(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】薄型集積ヒューズモジュール
(51)【国際特許分類】
H01H 85/20 20060101AFI20231205BHJP
H01H 85/12 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
H01H85/20 B
H01H85/20 D
H01H85/12
(21)【出願番号】P 2022547980
(86)(22)【出願日】2021-02-11
(86)【国際出願番号】 US2021017545
(87)【国際公開番号】W WO2021163250
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-10-03
(32)【優先日】2020-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519226506
【氏名又は名称】リテルフューズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウレア、ジュリオ
(72)【発明者】
【氏名】ボールド、ギャリー
(72)【発明者】
【氏名】ペレス、ヘクター
(72)【発明者】
【氏名】ユルカニン、マット
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/051375(WO,A1)
【文献】特表2014-526782(JP,A)
【文献】特開2018-010768(JP,A)
【文献】特開2013-110055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 85/20
H01H 85/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気絶縁性材料で形成された取り付けブロックであって、前記取り付けブロックは、ベースから延在する後壁を含む、取り付けブロックと、
ヒューズプレートであって、
前記後壁の後面に隣接して配置された導電性バスバーと、
前記導電性バスバーに電気的に接続され、前記後壁の前面に隣接して配置された可溶要素と、
前記可溶要素に電気的に接続され、前記ベースの上部に延在するヒューズ端子と
を有する、ヒューズプレートと、
電気コンポーネントへの接続を容易にするために、前記ベースの前記上部から前記ヒューズ端子を通って延在する導電性端子ポストと
を備える、ヒューズモジュール。
【請求項2】
前記導電性バスバーは平面状であり、前記後壁の前記後面と平行な関係で配置される、請求項1に記載のヒューズモジュール。
【請求項3】
前記導電性バスバーから垂直に延在して、その中に形成された取り付け開口部を有する取り付けタブを更に備える、請求項1に記載のヒューズモジュール。
【請求項4】
前記取り付けタブは前記ヒューズ端子と平行な関係で配置される、請求項3に記載のヒューズモジュール。
【請求項5】
前記取り付けタブは、前記導電性端子ポストから離れるように前記導電性バスバーから後方に延在する、請求項3に記載のヒューズモジュール。
【請求項6】
前記取り付けタブは、前記取り付けブロックの長手方向端部を超えて延在する前記導電性バスバーの延長された部分の上端から、前記導電性端子ポストに向かって前方に延在する、請求項3に記載のヒューズモジュール。
【請求項7】
前記導電性バスバーの前記延長された部分は、前記導電性バスバーを形成する金属シートの連続した延在部である、請求項6に記載のヒューズモジュール。
【請求項8】
前記導電性バスバーの前記延長された部分は、前記導電性バスバーとは別体で、前記導電性バスバーに機械的に結合される金属片で形成される、請求項6に記載のヒューズモジュール。
【請求項9】
前記ヒューズプレートの一部は前記取り付けブロック内に埋め込まれている、請求項1に記載のヒューズモジュール。
【請求項10】
前記ヒューズ端子は第1のヒューズ端子であり、前記可溶要素は第1の可溶要素であり、前記ヒューズモジュールは、
前記導電性バスバーに電気的に接続され、前記後壁の前記前面に隣接して配置された第2の可溶要素と、
前記第2の可溶要素に電気的に接続され、前記ベースの前記上部に延在する第2のヒューズ端子と
を更に備える、請求項1から9のいずれか一項に記載のヒューズモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2017年9月8日に出願された「Low Profile Integrated Fuse Module」と題する米国仮特許出願第62/555,741号、および2018年2月27日に出願された「Low Profile Integrated Fuse Module」と題する米国仮特許出願第62/635,903号の利益を主張する、2018年9月10日に出願された「Low Profile Integrated Fuse Module」と題するPCT特許出願第PCT/US2018/050202号の371出願である、2020年2月11日に出願された「Low Profile Integrated Fuse Module」と題する米国特許出願第16/638,378号の一部継続出願であり、その優先権の利益を主張する。これらの出願はすべてその全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、概して、回路保護デバイスの分野に関し、より具体的には、自動車用バッテリ応用に適した薄型集積ヒューズモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
世界の自動車市場では、自動車エンジン室内に配置され、自動車用バッテリ端子に接続される、いわゆる「プレヒューズボックス」を実装することに向かう傾向がある。自動車におけるプレヒューズボックスの主目的は、事故発生時などに発生し得る、大電流が流れる電線における短絡により引き起こされることがある電気障害を防止することである。
