(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】サプリメント配合支援システム、およびサプリメント配合支援方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/60 20180101AFI20231205BHJP
【FI】
G16H20/60
(21)【出願番号】P 2023104111
(22)【出願日】2023-06-26
【審査請求日】2023-06-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515058226
【氏名又は名称】ドリコス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】竹 康宏
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2023/048068(WO,A1)
【文献】再公表特許第2004/036468(JP,A1)
【文献】特表2016-538617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが行う運動に関する情報を取得する第1取得部と、
前記ユーザの健康に関する目的を取得する第2取得部と、
前記運動に関する情報と前記健康に関する目的との連関を有する栄養素情報を記憶する第1記憶部と、
前記運動に関する情報と前記健康に関する目的との連関を有する栄養素情報を前記第1記憶部から探索する探索部と、
探索して得られた前記栄養素情報に基づいて、栄養素の種別および前記栄養素の配合量を決定する演算部と、
探索して得られた前記栄養素情報を提示する提示部と
、
前記演算部によって決定された前記栄養素の前記配合量を含有するサプリメントを供給する供給部と、
前記ユーザの身体情報に基づいて、前記ユーザが前記運動を行い、かつ、前記サプリメントを摂取する前後の前記ユーザの身体情報の変化量を演算する身体変化演算部と
を備え、
前記提示部は、さらに、前記サプリメントの供給に関する情報、および、前記ユーザの前記身体情報の変化量を提示する
ことを特徴とするサプリメント配合支援システム。
【請求項2】
請求項
1に記載のサプリメント配合支援システムにおいて、
前記身体変化演算部は、さらに、前記ユーザ
の生活習慣情報、センサによって取得される生体情報、
または外的環境情報
、およびこれらの組み合わせの情報から、前記ユーザが運動を行い、かつ、前記サプリメントを摂取する前後の前記ユーザの
前記身体情報の変化量を演算
する
ことを特徴とするサプリメント配合支援システム。
【請求項3】
請求項
2に記載のサプリメント配合支援システムにおいて、
前記ユーザの前記運動に関する情報、前記健康に関する目的、前記サプリメントの供給に関する情報、前記身体情報の変化量、および前記ユーザの身体的特性を前記ユーザの識別情報に関連付けて記憶する第2記憶部と、
前記ユーザの身体的特性の値から一定範囲内の値の身体的特性を有し、かつ、前記サプリメントの供給を受けた複数のユーザ間の、前記運動に関する情報と、前記身体情報の変化量とを比較する第1比較部と、
前記第1比較部による比較結果に基づいて、前記ユーザの前記健康に関する目的に応じた、前記ユーザの行う運動に対する運動支援情報を生成する生成部と
をさらに備え、
前記提示部は、前記運動支援情報を前記ユーザに対して提示する
ことを特徴とするサプリメント配合支援システム。
【請求項4】
請求項
3に記載のサプリメント配合支援システムにおいて、
前記供給部による前記サプリメントの供給を受けた前記ユーザの前記身体情報の変化量と、前記サプリメントの供給を受けていないユーザの前記身体情報の変化量とを比較する第2比較部と、
前記第2比較部による比較結果に基づいて、前記サプリメントの供給を受けた前記ユーザの前記身体情報の変化量に対する前記サプリメントの供給の寄与度を算出して、評価する評価部と
をさらに備え
前記提示部は、前記評価部による評価結果を提示する
ことを特徴とするサプリメント配合支援システム。
【請求項5】
請求項
4に記載のサプリメント配合支援システムにおいて、
さらに、前記第1取得部によって、前記運動に関する情報が取得された時刻情報に基づいて、前記ユーザが前記運動を行った時間を類推する類推部を備え、
前記提示部は、類推された前記ユーザが前記運動を行った時間を提示する
ことを特徴とするサプリメント配合支援システム。
【請求項6】
請求項
5に記載のサプリメント配合支援システムにおいて、
さらに、前記サプリメントの供給を受けた前記ユーザからの、前記サプリメントの供給に関する評価を受け付ける受け付け部を備える
ことを特徴とするサプリメント配合支援システム。
【請求項7】
請求項
6に記載のサプリメント配合支援システムにおいて、
前記探索部は、前記受け付け部において受け付けられた前記評価を考慮して、前記栄養素情報を前記第1記憶部から探索する
ことを特徴とするサプリメント配合支援システム。
【請求項8】
サプリメント配合支援システムによって実行されるサプリメント配合支援方法であって、
ユーザが行う運動に関する情報を取得する第1ステップと、
前記ユーザの健康に関する目的を取得する第2ステップと、
前記運動に関する情報と前記健康に関する目的との連関を有する栄養素情報を第1記憶部に記憶する第3ステップと、
前記運動に関する情報と前記健康に関する目的との連関を有する栄養素情報を前記第1記憶部から探索する第4ステップと、
探索して得られた前記栄養素情報に基づいて、栄養素の種別および前記栄養素の配合量を決定する第5ステップと、
探索して得られた前記栄養素情報を提示する第6ステップと
、
前記第5ステップで決定された前記栄養素の前記配合量を含有するサプリメントを供給する第7ステップと、
前記ユーザの身体情報に基づいて、前記ユーザが前記運動を行い、かつ、前記サプリメントを摂取する前後の前記ユーザの身体情報の変化量を演算する第8ステップと
を備え、
前記第6ステップは、さらに、前記サプリメントの供給に関する情報、および、前記ユーザの前記身体情報の変化量を提示する
ことを特徴とするサプリメント配合支援方法。
【請求項9】
請求項
8に記載のサプリメント配合支援方法において、
前記第8ステップは、さらに
、前記ユーザの生活習慣情報、センサによって取得される生体情報、
または外的環境情報
、およびこれらの組み合わせの情報から、前記ユーザが運動を行い、かつ、前記サプリメントを摂取する前後の前記ユーザの
前記身体情報の変化量を演算
する
ことを特徴とするサプリメント配合支援方法。
【請求項10】
請求項
9に記載のサプリメント配合支援方法において、
前記ユーザの前記運動に関する情報、前記健康に関する目的、前記サプリメントの供給に関する情報、前記身体情報の変化量、および前記ユーザの身体的特性を前記ユーザの識別情報に関連付けて第2記憶部に記憶する第9ステップと、
前記ユーザの身体的特性の値から一定範囲内の値の身体的特性を有し、かつ、前記サプリメントの供給を受けた複数のユーザ間の、前記運動に関する情報と、前記身体情報の変化量とを比較する第10ステップと、
前記第10ステップでの比較結果に基づいて、前記ユーザの前記健康に関する目的に応じた、前記ユーザの行う運動に対する運動支援情報を生成する第11ステップと
をさらに備え、
前記第6ステップは、前記運動支援情報を前記ユーザに対して提示する
ことを特徴とするサプリメント配合支援方法。
【請求項11】
請求項1
0に記載のサプリメント配合支援方法において、
前記第7ステップで前記サプリメントの供給を受けた前記ユーザの前記身体情報の変化量と、前記サプリメントの供給を受けていないユーザの前記身体情報の変化量とを比較する第12ステップと、
前記第12ステップでの比較結果に基づいて、前記サプリメントの供給を受けた前記ユーザの前記身体情報の変化量に対する前記サプリメントの供給の寄与度を算出して、評価する第13ステップと
をさらに備え、
前記第6ステップは、前記第13ステップでの評価結果を提示する
ことを特徴とするサプリメント配合支援方法。
【請求項12】
請求項1
1に記載のサプリメント配合支援方法において、
さらに、前記第1ステップで、前記運動に関する情報が取得された時刻情報に基づいて、前記ユーザが前記運動を行った時間を類推する第14ステップを備え、
前記第6ステップは、類推された前記ユーザが前記運動を行った時間を提示する
ことを特徴とするサプリメント配合支援方法。
【請求項13】
請求項1
2に記載のサプリメント配合支援方法において、
さらに、前記サプリメントの供給を受けた前記ユーザからの、前記サプリメントの供給に関する評価を受け付ける第15ステップを備える
ことを特徴とするサプリメント配合支援方法。
【請求項14】
請求項1
3に記載のサプリメント配合支援方法において、
前記第4ステップは、前記第15ステップで受け付けられた前記評価を考慮して、前記栄養素情報を前記第1記憶部から探索する
