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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】消火装置、および、消火方法
(51)【国際特許分類】
   A62C 35/08 20060101AFI20231205BHJP
   A62C 3/02 20060101ALI20231205BHJP
   A62C 35/02 20060101ALI20231205BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
A62C35/08
A62C3/02
A62C35/02 B
G08B17/00 J
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019230314
(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公開番号】P2021097805
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】522469718
【氏名又は名称】株式会社日本バイタル
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横沢 広嗣
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-517130(JP,A)
【文献】実開昭53-137600(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0287919(US,A1)
【文献】中国実用新案第209714056(CN,U)
【文献】国際公開第2007/110457(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 3/02,27/00-99/00
G08B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火剤を殻体の中に収容する収容手段と、
前記殻体を破裂させて前記消火剤を飛散させる飛散手段と、
前記収容手段を地面から所定の高さに設置させる設置手段と、
前記飛散した消火剤を反射させて飛散方向を変える反射手段と、
を備え、
前記飛散手段は、所定の温度以上で前記消火剤を飛散させることを特徴とする消火装置。
【請求項2】
請求項に記載の消火装置において、
前記反射手段が、前記地面に対して前記殻体の上方に当該殻体を覆うように設置されたことを特徴とする消火装置。
【請求項3】
請求項または請求項に記載の消火装置において、
前記反射手段が、頂点が前記殻体に向いた錐形状であることを特徴とする消火装置。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の消火装置において、
前記飛散手段が、ガスボンベの圧力により、前記消火剤を飛散させることを特徴とする消火装置。
【請求項5】
請求項に記載の消火装置において、
付勢された付勢手段を液体により解放して、前記付勢手段によって前記ガスボンベを開いてガスを噴出させることを特徴とする消火装置。
【請求項6】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の消火装置において、
前記収容手段が、植物の種子を収容することを特徴とする消火装置。
【請求項7】
請求項に記載の消火装置において、
前記植物の種子が、断熱剤で覆われていること特徴とする消火装置。
【請求項8】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の消火装置において、
前記飛散手段が前記消火剤を飛散させる前に、警報を通知する警報手段を更に備えたことを特徴とする消火装置。
【請求項9】
温度を検知する検知ステップと、
地面から所定の高さに設置され、消火剤を収容する殻体と当該殻体を破裂させて前記消火剤を飛散させる飛散手段とを有する消火器であって、所定の温度以上の場合に、前記消火器の飛散手段を作動させる飛散ステップと、
前記飛散した消火剤を反射させて飛散方向を変える反射ステップと、
を含むことを特徴とする消火方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火装置、および、消火方法に関する。
【背景技術】
【0002】
