(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】システム、処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/018 20230101AFI20231205BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20231205BHJP
【FI】
G06Q30/018
G06Q30/0601 338
(21)【出願番号】P 2022135625
(22)【出願日】2022-08-29
(62)【分割の表示】P 2018087057の分割
【原出願日】2018-04-27
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】内村 淳
(72)【発明者】
【氏名】高橋 博
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 将人
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/061057(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/066216(WO,A1)
【文献】特開2009-57182(JP,A)
【文献】特開2010-55278(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0085453(US,A1)
【文献】登録実用新案第3191774(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置台に載置された商品の商品属性情報を取得する第1の取得手段と、
前記商品の載置位置に関する位置情報を取得する第2の取得手段と、
前記商品属性情報および前記位置情報に基づいて、賞味期限又は消費期限が過ぎた商品の載置位置を特定する特定手段と、
前記特定された載置位置を識別可能な情報を前記載置台に表示する出力手段と、
を備えたシステム。
【請求項2】
前記特定手段は、賞味期限又は消費期限より所定時間前の日時を過ぎた商品の載置位置を特定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の取得手段は、
前記商品に向けてレーザを照射し、当該レーザの反射光を受光する測定手段と、
前記測定手段により生成された測定データに基づき画像を生成する画像生成手段と、
前記画像に基づき前記商品属性情報を取得する取得手段と、
を有する請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記出力手段は、賞味期限又は消費期限が過ぎた前記商品の商品識別情報及び載置位置を示す情報の少なくとも一方を含む警告情報を、他の装置に送信する、請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の取得手段は、予め定められた時刻になると、前記商品属性情報を取得する処理を実行する、請求項1から4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記載置台は、商品の陳列棚であり、
前記予め定められた時刻は、陳列エリア毎に定められている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の取得手段は、ユーザ入力に応じて、前記商品属性情報を取得する処理を実行する、請求項1から4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記特定手段は、前記第1の取得手段による前記商品属性情報の取得に応じて、賞味期限又は消費期限が過ぎた商品の載置位置を特定する処理を実行する、請求項5から7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記載置台に載置された商品の前記載置台面側に前記商品属性情報が付されている、請求項1から8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
コンピュータが、
載置台に載置された商品の商品属性情報を取得し、
前記商品の載置位置に関する位置情報を取得し、
前記商品属性情報および前記位置情報に基づいて、賞味期限又は消費期限が過ぎた商品の載置位置を特定し、
前記特定された載置位置を識別可能な情報を前記載置台に表示する処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
載置台に載置された商品の商品属性情報を取得する第1の取得手段、
前記商品の載置位置に関する位置情報を取得する第2の取得手段、
前記商品属性情報および前記位置情報に基づいて、賞味期限又は消費期限が過ぎた商品の載置位置を特定する特定手段、
前記特定された載置位置を識別可能な情報を前記載置台に表示する出力手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理システム、処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗では、消費期限や賞味期限を過ぎた商品を販売してしまうことを避けるため、定期的に又は不定期に、陳列されている商品の消費期限や賞味期限を確認し、当該期限に近づいている商品又は当該期限を過ぎている商品を回収する作業を行っている。
【0003】
特許文献1には、購入された商品の期限を示すコードを、レシートに印刷する技術が開示されている。
【0004】
特許文献2には、三次元レーザスキャナーを用いた地形計測方法が開示されている。
【0005】
特許文献3には、LIDAR(Light Detection and Ranging)で障害物を検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-238703号公報
【文献】特開2004-125452号公報
【文献】特表2015-531095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
店舗で扱う商品の数は膨大であるため、すべての商品の消費期限や賞味期限を確認するのに多くの時間と労力を費やす。このため、一般的には、お弁当、おにぎり等、消費期限や賞味期限が比較的短いものを優先的に確認対象とする。この場合、消費期限や賞味期限が比較的長いものの確認作業が不十分となり、期限切れを見落とす可能性が高くなる。特許文献1乃至3は、いずれも当該課題に関する記載もなく、解決する手段を提供しない。
【0008】
