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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/70 20230101AFI20231205BHJP
   H04N 23/20 20230101ALI20231205BHJP
【FI】
H04N25/70
H04N23/20
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023553319
(86)(22)【出願日】2023-06-12
(86)【国際出願番号】 JP2023021772
【審査請求日】2023-09-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平間 哲也
(72)【発明者】
【氏名】服部 公春
(72)【発明者】
【氏名】前川 倫宏
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-333464(JP,A)
【文献】特開2000-019013(JP,A)
【文献】特開2008-241339(JP,A)
【文献】特開2010-216833(JP,A)
【文献】特開2006-121652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222- 5/257
H04N 5/30 - 5/33
H04N 9/01 - 9/11
H04N 23/00 -23/76
H04N 23/90 -23/959
H04N 25/00 -25/79
G01J 1/00 - 1/60
G01J 5/00 - 5/90
G01J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップと、
前記半導体チップに行列状に形成された複数の画素と、
差動増幅器と
電流源とを備え、
各画素は、互いに隣接した中空画素と非中空参照画素とを有し、
前記差動増幅器は、隣接する前記中空画素と前記非中空参照画素の出力電圧差を増幅し、
前記電流源は前記中空画素と前記非中空参照画素にバイアス電流を供給し、
前記電流源は、赤外線が入射されていない状態における前記中空画素と前記非中空参照画素の出力電圧差が小さくなるように、前記非中空参照画素のバイアス電流を前記中空画素のバイアス電流に比べて低くすることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
半導体チップと、
前記半導体チップに行列状に形成された複数の画素と、
差動増幅器と、
前記差動増幅器の後段に接続された反転平均回路とを備え、
各画素は、互いに隣接した中空画素と非中空参照画素とを有し、
前記差動増幅器は、隣接する前記中空画素と前記非中空参照画素の出力電圧差を増幅し、
前記中空画素は、第1の中空画素と第2の中空画素を有し、
前記非中空参照画素は、前記第1の中空画素に隣接した第1の非中空参照画素と、前記第2の中空画素に隣接した第2の非中空参照画素とを有し、
前記差動増幅器は第1の入力端子と第2の入力端子を有し、
前記差動増幅器は、前記第1の入力端子から前記第1の中空画素の出力電圧を入力し、前記第2の入力端子から前記第1の非中空参照画素の出力電圧を入力して第1の出力信号を出力し、
前記差動増幅器は、前記第2の入力端子から前記第2の中空画素の出力電圧を入力し、前記第1の入力端子から前記第2の非中空参照画素の出力電圧を入力して第2の出力信号を出力し、
前記反転平均回路は、前記第1の出力信号を反転したものと前記第2の出力信号との平均を求めることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
各画素は第1及び第2の領域に分けられ、
前記第1の中空画素及び前記第1の非中空参照画素は前記第1の領域に形成され、
前記第2の中空画素及び前記第2の非中空参照画素は、前記第2の領域において前記第1の中空画素及び前記第1の非中空参照画素とは逆の並び順で形成され、
前記第1の中空画素及び前記第2の非中空参照画素は前記第1の入力端子に接続され、
前記第2の中空画素及び前記第1の非中空参照画素は前記第2の入力端子に接続されていることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1の中空画素及び前記第2の中空画素を前記第1の入力端子と前記第2の入力端子の一方に接続する第1のスイッチと、