ことを特徴とするサプリメント配合支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サプリメント配合支援システム、およびサプリメント配合支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康志向の高まりと共に、健康維持のための手段としてサプリメント市場は拡大している。また、健康維持のために、スポーツジムをはじめとする運動施設の利用も広がっている。栄養だけでなく、運動の側面からもアプローチを行うことでより効果的に健康維持および増進を図ることができる。
【0003】
栄養は身体機能と密接な関係があり、最適なサプリメントの成分配合と、ユーザがどのような運動を行っているかとの間には連関性が認められる。特に、ユーザにおいて、ダイエットや、筋力増加など運動を通じた特定の目標が設定されている場合や、体脂肪率や筋肉量などの値において理想状態が存在する場合には、運動と栄養の摂取とが共に最適に行われることで、ユーザの健康維持に関する目標や理想状態を達成できる可能性がより高まる。しかし、栄養と運動との連関性を考慮して最適なサプリメントをユーザに供給することには専門的な知識を必要とする。
【0004】
例えば、特許文献1は、ユーザに関する情報や、センサやデバイスによって取得される生体情報、および外的環境情報などの情報と、サプリメントの理想摂取量などのユーザにおけるサプリメントの摂取目的、ユーザの目標など理想とされる状態とを比較してサプリメントの配合を決定するサプリメント配合支援システムを開示している。
【0005】
特許文献1に開示されているサプリメント配合支援システムでは、ユーザの健康に関する様々な目的や目標、例えば、栄養素の補給や強化、病気の予防、疲労回復、美容やダイエットなどに合わせて最適なサプリメントを配合するための支援を行うことができる。しかし、特許文献1に開示されている技術では、ユーザが健康維持に関する目的や目標を達成するために、運動と栄養との連関性に基づいたより効果的なサプリメントの摂取を支援することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の技術によれば、健康維持や増進を達成するために、運動と栄養との連関性に基づいたより効果的なサプリメントの配合支援を行うことは困難であった。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、健康維持や増進を達成するために、運動と栄養との連関性に基づいたより効果的なサプリメントの配合支援を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明に係るサプリメント配合支援システムは、ユーザが行う運動に関する情報を取得する第1取得部と、前記ユーザの健康に関する目的を取得する第2取得部と、前記運動に関する情報と前記健康に関する目的との連関を有する栄養素情報を記憶する第1記憶部と、前記運動に関する情報と前記健康に関する目的との連関を有する栄養素情報を前記第1記憶部から探索する探索部と、探索して得られた前記栄養素情報に基づいて、栄養素の種別および前記栄養素の配合量を決定する演算部と、探索して得られた前記栄養素情報を提示する提示部とを備える。
【0010】
また、本発明に係るサプリメント配合支援システムにおいて、前記演算部によって決定された前記栄養素の前記配合量を含有するサプリメントを供給する供給部をさらに備え、前記提示部は、前記サプリメントの供給に関する情報を提示してもよい。
【0011】
また、本発明に係るサプリメント配合支援システムにおいて、さらに、前記ユーザの身体情報、生活習慣情報、センサによって取得される生体情報、および外的環境情報から、前記ユーザが運動を行い、かつ、前記サプリメントを摂取する前後の前記ユーザの身体情報の変化量を演算する身体変化演算部を備え、前記提示部は、前記ユーザの身体情報の変化量を提示してもよい。
【0012】
また、本発明に係るサプリメント配合支援システムにおいて、前記ユーザの前記運動に関する情報、前記健康に関する目的、前記サプリメントの供給に関する情報、前記身体情報の変化量、および前記ユーザの身体的特性を前記ユーザの識別情報に関連付けて記憶する第2記憶部と、前記ユーザの身体的特性の値から一定範囲内の値の身体的特性を有し、かつ、前記サプリメントの供給を受けた複数のユーザ間の、前記運動に関する情報と、前記身体情報の変化量とを比較する第1比較部と、前記第1比較部による比較結果に基づいて、前記ユーザの前記健康に関する目的に応じた、前記ユーザの行う運動に対する運動支援情報を生成する生成部とをさらに備え、前記提示部は、前記運動支援情報を前記ユーザに対して提示してもよい。
【0013】
また、本発明に係るサプリメント配合支援システムにおいて、前記供給部による前記サプリメントの供給を受けた前記ユーザの前記身体情報の変化量と、前記サプリメントの供給を受けていないユーザの前記身体情報の変化量とを比較する第2比較部と、前記第2比較部による比較結果に基づいて、前記サプリメントの供給を受けた前記ユーザの前記身体情報の変化量に対する前記サプリメントの供給の寄与度を算出して、評価する評価部とをさらに備え、前記提示部は、前記評価部による評価結果を提示してもよい。
【0014】
また、本発明に係るサプリメント配合支援システムにおいて、さらに、前記第1取得部によって、前記運動に関する情報が取得された時刻情報に基づいて、前記ユーザが前記運動を行った時間を類推する類推部を備え、前記提示部は、類推された前記ユーザが前記運動を行った時間を提示してもよい。
【0015】
また、本発明に係るサプリメント配合支援システムにおいて、さらに、前記サプリメントの供給を受けた前記ユーザからの、前記サプリメントの供給に関する評価を受け付ける受け付け部を備えていてもよい。
【0016】
また、本発明に係るサプリメント配合支援システムにおいて、前記探索部は、前記受け付け部において受け付けられた前記評価を考慮して、前記栄養素情報を前記第1記憶部から探索してもよい。
【0017】
上述した課題を解決するために、本発明に係るサプリメント配合支援方法は、ユーザが行う運動に関する情報を取得する第1ステップと、前記ユーザの健康に関する目的を取得する第2ステップと、前記運動に関する情報と前記健康に関する目的との連関を有する栄養素情報を第1記憶部に記憶する第3ステップと、前記運動に関する情報と前記健康に関する目的との連関を有する栄養素情報を前記第1記憶部から探索する第4ステップと、探索して得られた前記栄養素情報に基づいて、栄養素の種別および前記栄養素の配合量を決定する第5ステップと、探索して得られた前記栄養素情報を提示する第6ステップとを備える。
【0018】
また、本発明に係るサプリメント配合支援方法において、前記第5ステップで決定された前記栄養素の前記配合量を含有するサプリメントを供給する第7ステップをさらに備え、前記第6ステップは、前記サプリメントの供給に関する情報を提示してもよい。
【0019】
また、本発明に係るサプリメント配合支援方法において、さらに、前記ユーザの身体情報、生活習慣情報、センサによって取得される生体情報、および外的環境情報から、前記ユーザが運動を行い、かつ、前記サプリメントを摂取する前後の前記ユーザの身体情報の変化量を演算する第8ステップを備え、前記第6ステップは、前記ユーザの身体情報の変化量を提示してもよい。
【0020】
また、本発明に係るサプリメント配合支援方法において、前記ユーザの前記運動に関する情報、前記健康に関する目的、前記サプリメントの供給に関する情報、前記身体情報の変化量、および前記ユーザの身体的特性を前記ユーザの識別情報に関連付けて第2記憶部に記憶する第9ステップと、前記ユーザの身体的特性の値から一定範囲内の値の身体的特性を有し、かつ、前記サプリメントの供給を受けた複数のユーザ間の、前記運動に関する情報と、前記身体情報の変化量とを比較する第10ステップと、前記第10ステップでの比較結果に基づいて、前記ユーザの前記健康に関する目的に応じた、前記ユーザの行う運動に対する運動支援情報を生成する第11ステップとをさらに備え、前記第6ステップは、前記運動支援情報を前記ユーザに対して提示してもよい。
【0021】
また、本発明に係るサプリメント配合支援方法において、前記第7ステップで前記サプリメントの供給を受けた前記ユーザの前記身体情報の変化量と、前記サプリメントの供給を受けていないユーザの前記身体情報の変化量とを比較する第12ステップと、前記第12ステップでの比較結果に基づいて、前記サプリメントの供給を受けた前記ユーザの前記身体情報の変化量に対する前記サプリメントの供給の寄与度を算出して、評価する第13ステップとをさらに備え、前記第6ステップは、前記第13ステップでの評価結果を提示してもよい。
【0022】
また、本発明に係るサプリメント配合支援方法において、さらに、前記第1ステップで、前記運動に関する情報が取得された時刻情報に基づいて、前記ユーザが前記運動を行った時間を類推する第14ステップを備え、前記第6ステップは、類推された前記ユーザが前記運動を行った時間を提示してもよい。
【0023】