本発明は、店舗で販売している商品の確認作業を効率化するための情報を提示可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、
載置台に載置された商品の商品属性情報を取得する第1の取得手段と、
前記商品の載置位置に関する位置情報を取得する第2の取得手段と、
前記商品属性情報および前記位置情報に基づいて、賞味期限又は消費期限が過ぎた商品の載置位置を特定する特定手段と、
前記特定された載置位置を識別可能な情報を前記載置台に表示する出力手段と、
を備えたシステムが提供される。
【0010】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
載置台に載置された商品の商品属性情報を取得し、
前記商品の載置位置に関する位置情報を取得し、
前記商品属性情報および前記位置情報に基づいて、賞味期限又は消費期限が過ぎた商品の載置位置を特定し、
前記特定された載置位置を識別可能な情報を前記載置台に表示する処理方法が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、
コンピュータを、
載置台に載置された商品の商品属性情報を取得する第1の取得手段、
前記商品の載置位置に関する位置情報を取得する第2の取得手段、
前記商品属性情報および前記位置情報に基づいて、賞味期限又は消費期限が過ぎた商品の載置位置を特定する特定手段、
前記特定された載置位置を識別可能な情報を前記載置台に表示する出力手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、店舗で販売している商品の確認作業を効率化するための情報を提示可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態の処理システム10の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態の装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態の処理システム10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図4】本実施形態の処理システム10の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態の装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図6】コードCを付された商品101の一例を模式的に示す図である。
【
図7】載置台に載置された商品101の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態の処理システム10により生成される情報の一例を模式的に示す図である。
【
図10】本実施形態の処理システム10により出力される情報の一例を模式的に示す図である。
【
図11】本実施形態の処理システム10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】本実施形態の処理システム10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】本実施形態の処理システム10により処理される情報の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
まず、本実施形態の処理システムの概要を説明する。本実施形態では、各商品の販売期限を特定するための商品属性情報が各商品に付される。例えば商品属性情報が印刷されたシールが商品に貼付されてもよいし、商品属性情報が商品のパッケージ等に印刷されてもよい。処理システムは、載置台に載置された1つ又は複数の商品各々から商品属性情報を取得し、取得した商品属性情報に基づき各商品の販売期限を特定する。そして、処理システムは、特定した各商品の販売期限が過ぎていないか判断し、判断結果を出力する。
【0015】
このような本実施形態の処理システムによれば、店舗で販売している商品各々の消費期限や賞味期限を確認し、当該期限に近づいている、又は、当該期限を過ぎている商品を回収する作業を効率化することができる。結果、店舗で販売している商品の確認作業を効率化することができる。
【0016】
以下、本実施形態の処理システムの構成を詳細に説明する。
図1に、処理システム10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、処理システム10は、情報取得部11と、判断部12と、出力部13とを有する。処理システム10は、物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に1つの装置により実現されてもよい。
【0017】
処理システム10が備える各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0018】
図2は、処理システム10のハードウエア構成を例示するブロック図である。
図2に示すように、処理システム10は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置により処理システム10が実現される場合、各装置が当該ハードウエア構成を備えることができる。
【0019】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPUやGPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサー等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0020】
図1に戻り、各機能部の機能構成を説明する。情報取得部11は、載置台面側に商品属性情報が付された商品から商品属性情報を取得する。「商品属性情報」は、各商品の販売期限を特定できる情報である。商品属性情報は、例えば一次元コード、二次元コード等のようにコード化された状態で商品に付されてもよい。その他、コード化されず文字等で表された商品属性情報が商品に付されてもよい。商品属性情報は、商品の外面に付される。例えば、商品属性情報が印刷されたシールが商品の外面に貼付されてもよいし、商品属性情報が商品のパッケージ等に印刷されてもよい。「販売期限」は、各商品を販売することができる期限である。
【0021】
「載置台面」は、載置台の商品が載置される面である。「載置台面側に商品属性情報が付された商品」とは、商品属性情報が載置台面を向く商品である。商品属性情報が付された商品は、商品属性情報が載置台面を向くように、載置台に載置される。当該ルールに従い載置台に載置された商品は、載置台面側に商品属性情報が付された商品となる。