前記第1の非中空参照画素及び前記第2の非中空参照画素を前記第1の入力端子と前記第2の入力端子の他方に接続する第2のスイッチとを更に備えることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項5】
遮光された領域に配置された中空参照画素及び非中空参照画素の出力電圧をそれぞれ入力するオペアンプと、
前記電流源は、前記オペアンプの出力に応じて前記中空画素のバイアス電流又は前記非中空参照画素のバイアス電流を制御することを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記中空画素は前記半導体チップから断熱され、
前記非中空参照画素は前記半導体チップに熱的に接続されていることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記非中空参照画素は、前記中空画素と同じダイオード構造を有することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
互いに隣接した画素同士で前記非中空参照画素を共有していることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置の画素アレイ部には同一の画素が行列状に配置される。チップ温度変化を感知する環境温度検知部を設けて出力電圧が環境条件に応じた値となるようにした撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本特開2006-314025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は環境温度検知部がチップの端に設けられ画素アレイ部から離れていたため、環境温度検知部と画素アレイとの温度差が発生して測定確度が低下していた。従って、チップ面内の温度分布及びプロセスばらつきをキャンセルできなかった。このため、固定パタンノイズ(FPN)が大きくなり、後段に接続するADコンバータの必要ENOBが増加していた。また、シャッターを閉じた状態で各画素が出力した電圧を面内で一定になるように調整するキャリブレーションが必要になっていた。キャリブレーションする際に画素の出力電圧は安定している必要があるが、チップ温度が変化すると通常は出力電圧も変化する。このため、装置の起動時又は装置が日光で温められている際などのチップ温度遷移状態においてシャッターによるキャリブレーションを行っても、正常に被写体温度を出力することができなかった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的はチップ面内ばらつきとチップ温度遷移の影響を緩和することができる撮像装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る撮像装置は、半導体チップと、前記半導体チップに行列状に形成された複数の画素と、差動増幅器と、電流源とを備え、各画素は、互いに隣接した中空画素と非中空参照画素とを有し、前記差動増幅器は、隣接する前記中空画素と前記非中空参照画素の出力電圧差を増幅し、前記電流源は前記中空画素と前記非中空参照画素にバイアス電流を供給し、前記電流源は、赤外線が入射されていない状態における前記中空画素と前記非中空参照画素の出力電圧差が小さくなるように、前記非中空参照画素のバイアス電流を前記中空画素のバイアス電流に比べて低くすることを特徴とする。
本開示に係る他の撮像装置は、半導体チップと、前記半導体チップに行列状に形成された複数の画素と、差動増幅器と、前記差動増幅器の後段に接続された反転平均回路とを備え、各画素は、互いに隣接した中空画素と非中空参照画素とを有し、前記差動増幅器は、隣接する前記中空画素と前記非中空参照画素の出力電圧差を増幅し、前記中空画素は、第1の中空画素と第2の中空画素を有し、前記非中空参照画素は、前記第1の中空画素に隣接した第1の非中空参照画素と、前記第2の中空画素に隣接した第2の非中空参照画素とを有し、前記差動増幅器は第1の入力端子と第2の入力端子を有し、前記差動増幅器は、前記第1の入力端子から前記第1の中空画素の出力電圧を入力し、前記第2の入力端子から前記第1の非中空参照画素の出力電圧を入力して第1の出力信号を出力し、前記差動増幅器は、前記第2の入力端子から前記第2の中空画素の出力電圧を入力し、前記第1の入力端子から前記第2の非中空参照画素の出力電圧を入力して第2の出力信号を出力し、前記反転平均回路は、前記第1の出力信号を反転したものと前記第2の出力信号との平均を求めることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示では、各画素において中空画素に隣接して非中空参照画素を配置し、これらの出力電圧差を求める。これにより、プロセスばらつき又は温度ばらつきなどのチップ面内ばらつきとチップ温度遷移の影響を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る撮像装置を示す平面図である。