温暖化に伴い森林火災が各地で多発している。火災現場が起伏の多い山間部であるため、消火活動を補助する森林火災用の技術が開発されている。例えば、特許文献1には、金属構造体によって形成されるシャーシを有し、シャーシの後部に動力ホイールが設置され、動力ホイールは外周に沿って複数のフラップを有し、動力ホイールはシャフトの横に設置される歯つきクラウンギアから動力を伝達される消火装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-183401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、山奥の森林火災の現場に行く必要があり、初期消火が難しいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記の問題点等に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、森林等における初期消火を補助する消火装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、消火剤を殻体の中に収容する収容手段と、前記殻体を破裂させて前記消火剤を飛散させる飛散手段と、前記収容手段を地面から所定の高さに設置させる設置手段と、前記飛散した消火剤を反射させて飛散方向を変える反射手段と、を備え、前記飛散手段は、所定の温度以上で前記消火剤を飛散させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の消火装置において、前記反射手段が、前記地面に対して前記殻体の上方に当該殻体を覆うように設置されたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項に記載の発明は、請求項または請求項に記載の消火装置において、前記反射手段が、頂点が前記殻体に向いた錐形状であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の消火装置において、前記飛散手段が、ガスボンベの圧力により、前記消火剤を飛散させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の消火装置において、付勢された付勢手段を液体により解放して、前記付勢手段によって前記ガスボンベを開いてガスを噴出させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の消火装置において、前記収容手段が、植物の種子を収容することを特徴とする。
【0013】
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の消火装置において、前記植物の種子が、断熱剤で覆われていること特徴とする。
【0014】
また、請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の消火装置において、前記飛散手段が前記消火剤を飛散させる前に、警報を通知する警報手段を更に備えたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項に記載の発明は、温度を検知する検知ステップと、地面から所定の高さに設置され、消火剤を収容する殻体と当該殻体を破裂させて前記消火剤を飛散させる飛散手段とを有する消火器であって、所定の温度以上の場合に、前記消火器の飛散手段を作動させる飛散ステップと、前記飛散した消火剤を反射させて飛散方向を変える反射ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、消火剤を殻体の中に収容した収容手段を地面から所定の高さに設置し、所定の温度以上で殻体を破裂させて消火剤を飛散することにより、森林等の消火装置が設置された場所における初期消火を補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係る消火装置の一例を示す模式図である。
図2図1の消火器の一例を示す模式図である。
図3図1の制御器の概要構成の一例を示すブロック図である。
図4】消火装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態に係る消火装置の一例を示す模式図である。
図6図5の消火器の一例を示す模式図である。
図7A図5の反射手段の変形例を示す模式図である。
図7B図5の反射手段の変形例を示す模式図である。
図7C図5の反射手段の変形例を示す模式図である。
図8】発散手段の変形例を示す模式図である。
図9】ガスボンベ解放部の一例を示す模式図である。
図10】消火器の変形例を示す模式図である。
図11A】殻体の変形例を示す模式図である。
図11B図11Aの殻体の開状態を示す模式図である。
図12A】殻体の変形例を示す模式図である。
図12B図12Aの殻体の開状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、消火装置に対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0019】
(第1実施形態)
[1.消火装置の構成および機能概要]
(1.1 消火装置の構成および機能)
【0020】
まず、本発明の第1実施形態に係る消火装置の構成および概要機能について、図1から図3を用いて説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る消火装置の一例を示す模式図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る消火装置1は、ポール5によって地面から所定の高さに設置され、消火剤を収容する消火器10と、消火器10の消火剤の飛散を制御する制御器20と、を備える。
