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特許7396616アセット管理システムおよびアセット管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】アセット管理システムおよびアセット管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/30 20060101AFI20231205BHJP
   G06F 11/32 20060101ALI20231205BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20231205BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20231205BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20231205BHJP
【FI】
G06F11/30 155
G06F11/30 140D
G06F11/32 110
H04N7/18 D
H04N7/18 B
H04N5/222 100
H04N23/60
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019122355
(22)【出願日】2019-06-28
(65)【公開番号】P2021009507
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】320008672
【氏名又は名称】i-PRO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩尾 稔
(72)【発明者】
【氏名】濱田 準一
(72)【発明者】
【氏名】野本 正浩
(72)【発明者】
【氏名】新井 慎一
【審査官】多賀 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-348663(JP,A)
【文献】特開2008-108111(JP,A)
【文献】特開2018-061216(JP,A)
【文献】特開2011-175566(JP,A)
【文献】特開2016-173628(JP,A)
【文献】特開2006-020075(JP,A)
【文献】特開2010-227355(JP,A)
【文献】特開2018-037964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/07
G06F 11/28-11/36
G06Q 50/00-50/34
G08B 23/00-31/00
H04N 5/222-5/257
H04N 7/18
H04N 23/00
H04N 23/40-23/76
H04N 23/90-23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
警官により装着可能なウェアラブルカメラと、前記ウェアラブルカメラに関する情報を管理するサーバとが通信可能に接続されるアセット管理システムであって、
前記ウェアラブルカメラは、
所定のタイミングに自機器の故障の有無を繰り返して診断し、その診断結果を前記サーバに通知し、
前記サーバは、
前記ウェアラブルカメラの診断結果を蓄積するデータベースと接続され、前記ウェアラブルカメラの診断結果を受信する度に前記データベースに蓄積し、
前記ウェアラブルカメラの診断結果を外部端末に表示し、
複数の前記ウェアラブルカメラのそれぞれを充電可能な充電台の位置情報を前記データベースに登録し、
前記ウェアラブルカメラの前記充電台への載置に応じて前記充電台から送られる第1状態変化信号の受信に応じて、対応する前記ウェアラブルカメラの位置情報を更新して前記データベースに登録する、
アセット管理システム。
【請求項2】
警官により装着可能なウェアラブルカメラと、前記ウェアラブルカメラに関する情報を管理するサーバとが通信可能に接続されるアセット管理システムであって、
前記ウェアラブルカメラは、
所定のタイミングに自機器の故障の有無を繰り返して診断し、その診断結果を前記サーバに通知し、
前記サーバは、
前記ウェアラブルカメラの診断結果を蓄積するデータベースと接続され、前記ウェアラブルカメラの診断結果を受信する度に前記データベースに蓄積し、
前記ウェアラブルカメラの診断結果を外部端末に表示し、
複数の前記ウェアラブルカメラのそれぞれを充電可能な充電台の位置情報を前記データベースに登録し、
前記ウェアラブルカメラの前記充電台への載置に応じて前記ウェアラブルカメラから送られる第1状態変化信号の受信に応じて、対応する前記ウェアラブルカメラの位置情報を更新して前記データベースに登録する
セット管理システム。
【請求項3】
れぞれの前記ウェアラブルカメラは、自機器の故障の有無の診断結果を前記サーバに通知し、
前記サーバは、
それぞれの前記ウェアラブルカメラからの前記診断結果を対応するウェアラブルカメラの識別情報と関連付けて前記データベースに蓄積する、
請求項1または2に記載のアセット管理システム。
【請求項4】
前記サーバは、
前記外部端末からのアクセスに応じて、前記ウェアラブルカメラの診断結果を前記外部端末に表示する、
請求項1または2に記載のアセット管理システム。
【請求項5】
前記サーバは、
前記ウェアラブルカメラの診断結果に異常データが含まれると判断した場合に、前記異常データの検知通知を前記外部端末に表示する、
請求項1または2に記載のアセット管理システム。
【請求項6】
前記サーバは、
前記ウェアラブルカメラの前記充電台からの取り外しに応じて前記充電台から送られる第2状態変化信号の受信に応じて、対応する前記ウェアラブルカメラの位置情報を更新して前記データベースに登録する、
請求項に記載のアセット管理システム。
【請求項7】
前記サーバは、
前記ウェアラブルカメラの前記充電台からの取り外しに応じて前記ウェアラブルカメラから送られる第2状態変化信号の受信に応じて、対応する前記ウェアラブルカメラの位置情報を更新して前記データベースに登録する、
請求項に記載のアセット管理システム。
【請求項8】
前記ウェアラブルカメラは、
自機器の位置情報を特定可能であり、警察署内のネットワークとは異なる他のネットワークへの接続を検知すると、前記自機器の位置情報を前記他のネットワークを介して前記サーバに送る、
請求項1または2に記載のアセット管理システム。
【請求項9】
前記サーバは、
前記ウェアラブルカメラの診断結果として、前記ウェアラブルカメラに内蔵されるバッテリ、前記ウェアラブルカメラに差し込まれる外部記録媒体の異常の有無と前記診断結果の更新時刻とを含むデータを前記外部端末に表示する、
請求項に記載のアセット管理システム。
【請求項10】
前記サーバは、
前記バッテリあるいは前記外部記録媒体の異常の示唆を示す表示領域への前記外部端末からの操作に応じて、対応する前記異常の詳細を表示する、
請求項に記載のアセット管理システム。
【請求項11】
前記サーバは、
前記外部端末からのアクセスに応じて、前記データベースに登録された前記ウェアラブルカメラの位置情報を前記外部端末に表示する、
請求項またはに記載のアセット管理システム。
【請求項12】
警官により装着可能なウェアラブルカメラと、前記ウェアラブルカメラに関する情報を管理するサーバとが通信可能に接続されるアセット管理システムにより実行されるアセット管理方法であって、
所定のタイミングに自機器の故障の有無を繰り返して診断し、その診断結果を前記サーバに通知し、
前記ウェアラブルカメラの診断結果を蓄積するデータベースと接続し、前記ウェアラブルカメラの診断結果を受信する度に前記データベースに蓄積し、
前記ウェアラブルカメラの診断結果を外部端末に表示し、
複数の前記ウェアラブルカメラのそれぞれを充電可能な充電台の位置情報を前記データベースに登録し、
前記ウェアラブルカメラの前記充電台への載置に応じて前記充電台から送られる第1状態変化信号の受信に応じて、対応する前記ウェアラブルカメラの位置情報を更新して前記データベースに登録する、
アセット管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウェアラブルカメラに関する情報を管理するアセット管理システムおよびアセット管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、デジタルカメラ等の電子機器のサポートを自動化してメーカ側のコストを下げ、ユーザには使い勝手のよい電子機器のリモートサポートシステムが開示されている。このリモートサポートシステムは、ナレッジデータベースとWebサーバと診断手続きを行うリモート診断フレームワークとを有する診断サーバと、Webブラウザと機器接続手段と電子機器から受信した診断アプリケーション実行結果ログを診断サーバへ送信する中継マネージャとを有するPCと、PC接続手段と診断アプリケーション実行結果を送信する診断マネージャとを有するデバイスとにより構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-240498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のリモートサポートシステムでは、一般ユーザが所有するデジタルカメラ等の一般家庭向けの電子機器が対象となっており、捜査機関の捜査員(例えば警察署の警官)がパトロール時あるいは事件現場に向かう時などに装着して業務時間内に使用するウェアラブルカメラを対象とすることは想定されていない。警官が装着するウェアラブルカメラは、特定の警官により属人的に使用されることもあれば、不特定多数の警官によりランダムに使用されることもある。このため、個人によってウェアラブルカメラの使われ方が異なり、故障し易いこともあれば故障しにくいこともある。しかし、一般家庭向けの電子機器とは異なり、警察の業務の特殊性に鑑みてウェアラブルカメラはその使用前に故障があってはならないため、ウェアラブルカメラが故障しているか否かのアセット管理は適正に行われることが求められると考えられる。
【0005】
