求項2又は請求項3に記載の蓄電ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の蓄電デバイスは特許文献1に開示される。この蓄電デバイスは、外装部材に蓄電素子が封入される。蓄電素子はセパレータを介して正極板と負極板とを対向配置し、正極板と負極板との間には電解質が配される。正極板及び負極板には電極端子がそれぞれ接続され、電極端子は外装部材の外側に突出する。
【0003】
そして、組電池は、このような構成の蓄電デバイスを複数個並べて配置するとともに、蓄電デバイスの正極板同士及び負極板同士を接続し、カバーの内部に収容している。なお、正極と負極とを接続して、蓄電デバイスを直列に接続する場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の組電池によると、カバーの内部にカバーと蓄電デバイスとの隙間を埋めるための充填剤が充填されている。組電池において蓄電デバイスは、充填剤で覆われているため、充電又は放電時の熱を外部に放出することが困難であり、昇温される可能性がある。そのため、充放電が繰り返されることで発生する熱により、蓄電デバイス、つまり、組電池が劣化しやすくなる虞がある。
【0006】
本発明は、充電及び放電時の熱による昇温を抑制し、劣化しにくい蓄電ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な蓄電ユニットは、第1方向に配列された複数の蓄電デバイスと、配列された複数の前記蓄電デバイスの前記第1方向と交差する第2方向に近接して配置される板状の冷却部材と、を有する。前記蓄電デバイスは、前記第1方向から見た形状が矩形状であって蓄電素子が収納される収納部と、前記収納部の前記第1方向の面と交差する面より外方に突出するフランジ部と、を有する。前記冷却部材は、各前記蓄電デバイスの前記フランジ部の前記第2方向に突出する部分の少なくとも一部がそれぞれ貫通する複数のスリットを有する。前記スリットを貫通した前記フランジ部は、前記冷却部材に固定される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、蓄電ユニットの充電及び放電時の熱による温度上昇が抑制され、温度上昇による劣化が抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図9】第1変形例の蓄電ユニットの分解斜視図である。
【
図10】第2変形例の蓄電ユニットの分解斜視図である。
【
図11】第3変形例の蓄電ユニットの分解斜視図である。
【
図12】第4変形例の蓄電ユニットの分解斜視図である。
【
図13】第4変形例の蓄電ユニットに備えられる蓄電デバイスの分解斜視図である。
【
図14】第5変形例の蓄電ユニットの側面断面図である。
【
図15】第6変形例の蓄電ユニットの斜視図である。
【
図16】第7変形例の蓄電ユニットの分解斜視図である。
【
図17】第7変形例の蓄電ユニットに備えられる蓄電デバイスの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態の蓄電ユニットについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0011】
本明細書において、蓄電ユニット100は、3次元直交座標系に沿って配置した状態で説明する。
図1に示すとおり、蓄電ユニット100において蓄電デバイス10は、Y方向に配列されている。つまり、蓄電ユニット100において、Y方向が第1方向であり、「第1方向Dy」と称する場合がある。蓄電ユニット100において、Z方向が第1方向Dyと交差する第2方向であり、「第2方向Dz」と称する場合がある。また、X方向は、「第3方向Dx」と称する場合がある。
また、
図1の上下方向が、蓄電デバイス10の電極端子3及び電極端子4は、長手方向(第3方向Dx)及び第1方向Dyと交差(直交)する第2方向Dzに延びる。
【0012】
図1は、蓄電ユニット100の斜視図である。
図2は、蓄電ユニット100の一部の側面断面図である。
図3は、蓄電ユニット100の分解斜視図である。蓄電ユニット100は、複数の蓄電デバイス10と、冷却部材20と、正極バスバー15と、負極バスバー16と、を有する。蓄電ユニット100において、蓄電デバイス10は、長尺状であり、長手方向(第3方向Dx)と交差する(ここでは、直交する)Y方向(第1方向Dy)に配列されている。なお、並んで配列された複数の蓄電デバイス10を蓄電デバイス集合体101と称する場合がある。
図1及び
図3に示す蓄電デバイス集合体101では、10個の蓄電デバイス10が配列されているが、実際に配列される個数は、10個に限定されず、蓄電ユニット100に要求される放電容量等によって決まる。
【0013】
<蓄電デバイス10>
まず、蓄電デバイス10について、図面を参照して説明する。
図4は、蓄電デバイス10の斜視図である。
図5は、蓄電デバイス10の分解斜視図である。
【0014】
図4、
図5に示すように、蓄電デバイス10は、外装部材1と、蓄電素子2と、を有する。蓄電デバイス10は、二次電池であり、外装部材1の内部に蓄電素子2が収納される。蓄電デバイス10として、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、リチウムイオン全固体電池、鉛蓄電池、ニッケル水素蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル鉄蓄電池、ニッケル亜鉛蓄電池、酸化銀亜鉛蓄電池、金属空気電池、多価カチオン電池等を挙げることができる。
【0015】
<外装部材1>
外装部材1は、収納部11と、フランジ部12と、蓋部13とを有する。収納部11は、Y方向(第1方向Dy)の一方に開口部14が開口する(
図5参照)、有底直方体の箱体である。収納部11の内部には、蓄電素子2が収納される。収納部11は、開口部14の周縁から外方に拡がる周縁シール部111を有する。周縁シール部111の外形は、略長方形状である。
【0016】
図4、
図5に示すように蓋部13は、周縁シール部111と一体的に形成されている。さらに詳しく説明すると、周縁シール部111のX方向(第3方向Dx)の端部と蓋部13とが一体的に接続されている。そして、周縁シール部111と蓋部13との境界部分で、蓋部13が開口部14を塞ぐように、折り曲げられる。
【0017】
蓋部13の周縁部が、収納部11の周縁シール部111に接着される。蓋部13の周縁シール部111に対向する面及び周縁シール部111の蓋部13と対向する面の少なくとも一方には、後述する熱接着性樹脂層43が配置される。そのため、蓋部13の周縁部と収納部11の周縁シール部111とを加熱及び加圧することで、周縁部と周縁シール部111とは、熱接着される。これにより、蓋部13は、開口部14を封止する。
【0018】
