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特許7396574図面縮尺推定装置、図面縮尺推定方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】図面縮尺推定装置、図面縮尺推定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20231205BHJP
   G06F 30/12 20200101ALI20231205BHJP
【FI】
G06F30/10
G06F30/12
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019209083
(22)【出願日】2019-11-19
(65)【公開番号】P2021082016
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000201478
【氏名又は名称】前田建設工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】515268881
【氏名又は名称】Cotofure株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 福太郎
(72)【発明者】
【氏名】魏 然
(72)【発明者】
【氏名】田口 英貴
【審査官】合田 幸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-233627(JP,A)
【文献】特開2013-218553(JP,A)
【文献】特開2006-227988(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110414477(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/10
G06F 30/12
IEEE Xplore
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面の印刷イメージから複数の寸法線及び寸法値の対を検出する寸法線検出手段と、
前記対に対する評価値を決定する評価値決定手段と、
前記印刷イメージにおける各寸法線の実寸を計測する計測手段と、
実寸と各寸法値の比を算出する寸法比算出手段と、
前記比を複数の数値範囲のいずれかに割り当てる割当手段と、
数値範囲について、該数値範囲に割り当てられた前記比に対する前記評価値に基づいて、総合評価値を算出する総合値算出手段と、
前記総合評価値に基づいて、いずれか少なくとも一つの数値範囲を選択する選択手段と、
選択された前記数値範囲に基づいて前記印刷イメージの縮尺を決定する縮尺決定手段と、
を含むことを特徴とする図面縮尺推定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の図面縮尺推定装置において、
前記縮尺決定手段は、選択された前記数値範囲に割り当てられた前記比の統計的代表値を前記縮尺として決定する、ことを特徴とする図面縮尺推定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の図面縮尺推定装置において、
前記統計的代表値は、選択された前記数値範囲に割り当てられた前記比の中央値である、ことを特徴とする図面縮尺推定装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の図面縮尺推定装置において、
前記評価値決定手段は、前記寸法値の文字サイズに応じて該寸法値に係る前記対に対する前記評価値を決定する、ことを特徴とする図面縮尺推定装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の図面縮尺推定装置において、
前記寸法線検出手段は、一つの前記寸法値に対応する前記寸法線を一又は複数検出し、
前記評価値決定手段は、前記寸法値に対応する前記寸法線が複数検出されたか否かに応じて、該寸法線に係る前記対に対する前記評価値を決定する、ことを特徴とする図面縮尺推定装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の図面縮尺推定装置において、
前記寸法線検出手段は、一つの前記寸法線に対応する前記寸法値を一又は複数検出し、
前記評価値決定手段は、前記寸法線に対応する前記寸法値が複数検出されたか否かに応じて、該寸法値に係る前記対に対する評価値を決定する、ことを特徴とする図面縮尺推定装置。
【請求項7】
寸法線検出手段が、図面の印刷イメージから複数の寸法線及び寸法値の対を検出するステップと、
評価値決定手段が、前記対に対する評価値を決定するステップと、
計測手段が、前記印刷イメージにおける前記各寸法線の実寸を計測するステップと、