【0004】
既存のプレヒューズボックスは、一般的に非常に大きく、当該プレヒューズボックスと自動車用バッテリとの間の電気的接続を提供する可撓性導電性リードとともに自動車用バッテリに隣接して取り付けられる。このタイプの配置は、空間が既に非常に限られている自動車エンジン室内にかなり大きな空間を必要とする。いくつかの実装例では、プレヒューズボックスは自動車用バッテリの端子に直接に接続され、プレヒューズボックスがバッテリの上方および自動車のフードの下方にある必要な空の「歩行者保護領域」内に延在しないように、プレヒューズボックスの大部分がバッテリの側面から離れて垂れ下がっている。しかしながら、このような「垂れ下がっている」構成では、プレヒューズボックスにおける、設計の複雑さおよびコストを高める歪み緩和機能が必要となる。
【0005】
これらおよび他の考慮事項に関して、本発明の改善は有用であり得る。
【発明の概要】
【0006】
この概要は、発明を実施するための形態において以下で更に説明される概念の選択を簡略化した形態で導入するために提供される。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また特許請求される主題の範囲を定義するにあたっての助けであることも意図されない。
【0007】
本開示の例示的な実施形態によるヒューズモジュールは、電気絶縁性材料で形成された取り付けブロックであって、前記取り付けブロックは、ベースから延在する後壁を含む、取り付けブロックと、ヒューズプレートであって、前記後壁の後面に隣接して配置された導電性バスバーと、前記バスバーに電気的に接続され、前記後壁の前面に隣接して配置された可溶要素と、前記可溶要素に電気的に接続され、前記ベースの上部に延在するヒューズ端子とを有する、ヒューズプレートとを備えてよい。前記ヒューズモジュールは、電気コンポーネントへの接続を容易にするために、前記ベースの前記上部から前記ヒューズ端子を通って延在する導電性端子ポストを更に備えてよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の例示的な実施形態によるヒューズモジュールを示す正面斜視図である。
【0009】
【
図2a】
図1に示すヒューズモジュールの取り付けブロックおよび端子ポストを示す斜視図である。
【0010】
【
図2b】
図2aに示すヒューズモジュールの取り付けブロックおよび端子ポストを示す断面図である。
【0011】
【
図2c】
図1に示すヒューズモジュールの端子ポストを示す詳細斜視図である。
【0012】
【
図3】
図1に示すヒューズモジュールのヒューズプレートを示す平面図である。
【0013】
【
図4a】
図1に示すヒューズモジュール10の組立中に、
図3に示すヒューズプレートを曲げるまたは折り畳むことができる方法を示す一連の斜視図である。
【
図4b】
図1に示すヒューズモジュール10の組立中に、
図3に示すヒューズプレートを曲げるまたは折り畳むことができる方法を示す一連の斜視図である。
【
図4c】
図1に示すヒューズモジュール10の組立中に、
図3に示すヒューズプレートを曲げるまたは折り畳むことができる方法を示す一連の斜視図である。
【
図4d】
図1に示すヒューズモジュール10の組立中に、
図3に示すヒューズプレートを曲げるまたは折り畳むことができる方法を示す一連の斜視図である。
【
図4e】
図1に示すヒューズモジュール10の組立中に、
図3に示すヒューズプレートを曲げるまたは折り畳むことができる方法を示す一連の斜視図である。
【0014】
【
図5】
図1に示すヒューズモジュールを示す背面斜視図である。
【0015】
【
図6】
図1に示すヒューズモジュールが自動車用バッテリに設置されていることを示す正面図である。
【0016】
【
図7a】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す斜視図である。
【
図7b】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す斜視図である。
【0017】
【
図8a】
図1に示すヒューズモジュールの更なる代替的な実施形態を示す斜視図および断面図である。
【
図8b】
図1に示すヒューズモジュールの更なる代替的な実施形態を示す斜視図および断面図である。
【
図8c】
図1に示すヒューズモジュールの更なる代替的な実施形態を示す斜視図および断面図である。
【
図8d】
図1に示すヒューズモジュールの更なる代替的な実施形態を示す斜視図および断面図である。
【
図8e】
図1に示すヒューズモジュールの更なる代替的な実施形態を示す斜視図および断面図である。
【0018】
【
図9a】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図である。
【
図9b】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図である。
【
図9c】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図である。
【
図9d】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図である。
【0019】
【
図10a】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図および断面図である。
【
図10b】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図および断面図である。
【
図10c】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図および断面図である。
【
図10d】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図および断面図である。
