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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】除菌装置、除菌方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20231205BHJP
   A61L 2/24 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L2/24
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020190683
(22)【出願日】2020-11-17
(65)【公開番号】P2022080321
(43)【公開日】2022-05-30
【審査請求日】2023-01-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年9月24日にアドレスhttp://newnext.co.jp/blog/2020/09/24/%e3%81%be%e3%81%a8%e3%82%81%e3%81%a6%e3%81%8a%e6%89%8b%e8%bb%bd%ef%bc%81%e6%8c%81%e3%81%a1%e6%89%8b%e3%81%ae%e8%a3%8f%e3%81%be%e3%81%a7%e4%b8%81%e5%af%a7%e9%99%a4%e8%8f%8c%ef%bc%81-%e3%80%80%e3%80%80/のウェブサイトに掲載 令和2年9月25日にアドレスhttps://www.instagram.com/p/CFiZuL2p3YE/のウェブサイトに掲載 令和2年9月25日にアドレスhttps://twitter.com/NexNext_Inc/status/1309267538258178048のウェブサイトに掲載 令和2年9月29日にイオンスタイル京都桂川1階(京都府京都市南区久世高田町376-1)にて会見 令和2年9月29日にイオンスタイル京都桂川(京都府京都市南区久世高田町376-1)にて販売 令和2年9月29日にアドレスhttps://www.youtube.com/watch?v=R4cC7o9EUHUのウェブサイトに掲載 令和2年9月30日にアドレスhttps://twitter.com/NexNext_Inc/status/1311106276823195648,https://twitter.com/NexNext_Inc/status/1311094302383112193およびhttps://twitter.com/NexNext_Inc/status/1311119989554819072のウェブサイトに掲載
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年10月1日にアドレスhttps://twitter.com/NexNext_Inc/status/1311441295873732608のウェブサイトに掲載 令和2年10月2日にアドレスhttps://twitter.com/NexNext_Inc/status/1311800018601304064のウェブサイトに掲載 令和2年10月3日に毎日放送の番組NEXT JAPANで放送 令和2年10月6日にアドレスhttps://twitter.com/NexNext_Inc/status/1313269808104841221のウェブサイトに掲載 令和2年10月14日にアドレスhttps://twitter.com/NexNext_Inc/status/1316168943426396160のウェブサイトに掲載 令和2年10月15日にアドレスhttps://twitter.com/NexNext_Inc/status/1316515309281374208のウェブサイトに掲載
(73)【特許権者】
【識別番号】716005298
【氏名又は名称】株式会社ニューネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100129573
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 博正
(74)【代理人】
【識別番号】100158654
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 虎之助
(72)【発明者】
【氏名】正川 仁彦
(72)【発明者】
【氏名】松岡 俊秀
(72)【発明者】
【氏名】冨田 優貴
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103520743(CN,A)
【文献】特開2003-112135(JP,A)
【文献】国際公開第2019/190598(WO,A1)
【文献】特表2021-519147(JP,A)
【文献】登録実用新案第3229167(JP,U)
【文献】特開2022-043728(JP,A)
【文献】特開2008-185067(JP,A)
【文献】特開2010-240032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00
A45C 3/04
B08B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形が直方体状に形成され、上面が長方形状に開口しているカゴ部とそれぞれコの字状に形成され、前記カゴ部の開口部の枠に対して回動可能に設けられている2つの取っ手であって、前記取っ手のコの字状の開いている側が対向するように、前記カゴ部の開口部分の枠に沿って配置できる取っ手とからなり、積み重ねることのできる買い物かごを除菌する除菌装置において、
内側が空いている枠状に形成され、駆動部によって、積み重ねられている前記買い物かごを内側に通して上昇または下降させられる昇降部と、
前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれの中央部分に前記昇降部の内側または枠側に向かって変位可能に設けられ、前記昇降部の内側に変位した場合、前記昇降部の枠から内側に突出して、重ねられている前記買い物かごのうち、いずれかの前記買い物かごの開口部の枠の下側を支える2つの支えと、
前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている紫外線を発光する2つの第1の紫外線灯と、
前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている、前記第1の紫外線灯が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を発光する2つの第2の紫外線灯と
を含む除菌装置。
【請求項2】
請求項1に記載の除菌装置において、
前記支えは、それぞれ、前記買い物かごの開口部の枠の下側のうち、2つの取っ手が枠に取り付けられている部分の間の下側を支える
除菌装置。
【請求項3】
請求項1に記載の除菌装置において、
前記第1の紫外線灯および前記第2の紫外線灯は、それぞれ、前記支えにより支えられている前記買い物かごの底面に発光した紫外線が照射される位置に配置されている
除菌装置。
【請求項4】
請求項1に記載の除菌装置において、
前記第1の紫外線灯は、それぞれ、200乃至280nmの波長の紫外線を発光し、
前記第2の紫外線灯は、それぞれ、200乃至280nmの波長の紫外線を発光する
除菌装置。
【請求項5】
請求項1に記載の除菌装置において、
前記昇降部は、長方形の枠状に形成され、
前記支えは、前記昇降部の2組の対向している辺に相当する枠の部分のうちの、一方の対向している辺に相当する枠の部分のそれぞれの中央部分に前記昇降部の内側または枠側に向かって変位可能にそれぞれ設けられ、
前記第1の紫外線灯は、それぞれ、前記昇降部の2組の対向している辺に相当する枠の部分のうちの、一方の対向している辺に相当する枠の部分のそれぞれに吊り下げて設けられ、
前記第2の紫外線灯は、それぞれ、前記昇降部の2組の対向している辺に相当する枠の部分のうちの、他方の対向している辺に相当する枠の部分のそれぞれに吊り下げて設けられる
除菌装置。
【請求項6】
請求項5に記載の除菌装置において、
前記第1の紫外線灯および前記第2の紫外線灯は、それぞれ、直管であり、
前記第1の紫外線灯および前記第2の紫外線灯の長手方向は、前記昇降部の枠の長さ方向に沿って配置されている
除菌装置。
【請求項7】
請求項6に記載の除菌装置において、
前記第1の紫外線灯は、前記昇降部の内側または枠側に向かって変位可能とされ、
前記第2の紫外線灯は、前記昇降部の内側または枠側に向かって変位可能とされ、
前記昇降部に設けられ、前記昇降部で持ち上げられていない前記買い物かごであって、最も上側の前記買い物かごの上端から前記昇降部までの高さが所定の高さであることを検知する高さ検知部と、
前記昇降部の枠の長さ方向に沿って長手方向が配置されている直管である2つの前記第1の紫外線灯のそれぞれの両端に設けられている、前記買い物かごの2つの取っ手を掬い上げる掬い上げ部と
をさらに含み、
前記掬い上げ部は、前記高さ検知部により前記昇降部で持ち上げられていない前記買い物かごのうちの最も上側の前記買い物かごの上端から前記昇降部までの高さが所定の高さであると検知されている場合、前記第1の紫外線灯が前記昇降部の内側に向かって変位したとき、前記昇降部で持ち上げられていない前記買い物かごであって、最も上側の前記買い物かごの2つの取っ手を掬い上げて持ち上げ、
前記第2の紫外線灯は、前記掬い上げ部によって買い物かごの2つの取っ手が掬い上げて持ち上げられている場合、前記昇降部の内側に向かって変位したとき、持ち上げられている2つの取っ手のそれぞれの下側を照らす
除菌装置。
【請求項8】
請求項7に記載の除菌装置において、
前記掬い上げ部は、楔形に形成され、
前記掬い上げ部が、前記カゴ部の開口部の枠と取っ手との間に差し入れられることにより、取っ手が掬い上げられる
除菌装置。
【請求項9】
請求項7に記載の除菌装置において、
2つの前記第1の紫外線灯は、リンク機構により機械的に接続され、
1つのアクチュエータにより、2つの前記第1の紫外線灯が、前記昇降部の内側に向かって変位させられる
除菌装置。
【請求項10】
請求項7に記載の除菌装置において、
2つの前記第2の紫外線灯は、リンク機構により機械的に接続され、
1つのアクチュエータにより、2つの前記第2の紫外線灯が、前記昇降部の内側に向かって変位させられる
除菌装置。
【請求項11】
請求項1に記載の除菌装置において、
積み重ねられている前記買い物かごのうちの所定の買い物かごの前記カゴ部の開口部の枠の高さの位置と、所定の買い物かごの1つ上または下の前記買い物かごの前記カゴ部の開口部の枠の高さの位置との距離の分の前記昇降部の上昇または下降を検知するピッチ検知部をさらに含み、
前記昇降部が、前記ピッチ検知部で検知される距離だけ上昇または下降して、
前記支えが、それぞれ、いずれかの前記買い物かごに対して1つ上の買い物かごまたは1つ下の買い物かごの開口部の枠の下側を支える
除菌装置。
【請求項12】
請求項11に記載の除菌装置において、
前記ピッチ検知部は、
遮光された場合および遮光されていない場合にそれぞれ異なる所定の信号を出力する光電センサと、
ストッパおよび前記光電センサに当接していない場合、前記昇降部を駆動する前記駆動部の駆動軸と共に回転し、前記ストッパまたは前記光電センサに当接している場合、前記駆動軸に対して滑り、前記光電センサに当接している場合、前記光電センサを遮光する遮光部と
からなり、
前記遮光部が前記ストッパに当接してから前記光電センサに当接するまでの角度で前記駆動軸が回転すると、積み重ねられている前記買い物かごのうちの所定の買い物かごの前記カゴ部の開口部の枠の高さの位置と、所定の買い物かごの1つ上または下の前記買い物かごの前記カゴ部の開口部の枠の高さの位置との距離の分だけ前記昇降部が上昇するかまたは下降する
除菌装置。
【請求項13】
請求項1に記載の除菌装置において、
重ねられている前記買い物かごのうち、下から2つ目の前記買い物かごの開口部の枠の下側に前記支えが配置される前記昇降部の位置を検知する昇降部下端位置センサをさらに含む
除菌装置。
【請求項14】
請求項1に記載の除菌装置において、
前記支えが1つ以上の前記買い物かごを支えているか否かを検知する荷重センサをさらに含む
除菌装置。
【請求項15】
請求項1に記載の除菌装置において、
前記支えで開口部の枠の下側が支えられている前記買い物かごと、支えられている前記買い物かごの下側の買い物かごとを分離させる分離部をさらに含む
除菌装置。
【請求項16】
請求項1に記載の除菌装置において、
前記買い物かごが重ねて載せられるバスケットカートの位置を案内する案内板をさらに含み、
位置が案内された前記バスケットカートに重ねて載せられている前記買い物かごを除菌する
除菌装置。
【請求項17】
請求項1に記載の除菌装置において、
前記昇降部の枠の部分に設けられている、前記昇降部の内側に向かって紫外線を照射する第3の紫外線灯をさらに含む
除菌装置。
【請求項18】
外形が直方体状に形成され、上面が長方形状に開口しているカゴ部とそれぞれコの字状に形成され、前記カゴ部の開口部の枠に対して回動可能に設けられている2つの取っ手であって、前記取っ手のコの字状の開いている側が対向するように、前記カゴ部の開口部分の枠に沿って配置できる取っ手とからなり、積み重ねることのできる買い物かごを除菌する除菌装置であって、内側が空いている枠状に形成され、駆動部によって、積み重ねられている前記買い物かごを内側に通して上昇または下降させられる昇降部と、前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれの中央部分に前記昇降部の内側または枠側に向かって変位可能に設けられ、前記昇降部の内側に変位した場合、前記昇降部の枠から内側に突出して、重ねられている前記買い物かごのうち、いずれかの前記買い物かごの開口部の枠の下側を支える2つの支えと、前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている紫外線を発光する2つの第1の紫外線灯と、前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている、前記第1の紫外線灯が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を発光する2つの第2の紫外線灯とを含む除菌装置による除菌方法において、
前記支えが、積み重ねられている前記買い物かごのうち、いずれかの前記買い物かごの開口部の枠の下側を支えて、
前記昇降部が、上昇することで、前記支えによって開口部の枠の下側が支えられている前記買い物かごと枠が支えられている前記買い物かごの上側に積み重ねられている前記買い物かごととを持ち上げ、
前記第1の紫外線灯が、前記昇降部が前記買い物かごを持ち上げている場合、前記支えによって開口部の枠の下側が支えられている前記買い物かごの前記カゴ部の底側と、前記昇降部で持ち上げられていない前記買い物かごのうちの最も上側の前記買い物かごの前記カゴ部の内側とに紫外線を照射し、
前記第2の紫外線灯が、前記昇降部が前記買い物かごを持ち上げている場合、前記支えによって開口部の枠の下側が支えられている前記買い物かごの前記カゴ部の底側と、前記昇降部で持ち上げられていない前記買い物かごのうちの最も上側の前記買い物かごの前記カゴ部の内側とに、前記第1の紫外線灯が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を照射する
除菌方法。
【請求項19】
外形が直方体状に形成され、上面が長方形状に開口しているカゴ部とそれぞれコの字状に形成され、前記カゴ部の開口部の枠に対して回動可能に設けられている2つの取っ手であって、前記取っ手のコの字状の開いている側が対向するように、前記カゴ部の開口部分の枠に沿って配置できる取っ手とからなり、積み重ねることのできる買い物かごを除菌する除菌装置であって、内側が空いている枠状に形成され、駆動部によって、積み重ねられている前記買い物かごを内側に通して上昇または下降させられる昇降部と、前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれの中央部分に前記昇降部の内側または枠側に向かって変位可能に設けられ、前記昇降部の内側に変位した場合、前記昇降部の枠から内側に突出して、重ねられている前記買い物かごのうち、いずれかの前記買い物かごの開口部の枠の下側を支える2つの支えと、前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている紫外線を発光する2つの第1の紫外線灯と、前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている、前記第1の紫外線灯が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を発光する2つの第2の紫外線灯とを含む除菌装置を制御するコンピュータに、
前記支えに、積み重ねられている前記買い物かごのうち、いずれかの前記買い物かごの開口部の枠の下側を支えさせるステップと、
前記昇降部に、上昇することで、前記支えによって開口部の枠の下側が支えられている前記買い物かごと枠が支えられている前記買い物かごの上側に積み重ねられている前記買い物かごととを持ち上げさせるステップと、
前記第1の紫外線灯に、前記昇降部が前記買い物かごを持ち上げている場合、前記支えによって開口部の枠の下側が支えられている前記買い物かごの前記カゴ部の底側と、前記昇降部で持ち上げられていない前記買い物かごのうちの最も上側の前記買い物かごの前記カゴ部の内側とに紫外線を照射させるステップと、
前記第2の紫外線灯に、前記昇降部が前記買い物かごを持ち上げている場合、前記支えによって開口部の枠の下側が支えられている前記買い物かごの前記カゴ部の底側と、前記昇降部で持ち上げられていない前記買い物かごのうちの最も上側の前記買い物かごの前記カゴ部の内側とに、前記第1の紫外線灯が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を照射させるステップと
を含む除菌の処理を行わせるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は除菌装置、除菌方法およびプログラムに関し、特に、買い物かごを除菌する除菌装置、除菌方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商店の店舗では、店舗で客に一時的に貸与され、買い回りをする際に、購入する商品を一時的に収納する買い物かごが広く使われている。
【0003】
買い物かごは、不特定の客に使用されて、店舗内で使い回される。病原菌やウィルスを保持している客が買い物かごを使用すると、その買い物かごを介して、他の客に感染を引き起こす懸念がある。
【0004】
従来、買い物かごの自動洗浄を行うため、周回するチエンコンベア-に買い物かごを吊り下げて、超音波洗浄槽、オゾン水殺菌・消毒槽、濯ぎ装置、乾燥装置を周回して、買い物かごの洗浄、殺菌、消毒、乾燥を順次自動的に行う装置を自動車に搭載して、各地の量販店等を巡回し、電気・水道水の供給をうけ買い物かごの自動洗浄を行う移動式かご自動洗浄機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、自動車内に、高周波洗浄機あるいは超音波洗浄機あるいはエア爆気洗浄機と、送風乾燥機と、抗菌コーティング装置とを設けて、スーパーマーケット等で使用される買物カゴやショッピングカートを洗浄・抗菌する買物用具用洗浄車が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
さらに、バスケット類をコンベアで搬送して温水を吹きかけてから、濯ぎ水を散水し、熱風を吹き付けて乾燥させる車載型洗浄、乾燥装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2003-112135号公報
【文献】特開2007-54816号公報