【0022】
情報取得部11は、例えば載置台面側から商品を撮影して生成された画像を解析することで、載置台に載置された1つ又は複数の商品各々に付された商品属性情報を取得することができる。画像に複数の商品が含まれる場合、情報取得部11は複数の商品各々に付された商品属性情報を取得することができる。
【0023】
判断部12は、情報取得部11により取得された商品属性情報に基づき特定される販売期限が過ぎているか判断する。判断部12は、特定された販売期限と現在日時とを比較することで、販売期限が過ぎているか判断する。情報取得部11により複数の商品各々に付された商品属性情報が取得された場合、判断部12は複数の商品各々の販売期限が過ぎているか判断することができる。
【0024】
出力部13は、判断部12の判断結果を示す情報を出力する。すなわち、出力部13は、商品の販売期限が過ぎているか否かを示す情報を出力する。判断部12により複数の商品各々の販売期限が過ぎているか判断された場合、出力部13は複数の商品各々の販売期限が過ぎているか否かを示す情報を出力することができる。出力部13は、ディスプレイ、投影装置、スピーカ、メーラ等のあらゆる出力装置を介して当該情報を出力することができる。
【0025】
次に、
図3のフローチャートを用いて、本実施形態の処理システム10の処理の流れの一例を説明する。
【0026】
S1では、情報取得部11は、載置台面側に商品属性情報が付された商品101から商品属性情報を取得する。載置台に複数の商品101が載置されている場合、情報取得部11は複数の商品101各々から商品属性情報を取得することができる。
【0027】
S2では、判断部12は、S1で取得された商品属性情報に基づき特定される商品101の販売期限が過ぎているか判断する。S1で情報取得部11が複数の商品101各々の商品属性情報を取得した場合、判断部12は、複数の商品101各々の販売期限が過ぎているか判断することができる。
【0028】
S3では、出力部13は、S2における判断部12の判断結果を示す情報を出力する。S2で判断部12が複数の商品各々の販売期限が過ぎているか判断した場合、出力部13は複数の商品各々の販売期限が過ぎているか否かを示す情報を出力することができる。
【0029】
以上、本実施形態の処理システム10は、載置台に載置された1つ又は複数の商品各々から各々の販売期限を特定するための商品属性情報を取得し、取得した商品属性情報に基づき各商品の販売期限が過ぎているか判断し、判断結果を出力することができる。このような本実施形態の処理システム10によれば、店舗で販売している商品各々の消費期限や賞味期限を確認し、当該期限に近づいている商品、又は、当該期限を過ぎている商品を回収する作業を効率化することができる。結果、店舗で販売している商品の確認作業を効率化することができる。
【0030】
<第2の実施形態>
本実施形態の処理システム10は、第1の実施形態の処理システム10と同様な処理を行うが、処理内容がより具体化される。以下、説明する。
【0031】
図4に、処理システム10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、処理システム10は、情報取得部11と、判断部12と、出力部13とを有する。そして、情報取得部11は、測定手段111と、画像生成手段112と、取得手段113と、位置情報取得手段114とを有する。また、出力部13は、第1の出力手段131と、第2の出力手段132と、第3の出力手段133と、出力内容決定手段134とを有する。なお、出力部13は、第1の出力手段131、第2の出力手段132及び第3の出力手段133の少なくとも1つを有さなくてもよい。処理システム10は、物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に1つの装置により実現されてもよい。
【0032】
図5は、処理システム10のハードウエア構成を例示するブロック図である。
図5に示すように、処理システム10は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5A、入力装置6A、出力装置7A、測定装置8Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置により処理システム10が実現される場合、各装置が当該ハードウエア構成を備えることができる。
【0033】
プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5A、入力装置6A、出力装置7Aは第1の実施形態で説明した通りである。
【0034】
測定装置8Aは、光を照射するとともに反射光を受光し、発光から受光までの時間や受光強度等を測定する。このような測定装置8Aとしては、レーザを照射してその反射光を受光するLIDARが例示される。測定装置8Aから入力されたデータはメモリ2Aに記憶される。プロセッサ1Aは、所定のプログラムを実行することで、測定装置8Aから入力されたデータを用いて画像を生成し、当該画像を解析することができる。生成される画像は、受光強度を示す強度画像や、物体までの距離を示す距離画像等である。また、プロセッサ1Aは、入出力I/F3Aを介して接続された出力装置を制御し、演算結果を出力することができる。
【0035】
図4に戻り、各機能部の機能構成を説明する。情報取得部11は、載置台面側にコードが付された商品からコードが示す商品情報を取得する。
図4に示す測定手段111、画像生成手段112、取得手段113及び位置情報取得手段114により、当該商品情報の取得が実現される。
【0036】
本実施形態では、商品属性情報を含む商品情報を示すコードが各商品に付される。本実施形態のコードは二次元コードであるが、一次元コードやその他であってもよい。
【0037】
図6に、コードCが付された商品101の一例を示す。図示する例では、コードCが印刷されているシールが商品101に貼付されている。図示する商品101はおにぎりであり、その底面にコードCが付されている。なお、コードCが付される位置は底面に限定されず、その他の部分であってもよい。
【0038】
本実施形態の載置台は、商品101の陳列棚である。商品101は、
図7に示すように、陳列棚の棚板100の上に陳列される。商品101は、コードCが棚板100の載置面を向くように陳列される。当該ルールに従い載置台に載置された商品は、載置台面側にコードCが付された商品となる。商品101のコードCが付されている部分は、載置台面と接していてもよいし、離れていてもよい。
【0039】
測定手段111は、載置台面に載置された商品101に向けて光、例えばレーザを照射するとともに反射光を受光し、発光から受光までの時間や受光強度等を測定する。測定手段111は、例えばLIDARである。
