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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】分析方法
(51)【国際特許分類】
   G01V 1/00 20060101AFI20231205BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20231205BHJP
   A47C 9/00 20060101ALI20231205BHJP
   G10L 25/51 20130101ALI20231205BHJP
【FI】
G01V1/00 A
A47C7/62 Z
A47C9/00 Z
G10L25/51
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020007483
(22)【出願日】2020-01-21
(65)【公開番号】P2021113781
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000108627
【氏名又は名称】タカノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】寺島 一視
(72)【発明者】
【氏名】羽田 亨
(72)【発明者】
【氏名】笠原 里美
(72)【発明者】
【氏名】市川 智昭
(72)【発明者】
【氏名】中村 謙介
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-148791(JP,A)
【文献】実開平01-162642(JP,U)
【文献】特開平07-129863(JP,A)
【文献】特開昭60-262086(JP,A)
【文献】特表2010-503443(JP,A)
【文献】特開平04-303900(JP,A)
【文献】特開2007-218933(JP,A)
【文献】特開2016-087237(JP,A)
【文献】米国特許第05796340(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/00 -16/04 、
B60K25/00 -28/16 、
G01V 1/00 -99/00 、
G10L13/00 -13/10 、19/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析装置が、
中空部を有する本体部と前記中空部の内部に設置されたセンサとをし、検出対象の状態に応じて前記本体部の端部に形成された開口がふさがることで音響特性が変化する検出用機構から、前記センサが検出した音を示す情報である音情報を取得し、
前記音情報が示す音を、前記検出対象の状態に応じて増幅された音である状態対応音と人物の音声とに分離し、分離した前記状態対応音に基づいて、前記検出用機構を設置する設置対象物に前記検出対象が存在するかしないか判別するとともに、前記検出対象が動いているかいないか判別する
分析方法。
【請求項2】
請求項に記載の分析方法であって、
前記音情報が示す音を、予め定められた閾値を用いて、前記音声と前記状態対応音とに分離する
分析方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の分析方法であって、
外部からの力に応じて変形する可変部材により形成された本体部と、前記センサと、を有する検出用機構から、前記音情報を取得する
分析方法。
【請求項4】
請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の分析方法であって、
前記センサは、前記検出対象の動作に応じて音を発生させる音発生部材が発生させた音を検出する
分析方法。
【請求項5】
中空部を有する本体部と前記中空部の内部に設置されたセンサとを有とをし、検出対象の状態に応じて前記本体部の端部に形成された開口がふさがることで音響特性が変化する検出用機構から、前記センサが検出した音を示す情報である音情報を取得する音情報取得部と、
取得した音情報に基づいて、前記検出対象の状態を分析する分析部と、
を有し、
前記分析部は、前記音情報が示す音を、前記検出対象の状態に応じて増幅された音である状態対応音と人物の音声とに分離し、分離した前記状態対応音に基づいて、前記検出用機構を設置する設置対象物に前記検出対象が存在するかしないか判別するとともに、前記検出対象が動いているかいないか判別する
分析装置。
【請求項6】
分析装置に、
中空部を有する本体部と前記中空部の内部に設置されたセンサとをし、検出対象の状態に応じて前記本体部の端部に形成された開口がふさがることで音響特性が変化する検出用機構から、前記センサが検出した音を示す情報である音情報を取得する音情報取得部と、
取得した音情報に基づいて、前記検出対象の状態を分析する分析部と、
を実現させ、
前記分析部は、前記音情報が示す音を、前記検出対象の状態に応じて増幅された音である状態対応音と人物の音声とに分離し、分離した前記状態対応音に基づいて、前記検出用機構を設置する設置対象物に前記検出対象が存在するかしないか判別するとともに、前記検出対象が動いているかいないか判別する
プログラム。
【請求項7】
中空部を有する本体部と前記中空部の内部に設置され音を検出するセンサとをし、検出対象の状態に応じて前記本体部の端部に形成された開口がふさがることで音響特性が変化する、設置対象物に設置された検出用機構と、
前記検出用機構から前記センサが検出した音を示す情報である音情報を取得する音情報取得部と、取得した音情報に基づいて、前記検出対象の状態を分析する分析部と、を有する分析装置と、
を有し、
前記分析部は、前記音情報が示す音を、前記検出対象の状態に応じて増幅された音である状態対応音と人物の音声とに分離し、分離した前記状態対応音に基づいて、前記検出用機構を設置する前記設置対象物に前記検出対象が存在するかしないか判別するとともに、前記検出対象が動いているかいないか判別する
分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析方法、分析装置、プログラム、分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
着座検知を行う椅子が知られている。
【0003】
着座検知を行う椅子について記載された文献としては、例えば、特許文献1がある。特許文献1には、着座検知部と、環境改善部と、通信部と、制御部と、を有する椅子が記載されている。特許文献1によると、通信部は、着座検知部が着座部へのユーザの着座を検知した場合に、ユーザの着座を検知した旨を外部装置へと送信するとともに、外部装置から改善内容指示情報を受信する。また、制御部は、受信した改善内容指示情報に基づいて、環境改善部を制御する。これにより、環境改善部は、椅子装置の周囲環境を変化させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-87026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
周囲の音声などの音を、センサを用いて検出することがある。このような技術を用いる場合において、特許文献1に記載のような椅子の着座検知を行う場合、音を検出するためのセンサの他に、圧力を検出するためのセンサなどを別途設けることが必要となる。その結果、簡易な構造で着座・起立や動きなどのユーザの状態を検知することが難しい、という課題が生じていた。また、音を検出するセンサを用いつつ簡易な構成でユーザの状態を検知する際に用いることが可能な分析方法を提供することが難しい、という課題が生じていた。
【0006】