【0023】
消火器10は、制御器20からの点火信号により、内部のインフレータが膨張して、消火剤を周囲に飛散させる。消火器10は、ポール5の上側の端に固定されている。球形の消火器10の直径は、例えば、30cmから1mである。
【0024】
制御器20は、温度センサにより所定の温度以上を検知したら、警報部22に音や光で通知する。制御器20は、通知後所定時間が経過した場合、消火器10に点火信号を送信する。
【0025】
消火装置1は、森林において、特に火災が発生し易い付近に、所定の間隔で設置される。消火装置1は、制御器20が火災の熱を検知すると、消火器10が消火剤を周囲に飛散させて、周囲の火を抑制したり、消火したりする。
【0026】
ここで、ポール5は、金属製、木製、プラスチック製等である。ポール5の下側の端は、地面等差し込み易くするため、先が細くなっていてもよい。ポール5の材質が金属の場合、中空のアルミニウム、ステンレス、鉄でもよい。ポール5は、中空のプラスチック棒でもよい。
【0027】
ポール5の中空の中に、消火器10と制御器20とを繋ぐ配線が設置される。ポール5が木の棒である場合、縦方向に配線用の溝を設けてもよい。
【0028】
ポール5の長さは、例えば、30cmから3mである。消火器10が設置される高さが高いほど、広範囲に消火剤が飛散するが、地上に届く消火剤が薄くなるので、消火器10の直径がより大きい方が好ましい。
【0029】
(1.2 消火器10の構成および機能)
次に、消火器10の構成および機能について、図2を用いて説明する。
図2は、消火器10の一例を示す模式図である。
【0030】
図2に示すように、消火器10は、消火器10の外形を形成する殻体11と、殻体11に収容された消火剤12と、消火剤12を飛散させるインフレータ13と、を有する。ここで、消火器10は、消火剤12を殻体11の中に収容する収容手段の一例である。ポール5は、収容手段を地面から所定の高さに設置させる設置手段の一例である。
【0031】
殻体11は、例えば、プラスチック製である。殻体11の材質は、飛散後に微生物により分解され、環境に負荷が少ない材質が好ましい。例えば、殻体11の材料は、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、カゼイン、変性デンプン、セルロース、デンプン、キトサン等で例示される成分を単独または複合して構成されたものである。
【0032】
殻体11は、木製でもよい。また、殻体11は、消火剤12を飛散させた後、再利用できるようにアルミニウム製、ステンレス製等の金属製でもよい。
【0033】
殻体11の形状は、例えば、所定の厚さを有する球形の殻である。殻体11の形状は、消火剤を収容できればよく、立方体、円柱形、紡錘形等でもよい。殻体11は、打ち上げ花火のように、紙やプラスチックフィルムを幾重にも巻いた構造でもよい。さらに、強度を図り、飛散力を向上させるため、殻体11は、外側にさらに維が巻かれていてもよい。
【0034】
殻体11の表面は、防水処理が施されていてもよい。殻体11の表面は、紫外線による劣化を防止する処理が施されていてもよい。
【0035】
消火剤12は、粉末系である、例えば、第1リン酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の消火能力がある成分を有する。また、消火剤12は、水・泡系である、炭酸カリウム、フッ素系界面活性剤等を含む消火剤でもよい。また、消火剤12は、炭酸水素ナトリウムと、硫酸アルミニウムとのように、反応して泡が発生する消火剤でもよい。
【0036】
消火剤12は、水分を含ませた高吸水性高分子でもよい。例えば、高吸水性高分子
ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等である。
【0037】
消火剤12と共に、植物の種子を混ぜてもよい。これにより消火剤の飛散と共に種子も蒔かれて森林の再生を促す。
【0038】
断熱剤で覆われている植物の種子の一例として、種子は、断熱性の材質でコーティングされてもよい。例えば、種子と泥とを混ぜて乾燥させて、土でコーティングされてもよい。発砲させた生分解プラスチックで、植物の種子がコーティングされてもよい。
【0039】
インフレータ13は、車両に搭載されるエアバッグの構成とほぼ同じよい。インフレータ13は、例えば、硝酸グアニジン、硝酸アンモニウム等のガス発生剤を有する。インフレータ13の周りに発生したガスのみが噴出するように、網や、孔が開いた殻を有してもよい。
【0040】
インフレータ13は、黒色火薬、無煙火薬でもよい。インフレータ13の表面は、打ち上げ花火のように、紙やプラスチックフィルムを幾重にも巻いた構造でもよい。
【0041】
