(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】コネクタ及びコネクタシステム
(51)【国際特許分類】
H01R 12/73 20110101AFI20231205BHJP
H01R 24/60 20110101ALI20231205BHJP
【FI】
H01R12/73
H01R24/60
(21)【出願番号】P 2022518098
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(86)【国際出願番号】 JP2021016859
(87)【国際公開番号】W WO2021221076
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】P 2020081320
(32)【優先日】2020-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】I-PEX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100146916
【氏名又は名称】廣石 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100208269
【氏名又は名称】遠藤 雅士
(72)【発明者】
【氏名】松尾 章吾
(72)【発明者】
【氏名】西山 浩平
(72)【発明者】
【氏名】中村 将史
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0076587(US,A1)
【文献】特開2017-195032(JP,A)
【文献】特表2017-500712(JP,A)
【文献】特開2015-222638(JP,A)
【文献】特開2009-272256(JP,A)
【文献】特開2003-308905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/73
H01R 13/6581
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部回路基板に実装される相手方コネクタに着脱可能に嵌合されるコネクタと、
前記外部回路基板に固定される当接部材と、を備え、
前記コネクタは、外部装置に信号線を介して接続される回路基板と、前記回路基板の端末部分が挿通され、前記相手方コネクタを介して前記外部回路基板へ電気的に接続させる導電性の第1のシェルと、前記回路基板の一方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う導電性の第2のシェルと、を有し、
前記当接部材
が前記コネクタの少なくとも一部を前記外部回路基板に向けて押圧する
ことにより、前記回路基板に熱伝導可能に接続された前記コネクタの主面が前記外部回路基板の主面に当接する、
コネクタシステム。
【請求項2】
外部回路基板に実装される相手方コネクタに着脱可能に嵌合されるコネクタと、
前記外部回路基板に固定される当接部材と、を備え、
前記コネクタは、外部装置に信号線を介して接続される回路基板と、前記回路基板の端末部分が挿通され、前記相手方コネクタを介して前記外部回路基板へ電気的に接続させる導電性の第1のシェルと、前記回路基板の一方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う導電性の第2のシェルと、前記外部回路基板の前記主面に固定される状態において、前記第2のシェルの一部が前記当接部材により押し付けられて前記外部回路基板の主面に固定され、前記回路基板の他方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う熱伝導性の第3のシェルと、を有し、
前記当接部材は、前記コネクタの少なくとも一部を前記外部回路基板に向けて押圧する、
コネクタシステム。
【請求項3】
前記当接部材は、前記回路基板の他方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う、
請求項1又は2に記載のコネクタシステム。
【請求項4】
前記当接部材は、前記回路基板の他方の主面に接触する接触部を有する、
請求項
3に記載のコネクタシステム。
【請求項5】
前記接触部は、前記回路基板に配置された発熱部材と前記回路基板を挟んで対向する位置で、前記回路基板に接触する、
請求項
4に記載のコネクタシステム。
【請求項6】
外部回路基板に実装される相手方コネクタに着脱可能に嵌合されるコネクタと、
前記外部回路基板に固定される当接部材と、を備え、
前記コネクタは、外部装置に信号線を介して接続される回路基板と、前記回路基板の端末部分が挿通され、前記相手方コネクタを介して前記外部回路基板へ電気的に接続させる導電性の第1のシェルと、前記回路基板の一方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う導電性の第2のシェルと、を有し、
前記当接部材は、前記コネクタの少なくとも一部を前記外部回路基板に向けて押圧し、前記回路基板の他方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆い、前記回路基板の他方の主面に接触する接触部を有し、
前記接触部は、前記回路基板に配置された発熱部材と前記回路基板を挟んで対向する位置で、前記回路基板に接触する、
コネクタシステム。
【請求項7】
前記コネクタは、前記外部回路基板の前記主面に固定される状態において、前記第2のシェルの一部が前記当接部材により押し付けられて前記外部回路基板の主面に固定され、前記回路基板の他方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う熱伝導性の第3のシェルをさらに有する、
請求項1又は
6に記載のコネクタシステム。
【請求項8】
前記当接部材は、前記コネクタの、前記端末部分よりも前記端末部分とは反対の端部に近い位置を前記外部回路基板へ着脱可能に固定する、
請求項1
から7の何れか一項に記載のコネクタシステム。
【請求項9】
前記回路基板は、前記第2のシェルに固定される、
請求項1から
8の何れか一項に記載のコネクタシステム。
【請求項10】
前記当接部材は、前記第2のシェルを前記外部回路基板に向けて押圧し、固定する押圧部を有し、
前記第2のシェルは、前記押圧部が係合される係合部を有し、
前記押圧部および前記係合部は、前記信号線が延設されている方向に交差する方向に並んで、それぞれ複数形成される、
請求項1から
9の何れか一項に記載のコネクタシステム。
【請求項11】
前記当接部材は、前記第2のシェルを前記外部回路基板に向けて押圧し、固定する押圧部を有し、少なくとも前記押圧部の直下位置、あるいは前記直下位置の周辺位置に設けられた固定部によって、外部回路基板に固定される、
請求項1から
9の何れか一項に記載のコネクタシステム。
【請求項12】
前記押圧部および前記係合部は、前記信号線が延設されている方向に並んで、それぞれ複数形成される、
請求項
10に記載のコネクタシステム。
【請求項13】
外部回路基板に実装される相手方コネクタに着脱可能に嵌合されるコネクタであって、
前記コネクタは、外部装置に信号線を介して接続される回路基板と、前記回路基板の端末部分が挿通され、前記相手方コネクタを介して前記外部回路基板へ電気的に接続させる導電性の第1のシェルと、前記回路基板の一方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う導電性の第2のシェルと、を有し、
前記外部回路基板に固定される当接部材によって、前記コネクタは前記外部回路基板に着脱可能に設置され
、前記回路基板に熱伝導可能に接続された前記コネクタの主面が前記外部回路基板の主面に当接する、
コネクタ。
【請求項14】
外部回路基板に実装される相手方コネクタに着脱可能に嵌合されるコネクタであって、