そこで、本発明の目的は、音を検出するセンサを用いつつ簡易な構成でユーザの状態を検知する際に用いることが可能な分析方法を提供することが難しい、という課題を解決する分析方法、分析装置、プログラム、分析システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である分析方法は、
分析装置が、
中空部を有する本体部と、前記中空部の内部に設置されたセンサと、を有する検出用機構から、前記センサが検出した音を示す情報である音情報を取得し、
取得した音情報に基づいて、検出対象の状態を分析する
という構成をとる。
【0008】
また、本発明の他の形態である分析装置は、
中空部を有する本体部と、前記中空部の内部に設置されたセンサと、を有する検出用機構から、前記センサが検出した音を示す情報である音情報を取得する音情報取得部と、
取得した音情報に基づいて、検出対象の状態を分析する分析部と、
を有する
という構成をとる。
【0009】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
分析装置に、
中空部を有する本体部と、前記中空部の内部に設置されたセンサと、を有する検出用機構から、前記センサが検出した音を示す情報である音情報を取得する音情報取得部と、
取得した音情報に基づいて、検出対象の状態を分析する分析部と、
を実現するためのプログラムである。
【0010】
また、本発明の他の形態である分析システムは、
音を検出するセンサを有し、設置対象物に設置された検出用機構と、
中空部を有する本体部と、前記中空部の内部に設置されたセンサと、を有する検出用機構から、前記センサが検出した音を示す情報である音情報を取得する音情報取得部と、取得した音情報に基づいて、検出対象の状態を分析する分析部と、を有する分析装置と、
を有する
という構成をとる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、以上のように構成されることにより、音を検出するセンサを用いつつ簡易な構成でユーザの状態を検知する際に用いることが可能な分析方法を提供することが難しい、という課題を解決する分析方法、分析装置、プログラム、分析システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態における検出用機構の構成の一例を示す斜視図である。
図2図1で示す検出用機構の構成の一例を示す断面図である。
図3】検出用機構の他の構成の一例を示す断面図である。
図4】検出用機構が力に応じて変形する様子の一例を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態における検出用機構の設置例を示す斜視図である。
図6】本発明の第1の実施形態における検出用機構の他の設置例を示す斜視図である。
図7】本体部の他の形状の一例を示す斜視図である。
図8】本発明の第2の実施形態における全体の構成の一例を示す斜視図である。
図9】音発生部材の一例を説明するための図である。
図10】音発生部材の一例である摩擦体の一例を示す斜視図である。
図11】摩擦体の構成の一例を示す断面図である。
図12】音発生部材の他の一例を示す図である。
図13】音発生部材の他の一例を示す図である。
図14】音発生部材の他の一例を示す図である。
図15】音発生部材の他の一例を示す図である。
図16】音発生部材の他の一例を示す図である。
図17】音発生部材の他の一例を示す図である。
図18】音発生部材の他の一例を示す図である。
図19】音発生部材の他の一例を示す図である。
図20】本発明の第3の実施形態における検出システムの全体の構成の一例を示す図である。
図21図20で示す分析装置の構成の一例を示すブロック図である。
図22】音情報の一例を示す図である。
図23】分析部による分析の一例を示す図である。
図24】本発明の第3の実施形態における分析装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図25】検出システムの他の構成の一例を示す図である。
図26】本発明の第4の実施形態における分析装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態を図1から図7までを参照して説明する。図1は、検出用機構100の構成の一例を示す斜視図である。図2は、検出用機構100の構成の一例を示す断面図である。図3は、検出用機構100の他の構成の一例を示す断面図である。図4は検出用機構100が力に応じて変形する様子の一例を示す図である。図5図6は、本発明の第1の実施形態における検出用機構100の設置例を示す斜視図である。図7は、本体部200の他の形状の一例を示す斜視図である。
【0014】
本発明の第1の実施形態では、人などの検出対象の存在を検出する際に用いる検出用機構100について説明する。後述するように、検出用機構100は、音声などの音を検出するセンサであるマイクロフォン300と、マイクロフォン300を設置する本体部200と、を有している。また、本体部200は、外部からの力に応じて変形する可変部材により形成されている。このような構成によると、外部からの力に応じて本体部200が変形する。これにより、本体部200(検出用機構100)の音響特性が変動する。その結果、マイクロフォン300が検出する音も変動する。
【0015】
図1は、検出用機構100の構成の一例を示す斜視図である。また、図2は、検出用機構100の構成の一例を示す断面図である。図1図2を参照すると、検出用機構100は、例えば、円筒形状の本体部200を有している。また、図2で示すように、本体部200の内部には、マイクロフォン300が設置されている。
【0016】
本体部200は、マイクロフォン300が設置される部材である。例えば、本体部200は、円柱形状の外形を有している。また、本体部200の中央部分には、当該本体部200を長さ方向に貫通する貫通孔210が形成されている。
【0017】
本体部200は、当該本体部200に対して外部から力が加わっている間、つぶれるなどの変形を生じる可変部材により形成されている。加わった力に応じて本体部200がつぶれることで、本体部200に形成された貫通孔210がふさがることになる。また、本体部200に対して加わっていた力が解消することで、つぶれが解消して、貫通孔210がふさがった状態も解消する。
【0018】
また、本体部200は、例えば、貫通孔210の内部に侵入した音を反響する部材により形成される、または、反響する部材により覆われていることが望ましい。例えば、図1図2で示す場合、本体部200は、発泡ポリスチレンなどの発泡形成された樹脂部材により形成されている。また、本体部200は、例えば、図3で示すように、ウレタンなどの内層部220をポリエチレンなどの反響する外層部230で覆うことにより形成することが出来る。なお、本体部200を内層部220と外層部230とから形成する場合、例えば、内層部220に外層部230を巻き付けることなどにより上記構造を実現しても構わないし、内層部220に所定のコーティングを行うことなどにより上記構造を実現しても構わない。また、本体部200を内層部220と外層部230とから形成する場合、貫通孔210のうちの少なくとも一方の端部が開口するように、上記構造を実現することが望ましい。例えば、図3で示す場合、外層部230により貫通孔210の図3左側の端部がふさがっているが、貫通孔210の図3右側の端部はふさがっていない。
【0019】
なお、本体部200の大きさは、例えば、検出用機構100が設置される場所に応じたものとなる。後述するように、本体部200は、椅子の着座部や背もたれ部、ベッドのマットレスやカーペットなど、検出対象の存在検出を希望する設置対象物の内部に設置される。そのため、本体部200の大きさは、設置対象物である椅子の着座部や背もたれ部、マットレスやカーペットなどに応じたものとなる。例えば、本体部200を椅子の着座部に設置する場合、本体部200の大きさは、端面である円の直径が2cm程度となり、長さが14~15cm程度となる。本体部200の大きさは、上記例示した以外であっても構わない。