殻体11の内に、インフレータ13の周りに消火剤12が詰められ、消火器10の構成されている。ここで、インフレータ13は、殻体11を破裂させて消火剤12を飛散させる飛散手段の一例である。インフレータ13は、所定の温度以上で消火剤12を飛散させる飛散手段の一例である。
【0042】
(1.3 制御器20の構成および機能)
次に、制御器20の構成および機能について、図3を用いて説明する。
【0043】
図3は、制御器20の概要構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、コンピュータとして機能する制御器20は、センサ部21と、警報部22と、点火部23と、記憶部24と、通信部25と、電池部26よ、制御部27とを備えている。
【0044】
センサ部21は、温度を測定する温度センサを有する。温度センサは、例えば、サーミスタ、熱電対、IC温度センサ、測温抵抗体等である。センサ部21の温度センサは、ポール5、消火器10の表面や下側、制御器20の表面等に設置される。また、センサ部21の温度センサは、消火装置1の上部、中部、地面付近の下部等に設置される。センサ部21は、複数の温度センサを有してもよい。
【0045】
また、センサ部21は、湿度を測る湿度センサ、気圧を測る気圧センサ等の気象用のセンサを有してもよい。センサ部21は、消火装置1が設置された位置を測るGPS(Global Positioning System)センサを有してもよい。センサ部21は、周囲を撮影するカメラ、周囲の音を集音するマイクロフォン、時間を計るタイマー等の各種のセンサを有してもよい。
【0046】
警報を通知する警報手段の一例である警報部22は、警告ランプおよび警報音を発するブザーを有する。警報部22は、スピーカーを有してもよい。
【0047】
点火部23は、電流を流すことにより熱を発生する発熱体と、発熱体の熱で着火する火薬等の着火剤とを有する。例えば、点火部23は、エアバッグのスクイブ等である。点火部23は、消火器10の中心部、すなわちインフレータ13の中に設置される。点火部23は、リード線により制御部27と接続している。点火部23は、インフレータ13を点火して、インフレータ13を燃焼させる。
【0048】
なお、点火部23は、圧電素子または火打ち石等と着火剤とを組み合わせた機械式でもよい。点火部23は、付勢されたバネ等の弾性体を有し、圧電素子等に衝突させて、着火剤を着火させる火花を発生させてもよい。点火部23は、殻体11を破裂させて消火剤12を飛散させる飛散手段の一例である。
【0049】
記憶部24は、例えば、シリコンディスクドライブ、ハードディスクドライブ等により構成されており、オペレーティングシステム、制御部27用の制御プログラム等の各種プログラム等を記憶する。
【0050】
なお、各種プログラムは、例えば、組み込み式でもよいし、コンピュータを接続してプログラムを供給してもよいし、ネットワークを介して他のサーバ装置等から取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されてドライブ装置(図示せず)を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0051】
通信部25は、無線により、基地局を介してネットワークに接続して、管理サーバ装置(図示せず)との通信を制御するようになっている。
【0052】
電池部26は、アルカリ電池、リチウム電池等の1次電池や、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の2次電池である。電池部26が2次電池の場合、太陽パネル(図示せず)からの電力を充電してもよい。電池部26は、制御部27や点火部23等に電力を供給する。
【0053】
制御部27は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成されている。制御部27は、CPUがROMや記憶部24に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより、所定の温度との比較処理、点火の制御等を行う。
【0054】
ここで、制御器20は、殻体11を破裂させて消火剤12を飛散させる飛散手段の一例である。制御器20は、所定の温度以上で消火剤12を飛散させる飛散手段の一例である。
【0055】
なお、制御器20は、CPUでなくオペアンプ等のICで形成されていてもよい。
制御器20は、センサ部21と所定の温度との比較をコンパレータ素子において行い、比較の結果、電池部26からの電流を点火部23に供給する。制御器20は、発信回路により生成された音を、警報部22のスピーカーで出力する。なお、制御器20が、記憶部24および通信部25を有しなくてもよい。
【0056】
なお、消火装置1は、避雷針を備えてもよい。
【0057】
