(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】走行車及び走行車システム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20231205BHJP
【FI】
G05D1/02 K
(21)【出願番号】P 2023503632
(86)(22)【出願日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 JP2022002699
(87)【国際公開番号】W WO2022185787
(87)【国際公開日】2022-09-09
【審査請求日】2023-08-22
(31)【優先権主張番号】P 2021034599
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【氏名又は名称】安田 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】清水 裕司
(72)【発明者】
【氏名】山上 盛司
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/053798(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/175993(WO,A1)
【文献】特開2004-185630(JP,A)
【文献】特開2005-262378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00 - 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた走行経路に沿って走行する走行車であって、
小マーカと前記小マーカよりも面積が大きい大マーカとが設けられている本体部と、
撮像範囲が自己の前記走行車の前方及び後方の少なくとも一方となるように、前記本体部に設けられている少なくとも一つの撮像部と、
前記撮像部によって取得された撮像画像に基づいて、前記小マーカ及び前記大マーカを区別して認識するパターン認識部と、
前記パターン認識部によって、前記小マーカ又は前記大マーカが認識されたとき、自己の前記走行車の前方及び後方の少なくとも一方に他の前記走行車が存在すると判別する状態判別部と、を備え、
前記大マーカは、自己の前記走行車から所定距離未満に位置する他の前記走行車に備わる前記撮像部の撮像範囲に全体が収まらないサイズに構成され、
前記小マーカは、自己の前記走行車からの距離が前記所定距離未満であっても他の前記走行車に備わる前記撮像部の撮像範囲に全体が収まるサイズに構成されると共に、前記大マーカが構成されている領域の内部に配置されており、
前記大マーカは、第一領域と、前記第一領域よりも反射率の低い第二領域と、前記小マーカが配置される領域と、を含んで表示パターンが構成され、
前記小マーカは、第一領域よりも反射率が低い第三領域と、第三領域よりも反射率が低くかつ第二領域よりも反射率が低い第四領域と、を含んで表示パターンが構成されている、走行車。
【請求項2】
前記小マーカは、枠状に形成される第五領域の内側に前記第三領域及び前記第四領域が配置されており、
前記第五領域は、前記大マーカの前記第一領域よりも反射率が低く、前記小マーカの前記第四領域の反射率よりも高い領域である、請求項1記載の走行車。
【請求項3】
前記パターン認識部は、前記小マーカの前記第三領域に対応する領域が白、前記第四領域に対応する領域が黒となるように二値化することで得られる第一配色パターンを認識することで前記小マーカを認識し、前記大マーカの前記第一領域に対応する領域が白、前記第二領域及び前記小マーカの領域に対応する領域が黒となるように二値化することで得られる第二配色パターンを認識することで前記大マーカを認識する、請求項1又は2記載の走行車。
【請求項4】
前記大マーカと前記小マーカとは互いに表示パターンが異なっており、
前記状態判別部は、前記パターン認識部によって前記小マーカが認識されたとき、前記大マーカが認識されたときと比べて、自己の前記走行車から他の前記走行車までの距離が近いと判別する、請求項1~3の何れか一項記載の走行車。
【請求項5】
前記本体部には、自己の前記走行車から前記所定距離未満に位置する他の前記走行車に備わる前記撮像部の撮像範囲に全体が収まらないように配置され、自己の前記走行車の状態に合わせて表示態様を切り替える第一表示部と、自己の前記走行車からの距離が前記所定距離未満であっても他の前記走行車に備わる前記撮像部の撮像範囲に全体が収まるように配置され、自己の前記走行車の状態に合わせて表示態様を切り替える第二表示部と、が更に設けられており、
前記走行車は、
前記本体部を前記走行経路に沿って走行させる走行部と、
前記撮像部によって撮像された前記第一表示部及び前記第二表示部の少なくとも一方の前記表示態様に基づいて他の前記走行車の状態を取得すると共に、取得した前記状態に基づいて自己の前記走行部を制御する走行制御部と、を更に備える、請求項1~4の何れか一項記載の走行車。
【請求項6】
前記第一表示部及び前記第二表示部は、自己の前記走行車の走行状態に合わせて前記表示態様を切り替え、