【0020】
貫通孔210は、上述したように、本体部200の中央部分に形成されている中空部である。例えば、図2で示す場合、貫通孔210は、両方の端部が開口している。また、例えば、図3で示す場合、貫通孔210は、一方の端部が外層部230によりふさがれており、ふさがれていない他方の端部のみが開口している。例えば、以上のように、貫通孔210は、少なくとも一方の端部が開口していることが望ましい。
【0021】
なお、貫通孔210の大きさは、例えば、マイクロフォン300の大きさに応じたものとなる。例えば、貫通孔210の大きさは、2mm程度である。貫通孔210の大きさも、本体部200の場合と同様、上記例示した以外であっても構わない。
【0022】
マイクロフォン300は、音を検出するセンサである。マイクロフォン300は、例えば、検出用機構100の設置箇所周辺で行われた会話などの音声の他に、環境音などの様々な音を検出する。図2図3で示すように、マイクロフォン300は、例えば、本体部200に形成された貫通孔210内部のうちの一方の端部付近に設置される。例えば、貫通孔210の一方の端部がふさがっている場合、マイクロフォン300は、ふさがっている側の端部付近に設置することが望ましい。なお、マイクロフォン300は、上記例示した箇所以外に設置されても構わない。
【0023】
また、マイクロフォン300は、有線又は無線を介して、外部装置と通信可能なよう接続されている。例えば、マイクロフォン300は、外部装置に対して、当該マイクロフォン300が検出した音を示す情報である音情報を送信することが出来る。
【0024】
以上が、検出用機構100の構成の一例である。以上のように、検出用機構100は、音を検出するセンサであるマイクロフォン300と、可変部材により形成される本体部200と、を有している。このような構成によると、例えば、本体部200に対して力が加わることで、図2で示すような両端が開口している状態から、図4で示すような力に応じた箇所がつぶれてふさがった状態へと本体部200の状態が変動する。または、例えば、図3で示すような一方の端部が開口している状態から、力に応じた箇所がつぶれてふさがった状態へと本体部200の状態が変動する。このように、外部からの力に応じて本体部200の状態が変動することで、本体部200の音響特性が変動して、例えば共鳴により増幅する周波数が変わることになる。これを利用することで、例えば、検出用機構100による検出結果を受信した外部装置などにおいて、本体部200の状態を把握することが可能となり、本体部200に対して外部から力が加わっているか否かを把握することが可能となる。
【0025】
なお、本実施形態において説明した検出用機構100は、例えば、図5で示すように、椅子の着座部内に設置することが出来る。例えば、検出用機構100は、椅子の着座部内のウレタンなどを一部凹ませた空間内に設置することが出来る。具体的には、例えば、検出用機構100は、椅子の着座部内のウレタンのうち下方側の所定部分を検出用機構100の大きさに応じてくり抜くことで凹ませた空間内に設置することが出来る。
【0026】
また、検出用機構100は、例えば、図6で示すように、椅子の着座部に加えて、椅子の背もたれ部に設置することが出来る。また、検出用機構100は、例えば、ベッドのマットレスやカーペットなどに設置することも出来る。
【0027】
例えば、以上のように、検出用機構100は、椅子の着座部や背もたれ部、ベッドのマットレスやカーペットなど、検出対象の継続的な状態の検出を行う(希望する)箇所である設置対象物の内部に設置することが出来る。検出用機構100を上記のような箇所に設置すると、設置対象物上に検出対象が存在している場合に、検出対象の存在に応じた力などが加わることになり、加わった力に応じて本体部200の状態が変動することになる。つまり、例えば人が椅子に座っている場合やカーペット上に人が立っている場合、検出対象である人の体重などに応じた力が検出用機構100に対して加わることになり、その結果、本体部200がつぶれることになる。上記のような理由により、例えば、検出用機構100による検出結果を受信した外部装置などは、受信した結果に基づいて、検出用機構100に対して力が加わっているか否か、つまり、検出対象が設置対象物上に存在しているか否かなど検出対象である人の状態を把握することが出来る。
【0028】
なお、検出用機構100を用いた場合、検出対象が存在しているか否かなど検出対象の継続的な状態の検出を行うことが出来るほかに、検出結果に基づく設置対象物周辺の環境分析や環境改善なども行うことが出来る。そのため、検出用機構100は、検出対象の継続的な状態の検出を行う箇所の中でも、特に、オフィスなどの環境の分析や改善が望まれる箇所に設置することが好適である。つまり、検出用機構100は、設置対象物の中でも、例えば、オフィス用椅子などに設置することが好適である。
【0029】
また、椅子の着座部や背もたれ部、ベッドのマットレスやカーペットなどには、それぞれの箇所に1つの検出用機構100を設置しても構わないし、複数の検出用機構100を設置しても構わない。本実施形態においては、検出用機構100の設置数については特に限定しない。
【0030】
なお、本実施形態においては、検出対象が人である場合について例示した。しかしながら、検出対象は、荷物などの人以外のものであっても構わない。つまり、検出用機構100が存在を検出する検出対象は、必ずしも人に限定されない。
【0031】
また、本体部200は、例えば、当該の本体部200の長さ方向を複数の素材により形成するなど、本実施形態において例示した以外の構造を有することが出来る。例えば、本体部200は、マイクロフォン300を設置する側よりも設置しない側の方がつぶれやすいように、固さなどの特性の異なる複数の素材により形成することが出来る。
【0032】
また、本実施形態において、本体部200は、円柱形状の外形を有し、中央部分に貫通孔210が形成されている(つまり、円筒形状である)とした。しかしながら、本体部200の形状は、本実施形態において例示した場合に限定されない。例えば、本体部200は、図7で示すように、四角柱形状の外形を有することが出来る。本体部200の外形を四角柱形状とすることで、例えば、検出用機構100を設置する際などの加工を容易とすることが出来る。一方、本体部200の外形を円柱形状にした場合、座った際の違和感を軽減することが出来る。なお、本体部200は、三角柱形状の外形を有するなど、例示した以外の形状であっても構わない。また、本体部200の形状は、直柱体である場合に限定されず、例えば、円柱を曲げた形状など湾曲していても構わない。このように、本体部200の形状は、本実施形態において例示した以外であっても構わない。
【0033】
また、本実施形態においては、両端が開口している、または、一方の端部が開口している貫通孔210について説明した。このように、貫通孔210は、少なくとも一方の端部が開口する中空部であることが望ましい。しかしながら、貫通孔210は、例えば、両方の端部が閉じていても構わない。貫通孔210の両方の端部が閉じている場合でも、力に応じて本体部200がつぶれることなどにより、本体部200の音響特性が変動するものと考えられる。
【0034】
また、着座した際の違和感を低減させる観点からすると、本体部200の固さは、例えば、検出用機構100を設置する設置対象物の固さと同程度であることが望ましい。例えば、設置対象物が椅子である場合、本体部200の固さは、着座部を形成するウレタンなどと同程度の固さであることが望ましい。上記構成を実現するため、本体部200をウレタンなどの内層部220と外層部230とから構成する場合、内層部220のウレタンの固さは、外層部230の固さを考慮した固さとする(例えば、着座部を形成するウレタンよりも若干柔らかくする)ことが望ましい。