前記コネクタは、外部装置に信号線を介して接続される回路基板と、前記回路基板の端末部分が挿通され、前記相手方コネクタを介して前記外部回路基板へ電気的に接続させる導電性の第1のシェルと、前記回路基板の一方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う導電性の第2のシェルと、前記外部回路基板の前記主面に固定される状態において、前記第2のシェルの一部が当接部材により押し付けられて前記外部回路基板の主面に固定され、前記回路基板の他方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う熱伝導性の第3のシェルと、を有し、
前記外部回路基板に固定される前記当接部材によって、前記コネクタは前記外部回路基板に着脱可能に設置される、
コネクタ。
【請求項15】
外部回路基板に実装される相手方コネクタに着脱可能に嵌合されるコネクタであって、
前記コネクタは、外部装置に信号線を介して接続される回路基板と、前記回路基板の端末部分が挿通され、前記相手方コネクタを介して前記外部回路基板へ電気的に接続させる導電性の第1のシェルと、前記回路基板の一方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う導電性の第2のシェルと、を有し、
前記外部回路基板に固定される当接部材によって、前記コネクタは前記外部回路基板に着脱可能に設置され、
前記当接部材は、前記回路基板の他方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆い、前記回路基板の他方の主面に接触する接触部を有し、
前記接触部は、前記回路基板に配置された発熱部材と前記回路基板を挟んで対向する位置で、前記回路基板に接触する、
コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ及びコネクタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ等の通信の高速化に伴い、サーバ等の機器に使用される着脱可能なコネクタが大型化している。これに対応して、コネクタを小型化すべく、特許文献1にコネクタが提案されている。このコネクタは、相手方コネクタと嵌合部分でのみ固定されており、台座に固着された受信用回路基板が導電性のシールドケースで全体を覆われている。このため、台座を介してシールドケースに熱を伝達できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のコネクタは、嵌合部分以外は外気に覆われている。従って、このコネクタは、シールドケースを介して大半の熱を外気に放熱する。しかしながら、空気は熱伝導率が低いため、シールドケースに熱がこもってしまい、放熱が十分に行われているとは言えない。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、放熱効果が高い着脱可能なコネクタ及びコネクタシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るコネクタシステムは、
外部回路基板に実装される相手方コネクタに着脱可能に嵌合されるコネクタと、
前記外部回路基板に固定される当接部材と、を備え、
前記コネクタは、外部装置に信号線を介して接続される回路基板と、前記回路基板の端末部分が挿通され、前記相手方コネクタを介して前記外部回路基板へ電気的に接続させる導電性の第1のシェルと、前記回路基板の一方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う導電性の第2のシェルと、を有し、
前記当接部材が前記コネクタの少なくとも一部を前記外部回路基板に向けて押圧することにより、前記回路基板に熱伝導可能に接続された前記コネクタの主面が前記外部回路基板の主面に当接する。
また、本発明の第2の観点に係るコネクタシステムは、
外部回路基板に実装される相手方コネクタに着脱可能に嵌合されるコネクタと、
前記外部回路基板に固定される当接部材と、を備え、
前記コネクタは、外部装置に信号線を介して接続される回路基板と、前記回路基板の端末部分が挿通され、前記相手方コネクタを介して前記外部回路基板へ電気的に接続させる導電性の第1のシェルと、前記回路基板の一方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う導電性の第2のシェルと、前記外部回路基板の前記主面に固定される状態において、前記第2のシェルの一部が前記当接部材により押し付けられて前記外部回路基板の主面に固定され、前記回路基板の他方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う熱伝導性の第3のシェルと、を有し、
前記当接部材は、前記コネクタの少なくとも一部を前記外部回路基板に向けて押圧する。
前記当接部材は、前記回路基板の他方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆っていてもよい。
【0007】
前記当接部材は、前記回路基板の他方の主面に接触する接触部を有していてもよい。
【0008】
前記接触部は、前記回路基板に配置された発熱部材と前記回路基板を挟んで対向する位置で、前記回路基板に接触していてもよい。
【0009】
また、本発明の第3の観点に係るコネクタシステムは、
外部回路基板に実装される相手方コネクタに着脱可能に嵌合されるコネクタと、
前記外部回路基板に固定される当接部材と、を備え、
前記コネクタは、外部装置に信号線を介して接続される回路基板と、前記回路基板の端末部分が挿通され、前記相手方コネクタを介して前記外部回路基板へ電気的に接続させる導電性の第1のシェルと、前記回路基板の一方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う導電性の第2のシェルと、を有し、
前記当接部材は、前記コネクタの少なくとも一部を前記外部回路基板に向けて押圧し、前記回路基板の他方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆い、前記回路基板の他方の主面に接触する接触部を有し、
前記接触部は、前記回路基板に配置された発熱部材と前記回路基板を挟んで対向する位置で、前記回路基板に接触する。
【0010】
前記コネクタは、前記外部回路基板の前記主面に固定される状態において、前記第2のシェルの一部が前記当接部材により押し付けられて前記外部回路基板の主面に固定され、前記回路基板の他方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う熱伝導性の第3のシェルをさらに有していてもよい。
【0011】
前記当接部材は、前記コネクタの、前記端末部分よりも前記端末部分とは反対の端部に近い位置を前記外部回路基板へ着脱可能に固定してもよい。
【0012】
前記回路基板は、前記第2のシェルに固定されていてもよい。
【0013】
前記当接部材は、前記第2のシェルを前記外部回路基板に向けて押圧し、固定する押圧部を有し、
前記第2のシェルは、前記押圧部が係合される係合部を有し、
前記押圧部および前記係合部は、前記信号線が延設されている方向に交差する方向に並んで、それぞれ複数形成されていてもよい。
【0014】
前記当接部材は、前記第2のシェルを前記外部回路基板に向けて押圧し、固定する押圧部を有し、少なくとも前記押圧部の直下位置、あるいは前記直下位置の周辺位置に設けられた固定部によって、外部回路基板に固定されていてもよい。
【0015】
前記押圧部および前記係合部は、前記信号線が延設されている方向に並んで、それぞれ複数形成されていてもよい。
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の第4の観点に係るコネクタは、