【0040】
測定手段111は、
図7に示すように載置台面と反対側の面側から光を照射し、反射光を受光することにより、発光から受光までの時間や受光強度等を測定する。棚板100は少なくとも一方の面側から照射された光を透過する構成となっている。具体的には、棚板100は、載置台面と反対側の面側から照射された光を透過する構成となっている。このため、
図7に示すように載置台面と反対側の面側から照射された光は棚板100を透過し、載置台面上に載置された商品101に到達する。なお、棚板100は、載置台面側から照射された光を透過する構成となっていてもよいし、反射する構成となっていてもよい。
【0041】
例えば
図8に示すように、光源Lを2次元に配列した発光装置を棚板100に平行に配置し、当該発光装置から棚板100に向けて光を照射してもよい。このようにすれば、光の照射方向の変更を行うことなく、所望の測定範囲のデータを収集することができる。光の照射方向を変更しながら所定範囲のデータを収集する場合、光源Lからの距離が離れるほど、測定された点群の間隔は大きくなり、測定データの精度が悪くなる。
図8に示すような構成にすると、測定された点群の間隔は光源Lの間隔に依存し、光源Lからの距離に依存しなくなる。結果、光源Lの間隔を十分に小さくすることで、高精度な測定データが収集できる。なお、測定データの精度は悪くなるが、光の照射方向を変更しながら測定する構成を採用することもできる。
【0042】
画像生成手段112は、測定手段111により生成された測定データに基づき画像を生成する。測定データは、発光から受光までの時間や受光強度等を示す。画像生成手段112は、このような測定データに基づき、受光強度を示す強度画像や、物体までの距離を示す距離画像等を生成する。強度画像は、例えば受光強度の値を複数段階の値に正規化し、グレースケールで示した画像であってもよい。
【0043】
上述の通り、棚板100は、載置台面と反対側の面側から照射された光を透過する構成となっている。そして、商品101は、コードCが載置台面を向くように載置される。このため、生成される画像には、各商品101のコードCが付された面が含まれる。そして、強度画像においては、コードCのパターンが示される。
【0044】
取得手段113は、生成された画像を解析して各商品101の商品情報を取得する。取得手段113は、画像内の商品101を検出する処理、画像内のコードCを検出する処理及びコードCのパターンを解析して商品情報を取得する処理を行う。
【0045】
最初に、取得手段113は、画像内の商品101を検出する処理を行う。当該処理で解析する画像は、強度画像であってもよいし、距離画像であってもよい。例えば、取得手段113は、当該画像に対して輪郭抽出処理や、抽出した輪郭の中から形状の条件や大きさの条件を満たす輪郭を抽出する処理等を行うことで、画像に含まれる1つ又は複数の商品101を検出する。
【0046】
形状の条件や大きさの条件は、陳列エリア毎に設定できる。各陳列エリアに陳列される商品101は予め定まっている。そこで、陳列エリア毎に、各陳列エリアに陳列される商品の形状や大きさを、条件として設定することができる。形状や大きさの条件を設定することで、高精度に、画像内の所定の商品101を検出することができる。
【0047】
画像内の商品101を検出した後、取得手段113は、画像内のコードCを検出する処理及びコードCのパターンを解析して商品情報を取得する処理を行う。当該処理で解析する画像は、強度画像である。例えば、取得手段113は、商品101が存在する画像内の領域から、パターンマッチング技術などを利用してコードCを検出する。その後、取得手段113は、検出したコードCのパターンを解析して情報に変換することで、コードCが示す各商品101の商品情報を取得する。
【0048】
位置情報取得手段114は、取得手段113により検出された商品101各々の位置を示す位置情報を取得する。位置情報は、画像内の任意の点を原点とし、任意の方向をx軸及びy軸とした2次元座標系における座標で、各商品101の位置を示す。例えば、各商品101が存在する画像内の領域の中の代表点の座標を、各商品101の位置情報とすることができる。
【0049】
情報取得部11による当該処理により、
図9に示すような画像解析結果が生成される。当該画像解析結果では、商品101を検出する処理で検出された1つ又は複数の商品101各々の位置情報と、各商品101から取得された商品情報とが対応付けられている。なお、画像内で商品101として検出されたが、コードCを検出できない、コードCのパターンを情報に変換できない等の各種理由で商品情報を取得できなかった商品101においては、位置情報のみ登録され、商品情報は登録されない。
【0050】
判断部12は、情報取得部11により取得された商品情報に含まれる商品属性情報に基づき各商品101の販売期限を特定する。判断部12は、現在の日時と各商品101の販売期限と比較することで、各商品101の販売期限が過ぎているか判断する。
【0051】
本実施形態の商品属性情報は、各商品の賞味期限又は消費期限を特定するための情報であり、例えば、賞味期限、消費期限、ロット番号、販売期間等である。商品情報は、商品属性情報に加えて、各商品101を識別する商品識別情報を含んでもよい。商品識別情報は、商品101を識別できる情報であればよく、商品番号、商品名等が例示される。
【0052】
販売期限は、消費期限や賞味期限であってもよいし、又は、消費期限や賞味期限の所定時間T前であってもよい。商品属性情報が各商品101の賞味期限又は消費期限そのものを示す場合、判断部12は商品属性情報に基づき各商品101の賞味期限又は消費期限を特定することができる。一方、商品属性情報が各商品101のロットナンバーやシリアルナンバーを示す場合、判断部12は、各商品101の賞味期限や消費期限をロットナンバーやシリアルナンバー毎に管理する管理サーバから、取得したロットナンバー又はシリアルナンバーに対応する賞味期限や消費期限を示す情報を取得することができる。
【0053】
販売期限が消費期限や賞味期限の所定時間T前である場合、判断部12は、予め登録された所定時間Tと、各商品101の消費期限や賞味期限とに基づき、各商品101の販売期限を特定することができる。なお、所定時間Tは商品101毎に登録されていてもよい。例えば、「商品Aの販売期限は消費期限や賞味期限の3時間前」であり、「商品Bの販売期限は消費期限や賞味期限の5時間前」等であってもよい。この場合、予め、商品101毎に所定時間Tを登録した登録情報が生成され、処理システム10に登録される。そして、判断部12は、当該登録情報から各商品101の所定時間Tを取得し、当該情報に基づき各商品101の販売期限を特定することができる。