【0035】
また、本実施形態においては、例えば、椅子の着座部を形成するウレタンなどの他に、独立した検出用機構100を有する場合について説明した。しかしながら、椅子の着座部を形成するウレタンなどが検出用機構100としての機能を有しても構わない。つまり、例えば、椅子の着座部を形成するウレタンなどに直接、貫通孔210を形成して、貫通孔210の内部にマイクロフォン300を設置しても構わない。このように、本体部200(検出用機構100)は、設置対象物と別に存在しても構わないし、設置対象物と一体的に形成されても構わない。
【0036】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を図8から図19までを参照して説明する。図8は、第2の実施形態における全体の構成の一例を示す斜視図である。図9は、音発生部材40の一例を説明するための図である。図10は、音発生部材40の一例である摩擦体400の一例を示す斜視図である。図11は、摩擦体400の構成の一例を示す断面図である。図12から図19までは、音発生部材40の他の一例を示す図である。
【0037】
本発明の第2の実施形態においては、検出対象である人の動作に応じて音を発生させる音発生部材40が発生させた音をマイクロフォン300が検出する場合について説明する。例えば、第1の実施形態において説明した検出用機構100を、設置対象物である椅子に設置したとする。この場合において、検出対象である人が椅子に座った場合、または、座っている状態で動いた場合、人の動きに応じて、椅子がきしむ、検出用機構100と着座部のウレタンなどがこすれる、などの様々な要因により様々な音が生じる。つまり、検出対象である人の動作に応じて、椅子や着座部のウレタンなどの音発生部材40が音を発生させる。この音を検出することで、例えば、検出用機構100による検出結果を受信した外部装置などにおいて、人などの検出対象が存在しているか否かなど継続的な状態の検出に加えて、検出対象が座ったか否か、検出対象が動いたか否か、などのイベントの発生を検出することが出来る。
【0038】
図8は、第2の実施形態における全体の構成の一例を示している。図8を参照すると、第1の実施形態で説明した検出用機構100が、例えば、設置対象物である椅子に設置されている。
【0039】
図8で示す場合、椅子に人が座る、椅子に座っている人が動く、などの動作に応じて、椅子がきしむことなどにより音が発生する。つまり、図8で示す椅子は、検出対象の動作に応じて音を発生させる音発生部材40として機能する。
【0040】
また、例えば、図9で示すように、検出用機構100は椅子の着座部に設置される。ここで、図9で示す場合においても、椅子に人が座る、椅子に座っている人が動く、などの動作に応じて、例えば、検出用機構100と着座部を構成するウレタンなどとがこすれる。その結果、音が発生する。つまり、図9で示す椅子の着座部なども、検出対象の動作に応じて音を発生させる音発生部材40として機能する。
【0041】
以上のような構成によると、検出用機構100は、検出対象である人の動作に応じて、椅子や着座部などの音発生部材40が発生させた音を検出する。その結果、検出結果を受信した外部装置などにおいて、人などの検出対象の存在検出に加えて、検出対象の動作も音情報に基づいて検出することが出来る。
【0042】
なお、上述した場合では、音発生部材40が椅子や着座部など設置対象物と一体的である場合について説明した。しかしながら、音発生部材40としての機能は、設置対象物以外により実現されても構わない。
【0043】
例えば、図10で示すように、音発生部材40としての機能は、本体部200を包み込む摩擦体400により実現されても構わない。摩擦体400は、外部からの力に応じて、本体部200とこすれて音を発生させる部材により形成された包装体である。摩擦体400は、袋状、または、筒状など、本体部200を包み込むことが可能な形状を有している。
【0044】
図11は、摩擦体400の構成の一例を示している。図11を参照すると、摩擦体400は、例えば、表層部410と裏層部420とを連結層430を介して連結した、立体構造を有するダブルラッセルメッシュ生地などにより形成されている。なお、表層部410や裏層部420は、例えば、化学繊維により形成されている。表層部410や裏層部420は、天然繊維により形成されていても構わない。
【0045】
例えば、音発生部材40としての機能は、以上のような構成を有する摩擦体400により実現されても構わない。音発生部材40としての機能を摩擦体400により実現する場合、検出用機構100が本体部200と摩擦体400とから構成されても構わない。つまり、検出用機構100が音発生部材40としての機能を有しても構わない。なお、摩擦体400は、表層部410と裏層部420とを連結した立体構造ではなく、単層構造を有していても構わない。また、摩擦体400は、金たわしなどの金属製であっても構わない。摩擦体400は、本実施形態において説明した立体構造の周囲をさらに金たわしで覆うなど、複数を組み合わせたものであっても構わない。このように、摩擦体400は、上記例示した以外であっても構わない。
【0046】
また、例えば、図12で示すように、音発生部材40としての機能は、アクリルパイプなどの筒状体の内部に鉄製のボールや鈴などをいれた部材を用いることで実現しても構わない。また、図13で示すように、音発生部材40としての機能は、鈴のみを用いて実現しても構わない。音発生部材40として鈴を用いる場合、図13図14で示すように、椅子の着座部の4隅それぞれに鈴を設置することが望ましい。また、4隅に鈴を設置する場合などにおいて、図14で示すように、マイクロフォン300を椅子の着座部中央に設置しても構わない。椅子の着座部中央にマイクロフォン300を設置する場合、マイクロフォン300として、音の方向を検出可能なアレイマイクを用いることにより、より詳細な情報を取得することが出来る。
【0047】
また、例えば、図15図16で示すように、音発生部材40としての機能は、椅子を支える軸部に形成したオルゴール機能により実現しても構わない。図15は、椅子を回転させることで音を発生させる機構であり、図16は、椅子に着座したなど椅子を高さ方向に動かした際に音を発生させる機構である。具体的には、図16(A)は、椅子全体の構成を示しており、図16(B)は、椅子を高さ方向に動かした際に音を発生させる機構を拡大した断面図を示している。このように、音発生部材40は、椅子を所定の方向に動かした際に音を発生させるオルゴール機能などにより実現しても構わない。
【0048】
また、図17で示すように、音発生部材40としての機能は、アクリルパイプなどの筒状体の周囲を金たわしなどで覆うことで実現しても構わない。また、図18で示すように、音発生部材40としての機能は、そば殻などを詰めた小型の詰め物などにより実現しても構わない。また、図19で示すように、音発生部材40としての機能は、ブーブークッションなどと呼ばれるような、圧力に応じて空気を押し出す際に音を生じる機構により実現しても構わない。
【0049】
以上、例示したように、音発生部材40は、様々な機構により実現することが出来る。音発生部材40は、上記例示したものの一部、または、組み合わせにより実現しても構わない。音発生部材40は、上記例示した以外の検出対象の動作に応じて音を発生させる機構により実現しても構わない。
【0050】