図2】実施の形態1に係る撮像装置を示す回路図である。
図3】中空画素を示す断面図である。
図4】非中空参照画素を示す断面図である。
図5】中空画素の出力電圧を示す図である。
図6】同じバイアス電流を流した中空画素と非中空参照画素の出力電圧を示す図である。
図7】実施の形態1に係る中空画素と非中空参照画素の出力電圧を示す図である。
図8】実施の形態2に係る撮像装置を示す平面図である。
図9】実施の形態2に係る撮像装置の差動増幅器の後段を示す図である。
図10】実施の形態2に係る撮像装置の機能を示す図である。
図11】実施の形態3に係る撮像装置を示す平面図である。
図12】実施の形態4に係る撮像装置を示す回路図である。
図13】実施の形態5に係る撮像装置を示す平面図である。
図14】実施の形態5に係る撮像装置の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態に係る撮像装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る撮像装置を示す平面図である。図2は、実施の形態1に係る撮像装置を示す回路図である。この撮像装置は、赤外線を検知する赤外線センサである。半導体チップ1に複数の画素2が行列状に形成されている。各画素2は、互いに隣接した中空画素3と非中空参照画素4とを有する。
【0011】
電流源5は、一列に並んだ中空画素3と一列に並んだ非中空参照画素4にそれぞれ個別にバイアス電流を供給する。差動増幅器6の第1の入力端子IN1は一列に並んだ中空画素3の出力に接続されている。差動増幅器6の第2の入力端子IN2は一列に並んだ非中空参照画素4の出力に接続されている。スイッチRow1をオンにすると、それに対応する行の中空画素3と非中空参照画素4がアクティブになり出力電圧が出力される。同様にスイッチRow2をオンにすると、それに対応する行の中空画素3と非中空参照画素4がアクティブになり出力電圧が出力される。差動増幅器6は、隣接する中空画素3と非中空参照画素4の出力電圧差を増幅する。
【0012】
図3は、中空画素を示す断面図である。半導体チップ1は例えばシリコン基板である。半導体チップ1の表面に酸化膜7が形成されている。半導体チップ1の表面の一部に凹部8が形成されている。凹部8の上方に中空画素3が中空状態で配置されている。中空画素3は、半導体チップ1から真空断熱されたダイオードである。
【0013】
図4は、非中空参照画素を示す断面図である。非中空参照画素4は、酸化膜7を介して半導体チップ1に接しており、半導体チップ1に熱的に接続されている。このため、非中空参照画素4は放熱されやすい。従って、非中空参照画素4には自己発熱と赤外線照射による温度上昇が発生せず、非中空参照画素4のダイオードは半導体チップ1の温度に応じた電位差を発生する。よって、非中空参照画素4は、チップ温度に応じた電圧を出力する参照電圧発生回路として機能する。
【0014】
図5は、中空画素の出力電圧を示す図である。中空画素3の周辺は真空状態であるため、中空画素3から半導体チップ1への放熱が抑制される。従って、中空画素3にバイアス電流Ibias1を流し、被写体から赤外線を照射すると、中空画素3には自己発熱と赤外線照射による温度上昇が発生し、中空画素3のダイオード両端の電位差がVref1からV1に変化する。これにより被写体の温度測定が可能となる。
【0015】
図6は、同じバイアス電流を流した中空画素と非中空参照画素の出力電圧を示す図である。隣接した中空画素3と非中空参照画素4の出力電圧差をとることで、半導体チップ1の温度の影響を排除して、被写体の温度に応じた電位差を出力することができる。ただし、中空画素3と非中空参照画素4に同じバイアス電流Ibias1を流すと、断熱されている中空画素3の自己発熱によるダイオードの温度上昇が非中空参照画素4のダイオードの温度上昇より大きくなり過ぎる。従って、後段の差動増幅器6に入力される電位差が大きくなり過ぎるため、差動増幅器6の出力が飽和することがある。