外部回路基板に実装される相手方コネクタに着脱可能に嵌合されるコネクタであって、
前記コネクタは、外部装置に信号線を介して接続される回路基板と、前記回路基板の端末部分が挿通され、前記相手方コネクタを介して前記外部回路基板へ電気的に接続させる導電性の第1のシェルと、前記回路基板の一方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う導電性の第2のシェルと、を有し、
前記外部回路基板に固定される当接部材によって、前記コネクタは前記外部回路基板に着脱可能に設置され、前記回路基板に熱伝導可能に接続された前記コネクタの主面が前記外部回路基板の主面に当接する。
また、本発明の第5の観点に係るコネクタは、
外部回路基板に実装される相手方コネクタに着脱可能に嵌合されるコネクタであって、
前記コネクタは、外部装置に信号線を介して接続される回路基板と、前記回路基板の端末部分が挿通され、前記相手方コネクタを介して前記外部回路基板へ電気的に接続させる導電性の第1のシェルと、前記回路基板の一方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う導電性の第2のシェルと、前記外部回路基板の前記主面に固定される状態において、前記第2のシェルの一部が当接部材により押し付けられて前記外部回路基板の主面に固定され、前記回路基板の他方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う熱伝導性の第3のシェルと、を有し、
前記外部回路基板に固定される前記当接部材によって、前記コネクタは前記外部回路基板に着脱可能に設置される。
また、本発明の第6の観点に係るコネクタは、
外部回路基板に実装される相手方コネクタに着脱可能に嵌合されるコネクタであって、
前記コネクタは、外部装置に信号線を介して接続される回路基板と、前記回路基板の端末部分が挿通され、前記相手方コネクタを介して前記外部回路基板へ電気的に接続させる導電性の第1のシェルと、前記回路基板の一方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う導電性の第2のシェルと、を有し、
前記外部回路基板に固定される当接部材によって、前記コネクタは前記外部回路基板に着脱可能に設置され、
前記当接部材は、前記回路基板の他方の主面における前記端末部分以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆い、前記回路基板の他方の主面に接触する接触部を有し、
前記接触部は、前記回路基板に配置された発熱部材と前記回路基板を挟んで対向する位置で、前記回路基板に接触する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、放熱効果が高い着脱可能なコネクタ及びコネクタシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】(a)は、本発明の第1実施形態に係るコネクタシステムの斜視図である。(b)は、(a)中のb部分のコネクタシステムの拡大斜視図である。(c)は、(a)中のIc-Ic線で切断したコネクタシステムの断面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るコネクタシステムの分解斜視図である。
【
図3】(a)は、本発明の第1実施形態に係る前方シェルの平面図である。(b)は、本発明の第1実施形態に係る前方シェルの背面図である。(c)は、本発明の第1実施形態に係る前方シェルの底面図である。(d)は、本発明の第1実施形態に係る前方シェルの斜視図である。(e)は、(a)のe部分の+Z側の本体部を省略したものの拡大斜視図である。(f)は、(a)中のIIIf-IIIf線で切断した前方シェルの断面図である。
【
図4】
図3(f)に示す拡大断面図に、上方シェルの一部を配置した図である。
【
図5】(a)は、本発明の第1実施形態に係る下方シェルの平面図である。(b)は、本発明の第1実施形態に係る下方シェルの斜視図である。
【
図6】(a)は、本発明の第1実施形態に係る上方シェルの底面図である。(b)は、本発明の第1実施形態に係る上方シェルの斜視図である。(c)は、(a)中のVIc-VIc線で切断した上方シェルの断面図である。
【
図7】(a)は、本発明の第1実施形態に係るコネクタシステムの拡大側面図である。(b)は、本発明の第1実施形態に係るコネクタシステムの拡大正面図である。
【
図8】(a)は、本発明の第1実施形態に係る回路基板の斜視図である。(b)は、本発明の第1実施形態に係る回路基板の側面図である。
【
図9】(a)は、本発明の第1実施形態に係るコネクタの斜視図である。(b)は、(a)中のIXb-IXb線で切断したコネクタの断面図である。
【
図10】(a)は、本発明の第1実施形態に係る当接部材の平面図である。(b)は、本発明の第1実施形態に係る当接部材の斜視図である。
【
図11】(a)は、本発明の第1実施形態に係るコネクタを相手方コネクタに嵌合させる前の斜視図である。(b)は、(a)中のb部分の拡大斜視図である。(c)は、(a)中のXIc-XIc線で切断したコネクタの断面図である。
【
図12】本発明の第2実施形態に係るコネクタシステムの分解斜視図である。
【
図13】(a)は、本発明の第2実施形態に係るコネクタシステムの斜視図である。(b)は、(a)中のb部分のコネクタシステムの拡大斜視図である。(c)は、(b)の押圧部を省略したコネクタシステムの拡大斜視図である。
【
図14】(a)は、本発明の第2実施形態に係る上方シェルの斜視図である。(b)は、本発明の第2実施形態に係る上方シェルの平面図である。
【
図15】(a)は、本発明の第2実施形態に係る当接部材の斜視図である。(b)は、本発明の第2実施形態に係る当接部材の平面図である。
【
図16】
図13(a)中のXVI-XVI線で切断したコネクタシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の各実施形態に係るコネクタを備えるコネクタシステムを、図面を参照しながら説明する。図面には、相互に直交するXYZ座標を設定し、適宜参照する。XYZ座標のY軸方向は、
図1(a)に示すように、相手方コネクタ20に対してコネクタ10が嵌合するために移動する嵌合方向D1と同一の方向(前後方向)である。Z軸方向は、コネクタ10の回路基板200の厚さ方向と同一の方向(上下方向)である。X軸方向は、Y軸方向及びZ軸方向の両方向に直交する方向(幅方向)である。なお、同一の構成要素には、同一の符号を付す。
【0020】
[第1実施形態]
図1に示すように、コネクタシステム1は、例えばサーバ内のGPU(Graphic Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等に使用されるAOC(Active Optical Cable)コネクタのユニットである。第1実施形態に係るコネクタシステム1は、外部回路基板30に接続された相手方コネクタ20に着脱可能に嵌合されるコネクタ10と、該外部回路基板30に配置された当接部材40と、を有する。
【0021】
コネクタ10は、メスコネクタである相手方コネクタ20に接続されるオスコネクタである。
【0022】
図2の、コネクタシステム1の分解斜視図に示すように、コネクタ10は、プリント回路が形成された回路基板200と、回路基板200上に配置された半導体素子210と、半導体素子210に接続された信号線300と、端末部分201を除く回路基板200及び信号線300の基部を収容する筐体100と、を備える。
【0023】
一方、
図1(a)及び
図2に示される相手方コネクタ20は、回路基板200の端末部分201に配列された接続端子203に接続される。外部回路基板30は、相手方コネクタ20を介して電気信号をコネクタ10に接続された外部機器等と送受信する。当接部材40は、相手方コネクタ20に嵌合されたコネクタ10を外部回路基板30の主面31に接触した状態で着脱可能に固定する。