なお、本実施形態においては、検出用機構100を椅子に設置した場合について説明した。しかしながら、第1の実施形態において説明したように、検出用機構100は、椅子の着座部や背もたれ部、ベッドのマットレスやカーペットなど、検出対象の動作、動きの検出を希望する任意の設置対象物の内部に設置することが出来る。
【0051】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態を図20から図25までを参照して説明する。図20は、検出システムの全体の構成の一例を示す図である。図21は、図20で示す分析装置500の構成の一例を示すブロック図である。図22は、音情報の一例を示す図である。図23は、分析部553による分析の一例を示す図である。図24は、分析装置500の動作の一例を示すフローチャートである。図25は、検出システムの他の構成の一例を示す図である。
【0052】
本発明の第3の実施形態においては、第1の実施形態や第2の実施形態で説明した検出用機構100を利用して、人などの検出対象の継続的な状態や、動きなどのイベントの発生を検出する検出システムについて説明する。後述するように、検出システムは、検出用機構100が有するマイクロフォン300から受信した音情報に基づいて、人などの検出対象が存在しているか否かなど継続的な状態や、動きなどのイベントの発生を検出する。また、検出システムは、検出対象が属する環境(検出用機構100などが設置された箇所周辺の環境)などを分析することが出来る。
【0053】
図20は、検出システムの全体の構成の一例を示している。図20を参照すると、検出システムは、第1の実施形態や第2の実施形態で説明した検出用機構100と、分析装置500と、を有している。検出用機構100と、分析装置500とは、互いに通信可能なよう無線または有線で接続されている。
【0054】
なお、図20では、椅子の着座部内に検出用機構100を設置した場合について例示している。しかしながら、第1の実施形態や第2の実施形態で説明したように、検出用機構100は、椅子の着座部以外の設置対象物に設置されていても構わない。また、検出用機構100は、2つ以上の複数、設置対象物に設置されていても構わない。
【0055】
図21は、分析装置500の構成の一例を示している。図21を参照すると、分析装置500は、主な構成要素として、例えば、操作入力部510と、画面表示部520と、通信I/F部530と、記憶部540と、演算処理部550と、を有している。
【0056】
操作入力部510は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなる。操作入力部510は、分析装置500を操作するオペレータの操作を検出して演算処理部550に出力する。
【0057】
画面表示部520は、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)などの画面表示装置からなる。画面表示部520は、演算処理部550からの指示に応じて、音情報541に含まれる音情報や、後述する分析部553による分析の結果に応じた情報などを画面表示することが出来る。
【0058】
通信I/F部530は、データ通信回路からなる。通信I/F部530は、通信回線を介して接続された検出用機構100から当該検出用機構100が検出した音情報を受信するなどの、データ通信を行う。
【0059】
記憶部540は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置である。記憶部540は、演算処理部550における各種処理に必要な処理情報やプログラム545を記憶する。プログラム545は、演算処理部550に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現する。プログラム545は、通信I/F部530などのデータ入出力機能を介して外部装置や記録媒体から予め読み込まれ、記憶部540に保存されている。記憶部540で記憶される主な情報としては、例えば、音情報541と閾値情報542と音声情報543と状態対応音情報544とがある。
【0060】
演算処理部550は、MPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部540からプログラム545を読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム545とを協働させて各種処理部を実現する。演算処理部550で実現される主な処理部としては、例えば、音情報取得部551と、分離部552と、分析部553と、がある。
【0061】
以下、各種処理部、各情報について説明する。
【0062】
音情報取得部551は、検出用機構100から当該検出用機構100が送信した音情報を取得する。また、音情報取得部551は、取得した音情報を音情報541として記憶部540に格納する。
【0063】
分離部552は、音情報541に含まれる音情報が示す音を分離する。第1の実施形態や第2の実施形態で説明したように、検出用機構100は、会話などに応じた音声や周辺環境の音を取得しつつ、検出対象の存在や動きなどの検出対象の状態に応じて増幅された音や動作に応じて発生した音(以下、状態対応音とする)を取得する。そのため、音情報においては、音声などと状態対応音とが混ざった状態となっている。そこで、分離部552は、音情報が示す音を、例えば音声などと状態対応音とに分離する。
【0064】
図22は、音情報541に含まれる音情報の一例を示している。図22で示すように、音情報においては、例えば、日本語で会話する際に用いる125~1500Hz程度の音の他に、22000~24000程度までの周波数の高い音が混ざっている。そこで、分離部552は、予め設定された周波数閾値を用いて、音情報に含まれる音を周波数閾値以上の音と周波数閾値未満の音とに分離する。そして、分離部552は、周波数閾値未満の音を音声であると判断して、音声情報543として記憶部540に格納する。一方、分離部552は、周波数閾値以上の音を状態対応音であると判断して、状態対応音情報544として記憶部540に格納する。
【0065】
また、第1の実施形態で説明したように、本体部200が外部からの力によりつぶれている場合、力が加わっていない場合と比較して、増幅する周波数が変わる。そのため、分離部552は、音の大きさを示す大きさ閾値を用いて、音情報に含まれる音から所定周波数領域における大きさ閾値以上の大きさの音を分離する。そして、分離部552は、分離した音を状態対応音情報544として記憶部540に格納する。
【0066】
例えば、以上説明したように、分離部552は、周波数閾値や大きさ閾値などを用いて、音情報541に含まれる音情報が示す音を音声などと状態対応音とに分離する。なお、周波数閾値や大きさ閾値は、例えば、閾値情報542として記憶部540に予め記憶されている。周波数閾値や大きさ閾値の値は、任意に設定して構わない。例えば、周波数閾値は、音発生部材40の種類などに応じて定められていても構わない。また、周波数閾値や大きさ閾値は、例えば、周辺環境などに応じて動的に変更されるよう構成しても構わない。
【0067】
なお、分離部552は、上記例示した以外の方法を用いて、音情報が示す音から音声や状態対応音を分離するよう構成しても構わない。例えば、分離部552は、本体部200がつぶれることで増幅される音の特徴、こすれにより生じる音の特徴、音発生部材40の種類などに応じた特徴、人ごとの音声の特徴などを事前に学習しておくことが出来る。そして、分離部552は、事前に学習を行った結果に基づいて、音情報が示す音を音声や状態対応音に分離することが出来る。このように、分離部552は、機械学習を行うことにより音情報が示す音を音声や状態対応音に分離するよう構成しても構わない。
【0068】