本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、警察あるいは捜査機関の日常業務で使用されるウェアラブルカメラの故障の有無を定期的に判別して適正に管理し、警官あるいは捜査員の業務効率の劣化を抑制するアセット管理システムおよびアセット管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、警官により装着可能なウェアラブルカメラと、前記ウェアラブルカメラに関する情報を管理するサーバとが通信可能に接続されるアセット管理システムであって、前記ウェアラブルカメラは、所定のタイミングに自機器の故障の有無を繰り返して診断し、その診断結果を前記サーバに通知し、前記サーバは、前記ウェアラブルカメラの診断結果を蓄積するデータベースと接続され、前記ウェアラブルカメラの診断結果を受信する度に前記データベースに蓄積し、前記ウェアラブルカメラの診断結果を外部端末に表示し、複数の前記ウェアラブルカメラのそれぞれを充電可能な充電台の位置情報を前記データベースに登録し、前記ウェアラブルカメラの前記充電台への載置に応じて前記充電台から送られる第1状態変化信号の受信に応じて、対応する前記ウェアラブルカメラの位置情報を更新して前記データベースに登録する、アセット管理システムを提供する。
【0007】
また、本開示は、警官により装着可能なウェアラブルカメラと、前記ウェアラブルカメラに関する情報を管理するサーバとが通信可能に接続されるアセット管理システムにより実行されるアセット管理方法であって、所定のタイミングに自機器の故障の有無を繰り返して診断し、その診断結果を前記サーバに通知し、前記ウェアラブルカメラの診断結果を蓄積するデータベースと接続し、前記ウェアラブルカメラの診断結果を受信する度に前記データベースに蓄積し、前記ウェアラブルカメラの診断結果を外部端末に表示し、複数の前記ウェアラブルカメラのそれぞれを充電可能な充電台の位置情報を前記データベースに登録し、前記ウェアラブルカメラの前記充電台への載置に応じて前記充電台から送られる第1状態変化信号の受信に応じて、対応する前記ウェアラブルカメラの位置情報を更新して前記データベースに登録する、アセット管理方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、警察あるいは捜査機関の日常業務で使用されるウェアラブルカメラの故障の有無を定期的に判別して適正に管理でき、警官あるいは捜査員の業務効率の劣化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る通信システムのシステム構成の一例を示す概要説明図
図2】実施の形態1に係るアセット管理システムの構成を示す図
図3】ウェアラブルカメラのハードウェア構成を示すブロック図
図4】動作例1のパターン1におけるアセット管理システムの異常検知手順を示すフローチャート
図5】アセット管理画面を示す図
図6】動作例1のパターン2におけるウェアラブルカメラの異常検知手順を示すフローチャート
図7】メールの内容を示す図
図8】動作例2のパターン1におけるウェアラブルカメラの位置管理手順を示すフローチャート
図9】アセット管理画面GM3を示す図
図10】動作例2のパターン2におけるウェアラブルカメラの位置管理手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係るアセット管理システムおよびアセット管理方法を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0011】
以下の実施の形態では、ウェアラブルカメラは、警察署の警官が業務時間内に装着して使用するものとして説明するが、警察署の警官とは異なる捜査機関の捜査員がウェアラブルカメラを装着して使用する例に適用することも可能である。
【0012】
図1は、実施の形態1に係る通信システム1000のシステム構成の一例を示す概要説明図である。図1に示す通信システム1000は、警官の装着または所持が可能なウェアラブルカメラ10と、警察署PD(Police Department)内に配置される各種の機器と、警官が現場(Field)で使用する各種の機器と、警察車両7(Police Vehicle、例えばパトロールカー。以下同様。)の内部で使用または搭載される各種の機器と、警官の自宅(Officer Home)内で使用される各種の機器とにより構成される。ウェアラブルカメラ10は、警察署PD内に配置される各種の機器、警官が現場で使用する各種の機器、警察車両の内部で使用または搭載される各種の機器、警官の自宅内で使用される各種の機器のいずれかの一部に含まれて構わない。
【0013】
警察署PD内に配置される各種の機器は、例えばバックエンドサーバ50(BES:Back End Server)と、バックエンドストリーミングサーバ60(BSS:Back End Streaming Server)と、バックエンドクライアント70a,70b(BEC:Back End Client)と、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント63と、複数のウェアラブルカメラを一括して充電可能な充電装置の一例としてのギャングチャージャとを少なくとも含むが、これらに限定されない。
【0014】
警官が現場で使用する各種の機器は、例えば警官の所持が可能なスマートフォン40(タブレット端末でも可)と、警官の所持が可能な無線LANアクセスポイント45とを少なくとも含むが、これらに限定されない。なお、スマートフォン40や無線LANアクセスポイント45は、例えば警官が着用する制服のポケット等内にて所持される。
【0015】
警察車両7の内部で使用または搭載される各種の機器は、例えば車載カメラシステム30(ICV:In-Car Video system)と、車載PC32と、車載通信装置の一例としてのコモントリガーボックス100(CTB:Common Trigger Box)と、充電装置の一例としての充電台200と、回転警告灯PLとを少なくとも含むが、これらに限定されない。また、警察車両7は、無線LANアクセスポイント(不図示)を有する。無線LANアクセスポイントは、車載カメラシステム30、および車載カメラシステム30に接続されるウェアラブルカメラ10を警察署PD内のバックエンドサーバ50に無線接続する。
【0016】
警官の自宅内で使用される各種の機器は、例えばウェアラブルカメラ10を充電するためのクレードル(Cradle)と、ホームルータ(Home router)とを少なくとも含むが、これらに限定されない。
【0017】
車載カメラシステム30は、1つまたは複数の車載カメラ31、車載PC32および車載レコーダ33を有し、警察車両7で走行中に遭遇する事件やパトロール中等の状況を映像として撮像して記録する。1つまたは複数の車載カメラ31は、例えば警察車両7の前方を撮像するように設置されたカメラ、警察車両7の左側、右側、後方をそれぞれ撮像するように設置されたそれぞれのカメラのうち1つまたは複数を含む。車載PC32は、警官の操作に従って、車載カメラ31および車載レコーダ33の動作を制御する。車載レコーダ33は、複数の車載カメラ31でそれぞれ撮像された映像のデータを時系列に記録する。また、車載PC32は、USB(Universal Serial Bus)によってウェアラブルカメラ10と接続された場合には、ウェアラブルカメラ10を充電可能であるとともに、ウェアラブルカメラ10により撮像された映像のデータを、USBを介して取得し、車載PC32内にインストールされている既定のアプリケーションにおいて再生したり、警官の操作に従って、そのアプリケーションにおいて映像の属性情報を付与したりする。
【0018】
車載カメラシステム30は、コモントリガーボックス100と有線(例えばLAN通信)で接続され、コモントリガーボックス100からの指令に応じた動作(例えば車載カメラ31で撮像された映像のデータ記録(つまり、録画)の開始または停止)を行う。コモントリガーボックス100は、無線LANあるいはBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信で車載カメラシステム30とウェアラブルカメラ10とを無線接続する。車載カメラシステム30は、コモントリガーボックス100を介してウェアラブルカメラ10と通信可能に接続され、ウェアラブルカメラ10で撮影開始するタイミングと同時に車載レコーダ33で記録を開始する。また、逆に車載レコーダ33で撮影開始するタイミングと同時にウェアラブルカメラ10で記録を開始することもある。また、車載カメラシステム30は、ウェアラブルカメラ10で撮像された映像を車載レコーダ33に記録してもよい。なお、車載カメラシステム30は、警察車両7内の無線LANアクセスポイントを介して行われるLTE(Long Term Evolution)通信により警察署内のバックエンドサーバ50と直接に接続されてもよい。
【0019】
ウェアラブルカメラ10は、ユーザの一例としての警官の制服に装着または保持され、警官の外出中、警官の前方の状況を被写体として連続撮像する。ウェアラブルカメラ10は、撮像により得られた映像のデータを、コモントリガーボックス100を介して車載カメラシステム30に送信したり、ウェアラブルカメラ10と車載レコーダ33で同時に撮影を開始したり、無線LANアクセスポイント63を介してバックエンドサーバ50に直接送信したり、スマートフォン40或いは無線LANアクセスポイント45およびネットワークNW1(例えばモバイル通信ネットワーク網またはインターネット網)を介してバックエンドストリーミングサーバ60にストリーミングしたりする。また、警察署PD内では、ウェアラブルカメラ10は、USBによって接続されたバックエンドクライアント70b、または警察署PD内のLANによって接続されたバックエンドサーバ50に対し、撮像により得られた映像のデータを送ってもよい。また、ウェアラブルカメラ10は、手動でギャングチャージャの充電面に載置される事で、撮像映像のデータをバックエンドサーバ50に送信可能である。
【0020】
ウェアラブルカメラ10や車載カメラ31の撮像対象となる被写体には、単に人物だけではなく、事件の現場の情景、現場の近くに群がる群衆(いわゆる、野次馬)、更に、撮像位置の周囲の雰囲気も含まれる。警官は、ウェアラブルカメラ10と通信可能な無線端末の一例としてのスマートフォン40や無線LANアクセスポイント45を所持する場合もある。
【0021】
スマートフォン40は、電話機能および無線通信機能(例えばテザリング機能)を有し、例えば警察署からの緊急連絡または警察署への緊急連絡時に使用され、更に、ウェアラブルカメラ10からのデータを警察署PD内のバックエンドストリーミングサーバ60に中継する。また、スマートフォン40は、警官の操作に従って、ウェアラブルカメラ10の撮像映像のデータを再生したり、その撮像映像のデータに属性情報(メタデータ)を付与する等の編集をしたりする。
【0022】