また、本発明に係るサプリメント配合支援方法において、さらに、前記サプリメントの供給を受けた前記ユーザからの、前記サプリメントの供給に関する評価を受け付ける第15ステップを備えていてもよい。
【0024】
また、本発明に係るサプリメント配合支援方法において、前記第4ステップは、前記第15ステップで受け付けられた前記評価を考慮して、前記栄養素情報を前記第1記憶部から探索してもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、運動に関する情報と健康に関する目的との連関を有する栄養素情報を第1記憶部から探索し、探索して得られた栄養素情報に基づいて、栄養素の種別および栄養素の配合量を決定する。そのため、健康維持や増進を達成するために、運動と栄養との連関性に基づいたより効果的なサプリメントの配合支援を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係るサプリメント配合支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備える管理サーバ装置のストレージの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備える管理サーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備えるユーザ装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備えるサプリメント供給装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備えるサプリメント供給装置の構成を示す外観斜視図である。
【
図7】
図7は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備えるサプリメント供給装置の正面図である。
【
図8】
図8は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備えるユーザ情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備えるユーザ履歴テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備える吐出履歴テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備えるサプリメント供給装置管理テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備えるカートリッジ管理テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備えるサプリメント管理テーブルの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備える運動情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備える目的情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備える栄養素情報テーブルの一例を示す図である。
【
図17】
図17は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備える身体情報テーブルの一例を示す図である。
【
図18】
図18は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムが備える運動履歴テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施の形態について、
図1から
図19を参照して詳細に説明する。
[サプリメント配合支援システムの構成]
まず、本発明の実施の形態に係るサプリメント配合支援システム1の概要について説明する。サプリメント配合支援システム1は、ユーザが行う運動に関する情報、およびユーザの健康に関する目的を取得し、取得された運動に関する情報および健康に関する目的との連関を有する栄養素情報を栄養素情報記憶部12I(第1記憶部)から探索し、得られた栄養素情報に基づいて、栄養素の種別および配合量を決定し、かつ、栄養素情報をユーザ装置200に表示させる。さらに、サプリメント配合支援システム1は、栄養素の種別および配合量に基づいて、サプリメント供給装置400からサプリメントを供給する。
【0028】
図1に示すように、サプリメント配合支援システム1は、例えば、管理サーバ装置100と、ユーザ装置200と、フィットネス機器300と、サプリメント供給装置400とを備える。例えば、インターネットなどのネットワーク2を介して管理サーバ装置100、ユーザ装置200、およびサプリメント供給装置400は互いに接続されている。ネットワーク2は、図示されない無線基地局によって構築される無線ネットワークを含んでもよい。
【0029】
ユーザ装置200とサプリメント供給装置400とは、ネットワーク2を介して接続されているが、Bluetooth Low Energy(BLE、登録商標、以下同様)、RFID、NFC等の近距離無線通信ネットワークを介しても互いに接続される。また、ユーザ装置200と、フィットネス機器300とにおいても、BLE、RFID、NFCなどの近距離無線通信ネットワークを介して互いに接続されていてもよい。
【0030】
なお、管理サーバ装置100とサプリメント供給装置400とはネットワーク2により接続されていない構成とし、管理サーバ装置100がユーザ装置200を介して、近距離無線通信によりサプリメント供給装置400と通信を行う構成としてもよい。
【0031】
また、サプリメント供給装置400を、オフラインのスタンドアロン端末として作動させる構成としてもよい。
【0032】
[管理サーバ装置の構成]
管理サーバ装置100は、プロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、通信インターフェース13と、入出力インターフェース14とを備え、バスを介して互いに電気的に接続されている。
【0033】
管理サーバ装置100は、システム管理者等がサプリメント配合支援サービスを維持管理する際に利用する情報処理装置である。例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータを用いることができる。管理サーバ装置100は、サプリメント配合支援サービスに関するサービス基本情報、マスタ情報および管理情報を維持する。
【0034】
プロセッサ10は例えばCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開されたプログラム等を実行することで、必要な処理が実現される。
【0035】
メモリ11は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性記憶装置である。
【0036】
ストレージ12は例えばHDD(Hard Disc Drive)などの不揮発性記憶装置である。ストレージ12には、ユーザの認証プログラムやサプリメント配合支援プログラム等が格納される他、後述する記憶部12A~12Kに対応する領域が設けられ、また、記憶部12A~12Kは、後述するテーブル群500~564のようなデータベースにより構築されていてもよい。
【0037】
通信インターフェース13は、管理サーバ装置100と各種外部電子機器との間をネットワーク接続するためのインターフェース回路である。
【0038】
入出力インターフェース14は、マウスやキーボード等の情報入力機器や液晶ディスプレイ等である。
【0039】
[ストレージの構成]
ここで、
図2を参照して、管理サーバ装置100が備えるストレージ12の構成を説明する。ストレージ12は、例えば、ユーザ情報記憶部12A、ユーザ履歴記憶部12B、サプリメント供給装置記憶部12C、カートリッジ記憶部12D、サプリメント配合支援記憶部12E、耐容上限量記憶部12F、運動情報記憶部12G、目的情報記憶部12H、栄養素情報記憶部12I、身体情報記憶部12J、運動履歴記憶部12Kで構成される。運動情報記憶部12G、目的情報記憶部12H、ユーザ履歴記憶部12B、および身体情報記憶部12Jにより、第2記憶部が構成される。
【0040】
ユーザ情報記憶部12Aは、ユーザの識別情報などユーザの基本情報を記憶する。
ユーザ履歴記憶部12Bは、ユーザによるサプリメントの利用履歴を記憶する。
サプリメント供給装置記憶部12Cは、サプリメント供給装置400の配置場所やステータス等を記憶する。
【0041】
カートリッジ記憶部12Dは、カートリッジの製造番号やサプリメント情報を記憶する。
サプリメント配合支援記憶部12Eは、サプリメント配合支援を実施するのに必要な各種情報を記憶する。
耐容上限量記憶部12Fは、サプリメントの耐容上限量を記憶する。
【0042】
運動情報記憶部12Gは、ユーザが行う運動に関する情報を記憶する。例えば、運動情報記憶部12Gは、フィットネス機器300の種類に関連付けられた運動の内容を記憶することができる。