【0016】
図7は、実施の形態1に係る中空画素と非中空参照画素の出力電圧を示す図である。電流源5は、赤外線が入射されていない状態における中空画素3の出力電圧と非中空参照画素4の出力電圧差が小さくなるように、非中空参照画素4のバイアス電流Ibias2を中空画素3のバイアス電流Ibias1に比べて低くする。これにより、差動増幅器6に入力される電位差が小さくなるため、差動増幅器6の飽和を回避することができる。なお、電流源5は、赤外線が入射されていない状態における中空画素3の出力電圧と非中空参照画素4の出力電圧が同じになるようにバイアス電流Ibias1とバイアス電流Ibias2を調整することが好ましい。
【0017】
以上説明したように、本実施の形態では、各画素2において中空画素3に隣接して非中空参照画素4を配置し、これらの出力電圧差を求める。これにより、プロセスばらつき又は温度ばらつきなどのチップ面内ばらつきとチップ温度遷移の影響を緩和することができる。
【0018】
また、非中空参照画素4は、中空画素3のダイオードを非中空型に変更したものであり、中空画素3と同じダイオード構造を有する。これにより、プロセス変動などに対して中空画素3と非中空参照画素4が同じように変化するため、チップ面内のプロセスばらつきの影響を受けにくくなる。また、チップ面内ばらつきが無くなることで、シャッターによるキャリブレーションが不要となる。
【0019】
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係る撮像装置を示す平面図である。各画素2は第1の領域2aと第2の領域2bに分けられている。各画素のサイズが50x50umの場合、第1の領域2aと第2の領域2bのサイズはそれぞれ50x25umである。
【0020】
中空画素3は、第1の中空画素3aと第2の中空画素3bを有する。非中空参照画素4は、第1の中空画素3aに隣接した第1の非中空参照画素4aと、第2の中空画素3bに隣接した第2の非中空参照画素4bとを有する。
【0021】
第1の中空画素3a及び第1の非中空参照画素4aは第1の領域2aに形成されている。第2の中空画素3b及び第2の非中空参照画素4bは、第2の領域2bにおいて第1の中空画素3a及び第1の非中空参照画素4aとは逆の並び順で形成されている。第1の中空画素3a及び第2の非中空参照画素4bは第1の入力端子IN1に接続されている。第2の中空画素3b及び第1の非中空参照画素4aは第2の入力端子IN2に接続されている。
【0022】
同じ列に中空画素3と非中空参照画素4が混在する。そこで、電流源5は、バイアス電流Ibias1とバイアス電流Ibias2をクロススイッチで入れ替えることで、実施の形態1と同様に非中空参照画素4のバイアス電流を中空画素3のバイアス電流に比べて低くする。
【0023】
スイッチRow1をオンにすると、差動増幅器6は、第1の入力端子IN1から第1の中空画素3aの出力電圧を入力し、第2の入力端子IN2から第1の非中空参照画素4aの出力電圧を入力して第1の出力信号を出力する。スイッチRow2をオンにすると、差動増幅器6は、第2の入力端子IN2から第2の中空画素3bの出力電圧を入力し、第1の入力端子IN1から第2の非中空参照画素4bの出力電圧を入力して第2の出力信号を出力する。
【0024】
図9は、実施の形態2に係る撮像装置の差動増幅器の後段を示す図である。差動増幅器6の後段にADコンバータ9と反転平均回路10が接続されている。ADコンバータ9と反転平均回路10はASICで構成したり、センサICに内蔵したりすることが可能である。ADコンバータ9は、差動増幅器6の出力電圧の大きさをデジタル信号にする。デジタル化された第1の出力信号を反転平均回路10のAに入力し、第2の出力信号を反転平均回路10のBに入力する。反転平均回路10は、差動増幅器6の第1の出力信号を反転したものと第2の出力信号との平均を求める。
【0025】
図10は、実施の形態2に係る撮像装置の機能を示す図である。差動増幅器6には製造ばらつきが存在するため、差動増幅器6の入力側に余分な電圧であるDCオフセットが追加される。これにより、差動増幅器6の出力電圧VopにDCオフセットの成分が追加される。そこで、第1の出力信号を反転したものと第2の出力信号との平均を求める。これにより、DCオフセットの成分をキャンセルすることができる。従って被写体温度の測定精度が向上する。
【0026】
実施の形態3.