【0024】
コネクタ10は、信号線300を介して光信号を受信し、回路基板200に実装された半導体素子210によって光信号を電気信号に変換して処理する。その後、回路基板200上のプリント回路と端末部分201に配列された接続端子203とを介して、相手方コネクタ20に電気信号を送信する。また、コネクタ10は、相手方コネクタ20から送信された電気信号を端末部分201に配列された接続端子203とプリント回路とを介して半導体素子210に伝送する。その後、半導体素子210によって電気信号を処理し、これを光信号に変換し、信号線300を介して外部に光信号を送信する。
【0025】
次に、コネクタ10の構成を詳細に説明する。
【0026】
コネクタ10の外部を構成する筐体100は、例えば金属で構成された導電性の部材である。筐体100は、端末部分201を除く回路基板200を収容する。筐体100は、回路基板200の端末部分201を突出させる前方シェル110と、回路基板200の下部を固定する下方シェル120と、回路基板200の上部に配置される上方シェル130と、を有する。前方シェル110は第1のシェル、下方シェル120は第3のシェル、上方シェル130は第2のシェルの一例である。
【0027】
前方シェル110は、回路基板200の端末部分201を筐体100の外(前方)に突出させると共に回路基板200を覆う部材である。
図3(a)~(d)に概略を示すように、前方シェル110は、角筒状の本体部111と、本体部111のX軸方向の両端部に回動可能に係止された略C字状のロックバー115とを有する。前方シェル110は、端末部分201を挿通し、相手方コネクタ20を介して外部回路基板30へ電気的に接続させる。
【0028】
本体部111は、前方シェル110の本体部分を構成しており、本体部111にはY軸方向(前後方向)に貫通する中空部分に相当する挿通部111aが形成されている。
図11(a)に示すように、本体部111の前方端部(一端部)117が回路基板200の端末部分201とともに、相手方コネクタ20に嵌合する。
図3(f)に示すように、本体部111の後方端部(他端部)118は、Z軸方向(上下方向)に広がるように形成されている。これは、前方シェル110に回路基板200を挿通するための空間を確保するためである。また、本体部111は、
図3(f)および
図9(b)に示すように、回路基板200の後述する他方の主面204と対向する対向部111bと、回路基板200の後述する一方の主面205と対向するカバー部111cと、対向部111bとカバー部111cとを接続する接続部111dと、を有する。対向部111b及びカバー部111cは、Z軸方向(上下方向)に離れた状態において、お互いに対向して配置されている。接続部111dは、対向部111bの+Y方向(前方向)の端部と、カバー部111cの+Y方向(前方向)の端部とを接続する。接続部111dは、本体部111の前方端部117のX軸方向の両端にそれぞれ設けられている。本体部111の前方端部(一端部)117において、挿通部111aは、対向部111b、カバー部111c及び接続部111dにより囲まれた空間によって形成されている。
【0029】
図9(a)、(b)に示すように、挿通部111aには回路基板200の端末部分201が挿通され、前方シェル110の前方端部117から端末部分201が突出する。
【0030】
図3(a)とそのe部の拡大図である
図3(e)に示すように、本体部111のX軸方向(幅方向)の両端部には、XZ平面に主面を有する板状部材である被係合部112が形成されている。被係合部112には、下方シェル120の後述する係合部123が係合される。
【0031】
また、
図3(c)、(f)に示すように、本体部111のX軸方向(幅方向)の両端付近には、挿通部111a内に突出する鈎状の部材である係合爪113が形成されている。係合爪113は、挿通部111aに挿入された回路基板200の後述する凸部202と係合し、回路基板200が前方シェル110から脱落することを防止する。
【0032】
図3(a)、(d)、(f)に示すように、本体部111の上壁のX軸方向(幅方向)の両端付近には、挿通部111aに挿入された回路基板200を押止する押止部114が形成されている。押止部114は、本体部111から挿通部111aの内部に向けて弾性を有して突出するL字状の舌部から形成されている。これにより、押止部114は、挿通部111aに挿通された回路基板200を-Z方向に押止する。
【0033】
図3(c)、(d)に示すように、本体部111の後方端部118の-Z側(下側)に、半田付部116aが形成されている。半田付部116aは、XY平面視で、凹状部分を有する。半田付部116aの凹状部分に下方シェル120の後述する突出部125が配置されることにより、前方シェル110と下方シェル120とのY軸方向(前後方向)へのずれを抑制する。また、半田付部116aと突出部125との隙間に半田付けし、前方シェル110、下方シェル120及び回路基板200を互いに固定する。
なお、半田付部116aと突出部125は必ずしも半田付けする必要はない。
【0034】
図3(a)、(d)、(f)に示すように、本体部111の後方端部118の+Z側(上側)に、当接部116bが形成されている。当接部116bは板状の舌片部を有し、舌片部は回路基板200の一方の主面205と近接する。前方シェル110の当接部116bの舌片部は、上方シェル130を前方シェル110に取り付ける時、
図4に示すように、上方シェル130の後述する当接部137のY方向(前方向)端部と当接する。
【0035】
図3(a)、(d)に示すように、本体部111の前方端部117の+Z側(上側)に、凹部119が設けられている。凹部119は、-Z方向(下方向)に凹んでいる。凹部119の凹みによって、前方シェル110内に配置された回路基板200のガタツキを抑えることができる。
【0036】
図3(e)に示すように、ロックバー115は、本体部111のX軸方向(幅方向)の両端に係合する、略C字状の部材である。さらにロックバー115は、その両端部がZ軸方向において、対向部111b、カバー部111cとの間に位置することによって、被係合部112に係合し回動可能な状態になされている。
図1(c)に示すように、回路基板200の端末部分201が相手方コネクタ20と接続されている状態において、ロックバー115をD2方向に回転移動させて相手方コネクタ20の+Y方向(前方向)の壁面21に引っ掛ける。これにより、ロックバー115は、コネクタ10が相手方コネクタ20から外れることを防止する。
【0037】
一方、筐体100を構成する下方シェル120は、
図5(a)、(b)に示すように、基部121、立上り部122、一対の係合部123、を有する。下方シェル120は、回路基板200の端末部分201以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆うと共に、回路基板200を支持する部材である。
【0038】
基部121は、略長方形状の平板状部材である。基部121の主面121aには、後述する固定材400を介して回路基板200が配置される。
【0039】
基部121の+Y方向(前方)端部に突出部125が一対形成されている。突出部125は、前方シェル110に下方シェル120を係合する際、前方シェル110の後方端部118の-Z側(下側)に設けられた半田付部116aの凹状部分に配置される平板状の部材である。
【0040】
基部121の+Y方向(前方)の中央部には半田付部126が形成されている。半田付部126は、前方シェル110、下方シェル120及び回路基板200を半田で固定するための凹部を有する。
【0041】
立上り部122は、基部121のX方向の両端及び-Y方向の端部(後方及び側方)から立ち上がる壁を形成する部材である。
【0042】
