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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】バックグランドデータ転送のための方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/02 20090101AFI20231205BHJP
   H04M 3/00 20060101ALI20231205BHJP
   H04M 15/00 20060101ALI20231205BHJP
   H04W 4/24 20180101ALI20231205BHJP
   H04W 4/70 20180101ALI20231205BHJP
【FI】
H04W28/02
H04M3/00 B
H04M15/00 G
H04W4/24
H04W4/70
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019505712
(86)(22)【出願日】2017-12-14
(86)【国際出願番号】 JP2017044838
(87)【国際公開番号】W WO2018168132
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2020-11-13
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】P 2017052866
(32)【優先日】2017-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】岩井 孝法
(72)【発明者】
【氏名】田村 利之
【合議体】
【審判長】廣川 浩
【審判官】圓道 浩史
【審判官】角張 亜希子
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-511871(JP,A)
【文献】”3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Architecture enhancements to facilitate communications with packet data networks and applications (Release 15)”,3GPP TS 23.682 V15.0.0(2017-03), [online], 2017年03月13日, p.28,29,79,80, インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp//Specs/archive/23_series/23.682/23682-f00.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリシー機能装置により行われる方法であって、
Application Function(AF)装置によって提供された、バックグランドデータ転送の参照Identifier(ID)を含む第1の情報を受信すること;
前記第1の情報に基づいて前記バックグランドデータ転送のためのポリシー情報を取得すること、ここで前記ポリシー情報はタイムウインドウ及びUser Equipment(UE)に関するエリアの情報を備える;及び
前記タイムウインドウ及び前記エリアの情報を前記UEに対して送信すること、
を備える方法。
【請求項2】
前記第1の情報は、前記ポリシー情報を既存のセッションに適用するために前記AF装置によって送信される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリシー情報に基づいて、前記UEによってセッションの確立が実行される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の情報は、さらに、前記AF装置のセッション情報を備える、
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
User Equipment(UE)により行われる方法であって、
アクセスネットワークノードと通信すること、及び
ポリシー機能装置から送信されたタイムウインドウ及び前記UEに関するエリアの情報を受信すること、
を備え、
前記タイムウインドウ及び前記エリアの情報は、Application Function(AF)装置によって提供された第1の情報に基づいて前記ポリシー機能装置により取得されるバックグランドデータ転送のためのポリシー情報に含まれ、前記第1の情報は前記バックグランドデータ転送の参照Identifier(ID)を含む、
方法。
【請求項6】
前記第1の情報は、前記ポリシー情報を既存のセッションに適用するために前記AF装置によって送信される、
請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリシー情報に基づいて、セッションの確立を実行する、
請求項又はに記載の方法。
【請求項8】
前記第1の情報は、さらに、前記AF装置のセッション情報を備える、
請求項のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信ネットワークに関し、特にアプリケーションサービス・プロバイダからの要求に基づいて無線通信ネットワークによって無線端末に提供されるバックグラウンドデータ転送に関する。
【背景技術】
【0002】
Third Generation Partnership Project(3GPP)は、バックグラウンドデータ転送(background data transfer)を標準化している(例えば、非特許文献1-3を参照)。典型的には、バックグラウンドデータ転送は、3GPPネットワークによって推奨されるタイムウインドウにおいて行われる特別な課金ポリシー(i.e., 低い(lower)課金レート)による各無線端末(User Equipment(UE))のためのデータ転送サービスを意味する。
【0003】
3GPPネットワークは、バックグラウンドデータ転送に適用される転送ポリシーを3GPPネットワークと交渉する(negotiate)こと、及び合意された転送ポリシーに基づく各UEのバックグラウンドデータ転送のためのsponsored connectivityを3GPPネットワークに要求すること、をアプリケーションサービス・プロバイダ(Application Service Provider(ASP))に可能する。ここで、転送ポリシーは、バックグラウンドデータ転送のために推奨されるタイムウインドウ、当該タイムウインドウのための課金レートへの言及(reference)、及びオプションで(optionally)最大集約ビットレート(maximum aggregated bitrate)を含む。最大集約ビットレートは、当該言及された課金レートに応じた課金(charging)が、この値以下に留まる全ての関係するUEs(all involved UEs)の集約されたトラフィックに対してのみ適用できること示す。なお、(転送ポリシーにオプションで含まれる)最大集約ビットレートは、3GPPネットワーク内で施行(enforced)されない。モバイルオペレータは、UEsのセット(set of UEs)のための最大集約ビットレートがASPによって超過された(was exceeded)か否かを判定するためにオフライン課金データレコード(Charging Data Records (CDRs))処理を利用し、この超過した(excess)トラフィックを別に(differently)課金してもよい。
【0004】
非特許文献1の第29.2章は、3GPPコアネットワークによって露出されるサービス及び能力(exposed services and capabilities)を規定している。より具体的には、非特許文献1の29.2章は、3GPPコアネットワークがバックグラウンドデータ転送のための3GPPリソースマネージメントのためのサードパーティとのインタラクションを提供することを規定している。非特許文献2の第4.5.9章及び第5.9章は、バックグラウンドデータ転送のためのリソースマネージメントの詳細および手順を規定している。非特許文献3の第5.2.13章は、Service Capability Exposure Function(SCEF)とPolicy and Charging Rules Function(PCRF)との間のNtインタフェース(又は参照点(reference point))を規定している。Ntインタフェースは、将来のバックグラウンドデータ転送のための推奨されるタイムウインドウ及び関連する条件についてのSCEFとPCRFとの間のネゴシエーションを可能にする。非特許文献3の第6.1.16章及び第7.11.1章は、さらに、Ntインタフェースを介した将来のバックグラウンドデータ転送のネゴシエーションの詳細を規定している。
【0005】
非特許文献4は、上述の非特許文献1(3GPP TS 22.101)の第29.2章の改訂を提案している。より具体的には、非特許文献4は、バックグラウンドデータ転送が(a)合意された最大データボリュームを超える、(b)合意されたタイムウインドウを超えて継続する、又は(c)合意されたエリア(areas)の外で発生する場合に、このバックグラウンドデータ転送が3GPPシステムによって停止されるべきか又はおそらく(possibly)異なる課金レジーム(又は課金ルール)の下で継続されるべきかを、サードパーティ・アプリケーションサーバ(AS)が3GPPシステム(又は3GPPネットワーク)に示すことができるべきであることを記載している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】3GPP TS 22.101 V14.5.0 (2016-12) “3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Service aspects; Service principles (Release 14)”, December 2016
【文献】3GPP TS 23.682 V14.2.0 (2016-12) “3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Architecture enhancements to facilitate communications with packet data networks and applications (Release 14)”, December 2016
【文献】3GPP TS 23.203 V14.2.0 (2016-12) “3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Policy and charging control architecture (Release 14)”, December 2016
【文献】3GPP S1-171415, NTT DOCOMO, KPN, KDDI, TOYOTA ITC, DENSO CORPORATION, NEC, “Enhancement of the service exposure for background data transfer”, 3GPP TSG-SA WG1 Meeting #77, Jeju Island, South Korea, 13-17 February 2017
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献4の提案は、アプリケーションサービス・プロバイダ(又はそのアプリケーションサーバ)と3GPPネットワークとの間のバックグラウンドデータ転送に関するサービス原則(principles)の変更を提案しているのみである。したがって、この変更をどのように3GPPネットワークに実装するかが明確でない。
【0008】
本明細書に開示される実施形態が達成しようとする目的の1つは、バックグラウンドデータ転送が事前に合意された転送ポリシーに従わない場合の当該バックグラウンドデータ転送の無線通信ネットワーク(e.g., 3GPPネットワーク)内での取り扱いを当該無線通信ネットワークとネゴシエートすることをアプリケーションサービス・プロバイダ(又はそのアプリケーションサーバ)に可能とする装置、方法、及びプログラムを提供することである。なお、この目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が達成しようとする複数の目的の1つに過ぎないことに留意されるべきである。その他の目的又は課題と新規な特徴は、本明細書の記述又は添付図面から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様では、無線通信ネットワーク内に配置される露出ノードは、少なくとも1つのメモリと、前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、アプリケーションサービス・プロバイダと複数の無線端末との間の将来のバックグラウンドデータ転送のためのリソースマネジメントの第1の要求を、前記アプリケーションサービス・プロバイダに関連付けられたサーバから受信するよう構成される。前記第1の要求は、前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された(previously agreed (or negotiated))転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示すパラメータを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1の要求の受信に応答して、前記バックグラウンドデータ転送のためのリソースマネジメントの第2の要求を前記無線通信ネットワーク内のポリシー制御ノードに送るよう構成される。前記第2の要求は、前記第1の要求から得られた前記パラメータを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第2の要求に基づいて前記ポリシー制御ノードにより決定された前記バックグラウンドデータ転送に適用される転送ポリシーを前記サーバに送るよう構成される。