【0043】
目的情報記憶部12Hは、ユーザの健康に関する目的を記憶する。なお、詳細は後述するが、ユーザの健康に関する目的とは、ユーザが任意に設定することができる健康維持や体力増進、生活スタイルについての目的であり、例えば、「ダイエット」、「筋力アップ」、「持久力アップ」などが挙げられる。
【0044】
栄養素情報記憶部12Iは、ユーザが行う運動に関する情報および健康に関する目的と連関を有する栄養素情報を記憶する。栄養素情報記憶部12Iには、事前に算出された連関性、つまり、運動の内容およびユーザの健康に関する目的と栄養素との連関性に基づいて、各運動の内容およびユーザの健康に関する目的と、栄養素とが関連付けられた情報が記憶されている。運動およびユーザの健康に関する目的と栄養素情報の連関性は、例えば、主成分分析などの多変量解析や、機械学習アルゴリズムにより変数間の特徴を学習することで、事前に算出される情報である。
【0045】
身体情報記憶部12Jは、ユーザごとの身体情報、身体的特性、および生活習慣情報などを記憶する。身体情報には、ユーザの体重、体脂肪率、筋肉量等が含まれ、これらはユーザが運動や栄養を摂取することで、変化し得る要素である。また、ユーザの身体的特性とは、身体情報に加え、身長、年齢など運動や栄養の摂取により一般的に変化しない要素が含まれる。生活習慣情報には、ユーザの睡眠時間、飲酒の頻度および量、喫煙の有無、ストレスに関する指標、食生活に関する情報、病気の有無、運動習慣に関する情報等が含まれる。
【0046】
運動履歴記憶部12Kは、ユーザが行った運動の履歴を記憶する。
【0047】
[ユーザ装置の構成]
図1に戻り、ユーザ装置200は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信インターフェース23、入出力インターフェース24、タッチパネル25、センサ部26、およびカメラ27を備える。
【0048】
ユーザ装置200は、ユーザが行う運動に関する情報、および、ユーザの健康に関する目的を取得する。また、ユーザ装置200は、管理サーバ装置100の栄養素情報記憶部12Iを探索して得られた栄養素情報を、ネットワーク2を介して取得し、表示部252に表示することができる。ユーザ装置200は、例えば、スマートフォンやフィーチャーフォン、PDA、タブレット型コンピュータ等のユーザによって持ち運び可能な移動体装置を用いることができる。
【0049】
プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、および入出力インターフェース24は、上述した管理サーバ装置100が備えるものと同様の構成とすることができる。
【0050】
通信インターフェース23は、ユーザ装置200と各種外部電子機器との間をネットワーク接続するためのインターフェース回路である。通信インターフェース23は、ネットワーク2を介して管理サーバ装置100、およびサプリメント供給装置400との接続を行うことに加え、近距離無線通信によりフィットネス機器300、およびサプリメント供給装置400と接続する構成としてもよい。
【0051】
タッチパネル25は、タッチパッドなどで構成される入力部251と液晶ディスプレイなどで構成される表示部252を組み合わせた電子部品である。入力部251はユーザのタッチ操作等の物理的接触操作が入力された画面位置の情報を検知して外部へ信号出力する機能を備える。タッチパネル25は、静電容量方式や抵抗膜方式等、いずれの方式を採用したものであってもよい。
【0052】
センサ部26は、内蔵型センサとして、加速度センサ、振動センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、近接センサ、照度センサ、圧力センサ、GPS、温度計、湿度計等を含む。
【0053】
カメラ27は、光信号を画像信号に変換して、動画や静止画像を生成することができる。カメラ27は、フィットネス機器300に付された二次元コード30の静止画像を撮影し、プロセッサ20によって、撮影された二次元コード30のデコード処理を行い、フィットネス機器300の種類などの情報を検出する。
【0054】
[フィットネス機器の構成]
フィットネス機器300は、スポーツジムなどの運動施設、または、リハビリ施設などに設置された機器であり、例えば、ウォーキング・ランニングマシン、フィットネスバイク、ステッパー、アブドミナルマシン、チェストプレスマシン等のトレーニングマシン、ダンベル、バランスボールなどの器具、および歩行訓練器などのリハビリ機器などを広く含む。
【0055】
フィットネス機器300には、フィットネス機器300の種類等の情報がエンコードされた二次元コード30が付されている。なお、二次元コード30は、フィットネス機器300に付されている構成の他にも、フィットネス機器300が配置されている運動施設の入り口などに設けられていてもよい。フィットネス機器300に付された二次元コード30は、ユーザ装置200を携帯したユーザが、フィットネス機器300を使用する際に、読み取られる。
【0056】
[サプリメント供給装置の構成]
サプリメント供給装置400は、プロセッサ40、メモリ41、ストレージ42、通信インターフェース43、入出力インターフェース44、タッチパネル45、センサ部46、配合部47、および吐出部48を備える。
【0057】
サプリメント供給装置400は、ユーザ装置200からサプリメント供給指示を受け、指示されたサプリメント種別や量に基づいてサプリメントの配合を行い、それを吐き出すことでユーザに供給する装置である。サプリメント供給装置400は
図5に示すような筐体を有する外観を備える(後述)。
【0058】
プロセッサ40、メモリ41、ストレージ42、通信インターフェース43、入出力インターフェース44、タッチパネル45についてはユーザ装置200または管理サーバ装置100におけるものと同様の構成とすることができる。
【0059】
センサ部46は、ECGセンサや筋電センサのような生体センサおよび気象センサ等を含むことができる。
【0060】
配合部47は、サプリメント供給指示に応じて駆動する駆動部を備える。駆動部の駆動により、
図7に示すような搭載済みカートリッジを回転させて、該カートリッジに収容されたサプリメントを指示量だけ抽出し、それらが配合される。
【0061】
吐出部48は、配合されたサプリメントを外部に吐き出して出力するように構成される。
【0062】
[管理サーバ装置の機能ブロック]
図2は、上述したハードウェア構成を有する管理サーバ装置100の機能ブロック図である。管理サーバ装置100は、インターフェース部120、管理部140、およびサプリメント配合支援部160を備える。
【0063】
インターフェース部120は、入出力部122、および送受信部123を備える。
管理部140は、ユーザの基本情報を管理するユーザ情報管理部141、ユーザによる利用履歴を管理するユーザ履歴管理部142、サプリメント供給装置400の配置場所やステータス等を管理するサプリメント供給装置管理部143、カートリッジの製造番号やサプリメント情報を管理するカートリッジ管理部144、サプリメント配合支援を実施するのに必要な各種情報を管理するサプリメント配合支援管理部145、サプリメントの耐容上限量を管理する耐容上限量管理部146、ユーザの行う運動に関する情報を管理する運動情報管理部147、ユーザの運動に関する目的を管理する目的情報管理部148、ユーザが行う運動に関する情報と健康に関する目的との連関を有する栄養素情報を管理する栄養素情報管理部149、ユーザの身体情報を管理する身体情報管理部150、およびユーザの運動履歴を管理する運動履歴管理部151を含む。管理部140は、各管理部での処理に必要となる基本情報の管理を行う。サプリメント配合支援部160(破線部)については
図4を参照して後述する。
【0064】
[ユーザ装置の機能ブロック]
図4は、上述したハードウェア構成を有するユーザ装置200の機能ブロック図を示す。ユーザ装置200は、インターフェース部220、認証部240、およびサプリメント配合支援部260を備える。
【0065】
インターフェース部220は、入出力部222および送受信部224に加え、ユーザのサプリメントの利用履歴を登録するサプリメント利用履歴登録部225、およびユーザの運動施設での運動の履歴を登録する運動履歴登録部226を含む。
【0066】
認証部240は、管理サーバ装置100との間でユーザID/パスワードによるログイン認証を実施するユーザ認証部241、サプリメント供給装置400との間で例えば、BLE等の近距離無線通信によるペアリングを実施するサプリメント供給装置認証部242を含む。なお、各認証部241,242における認証方式は上記に限定されず、任意のものでよいことが理解される。
【0067】
サプリメント配合支援部260は、インターフェース部220を通じて装置の内外から各種データを取得する取得部270、および格納された各種テーブルを参照して情報処理を行う処理部280を含む。
【0068】