また、消火器10のインフレータ13に導火線で点火してもよい。点火部23の代わりに雷管が設置され、雷管に導火線が接続している。導火線は、消火器10の外に露出しているか、ポール5に沿って、地面付近に達している。消火装置1の周囲の炎により、導火線に火が付き、雷管まで伝わり、インフレータ13に点火して、インフレータ13が燃焼する。この場合、制御器20が、警報部22を有しなくてもよい。
【0058】
インフレータ13への点火は、機械式でもよい。例えば、熱に溶けたり、弱くなったり、燃えたりするワイヤーが切れて、バネの弾性エネルギー、錘の位置エネルギー等の力学的エネルギーが解放され、圧電素子等により電気エネルギーに変換されて、火花を発生させて、点火部23の雷管を作動させ、インフレータ13への点火が行われる。
【0059】
センサ部21の温度センサの他に、力学的エネルギーを解放するトリガーとして、熱による形状が変わる形状記憶合金でもよい。また、力学的エネルギーを解放するトリガーとして、ポリオレフィン、フッ素系ポリマー、熱可塑性エラストマー等の熱により収縮する収縮樹脂でもよい。
【0060】
消火器10は、設置手段の一例として、ポール5の他に、生えている木に吊してもよい。ポールがL字型で、消火器10が吊されてもよい。
【0061】
[2.消火装置の動作例]
次に、消火装置の動作例について、図を用いて説明する。
【0062】
図4は、消火装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0063】
図4に示すように、消火装置1は、温度を計測する(ステップS1)。具体的には、制御器20が、センサ部21の温度センサからの温度データに基づき、温度を計測する。ステップS1は、温度を検知する検知ステップの一例である。
【0064】
なお、制御器20が、通信部25を通して、管理サーバ装置に、温度データや他の気象データ等の各種データを逐次、または、所定の時刻にまとめて送信してもよい。
【0065】
次に、消火装置1は、所定の温度以上が否かを判定する(ステップS2)。具体的には、制御器20が、消火装置1の周辺で森林火災が発生しているか否かを判定するために、計測した温度が、所定の温度と比較して、所定の温度以上が否かを判定する。所定の温度は、例えば、70℃、80℃、100℃、150℃等の通常の気温では、想定されていない温度である。
【0066】
なお、制御器20が所定の温度と比較する温度は、複数の温度センサからの温度の平均でも、少なくとも1つの温度センサからの温度でも、温度センサの設置位置に応じて、重み付けをした温度でもよい。また、複数の温度センサがある場合、所定数の温度センサの温度が、所定の温度以上の場合、制御器20が、消火装置1の周辺で森林火災が発生しているか否かを判定してもよい。
【0067】
所定の温度以上である場合(ステップS2;YES)、消火装置1は、警告を通知する(ステップS3)。具体的には、制御器20が、警報部22の警告ランプを点灯させ、ブザーが警報音を発する。これにより、消火装置1の近辺にいる人々に消火剤を飛散させることを予告する。また、警報部22のスピーカーは、音声で消火剤が飛散することを知らせてもよい。警報音は、動物がいやがる音でもよい。このように、消火装置1は、前記飛散手段が前記消火剤を飛散させる前に、警報を通知する警報手段の一例として機能する。
【0068】
また、制御器20が、通信部25を通して、管理サーバ装置に、温度が所定の温度以上である情報を送信してもよい。
【0069】
所定の温度以上でない場合(ステップS2;NO)、制御器20が、ステップS1の処理に戻り、温度を計測する。
【0070】
次に、消火装置1は、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS4)。具体的には、制御器20が、センサ部21等のタイマーに基づき、所定の温度以上であると判定してから、所定時間が経過したか否かを判定する。制御器20が、演算回数により、所定時間の経過を計算してもよい。
【0071】
所定時間が経過した場合(ステップS4;YES)、消火装置1は、消火剤を飛散させる(ステップS5)。具体的には、制御器20が、点火部23に電流を流し、発熱体の温度が上昇し、点火部23が発火する。点火部23は、消火器10のインフレータ13を点火する。インフレータ13は、大量のガスが発生する。
【0072】
インフレータ13から発生したガスの圧力により、殻体11が破裂して、消火器10の中から、消火剤12が、周りに飛散する。
【0073】
消火剤12が、消火装置1の周りに飛散することにより、周囲の火を消したり、炎を抑制したり、まだ燃えていないものの延焼を防止したりする。また、殻体11の中に、植物の種子が含まれている場合、消火装置1は、種子も一緒に飛散させる。
【0074】
ステップS5は、所定の温度以上の場合に、前記消火器の飛散手段を作動させる飛散ステップの一例である。
【0075】
また、制御器20が、通信部25を通して、管理サーバ装置に、消火剤12を飛散した情報を、消火装置ID、位置情報等と共に送信してもよい。
【0076】
所定時間が経過していない場合(ステップS4;NO)、消火装置1は、ステップS4の処理に戻る。
【0077】