【0010】
第2の態様では、無線通信ネットワーク内に配置されるポリシー制御ノードは、少なくとも1つのメモリと、前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、アプリケーションサービス・プロバイダと複数の無線端末との間の将来のバックグラウンドデータ転送のためのリソースマネジメントの要求を、前記アプリケーションサービス・プロバイダに関連付けられたサーバから露出ノードを介して受信するよう構成される。前記要求は、前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された(previously agreed (or negotiated))転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示すパラメータを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、前記要求に基づいて転送ポリシーを決定し、前記決定された転送ポリシーを前記サーバに前記露出ノードを介して送るよう構成される。
【0011】
第3の態様では、無線通信ネットワーク内に配置されるネットワークノードは、少なくとも1つのメモリと、前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、アプリケーションサービス・プロバイダと各無線端末との間のバックグラウンドデータ転送に関連付けられたパケットフローに適用されるポリシールールをポリシー制御ノードから受信するよう構成される。前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ポリシールールを施行するよう構成される。前記ポリシールールは、前記バックグラウンドデータ転送が前記アプリケーションサービス・プロバイダと前記無線通信ネットワークとの間で事前に合意された転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示す。
【0012】
第4の態様では、無線アクセスネットワークに配置される基地局は、少なくとも1つのメモリと、前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、アプリケーションサービス・プロバイダと各無線端末との間のバックグラウンドデータ転送に関連付けられたパケットフロー又は前記パケットフローを転送するベアラに適用されるポリシールールを、コアネットワークから受信するよう構成される。前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ポリシールールを施行するよう構成される。前記ポリシールールは、前記バックグラウンドデータ転送が前記アプリケーションサービス・プロバイダと前記コアネットワークとの間で事前に合意された転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否かを示す。
【0013】
第5の態様では、無線端末は、少なくとも1つのメモリと、前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、アプリケーションサービス・プロバイダと前記無線端末との間のバックグラウンドデータ転送に関連付けられたパケットフロー又は前記パケットフローを転送するベアラに適用されるポリシールールを、コアネットワークから基地局を介して受信するよう構成される。前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ポリシールールを施行するよう構成される。前記ポリシールールは、前記バックグラウンドデータ転送が前記アプリケーションサービス・プロバイダと前記コアネットワークとの間で事前に合意された転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否かを示す。
【0014】
第6の態様では、無線通信ネットワーク内に配置される露出ノードにおける方法は、
(a)アプリケーションサービス・プロバイダと複数の無線端末との間の将来のバックグラウンドデータ転送のためのリソースマネジメントの第1の要求を、前記アプリケーションサービス・プロバイダに関連付けられたサーバから受信すること、
(b)前記第1の要求の受信に応答して、前記バックグラウンドデータ転送のためのリソースマネジメントの第2の要求を前記無線通信ネットワーク内のポリシー制御ノードに送ること、及び
(c)前記第2の要求に基づいて前記ポリシー制御ノードにより決定された前記バックグラウンドデータ転送に適用される転送ポリシーを前記サーバに送ること、
を含む。ここで、前記第1の要求は、前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された(previously agreed (or negotiated))転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示すパラメータを含む。前記第2の要求は、前記第1の要求から得られた前記パラメータを含む。
【0015】
第7の態様では、無線通信ネットワーク内に配置されるポリシー制御ノードにおける方法は、
(a)アプリケーションサービス・プロバイダと複数の無線端末との間の将来のバックグラウンドデータ転送のためのリソースマネジメントの要求を、前記アプリケーションサービス・プロバイダに関連付けられたサーバから露出ノードを介して受信すること、及び
(b)前記要求に基づいて転送ポリシーを決定し、前記決定された転送ポリシーを前記サーバに前記露出ノードを介して送ること、
を含む。ここで、前記要求は、前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された(previously agreed (or negotiated))転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示すパラメータを含む。
【0016】
第8の態様では、無線通信ネットワーク内に配置されるネットワークノードにおける方法は、
(a)アプリケーションサービス・プロバイダと各無線端末との間のバックグラウンドデータ転送に関連付けられたパケットフローに適用されるポリシールールをポリシー制御ノードから受信すること、及び
(b)前記ポリシールールを施行すること、
を含む。ここで、前記ポリシールールは、前記バックグラウンドデータ転送が前記アプリケーションサービス・プロバイダと前記無線通信ネットワークとの間で事前に合意された転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示す。
【0017】
第9の態様では、無線アクセスネットワークに配置される基地局における方法は、
(a)アプリケーションサービス・プロバイダと各無線端末との間のバックグラウンドデータ転送に関連付けられたパケットフロー又は前記パケットフローを転送するベアラに適用されるポリシールールを、コアネットワークから受信すること、及び
(b)前記ポリシールールを施行すること、
を含む。ここで、前記ポリシールールは、前記バックグラウンドデータ転送が前記アプリケーションサービス・プロバイダと前記コアネットワークとの間で事前に合意された転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否かを示す。
【0018】
第10の態様では、無線端末における方法は、
(a)アプリケーションサービス・プロバイダと前記無線端末との間のバックグラウンドデータ転送に関連付けられたパケットフロー又は前記パケットフローを転送するベアラに適用されるポリシールールを、コアネットワークから基地局を介して受信すること、及び
(b)前記ポリシールールを施行すること、
を含む。ここで、前記ポリシールールは、前記バックグラウンドデータ転送が前記アプリケーションサービス・プロバイダと前記コアネットワークとの間で事前に合意された転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否かを示す。
【0019】
第11の態様では、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、上述の第6~第10の態様のいずれかに係る方法をコンピュータに行わせるための命令群(ソフトウェアコード)を含む。
【発明の効果】
【0020】
上述の態様は、バックグラウンドデータ転送が事前に合意された転送ポリシーに従わない場合の当該バックグラウンドデータ転送の無線通信ネットワーク(e.g., 3GPPネットワーク)内での取り扱いを当該無線通信ネットワークとネゴシエートすることをアプリケーションサービス・プロバイダ(又はそのアプリケーションサーバ)に可能とする装置、方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】幾つかの実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例を示す図である。
図2】幾つかの実施形態に係る将来のバックグラウンドデータ転送のネゴシエーション及び当該バックグラウンドデータ転送の実行の手順の一例を示すシーケンス図である。
図3】将来のバックグラウンドデータ転送のネゴシエーションのためのSCS/AS及びSCEFの間のインタラクションの一例を示すシーケンス図である。
図4】将来のバックグラウンドデータ転送のネゴシエーションのためのSCEF、PCRF、及びSPRの動作の一例を示すシーケンス図である。
図5】バックグラウンドデータ転送の実行のためのSCEF、PCRF、及びSPRの動作の一例を示すシーケンス図である。
図6】事前に合意された転送ポリシーに従わないバックグラウンドデータ転送の検出手順の一例を示すシーケンス図である。
図7】事前に合意された転送ポリシーに従わないバックグラウンドデータ転送の検出手順の一例を示すシーケンス図である。
図8】事前に合意された転送ポリシーに従わないバックグラウンドデータ転送の検出に使用されるパラメータのeNBs間での転送手順の一例を示すシーケンス図である。
図9】幾つかの実施形態に係るPCRFの構成例を示す図である。
図10】幾つかの実施形態に係るeNBの構成例を示す図である。
図11】幾つかの実施形態に係るUEの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0023】
以下に示される複数の実施形態は、3GPP Release 13及びそれ以降(i.e., LTE-Advanced Pro)に規定されているバックグラウンドデータ転送を主な対象として説明される。しかしながら、これらの実施形態は、LTE-Advanced Proネットワークに限定されるものではなく、他のモバイル通信ネットワーク又はシステム、例えば3rd Generation Partnership Project (3GPP) Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)、3GPP2 CDMA2000システム、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))/ General packet radio service(GPRS)システム、WiMAXシステム、又はモバイルWiMAXシステム等に適用されてもよい。また、これらの実施形態は、現在3GPPにより標準化作業が行われている第5世代移動通信システム(5G)に適用されてもよい。5Gは、LTE-Advanced Proと新たな5Gエア・インタフェース(新たなRadio Access Technology(RAT))の導入による革新的な改良・発展との組合せで実現されると想定されている。新たなRATは、例えば、LTE-Advanced Proが対象とする周波数帯(e.g., 6 GHz以下)よりも高い周波数帯、例えば10 GHz以上のセンチメートル波帯及び30 GHz以上のミリ波帯をサポートする。
【0024】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態を含む幾つかの実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例を示している。図1は、LTE-Advanced Proのバックグラウンドデータ転送に関するネットワーク構成を示している。UE10は、無線アクセスネットワーク(i.e., Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN)20)を介してMobility Management Entity(MME)30とのシグナリングコネクションを確立するともに、E-UTRAN20並びにコアネットワーク(i.e., Evolved Packet Core(EPC))内のPacket Data Network Gateway(P-GW)32及びS-GW34を介してService Capability Server (SCS)/Application Server (AS) 60とのユーザプレーン通信を行う。
【0025】
SCS/AS60は、アプリケーションサービス・プロバイダ(ASP)に関連付けられたサーバである。SCS/AS60は、Public Land Mobile Network(PLMN)(i.e., ここでは3GPPネットワーク)を介して、UE10にホストされた1又はそれ以上のアプリケーション11と通信する。SCS/AS60は、ASであってもよいし、SCS及びASであってもよい。SCSは、ASを3GPPネットワークに接続し、3GPPで定義されたサービスを介してASがUE10と通信できるようにする。また、SCSは、ASがSCEF50を介してPCRFと通信できるようにする。SCS2は、GPPネットワーク・オペレータ又はASPによって制御される。SCSは、Machine type Communication(MTC)サーバ又はMachine-to-Machine(M2M)サーバとも呼ばれる。SCSは、単体の独立した物理的なエンティティであってもよいし、他のネットワーク要素(例えば、SCEF50又はAS)に付加された機能的なエンティティであってもよい。MTCサーバは、Packet Switched(PS)ネットワークに接続され、MTCデバイスと通信する。MTCデバイスは、MTC User単位でMTC Groupを構成し得る。
