(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】ファインバブル発生装置
(51)【国際特許分類】
B01F 35/60 20220101AFI20231205BHJP
B01F 35/213 20220101ALI20231205BHJP
B01F 35/214 20220101ALI20231205BHJP
B01F 23/2373 20220101ALI20231205BHJP
A61H 33/02 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
B01F35/60
B01F35/213
B01F35/214
B01F23/2373
A61H33/02 D
(21)【出願番号】P 2023553467
(86)(22)【出願日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 JP2023017556
【審査請求日】2023-09-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】301049571
【氏名又は名称】八洲電業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】523100593
【氏名又は名称】株式会社WPC
(74)【代理人】
【識別番号】110003834
【氏名又は名称】弁理士法人新大阪国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 賢治郎
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 大貴
(72)【発明者】
【氏名】岡田 裕治
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/136664(WO,A1)
【文献】実開昭56-106722(JP,U)
【文献】実開昭56-106723(JP,U)
【文献】登録実用新案第3208308(JP,U)
【文献】特開2018-149506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 23/23 - 23/2375
A47K 3/00
A61H 33/02
B01F 35/60
B01F 35/21 - 35/214
E03C 1/08 - 1/086
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽で浸水されるファインバブル発生装置であって、
水流入口および水流出口を有するパイプ部材と、
前記パイプ部材が貫通している筐体と、
前記水流入口から前記水流出口へ前記パイプ部材のパイプ内部の水を流通させるポンプと、
前記ポンプへの電力供給を行うバッテリと、
前記パイプ部材へ設けられたファインバブル発生器と、
前記パイプ内部の所定箇所の前記水へ光線を照射する照射器と、
前記所定箇所の前記水を撮像する撮像器と、
を備えており、
前記筐体は、前記ポンプ、前記バッテリおよび前記ファインバブル発生器を収納しており、
前記水槽の前記水が前記筐体の内部へ浸入しないように、前記筐体はシーリングされており、
前記筐体は、前記照射器および前記撮像器を収納しており、
前記水に含有されたファインバブルの密度が、前記撮像器により前記撮像された水の画像解析を利用することにより、測定されることを特徴とする
ファインバブル発生装置。
【請求項2】
前記水流出口から流出した前記水が前記水流入口から流入するように、前記水は前記水槽の内部を循環させられ、
前記照射器および前記撮像器は、前記水流入口の近傍へ配置されており、
前記測定された前記ファインバブルの前記密度が所定レベルへ到達した場合において、前記ポンプへの前記電力供給は停止されることを特徴とする請求項
1に記載のファインバブル発生装置。
【請求項3】
前記パイプ部材のパイプ壁部には、前記照射器が前記光線を照射するための照射ウィンドウ部、および前記撮像器が前記水を撮像するための撮像ウィンドウ部が設けられており、
前記照射器が前記光線を照射する方向が鉛直方向になるように、前記照射ウィンドウ部は配置されており、
前記撮像器が前記水を撮像する方向が水平方向になるように、前記撮像ウィンドウ部は配置されていることを特徴とする請求項
2に記載のファインバブル発生装置。
【請求項4】
前記照射器は、下向きに前記光線を照射することを特徴とする請求項
3に記載のファインバブル発生装置。
【請求項5】
下向きに前記照射された光線が通過しないように、前記筐体の底部は構成されていることを特徴とする請求項