前記走行状態には、加速状態及び減速状態が含まれる、請求項5記載の走行車。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項記載の複数の走行車と、
複数の前記走行車が予め定められた方向に走行する軌道と、
前記走行車に搬送指令を割り付ける走行車コントローラと、を備える、走行車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、走行車及び走行車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の走行車が、予め定められた経路を走行する走行車システムが知られている。例えば、特許文献1には、各走行車がセンサによって他の走行車を監視し、他の走行車までの距離と残走行距離とを比較して、残走行距離が他の走行車までの距離よりも短い場合には、低速で走行を続行させる走行車システムが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、物体に設けられるマーカと当該マーカを撮像可能な撮像部とを備え、撮像部によってマーカが撮像されることで、何らかの制御が実行される電子システムが開示されている。また、特許文献2には、面積の大きなマーカ(大マーカ)と面積の小さなマーカ(小マーカ)とを並べて配置することで、撮像部とマーカとの距離が遠い場合であっても近い場合であっても、撮像部の撮像範囲にマーカが収まるような構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-202940号公報
【文献】特開2019-91224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、走行車にマーカを貼付するスペースは限られているので、大マーカ及び小マーカを並べて貼付することは難しい。また、例えば、上記特許文献2に開示されるような技術を走行車の制御に用いる場合には、撮像部が少なくとも一方のマーカを確実に認識する必要がある。
【0006】
そこで、本発明の一側面の目的は、二台の走行車の車間距離にかかわらず、一方の走行車が他方の走行車をより確実に認識することができる走行車及び走行車システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る走行車は、予め定められた走行経路に沿って走行する走行車であって、小マーカと小マーカよりも面積が大きい大マーカとが設けられている本体部と、撮像範囲が自己の走行車の前方及び後方の少なくとも一方となるように、本体部に設けられている少なくとも一つの撮像部と、撮像部によって取得された撮像画像に基づいて、小マーカ及び大マーカを区別して認識するパターン認識部と、パターン認識部によって、小マーカ又は大マーカが認識されたとき、自己の走行車の前方及び後方の少なくとも一方に他の走行車が存在すると判別する状態判別部と、を備え、大マーカは、自己の走行車から所定距離未満に位置する他の走行車に備わる撮像部の撮像範囲に全体が収まらないサイズに構成され、小マーカは、自己の走行車からの距離が所定距離未満であっても他の走行車に備わる撮像部の撮像範囲に全体が収まるサイズに構成されると共に、大マーカが構成されている領域の内部に配置されており、大マーカは、第一領域と、第一領域よりも反射率の低い第二領域と、小マーカが配置される領域と、を含んで表示パターンが構成され、小マーカは、第一領域よりも反射率が低い第三領域と、第三領域よりも反射率が低くかつ第二領域よりも反射率が低い第四領域と、を含んで表示パターンが構成されている。
【0008】
この構成の走行車では、二台の走行車の車間距離が比較的に近い場合であっても、撮像部によって小マーカが撮像されるので、パターン認識部は小マーカを認識することができる。また、この構成の走行車では、二台の走行車の車間距離が比較的に遠い場合には、撮像部によって小マーカと大マーカとが撮像されるが、小マーカの第三領域が大マーカの第一領域よりも反射率が低く、小マーカの第四領域が大マーカの第二領域よりも反射率が低い表示パターンとされているので、パターン認識部は、小マーカ全体を大マーカの第二領域として認識し易くなる。これにより、パターン認識部は、小マーカと大マーカとが撮像された撮像画像から大マーカをより確実に認識できるようになる。この結果、二台の走行車の車間距離にかかわらず、一方の走行車が他方の走行車をより確実に認識することができる。なお、ここでいう反射率とは、可視光又は赤外光を照射したときの反射率を意味する。
【0009】
本発明の一側面に係る走行車では、小マーカは、枠状に形成される第五領域の内側に第三領域及び第四領域が配置されており、第五領域は、大マーカの第一領域よりも反射率が低く、小マーカの第四領域の反射率よりも高い領域であってもよい。この構成では、パターン認識部が、小マーカと大マーカとが撮像された撮像画像からより確実に大マーカを認識することができる。
【0010】