【
図10e】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図および断面図である。
【0020】
【
図11a】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図である。
【
図11b】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図である。
【
図11c】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図である。
【0021】
【
図12a】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す斜視図である。
【
図12b】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す斜視図である。
【0022】
【
図13a】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す斜視図である。
【
図13b】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す斜視図である。
【0023】
【
図14a】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図である。
【
図14b】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図である。
【
図14c】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図である。
【
図14d】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図である。
【0024】
【
図15a】
図14a~14dに示すヒューズモジュールの代替的実施形態を示す斜視図である。
【
図15b】
図14a~14dに示すヒューズモジュールの代替的実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示による薄型集積ヒューズモジュールが、ここで、添付図面を参照してより十分に説明される。添付図面には、ヒューズモジュールの好ましい実施形態が示されている。しかしながら、ヒューズモジュールは、多くの異なる形態で具現化されてよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではないことが理解されるであろう。むしろ、これらの実施形態は、本開示がヒューズモジュールの特定の例示的な態様を当業者に伝えるように提供されている。
【0026】
図1を参照すると、本開示の例示的で非限定的な実施形態による薄型集積ヒューズモジュール10(以下、「ヒューズモジュール10」)を示す斜視図が示されている。以下により詳細に説明するように、ヒューズモジュール10は、ヒューズモジュール10と自動車用バッテリとの間に延在する可撓性電気導体がない状態で自動車用バッテリの正極端子に直接に結合されてよく、バッテリによって給電される複数の電気負荷に対する過電流保護を提供してよい。有利には、ヒューズモジュール10は、薄型を有し、現在市場で入手可能なプレヒューズボックスに比べてコンパクトで省スペースなフォームファクタでヒューズモジュール10を実装することを可能にする集積された取り付け構造を含んでいる。
【0027】
便宜上且つ明瞭性のために、「前部」、「後部」、「上部」、「底部」、「上」、「下」、「鉛直」、および「水平」などの用語は、本明細書において、ヒューズモジュール10の様々なコンポーネントの相対的な配置および向きを説明するのに用いられてよく、それぞれの用語は、ヒューズモジュール10が
図1に現れているのと同様のジオメトリおよび向きを基準にしている。上記用語には、具体的に言及された単語、その派生語、および同義語が含まれてよい。
【0028】
ヒューズモジュール10は、概して、取り付けブロック12と、複数の端子ポスト14a~dと、ヒューズプレート16と、カバー18とを備えてよい。
図2aを参照すると、取り付けブロック12および端子ポスト14a~dを示す斜視図が示され、ヒューズプレート16およびカバー18は明瞭性のために省略されている。取り付けブロック12は、電気絶縁性材料(例えば、プラスチック、ポリマなど)で形成された細長い本体であってよく、一般に、
図2bに最もよく示されるように、実質的にL字型の断面を画定するために直角に互いに隣接するベース20および後壁22を含んでよい。複数のベース隆起(ridge)24a~eおよび後壁隆起26a~eは、それぞれベース20の上面および後壁22の後面から、端子ポスト14a~dの中間におよび/または端子ポスト14a~dに隣接して水平に延在してよい。取り付けブロック12は、その長手方向端部から延在する実質的に平面状の圧着フランジ25a、bを更に含んでよい。
【0029】
端子ポスト14a~dは、ベース隆起24a~eの中間に配置されてよく、ベース20の上面から後壁22の高さと実質的に等しい高さまで鉛直に延在してよい。端子ポスト14a~dは、その下端から延在する、それぞれの取り付けフランジ28a~dを有するそれぞれのねじ軸27a~dを含んでよい。取り付けフランジ28a~dは、
図2bに最もよく示されるように、ベース20におけるそれぞれの空洞30a~d内に配置されてよい。フランジ28a~dの上面は露出されてよく、ベース20の上面と実質的に同一平面上に、または僅かに上方に配置されてよい。一例において、取り付けブロック12のベース20は、フランジ28a~d上にオーバーモールドされてよい。フランジ28a~dは、歯車の歯に類似した半径方向の突起32(
図2cを参照)を含んでよく、これは、空洞30a~d内のフランジ28a~dの回転を防止してよい。
【0030】