寸法比算出手段が、各実寸と各寸法値の比を算出するステップと、
割当手段が、前記比を複数の数値範囲のいずれかに割り当てるステップと、
総合値算出手段が、各数値範囲について、該数値範囲に割り当てられた前記比に対する前記評価値に基づいて、総合評価値を算出するステップと、
選択手段が、前記総合評価値に基づいて、いずれか少なくとも一つの数値範囲を選択するステップと、
縮尺決定手段が、選択された前記数値範囲に基づいて前記印刷イメージの縮尺を決定するステップと、
を含むことを特徴とする図面縮尺推定方法。
【請求項8】
図面の印刷イメージから複数の寸法線及び寸法値の対を検出する寸法線検出手段、
前記対に対する評価値を決定する評価値決定手段、
前記印刷イメージにおける各寸法線の実寸を計測する計測手段、
実寸と各寸法値の比を算出する寸法比算出手段、
前記比を複数の数値範囲のいずれかに割り当てる割当手段、
数値範囲について、該数値範囲に割り当てられた前記比に対する前記評価値に基づいて、総合評価値を算出する総合値算出手段、
前記総合評価値に基づいて、いずれか少なくとも一つの数値範囲を選択する選択手段、及び
選択された前記数値範囲に基づいて前記印刷イメージの縮尺を決定する縮尺決定手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図面縮尺推定装置、図面縮尺推定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
設計図面データは、2次元CADや3次元CADにより作成される。そうして作成された設計図面データは、紙に印刷されたり、印刷イメージを示す各種の電子データに変換されたりしてから利用される。
【0003】
設計図面データを紙や電子データに出力する場合には、その用紙サイズに合わせて正しい縮尺を用紙中に記載しておくことが望ましい。しかしながら、そのような作業は煩雑であり、現実に存在する印刷図面や、電子データが示す印刷イメージには、正しい縮尺が表されていないことも多い。この点、下記特許図面1には、印刷イメージに記された寸法線と、その寸法線内にある文字情報とを抽出し、抽出した寸法線の設計図面データ上での長さと、抽出した文字列から取得された数値から、印刷イメージの縮尺を推定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5477874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般的なコンピュータ処理によって、印刷イメージに記された寸法線内にある文字列として抽出された文字列は、その寸法線の長さを示しているとは限らない。例えば、ある寸法線について抽出された文字列が、実際には別の寸法線の長さを示していたり、寸法とは関係のない別の情報を示していたりする場合がある。そのような誤った情報に基づいて推定される縮尺は、確からしさを担保できるものとはいえない。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、印刷図面や電子データにより示される印刷イメージから、より確からしい縮尺を推定できる図面縮尺推定装置、図面縮尺推定方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る図面縮尺推定装置は、図面の印刷イメージから複数の寸法線及び寸法値の対を検出する寸法線検出手段と、前記対に対する評価値を決定する評価値決定手段と、前記印刷イメージにおける前記各寸法線の実寸を計測する計測手段と、前記各実寸と前記各寸法値の比を算出する寸法比算出手段と、前記比を複数の数値範囲のいずれかに割り当てる割当手段と、前記各数値範囲について、該数値範囲に割り当てられた前記比に対する前記評価値に基づいて、総合評価値を算出する総合値算出手段と、前記総合評価値に基づいて、いずれか少なくとも一つの数値範囲を選択する選択手段と、選択された前記数値範囲に基づいて前記印刷イメージの縮尺を決定する縮尺決定手段と、を含む。
【0008】
また、本発明の一態様に係る図面縮尺推定装置では、前記縮尺決定手段は、選択された前記数値範囲に割り当てられた前記比の統計的代表値を前記縮尺として決定する。
【0009】
また、本発明の一態様に係る図面縮尺推定装置では、前記統計的代表値は、選択された前記数値範囲に割り当てられた前記比の中央値である。
【0010】
また、本発明の一態様に係る図面縮尺推定装置では、前記評価値決定手段は、前記寸法値の文字サイズに応じて該寸法値に係る前記対に対する前記評価値を決定する。
【0011】
また、本発明の一態様に係る図面縮尺推定装置では、前記寸法線検出手段は、一つの前記寸法値に対応する前記寸法線を一又は複数検出し、前記評価値決定手段は、前記寸法値に対応する前記寸法線が複数検出されたか否かに応じて、該寸法線に係る前記対に対する前記評価値を決定する。
【0012】