無線LANアクセスポイント45は、ウェアラブルカメラ10からのデータを警察署PD内のバックエンドストリーミングサーバ60に中継する。ウェアラブルカメラ10とスマートフォン40や無線LANアクセスポイント45との間には、無線通信(例えばBLE)またはWLAN(無線LAN、例えばWifi(登録商標))が用いられる。なお、ウェアラブルカメラ10がスマートフォン40や無線LANアクセスポイント45を介してバックエンドストリーミングサーバ60にストリーミングする等の高速通信の際には、BLEよりも伝送速度が高速な無線LANを用いた無線通信が使用される。一方、ウェアラブルカメラ10の撮像映像の事件番号などのデータをスマートフォン40にて編集する等の低速通信で実現可能な際には、BLEを用いた無線通信が使用される。
【0023】
バックエンドサーバ50は、事件の証拠映像をコンテンツとして管理するコンテンツ管理サーバ51(図2参照)、およびウェアラブルカメラ10および車載カメラシステム30を管理するデバイス管理サーバ55(図2参照)を含む。コンテンツ管理サーバ51およびデバイス管理サーバ55の詳細については後述する。
【0024】
また、バックエンドサーバ50は、バックエンドクライアント70a,70bを使用するユーザ(例えば、システム管理者、警察署PD内の解析専門官等)の操作に応じた要求に従い、例えばウェアラブルカメラ10や車載カメラ31により撮像された映像を構成する画像フレーム中の顔を認識する顔認識機能やその映像の少なくとも一部を画像処理等で編集する編集機能等の映像解析機能を有する。バックエンドクライアント70aは、システム管理者がウェアラブルカメラ10および車載カメラシステム30の状態や位置情報を管理するために使用されるPCである。バックエンドクライアント70bは、ウェアラブルカメラ10で撮像された映像のデータをバックエンドサーバ50にアップロードするために使用されるアップロード専用のPCである。また、バックエンドサーバ50は、バックエンドクライアント70a,70bを使用するユーザ(例えばシステム管理者、警察署PD内の解析専門官)の操作に応じた要求に従い、ウェアラブルカメラ10や車載カメラ31により撮像された映像を再生する再生機能を有する。
【0025】
バックエンドストリーミングサーバ60は、ウェアラブルカメラ10からストリーミングされた映像のデータを受信し、バックエンドサーバ50に転送する。
【0026】
バックエンドクライアント70a,70bは、例えばPCにより構成され、バックエンドサーバ50内の不審人物データベース(不図示)にアクセスし、犯罪者等の事件に関する情報を検索してその検索結果をディスプレイデバイス(例えばバックエンドクライアント70a,70bに設けられたLCD(Liquid Crystal Display))上に表示可能なブラウザまたは専用アプリケーションを有する。なお、本明細書および添付図面において、データベースを「DB」と略記する場合がある。不審人物データベースには、例えば指名手配中の人物や過去の犯罪者等が事件を識別する情報(例えば事件番号)に対応付けて予め登録されている。また、バックエンドクライアント70a,70bは、バックエンドサーバ50の音声データベースにアクセスし、犯罪者等の事件に関する音声情報を検索可能である。なお、バックエンドクライアント70は、警察署の内部に設置されるだけでなく、警察署の外部に設置されたものでもよい。また、バックエンドクライアント70は、シンクライアント型のPC或いはリッチクライアント型のPCのいずれであってもよい。
【0027】
無線LANアクセスポイント63は、ウェアラブルカメラ10と無線LAN(WLAN)によって無線接続し、例えばウェアラブルカメラ10から送信された映像のデータを中継してバックエンドサーバ50に転送する。
【0028】
ギャングチャージャは、複数の警官がそれぞれ装着または所持するウェアラブルカメラ10を所定の充電面上に載置可能であり、載置された個々のウェアラブルカメラ10のバッテリを充電する。ギャングチャージャは、充電中にウェアラブルカメラ10との間で有線通信を行い、ウェアラブルカメラ10に記憶された映像のデータをバックエンドサーバ50に送信する機能も有する。または、ウェアラブルカメラ10は、ギャングチャージャを介して、LANインターフェース(不図示)によりバックエンドサーバ50と直接通信してもよい。また、ギャングチャージャは、USBケーブルを介してバックエンドクライアント70bに有線接続される。
【0029】
コモントリガーボックス100は、回転警告灯PL、サイレン(不図示)、車載カメラシステム30、充電台200との間でそれぞれ有線(例えばLAN通信)によって接続されるとともに、ウェアラブルカメラ10が充電台200に接続された時には充電台200を介してウェアラブルカメラ10とも接続可能である。コモントリガーボックス100は、コモントリガーボックス100に有線または無線にて接続された機器(以下、「CTB接続機器」とも称する場合がある)とウェアラブルカメラ10との間でBLE或いはWLAN(無線LAN)を用いて録画開始や録画停止の制御信号を送る事で、ウェアラブルカメラ10とCTB接続機器との間で同期した録画開始や録画停止の実行を制御する。CTB接続機器は、例えば上述した回転警告灯PL、サイレン(不図示)、車載カメラシステム30、充電台200である。
【0030】
また、コモントリガーボックス100は、例えば車載カメラシステム30との間が有線(例えばLAN通信)で接続される場合に、車載カメラシステム30に対し、録画開始または録画停止の制御信号を送る。これにより、車載カメラシステム30は、コモントリガーボックス100からの制御信号に応じた動作として、例えば車載カメラ31で撮像された映像のデータの車載レコーダ33への記録(録画)を開始したり、その記録(録画)を停止したりできる。コモントリガーボックス100は、例えば回転警告灯PLまたはサイレン等の警察車両搭載機器からの動作開始信号を取得すると、その警察車両搭載機器の使用開始を検知し、コモントリガーボックス100に接続されたウェアラブルカメラ10や車載カメラシステム30に対し、録画開始や録画停止の制御信号を送る。これにより、ウェアラブルカメラ10や車載カメラシステム30は、コモントリガーボックス100からの制御信号に応じた動作として、例えば回転警告灯PLの回転開始またはサイレンの音声出力に伴って、撮像により得られた映像のデータの録画を開始したり停止したりできる。
【0031】
コモントリガーボックスの接続機器が、車載レコーダ33およびウェアラブルカメラ10のみである場合は、一方(例えば車載レコーダ33)が録画の開始または停止した事をコモントリガーボックス100へ伝えると、コモントリガーボックス100は、もう一方(例えばウェアラブルカメラ10)へ録画の開始または停止の制御信号を送る。これにより、コモントリガーボックス100は、車載レコーダ33およびウェアラブルカメラ10の両者をほぼ同時に録画を開始したりまたは停止したりする事が可能となる。
【0032】
充電台200は、例えば警察車両7の既定位置(例えばセンターコンソールの付近)に配置され、コモントリガーボックス100との間で有線(例えばLANケーブルを使ったPoE(Power over Ethernet(登録商標)))によって接続される。充電台200は、ウェアラブルカメラ10を載置するための充電面を有する。充電台200は、コモントリガーボックス100との間で有線(例えばLANケーブルを使ったPoE)によって接続され、かつ充電面にウェアラブルカメラ10が載置された事でウェアラブルカメラ10との間が接続された場合、コモントリガーボックス100からの供給電流に基づいてウェアラブルカメラ10のバッテリを充電可能である。
【0033】
また、警官は、例えば自宅に帰宅した時または休暇中に、ウェアラブルカメラ10をウェアラブルカメラ10に対応したクレードルに載置したとする。この場合、ウェアラブルカメラ10は、クレードルと有線(例えばLAN通信)によって接続されたホームルータおよびネットワークNW2を介して、ウェアラブルカメラ10により撮像された映像のデータをバックエンドサーバ50に送信可能である。
【0034】
図2は、実施の形態1に係るアセット管理システム5の構成を示す図である。アセット管理システム5は、図1に示した通信システム1000の一部を構成し、ウェアラブルカメラ10と、警察署PDのバックエンドサーバ50と、無線LANアクセスポイント63と、バックエンドクライアント70a,70bと、ギャングチャージャの一例としての充電台300とを含む構成である。
【0035】
バックエンドサーバ50は、例えば、コンテンツ管理機能を有するコンテンツ管理サーバ51(サーバの一例)と、デバイス管理機能を有するデバイス管理サーバ55(サーバの一例)とを含む。コンテンツ管理サーバ51には、コンテンツ管理データベース53が接続される。また、デバイス管理サーバ55には、データベースの一例としてのアセット管理データベース57が接続される。コンテンツ管理データベース53およびアセット管理データベース57は、それぞれハードディスクドライブ等のストレージに保管される。
【0036】
コンテンツ管理サーバ51は、ウェアラブルカメラ10および車載カメラシステム30で撮像された、事件の証拠映像を含む映像データをコンテンツとして管理する。コンテンツ管理サーバ51は、汎用のコンピュータで構成され、プロセッサ511、メモリ512、通信部513、記憶装置514、および入出力インターフェース515を有する。なお、本明細書および添付図面において、「インターフェース」を「I/F」と略記する場合がある。記憶装置514は、多くのデータを記憶可能なストレージである。入出力インターフェース515には、コンテンツ管理データベース53が接続される。プロセッサ511は、入出力インターフェース515を介してコンテンツ管理データベース53に登録されているデータを更新し、また読み出す。
【0037】
コンテンツ管理データベース53は、ウェアラブルカメラ10および車載カメラシステム30で撮像された、多くの映像データを蓄積する。
【0038】
デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラ10および車載カメラシステム30の状態および位置情報を管理する。デバイス管理サーバ55は、汎用のコンピュータで構成され、プロセッサ551、メモリ552、通信部553、記憶装置554、および入出力インターフェース555を有する。記憶装置554は、多くのデータを記憶可能なストレージである。入出力インターフェース555には、アセット管理データベース57が接続される。プロセッサ551は、入出力インターフェース555を介してアセット管理データベース57に登録されているデータを更新し、また読み出す。
【0039】