【0026】
SCEF50は、3GPPネットワーク内のエンティティであり、3GPPネットワークインターフェス(interfaces)によって提供されるサービス(services)及び能力(capabilities)を安全に露出する(securely expose)手段を提供する。SCEF50は、Open Mobile Alliance (OMA)、Global System for Mobile Communications Association(GSMA)、又はその他の標準化団体(possibly other standardization bodies)によって定義されたネットワーク・アプリケーション・プログラミング・インタフェース(e.g., Network API)を通じたネットワーク能力(capabilities)へのアクセスを提供する。SCEF50は、下にある(underlying)3GPPネットワークインタフェース及びプロトコルを抽象化(abstracts)する。
【0027】
PCRF40、Policy and Charging Enforcement Function(PCEF)42、Bearer Binding and Event Reporting Function(BBERF)44、及びSubscription Profile Repository(SPR)46は、Policy and charging control(PCC)アーキテクチャに関する要素(論理エンティティ)である。PCRF40は、UE10のサービスデータフローに適用されるべきPCCルールを決定し、決定されたPCCルールをP-GW32に配置されたPCEF42に送る。PCCルールは、UE10のサービスデータフローを検出するためのサービスデータフロー(SDF)テンプレート、及び当該サービスデータフローのポリシー制御及び課金(charging)制御のためのパラメータ(e.g., Quality of Service(QoS)ポリシー、課金(charging)ルール)を含む。なお、サービスデータフローは、PCEF42を通じて搬送されるパケットフローの集約されたセット(aggregated set of packet flows)である。図1の例では、SDFテンプレートは、UE10とSCS/AS60との間のIP Connectivity Access Network(IP-CAN)セッションに関するサービスデータフローを特定するための1又は複数のSDFフィルタを含む。
【0028】
PCRF40は、P-GW32に配置されたPCEF42とのシグナリング・インタフェース(i.e., Gxインタフェース(又は参照点))を有する。PCRF40は、S-GW34に配置されたBBERF44とのシグナリング・インタフェース(i.e., Gxcインタフェース(又は参照点))を有してもよい。
【0029】
さらに、PCRF40は、SCEF50とのシグナリング・インタフェース(i.e., Nt及びRxインタフェース(又は参照点))を有する。Ntインタフェースは、SCEF50とPCRF40との間で将来の(future)バックグラウンドデータ転送のための推奨されるタイムウインドウ(recommended time window(s))及び関連条件(related conditions)についてのネゴシエーションを可能とする。Rxインタフェースは、アプリケーションレベルセッション情報(i.e., Application Function(AF)セッション情報)のApplication Function(AF)からPCRF40へのトランスポートを可能にする。Rx手順(procedures)を開始する際に、SCEF40はAFとして振る舞う(acting as an AF)。バックグラウンドデータ転送の場合、AFセッション情報は、SCS/AS60がSCEF50を介してPCRF40(又は他のPCRF)と事前にネゴシエートした転送ポリシーを示す参照ID(reference ID)を含む。さらに、バックグラウンドデータ転送のためのAFセッション情報は、sponsored data connectivityのための情報(e.g., ASP identifier)を含んでもよい。
【0030】
さらにまた、PCRF40は、SPR46とのシグナリング・インタフェース(i.e., Spインタフェース(又は参照点))を有する。SPR46は、subscription-basedポリシー(policies)及び IP-CANベアラレベルPCCルール(rules)に必要とされる全てのsubscriber/subscription関連情報(subscriber/subscription related information)を包含する論理エンティティである。SPR46は、オペレータのネットワーク内の他のデータベースに結合(combined)又は分配(distributed across)されてもよい。
【0031】
さらに、SPR46は、sponsored data connectivityプロファイル情報を供給してもよい。Sponsored data connectivityプロファイル情報は、アプリケーションサービス・プロバイダのリスト、及びこれらのスポンサー識別子毎のアプリケーション(their applications per sponsor identity)を含む。Sponsored data connectivityプロファイル情報は、PCRF40によって設定されてもよい。
【0032】
さらにまた、SPR46は、ASPに関するポリシ情報を供給してもよい。当該ポリシ情報は、ASP identifier、並びに転送ポリシー及びその参照ID(reference ID)を含む。ASPに関するポリシ情報は、PCRF40によって格納された後にのみSPR46において利用可能である。
【0033】
図2は、本実施形態を含む複数の実施形態に係るバックグラウンドデータ転送のネゴシエーション及び実行の概略手順の一例(処理200)を示している。図2に示された概略手順は、非特許文献2の第5.9章に規定された手順と同様である。ステップ201~ステップ207は、UEsのセットのための将来のバックグラウンドデータ転送のネゴシエーションのために行われる。なおUEsのセットは、MTC Groupに属する1以上のMTCデバイスであってもよい。
【0034】
ステップ201では、SCS/AS60は、バックグラウンドデータ転送要求(Background data transfer request)メッセージをSCEF50に送る。当該要求は、SCS/AS Identifier、SCS/AS Reference ID、 Volume per UE、Number of UEs、及びDesired time windowを含む。SCS/AS Identifierは、ASP identifierと呼ぶこともできる。Volume per UEは、SCS/ASがUE当たりに転送されると予想するデータのボリューム(the volume of data the SCS/AS expects to be transferred per UE)を記述する。Number of UEsは、データ転送に参加するUEsの予想数(the expected amount of UEs participating in the data transfer)を記述する。Desired time windowは、SCS/ASがデータ転送を実行したい期間(the time interval during which the SCS/AS wants to realize the data transfer)を記述する。当該バックグラウンドデータ転送要求は、オプションで、地理的エリア情報(geographic area information)を含んでもよい。当該バックグラウンドデータ転送要求は、UE当たりの(又はSDF当たりの)データの最大転送速度(rate quota)、若しくはUE当たりの(又はSDF当たりの)データの最大バイト量(byte quota)、又はこれら両方を含んでもよい。
【0035】
ステップ202では、SCEF50は、受信したSCS/AS要求(i.e., バックグラウンドデータ転送要求)を認証する。ステップ203では、SCEF50は、利用可能なPCRFsのいずれかを選択し、選択されたPCRF(ここでは、PCRF40)とのNegotiation for future background data transfer procedureをトリガーする。SCEF50は、SCS/AS60により供給されたパラメータ(the parameters)をPCRF40にフォワードする。PCRF40は、1又はそれ以上の可能な転送ポリシー(possible transfer policies)及び参照ID(a reference ID)によりSCEF50に応答する。
【0036】
ステップ204では、SCEF50は、Background data transfer responseメッセージを送ることによって、受信した参照ID及び転送ポリシーをSCS/AS60にフォワードする。当該Background data transfer responseメッセージは、SCS/AS Reference ID、参照ID、及び可能な転送ポリシー(possible transfer policies)を含む。SCS/AS60は、PCRF40との将来のインタラクションのために、受信した参照IDを格納する。
【0037】
もし1より多い転送ポリシーが受信された場合、SCS/AS60は、これらのうち1つを選択し、選択された転送ポリシーについてSCEF50及びPCRF40に知らせるために、別の(another)Background data transfer requestメッセージをSCEF50に送る(ステップ205)。当該Background data transfer requestメッセージは、SCS/AS Identifier、SCS/AS Reference ID、及び選択された転送ポリシー(Selected transfer policy)を含む。
【0038】
ステップ206では、SCEF50は、Background data transfer responseメッセージをSCS/AS60に送ることによって、転送ポリシー選択を確認する。当該Background data transfer responseメッセージは、SCS/AS Reference IDを含む。
【0039】
ステップ207では、PCRF40及びSCEF50は、PCRF40とのNegotiation for future background data transfer procedureを続ける。ステップ205及び206が行われた場合、SCEF50は、SCS/AS60により選択された転送ポリシーをPCRF40に送る。PCRF40は、参照IDとこれに関連付けられた新たな転送ポリシーをSPR46に格納する。
【0040】
ステップ208は、個々の(individual)UEのためのバックグラウンドデータ転送の実行フェーズである。SCS/AS60(AFとして振る舞う(acting as an AF))は、参照IDを、サービス情報(又はSCS/ASセッション情報、AFセッション情報)と共に、PCRF40に供給する。当該サービス情報は、IP flow (s)のIPアドレス、使用されるポート番号などを含む。典型的には、SCS/AS60は、個々の(individual)UEsのバックグラウンドデータ転送のためのsponsored (data) connectivityを要求してもよい。SCS/AS60は、直接的にPCRF40にコンタクトしてもよいし、AFとして振る舞うSCEF50を介してPCRF40とインタラクションしてもよい。
【0041】
ステップ208では、PCRF40は、(AFとして振る舞う)SCS/AS60又は(AFとして振る舞う)SCEF50から受信した参照IDに基づいて、対応する転送ポリシーをSRP46から取り出す。PCRF40は、当該転送ポリシーに影響される(affected)IP-CANセッションを特定し、IP-CAN Session Modification手順をトリガーする。このIP-CAN Session Modification手順は、バックグラウンドデータ転送のためのsponsored (data) connectivityのための個別ベアラの(新規)アクティベーション(i.e., Dedicated Bearer Activation Procedure)又は既存個別ベアラのモディフィケーション(i.e., Bearer Modification Procedure)を引き起こす。
【0042】
続いて以下では、第1の実施形態に係るバックグラウンドデータ転送のネゴシーエション手順及び実行手順の改良について説明する。図3は、将来のバックグラウンドデータ転送のネゴシエーションのためのSCS/AS60及びSCEF50の間のインタラクションの一例(処理300)を示している。ステップ301では、SCS/AS60は、新たなパラメータを含むよう改良されたバックグラウンドデータ転送要求(Background data transfer request)メッセージをSCEF50に送る。既に説明したように、バックグラウンドデータ転送要求メッセージは、UEsのセットとASPとの間の3GPPネットワークを介した将来のバックグラウンドデータ転送のためのリソースマネジメントを要求する。
【0043】