図3を参照すると、ヒューズプレート16を分離して組立られていない状態で示す平面図が示されている。ヒューズプレート16は導電性材料の単片(例えば、銅シートからプレス加工されたもの)から形成されてよく、それぞれの可溶要素36a~dによってバスバー34に接続された複数のヒューズ端子32a~dを含んでよい。ヒューズプレート16は、4つのヒューズ端子32a~dおよび4つの可溶要素36a~dを含むように描かれているが、これは限定することを意図しておらず、ヒューズプレート16は本開示から逸脱せずにより少ない数(1つと同じぐらい少ない)またはより多い数のヒューズ端子および可溶要素を含み得ることが想定される。非限定的で例示的な実施形態において、ヒューズプレート16は1ミリ厚の銅シートで形成されてよく、それぞれの可溶要素36a~dは80アンペアの定格を有してよい。ヒューズプレート16はこの点で限定されず、ヒューズプレート16は、可溶要素36a~dにおける異なる電流定格を達成するために、様々な他の導電性材料で形成されてもよく、および/または異なる厚さを有してもよいことが理解されるであろう。
【0031】
ヒューズプレート16は、バスバー34の後部および長手方向端部からそれぞれ延在する第1および第2の圧着タブ38a、bを更に含んでよい。バスバー34は、その長手方向端部に隣接してそれを通して形成された取り付け開口部40を更に含んでよく、ヒューズ端子32a~dは、それを通して形成されたそれぞれの取り付け開口部42a~dを含んでよい。
【0032】
ヒューズモジュール10の組立中、ヒューズプレート16は、その様々な表面と実質的に適合する関係で、取り付けブロック12に巻き付けられ、固定され得るように、曲げられ、または折り畳まれてよい。例えば、
図4a~4eを参照すると、ヒューズモジュール10の組立中、ヒューズプレート16は曲げられ、または折り畳まれてよい1つの方法を示す一連の図が提示されている。具体的には、
図4aに示す第1の組立段階において、ヒューズ端子32a~dは、バスバー34に平行であり且つ可溶要素36a~dに近接する第1の折り線L1を中心に第1の方向に90度曲げられ、または折り畳まれてよく、バスバー34に平行であり且つ第1の折り線L1と取り付け開口部42a~dとの中間にある第2の折り線L2を中心に第1の方向と反対の第2の方向に90度曲げられ、または折り畳まれてよい。
【0033】
図4bに示す第2の組立段階において、ヒューズプレート16は、曲げられたヒューズ端子32a~dがベース20の上面および後壁22の前面と係合して配置され、端子ポスト14a~dがそれぞれ取り付け開口部42a~d(視界外)を通って延在している状態で取り付けブロック12上に配置されてよい。このようにヒューズプレート16が位置決められた状態で、ヒューズ端子32a~dは、バスバー34に平行であり且つ第1の折り線L1(
図4a参照)と可溶要素36a~dとの中間にある第3の折線L3を中心に90度曲げられ、または折り畳まれてよい。可溶要素36a~dは、可溶要素36a~dが後壁22の後面から後壁隆起26a~eの内側方向に延在する肩部48a~dのそれぞれのペアによって後壁22の後面から離れて配置されている状態で、後壁隆起26a~eのそれぞれのペアによって画定され且つそれらの中間に位置するそれぞれの凹部46a~dを覆うように延在してよい。可溶要素36a~dは、後壁の後面の後方に、且つ後面に隣接して配置されるものとして本明細書に示され、説明されているが、可溶要素36a~dのうちの1または複数が後壁22の前面の前方に、且つ前面に隣接して配置されてもよい本開示の様々な代替的実施形態が想定される。
【0034】
図4cに示す第3の組立段階において、ヒューズプレート16は、バスバー34に平行であり且つ第1の折り線L1とバスバー34との中間にある第4の折り線L4を中心に90度曲げられ、または折り畳まれてよい。したがって、バスバー34は、バスバー34の取り付け開口部40がベース20の長手方向端部を超えて位置した状態で、ベース20の底面と平らに当接して配置されてよい。
【0035】
図4dおよび4eに示す第4の組立段階において、第1および第2の圧着タブ38a、bは、それぞれ取り付けブロック12の圧着フランジ25a、bを中心に曲げられてよい。したがって、ヒューズプレート16は取り付けブロック12にしっかりと保持されてよい。圧着タブ38a、bおよび圧着フランジ25a、bの描かれた配置および構成は単なる例示であり、圧着タブ38a、bおよび圧着フランジ25a、bのうちの1または複数の配置、構成、位置、サイズ、および/または形状が本開示から逸脱せずに変化し得ることが理解されるであろう。また、ヒューズモジュール10の様々な代替的実施形態において、圧着タブ38a、bおよび圧着フランジ25a、bのうちの1または複数が省略されてよく、および/または、ヒューズプレート16が様々な機械的留め具、接着剤などのいずれかを使用して取り付けブロック12に固定されてもよいと想定されることが理解されるであろう。
【0036】
ここで
図5を参照すると、ヒューズモジュール10のカバー18は、取り付けブロック12を形成する材料と同様の電気絶縁性材料で形成されてよく、後壁48および上壁50によって画定される略L字形の断面形状を有する細長い部材であってよい。例えば、後壁48を取り付けブロック12の後壁22と平らに当接させて配置してよく、後壁48を後壁隆起26a~e(視界外)に超音波溶接するなどして、それにしっかりと固定してもよい。上壁50は、取り付けブロック12の後壁22の上端を覆うように延在してよい。カバー18は、可溶要素36a~d(視界外)を周囲の微粒子から保護するためだけでなく、過電流状態の間に発生し得る可溶要素36a~dにおける電気アークを閉じ込めるために、可溶要素36a~dを覆うように配置されてよい。
【0037】