アセット管理データベース57は、ウェアラブルカメラ10および車載カメラシステム30のそれぞれの状態および位置情報をテーブル形式で登録している。アセット管理データベース57に登録されている、ウェアラブルカメラ10および車載カメラシステム30のそれぞれの状態および位置情報は、アセット管理画面(図5図9参照)の生成に用いられる。また、これらの状態および位置情報は、デバイス管理サーバ55からバックエンドクライアント70aに通知されるメールの内容に反映される。
【0040】
充電台300は、多数のウェアラブルカメラ10を載置可能な差込口306を有し、差込口306に載置された個々のウェアラブルカメラ10のバッテリ25(図3参照)を充電する。充電台300は、充電中にウェアラブルカメラ10との間で有線通信を行い、ウェアラブルカメラ10に記憶された映像のデータをバックエンドサーバ50のコンテンツ管理サーバ51に送信する機能を有する。充電台300は、差込口306にウェアラブルカメラ10が載置されたこと、あるいは差込口306からウェアラブルカメラ10が取り外されたことの状態変化をデバイス管理サーバ55に送信する機能を有する。さらに、充電台300は、自機器の位置情報をデバイス管理サーバ55に送信する機能を有する。
【0041】
充電台300は、プロセッサ301、メモリ302、通信部303、および充電部305を有する。充電部305には、複数の差込口306に実装されている電極端子がそれぞれ接続される。充電部305は、各差込口306に載置されたウェアラブルカメラ10を検知し充電する。通信部303は、差込口306に載置されたウェアラブルカメラ10との有線通信を行う。また、通信部303は、デバイス管理サーバ55と有線通信または無線通信を行う。
【0042】
図3は、ウェアラブルカメラ10のハードウェア構成を示すブロック図である。ウェアラブルカメラ10は、撮像部11と、GPIO12と、RAM13(Random Access Memory)と、ROM14(Read Only Memory)と、記憶部15とを含む。ウェアラブルカメラ10は、EEPROM16(Electrically Erasable Programmable ROM)と、RTC17(Real Time Clock)と、GPS(Global Positioning System)受信部18とを含む。ウェアラブルカメラ10は、MCU19(Micro Control Unit)と、BLE通信部21Aと、WLAN通信部21Bと、USBインターフェース22と、SDカードインターフェース61と、コンタクトターミナル23と、電源部24と、バッテリ25とを含む。
【0043】
ウェアラブルカメラ10は、録画スイッチSW1と、スナップショットスイッチSW2と、通信モードスイッチSW3と、属性情報付与スイッチSW4と、無線登録スイッチSW5とを含む。
【0044】
ウェアラブルカメラ10は、3個のLED26a,26b,26c(Light Emission Diode)と、バイブレータ27と、音声出力部28と、マイク29Aと、スピーカ29Bと、イヤホン端子29Cとを含む。LED26a,26b,26c、バイブレータ27、音声出力部28は、ユーザに報知する報知部の一例として機能する。
【0045】
撮像部11は、撮像レンズと、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等による固体撮像素子とを有する。撮像部11は、撮像により得られた被写体の画像に基づく映像のデータをMCU19に出力する。
【0046】
コンタクトターミナル23の検知端子23Tは、ウェアラブルカメラ10が充電台200やギャングチャージャに載置(セット)された場合、あるいは充電台200やギャングチャージャから取り外された場合に電圧変化が生じる端子である。コンタクトターミナル23の検知端子23Tは、ADコンバータCVに接続される。検知端子23Tの電圧変化を示す信号は、ADコンバータCVにおいてデジタル信号に変換され、そのデジタル信号がI2C20を介してMCU19に入力される。
【0047】
GPIO12は、パラレルインターフェースである。GPIO12には、録画スイッチSW1、スナップショットスイッチSW2、通信モードスイッチSW3、属性情報付与スイッチSW4、無線登録スイッチSW5、LED26a,26b,26c、バイブレータ27、音声出力部28、マイク29A、スピーカ29Bおよびイヤホン端子29Cが接続される。GPIO12は、これらの各種電子部品とMCU19との間で信号を入出力する。
【0048】
マイク29Aは、ウェアラブルカメラ10の周囲の音声を収音し、収音された音声の音声データを、GPIO12を介してMCU19に出力する。なお、マイク29Aは、ウェアラブルカメラ10の筐体10zに収容された内蔵マイクであってもよいし、ウェアラブルカメラ10と無線接続されたワイヤレスマイクであってもよい。ワイヤレスマイクの場合、警官が任意の箇所に取り付ける事で、収音性を高める事ができる。
【0049】
音声出力部28は、MCU19の指示の下で、ウェアラブルカメラ10の動作に関する音声信号を出力する。音声出力部28は、予めROM14などに記憶された既定のメッセージの音声を有する音声データを読み出し、この音声データに基づく音声信号をスピーカ29Bから音声出力する。イヤホン端子29Cは、イヤホン端子29Cに接続されたイヤホンに対し、音声出力部28より出力される音声信号を出力する。スピーカ29Bは、音声出力部28より出力される音声信号を入力して音声出力する。
【0050】
また、ADコンバータCVは、I2C20(Inter-Integrated Circuit)などの通信インターフェースを介してMCU19に接続される。なお、コンタクトターミナル23の検知端子23Tを、ADコンバータCVを介さずにGPIO12へ接続する事でも類似の効果を得る事は可能である。
【0051】
RAM13は、例えばMCU19の動作において使用されるワークメモリである。ROM14は、例えばMCU19の動作(処理)の実行を制御するためのプログラムおよびデータを予め記憶する。
【0052】
記憶部15は、例えばメモリカード等の記憶媒体により構成され、例えば警官の操作に基づく録画開始の指示、またはコモントリガーボックス100からの録画開始の指示に基づき、撮像部11で撮像された映像のデータ記録(つまり、録画)を開始する。記憶部15は、撮像部11で撮像された所定時間(例えば30秒)の映像のデータを常時プリバッファリングして保持し、現在時刻より所定時間(例えば30秒)前までの映像データを常に蓄積し続ける。記憶部15は、録画開始の指示を受けると、映像データの記録を開始し、録画停止の指示を受けるまでの映像データの記録を継続する。また、記憶部15は、解像度アップ情報等が設定された設定データファイルを有する。例えば記憶部15がメモリカードで構成される場合、ウェアラブルカメラ10の筐体10zに挿抜自在に装着される。
【0053】
EEPROM16は、例えばウェアラブルカメラ10を識別する識別情報(例えばカメラIDとしてのシリアル番号)、および各種設定情報を記憶する。RTC17は、現在の時刻情報をカウントしてMCU19に出力する。
【0054】
GPS受信部18は、複数のGPS発信機(例えば4個の航法衛星)から送信される、各自の信号送信時刻および位置座標を含む衛星信号を受信してMCU19に出力する。MCU19は、複数の衛星信号を用いて、現在のウェアラブルカメラ10の位置座標および衛星信号の受信時刻を算出する。なお、この算出は、MCU19ではなくGPS受信部18により実行されてもよい。この受信時刻の情報は、ウェアラブルカメラ10のシステム時刻(つまり、RTC17の出力)の補正のためにも使用されてもよい。システム時刻は、撮像された画像(静止画、動画を含む)の撮像時刻の記録等に利用される。
【0055】
MCU19は、ウェアラブルカメラ10の制御部としての機能を有し、例えばウェアラブルカメラ10の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、ウェアラブルカメラ10の各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理およびデータの記憶処理を行う。MCU19は、ROM14に記憶された各種のプログラムおよびデータに従って動作する。MCU19は、動作時、RAM13を使用し、RTC17より現在の時刻情報を得るとともに、GPS受信部18から現在の位置情報を得る。
【0056】
BLE通信部21Aは、近距離無線通信の通信規格であるBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)の通信形態を用いて、スマートフォン40やコモントリガーボックス100等との間で無線通信を行う。BLEは、Bluetooth(登録商標)のバージョン4.0の呼称である。BLEでは、低消費電力で通信可能あるが、その通信速度は100kbps程度と低速である。
【0057】
WLAN通信部21Bは、テザリング機能を用いた無線LANアクセスポイントとしてのスマートフォン40、無線LANアクセスポイント45、または警察署PD内において利用可能な無線LANの無線LANアクセスポイント63等と無線LAN(つまり、WLAN)で接続され、接続先と無線通信を行う。無線LANは、BLEと比べ、通信速度が数十~数百Mbpsと高速通信可能であるが、無線LANアクセスポイントと常時接続されるので、消費電力が多くなる。
【0058】
なお、ウェアラブルカメラ10は、BLE通信やWLAN通信の他、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信や携帯回線網(例えばLTE)を用いた無線通信を行うための通信部の構成(不図示)をそれぞれ有してもよい。
【0059】
USBインターフェース22は、シリアルバスであり、例えば車載PC32や、警察署PD内のバックエンドクライアント70a,70bとの接続を可能とする。
【0060】
SDカードインターフェース61は、SDカード62が挿抜自在に接続され、MCU19からの指示に従い、SDカードインターフェース61に挿入されたSDカード62に映像データを記憶する。SDカード62は、例えば16G,32Gバイトの容量を有し、ウェアラブルカメラ10で撮像される映像データを記憶可能である。
【0061】
コンタクトターミナル23は、充電台200と電気的に接続するための端子であり、USBインターフェース22を介してMCU19に接続されるとともに、電源部24と接続される。電源部24は、コンタクトターミナル23における充電台200との接続検知に応じて、バッテリ25を充電する。コンタクトターミナル23は、充電台200との接続に応じて、MCU19が記憶部15から読み出した映像のデータを、充電台200を介して接続された外部機器(例えばコモントリガーボックス100)に通信可能である。