-Y方向の端部(後方端部)の立上り部122には、複数の係合孔124が形成されている。係合孔124は、それぞれ略矩形状に形成されている。係合孔124には、上方シェル130の後述する係合部136が係合される。
【0043】
係合部123は、X軸方向の両端(幅方向の両端)の立上り部122における+Y方向の端部(前方端部)に形成された、フック状の部材である。下方シェル120が前方シェル110に接続された状態において、係合部123は、被係合部112に係合する。一対の係合部123はフック状の部分が外向きに形成され、一対の被係合部112が係合部123の外側に形成されているため、係合部123は、被係合部112に係合すると、簡単には外れない構造になっている。
【0044】
また、筐体100を構成する上方シェル130は、
図6(a)~(c)に示すように、基部131、立上り部132、舌部133、当接部137、係合部139を有する。上方シェル130は、回路基板200の対象領域(端末部分201以外の領域)の少なくとも一部を覆う。
【0045】
基部131は、中央付近に切り込みが形成されて舌部133が形成された略長方形状の平板状部材である。上方シェル130の基部131の短辺の長さ及び長辺の長さは、それぞれ、下方シェル120の基部121の短辺の長さ及び長辺の長さよりも少しだけ長い。これにより、上方シェル130は、下方シェル120の立上り部122の上端部を収容することができる。
【0046】
舌部133は、基部131から-Z方向(下方向、半導体素子210が配置された方向)に屈曲して形成された、XY平面視で略正方形状の部材である。舌部133は、回路基板200の後述する半導体素子210の放熱を促進させるための部材である。基部131と舌部133との間には空隙134が形成され、この空隙134から、半導体素子210により加熱された筐体100内部の空気が外部に放出される。
【0047】
立上り部132は、基部131のX方向の両端及びY方向の両端の四周から立ち上がる壁面を形成する部材である。上方シェル130の立上り部132のうちX方向の両端及び-Y方向の端部(幅方向及び後方向)は、下方シェル120の立上り部122のX方向の両端及び-Y方向の端部(幅方向及び後方向)と重なって配置される。
【0048】
係合部139は、立上り部132の+X及び-X方向(左右方向)の壁の-Y方向の端部付近に、略矩形状に形成されている。係合部139は、当接部材40の後述する押圧部42が係合され、コネクタ10全体を外部回路基板30に押し付けるための部材である。係合部139は、立上り部132の一部をコネクタ10の外へ向けて折り曲げ、基部131に対して略水平になるように形成されている。
図7(a)に示すように、コネクタ10が外部回路基板30の主面31上に配置されたとき、係合部139の上面の主面31からの距離h1は、後述する押圧部42の下面の主面31からの距離h2よりも高く、後述するガイド部43の下面のうち一番主面31からの距離が大きい距離h3よりも小さく設定されている。
図7(b)に示すように、係合部139の幅及び突出長さは、後述する押圧部42が係合可能な大きさに形成されている。
【0049】
図6(a)、(b)に示すように、立上り部132の-Y方向(後方向)の壁の中央付近には、信号線300を通すための挿通口135が形成されている。
【0050】
また、立上り部132の-Y方向(後方向)の壁の頂部(-Z方向の端部)には、複数の筐体係合部136が+Y方向(前方向)向きに形成されている。各筐体係合部136は、略矩形状の部材である。筐体係合部136は、下方シェル120の立上り部122に形成された係合孔124に係合する。
【0051】
当接部137は、+Y方向の端部(前方端部)の立上り部132の-Z方向の端部(下端部)に形成された、板状の部材である。上方シェル130の当接部137は、前方シェル110の本体部111の+Z方向の面及び前方シェル110の当接部116bと当接する。
【0052】
当接部137の+Y方向(前方向)の端部には、凹形状の凹部138が複数形成されている。前方シェル110に上方シェル130の当接部137が当接している状態において、隣接する凹部138,138の間と前方シェル110の当接部116bとを半田付けして、上方シェル130を前方シェル110に固定する。
なお、当接部137と前方シェル110との固定は、半田付けに代えて、伝熱性の接着剤などを用いてもよく、固定せず当接させてもよい。
【0053】
回路基板200は、AOC(Active Optical Cable)基板であり、
図8(a)、(b)に示すように、一対の凸部202、接続端子203を有する。
【0054】
回路基板200は、
図2、
図9(b)に示すように、固定材400を介して下方シェル120の主面121a上に固定され、下方シェル120に熱伝導可能に接続されている。
【0055】
端末部分201は、
図8(a)、(b)に示すように、回路基板200の+Y側(前側)端部である。端末部分201は、回路基板200が前方シェル110に後方端部118から+Y方向(前方向)に挿通された時に前方シェル110の前方端部117から突出する部分である。
【0056】
凸部202は、端末部分201のX軸方向(幅方向)の両端から外側に突出して形成されている部分である。回路基板200が挿通部111aの所定の位置まで挿通されている状態において、凸部202は、係合爪113の鈎状の部分に係合され、回路基板200が前方シェル110から脱落することを防止する。
【0057】
接続端子203は、端末部分201の一方の主面205上に複数形成されている。接続端子203は、相手方コネクタ20の接続端子と接続される。
【0058】
半導体素子210は、シリコンフォトニクス回路を有する発熱部材であり、発光素子212、受光素子213、電気端子等を備え、回路基板200に実装されている。シリコンフォトニクス回路では、発光素子212として例えばLD(Laser Diode)、受光素子213として例えばPD(Photo Diode)、他にドライバ等の部品が一体化されている。半導体素子210の電気端子は、回路基板200に形成された配線を介して端末部分201に配置された接続端子203に接続されている。半導体素子210は、
図9(b)に示すように、上方シェル130の舌部133に伝熱材410を介して熱伝導可能に接続されている。また、半導体素子210は、回路基板200の主面205上に伝熱材420を介して熱伝導可能に回路基板200に接続されている。
【0059】
信号線300は、
図8(a)、(b)に示すように、光ファイバ301、接続部302を備える。光ファイバ301は、一端が接続部302に接続され、他端が外部(外部装置等)に接続されている。接続部302は、半導体素子210と接続されている。接続部302には、反射鏡303が配置されている。反射鏡303は、光ファイバ301から出射された光、又は、発光素子212から出射された光を反射し、屈曲させる。反射鏡303によって、半導体素子210と信号線300とが光を伝送可能に接続されている。
【0060】
固定材400は、一般の樹脂製の接着剤よりも高い伝熱性を有する接着剤、例えば、銀ペーストから構成される。固定材400は、
図9(b)に示すように、半導体素子210の直下を含む回路基板200の他方の主面204と下方シェル120の基部121の主面121aとの間に充填されている。なお、回路基板200の他方の主面204にも配線が形成されている場合には、配線の表面には、絶縁加工が施されている。固定材400は、回路基板200を下方シェル120に固定する機能と、回路基板200の熱を下方シェル120に伝達して放熱させる機能とを備える。なお、固定材400としては固体に限定されず、ゾルやゲル等であってもよい。例えば、熱伝導グリス等の放熱グリスや放熱シート等を使用しても良い。
【0061】
伝熱材410、420は、熱伝導性の部材であり、本実施形態では、例えば、銀ペーストを使用する。伝熱材410は、半導体素子210で発生した熱を上方シェル130の舌部133に伝達して、上方シェル130全体で放熱させる機能を果たす。一方、伝熱材420は、半導体素子210で発生した熱を回路基板200に伝え、回路基板200から固定材400を介して下方シェル120に伝えることで、下方シェル120全体で放熱させる機能を果たす。