図6を参照すると、ヒューズモジュール10が自動車用バッテリ51上に設置されていることを示す正面図が示されている。自動車用バッテリ51の正極端子52がバスバー34の取り付け開口部40を通して延在している状態で、ヒューズモジュール10の全体は自動車用バッテリ51の上面に配置されてよい。ナットまたは他の締結具(図示せず)は正極端子52上に締め付けられてよく、バスバー34を正極端子52に電気的に連通させて固定してよい。端子ポスト14a~dは、ねじ軸27a~dに締め付けられてよいナット(図示せず)を用いてヒューズ端子32a~dに対して電気的に連通させて固定されてよい導体のリング端子(図示せず)を受けてよい。したがって、ヒューズ端子32a~d、可溶要素36a~d、およびバスバー34を介して、自動車の様々な電気システムまたはコンポーネントは、可溶要素36a~dが自動車用バッテリ51とかかる電気システムまたはコンポーネントとの間の過電流保護を提供する状態で、自動車用バッテリ51の正極端子52に電気的に結合されてよい。
【0038】
本開示のヒューズモジュール10は、現在市場で入手可能なプレヒューズボックスに比べて、多くの利点を提供することが、当業者には理解されるであろう。例えば、ヒューズモジュール10の全体を、自動車用バッテリの正極端子との間に延在するいずれの可撓性導体なしに、自動車用バッテリの正極端子に直接、それに対して極めて近く取り付けることができる。これにより、従来のプレヒューズボックスに比べて、大幅な省スペース化および省材料化を提供する。追加的に、ヒューズモジュール10の薄型(すなわち、短い)フォームファクタに起因して、ヒューズモジュール10は、(
図6に示すように)全体が自動車用バッテリの上部に配置されてよく、自動車エンジン室内の他のコンポーネントの鉛直高さよりも短い鉛直高さに延在してよい。したがって、ヒューズモジュール10は、自動車のフードの下方の必要な歩行者保護区域内には延在しない。例えば、
図6に示すように、ヒューズモジュール10は、自動車用バッテリ51の正極端子52の鉛直高さよりも短い鉛直高さに延在する。追加的に、ヒューズモジュール10の全体は自動車用バッテリの上部に配置されることができるので、ヒューズモジュール10は、自動車用バッテリの側面に垂れ下がる従来のプレヒューズボックスの実装に対して一般的に必要であるいずれの歪み緩和機能または構造体を必要としない。
【0039】
図7aを参照すると、本開示の別の例示的な実施形態によるヒューズモジュール100が示されている。ヒューズモジュール100は上述のヒューズモジュール10と実質的に類似してよく、ヒューズプレート116が取り付けブロック112を中心に巻き付けられており、且つ端子ポスト114a~dがヒューズプレート116のヒューズ端子132a~dのそれぞれの取り付け開口部142a~dを通って延在している。ヒューズモジュール100は、取り付けブロック112が後壁(例えば、
図1に示す後壁22)を有しない点、および可溶要素136a~dが取り付けブロック112の上面におけるトラフまたは凹部146を覆うように延在する点で上述したヒューズモジュール10と相違する。
【0040】
追加的に、取り付けブロック112は圧着タブを有せず、且つ、ヒューズプレート116は、ヒューズプレート116を取り付けブロック112に固定するための(例えば、
図4dおよび4eに示す第1および第2の圧着タブ38a、bならびに第1および第2の圧着フランジ25a、bのような)圧着フランジを有しない。その代わりに、
図7bに示すように、ヒューズプレート116は、可溶要素136a~dおよび凹部146(視界外)を覆うように延在して、且つ取り付けブロック112に(例えば、超音波溶接、熱ステーキング、接着剤などを介して)結合されるカバー118によって取り付けブロック112に固定される。
【0041】
図8aを参照すると、本開示の別の例示的な実施形態によるヒューズモジュール200が示されている。ヒューズモジュール200は上述のヒューズモジュール10と実質的に類似してよく、ヒューズプレート216が取り付けブロック212を中心に巻き付けられており、端子ポスト214a~cがヒューズプレート216のヒューズ端子232a~cのそれぞれにおける取り付け開口部242a~cを通って延在している。ヒューズモジュール200は、ヒューズプレート216がそのバスバーの長手方向端部に(例えば、
図1に示すバスバー34の取り付け開口部40のような)取り付け開口部を有しない点で上述したヒューズモジュール10と相違する。むしろ、ヒューズプレート216は、入力端子232dがそこから延在する端子ポストの代わりに、それを通して形成された取り付け開口部240を有し、上記取り付け開口部240はヒューズプレート216のバスバー234に形成された取り付け開口部242と位置合わせされている(
図8bを参照)点を除いて、ヒューズ端子232a~cと実質的に類似する入力端子232dを有してよい。
図8bに示すヒューズモジュール200の入力端子232dおよび周囲のコンポーネントの断面図を参照すると、導電性管状スリーブ260は取り付けブロック212のベース220における貫通開口部262内に配置されてよく、入力端子232dとバスバー234との間に挟まれてよい。したがって、管状スリーブ260は入力端子232dとバスバー234との間の導電性経路を提供してよい。ヒューズモジュール200の代替的実施形態において、管状スリーブ260は電気絶縁性材料(例えば、プラスチック、サーモセットなど)で形成されてよく、したがって、電流を強制的に対応する可溶要素236dを通して流し、且つ電流が可溶要素236dを迂回してバスバー234と入力端子232dとの間を直接に流れることを防止してよい。
【0042】
図8cに示すヒューズモジュール200の例示的な実施態様を参照すると、ヒューズモジュール200は、その床部274に強固に固着され、且つその床部274から鉛直に延在する貫通ボルト272を有する電気絶縁性クレードル270内に配置されてよい。貫通ボルト272は、バスバー234における取り付け開口部242(
図8bを参照)、ベース220における貫通開口部262(