また、本発明の一態様に係る図面縮尺推定方法は、図面の印刷イメージから複数の寸法線及び寸法値の対を検出するステップと、前記対に対する評価値を決定するステップと、前記印刷イメージにおける前記各寸法線の実寸を計測するステップと、前記各実寸と前記各寸法値の比を算出するステップと、前記比を複数の数値範囲のいずれかに割り当てるステップと、前記各数値範囲について、該数値範囲に割り当てられた前記比に対する前記評価値に基づいて、総合評価値を算出するステップと、前記総合評価値に基づいて、いずれか少なくとも一つの数値範囲を選択する選択手段と、選択された前記数値範囲に基づいて前記印刷イメージの縮尺を決定するステップと、を含む。
【0013】
また、本発明の一態様に係るプログラムは、図面の印刷イメージから複数の寸法線及び寸法値の対を検出する寸法線検出手段、前記対に対する評価値を決定する評価値決定手段、前記印刷イメージにおける前記各寸法線の実寸を計測する計測手段、前記各実寸と前記各寸法値の比を算出する寸法比算出手段、前記比を複数の数値範囲のいずれかに割り当てる割当手段、前記各数値範囲について、該数値範囲に割り当てられた前記比に対する前記評価値に基づいて、総合評価値を算出する総合値算出手段、前記総合評価値に基づいて、いずれか少なくとも一つの数値範囲を選択する選択手段、及び選択された前記数値範囲に基づいて前記印刷イメージの縮尺を決定する縮尺決定手段として、コンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、図面により示される印刷イメージから、より確からしい縮尺を推定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る図面縮尺推定装の構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る図面縮尺推定装の機能ブロック図である。
図3】図面縮尺推定装で実行される縮尺推定処理の一例を示す図である。
図4】印刷イメージの一例を示す図である。
図5A】図面縮尺推定装で実行される前処理の一例を示す図である。
図5B】図面縮尺推定装で実行される前処理の一例を示す図である。
図6】図面縮尺推定装で実行される寸法線検出処理の一例を示す図である。
図7】印刷イメージの一例を示す図である。
図8A】寸法値及び寸法線の一例を示す図である。
図8B】寸法値及び寸法線の一例を示す図である。
図9】寸法線検出処理の処理結果の一例を示す図である。
図10】図面縮尺推定装で実行される集計処理の一例を示す図である。
図11】基準評価値データの一例を示す図である。
図12】集計処理の処理結果の一例を示す図である。
図13】集計処理の処理結果の一例を示す図である。
図14】集計処理の処理結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はあくまで一例にすぎず、当業者において発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る図面縮尺推定装の構成を示す。図面縮尺推定装置1は図面により示される印刷イメージから縮尺を推定するものであり、図1に示すように、制御部10、記憶部11、通信部12、表示部13を含む。図面縮尺推定装置1は、ユーザが操作するコンピュータであり、例えば、デスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯電話機(スマートフォンを含む)である。
【0018】
制御部10は、少なくとも一つのマイクロプロセッサ(CPU)を含む。記憶部11は、主記憶部(例えばRAM)及び補助記憶部(例えば、不揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブ、又はソリッドステートドライブ)を含む。記憶部11はプログラム(オペレーティングシステムを含む)やデータを記憶するためのものであり、制御部10は記憶部11に記憶されているプログラムに従って情報処理を実行する。通信部12は、ネットワークを介して他の装置(記憶装置や画像読取装置)とデータ通信するためのものである。
【0019】
表示部13は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであり、画像を表示するためのものである。なお、表示部13は、図面縮尺推定装置1に接続された外部装置として設けられてもよいし、図面縮尺推定装置1自体に設けられていてもよい。
【0020】
図2は、図面縮尺推定装置1で実現される機能ブロックの一例を示す。図2に示すように、図面縮尺推定装置1は、図面取得部100と、画像処理部110と、寸法線検出部120と、実寸計測部130と、寸法比算出部140と、評価値決定部150と、割当部160と、総合評価値算出部170と、数値範囲選択部180と、縮尺決定部190と、縮尺出力部200と、を含む。これらの機能は、制御部10が記憶部11に記憶されているプログラムを実行することによって実現される。以下では主としてフローチャートを参照しながら、図面縮尺推定装置1の各機能ブロック(制御部10が実行する動作)について説明する。