フランジ部12は、蓋部13の周縁部と周縁シール部111との接着によって形成される。フランジ部12には、蓄電素子2に接続された後述の電極端子3及び電極端子4が配置される。フランジ部12において、電極端子3及び電極端子4は、周縁シール部111と蓋部13の周縁部とに挟まれる。なお、電極端子3及び電極端子4と、周縁シール部111と蓋部13とは、密着している。ここで、密着とは、収納部11に封入された電解質が外部に漏れない、及び、充放電により発生するガスが外部に漏れない状態で接触していることを示す。
【0019】
外装部材1は、絶縁性を有する層を少なくとも1層有する積層シート40で形成される。外装部材1を形成する積層シート40について図面を参照して説明する。
図6は、積層シート40の積層構造を示す断面図である。
図6に示すように、積層シート40は、基材層41、バリア層42、熱接着性樹脂層43を順に積層して形成される。積層シート40の厚みは、外装部材1の強度を考慮して50μm以上が望ましく、蓄電デバイス10の軽量化を考慮して400μm以下が望ましい。なお、バリア層42の厚みが厚いほど、強度、熱伝導性が高まる。そのため、蓄電デバイス10の重量が増加しても外装部材1の強度、熱伝導性が要求される場合には、積層シート40の厚みを1mm~2mm又はそれ以上としてもよい。
【0020】
基材層41は絶縁性を有し、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムにより形成される。基材層41の厚みは例えば、10μm以上75μm以下に形成される。耐熱性の向上のために一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルムにより基材層41を形成するとより望ましい。基材層41の厚みが厚いほど、厚み方向の熱伝導性が不利になる。例えば、バリア層42で十分な熱伝導性が確保できる場合、基材層41の厚みは500μm程度であってもよい。
【0021】
また、耐ピンホール性、絶縁性等の向上のために、異なる素材の樹脂フィルムを複数積層して基材層41を形成してもよい。このとき、複数の樹脂フィルムはポリウレタン系、アクリル系等の接着剤により接着される。本実施形態において積層シート40は、ポリエチレンテレフタレート(厚み12μm)とナイロン(厚み15μm)とを接着剤(厚み4μm)により積層して形成している。
【0022】
バリア層42は水蒸気、酸素、光等の侵入を防止する。バリア層42として、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、チタン、鉄、高強度鋼等の金属箔を用いることができる。バリア層42の厚みは例えば、10μm以上500μm以下に形成される。基材層41とバリア層42とはポリウレタン系、アクリル系等の接着剤(不図示)により接着される。本実施形態の積層シート40において、バリア層42は、厚み40μmのアルミニウム箔で形成している。
【0023】
熱接着性樹脂層43は熱接着性を有する樹脂であればよく、例えばポリプロピレン、酸変性ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等の熱接着性樹脂により形成される。異なる素材の樹脂を複数積層して熱接着性樹脂層43を形成してもよい。熱接着性樹脂層43の厚みは例えば、10μm以上100μm以下に形成される。熱接着性樹脂層43はバリア層42上に押出して形成される。熱接着性樹脂層43を形成するフィルムをバリア層42上に接着剤を介して接着してもよい。収納部11に収納される蓄電素子2のサイズ、蓄電素子2及び電解質の重量によって、熱接着性樹脂層43を100μm以上500μm以下としてもよい。
【0024】
本実施形態の積層シート40において、熱接着性樹脂層43は、バリア層42上に酸変性ポリプロピレン(厚み40μm)、ポリプロピレン(厚み40μm)を順に押出して熱接着性樹脂層43を形成している。
【0025】
<蓄電素子2>
蓄電デバイス10において、収納部11には、蓄電素子2が電解質とともに収納されている。蓄電素子2は、正極板、負極板及びセパレータ(いずれも不図示)を有する。そして、蓄電素子2では、正極板と負極板とが、絶縁体のセパレータを介して対向配置して形成される。例えば、長尺状のセパレータ、正極板及び負極板を重ねた状態で巻回して蓄電素子2が形成される。シート状の正極板、セパレータ、負極板、セパレータの順に複数段に積層して蓄電素子2を形成してもよい。また、長尺状のセパレータ、正極板及び負極板を折り畳みにより積層して蓄電素子2を形成してもよい。蓄電素子2は、電解質の内部に配置される。
【0026】
本実施形態では電解質として、液体の電解質である電解液を用いており、外装部材1の内部に充填される。電解質として固体電解質またはゲル電解質を用いてもよい。
【0027】
正極板には電極端子3が、負極板には電極端子4がそれぞれ接続される。電極端子3及び電極端子4は、導電性を有し、収納部11の外部に突出して配置される。蓄電デバイス10において、電極端子3及び電極端子4は、蓄電素子2に充電及び放電を行うための入出力端子である。
【0028】
電極端子3及び電極端子4は、開口部14の一対の長辺のそれぞれから、外側に突出する。電極端子3及び電極端子4は、周縁シール部111と蓋部13とに挟持される。そして、周縁シール部111と蓋部13とは、電極端子3及び電極端子4を挟持した状態で、熱接着される。なお、本実施形態では図示しないが、電極端子3及び電極端子4は、熱接着性を有するタブフィルム(不図示)を介して周縁シール部111と蓋部13とで挟持されている。これにより、電極端子3及び電極端子4周辺の密封性が向上する。
【0029】
蓄電デバイス10において、電極端子3及び電極端子4は、Z方向(第2方向Dz)の両端面から、それぞれ外側に向かって突出する。さらに説明すると、電極端子3及び電極端子4は、フランジ部12を介して外部に露出する。本実施形態にかかる蓄電ユニット100において、電極端子3は蓄電デバイス10の上部に配置され、電極端子4は蓄電デバイス10の下部に配置される。電極端子3及び電極端子4の位置は、逆であってもよい。
【0030】
電極端子3及び電極端子4は、蓄電デバイス10の短手方向にそれぞれ突出する。蓄電素子2において、電極端子3及び電極端子4との間の距離は、長手方向に突出する場合に比べて、短くなる。そのため、蓄電デバイス10において、充放電時における内部抵抗を低減できる。これにより、高出力放電及び急速充電が可能な蓄電デバイス10を提供できる。
【0031】
また、電極端子3及び電極端子4は、開口部14の長辺から突出している。そのため、電極端子3及び電極端子4の長手方向(第3方向Dx)の幅Lは、開口部14の長手方向(第3方向Dx)の長さAxに応じて大きく形成できる。
【0032】
これにより、電極端子3及び電極端子4の電気抵抗が低く抑えられ、充放電時における電極端子3及び電極端子4の発熱を低減できる。電極端子3、電極端子4及び蓄電素子2の発熱による劣化が低減される。また、発熱が低減されるため、電極端子3及び電極端子4に充電時に高電圧を印加でき、充電をより急速化できる。従って、高電圧の充放電を繰り返した場合であっても劣化し難い蓄電デバイス10を提供できる。