図8bを参照)および入力端子232dにおける取り付け開口部240を通して延在してよい。貫通ボルト272は、電力源(図示せず)から延在する導体のリング端子を受けてよく、リング端子が、貫通ボルト272上に締め付けられてよいナット(図示せず)を用いてそれに電気的に連通させて入力端子232dに対して固定されてよい。追加的に、端子ポスト214a~cは、保護されるべき電気コンポーネント(図示せず)から延在する導体のリング端子を受けてよく、リング端子が、ねじ軸227a~c上に締め付けられてよいナット(図示せず)を用いてそれに電気的に連通させてヒューズ端子232a~cに対して固定されてよい。電流は、入力端子232dから、管状スリーブ260を通して、バスバー234に流れてよく、したがって、(視界外であるが、例えば、上述して、
図3に示した可溶要素36a~dと実質的に同一である)それぞれの可溶要素を介してヒューズ端子232a~cに分配されてよい。したがって、様々な電気システムまたはコンポーネントは、可溶要素が電力源とかかる電気システムまたはコンポーネントとの間に過電流保護を提供する状態で、ヒューズ端子232a~c、それぞれの可溶要素(視界外)、バスバー234、および入力端子232dを介して電力源に電気的に結合されてよい。
【0043】
図8dを参照すると、ヒューズモジュール200の代替的実施形態が示されている。以下「ヒューズモジュール200-1」と呼ばれるこの代替的実施形態は、上述したヒューズモジュール200と同様であってもよいが、単一のヒューズ端子232-1のみを含んでもよい。ヒューズ端子232-1は、上述した入力端子232dと実質的に同様であってよく、それを通して形成された取り付け開口部240-1を有し、取り付け開口部240-1がヒューズプレート216-1のバスバー234に形成された取り付け開口部242-1と位置合わせされている(
図8eを参照)。
図8eに示すヒューズモジュール200-1の断面図を参照すると、電気絶縁性管状スリーブ260-1は、取り付けブロック212-1のベース220-1における貫通開口部262-1内に配置されてよく、ヒューズ端子232-1とバスバー234-1との間に挟まれてよい。管状スリーブ260-1は、電流を強制的に可溶要素236-1を通して流し、且つ電流が可溶要素236-1を迂回してバスバー234-1とヒューズ端子232-1との間に直接に流れることを防止してよい。したがって、電気システムまたはコンポーネントは、可溶要素236-1が電力源とかかる電気システムまたはコンポーネントとの間の過電流保護を提供する状態で、ヒューズ端子232-1、それぞれの可溶要素236-1、バスバー234、およびヒューズ端子232-1を介して電力源に電気的に結合されてよい。
【0044】
図9a~9dを参照すると、本開示の別の例示的な実施形態によるヒューズモジュール300が示されている。ヒューズモジュール300は、上述したヒューズモジュール10と実質的に同様であってよく、取り付けブロック312、複数の端子ポスト314a~d、その長手方向端部に取り付け開口部340を有するヒューズプレート316、およびカバー318を含んでよい。しかしながら、ヒューズモジュール10にある場合のようにヒューズプレート316を取り付けブロック312を中心に巻き付け、または折り畳む代わりに、取り付けブロック312は、ヒューズプレート316の一部が取り付けブロック312内に埋め込まれるように、予め折り畳まれたヒューズプレート316上に(例えば、インサート成形により)成形されてよい。上述したヒューズプレート16のヒューズ端子32a~dおよび可溶要素36a~dと実質的に同様であってよいヒューズプレート316のヒューズ端子332a~dおよび可溶要素336a~dは、露出したままであってよい。(
図9dでは省略された)カバー318は、可溶要素336a~dを周囲の微粒子から保護するだけでなく、過電流状態の間に発生し得る可溶要素336a~dにおける電気アークを閉じ込めるために、可溶要素336a~dを覆うように取り付けブロック312に固定されてよい。
【0045】
図10a~10cを参照すると、本開示の別の例示的な実施形態によるヒューズモジュール400が示されている。ヒューズモジュール400は、上述のヒューズモジュール300と実質的に同様であってよく、取り付けブロック412、複数の端子ポスト414a、414b、ヒューズプレート416、およびカバー418を含んでよく、取り付けブロック412は、ヒューズプレート416の一部が取り付けブロック412内に埋め込まれるように(例えば、インサート成形を介して)ヒューズプレート416に成形されてよい。ヒューズモジュール400は、ヒューズプレート416がそのバスバーの長手方向端部に(例えば、
図9aに示すバスバー334の取り付け開口部340のような)取り付け開口部を有しない点で上述したヒューズモジュール300と相違する。むしろ、ヒューズプレート416は、ヒューズ端子432bがそこから延在する端子ポストの代わりに、それを通して形成された取り付け開口部440を有し、上記取り付け開口部440はヒューズプレート416のバスバー434に形成された取り付け開口部442と位置合わせされている(
図10bを参照)点を除いて、ヒューズ端子432a、432cと実質的に類似するヒューズ端子432bを有してよい。追加的に、取り付け開口部442を囲むバスバー434の下側の一部435は、露出されてもよい(すなわち、取り付けブロック412によって覆われていなくてよい)。
【0046】
図10cに示すヒューズモジュール400のヒューズ端子432bおよび周囲のコンポーネントの断面図を参照すると、電気絶縁性管状スリーブ460は、取り付けブロック412のベース420内に配置されてよく(例えば、内に成形されてよく)、ヒューズ端子432bとバスバー434との間に挟まれてよい。したがって、管状スリーブ460は、電流を強制的に可溶要素436bを通して流し、且つ電流が可溶要素436bを迂回してバスバー434とヒューズ端子432bとの間に直接に流れることを防止してよい。管状スリーブ460は、プラスチック、セラミック、サーモセットなどを含むが、これらに限定されない任意の適した電気絶縁性材料で形成されてよい。ヒューズモジュール400の代替的実施形態では、管状スリーブ460は、導電性材料で形成されてよく、したがって、ヒューズ端子432bとバスバー434との間に、可溶要素436bを迂回するように電流がそれらの間に直接流れることを可能にするための分路を提供する。