【0054】
出力部13は、判断部12の判断結果を示す情報を出力する。出力部13は、以下で説明する第1乃至第3の出力方法の中の少なくとも1つを実行する。第1の出力方法は、第1の出力手段131により実現される。第2の出力方法は、第2の出力手段132により実現される。第3の出力方法は、第3の出力手段133により実現される。出力内容決定手段134は、判断部12の判断結果に基づき、出力する内容を決定する。そして、第1の出力手段131、第2の出力手段132及び第3の出力手段133は、出力内容決定手段134により決定された内容を示す情報を出力する。
【0055】
第1の出力方法では、第1の出力手段131は、判断結果を示す情報を、投影装置を用いて棚板100に表示する。この場合、棚板100は、載置台面側から照射された光を反射し、載置台面と反対側の面側から照射された光を透過する半透過性を備える。当該構成は、例えばバックライトを透過し、外光を反射するディスプレイ等の技術を利用して実現できる。投影装置は、載置台面側から光を照射する。
【0056】
第1の出力手段131は、販売期限が過ぎた商品101を識別可能な情報を表示することができる。また、第1の出力手段131は、販売期限が過ぎていない商品101を識別可能な情報を表示することができる。また、第1の出力手段131は、販売期限が過ぎているか否かの判断を行うことができなかった商品101を識別可能な情報を表示することができる。また、第1の出力手段131は、画像内で商品として検出できたが、コードCを検出できない、コードCのパターンを情報に変換できない等の各種理由で商品情報を取得できなかった商品101を識別可能な情報を表示することができる。
【0057】
図10に一例を示す。
図10に示す例の場合、第1の出力手段131は、棚板100に光を照射し、販売期限が過ぎた商品101の載置位置にマークM2を表示している。また、第1の出力手段131は、棚板100に光を照射し、販売期限が過ぎていない商品101の載置位置にマークM1を表示している。図示しないが、第1の出力手段131は、商品検出できない、コードCを検出できない、コードCのパターンを情報に変換できない等の各種理由で販売期限が過ぎているか否かの判断を行うことができなかった商品101の載置位置にマークM3を表示してもよい。なお、第1の出力手段131は、販売期限が過ぎているか否かの判断を行うことができなかった商品101の載置位置に何も表示しなくてもよい。マークM1、マークM2及びマークM3は、色、形状、濃淡等の表示態様が互いに異なる。
【0058】
表示される情報は、文字、数字、記号等の他の情報とすることもできる。また、図示する例では商品101の載置位置を内包するように情報を表示しているが、載置位置の近傍に情報を表示してもよい。
【0059】
出力内容決定手段134は、位置情報取得手段114により取得された各商品101の載置位置を示す位置情報と、判断部12により生成された各商品101の販売期限が過ぎているか否かの判断結果とに基づき、各商品101の載置位置に表示するマークを決定する。例えば、出力内容決定手段134は、販売期限が過ぎていないと判断された商品101の載置位置にマークM1を表示し、販売期限が過ぎていると判断された商品101の載置位置にマークM2を表示し、販売期限が過ぎているか否かの判断を行うことができなかった商品101の載置位置にマークM3を表示することを決定してもよい。
【0060】
また、出力内容決定手段134は、予め生成された「画像の座標系の座標」を「投影装置の投影領域の座標系の座標」に変換する変換ルールに基づき、画像の座標系で示された各商品101の載置位置を投影装置の投影領域の座標系の座標に変換することができる。投影装置の投影領域の座標系は、投影領域内の任意の位置を原点とし、任意の方向をx軸方向及びy軸方向と定めた座標系である。
【0061】
第1の出力方法によれば、店員は、棚板100における表示内容、すなわち各商品101の載置位置におけるマークの表示/非表示や、マークの内容に基づき、その棚板100に陳列されている各商品101の販売期限が過ぎているか、また、処理システム10により販売期限が過ぎているか否かの判断がなされたか等を、直感的に判断することができる。結果、店員は、複数の商品101各々に対して、各商品101に印刷などされた賞味期限や消費期限を視認し、販売期限が過ぎているかを確認するという面倒な作業を回避できる。
【0062】
第2の出力方法では、第2の出力手段132は、販売期限が過ぎた商品101の商品識別情報を含む警告情報を、所定の他の装置に送信する。出力内容決定手段134は、判断部12により販売期限が過ぎたと判断された商品101の商品識別情報を含んだ警告情報を決定する。
【0063】
他の装置は、店員が操作する装置であり、POS(point of sales)レジスター、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話等が例示される。なお、第2の出力手段132は、当該警告情報に、販売期限が過ぎた商品101の陳列位置を示す情報をさらに含めてもよい。陳列位置を示す情報を含める場合、判断部12は、出力する判断結果に、販売期限が過ぎた商品101の陳列位置を示す情報を含めることができる。本実施形態では、陳列エリア毎に測定装置8Aが設置され、各測定装置8Aにより各陳列エリアの測定データが取得される。判断部12は、判断結果がいずれの測定装置8Aにより取得された測定データに基づくものかを特定し、特定した測定装置8Aに対応する陳列エリアを示す情報を、判断結果に含めることができる。その他、予め、各商品101の陳列エリアを示す陳列情報が生成されていてもよい。そして、判断部12は、当該陳列情報を参照して、販売期限が過ぎた商品101の陳列位置を特定してもよい。
【0064】
第2の出力方法によれば、店員は、POSレジスター、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話等に表示された情報又は音声出力された情報に基づき、販売期限が過ぎた商品101の存在、商品識別情報、陳列位置等を把握することができる。
【0065】
第3の出力方法では、第3の出力手段133は、処理システム10が備えるディスプレイ、スピーカ、プリンターなどの出力装置を介して、販売期限が過ぎた商品101の商品識別情報や陳列位置等を含む警告情報を出力する。出力内容決定手段134は、判断部12により販売期限が過ぎたと判断された商品101の商品識別情報を含んだ警告情報を決定する。
【0066】