また、検出システムが複数の椅子を有し、複数の椅子に検出用機構100や検出用機構110が設置されている場合がある。この場合、分離部552は、複数の検出用機構100や検出用機構110から取得した音情報を比較することで、音情報が示す音を音声と状態対応音とに分離するように構成しても構わない。例えば、椅子の内部で生じる状態対応音に対して、音声は、複数の椅子の検出用機構100や検出用機構110で同様に検出することが想定される。そこで、分離部552は、複数の音情報に共通する音を音声として分離する一方で、複数の音情報に共通しない音を状態対応音として分離するよう構成することが出来る。なお、各椅子において取得した音情報は、例えば、環境音に可聴周波数域外の音を混ぜておくことなどにより同期することが出来る。音情報の同期は上記例示した以外で実現しても構わない。
【0069】
例えば、以上のように、分離部552の処理は様々な方法により実現できる。なお、分離部552は、上記例示した方法のうちのいずれかを用いるよう構成しても構わないし、上記例示した複数の方法を組み合わせるよう構成しても構わない。また、分離部552は、上記例示した以外の既知の方法を用いて、音情報が示す音を音声などと状態対応音とに分離しても構わない。
【0070】
分析部553は、記憶部540に格納された音声情報543や状態対応音情報544に基づいて、検出対象である人の存在の有無、動きなどの人の状態、検出対象が属する環境の状態などを分析する。例えば、分析部553は、音声情報543に基づく分析、状態対応音情報544に基づく分析、音声情報543と状態対応音情報544とを組み合わせた分析、などを行うことが出来る。
【0071】
例えば、分析部553は、音声情報543に基づいて、含まれる人数の判別や音声を生じる環境が盛り上がっているかなどを分析することが出来る。
【0072】
例えば、分析部553は、音声情報543に基づいて、当該音声情報543に何人分の音声が含まれるか判別するよう構成することが出来る。分析部553による判別は、例えば、事前に学習した各話者の特徴に基づいて行っても構わないし、クラスタリング処理で音声成分を各クラスタに分類した結果などに基づいて行っても構わない。分析部553による判別は、上記例示した以外の方法で実現しても構わない。
【0073】
また、分析部553は、音声情報543に含まれる音声を発した人数などに基づいて、会議など音声を発する環境の盛り上がり具合を判別することが出来る。例えば、分析部553は、音声を発した人数が多ければ多いほど音声を発する環境が盛り上がっていると判別することが出来る。分析部553は、音声の盛り上がり具合を判別する際に、音声の大きさなどを示す情報も用いるよう構成しても構わない。
【0074】
また、分析部553は、音声情報543に基づいて、椅子が予め想定された環境に設置されているか否かを示す椅子の活用率を算出することが出来る。例えば、静かなエリアに設置する椅子である、活発に議論が行われる環境に設置する椅子である、など、椅子の設置場所の理想的状況が予め定義されている。そして、分析部553は、予め定義された理想的状況と、音声情報543に含まれる音声の大きさや盛り上がり具合などの分析結果と、に基づいて、椅子の環境が理想的環境からどの程度離れているかを示す活用率を算出する。例えば、分析部553は、理想的状況と、分析結果が示す状況と、の間の距離を算出することなどにより、活用率を算出する。このように、分析部553は、椅子の設置環境が予め定められたエリアごとの定義に合っているか否かなどを示す活用率を算出することが出来る。
【0075】
例えば以上のように、分析部553は、音声情報543に基づく分析を行うよう構成することが出来る。
【0076】
また、分析部553は、状態対応音情報544に基づいて、椅子に人が座っているか否か、椅子に座っている人が動いたか否か、着座・起立や動きの頻度などに基づく人の集中度合い、などの検出対象の状態を分析することが出来る。
【0077】
例えば、分析部553は、大きさ閾値以上の大きさを有する所定周波数の音を示す情報が状態対応音情報544に含まれている期間、人が椅子に座っていると判別することが出来る。つまり、分析部553は、状態対応音情報544に基づいて、椅子に人が座っているという継続的な状態・期間を判別することが出来る。また、分析部553は、周波数閾値以上の音を示す情報が含まれているタイミングで、椅子に座っている人が動いたと判別することが出来る。つまり、分析部553は、イベントの発生を判別することが出来る。
【0078】
このように、分析部553は、状態対応音情報544に基づいて、椅子に人が座っているか否かなどの継続的な状態を判別するとともに、人が動いたタイミングなどのイベントの発生を判別することが出来る。なお、分析部553は、上記例示した2つの場合を組み合わせて、人が椅子に座っていると判別した期間内のみ、人が動いているかどうか判別するよう構成しても構わない。
【0079】
また、分析部553は、上記分析した結果に基づいて、人が座っている状態がどのくらい続いたかを示す継続的な状態の持続時間を算出することが出来る。また、分析部553は、継続的な状態の持続時間に基づいて、例えば業務時間内において椅子が利用されている割合などを示す椅子の利用率を算出することが出来る。また、分析部553は、上記継続的な状態の持続時間が予め定められた閾値を超えるか否か確認することなどにより、座りすぎの状態を検出することが出来る。
【0080】
また、分析部553は、上記分析した結果に基づいて、単位時間あたりのイベントの発生回数(例えば、着座・起立回数や座っている人が動いた回数など)を算出することが出来る。例えば、分析部553は、動いたなどのイベントの発生を検出した回数を時間で割ることで、単位時間あたりのイベント発生の回数を算出することが出来る。
【0081】
また、例えば、分析部553は、予め足を組んでいる場合の状態対応音、貧乏ゆすりをしている場合の状態対応音、などを学習しておくことなどにより、予め学習した結果などに基づいて、足を組んでいる、貧乏ゆすりをしている、などの予め定義された悪い姿勢を検出することが出来る。分析部553は、人の状態と状態対応音との対応を予め学習した結果などに基づいて、予め定義された好ましい姿勢で座っているか否かを判別するよう構成することも出来る。
【0082】
また、分析部553は、算出した単位時間あたりのイベント発生の回数などに基づいて、座った人が集中しているか否か判別することが出来る。例えば、分析部553は、イベント発生の回数が多ければ多いほど人が集中していない、と判別することが出来る。分析部553は、例えば、予め設定された理論値から離れれば離れるほど人が集中していない、と判別するよう構成しても構わない。
【0083】
例えば以上のように、分析部553は、状態対応音情報544に基づく分析を行うよう構成することが出来る。
【0084】
また、分析部553は、音声情報543と状態対応音情報544とを組み合わせることで、人の状態をより深く分析したり、検出対象である人が属する環境の分析などを行ったりすることが出来る。
【0085】
例えば、分析部553は、音声情報543と状態対応音情報544とを組み合わせることで、例えば、心から笑っている状態、笑い声は起きているが割と冷静な状態、など、音声と音声を発生した際の状態とを組み合わせた結果に応じた人の状態を検出することが出来る。これにより、単に音声情報543に基づいて人の状態を検出するよりも、より正確に人の状態を検出することが出来る。
【0086】
また、例えば、分析部553は、音声情報543と状態対応音情報544とを組み合わることで、周辺環境と椅子の利用状況との関係を分析することが出来る。例えば、分析部553は、上述した利用率と活用率とを、職場内などにおける椅子の設置場所を示すマップ上に組み合わせて表示するよう、画面表示部520に指示することが出来る。また、分析部553は、例えば、活用率が予め定められた活用閾値以下であり、かつ、利用率が予め定められた利用閾値以下である場合に、椅子の設置環境が作業を行うのに適していない、と判断するなど、利用率と活用率とを組み合わせた判断を行うよう構成することが出来る。