【0047】
図10dおよび
図10eに示すヒューズモジュール400の例示的な実施態様を参照すると、導電性バッテリクランプ480は、貫通ボルト472がバッテリクランプ480からバスバー434の取り付け開口部442、管状スリーブ460(
図10c参照)およびヒューズ端子432bの取り付け開口部440を通して延在している状態で、バスバー434の露出部分435に結合されてよい。貫通ボルト472は、保護される電気コンポーネント(図示せず)から延在する導体のリング端子を受けてよく、リング端子が、貫通ボルト472に締め付けられてよいナット(図示せず)を用いてそれに電気的に連通させてヒューズ端子432bに対して固定されてよい。貫通ボルト472は、電流がバスバー434から貫通ボルト472を通してヒューズ端子432bに直接に分流する代わりに、可溶要素436bを通して流れることを確保するように、電気絶縁性材料上に形成されてよく、および/またはその他の方法でバッテリクランプ480から電気的に絶縁されてよい。追加的に、端子ポスト414a、414bは、保護されるべき電気コンポーネント(図示せず)から延在する導体のリング端子を受けてよく、リング端子が、端子ポスト414a、414bに締め付けられてよいナット(図示せず)を用いてそれに電気的に連通させてヒューズ端子432a、432cに対して固定されてよい。したがって、バッテリクランプ480は、
図10eに示すように、バッテリ482の正極端子に結合されてよく、電流はバッテリ482からバッテリクランプ480を通してバスバー434に流れてよく、したがって、(ここで、視界内にあるが、例えば、上述した
図3に示す可溶要素36a~dと実質的に同一である)それぞれの可溶要素を介してヒューズ端子432a~cに分配されてもよい。したがって、様々な電気システムまたはコンポーネントは、可溶要素がバッテリ482とかかる電気システムまたはコンポーネントとの間に過電流保護を提供する状態で、ヒューズ端子432a~c、それぞれの可溶要素(視界外)、バスバー434、およびバッテリクランプ480を介してバッテリ482に電気的に結合されてよい。
【0048】
図11aを参照すると、本開示の別の例示的な実施形態によるヒューズモジュール500が示されている。ヒューズモジュール500は、上述のヒューズモジュール400と実質的に同様であってよく、取り付けブロック512、複数の端子ポスト514a、514b、ヒューズプレート516、およびカバー518を含んでよく、取り付けブロック512は、ヒューズプレート516の一部が取り付けブロック512内に埋め込まれるように(例えば、インサート成形を介して)ヒューズプレート516に成形されてもよい。ヒューズモジュール500は、
図11bに分離して示されたヒューズプレート516が、バスバー534と連続するバス延在部584を追加的に有してよい点で上述したヒューズモジュール400と相違する。バス延在部584は、材料の実質的な平面シート(例えば、ヒューズプレート516の連続した延在部)で形成されてよく、バスバー534に対して実質的な直角を画定するように曲げられ、または折り畳まれてよい(これは重要でない)。
【0049】
バス延在部584は、低-中アンペア定格(例えば、5-60アンペア)を有するヒューズのヒューズモジュール500への接続を容易にしてよい。例えば、バス延在部584の上端は、取り付けブロック512の上部に形成されたそれぞれの凹部590、592(
図11aを参照)内に着座し、且つ取り付けブロック512の底部の開口部594、596を通して延在するそれぞれの電気導体(図示せず)に接続され得るスロット付きカート隆起ヒューズ586、588(
図11cを参照)への接続を容易にしてよい。
【0050】
図12aを参照すると、本開示の別の例示的な実施形態によるヒューズモジュール600が示されている。ヒューズモジュール600は、上述のヒューズモジュール400(
図10a~
図10cに示すように)と同様であってよく、取り付けブロック612、複数の端子ポスト614a、614b、614c、614d、ヒューズプレート616、およびカバー618を含んでよく、取り付けブロック612は、ヒューズプレート616の一部が取り付けブロック612内に埋め込まれるように(例えば、インサート成形を介して)ヒューズプレート616に成形されてもよい。ヒューズモジュール600は、
図12bに分離して示されたヒューズプレート616のバスバー634が、第1の部分と第2の部分との間に過電流保護を提供する可溶要素641によって互いに接続される第1の部分637および第2の部分639を含んでよい点で、上述したヒューズモジュール400と相違する。ヒューズプレート616はヒューズ端子632a、632b、632c、632d、632eを含んでよく、ヒューズ端子632a、632bがバスバー634の第1の部分637に接続され、ヒューズ端子632c~eがバスバー634の第2の部分639に接続される。
【0051】
ヒューズモジュール600の通常動作の間に、電流はバスバー634に(例えば、ヒューズ端子632dに結合されたバッテリ端末によって)供給されてよく、ヒューズ端子632a~cおよび632eに分配されてよい。ヒューズ端子632a、632bの一方に接続される電気コンポーネントに過電流状態がある場合などに可溶要素641が溶断することが発生し得る場合において、バスバー634の第1の部分637に接続されるヒューズ端子632a、632bの両方に流れる電流は停止するが、バスバー634の第2の部分639に接続されるヒューズ端子632c、632eには電流が依然として流れるようにしても可能である。
【0052】