処理システム10は、物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置により実現されてもよい。複数の装置は、例えば店舗の売り場に設置される第1の装置と、例えば店舗のバックヤードに設置される第2の装置である。この場合、第2の装置は、ディスプレイ、スピーカ、プリンターなどの出力装置を有することができる。そして、第3の出力手段133は、第2の装置が有する出力装置を介して、上記警告情報を出力することができる。
【0067】
なお、第3の出力手段133は、当該警告情報に、販売期限が過ぎた商品101の陳列位置を示す情報をさらに含めてもよい。この場合、判断部12は、出力する判断結果に、販売期限が過ぎた商品101の陳列位置を示す情報を含めることができる。実現手段は上述の通りである。
【0068】
第3の出力方法によれば、店員は、処理システム10が備えるディスプレイ、スピーカ、プリンターなどから出力された情報に基づき、販売期限が過ぎた商品101の存在、商品識別情報、陳列位置等を把握することができる。
【0069】
次に、
図11のフローチャートを用いて、本実施形態の処理システム10の処理の流れの一例を説明する。
【0070】
例えば、処理を開始させるユーザ入力に応じて図示するフローチャートの処理が開始される。ここで、ユーザ入力の方法の例を説明する。例えば、陳列棚に入力装置が設置されてもよい。入力装置は、物理ボタン、タッチパネルディスプレイ、マイク等が例示される。そして、当該入力装置に対する操作により、上記ユーザ入力がなされてもよい。なお、入力装置は陳列エリア毎に設置されてもよい。
【0071】
陳列エリアの最小単位は、棚板100単位であってもよいし、棚板100を複数に区切った小エリア単位であってもよいし、複数の棚板100を有する陳列棚単位であってもよいし、その他であってもよい。
【0072】
その他、POSレジスター、タブレット、店舗のバックヤードに設置された装置等に対する操作により、上記ユーザ入力がなされてもよい。すなわち、遠隔から上記ユーザ入力がなされてもよい。この場合、店員は、処理を実行する1つ又は複数の陳列エリアを指定できてもよい。
【0073】
なお、ユーザ入力を行うための装置は、有線及び/又は無線で処理システム10と通信可能に構成される。
【0074】
S10では、測定手段111は、載置台に向けて光、例えばレーザを照射するとともに反射光を受光し、発光から受光までの時間や受光強度等を測定する。S20では、画像生成手段112は、S20の測定データに基づき、画像を生成する。画像生成手段112は、受光強度を示す強度画像や、物体までの距離を示す距離画像等を生成する。
【0075】
S30では、取得手段113は、S20で生成された画像を解析し、画像に含まれる商品101を検出する。画像の中に複数の商品101が存在する場合、複数の商品各々を検出する。例えば、輪郭抽出処理や、抽出した輪郭の中から形状の条件や大きさの条件を満たす輪郭を抽出する処理等を行うことで、画像に含まれる1つ又は複数の商品101を検出する。その後、位置情報取得手段114は、取得手段113により検出された商品101の載置位置を示す位置情報を取得する。位置情報は、画像内の任意の点を原点とし、任意の方向をx軸及びy軸とした2次元座標系における座標で、各商品101の位置を示す。例えば、各商品101が存在する画像内の領域の中の代表点の座標を、各商品101の位置情報とすることができる。位置情報取得手段114は、
図9に示すように、算出した各商品101の位置情報を画像解析結果として記憶装置に記憶させる。なお、位置情報取得手段114は、各商品101の位置情報に対応付けて、各商品101が存在する画像内の領域を示す情報を記憶装置に記憶させてもよい。
【0076】
S40では、取得手段113は、S20で生成された画像を解析し、画像の中でコードCを検出する。例えば、取得手段113は、商品101が存在する画像内の領域から、パターンマッチング技術などを利用してコードCを検出する。その後、取得手段113は、検出したコードCのパターンを解析して情報に変換することで、コードCが示す各商品101の商品情報を取得する。画像の中に複数のコードCが存在する場合、取得手段113は複数のコードを検出し、各々を解析して商品情報に変換する。取得手段113は、
図9に示すように、S30で登録された各商品101の位置情報に対応付けて、各商品101が存在する画像内の領域から検出したコードCが示す商品情報を登録することができる。なお、画像内で商品101として検出されたが、コードCを検出できない、コードCのパターンを情報に変換できない等の各種理由で商品情報を取得できなかった商品101においては、位置情報のみ登録され、商品情報は登録されないこととなる。
【0077】
S50では、判断部12は、S40で取得された商品情報に基づき特定される商品101の販売期限が過ぎているか判断する。
【0078】
具体的には、判断部12は、取得手段113により取得された商品情報に基づき各商品101の販売期限を特定する。そして、判断部12は、現在の日時と、各商品101の販売期限とを比較することで、各商品101の販売期限が過ぎているか判断する。
【0079】
販売期限は、消費期限や賞味期限であってもよいし、又は、消費期限や賞味期限の所定時間T前であってもよい。商品情報に含まれる商品属性情報が各商品101の賞味期限又は消費期限そのものを示す場合、判断部12は商品属性情報に基づき各商品101の賞味期限又は消費期限を特定することができる。一方、商品属性情報が各商品101のロットナンバーやシリアルナンバーを示す場合、判断部12は、各商品101の賞味期限や消費期限をロットナンバーやシリアルナンバー毎に管理する管理サーバから、取得したロットナンバー又はシリアルナンバーに対応する賞味期限や消費期限を取得することができる。
【0080】
販売期限が消費期限や賞味期限の所定時間T前である場合、判断部12は、予め登録された所定時間Tと、各商品101の消費期限や賞味期限とに基づき、各商品101の販売期限を特定することができる。なお、所定時間Tは商品101毎に登録されていてもよい。この場合、予め、商品101毎に所定時間Tを登録した登録情報が生成され、処理システム10に登録される。そして、判断部12は、当該登録情報から各商品101の所定時間Tを取得し、当該情報に基づき各商品101の販売期限を特定することができる。
【0081】
S60では、出力部13は、S50における判断部12の判断結果を示す情報を出力する。出力部13は、上述した第1乃至第3の出力方法の中の少なくとも1つを実行する。
【0082】
ここで、
図12のフローチャートを用いて、出力内容決定手段134が第1の出力方法で出力する内容を決定する処理の流れの一例を説明する。なお、あくまで一例であり、これに限定されない。
【0083】
出力内容決定手段134は、S30で検出された商品の中の1つを指定する(S61)。例えば、出力内容決定手段134は、