【文献】実公平2-27823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、買い物かごを除菌するには、大掛かりで複雑な装置が必要で広い場所が必要であった。また、人手によって、買い物かごを1つずつ機械にかける必要があった。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、広い場所を占有することなく、積み重ねられている買い物かごを除菌することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、外形が直方体状に形成され、上面が長方形状に開口しているカゴ部とそれぞれコの字状に形成され、前記カゴ部の開口部の枠に対して回動可能に設けられている2つの取っ手であって、前記取っ手のコの字状の開いている側が対向するように、前記カゴ部の開口部分の枠に沿って配置できる取っ手とからなり、積み重ねることのできる買い物かごを除菌する除菌装置において、内側が空いている枠状に形成され、駆動部によって、積み重ねられている前記買い物かごを内側に通して上昇または下降させられる昇降部と、前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれの中央部分に前記昇降部の内側または枠側に向かって変位可能に設けられ、前記昇降部の内側に変位した場合、前記昇降部の枠から内側に突出して、重ねられている前記買い物かごのうち、いずれかの前記買い物かごの開口部の枠の下側を支える2つの支えと、前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている紫外線を発光する2つの第1の紫外線灯と、前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている、前記第1の紫外線灯が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を発光する2つの第2の紫外線灯とを含むことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の除菌装置において、支えは、それぞれ、買い物かごの開口部の枠の下側のうち、2つの取っ手が枠に取り付けられている部分の間の下側を支えることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の除菌装置において、前記第1の紫外線灯および前記第2の紫外線灯は、それぞれ、前記支えにより支えられている前記買い物かごの底面に発光した紫外線が照射される位置に配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の除菌装置において、請求項1に記載の除菌装置において、前記第1の紫外線灯は、それぞれ、200乃至280nmの波長の紫外線を発光し、前記第2の紫外線灯は、それぞれ、200乃至280nmの波長の紫外線を発光することを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の除菌装置において、前記昇降部は、長方形の枠状に形成され、前記支えは、前記昇降部の2組の対向している辺に相当する枠の部分のうちの、一方の対向している辺に相当する枠の部分のそれぞれの中央部分に前記昇降部の内側または枠側に向かって変位可能にそれぞれ設けられ、前記第1の紫外線灯は、それぞれ、前記昇降部の2組の対向している辺に相当する枠の部分のうちの、一方の対向している辺に相当する枠の部分のそれぞれに吊り下げて設けられ、前記第2の紫外線灯は、それぞれ、前記昇降部の2組の対向している辺に相当する枠の部分のうちの、他方の対向している辺に相当する枠の部分のそれぞれに吊り下げて設けられることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の除菌装置において、前記第1の紫外線灯および前記第2の紫外線灯は、それぞれ、直管であり、前記第1の紫外線灯および前記第2の紫外線灯の長手方向は、前記昇降部の枠の長さ方向に沿って配置されていることを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の除菌装置において、前記第1の紫外線灯は、前記昇降部の内側または枠側に向かって変位可能とされ、前記第2の紫外線灯は、前記昇降部の内側または枠側に向かって変位可能とされ、前記昇降部に設けられ、前記昇降部で持ち上げられていない前記買い物かごであって、最も上側の前記買い物かごの上端から前記昇降部までの高さが所定の高さであることを検知する高さ検知部と、前記昇降部の枠の長さ方向に沿って長手方向が配置されている直管である2つの前記第1の紫外線灯のそれぞれの両端に設けられている、前記買い物かごの2つの取っ手を掬い上げる掬い上げ部とをさらに含み、前記掬い上げ部は、前記高さ検知部により前記昇降部で持ち上げられていない前記買い物かごのうちの最も上側の前記買い物かごの上端から前記昇降部までの高さが所定の高さであると検知されている場合、前記第1の紫外線灯が前記昇降部の内側に向かって変位したとき、前記昇降部で持ち上げられていない前記買い物かごであって、最も上側の前記買い物かごの2つの取っ手を掬い上げて持ち上げ、前記第2の紫外線灯は、前記掬い上げ部によって買い物かごの2つの取っ手が掬い上げて持ち上げられている場合、前記昇降部の内側に向かって変位したとき、持ち上げられている2つの取っ手のそれぞれの下側を照らすことを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の除菌装置において、前記掬い上げ部は、楔形に形成され、前記掬い上げ部が、前記カゴ部の開口部の枠と取っ手との間に差し入れられることにより、取っ手が掬い上げられることを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の除菌装置において、2つの前記第1の紫外線灯は、リンク機構により機械的に接続され、1つのアクチュエータにより、2つの前記第1の紫外線灯が、前記昇降部の内側に向かって変位させられることを特徴とする。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項7に記載の除菌装置において、2つの前記第2の紫外線灯は、リンク機構により機械的に接続され、1つのアクチュエータにより、2つの前記第2の紫外線灯が、前記昇降部の内側に向かって変位させられることを特徴とする。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の除菌装置において、積み重ねられている前記買い物かごのうちの所定の買い物かごの前記カゴ部の開口部の枠の高さの位置と、所定の買い物かごの1つ上または下の前記買い物かごの前記カゴ部の開口部の枠の高さの位置との距離の分の前記昇降部の上昇または下降を検知するピッチ検知部をさらに含み、前記昇降部が、前記ピッチ検知部で検知される距離だけ上昇または下降して、前記支えが、それぞれ、いずれかの前記買い物かごに対して1つ上の買い物かごまたは1つ下の買い物かごの開口部の枠の下側を支えることを特徴とする。
【0021】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の除菌装置において、前記ピッチ検知部は、遮光された場合および遮光されていない場合にそれぞれ異なる所定の信号を出力する光電センサと、ストッパおよび前記光電センサに当接していない場合、前記昇降部を駆動する前記駆動部の駆動軸と共に回転し、前記ストッパまたは前記光電センサに当接している場合、前記駆動軸に対して滑り、前記光電センサに当接している場合、前記光電センサを遮光する遮光部とからなり、前記遮光部が前記ストッパに当接してから前記光電センサに当接するまでの角度で前記駆動軸が回転すると、積み重ねられている前記買い物かごのうちの所定の買い物かごの前記カゴ部の開口部の枠の高さの位置と、所定の買い物かごの1つ上または下の前記買い物かごの前記カゴ部の開口部の枠の高さの位置との距離の分だけ前記昇降部が上昇するかまたは下降することを特徴とする。
【0022】
請求項13に記載の発明は、請求項1に記載の除菌装置において、重ねられている前記買い物かごのうち、下から2つ目の前記買い物かごの開口部の枠の下側に前記支えが配置される前記昇降部の位置を検知する昇降部下端位置センサをさらに含むことを特徴とする。
【0023】
請求項14に記載の発明は、請求項1に記載の除菌装置において、前記支えが1つ以上の前記買い物かごを支えているか否かを検知する荷重センサをさらに含むことを特徴とする。
【0024】
請求項15に記載の発明は、請求項1に記載の除菌装置において、前記支えで開口部の枠の下側が支えられている前記買い物かごと、支えられている前記買い物かごの下側の買い物かごとを分離させる分離部をさらに含むことを特徴とする。
【0025】
請求項16に記載の発明は、請求項1に記載の除菌装置において、前記買い物かごが重ねて載せられるバスケットカートの位置を案内する案内板をさらに含み、位置が案内された前記バスケットカートに重ねて載せられている前記買い物かごを除菌することを特徴とする。
【0026】
請求項17に記載の発明は、請求項1に記載の除菌装置において、前記昇降部の枠の部分に設けられている、前記昇降部の内側に向かって紫外線を照射する第3の紫外線灯をさらに含むことを特徴とする。
【0027】
請求項18に記載の発明は、外形が直方体状に形成され、上面が長方形状に開口しているカゴ部とそれぞれコの字状に形成され、前記カゴ部の開口部の枠に対して回動可能に設けられている2つの取っ手であって、前記取っ手のコの字状の開いている側が対向するように、前記カゴ部の開口部分の枠に沿って配置できる取っ手とからなり、積み重ねることのできる買い物かごを除菌する除菌装置であって、内側が空いている枠状に形成され、駆動部によって、積み重ねられている前記買い物かごを内側に通して上昇または下降させられる昇降部と、前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれの中央部分に前記昇降部の内側または枠側に向かって変位可能に設けられ、前記昇降部の内側に変位した場合、前記昇降部の枠から内側に突出して、重ねられている前記買い物かごのうち、いずれかの前記買い物かごの開口部の枠の下側を支える2つの支えと、前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている紫外線を発光する2つの第1の紫外線灯と、前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている、前記第1の紫外線灯が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を発光する2つの第2の紫外線灯とを含む除菌装置による除菌方法において、前記支えが、積み重ねられている前記買い物かごのうち、いずれかの前記買い物かごの開口部の枠の下側を支えて、前記昇降部が、上昇することで、前記支えによって開口部の枠の下側が支えられている前記買い物かごと枠が支えられている前記買い物かごの上側に積み重ねられている前記買い物かごととを持ち上げ、前記第1の紫外線灯が、前記昇降部が前記買い物かごを持ち上げている場合、前記支えによって開口部の枠の下側が支えられている前記買い物かごの前記カゴ部の底側と、前記昇降部で持ち上げられていない前記買い物かごのうちの最も上側の前記買い物かごの前記カゴ部の内側とに紫外線を照射し、前記第2の紫外線灯が、前記昇降部が前記買い物かごを持ち上げている場合、前記支えによって開口部の枠の下側が支えられている前記買い物かごの前記カゴ部の底側と、前記昇降部で持ち上げられていない前記買い物かごのうちの最も上側の前記買い物かごの前記カゴ部の内側とに、前記第1の紫外線灯が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を照射することを特徴とする。
【0028】
請求項19に記載の発明は、外形が直方体状に形成され、上面が長方形状に開口しているカゴ部とそれぞれコの字状に形成され、前記カゴ部の開口部の枠に対して回動可能に設けられている2つの取っ手であって、前記取っ手のコの字状の開いている側が対向するように、前記カゴ部の開口部分の枠に沿って配置できる取っ手とからなり、積み重ねることのできる買い物かごを除菌する除菌装置であって、内側が空いている枠状に形成され、駆動部によって、積み重ねられている前記買い物かごを内側に通して上昇または下降させられる昇降部と、前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれの中央部分に前記昇降部の内側または枠側に向かって変位可能に設けられ、前記昇降部の内側に変位した場合、前記昇降部の枠から内側に突出して、重ねられている前記買い物かごのうち、いずれかの前記買い物かごの開口部の枠の下側を支える2つの支えと、前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている紫外線を発光する2つの第1の紫外線灯と、前記昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている、前記第1の紫外線灯が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を発光する2つの第2の紫外線灯とを含む除菌装置を制御するコンピュータに、前記支えに、積み重ねられている前記買い物かごのうち、いずれかの前記買い物かごの開口部の枠の下側を支えさせるステップと、前記昇降部に、上昇することで、前記支えによって開口部の枠の下側が支えられている前記買い物かごと枠が支えられている前記買い物かごの上側に積み重ねられている前記買い物かごととを持ち上げさせるステップと、前記第1の紫外線灯に、前記昇降部が前記買い物かごを持ち上げている場合、前記支えによって開口部の枠の下側が支えられている前記買い物かごの前記カゴ部の底側と、前記昇降部で持ち上げられていない前記買い物かごのうちの最も上側の前記買い物かごの前記カゴ部の内側とに紫外線を照射させるステップと、前記第2の紫外線灯に、前記昇降部が前記買い物かごを持ち上げている場合、前記支えによって開口部の枠の下側が支えられている前記買い物かごの前記カゴ部の底側と、前記昇降部で持ち上げられていない前記買い物かごのうちの最も上側の前記買い物かごの前記カゴ部の内側とに、前記第1の紫外線灯が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を照射させるステップとを含む除菌の処理を行わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明によれば、広い場所を占有することなく、積み重ねられている買い物かごを除菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施の形態の除菌装置の構成の例を説明する図である。
図2】昇降部22の構成の例を示す斜視図である。
図3】昇降部22の構成の例を示す側面図である。
図4】ラッチ64-1および64-2の構成の例の詳細を示す拡大図である。
図5】制御部24のハードウェアの構成の例を示すブロック図である。
図6】買い物かごをセットする場合の除菌装置11の状態を示す斜視図である。
図7】除菌装置11による除菌の処理を説明するフローチャートである。
図8】除菌装置11による除菌の処理を説明するフローチャートである。
図9】除菌装置11による除菌の処理を説明するフローチャートである。
図10】昇降部22が下端に到達した除菌装置11を示す図である。
図11】買い物かご201-2の開口部の枠の下側に入り込ませられたラッチ64-1および64-2を説明する図である。
図12】ラッチ64-1の断面を拡大して示す拡大断面図である。
図13】ラッチ64-1の断面を拡大して示す拡大断面図である。
図14】紫外線の照射の処理が行われている昇降部22を示す図である。
図15】ラッチ64-1および64-2で支えている買い物かご201-2が、バスケットカート202に積んである買い物かご201-1に重ねられた状態を示す図である。
図16】重ねカゴピッチセンサ45を示す断面図である。
図17】ラッチ64-1の断面を拡大して示す拡大断面図である。
図18】重ねカゴピッチセンサ45を示す断面図である。
図19】ラッチ64-1の断面を拡大して示す拡大断面図である。
図20】ラッチ64-1の断面を拡大して示す拡大断面図である。
図21】買い物かご201-2の上端から所定の高さに達して停止させられた昇降部22を示す断面図である。
図22】買い物かご201-2の取っ手を掬い上げて持ち上げている昇降部22を示す図である。
図23】紫外線ランプ69-1および69-2を取っ手の下側に配置させている昇降部22を示す図である。
図24】ラッチ64-1の断面を拡大して示す拡大断面図である。
図25】ラッチ64-1の断面を拡大して示す拡大断面図である。
図26】ラッチ64-1の断面を拡大して示す拡大断面図である。
図27】買い物かご201-3の取っ手を掬い上げて持ち上げて、紫外線ランプ69-1および69-2を取っ手の下側に配置させている昇降部22を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0032】
本発明の第1の側面の除菌装置は、外形が直方体状に形成され、上面が長方形状に開口しているカゴ部とそれぞれコの字状に形成され、カゴ部の開口部の枠に対して回動可能に設けられている2つの取っ手であって、取っ手のコの字状の開いている側が対向するように、カゴ部の開口部分の枠に沿って配置できる取っ手とからなり、積み重ねることのできる買い物かごを除菌する除菌装置であって、内側が空いている枠状に形成され、駆動部によって、積み重ねられている買い物かごを内側に通して上昇または下降させられる昇降部(例えば、図2の昇降部22)と、昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれの中央部分に昇降部の内側または枠側に向かって変位可能に設けられ、昇降部の内側に変位した場合、昇降部の枠から内側に突出して、重ねられている買い物かごのうち、いずれかの買い物かごの開口部の枠の下側を支える2つの支え(例えば、図2のラッチ64-1および64-2)と、昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている紫外線を発光する2つの第1の紫外線灯(例えば、図2の紫外線ランプ66-1および66-2)と、昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている、第1の紫外線灯が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を発光する2つの第2の紫外線灯(例えば、図2の紫外線ランプ69-1および69-2)とを含む。
【0033】
本発明の第2の側面の除菌方法は、外形が直方体状に形成され、上面が長方形状に開口しているカゴ部とそれぞれコの字状に形成され、カゴ部の開口部の枠に対して回動可能に設けられている2つの取っ手であって、取っ手のコの字状の開いている側が対向するように、カゴ部の開口部分の枠に沿って配置できる取っ手とからなり、積み重ねることのできる買い物かごを除菌する除菌装置であって、内側が空いている枠状に形成され、駆動部によって、積み重ねられている買い物かごを内側に通して上昇または下降させられる昇降部と、昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれの中央部分に昇降部の内側または枠側に向かって変位可能に設けられ、昇降部の内側に変位した場合、昇降部の枠から内側に突出して、重ねられている買い物かごのうち、いずれかの買い物かごの開口部の枠の下側を支える2つの支えと、昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている紫外線を発光する2つの第1の紫外線灯と、昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている、第1の紫外線灯が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を発光する2つの第2の紫外線灯とを含む除菌装置による除菌方法であって、支えが、積み重ねられている買い物かごのうち、いずれかの買い物かごの開口部の枠の下側を支えて(例えば、図8のステップS27の手続き)、昇降部が、上昇することで、支えによって開口部の枠の下側が支えられている買い物かごと枠が支えられている買い物かごの上側に積み重ねられている買い物かごととを持ち上げ(例えば、図8のステップS28の手続き)、第1の紫外線灯が、昇降部が買い物かごを持ち上げている場合、支えによって開口部の枠の下側が支えられている買い物かごのカゴ部の底側と、昇降部で持ち上げられていない買い物かごのうちの最も上側の買い物かごのカゴ部の内側とに紫外線を照射し(例えば、図8のステップS37の手続き)、第2の紫外線灯が、昇降部が買い物かごを持ち上げている場合、支えによって開口部の枠の下側が支えられている買い物かごのカゴ部の底側と、昇降部で持ち上げられていない買い物かごのうちの最も上側の買い物かごのカゴ部の内側とに、第1の紫外線灯が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を照射する(例えば、図8のステップS38の手続き)。
【0034】
本発明の第3の側面のプログラムは、外形が直方体状に形成され、上面が長方形状に開口しているカゴ部とそれぞれコの字状に形成され、カゴ部の開口部の枠に対して回動可能に設けられている2つの取っ手であって、取っ手のコの字状の開いている側が対向するように、カゴ部の開口部分の枠に沿って配置できる取っ手とからなり、積み重ねることのできる買い物かごを除菌する除菌装置であって、内側が空いている枠状に形成され、駆動部によって、積み重ねられている買い物かごを内側に通して上昇または下降させられる昇降部と、昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれの中央部分に昇降部の内側または枠側に向かって変位可能に設けられ、昇降部の内側に変位した場合、昇降部の枠から内側に突出して、重ねられている買い物かごのうち、いずれかの買い物かごの開口部の枠の下側を支える2つの支えと、昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている紫外線を発光する2つの第1の紫外線灯と、昇降部の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている、第1の紫外線灯が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を発光する2つの第2の紫外線灯とを含む除菌装置を制御するコンピュータに、支えに、積み重ねられている買い物かごのうち、いずれかの買い物かごの開口部の枠の下側を支えさせるステップ(例えば、図8のステップS27の手続き)と、昇降部に、上昇することで、支えによって開口部の枠の下側が支えられている買い物かごと枠が支えられている買い物かごの上側に積み重ねられている買い物かごととを持ち上げさせるステップ(例えば、図8のステップS28の手続き)と、第1の紫外線灯に、昇降部が買い物かごを持ち上げている場合、支えによって開口部の枠の下側が支えられている買い物かごのカゴ部の底側と、昇降部で持ち上げられていない買い物かごのうちの最も上側の買い物かごのカゴ部の内側とに紫外線を照射させるステップ(例えば、図8のステップS37の手続き)と、第2の紫外線灯に、昇降部が買い物かごを持ち上げている場合、支えによって開口部の枠の下側が支えられている買い物かごのカゴ部の底側と、昇降部で持ち上げられていない買い物かごのうちの最も上側の買い物かごのカゴ部の内側とに、第1の紫外線灯が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を照射させるステップ(例えば、図8のステップS38の手続き)とを含む除菌の処理を行わせる。
【0035】
以下、図1乃至図27を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0036】