4に記載のファインバブル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、浴槽のような水槽においてファインバブルを発生するファインバブル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多孔質体からなるパイプ状の多孔質パイプを有し、多孔質パイプの外部から気体を供給して、多孔質パイプ内を流れる液体中に気体の微小気泡を発生させる微小気泡発生装置であって、多孔質パイプの上流側端部及び下流側端部のうち少なくともいずれかの被圧接端部は、端部内側面を覆わず、端面全体に圧接する端面圧接部を有するパッキンで封止されてなる微小気泡発生装置によるファインバブル発生装置が、知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
このような技術は、多孔質パイプの外部から気体を供給して、多孔質パイプ内を流れる液体中に気体の微小気泡を発生させる微小気泡発生装置において、多孔質パイプの端部から液体中へ大きな気泡が混入するのを防止した微小気泡発生装置を提供することができると言われる。
【0004】
さまざまな分野におけるファインバブルの利用が期待されており、環境分野における土壌浄化、農業分野における農畜産物の成長促進、食品分野における鮮度保持、水産業分野における水産物の成長促進、洗浄分野におけるトイレ洗浄、産業分野における精密剥離、および美容分野における気泡風呂のような温泉などが具体的に挙げられる。言うまでもなく、医療および医薬品分野のようなその他の分野においても、ファインバブルの利用は期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、本発明者は、さまざまな効能が期待されるファインバブルが広範に利用されることが望ましいと考えているが、ファインバブルのより広範な利用を促進するために、さまざまな障害が乗越えられなければならないことに気付いた。
【0007】
たとえば、50ワット以上のポンプ出力の交流電源ポンプによる水圧送送込みおよび水圧送通過でファインバブルを発生するファインバブル発生メカニズムを利用する技術を、本発明者は検討してみた。
【0008】
しかしながら、このような技術においては、交流電源の利用にともなう漏電の危険性が懸念されることに、本発明者は気付いた。
【0009】
そして、このような技術においては、給電ケーブルの配索が必要であり、満足な水圧量を得るためのファインバブル発生装置最小サイズは通常およそみかん箱の半分のサイズであるので、装置コンパクト化の実現はしばしば困難であることにも、本発明者は気付いた。
【0010】
本発明者は、安全性を低減させる漏電の危険性を解消することができることは極めて重要であると考えている。
【0011】
そして、本発明者は、ファインバブル発生装置サイズが抑えられて装置コンパクト化が実現されることは極めて重要であるとも考えている。
【0012】
本発明は、上述された従来の課題を考慮し、ファインバブルのより広範な利用を促進することができるファインバブル発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の本発明は、水槽で浸水されるファインバブル発生装置であって、
水流入口および水流出口を有するパイプ部材と、
前記パイプ部材が貫通している筐体と、
前記水流入口から前記水流出口へ前記パイプ部材のパイプ内部の水を流通させるポンプと、
前記ポンプへの電力供給を行うバッテリと、
前記パイプ部材へ設けられたファインバブル発生器と、
前記パイプ内部の所定箇所の前記水へ光線を照射する照射器と、
前記所定箇所の前記水を撮像する撮像器と、
を備えており、
前記筐体は、前記ポンプ、前記バッテリおよび前記ファインバブル発生器を収納しており、
前記水槽の前記水が前記筐体の内部へ浸入しないように、前記筐体はシーリングされており、
前記筐体は、前記照射器および前記撮像器を収納しており、
前記水に含有されたファインバブルの密度が、前記撮像器により前記撮像された水の画像解析を利用することにより、測定されることを特徴とするファインバブル発生装置である。
第2の本発明は、前記水流出口から流出した前記水が前記水流入口から流入するように、前記水は前記水槽の内部を循環させられ、
前記照射器および前記撮像器は、前記水流入口の近傍へ配置されており、
前記測定された前記ファインバブルの前記密度が所定レベルへ到達した場合において、前記ポンプへの前記電力供給は停止されることを特徴とする第1の本発明のファインバブル発生装置である。
第3の本発明は、前記パイプ部材のパイプ壁部には、前記照射器が前記光線を照射するための照射ウィンドウ部、および前記撮像器が前記水を撮像するための撮像ウィンドウ部が設けられており、
前記照射器が前記光線を照射する方向が鉛直方向になるように、前記照射ウィンドウ部は配置されており、