ステップ301のバックグラウンドデータ転送要求メッセージに包含される新たなパラメータは、バックグラウンドデータ転送が事前に合意された(previously agreed (or negotiated))転送ポリシーに従わない場合に、当該バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示す。この異なる課金ルールは、例えば、事前に合意された課金ルールよりも高い課金レートを定めてもよい。
【0044】
一例において、事前に合意された転送ポリシーは、事前に合意された最大データボリューム(maximum data volume)を含んでもよい。この場合、上述の新たなパラメータは、バックグラウンドデータ転送が事前に合意された最大データボリュームを超える(exceeds the agreed maximum data volume)場合に、バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示してもよい。なお、事前に合意された最大データボリュームは、UE当たりの最大データボリュームであってもよい。これに代えて、事前に合意された最大データボリュームは、UEsのセット(set of UEs)の最大データボリュームであってもよい。また、転送ポリシーは、UE当たりの(又はSDF当たりの)データの最大転送速度(rate quota)、若しくはUE当たりの(又はSDF当たりの)データの最大バイト量(byte quota)、又はこれら両方を含んでもよい。
【0045】
一例において、事前に合意された転送ポリシーは、事前に合意されたタイムウインドウを含んでもよい。この場合、上述の新たなパラメータは、バックグラウンドデータ転送が事前に合意されたタイムウインドウを超えて継続する(continues beyond the agreed time window)場合に、バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示してもよい。
【0046】
一例において、事前に合意された転送ポリシーは、事前に合意された地理的エリアを含んでもよい。この場合、上述の新たなパラメータは、バックグラウンドデータ転送が事前に合意された(地理的)エリアの外で発生する(happens outside the agreed (geographic) areas)場合に、バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示してもよい。
【0047】
さらに又はこれに代えて、Background data transfer requestメッセージに包含される新たなパラメータは、将来のバックグラウンドデータ転送を行うUEsのセットの優先度を示してもよい。
【0048】
図3に示されるように、ステップ301のバックグラウンドデータ転送要求メッセージに包含される新たなパラメータは、事前に合意された転送ポリシーに従わない活動(activity)を表す1又はそれ以上の条件と、各条件が成立するときに取るべき行動(action to be taken when each condition is met)を示してもよい。上述のように、1又はそれ以上の条件は、バックグラウンドデータ転送が、(a)事前に合意された最大データボリュームを超えること、(b)事前に合意されたタイムウインドウを超えて継続すること、若しくは(c)事前に合意された(地理的)エリアの外で発生すること、であってもよい。各条件が成立するときに取るべき行動は、データ転送の停止、又は異なる課金ルールのもとでのデータ転送の継続であってもよい。
【0049】
図2を参照して説明したように、SCEF50は、バックグラウンドデータ転送要求の受信に応答して、PCRF40とのNegotiation for future background data transfer procedureをトリガーする。SCEF50は、1又はそれ以上の可能な転送ポリシー(possible transfer policies)及び参照ID をPCRF40から受信する。ステップ302では、SCEF50は、Background data transfer responseメッセージを送ることによって、受信した参照ID及び転送ポリシーをSCS/AS60にフォワードする。Background data transfer responseメッセージは、SCS/AS60によって要求された地理的エリアに関して局所的に利用可能な(locally available)情報(e.g., 輻輳(congestion)レベル)を含んでもよい。
【0050】
図4は、将来のバックグラウンドデータ転送のネゴシエーションのためのSCEF50、PCRF40、及びSPR46の動作の一例(処理400)を示している。ステップ401では、SCS/AS60からのバックグラウンドデータ転送要求(i.e., 図4のステップ301)に基づいて、SCEF50は、DIAMETER Background-Data-Transfer-Request (BTR) commandをPCRF40に送る。当該BTR commandは、SCS/AS60からのバックグラウンドデータ転送要求から得られたパラメータを含む。すなわち、図4の例では、当該BTR commandは、バックグラウンドデータ転送が事前に合意された(previously agreed (or negotiated))転送ポリシーに従わない場合に、当該バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示す。
【0051】
図4に示されるように、ステップ401のBTR commandに包含される新たなパラメータは、事前に合意された転送ポリシーに従わない活動(activity)を表す1又はそれ以上の条件と、各条件が成立するときに取るべき行動(action to be taken when each condition is met)を示してもよい。上述のように、1又はそれ以上の条件は、バックグラウンドデータ転送が、(a)事前に合意された最大データボリュームを超えること、(b)事前に合意されたタイムウインドウを超えて継続すること、若しくは(c)事前に合意された(地理的)エリアの外で発生すること、であってもよい。各条件が成立するときに取るべき行動は、データ転送の停止、又は異なる課金ルールのもとでのデータ転送の継続であってもよい。
【0052】
ステップ402及び403の処理は、通常のネゴシエーション手順で行われる処理と同様である。すなわち、ステップ402では、PCRF40は、全ての存在する転送ポリシー(all existing transfer policies)をSPR46に要求する。ステップ403では、SPR46は、全ての存在する転送ポリシーと対応するネットワークエリア情報をPCRF40に供給する。
【0053】
ステップ404では、PCRF40は、AF(つまり、SCS/AS60又はSCEF50又は両方)によって供給された情報及び他の利用可能な情報(other available information)に基づいて、1又はそれ以上の転送ポリシーを決定する。他の利用可能な情報は、例えば、ネットワークポリシー、輻輳レベル(if available)、要求されたタイムウインドウ及びネットワークエリアでの負荷状態予測(load status estimation for the required time window)、及び存在する転送ポリシーを含む。
【0054】
ステップ405~407の処理は、図2のステップ204~206の処理と同様である。ステップ408では、新たな転送ポリシーと共に参照IDをSPR46に格納する。この新たな転送ポリシーは、バックグラウンドデータ転送が事前に合意された(previously agreed (or negotiated))転送ポリシーに従わない場合に、当該バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示す。
【0055】
図4に示されるように、ステップ408においてSPR46に格納される新たな転送ポリシーは、当該転送ポリシーに従わない活動(activity)を表す1又はそれ以上の条件と、各条件が成立するときに取るべき行動(action to be taken when each condition is met)を示してもよい。上述のように、1又はそれ以上の条件は、バックグラウンドデータ転送が、(a)事前に合意された最大データボリュームを超えること、(b)事前に合意されたタイムウインドウを超えて継続すること、若しくは(c)事前に合意された(地理的)エリアの外で発生すること、であってもよい。各条件が成立するときに取るべき行動は、データ転送の停止、又は異なる課金ルールのもとでのデータ転送の継続であってもよい。
【0056】
ステップ409では、SPR46は、受取通知(acknowledgement)をPCRF40に送る。
【0057】
図3及び図4を参照して説明された将来のバックグラウンドデータ転送手順に従うことで、事前に合意された転送ポリシーに従わないバックグラウンドデータ転送がどのように取り扱われるべきであるかをSCS/AS60がSCEF50を介してPCRF40に知らせることができる。したがって、図3及び図4を参照して説明された手順は、バックグラウンドデータ転送が事前に合意された転送ポリシーに従わない場合の当該バックグラウンドデータ転送の無線通信ネットワーク(e.g., 3GPPネットワーク)内での取り扱いを当該無線通信ネットワークとネゴシエートすることをアプリケーションサービス・プロバイダ(又はそのアプリケーションサーバ)に可能にできる。
【0058】
続いて以下では、個々の(individual)UEsのためのバックグラウンドデータ転送の実行手順について説明する。図5は、AF70からのトリガーに応答してPCRF40によって開始されるIP-CANセッション修正(modification)手順の一例(処理500)を示している。図5において、AF70は、SCS/AS60またはSCEF50に対応する。PCEF42はP-GW32に配置され、BBERF44はS-GW34に配置される。
【0059】
ステップ501では、AF70は、個々の(individual)UEsのためのバックグラウンドデータ転送のための新たなAFセッションの確立するため又は既存(existing)AFセッションを修正(modify)するためにDIAMETER AA-Request (AAR) commandをPCRF40に送る。当該DIAMETER AAR commandは、参照ID及びサービス情報(又はSCS/ASセッション情報、AFセッション情報)を含む。当該参照IDは、以前にPCRF40(又は他のPCRF)と合意したバックグラウンドデータ転送のための転送ポリシーに関連付けられている。当該サービス情報は、IP flow (s)のIPアドレス、使用されるポート番号などを含む。当該参照IDは、DIAMETER AAR commandに含まれるReference-Id Attribute Value Pair(AVP)内に記述される。当該サービス情報は、DIAMETER AAR commandに含まれる複数のAVP(e.g., Flow-Description AVP、Flow-Number AVP Framed-IP-Address AVP、Framed-Ipv6-Prefix AVP、IP-Domain-Id AVP)によって表される。典型的には、AF70は、個々の(individual)UEsのバックグラウンドデータ転送のためのsponsored (data) connectivityを要求する。したがって、当該サービス情報は、sponsored (data) connectivityのためのSponsored-Connectivity-Data AVPを含んでもよい。Sponsored-Connectivity-Data AVPは、ASP identifier及びsponsor identityを含む。
【0060】
PCRF40は、受信したサービス情報を格納する。さらに、Reference-Id AVPの受信に応答して、PCRF40は、対応する転送ポリシーをSPR46から取得する(ステップ502及び503)。当該転送ポリシーは、バックグラウンドデータ転送が当該転送ポリシーに従わない場合に、当該バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示す。既に説明したように、当該転送ポリシーは、当該転送ポリシーに従わない活動(activity)を表す1又はそれ以上の条件と、各条件が成立するときに取るべき行動(action to be taken when each condition is met)を示してもよい。当該1又はそれ以上の条件は、バックグラウンドデータ転送が、(a)事前に合意された最大データボリュームを超えること、(b)事前に合意されたタイムウインドウを超えて継続すること、若しくは(c)事前に合意された(地理的)エリアの外で発生すること、であってもよい。各条件が成立するときに取るべき行動は、データ転送の停止、又は異なる課金ルールのもとでのデータ転送の継続であってもよい。
【0061】
さらに、PCRF40は、バックグラウンドデータ転送のための動的PCCルール(rule(s))を当該転送ポリシーに従って導出(derive)する。当該PCCルールは、バックグラウンドデータ転送のためのサービスデータフローを検出するためのサービスデータフロー(SDF)テンプレート、及び当該サービスデータフローのポリシー制御及び課金(charging)制御のためのパラメータを含む。ポリシー制御及び課金制御のためのパラメータは、例えば、ASP Identifier 、QoS class identifier、UL-maximum bitrate、DL-maximum bitrate、Gate status、又はこれらの任意の組合せを含む。さらに、当該PCCルールは、バックグラウンドデータ転送のために合意されたタイムウインドウ、及び合意されたUE当たりの(又はSDF当たりの)データの最大ボリューム(maximum volume of data per UE(per SDF))を含んでもよい。当該PCCルールは、UE当たりの(又はSDF当たりの)データの最大転送速度(rate quota)、若しくはUE当たりの(又はSDF当たりの)データの最大バイト量(byte quota)、又はこれら両方を含んでもよい。