図1は、本発明の一実施の形態の除菌装置の構成の例を説明する図である。除菌装置11は、積み重ねられている買い物かごを除菌する。除菌装置11は、積み重ねられている買い物かごを順に持ち上げて、買い物かごの外側および内側を除菌する。さらに、除菌装置11は、買い物かごの取っ手を持ち上げて、取っ手の全体を除菌する。なお、以下、除菌装置11に対して前後の方向をY軸で図示し、上下の方向をZ軸で図示し、左右の方向をX軸で図示する。また、以下、X軸方向のうち、図1中の左上側を単に左側と称し、X軸方向のうち、図1中の右下側を単に右側と称する。さらに、以下、Y軸方向のうち、図1中の左下側を単に前側と称し、Y軸方向のうち、図1中の右上側を単に後側と称する。さらにまた、以下、Z軸方向のうち、図1中の上側を単に上側と称し、Z軸方向のうち、図1中の下側を単に下側と称する。なお、左上側がX軸の正の方向であり、左下側がY軸の正の方向であり、上側がZ軸の正の方向である。また、Z軸方向を、単に上下方向とも称し、X軸およびY軸に平行な面に沿う方向を単に水平方向または横方向とも称する。なお、下方向は重力が加わる方向である。以下の図においても同様である。
【0037】
除菌装置11は、フレーム部21、昇降部22、駆動部23および制御部24を含み構成される。フレーム部21は、除菌装置11の骨格をなし、昇降部22および駆動部23を支える。フレーム部21は、フレーム31、ガイドフレーム32-1および32-2、駆動チェーン33-1および33-2、昇降部下端位置センサ34、昇降部上端位置センサ35(図10に示す)、扉36、バスケットカートガイド37並びに扉閉検知スイッチ38を含み構成される。フレーム31は、鋼管またはアルミニウム合金のパイプ材(管材)などからなる。フレーム31は、除菌装置11の左前、右前、左後および右後の上側と下側とを結んで上下方向にのびる構造体であるパイプ材、上下方向にのびるパイプ材の上端側を左右および前後に結ぶ構造体であるパイプ材並びに上下方向にのびるパイプ材の下端側を左右および前後に結ぶ構造体であるパイプ材である。なお、フレーム部21の前側、後側、左側および右側は、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル樹脂またはポリカーボネートなどの透明の樹脂板で覆われている。この場合、フレーム部21を覆う樹脂板は、紫外線を吸収または反射するものが好ましい。
【0038】
ガイドフレーム32-1は、昇降部22によって挟まれて、昇降部22の上下方向の変位を案内する。ガイドフレーム32-1は、除菌装置11の左側であって、フレーム31の左前の上下方向に直線状にのびる構造体であるパイプ材とフレーム31の左後の上下方向にのびる構造体であるパイプ材との間に、上下方向にのびる構造体であるパイプ材で構成される。ガイドフレーム32-2は、昇降部22によって挟まれて、昇降部22の上下方向の変位を案内する。ガイドフレーム32-2は、除菌装置11の右側であって、フレーム31の右前の上下方向にのびる構造体であるパイプ材とフレーム31の右後の上下方向にのびる構造体であるパイプ材との間に、上下方向に直線状にのびる構造体であるパイプ材で構成される。昇降部22は、ガイドフレーム32-1および32-2に案内されて、前後方向または左右方向に変位することなく、上昇または下降することができる。
【0039】
駆動チェーン33-1および33-2は、昇降部22を上側または下側に引っ張り、昇降部22を上下に変位させる。駆動チェーン33-1の端部は、昇降部22の左側に接続され、駆動チェーン33-2の端部は、昇降部22の右側に接続される。駆動チェーン33-1および33-2は、それぞれ、除菌装置11の上端側および下端側においてそれぞれスプロケットにより変位可能に保持される。駆動チェーン33-1および33-2は、それぞれ、除菌装置11の上端側の駆動部23のスプロケット(後述する)で回されて駆動される。
【0040】
昇降部下端位置センサ34は、例えば、透過型の光電センサであり、後述する昇降部22の遮蔽板により遮蔽された場合、所定の信号を出力する。昇降部下端位置センサ34が後述する昇降部22の遮蔽板により遮蔽されて、所定の信号を出力する場合、昇降部22は、昇降部22が上昇または下降する範囲のうちの下端に位置する。昇降部22の下端についての詳細は後述する。
【0041】
昇降部上端位置センサ35は、例えば、透過型の光電センサであり、後述する昇降部22の遮蔽板により遮蔽された場合、所定の信号を出力する。昇降部上端位置センサ35が後述する昇降部22の遮蔽板により遮蔽されて、所定の信号を出力する場合、昇降部22は、昇降部22が上昇または下降する範囲のうちの上端に位置する。
【0042】
扉36は、除菌装置11の前側に配置される開き戸である。扉36の右側は、ヒンジによりフレーム部21に留められている。すなわち、扉36は、上側からみて、反時計回りに回動させられて、開かれ、上側からみて、時計回りに回動させられて、閉じられる。扉36が開かれている場合、除菌装置11の中に、バスケットカートに重ねて載せられている買い物かごが出し入れされる。また、扉36が閉じられている場合、除菌装置11の中に、バスケットカートに重ねて載せられている買い物かごが除菌される。
【0043】
バスケットカートガイド37は、除菌装置11の下側に設けられている、例えば、扉36側から除菌装置11の内部に進むに従い除菌装置11の内部に突出する形状の台形状に形成されている板であり、買い物かごが重ねて載せられるバスケットカートの位置を前後または左右方向に案内する。
【0044】
扉閉検知スイッチ38は、例えば、プッシュ式のスイッチなどからなり、扉36が開かれている場合と扉36が閉じられている場合とで、それぞれ、異なる信号を出力する。
【0045】
昇降部22は、積み重ねられている買い物かごを順に持ち上げて、買い物かごの外側および内側を除菌する。また、昇降部22は、買い物かごの取っ手を持ち上げて、取っ手の全体を除菌する。昇降部22の構成の詳細については、図2乃至図4を参照して、後述する。
【0046】
駆動部23は、昇降部22を上昇または下降させるように駆動する。駆動部23は、モータ41、減速機42、駆動軸43、スプロケット44-1および44-2並びに重ねカゴピッチセンサ45を含み構成される。モータ41は、制御部24により制御されて、回転軸を双方向に回転させて、駆動力を供給する。減速機42は、いわゆるウォーム減速機であり、モータ41の回転軸の回転を減速して、回転の軸方向を左右方向に変換し、駆動力を駆動軸43に伝達する。
【0047】
駆動軸43は、除菌装置11の左右方向に長手方向が配置され、減速機42から伝達された回転の駆動力を回転してスプロケット44-1および44-2に伝達する。スプロケット44-1は、除菌装置11の左側に配置されて、駆動軸43からの回転の駆動力を駆動チェーン33-1に伝達する。スプロケット44-2は、除菌装置11の右側に配置されて、駆動軸43からの回転の駆動力を駆動チェーン33-2に伝達する。
【0048】
重ねカゴピッチセンサ45は、例えば、透過型の光電センサであり、駆動軸43の回転により、積み重ねられている買い物かごの高さであって、買い物かごの開口部の周の枠の高さに相当する高さを検知する。重ねカゴピッチセンサ45は、ピッチ検知部301を構成する。重ねカゴピッチセンサ45およびピッチ検知部301の構成の詳細は、図16および図18を参照して後述する。
【0049】
制御部24は、PLC(programmable logic controller)やパーソナルコンピュータなどの汎用の制御装置またはFPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device)などの専用の制御装置などからなり、除菌装置11を制御する。制御部24のハードウェアの詳細については、図5を参照して後述する。
【0050】
次に、昇降部22の構成の詳細について説明する。図2は、昇降部22の構成の例を示す斜視図である。図3は、昇降部22の構成の例を示す側面図である。図3(A)は、昇降部22の構成の例を示す正面図である。図3(B)は、昇降部22の構成の例を示す右側面図である。
【0051】
昇降部22は、枠61、チェーン接続ナット62-1および62-2、ローラ63-1-1、63-2-1、63-3-1および63-4-1並びに63-1-2、63-2-2、63-3-2および63-4-2、ラッチ64-1および64-2、X軸アーム65-1および65-2、紫外線ランプ66-1および66-2、三角プレート67-1-1、67-1-2、67-2-1および67-2-2、Y軸アーム68-1および68-2、紫外線ランプ69-1および69-2、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1および70-2、支持プレート71-1および71-2、遮光板72、紫外線ランプ73-1および73-2並びに紫外線ランプ74-1および74-2を含み構成される。
【0052】
枠61は、鋼材またはエンジニアリングプラスチックなどの樹脂などにより、内側が空いている枠状に形成されている。枠61は、チェーン接続ナット63-1および63-2、ローラ63-1-1、63-2-1、63-3-1および63-4-1並びに63-1-2、63-2-2、63-3-2および63-4-2、ラッチ64-1および64-2、X軸アーム65-1および65-2、紫外線ランプ66-1および66-2、三角プレート67-1-1、67-1-2、67-2-1および67-2-2、Y軸アーム68-1および68-2、紫外線ランプ69-1および69-2、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1および70-2、支持プレート71-1および71-2並びに遮光板72を支える。例えば、枠61は、長方形の枠状に形成されている。すなわち、枠61は、上から見て、外形が長方形状で、内側の孔の形状が長方形状であって、側面から見て、長方形状に形成されている。枠61は、積み重ねられている買い物かごを、空いている内側に上下方向に通すことのできる形状とされている。例えば、枠61は、上面部の平板と外側の側面部との平板とで構成されている。すなわち、例えば、枠61は、いわゆる前後および左右に4つのアングル材を、開いている側が下側および内側に位置するように配置して、左右の前側の端部および左右の後側の端部を接続した構造とされている。
【0053】
チェーン接続ナット62-1の上端側および下端側には、それぞれ、駆動チェーン33-1の2つの端部のそれぞれが接続される。また、チェーン接続ナット62-2の上端側および下端側には、それぞれ、駆動チェーン33-2の2つの端部のそれぞれが接続される。
【0054】
ローラ63-1-1、63-2-1、63-3-1および63-4-1は、ガイドフレーム32-1を挟み込んで、昇降部22をガイドフレーム32-1に沿って、上下方向に案内する。より具体的には、ローラ63-1-1とローラ63-2-1とは、枠61に対してガイドフレーム32-1の上側を前側および後側から挟み込み、ローラ63-3-1とローラ63-4-1とは、枠61に対してガイドフレーム32-1の下側を前側および後側から挟み込んで、昇降部22をガイドフレーム32-1に沿って、上下方向に案内する。
【0055】
ローラ63-1-2、63-2-2、63-3-2および63-4-2は、ガイドフレーム32-2を挟み込んで、昇降部22をガイドフレーム32-2に沿って、上下方向に案内する。より具体的には、ローラ63-1-2とローラ63-2-2とは、枠61に対してガイドフレーム32-2の上側を前側および後側から挟み込み、ローラ63-3-2とローラ63-4-2とは、枠61に対してガイドフレーム32-2の下側を前側および後側から挟み込んで、昇降部22をガイドフレーム32-2に沿って、上下方向に案内する。
【0056】
ラッチ64-1は、支えの一例であり、枠61の前側の中央部分に設けられ、後側または前側に変位可能に設けられている。ラッチ64-1は、後側に変位した場合、枠61の前側の部分から後側に突出する。ラッチ64-1は、前側に変位した場合、枠61の前側の部分の後側の縁と概ね面一となり、枠61の前側の部分から後側に突出しない。ラッチ64-2は、支えの一例であり、枠61の後側の中央部分に設けられ、後側または前側に変位可能に設けられている。ラッチ64-2は、前側に変位した場合、枠61の後側の部分から前側に突出する。ラッチ64-2は、後側に変位した場合、枠61の後側の部分の前側の縁と概ね面一となり、枠61の後側の部分から前側に突出しない。
【0057】
ラッチ64-1が、枠61の前側の部分から後側に突出し、ラッチ64-2が、枠61の後側の部分から前側に突出する場合、ラッチ64-1および64-2は、買い物かごの開口部の枠の下側を前後から挟み込んで支えることができる。ラッチ64-1が、枠61の前側の部分から後側に突出せず、ラッチ64-2が、枠61の後側の部分から前側に突出しない場合、ラッチ64-1および64-2は、枠61に重なるので、買い物かごに接触することなく、枠61に買い物かごを上下方向に通すことができる。
【0058】
ここで、ラッチ64-1および64-2の構成の例の詳細を、図4を参照して説明する。図4は、ラッチ64-1および64-2を拡大して示す斜視図である。ラッチ64-1は、プレート91-1、モータ92-1、梃子93-1、ラッチ荷重センサ94-1、軸支部95-1、分離部96-1およびモータ97-1からなる。ラッチ64-2は、プレート91-2、モータ92-2(図示せず)、梃子93-2、ラッチ荷重センサ94-2、軸支部95-2、分離部96-2およびモータ97-2からなる。
【0059】
プレート91-1は、薄板状に形成されている。例えば、プレート91-1の後側の左右の端部側のそれぞれは、直方形状のへら状に形成され、プレート91-1の後側の中央側は、前側に凹状に形成されている。プレート91-1の後側の左右の端部側のそれぞれは、積み重ねられている買い物かごの枠と枠との間に挿入できる厚さとされている。プレート91-1は、モータ92-1によって前後方向に変位させられる。例えば、プレート91-1に空けられている横長のガイド孔に、モータ92-1の回転軸に取り付けられた偏芯ローラが挿入されて、モータ92-1の回転軸の回転力によって、プレート91-1が前後に変位させられる。
【0060】
プレート91-1は、前側に変位させられている場合、プレート91-1の後側の端部が枠61から突出しないように配置される。プレート91-1は、後側に変位させられている場合、プレート91-1の後側の端部が枠61から枠61の内側に向かって突出するように配置される。
【0061】
梃子93-1は、プレート91-1と共に前後に変位するように、プレート91-1の上に、軸支部95-1によって揺動可能に軸支されている。梃子93-1の後端側は、針状に形成されている。梃子93-1の後端側の上下方向の厚さは、プレート91-1の厚さと概ね同じとされている。梃子93-1は、外部から力が加えられていない場合、梃子93-1の後端側の上側がプレート91-1の上面より若干突出し、梃子93-1の前端側が、光電スイッチであるラッチ荷重センサ94-1を遮光するように配置される。後述するように、ラッチ64-1が買い物かごを支える場合、買い物かごの重さが梃子93-1の後端側に加えられると、梃子93-1は揺動して、右側から見て時計回りに回動し、梃子93-1の前端側が上向きに変位して、ラッチ荷重センサ94-1が遮光されなくなる。ラッチ荷重センサ94-1は、梃子93-1の変位、すなわち、梃子93-1への荷重の有無により、遮光されたり遮光されなくなったりするので、梃子93-1への荷重の有無に応じた信号を出力する。
【0062】
分離部96-1は、薄板状の形成されている部分と、薄板状の部分に対して交差するように接続されている棒状の部分からなる。分離部96-1の薄板状の部分の厚さは、プレート91-1の後側の直方形状のへら状の部分の厚さと概ね同じとされている。分離部96-1の薄板状の部分は、プレート91-1の後側の中央側の凹状の間に、プレート91-1の後側の直方形状のへら状の部分と前後方向に並んで、高さ方向の位置が概ね同じになるように配置される。分離部96-1は、棒状の部分をモータ97-1によって回動されるように軸支されている。分離部96-1の棒状の部分は、モータ97-1の軸に接続されている。モータ97-1は、モータ97-1の軸がY軸方向に沿うように配置されている。すなわち、分離部96-1は、Y軸およびZ軸で規定される平面に平行に回動させられる。正面側から見て反時計回りに分離部96-1がモータ97-1で回動させられると、分離部96-1の薄板状の部分が下向きに変位する。これにより、ラッチ64-1および64-2で支えられて、昇降部22が上昇することで、買い物かごが持ち上げられた場合、ラッチ64-1および64-2で支えられている買い物かごの下側の買い物かごを、ラッチ64-1および64-2で支えられている買い物かごから分離することができる。
【0063】
ラッチ64-1およびラッチ64-2は、駆動部23の水平方向の中央の点に対して、点対称に設けられている。
【0064】
プレート91-2は、薄板状に形成されている。例えば、プレート91-2の前側の左右の端部側のそれぞれは、直方形状のへら状に形成され、プレート91-2の前側の中央側は、後側に凹状に形成されている。プレート91-2の前側の左右の端部側のそれぞれは、積み重ねられている買い物かごの枠と枠との間に挿入できる厚さとされている。プレート91-2は、モータ92-2によって前後方向に変位させられる。例えば、プレート91-2に空けられている横長のガイド孔に、モータ92-2の回転軸に取り付けられた偏芯ローラが挿入されて、モータ92-2の回転軸の回転力によって、プレート91-2が前後に変位させられる。
【0065】
プレート91-2は、後側に変位させられている場合、プレート91-2の前側の端部が枠61から突出しないように配置される。プレート91-2は、前側に変位させられている場合、プレート91-2の前側の端部が枠61から枠61の内側に向かって突出するように配置される。
【0066】
梃子93-2は、プレート91-2と共に前後に変位するように、プレート91-2の上に、軸支部95-2によって揺動可能に軸支されている。梃子93-2の前端側は、針状に形成されている。梃子93-2の前端側の上下方向の厚さは、プレート91-2の厚さと概ね同じとされている。梃子93-2は、外部から力が加えられていない場合、梃子93-2の前端側の上側がプレート91-2の上面より若干突出し、梃子93-2の後端側が、光電スイッチであるラッチ荷重センサ94-2を遮光するように配置される。後述するように、ラッチ64-2が買い物かごを支える場合、買い物かごの重さが梃子93-2の前端側に加えられると、梃子93-2は揺動して、右側から見て反時計回りに回動し、梃子93-2の後端側が上向きに変位して、ラッチ荷重センサ94-2が遮光されなくなる。ラッチ荷重センサ94-2は、梃子93-2の変位、すなわち、梃子93-2への荷重の有無により、遮光されたり遮光されなくなったりするので、梃子93-2への荷重の有無に応じた信号を出力する。
【0067】
分離部96-2は、薄板状の形成されている部分と、薄板状の部分に対して交差するように接続されている棒状の部分からなる。分離部96-2の薄板状の部分の厚さは、プレート91-2の前側の直方形状のへら状の部分の厚さと概ね同じとされている。分離部96-2の薄板状の部分は、プレート91-2の前側の中央側の凹状の間に、プレート91-2の前側の直方形状のへら状の部分と前後方向に並んで、高さ方向の位置が概ね同じになるように配置される。分離部96-2は、棒状の部分をモータ97-2によって回動されるように軸支されている。分離部96-2の棒状の部分は、モータ97-2の軸に接続されている。モータ97-2は、モータ97-2の軸がY軸方向に沿うように配置されている。すなわち、分離部96-2は、Y軸およびZ軸で規定される平面に平行に回動させられる。正面側から見て時計回りに分離部96-2がモータ97-2で回動させられると、分離部96-2の薄板状の部分が下向きに変位する。これにより、ラッチ64-1および64-2で支えられて、昇降部22が上昇することで、買い物かごが持ち上げられた場合、ラッチ64-1および64-2で支えられている買い物かごの下側の買い物かごを、ラッチ64-1および64-2で支えられている買い物かごから分離することができる。
【0068】
このように、ラッチ64-1および64-2は、昇降部22の枠61の部分のうち、対向している部分のそれぞれの中央部分に昇降部22の内側または枠側に向かって変位可能に設けられ、昇降部22の内側に変位した場合、昇降部22の枠から内側に突出して、重ねられている買い物かごのうち、いずれかの買い物かごの開口部の枠の下側を支える。
【0069】
図2および図3に戻り、X軸アーム65-1は、鋼材またはアルミニウム合金材などにより棒状に形成され、紫外線ランプ66-1を枠61の前側から吊り下げて支持する。すなわち、X軸アーム65-1の上端は、枠61の前側の中央部分の近傍で支持されている。X軸アーム65-1の下端は、紫外線ランプ66-1を支持する。X軸アーム65-1は、回動可能とされている。X軸アーム65-1は、枠61側、すなわち上側でX軸に沿った軸方向の軸で軸回りに回動可能に支持され、右側から見て反時計回りに回動させられた場合、下側が、後側に、すなわち枠61の内側に変位する。
【0070】
X軸アーム65-2は、鋼材またはアルミニウム合金材などにより棒状に形成され、紫外線ランプ66-2を枠61の後側から吊り下げて支持する。すなわち、X軸アーム65-2の上端は、枠61の後側の中央部分の近傍で支持されている。X軸アーム65-2の下端は、紫外線ランプ66-2を支持する。X軸アーム65-2は、回動可能とされている。X軸アーム65-2は、枠61側、すなわち上側でX軸に沿った軸方向の軸で軸回りに回動可能に支持され、右側から見て時計回りに回動させられた場合、下側が、後側に、すなわち枠61の内側に変位する。
【0071】
紫外線ランプ66-1は、第1の紫外線灯の一例であり、X軸アーム65-1の下端に保持されている。紫外線ランプ66-1は、紫外線を発光する。紫外線ランプ66-1は、直管である。紫外線ランプ66-1は、長手方向が左右方向となるように配置されている。すなわち、紫外線ランプ66-1の長手方向は、昇降部22の枠61の前側の長さ方向に沿って配置されている。より具体的には、紫外線ランプ66-1は、200乃至280nmの波長の紫外線、すなわち、UV-Cである紫外線を発光する。紫外線ランプ66-1は、長さ方向に所定の間隔で配置されている、紫外線ランプ66-1を囲むリング状のガードで保護されている。
【0072】