図9に示す画像解析結果において、位置情報が登録されている1つの通番を指定する。S40において、指定した商品の商品情報が取得されている場合(S62のYes)、すなわち指定した通番に対応付けて商品情報が登録されている場合、出力内容決定手段134はS63に進む。そして、S50における判断の結果が「販売期限が過ぎていない」である場合(S63のYes)、出力内容決定手段134はその商品の載置位置にマークM1を表示することを決定する(S64)。
【0084】
一方、S50における判断の結果が「販売期限が過ぎている」である場合(S63のNo)、出力内容決定手段134はその商品の載置位置にマークM2を表示することを決定する(S65)。
【0085】
また、指定した商品の商品情報が取得されなかった場合(S62のNo)、すなわち指定した通番に対応付けて商品情報が登録されていない場合、出力内容決定手段134はその商品の載置位置にマークM3を表示することを決定する(S66)。
【0086】
マークM1、M2及びM3は、色、形状、濃淡等の表示態様が互いに異なり、互いを識別可能になっている。
【0087】
S67では、出力内容決定手段134は、S30で位置を検出された商品の中にS61で指定されていない商品が存在しないか確認する。例えば、
図9に示す画像解析結果において位置情報が登録されている通番の中に、S61で指定されていない通番が存在しないか確認する。存在する場合(S67のYes)、出力内容決定手段134はS61に戻って処理を繰り返す。存在しない場合(S67のNo)、出力内容決定手段134は処理を終了する。
【0088】
以上説明した本実施形態の処理システム10は、陳列棚に陳列されている商品101各々から各々の賞味期限又は消費期限を特定するための情報を取得することができる。そして、処理システム10は、取得した情報に基づき各商品101の販売期限が過ぎているか判断し、判断結果を出力することができる。
【0089】
このような本実施形態の処理システム10によれば、店員は、複数の商品101各々に対して、各商品101に印刷などされた賞味期限や消費期限を視認し、販売期限が過ぎているかを確認するという面倒な作業を回避できる。
【0090】
また、本実施形態の処理システム10によれば、商品101を陳列した状態のまま、販売期限が過ぎているか否かの判断を行うことができる。このため、店員は、販売期限が過ぎているか否かの確認作業のために、商品101を任意の場所に移動させる等の面倒な作業を行う必要がない。
【0091】
また、商品101を陳列した状態のまま、販売期限が過ぎているか否かの判断を行うことができるので、商品101に印刷などされた賞味期限や消費期限を確認するために商品101を手に取る等の動作を回避できる。商品101を動かす機会を減らすことができるので、商品101の品質悪化を軽減できる。
【0092】
また、本実施形態の処理システム10によれば、画像解析で商品情報の取得を行うので、画像内に含まれる複数の商品101をまとめて処理することができる。このため、作業効率が向上する。
【0093】
以上のように、本実施形態の処理システム10によれば、店舗で販売している商品101の消費期限や賞味期限を確認し、当該期限に近づいている、又は、当該期限を過ぎている商品101を回収する作業を効率化することができる。
【0094】
<第3の実施形態>
本実施形態の処理システム10は、販売期限が過ぎているか確認する処理を実行する時刻を定めておき、当該時刻になったら自動的に当該処理を実行することができる。また、本実施形態の処理システム10は、上記時刻を、陳列エリア毎に定めることができる。その他の構成は第1及び第2の実施形態と同様である。
【0095】
本実施形態の処理システム10のハードウエア構成の一例は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0096】
本実施形態の処理システム10の機能ブロック図の一例は、第1及び第2の実施形態同様、
図1及び
図4で示される。図示するように、処理システム10は、情報取得部11と、判断部12と、出力部13とを有する。判断部12及び出力部13の構成は、第1及び第2の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0097】
情報取得部11は、予め定められた時刻になると、商品属性情報の取得を実行する。すなわち、測定手段111は、予め定められた時刻になると、載置台に載置された商品101に向けて光、例えばレーザを照射するとともに反射光を受光し、発光から受光までの時間や受光強度等を測定する。そして、画像生成手段112は、測定手段111による測定に応じて、測定手段111により生成された測定データに基づき画像を生成する処理を行う。そして、取得手段113は、画像生成手段112による画像生成に応じて、生成された画像に基づき、商品属性情報を含む商品情報を取得する処理を行う。また、位置情報取得手段114は、画像生成手段112による画像生成に応じて、画像に含まれる商品101の載置位置を示す位置情報を取得する処理を行う。情報取得部11のその他の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0098】
そして、情報取得部11による商品属性情報の取得に応じて、判断部12及び出力部13は第1及び第2の実施形態で説明した処理を実行する。
【0099】
なお、情報取得部11が商品属性情報の取得を実行する時刻は、陳列エリア毎に定められてもよい。
図13に一例を示す。図示する例によれば、陳列エリア「A00001」においては、毎日0時00分に、商品属性情報の取得、販売期限が過ぎているか否かの判断、及び、判断結果の出力がなされる。また、陳列エリア「A00002」においては、毎日7時00分、15時00分及び23時00分に、商品属性情報の取得、販売期限が過ぎているか否かの判断、及び、判断結果の出力がなされる。
【0100】
陳列エリアの最小単位は、棚板100単位であってもよいし、棚板100を複数に区切った小エリア単位であってもよいし、複数の棚板100を有する陳列棚単位であってもよいし、その他であってもよい。
【0101】
以上説明した本実施形態の処理システム10によれば、第1及び第2の実施形態と同様な作用効果を実現できる。
【0102】
また、本実施形態の処理システム10によれば、販売期限が過ぎているか確認する処理を実行する時刻を定めておくと、当該時刻になったタイミングで自動的に当該処理を実行することができる。ユーザ入力に応じて当該処理を実行する構成の場合、店員が当該時刻になったことを見逃してしまうと、当該処理を実行しないままとなる。結果、販売期限が過ぎた商品101の存在を見落とし、誤って販売してしまう等の不都合が発生し得る。本実施形態の処理システム10によれば、当該不都合を軽減できる。