前記撮像器が前記水を撮像する方向が水平方向になるように、前記撮像ウィンドウ部は配置されていることを特徴とする第2の本発明のファインバブル発生装置である。
第4の本発明は、前記照射器は、下向きに前記光線を照射することを特徴とする第3の本発明のファインバブル発生装置である。
第5の本発明は、下向きに前記照射された光線が通過しないように、前記筐体の底部は構成されていることを特徴とする第4の本発明のファインバブル発生装置である。
本発明に関連する第1の発明は、水槽で浸水されるファインバブル発生装置であって、
水流入口および水流出口を有するパイプ部材と、
前記パイプ部材が貫通している筐体と、
前記水流入口から前記水流出口へ前記パイプ部材のパイプ内部の水を流通させるポンプと、
前記ポンプへの電力供給を行うバッテリと、
前記パイプ部材へ設けられたファインバブル発生器と、
を備えており、
前記筐体は、前記ポンプ、前記バッテリおよび前記ファインバブル発生器を収納しており、
前記水槽の前記水が前記筐体の内部へ浸入しないように、前記筐体はシーリングされていることを特徴とするファインバブル発生装置である。
【0014】
本発明に関連する第2の発明は、前記パイプ内部の所定箇所の前記水へ光線を照射する照射器と、
前記所定箇所の前記水を撮像する撮像器と、
を備えており、
前記筐体は、前記照射器および前記撮像器を収納しており、
前記水に含有されたファインバブルの密度が、前記撮像器により前記撮像された水の画像解析を利用することにより、測定されることを特徴とする本発明に関連する第1の発明のファインバブル発生装置である。
【0015】
本発明に関連する第3の発明は、前記水流出口から流出した前記水が前記水流入口から流入するように、前記水は前記水槽の内部を循環させられ、
前記照射器および前記撮像器は、前記水流入口の近傍へ配置されており、
前記測定された前記ファインバブルの前記密度が所定レベルへ到達した場合において、前記ポンプへの前記電力供給は停止されることを特徴とする本発明に関連する第2の発明のファインバブル発生装置である。
【0016】
本発明に関連する第4の発明は、前記パイプ部材のパイプ壁部には、前記照射器が前記光線を照射するための照射ウィンドウ部、および前記撮像器が前記水を撮像するための撮像ウィンドウ部が設けられており、
前記照射器が前記光線を照射する方向が鉛直方向になるように、前記照射ウィンドウ部は配置されており、
前記撮像器が前記水を撮像する方向が水平方向になるように、前記撮像ウィンドウ部は配置されていることを特徴とする本発明に関連する第3の発明のファインバブル発生装置である。
【0017】
本発明に関連する第5の発明は、前記照射器は、下向きに前記光線を照射することを特徴とする本発明に関連する第4の発明のファインバブル発生装置である。
【0018】
本発明に関連する第6の発明は、下向きに前記照射された光線が通過しないように、前記筐体の底部は構成されていることを特徴とする本発明に関連する第5の発明のファインバブル発生装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、ファインバブルのより広範な利用を促進することが可能なファインバブル発生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施の形態のファインバブル発生装置の説明図(その一)
【
図2】本実施の形態のファインバブル発生装置の説明図(その二)
【
図3】本実施の形態のファインバブル発生装置の模式的な斜視図(その一)
【
図4】本実施の形態のファインバブル発生装置の模式的な斜視図(その二)
【
図5】(a)本実施の形態のファインバブル発生装置の模式的な平面図、(b)本実施の形態のファインバブル発生装置の照射器近傍の模式的な部分側面図
【
図6】(a)本実施の形態のファインバブル発生装置の画像解析装置近傍のブロック図、(b)本実施の形態のファインバブル発生装置のポンプ近傍の斜視図、(c)本実施の形態のファインバブル発生装置のバッテリ近傍の斜視図
【
図7】本実施の形態の第一変形例のファインバブル発生装置の模式的な平面図
【
図8】本実施の形態の第二変形例のファインバブル発生装置の模式的な平面図
【
図9】本実施の形態のファインバブル発生装置の照射器の説明図
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
以下同様であるが、いくつかの構成要素は図面において示されていないこともあるし透視的にまたは省略的に示されていることもある。
【0023】
はじめに、
図1、2、3および4、ならびに9を参照しながら、本実施の形態のファインバブル発生装置1000の構成および動作について具体的に説明する。
【0024】
ここに、