紫外線ランプ66-1は、後側に、言い換えれば、枠61の内側向かって変位可能とされている。すなわち、紫外線ランプ66-1は、X軸アーム65-1が右側から見て反時計回りに回動させられた場合、枠61の内側に変位する。紫外線ランプ66-1は、X軸アーム65-1が右側から見て時計回りに回動させられた場合、上から見て枠61の内側に突出しない位置に変位する。
【0073】
紫外線ランプ66-1の左側の端部には、紫外線ランプ66-1より下側の位置に、三角プレート67-1-1が設けられている。三角プレート67-1-1は、先端側が枠61の内側を向いた楔形に形成されている。三角プレート67-1-1は、買い物かごの取っ手を掬い上げて持ち上げる。紫外線ランプ66-1の右側の端部には、紫外線ランプ66-1より下側の位置に、三角プレート67-2-1が設けられている。三角プレート67-2-1は、先端側が枠61の内側を向いた楔形に形成されている。三角プレート67-2-1は、買い物かごの取っ手を掬い上げて持ち上げる。
【0074】
紫外線ランプ66-2は、第1の紫外線灯の一例であり、X軸アーム65-2の下端に保持されている。紫外線ランプ66-2は、紫外線を発光する。紫外線ランプ66-2は、直管である。紫外線ランプ66-2は、長手方向が左右方向となるように配置されている。すなわち、紫外線ランプ66-2の長手方向は、昇降部22の枠61の後側の長さ方向に沿って配置されている。より具体的には、紫外線ランプ66-2は、200乃至280nmの波長の紫外線、すなわち、UV-Cである紫外線を発光する。紫外線ランプ66-2は、長さ方向に所定の間隔で配置されている、紫外線ランプ66-2を囲むリング状のガードで保護されている。
【0075】
紫外線ランプ66-2は、前側に、言い換えれば、枠61の内側向かって変位可能とされている。すなわち、紫外線ランプ66-2は、X軸アーム65-2が右側から見て時計回りに回動させられた場合、枠61の内側に変位する。紫外線ランプ66-1は、X軸アーム65-1が右側から見て反時計回りに回動させられた場合、上から見て枠61の内側に突出しない位置に変位する。
【0076】
紫外線ランプ66-2の左側の端部には、紫外線ランプ66-2より下側の位置に、三角プレート67-1-2が設けられている。三角プレート67-1-2は、先端側が枠61の内側を向いた楔形に形成されている。三角プレート67-1-2は、買い物かごの取っ手を掬い上げて持ち上げる。紫外線ランプ66-2の右側の端部には、紫外線ランプ66-2より下側の位置に、三角プレート67-2-2が設けられている。三角プレート67-2-2は、先端側が枠61の内側を向いた楔形に形成されている。三角プレート67-2-2は、買い物かごの取っ手を掬い上げて持ち上げる。三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2は、それぞれ、鋼、アルミニウム合金または樹脂などにより形成されている。三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2は、掬い上げ部の一例である。
【0077】
このように、紫外線ランプ66-1および66-2は、昇降部22の枠61の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられて、紫外線を発光する。
【0078】
Y軸アーム68-1は、鋼材またはアルミニウム合金材などにより棒状に形成され、紫外線ランプ69-1を枠61の左側から吊り下げて支持する。すなわち、Y軸アーム68-1の上端は、枠61の左側の中央部分の近傍で支持されている。Y軸アーム68-1の下端は、紫外線ランプ69-1を支持する。Y軸アーム68-1は、回動可能とされている。Y軸アーム68-1は、枠61側、すなわち上側でY軸に沿った軸方向の軸で軸回りに回動可能に支持され、前側から見て反時計回りに回動させられた場合、下側が、右側に、すなわち枠61の内側に変位する。
【0079】
Y軸アーム68-2は、鋼材またはアルミニウム合金材などにより棒状に形成され、紫外線ランプ69-2を枠61の右側から吊り下げて支持する。すなわち、Y軸アーム68-2の上端は、枠61の右側の中央部分の近傍で支持されている。Y軸アーム68-2の下端は、紫外線ランプ69-2を支持する。Y軸アーム68-2は、回動可能とされている。Y軸アーム68-2は、枠61側、すなわち上側でY軸に沿った軸方向の軸で軸回りに回動可能に支持され、前側から見て時計回りに回動させられた場合、下側が、左側に、すなわち枠61の内側に変位する。
【0080】
紫外線ランプ69-1は、第2の紫外線灯の一例であり、Y軸アーム68-1の下端に保持されている。紫外線ランプ69-1は、紫外線を発光する。紫外線ランプ69-1は、直管である。紫外線ランプ69-1は、長手方向が前後方向となるように配置されている。すなわち、紫外線ランプ69-1の長手方向は、昇降部22の枠61の左側の長さ方向に沿って配置されている。より具体的には、紫外線ランプ69-1は、200乃至280nmの波長の紫外線、すなわち、UV-Cである紫外線を発光する。紫外線ランプ69-1は、長さ方向に所定の間隔で配置されている、紫外線ランプ69-1を囲むリング状のガードで保護されている。
【0081】
紫外線ランプ69-1は、右側に、言い換えれば、枠61の内側向かって変位可能とされている。すなわち、紫外線ランプ69-1は、Y軸アーム68-1が前側から見て反時計回りに回動させられた場合、枠61の内側に変位する。紫外線ランプ69-1は、Y軸アーム68-1が前側から見て時計回りに回動させられた場合、上から見て枠61の内側に突出しない位置に変位する。
【0082】
紫外線ランプ69-2は、第2の紫外線灯の一例であり、Y軸アーム68-2の下端に保持されている。紫外線ランプ69-2は、紫外線を発光する。紫外線ランプ69-2は、直管である。紫外線ランプ69-2は、長手方向が左右方向となるように配置されている。すなわち、紫外線ランプ69-2の長手方向は、昇降部22の枠61の右側の長さ方向に沿って配置されている。より具体的には、紫外線ランプ69-2は、200乃至280nmの波長の紫外線、すなわち、UV-Cである紫外線を発光する。紫外線ランプ69-2は、長さ方向に所定の間隔で配置されている、紫外線ランプ69-2を囲むリング状のガードで保護されている。
【0083】
紫外線ランプ69-2は、左側に、言い換えれば、枠61の内側向かって変位可能とされている。すなわち、紫外線ランプ69-2は、Y軸アーム68-2が前側から見て時計回りに回動させられた場合、枠61の内側に変位する。紫外線ランプ69-2は、Y軸アーム68-2が前側から見て反時計回りに回動させられた場合、上から見て枠61の内側に突出しない位置に変位する。
【0084】
このように、紫外線ランプ69-1および69-2は、昇降部22の枠61の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている。紫外線ランプ69-1および69-2は、紫外線ランプ66-1および66-2が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を発光する。
【0085】
次に、紫外線ランプ66-1および66-2並びに紫外線ランプ69-1および69-2の駆動機構について説明する。
【0086】
紫外線ランプ66-1および66-2は、モータ121、回動軸122、偏芯プレート123、連結棒124、偏芯プレート125、回動軸126およびX軸アーム角度位置センサ127により、変位させられる。モータ121は、枠61の前側の部分の下側に配置され、回転軸がX軸に沿うように軸支される。回動軸122は、枠61の前側の部分の下側に、長手方向がX軸に沿うように回動自在に配置される。回動軸122の左側の端部は、モータ121の回転軸に接続され、回動軸122の右側の端部は、偏芯プレート123に接続されている。また、回動軸122には、枠61の前側の部分の中央近傍で、X軸アーム65-1の上端が固定されている。回動軸122は、モータ121によって、回動させられる。回動軸122が回動させられると、X軸アーム65-1および偏芯プレート123が回動させられる。偏芯プレート123は、回動の動きを円弧状の動きに変換する。
【0087】
偏芯プレート123の一方の端部側には、回動軸122の右側の端部が接続され、偏芯プレート123の他方の端部側には、連結棒124の一方の端部が接続されている。偏芯プレート123の他方の端部は、偏芯プレート123の一方の端部に対して、下側とされている。連結棒124は、枠61の右側の部分の下側に、長手方向がY軸に沿うように前後に変位自在に配置される。連結棒124の他方の端部は、偏芯プレート125に接続されている。偏芯プレート125は、円弧状の動きを回動の動きに変換する。偏芯プレート125の一方の端部側には、連結棒124の他方の端部が接続され、偏芯プレート125の他方の端部側には、回動軸126が接続されている。偏芯プレート125の他方の端部は、偏芯プレート125の一方の端部に対して、下側とされている。すなわち、回動軸126と回動軸122とは、回動軸126の回動の向きが、回動軸122の回動の向きと逆向きとなるように、偏芯プレート123、連結棒124および偏芯プレート125で接続される。
【0088】
回動軸126は、枠61の後側の部分の下側に、長手方向がX軸に沿うように回動自在に軸支される。回動軸126の右側の端部は、偏芯プレート125に接続され、回動軸126の左側の端部は、回動自在に軸支されている。また、回動軸126には、枠61の後側の部分の中央近傍で、X軸アーム65-2の上端が固定されている。回動軸126は、偏芯プレート125によって、回動させられる。回動軸126が回動させられると、X軸アーム65-2が回動させられる。
【0089】
回動軸122が右側から見て反時計回りに回動されられた場合、回動軸122の回転の駆動力が偏芯プレート123、連結棒124および偏芯プレート125を介して回動軸126に伝達されるので、回動軸126は時計回りに回動させられる。この場合、回動軸122の回動の角度と回動軸126の回動の角度とは、同じとされる。
【0090】
これによって、X軸アーム65-1が右側から見て反時計回りに回動させられて、紫外線ランプ66-1が、枠61の内側に変位すると、X軸アーム65-2が右側から見て時計回りに回動させられて、紫外線ランプ66-2が、枠61の内側に変位する。同様に、X軸アーム65-1が右側から見て時計回りに回動させられて、紫外線ランプ66-1が、枠61の外側に変位すると、X軸アーム65-2が右側から見て反時計回りに回動させられて、紫外線ランプ66-2が、枠61の外側に変位する。紫外線ランプ66-1の変位の距離と紫外線ランプ66-2の変位の距離とは、同じとされている。
【0091】
X軸アーム角度位置センサ127は、回動軸122と共に回転する円盤であって、切り欠きが設けられている円盤と、光電センサとからなる。X軸アーム角度位置センサ127は、X軸アーム65-1および65-2が所定の角度位置になった場合、その角度位置に応じた信号を出力する。すなわち、X軸アーム角度位置センサ127は、枠61の内側に変位した紫外線ランプ66-1および66-2の所定の位置または枠61の外側に変位した紫外線ランプ66-1および66-2の所定の位置のそれぞれに対応したX軸アーム65-1および65-2の角度位置を示す信号を出力する。
【0092】
紫外線ランプ69-1および69-2は、モータ141、回動軸142、偏芯プレート143、連結棒144、偏芯プレート145、回動軸146およびY軸アーム角度位置センサ147により、変位させられる。モータ141は、枠61の右側の部分の下側に配置され、回転軸がY軸に沿うように配置される。回動軸142は、枠61の右側の部分の下側に、長手方向がY軸に沿うように回動自在に軸支される。回動軸142の前側の端部は、モータ141の回転軸に接続され、回動軸142の右側の端部は、偏芯プレート143に接続されている。また、回動軸142には、枠61の右側の部分の中央近傍で、Y軸アーム68-1の上端が固定されている。回動軸142は、モータ141によって、回動させられる。回動軸142が回動させられると、X軸アーム68-1および偏芯プレート143が回動させられる。偏芯プレート143は、回動の動きを円弧状の動きに変換する。
【0093】
偏芯プレート143の一方の端部側には、回動軸142の後側の端部が接続され、偏芯プレート143の他方の端部側には、連結棒144の一方の端部が接続されている。偏芯プレート143の他方の端部は、偏芯プレート143の一方の端部に対して、上側とされている。連結棒144は、枠61の後側の部分の下側に、長手方向がX軸に沿うように左右に変位自在に配置される。連結棒144の他方の端部は、偏芯プレート145に接続されている。偏芯プレート145は、円弧状の動きを回動の動きに変換する。偏芯プレート145の一方の端部側には、連結棒144の他方の端部が接続され、偏芯プレート145の他方の端部側には、回動軸146が接続されている。偏芯プレート145の他方の端部は、偏芯プレート145の一方の端部に対して、上側とされている。すなわち、回動軸146と回動軸142とは、回動軸146の回動の向きが、回動軸142の回動の向きと逆向きとなるように、偏芯プレート143、連結棒144および偏芯プレート145で接続される。
【0094】
回動軸146は、枠61の左側の部分の下側に、長手方向がY軸に沿うように回動自在に配置される。回動軸146の後側の端部は、偏芯プレート145に接続され、回動軸146の前側の端部は、回動自在に軸支されている。また、回動軸146には、枠61の左側の部分の中央近傍で、Y軸アーム68-2の上端が固定されている。回動軸146は、偏芯プレート145によって、回動させられる。回動軸146が回動させられると、Y軸アーム68-2が回動させられる。
【0095】
回動軸142が前側から見て時計回りに回動されられた場合、回動軸142の回転の駆動力が偏芯プレート143、連結棒144および偏芯プレート145を介して回動軸146に伝達されるので、回動軸146は反時計回りに回動させられる。この場合、回動軸142の回動の角度と回動軸146の回動の角度とは、同じとされる。
【0096】
これによって、Y軸アーム68-2が前側から見て時計回りに回動させられて、紫外線ランプ69-2が、枠61の内側に変位すると、Y軸アーム68-1が前側から見て反時計回りに回動させられて、紫外線ランプ69-1が、枠61の内側に変位する。同様に、Y軸アーム68-2が前側から見て反時計回りに回動させられて、紫外線ランプ69-2が、枠61の外側に変位すると、Y軸アーム68-1が前側から見て時計回りに回動させられて、紫外線ランプ69-1が、枠61の外側に変位する。紫外線ランプ69-1の変位の距離と紫外線ランプ69-2の変位の距離とは、同じとされている。
【0097】
Y軸アーム角度位置センサ147は、回動軸142と共に回転する円盤であって、切り欠きが設けられている円盤と、光電センサとからなる。Y軸アーム角度位置センサ147は、Y軸アーム68-1および68-2が所定の角度位置になった場合、その角度位置に応じた信号を出力する。すなわち、Y軸アーム角度位置センサ147は、枠61の内側に変位した紫外線ランプ69-1および69-2の所定の位置または枠61の外側に変位した紫外線ランプ69-1および69-2の所定の位置のそれぞれに対応したY軸アーム68-1および68-2の角度位置を示す信号を出力する。
【0098】
取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1は、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-2と対をなす、光電センサである。取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-2は、発光する投光部であり、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1は、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-2からの光を受ける受光部である。取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1は、支持プレート71-1によって、枠61の前側に取り付けられている。取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-2は、支持プレート71-2によって、枠61の後側に取り付けられている。取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1は、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-2からの光を受光している場合と取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-2からの光を受光していなし場合とで、それぞれ異なる信号を出力する。取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1および70-2は、積み重ねられている買い物かごの上端を検知する。すなわち、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1および70-2は、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-2からの光の遮光の有無により、昇降部22で持ち上げられていない買い物かごであって、最も上側の買い物かごの上端から昇降部22までの高さが所定の高さであることを検知する。
【0099】
遮光板72は、昇降部22が上下動する範囲のうちの、上端において、昇降部上端位置センサ35を遮光し、昇降部22が上下動する範囲のうちの、下端において、昇降部下端位置センサ34を遮光する。
【0100】
このように、昇降部22は、内側が空いている枠状に形成され、駆動部23によって、積み重ねられている買い物かごを内側に通して上昇または下降させられる。
【0101】
また、昇降部22は、長方形の枠状に形成され、ラッチ64-1および64-2は、昇降部22の2組の対向している辺に相当する枠の部分のうちの、一方の対向している辺に相当する枠の部分のそれぞれの中央部分に昇降部22の内側または枠側に向かって変位可能にそれぞれ設けられている。紫外線ランプ66-1および66-2は、それぞれ、昇降部22の2組の対向している辺に相当する枠の部分のうちの、一方の対向している辺に相当する枠の部分のそれぞれに吊り下げて設けられ、紫外線ランプ69-1および69-2は、それぞれ、昇降部22の2組の対向している辺に相当する枠の部分のうちの、他方の対向している辺に相当する枠の部分のそれぞれに吊り下げて設けられている。
【0102】
紫外線ランプ66-1および66-2は、昇降部22の内側または枠側に向かって変位可能とされ、紫外線ランプ69-1および69-2は、昇降部22の内側または枠側に向かって変位可能とされている。
【0103】
取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1は、昇降部22に設けられ、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201であって、最も上側の買い物かご201の上端から昇降部22までの高さが所定の高さであることを検知する。三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2は、昇降部22の枠61の長さ方向に沿って長手方向が配置されている直管である紫外線ランプ66-1および66-2のそれぞれの両端に設けられ、買い物かご201の2つの取っ手を掬い上げる。
【0104】
三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2は、は、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1により昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201のうちの最も上側の買い物かご201の上端から昇降部22までの高さが所定の高さであると検知されている場合、紫外線ランプ66-1および66-2が昇降部22の内側に向かって変位したとき、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201であって、最も上側の買い物かご201の2つの取っ手を掬い上げて持ち上げる。紫外線ランプ69-1および69-2は、三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2によって買い物かご201の2つの取っ手が掬い上げて持ち上げられている場合、昇降部22の内側に向かって変位したとき、持ち上げられている2つの取っ手のそれぞれの下側を照らす。
【0105】
三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2は、楔形に形成され、三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2は、買い物かご201のカゴ部の開口部の枠と取っ手との間に差し入れられることにより、取っ手が掬い上げられる。
【0106】
紫外線ランプ66-1および66-2は、リンク機構により機械的に接続され、1つのアクチュエータであるモータ121により、紫外線ランプ66-1および66-2が、昇降部22の内側に向かって変位させられる。紫外線ランプ69-1および69-2は、リンク機構により機械的に接続され、1つのアクチュエータであるモータ141により、紫外線ランプ69-1および69-2が、昇降部22の内側に向かって変位させられる。
【0107】
ラッチ荷重センサ94-1および94-2は、ラッチ64-1および64-2が1つ以上の買い物かご201を支えているか否かを検知する。
【0108】
分離部96-1および96-2は、ラッチ64-1および64-2で開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201と、支えられている買い物かご201の下側の買い物かご201とを分離させる。
【0109】