本発明の一側面に係る走行車では、パターン認識部は、小マーカの第三領域に対応する領域が白、第四領域に対応する領域が黒となるように二値化することで得られる第一配色パターンを認識することで小マーカを認識し、大マーカの第一領域に対応する領域が白、第二領域及び小マーカの領域に対応する領域が黒となるように二値化することで得られる第二配色パターンを認識することで大マーカを認識してもよい。この構成では、簡易な処理方法で、撮像画像から小マーカ及び大マーカを認識することができる。
【0011】
本発明の一側面に係る走行車では、大マーカと小マーカとは互いに表示パターンが異なっており、状態判別部は、パターン認識部によって小マーカが認識されたとき、大マーカが認識されたときと比べて、自己の走行車から他の走行車までの距離が近いと判別してもよい。この構成では、前方又は後方に位置する走行車までの距離を検出することができる。
【0012】
本発明の一側面に係る走行車では、本体部には、自己の走行車から所定距離未満に位置する他の走行車に備わる撮像部の撮像範囲に全体が収まらないように配置され、自己の走行車の状態に合わせて表示態様を切り替える第一表示部と、自己の走行車からの距離が所定距離未満であっても他の走行車に備わる撮像部の撮像範囲に全体が収まるように配置され、自己の走行車の状態に合わせて表示態様を切り替える第二表示部と、が更に設けられており、走行車は、本体部を走行経路に沿って走行させる走行部と、撮像部によって撮像された第一表示部及び第二表示部の少なくとも一方の表示態様に基づいて他の走行車の状態を取得すると共に、取得した状態に基づいて自己の走行部を制御する走行制御部と、を更に備えてもよい。
【0013】
この構成の走行車では、走行車の状態ごとに異なる表示態様が第一表示部及び第二表示部に表示されるので、撮像部によって第一表示部又は第二表示部の表示態様を取得した一方の走行車は、他方の走行車の状態を即座に判断することができる。これにより、一方の走行車は、他方の走行車の状態に応じた動作を迅速に実行することができる。また、この構成の走行車では、第一表示部及び第二表示部が備えられているので、二台の走行車の車間距離が比較的に近い場合であっても遠い場合であっても、撮像部によって第一表示部及び第二表示部の少なくとも一方が撮像される。これにより、二台の走行車の車間距離にかかわらず、一方の走行車は他方の走行車の情報をより確実に取得することができる。
【0014】
本発明の一側面に係る走行車では、第一表示部及び第二表示部は、自己の走行車の走行状態に合わせて表示態様を切り替え、走行状態には、加速状態及び減速状態が含まれてもよい。この構成では、少なくとも、自己が加速状態であるのか減速状態であるのかを他方の走行車に把握させることができる。
【0015】
本発明の一側面に係る走行車システムでは、上述した複数の走行車と、複数の走行車が予め定められた方向に走行する軌道と、走行車に搬送指令を割り付ける走行車コントローラと、を備えてもよい。この走行車システムでは、二台の走行車の車間距離にかかわらず、一方の走行車が他方の走行車をより確実に認識することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一側面によれば、二台の走行車の車間距離にかかわらず、一方の走行車が他方の走行車をより確実に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係る走行車システムを示す概略構成図である。
【
図2】
図2は、第一実施形態に係る走行車を側方から見た側面図である。
【
図3】
図3は、
図1の走行車の本体部を走行方向後方から見た後面図である。
【
図4】
図4は、本体部に設けられる大マーカ及び小マーカの配色パターンの一例を示した図である。
【
図5】
図5(A)は、小マーカの配色パターンの一例であり、
図5(B)は、大マーカの配色パターンの一例である。
【
図6】
図6は、
図1の走行車の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、第二実施形態に係る走行車の本体部を走行方向後方から見た後面図である。
【
図8】
図8は、第二実施形態に係る走行車の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の一側面の好適な一実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
(第一実施形態)
主に、
図1~
図6を用いて第一実施形態の走行車システム1について説明する。走行車システム1は、軌道(予め定められた走行経路)4に沿って移動可能な天井走行車6を用いて、物品10を載置部9,9間で搬送するためのシステムである。物品10には、例えば、複数の半導体ウェハを格納するFOUP(Front Opening Unified Pod)及びガラス基板を格納するレチクルポッド等のような容器、並びに一般部品等が含まれる。ここでは、例えば、天井走行車6(以下、単に「走行車6」と称する。)が、工場の天井等に敷設された一方通行の軌道4に沿って走行する走行車システム1を例に挙げて説明する。
図1に示されるように、走行車システム1は、軌道4、複数の載置部9、及び複数の走行車6を備える。
【0020】