【0062】
さらにまた、当該PCCルールは、転送ポリシーに従わない活動(activity)を表す1又はそれ以上の条件と、各条件が成立するときに取るべき行動(action to be taken when each condition is met)を示してもよい。当該1又はそれ以上の条件は、バックグラウンドデータ転送が、(a)事前に合意された最大データボリュームを超えること、(b)事前に合意されたタイムウインドウを超えて継続すること、若しくは(c)事前に合意された(地理的)エリアの外で発生すること、であってもよい。各条件が成立するときに取るべき行動は、データ転送の停止、又は異なる課金ルールのもとでのデータ転送の継続であってもよい。
【0063】
ステップ504では、PCRF40は、以前にPCEF42及び他のPCRFから受信している情報とAF70から受信したサービス情報を用いて、影響される(affected)確立済みの(established)IP-CANセッションを特定する。
【0064】
ステップ505では、PCRF40は、Diameter AA- Answer (AAA) commandをAF70に送る。
【0065】
ステップ506では、PCRF40は、PCCルールのインストール又は修正をPCEF42に要求するためにDIAMETER Re-Auth-Request (RAR) messageをPCEF42に送る。当該DIAMETER RAR messageは、PCCルールを含み、IP-CAN Session Modification手順をトリガーする。
【0066】
ステップ507では、PCEF42は、PCRF40により供給されたPCCルールを執行(enforce)する。ステップ508では、P-GW32に配置されたPCEF42は、IP-CANベアラの確立又は修正(modify)するために、S-GW34に配置されたBBERF44とIP-CANベアラシグナリングを行う。ステップ509では、PCEF42は、DIAMETER RA-Answer (RAA) messageをPCRF40に送る。
【0067】
図5を参照して説明された手順に従うと、PCRF40は、事前に合意された転送ポリシーに従わないバックグラウンドデータ転送がどのように取り扱われるべきであるかをPCEF42に知らせることができる。これにより、例えば、PCEF42(i.e., P-GW32)は、バックグラウンドデータ転送が、(a)事前に合意された最大データボリュームを超える場合、(b)事前に合意されたタイムウインドウを超えて継続する場合、若しくは(c)事前に合意された(地理的)エリアの外で発生する場合に、当該バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は継続されるべきかを判断することができる。
【0068】
<第2の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態で説明されたバックグラウンドデータ転送の変形例を提供する。本実施形態に係る通信ネットワークの構成例は図1に示された構成例と同様である。本実施形態に係る将来のバックグラウンドデータ転送のネゴシエーション手順は、図2図3、及び図4を参照して説明された手順と同様である。本実施形態に係る個々のUEsのためのバックグラウンドデータ転送の実行手順は、図2及び図5を参照して説明された手順と同様である。ただし、PCEF42(P-GW32)により施行されるバックグラウンドデータ転送のためのPCCルールは、事前に合意された転送ポリシーに従わないバックグラウンドデータ転送が検出された場合に、当該検出をPCEF42に通知するようPCEF42に要求する。
【0069】
図6は、事前に合意された転送ポリシーに従わないバックグラウンドデータ転送の検出および通知の手順の一例(処理600)を示している。ステップ601では、PCEF42は、転送ポリシーに従わない活動(activity)を表す1又はそれ以上の条件の成立を検出する。例えばPCEF42は、UE10またはUEsのセットに関するアップリンクまたはダウンリンクの少なくともいずれかのトラフィックをモニタすることによって、転送ポリシーに従わない活動(activity)を表す1又はそれ以上の条件の成立を検出してもよい。さらに又はこれに代えて、PCEF42は、UE10またはUEsのセットの位置情報をモニタすることによって、転送ポリシーに従わない活動(activity)を表す1又はそれ以上の条件の成立を検出してもよい。
【0070】
ステップ602では、PCEF42は、DIAMETER Credit-Control-Request (CCR) messageをPCRF40に送ることによって、検出された条件をPCRF40に知らせる。当該DIAMETER CCR messageは、例えば、検出された条件、及びPCCルールを特定するためのRule identifierを含む。さらに、当該DIAMETER CCR messageは、PCEF42がモニタした対象のUE(つまり、転送ポリシーに従わないバックグラウンドデータ転送が検出されたUE)に関するUE IDを含んでもよいし、当該UEに関する地理的エリアを示す情報を含んでもよい。
【0071】
当該DIAMETER CCR messageの受信に応答して、PCRF40は、対応する転送ポリシー及び参照IDを導出する。ステップ603では、PCRF40は、DIAMETER RAR messageを(AFとして動作する)SCEF50に送る。当該DIAMETER RAR messageは、参照ID、及び(事前に合意された転送ポリシーに従わない活動(activity)を表す)検出された条件を示す。さらに、当該DIAMETER RAR messageは、PCEF42がモニタした対象のUE(つまり、転送ポリシーに従わないバックグラウンドデータ転送が検出されたUE)に関するUE IDを含んでもよいし、当該UEに関する地理的エリアを示す情報を含んでもよい。
【0072】
ステップ604では、SCEF50は、APIを介してSCS/AS60にレポートメッセージを送る。当該レポートメッセージは、参照ID、及び(事前に合意された転送ポリシーに従わない活動(activity)を表す)検出された条件を示す。さらに、当該レポートメッセージは、例えば、PCEF42がモニタした対象のUE(つまり、転送ポリシーに従わないバックグラウンドデータ転送が検出されたUE)に関するUE IDを含んでもよいし、当該UEに関する地理的エリアを示す情報を含んでもよい。
【0073】
ステップ605では、SCEF50は、受取通知(acknowledgement)を示す回答メッセージをSCS/AS60から受信する。ステップ606では、SCEF50は、受取通知(acknowledgement)を示すDIAMETER RAA messageをPCRF40に送る。ステップ607では、PCRF40は、受取通知(acknowledgement)を示すDIAMETER CAA messageをPCEF42に送る。
【0074】
なお、既に説明したように、SCS/AS60は、AFとして動作し、Rxインタフェースを介して直接的にPCRF40と通信してもよい。この場合、AFとして動作するSCS/AS60は、ステップ603のDIAMETER RAR messageをPCRF40から直接的にRxインタフェースを介して受信し、ステップ606のDIAMETER RAA messageをPCRF40に直接的にRxインタフェースを介して送ってもよい。
【0075】
SCS/AS60は、UE10へのダウンリンク・バックグラウンドデータ転送の停止を知らせるために、UE10とのアプリケーションレベル・シグナリングを行ってもよい(ステップ608)。さらに又はこれに代えて、SCS/AS60は、UE10からのアップリンク・バックグラウンドデータ転送の停止を知らせるために、UE10とのアプリケーションレベル・シグナリングを行ってもよい(ステップ608)。UE10は、SCS/AS60とのアプリケーションレベル・シグナリングに従って、アップリンクデータ送信を停止してもよい。
【0076】
PCEF42(P-GW32)は、ステップ607のDIAMETER CAA messageを受信した後に、バックグラウンドデータ転送のためのサービスデータフローのパケットをさらに転送した場合、異なる課金ルール(課金レジーム)に従うCharging Data Record(CDR)を生成してもよい。CDRは、フォーマットされた課金情報(e.g., データ転送量)を意味する。
【0077】
図6を参照して説明された手順に従うと、無線アクセスネットワーク(i.e., 3GPPネットワーク)は、事前に合意された転送ポリシーに従わないバックグラウンドデータ転送の発生をアプリケーションサービス・プロバイダ(i.e., SCS/AS60)に知らせることができる。
【0078】
<第3の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態で説明されたバックグラウンドデータ転送の変形例を提供する。本実施形態に係る通信ネットワークの構成例は図1に示された構成例と同様である。本実施形態に係る将来のバックグラウンドデータ転送のネゴシエーション手順は、図2図3、及び図4を参照して説明された手順と同様である。本実施形態に係る個々のUEsのためのバックグラウンドデータ転送の実行手順は、図2及び図5を参照して説明された手順と同様である。
【0079】
本実施形態は、さらに、事前に合意された転送ポリシーに従わないアップリンク・バックグラウンドデータ転送をE-UTRAN20において停止することを可能にする。図7は、本実施形態に係るベアラ修正手順(Bearer Modification Procedure)の一例(処理600)を示している。図7のベアラ修正手順は、PCRF40によって開始されるIP-CANセッション修正手順(e.g., 図5の手順)によってトリガーされる。
【0080】
ステップ701では、PCRF40は、PCC Decision ProvisionメッセージをP-GW32に送る。ステップ701のPCC Decision Provisionメッセージは、図5のステップ506のDIAMETER RAR messageに対応する。当該PCC Decision Provisionメッセージは、ベアラ修正手順の開始をP-GW32にトリガーする。
【0081】
ステップ702のUpdate Bearer Requestメッセージは、P-GW32からS-GW34に送られる。ステップ703のUpdate barer Requestメッセージは、S-GW34からMME30に送られる。ステップ704のBearer Modify Requestメッセージは、MME30からE-UTRAN20内の基地局(i.e., eNodeB(eNB)22)に送られる。ステップ704のBearer Modify Requestメッセージは、MME30からUE10に送られるSession Management Requestを包含する。ステップ705のeNB22からUE10へのRRC Connection Reconfigurationメッセージは、このSession Management Requestを包含する。なお、図7に示された手順の全体的な流れは、既存のベアラ修正手順(Bearer Modification Procedure)のそれと同一である。したがって、ここではステップ702以降の各メッセージの詳細な説明を省略する。
【0082】
本実施形態では、ステップ702~ステップ704のメッセージを用いることによって、PCRF40は、事前に合意された転送ポリシーに従わないアップリンク・バックグラウンドデータ転送を停止するようE-UTRAN20内の基地局(i.e., eNodeB(eNB)22)を設定する。
【0083】
具体的には、ステップ702~ステップ704のメッセージは、バックグラウンドデータ転送のために合意されたタイムウインドウ、若しくは合意されたUE当たりの(又はSDF当たりの)データの最大ボリューム(maximum volume of data per UE(per SDF))、又はこれら両方を含んでもよい。
【0084】
さらに、ステップ702~ステップ704のメッセージは、バックグラウンドデータ転送のために合意された地理的エリアに対応するネットワークエリア情報(e.g., Tracking Areas(TAs)又はRouting Areas(RAs)のリスト)を含んでもよい。ステップ702~ステップ704のメッセージは、UE当たりの(又はSDF当たりの)データの最大転送速度(rate quota)、若しくはUE当たりの(又はSDF当たりの)データの最大バイト量(byte quota)、又はこれら両方を含んでもよい。
【0085】
さらにまた、ステップ702~ステップ704のメッセージは、転送ポリシーに従わない活動(activity)を表す1又はそれ以上の条件と、各条件が成立するときに取るべき行動(action to be taken when each condition is met)を示してもよい。当該1又はそれ以上の条件は、バックグラウンドデータ転送が、(a)事前に合意された最大データボリュームを超えること、(b)事前に合意されたタイムウインドウを超えて継続すること、若しくは(c)事前に合意された(地理的)エリアの外で発生すること、であってもよい。各条件が成立するときに取るべき行動は、データ転送の停止、又は異なる課金ルールのもとでのデータ転送の継続であってもよい。
【0086】
上述の手順に従うと、例えば、eNB22は、バックグラウンドデータ転送のための事前に合意された転送ポリシーに従わないUE10からのアップリンクパケットをeNB22において破棄することができる(ステップ707)。eNB22のこのような動作によれば、バックグラウンドデータ転送のための事前に合意された転送ポリシーに従わないアップリンクパケットの転送に起因するコアネットワークの負荷の上昇を回避できる。
【0087】