紫外線ランプ73-1は、第3の紫外線灯の一例であり、昇降部22の枠61の部分に設けられている。紫外線ランプ73-1は、紫外線を発光する。紫外線ランプ73-1は、枠61の前側の部分に設けられている。紫外線ランプ73-1は、枠61の前側の部分の後側および下側が開いているので、昇降部22の前側から後側に向かって紫外線を照射する。すなわち、紫外線ランプ73-1は、昇降部22の内側に向かって紫外線を照射する。紫外線ランプ73-1は、直管である。紫外線ランプ73-1は、長手方向が左右方向となるように、枠61の前側の部分に収まるように配置されている。すなわち、紫外線ランプ73-1の長手方向は、昇降部22の枠61の前側の長さ方向に沿って配置されている。より具体的には、紫外線ランプ73-1は、200乃至280nmの波長の紫外線、すなわち、UV-Cである紫外線を発光する。
【0110】
紫外線ランプ73-2は、第3の紫外線灯の一例であり、昇降部22の枠61の部分に設けられている。紫外線ランプ73-2は、紫外線を発光する。紫外線ランプ73-2は、枠61の後側の部分に設けられている。紫外線ランプ73-2は、枠61の後側の部分の前側および下側が開いているので、昇降部22の後側から前側に向かって紫外線を照射する。すなわち、紫外線ランプ73-2は、昇降部22の内側に向かって紫外線を照射する。紫外線ランプ73-2は、直管である。紫外線ランプ73-2は、長手方向が左右方向となるように、枠61の後側の部分に収まるように配置されている。すなわち、紫外線ランプ73-2の長手方向は、昇降部22の枠61の後側の長さ方向に沿って配置されている。より具体的には、紫外線ランプ73-2は、200乃至280nmの波長の紫外線、すなわち、UV-Cである紫外線を発光する。
【0111】
紫外線ランプ74-1は、第3の紫外線灯の一例であり、昇降部22の枠61の部分に設けられている。紫外線ランプ74-1は、紫外線を発光する。紫外線ランプ74-1は、枠61の左側の部分に設けられている。紫外線ランプ74-1は、枠61の左側の部分の右側および下側が開いているので、昇降部22の左側から右側に向かって紫外線を照射する。すなわち、紫外線ランプ74-1は、昇降部22の内側に向かって紫外線を照射する。紫外線ランプ74-1は、直管である。紫外線ランプ74-1は、長手方向が前後方向となるように、枠61の左側の部分に収まるように配置されている。すなわち、紫外線ランプ74-1の長手方向は、昇降部22の枠61の左側の長さ方向に沿って配置されている。より具体的には、紫外線ランプ74-1は、200乃至280nmの波長の紫外線、すなわち、UV-Cである紫外線を発光する。
【0112】
紫外線ランプ74-2は、第3の紫外線灯の一例であり、昇降部22の枠61の部分に設けられている。紫外線ランプ74-2は、紫外線を発光する。紫外線ランプ74-2は、枠61の右側の部分に設けられている。紫外線ランプ74-2は、枠61の右側の部分の左側および下側が開いているので、昇降部22の右側から左側に向かって紫外線を照射する。すなわち、紫外線ランプ74-2は、昇降部22の内側に向かって紫外線を照射する。紫外線ランプ74-2は、直管である。紫外線ランプ74-2は、長手方向が前後方向となるように、枠61の右側の部分に収まるように配置されている。すなわち、紫外線ランプ74-2の長手方向は、昇降部22の枠61の右側の長さ方向に沿って配置されている。より具体的には、紫外線ランプ74-2は、200乃至280nmの波長の紫外線、すなわち、UV-Cである紫外線を発光する。
【0113】
次に、制御部24の構成について説明する。図5は、PLCである制御部24のハードウェアの構成の例を示すブロック図である。
【0114】
制御部24において、CPU(Central Processing Unit)161,ROM(Read Only Memory)162,RAM(Random Access Memory)163は、バス164により相互に接続されている。
【0115】
バス164には、さらに、入出力インタフェース165が接続されている。入出力インタフェース165には、昇降部下端位置センサ34、昇降部上端位置センサ35、扉閉検知スイッチ38、重ねカゴピッチセンサ45、ラッチ荷重センサ94-1、ラッチ荷重センサ94-2、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1、X軸アーム角度位置センサ127およびY軸アーム角度位置センサ147が接続されている。また、入出力インタフェース165には、モータ41を電気的に駆動させる昇降モータ駆動部166、モータ92-1、92-2、97-1および97-2のそれぞれを電気的に駆動させるラッチモータ駆動部167、モータ121を電気的に駆動させるX軸アームモータ駆動部168、モータ141を電気的に駆動させるY軸アームモータ駆動部169、紫外線ランプ66-1、66-2、69-1および69-2、紫外線ランプ73-1、73-2、74-1および74-2に発光の電力を供給する紫外線ランプ安定器170が接続されている。さらに、入出力インタフェース165には、除菌装置11を操作するためのプッシュ式のスイッチなどよりなる入力部171、除菌装置11の状態を表示するためのランプなどよりなる出力部172、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部173、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部174、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア176を駆動するドライブ175が接続されている。
【0116】
以上のように構成される制御部24(コンピュータ)では、CPU161が、例えば、記憶部173に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース165及びバス164を介して、RAM163にロードして実行することにより、後述する一連の処理が行われる。
【0117】
制御部24(CPU31)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア176に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
【0118】
そして、プログラムは、リムーバブルメディア176をドライブ175に装着することにより、入出力インタフェース165を介して、記憶部173に記憶することで、コンピュータにインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部174で受信し、記憶部173に記憶することで、コンピュータにインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM162や記憶部173にあらかじめ記憶しておくことで、コンピュータにあらかじめインストールしておくことができる。
【0119】
次に、プログラムを実行する除菌装置11による、買い物かごの除菌の動作を説明する。図6は、買い物かごをセットする場合の除菌装置11の状態を示す斜視図である。図6に示されるように、使用者により、除菌装置11の前側の開き戸である扉36が開かれて、除菌装置11の中に、バスケットカート202に重ねて載せられている買い物かご201-1乃至201-3が入れられる。買い物かご201-1乃至201-3は、それぞれ、下から順に積み重ねられて、バスケットカート202に載せられている。この場合、バスケットカート202の位置を案内するバスケットカートガイド37により、バスケットカート202の位置が規制されて、買い物かご201-1乃至201-3の位置が規制される。すなわち、バスケットカートガイド37は、買い物かご201が重ねて載せられるバスケットカート202の位置を案内し、除菌装置11は、位置が案内されたバスケットカート202に重ねて載せられている買い物かご201を除菌する。
【0120】
ここで、買い物かご201-1乃至201-3は、それぞれ、樹脂で形成されている。買い物かご201-1乃至201-3は、それぞれ、カゴ部と2つの取っ手とからなる。買い物かご201-1乃至201-3のそれぞれのカゴ部は、買い回りをする際に、購入する商品を一時的に収納する部分であり、外形が直方体状に形成され、上面が長方形状に開口している。買い物かご201-1乃至201-3のそれぞれの2つの取っ手は、それぞれコの字状に形成され、カゴ部の開口部の枠に対して回動可能に設けられている。買い物かご201-1乃至201-3のそれぞれの2つの取っ手は、取っ手のコの字状の開いている側が対向するように、カゴ部の開口部分の枠に沿って配置でき、これによりカゴ部の開口の全体が開く。このような状態で、買い物かご201-1乃至201-3は、積み重ねることができる。なお、買い物かご201-1乃至201-3は、レジかごまたはショッピングバスケットなどとも称されている。
【0121】
買い物かご201-1乃至201-3が除菌装置11の中に入れられた後、使用者により、除菌装置11の前側の開き戸である扉36が閉じられる。扉36が閉じられると、制御部24は、扉閉検知スイッチ38からの信号により、扉36が閉じられていることを検知する。この状態で、使用者により、図示せぬ操作パネルなどのスタートボタンが押圧されるなどすると、除菌の動作を開始する。
【0122】
なお、以下、買い物かご201-1乃至201-3を個々に区別する必要がない場合、単に、買い物かご201と称する。
【0123】
また、バスケットカート202に積み重ねられている買い物かご201のうち、最も下に位置する買い物かご201は、店舗を訪れた客に使用されたものではなく、客に買い物かご201のバスケットカート202への返却を誘導するためのものなので、除菌の対象ではない。例えば、バスケットカート202に積み重ねられている買い物かご201-1乃至201-3のうち、最も下に位置する買い物かご201-1は、除菌の対象ではない。買い物かご201-1および201-2が除菌の対象である。
【0124】
図7乃至図9は、除菌装置11による除菌の処理を説明するフローチャートである。以下、バスケットカート202に買い物かご201-1乃至201-3が積み重ねられている場合を例に除菌の処理を説明する。除菌の処理を開始するとき、昇降部22は、上昇または下降する範囲のうちの上端に位置している。
【0125】
ステップS11において、制御部24は、昇降モータ駆動部166に駆動部23のモータ41を駆動させることにより、駆動部23を動作させて、昇降部22を上端から下降させる。なお、この場合、ラッチ64-1および64-2は、それぞれ、昇降部22の枠61側に移動して、枠61の内側に突出せず、紫外線ランプ66-1および66-2並びに紫外線ランプ69-1および69-2が、枠61の内側に突出しない位置に変位させられているので、昇降部22の枠61が、積み重ねられている買い物かご201を、空いている内側に通して、昇降部22は、下降することができる。
【0126】
ステップS12において、制御部24は、昇降部下端位置センサ34からの信号を参照して、昇降部22が下端に到達したか否かを判定する。図10は、昇降部22が下端に到達した除菌装置11を示す図である。図10(A)は、昇降部22が下端に到達した除菌装置11の正面図である。図10(B)は、昇降部下端位置センサ34を拡大した正面拡大図である。
【0127】
昇降部22が下端に到達すると、昇降部22に設けられている遮光板72は、昇降部下端位置センサ34を遮光する。昇降部下端位置センサ34は、遮蔽板72により遮蔽された場合、遮光されていない場合と異なる所定の信号を出力する。
【0128】
ステップS12において、昇降部22が下端に到達していないと判定された場合、手続きはステップS12に戻り、判定の処理が繰り返される。
【0129】
ステップS12において、昇降部下端位置センサ34から所定の信号が出力されて、昇降部22が下端に到達したと判定された場合、手続きはステップS13に進み、制御部24は、昇降モータ駆動部166に駆動部23のモータ41を停止させることにより、昇降部22を下端で停止させる。この場合、ラッチ64-1および64-2は、買い物かご201-2の開口部の枠の下側であって、買い物かご201-1の開口部の枠の上側に配置される。すなわち、昇降部22のラッチ64-1および64-2は、昇降部22が下端に位置している場合、バスケットカート202に積み重ねられている買い物かご201のうち、下から2つ目の買い物かご201の開口部の枠の下側であって、最も下側の買い物かご201の開口部の枠の上側に配置される。
【0130】
このように、昇降部下端位置センサ34は、重ねられている買い物かご201のうち、下から2つ目の買い物かご201の開口部の枠の下側にラッチ64-1および64-2が配置される昇降部22の位置を検知する。
【0131】
ステップS14において、制御部24は、ラッチモータ駆動部167にモータ92-1および92-2を駆動させて、モータ92-1および92-2により、ラッチ64-1のプレート91-1およびラッチ64-2のプレート91-2をそれぞれ昇降部22の枠61の内側に移動させて、ラッチ64-1および64-2を買い物かご201-2の開口部の枠の下側に入り込ませる。言い換えれば、ラッチ64-1および64-2は、買い物かご201-2の開口部の枠を支える。
【0132】
図11は、買い物かご201-2の開口部の枠の下側に入り込ませられたラッチ64-1および64-2を説明する図である。図11(A)は、買い物かご201-2の開口部の枠の下側にラッチ64-1および64-2を入り込ませた昇降部22の斜視図である。図11(B)は、Y軸およびZ軸で規定される平面であって、昇降部22の左右方向の中央部分におけるラッチ64-1の断面を拡大して示す拡大断面図である。
【0133】
図11(A)に示されるように、昇降部22の枠61が、積み重ねられている買い物かご201を、空いている内側に通した状態で、ラッチ64-1および64-2は、枠61の内側に移動する。図11(B)に示されるように、ラッチ64-1のプレート91-1は、買い物かご201-2の開口部の枠の前側の部分の下側に入り込む。同様に、ラッチ64-2のプレート91-2は、買い物かご201-2の開口部の枠の後側の部分の下側に入り込む。すなわち、ラッチ64-1および64-2は買い物かご201-2の開口部の枠を支える。
【0134】
また、図11(A)に示されるように、ラッチ64-1および64-2は、それぞれ、買い物かご201の開口部の枠の下側のうち、2つの取っ手が枠に取り付けられている部分の間の下側を支える。
【0135】
分離部96-1の薄板状の部分は、プレート91-1の後端部と同じ高さに配置され、同様に、分離部96-2の薄板状の部分は、プレート91-2の前端部と同じ高さに配置されているので、この場合、分離部96-1の薄板状の部分および分離部96-2の薄板状の部分は、買い物かご201-2の開口部の枠と買い物かご201-1の開口部の枠との間に入り込む。
【0136】
ステップS15において、制御部24は、昇降モータ駆動部166に駆動部23のモータ41を駆動させることにより、駆動部23を動作させて、昇降部22を上昇させて、ラッチ64-1および64-2で買い物かご201-2の開口部の枠を支えさせて、買い物かご201-2および201-3を持ち上げさせる。
【0137】
図12は、昇降部22が上昇して、ラッチ64-1が買い物かご201-2の開口部の枠を支えているときの、Y軸およびZ軸で規定される平面であって、昇降部22の左右方向の中央部分におけるラッチ64-1の断面を拡大して示す拡大断面図である。買い物かご201-2の開口部の枠の前側の部分の下側に入り込んだラッチ64-1のプレート91-1が、買い物かご201-2の開口部の枠の前側の部分を下側から支える。このとき、梃子93-1の後側には、買い物かご201-2および201-3の重さが加えられるので、梃子93-1が図12中の時計回りに回動し、梃子93-1の前端側が上向きに変位して、ラッチ荷重センサ94-1が遮光されなくなる。ラッチ64-2も同様に、買い物かご201-2の開口部の枠の後側の部分を下側から支える。同様に、梃子93-2が回動させられるので、ラッチ荷重センサ94-2が遮光されなくなる。
【0138】
ステップS16において、制御部24は、ラッチモータ駆動部167にモータ97-1および97-2を駆動させて、モータ97-1および97-2により、分離部96-1および96-2を下向きに変位させて、動作させる。
【0139】
図13は、分離部96-1が動作したときの、Y軸およびZ軸で規定される平面であって、昇降部22の左右方向の中央部分におけるラッチ64-1の断面を拡大して示す拡大断面図である。動作前には、分離部96-1の薄板状の部分は、プレート91-1の後端部と同じ高さに配置されていて、買い物かご201-2の開口部の枠と買い物かご201-1の開口部の枠との間に位置している。分離部96-1が動作させられると、図13に示されるように、分離部96-1の薄板状の部分が下向きに変位する。これにより、買い物かご201-2から、買い物かご201-1が分離される。すなわち、分離部96-1は、ラッチ64-1で開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201と、支えられている買い物かご201の下側の買い物かご201とを分離させる。分離部96-2は、分離部96-1と同様に動作するので、詳細な説明は省略する。
【0140】
ステップS17において、制御部24は、ラッチモータ駆動部167にモータ97-1および97-2を駆動させて、モータ97-1および97-2により、分離部96-1および96-2を上向きに変位させて、戻させる。分離部96-1の薄板状の部分は、プレート91-1の後端部と同じ高さに配置されるように戻され、分離部96-2の薄板状の部分は、プレート91-2の前端部と同じ高さに配置されるように戻される。
【0141】
ステップS18において、制御部24は、ラッチ荷重センサ94-1および94-2から供給される信号を参照して、ラッチ64-1および64-2が買い物かご201を支えているか否かを判定する。ステップS18において、ラッチ64-1および64-2が買い物かご201を支えていると判定された場合、手続きはステップS19に進み、制御部24は、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1からの信号を参照して、昇降部22がバスケットカート202に積み重ねられている買い物かご201の上端から所定の高さに達したか否かを判定する。例えば、制御部24は、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1からの信号を参照して、昇降部22が買い物かご201-1の上端から所定の高さに達したか否かを判定する。
【0142】
ステップS19において、昇降部22がバスケットカート202に積み重ねられている買い物かご201の上端から所定の高さに達していないと判定された場合、手続きはステップS19に戻り、判定が繰り返される。ステップS19において、バスケットカート202に積み重ねられている買い物かご201、例えば買い物かご201-1が取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-2からの光を遮らなくなり、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-2からの光が取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1に到達すると、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1は、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-2からの光が遮られている場合とは異なる所定の信号を出力するので、昇降部22が、買い物かご201-1の上端から所定の高さに達したと判定して、手続きは、ステップS20に進み、制御部24は、昇降モータ駆動部166に駆動部23のモータ41を停止させることにより、昇降部22を停止させる。
【0143】
ステップS21において、制御部24は、紫外線ランプ安定器170に紫外線ランプ66-1および66-2に発光させ、前側と後側の紫外線ランプ66-1および66-2に、昇降部22で持ち上げられている買い物かご201-2のカゴ部の底面に対して紫外線を所定の時間照射させる。すなわち、ステップS21において、紫外線ランプ66-1および66-2は、ラッチ64-1および64-2で支えられている買い物かご201のカゴ部の底面に、紫外線を所定の時間照射させる。また、ステップS21において、制御部24は、紫外線ランプ安定器170に紫外線ランプ73-1および73-2に発光させ、紫外線ランプ73-1および73-2は、ラッチ64-1および64-2で支えられている買い物かご201のカゴ部の開口部の枠の前側および後側の部分の下側に、紫外線を所定の時間照射させる。
【0144】
ステップS22において、制御部24は、紫外線ランプ安定器170に紫外線ランプ69-1および69-2に発光させ、左側と右側の紫外線ランプ69-1および69-2に、昇降部22で持ち上げられている買い物かご201-2のカゴ部の底面に紫外線を所定の時間照射させる。すなわち、ステップS22において、紫外線ランプ69-1および69-2は、ラッチ64-1および64-2で支えられている買い物かご201のカゴ部の底面に、紫外線を所定の時間照射させる。また、ステップS22において、制御部24は、紫外線ランプ安定器170に紫外線ランプ74-1および74-2に発光させ、紫外線ランプ74-1および74-2は、ラッチ64-1および64-2で支えられている買い物かご201のカゴ部の開口部の枠の左側および右側の部分の下側に、紫外線を所定の時間照射させる。なお、ステップS21の紫外線の照射の処理とステップS22の紫外線の照射の処理とは、同時に行うことができる。
【0145】
図14は、ステップS21およびステップS22において、紫外線の照射の処理が行われている昇降部22を示す図である。図14(A)は、ステップS21およびステップS22において、紫外線の照射の処理が行われている昇降部22を示す正面図である。図14(B)は、図14(A)におけるBB‘線で示される断面における、ステップS21およびステップS22において、紫外線の照射の処理が行われている昇降部22を示す断面図である。
【0146】