図2に示されるように、軌道4は、例えば、作業者の頭上スペースである天井付近に敷設されている。軌道4は、例えば天井から吊り下げられている。
【0021】
図1及び
図2に示されるように、載置部9は、軌道4に沿って配置され、走行車6との間で物品10の受け渡し可能な位置に設けられている。載置部9には、バッファ及び受渡ポートが含まれる。バッファは、物品10が一時的に載置される載置部である。バッファは、例えば、目的とする受渡ポートに他の物品10が載置されている等の理由により、走行車6が搬送している物品10をその受渡ポートに移載できない場合に、物品10が仮置きされる載置部である。受渡ポートは、例えば洗浄装置、成膜装置、リソグラフィ装置、エッチング装置、熱処理装置、平坦化装置をはじめとする半導体の処理装置(図示せず)に対して物品10の受渡を行うための載置部である。なお、処理装置は、特に限定されず、種々の装置であってもよい。
【0022】
例えば、載置部9は、軌道4の側方に配置されている。この場合、走行車6は、横送り部24で昇降駆動部28等を横送りし、昇降部30を昇降させることにより、載置部9との間で物品10を受け渡しする。なお、図示はしないが載置部9は、軌道4の直下に配置されてもよい。この場合、走行車6は、昇降部30を昇降させることにより、載置部9との間で物品10を受け渡しする。
【0023】
図2に示されるように、走行車6は、軌道4に沿って走行し、物品10を搬送する。走行車6は、物品10を移載可能に構成されている。走行車6は、天井走行式無人搬送車である。走行車システム1が備える走行車6の台数は、特に限定されず、複数である。
図2及び
図3に示されるように、走行車6は、走行部18と、本体部7と、撮像部8と、マーカ(marker)70と、制御部50と、を有する。
【0024】
走行部18は、モータ等を含んで構成され、走行車6を軌道4に沿って走行させる。本体部7は、本体フレーム22と、横送り部24と、θドライブ26と、昇降駆動部28と、昇降部30と、本体カバー33と、を有する。
【0025】
本体フレーム22は、横送り部24、θドライブ26、昇降駆動部28及び昇降部30を支持する。横送り部24は、θドライブ26、昇降駆動部28及び昇降部30を一括して、軌道4の走行方向と直角な方向に横送りする。θドライブ26は、昇降駆動部28及び昇降部30の少なくとも何れかを水平面内で所定の角度範囲内で回動させる。昇降駆動部28は、昇降部30をワイヤ、ロープ及びベルト等の吊持材の巻取りないし繰出しによって昇降させる。昇降部30には、チャックが設けられており、物品10の把持又は解放が自在とされている。
【0026】
本体カバー33は、走行車6の前後にそれぞれに設けられている。本体カバー33は、図示しない爪等を出没させて、搬送中に物品10が落下することを防止する。本体カバー33は、走行車6の走行方向の前側に設けられる前面カバー34及び後側に設けられる後面カバー35を有している。前面カバー34は、上方から見たとき平面視において、略等脚台形状に形成されており、外側(前方)を向く前面34aと、昇降部30が設けられた内側(後方)を向く後面34bと、前面34aと後面34bとを繋ぐ脚面34c,34cとを有している。後面カバー35は、上方から見たとき平面視において、略等脚台形状に形成されており、外側(後方)を向く後面35aと、昇降部30が設けられた内側(前方)を向く前面35bと、後面35aと前面35bとを繋ぐ脚面35c,35cとを有している。
【0027】
撮像部8は、撮像範囲が自己の走行車6の前方となるように本体部7の前面カバー34の前面34aに設けられている。撮像部8は、レンズ及び当該レンズから入ってきた光を電気信号に変換する撮像素子等を含む装置である。撮像部8によって取得された撮像画像は、後段にて詳述される制御部50によって取得される。
【0028】
図3に示されるように、マーカ70は、自己の走行車6の後方に位置する別の走行車6(以後、「後方走行車6」とも称する。)から視認可能となるように後面カバー35の後面35aに設けられている。マーカ70は、
図4に示されるように、小マーカ71と、大マーカ73とを有している。大マーカ73は、小マーカ71よりも面積が大きく、第一領域73Aと、第一領域73Aよりも反射率の低い第二領域73Bと、小マーカ71が配置される領域73Cと、を含んで表示パターンVP2が構成されている。
【0029】
小マーカ71は、大マーカ73が構成されている領域の内部の領域73Cに配置されている。小マーカ71を構成する領域の中心(重心)位置と、大マーカ73を構成する領域の中心(重心)位置とは、一致していてもよい。表示パターンVP1は、第一領域73Aよりも反射率が低い第三領域71Aと、第三領域71Aよりも反射率が低くかつ第二領域73Bよりも反射率が低い第四領域71Bと、第三領域71A及び第四領域71Bを内包すると共に、大マーカ73の第一領域73Aよりも反射率が低く、第四領域71Bの反射率よりも高い第五領域71Cと、を含んで構成されている。
【0030】