図1および2は本実施の形態のファインバブル発生装置1000の説明図(その一および二)であり、
図3および4は本実施の形態のファインバブル発生装置1000の模式的な斜視図(その一および二)であり、
図9は本実施の形態のファインバブル発生装置1000の照射器1600の説明図である。
【0025】
図4においては、筐体1100が透視的に示されており、無線通信が一点鎖線の矢印で示されている。
図9においては、容器のガラス壁面における多少の映込みはあるが、光線1930が可視化されていない、バブル含有精製水でない水1910の容器が左側に示されており、光線1930がファインバブル1920で反射されることにより明瞭に可視化されている、バブル含有精製水である水1910の容器が右側に示されている。
【0026】
本実施の形態のファインバブル発生装置1000の動作について説明しながら、本発明に関連した発明のファインバブル発生方法およびファインバブル密度測定方法についても説明する。
【0027】
ファインバブル発生装置1000は、水槽1800で浸水される。
【0028】
後述される、水1910に含有されたファインバブル1920の密度の測定のために、ファインバブル発生装置1000が水槽1800で浸水されることは必ずしも要求されない。
【0029】
パイプ部材1200は、水流入口1210および水流出口1220を有するユニットである。
【0030】
不純物が水1910とともに水流入口1210から流入することが抑制されるように、フィルター1が水流入口1210へ装着されている。たとえば、筐体1100が水流の影響などで振動することが抑制されるように、補助パイプ2が水流出口1220へ装着されている。
【0031】
筐体1100は、パイプ部材1200が貫通しているユニットである。
【0032】
筐体1100には、4個のバッテリ残量ランプを有するバッテリ残量ランプ部11、30分の使用時間をそれぞれ表現する、8個の使用時間ランプを有する使用時間ランプ部12、ファンクションスイッチ13およびオンオフスイッチ14、ならびにチェーン吊下げ孔を有するチェーン吊下げ孔部15が設けられている。
【0033】
ポンプ1300は、水流入口1210から水流出口1220へパイプ部材1200のパイプ内部1230の水1910を流通させるユニットである。
【0034】
たとえば、ポンプ1300は、吸上げホースおよび循環戻しホースは不要である、いわゆる水中ポンプである。
【0035】
バッテリ1400は、ポンプ1300への電力供給を行うユニットである。
【0036】
たとえば、バッテリ1400は、充電なしでのおよそ4時間の水中デバイス運用を実現することができる、12.8ボルトおよび6アンペア時のバッテリ仕様を有する筐体内蔵バッテリである。
【0037】
ファインバブル発生器1500は、パイプ部材1200へ設けられたユニットである。
【0038】
たとえば、ファインバブル発生器1500は、中空部の内周面と円柱状のシャフトの外周面との間へ所定間隔を隔ててシャフトを収容する筒状体と、シャフトの外周面と筒状体の内周面との間へ設けられており、筒状体の一方端側から他方端側に向かって螺旋状に延びるように形成された流路を流れる流体に乱流を発生させる複数のブレードと、を有し、シャフトの軸方向に延びる凸条からなる複数のリブが筒状体の内周面へ設けられているユニットである。
【0039】
もちろん、このような乱流による活性化でファインバブル1920を発生させるとき、水1910の溶存酸素の量が不十分である場合においては、たとえば、酸素ボンベから酸素注入を行うことにより、酸素が水1910へ補充的に溶解させられてもよい。
【0040】
筐体1100は、ポンプ1300、バッテリ1400およびファインバブル発生器1500を収納している。
【0041】
50ワット以上のポンプ出力の交流電源ポンプによる水圧送送込みおよび水圧送通過でファインバブルを発生するファインバブル発生メカニズムを利用する態様も、考えられる。
【0042】
しかしながら、このような態様においては、交流電源の利用にともなう漏電の危険性が懸念される。
【0043】
そして、このような態様においては、給電ケーブルの配索が必要であり、満足な水圧量を得るためのファインバブル発生装置最小サイズは通常およそみかん箱の半分のサイズであるので、装置コンパクト化の実現はしばしば困難である。
【0044】
本実施の形態においては、バッテリ1400によるポンプ1300の駆動が行われ、ポンプ1300のための交流電源は不要であるので、安全性を低減させる漏電の危険性を解消することができる。
【0045】
そして、本実施の形態においては、筐体1100の筐体幅Xは230ミリメートルであり、筐体1100の筐体奥行きYは65ミリメートルであり、筐体1100の筐体高さZは120ミリメートルである。つまり、筐体容量はおよそ2リットルであり、筐体二次元サイズはA5サイズ以下であるので、ファインバブル発生装置サイズが抑えられて装置コンパクト化が実現される。