【0033】
例えば、電極端子3及び電極端子4のX方向の幅Lは、開口部14の長手方向の長さAxの1/2よりも大きくてもよい。このように形成することで、電極端子3及び電極端子4の幅Lを、蓄電デバイス10の放電容量に対して大きくできる。これにより、電極端子3及び電極端子4の抵抗をより低減できる。例えば、開口部14の長手方向の長さAxが105cmの場合、電極端子3及び電極端子4の幅Lが100cmを超えると、電極端子3及び電極端子4周辺の密封性が低下する虞がある。そのため、電極端子3及び電極端子4の幅Lは、5cm以上100cm以下で形成される。さらに、10cm以上100cm以下が好ましく、15cm以上100cm以下がより好ましい。なお、収納部11の開口部14の長手方向の長さAxが300cm、短手方向の長さAzが10cm程度の大きさの蓄電素子2の場合、電極端子3及び電極端子4のX方向の幅Lは、280cm程度であってもよい。
【0034】
また、電極端子3及び電極端子4の電気抵抗は、電流が流れる方向、つまり、幅Lと直交する方向の長さに比例する。電極端子3及び電極端子4は、フランジ部12の外縁からの突出量が50mmより大きい場合、電気抵抗が大きくなり、発熱量が増加する。また、フランジ部12の外縁からの突出量が0.5mm未満の場合、電極端子3と正極バスバー15、及び、電極端子4と負極バスバー16とを接続する際の作業性が低下する。そのため、電極端子3及び電極端子4のフランジ部12の外縁からの突出長さは、0.5mm以上50mm以下であることが好ましい。
【0035】
収納部11は、上述した外装部材1を構成する積層体を冷間成形加工することで形成される。収納部11の深さAyは、形成時のクラック、しわ等が発生しないように積層体のバリア層42の厚みに応じて決められる。本実施形態では40μmの厚みのバリア層42に対して収納部11の深さを5mm~10mmに形成している。このとき、収納部11の深さ方向に垂直な面内の各コーナーの半径は例えば約3mm、深さ方向に平行な面内の各コーナーの半径は例えば約1.5mmに形成される。なお、バリア層42の厚みを大きくすることにより、収納部11の深さを、例えば、5mm~30mmに形成することができる。
【0036】
さらに、開口部14の長辺と短辺の比(辺の比=長手方向の長さAx/短手方向の長さAzとする)が1.5よりも小さいと蓄電デバイス10の放電容量が小さくなる。このため、開口部14の辺の比を1.5以上とすることで、蓄電デバイス10の放電容量を大きくすることができる。また、開口部14の辺の比が30を超えると外装部材1の形成が困難になり歩留りが低下する。このため、開口部14の辺の比を30以下とすることで、外装部材1の成形時の歩留りを向上することができる。つまり、開口部14の辺の比は、1.5以上、30以下とすることが好ましい。
【0037】
<蓄電デバイス集合体101>
図1~
図3に示すように、蓄電デバイス集合体101には、第1方向Dyに10個の蓄電デバイス10が配列されている。各蓄電デバイス10は、収納部11の深さ方向が第1方向Dyとなるように配列されている。このとき、各蓄電デバイス10の開口部14は、同じ方向を向いて配列される。
【0038】
<冷却部材20>
蓄電ユニット100において、冷却部材20は、長方形板状の部材であり、冷却部材20はZ方向(第2方向Dz)において複数の蓄電デバイス10に近接して配置されている。具体的には、蓄電デバイス集合体101の上面側及び下面側に配置され、蓄電デバイス集合体101の上面及び下面を覆う。冷却部材20は、蓄電デバイス10で発生した熱を外部に放出して蓄電デバイス10の内部の昇温を抑制する、つまり、冷却する。
【0039】
冷却部材20は、第1冷却板21と、第2冷却板22とを有する。
図1~
図3等に示すように、第1冷却板21は、蓄電デバイス集合体101と接触して配置される。そして、第1冷却板21には、蓄電デバイス集合体101からの熱が伝達される。また、第2冷却板22には、第1冷却板21から熱が伝達される。そのため、第1冷却板21は、例えば、アルミニウム、銅、グラファイト等の熱伝導率が高い材料で形成される。また、第2冷却板22は、内部に冷媒流路24が形成される構成であるため、例えば、アルミニウム、銅等の熱伝導率が高く、冷媒流路24を形成しやすい材料で形成される。
【0040】
図2、
図3に示すように、第1冷却板21は、厚み方向に貫通する複数のスリット23を有する。スリット23は、Z方向(第2方向Dz)から見たとき、X方向(第3方向Dx)が長手方向の略長方形である。複数のスリット23は、蓄電デバイス10と同数であり、Y方向(第1方向Dy)に配列されている。
【0041】
蓄電ユニット100において、蓄電デバイス集合体101の上面側に突出しているフランジ部12及び電極端子3が上面側に配置された冷却部材20のスリット23を貫通する。これにより、第1冷却板21は、各蓄電デバイス10の収納部11の外面と接触するように配置される。このとき、上面側のフランジ部12の周縁シール部111及び蓋部13は、スリット23の内面に固定されてもよい。なお、周縁シール部111及び蓋部13の固定は、例えば、伝熱接着剤を用いた接着を採用することができる。
【0042】
そして、上面側のフランジ部12及び電極端子3のスリット23から上方に突出している部分は、折り曲げられて第1冷却板21に接触して固定される。詳しく説明すると、折り曲げられた上面側のフランジ部12の周縁シール部111及び電極端子3が、第1冷却板21に固定される。なお、本実施形態の蓄電ユニット100において、スリット23から突出した上面側のフランジ部12は、周縁シール部111側に折り曲げられるが、蓋部13側に折り曲げられてもよい。この場合、スリット23を貫通した蓋部13が第1冷却板21に固定される。
【0043】
上面側のフランジ部12及び電極端子3の第1冷却板21への固定は、例えば、伝熱接着剤を用いた接着にて行われる。これにより、上面側のフランジ部12及び電極端子3から第1冷却板21に熱の伝導効率を高めることができる。なお、上面側のフランジ部12及び電極端子3の上面側の第1冷却板21への固定は、伝熱接着剤による接着に限定されず、抵抗溶接、レーザー溶接、超音波溶接、ビス止め等を採用してもよい。
【0044】
また、蓄電デバイス集合体101の下面側に突出しているフランジ部12及び電極端子4が下面側に配置された第1冷却板21のスリット23を貫通する。これにより、第1冷却板21は、各蓄電デバイス10の収納部11の外面と接触するように配置される。そして、下面側のフランジ部12及び電極端子4のスリット23から下方に突出している部分は、折り曲げられて第1冷却板21に接触して固定される。下面側のフランジ部12及び電極端子4の下面側の第1冷却板21への固定は、例えば、伝熱接着剤を用いた接着にて行われる。これにより、下面側のフランジ部12及び電極端子4から第1冷却板21に熱の伝導効率を高めることができる。なお、下面側のフランジ部12及び電極端子4の下面側の第1冷却板21への固定は、伝熱接着剤による接着に限定されず、抵抗溶接、レーザー溶接、超音波溶接、ビス止め等を採用してもよい。