【0062】
図1、
図11に示すように、相手方コネクタ20は、外部回路基板30に実装されたメスコネクタである。相手方コネクタ20には、コネクタ10から突出する回路基板200の端末部分201が挿入される。
【0063】
なお、相手方コネクタ20は、コネクタ10に対応する構成を備えていればよい。
図1、
図11に示すメスコネクタの構成は、一例であり、相手方コネクタ20の形状等は、適宜変更可能である。
【0064】
外部回路基板30は、例えば、エポキシ系の樹脂材料からなる基板に銅箔の配線パターン(図示せず)を施した硬質のプリント基板から構成される。外部回路基板30の主面31には、接点、取付部(いずれも図示せず)が露出している。外部回路基板30には、相手方コネクタ20及び当接部材40が取り付けられる。また、
図2に示すように、外部回路基板30の主面31には、下方シェル120が当接する位置にも銅箔32が配置され、コネクタ10から外部回路基板30への熱の伝導を促進させる。
【0065】
外部回路基板30に配置される当接部材40は、
図10(a)、(b)に示すように、平面視で略コ字状の金属製の部材である。当接部材40は、外部回路基板30上に配置される基部41と、基部41の両端部付近に、上方シェル130に係合し、コネクタ10を外部回路基板30の主面31に向けて押圧する、正面視U字状の押圧部42と、を有する。また、当接部材40は、押圧部42の-Y方向の端部から+Z方向にテーパ状に延設されたガイド部43を有する。
図7(a)に示すように、コネクタ10、および当接部材40が外部回路基板30の主面31上に配置されているとき、押圧部42の下面の距離h2(外部回路基板30の主面31からの距離)は、係合部139の上面の距離h1(外部回路基板30の主面31からの距離)よりも低く設定されている。一方、ガイド部43の下面のうち一番主面31からの距離が大きい距離h3は、距離h1より高く設定されている。このため、
図11(a)、(b)に示すコネクタ10をD1方向に移動させると、係合部139は、ガイド部43により、-Z方向に向けて少しずつ移動するようにガイドされる。その後、
図1(a)、(b)に示すように、係合部139が押圧部42に係合されるとき、上述のように距離h1>h2であるため、係合部139は、押圧部42により、外部回路基板30の主面31に向けて押圧される。また、
図7(b)に示すように、押圧部42が略C字状に形成されていることから、押圧部42に係合される係合部139は、押圧部42の付勢力によっても外部回路基板30の主面31に向けて押圧される。従って、係合部139が押圧部42の下に位置するとき、上方シェル130は、外部回路基板30の主面31に向けて押圧される。
【0066】
当接部材40は、外部回路基板30に配置され、固定されるが、押圧部42の直下位置に固定部44(
図10(a)、(b)参照)、および/あるいは押圧部42の直下位置の周辺位置に固定部45を設けて外部回路基板30に半田または接着剤により固定する。そうすることで、コネクタ10を外部回路基板30に向けて押圧した際に生じる押圧部42に掛る反力によって、当接部材40が剥離する等の不測の事態を防ぐことが出来る。また、基部41のコーナー部分も固定部46として外部回路基板30に固定しても良い。或いは、固定部46,46間に、固定部47を設けてもよい。必要な固定強度等に応じて、固定部の個数や位置を決定すると良い。
【0067】
(コネクタシステムの組立方法)
次に、上記構成をするコネクタシステム1の組立方法を説明する。
まず、作業者は、
図8(a)、(b)に示す回路基板200の端末部分201を、一方の主面205を+Z方向(上方向)に向けつつ、前方シェル110の挿通部111aに挿通する。回路基板200の端末部分201は、前方端部117から突出する。このとき、回路基板200は、
図3(f)に示す押止部114を+Z方向(上方向)に撓ませつつ、係合爪113に乗り上げた後(係合爪113を-Z方向、下方向に押した後)、回路基板200の凸部202が、前方シェル110の係合爪113に係合される。また、回路基板200は押止部114に-Z方向に押止される。回路基板200が挿通部111aの所定の位置まで正しく挿通されていないとき、凸部202が係合爪113の+Z方向の立上り部分と干渉し、係合爪113を-Z方向に押し出す。従って、回路基板200が所定の位置まで挿通されたかどうかは、係合爪113が-Z方向に突出しているか否かによって確認できる。挿通後、
図3(b)、(d)に示す半田付部116aと回路基板200とを半田付けする。
【0068】
作業者は、回路基板200の他方の主面204に、固定材400を塗布する。作業者は、下方シェル120を、回路基板200の他方の主面204に沿ってD1方向にスライドして、前方シェル110の後方端部118に設けられた被係合部112に下方シェル120の係合部123を係合する。この時、下方シェル120の主面121aに、回路基板200の他方の主面204が固定材400を介して固定され、回路基板200が下方シェル120と熱伝導可能に接続される。
【0069】
作業者は、
図8に示す半導体素子210の主面211の接続部302が接続された部分以外の領域に、伝熱材410を塗布する。
【0070】
作業者は、上方シェル130を、回路基板200の一方の主面205に沿ってD1方向にスライドさせる。上方シェル130の当接部137は、前方シェル110の本体部111の後方端部118に当接する。また、作業者は、係合部136を、下方シェル120の係合孔124に係合する。そして、上方シェル130の立上り部132を下方シェル120の立上り部122に嵌合し、嵌合された部分及び本体部111と上方シェル130の当接部137との間を半田付けして、
図9(a)、(b)に示す状態になり、コネクタ10が完成する。
【0071】
図11(a)に示すように、作業者は、完成したコネクタ10の端末部分201を外部回路基板30の主面31上に実装された相手方コネクタ20に対向させつつ、コネクタ10を外部回路基板30の主面31上でD1方向にスライドさせる。ガイド部43の下面から外部回路基板30の主面31までの距離がD1方向に進むにつれて徐々に短くなるので、上方シェル130がD1方向にスライドされるにつれて、係合部139がガイド部43によって外部回路基板30の主面31に向けて押圧されるようになる。係合部139が押圧部42の下に位置するとき、上方シェル130は、押圧部42の付勢力でさらに外部回路基板30の主面31に向けて押圧される。また、コネクタ10の端末部分201が外部回路基板30の相手方コネクタ20に嵌合され、
図1(a)、(b)に示すような状態となる。これにより、上方シェル130が外部回路基板30の主面31に押圧されて、コネクタ10の熱を外部回路基板30を介して放出することができる。
【0072】
なお、
図11(c)に示すように、コネクタ10の端末部分201の下面から外部回路基板30の主面31までの距離h4及び相手方コネクタ20の端末部分201を嵌合される部分の下面から外部回路基板30の主面31までの距離h5は、ほぼ等しくなっている。これにより、係合部139が押圧部42に押圧されることにより、下方シェル120の主面121bの一定の範囲が外部回路基板30の主面31に当接することができる。
【0073】
本実施形態のコネクタシステム1によると、当接部材40が上方シェル130の係止部139を外部回路基板30の主面31に向けて押圧し、コネクタ10を外部回路基板30の主面31に当接させ、コネクタ10の信号線300寄りの端部の外部回路基板30からの浮き上がりを抑制することができる。従って、コネクタ10の下方シェル120が外部回路基板30の主面31に当接するので、外部回路基板30を介してコネクタ10の放熱を行うことができ、放熱効果が高い着脱可能なコネクタ及びコネクタシステムを提供することができる。また、下方シェル120は、熱伝導性であるので、コネクタ10で生じた熱を外部回路基板30に効果的に伝導させることができる。