【0087】
また、例えば、分析部553は、音声情報543と状態対応音情報544の分析結果に基づいて、音情報を取得した環境が予め選択された環境に応じた望ましい状態にあったのか否か判別することが出来る。例えば、図23で示すように、分析部553は、音声情報543に基づく分析の結果に応じた値と状態対応音情報544に基づく分析の結果に応じた値とをマッピングする。そして、分析部553は、マッピングした結果と、選択された環境に応じた望ましい状態と、の比較に基づいて、音情報を取得した状況が望ましい状態であったか否か判別することが出来る。例えば、分析部553は、マッピングした結果と、選択された環境に応じた望ましい状態と、の間の距離を算出することなどにより、音情報を取得した環境の望ましい状態からの離れ具合などを評価することで、上記判別を行うことが出来る。このように、分析部553は、音声情報543と状態対応音情報544とを組み合わせて、椅子の環境が予め定義された望ましい状態にあったのか否かを判別するよう構成しても構わない。
【0088】
なお、図23では、例えば、状態対応音情報544の分析結果に応じた値をx軸の値としており、音声情報543の分析結果に応じた値をy軸の値としている。ここで、状態対応音情報544の分析結果に応じた値とは、例えば、単位時間あたりのイベント発生の回数、継続的な状態の持続時間やイベントの発生回数などに応じて算出される値、利用率などを指す。また、音声情報543の分析結果に応じた値とは、例えば、音情報に含まれる人の数や音の大きさなどに基づいて算出される値、活用率などを指す。
【0089】
また、上述したように、分析部553は、予め選択された環境の状態との比較を行う。ここで、環境の選択は、例えば、分析装置500を操作するオペレータにより予め行われているものとする。なお、選択対象となる環境には、例えば、会議や事務作業などの業務内容などに応じた大まかな環境の他に、定期連絡会議、アイデア出しの会議、検討会議などの会議の種類など、より詳細な環境を含むことが出来る。また、選択対象となる環境ごとの望ましい状態を示す情報は、例えば、予め作成されて記憶部540に記憶されているものとする。
【0090】
例えば、以上のように、分析部553は、音声情報543に基づく分析、状態対応音情報544に基づく分析、音声情報543と状態対応音情報544とを組み合わせた分析、などを行うことが出来る。分析部553による分析の結果は、例えば、画面表示部520に表示したり、通信I/F部530を介して外部装置に対して送信したりすることが出来る。また、分析部553は、分析の結果に基づいて、所定のアクチュエータを起動させるよう構成しても構わない。例えば、分析部553は、座りすぎの状態を検出した場合などにおいて、バイブレーションを振動させる、光や音を出す、などの所定の警告を行うよう構成することが出来る。また、分析部553は、例えば、周りが静かな場合に森の音を出力する、周りがうるさい場合に周囲の騒音を中和するノイズを出す、など、音声情報543や状態対応音情報544の分析結果に応じた出力を行うよう構成することが出来る。
【0091】
なお、分析部553は、上記例示した分析のうちのいずれかを行うよう構成しても構わない。また、分析部553は、上記例示した以外の分析を行うよう構成しても構わない。
【0092】
例えば、分析部553は、上述した処理の結果である、椅子の利用率や活用率、座っている状態の持続時間、単位時間当たりのイベント発生回数、集中度合い、などの情報である分析結果情報を記憶部540に格納することが出来る。また、分析部553は、記憶部540に格納され分析結果情報を参照することで、椅子に座っている人の状態が昨日や先週など以前と比べてどうであるかを判断することが出来る。つまり、分析部553は、時系列に沿った状態の変遷を判断することが出来る。例えば、分析部553は、昨日、一週間前、一か月前、など過去の分析結果情報と比較して、活用率が変わらないのに利用率が下がっている、持続時間が短くなり集中度合いが下がっている、などの状態の場合、椅子に座っている人との状態が過去よりも悪い、と判断することが出来る。このように、分析部553は、長期的な分析結果に基づく判断を行うよう構成しても構わない。また、記憶部540に分析結果情報が蓄積されることで、分析部553は、椅子に座った人が当該椅子に座るべき人であるか否か(椅子が割り当てられている人であるか否か)など、本人認証などを行うことも出来る。
【0093】
また、分析部553が格納した分析結果情報などは、外部装置などから検索可能なよう構成することが出来る。例えば、利用率や活用率を検索可能とすることで、活用率が高く利用率が低い椅子など、所望の椅子を容易に発見することが出来る。
【0094】
以上が、分析装置500の構成の一例である。続いて、図24を参照して、分析装置500が音情報541の分析を行う際の動作の一例について説明する。なお、音情報541は予め記憶部540に格納されているものとする。
【0095】
図24は、分析装置500が音情報541の分析を行う際の動作の一例を示している。図24を参照すると、分離部552は、記憶部540から音情報541を取得する(ステップS101)
【0096】
分離部552は、音情報541に含まれる音情報が示す音を分離する(ステップS102)。例えば、分離部552は、音情報が示す音を音声や状態対応音に分離する。そして、分離部552は、分離した音声を音声情報543として記憶部540に格納するとともに、分離した状態対応音を状態対応音情報544として記憶部540に格納する。
【0097】
分析部553は、記憶部540に格納された音声情報543や状態対応音情報544に基づいて、人の動きや状態、検出システムが置かれた環境の状態などを分析する(ステップS103)。例えば、分析部553は、音声情報543に基づく分析、状態対応音情報544に基づく分析、音声情報543と状態対応音情報544とを組み合わせた分析、などを行うことが出来る。
【0098】
分析部553は、分析の結果を出力する(ステップS104)。例えば、分析部553は、分析の結果を画面表示部520に表示したり、通信I/F部530を介して外部装置に対して送信したりする。
【0099】
このように、分析装置500は、分離部552と分析部553とを有している。このような構成により、分析部553は、分離部552が分離した音声や状態対応音に基づいて、人の動きや状態、検出システムが置かれた環境の状態などを分析することが出来る。その結果、マイクロフォン300が取得した音の情報に基づいて、環境に生じた問題などを把握することが可能となり、また、環境に生じた問題を早期に解決することが可能となる。これにより、例えば、音情報に基づいて、業務の支障となる問題などを解決して業務における創造性などを高めることが可能となる。
【0100】
また、本実施形態において説明した分析システムによると、椅子ごとにマイクロフォン300が設置されることになる。その結果、例えば、会議においてテーブルなどの上にマイクロフォンを設置する場合と比較して、状態対応音情報などより多くの情報を取得することが可能となる。これにより、例えば、より詳細な分析を行うことが可能となる。
【0101】
なお、本実施形態においては、分析装置500としての機能が1台の情報処理装置により実現する場合について例示した。しかしながら、分析装置500としての機能は、複数台の情報処理装置により実現されても構わない。例えば、分析装置500としての機能は、ネットワークを介して互いに通信可能なよう接続された複数台の情報処理装置により実現されても構わない。
【0102】