【0045】
第1冷却板21と収納部11との間にも、伝熱グリース等の熱伝導率が高い材料を介在させてもよい。さらには、伝熱接着剤で接着して固定してもよい。このようにすることで、第1冷却板21と収納部11との間に隙間(空気の層)が介在することを抑制し、熱の伝達効率を高めることができる。なお、第1冷却板21と収納部11との固定は、伝熱接着剤での接着に限定されず、抵抗溶接、レーザー溶接、超音波溶接、ビス止め等を採用してもよい。
【0046】
電極端子3及び電極端子4から第1冷却板21に対して漏電、放電等を防止するため、第1冷却板21の表面は、絶縁処理が施されている。なお、絶縁処理は、電極端子3及び電極端子4が接触しうる部分にだけ施されていてもよい。
【0047】
第2冷却板22は、第1冷却板21の蓄電デバイス集合体101と接触する面と反対側の面と接触して、固定される。第1冷却板21と第2冷却板22との間には、伝熱グリース等の熱伝導率が高い材料を介在させてもよい。さらには、伝熱接着剤で接着して固定してもよい。このようにすることで、第1冷却板21と第2冷却板22との間に隙間(空気の層)が介在することを抑制し、第1冷却板21から第2冷却板22への熱伝導効率を高めることができる。なお、第1冷却板21と第2冷却板22との固定は、伝熱接着剤での接着に限定されず、抵抗溶接、レーザー溶接、超音波溶接、ビス止め等を採用してもよい。
【0048】
このとき、フランジ部12及び電極端子3は第1冷却板21と第2冷却板22とに挟まれる。また、フランジ部12及び電極端子4も第1冷却板21と第2冷却板22とに挟まれる。フランジ部12及び電極端子3、又は、フランジ部12及び電極端子4と、第2冷却板22との間には、伝熱グリース等の熱伝導率が高い材料を介在させてもよい。さらには、伝熱接着剤で接着して固定してもよい。なお、フランジ部12及び電極端子3、又は、フランジ部12及び電極端子4と、第2冷却板22との固定は、伝熱接着剤での接着に限定されず、抵抗溶接、レーザー溶接、超音波溶接、ビス止め等を採用してもよい。
【0049】
また、電極端子3及び電極端子4から第2冷却板22に対して漏電、放電等を防止するため、第2冷却板22の表面は、絶縁処理が施されている。なお、絶縁処理は、電極端子3及び電極端子4が接触しうる部分にだけ施されていてもよい。
【0050】
図1~
図3等に示すように、第2冷却板22は、内部に冷媒が流通する冷媒流路24を有する。冷媒流路24は、Y方向(第1方向Dy)に延びる流路がX方向(第3方向Dx)に並んで配列されている。そして、隣り合う流路のY方向(第1方向Dy)の端部が連結されている。つまり、冷媒流路24は、蛇行して形成された1本の流路で形成される。このようにして、冷媒流路24は、第2冷却板22の全域にわたって配置されている。そして、冷媒流路24の両端部は、第2冷却板22の側面に開口している。この開口の一方から冷媒が流入され、他方から冷媒が流出する。
【0051】
なお、
図3に示すように、冷媒流路24は、第1方向Dy(Y方向)に延びる直線状の流路を蛇行させた構成であるが、これに限定されない。例えば、第3方向Dx(X方向)に延びる直線状の流路を蛇行させて構成してもよい。冷媒流路24が長くなるほど、冷媒と第2冷却板22との接触面積が大きくなり、冷却効率を高めることが可能となる。
【0052】
冷媒流路24には、冷媒が循環可能なように配管(不図示)が接続される。配管には、冷媒流路24以外に、冷媒ポンプ、熱交換器(いずれも不図示)が接続されている。冷媒は、冷媒ポンプによって配管内を循環される。冷媒は、冷媒流路24において、第2冷却板22から熱を奪い自らが昇温されることで、第2冷却板22を冷却する。これにより、第2冷却板22が接触する第1冷却板21を介して、蓄電ユニット100が冷却される。
【0053】
そして、昇温された冷媒は、熱交換器で外部に熱を放出することで、冷却されて再度、冷媒流路24に流入する。このように、冷媒を循環させることで、蓄電ユニット100を効率よく冷却する。その結果、蓄電ユニット100の昇温が抑制されて、温度上昇による蓄電ユニット100の劣化が抑制される。冷媒流路24を流れる冷媒としては、液体(クーラント液、冷却水、オイル等)であってもよいし、気体(窒素ガス、ヘリウムガス等)であってもよい。冷媒温度は、20℃以上40℃以下であることが好ましい。
【0054】
冷媒は、蓄電ユニット100を設置する場所、設置する目的に応じて、異なる。例えば、蓄電ユニット100を電動自動車200の駆動用電源として用いる場合、冷却水を冷媒として用いることができる。
【0055】
なお、本変形例で示した冷媒流路24は、入口から出口まで1本の流路で形成された構成であるが、これに限定されない。第2冷却板22の一端から流入し、複数の流路に分岐して、第2冷却板22を流れた後に、合流して流出する、いわゆる、パラレルフロー型の配管構造を有していてもよい。
【0056】
また、寒冷地等、雰囲気温度が低い場所で蓄電ユニット100を用いる場合、低温により、蓄電ユニット100の能力が低下する場合がある。このような場合、昇温した冷媒を循環させて、蓄電ユニット100を動作に適した温度に昇温させてもよい。また、冷間スタート時に昇温した冷媒を循環させ、動作が安定した後に冷却した冷媒を循環させる構成であってもよい。
【0057】
第2冷却板22は、例えば、一面に、冷媒流路24と同じ形状の溝を形成した板を貼り合わせて形成してもよい。また、第2冷却板22は、この製造方法に限定されるものではなく、1本の蛇行させた配管を金型に配置し、第2冷却板22を構成する材料を射出して形成してもよい。これら以外の方法を利用して、成形してもよい。
【0058】
<正極バスバー15及び負極バスバー16>
蓄電ユニット100において、正極バスバー15及び負極バスバー16は、導電性を有する材料で形成される。正極バスバー15は、上面側の冷却部材20の第1冷却板21と第2冷却板22の間に配置される。なお、本実施形態の蓄電ユニット100において、正極バスバー15は、上面側の冷却部材20の第1冷却板21と第2冷却板22の両方に固定される。正極バスバー15には、各蓄電デバイス10の電極端子3が電気的に接続される。つまり、正極バスバー15は、各蓄電デバイス10の電極端子3同士を電気的に接続する。
【0059】
本実施形態の蓄電ユニット100において、負極バスバー16は下面の冷却部材20の第1冷却板21と第2冷却板22との間に配置される。同様に、負極バスバー16には、各蓄電デバイス10の電極端子4が電気的に接続される。これにより、各蓄電デバイス10の電極端子4同士を電気的に接続される。
【0060】