取得部270は、ユーザが行う運動に関する情報を取得する第1取得部271、ユーザの健康に関する目的を取得する第2取得部272、センサから生体情報や外的環境情報を取得するセンサ情報取得部273、サプリメントの供給後にユーザからサプリメントの供給に関する評価を受け付けるサプリメント供給評価受付部274(受け付け部)、および、サプリメント供給装置400に具備された各カートリッジに関するサプリメント供給可能情報をサプリメント供給装置400から受けるサプリメント供給可能情報取得部275を含む。
【0069】
ユーザが行う運動に関する情報とは、ユーザがフィットネス機器300を使用して行う運動の種別を示す情報である。例えば、フィットネス機器300に付された二次元コード30のデコード処理によって検出されたフィットネス機器300の種類、例えば、ユーザが「ランニングマシン」を使用して行う運動「ランニング」が運動に関する情報に含まれる。なお、二次元コード30において、フィットネス機器300で行われる運動「ランニング」に係る情報が予めエンコードされており、二次元コード30から直接的に、運動の種別を読み取る構成であってもよい。
【0070】
第1取得部271は、二次元コード30の読み取り情報である「ランニングマシン」に関連付けられた運動の種類「ランニング」を、ストレージ12が備える運動情報記憶部12G(後述の、運動情報テーブル560)から運動に関する情報として取得することができる。
【0071】
第2取得部272が取得する、ユーザの健康に関する目的とは、ユーザが運動をはじめ、食事やサプリメントによる栄養の摂取、休息やストレス管理などの様々な行動を通して改善あるいは向上することを望む健康維持や増進、生活スタイルに関する目的をいう。ユーザの健康に関する目的は、ユーザが、場合によっては一定の時間をかけて運動などの行動を習慣化することで身体的な変化がもたらされることによって達成されるより長期的な目的が含まれる。
【0072】
本実施の形態では、第1取得部271によって取得される、ユーザが行う運動に関する情報は、健康に関する目的を達成するためにユーザが行う運動を示す。具体的には、ユーザが、「ランニング」を行うことを通して、「ダイエット」、「持久力アップ」、「筋力アップ」などの健康に関する目的を達成することを望む場合が挙げられる。
【0073】
第2取得部272は、例えば、ユーザによるタッチパネル25の入力操作を入力部251で受け付けることによって、ユーザの健康に関する目的を取得することができる。
【0074】
処理部280は、探索部281、サプリメント決定部282、身体変化演算部283、類推部284、第1比較部285、生成部286、第2比較部287、および評価部288を備える。
【0075】
探索部281は、ユーザが行う運動に関する情報と健康に関する目的との連関を有する栄養素情報を栄養素情報記憶部12Iから探索する。探索部281は、例えば、栄養素情報記憶部12I(後述の栄養素情報テーブル562)を探索して、ユーザが行う運動に関する情報「ランニング」と「ダイエット」との連関を有する栄養素情報「ビタミンB1」「L-カルニチン」等を取得することができる。
【0076】
サプリメント決定部282は、探索部281によって得られた栄養素情報に基づいて、栄養素の種別および栄養素の配合量を決定する。サプリメント決定部282は、演算部を構成する。
【0077】
身体変化演算部283は、ユーザの身体情報、生活習慣情報、センサ部26によって取得される生体情報および外的環境情報から、ユーザが運動を行い、かつ、サプリメントを摂取する前後における、ユーザの身体情報の変化量を演算する。
【0078】
身体変化演算部283は、例えば、ユーザが一定の期間にわたって運動を行い、サプリメントの摂取を行った場合に、その期間の前後における体脂肪率や筋肉量の測定値について、外的要因を考慮したうえで比較し、運動およびサプリメント摂取が体脂肪率や筋肉量に与える影響を算出する。体脂肪率や筋肉量などは、体組成測定により得られる値を用いることができる。身体変化演算部283による身体情報の変化量の演算結果により、どの運動およびサプリメントの摂取が、身体の部位別の体脂肪率の減少や筋肉量の増加に寄与しているのかについて解析することができる。
【0079】
類推部284は、ユーザが行う運動に関する情報を第1取得部271が取得した時刻情報に基づいて、ユーザがその運動を行った時間を類推する。具体的には、ユーザがスポーツジムなどの運動施設において、複数のフィットネス機器300を使用する場合に、あるフィットネス機器300を使用開始時刻と、次のフィットネス機器300の使用開始時刻との差分に係る期間を、はじめに利用したフィットネス機器300において運動を行った時間であると類推する。
【0080】
例えば、類推部284は、第1取得部271がランニングマシンの二次元コード30を読み取った時刻と、ユーザが次に使用したチェストプレスの二次元コード30を読み取った時刻との差分に係る時間を、ユーザがランニングマシンによりランニングを行った時間であると類推することができる。
【0081】
第1比較部285は、ユーザの身体的特性の値から一定範囲内の値の身体的特性を有し、かつ、サプリメントの供給を受けた複数のユーザ間の、運動に関する情報と、身体情報の変化量とを比較する。ユーザの身体的特性は、ユーザの体重、体脂肪率、筋肉量など、運動やサプリメント摂取により変化し得る身体的な特性である身体情報に加え、身長、性別、年齢など、運動や栄養の摂取によっては一般的に変化しない特性を含む。複数のユーザが摂取したサプリメントは、同一の栄養素であってもよい。
【0082】
第1比較部285は、身体情報記憶部12Jを参照し、年齢、身長、性別、体重、体脂肪率や筋肉量などが類似し、かつ、所定のサプリメントの供給を受けている複数のユーザをグルーピングし、設定された期間における、ユーザ間の運動の回数や種類を比較する。第1比較部285は、さらに、健康に関する目的が同じ複数のユーザをグルーピングして、上記比較を行ってもよい。
【0083】
生成部286は、第1比較部285による比較結果に基づいて、ユーザの健康に関する目的に応じた、ユーザが行う運動に対する運動支援情報を生成する。例えば、3か月などの設定された期間において、あるユーザAの体重の減少が1kgであり、別のユーザBの体重の減少が3kgであり、ユーザAはランニングマシンを使った回数が10回であったのに対し、ユーザBがランニングマシンを使った回数は40回であるとする。生成部286は、このような比較結果に基づいて、ダイエットを目的とするユーザAに対して、ランニングマシンの使用回数を増やすことを運動支援情報として生成することができる。
【0084】
第2比較部287は、サプリメント供給装置400(供給部)によるサプリメントの供給を受けたユーザの身体情報の変化量と、当該サプリメントの供給を受けていないユーザの身体情報の変化量とを比較する。例えば、第2比較部287は、設定された3か月などの期間において、特定のサプリメントを摂取したユーザAと摂取していないユーザBとの体重、体脂肪率、筋肉量などの身体情報の変化量を比較する。第2比較部287は、比較を行う際に、身長、体重、年齢などの身体的特性が類似するユーザをグルーピングして比較してもよい。
【0085】
評価部288は、第2比較部287による比較結果に基づいて、サプリメントの供給を受けたユーザの身体情報の変化量に対する当該サプリメントの供給の寄与度を算出して、評価する。評価部288は、例えば、特定のサプリメントの供給が、ユーザの体重、体脂肪率、筋肉量などの身体情報の変化量にどのくらい貢献したかを寄与度として算出する。評価部288は、回帰分析、分散分析、機械学習などにより寄与度を算出することができる。また、評価部288は、算出した寄与度を評価して、どのサプリメント供給が特にユーザの身体情報の変化量に影響を与えている可能性が有るのかを解析する。
【0086】
[サプリメント供給装置の機能ブロック]
図5は、上述したハードウェア構成を有するサプリメント供給装置400の機能ブロック図を示す。サプリメント供給装置400は、インターフェース部420、サプリメントを供給するための動作を行う供給部440、およびサプリメント配合支援部460を含む。
【0087】
インターフェース部420は、入出力部421および送受信部422に加え、ユーザ装置200からの供給指示に応じて供給部440に供給命令を発する命令部423、ネットワーク2を通じて管理サーバ装置100やユーザ装置200に利用履歴を送信する利用履歴送信部424、サプリメント供給装置400をオフラインで利用する際に必要となるユーザ特定部425、およびユーザ情報を認証するユーザ認証部426を含む。
【0088】
供給部440は、サプリメントを収容したカートリッジを搭載するスロット部441、および、カートリッジからサプリメントを抽出および配合して、外部に供給するサプリメント出力部445を含む。
【0089】
スロット部441は、搭載されたカートリッジに関し、カートリッジ関連情報を読み取るカートリッジ情報読取部(リーダ部)442、およびカートリッジ内に収容されるサプリメントの残量を特定するサプリメント残量特定部443を含む。
【0090】