【0074】
また、本実施形態のコネクタ10によると、半導体素子210が伝熱材410を介して上方シェル130の舌部133に熱伝導可能に接続されている。このため、半導体素子210が発する熱が舌部133を介して上方シェル130全体に広がり、放熱を促進させる。従って、上方シェル130がヒートシンクを備える必要性が低くなる。さらに、ヒートシンクを必要としない場合、コネクタ10を小型化できる。
【0075】
また、本実施形態のコネクタ10によると、半導体素子210が伝熱材420を介して回路基板200に熱伝導可能に接続されている。このため、半導体素子210が発する熱が回路基板200を介して下方シェル120に拡散されて放熱を促進させる。従って、筐体100がヒートシンクを備える必要性が低くなる。さらに、ヒートシンクを必要としない場合、コネクタ10を小型化できる。
【0076】
[第2実施形態]
第1実施形態のコネクタシステム1では、コネクタ10の筐体100は、前方シェル110と、下方シェル120と、上方シェル130と、を有していたが、
図12に分解斜視図で、
図13(a)、(b)に斜視図で示す本実施形態のコネクタシステム2では、コネクタ10Aの筐体100Aは、前方シェル110と、上方シェル130Aと、を有する。
【0077】
コネクタ10Aの前方シェル110と回路基板200とは、第1実施形態と同様の構成である。相手方コネクタ20も第1実施形態と同様の構成である。コネクタ10Aは、上方シェル130Aの構成が第1実施形態と異なっており、さらに下方シェルを有さない。また、外部回路基板30には、第1実施形態の下方シェル120の働きを兼ねる当接部材40Aが配置されている。
【0078】
筐体100Aは、例えば金属で構成された導電性の部材である。
図14(a)、(b)に示すように、筐体100Aを構成する上方シェル130Aは、平板状の基部131Aと、基部131Aの端部から立設された立上り部132A(壁部132A1、132A2)と、舌部133と、当接部137と、を有する。上方シェル130Aは、回路基板200の端末部分201以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う。舌部133、当接部137及び舌部133の周囲に形成される空隙134は、第1実施形態と同じである。
【0079】
基部131Aは、中央付近に切り込みを入れられて舌部133が形成された略長方形状の平板状部材である。基部131Aの四隅付近には、挿通部139Aが形成されている。挿通部139Aは、矩形状の開口であり、後述する先端部46Aの平面視での縦及び横の寸法よりも大きな縦及び横の寸法を有する。上方シェル130Aを当接部材40Aに係合させる際に、挿通部139Aには、後述する先端部46Aが挿通される。挿通部139Aの-Y方向に隣接して、係合部131A1が形成されている。
図14(b)に斜線で示す係合部131A1の傾斜部131A11は、
図13(c)に示すように、-Z方向にテーパ状に傾斜するように形成されている。
【0080】
立上り部132Aは、基部131AのX方向の両端の壁部132A1及びY方向の両端の四周から立ち上がる壁部132A2を有する部材である。立上り部132Aは、第1実施形態の立上り部132と異なり、隣り合う壁部132A1と壁部132A2がそれぞれ独立しており、接触していない。
【0081】
図14(a)に示すように、壁部132A1,132A1及び-Y方向の壁部132A2の先端付近には、基部131に水平な方向に、回路基板200を挟持可能な溝部138Aが形成されている。溝部138Aに回路基板200を挟持してコネクタ10Aを当接部材40Aに押圧させると、回路基板200の他方の主面204は、後述する接触部43Aに接触する。また、孔136Aは、基部131Aより立片136A1を-Z方向に形成する際に生じる孔である。立片136A1を、
図12に示される回路基板200に形成された係止孔214に挿入することで上方シェル130Aと回路基板200とのY方向の位置決めがなされる。
【0082】
次に、
図15(a)、(b)に示す当接部材40Aは、第1実施形態の当接部材40同様に上方シェル130Aを外部回路基板30へ向けて押圧する役割を果たすと共に、回路基板200の端末部分201以外の領域である対象領域の少なくとも一部を覆う。当接部材40Aは、例えば金属で構成された導電性の部材である。当接部材40Aは、略矩形状の基部41Aと、基部41Aの四隅に立設された押圧部42Aと、を有する。当接部材40Aは、
図16の拡大断面図に示すように、外部回路基板30上の所定の位置に導電性の固定材(図示せず)で固定される。
【0083】
図15(a)、(b)に示すように、基部41Aは、略長方形状の平板状部材である。基部41Aの主面41aには、回路基板200が配置される。基部41Aの中央やや+Y方向寄りには、回路基板200に接触する接触部43Aが形成される。また、基部41A上には、接触部43Aのすぐ近くに平面視略U字状の半田付孔45Aが形成されている。
【0084】
接触部43Aは、舌片状部分が基部41Aから+Z方向(回路基板200が配置される方向)にわずかに折り曲げられて形成されている(
図16参照)。接触部43Aは、回路基板200の発熱部材である半導体素子210が配置される位置の反対に当接し、これにより半導体素子210の放熱を促進させる。
【0085】
半田付孔45Aは、半導体素子210から外部回路基板30への放熱を促進させるために接触部43Aの近くに設けられた、当接部材40Aと外部回路基板30とを半田付けするための孔である。
【0086】
押圧部42Aは、基部41Aの四隅付近から立設されており、その先端に基部41Aに対向するように折り曲げられた先端部46Aを有する。
図13(c)に示すように、先端部46Aの下面の外部回路基板30からの距離h6は、上方シェル130の基部131の外部回路基板30からの距離h7よりもやや短く、傾斜部131A11の外部回路基板30からの距離h8よりもやや長い。先端部46Aは、上方シェル130の挿通部139Aに挿通された後、上方シェル130Aが+Y方向(前方シェル110方向)にスライドされ、上方シェル130Aの後述する基部131の係合部131A1を係合する(
図13(b)参照)。上方シェル130Aがさらに+Y方向にスライドされるにつれて、押圧部42A(の先端部46A)は、上方シェル130Aを当接部材40Aの主面41a(の接触部43A)に押圧し、当接させる。
【0087】
第2実施形態のコネクタシステム2によると、回路基板200を挟持した上方シェル130Aを当接部材40の上方から下方に向けて移動させた後、+Y方向へスライドさせることにより、当接部材40Aの押圧部42Aが上方シェル130Aの係合部131A1を外部回路基板30の主面31に向けて押圧する。コネクタ10Aにおける上方シェル130Aの溝部138Aによって挟持された回路基板200の他方の主面204を当接部材40の主面41a(の接触部43A)に当接させ、コネクタ10Aの信号線300寄りの端部の外部回路基板30からの浮き上がりを抑制することができる。従って、コネクタ10Aの回路基板200が外部回路基板30の主面31に当接するので、外部回路基板30を介してコネクタ10Aの放熱を効率よく行うことができ、放熱効果が高い着脱可能な小型のコネクタ10A及びコネクタシステム2を提供することができる。また、当接部材40Aは、熱伝導性であるので、コネクタ10Aで生じた熱を外部回路基板30に効果的に伝導させることができる。さらに、コネクタシステム2では、当接部材40Aが第1実施形態の下方シェル120を兼ねているので、下方シェルを別途用意する必要が無く、第1実施形態に比べて部品点数や作業工程を減らすことができる。