以上説明したように、本実施形態に係る消火装置1によれば、消火剤12を殻体11の中に収容した消火器10を地面から所定の高さにポール5により設置し、所定の温度以上でインフレータ13を作動させ、殻体11を破裂させ消火剤12を飛散させることにより、森林等の消火装置1が設置された場所の周囲における初期消火を補助することができる。
【0078】
消火装置1は、開催の初期段階で、消火器10の飛散範囲において、火が弱ければ、十分に消火することができる。消火装置1は、消防隊が直ちに消火作業ができない森林の奥まった場所でも、初期消火を行うことができる。消火装置1は、発生した森林火災の延焼を抑制することができる。
【0079】
また、消火器10が、植物の種子を収容している場合、森林火災後の森林の再生を促進することができる。
【0080】
植物の種子が、断熱剤で覆われている場合、断熱により、種子を火から保護することができる。また、落ち葉などで被覆された土壌表面を、断熱剤で覆われた種子や土が覆うことにより、延焼を防止する働きも期待できる。
【0081】
消火器10が消火剤12を飛散させる前に、警報を通知する場合、仮に人や動物がいた場合でも、避難させることができる。
【0082】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る消火装置について、図を用いて説明する。なお、前記第1実施形態と同一または対応する部分には、同一の符号を用いて異なる構成および動作のみを説明する。その他の実施形態および変形例も同様とする。
【0083】
図5は、第2実施形態に係る消火装置の一例を示す模式図である。図6は、消火器の一例を示す模式図である。
【0084】
また、図5に示すように、本実施形態に係る消火装置2は、ポール5Aによって地面から所定の高さに設置され、消火剤12を収容する消火器10Aと、消火器10Aの消火剤12の飛散を制御する制御器20と、飛散した消火剤12を反射させる反射器30と、を備える。
【0085】
ポール5Aは、消火器10Aを貫いて、反射器30に接続して、反射器30を支えている。ポール5Aは、消火器10Aを支え固定する支持台sを有する。
【0086】
消火器10Aは、図6に示すように、殻体11Aの両極を貫くパイプpを有する。パイプpの中央部において、パイプpを巻くようにインフレータ13が設置される。消火剤12が、パイプpおよびインフレータ13の周りに設置され、殻体11Aの中を満たす。なお、殻体11Aは、殻体11と同じ材質である。
【0087】
消火器10Aのパイプpにポール5Aが挿入され、支持台sに消火器10Aが固定される。消火器10Aの挿入後、ポール5Aの端には、反射器30が固定される。
【0088】
反射器30は、円錐形であり、頂点が消火器10Aに向いている。反射器30は、地面に対して殻体11Aの上方に殻体11Aを覆うように設置されている。反射器30の底面の大きさは、消火器10Aに雨が降りかかりにくいように、消火器10Aの殻体11Aの直径より大きいことが好ましい。反射器30の円錐面が反射面である。
【0089】
ここで、反射器30は、飛散した消火剤を反射させて飛散方向を変える反射手段の一例である。反射器30は、地面に対して殻体11Aの上方に当該殻体を覆うように設置された反射手段の一例である。反射器30は、頂点が殻体11Aに向いた錐形状である反射手段の一例である。
【0090】
反射器30は、例えば、金属製である。反射器30は、殻体11Aの破裂で、上方に飛散した消火剤12を横方向に、飛散の向きを変えられる材質、構造ならばよい。例えば、反射器30は、中まで木製やプラスチック製でもよい。プラスチックは、生分解性プラスチックが好ましい。
【0091】
反射器30の底面に太陽光パネル31が設置される。反射器30底面部分に、アンテナ32が設置される。太陽光パネル31で発電して、電池部26に電力を蓄える。通信部25は、アンテナ32により、無線通信を行う。反射器30の内部に、制御器20を備えてもよい。
【0092】
消火装置2の制御器20は、消火装置1の制御器20と同様に、ステップS1からステップS5の処理を行う。
【0093】
消火装置2の制御器20は、温度センサにより所定の温度以上を検知したら、警報部22に音や光で通知する。制御器20は、通知後所定時間が経過した場合、点火部23に点火信号を送信する。消火器10Aの中にある点火部23は、消火器10Aのインフレータ13を点火する。インフレータ13は、殻体11Aを破り、消火剤12を周りに飛散させる。
【0094】
上方に飛散した上半分の消火剤12の多くは、反射器30の円錐面に衝突し、反射器30で跳ね返り、主に横方向に向かって、水平方向により飛散する。
【0095】
以上説明したように、本実施形態に係る消火装置2によれば、消火装置1の効果の他に、消火器10から飛散した消火剤を反射させて飛散方向を変える反射器30により、消火剤12の飛散方向を制御できる。反射器30の形状、反射面の向きにより、消火装置2所定の方向に効率よく消火剤を散布できる。
【0096】