【0062】
コンタクトターミナル23には、例えば「充電端子V+」(不図示)、「検知端子23T」、「データ端子D-,D+」(不図示)および「グランド端子」(不図示)が設けられる。検知端子23Tは、電圧および電圧変化を検出するための端子である。データ端子D-,D+は、例えばUSBコネクタ端子を介して、車載PC32に対してウェアラブルカメラ10で撮像した映像のデータを転送するための端子である。コンタクトターミナル23の検知端子23Tは、ADコンバータCVを介してI2C20等の通信インターフェースに接続され、コンタクトターミナル23の検知電圧値がMCU19に入力される。
【0063】
コンタクトターミナル23と、充電台200のコネクタとが接続される事により、ウェアラブルカメラ10と外部機器(例えばコモントリガーボックス100)との間でデータ通信が可能となる。
【0064】
電源部24は、例えばコンタクトターミナル23を介して、充電台200に接続される外部電源(例えばコモントリガーボックス100、警察車両7内のシガーチャージャ、警察車両7内のアクセサリ)より供給される充電電流をバッテリ25に給電する事で、バッテリ25を充電する。
バッテリ25は、例えば充電可能な2次電池により構成され、ウェアラブルカメラ10の各部に電源電力を供給する。ウェアラブルカメラ10は、外出中、常に録画状態で使用されるので、電池の消耗が激しい。このため、バッテリ25の寿命は、短く例えば2年である。
【0065】
録画スイッチSW1は、例えば警官の押下操作による録画(動画の撮像)の開始/停止の操作指示を入力する押しボタンスイッチである。また、MCU19は、例えば録画スイッチSW1が短押しされた事で録画(動画の撮像)を開始し、録画スイッチSW1が長押しされた事で録画を終了してもよい。また、MCU19は、例えば録画スイッチSW1が奇数回押下される事で録画(動画の撮像)を開始し、録画スイッチSW1が偶数回押下される事で録画を終了してもよい。
【0066】
スナップショットスイッチSW2は、例えば警官の押下操作による静止画の撮像の操作指示を入力する押しボタンスイッチである。スナップショットスイッチSW2は、例えば押下される度に、MCU19によって押下時の静止画の撮像が実行される。
【0067】
通信モードスイッチSW3は、例えばウェアラブルカメラ10と外部機器との間の通信モードを設定するための操作指示を入力するスライドスイッチである。通信モードは、例えばアクセスポイントモード、ステーションモード、OFFモードを含む。
【0068】
アクセスポイントモードは、ウェアラブルカメラ10が無線LANのアクセスポイントとして動作し、例えば警官が所持するスマートフォン40と無線接続して、ウェアラブルカメラ10とスマートフォン40との間で通信を行うモードである。アクセスポイントモードにおいて、スマートフォン40は、ウェアラブルカメラ10と接続する事により、ウェアラブルカメラ10による現在のライブ画像の表示、録画された画像の再生、撮像された静止画の表示等を行う事ができる。
【0069】
ステーションモードは、無線LANを用いて外部機器と接続する場合に、外部機器をアクセスポイントとして通信するモードである。例えばスマートフォン40のテザリング機能を利用し、外部機器としてスマートフォン40を設定してもよい。ステーションモードにおいて、ウェアラブルカメラ10は、各種設定、ウェアラブルカメラ10が保持する録画された画像の転送(アップロード)等を、車載カメラシステム30や警察署内のバックエンドクライアント70やバックエンドサーバ50に対して行う事ができる。
【0070】
OFFモードは、無線LANの通信動作をオフし、無線LANを未使用とするモードである。
【0071】
属性情報付与スイッチSW4は、映像データに属性情報を付与するために操作される押しボタンスイッチである。属性情報は、ウェアラブルカメラ10により撮像された映像の内容(例えば事件の種別、殺人、強盗、災害等)を示す。
【0072】
無線登録スイッチSW5は、ウェアラブルカメラ10が無線通信(例えばBLEまたは無線LANを用いた無線通信)する相手の外部機器(例えばスマートフォン40、無線LANアクセスポイント45、コモントリガーボックス100)を通信相手として登録して設定する(以下、「通信設定処理」とも称する場合がある)際に操作される押しボタンスイッチである。以下、例えばBLEを用いた無線通信において、通信相手となる機器を登録して設定する処理を「ペアリング」と称する場合がある。
【0073】
LED26aは、例えばウェアラブルカメラ10の電源投入状態(オンオフ状態)およびバッテリ25の状態を示す表示部である。
【0074】
LED26bは、例えばウェアラブルカメラ10の撮像動作の状態(録画状態)を示す表示部である。
【0075】
LED26cは、例えばウェアラブルカメラ10の通信モードの状態を示す表示部である。また、3個のLED26a~26cは、ウェアラブルカメラ10がバックエンドサーバ50から通知データを受信すると、MCU19からの指示に従い、点滅動作を行う。この時、MCU19は、通知データに含まれる、音源に関する情報に応じて、MCU19は、LED26a~26cの点滅パターンを可変させる。
【0076】
MCU19は、録画スイッチSW1、スナップショットスイッチSW2、通信モードスイッチSW3、属性情報付与スイッチSW4および無線登録スイッチSW5の各スイッチの入力検出を行い、操作があったスイッチ入力に対する処理を行う。
【0077】
MCU19は、録画スイッチSW1の操作入力を検出した場合、撮像部11における撮像動作の開始または停止を制御し、撮像部11から得られた画像を、動画像として記憶部15に保存する。
【0078】
MCU19は、スナップショットスイッチSW2の操作入力を検出した場合、スナップショットスイッチSW2が操作されたときの撮像部11による画像を、静止画像として記憶部15に保存する。
【0079】
MCU19は、通信モードスイッチSW3の状態を検出し、通信モードスイッチSW3の設定に応じた通信モードによって通信部21を動作させる。
【0080】
MCU19は、属性情報付与スイッチSW4が押下された場合、撮像部11によって撮像された映像のデータに対応する属性情報を、その映像に対応付けて付与する。
【0081】
MCU19は、無線登録スイッチSW5が押下された場合、ウェアラブルカメラ10の通信相手となり得る周囲の外部機器(例えばコモントリガーボックス100)に対し、通信設定処理(例えばペアリング)において行われるべき既定の処理を実行する。ここで、既定の処理は、ペアリングを例示すると、無線通信の通信相手としての登録要求情報の生成並びにBLE通信部21Aへの出力、接続先である通信相手を特定するための接続情報の生成並びにBLE通信部21Aへの出力、通信相手から送信された接続情報の記憶部15への保存である。但し、無線LANの通信設定に関する既定の処理は、上述したペアリングを例示した時の既定の処理と同様である事は言うまでもない。
【0082】
次に、実施の形態1に係るアセット管理システム5の動作例を示す。
【0083】
動作例1では、ウェアラブルカメラ10の状態を管理する場合を示す。動作例2では、ウェアラブルカメラ10の位置を管理する場合を示す。
【0084】
(動作例1)
背景として、警官によってウェアラブルカメラ10の取り扱いが異なることが挙げられる。ウェアラブルカメラが丁寧に取り扱われる限り、特に故障等の異常は発生しないが、放り投げる等、乱雑に取り扱われた場合、ウェアラブルカメラ10が故障してしまうことがある。また、警官の外出中、ウェアラブルカメラ10は、警官の操作により録画状態が続いて使用されることがある。このため、頻繁に外出する警官によって所持される、ウェアラブルカメラの電池の消耗は激しく、電池の寿命が短くなる傾向にある。このような状況から、ウェアラブルカメラは、事件の証拠映像を記録する重要な機器として、常に正常に使用可能な状態で管理されることが望まれる。
【0085】
(動作例1のパターン1)
図4は、動作例1のパターン1におけるアセット管理システム5の異常検知手順を示すフローチャートである。動作例1のパターン1では、システム管理者が要求した場合、ウェアラブルカメラ10の状態が確認される。
【0086】
ウェアラブルカメラ10のMCU19は、起動時または一定時間間隔で繰り返し自己診断を行う(S1)。予めウェアラブルカメラ10の異常が起こり易いと想定される異常の種類が記憶部15に登録されている。異常の種類として、頻度の高い順に、例えば電池、SDカード、通信モジュール、その他ハードウェアが挙げられる。自己診断では、電池、SDカード、通信モジュール、その他ハードウェア等に関するデータを基に、これらの正常・異常の判定が行われる。電池に関するデータは、充電回数、残容量、使用期間等の他、これらのデータに基づく電池寿命等を含む。SDカードに関するデータは、書き込み回数、記憶容量、使用期間等の他、これらのデータに基づく交換の要否等を含む。通信モジュールに関するデータは、無線LAN、BLE等の各通信方式にしたがい、通信可能であるか否かの状態を含む。ハードウェアに関するデータは、RAM等のメモリ、カメラ、マイク等の電子部品の故障の有無を含む。
【0087】
MCU19は、WLAN通信部21BまたはBLE通信部21Aを介して、自己診断の結果を含むデータ(自己診断結果データ)をデバイス管理サーバ55に送信する(S2)。この自己診断結果データは、デバイス識別子、時刻、および診断結果を含む。この後、MCU19は、本処理を終了する。
【0088】
デバイス管理サーバ55のプロセッサ551は、通信部553を介して、ウェアラブルカメラ10から送信された自己診断結果データを受信する(S11)。プロセッサ551は、自己診断結果データを基に、入出力インターフェース555に接続されたアセット管理データベース57を更新する(S12)。
【0089】
同様に、同一または他のウェアラブルカメラ10のMCU19は、別のタイミングにおいて、起動時または一定時間間隔で繰り返し自己診断を行う(S21)。MCU19は、WLAN通信部21BまたはBLE通信部21Aを介して、自己診断の結果を含むデータ(自己診断結果データ)をデバイス管理サーバ55に送信する(S22)。この後、MCU19は、本処理を終了する。
【0090】
デバイス管理サーバ55のプロセッサ551は、通信部553を介して、同一または他のウェアラブルカメラ10から送信された自己診断結果データを受信する(S13)。プロセッサ551は、自己診断結果データを基に、入出力インターフェース555に接続されたアセット管理データベース57を更新する(S14)。