【0046】
水槽1800の水1910が筐体1100の内部へ浸入しないように、筐体1100はシーリングされている。
【0047】
装置コンパクト化にも寄与することが期待される、ワイヤレス充電コイルを利用する電磁結合方式の充電回路を内蔵するバッテリ1400の充電機構を採用することにより、サブマリンタイプの水中デバイス運用が密封仕様で実現される。
【0048】
つぎに、
図4、5(a)および5(b)、6(a)、6(b)および6(c)、ならびに9を参照しながら、本実施の形態のファインバブル発生装置1000の構成および動作についてより具体的に説明する。
【0049】
ここに、
図5(a)は本実施の形態のファインバブル発生装置1000の模式的な平面図であり、
図5(b)は本実施の形態のファインバブル発生装置1000の照射器1600近傍の模式的な部分側面図であり、
図6(a)は本実施の形態のファインバブル発生装置1000の画像解析装置30近傍のブロック図であり、
図6(b)は本実施の形態のファインバブル発生装置1000のポンプ1300近傍の斜視図であり、
図6(c)は本実施の形態のファインバブル発生装置1000のバッテリ1400近傍の斜視図である。
【0050】
図5(a)においては、
図5(b)の矢視向きが矢印Aで示されており、無線通信が一点鎖線の矢印で示されており、水1910の流通向きが白抜き矢印で示されている。
【0051】
照射器1600は、パイプ内部1230の所定箇所の水1910へ光線1930を照射するユニットである。
【0052】
たとえば、照射器1600は、比較的に小さい出力タイプを有する0.5ワットタイプのレーザー光線照射器である。光線1930は、ファインバブル1920のバブル直径に応じて十分に小さい波長を有する光線であり、赤色光であってもよいが、望ましくは、しばしば緑色光または青色光である。たとえば、レーザー仕様については、GB7247.1-2012規格に準じた可視レーザー製品により、5から30ミリワットmWのレーザー出力、および510から540ナノメートルの発光波長が利用可能である。
【0053】
撮像器1700は、所定箇所の水1910を撮像するユニットである。
【0054】
たとえば、撮像器1700は、スマートフォンに利用されるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラである。水1910の画像における可視化された光線1930が人体に影響せず安全に確認できるように、水1910の撮像は光学フィルターを介して行われてもよい。
【0055】
100マイクロメートル以下のバブル直径を有するバブルとして定義されるファインバブルの内、比較的に大きい1マイクロメートル以上のバブル直径を有するバブルとして定義されるマイクロバブルに限らず、比較的に小さい1マイクロメートル未満のバブル直径を有するバブルとして定義されるウルトラファインバブルが発生される態様も、考えられる。
【0056】
しかしながら、このような態様においては、微細なウルトラファインバブルの確認は、肉眼で困難であるのみならず、顕微鏡解像度レベルの解像度を有する観察メカニズムでも容易でなく、ユーザーは有意なバブル含有精製水の生成を納得して確認することがしばしばできないという曖昧さが懸念される。
【0057】
本実施の形態においては、バブル含有精製水である水1910が少なくとも部分的に透視可能である、パイプ部材1200を通過した光線1930がファインバブル1920で反射されることにより可視化されるので、ユーザーがバブル含有精製水の生成を疑うことなしに確認することができる。
【0058】
筐体1100は、照射器1600および撮像器1700を収納している。
【0059】
後述される、水1910に含有されたファインバブル1920の密度の測定のために、筐体1100が照射器1600および撮像器1700を収納していることは必ずしも要求されない。
【0060】
水1910に含有されたファインバブル1920の密度が、撮像器1700により撮像された水1910の画像解析を利用することにより、測定される。
【0061】
光線1930の可視化、および水1910に含有されたファインバブル1920の密度の測定は、筐体1100に収納されたコントローラー20を利用することにより行われるが、コントローラー20と無線通信で接続された画像解析装置30をさらに利用することにより行われてもよい。画像解析装置30は、送受信部31、画像解析部32および停止判断部33ならびに画像表示部34を有する、スマートフォンのような情報処理装置である。
【0062】