【0021】
図3は、図面縮尺推定装置1で実行される縮尺推定処理の一例を示す。まず、図面取得部100は、本発明の「図面」に相当する図面データを取得する(ステップS101を参照)。図面取得部100は、記憶部11に予め記憶されている図面データを取得してもよいし、通信部12を介して外部の記憶装置に記憶されている図面データやスキャナ等の画像読取装置によって読み取られた図面データを取得(ダウンロード)してもよい。
【0022】
図面データは、印刷用紙等の媒体に印刷(出力)される印刷イメージを含む。図面データは、例えば2次元CADや3次元CADにより作成された設計図面データからPDF等の形式に変換されたデータであり、印刷イメージとして、現実世界の空間(設計現場等)を平面的に模した線図画像を含む。また、図面データは、表示部13に表示されるサイズから印刷した場合の現実世界におけるサイズに換算するための情報として、画像解像度の情報(例えば、1インチ毎のピクセル数、又は1インチ毎のドット数)を含む。
【0023】
図4は、図面データに含まれる印刷イメージの一例を示す図であり、印刷イメージの拡大図を示す。図4に示すように、印刷イメージ2には、寸法値(図4のA1~A6を参照)と、これら寸法値にそれぞれ対応する線分である寸法線B1~B4(図4のB1~B6を参照)と、寸法補助線(図4のC1~C7を参照)が記載される。寸法値、寸法線、及び寸法補助線は、現実世界における物体(構造物や土地等)の長さを示している。
【0024】
図3に戻り、画像処理部110は、図面取得部100によって取得された図面データに含まれる印刷イメージ2に対し、寸法線B1~B4の位置及び長さを特定しやすくするための所与の画像処理(前処理)を実行する(ステップS102を参照)。
【0025】
図5A及び図5Bは、画像処理部110により実行される前処理の一例を示す。図5Aに示すように、画像処理部110は、印刷イメージ2に描かれている曲線を複数の直線で近似する。また、図5Bに示すように、画像処理部110は、印刷イメージ2に描かれている破線を実線に変換する。
【0026】
図3に戻り、寸法線検出部120、実寸計測部130、及び寸法比算出部140は、寸法線検出処理を実行する(ステップS103を参照)。
【0027】
図6は、寸法線検出部120、実寸計測部130、及び寸法比算出部140により実行される寸法線検出処理の一例を示す。各機能ブロックは、図6に示すステップS201~ステップS209までの処理を、印刷イメージ2に含まれる全ての寸法値(例えば、図4のA1~A6)を検出するまで繰り返す。
【0028】
寸法線検出部120は、印刷イメージ2から複数の寸法線及び寸法値の対を検出する。まず、寸法線検出部120は、印刷イメージ2の中から未検出の寸法値のうちの一つを検索(検出)する(図6のステップS201を参照)。より具体的には、寸法線検出部120は寸法値を示すと思しき数値を含むテキストを、正規表現に従って検索する。寸法線検出部120は、例えば“L=”の後に続く数値や、その他“=”又はばつの文字が含まれない任意の文字列の後に続く数値を、当該テキストが“EL=”や“R=”の文字を含まないという条件のもとに検索する。
【0029】
寸法線検出部120は、数値の後に“km”“m”“cm”“mm”等の文字列が記載されている場合には、その文字列が示す長さの単位を当該寸法値の単位として検出し、これら単位を示す文字列が記載されていない場合には、予め定められた単位(例えば、ミリメートル)を当該寸法値の単位として検出する。また、寸法線検出部120は、各寸法値の文字サイズ(フォントサイズ)を特定する。ここで未検出の寸法値が検索されない場合、寸法線検出部120、実寸計測部130、及び寸法比算出部140は、寸法線検出処理を終了する。
【0030】
次いで、寸法線検出部120は、ステップS201で検索された寸法値が矩形で囲まれていないかを判定する(図6のステップS202を参照)。これは、寸法線とは関係のない表のセル内に含まれている数値が、寸法値として検出されることを防止するためのものである。寸法値が矩形で囲まれていると判定された場合(ステップS202のNoを参照)、寸法線検出部120は、未検出の寸法値(次の寸法値)を検索する(ステップS201を参照)。
【0031】