蓄電ユニット100において、複数の蓄電デバイス10は、正極バスバー15及び負極バスバー16を設けることで、電気的に並列接続される。なお、蓄電ユニット100において、蓄電デバイス10の接続方法は、並列に限定されず、直列であってもよい。また、一定数の蓄電デバイス10を直列に接続して構成される蓄電デバイス接続体を、並列に接続した構成であってもよい。蓄電デバイス10の接続方法については、蓄電ユニット100に対して要求される出力電圧、出力電流に基づいて決定される。
【0061】
正極バスバー15及び負極バスバー16には、それぞれ、引出端子17及び引出端子18が接続される。引出端子17、18は、蓄電ユニット100の外部を覆う不図示のケースの外部に引き出され、充電装置、負荷(いずれも不図示)等の外部機器に接続される外部接続端子である。つまり、引出端子17、18は、蓄電ユニット100の放電及び充電を実行する。なお、引出端子17が正極であり、引出端子18が負極である。
【0062】
蓄電ユニット100は、以上示した構成を有する。
【0063】
<蓄電ユニット100の放熱について>
蓄電ユニット100では、充放電時に電極端子3、4及び蓄電素子2が発熱する。蓄電素子2で発生した熱は、収納部11に伝導する。各蓄電デバイス10では、冷却部材20の第1冷却板21のスリット23にフランジ部12及び電極端子3、4を貫通させているため、第1冷却板21と収納部11との間にフランジ部12、電極端子3、4等の部材が介在しない。つまり、第1冷却板21と収納部11とが直接接触する。そのため、収納部11の熱が第1冷却板21に伝達しやすい。また、電極端子3、4の熱も、第1冷却板21に伝達する。
【0064】
電極端子3、4及び蓄電素子2から第1冷却板21に伝達された熱は、第2冷却板22に伝達される。第2冷却板22では、内部に形成された冷媒流路24に低温の冷媒が流動されている。そのため、第2冷却板22に伝達された熱は、冷媒に吸収され、冷媒とともに外部に排出される。なお、第2冷却板22は、蓄電ユニット100の上面及び下面を覆う大きさを有する。つまり、第2冷却板22は、外気と接触する面積が大きく、第2冷却板22に伝達した熱は、冷媒に吸収される以外にも、直接、外気に放出される。
【0065】
このようにして、電極端子3、4及び蓄電素子2で発生した熱が、蓄電ユニット100の内部にこもりにくく、蓄電ユニット100、特に、蓄電素子2の温度上昇が抑制される。
【0066】
従って、蓄電ユニット100の昇温による劣化を抑制できる。また、大電流を流すことにより発生する熱も効果的に排出できるため、大電流を供給(大電圧を印加)しての充電時の温度上昇も抑制される。その結果、大電流を供給(大電圧を印加)する急速充電を行っても、温度上昇しにくく、劣化しにくい。
【0067】
また、収納部11の熱は、フランジ部12を介して、冷却部材20に伝導する。蓄電素子2には、電極端子3、4が接続されており、電極端子3、4に伝導した熱は、電極端子3、4で発生した熱とともに、冷却部材20に伝導する。この点からも、蓄電デバイス10の昇温が抑制される。
【0068】
本実施形態にかかる蓄電ユニット100において、電極端子3は正極バスバー15にて接続され、電極端子4は負極バスバー16にて接続される。しかしながら、この構成に限定されず、蓄電デバイス集合体101のZ方向(第2方向Dz)の両側に配置される冷却部材20の第1冷却板21及び第2冷却板22の少なくとも一方が、バスバーを兼ねてもよい。例えば、電極端子3を第1冷却板21に電気的に接続し、電極端子3と第2冷却板22とが接触する部分に絶縁処理してもよい。このようにすることで、第2冷却板22に対する漏電、放電等を抑制しつつ第1冷却板21を正極バスバーとして利用することができる。電極端子4も同様に、第1冷却板21を負極バスバー16として利用することができる。このようにすることで。正極バスバー15及び負極バスバー16を省略することができ、蓄電ユニット100の構成を簡略化することができる。
【0069】
なお、蓄電ユニット100は、包装容器(不図示)により包装してパッケージ化されてもよい。このとき、外装容器は、熱接着性樹脂層、金属箔及び基材層を積層した積層体により形成することができる。また、蓄電ユニット100と外装容器との間の空間に充填材(不図示)を充填し、熱接着性樹脂層を熱接着して外装容器を密封してもよい。また、外装容器を射出成形品により形成してもよい。
【0070】
蓄電デバイス10の収納部11の上面及び下面の少なくとも一方には、開口(不図示)が設けられてもよい。このような開口は、蓄電デバイス10から漏れた電解液の回収及び蓄電デバイス10の充放電を繰り返すことで発生するガス(例えば、水素ガス)の回収のために設けられる。例えば、下部に設けられた開口は、電解液を回収することができる。また、上部に設けられた開口は、ガスを回収することができる。開口は、例えば、栓付きの開閉構造を有していてもよい。開口には、破壊弁、逆止弁等が取り付けられてもよい。さらに、開口には、蓄電デバイス10の収納部11の内部の一定の圧力以上のとき、開き、一定の圧力未満のとき閉じる安全弁が取り付けられてもよい。また、これら以外の構成を有する部材が、開口に配置されてもよい。
【0071】
開口は、蓄電デバイス10が安定して動作しているとき閉鎖され、必要に応じて開閉できる構成を有していてもよいし、内圧の上昇等の異常が発生したときに開く構成を有していてもよい。なお、蓄電ユニット100を収容する収容容器の内部に収容して、使用する場合、収容容器にも開口が設けられてもよい。
【0072】
<電動自動車200における蓄電ユニット100の配置>
上述のとおり、複数の蓄電デバイス10を配列した蓄電ユニット100は、高電圧による短時間での充放電が可能であるためBEV(Battery Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)以外にも、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、48V電源のマイクロハイブリッド自動車の動力源としても好適に用いることができる。
【0073】
図7は、電動自動車200の側面図である。
図8は、電動自動車200の平面図である。
図7に示すように、電動自動車(移動体)200は車輪201を駆動する動力源として駆動モータ202を備えている。電動自動車200の車体(移動体本体)の下部(フロア下)には、駆動モータ202に電力を供給する駆動源である蓄電ユニット100が設置される。
【0074】
図8に示すように、蓄電ユニット100は、第1方向Dy(Y方向)が電動自動車200の前後方向になるように配置される。また、第3方向Dx(X方向)が電動自動車200の左右方向になるように配置され、第2方向(Z方向)が電動自動車200の高さ方向(重力方向)になるように配置される。
【0075】