撮像された水1910の画像は、画像表示部34で表示されるのみならず、画像解析部32で解析される。単位容量におけるファインバブル1920の個数の簡易的な測定は、画像解析部32へインストールされた画像解析ソフトウェアまたは人工知能解析技術を利用することにより、ローカル処理でまたはクラウド処理で行われる。
【0063】
つぎに、
図5(a)、7および8、ならびに9を参照しながら、本実施の形態のファインバブル発生装置1000の構成および動作についてさらにより具体的に説明する。
【0064】
ここに、
図7および8は、本実施の形態の第一および第二変形例のファインバブル発生装置1000の模式的な平面図である。
【0065】
図7および8においては、無線通信が一点鎖線の矢印で示されており、水1910の流通向きが白抜き矢印で示されている。
【0066】
水流出口1220から流出した水1910が水流入口1210から流入するように、水1910は水槽1800の内部を循環させられる。
【0067】
水1910は、水槽1800の内部を循環させられることなしに、たとえば、水貯蓄部から水利用部へ、少なくともファインバブル発生器1500が配置されている連結部を通って移動させられてもよい。
【0068】
照射器1600および撮像器1700は、水流入口1210の近傍へ配置されている。
【0069】
照射器1600および撮像器1700は、水流出口1220の近傍へ配置されていてもよい。より具体的には、ポンプ1300は水流出口1220の近傍へ配置されており、照射器1600および撮像器1700はポンプ1300の上流側へまたは下流側へ配置されていてもよい。しかしながら、水流入口1210の近傍でのファインバブル1920の密度は、十分な水1910の循環にともなって水槽1800の内部で最終的にほぼ均一になると見做されるファインバブル1920の密度をもっともよく表現していることが期待される。
【0070】
測定されたファインバブル1920の密度が所定レベルへ到達した場合において、ポンプ1300への電力供給は停止される。
【0071】
水1910に含有されたファインバブル1920の密度はポンプ1300の運転にともなって増加するが、ファインバブル1920の密度の増加は飽和状態への到達でほとんど停止し、ファインバブル1920の密度が減少し始めることもある。
【0072】
送受信部31によるスマートフォン通信を利用することにより、ポンプ1300は遠隔的に監視される。ポンプ1300は停止判断部33による停止判断に応じて停止されるので、バッテリ1400の節電が実現可能である。
【0073】
パイプ部材1200のパイプ壁部1240には、照射器1600が光線1930を照射するための照射ウィンドウ部1241、および撮像器1700が水1910を撮像するための撮像ウィンドウ部1242が設けられている。
【0074】
光線1930が反射されずにパイプ部材1200を通過するように、照射ウィンドウ部1241は、互いに対向するように配置されている、入射ウィンドウおよび出射ウィンドウのような2個のウィンドウを有してもよい。撮像ウィンドウ部1242は、上向きまたは下向きのような撮像向きが選択可能であるように、第一および第二撮像ウィンドウのような2個のウィンドウを有してもよい。言うまでもなく、パイプ壁部1240のほぼ全部が透明ガラスで形成されており、照射ウィンドウ部1241および撮像ウィンドウ部1242は単一のウィンドウとして一体的に構成されていてもよい。
【0075】
照射器1600が光線1930を照射する方向が鉛直方向になるように、照射ウィンドウ部1241は配置されている。
【0076】
照射器1600が光線1930を照射する方向は、必ずしも鉛直方向でなくてもよい。しかしながら、筐体1100が装置メンテナンス作業のために開けられている場合においても、装置メンテナンス作業をファインバブル発生装置1000の側方で行っているユーザーが鉛直方向に照射されている光線1930を不注意で直視してしまうことはほとんどないので、安全性の向上がしばしばより期待されやすい。
【0077】
撮像器1700が水1910を撮像する方向が水平方向になるように、撮像ウィンドウ部1242は配置されている。
【0078】
撮像器1700の撮像方向が照射器1600の照射方向と直交するので、撮像により得られた水1910の画像の高い画質が保証され、画像解析を利用することにより測定されたファインバブル1920の密度の高い精度が期待される。
【0079】
照射器1600は、下向きに光線1930を照射する。
【0080】
照射器1600は、上向きに光線1930を照射してもよい。しかしながら、装置メンテナンス作業をファインバブル発生装置1000の側方で行っているユーザーは、ファインバブル発生装置1000をときどき見下ろすことがあっても、ファインバブル発生装置1000を見上げることは稀であり、下向きに照射されている光線1930を不注意で直視してしまうことはほとんどない。