ステップS202において寸法値が矩形で囲まれていないと判定された場合(図6のステップS202:Yesを参照)、寸法線検出部120は、ステップS201で検索された一つの寸法値に対応する一又は複数の寸法線を検出する。ここで、当該一つの寸法値について寸法線が検出されなかった場合(ステップS203:Noを参照)、寸法線検出部120は、次の寸法値を検索する(ステップS201を参照)。例えば、寸法線検出部120は、寸法値のテキストに隣接し、且つ、当該テキストが並ぶ方向に対して平行又は略平行に描かれる線分(直線及び曲線)を、寸法線として検出する。図4に示した例では、寸法値A1に対応するものとして寸法線B1を検出し、寸法値A2に対応するものとして寸法線B2を検出し、寸法値A3に対応するものとして寸法線B3を検出し、寸法値A4に対応するものとして寸法線B4を検出し、寸法値A5に対応するものとして寸法線B5を検出し、寸法値A6に対応するものとして寸法線B6を検出する。
【0032】
また例えば、寸法線検出部120は、両端が矢印や点(丸印)等で構成されている線分を寸法線として検出し、それ以外の線分については寸法線として検出しない。この場合、寸法線検出部120は、寸法値を示すテキストが、「5桁以上の数値を含む」や「“L=”の文字列を含む」といった例外的な条件を満たす場合に、両端が矢印や点等で構成されていない線分についても寸法値として検出してもよい。
【0033】
ステップS201で検索された寸法値について一以上の寸法線が検出された場合(ステップS203のYesを参照)、寸法線検出部120は、検出された寸法線に対応する二つの寸法補助線を検出する。寸法線検出部120は、例えば、寸法線の一端と多端に接し、互いに平行に並ぶ二つの直線であって、且つ、同一方向に所定の長さを超えて伸びる二つの直線を、寸法補助線として検出する。図4に示した例では、寸法線B1に対応するものとして寸法補助線C1,C2を検出し、寸法線B2に対応するものとして寸法補助線C2,C3を検出し、寸法線B3に対応するものとして寸法補助線C1,C4を検出し、寸法線B4に対応するものとして寸法補助線C4,C5を検出し、寸法線B5に対応するものとして寸法補助線C5,C2を検出し、寸法線B6に対応するものとして寸法補助線C6,C7を検出する。
【0034】
ただし寸法線検出部120は、寸法線に接する二つの直線が多角形を構成する場合、これら二つの直線を寸法補助線として検出しない。この場合、これら二つの直線は、寸法補助線ではなく建物等の構造物を示している可能性が高いためである。図7は、寸法値と接する線分が、寸法線及び寸法補助線ではなく、構造物の一部分である一例を示す。
【0035】
実寸計測部130は、印刷イメージ2における各寸法線の実寸を計測する。寸法線について二つの寸法補助線が検出された場合(図6のステップS204:Yesを参照)、実寸計測部130は、これら二つの寸法補助線の間の距離を、その寸法線の実寸として計測する(ステップS205を参照)。実寸計測部130は、例えば図4に示した寸法線B1~B6の実寸として、それぞれ寸法補助線C1,C2の間の距離と、寸法補助線C2,C3の間の距離と、寸法補助線C1,C4の間の距離と、寸法補助線C4,C5の間の距離と、寸法補助線C5,C2の間の距離と、寸法補助線C6,C7の間の距離とを計測する。
【0036】
この際、実寸計測部130は、図面データの座標系から現実世界の座標系に変換する。例えば、寸法補助線の間の画素数(ピクセル数、又はドット数)を計測し、これに図面データに設定される画像解像度(例えば、1インチ毎のピクセル数、又は1インチ毎のドット数)の逆数を掛けて、さらに所定の単位(例えば、ミリメートル)に換算することにより、印刷イメージ2を印刷した場合の寸法線の長さ(実寸)を計測する。
【0037】
寸法線について二つの寸法補助線が検出されなかった場合(図6のステップS204:Noを参照)、実寸計測部130は、当該寸法線の長さを実寸として計測する(ステップS206を参照)。実寸計測部130は、ステップS205と同様に、図面データの座標系から現実世界の座標系に変換する。寸法線の両端が矢印や点等で構成される場合、これら矢印や点等の先端までの長さを実寸として計測する。なお、寸法線について二つの寸法補助線が検出されなかった場合(ステップS204のNoを参照)、実寸計測部130は実寸の計測を行わず、寸法線検出部120は次の寸法値を検索するようにしてもよい(ステップS201を参照)。
【0038】
寸法比算出部140は、各実寸と各寸法値の比(以下では検出比とも称する)を算出する。より具体的には、寸法比算出部140は、図6のステップS201で検索された一つの寸法値について、ステップS205又はステップS206で計測された実寸との比を算出する(ステップS207を参照)。
【0039】
ここで、寸法線検出部120は、検出比の算出に用いられた実寸に係る寸法線について、他の寸法値の有無を検出(検索)する。即ち、寸法線検出部120は、一つの寸法線に対応する一又は複数の寸法値を検出する。より具体的には、検出された寸法線に接し、且つ、当該寸法線が伸びている方向と同一方向に並ぶテキストに含まれる寸法値が未検出である場合、その寸法値を、当該寸法線に対応する寸法値として検出する。ここで、実寸に係る寸法線について他の寸法値が検出された場合(図6のステップS208:Yesを参照)、寸法比算出部140は、その検出された寸法値と、当該寸法線の実寸との比(検出比)を算出する。