反射器30が、地面に対して殻体11Aの上方に殻体11Aを覆うように設置されている場合、雨や日光から殻体11Aの劣化を防止することができる。
【0097】
反射器30の頂点が殻体11Aに向いた錐形状である場合、反射器30に対して横方向に消火剤12が飛散し易くなり、より広範囲を消火し易くなる。
【0098】
(変形例)
次に、反射手段、発散手段、消火器等の変形例について、図を用いて説明する。
【0099】
まず、反射手段の変形例について、図7Aから図7Cを用いて説明する。
図7Aから図7Cは、反射手段の変形例を示す模式図である。
【0100】
図7Aに示すように、消火装置2Aは、平板状の反射器30Aを有してもよい。
【0101】
反射器30Aにより、上方に飛散する上半分の消火剤12の多くを、斜め下方向に反射する。消火装置2Aは、消火装置2Aから所定半径の位置に散布される消火剤の量を増加させることができる。
【0102】
図7Bに示すように、消火装置2Bは、傘形状の反射器30Bを有してもよい。
【0103】
反射器30Bにより、上方に飛散する上半分の消火剤12の多くを、下方に反射する。消火装置2Bは、足下の火災をより効率的に消火することができる。
【0104】
なお、殻体11Aの破裂により、反射器30Aまたは反射器30Bが破壊されたとしても、上方に飛散する消火剤12を抑制できる。
【0105】
また、反射器30Aおよび反射器30Bは、雨や日光が消火器10Aに当たるのをできるだけ防止でき、劣化を防止できる。
【0106】
図7Cに示すように、消火装置2Cは、屋根部33を更に有してもよい。雨が流れ易くなる。特に反射器30が木製の場合、雨による劣化を防ぐことができる。
【0107】
次に、発散手段の変形例について、図8を用いて説明する。
図8は、発散手段の変形例を示す模式図である。図9は、ガスボンベ解放部の一例を示す模式図である。
【0108】
図8に示すように、消火装置3は、消火器10Bと、制御器20と、ガスボンベ40とを備える。ガスボンベ40は、ガスボンベの圧力により、消火剤12を飛散させる飛散手段の一例である。
【0109】
ガスボンベ40の中には、高圧の二酸化炭素、窒素等が充填されている。また、ガスボンベ40のガスは、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスでもよい。ガス系消火器に使用される成分でもよく、ガスボンベ40のガスは、例えば、ハロンでもよい。ガスボンベ40のガスは、燃焼を抑えるガスが好ましい。
【0110】
ガスボンベ40は、ガスボンベ解放部41と接続している。
【0111】
図9に示すように、ガスボンベ解放部41は、釘41aと、バネ41bと、水感知素子41cと、タンク41dと、を有する。
【0112】
釘41aは、鉄やステンレス等の金属製である。釘41aの先端が細くなっている。釘41aは、ガスボンベ40のガスの封入口を破る。
【0113】
付勢手段の一例であるバネ41bは、例えば、金属製のコイル状のバネである。バネ41bは、縮められて、弾性エネルギーが蓄えられている。バネ41bは、弾性体ならばよい。
【0114】
水感知素子41cは、I字型で、バネ41bの中を貫き、両端で、縮められたバネ41bの伸張を押さえている。水感知素子41cの材質は、例えば、水により強度が落ちる材質である。水感知素子41cの材質は、繊維をデンプン系接着剤、酢酸ビニル樹脂系、カゼイン接着剤の接着剤等で固めた材質である。
【0115】
なお、水感知素子41cの材質は、不燃性の有機物質で溶けるプラスチックで、酸やアルカリ等で、強度が落ちる物質でもよい。
【0116】
タンク41dの中に、水感知素子41cの強度を落とす、水等の液体が蓄えられている。タンク41dは、点火部23の代わり電磁弁等を有する。
【0117】
消火器10Bは、インフレータ13の代わりに、飛散手段の一例であるガス発散部43を有している。ガス発散部43は、管42を介して、ガスボンベ解放部41と接続している。ガス発散部43は球形で、ガス発散部43の表面に、ガスボンベ40からの高圧ガスを放出する孔があいている。
【0118】
消火装置3の制御器20は、温度センサにより所定の温度以上を検知したら音や光で通知する。
【0119】
制御器20は、通知後所定時間が経過した場合、タンク41dの電磁弁を開くように信号を送信する。タンク41dは、バネ41bおよび水感知素子41cを収納している部屋に水を供給する。タンク41dは、水供給用の電磁弁と、空気を取り込む電磁弁とを備えてもよい。なお、タンク41dは袋で、袋を破って水を。水感知素子41cを収納している部屋に水を供給してもよい。
【0120】
水により、水感知素子41cの強度が落ちて、バネ41bの拘束が解放されて、バネ41bが、勢いよく伸びて、釘41aを、ガスボンベ40のガスの封入口に向けてガスを発射する。
【0121】
ガスボンベ40から高圧のガスが噴き出し、管42を通って、ガス発散部43に達する。
【0122】
殻体11の中の圧力が高まり、殻体11が破裂して、消火剤12を周りに飛散する。
【0123】