【0103】
また、本実施形態の処理システム10によれば、販売期限が過ぎているか確認する処理を実行する時刻を、陳列エリア毎に定めることができる。このため、各商品101に適したタイミング及び回数で、販売期限が過ぎているか確認する処理を実行することができる。
【0104】
ここで、第1乃至第3の実施形態の変形例を説明する。
【0105】
第1の変形例では、判断部12は、情報取得部11による商品属性情報の取得に応じて、各商品101の在庫数と、情報取得部11により取得された各商品101の商品属性情報の数とが一致するか判断する。そして、出力部13は、判断部12による当該判断の結果、すなわち、各商品101の在庫数と、情報取得部11により取得された各商品101の商品属性情報の数とが一致するか否かを示す情報を出力する。
【0106】
各商品101の在庫数は、POSシステムに登録された情報に基づき、特定することができる。
【0107】
ここで、情報取得部11により取得された各商品101の商品属性情報の数を算出する処理の一例を説明する。判断部12は、情報取得部11により取得された複数の商品情報を、商品情報に含まれる商品識別情報が同じものどうしでまとめてグループ化する。そして、各グループに属する商品情報の数をカウントすることで、情報取得部11により取得された各商品101の商品情報の数を算出する。商品情報は商品属性情報を含む。このため、算出された商品情報の数は、報取得部11により取得された各商品101の商品属性情報の数を示す。
【0108】
なお、判断部12は、情報取得部11による商品情報の取得に応じて、各商品101の在庫数と、情報取得部11により取得された各商品101の商品情報の数とが一致するか判断してもよい。そして、出力部13は、判断部12による当該判断の結果、すなわち、各商品101の在庫数と、情報取得部11により取得された各商品101の商品情報の数とが一致するか否かを示す情報を出力してもよい。
【0109】
当該変形例によれば、店員は、POSシステムで管理されているその時点の各商品101の在庫数と、陳列棚に陳列されている各商品101の数とが一致するかを、処理システム10から出力された情報に基づき把握することができる。
【0110】
第2の変形例では、処理システム10は、上述した測定装置8Aに代えて、カメラを有する。そして、当該カメラにより棚板100に陳列された商品101を含む画像が生成され、当該画像の解析により商品属性情報の取得が実現される。カメラは、いずれの方向から商品101を撮影してもよい。商品101は、コードCを付された面がカメラの方を向くように陳列される。
【0111】
第3の変形例では、商品101を載置する載置台は陳列棚の棚板100でなくてもよい。店舗内の任意の位置、例えばバックヤードに載置台が設置される。この場合、店員は、販売期限が過ぎているかを確認する対象の商品101を陳列棚から一旦回収し、当該載置台の位置まで運び、当該載置台の上に載置することとなる。処理システム10は、当該載置台に載置された商品101に対して、光を照射して反射光を受光する測定や、カメラを利用した撮影などを行い、画像を生成する。
【0112】
これら変形例においても、本実施形態と同様な作用効果を実現できる。
【0113】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 載置台に載置された商品の商品属性情報を取得する第1の取得手段と、
前記商品の載置位置に関する位置情報を取得する第2の取得手段と、
前記商品属性情報および前記位置情報に基づいて、賞味期限又は消費期限が過ぎた商品の載置位置を特定する特定手段と、
前記特定された載置位置を識別可能な情報を前記載置台に表示する出力手段と、
を備えたシステム。
2. 前記特定手段は、賞味期限又は消費期限より所定時間前の日時を過ぎた商品の載置位置を特定する、1に記載のシステム。
3. 前記第1の取得手段は、
前記商品に向けてレーザを照射し、当該レーザの反射光を受光する測定手段と、
前記測定手段により生成された測定データに基づき画像を生成する画像生成手段と、
前記画像に基づき前記商品属性情報を取得する取得手段と、
を有する1又は2に記載のシステム。
4. 前記出力手段は、賞味期限又は消費期限が過ぎた前記商品の商品識別情報及び載置位置を示す情報の少なくとも一方を含む警告情報を、他の装置に送信する、1から3のいずれかに記載のシステム。
5. 前記第1の取得手段は、予め定められた時刻になると、前記商品属性情報を取得する処理を実行する、1から4のいずれかに記載のシステム。
6. 前記載置台は、商品の陳列棚であり、
前記予め定められた時刻は、陳列エリア毎に定められている、5に記載のシステム。
7. 前記第1の取得手段は、ユーザ入力に応じて、前記商品属性情報を取得する処理を実行する、1から4のいずれかに記載のシステム。
8. 前記特定手段は、前記第1の取得手段による前記商品属性情報の取得に応じて、賞味期限又は消費期限が過ぎた商品の載置位置を特定する処理を実行する、5から7のいずれかに記載のシステム。
9. 前記載置台に載置された商品の前記載置台面側に前記商品属性情報が付与されている、1から8のいずれかに記載のシステム。
10. コンピュータが、
載置台に載置された商品の商品属性情報を取得し、
前記商品の載置位置に関する位置情報を取得し、
前記商品属性情報および前記位置情報に基づいて、賞味期限又は消費期限が過ぎた商品の載置位置を特定し、
前記特定された載置位置を識別可能な情報を前記載置台に表示する処理方法。
11. コンピュータを、
載置台に載置された商品の商品属性情報を取得する第1の取得手段、
前記商品の載置位置に関する位置情報を取得する第2の取得手段、
前記商品属性情報および前記位置情報に基づいて、賞味期限又は消費期限が過ぎた商品の載置位置を特定する特定手段、
前記特定された載置位置を識別可能な情報を前記載置台に表示する出力手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0114】
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
6A 入力装置
7A 出力装置
8A 測定装置
10 処理システム
11 情報取得部
12 判断部
13 出力部
100 棚板
101 商品
111 測定手段
112 画像生成手段
113 取得手段
114 位置情報取得手段
131 第1の出力手段
132 第2の出力手段
133 第3の出力手段
134 出力内容決定手段
C コード
L 光源
M1 マーク
M2 マーク
M3 マーク