蓄電ユニット100では、蓄電デバイス10の第2方向Dz(Z方向)を高さ方向に配置する。このとき、配列された蓄電デバイス10は第3方向Dx(X方向)に長く延びる。配列された蓄電デバイス10では、X方向(前後方向)の長さAxがZ方向(高さ方向)の長さAzよりも大きいため、蓄電ユニット100の放電容量を縮小することなく、高さを抑制できる。ため、蓄電ユニット100の高さを低く抑えることができ、電動自動車200の居住性を向上することができる。
【0076】
なお、電動自動車200が低い全高のセダンタイプまたはコンパクトカータイプの場合、蓄電ユニット100の高さは、例えば、100mm以下であることが好ましい。電動自動車200が高い全高のSUVタイプ又はワンボックスタイプの場合、蓄電ユニット100の高さは、例えば、150mm以下であることが好ましい。
【0077】
また、電動自動車200に配置された蓄電ユニット100では、蓄電デバイス10を上下方向、つまり、重力方向に重ねない構成である。そのため、積み重ねた蓄電デバイス10の重量が下方に配置された蓄電デバイス10に作用しない。そのため、積み重ねたことで発生する蓄電デバイス10の重量による荷重で、下方に配置された蓄電ユニット100の外装部材1の破損が抑制される。その結果、蓄電ユニット100を長期間にわたり安定して使用することができる。
【0078】
なお、本実施形態にかかる蓄電ユニット100では、蓄電デバイス集合体101の上下、換言すると、第3方向Dx及び第1方向Dyと直交する第2方向Dzの両側に冷却部材20を備えている。しかしながら、これに限定されず、蓄電ユニット100を十分に冷却できる構成であれば、どちらか一方だけ備える構成であってもよい。
【0079】
また、蓄電ユニット100における蓄電デバイス10の第3方向Dx(X方向)が、走行方向となるように、電動自動車200に配置してもよい。このとき、蓄電デバイス10の第1方向Dy(Y方向)が電動自動車200の左右方向となるように配置する。これにより、蓄電ユニット100の第2方向Dz(Z方向)が電動自動車200の高さ方向(重力方向)となる。このように、蓄電ユニット100を電動自動車200に配置した場合であっても、上述と同様の特徴を有する。
【0080】
<第1変形例>
蓄電ユニットの他の例について図面を参照して説明する。
図9は、第1変形例の蓄電ユニット100aの分解斜視図である。
図9に示す蓄電ユニット100aでは、冷却部材20aの第1冷却板21aが蓄電ユニット100の冷却部材20の第1冷却板21と異なる。さらに、冷却部材20aでは、第2冷却板22を省略している。蓄電ユニット100aのこれ以外の構成は、蓄電ユニット100と同じである。そのため、蓄電ユニット100aの蓄電ユニット100と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。
【0081】
図9に示すように、蓄電ユニット100aの冷却部材20aの第1冷却板21aは、スリット23に加えて冷媒流路24aを有する。冷媒流路24aは、冷却部材20の第2冷却板22に形成された冷媒流路24と同様構成を有する。一方で、冷媒流路24aは、冷媒流路24とは異なる構成を有している。すなわち、冷媒流路24aは、隣り合うスリット23で挟まれる部分に配置される。そして、スリット23の第3方向Dx(X方向)の端部をとおり、隣のスリット23で挟まれる部分につながる。
【0082】
このようにして、冷媒流路24aは、冷却部材20aの第1冷却板21aの全域にわたって配置されている。なお、
図9に示すように、冷媒流路24aは、隣り合うスリット23で挟まれる部分において、第3方向Dx(X方向)に延びる直線状であるが、これに限定されない。例えば、第1方向Dy(Y方向)に蛇行するように形成してもよい。冷媒流路24aが長くなるほど、冷媒と第1冷却板21aとの接触面積が大きくなり、冷却効率を高めることが可能となる。
【0083】
<第2変形例>
蓄電ユニットのさらに他の例について図面を参照して説明する。
図10は、第2変形例の蓄電ユニット100bの分解斜視図である。
図10に示す蓄電ユニット100bでは、冷却部材20bの第2冷却板22bが、冷却部材20の第2冷却板22と異なる。蓄電ユニット100bのこれ以外の構成は、蓄電ユニット100と同じである。そのため、蓄電ユニット100bの蓄電ユニット100と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。
【0084】
図10に示すように、蓄電ユニット100bの冷却部材20bの第2冷却板22bは、冷媒流路が省略されている。蓄電デバイス集合体101で発生した熱は第1冷却板21を介して第2冷却板22bに伝達される。第2冷却板22bは、蓄電デバイス集合体101の上面及び下面のそれぞれを覆うように配置される。そのため、第2冷却板22bの外気と接触する面積が広く、多くの熱を外気に直接放出することができる。第2冷却板22bからの熱の直接放出で、各蓄電デバイス10を十分に冷却させることが可能な場合、第2冷却板22bのように、冷媒流路を省略することができる。
【0085】
冷媒流路を省略することで第2冷却板22bの構成を簡略化することができるとともに、配管、ポンプ、熱交換器等の冷媒流路に接続される構成も省略可能である。そのため、蓄電ユニット100bを含む、蓄電池システムを簡略化することができる。
【0086】
<第3変形例>
蓄電ユニットのさらに他の例について図面を参照して説明する。
図11は、第3変形例の蓄電ユニット100cの分解斜視図である。
図11に示す蓄電ユニット100cの冷却部材20cは、第2冷却板22が省略されている点で、冷却部材20と異なる。蓄電ユニット100cのこれ以外の構成は、蓄電ユニット100と同じである。そのため、蓄電ユニット100cの蓄電ユニット100と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。
【0087】
図11に示すように、蓄電ユニット100cの冷却部材20cは、第1冷却板21のみを有する。蓄電デバイス集合体101で発生した熱は第1冷却板21に伝達される。第1冷却板21は、蓄電デバイス集合体101の上面及び下面のそれぞれを覆うように配置される。そのため、蓄電ユニット100cの外面を流れる空気の第1冷却板21と接触する面積が大きい。これにより、蓄電デバイス集合体101の冷却を行うことができる。
【0088】
冷媒流路を有する第2冷却板22を省略することで、蓄電ユニット100cの構成を簡略化することができるとともに、配管、ポンプ、熱交換器等の冷媒流路に接続される構成も省略可能である。そのため、蓄電ユニット100cを含む、蓄電池システムを簡略化することができる。
【0089】
<第4変形例>
蓄電ユニット100の他の例について図面を参照して説明する。
図12は、第4変形例の蓄電ユニット100dの分解斜視図である。
図13は、第4変形例の蓄電ユニット100dに備えられる蓄電デバイス10dの分解斜視図である。蓄電ユニット100dは、蓄電デバイス10dの外装部材1dの収納部11dの構成が、