【0040】
図8Aは、一つの寸法線に複数の寸法値が接している一例を示す。なお、図8Aに示すように一つの寸法線B7に対して二つの寸法値A7,A8が隣接している場合、寸法線検出部120は、寸法値A7及び寸法線B7からなる対と、寸法値A8及び寸法線B7からなる対とを検出する。そして、寸法比算出部140は、寸法線B7の実寸と寸法値A7との検出比と、寸法線B7の実寸と寸法値A8との検出比とを算出する。
【0041】
また、寸法線検出部120は、一つの寸法値に対応する線分が複数検出される場合、これら複数の線分を、当該寸法値に対応する寸法線として検出する。寸法値について他の寸法線が検出された場合(図6のステップS209:Yesを参照)、実寸計測部130は、当該他の寸法線についても実寸を計測し(ステップS204~S207を参照)、寸法比算出部140は、当該他の寸法線の実寸と寸法値との検出比を算出する。ステップS201で検索された寸法値について他の寸法線が検出されない場合(ステップS209:Noを参照)、寸法線検出部120は、次の寸法値を検索する(ステップS201を参照)。
【0042】
図8Bは、複数の寸法線が一つの寸法値に接している一例を示す。図8Bに示すように二つの寸法線B8,B9が一つの寸法値A9に隣接している場合、寸法線検出部120は、寸法値A9及び寸法線B8からなる対と、寸法値A9及び寸法線B9からなる対とを検出する。そして、寸法比算出部140は、寸法線B8の実寸と寸法値A9との検出比と、寸法線B9の実寸と寸法値A9との検出比を算出する。
【0043】
図9は、寸法線検出部120、実寸計測部130、及び寸法比算出部140により実行される寸法線検出処理の実行結果の一例を示す。図9に示すように、寸法線検出処理により、寸法値及び寸法線の対の情報として、寸法値、寸法値の文字サイズ、寸法線の実寸、実寸と寸法値との検出比が取得される。なお、寸法値と、寸法線の実寸の単位は、所定の単位(本実施形態ではミリメートル)に統一される。
【0044】
例えば、図4に示したうち、寸法値A1と寸法線B1との対に対して、検出比“1/207.900”が算出される。また、寸法値A2と寸法線B2との対に対して、検出比“1/207.900”が算出される。また、寸法値A3と寸法線B3との対に対して、検出比“1/198.020”が算出される。また、寸法値A4と寸法線B4との対に対して、検出比“1/198.413”が算出される。また、寸法値A5と寸法線B5との対に対して、検出比“1/199.799”が算出される。また、寸法値A6と寸法線B6との対に対して、検出比“1/194.320”が算出される。
【0045】
また例えば、図8Aのように、一つの寸法線B7に複数の寸法値A7,A8が接している場合、寸法値A7と寸法線B7との対に対しては、検出比“1/189.573”が算出され、寸法値A8と寸法線B7との対に対しては、検出比“1/142.180”が算出される。また例えば、図8Bのように複数の寸法線B8,B9が一つの寸法値A9に接している場合、寸法値A9と寸法線B8との対に対しては、検出比“1/200.669”が算出され、寸法値A9と寸法線B9との対に対しては、検出比“1/389.610”が算出される。
【0046】
図3に戻り、評価値決定部150、割当部160、総合評価値算出部170、数値範囲選択部180、及び縮尺決定部190は、検出された各寸法値及び各寸法線の検出比について、集計処理を実行する(ステップS104を参照)。
【0047】
図10は、評価値決定部150、割当部160、総合評価値算出部170、数値範囲選択部180、及び縮尺決定部190により実行される集計処理(図3のステップS104を参照)の一例を示す。
【0048】
図10に示すように、評価値決定部150は、印刷イメージ2に含まれる寸法値及び寸法線の対に対する評価値を決定する(ステップS301を参照)。換言すると、評価値決定部150は、寸法線の実寸と寸法値との比(検出比)に対する評価値を決定する。
【0049】
評価値決定部150は、ステップS201(図6を参照)において検索された寸法値の文字サイズに応じて、該寸法値に係る対に対する評価値(該寸法値に係る検出比に対する評価値)を決定する。このようにすることで、印刷イメージ2の寸法値の文字サイズに応じて、寸法値に係る対(検出比)の評価値を変えることができる。
【0050】
図11は、各文字サイズに応じた基準評価値に関する基準評価値データの一例を示す。基準評価値データでは、例えば文字サイズが大きいほど基準評価値が大きくなるように、基準評価値が設定される。なお、基準評価値データは、予め記憶部11に記憶されていてもよいし、サーバなどの外部の記憶装置から通信部12を介して取得(ダウンロード)されるものであってもよい。
【0051】