また、図25で示すように、分析システムは、検出用機構100や検出用機構110に加えて、本体部200の内部に設置されないマイクロフォン60を有することが出来る。例えば、図25で示すように、マイクロフォン60は、椅子の着座部のうちの前方などに設置することが出来る。椅子に検出用機構100や検出用機構110を設置するとともに、マイクロフォン60を設置することで、より鮮明に会話音などを取得することが可能となる。また、マイクロフォン60が取得した音声は、分離部552による分離処理などに活用することが出来る。
【0103】
[第4の実施形態]
次に、図26を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、分析装置70の構成の概要について説明する。
【0104】
図26は、分析装置70の構成の一例を示している。図26を参照すると、分析装置70は、例えば、音情報取得部71と、分析部72と、を有している。なお、分析装置70は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置と記憶装置とを有している。例えば、分析装置70は、記憶装置に格納されたプログラムを演算装置が実行することで、上記各処理部を実現する。
【0105】
音情報取得部71は、中空部を有する本体部と、中空部の内部に設置されたセンサと、を有する検出用機構から、当該検出用機構が有するセンサが検出した音を示す情報である音情報を取得する。
【0106】
分析部72は、音情報取得部71が取得した音情報に基づいて、検出対象の状態を分析する。
【0107】
このように、分析装置70は、音情報取得部71と分析部72とを有している。このような構成により、分析部72は、音情報取得部71が取得した音情報に基づいて、検出対象の状態を分析することが出来る。これにより、設置対象物に圧力センサなど新たなセンサを加えることなく、検出対象の状態を分析することが可能となる。
【0108】
なお、センサは、例えば、外部からの力に応じて変形する可変部材により形成された本体部の内部に設置される。具体的には、例えば、センサは、本体部に形成された中空部の内部に設置される。
【0109】
また、上述したように、センサは、設置対象物に設置される。ここで、設置対象物とは、例えば、椅子の着座部や背もたれ部、ベッドのマットレスやカーペットなど、検出対象の存在検出を希望する物体のことをいう。
【0110】
なお、上述した分析装置70は、当該分析装置70に所定のプログラムが組み込まれることで実現できる。具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、分析装置70に、中空部を有する本体部と、中空部の内部に設置されたセンサと、を有する検出用機構から、当該検出用機構が有するセンサが検出した音を示す情報である音情報を取得する音情報取得部71と、音情報取得部71が取得した音情報に基づいて、検出対象の状態を分析する分析部72と、を実現するためのプログラムである。
【0111】
また、上述した分析装置70により実行される分析方法は、分析装置70が、中空部を有する本体部と、中空部の内部に設置されたセンサと、を有する検出用機構から、当該検出用機構が有するセンサが検出した音を示す情報である音情報を取得し、取得した音情報に基づいて、検出対象の状態を分析する、という方法である。
【0112】
上述した構成を有する、プログラム、又は、分析方法、の発明であっても、上記分析装置70と同様の作用・効果を有するために、上述した本発明の目的を達成することが出来る。
【0113】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における分析方法などの概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0114】
(付記1)
分析装置が、
中空部を有する本体部と、前記中空部の内部に設置されたセンサと、を有する検出用機構から、前記センサが検出した音を示す情報である音情報を取得し、
取得した音情報に基づいて、検出対象の状態を分析する
分析方法。
(付記2)
付記1に記載の分析方法であって、
前記音情報が示す音を、人物の音声と検出対象の状態に応じた音である状態対応音とに分離し、分離した結果に基づいて検出対象の状態を分析する
分析方法。
(付記3)
付記2に記載の分析方法であって、
前記音声に基づく分析、前記状態対応音に基づく分析、前記音声と前記状態対応音に基づく分析、のうちの少なくとも一つを行う
分析方法。
(付記4)
付記2または付記3に記載の分析方法であって、
前記状態対応音に基づいて、前記設置対象物に前記検出対象が存在するかしないか判別する
分析方法。
(付記5)
付記2から付記4までのいずれか1項に記載の分析方法であって、
前記状態対応音に基づいて、前記検出対象が動いているかいないか判別する
分析方法。
(付記6)
付記2から付記5までのいずれか1項に記載の分析方法であって、
前記音情報が示す音を、予め定められた閾値を用いて、前記音声と前記状態対応音とに分離する
分析方法。
(付記7)
付記1から付記6までのいずれか1項に記載の分析方法であって、
外部からの力に応じて変形する可変部材により形成された本体部と、前記センサと、を有する検出用機構から、前記音情報を取得する
分析方法。
(付記8)
付記1から付記7までのいずれか1項に記載の分析方法であって、
前記センサは、検出対象の動作に応じて音を発生させる音発生部材が発生させた音を検出する
分析方法。
(付記9)
中空部を有する本体部と、前記中空部の内部に設置されたセンサと、を有する検出用機構から、前記センサが検出した音を示す情報である音情報を取得する音情報取得部と、
取得した音情報に基づいて、検出対象の状態を分析する分析部と、
を有する
分析装置。
(付記10)
分析装置に、
中空部を有する本体部と、前記中空部の内部に設置されたセンサと、を有する検出用機構から、前記センサが検出した音を示す情報である音情報を取得する音情報取得部と、
取得した音情報に基づいて、検出対象の状態を分析する分析部と、
を実現するためのプログラム。
(付記11)
音を検出するセンサを有し、設置対象物に設置された検出用機構と、
中空部を有する本体部と、前記中空部の内部に設置されたセンサと、を有する検出用機構から、前記センサが検出した音を示す情報である音情報を取得する音情報取得部と、取得した音情報に基づいて、検出対象の状態を分析する分析部と、を有する分析装置と、
を有する
分析システム。
【0115】
なお、上記各実施形態及び付記において記載したプログラムは、記憶装置に記憶されていたり、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていたりする。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0116】
以上、上記各実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることが出来る。
【符号の説明】
【0117】
100 検出用機構
200 本体部
210 貫通孔
220 内層部
230 外層部
300 マイクロフォン
40 音発生部材
400 摩擦体
410 表層部
420 裏層部
430 連結層
500 分析装置
510 操作入力部
520 画面表示部
530 通信I/F部
540 記憶部
541 音情報
542 閾値情報
543 音声情報
544 状態対応音情報
545 プログラム
550 演算処理部
551 音情報取得部
552 分離部
553 分析部
60 マイクロフォン
70 分析装置
71 音情報取得部
72 分析部
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