図13aを参照すると、本開示の別の例示的な実施形態によるヒューズモジュール700が示されている。ヒューズモジュール700は、上述した(
図8aに示す)ヒューズモジュール200と実質的に同様であってよく、取り付けブロック712、複数の端子ポスト714a、714b、714c、ヒューズプレート716およびカバー718を含んでよく、ヒューズプレート716がその外面と適合した関係で取り付けブロック712を中心に巻き付けられ、または折り畳まれる。
図13bを参照すると、ヒューズモジュール700は、取り付けブロック712が互いに隣接して配置され、接合される(および任意に一緒に結合/接着される)複数の個別コンポーネントを含むモジュール構造であってよい点で、上述したヒューズモジュール200と相違する。例えば、取り付けブロック712は、バスバー734、ヒューズ端子732a、732b、732cおよび入力端子732dの間に配置された基部720と、基部720に対して垂直に配向され、且つ可溶要素736a、736b、736cに隣接して配置された個別の後壁部722とを含んでよい。基部720は、ヒューズ端子732a、732b、732cおよび入力端子732dへのケーブル/ワイヤのルーティングを所望の方法で容易にするためのキーイング特徴723を含んでもよい。取り付けブロック712のモジュール構成は、取り付けブロック712の製造、および/またはヒューズモジュール700の組立を、等価単構造取り付けブロックに比べて簡略化してよい。
【0053】
図14a~14dを参照すると、本開示の別の例示的な実施形態によるヒューズモジュール800が示されている。ヒューズモジュール800は、(
図1~
図6に示す)上述したヒューズモジュール10と実質的に同様であってよく、取り付けブロック812を中心に巻き付けられたヒューズプレート816と、ヒューズプレート816のヒューズ端子832a~dのそれぞれの取り付け開口部842a~dを通して延在する端子ポスト814a~dと、ヒューズプレート816の可溶要素836a~dを覆うように配置されたカバー818(
図14bでは明瞭性のためにカバー818が省略される)とを含んでよい。ヒューズモジュール100は、ヒューズプレート816の実質的に平面状のバスバー834が、ヒューズモジュール10のバスバー34にある場合のように取り付けブロック812のベース820の下方に位置するのではなく、取り付けブロック812の後壁822の後面にすぐ隣接し、且つそれと平行な関係で配置される点で上述したヒューズモジュール10と異なる。
【0054】
追加的に、ヒューズプレート816の可溶要素836a~dは、ヒューズモジュール10の可溶要素36a~dの場合にあるように後壁822の後面にすぐ隣接して位置するのではなく、取り付けブロック812の後壁822の前面にすぐ隣接し、且つ平行な関係で配置されてよい。追加的に、ヒューズプレート816は、バスバー834の下縁から後方に(すなわち、端子ポスト814a~dから離れて)延在し、且つその中に形成された取り付け開口部840を有する略平面状の取り付けタブ839を含んでよく、取り付けタブ839は、バスバー834と略垂直な関係で、且つヒューズ端子832a~dと略平行な関係で配置される。
【0055】
ヒューズモジュール800の取り付けブロック812およびヒューズプレート816は、ヒューズモジュール10の圧着タブ38a、38bおよび圧着フランジ25a、25bなどの圧着タブおよび圧着フランジを有しないが、ヒューズモジュール800の様々な代替的実施形態にはこのような圧着タブおよび圧着フランジが提供されてよいと想定される。更に、様々な実施形態において、ヒューズプレート816の1または複数の部分は、上述したヒューズモジュール300のヒューズプレート316および取り付けブロック312(
図9a~9dを参照)と類似した方法で取り付けブロック812(例えば、オーバーモールドされ)内に埋め込まれてよい。
【0056】
ヒューズモジュール800の様々な代替的実施形態において、取り付けタブ839の位置および向きは変化してよい。例えば、
図15aを参照すると、ヒューズモジュール800の非限定的な代替的実施形態において、バスバー834が取り付けブロック812の長手方向端部を超えて長手方向に延在する延長された部分841を有し、取り付けタブ839はバスバー834の延長された部分841の上端から前方に(すなわち、端子ポスト814a~dに向かって)垂直に延在することが描かれている。様々な実施形態において、延長された部分841は、
図15aに示すように、バスバー834の集積連続した延在部であってよい。あるいは、延長された部分841は、
図15bに示すように、バスバー834に機械的にクリンチされ、または他の方法で結合された別個の金属片であってよい。様々な実施形態において、(例えば、
図15aおよび15bに示すように)バスバー834は一般に露出されたものであってよい。あるいは、バスバー834は、プラスチックまたは別の電気絶縁性材料に(例えば、インサート成形によって)部分的にまたは全体的にカプセル化されたものであってよい。
【0057】
本明細書において使用するとき、単数形で記載されていて、「a」または「an」という語の後にある要素または段階は、複数の要素または段階を除外しないものとして理解されるべきであるが、ただしそのような除外が明示的に記載されている場合を除く。更に、本開示の「1つの実施形態」に対する言及は、記載された特徴を同様に組み込んだ追加の実施形態の存在を除外すると解釈されることを意図していない。
【0058】
本開示は特定の実施形態に言及しているが、添付の特許請求の範囲で定義されるように、本開示の領域および範囲から逸脱することなく、記載されている実施形態に対して多数の修正、改変、および変更を行うことが可能である。したがって、本開示は記載されている実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲の文言により規定される全範囲およびその均等物を有することが意図される。