サプリメント出力部445は、命令部423からの命令に応じて、所定量のサプリメントを抽出するためにモータを駆動してカートリッジを回転させる駆動部446、および抽出したサプリメントを実際に配合して外部に吐き出すよう作動する吐出処理部447を備える。サプリメント配合支援部460(破線部)は、
図4のサプリメント配合支援部260と同様である。
【0091】
なお、本実施の形態におけるサプリメント配合支援システム1において、サプリメントを配合し供給する処理に係るロジックを実行するコンピュータは、上述の管理サーバ装置100、ユーザ装置200、およびサプリメント供給装置400を含む情報処理装置等から任意に選択され得る点に留意すべきである。同様に、ユーザの行う運動に関する情報および健康に関する目的と連関を有する栄養素情報を探索し、探索された栄養素情報に基づいて、栄養素の種別と配合を決定するロジックを実行するコンピュータについても上述の管理サーバ装置100、ユーザ装置200、およびサプリメント供給装置400を含む情報処理装置等から任意に選択され得る。
【0092】
つまり、サプリメント配合支援部160、260、460を機能させるプログラム・モジュールのセットは、上記のいずれの要素にも格納でき、それぞれのプロセッサにより実行可能である。また、当該プログラム・モジュールのセットの全部を上記の何れかに集中配置させてもよいし、一部を分散配置させてもよい。
【0093】
一例としては、ユーザ装置200にプログラム・モジュールのセットの主要部分を配置して、管理サーバ装置100およびサプリメント供給装置400と対話しながら、供給すべきサプリメントを決定することができる。他の例としては、サプリメント供給装置400にプログラム・モジュールの全部を集中配置させてもよく、この場合、サプリメント供給装置400はスタンドアロンの装置としてオフラインで機能することになる。
【0094】
次に、
図6および
図7を参照して、サプリメント供給装置400の構造についてより詳細に説明する。
図6および
図7は、サプリメント供給装置400を実現する筐体の構造を示す。
図6は、サプリメント供給装置400の筐体の一例の外観を示す。この筐体例では、外観上、筐体の大部分を配合部47が占め、正面の面に表示部452、表示部452の下方にユーザ認証部426が設けられ、さらにユーザ認証部426の下方に吐出部48が配置されている。
【0095】
筐体の内部には、プロセッサ40、メモリ41、ストレージ42、通信インターフェース43等が内蔵されると共に、表面部にセンサ部46(いずれも非図示)が搭載される。センサ部46は、例えばセンサ電極として設けられ、ユーザと接触することで心拍数等の生体情報や気温、湿度などの環境情報を取得することができる。
【0096】
ユーザ認証部431は、例えば、カメラなどが内蔵され、ユーザ装置200の表示部252に表示されたバーコードなどの二次元コードで示されるユーザIDを含むユーザ情報を読み取る。吐出部48には、下方に延びる排出シュートが設けられ、ユーザはその下にコップ等の容器をセットすることで、上部に設けられた吐出口から配合済みの錠剤のサプリメントの出力を受けることができる。
【0097】
図7は、
図6の配合部47の内部の概要構造である。多段構造の配合部47には、取り外し可能なカートリッジ50が搭載されるスロット部441、およびサプリメント供給指示に応じて駆動する駆動部(モータ)446を備える。各カートリッジ50のカートリッジ側面や底面などの任意の面にはICチップ51が設けられ、かつ、サプリメント排出用の排出孔が背後に設けられる(図示しない)。また、配合部47のカートリッジ50が搭載されるスロット部441に隣接して、よく知られた錠剤フィーダを設けることで、錠剤のサプリメントを吐出することができる。さらに、粉体のサプリメントを吐出する場合には、カートリッジ50が搭載されるスロット部441に隣接して、図示されない螺旋構造のオーガ部を回転させることで吐出することができる。なお、サプリメントの吐出方法はモータを用いる場合に限定されるものではなく、例えば、カートリッジ50底部に開閉弁を設け、ソレノイドで駆動する構成によりサプリメントを吐出する構成であってもよい。
【0098】
ICチップ51に対し、スロット部のカートリッジ情報読取部442はリーダとして機能して、カートリッジ50から各種情報を読み出すことが可能である。具体的には、各カートリッジには1つ以上のID(例えば、カートリッジIDや収容サプリメントID)、収容サプリメント初期量、およびサプリメント排出量等が記憶部に格納され、カートリッジ情報読取部442によってこれら情報を読み取り可能である。また、スロット部のサプリメント残量特定部443はスロット個所に応じて、カートリッジ内の残量を特定可能である。
【0099】
一例として、これに限定されないが、カートリッジ50内の残量は、駆動部446のモータ回転数に関連づけることができ、累積モータ回転数をICチップ51の記憶部に格納しておく。そして、カートリッジ挿入後、当該累積モータ回転数、即ちモータが何回転したかを読み出し、サプリメント初期量に対応する最大回転可能数と比べることで残余回転可能数を特定することにより、その時のサプリメント残量が特定される。このようにICチップ51を利用して特定されたサプリメント残量を含む情報に基づいて、サプリメント決定部282によってサプリメント配合基準情報がさらに調整される。
【0100】
なお、上記のようなICチップ51によるサプリメントの残量検知を行わず、供給部440で予めカートリッジ50の容量を記憶し、入力部451を介してカートリッジ50の交換が行われたことをサプリメント供給装置400に入力する、あるいは、サプリメントの残量検出を行う必要がない場合は、必ずしも本記述のICチップ51やその読取り部を具備する必要はない。なお、
図6および
図7に示した上記筐体はあくまでも例示に過ぎず、これに限定されない。
【0101】
次に、
図8から
図18は、管理サーバ装置100のストレージ12が備える各種記憶部12A~12Kを構成するテーブル構造の例を示す。
図8は、ストレージ12上に設けられたユーザ情報テーブル500であり、ユーザ情報記憶部12Aを実現する。ユーザ情報テーブル500には、ユーザIDにサプリメント供給を受けるユーザの識別子およびスポーツジムなどの運動施設の会員識別子が関連付けられている。
図8のユーザ情報テーブル500は、ユーザ情報管理部141によってユーザの基本情報が管理される。ユーザの基本情報は、ユーザがサービスに申し込む際に初期登録される。
【0102】
図9は、ユーザ毎のサプリメント供給の履歴に係るユーザ履歴テーブル510であり、ユーザ履歴記憶部12Bに対応する。ユーザ履歴テーブル510は、ユーザ履歴管理部142によって、ユーザがサプリメントの供給を受ける都度、ユーザ履歴IDごとにレコード追加して履歴情報が格納および更新される。ユーザ履歴IDにはユーザID、利用したサプリメント供給装置ID、利用日時、および供給結果等が関連付けられている。
【0103】
図10は、サプリメント供給装置400によるサプリメント吐出履歴に係る吐出履歴テーブル520、
図11は、サプリメント供給装置管理テーブル530であり、これらのテーブルは、サプリメント供給装置記憶部12Cに対応する。吐出履歴テーブル520は、ユーザ履歴IDと関連付けられた、サプリメントを吐出したカートリッジに係るカートリッジIDおよび吐出回転量が吐出履歴IDごとに格納されている。吐出履歴テーブル520は、ユーザ履歴管理部142によって更新されることができる。
【0104】
サプリメント供給装置管理テーブル530では、サプリメント供給装置管理部143によって、スポーツジムやリハビリ施設等に設置されることになるサプリメント供給装置400の設置情報が管理される。即ち、サプリメント供給装置に割り当てられる一意のサプリメント供給装置IDに対し、例えば、サプリメント供給装置の設置場所、設置施設、並びに設置開始日および設置終了日(継続使用中の場合はNULL)等が関連づけられる。
【0105】
図12は、サプリメント供給装置400のカートリッジ情報を記憶するカートリッジ管理テーブル540(カートリッジ記憶部12D)、
図13は、サプリメントの1日の耐容上限量を記憶するサプリメント管理テーブル550(耐容上限量記憶部12F)である。
【0106】
カートリッジ管理テーブル540は、カートリッジ管理部144によって、サプリメント供給装置400に搭載可能なカートリッジの情報が管理される。カートリッジに割り当てられる一意のカートリッジIDに対し、カートリッジ内部に収容されるサプリメントの収容サプリメントIDやカートリッジの製造年月日、消費期限年月日が関連づけられる。収容されるサプリメントの初期量を関連づけて管理してもよい(非図示)。なお、カートリッジIDと収容サプリメントIDは別個のものでなくてもよい。設置されたサプリメント供給装置400において、スロット部441のどのスロット(例えば、一番端のスロット)にどのサプリメント(カートリッジ)が取り付けられているかについては、サプリメント供給装置400の維持管理者によって任意選択可能である。
【0107】