本実施形態における反射率は、可視光を照射したときの反射率であり、各領域の反射率の関係は、「第一領域73A>第三領域71A・第五領域71C>第二領域73B>第四領域71B」となっている。本実施形態では、小マーカ71の第三領域71A及び第五領域71Cが薄い灰色、第四領域71Bが黒色で形成されており、大マーカ73の第一領域73Aが白色、第二領域73Bが濃い灰色で形成されている。すなわち、各領域の明度の関係が「第一領域73A>第三領域71A・第五領域71C>第二領域73B>第四領域71B」となるように構成されることによって、上記の反射率の関係となっている。
【0031】
なお、ここでは、可視光に対する反射率を決定する要素として明度を例に挙げて説明したが、色の濃度、彩度等であってもよい。また、小マーカ71及び大マーカ73の赤外光に対する反射率であってもよい。この場合も、小マーカ71及び大マーカ73における各領域の反射率は、上述した関係となっている。
【0032】
大マーカ73は、自己の走行車6から所定距離(例えば、0.5m)未満に位置する後方の走行車(他の走行車)6に備わる撮像部8の撮像範囲に全体が収まらないサイズに形成されている。小マーカ71は、自己の走行車6からの距離が所定距離(例えば、0.5m)未満であっても後方の走行車6に備わる撮像部8の撮像範囲に全体が収まるサイズに形成されている。
【0033】
なお、ここでいう、「撮像範囲に小マーカ71の全体が収まる」には、後段にて詳述するパターン認識部51によって抽出(認識)されるサイズに撮像される場合だけでなく、パターン認識部51によって抽出(認識)されないようなサイズに撮像される場合も含まれる。すなわち、撮像範囲に小マーカ71が設置されていた位置が含まれていればよい。また、撮像部8における焦点の一致の有無も、問わないものとする。更に、ここでいう「距離が上記所定距離未満であっても」には、前後の走行車6,6同士が互いに接近可能な距離が下限値となり得る場合がある。
【0034】
小マーカ71及び大マーカ73は、後面カバー35に直接描かれていてもよいし、小マーカ71及び大マーカ73が描かれたプレート等が後面カバー35に固定されてもよい。また、後面カバー35に設けられる液晶ディスプレイ等の表示部に小マーカ71及び大マーカ73の画像が表示されてもよい。
【0035】
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等からなる電子制御ユニットである。制御部50は、走行車6における各種動作を制御する。具体的には、
図6に示されるように、制御部50は、走行部18と、横送り部24と、θドライブ26と、昇降駆動部28と、昇降部30と、撮像部8と、を制御する。制御部50は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPUで実行されるソフトウェアとして構成することができる。制御部50は、電子回路等によるハードウェアとして構成されてもよい。制御部50では、CPU、RAM及びROM等のハードウェアと、プログラム等のソフトウェアとが協働することによって、下記に示すパターン認識部51と、状態判別部53と、走行制御部55と、が形成される。制御部50は、軌道4の通信線(フィーダー線)等を利用して、コントローラ60と通信を行う。
【0036】
パターン認識部51は、撮像部8によって取得された撮像画像からマーカ70の認識(抽出)を試みる。パターン認識部51は、小マーカ71の全体が撮像部8の撮像範囲に含まれ、大マーカ73の全体が撮像範囲に含まれない第一画像に基づいて小マーカ71を認識すると共に、小マーカ71及び大マーカ73の全体が撮像範囲に含まれる第二画像に基づいて大マーカ73を認識する。より詳細には、パターン認識部51は、第一画像において小マーカ71の第三領域71Aに対応する領域が白、第四領域71Bに対応する領域が黒となるように二値化することで得られる、
図5(A)に示される第一配色パターンP1を認識することで小マーカ71を認識する。また、パターン認識部51は、第二画像において大マーカ73の第一領域73Aに対応する領域が白、第二領域73B及び小マーカ71の領域に対応する領域が黒となるように二値化することで得られる、
図5(B)に示される第二配色パターンP2を認識することで大マーカ73を認識する。
【0037】
状態判別部53は、パターン認識部51による小マーカ71又は大マーカ73の認識に基づいて、自己の走行車6の前方に位置する他の走行車6(以下、「前方走行車6」と称する。)の存在の有無を判別する。状態判別部53は、小マーカ71の全体及び大マーカ73の全体の少なくとも一方が撮像画像の中から抽出されたとき、前方走行車6が存在すると判定する。本実施形態の状態判別部53は、パターン認識部51によって小マーカ71が認識されたとき、大マーカ73が認識されたときと比べて、自己の走行車6から前方走行車6までの距離が近いと判別する。より詳細には、状態判別部53は、パターン認識部51によって小マーカ71が認識されたとき、自己の走行車6から前方走行車6までの距離が0.5m未満であると判別し、大マーカ73が認識されたとき、自己の走行車6から前方走行車6までの距離が0.5m以上であると判別する。
【0038】