図14に示されるように、紫外線ランプ66-1および66-2は、枠61の外側の前側および後側から、買い物かご201-2の底面に紫外線を所定の時間照射させる。また、紫外線ランプ69-1および69-2は、枠61の外側の左側および右側から、買い物かご201-2の底面に紫外線を所定の時間照射させる。紫外線ランプ73-1および73-2は、枠61の前側および後側から、買い物かご201-2のカゴ部の開口部の枠の前側および後側の部分の下側に紫外線を所定の時間照射させる。また、紫外線ランプ74-1および74-2は、枠61の左側および右側から、買い物かご201-2のカゴ部の開口部の枠の左側および右側の部分の下側に紫外線を所定の時間照射させる。
【0147】
このようにすることで、買い物かご201のカゴ部の開口部の枠の全体を除菌することができる。特に、買い物かご201のカゴ部の開口部の枠の左右側は、客が枠を掴んで、買い物かご201を持ち上げるための孔が空けられているので、買い物かご201のカゴ部の開口部の枠のうち、客が枠を掴んで握る部分を除菌することができる。
【0148】
このように、紫外線ランプ66-1および66-2並びに紫外線ランプ69-1および69-2は、それぞれ、ラッチ64-1および64-2により支えられている買い物かご201の底面に発光した紫外線が照射される位置に配置されている。
【0149】
ステップS23において、制御部24は、昇降モータ駆動部166に駆動部23のモータ41を駆動させることにより、駆動部23を動作させて、昇降部22を下降させる。ステップS24において、制御部24は、ラッチ荷重センサ94-1および94-2から供給される信号を参照して、ラッチ64-1および64-2で支えている買い物かご201が、バスケットカート202に積んである買い物かご201に重なったか否かを判定する。ステップS24において、ラッチ64-1および64-2で支えている買い物かご201が、バスケットカート202に積んである買い物かご201に重なっていないと判定された場合、手続きは、ステップS24に戻り、判定の処理が繰り返される。
【0150】
ステップS24において、ラッチ荷重センサ94-1および94-2から供給される信号を参照して、ラッチ64-1および64-2に買い物かご201による荷重が加えられなくなった場合、ラッチ64-1および64-2で支えている買い物かご201が、バスケットカート202に積んである買い物かご201に重なったと判定し、手続きはステップS25に進み、制御部24は、駆動部23のモータ41を停止させることにより、昇降部22を停止させる。
【0151】
図15は、ラッチ64-1および64-2で支えている買い物かご201-2が、バスケットカート202に積んである買い物かご201-1に重ねられた状態を示す図である。図15(A)は、ラッチ64-1および64-2で支えている買い物かご201-2を、バスケットカート202に積んである買い物かご201-1に重ねた昇降部22の斜視図である。図15(B)は、Y軸およびZ軸で規定される平面であって、昇降部22の左右方向の中央部分におけるラッチ64-1の断面を拡大して示す図である。
【0152】
図15(A)に示されるように、ラッチ64-1および64-2で支えている買い物かご201-2が、バスケットカート202に積んである買い物かご201-1に重ねられる。図15(B)に示されるように、ラッチ64-1のプレート91-1は、買い物かご201-2の開口部の枠の前側の部分の下側に接し、ラッチ64-2のプレート91-2は、買い物かご201-2の開口部の枠の後側の部分の下側に接している。
【0153】
このとき、ラッチ64-1の梃子93-1の後側には、買い物かご201-2および201-3の重さが加えられなくなるので、梃子93-1が図15(B)中の反時計回りに回動し、梃子93-1の前端側が下向きに変位して、ラッチ荷重センサ94-1が遮光される。同様に、ラッチ64-2の梃子93-2が回動させられるので、ラッチ荷重センサ94-2が遮光される。遮光されたラッチ荷重センサ94-1および64-2からの信号が変化するので、ラッチ64-1および64-2で支えている買い物かご201が、バスケットカート202に積んである買い物かご201に重なったと判定され、駆動部23のモータ41が停止させられる。
【0154】
図16は、ラッチ64-1および64-2で支えている買い物かご201-2が、バスケットカート202に積んである買い物かご201-1に重ねられた場合の、図10のAA‘線における重ねカゴピッチセンサ45を示す断面図である。
【0155】
ピッチ検知部301は、重ねカゴピッチセンサ45、遮光部321およびストッパ322から構成されている。遮光部321は、駆動軸43に同軸に設けられ、駆動軸43によって回転させられる。遮光部321は、軸部と遮光板とからなる。遮光部321の軸部は、駆動軸43に同軸に設けられ、駆動軸43によって回転させられる。遮光部321の遮光板は、遮光部321の軸部に設けられて、軸部と共に回転し、ストッパ322と重ねカゴピッチセンサ45との間で角度位置を変位させられる。遮光部321の遮光板は、重ねカゴピッチセンサ45に当接している場合、重ねカゴピッチセンサ45を遮光する。ストッパ322は、遮光部321に当接して、遮光部321の回転を抑制する。
【0156】
遮光部321は、ストッパ322および重ねカゴピッチセンサ45に当接していない場合、駆動軸43と共に回転する。遮光部321は、ストッパ322または重ねカゴピッチセンサ45に当接している場合、駆動軸43に対して滑る。
【0157】
昇降部22を下降させる場合、駆動軸43は、図16中時計回りに回転させられるので、ラッチ64-1および64-2で支えている買い物かご201-2が、バスケットカート202に積んである買い物かご201-1に重ねられると、図16に示されるように、遮光部321は、ストッパ322に当接している状態になる。この場合、重ねカゴピッチセンサ45は遮光されない。
【0158】
ステップS26において、制御部24は、ラッチモータ駆動部167にモータ92-1および92-2を駆動させて、モータ92-1および92-2により、ラッチ64-1のプレート91-1およびラッチ64-2のプレート91-2をそれぞれ昇降部22の枠61側に移動させて、ラッチ64-1および64-2を枠61側に戻す。
【0159】
図17は、枠61側に戻されたラッチ64-1を示す拡大断面図である。ラッチ64-1は、前側に変位させられて、ラッチ64-1のプレート91-1の後端が、枠61の端部に重なる位置であって、枠61の内側に突出しない位置に戻される。同様に、ラッチ64-2は、後側に変位させられて、ラッチ64-2のプレート91-2の前端が、枠61の端部に重なる位置であって、枠61の内側に突出しない位置に戻される。
【0160】
ステップS27において、制御部24は、バスケットカート202に積み重ねられている買い物かご201の開口部の枠の1つ分の高さだけ昇降部22を上昇させる。制御部24は、昇降モータ駆動部166に駆動部23のモータ41を駆動させることにより、駆動部23を動作させて、重ねカゴピッチセンサ45からの信号を参照して、遮光部321が重ねカゴピッチセンサ45に当接するまで、昇降部22を上端させる。
【0161】
図18は、図16に示されている重ねカゴピッチセンサ45の状態から、バスケットカート202に積み重ねられている買い物かご201の開口部の枠の1つ分の高さだけ昇降部22を上昇させた場合の、図10のAA‘線における重ねカゴピッチセンサ45を示す断面図である。図19は、図17に示されている昇降部22の状態から、バスケットカート202に積み重ねられている買い物かご201の開口部の枠の1つ分の高さだけ昇降部22を上昇させた場合の、ラッチ64-1の断面を拡大して示す拡大断面図である。
【0162】
ストッパ322と重ねカゴピッチセンサ45との角度は、積み重ねられている買い物かご201の開口部の枠の1つ分の高さに相当する角度とされている。図16に示されるように、遮光部321がストッパ322に当接している状態から、駆動軸43が図18中反時計回りに回転されられて遮光部321が重ねカゴピッチセンサ45に当接して、重ねカゴピッチセンサ45が遮光されるまで、昇降部22が上端させられる。図19に示されるように、昇降部22は、買い物かご201-3の開口部の枠の下側であって、前回持ち上げられた買い物かご201-2の開口部の枠の上側にラッチ64-1が配置されるように、上昇させられる。すなわち、昇降部22は、前回持ち上げた買い物かご201に対して1つ上の買い物かご201の開口部の枠の下側であって、前回持ち上げられた買い物かご201の開口部の枠の上側にラッチ64-1および64-2が配置されるように、上昇させられる。
【0163】
なお、ピッチ検知部301は、昇降部22が上昇させられた場合、ストッパ322に遮光部321が当接し、昇降部22が下降させられた場合、重ねカゴピッチセンサ45に遮光部321が当接するように構成されるようにしてもよい。
【0164】
このように、ピッチ検知部301は、積み重ねられている買い物かご201のうちの所定の買い物かご201のカゴ部の開口部の枠の高さの位置と、所定の買い物かご201の1つ上または下の買い物かご201のカゴ部の開口部の枠の高さの位置との距離の分の昇降部22の上昇または下降を検知する。昇降部22は、ピッチ検知部301で検知される距離だけ上昇または下降して、ラッチ64-1および64-2が、それぞれ、いずれかの買い物かご201に対して1つ上の買い物かご201または1つ下の買い物かご201の開口部の枠の下側を支える。
【0165】
ピッチ検知部301は、遮光された場合および遮光されていない場合にそれぞれ異なる所定の信号を出力する重ねカゴピッチセンサ45と、ストッパ322および重ねカゴピッチセンサ45に当接していない場合、昇降部22を駆動する駆動部23の駆動軸43と共に回転し、ストッパ322または重ねカゴピッチセンサ45に当接している場合、駆動軸43に対して滑り、重ねカゴピッチセンサ45に当接している場合、重ねカゴピッチセンサ45を遮光する遮光部321とから構成される。遮光部321がストッパ322に当接してから重ねカゴピッチセンサ45に当接するまでの角度で駆動軸43が回転すると、積み重ねられている買い物かご201のうちの所定の買い物かご201のカゴ部の開口部の枠の高さの位置と、所定の買い物かご201の1つ上または下の買い物かご201のカゴ部の開口部の枠の高さの位置との距離の分だけ昇降部22が上昇するかまたは下降する。
【0166】
ステップS28において、制御部24は、ラッチモータ駆動部167にモータ92-1および92-2を駆動させて、モータ92-1および92-2により、ラッチ64-1のプレート91-1およびラッチ64-2のプレート91-2をそれぞれ昇降部22の枠61の内側に移動させて、ラッチ64-1および64-2を買い物かご201-3の開口部の枠の下側に入り込ませる。言い換えれば、ラッチ64-1および64-2は買い物かご201-3の開口部の枠を支える。
【0167】
図20は、買い物かご201-3の開口部の枠の下側に入り込ませられたラッチ64-1の断面を拡大して示す拡大断面図である。図20は、Y軸およびZ軸で規定される平面であって、昇降部22の左右方向の中央部分におけるラッチ64-1の断面を拡大して示す図である。図20に示されるように、ラッチ64-1のプレート91-1は、買い物かご201-3の開口部の枠の前側の部分の下側に入り込む。同様に、ラッチ64-2のプレート91-2は、買い物かご201-3の開口部の枠の後側の部分の下側に入り込む。すなわち、ラッチ64-1および64-2は買い物かご201-3の開口部の枠を支える。
【0168】
ステップS29において、制御部24は、昇降モータ駆動部166に駆動部23のモータ41を駆動させることにより、駆動部23を動作させて、昇降部22を上昇させて、ラッチ64-1および64-2で買い物かご201-3の開口部の枠を支えさせて、買い物かご201-3を持ち上げさせる。
【0169】
ステップS30において、制御部24は、ステップS16と同様に、ラッチモータ駆動部167にモータ97-1および97-2を駆動させて、モータ97-1および97-2により、分離部96-1および96-2を下向きに変位させて、動作させる。
【0170】
ステップS31において、制御部24は、ステップS17と同様に、ラッチモータ駆動部167にモータ97-1および97-2を駆動させて、モータ97-1および97-2により、分離部96-1および96-2を上向きに変位させて、戻させる。
【0171】
ステップS32において、制御部24は、ステップS18と同様に、ラッチ荷重センサ94-1および94-2から供給される信号を参照して、ラッチ64-1および64-2が買い物かご201を支えているか否かを判定する。ステップS32において、ラッチ64-1および64-2が買い物かご201を支えていると判定された場合、手続きはステップS33に進み、制御部24は、ステップS19と同様に、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1からの信号を参照して、昇降部22が積んである買い物かご201の上端から所定の高さに達したか否かを判定する。例えば、制御部24は、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1からの信号を参照して、昇降部22が買い物かご201-2の上端から所定の高さに達したか否かを判定する。
【0172】
ステップS33において、昇降部22が積んである買い物かご201の上端から所定の高さに達していないと判定された場合、手続きはステップS33に戻り、判定が繰り返される。ステップS33において、バスケットカート202に積み重ねられている買い物かご201の最も上の買い物かご201、例えば買い物かご201-2が取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-2からの光を遮らなくなり、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-2からの光が取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1に到達すると、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1は、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-2からの光が遮られている場合とは異なる所定の信号を出力するので、昇降部22が、買い物かご201-2の上端から所定の高さに達したと判定して、手続きは、ステップS34に進み、制御部24は、昇降モータ駆動部166に駆動部23のモータ41を停止させることにより、昇降部22を停止させる。
【0173】
図21は、Y軸およびZ軸で規定される平面であって、昇降部22の左右方向の中央部分における、買い物かご201-2の上端から所定の高さに達して停止させられた昇降部22を示す断面図である。
【0174】
図21に示されるように、買い物かご201-2が取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-2からの光を遮らなくなり、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-2からの光が取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1に到達して、昇降部22が停止すると、三角プレート67-1-1および67-2-1の後端は、買い物かご201-2の取っ手の前下側に配置され、同様に、三角プレート67-1-2および67-2-2の先端は、買い物かご201-2の取っ手の後下側に配置される。
【0175】
ステップS35において、制御部24は、X軸アームモータ駆動部168にモータ121を駆動させて、モータ121により、X軸アーム65-1および65-2を枠61の内側に移動させて、三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2に積み重ねられている買い物かご201の取っ手を掬い上げて持ち上げさせる。この場合、三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2は、買い物かご201-2の取っ手を掬い上げて持ち上げる。制御部24は、X軸アーム角度位置センサ127からの信号を参照して、所定の角度位置までX軸アーム65-1および65-2を枠61の内側に移動させる。
【0176】
図22は、X軸アーム65-1および65-2が枠61の内側に移動して、三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2で買い物かご201-2の取っ手を掬い上げて持ち上げている昇降部22を示す図である。図22(A)は、Y軸およびZ軸で規定される平面であって、昇降部22の左右方向の中央部分における、三角プレート67-1-1および67-1-2で買い物かご201-2の取っ手を掬い上げて持ち上げている昇降部22を示す断面図である。図22(B)は、三角プレート67-1-1および67-2-1で買い物かご201の取っ手を掬い上げて持ち上げている昇降部22を示す正面図である。
【0177】
図22に示されるように、X軸アーム65-1および65-2が枠61の内側に移動すると、三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2が、買い物かご201の開口部の枠と取っ手との間に差し込まれて、取っ手を掬い上げて持ち上げる。より具体的には、例えば、三角プレート67-1-1および67-1-2は、それぞれ、買い物かご201-2の左側の取っ手211-2-1の左右方向の中央部分を買い物かご201-2の開口部の枠から掬い上げて持ち上げる。また、三角プレート67-1-1および67-1-2は、それぞれ、買い物かご201-2の左側の取っ手211-2-1の左右方向の中央部分を挟み込んで持ち上げると言うこともできる。また、三角プレート67-2-1および67-2-2は、それぞれ、買い物かご201-2の右側の取っ手211-2-2の左右方向の中央部分を買い物かご201-2の開口部の枠から掬い上げて持ち上げる。三角プレート67-2-1および67-2-2は、それぞれ、買い物かご201-2の右側の取っ手211-2-2の左右方向の中央部分を挟み込んで持ち上げると言うこともできる。
【0178】
先端側が枠61の内側を向いた楔形に形成されている三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2は、買い物かご201-2の左側の取っ手211-2-1と買い物かご201-2の右側の取っ手211-2-2とをX軸アーム65-1および65-2の下端まで挟み込んで持ち上げる。
【0179】
このとき、買い物かご201-2の左側の取っ手211-2-1は、買い物かご201-2のカゴ部の開口部の枠に対して、正面から見て時計回りに回動させられて、取っ手211-2-1の握りの部分が買い物かご201-2のカゴ部の開口部の枠から所定の高さとなるように持ち上げられる。買い物かご201-2の右側の取っ手211-2-2は、買い物かご201-2のカゴ部の開口部の枠に対して、正面から見て反時計回りに回動させられて、取っ手211-2-2の握りの部分が買い物かご201-2のカゴ部の開口部の枠から所定の高さとなるように持ち上げられる。
【0180】
なお、三角プレート67-1-1および67-2-1は、紫外線ランプ66-1より下側の位置に設けられ、三角プレート67-2-1および67-2-1は、紫外線ランプ66-2より下側の位置に設けられているので、このとき、紫外線ランプ66-1および66-2は、取っ手211-2-1および211-2-2の上側に配置される。
【0181】
ステップS36において、制御部24は、Y軸アームモータ駆動部169にモータ141を駆動させて、モータ141により、Y軸アーム68-1および68-2を枠61の内側に移動させて、紫外線ランプ69-1および69-2を持ち上げられている取っ手の下側に配置させる。制御部24は、Y軸アーム角度位置センサ147からの信号を参照して、所定の角度位置までY軸アーム68-1および68-2を枠61の内側に移動させる。
【0182】
図23は、三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2で買い物かご201の取っ手を掬い上げて持ち上げて、紫外線ランプ69-1および69-2を取っ手の下側に配置させている昇降部22を示す図である。図23(A)は、Y軸およびZ軸で規定される平面であって、昇降部22の左右方向の中央部分における、三角プレート67-1-1および67-1-2で買い物かご201の取っ手を掬い上げて持ち上げて、紫外線ランプ69-1を取っ手の下側に配置させている昇降部22を示す断面図である。図22(B)は、三角プレート67-1-1および67-2-1で買い物かご201の取っ手を掬い上げて持ち上げて、紫外線ランプ69-1および69-2を取っ手の下側に配置させている昇降部22を示す正面図である。
【0183】
図23に示されるように、Y軸アーム68-1および68-2が枠61の内側に移動すると、X軸アーム65-1および65-2のそれぞれの下端に設けられている三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2で掬われて持ち上げられている取っ手の下側に紫外線ランプ69-1および69-2が配置されられる。例えば、紫外線ランプ69-1は、買い物かご201-2の左側の取っ手211-2-1の下側に当接する位置に配置される。すなわち、紫外線ランプ69-1は、買い物かご201-2の左側の取っ手211-2-1の握りの部分の下側に当接する位置に配置される。例えば、紫外線ランプ69-2は、買い物かご201-2の右側の取っ手211-2-2の下側に当接する位置に配置される。すなわち、紫外線ランプ69-2は、買い物かご201-2の右側の取っ手211-2-2の握りの部分の下側に当接する位置に配置される。
【0184】
取っ手211-2-1の握りの部分および取っ手211-2-2の握りの部分が買い物かご201-2のカゴ部の開口部の枠から所定の高さとなるように持ち上げられているので、正面から見て、枠61側に上端側が軸支されているY軸アーム68-1が反時計回りに枠61の内側に移動し、枠61側に上端側が軸支されているY軸アーム68-2が時計回りに枠61の内側に移動すると、Y軸アーム68-1の下端側に設けられている紫外線ランプ69-1とY軸アーム68-2の下端側に設けられている紫外線ランプ69-2とが、それぞれ、買い物かご201-2のカゴ部の開口部の枠を避けて、取っ手211-2-1の握りの部分の下側と取っ手211-2-2の握りの部分の下側に近接することができる。