なお、水感知素子41cの代わりに、制御器20からの信号により電磁気力で引き金を動かし、バネ41bを解放してもよい。水感知素子41cの代わりに、温度により形状が変わる形状記憶合金でもよい。ガスボンベ40の開閉の制御が、電磁弁によって直接行われてもよい。ガスボンベ解放部41が、ガスボンベ40の開閉を行うレバーを有し、レバーを直接、バネ41bや電磁気力で動かしてもよい。また、ガスボンベ解放部41が錘を有し、温度の上昇のトリガーによって錘が落下する。落下した錘のエネルギーにより、釘41aを打ち付けたり、レバーを動かしたりして、ガスボンベ40のガスを解放してもよい。
【0124】
以上説明したように、本実施形態に係る消火装置3によれば、消火装置1の効果の他に、ガスボンベ40の圧力によって消火剤12を飛散させることにより、火薬を使用せずに、消火剤12を飛散させることができる。
【0125】
付勢されたバネ41bを液体により解放して、バネ41bによってガスボンベ40を開いてガスを噴出させる場合、火薬を使用せずに、消火剤12を飛散させることができる。
【0126】
次に、消火器の変形例について、図10を用いて説明する。
図10は、消火器の変形例を示す模式図である。
【0127】
図10に示すように、消火器10Cは、円柱形でもよい。円柱形の消火器10Cの中心部分に、インフレータ13を有する。
【0128】
また、制御器20Aは、消火器10Cの下に備えてもよい。消火器10Cの上面に太陽光パネルを備えてもよい。消火器10Cの側面の強度を、上面より弱くして、水平方向に、消火剤12が飛散し易いようにしてもよい。
【0129】
次に、殻体の変形例について、図10Aから図11Bを用いて説明する。
図11Aおよび図12Aは、殻体の変形例を示す模式図である。図11Bおよび図12Bは、殻体の開状態を示す模式図である。
【0130】
図11Aおよび図11Bに示すように、球形状の殻体11Bは、花びらが開くような構造でもよい。ポール5の先端に取り付けられた殻体11Bが破裂した際、花びらが開くように、殻体11Bにおいて、所定の間隔で経線方向にくびれがあってもよい。図11Bに示すように、開いた殻体11Bの内側に沿って、消火剤12がより多く、周りに飛散する。
【0131】
図12Aおよび12Bに示すように、球形状の殻体11Cは、くす玉が開くような構造でもよい。殻体11Cは、2つの半球が合わさった構造である。図12Aに示すように、ポール5Aが殻体11Cを貫き、殻体11Cの上部と殻体11Cとが固定されている。殻体11Cが下向きに開き、消火剤12が上方に飛散することを防止する。
【0132】
なお、力学的エネルギーを解放するトリガーとして、熱による膨張率の異なる材料を組み合わせたものでもよい。熱による歪みが生じ、熱による膨張率の異なる材料を組み合わせた部材が、付勢されたバネ等の力に耐えられなくなり、力学的エネルギーが解放される。例えば、ガラスと樹脂を貼り合わせた材料である。また、この材料は、ガラス単体でもよく、表面と内部との膨張率の違いにより、脆くなる材料ならばよい。これらの材料を接着剤により貼り合わせ、熱により剥離して、バネ等の力学的エネルギーを解放してもよい。
【0133】
また、力学的エネルギーを解放するトリガーとして、樹脂に無機フィラーを混合して、混合する無機フィラーの種類や配合割合を変えて形成された熱伝導率が異なる材料を組み合わせてもよい。無機フィラーは、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ホウ素、窒化アルミニウム等のフィラーである。樹脂は、熱によって、縮んだり、硬化したり、軟化したり等の物質的性質が変わるものである。熱により物質的性質の変化に違いが生じ、変形等して、バネ等の力学的エネルギーを解放する。これらの材料を接着剤により貼り合わせ、熱により剥離して、バネ等の力学的エネルギーを解放してもよい。
【0134】
本願の消火装置は、本願の消火器を複数有してもよい。例えば、ポール5に消火器を串刺しのようにして、上下縦に並べた消火装置である。また、消火装置は、複数の消火器を紐等で繋げて垂らしてもよい。複数の消火器を面状に並べてもよい。これは、防火壁のような効果を有する。
【0135】
上記実施形態や変形例の組み合わせでもよい。例えば、形状記憶合金、熱収縮樹脂、温度により強度が変わる材料等を用いた場合のように、電気的に以外に温度を検知する場合、本願の消火装置は、制御部20無しに、インフレータ13を燃焼したり、ガスボンベ40を解放したりすることにより、消火剤12を飛散する構成でもよい。
【0136】
さらに、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0137】
1、2、3:消火装置
5、5A:ポール(設置手段)
10、10A、10B:消火器(収容手段)
11、11A、11B:殻体
12:消火剤
13:インフレータ(飛散手段)
20:制御器(飛散手段)
30、30A、30B:反射器(反射手段)
40:ガスボンベ(飛散手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B