走行制御部55は、例えば、パターン認識部51によって大マーカ73が認識されたとき、通常の移動速度よりも遅い速度にて走行するように走行部18を制御する。また、走行制御部55は、パターン認識部51によって小マーカ71が認識されたとき、完全に停止するように走行部18を制御する。この制御は一例であり、パターン認識部51によって小マーカ71又は大マーカ73が区別して認識されたときの制御は上記制御に限定されるものではない。
【0039】
コントローラ60は、CPU、ROM及びRAM等からなる電子制御ユニットである。コントローラ60は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPUで実行されるソフトウェアとして構成することができる。コントローラ60は、電子回路等によるハードウェアとして構成されてもよい。コントローラ60は、走行車6に物品10を搬送させる搬送指令を送信する。
【0040】
次に、上記第一実施形態の走行車システム1の作用効果について説明する。上記第一実施形態の走行車システム1では、二台の走行車6,6の車間距離が比較的に近い場合であっても、撮像部8によって小マーカ71が撮像されるので、パターン認識部51は小マーカ71を認識することができる。また、上記第一実施形態の走行車システム1では、二台の走行車6,6の車間距離が比較的に遠い場合には、撮像部8によって小マーカ71と大マーカ73とが撮像されるが、小マーカ71の第三領域71Aが大マーカ73の第一領域73Aよりも反射率が低く、小マーカ71の第四領域71Bが大マーカ73の第二領域73Bよりも反射率が低い表示パターンVP2とされているので、パターン認識部51は、小マーカ71全体を大マーカ73の第二領域73Bとして認識し易くなる。これにより、パターン認識部51は、小マーカ71と大マーカ73とが撮像された撮像画像から大マーカ73をより確実に認識できるようになる。言い換えれば、パターン認識部51は、小マーカ71と大マーカ73との両方が撮像された撮像画像については、小マーカ71を単独のマーカとして認識し難くなる代わりに小マーカ71の要素を大マーカ73の一部の要素として認識するようになるので、大マーカ73を認識し易くなる。この結果、二台の走行車6,6の車間距離にかかわらず、走行車6が前方走行車6をより確実に認識することができる。
【0041】
上記第一実施形態の走行車システム1では、小マーカ71は、枠状に形成される第五領域71Cの内側に第三領域71A及び第四領域71Bが配置されており、第五領域71Cは、大マーカ73の第一領域73Aよりも反射率が低く、小マーカ71の第四領域71Bの反射率よりも高い。これにより、パターン認識部51は、小マーカ71と大マーカ73とが撮像された撮像画像からより確実に大マーカ73を認識することができる。
【0042】
上記第一実施形態の走行車システム1では、パターン認識部51は、小マーカ71の第三領域71Aに対応する領域が白、第四領域71Bに対応する領域が黒となるように二値化することで得られる、第一配色パターンP1(
図5(A)参照)を認識することで小マーカ71を認識する。また、パターン認識部51は、大マーカ73の第一領域73Aに対応する領域が白、第二領域73B及び小マーカ71の領域に対応する領域が黒となるように二値化することで得られる、第二配色パターンP2(
図5(B)参照)を認識することで大マーカ73を認識する。これにより、パターン認識部51は、簡易な処理方法で、撮像画像から小マーカ71及び大マーカ73を認識することができる。
【0043】
上記第一実施形態の走行車システム1では、大マーカ73の表示パターンVP2と小マーカ71の表示パターンVP1とは互いに配色が異なっており、状態判別部53は、パターン認識部51によって小マーカ71が認識されたとき、大マーカ73が認識されたときと比べて、自己の走行車6から前方走行車6までの距離が近いと判別している。これにより、センサ等を配備しなくても、前方又は後方に位置する走行車6までの距離を検出することができる。
【0044】
(第二実施形態)
主に、
図7及び
図8を用いて第二実施形態の走行車システム101について説明する。第二実施形態の走行車システム101は、第一実施形態の走行車システム1の構成に加え、第一LEDアレイ(第一表示部)81、第二LEDアレイ(第二表示部)83及びLEDアレイ制御部57が設けられている。ここでは、第一LEDアレイ81、第二LEDアレイ83及びLEDアレイ制御部57について詳細に説明する。
【0045】
第一LEDアレイ81及び第二LEDアレイ83は、
図6に示されるように、走行車106の後面カバー35に配置されている。第一LEDアレイ81は、自己の走行車106からの距離が所定距離(例えば、0.5m)未満であっても前方走行車106に備わる撮像部8の撮像範囲に全体が収まるように配置されている。第二LEDアレイ83は、自己の走行車106から所定距離(例えば、0.5m)未満に位置する前方走行車106に備わる撮像部8の撮像範囲に全体が収まらないように配置されている。なお、第一LEDアレイ81及び第二LEDアレイ83は、走行車106の前面カバー34にも配置されてもよい。
【0046】