評価値決定部150は、基準評価値データを参照し、寸法値の文字サイズに対応する基準評価値を、当該寸法値と寸法線との対(検出比)に対する評価値として決定する。評価値決定部150は、例えば寸法値の文字サイズが大きいほど評価値が大きくなるようにして、寸法値に係る評価値を決定する。図11に示した例では、寸法値の文字サイズが“9”又は“10”の場合には、その寸法値に係る評価値として“3”が決定され、当該文字サイズが“11”又は“12”の場合には、その寸法値に係る評価値として“4”が決定され、当該文字サイズが“13”又は“14”の場合には、その寸法値に係る評価値として“5”が決定される。
【0052】
評価値決定部150は、寸法値に対応する寸法線が複数検出されたか否かに応じて、該寸法線に係る対(即ち、検出比)に対する評価値を決定する。評価値決定部150は、一つの寸法値に対して複数の寸法線が検出された場合(換言すると、一つの寸法値に対して複数の検出比が算出された場合)、当該一つの寸法値に対して一つの寸法線しか検出されなかった場合に比べて評価値が小さくなるようにして、当該寸法値に係る評価値を決定する。より具体的には、寸法値の文字サイズに応じた基準評価値から寸法線の数で割った値を、当該寸法値に係る評価値として決定する。このようにすることで、組み合わせが誤っている可能性がある寸法値及び寸法線の対に対して、評価値を低減することができる。
【0053】
また、評価値決定部150は、寸法線に対応する寸法値が複数検出されたか否かに応じて、該寸法値に係る対(即ち、検出比)に対する評価値を決定する。一つの寸法線に対して複数の寸法値が検出された場合(換言すると、一つの寸法線に対して複数の検出比が算出された場合)、評価値決定部150は、当該一つの寸法線に対して一つの寸法値しか検出されなかった場合に比べて評価値が小さくなるようにして、当該寸法値に係る評価値を決定する。より具体的には、当該寸法線について検出された、各寸法値の文字サイズに応じた各基準評価値の統計的な値(例えば、各基準評価値の平均値)から寸法値の数で割った値を、検出比に対する評価値として決定する。このようにすることでも、組み合わせが誤っている可能性がある寸法値及び寸法線の対に対して、評価値を低減することができる。
【0054】
図11は、評価値決定部150により実行される処理の実行結果の一例を示す。例えば、寸法値の文字サイズが“12”であり、当該寸法値について検出された寸法線の数が二つである場合、評価値決定部150は、文字サイズ“12”に応じた基準評価値“4”から、これら寸法線の数で割った値“2”を、当該寸法値と第1の寸法線(寸法線1)の対と、当該寸法値と第2の寸法線(寸法線2)の対と、の双方に対する評価値として決定する。また例えば、一つの寸法線について検出された二つの寸法値の文字サイズが、いずれも“11”である場合、評価値決定部150は、その文字サイズ“11”に対応する基準評価値“4”から、これら寸法値の数で割った値“2”を、当該寸法線と第1の寸法値の対と、当該寸法値と第2の寸法値の対と、の双方に対する評価値として決定する。
【0055】
図10に戻り、割当部160は、寸法値及び寸法線の比(検出比)を複数の数値範囲のいずれかに割り当てる(ステップS302を参照)。総合評価値算出部170は、各数値範囲について、ステップS302において該数値範囲に割り当てられた検出比に対する評価値に基づいて、総合評価値を算出する(ステップS303を参照)。例えば、総合評価値算出部170は、一つの数値範囲に割り当てられた検出比に対する評価値の合計を、当該数値範囲の総合評価値として算出する。
【0056】
図13は、割当部160及び総合評価値算出部170により実行される処理結果の一例を示す。なお、図13において、「縮尺グループ」は、各数値範囲の代表値を示す。例えば、図13に示すように、数値範囲“1/186~1/195”内に含まれる検出比“1/189.573”“1/194.371”が、この数値範囲“1/186~1/195”に割り当てられる。また、数値範囲“1/196~1/205”内に含まれる検出比“1/198.020”“1/198.413”“1/199.799”“1/200.669”“1/202.361”が、この数値範囲“1/196~1/205”に割り当てられる。また、数値範囲“1/206~1/215”内に含まれる検出比“1/207.900”が、この数値範囲“1/206~1/215”に割り当てられる。
【0057】
また、図13に示すように、総合評価値算出部170は、数値範囲“1/186~1/195”に割り当てられた各検出比の評価値“2”“3”の合計である“5”を、この数値範囲“1/186~1/195”の総合評価値として算出する。総合評価値算出部170は、同様に“19”及び“5”を、それぞれ数値範囲“1/196~1/205”及び“1/206~1/215”の総合評価値として算出する。
【0058】