【0091】
システム管理者hmは、バックエンドクライアント70aに対し、アセット管理画面を要求する操作を行う。バックエンドクライアント70aは、デバイス管理サーバ55にアセット管理画面の表示を要求する(S31)。
【0092】
デバイス管理サーバ55のプロセッサ551は、この要求に応じ、アセット管理データベース57にアクセスしてデータを取得し、アセット管理画面GM1(図5参照)を生成する。プロセッサ551は、通信部553を介して、アセット管理画面のデータをバックエンドクライアント70aに送信する(S15)。この後、プロセッサ551は、ステップS11の処理に戻る。
【0093】
バックエンドクライアント70aは、デバイス管理サーバ55からアセット管理画面データを受信すると、ディスプレイ711にアセット管理画面を表示する(S32)。なお、ここでは、システム管理者がバックエンドクライアント70aのディスプレイ711にアセット管理画面を表示させる場合を示したが、デバイス管理サーバ55にディスプレイが接続される場合、デバイス管理サーバ55のディスプレイにアセット管理画面を表示させてもよい。
【0094】
システム管理者hmは、アセット管理画面GM1を見て、必要に応じて適切な行動(アクション)を行う(S33)。例えば、アセット管理画面GM1における、電池の項目に注意(Caution)が表示されている場合、システム管理者hmは、該当するウェアラブルカメラ10の電池を充電したり、交換する行動を行ったりする。また、システム管理者hmは、該当するウェアラブルカメラ10を所持する警官に充電または交換の指示を行ってもよい。
【0095】
バックエンドクライアント70aは、システム管理者hmによってアセット管理画面GM1の確認が行われると、動作を終了する。この確認は、システム管理者hmによる所定の入力操作であってもよいし、所定時間の経過による表示終了であってもよい。
【0096】
図5は、アセット管理画面GM1を示す図である。アセット管理画面GM1は、バックエンドクライアント70aのディスプレイ711に表示される。アセット管理画面GM1は、テーブル形式で表され、識別子、種別、動作状態、更新時刻、ハードウェア、SDおよび電池の項目を含む。ハードウェア、SDカードおよび電池は、異常が起こり易いと想定される異常の種類である。なお、アセット管理画面には、通信モジュールが項目として挙げられてもよい。これらの項目のデータは、アセット管理データベース57に登録されている。ウェアラブルカメラ10の場合、例えば、識別子:1025002,種別:BWC,動作状態:充電中,更新時刻:2019/4/10 6:50,ハードウェア:OK,SD:OK,電池:Cautionである。ここで、電池の項目に“Caution”の警告が示される場合、“Caution”の表示箇所には、リンクが貼られている。システム管理者hmが“Caution”の表示箇所を指またはカーソルで選択すると、バックエンドクライアント70aのディスプレイ711には、“Caution”の詳細情報、例えば電池の残量、充電回数、使用可能時間等のデータが表示される。また、車載カメラシステム30の場合、例えば、識別子:2025001,種別:ICV,動作状態:待機中,更新時刻:2019/4/10 6:15,ハードウェア:OK,SD:OK,電池:OKである。なお、ハードウェアの項目には、無線LANの状態が含まれてもよい。
【0097】
動作例1のパターン1では、デバイス管理サーバ55は、バックエンドクライアント70aからの要求に応じて、アセット管理画面データをバックエンドクライアント70aに送信する。したがって、システム管理者hmは、ウェアラブルカメラ10の状態を任意の時に確認できる。
【0098】
(動作例1のパターン2)
図6は、動作例1のパターン2におけるウェアラブルカメラの異常検知手順を示すフローチャートである。動作例1のパターン1では、システム管理者hmがウェアラブルカメラ10の状態を確認したい場合、バックエンドクライアント70aを操作し、デバイス管理サーバ55に対し、アセット管理画面を要求した。動作例1のパターン2では、アセット管理データベース57が更新され、アセット管理データベース57に異常データが見つかった場合、デバイス管理サーバ55は、バックエンドクライアント70aに異常を検知した旨を通知する。
【0099】
動作例1のパターン2において、動作例1のパターン1と同一のステップ処理については、同一のステップ番号を付す。具体的に、ステップS1、S2、S11、S12、S13、S14の処理は同じである。
【0100】
ウェアラブルカメラ10のMCU19は、起動時または一定時間間隔で繰り返し自己診断を行う(S1)。MCU19は、WLAN通信部21BまたはBLE通信部21Aを介して、自己診断の結果を含むデータ(自己診断結果データ)をデバイス管理サーバ55に送信する(S2)。この後、MCU19は、本処理を終了する。
【0101】
デバイス管理サーバ55のプロセッサ551は、通信部553を介して、ウェアラブルカメラ10から送信された自己診断結果データを受信する(S11)。プロセッサ551は、自己診断結果データを基に、入出力インターフェース555に接続されたアセット管理データベース57を更新する(S12)。
【0102】
プロセッサ551は、ステップS12で更新されたアセット管理データベース57に異常データが検知されたか否かを判別する(S12A)。異常データが検知されなかった場合、プロセッサ551は、前記動作例1のパターン1と同様、ステップS13の処理に進む。
【0103】
一方、ステップS12Aで異常データが検知された場合、プロセッサ551は、異常データがある旨のメールをバックエンドクライアント70aに通知し、システム管理者hmに確認を促す(S12B)。このメールは、デバイス識別子、時刻、異常内容等の情報を含む。システム管理者hmは、バックエンドクライアント70aに通知されたメールの内容を見て、必要に応じて適切な行動(アクション)を行う(S33A)。例えば、メールの内容に、電池に注意(Caution)が含まれている場合、システム管理者hmは、該当するウェアラブルカメラ10の電池を充電したり、交換する行動を行ったりする。また、システム管理者hmは、該当するウェアラブルカメラ10を所持する警官に充電または交換の指示を行ってもよい。
【0104】
同様に、同一または他のウェアラブルカメラ10のMCU19は、別のタイミングにおいて、起動時または一定時間間隔で繰り返し自己診断を行う(S21)。MCU19は、WLAN通信部21BまたはBLE通信部21Aを介して、自己診断の結果を含むデータ(自己診断結果データ)をデバイス管理サーバ55に送信する(S22)。この後、MCU19は、本処理を終了する。
【0105】
デバイス管理サーバ55のプロセッサ551は、通信部553を介して、同一または他のウェアラブルカメラ10から送信された自己診断結果データを受信する(S13)。プロセッサ551は、自己診断結果データを基に、入出力インターフェース555に接続されたアセット管理データベース57を更新する(S14)。
【0106】
同様に、デバイス管理サーバ55のプロセッサ551は、ステップS14で更新されたアセット管理データベース57に異常データが検知されたか否かを判別する(S15)。異常データが検知されなかった場合、プロセッサ551は、前記動作例1のパターン1と同様、ステップS11の処理に戻る。
【0107】
一方、ステップS12Aで異常データが検知された場合、プロセッサ551は、異常データがある旨のメールをバックエンドクライアント70aに通知し、システム管理者hmに確認を促す(S16)。このメールは、デバイス識別子、時刻、異常内容等の情報を含む。システム管理者hmは、バックエンドクライアント70aに通知されたメールの内容を見て、必要に応じて適切な行動(アクション)を行う(S33B)。
【0108】
図7は、メールの内容を示す図である。メールの内容は、バックエンドクライアント70aのディスプレイ711に表示される。一例として、メールの内容には、メールの宛先がシステム管理者であることを表す、「To:システム管理者」が先頭に含まれる。また、「以下のデバイスに注意が必要です。」のコメントの後に、「識別子:1025002 種別:BWC 動作状態:充電中 ハードウェア:OK SD:OK 電池:Caution」が含まれる。ディスプレイ711の画面の下部には、「該当するアセット管理システムへのリンク」のリンク文字が貼られている。システム管理者hmがリンク文字の表示箇所を指またはカーソルで選択してクリックすると、アセット管理システム5にアクセスされる。
【0109】
動作例1のパターン2では、デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラ10に異常があった場合、システム管理者hmにメールで通知する。システム管理者hmは、遅滞なくウェアラブルカメラ10の異常に気付くことができる。また、システム管理者hmがウェアラブルカメラ10を管理する手間を省くことができる。
【0110】
このように、動作例1では、デバイス管理サーバ55は、複数のウェアラブルカメラ10の状態を一元管理できる。一方、システム管理者hmは、全てのウェアラブルカメラ10の状態を確認できる。また、システム管理者hmは、必要に応じて、ウェアラブルカメラの状態を正常な状態に回復させる措置を講じることができる。また、アセット管理システムでは、ウェアラブルカメラの電池、SDカード等の寿命について、いわゆる見える化が可能である。また、デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラ10の異常の他、不正使用等の情報も管理できる。
【0111】
以上により、実施の形態1に係るアセット管理システム5では、警官により装着可能なウェアラブルカメラ10と、ウェアラブルカメラ10に関する情報を管理するデバイス管理サーバ55とが通信可能に接続される。ウェアラブルカメラ10は、所定のタイミングに自機器の故障の有無を繰り返して診断し、その診断結果をデバイス管理サーバ55(サーバ)に通知する。デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラ10の診断結果を蓄積するアセット管理データベース57と接続される。デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラ10の診断結果を受信する度にアセット管理データベース57に蓄積する。デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラ10の診断結果をバックエンドクライアント70a(外部端末の一例)に表示する。