第一LEDアレイ81は、複数(6つ)のLED81A,81Bが配列されたLEDユニットである。第二LEDアレイ83は、複数(6つ)のLED83A,83Bが配列されたLEDユニットである。第一LEDアレイ81及び第二LEDアレイ83は、自己の走行車106(第一LEDアレイ81及び第二LEDアレイ83が設けられた走行車106)の状態に合わせて表示態様を切り替える。
【0047】
具体的には、第一LEDアレイ81は、五つのLED81Aにおいて点灯するLED81Aと点灯しないLED81Aとの組み合わせ(以後、単に「点灯の組み合わせ」と称する。)によって表示態様を変化させる。残りの一つのLED81Bは、パリティとして用いられる。すなわち、LED81Bは、五つのLED81Aの点灯の組み合わせが、制御部50によって意図された表示態様であるか否かを判定するために用いられる。第一LEDアレイ81における表示態様の切り替えは、制御部50によって行われる。第二LEDアレイ83についても、第一LEDアレイ81と同様に、五つのLED83Aにおいて点灯するLED83Aと点灯しないLED83Aとの組み合わせによって表示態様を変化させる。残りの一つのLED83Bが、パリティとして用いられる点も、第一LEDアレイ81と同じである。
【0048】
制御部50では、上述したようにパターン認識部51、状態判別部53及び走行制御部55が形成されるのに加えて、LEDアレイ制御部57が形成される。LEDアレイ制御部57は、自己の走行状態に合わせて第一LEDアレイ81及び第二LEDアレイ83の表示態様を切り替える。具体的には、LEDアレイ制御部57は、例えば、コントローラ60から指令を受け取って自己の走行状態が加速状態又は減速状態になることを取得すると、取得された走行状態に対応する表示態様となるように第一LEDアレイ81におけるLED81Aの点灯及び第二LEDアレイ83におけるLED83Aの点灯を制御する。すなわち、LEDアレイ制御部57は、走行車106に設けられている第一LEDアレイ81及び第二LEDアレイ83の表示態様を切り替えることによって、自己の走行車106の後方に位置する走行車106に自己の走行状態を伝達する。
【0049】
例えば、前方走行車106が減速した場合の後方走行車106の動作を説明する。前方走行車106は、例えば、障害物センサ等によって前方の障害物を検知すると、前方の障害物までの距離が所定距離となった場合に減速し、前方の障害物までの距離が先の所定距離よりも短い第二の所定距離となった場合に停止する。前方走行車106は、前方の障害物までの距離が所定距離となった場合に減速すると同時に、自己の状態が減速状態にあることを第一LEDアレイ81及び第二LEDアレイ83に表示する。
【0050】
後方走行車106の走行制御部55は、撮像部8によって撮像された第一LEDアレイ81及び第二LEDアレイ83の点灯の組み合わせに基づいて前方走行車106の状態を判定する。これと同時に、後方走行車106のパターン認識部51は、撮像部8によって撮像された画像に基づいて小マーカ71及び大マーカ73の認識を試みる。ここで、パターン認識部51によって小マーカ71の認識がなされた場合、後方走行車106の前方0.5m未満に前方走行車106がいると判定し、走行制御部55は走行部18を停止させる。パターン認識部51によって大マーカ73の認識がなされた場合、後方走行車106の前方0.5m以上の位置に前方走行車106がいると判定し、走行制御部55は走行部18を減速させる。
【0051】
例えば、前方走行車106が加速した場合の後方走行車106の動作を説明する。前方走行車106は、例えば、コントローラ60から搬送指令を受信等して、前方に加速する場合、自己の状態が加速状態にあることを第一LEDアレイ81及び第二LEDアレイ83に表示する。後方走行車106の走行制御部55は、撮像部8によって撮像された第一LEDアレイ81及び第二LEDアレイ83の点灯の組み合わせに基づいて前方走行車106の状態を判定する。これと同時に、後方走行車106のパターン認識部51は、撮像部8によって撮像された画像に基づいて小マーカ71及び大マーカ73の認識を試みる。ここで、パターン認識部51によって大マーカ73の認識がなされた場合、後方走行車106の前方0.5m以上の位置に前方走行車106がいると判定し、走行制御部55は走行部18を加速させる。これにより、後方走行車106は、前方走行車106をスムーズに追随できる。一方、パターン認識部51によって小マーカ71の認識がなされた場合、後方走行車106の前方0.5m未満に前方走行車106がいると判定し、すぐに追随することは避けて現在の走行状態を維持する。これにより、後方走行車106は、前方走行車106に衝突する可能性を小さくすることができる。
【0052】