サプリメント管理テーブル550は、サプリメント配合支援管理部145によって、サプリメントを一意に特定するサプリメントIDに関連づけられるサプリメント種別が管理される。例えば、「サプリメントID:1」に対しては、「サプリメント種別:ビタミンC」が関連付けられる。また、当該サプリメント種別のカートリッジ1回転あたりの抽出量も併せて規定される。これは、サプリメントごとに紛体密度が異なり、サプリメント種別毎に回転数と抽出量(mg)を関連づける必要があるからである。
図6、7で説明したように、カートリッジに具備されたICチップを通じてカートリッジIDが読み取られると、サプリメント供給装置400、またはユーザ装置200や管理サーバ装置100がカートリッジ管理テーブル540およびサプリメント管理テーブル550を参照することにより、スロット部441に搭載されたカートリッジが特定される。
【0108】
図14は、運動情報テーブル560(運動情報記憶部12G)であり、フィットネス機器のIDと運動の種別とが関連付けられている。運動情報テーブル560は、運動情報管理部147によってフィットネス機器のIDに関連付けられる運動の種別が管理される。
【0109】
図15は、目的情報テーブル561(目的情報記憶部12H)であり、ユーザIDごとにユーザによる入力操作などによって受け付けられたユーザの健康に関する目的が関連付けられている。目的情報テーブル561は、目的情報管理部148によってユーザごとに設定される健康に関する目的が管理される。
【0110】
図16は、栄養素情報テーブル562(栄養素情報記憶部12I)であり、運動の種別およびユーザの健康に関する目的との連関を有する栄養素情報が登録されている。栄養素情報テーブル562は、栄養素情報管理部149によって、運動とユーザの健康に関する目的との連関を有する栄養素が管理される。より具体的には、栄養素情報テーブル562は、ユーザIDごとに生成することができ、
図16に示すように、運動、健康に関する目的、栄養素、および栄養素の配合量を関連付けて登録することができる。栄養素情報テーブル562は、事前に用意された連関性に関する栄養素情報に加えて、後述するように、ユーザにサプリメントを供給したのちにユーザから入力されるサプリメントの供給に関するレビュー(評価)に基づいて、連関性情報が更新される。
【0111】
図17は、身体情報テーブル563(身体情報記憶部12J)であり、ユーザIDごとに身長、体重、性別、体脂肪率、筋肉量、年齢、体脂肪率の変化量等のユーザの身体的特性および身体情報、ならびに身体情報の変化量が関連付けて記憶されている。身体情報テーブル563は、身体情報管理部150によって管理される。なお、身体情報テーブル563には、これらの他にも、生活習慣に関する情報、例えば、喫煙の有無、睡眠時間、活動量などをユーザIDに関連付けることができる。
【0112】
図18は、運動履歴テーブル564(運動履歴記憶部12K)であり、ユーザIDごとの各運動の開始および終了日時が記憶されている。運動履歴テーブル564は、運動履歴管理部151によって、ユーザが各運動を行った時刻情報が管理される。
【0113】
これらのテーブル群は、主に管理サーバ装置100のメモリ11やストレージ12において管理される。加えて、ユーザ装置200やサプリメント供給装置400においても管理サーバ装置100と同期しながら格納するのがよい。つまり、テーブル群は上記のいずれの要素にも格納でき、それぞれのプロセッサによりローカルおよび/またはグローバルに参照可能とするのがよい。また、当該テーブル群のセットを部分的に任意に分散配置させてもよい。なお、上記のテーブル群はあくまで例示に過ぎず、本発明は、ここに挙げたテーブルの構成、種類、項目、データ内容やデータ型等に限定されるべきではないことが当業者によって理解されて然るべきである。
【0114】
[サプリメント配合支援システムの動作]
次に、上述した構成を有するサプリメント配合支援システム1の動作を、
図19のシーケンス図を参照して説明する。
【0115】
図19に示すように、まず、サプリメント供給装置400のサプリメント残量特定部443は、各カートリッジの残量と自装置のステータスを判定する(ステップS401)。判定結果は、サプリメント供給装置400の送受信部422からネットワーク2を介して管理サーバ装置100に送信される。次に、管理サーバ装置100のサプリメント供給装置管理部143は、送受信部123より受信したステップS401でのカートリッジ残量とサプリメント供給装置400のステータスに基づいて、サプリメント供給装置管理テーブル530のサプリメント供給装置情報を更新する(ステップS101)。
【0116】
一方、ユーザ装置200においてアプリケーションが起動され(ステップS201)、ユーザ認証部242によってユーザ情報テーブル500を参照して、管理サーバ装置100のユーザ情報管理部141との間でログイン処理を行う(ステップS202、ステップS102)。より具体的には、ユーザ装置200の表示部252に表示されたユーザに固有の情報を含むバーコードを、サプリメント供給装置400のユーザ認証部431に読み込ませることでログイン処理を行うことができる。
【0117】
その他にも、バーコードに限らず、BLEを用いた無線認証や、ワンタイムパスコードをサプリメント供給装置400の表示画面(入出力部421)又はユーザ装置200の表示部252に表示させて、他方の装置にそのワンタイムパスコードを入力することで認証するなど、任意のログイン処理の方法を採用することができる。ステップS202でのユーザログインは、サプリメント配合支援システム1により提供されるサービスへのログイン処理である。
【0118】
ユーザ装置200の入出力部222は、ユーザの識別子をサプリメント供給装置400に提供する(ステップS203)。例えば、ユーザ装置200は、識別子を含むデータをBLE等の近距離無線通信などにより運動施設に設定されているサプリメント供給装置400に提供することができる。ユーザの識別子を受け取ったサプリメント供給装置400のユーザ特定部425およびユーザ認証部426は、ユーザの特定および認証を行う(ステップS402)。その後、サプリメント供給装置400の送受信部422は、ユーザの識別子およびサプリメント供給装置400の装置IDを管理サーバ装置100に送信する(ステップS403)。
【0119】
次に、ユーザ装置200の第2取得部272は、入出力部222からユーザの健康に関する目的の入力操作を受け付け、設定する(ステップS204)。第2取得部272が取得したユーザの健康に関する目的は、管理サーバ装置100の目的情報テーブル561に保存される(ステップS103)。
【0120】
続いて、ユーザがスポーツジム等のフィットネス機器300を使用する。この際、ユーザ装置200の第1取得部271が、カメラ27を用いてフィットネス機器300に設けられている二次元コード30を読み取ると(ステップS205:YES)、管理サーバ装置100の運動履歴テーブル564にフィットネス機器300のIDと開始時間とが保存される(ステップS104)。
【0121】
ユーザ装置200の第1取得部271は、ユーザがフィットネス機器300を変更して運動するたびに、ユーザが使用するフィットネス機器300の二次元コード30を読み取り、読取時間が運動開始時間、または終了時間として、運動履歴テーブル564に保存される。
【0122】
次に、ユーザ装置200の第1取得部271は、ステップS205で読み取った二次元コード30に基づいて、運動情報テーブル560を参照し、二次元コード30に対応する運動の種別を特定する(ステップS206)。次に、ユーザ装置200の探索部281は、栄養素情報テーブル562において、ステップS204で設定されたユーザの健康に関する目的と、ステップS206で特定された運動の種別と連関を有する栄養素情報を探索する(ステップS207)。
【0123】
続いて、サプリメント決定部282は、ステップS207で探索して得られた栄養素情報に基づいて、栄養素の種別および栄養素の配合量を決定する(ステップS208)。決定された栄養素の種別と配合量は、サプリメント供給装置400に送出する。その後、サプリメント供給装置400の供給部440は、決定された栄養素の種別および配合量を有するサプリメントを供給する(ステップS404)。さらに、サプリメント供給装置400は、インターフェース部420からサプリメントの供給結果を管理サーバ装置100に送信する(ステップS405)。
【0124】
供給結果を受信した管理サーバ装置100は、ユーザ履歴テーブル510に供給結果を保存する(ステップS105)。一方、ユーザ装置200の表示部252において、サプリメントの供給に係る栄養素情報を表示させる(ステップS209)。
【0125】
その後、ユーザ装置200の類推部284は、ステップS205で、フィットネス機器300の二次元コード30の読み取りが行われた時刻情報に基づいて、ユーザが運動を行った時間を類推する(ステップS210)。具体的には、類推部284は、運動履歴テーブル564を参照し、ユーザが運動を行った第1番目のフィットネス機器300の二次元コード30の読み取り時刻から、第2番目のフィットネス機器300の二次元コード30の読み取り時刻までの時間を、第1番目のフィットネス機器300を用いて運動を行った時間と類推する。