なお、eNB22の代わりに、S-GW34が、バックグラウンドデータ転送のための事前に合意された転送ポリシーに従わないアップリンクパケットを破棄するよう動作してもよい(ステップ708)。この場合、ステップ704のBearer Modify Requestメッセージは、バックグラウンドデータ転送のための転送ポリシーに関する上述の追加情報を含む必要はない。S-GW34のこのような動作によっても、バックグラウンドデータ転送のための事前に合意された転送ポリシーに従わないアップリンクパケットの転送に起因するコアネットワークの負荷の上昇を回避できる。
【0088】
eNB22の代わりに、UE10が、バックグラウンドデータ転送のための事前に合意された転送ポリシーに従わないアップリンクパケットを破棄するよう動作してもよい(ステップ706)。この場合、ステップ705のRRC Connection Reconfigurationメッセージは、バックグラウンドデータ転送のための転送ポリシーに関する上述の追加情報を含んでもよい。UE10のこのような動作によっても、バックグラウンドデータ転送のための事前に合意された転送ポリシーに従わないアップリンクパケットの転送に起因するコアネットワークの負荷の上昇を回避できる。
【0089】
バックグラウンドデータ転送のためのIP-CANセッションを修正するために新たな個別(dedicated)ベアラが確立される場合、図7のベアラ修正手順に代えて、個別ベアラ活性化(Activation)手順が使用されてもよい。
【0090】
<第4の実施形態>
本実施形態は、第3の実施形態で説明されたeNB22の動作の変形例を提供する。本実施形態に係る通信ネットワークの構成例は図1に示された構成例と同様である。本実施形態に係る将来のバックグラウンドデータ転送のネゴシエーション手順は、図2図3、及び図4を参照して説明された手順と同様である。本実施形態に係る個々のUEsのためのバックグラウンドデータ転送の実行手順は、図2及び図5を参照して説明された手順と同様である。バックグラウンドデータ転送のための事前に合意された転送ポリシーに従わないアップリンクパケットのハンドリングをeNB22に設定する手順は、図7を参照して説明された手順と同様である。
【0091】
本実施形態では、eNB22は、バックグラウンドデータ転送に参加するUE10が他のeNB(ターゲットeNB)にハンドオーバする際に、当該バックグラウンドデータ転送でのUE10のデータボリュームの積算値を当該ターゲットeNBに送るよう構成されている。言い換えると、ターゲットeNBは、バックグラウンドデータ転送でのUE10のデータボリュームの積算値をソースeNBから引き継ぐ。
【0092】
図8は、本実施形態に係るソースeNB22S及びターゲットeNB22Tの動作の一例(処理800)を示している。ステップ801では、ソースeNB22Sは、現在の積算されたデータボリューム(i.e., データボリュームの積算値)を包含するハンドオーバ要求をeNB間インタフェース(i.e., X2インタフェース)を介してターゲットeNB22Tに送る。
【0093】
本実施形態では、バックグラウンドデータ転送に参加するUE10がeNB間を移動する場合であっても、E-UTRAN20は、事前に合意されたバックグラウンドデータ転送の転送ポリシーに従わない活動(activity)を検出するために使用される、UE10のデータボリュームの正確な積算値を得ることができる。
【0094】
続いて以下では、上述の実施形態に係るUE10、eNB22、PCRF40、PCEF42、SPR46、SCEF50、及びSCS/AS60の構成例について説明する。図9は、PCRF40の構成例を示すブロック図である。PCEF42、SPR46、SCEF50、及びSCS/AS60の構成も図9の構成と同様であってもよい。
【0095】
図9を参照すると、PCRF40は、ネットワークインターフェース901、プロセッサ902、及びメモリ903を含む。ネットワークインターフェース901は、ネットワークエンティティ(e.g., エンドノード、中間ノード、UE、RANノード、CNノード、アプリケーションサーバ)と通信するために使用される。ネットワークインターフェース901は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0096】
プロセッサ902は、メモリ903からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態において説明されたPCRF40の処理を行う。プロセッサ902は、例えば、マイクロプロセッサ、Micro Processing Unit(MPU)、又はCentral Processing Unit(CPU)であってもよい。プロセッサ902は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0097】
メモリ903は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリによって構成される。メモリ903は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、マスクRead Only Memory(MROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。メモリ903は、プロセッサ902から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ902は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ903にアクセスしてもよい。
【0098】
メモリ903は、上述の複数の実施形態で説明されたPCRF40による処理を行うための命令群およびデータを含む1又はそれ以上のソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)904を格納してもよい。いくつかの実装において、プロセッサ902は、当該ソフトウェアモジュール904をメモリ903から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたPCRF40の処理を行うよう構成されてもよい。
【0099】
図10は、上述の実施形態に係るeNB22の構成例を示すブロック図である。図10を参照すると、eNB22は、Radio Frequency(RF)トランシーバ1001、ネットワークインターフェース1003、プロセッサ1004、及びメモリ1005を含む。RFトランシーバ1001は、UE10と通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ1001は、複数のトランシーバを含んでもよい。RFトランシーバ1001は、アンテナ1002及びプロセッサ1004と結合される。RFトランシーバ1001は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をプロセッサ1004から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナ1002に供給する。また、RFトランシーバ1001は、アンテナ1002によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをプロセッサ1004に供給する。
【0100】
ネットワークインターフェース1003は、ネットワークノード(e.g., MME30およびS-GW34)と通信するために使用される。ネットワークインターフェース1003は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0101】
プロセッサ1004は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。例えば、LTEおよびLTE-Advancedの場合、プロセッサ1004によるデジタルベースバンド信号処理は、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤ、Radio Link Control(RLC)レイヤ、Medium Access Control(MAC)レイヤ、および物理(PHY)レイヤの信号処理を含んでもよい。また、プロセッサ1004によるコントロールプレーン処理は、S1プロトコル、Radio Resource Control(RRC)プロトコル、及びMAC Control Element(MAC CE)の処理を含んでもよい。
【0102】
プロセッサ1004は、複数のプロセッサを含んでもよい。例えば、プロセッサ1004は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., Digital Signal Processor(DSP))とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., CPU又はMPU)を含んでもよい。
【0103】
メモリ1005は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。揮発性メモリは、例えば、SRAM若しくはDRAM又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、例えば、MROM、PROM、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの組合せである。メモリ1005は、プロセッサ1004から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1004は、ネットワークインターフェース1003又は図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1005にアクセスしてもよい。
【0104】
メモリ1005は、上述の複数の実施形態で説明されたeNB22eNB22による処理を行うための命令群およびデータを含む1又はそれ以上のソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)1006を格納してもよい。いくつかの実装において、プロセッサ1004は、当該ソフトウェアモジュール1006をメモリ1005から読み出して実行することで、上述の実施形態でシーケンス図及びフローチャートを用いて説明されたeNB22の処理を行うよう構成されてもよい。
【0105】
図11は、UE10の構成例を示すブロック図である。Radio Frequency(RF)トランシーバ1101は、E-UTRAN20(eNB22)と通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ1101は、複数のトランシーバを含んでもよい。RFトランシーバ1101により行われるアナログRF信号処理は、周波数アップコンバージョン、周波数ダウンコンバージョン、及び増幅を含む。RFトランシーバ1101は、アンテナアレイ1102及びベースバンドプロセッサ1103と結合される。RFトランシーバ1101は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をベースバンドプロセッサ1103から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナアレイ1102に供給する。また、RFトランシーバ1101は、アンテナアレイ1102によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをベースバンドプロセッサ1103に供給する。RFトランシーバ1101は、ビームフォーミングのためのアナログビームフォーマ回路を含んでもよい。アナログビームフォーマ回路は、例えば複数の移相器及び複数の電力増幅器を含む。
【0106】
ベースバンドプロセッサ1103は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。デジタルベースバンド信号処理は、(a) データ圧縮/復元、(b) データのセグメンテーション/コンカテネーション、(c) 伝送フォーマット(伝送フレーム)の生成/分解、(d) 伝送路符号化/復号化、(e) 変調(シンボルマッピング)/復調、及び(f) Inverse Fast Fourier Transform(IFFT)によるOFDMシンボルデータ(ベースバンドOFDM信号)の生成などを含む。一方、コントロールプレーン処理は、レイヤ1(e.g., 送信電力制御)、レイヤ2(e.g., 無線リソース管理、及びhybrid automatic repeat request(HARQ)処理)、及びレイヤ3(e.g., アタッチ、モビリティ、及び通話管理に関するシグナリング)の通信管理を含む。
【0107】
例えば、ベースバンドプロセッサ1103によるデジタルベースバンド信号処理は、PDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、およびPHYレイヤの信号処理を含んでもよい。また、ベースバンドプロセッサ1103によるコントロールプレーン処理は、Non-Access Stratum(NAS)プロトコル、RRCプロトコル、及びMAC CEの処理を含んでもよい。
【0108】
ベースバンドプロセッサ1103は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., DSP)とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., CPU又はMPU)を含んでもよい。この場合、コントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサは、後述するアプリケーションプロセッサ1104と共通化されてもよい。
【0109】