図11に示す蓄電ユニット100cの蓄電デバイス10の外装部材1の収納部11及び蓋部13の構成と異なる。蓄電ユニット100dのこれ以外の構成は、蓄電ユニット100cと同じである。そのため、蓄電ユニット100dの蓄電ユニット100cと実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。
【0090】
図12、13に示すように、収納部11dは、第1収納部112と、第2収納部113とを有する。第1収納部112は、第1箱部114と、周縁シール部111dとを有する。第1箱部114は、一面に略長方形状の開口部115を有し、開口部115の外縁部より外側に周縁シール部111dが拡がる。
【0091】
図13に示すように、第2収納部113は、第2箱部116と、周縁シール部111dとを有する。第2箱部116は、一面に略長方形状の開口部117を有し、開口部117の外縁部より外側に周縁シール部111dが拡がる。
【0092】
図13に示すように、第1収納部112と第2収納部113とは、それぞれの周縁シール部111dの短辺同士が連結されて、一体的に形成されている。
【0093】
そして、蓄電デバイス10dでは、第1箱部114の開口部115と第2箱部116の開口部117が重なるように組み合わせられて、それぞれの周縁シール部111d同士を熱接着することで形成される。
【0094】
このように構成した蓄電デバイス10dにおいて、フランジ部12が、収納部11dの第1方向Dyの中央部に配置される。そのため、冷却部材20cの第1冷却板21のスリット23にフランジ部12を挿通したとき、フランジ部12及び電極端子3、4と冷却部材20cとの固定時の作業が容易になる。また、フランジ部12及び電極端子3、4に第1方向Dyの両側から熱が伝達されるため、収納部11d内の温度のばらつきが少なくなり、熱による劣化を抑制することが可能である。
【0095】
<第5変形例>
蓄電ユニットの他の例について図面を参照して説明する。
図14は、第5変形例の蓄電ユニット100eの側面断面図である。
図14に示す蓄電ユニット100eは、周縁シール部111が冷却部材20cに固定されない点で、
図11に示す蓄電ユニット100cと異なる。蓄電ユニット100eのこれ以外の構成は、蓄電ユニット100cと同じである。そのため、蓄電ユニット100eの蓄電ユニット100cと実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。
【0096】
図14に示すように、蓄電ユニット100eでは、フランジ部12eの収納部11から突出しない。そのため、電極端子3、4だけ曲げて冷却部材20cの第1冷却板21に固定する。
【0097】
蓄電ユニット100eでは、フランジ部12eの周縁シール部111は冷却部材20cの第1冷却板21に固定されず、電極端子3、4のみ冷却部材20cの第1冷却板21に固定されている。蓄電ユニット100eでは、蓄電素子2で発生した熱は、収納部11と第1冷却板21との接触部分を介して第1冷却板21に伝導されるとともに、電極端子3、4を介して第1冷却板21に伝導する。これにより、蓄電素子2の温度上昇が抑制される。その結果、蓄電ユニット100eを長期間にわたり、安定して動作させることができる。
【0098】
なお、蓄電素子2で発生した熱を十分に外部に放出することができる場合、電極端子3及び電極端子4のいずれか一方のみを冷却部材20cの第1冷却板21に固定してもよい。
【0099】
<第6変形例>
蓄電ユニットの他の例について図面を参照して説明する。
図15は、第6変形例の蓄電ユニット100fの斜視図である。
図15に示す蓄電ユニット100fでは、冷却部材20fが、
図11に示す蓄電ユニット100cの冷却部材20cと異なる。蓄電ユニット100fのこれ以外の構成は、蓄電ユニット100と同じである。そのため、蓄電ユニット100fの蓄電ユニット100cと実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。
【0100】
図15に示すように、蓄電ユニット100fの冷却部材20fは第1冷却板21fを有する。第1冷却板21fは、表面から突出した複数の突起25を有する。突起25は、冷却部材20fと一体で形成される。
図15に示すように、突起25は、円柱状である。冷却部材20fは、突起25を有することで、表面積が大きくなる。つまり、突起25を設けることで、外部に放出する熱の量を増やすことができ、それだけ、蓄電ユニット100fの冷却効率を高めることができる。
【0101】
蓄電ユニット100fの外部に送風装置(不図示)を配置し、突起25に気流(冷却風)を当て、強制冷却するようにしてもよい。このようにすることで、蓄電ユニット100dの冷却効率をさらに高めることができる。例えば、蓄電ユニット100fが電動自動車200の動力源として用いられる場合、突起25に走行風が当たるように蓄電ユニット100fを配置することで、蓄電ユニット100fの冷却効率を高めることができる。
【0102】
なお、本変形例の蓄電ユニット100fにおいて、冷却部材20fの第1冷却板21fの突起25は、円柱状であるが、これに限定されない。例えば、断面多角形状であってもよいし、柱体ではなく、錐体であってもよい。さらに、冷却風の流れる方向が決まっている場合、冷却風の流れる方向に延びるフィンであってもよい。
【0103】
<第7変形例>
蓄電ユニットのさらに他の例について図面を参照して説明する。
図16は、第7変形例の蓄電ユニット100gの分解斜視図である。
図17は、第7変形例の蓄電ユニット100gに備えられる蓄電デバイス10gの側面断面図である。蓄電ユニット100gは、蓄電デバイス10gの収納部11gの形状が異なる点が、
図11に示す蓄電ユニット100cと異なる。蓄電ユニット100gのこれ以外の構成は、蓄電ユニット100cと同じである。そのため、蓄電ユニット100gの蓄電ユニット100cと実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。
【0104】
蓄電デバイス10gにおいて、蓄電素子2の大きさ及び形状は、要求される放電容量に基づいて決定される。要求される放電容量が多い場合、体積が大きい蓄電素子2が採用される。放電容量を大きくするため、蓄電デバイス10gでは、収納部11gの第1方向Dyから見た形状を、略正方形状で形成する(
図16、
図17参照)。
【0105】
そして、蓄電デバイス10gでは、収納部11gの第2方向Dz及び第3方向Dxの長さは略同じである。そのため、電極端子3、4は、第2方向Dzに突出しても、第3方向Dxに突出しても、充放電の効率に大きな差が出にくい。そのため、本変形例の蓄電ユニット100gでは、蓄電デバイス集合体101gの第3方向Dxの両端のそれぞれから電極端子3、4が突出される。そして、冷却部材20cの第1冷却板21は、蓄電デバイス集合体101gの第2方向Dzの両端に配置されて、蓄電デバイス10gの第2方向Dzに配置されるフランジ部12gがスリット23を貫通する。そして、スリット23を貫通したフランジ部12gだけが、冷却部材20cの第1冷却板21に固定される。