次に、上記第二実施形態の走行車システム101の作用効果について説明する。上記第二実施形態の走行車システム101では、走行車106の状態ごとに異なる表示態様が第一LEDアレイ81及び第二LEDアレイ83に表示されるので、撮像部8によって第一LEDアレイ81及び第二LEDアレイ83の表示態様を取得した後方走行車106は、前方走行車106の状態を即座に判断することができる。これにより、後方走行車106は、前方走行車106の状態に応じた動作を迅速に実行することができる。また、上記第二実施形態の走行車システム101では、小マーカ71に対応して第一LEDアレイ81が配置され、大マーカ73に対応して第二LEDアレイ83が備えられているので、二台の走行車106,106の車間距離が比較的に近い場合であっても遠い場合であっても、撮像部8によって第一LEDアレイ81及び第二LEDアレイ83の少なくとも一方が撮像される。これにより、二台の走行車106,106の車間距離にかかわらず、後方走行車106は前方走行車106の情報をより確実に取得することができる。
【0053】
上記第二実施形態の走行車システム101では、第一LEDアレイ81及び第二LEDアレイ83は、自己の走行車106の走行状態に合わせて表示態様を切り替え、走行状態には、加速状態及び減速状態が含まれている。これにより、少なくとも、前方走行車106が加速状態であるのか減速状態であるのかを後方走行車106に把握させることができる。
【0054】
以上、一実施形態について説明したが、本発明の一側面は、上記実施形態に限られない。発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0055】
上記第一実施形態の走行車6及び走行車システム1では、レンズ及び当該レンズから入ってきた光を電気信号に変換する撮像素子等を含む撮像部8であって、対象物との距離を計測する機能を有さない撮像部8を備える例を挙げて説明したが、これに限定されない。撮像部8は、ステレオカメラ、TOFカメラ等の、距離計測機能を有する装置を適用してもよい。
【0056】
上記実施形態及び変形例3の走行車6(106)及び走行車システム1では、小マーカ71及び大マーカ73が、複数色の図形からなる表示パターン(例えばARマーカ)として形成される例を挙げて説明したが、例えば、二次元コードであってもよい。二次元コードの例にはQRコード(登録商標)等が含まれる。また、上記実施形態及び変形例では、小マーカ71の表示パターンと大マーカ73の表示パターンとが互いに異なっている例を挙げて説明したが、互いに表示パターンが同じであってもよい。
【0057】
上記実施形態及び変形例では、走行車6(106)を制御する制御部50が個々の走行車6(106)の本体部7に設けられている例を挙げて説明したが、本体部7から分離され、有線又は無線によって通信可能な位置に配置されてもよい(例えば、コントローラ60)。このような場合、制御部50は、複数の走行車6(106)ごとに設けられるのではなく、複数の走行車6を一括して制御できるように構成されてもよい。
【0058】
上記実施形態及び変形例の走行車6(106)及び走行車システム1では、走行車の一例として天井走行車を挙げて説明したが、走行車のその他の例には、地上又は架台に配設された軌道を走行する無人走行車及びスタッカークレーン等が含まれる。
【0059】
上記実施形態及び変形例の走行車6(106)及び走行車システム1では、小マーカ71及び大マーカ73が後面カバー35の後面35aに設けられている例を挙げて説明したが、他の走行車6(106)から視認できる位置であれば設置位置は限定されない。例えば、小マーカ71及び大マーカ73は、後面35aに代えて又は加えて脚面35c,35cに設けられてもよい。また、上記実施形態及び変形例では、後方走行車6から前方走行車6において見える位置(すなわち前方走行車6の後面35a)に小マーカ71及び大マーカ73が配置される例を挙げて説明したが、前方走行車6から後方走行車6において見える位置(例えば後方走行車6の前面34a及び脚面34c,34c等)に小マーカ71及び大マーカ73が配置されてもよい。
【0060】
上記実施形態及び変形例の走行車6(106)及び走行車システム1では、自己の状態に合わせて表示態様を切り替える第一表示部及び第二表示部として第一LEDアレイ81及び第二LEDアレイ83を採用した例を挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、液晶表示画面を採用し、自己の状態に合わせて表示内容(色、模様、記号、及び文字等)を変えてもよい。また、単に表示(発光)する色を切り替える照明装置であってもよい。
【0061】
上記実施形態及び変形例の走行車6(106)及び走行車システム1では、自己の状態として、加速状態及び減速状態を例に挙げて説明したが、例えば、自己の走行車の現在位置であってもよいし、物品10を搬送中であるか否か等の情報であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
1,101…走行車システム、6,106…天井走行車(走行車)、7…本体部、8…撮像部、33…本体カバー、34…前面カバー、35…後面カバー、50…制御部、51…パターン認識部、53…状態判別部、55…走行制御部、57…LEDアレイ制御部、70…マーカ、71…小マーカ、71A…第三領域、71B…第四領域、71C…第五領域、73…大マーカ、73A…第一領域、73B…第二領域、81…第一LEDアレイ(第一表示部)、83…第二LEDアレイ(第二表示部)、P1…第一配色パターン、P2…第二配色パターン。