アプリケーションプロセッサ1104は、CPU、MPU、マイクロプロセッサ、又はプロセッサコアとも呼ばれる。アプリケーションプロセッサ1104は、複数のプロセッサ(複数のプロセッサコア)を含んでもよい。アプリケーションプロセッサ1104は、メモリ1106又は図示されていないメモリから読み出されたシステムソフトウェアプログラム(Operating System(OS))及び様々なアプリケーションプログラム(例えば、通話アプリケーション、WEBブラウザ、メーラ、カメラ操作アプリケーション)を実行することによって、UE10の各種機能を実現する。
【0110】
幾つかの実装において、図11に破線(1105)で示されているように、ベースバンドプロセッサ1103及びアプリケーションプロセッサ1104は、1つのチップ上に集積されてもよい。言い換えると、ベースバンドプロセッサ1103及びアプリケーションプロセッサ1104は、1つのSystem on Chip(SoC)デバイス1105として実装されてもよい。SoCデバイスは、システムLarge Scale Integration(LSI)またはチップセットと呼ばれることもある。
【0111】
メモリ1106は、揮発性メモリ若しくは不揮発性メモリ又はこれらの組合せである。メモリ1106は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、SRAM若しくはDRAM又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、MROM、EEPROM、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。例えば、メモリ1106は、ベースバンドプロセッサ1103、アプリケーションプロセッサ1104、及びSoC1105からアクセス可能な外部メモリデバイスを含んでもよい。メモリ1106は、ベースバンドプロセッサ1103内、アプリケーションプロセッサ1104内、又はSoC1105内に集積された内蔵メモリデバイスを含んでもよい。さらに、メモリ1106は、Universal Integrated Circuit Card(UICC)内のメモリを含んでもよい。
【0112】
メモリ1106は、上述の複数の実施形態で説明されたUE10による処理を行うための命令群およびデータを含む1又はそれ以上のソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)1107を格納してもよい。幾つかの実装において、ベースバンドプロセッサ1103又はアプリケーションプロセッサ1104は、当該ソフトウェアモジュール1107をメモリ1106から読み出して実行することで、上述の実施形態で図面を用いて説明されたUE10の処理を行うよう構成されてもよい。
【0113】
<その他の実施形態>
上述の実施形態は、各々独立に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0114】
既に説明したように、上述の実施形態は、第5世代移動通信システム(5G)に適用されてもよい。この場合、上述のSCEF50、PCRF40、PCEF42、BBERF44、MME30、P-GW32、S-GW34、eNB22、及びUE10の処理は、Network Exposure Function(NEF)、Policy Control function(PCF)、User plane Function(UPF)、User plane Function(UPF)、Access and Mobility Management Function(AMF)、Session Management Function(SMF)、Session Management Function(SMF)、gNB、及び5G UEによってそれぞれ行われてもよい。
【0115】
上述の実施形態は、UMTSシステム(3Gシステム)に適用されてもよい。この場合、上述のMME30、P-GW32、S-GW34、eNB22、及びUE10の処理は、Serving GPRS Support Node(SGSN)、Gateway GPRS Support Node(GGSN)、SGSN、NodeB、及び3G UEによってそれぞれ行われてもよい。
【0116】
さらに、上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
【0117】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0118】
(付記1)
無線通信ネットワーク内に配置される露出ノードであって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、アプリケーションサービス・プロバイダと複数の無線端末との間の将来のバックグラウンドデータ転送のためのリソースマネジメントの第1の要求を、前記アプリケーションサービス・プロバイダに関連付けられたサーバから受信するよう構成され、
前記第1の要求は、前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された(previously agreed (or negotiated))転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示すパラメータを含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1の要求の受信に応答して、前記バックグラウンドデータ転送のためのリソースマネジメントの第2の要求を前記無線通信ネットワーク内のポリシー制御ノードに送るよう構成され、
前記第2の要求は、前記第1の要求から得られた前記パラメータを含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第2の要求に基づいて前記ポリシー制御ノードにより決定された前記バックグラウンドデータ転送に適用される転送ポリシーを前記サーバに送るよう構成される、
露出ノード。
【0119】
(付記2)
前記事前に合意された転送ポリシーは、事前に合意された最大データボリュームを含み、
前記パラメータは、前記バックグラウンドデータ転送が前記最大データボリュームを超える場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は前記異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示す、
付記1に記載の露出ノード。
【0120】
(付記3)
前記事前に合意された転送ポリシーは、事前に合意されたタイムウインドウを含み、
前記パラメータは、前記バックグラウンドデータ転送が前記タイムウインドウを超えて継続する場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は前記異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示す、
付記1又は2に記載の露出ノード。
【0121】
(付記4)
前記事前に合意された転送ポリシーは、事前に合意された地理的エリアを含み、
前記パラメータは、前記バックグラウンドデータ転送が前記地理的エリアの外で発生する場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は前記異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示す、
付記1~3のいずれか1項に記載の露出ノード。
【0122】
(付記5)
無線通信ネットワーク内に配置されるポリシー制御ノードであって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、アプリケーションサービス・プロバイダと複数の無線端末との間の将来のバックグラウンドデータ転送のためのリソースマネジメントの要求を、前記アプリケーションサービス・プロバイダに関連付けられたサーバから露出ノードを介して受信するよう構成され、
前記要求は、前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された(previously agreed (or negotiated))転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示すパラメータを含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記要求に基づいて転送ポリシーを決定し、前記決定された転送ポリシーを前記サーバに前記露出ノードを介して送るよう構成されている、
ポリシー制御ノード。
【0123】
(付記6)
前記パラメータは、以下のうち少なくとも1つを示す:
前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された最大データボリュームを超える場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は前記異なる課金ルールのもとで継続されるべきか;
前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意されたタイムウインドウを超えて継続する場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は前記異なる課金ルールのもとで継続されるべきか;及び
前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された地理的エリアの外で発生する場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は前記異なる課金ルールのもとで継続されるべきか;
付記5に記載のポリシー制御ノード。
【0124】
(付記7)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記アプリケーションサービス・プロバイダと各無線端末との間で前記バックグラウンドデータ転送が行われる場合に、各無線端末のパケットフローに適用されるポリシールールを前記決定された転送ポリシーから導出し、前記ポリシールールを施行するために転送ノード又は前記転送ノードの制御プレーン機能に前記ポリシールールを供給するよう構成され、
前記ポリシールールは、前記バックグラウンドデータ転送が前記決定された転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は前記異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示す、
付記5又は6に記載のポリシー制御ノード。
【0125】
(付記8)
前記ポリシールールの前記転送ノード又は前記制御プレーン機能への供給は、前記ポリシールールを施行することを基地局及び各無線端末の少なくとも一方に引き起こす手順の開始を前記転送ノード又は前記制御プレーン機能にトリガーする、
付記7に記載のポリシー制御ノード。
【0126】
(付記9)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記決定された転送ポリシーに従わないバックグラウンドデータ転送の検出を、前記サーバに直接的に又は前記露出ノードを介して通知するよう構成されている、
付記5~8のいずれか1項に記載のポリシー制御ノード。
【0127】
(付記10)
無線通信ネットワーク内に配置されるネットワークノードであって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、アプリケーションサービス・プロバイダと各無線端末との間のバックグラウンドデータ転送に関連付けられたパケットフローに適用されるポリシールールをポリシー制御ノードから受信するよう構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ポリシールールを施行するよう構成され、
前記ポリシールールは、前記バックグラウンドデータ転送が前記アプリケーションサービス・プロバイダと前記無線通信ネットワークとの間で事前に合意された転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示す、
ネットワークノード。
【0128】
(付記11)
前記ポリシールールは、以下のうち少なくとも1つを示す:
前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された最大データボリュームを超える場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は前記異なる課金ルールのもとで継続されるべきか;
前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意されたタイムウインドウを超えて継続する場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は前記異なる課金ルールのもとで継続されるべきか;及び
前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された地理的エリアの外で発生する場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は前記異なる課金ルールのもとで継続されるべきか;
付記10に記載のネットワークノード。
【0129】
(付記12)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記転送ポリシーに従わないバックグラウンドデータ転送の検出を、前記ポリシー制御ノードに通知するよう構成されている、
付記10又は11に記載のネットワークノード。
【0130】
(付記13)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ポリシールールの受信に応答して、前記ポリシールールを施行することを基地局及び各無線端末の少なくとも一方に引き起こす手順を開始するよう構成されている、
付記10~12のいずれか1項に記載のネットワークノード。
【0131】
(付記14)