【0185】
取っ手211-2-1および取っ手211-2-2は、買い回りをする際に、不特定の客に握られる部分である。特に、図23において、紫外線ランプ69-1および69-2が配置される側、すなわち、下側は、手に握られたときに、客の手のひらと指に接触する部分であり、病原菌やウィルスなどが付着する可能性の高い部分である。この部分に紫外線ランプ69-1および69-2を配置させることで、より効果的に除菌することができる。
【0186】
ステップS37において、制御部24は、紫外線ランプ安定器170に紫外線ランプ66-1および66-2に発光させ、前側と後側の紫外線ランプ66-1および66-2に、買い物かご201対して紫外線を所定の時間照射させる。例えば、紫外線ランプ66-1および66-2は、買い物かご201-3のカゴ部の底面と、買い物かご201-2の取っ手211-2-1および取っ手211-2-2の上側と、買い物かご201-2のカゴ部の内側とに、紫外線を所定の時間照射させる。すなわち、紫外線ランプ66-1および66-2は、ラッチ64-1および64-2で支えられている買い物かご201のカゴ部の底面と、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201のうち、最も上の買い物かご201のカゴ部の内側に、紫外線を所定の時間照射させる。また、紫外線ランプ66-1および66-2は、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201のうち、最も上の買い物かご201のカゴ部の取っ手の上側に、紫外線を所定の時間照射させる。さらに、ステップS37において、制御部24は、紫外線ランプ安定器170に紫外線ランプ73-1および73-2に発光させ、紫外線ランプ73-1および73-2は、ラッチ64-1および64-2で支えられている買い物かご201のカゴ部の開口部の枠の前側および後側の部分の下側に、紫外線を所定の時間照射させる。
【0187】
ステップS38において、制御部24は、紫外線ランプ安定器170に紫外線ランプ69-1および69-2に発光させ、左側と右側の紫外線ランプ69-1および69-2に、買い物かご201に紫外線を所定の時間照射させる。例えば、紫外線ランプ69-1および69-2は、買い物かご201-3のカゴ部の底面と、買い物かご201-2の取っ手211-2-1および取っ手211-2-2の下側と、買い物かご201-2のカゴ部の内側とに、紫外線を所定の時間照射させる。すなわち、紫外線ランプ69-1および69-2は、ラッチ64-1および64-2で支えられている買い物かご201のカゴ部の底面と、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201のうち、最も上の買い物かご201のカゴ部の内側に、紫外線を所定の時間照射させる。また、紫外線ランプ69-1および69-2は、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201のうち、最も上の買い物かご201のカゴ部の取っ手の下側に、紫外線を所定の時間照射させる。さらに、ステップS38において、制御部24は、紫外線ランプ安定器170に紫外線ランプ74-1および74-2に発光させ、紫外線ランプ74-1および74-2は、ラッチ64-1および64-2で支えられている買い物かご201のカゴ部の開口部の枠の左側および右側の部分の下側に、紫外線を所定の時間照射させる。
【0188】
なお、ステップS37の紫外線の照射の処理とステップS38の紫外線の照射の処理とは、同時に行うことができる。
【0189】
ステップS39において、制御部24は、Y軸アームモータ駆動部169にモータ141を駆動させて、モータ141により、Y軸アーム68-1および68-2を枠61の外側に移動させて、戻す。制御部24は、Y軸アーム角度位置センサ147からの信号を参照して、所定の角度位置までY軸アーム68-1および68-2を枠61の外側に移動させて、戻す。ステップS40において、制御部24は、X軸アームモータ駆動部168にモータ121を駆動させて、モータ121により、X軸アーム65-1および65-2を枠61の外側に移動させて、戻す。制御部24は、X軸アーム角度位置センサ127からの信号を参照して、所定の角度位置までX軸アーム65-1および65-2を枠61の外側に移動させて、戻す。Y軸アーム68-1および68-2およびX軸アーム65-1および65-2が外側に移動するので、紫外線ランプ66-1および66-2および紫外線ランプ69-1および69-2が、枠61の内側に突出しない位置に変位させられるので、昇降部22の枠61が、積み重ねられている買い物かご201を、空いている内側に通して、昇降部22は、下降することができるようになる。
【0190】
ステップS41乃至ステップS43の手続きは、ステップS23乃至ステップS25と同様なので、その説明は省略する。
【0191】
図24は、ステップS42において、ラッチ64-1および64-2で支えている買い物かご201が、バスケットカート202に積んである買い物かご201に重なったと判定され、ステップS43において、昇降部22を停止させた場合の、Y軸およびZ軸で規定される平面であって、昇降部22の左右方向の中央部分におけるラッチ64-1の断面を拡大して示す図である。この場合、図24に示されるように、ラッチ64-1および64-2で支えている買い物かご201-3が、バスケットカート202に積んである買い物かご201-2に重ねられる。
【0192】
ステップS44において、制御部24は、ラッチモータ駆動部167にモータ92-1および92-2を駆動させて、モータ92-1および92-2により、ラッチ64-1のプレート91-1およびラッチ64-2のプレート91-2をそれぞれ昇降部22の枠61側に移動させて、ラッチ64-1および64-2を枠61側に戻す。
【0193】
図25は、図24に示される状態から、枠61側に戻されたラッチ64-1を示す断面図である。図25は、Y軸およびZ軸で規定される平面であって、昇降部22の左右方向の中央部分における断面図である。ラッチ64-1は、前側に変位させられて、ラッチ64-1のプレート91-1の後端が、枠61の端部に重なる位置であって、枠61の内側に突出しない位置に戻される。同様に、ラッチ64-2は、後側に変位させられて、ラッチ64-2のプレート91-2の前端が、枠61の端部に重なる位置であって、枠61の内側に突出しない位置に戻される。
【0194】
ステップS44の手続きの後、手続きはステップS27に戻り、上述した処理が繰り返される。ステップS27乃至ステップS44の手続きは、除菌の対象となる買い物かご201の数から1を差し引いた回数繰り返される。
【0195】
最初のステップS44から戻った2回目のステップS27について説明すると、2回目のステップS27において、制御部24は、昇降部22を積み重ねられている買い物かご201の開口部の枠の1つ分の高さだけ上昇させる。
【0196】
図26は、図25に示される状態から、昇降部22を積み重ねられている買い物かご201の開口部の枠の1つ分の高さだけ上昇させた場合の昇降部22を示す断面図である。図26は、Y軸およびZ軸で規定される平面であって、昇降部22の左右方向の中央部分における断面図である。図26に示されるように、昇降部22は、前回持ち上げられた買い物かご201-3の開口部の枠の上側にラッチ64-1が配置されるように、上昇させられる。
【0197】
ステップS32において、ラッチ64-1および64-2が買い物かご201を支えていないと判定された場合、除菌の対象となる全ての買い物かご201の底面の除菌が終了して、バスケットカート202に重ねて載せられている買い物かご201のうち、最も上の買い物かご201のカゴ部の内側と取っ手とを除菌するので、手続きはステップS45に進む。
【0198】
ステップS45乃至ステップS48の手続きは、ステップS33乃至ステップS36と同様なので、その説明は省略する。
【0199】
図27は、ステップS47およびステップS48において、三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2で買い物かご201の取っ手を掬い上げて持ち上げて、紫外線ランプ69-1および69-2を取っ手の下側に配置させている昇降部22を示す図である。図27(A)は、Y軸およびZ軸で規定される平面であって、昇降部22の左右方向の中央部分における、三角プレート67-1-1および67-1-2で買い物かご201の取っ手を掬い上げて持ち上げて、紫外線ランプ69-1を取っ手の下側に配置させている昇降部22を示す断面図である。図27(B)は、三角プレート67-1-1および67-2-1で買い物かご201の取っ手を掬い上げて持ち上げて、紫外線ランプ69-1および69-2を取っ手の下側に配置させている昇降部22を示す正面図である。
【0200】
この場合、ラッチ64-1および64-2は、買い物かご201を持ち上げていない。
【0201】
図27に示されるように、三角プレート67-1-1および67-1-2は、それぞれ、買い物かご201-3の左側の取っ手211-3-1の左右方向の中央部分を買い物かご201-3の開口部の枠から掬い上げて持ち上げる。また、三角プレート67-2-1および67-2-2は、それぞれ、買い物かご201-3の右側の取っ手211-3-2の左右方向の中央部分を買い物かご201-3の開口部の枠から掬い上げて持ち上げる。紫外線ランプ66-1および66-2は、取っ手211-3-1および211-3-2の上側に配置される。
【0202】
また、図27に示されるように、紫外線ランプ69-1は、買い物かご201-3の左側の取っ手211-3-1の下側に当接する位置に配置される。すなわち、紫外線ランプ69-1は、買い物かご201-3の左側の取っ手211-3-1の握りの部分の下側に当接する位置に配置される。例えば、紫外線ランプ69-2は、買い物かご201-3の右側の取っ手211-3-2の下側に当接する位置に配置される。すなわち、紫外線ランプ69-2は、買い物かご201-3の右側の取っ手211-3-2の握りの部分の下側に当接する位置に配置される。
【0203】
ステップS49において、制御部24は、紫外線ランプ安定器170に紫外線ランプ66-1および66-2に発光させ、前側と後側の紫外線ランプ66-1および66-2に、買い物かご201対して紫外線を所定の時間照射させる。例えば、紫外線ランプ66-1および66-2は、買い物かご201-3の取っ手211-3-1および取っ手211-3-2の上側と、買い物かご201-3のカゴ部の内側とに、紫外線を所定の時間照射させる。すなわち、紫外線ランプ66-1および66-2は、バスケットカート202に積み重ねられている買い物かご201のうち、最も上の買い物かご201のカゴ部の内側に、紫外線を所定の時間照射させる。また、紫外線ランプ66-1および66-2は、バスケットカート202に積み重ねられている買い物かご201のうち、最も上の買い物かご201のカゴ部の取っ手の上側に、紫外線を所定の時間照射させる。
【0204】
ステップS50において、制御部24は、紫外線ランプ安定器170に紫外線ランプ69-1および69-2に発光させ、左側と右側の紫外線ランプ69-1および69-2に、買い物かご201に紫外線を所定の時間照射させる。例えば、紫外線ランプ69-1および69-2は、買い物かご201-3の取っ手211-3-1および取っ手211-3-2の下側と、買い物かご201-3のカゴ部の内側とに、紫外線を所定の時間照射させる。すなわち、紫外線ランプ69-1および69-2は、バスケットカート202に積み重ねられている買い物かご201のうち、最も上の買い物かご201のカゴ部の内側に、紫外線を所定の時間照射させる。また、紫外線ランプ69-1および69-2は、バスケットカート202に積み重ねられている買い物かご201のうち、最も上の買い物かご201のカゴ部の取っ手の下側に、紫外線を所定の時間照射させる。
【0205】
ステップS51およびステップS52の手続きは、ステップS39およびステップS40の手続きと同様なので、その説明は省略する。
【0206】
ステップS53の手続きは、ステップS26またはステップS44と同様なので、その説明は省略する。
【0207】
ステップS54において、制御部24は、昇降モータ駆動部166に駆動部23のモータ41を駆動させることにより、駆動部23を動作させて、昇降部22を上昇させる。ステップS55において、制御部24は、昇降部上端位置センサ35からの信号を参照して、昇降部22が上端に到達したか否かを判定する。昇降部22が上端に到達すると、昇降部22に設けられている遮光板72は、昇降部上端位置センサ35を遮光する。昇降部上端位置センサ35は、遮蔽板72により遮蔽された場合、遮光されていない場合と異なる所定の信号を出力する。ステップS55において、昇降部22が上端に到達していないと判定された場合、手続きはステップS55に戻り、判定の処理が繰り返される。
【0208】
ステップS55において、昇降部上端位置センサ35から所定の信号が出力されて、昇降部22が上端に到達したと判定された場合、手続きはステップS56に進み、制御部24は、駆動部23のモータ41を停止させることにより、昇降部22を上端で停止させ、除菌の処理は終了する。
【0209】
ステップS18において、ラッチ64-1および64-2が買い物かご201を支えていないと判定された場合、除菌の対象の買い物かご201はないので、手続きはステップS53に進み、上述の手続きが行われて、除菌の処理は終了する。
【0210】
除菌の処理が終了すると、図6に示されるように、扉36が開かれて、除菌装置11の中から、バスケットカート202に重ねて載せられている買い物かご201-1乃至201-3が取り出される。このように、積み重ねられている買い物かご201のそれぞれが除菌される。また、積み重ねられている買い物かご201の取っ手のそれぞれの全体が除菌される。特に、積み重ねられている買い物かご201の取っ手の下側が除菌される。
【0211】
なお、除菌装置11の除菌の対象となる買い物かご201の数は、2つに限定されることなく、除菌装置11は、1つ乃至100のうちの所望の数の買い物かご201を除菌することができる。
【0212】
なお、昇降部22の枠61は、長方形の枠状に形成されていると説明したが、これに限らず、積み重ねられている買い物かごを、空いている内側に上下方向に通すことのできる形状であればよく、楕円または長円など他の形状とすることもできる。
【0213】
また、昇降部下端位置センサ34、昇降部上端位置センサ35、扉閉検知スイッチ38、重ねカゴピッチセンサ45、ラッチ荷重センサ94-1、ラッチ荷重センサ94-2、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1、X軸アーム角度位置センサ127およびY軸アーム角度位置センサ147は、光電センサであると説明したが、これに限らず、接触式のリミットスイッチやマイクロスイッチまたは超音波式の非接触型センサなど他の方式のセンサを用いることもできる。
【0214】
なお、昇降部22は、駆動チェーン33-1および33-2で上昇または下降させると説明したが、これに限らず、ベルトやボールねじ機構、ラックアンドピニオン機構、リンク機構など他の駆動方式により上昇または下降させるようにしてもよい。
【0215】
また、紫外線ランプ66-1および66-2並びに69-1および69-2は、X軸アーム65-1および65-2並びにY軸アーム68-1および68-2で回動させる構成としたが、これに限らず、エアシリンダやボールねじなどにより水平方向に変位させる構成であってもよい。
【0216】
なお、紫外線ランプ66-1および66-2並びに69-1および69-2並びに紫外線ランプ73-1および73-2並びに74-1および74-2は、直管であると説明したが、これに限らず、球形(電球型)でも、スパイラル形状、レフ型などでも良く、また、低圧水銀放電ランプ、高圧水銀放電ランプ、メタルハライドランプまたはエキシマランプなどの放電ランプに限らず、紫外線を発生させるLED(light emitting diode)などの固体素子などであってもよく、また、これらを組み合わせても良い。また、紫外線ランプ66-1および66-2並びに69-1および69-2並びに紫外線ランプ73-1および73-2並びに74-1および74-2は、それぞれを、上下方向に重ねて複数設けるようにしてもよい。
【0217】
また、除菌装置11は、バスケットカート202に重ねて載せられている買い物かご201を下から順に持ち上げて除菌すると説明したが、これに限らず、バスケットカート202に重ねて載せられている買い物かご201を上から順に持ち上げて除菌するようにしてもよい。この場合、ピッチ検知部301は、昇降部22が上昇させられた場合、ストッパ322に遮光部321が当接し、昇降部22が下降させられた場合、重ねカゴピッチセンサ45に遮光部321が当接するように構成される。
【0218】
なお、買い物かご201は、樹脂で形成されていると説明したが、これに限らず、金属、木材または竹材など他の素材から形成するようにしてもよい。
【0219】
また、紫外線ランプ66-1および66-2並びに69-1および69-2並びに紫外線ランプ73-1および73-2並びに74-1および74-2は、除菌の処理の実行中に、継続して発光するようにしてもよい。
【0220】
このように、広い場所を占有することなく、積み重ねられている買い物かご201を除菌することができる。
【0221】
また、積み重ねられている買い物かご201の1つ1つを除菌することができる。さらに、積み重ねられている買い物かご201の取っ手の下側をより確実に除菌することができる。また、積み重ねられている買い物かご201の1つ1つを持ち上げて、さらに、買い物かご201の取っ手の1つ1つを持ち上げて除菌するので、買い物かご201の取っ手の下側や買い物かご201の開口部の枠の下側および上側など、積み重ねられているままの買い物かご201にそのまま紫外線を照射した場合に遮られてしまう部分にもより確実に紫外線を照射することができるので、より確実に除菌することができる。さらに、積み重ねられているままの買い物かごに買い物かごの外側から紫外線を照射する場合に比較して、より近い位置から紫外線を照射することができるので、より確実に除菌することができる。特に、不特定の客に買い回りをする際に握られる部分である買い物かご201の取っ手の下側に、紫外線ランプ69-1および69-2を近接させて紫外線を照射することができるので、より確実に除菌することができる。
【0222】
さらにまた、紫外線ランプ74-1および74-2は、枠61の左側および右側から、ラッチ64-1および64-2で支えられている買い物かご201のカゴ部の開口部の枠の左側および右側の部分の下側に紫外線を所定の時間照射させるので、買い物かご201のカゴ部の開口部の枠のうち、客が枠を掴んで、買い物かご201を持ち上げるための孔が空けられている買い物かご201のカゴ部の開口部の枠の左右側の部分である、客が枠を掴んで握る部分を除菌することができる。
【0223】
以上のように、除菌装置11は、外形が直方体状に形成され、上面が長方形状に開口しているカゴ部とそれぞれコの字状に形成され、カゴ部の開口部の枠に対して回動可能に設けられている2つの取っ手であって、取っ手のコの字状の開いている側が対向するように、カゴ部の開口部分の枠に沿って配置できる取っ手とからなり、積み重ねることのできる買い物かご201を除菌する。除菌装置11は、内側が空いている枠状に形成され、駆動部23によって、積み重ねられている買い物かご201を内側に通して上昇または下降させられる昇降部22と、昇降部22の枠61の部分のうち、対向している部分のそれぞれの中央部分に昇降部22の内側または枠61側に向かって変位可能に設けられ、昇降部22の内側に変位した場合、昇降部22の枠61から内側に突出して、重ねられている買い物かご201のうち、いずれかの買い物かご201の開口部の枠の下側を支えるラッチ64-1および64-2と、昇降部22の枠61の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている紫外線を発光する紫外線ランプ66-1および66-2と、昇降部22の枠61の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている、紫外線ランプ66-1および66-2が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を発光する2つの紫外線ランプ69-1および69-2とを含む。
【0224】
除菌装置11によれば、ラッチ64-1および64-2が、積み重ねられている買い物かご201のうち、いずれかの買い物かご201の開口部の枠の下側を支えて、昇降部22が、上昇することで、ラッチ64-1および64-2によって開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201と枠が支えられている買い物かご201の上側に積み重ねられている買い物かご201ととを持ち上げ、紫外線ランプ66-1および66-2が、昇降部22が買い物かご201を持ち上げている場合、ラッチ64-1および64-2によって開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201のカゴ部の底側と、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201のうちの最も上側の買い物かご201のカゴ部の内側とに紫外線を照射し、紫外線ランプ69-1および69-2が、昇降部22が買い物かご201を持ち上げている場合、ラッチ64-1および64-2によって開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201のカゴ部の底側と、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201のうちの最も上側の買い物かご201のカゴ部の内側とに、紫外線ランプ66-1および66-2が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を照射するので、積み重ねられている買い物かご201を除菌することができる。また、昇降部22が積み重ねられている買い物かご201を持ち上げて紫外線を照射するので、買い物かご201の大きさに比較して、広い場所を占有することがない。このように、広い場所を占有することなく、積み重ねられている買い物かご201を除菌することができる。