【0112】
これにより、アセット管理システム5は、警察の日常業務で使用されるウェアラブルカメラ10の故障の有無を定期的に判別して適正に管理できるので、警官の業務効率の劣化を抑制することができる。
【0113】
また、アセット管理システム5では、ウェアラブルカメラ10が複数設けられる。それぞれのウェアラブルカメラ10は、自機器の故障の有無の診断結果をデバイス管理サーバ55に通知する。デバイス管理サーバ55は、それぞれのウェアラブルカメラ10からの診断結果を対応するBWC識別子(ウェアラブルカメラの識別情報の一例)と関連付けてアセット管理データベース57に蓄積する。これにより、アセット管理システム5は、複数のウェアラブルカメラ10の状態を管理できる。
【0114】
また、アセット管理システム5では、デバイス管理サーバ55は、バックエンドクライアント70aからのアクセスに応じて、ウェアラブルカメラ10の診断結果をバックエンドクライアント70aのディスプレイ711に表示する。これにより、バックエンドクライアント70aを操作する、システム管理者hmは、ウェアラブルカメラ10の状態を視覚的に確認できる。
【0115】
また、アセット管理システム5では、デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラ10の診断結果に異常データが含まれると判断した場合に、異常データの検知を含むメールをバックエンドクライアント70aに通知する。バックエンドクライアント70aは、異常データの検知を含むメールの内容をディスプレイ711に表示する。これにより、システム管理者hmは、遅滞なくウェアラブルカメラ10の異常に気付くことができる。また、システム管理者hmがウェアラブルカメラ10の状態を管理する手間を省くことができる。
【0116】
また、アセット管理システム5では、デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラ10の診断結果として、ウェアラブルカメラ10に内蔵されるバッテリ25、ウェアラブルカメラ10に差し込まれる外部記録媒体(例えばSDカード62)の異常の有無と診断結果の更新時刻とを含むデータを、特にウェアラブルカメラ10が起こし易い異常の種類の項目を含むテーブル形式でバックエンドクライアント70aのディスプレイ711に表示する。これにより、システム管理者hmは、ウェアラブルカメラ10の異常を速やかに把握できる。
【0117】
また、アセット管理システム5では、デバイス管理サーバ55は、バッテリ25あるいは外部記録媒体(例えばSDカード62)の異常の示唆を示す表示領域へのバックエンドクライアント70aからの操作に応じて、対応する異常の詳細を表示する。これにより、システム管理者hmが異常の詳細を即座に知ることができる。
【0118】
(動作例2)
動作例2の背景として、ウェアラブルカメラは、小型であり、携帯されて使用されるので、紛失し易いことが挙げられる。警官が事件現場に急行する際、すぐさま携帯できるように、ウェアラブルカメラの所在を常に管理することが望まれる。
【0119】
(動作例2のパターン1)
図8は、動作例2のパターン1におけるウェアラブルカメラ10の位置管理手順を示すフローチャートである。動作例2のパターン1では、充電台がデバイス管理サーバにウェアラブルカメラの位置情報を通知する場合を示す。
【0120】
充電台300は、警察署の所定の場所に1台または複数台設置される。デバイス管理サーバ55のプロセッサ551は、事前にアセット管理データベース57に充電台300の位置情報を登録しておく(S51)。この位置情報は、充電台300が設置された、警察署の分署、建物、階等を含む。
【0121】
始めに、警官が充電台300の差込口306にウェアラブルカメラ10を載置する状況を想定する。充電台300のプロセッサ301は、差込口306にウェアラブルカメラ10が載置されたことを検知する(S61)。充電部305は、差込口306の電極端子の電圧を常に監視している。ウェアラブルカメラ10が差込口306に載置されると、差込口306の電極端子にウェアラブルカメラ10のバッテリ25の端子が接続され、差込口306の電極端子の端子電圧が変化する。プロセッサ301は、この電極端子の端子電圧の変化を基に、ウェアラブルカメラ10の載置を検知し、通信部303を介してウェアラブルカメラ10と通信を行い、ウェアラブルカメラ10のBWC識別子を取得する。
【0122】
プロセッサ301は、ウェアラブルカメラ10が載置されたことによる充電台300の状態変化を含む情報(第1状態変化信号の一例)をデバイス管理サーバ55に通知する(S62)。この情報は、充電台のIP(Internet Protocol)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレス、BWC識別子、およびBay番号を含む。Bay番号は、差込口の番号である。なお、IPアドレスとMACアドレスは、いずれか一方でもよい。
【0123】
デバイス管理サーバ55のプロセッサ551は、充電台300の状態変化の通知(第1状態変化信号)を受信する(S52)。プロセッサ551は、この通知を基にアセット管理データベース57を更新する(S53)。
【0124】
次に、警官が充電台300からウェアラブルカメラ10を取り外す状況を想定する。充電台300のプロセッサ301は、差込口306からウェアラブルカメラ10が取り外されたことを検知する(S63)。ウェアラブルカメラ10が差込口306から取り外されると、それまでウェアラブルカメラ10のバッテリ25が接続されていた、差込口306の電極端子の端子電圧が変化する。プロセッサ301は、この電極端子の端子電圧の変化を基に、ウェアラブルカメラ10の取り外しを検知する。
【0125】
プロセッサ301は、ウェアラブルカメラ10が取り外されたことによる充電台300の状態変化を含む情報(第2状態変化信号の一例)をデバイス管理サーバ55に通知する(S64)。この情報は、充電台のIPアドレス、MACアドレス、BWC識別子、およびBay番号を含む。なお、IPアドレスとMACアドレスは、いずれか一方でもよい。
【0126】
デバイス管理サーバ55のプロセッサ551は、充電台300の状態変化の通知(第2状態変化信号)を受信する(S54)。プロセッサ551は、この通知を基にアセット管理データベース57を更新する(S55)。
【0127】
システム管理者hmは、バックエンドクライアント70aに対し、アセット管理画面を要求する操作を行う。バックエンドクライアント70aは、デバイス管理サーバ55にアセット管理画面の表示を要求する(S71)。
【0128】
デバイス管理サーバ55のプロセッサ551は、この要求に応じ、アセット管理データベース57にアクセスしてデータを取得し、アセット管理画面GM3(図9参照)を生成する。プロセッサ551は、通信部553を介して、アセット管理画面のデータをバックエンドクライアント70aに送信する(S56)。この後、プロセッサ551は、ステップS51の処理に戻る。
【0129】
バックエンドクライアント70aは、デバイス管理サーバ55からアセット管理画面データを受信すると、ディスプレイ711にアセット管理画面を表示する(S72)。なお、ここでは、システム管理者がバックエンドクライアント70aのディスプレイ711にアセット管理画面を表示させる場合を示したが、デバイス管理サーバ55にディスプレイが接続される場合、デバイス管理サーバ55のディスプレイにアセット管理画面を表示させてもよい。
【0130】
システム管理者hmは、アセット管理画面GM3を見て、必要に応じて適切な行動(アクション)を行う(S73)。
【0131】
図9は、アセット管理画面GM3を示す図である。アセット管理画面GM3は、バックエンドクライアント70aのディスプレイ711に表示される。アセット管理画面GM3は、テーブル形式で表され、識別子、種別、動作状態、更新時刻、分署、建物、階およびGPSの項目を含む。ウェアラブルカメラ10の場合、例えば、識別子:1025002,種別:BWC,動作状態:充電中,更新時刻:2019/4/10 6:50,分署:A,建物:S,階:3,GPS:-である。また、車載カメラシステム30の場合、例えば、識別子:2025001,種別:ICV,動作状態:待機中,更新時刻:2019/4/10 6:15,分署:B,建物:駐車場,階:-,GPS:-である。この例では、車載カメラシステム30が駐車場で待機していることが登録されている。この場合、駐車場には、車載カメラシステム30をネットワークに接続するルータあるいは無線LANアクセスポイントが存在する。
【0132】
動作例2のパターン1では、警察署内において、ウェアラブルカメラ10が長い時間置かれると想定される充電台300がウェアラブルカメラ10の位置情報をデバイス管理サーバ55に通知する。したがって、デバイス管理サーバ55は、警察署内におけるウェアラブルカメラ10の位置を容易に管理できる。
【0133】
(動作例2のパターン2)
動作例2のパターン2では、ウェアラブルカメラを充電台に載置しあるいは充電台から取り外した時、ウェアラブルカメラが自装置の状態変化をデバイス管理サーバに通知し、また、自装置の位置をデバイス管理サーバに通知する場合を示す。
【0134】
図10は、動作例2のパターン2におけるウェアラブルカメラ10の位置管理手順を示すフローチャートである。動作例2のパターン2において、前記動作例2のパターン1と同一のステップ処理については、同一のステップ番号を付す。
【0135】
デバイス管理サーバ55のプロセッサ551は、事前にアセット管理データベース57に充電台300の位置情報を登録しておく(S51)。
【0136】
始めに、警官が充電台300の差込口306にウェアラブルカメラ10を載置する状況を想定する。ウェアラブルカメラ10のMCU19は、差込口306にウェアラブルカメラ10が載置されたことを検知する(S81)。ウェアラブルカメラ10が差込口306に載置されると、ウェアラブルカメラ10のコンタクトターミナル23の検知端子23Tの電圧が変化する。MCU19は、検知端子23Tの変化を基に、ウェアラブルカメラ10の載置を検知し、充電台300の情報を取得する。この情報は、充電台のIPアドレス、MACアドレス、BWC識別子、およびBay番号を含む。なお、IPアドレスとMACアドレスは、いずれか一方でもよい。
【0137】
MCU19は、ウェアラブルカメラ10の状態変化を含む情報をデバイス管理サーバ55に通知する(S82)。
【0138】