図10に戻り、数値範囲選択部180は、ステップS303において各数値範囲について算出された総合評価値に基づいて、いずれか少なくとも一つの数値範囲を選択する(ステップS304を参照)。総合評価値が最も高い数値範囲が複数存在する場合、数値範囲選択部180は、これら複数の数値範囲を選択してもよいし、他の条件(例えば、割り当てられた検出比の数が最多になるといった条件)に基づいて一つの数値範囲のみを選択してもよい。
【0059】
そして、縮尺決定部190は、ステップS304において選択された数値範囲に基づいて、印刷イメージ2の縮尺を決定して(ステップS305を参照)、集計処理を終了する。縮尺決定部190は、選択された数値範囲に割り当てられた複数の検出比の統計的代表値を、印刷イメージ2の縮尺として決定する。「統計的代表値」とは、例えば、選択された数値範囲に割り当てられた複数の検出比の中央値である。即ち、縮尺決定部190は、選択された数値範囲に割り当てられた複数の検出比の中央値を、印刷イメージ2の縮尺として決定する。ただし、印刷イメージ2の縮尺の決定は、必ずしもこれに限らない。縮尺決定部190は、例えば、選択された数値範囲に割り当てられた複数の検出比のうち、所定の条件を満たす一つや、これら複数の検出比の平均値等を「統計的代表値」とし、印刷イメージ2の縮尺を決定してもよい。
【0060】
図13は、数値範囲選択部180及び縮尺決定部190により実行される処理結果の一例を示す。図13に示すように、数値範囲選択部180は、算出された総合評価値が“19”と最も高い数値範囲である“1/196~1/205”を選択する。また、縮尺決定部190は、選択された数値範囲“1/196~1/205”に割り当てられた複数の検出比の中央値である“1/199.799”を、印刷イメージ2の縮尺として決定する。
【0061】
図3に戻り、縮尺出力部200は、ステップS305(図10を参照)において決定された印刷イメージ2の縮尺を出力する。ここで「縮尺を出力する」とは、例えば、表示部13に印刷イメージ2の縮尺を表示させたり、印刷用紙などの媒体に印刷したりすることである。このようにすることで、図面縮尺推定装置1の利用者は、縮尺決定部190により決定された縮尺、即ち、図面データに含まれる印刷イメージ2について推定された縮尺を把握することができる。
【0062】
以上のように、図面縮尺推定装置1は、検出された複数の寸法線及び寸法値の比を複数の数値範囲のいずれかに割り当て、これら複数の数値範囲について、各数値範囲に割り当てられた寸法線及び寸法値の比に対する評価値に基づいて、総合評価値を算出する。そして、総合評価値に基づいて、いずれか少なくとも一つの数値範囲を選択し、その選択した数値範囲に基づいて印刷イメージ2の縮尺を決定する。このように、総合評価値に基づいて数値範囲を選択することで、印刷イメージ2の縮尺について、より確からしい数値範囲に基づいて縮尺を推定することができる。即ち、印刷イメージ2から、より確からしい縮尺を推定することが可能になる。
【0063】
また、図面縮尺推定装置1は、寸法値の文字サイズに応じて、該寸法値と寸法線との対(検出比)に対する評価値を決定し、各数値範囲に割り当てられた対に対する評価値に基づいて、各数値範囲の総合評価値を算出する。例えば、印刷イメージ2では、重要度が高い寸法値について、文字サイズが他の寸法値よりも大きく記載される傾向がある。このため、寸法値の文字サイズに応じて評価値を決定することで、文字サイズとして反映された寸法値の重要度に基づいて、評価値を決定することができる。即ち、各寸法値の重要度を考慮して、印刷イメージ2の縮尺を推定することが可能になる。
【0064】
また、図面縮尺推定装置1は、寸法値に対応する寸法線が複数検出されたか否かに応じて、該寸法線に係る対(検出比)に対する評価値を決定する。このようにすることで、組み合わせが誤っている可能性がある寸法値及び寸法線の対に対しての評価値を低減することができ、印刷イメージ2の縮尺として、より確からしい縮尺を推定することが可能になる。
【0065】
また、図面縮尺推定装置1は、寸法線に対応する寸法値が複数検出されたか否かに応じて、該寸法値に係る対(検出比)に対する評価値を決定する。このようにすることでも、組み合わせが誤っている可能性がある寸法値及び寸法線の対に対しての評価値を低減することができ、印刷イメージ2の縮尺として、より確からしい縮尺を推定することが可能になる。
【符号の説明】
【0066】
1 図面縮尺推定装置、2 印刷イメージ、10 制御部、11 記憶部、12 通信部、13 表示部、100 図面取得部、110 画像処理部、120 寸法線検出部、130 実寸計測部、140 寸法比算出部、150 評価値決定部、160 割当部、170 総合評価値算出部、180 数値範囲選択部、190 縮尺決定部、200 縮尺出力部。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14