図11は、実施の形態3に係る撮像装置を示す平面図である。第1のスイッチ11aは、第1の中空画素3a及び第2の中空画素3bを第1の入力端子IN1と第2の入力端子IN2の一方に接続する。第2のスイッチ11bは、第1の非中空参照画素4a及び第2の非中空参照画素4bを第1の入力端子IN1と第2の入力端子IN2の他方に接続する。
【0027】
第1のスイッチ11a及び第2のスイッチ11bを切り替えることにより、差動増幅器6は、第1の入力端子IN1から第1の中空画素3aの出力電圧を入力し、第2の入力端子IN2から第1の非中空参照画素4aの出力電圧を入力して第1の出力信号を出力する。また、第1のスイッチ11a及び第2のスイッチ11bを切り替えることにより差動増幅器6は、第2の入力端子IN2から第2の中空画素3bの出力電圧を入力し、第1の入力端子IN1から第2の非中空参照画素4bの出力電圧を入力して第2の出力信号を出力する。反転平均回路10は、第1の出力信号を反転したものと第2の出力信号との平均を求める。これにより、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0028】
実施の形態4.
図12は、実施の形態4に係る撮像装置を示す回路図である。遮光された領域12に配置された中空参照画素3´及び非中空参照画素4´の出力電圧をそれぞれオペアンプ13に入力する。中空参照画素3´の構造は中空画素3と同じである。非中空参照画素4´の構造は非中空参照画素4と同じである。電流源5は、中空参照画素3´に基準となるバイアス電流Ibias1を流す。オペアンプ13の出力を電流源5のトランジスタ14に入力して非中空参照画素4´のバイアス電流Ibias2を制御する。即ち、電流源5は、オペアンプ13の出力に応じてバイアス電流Ibias2を制御して、遮光された領域12に配置された中空参照画素3´及び非中空参照画素4´の出力電圧が同じになるようにする(図7参照)。なお、バイアス電流Ibias2を基準として、オペアンプ13の出力に応じてバイアス電流Ibias1を制御してもよい。
【0029】
遮光された領域12の中空参照画素3´及び非中空参照画素4´と同じ又は比例した電流をカレントミラーなどにより、遮光されていない画素アレイ部の中空画素3及び非中空参照画素4にそれぞれ流す。これにより、差動増幅器6に入力される電位差が小さくなるため、差動増幅器6の飽和を回避することができる。その他の構成及び効果は実施の形態1と同様である。
【0030】
実施の形態5.
図13は、実施の形態5に係る撮像装置を示す平面図である。本実施の形態では、実施の形態1の偶数列の中空画素3と非中空参照画素4を入れ替え、その隣の奇数列の中空画素3と非中空参照画素4を共用する。即ち、実施の形態1の構成において、互いに隣接した画素2同士で非中空参照画素4を共有している。これにより、各画素2における非中空参照画素4の占有面積が小さくなるため、中空画素3の面積を広げることができる。
【0031】
図14は、実施の形態5に係る撮像装置の変形例を示す平面図である。実施の形態2の構成において、互いに隣接した画素2同士で非中空参照画素4を共有している。これにより、各画素2における非中空参照画素4の占有面積が小さくなるため、中空画素3の面積を広げることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 半導体チップ、2 画素、2a 第1の領域、2b 第2の領域、3 中空画素、3a 第1の中空画素、3b 第2の中空画素、4 非中空参照画素、4a 第1の非中空参照画素、4b 第2の非中空参照画素、5 電流源、6 差動増幅器、10 反転平均回路、11a 第1のスイッチ、11b 第2のスイッチ、13 オペアンプ、IN1 第1の入力端子、IN2 第2の入力端子
【要約】
半導体チップ(1)に複数の画素(2)が行列状に形成されている。各画素(2)は、互いに隣接した中空画素(3)と非中空参照画素(4)とを有する。差動増幅器(6)は、隣接する中空画素(3)と非中空参照画素(4)の出力電圧差を増幅する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14