【0126】
次に、ユーザ装置200の第1比較部285は、ユーザの身体的特性の値から一定範囲内の値の身体的特性を有し、かつ、サプリメントの供給を受けた複数のユーザ間の、運動に関する情報と、身体情報の変化量とを比較する(ステップS211)。
【0127】
具体的には、第1比較部285は、身体情報テーブル563、目的情報テーブル561、ユーザ履歴テーブル510、運動履歴テーブル564を参照し、ユーザと類似する身長、体重、年齢、性別などの身体的特性を有する複数のユーザをグルーピングする。さらに、第1比較部285は、同じあるいは同様のサプリメントの供給を受けているユーザ間において、あるユーザAはランニングを高頻度で行ったことにより、ランニングを行っていないユーザBと比較して、体脂肪率が大幅に減少しているという比較結果を得ることができる。
【0128】
続いて、生成部286は、ステップS211での比較結果に基づいて、ユーザの健康に関する目的に応じた運動支援情報を生成する(ステップS212)。例えば、生成部286は、ステップS211での比較結果により、ユーザBの健康に関する目的がダイエットである場合に、ランニングマシンの使用およびその頻度、あるいは、同様の運動効果を得られるステップマシンの使用およびその頻度を示す情報を運動支援情報として生成することができる。
【0129】
次に、ユーザ装置200の第2比較部287は、サプリメント供給装置400によるサプリメントの供給を受けたユーザの身体情報の変化量と、当該サプリメントの供給を受けていないユーザの身体情報の変化量とを比較する(ステップS213)。具体的には、第2比較部287は、身体情報テーブル563、およびユーザ履歴テーブル510を参照し、特定のサプリメントの供給を受けたユーザAの体脂肪率などの変化量と、このサプリメントの供給を受けていなユーザBの体脂肪率などの変化量とを比較する。
【0130】
続いて、評価部288は、ステップS213での比較結果に基づいて、特定のサプリメントの供給を受けたユーザの身体情報の変化量に対する、当該サプリメントの供給の寄与度を算出して、評価する(ステップS214)。
【0131】
次に、身体変化演算部283は、ユーザの身体情報、生活習慣情報、センサ部26によって取得される生体情報および外的環境情報から、ユーザが運動を行い、かつ、サプリメントを摂取する前後における、ユーザの身体情報の変化量を演算する(ステップS215)。身体変化演算部283は、身体情報テーブル563、ユーザ履歴テーブル510、運動履歴テーブル564を参照して、外的要因を取り除いたうえで、サプリメント供給および運動を行う前と後での体脂肪率などの変化量を演算する。このような身体情報の変化量により、サプリメント供給および運動がユーザの身体情報に与えた影響を解析することができる。
【0132】
その後、ユーザ装置200の表示部252は、ステップS212で生成された運動支援情報、ステップS214で得られたサプリメント供給の寄与度およびその評価、およびステップ215で求められた身体情報の変化量を表示する(ステップS216)。
【0133】
続いて、ユーザ装置200の入出力部222において、サプリメント供給サービスを受けたユーザからのレビューを受け付ける(ステップS217)。ステップS217で受け付けられるレビューとは、サプリメント配合支援システム1により、運動および栄養の両側面が考慮されたサプリメントの供給を受けたユーザの主観的な体調や気分や満足度等に関する評価である。
【0134】
ステップS217で受け付けられたユーザのレビューは、栄養素情報テーブル562にフィードバックされ、運動および健康に関する目的との連関性を有する栄養素情報が更新される(ステップS106)。栄養素情報デーブル562は、前述したようにユーザ毎に設けることができる。この場合には、ステップS217で受け付けられたユーザ毎のレビューに基づいて、ステップS106において、栄養素情報テーブル562をユーザ毎に更新することができる。したがって、探索部281は、ステップS207において運動および健康に関する目的と連関を有する栄養素情報を探索する際には、ステップS217において受け付けられたユーザのレビューが反映された連関性に基づいて探索が行われる。
【0135】
以上説明したように、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システム1によれば、ユーザが行う運動と、健康に関する目的との連関を有する栄養素情報を栄養素情報テーブル562において探索し、探索して得られた栄養素情報に基づいて、栄養素の種別および配合量を決定する。そのため、個々のユーザの健康維持や増進を達成するために、運動と栄養との連関性に基づいたより効果的なサプリメントの配合支援を行うことができる。
【0136】
また、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システム1によれば、ユーザ同士の運動に関する情報やサプリメントの摂取情報を比較することにより、個々のユーザの健康に関する目的に応じた運動支援情報を提示することができる。
【0137】
なお、説明した実施の形態では、第1取得部271は、カメラ27により撮影されたフィットネス機器300の二次元コード30を読み取ることにより、ユーザが行う運動に関する情報を取得する場合について説明した。しかし、第1取得部271が運動に関する情報を取得する方法は、二次元コード30の読み取りに限らない。例えば、第2取得部272は、フィットネス機器300が設置されたスポーツジムやリハビリ施設に設定されたカメラで撮影された画像についての画像認識を行い、ユーザおよびユーザが使用するフィットネス機器300の物体検出を行い、運動に関する情報を取得することができる。例えば、R-CNN、SSD、YOLO、Fast R-CNN等のディープラーニングによりユーザとフィットネス機器300とを物体検出し、検出された物体のクラスや位置を推論することで、運動に関する情報を取得することができる。
【0138】
また、説明した実施の形態では、フィットネス機器300に二次元コード30が付されている場合について説明した。しかし、ユーザが行う運動に関する情報が取得できれば、運動の種類が特定できるスタジオや、スイミングプールなどの運動施設やリハビリ施設に設置された二次元コード30を読み取る構成とすることもできる。また、運動に関する情報の取得方法についても、二次元コード30の読み取りだけでなく、BLE、NFC、RFID等の近距離無線通信により取得することができる。
【0139】
このように、本実施の形態に係るサプリメント配合支援システム1は、ユーザがフィットネス機器300を使用するごとに入力操作を行う必要がないため、ユーザの負担を減らして、サプリメント配合システムの効率性を向上させることができる。
【0140】
また、説明した実施の形態では、提示部が表示部252により構成され、視覚情報として栄養素情報や、時間情報、評価結果等を出力する場合について説明した。しかし、提示部は表示部252として構成される場合だけでなく、音声や、視覚情報と振動との組み合わせなどにより情報を提示することができる。
【0141】
以上、本発明のサプリメント配合支援システムおよびサプリメント配合支援方法における実施の形態について説明したが、本発明は説明した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に記載した発明の範囲において当業者が想定し得る各種の変形を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0142】
1…サプリメント配合支援システム、2…ネットワーク、10,20,40…プロセッサ、11,21,41…メモリ、12,22,42…ストレージ、13,23,43…通信インターフェース、14,24,44…入出力インターフェース、25,45…タッチパネル、26,46…センサ部、47…配合部、48…吐出部、251,451…入力部、252,452…表示部、100…管理サーバ装置、200…ユーザ装置、300…フィットネス機器、400…サプリメント供給装置。
【要約】
【課題】健康維持や増進を達成するために、運動と栄養との連関性に基づいたより効果的なサプリメントの配合支援を行うことを目的とする。
【解決手段】
サプリメント配合支援システム1は、ユーザが行う運動に関する情報を取得する第1取得部271と、ユーザの健康に関する目的を取得する第2取得部272と、運動に関する情報と健康に関する目的との連関を有する栄養素情報を記憶する栄養素情報記憶部12Iと、運動に関する情報と健康に関する目的との連関を有する栄養素情報を栄養素情報記憶部12Iから探索する探索部281と、探索して得られた栄養素情報に基づいて、栄養素の種別および栄養素の配合量を決定するサプリメント決定部281と、探索して得られた栄養素情報を提示する表示部252とを備える。
【選択図】
図1