無線アクセスネットワークに配置される基地局であって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、アプリケーションサービス・プロバイダと各無線端末との間のバックグラウンドデータ転送に関連付けられたパケットフロー又は前記パケットフローを転送するベアラに適用されるポリシールールを、コアネットワークから受信するよう構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ポリシールールを施行するよう構成され、
前記ポリシールールは、前記バックグラウンドデータ転送が前記アプリケーションサービス・プロバイダと前記コアネットワークとの間で事前に合意された転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否かを示す、
基地局。
【0132】
(付記15)
前記ポリシールールは、以下のうち少なくとも1つを示す:
前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された最大データボリュームを超える場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否か;
前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意されたタイムウインドウを超えて継続する場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否か;及び
前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された地理的エリアの外で発生する場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否か;
付記14に記載の基地局。
【0133】
(付記16)
前記ポリシールールは、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された最大データボリュームを超える場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否かを示し、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記バックグラウンドデータ転送が前記最大データボリュームへ到達したか否かを判定するために、前記バックグラウンドデータ転送での各無線端末のデータボリュームを監視するよう構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、各無線端末の他の基地局へのハンドオーバの際に、前記バックグラウンドデータ転送での各無線端末のデータボリュームの積算値を前記他の基地局に送るよう構成されている、
付記14又は15に記載の基地局。
【0134】
(付記17)
無線端末であって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、アプリケーションサービス・プロバイダと前記無線端末との間のバックグラウンドデータ転送に関連付けられたパケットフロー又は前記パケットフローを転送するベアラに適用されるポリシールールを、コアネットワークから基地局を介して受信するよう構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ポリシールールを施行するよう構成され、
前記ポリシールールは、前記バックグラウンドデータ転送が前記アプリケーションサービス・プロバイダと前記コアネットワークとの間で事前に合意された転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否かを示す、
無線端末。
【0135】
(付記18)
前記ポリシールールは、以下のうち少なくとも1つを示す:
前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された最大データボリュームを超える場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否か;
前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意されたタイムウインドウを超えて継続する場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否か;及び
前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された地理的エリアの外で発生する場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否か;
付記17に記載の無線端末。
【0136】
(付記19)
無線通信ネットワーク内に配置される露出ノードにおける方法であって、
アプリケーションサービス・プロバイダと複数の無線端末との間の将来のバックグラウンドデータ転送のためのリソースマネジメントの第1の要求を、前記アプリケーションサービス・プロバイダに関連付けられたサーバから受信すること、
前記第1の要求の受信に応答して、前記バックグラウンドデータ転送のためのリソースマネジメントの第2の要求を前記無線通信ネットワーク内のポリシー制御ノードに送ること、及び
前記第2の要求に基づいて前記ポリシー制御ノードにより決定された前記バックグラウンドデータ転送に適用される転送ポリシーを前記サーバに送ること、
を備え、
前記第1の要求は、前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された(previously agreed (or negotiated))転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示すパラメータを含み、
前記第2の要求は、前記第1の要求から得られた前記パラメータを含む、
方法。
【0137】
(付記20)
無線通信ネットワーク内に配置されるポリシー制御ノードにおける方法であって、
アプリケーションサービス・プロバイダと複数の無線端末との間の将来のバックグラウンドデータ転送のためのリソースマネジメントの要求を、前記アプリケーションサービス・プロバイダに関連付けられたサーバから露出ノードを介して受信すること、及び
前記要求に基づいて転送ポリシーを決定し、前記決定された転送ポリシーを前記サーバに前記露出ノードを介して送ること、
を備え、
前記要求は、前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された(previously agreed (or negotiated))転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示すパラメータを含む、
方法。
【0138】
(付記21)
無線通信ネットワーク内に配置されるネットワークノードにおける方法であって、
アプリケーションサービス・プロバイダと各無線端末との間のバックグラウンドデータ転送に関連付けられたパケットフローに適用されるポリシールールをポリシー制御ノードから受信すること、及び
前記ポリシールールを施行すること、
を備え、
前記ポリシールールは、前記バックグラウンドデータ転送が前記アプリケーションサービス・プロバイダと前記無線通信ネットワークとの間で事前に合意された転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示す、
方法。
【0139】
(付記22)
無線アクセスネットワークに配置される基地局における方法であって、
アプリケーションサービス・プロバイダと各無線端末との間のバックグラウンドデータ転送に関連付けられたパケットフロー又は前記パケットフローを転送するベアラに適用されるポリシールールを、コアネットワークから受信すること、及び
前記ポリシールールを施行すること、
を備え、
前記ポリシールールは、前記バックグラウンドデータ転送が前記アプリケーションサービス・プロバイダと前記コアネットワークとの間で事前に合意された転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否かを示す、
方法。
【0140】
(付記23)
無線端末における方法であって、
アプリケーションサービス・プロバイダと前記無線端末との間のバックグラウンドデータ転送に関連付けられたパケットフロー又は前記パケットフローを転送するベアラに適用されるポリシールールを、コアネットワークから基地局を介して受信すること、及び
前記ポリシールールを施行すること、
を備え、
前記ポリシールールは、前記バックグラウンドデータ転送が前記アプリケーションサービス・プロバイダと前記コアネットワークとの間で事前に合意された転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否かを示す、
方法。
【0141】
(付記24)
無線通信ネットワーク内に配置される露出ノードにおける方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
アプリケーションサービス・プロバイダと複数の無線端末との間の将来のバックグラウンドデータ転送のためのリソースマネジメントの第1の要求を、前記アプリケーションサービス・プロバイダに関連付けられたサーバから受信すること、
前記第1の要求の受信に応答して、前記バックグラウンドデータ転送のためのリソースマネジメントの第2の要求を前記無線通信ネットワーク内のポリシー制御ノードに送ること、及び
前記第2の要求に基づいて前記ポリシー制御ノードにより決定された前記バックグラウンドデータ転送に適用される転送ポリシーを前記サーバに送ること、
を備え、
前記第1の要求は、前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された(previously agreed (or negotiated))転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示すパラメータを含み、
前記第2の要求は、前記第1の要求から得られた前記パラメータを含む、
プログラム。
【0142】
(付記25)
無線通信ネットワーク内に配置されるポリシー制御ノードにおける方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
アプリケーションサービス・プロバイダと複数の無線端末との間の将来のバックグラウンドデータ転送のためのリソースマネジメントの要求を、前記アプリケーションサービス・プロバイダに関連付けられたサーバから露出ノードを介して受信すること、及び
前記要求に基づいて転送ポリシーを決定し、前記決定された転送ポリシーを前記サーバに前記露出ノードを介して送ること、
を備え、
前記要求は、前記バックグラウンドデータ転送が事前に合意された(previously agreed (or negotiated))転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示すパラメータを含む、
プログラム。
【0143】
(付記26)
無線通信ネットワーク内に配置されるネットワークノードにおける方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
アプリケーションサービス・プロバイダと各無線端末との間のバックグラウンドデータ転送に関連付けられたパケットフローに適用されるポリシールールをポリシー制御ノードから受信すること、及び
前記ポリシールールを施行すること、
を備え、
前記ポリシールールは、前記バックグラウンドデータ転送が前記アプリケーションサービス・プロバイダと前記無線通信ネットワークとの間で事前に合意された転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか又は事前に合意された課金ルールとは異なる課金ルールのもとで継続されるべきかを示す、
プログラム。
【0144】
(付記27)
無線アクセスネットワークに配置される基地局における方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
アプリケーションサービス・プロバイダと各無線端末との間のバックグラウンドデータ転送に関連付けられたパケットフロー又は前記パケットフローを転送するベアラに適用されるポリシールールを、コアネットワークから受信すること、及び
前記ポリシールールを施行すること、
を備え、
前記ポリシールールは、前記バックグラウンドデータ転送が前記アプリケーションサービス・プロバイダと前記コアネットワークとの間で事前に合意された転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否かを示す、
プログラム。
【0145】
(付記28)
無線端末における方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
アプリケーションサービス・プロバイダと前記無線端末との間のバックグラウンドデータ転送に関連付けられたパケットフロー又は前記パケットフローを転送するベアラに適用されるポリシールールを、コアネットワークから基地局を介して受信すること、及び
前記ポリシールールを施行すること、
を備え、
前記ポリシールールは、前記バックグラウンドデータ転送が前記アプリケーションサービス・プロバイダと前記コアネットワークとの間で事前に合意された転送ポリシーに従わない場合に、前記バックグラウンドデータ転送が停止されるべきか否かを示す、
プログラム。
【0146】
この出願は、2017年3月17日に出願された日本出願特願2017-052866を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0147】
10 UE
20 E-UTRAN
22 eNB
30 MME
32 P-GW
34 S-GW
40 PCRF
42 PCEF
44 BBERF
50 SCEF
60 SCS/AS
70 AF
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