デバイス管理サーバ55のプロセッサ551は、ウェアラブルカメラ10の状態変化の通知を受信する(S52A)。プロセッサ551は、この通知を基にアセット管理データベース57を更新する(S53)。
【0139】
次に、警官が充電台300からウェアラブルカメラ10を取り外す状況を想定する。ウェアラブルカメラ10のMCU19は、差込口306からウェアラブルカメラ10が取り外されたことを検知する(S83)。ウェアラブルカメラ10が差込口306から取り外されると、ウェアラブルカメラ10のコンタクトターミナル23の検知端子23Tの電圧が変化する。MCU19は、検知端子23Tの変化を基に、ウェアラブルカメラ10の取り外しを検知する。
【0140】
MCU19は、ウェアラブルカメラ10の状態変化を含む情報をデバイス管理サーバ55に通知する(S84)。この情報は、充電台のIPアドレス、MACアドレス、BWC識別子、およびBay番号を含む。なお、この情報は、IPアドレスとMACアドレスのいずれか一方を含んでもよい。
【0141】
デバイス管理サーバ55のプロセッサ551は、ウェアラブルカメラ10の状態変化の通知を受信する(S54A)。プロセッサ551は、この通知を基にアセット管理データベース57を更新する(S55)。
【0142】
ウェアラブルカメラ10がステップS83で充電台300から取り外れた後、ウェアラブルカメラ10の位置情報として、充電台300の位置情報は有効でない。このため、ウェアラブルカメラ10は、GPS受信部18でGPSデータを取得し、GPS位置情報をデバイス管理サーバ55に送信する必要がある。
【0143】
ウェアラブルカメラ10のMCU19は、WLAN通信部21BまたはBLE通信部21Aを介してスマートフォン40または無線LANアクセスポイント45に接続し、更にネットワークNW1に接続し、デバイス管理サーバ55と通信可能にする(S91)。なお、ウェアラブルカメラ10は、WLAN通信部21BまたはBLE通信部21Aを介して車載カメラシステム30に接続され、更にネットワークNW1に接続され、デバイス管理サーバ55と通信可能であってもよい。
【0144】
MCU19は、GPS受信部18でGPSデータを取得し、WLAN通信部21BまたはBLE通信部21Aを介して、デバイス管理サーバ55にGPS位置情報を送信する(S92)。GPS位置情報は、BWC識別子、時刻、およびGPSデータを含む。なお、MCU19は、車載カメラシステム30を経由して、デバイス管理サーバ55にGPS位置情報を送信してもよい。
【0145】
デバイス管理サーバ55のプロセッサ551は、ウェアラブルカメラ10からGPS位置情報を受信する(S55A)。プロセッサ551は、このGPS位置情報を基に、アセット管理データベース57を更新する(S55B)。この後、プロセッサ551は、前記動作例2のパターン1と同様、ステップS56以降の処理を行う。また、バックエンドクライアント70aによるステップS71以降の処理は、前記動作例2のパターン1と同様である。
【0146】
システム管理者hmは、バックエンドクライアント70aに対し、アセット管理画面を要求する操作を行う。バックエンドクライアント70aは、デバイス管理サーバ55にアセット管理画面の表示を要求する(S71)。
【0147】
デバイス管理サーバ55のプロセッサ551は、この要求に応じ、アセット管理データベース57にアクセスしてデータを取得し、アセット管理画面GM3を生成する。プロセッサ551は、通信部553を介して、アセット管理画面のデータをバックエンドクライアント70aに送信する(S56)。この後、プロセッサ551は、ステップS51の処理に戻る。
【0148】
バックエンドクライアント70aは、デバイス管理サーバ55からアセット管理画面データを受信すると、ディスプレイ711にアセット管理画面を表示する(S72)。なお、ここでは、システム管理者がバックエンドクライアント70aのディスプレイ711にアセット管理画面を表示させる場合を示したが、デバイス管理サーバ55にディスプレイが接続される場合、デバイス管理サーバ55のディスプレイにアセット管理画面を表示させてもよい。
【0149】
システム管理者hmは、アセット管理画面GM3を見て、必要に応じて適切な行動(アクション)を行う(S73)。
【0150】
動作例2のパターン2では、警官の外出中、ウェアラブルカメラ10が充電台300に載置されていない状況であっても、デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラ10から送信されるGPS位置情報を基に、ウェアラブルカメラ10の位置を管理できる。
【0151】
このように、動作例2では、ウェアラブルカメラ10が警察署の中にあるか外にあるかにかかわらず、デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラ10の位置を管理できる。したがって、ウェアラブルカメラが紛失する事態を極力回避できる。また、緊急時に警官がウェアラブルカメラを探す手間を省くことができ、迅速な対応が可能となる。また、ウェアラブルカメラ10の紛失時、デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラの位置を追跡できる。したがって、システム管理者は、早期にウェアラブルカメラを見つけることができる。
【0152】
以上により、実施の形態1に係るアセット管理システム5では、デバイス管理サーバ55は、複数のウェアラブルカメラ10のそれぞれを充電可能な充電台300の位置情報をアセット管理データベース57に事前に登録しておく。デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラ10の充電台300への載置に応じて充電台300から送られる第1状態変化信号の受信に応じて、対応するウェアラブルカメラ10の位置情報を更新してアセット管理データベース57に登録する。
【0153】
これにより、充電台300は、警察署の所定の場所に固定した状態で設置されるので、デバイス管理サーバ55は、充電台300にウェアラブルカメラ10が載置された場合、充電台300から送られる充電台300の位置情報を基に、ウェアラブルカメラ10の位置を正確に把握できる。
【0154】
また、デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラ10の充電台300からの取り外しに応じて充電台300から送られる第2状態変化信号の受信に応じて、対応するウェアラブルカメラ10の位置情報を更新してアセット管理データベース57に登録する。これにより、デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラ10が充電台300から取り外されたことを確認できる。また、デバイス管理サーバ55は、充電台300からウェアラブルカメラ10が取り外された時点のウェアラブルカメラ10の位置を確認できる。
【0155】
また、デバイス管理サーバ55は、複数のウェアラブルカメラ10のそれぞれを充電可能な充電台300の位置情報をアセット管理データベース57に事前に登録しておく。デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラ10の充電台300への載置に応じてウェアラブルカメラ10から送られる第1状態変化信号の受信に応じて、対応するウェアラブルカメラ10の位置情報を更新してアセット管理データベース57に登録する。これにより、デバイス管理サーバ55は、充電台300にウェアラブルカメラ10が載置された場合、ウェアラブルカメラ10から送られる充電台の位置を基に、ウェアラブルカメラ10の位置情報を正確に把握できる。
【0156】
また、デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラ10の充電台300からの取り外しに応じてウェアラブルカメラ10から送られる第2状態変化信号の受信に応じて、対応するウェアラブルカメラ10の位置情報を更新してアセット管理データベース57に登録する。これにより、デバイス管理サーバ55は、ウェアラブルカメラ10が充電台300から取り外されたことを確認できる。また、デバイス管理サーバ55は、充電台300からウェアラブルカメラ10が取り外された時点のウェアラブルカメラ10の位置を確認できる。
【0157】
また、ウェアラブルカメラ10は、GPS受信部18で得られるGPSデータを基に、自機器の位置情報を特定可能である。ウェアラブルカメラ10は、警察署内のネットワークNW1とは異なる他のネットワークNW2への接続を検知すると、自機器の位置情報を他のネットワークNW2を介してデバイス管理サーバ55に送る。これにより、ウェアラブルカメラ10は、警察署内のネットワークNW1がトラフィック等で通信に遅延が発生していても、別のネットワークNW2を通じて速やかに自機器の位置情報を送信できる。
【0158】
また、デバイス管理サーバ55は、バックエンドクライアント70aからのアクセスに応じて、アセット管理データベース57に登録されたウェアラブルカメラ10の位置情報をバックエンドクライアント70aに表示する。これにより、バックエンドクライアント70aを操作する、システム管理者hmは、ウェアラブルカメラ10の最新の位置情報を視覚的に確認できる。
【0159】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本開示は、警察あるいは捜査機関の日常業務で使用されるウェアラブルカメラの故障の有無を定期的に判別して適正に管理し、警官あるいは捜査員の業務効率の劣化を抑制するアセット管理システムおよびアセット管理方法として有用である。
【符号の説明】
【0161】
10 ウェアラブルカメラ
11 撮像部
12 GPIO
13 RAM
14 ROM
15 記憶部
16 EEPROM
17 RTC
18 GPS受信部
19 MCU
20 I2C
21A BLE通信部
21B WLAN通信部
22 USBインターフェース
23 コンタクトターミナル
24 電源部
25 バッテリ
26a、26b、26c LED
27 バイブレータ
28 音声出力部
29A マイク
29B スピーカ
29C イヤホン端子
51 コンテンツ管理サーバ
53 コンテンツ管理データベース
55 デバイス管理サーバ
57 アセット管理データベース
61 SDカードインターフェース
62 SDカード
300 充電台
511、551 プロセッサ
512、552 メモリ
513、553 通信部
514、554 記憶装置
515、555 入出力インターフェース
1000 通信システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10