【0225】
ラッチ64-1および64-2には、それぞれ、買い物かご201の開口部の枠の下側のうち、2つの取っ手が枠に取り付けられている部分の間の下側を支えさせることができる。このようにすることで、買い物かご201をより安定して支えることができる。
【0226】
紫外線ランプ66-1および66-2および紫外線ランプ69-1および69-2を、それぞれ、ラッチ64-1および64-2により支えられている買い物かご201の底面に発光した紫外線が照射される位置に配置することができる。このようにすることで、より確実に買い物かご201を除菌することができる。
【0227】
紫外線ランプ66-1および66-2には、それぞれ、200乃至280nmの波長の紫外線を発光させ、紫外線ランプ69-1および69-2には、それぞれ、200乃至280nmの波長の紫外線を発光させることができる。このようにすることで、より確実に買い物かご201を除菌することができる。
【0228】
昇降部22を、長方形の枠状に形成し、ラッチ64-1および64-2を、昇降部22の2組の対向している辺に相当する枠の部分のうちの、一方の対向している辺に相当する枠の部分のそれぞれの中央部分に昇降部22の内側または枠側に向かって変位可能にそれぞれ設け、紫外線ランプ66-1および66-2を、それぞれ、昇降部22の2組の対向している辺に相当する枠の部分のうちの、一方の対向している辺に相当する枠の部分のそれぞれに吊り下げて設け、紫外線ランプ69-1および69-2を、それぞれ、昇降部22の2組の対向している辺に相当する枠の部分のうちの、他方の対向している辺に相当する枠の部分のそれぞれに吊り下げて設けることができる。このようにすることで、より確実に買い物かご201のより多くの部分を除菌することができる。
【0229】
紫外線ランプ66-1および66-2および紫外線ランプ69-1および69-2を、それぞれ、直管とし、紫外線ランプ66-1および66-2および紫外線ランプ69-1および69-2の長手方向を、昇降部22の枠の長さ方向に沿って配置することができる。このようにすることで、買い物かご201の4つの側面に紫外線をより確実に照射でき、より確実に買い物かご201のより多くの部分を除菌することができる。
【0230】
紫外線ランプ66-1および66-2を、昇降部22の内側または枠側に向かって変位可能とし、紫外線ランプ69-1および69-2を、昇降部22の内側または枠側に向かって変位可能とし、昇降部22に設けられ、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201であって、最も上側の買い物かご201の上端から昇降部22までの高さが所定の高さであることを検知する取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1と、昇降部22の枠の長さ方向に沿って長手方向が配置されている直管である2つの紫外線ランプ66-1および66-2のそれぞれの両端に設けられている、買い物かご201の2つの取っ手を掬い上げる三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2とをさらに設け、三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2に、取っ手除菌カゴ上端位置センサ70-1により昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201のうちの最も上側の買い物かご201の上端から昇降部22までの高さが所定の高さであると検知されている場合、紫外線ランプ66-1および66-2が昇降部22の内側に向かって変位したとき、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201であって、最も上側の買い物かご201の2つの取っ手を掬い上げて持ち上げさせ、紫外線ランプ69-1および69-2に、三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2によって買い物かご201の2つの取っ手が掬い上げて持ち上げられている場合、昇降部22の内側に向かって変位したとき、持ち上げられている2つの取っ手のそれぞれの下側を照らさせることができる。このようにすることで、買い物かご201の取っ手の部分のうち、使用者により手で触られる部分をより確実に除菌することができる。
【0231】
三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2を、楔形に形成し、三角プレート67-1-1および67-2-1並びに67-1-2および67-2-2を、カゴ部の開口部の枠と取っ手との間に差し入れられることにより、取っ手が掬い上げられるようにすることができる。このようにすることで、より確実に取っ手を持ち上げて、使用者により手で触られる部分をより確実に除菌することができる。
【0232】
2つの紫外線ランプ66-1および66-2を、リンク機構により機械的に接続し、1つのアクチュエータであるモータ121により、2つの紫外線ランプ66-1および66-2を、昇降部22の内側に向かって変位させることができる。このようにすることで、より簡単な構成で、買い物かご201の所望の部位に紫外線を照射することができる。
【0233】
2つの紫外線ランプ69-1および69-2を、リンク機構により機械的に接続し、1つのアクチュエータであるモータ141により、2つの紫外線ランプ69-1および69-2を、昇降部22の内側に向かって変位させることができる。このようにすることで、より簡単な構成で、買い物かご201の所望の部位に紫外線を照射することができる。
【0234】
積み重ねられている買い物かご201のうちの所定の買い物かご201のカゴ部の開口部の枠の高さの位置と、所定の買い物かご201の1つ上または下の買い物かご201のカゴ部の開口部の枠の高さの位置との距離の分の昇降部22の上昇または下降を検知するピッチ検知部301をさらに設け、昇降部22に、ピッチ検知部301で検知される距離だけ上昇または下降させ、支えに、それぞれ、いずれかの買い物かご201に対して1つ上の買い物かご201または1つ下の買い物かご201の開口部の枠の下側を支えさせることができる。このようにすることで、人手をかけることなく、積み重ねられている買い物かご201のそれぞれをより確実に除菌することができる。
【0235】
ピッチ検知部301を、遮光された場合および遮光されていない場合にそれぞれ異なる所定の信号を出力する重ねカゴピッチセンサ45と、ストッパ322および重ねカゴピッチセンサ45に当接していない場合、昇降部22を駆動する駆動軸43と共に回転し、ストッパ322または重ねカゴピッチセンサ45に当接している場合、駆動軸43に対して滑り、重ねカゴピッチセンサ45に当接している場合、重ねカゴピッチセンサ45を遮光する遮光部321とから構成し、遮光部321がストッパ322に当接してから重ねカゴピッチセンサ45に当接するまでの角度で駆動軸43が回転すると、積み重ねられている買い物かご201のうちの所定の買い物かご201のカゴ部の開口部の枠の高さの位置と、所定の買い物かご201の1つ上または下の買い物かご201のカゴ部の開口部の枠の高さの位置との距離の分だけ昇降部22が上昇するかまたは下降するようにすることができる。このようにすることで、積み重ねられている買い物かご201のそれぞれをさらに確実に除菌することができる。
【0236】
重ねられている買い物かご201のうち、下から2つ目の買い物かご201の開口部の枠の下側にラッチ64-1および64-2が配置される昇降部22の位置を検知する昇降部下端位置センサ34をさらに設けることができる。このようにすることで、除菌の必要のない買い物かごを除菌することなく、より短い時間で積み重ねられている買い物かごをより確実に除菌することができる。
【0237】
ラッチ64-1および64-2が1つ以上の買い物かご201を支えているか否かを検知するラッチ荷重センサ94-1および94-2をさらに設けることができる。このようにすることで、除菌の動作をより確実に終了させることができる。
【0238】
ラッチ64-1および64-2で開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201と、支えられている買い物かご201の下側の買い物かご201とを分離させる分離部96-1および96-2をさらに設けることができる。このようにすることで、積み重ねられている買い物かご201の底面をより確実に除菌することができる。
【0239】
買い物かご201が重ねて載せられるバスケットカート202の位置を案内するバスケットカートガイド37をさらに設け、位置が案内されたバスケットカート202に重ねて載せられている買い物かご201を除菌するようにすることができる。このようにすることで、積み重ねられている買い物かごを簡単に配置することができ、積み重ねられている買い物かごをより確実に除菌することができる。
【0240】
紫外線ランプ73-1および73-2並びに74-1および74-2は、昇降部22の枠61の部分に設けられ、昇降部22の内側に向かって紫外線を照射する。このようにすることで、買い物かご201の開口部の枠の下側をより確実に除菌することができる。
【0241】
外形が直方体状に形成され、上面が長方形状に開口しているカゴ部とそれぞれコの字状に形成され、カゴ部の開口部の枠に対して回動可能に設けられている2つの取っ手であって、取っ手のコの字状の開いている側が対向するように、カゴ部の開口部分の枠に沿って配置できる取っ手とからなり、積み重ねることのできる買い物かご201を除菌する除菌装置11であって、内側が空いている枠状に形成され、駆動部23によって、積み重ねられている買い物かご201を内側に通して上昇または下降させられる昇降部22と、昇降部22の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれの中央部分に昇降部22の内側または枠側に向かって変位可能に設けられ、昇降部22の内側に変位した場合、昇降部22の枠から内側に突出して、重ねられている買い物かご201のうち、いずれかの買い物かご201の開口部の枠の下側を支えるラッチ64-1および64-2と、昇降部22の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている紫外線を発光する2つの紫外線ランプ66-1および66-2と、昇降部22の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている、紫外線ランプ66-1および66-2が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を発光する2つの紫外線ランプ69-1および69-2とを含む除菌装置11による除菌方法は、ラッチ64-1および64-2が、積み重ねられている買い物かご201のうち、いずれかの買い物かご201の開口部の枠の下側を支えて、昇降部22が、上昇することで、ラッチ64-1および64-2によって開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201と枠が支えられている買い物かご201の上側に積み重ねられている買い物かご201ととを持ち上げ、紫外線ランプ66-1および66-2が、昇降部22が買い物かご201を持ち上げている場合、ラッチ64-1および64-2によって開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201のカゴ部の底側と、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201のうちの最も上側の買い物かご201のカゴ部の内側とに紫外線を照射し、紫外線ランプ69-1および69-2が、昇降部22が買い物かご201を持ち上げている場合、ラッチ64-1および64-2によって開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201のカゴ部の底側と、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201のうちの最も上側の買い物かご201のカゴ部の内側とに、紫外線ランプ66-1および66-2が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を照射する。
【0242】
ラッチ64-1および64-2が、積み重ねられている買い物かご201のうち、いずれかの買い物かご201の開口部の枠の下側を支えて、昇降部22が、上昇することで、ラッチ64-1および64-2によって開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201と枠が支えられている買い物かご201の上側に積み重ねられている買い物かご201ととを持ち上げ、紫外線ランプ66-1および66-2が、昇降部22が買い物かご201を持ち上げている場合、ラッチ64-1および64-2によって開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201のカゴ部の底側と、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201のうちの最も上側の買い物かご201のカゴ部の内側とに紫外線を照射し、紫外線ランプ69-1および69-2が、昇降部22が買い物かご201を持ち上げている場合、ラッチ64-1および64-2によって開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201のカゴ部の底側と、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201のうちの最も上側の買い物かご201のカゴ部の内側とに、紫外線ランプ66-1および66-2が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を照射するので、積み重ねられている買い物かご201を除菌することができる。また、昇降部22が積み重ねられている買い物かご201を持ち上げて紫外線を照射するので、買い物かご201の大きさに比較して、除菌装置が広い場所を占有することがない。このように、広い場所を占有することなく、積み重ねられている買い物かご201を除菌することができる。
【0243】
除菌装置11で実行されるプログラムは、外形が直方体状に形成され、上面が長方形状に開口しているカゴ部とそれぞれコの字状に形成され、カゴ部の開口部の枠に対して回動可能に設けられている2つの取っ手であって、取っ手のコの字状の開いている側が対向するように、カゴ部の開口部分の枠に沿って配置できる取っ手とからなり、積み重ねることのできる買い物かご201を除菌する除菌装置11であって、内側が空いている枠状に形成され、駆動部23によって、積み重ねられている買い物かご201を内側に通して上昇または下降させられる昇降部22と、昇降部22の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれの中央部分に昇降部22の内側または枠側に向かって変位可能に設けられ、昇降部22の内側に変位した場合、昇降部22の枠から内側に突出して、重ねられている買い物かご201のうち、いずれかの買い物かご201の開口部の枠の下側を支えるラッチ64-1および64-2と、昇降部22の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている紫外線を発光する2つの紫外線ランプ66-1および66-2と、昇降部22の枠の部分のうち、対向している部分のそれぞれに吊り下げてそれぞれ設けられている、紫外線ランプ66-1および66-2が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を発光する2つの紫外線ランプ69-1および69-2とを含む除菌装置11を制御するコンピュータに、ラッチ64-1および64-2に、積み重ねられている買い物かご201のうち、いずれかの買い物かご201の開口部の枠の下側を支えさせるステップと、昇降部22に、上昇することで、ラッチ64-1および64-2によって開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201と枠が支えられている買い物かご201の上側に積み重ねられている買い物かご201ととを持ち上げさせるステップと、紫外線ランプ66-1および66-2に、昇降部22が買い物かご201を持ち上げている場合、ラッチ64-1および64-2によって開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201のカゴ部の底側と、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201のうちの最も上側の買い物かご201のカゴ部の内側とに紫外線を照射させるステップと、紫外線ランプ69-1および69-2に、昇降部22が買い物かご201を持ち上げている場合、ラッチ64-1および64-2によって開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201のカゴ部の底側と、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201のうちの最も上側の買い物かご201のカゴ部の内側とに、紫外線ランプ66-1および66-2が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を照射させるステップとを含む除菌の処理を行わせる。
【0244】
除菌装置11で実行されるプログラムによれば、ラッチ64-1および64-2に、積み重ねられている買い物かご201のうち、いずれかの買い物かご201の開口部の枠の下側を支えさせるステップと、昇降部22に、上昇することで、ラッチ64-1および64-2によって開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201と枠が支えられている買い物かご201の上側に積み重ねられている買い物かご201ととを持ち上げさせるステップと、紫外線ランプ66-1および66-2に、昇降部22が買い物かご201を持ち上げている場合、ラッチ64-1および64-2によって開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201のカゴ部の底側と、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201のうちの最も上側の買い物かご201のカゴ部の内側とに紫外線を照射させるステップと、紫外線ランプ69-1および69-2に、昇降部22が買い物かご201を持ち上げている場合、ラッチ64-1および64-2によって開口部の枠の下側が支えられている買い物かご201のカゴ部の底側と、昇降部22で持ち上げられていない買い物かご201のうちの最も上側の買い物かご201のカゴ部の内側とに、紫外線ランプ66-1および66-2が発光する紫外線の放射方向と交差する放射方向の紫外線を照射させるステップとを含む除菌の処理をコンピュータに行わせるので、積み重ねられている買い物かご201を除菌することができる。また、昇降部22が積み重ねられている買い物かご201を持ち上げて紫外線を照射するので、買い物かご201の大きさに比較して、除菌装置が広い場所を占有することがない。このように、広い場所を占有することなく、積み重ねられている買い物かご201を除菌することができる。
【0245】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0246】
11 除菌装置, 21 フレーム部, 22 昇降部, 23 駆動部, 24 制御部, 31 フレーム, 32-1および32-2 ガイドフレーム, 33-1および33-2 駆動チェーン, 34 昇降部下端位置センサ, 35 昇降部上端位置センサ, 36 扉, 37 バスケットカートガイド, 38 扉閉検知スイッチ, 41 モータ, 42 減速機, 43 駆動軸, 44-1および44-2 スプロケット, 45 重ねカゴピッチセンサ, 61 枠, 62-1および62-2 チェーン接続ナット, 63-1-1、63-2-1、63-3-1および63-4-1並びに63-1-2、63-2-2、63-3-2および63-4-2 ローラ, 64-1および64-2 ラッチ, 65-1および65-2 X軸アーム, 66-1および66-2 紫外線ランプ, 67-1-1、67-1-2、67-2-1および67-2-2 三角プレート, 68-1および68-2 Y軸アーム, 69-1および69-2 紫外線ランプ, 70-1および70-2 取っ手除菌カゴ上端位置センサ, 71-1および71-2 支持プレート, 72 遮光板, 73-1,73-2,74-1および74-2 紫外線ランプ, 91-1および91-2 プレート, 92-1および92-2 モータ, 93-1および93-2 梃子, 94-1および94-2 ラッチ荷重センサ, 95-1および95-2 軸支部, 96-1および96-2 分離部, 97-1および97-2 モータ, 121 モータ, 122 回動軸, 123 偏芯プレート, 124 連結棒, 125 偏芯プレート, 126 回動軸, 127 X軸アーム角度位置センサ, 141 モータ, 142 回動軸, 143 偏芯プレート, 144 連結棒, 145 偏芯プレート, 146 回動軸, 147 Y軸アーム角度位置センサ, 161 CPU, 162 ROM, 163 RAM, 164 バス, 165 入出力インタフェース, 166 昇降モータ駆動部, 167 ラッチモータ駆動部, 168 X軸アームモータ駆動部, 169 Y軸アームモータ駆動部, 170 紫外線ランプ安定器, 171 入力部, 172 出力部, 173 記憶部, 174 通信部, 175 ドライブ, 176 リムーバブルメディア, 301 ピッチ検知部, 321 遮光部, 322 ストッパ

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