【0081】
下向きに照射された光線1930が通過しないように、筐体1100の底部は構成されている。
【0082】
光線1930が通過して筐体1100の底部から筐体1100の外部へ出ないので、ユーザーが光線1930を不注意で直視してしまうことはほとんど全くない。言うまでもなく、たとえば、光線1930が照射される筐体1100の底部の部分が光線1930の通過を許さない材料を利用して構成されていればよく、その他の部分は透明な材料を利用して構成されていてもよい。
【0083】
なお、本発明に関連した発明のプログラムは、上述された本発明に関連した発明のファインバブル発生方法およびファインバブル密度測定方法の全部または一部のステップ(または工程、動作および作用など)の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
【0084】
また、本発明に関連した発明の記録媒体は、上述された本発明に関連した発明のファインバブル発生方法およびファインバブル密度測定方法の全部または一部のステップ(または工程、動作および作用など)の全部または一部の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であり、読取られたプログラムがコンピュータと協働して利用されるコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0085】
なお、上述された「一部のステップ(または工程、動作および作用など)」は、それらの複数のステップの内の一つまたはいくつかのステップを意味する。
【0086】
また、上述された「ステップ(または工程、動作および作用など)の動作」は、上述されたステップの全部または一部の動作を意味する。
【0087】
また、本発明に関連した発明のプログラムの一利用形態は、インターネット、光、電波または音波などのような伝送媒体の中を伝送され、コンピュータにより読取られ、コンピュータと協働して動作するという形態であってもよい。
【0088】
また、記録媒体としては、ROM(Read Only Memory)などが含まれる。
【0089】
また、コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)などのような純然たるハードウェアに限らず、ファームウェア、OS(Operating System)、そしてさらに周辺機器を含んでもよい。
【0090】
なお、上述されたように、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現されてもよいし、ハードウェア的に実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明におけるファインバブル発生装置は、ファインバブルのより広範な利用を促進することができ、浴槽のような水槽においてファインバブルを発生するファインバブル発生装置に利用する目的に有用である。
【符号の説明】
【0092】
1 フィルター
2 補助パイプ
11 バッテリ残量ランプ部
12 使用時間ランプ部
13 ファンクションスイッチ
14 オンオフスイッチ
15 チェーン吊下げ孔部
20 コントローラー
30 画像解析装置
31 送受信部
32 画像解析部
33 停止判断部
34 画像表示部
1000 ファインバブル発生装置
1100 筐体
1200 パイプ部材
1210 水流入口
1220 水流出口
1230 パイプ内部
1240 パイプ壁部
1241 照射ウィンドウ部
1242 撮像ウィンドウ部
1300 ポンプ
1400 バッテリ
1500 ファインバブル発生器
1600 照射器
1700 撮像器
1800 水槽
1910 水
1920 ファインバブル
1930 光線
A 矢印
X 筐体幅
Y 筐体奥行き
Z 筐体高さ
【要約】
50ワット以上のポンプ出力の交流電源ポンプによる水圧送送込みおよび水圧送通過でファインバブルを発生するファインバブル発生メカニズムを利用する技術を、本発明者は検討してみた。しかしながら、このような技術においては、交流電源の利用にともなう漏電の危険性が懸念されることに、本発明者は気付いた。そして、このような技術においては、給電ケーブルの配索が必要であり、満足な水圧量を得るためのファインバブル発生装置最小サイズは通常およそみかん箱の半分のサイズであるので、装置コンパクト化の実現はしばしば困難であることにも、本発明者は気付いた。
筐体1100は、ポンプ1300、バッテリ1400およびファインバブル発生器1500を収納しており、水槽1800の水1910が筐体1100の内部へ浸入しないように、筐体1100はシーリングされているファインバブル発生装置1000である。