【0106】
これにより、収納部11gと冷却部材20cの第1冷却板21とが直接接触するため、蓄電デバイス10gで発生した熱が冷却部材20cの第1冷却板21に伝導しやすい。また、蓄電デバイス10gで発生した熱は、フランジ部12gを介しても、冷却部材20cの第1冷却板21に伝達される。つまり、蓄電ユニット100gにおいて、フランジ部12gだけがスリット23を貫通するように冷却部材20cの第1冷却板21を配置した場合であっても、蓄電デバイス10gの昇温を抑制できる。
【0107】
つまり、蓄電ユニット100gのように、電極端子3、4が突出する方向と、冷却部材20cの第1冷却板21が配置される方向とが異なる場合であっても、冷却部材20cの第1冷却板21のスリット23にフランジ部12gを挿入し、フランジ部12gを冷却部材20cの第1冷却板21に固定することで、冷却効率を高めることができる。これにより、蓄電ユニット100gの昇温による劣化を抑制することができる。
【0108】
本実施形態にかかる蓄電ユニットにおいて、蓄電デバイスは二次電池であるが、二次電池に限定されず、キャパシタ(電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等)であってもよい。
【0109】
また、蓄電ユニットが搭載される移動体の一例として電気自動車を挙げたが、蓄電ユニットは、他の移動体に搭載されてもよい。例えば、蓄電ユニットを、二足歩行ロボット、電車、飛行機、ヘリコプター、ドローン、農業機械、建設機械等に搭載してもよい。
【0110】
また、移動体の構造に応じて蓄電デバイスの設置方法を変えることが可能である、例えば、蓄電デバイスの収納部の深さ方向(Y方向)を、移動体本体の高さ方向に配置してもよい。このとき、複数の蓄電デバイスが、移動体本体の高さ方向に積み重ねられ、電極端子は水平方向に延びる。このため、外装部材の内部に充填された電解質が、電極端子の一方に偏ることを防止できる。
【0111】
また、蓄電ユニットは、移動体の駆動源以外に使用してもよい。例えば、電力貯蔵システム(Energy Storage System)、二次電池電力貯蔵システム(Battery Energy Storage System)、無停電電源装置(Uninterruptible Power Supply)の固定電源として使用してもよい。
【0112】
<まとめ>
本発明の蓄電ユニットは、以下の構成を有する。
【0113】
(1)第1方向に配列された複数の蓄電デバイスと、配列された複数の前記蓄電デバイスの前記第1方向と交差する第2方向に近接して配置される板状の冷却部材と、を有し、前記蓄電デバイスは、前記第1方向から見た形状が矩形状であって蓄電素子が収納される収納部と、前記収納部の前記第1方向の面と交差する面より外方に突出するフランジ部と、を有し、前記冷却部材は、各前記蓄電デバイスの前記フランジ部の前記第2方向に突出する部分の少なくとも一部がそれぞれ貫通する複数のスリットを有し、前記スリットを貫通した前記フランジ部が、前記冷却部材に固定される蓄電ユニット。
【0114】
(2)第1方向に配列された複数の蓄電デバイスと、配列された複数の前記蓄電デバイスの前記第1方向と交差する第2方向に近接して配置される板状の冷却部材と、を有し、前記蓄電デバイスは、前記第1方向から見た形状が矩形状であって蓄電素子が収納される収納部と、前記蓄電素子と電気的に接続され、前記収納部から前記第2方向に突出した電極端子を有し、前記冷却部材は、各前記蓄電デバイスの前記電極端子の少なくとも一部がそれぞれ貫通する複数のスリットを有し、前記スリットを貫通した前記電極端子が、前記冷却部材に固定される蓄電ユニット。
【0115】
(3)前記蓄電デバイスは、前記蓄電素子と電気的に接続され、前記収納部から前記第2方向に突出した電極端子を、有し、前記電極端子が、前記フランジ部とともに前記スリットに挿通されるとともに、前記冷却部材と接触する(1)に記載の蓄電ユニット。
【0116】
(4)前記冷却部材は、冷媒が流通する冷媒流路を有する(1)から(3)のいずれかに記載の蓄電ユニット。
【0117】
(5)前記冷却部材は、表面から突出した複数の突起を有する(1)から(4)のいずれかに記載の蓄電ユニット。
【0118】
(6)前記冷却部材は、配列された複数の前記蓄電デバイスの前記第2方向の両側に配置される(1)から(5)のいずれかに記載の蓄電ユニット。
【0119】
(7)冷却部材は、前記スリットが形成された第1冷却板と、前記第1冷却板の前記蓄電デバイスと反対側に配置される第2冷却板と、を有し、前記フランジ部の前記スリットから突出した部分の少なくとも一部が、前記第1冷却板及び前記第2冷却板によって前記第2方向に挟まれる(1)から(6)に記載の蓄電ユニット。
【0120】
なお、本発明は上述した構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる構成にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明によると、電動装置を搭載した移動体に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0122】
1、1d 外装部材
2 蓄電素子
3、4 電極端子
10、10d、10g 蓄電デバイス
11、11d、11g 収納部
12、12e、12g フランジ部
13 蓋部
14 開口部
15 正極バスバー
16 負極バスバー
17、18 引出端子
20、20a、20b、20c、20f 冷却部材
21、21a、21f 第1冷却板
22、22b 第2冷却板
23 スリット
24、24a 冷媒流路
25 突起
40 積層シート
41 基材層
42 バリア層
43 熱接着性樹脂層
100、100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g 蓄電ユニット
101、101g 蓄電デバイス集合体
111、111a、111d 周縁シール部
112 第1収納部
113 第2収納部
114 第1箱部
115 開口部
116 第2箱部
117 開口部
200 電動自動車
201 車輪
202 駆動モータ
【要約】 (修正有)
【課題】充電及び放電時の熱による昇温を抑制し、劣化しにくい蓄電ユニットを提供する。
【解決手段】蓄電ユニット100は、第1方向Dyに配列された複数の蓄電デバイス10と、配列された複数の蓄電デバイス10の第1方向と交差する第2方向Dzに近接して配置される板状の冷却部材20と、を有する。蓄電デバイスは、矩形状であって蓄電素子2が収納される収納部11と、収納部11より外方に突出するフランジ部12と、を有する。前記冷却部材11は、各蓄電デバイスのフランジ部の第2方向に突出する部分の少なくとも一部がそれぞれ貫通する複数のスリット23を有する。スリットを貫通したフランジ部は、冷却部材に固定される。
【選択図】
図2