【0088】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上記実施の形態によって限定されるものではない。
【0089】
(変形例)
上記の各実施形態では、コネクタ10,10Aは、AOCコネクタである例を説明したが、電気コネクタであってもよい。半導体素子210も、シリコンフォトニクス回路を有さない、一般的な回路であってもよい。信号線も、光ファイバを有していなくてもよい。
【0090】
また、上記第1実施形態では、筐体100は、前方シェル110、下方シェル120,及び上方シェル130を3つの別々の部材として備えていたが、前方シェル110と下方シェル120又は前方シェル110と上方シェル130は一体に形成されていてもよい。これにより、一体に形成されたシェル同士の間に接続部分を設ける必要がないので、コネクタを小型化できる。また、コネクタの製造工程及び部品点数を削減でき、製造工程の短縮やコスト削減ができる。
【0091】
上記第1実施形態では、当接部材40は、平面視で、略コ字状であったが、当接部材は、例えば、正面視で略逆U字状であり、上方シェルの基部を上から押さえるようにしてもよいし、伸縮可能なゴム状のもので上方シェル130の基部131を上から押さえるようにしてもよい。また、当接部材40の基部は平面視コ字状であったが、当接部材は他の形状であったり、2つに分かれていたりしてもよい。また、押圧部42の個数や位置も第1実施形態で示したものに限らない。係合部139は2ヶ所形成されているが、必要に応じて係合部139の数を増減させたり、係合部139の位置を変更してもよい。
【0092】
上記第1実施形態では、当接部材40は、側面視で外部回路基板30に水平な押圧部42と傾斜したガイド部43とを有していたが、押圧部を有さない構成にしてもよい。また、当接部材がガイド部を有さず、上方シェル130を外部回路基板30に向けて押圧しながら相手方コネクタ20へ向けてスライドさせ、係合部139を押圧部に係合させ、押圧させる構成にしてもよい。或いは、当接部材はガイド部を有さず、上方シェル130の上面は側面視で+Y方向に向かうほど+Z方向に向かうようにすることで、コネクタを+Y方向にスライドさせることにより、上方シェルが外部回路基板30に向けて押圧されるようにしてもよい。
【0093】
上記第1実施形態では、当接部材40は押圧部42を有し、上方シェル130は係合部139を有していたが、当接部材は第2実施形態の押圧部42Aと同様の押圧部を有し、上方シェルは第2実施形態の係合部131A1,傾斜部131A11と同様の係合部、傾斜部を有していてもよい。この場合、下方シェルの基部には、第2実施形態の接触部43A同様の接触部が設けられていてもよいし、下方シェル以外は第1実施形態の構成で、下方シェルの基部に接触部が設けられる構成であってもよい。
【0094】
上記第2実施形態では、押圧部42A、挿通部139A、係合部131A1等によりコネクタ10Aを当接部材40Aに押圧させる構成であったが、第1実施形態同様の係合部を上方シェルに設け、第1実施形態同様の押圧部を当接部材に設ける構成としてもよい。
【0095】
上記第2実施形態では、当接部材40Aは傾斜部131A11を有していたが、傾斜部を有さず、例えば、溝部138Aの上下の略C字状の溝が+-Z方向に伸縮することにより、上方シェルが押圧されながらスライドされて係合部を押圧部に係合させ、押圧させる構成としてもよい。
【0096】
上記第2実施形態では、押圧部42A、挿通部139A、係合部131A1等は、+Y方向に2ヶ所、-Y方向に2ヶ所設けられていたが、例えば、+Y方向には設けられていなかったり、-Y方向に設けられていなかったりしてもよいし、他の位置にも設けられていてもよいし、+X端部側と-X端部側とで設けられている数が異なっていてもよい。
【0097】
上記第2実施形態では、溝部138Aに回路基板200を挟持してコネクタ10Aを当接部材40Aに押圧させると、回路基板200の他方の主面204は、接触部43Aに接触したが、回路基板200の主面204は、接触部43A以外の基部41Aに当接するようにしてもよい。
【0098】
上記第2実施形態では、接触部43Aは、基部41Aに1ヶ所設けられていたが、接触部は基部の他の位置にも、1つ又は複数設けられていてもよい。或いは、基部に接触部を設けず、例えば、当接部材の基部に全体的に凹凸を形成して、回路基板200と当接部材の基部とを接触させるようにしてもよい。
【0099】
上記第2実施形態では、溝部138Aは、壁部132A1,132A2の-Z方向の端部付近に略C字状に形成されていたが、例えば、壁部の下端を基部131Aに向けて折り曲げ、壁部132A2の下端を回路基板200の一方の主面205に当接させ、壁部132A1の上端を回路基板200の他方の主面204に当接させることで溝部の代わりに回路基板200を挟持させる構造としてもよい。
【0100】
上記各実施形態では、挿通口135が、上方シェル130,130Aに設けられている例を説明したが、挿通部が下方シェル又は当接部材に設けられ、上方シェルに回路基板が固定材を介して固定されていてもよい。
【0101】
上記第1実施形態では、下方シェル120と上方シェル130とが嵌合されていたが、下方シェルと上方シェルとは互いの端部を突きつけにして、半田付けして固定されていてもよい。
【0102】
上記の第1実施形態、第2実施形態では、上方シェル130、130Aに舌部133が形成されていたが、上方シェル130、130Aと回路基板200の半導体素子210との間に放熱板(伝熱板)が配置され、舌部が形成されていなくても良い。この場合、放熱板(伝熱板)は、半導体素子210から発生した熱を上方シェル130に伝え、同様に放熱効果を高めることができる。或いは、舌部と放熱板との両方が設けられていてもよい。
【0103】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【0104】
なお、本願については、2020年5月1日に出願された日本国特許出願2020-081320号を基礎とする優先権を主張し、本明細書中に日本国特許出願2020-081320号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
【符号の説明】
【0105】
1,2:コネクタシステム、10,10A:コネクタ、20:相手方コネクタ、21:壁面、30:外部回路基板、31:主面、32:銅箔、40,40A:当接部材、41,41A:基部、41a:主面、42,42A:押圧部、43:ガイド部、43A:接触部、44,45,46,47:固定部、45A:半田付孔、46A:先端部、100,100A:筐体、110:第1のシェル(前方シェル)、120:第3のシェル(下方シェル)、130,130A:第2のシェル(上方シェル)、111:本体部、111a:挿通部、111b:対向部、111c:カバー部、111d:接続部、112:被係合部、113:係合爪、114:押止部、115:ロックバー、116a:半田付部、116b:当接部、117:一端部(前方端部)、118:他端部(後方端部)、119:凹部、121:基部、121a,121b:主面、122:立上り部、123:係合部、124:係合孔、125:突出部、126:半田付部、127:拘束爪、128:挿通爪、131,131A:基部、131A1:係合部、131A11:傾斜部、132,132A:立上り部、132A1,132A2:壁部、133:舌部、134:空隙、135:挿通口、136:係合部、136A:孔、136A1:立片、137:当接部、138:凹部、138A:溝部、139:係合部、139A:挿通部、200:回路基板、201:端末部分、202:凸部、203:接続端子、204:他方の主面、205:一方の主面、206:挿通孔、210:半導体素子、211:主面、212:発光素子、213:受光素子、214:係止孔、300:信号線、301:光ファイバ、302:接続部、303:反射鏡、400:固定材、410:伝熱材、420:伝熱材、D1,D2:方向、h1~h8:距離。