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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】開閉体装置及び開閉体制御方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/82 20060101AFI20231205BHJP
   E06B 9/84 20060101ALI20231205BHJP
   E05F 15/43 20150101ALI20231205BHJP
   E05F 15/44 20150101ALI20231205BHJP
   E06B 9/11 20060101ALN20231205BHJP
【FI】
E06B9/82 G
E06B9/84 C
E06B9/84 D
E05F15/43
E05F15/44
E06B9/11 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019120492
(22)【出願日】2019-06-27
(65)【公開番号】P2021006674
(43)【公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】岡田 秀正
(72)【発明者】
【氏名】松尾 和徳
(72)【発明者】
【氏名】岩田 保
(72)【発明者】
【氏名】小林 諒平
(72)【発明者】
【氏名】大橋 利幸
(72)【発明者】
【氏名】高井 邦治
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-037767(JP,A)
【文献】特開2005-042487(JP,A)
【文献】特開2007-040005(JP,A)
【文献】特開平07-087767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00- 9/92
E05F 1/00-17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開閉するように動作する開閉手段と、
三相交流モータに供給されるモータ電流をトルク電流及び励磁電流に分割し、前記励磁電流が一定となるようにモータ電圧を調整しながら前記開閉手段の開閉停の各動作を制御する制御手段とを備えた開閉体装置において、
前記開閉手段の開閉動作時における前記モータ電流の平均値を求め、前記平均値にプラスマイナスの所定の数値を乗じて、所定巾を持ったしきい値波形を生成し、前記モータ電流の値が前記しきい値波形の所定巾の内側から突出した時点で前記開閉手段に障害物が接触したことを感知する負荷感知手段を設け、
前記制御手段は、前記負荷感知手段によって前記障害物を感知した場合を前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として把握し、前記開閉手段の閉動作時の速度を開動作時の速度よりも低速度となるように制御することを特徴とする開閉体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉体装置において、
前記開閉手段の開閉動作の移動方向に沿った範囲外の所定の領域に人が接近したことを、前記開閉体装置周辺の状態及び事象として検出する人検出手段と、
前記開閉手段の開閉動作の移動方向に沿った範囲外の所定の領域に車両が接近したことを、前記開閉体装置周辺の状態及び事象として検出する車両検出手段の少なくとも一方の検出手段を備え、
前記制御手段は、前記人検出手段及び前記車両検出手段の少なくとも一方が前記人又は前記車両の接近を検出した場合を前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として把握し、前記開閉手段の閉動作時の速度を開動作時の速度よりも低速度とすることを特徴とする開閉体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の開閉体装置において、
前記制御手段は、閉ボタンが押し切り操作された場合を前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として把握し、通常の速度よりも早い高速で閉動作を実行することを特徴とする開閉体装置。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載の開閉体装置において、
前記制御手段は、前記開閉体装置が停電から復帰した場合又は電源が投入された場合を前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として把握し、前記停電復帰時又は電源投入時から所定の時間が経過するまでは優先して前記開閉手段の開閉動作時の速度を通常速度よりも遅い低速で実行することを特徴とする開閉体装置。
【請求項5】
開口部を開閉する開閉手段の開閉停の各動作を、三相交流モータに供給されるモータ電流をトルク電流及び励磁電流に分割し、前記励磁電流が一定となるようにモータ電圧を調整しながら制御する開閉体装置の開閉体制御方法であって、
前記開閉手段の開閉動作時における前記モータ電流の平均値を求め、前記平均値にプラスマイナスの所定の数値を乗じて、所定巾を持ったしきい値波形を生成し、前記モータ電流の値が前記しきい値波形の所定巾の内側から突出した時点で前記開閉手段に障害物が接触したことを感知する負荷感知方法を備え、
前記負荷感知方法によって前記障害物が感知された場合を前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として把握し、前記開閉手段の閉動作時の速度を開動作時の速度よりも低速度とすることを特徴とする開閉体制御方法。
【請求項6】
請求項に記載の開閉体制御方法において、
前記開閉手段の開閉動作の移動方向に沿った範囲外の所定の領域に人が接近したことを検出する人検出方法と、
前記開閉手段の開閉動作の移動方向に沿った範囲外の所定の領域に車両が接近したことを検出する車両検出方法の少なくとも一方の検出方法を備え、
前記人検出方法及び前記車両検出方法の少なくとも一方の検出方法によって前記人又は前記車両の接近が検出された場合を前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として把握し、前記開閉手段の閉動作時の速度を開動作時の速度よりも低速度とすることを特徴とする開閉体制御方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の開閉体制御方法において、
閉ボタンが押し切り操作された場合を前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として把握し、通常の速度よりも早い高速で閉動作を実行することを特徴とする開閉体制御方法。
【請求項8】
請求項5、6又は7に記載の開閉体制御方法において、
前記開閉体装置が停電から復帰した場合又は電源が投入された場合を前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として把握し、前記停電復帰時又は電源投入時から所定の時間が経過するまでは優先して前記開閉手段の開閉動作時の速度を通常速度よりも遅い低速で実行することを特徴とする開閉体制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル、工場、倉庫などの建物を含む構造物躯体の開口部などをシャッターなどの開閉体を用いて仕切るように構成された開閉体の開閉動作を制御する開閉体装置及び開閉体制御方法に係り、特に開閉体の開閉動作時の速度を制御するように構成された開閉体装置及び開閉体制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シャッターカーテンなどのような開閉体装置は、住宅、ビル、工場、倉庫、車庫などの建物を含む構造物躯体の開口部や窓部あるいは内部の通路や空間などの開口部に設置され、その開閉体を移動させることによってその開口部を開放、閉鎖するものである。この開閉体装置は、多数の短冊状のスラット材からなるスラットカーテン、多数のパイプ材をリンク材などで連結させてなるパイプグリルカーテン、一枚状あるいは多数連結されたパネル材からなるパネルカーテン、ネット材からなるネットカーテン、合成樹脂あるいは布繊維製のシート材からなるシートカーテン、あるいはこれらの複合部材などからなる複合カーテンなどの開閉体を、開口部の上部から繰り出し下降させて開口部全体を閉鎖するように構成されている。このような開閉体装置は、開閉体の開閉動作を電動で行なう場合が多い。電動の開閉体装置としては、電動シャッター装置、電動ドア装置、電動オーニング装置などがある。
【0003】
このような電動の開閉体装置の中には、軽量シャッター装置と呼ばれる建築物の外壁開口部等に防犯を主目的に設置されるシャッターと、ビル、工場、倉庫等の管理、防火、防煙目的として使用される重量シャッター装置とがある。軽量シャッター装置は、鉄製のスラット(カーテン部)の板厚が1.0[mm]以下で、スプリングで上下のバランスをとり手動で開閉させることのできるものである。一方、重量シャッター装置は、スラット(カーテン)の板厚が1.2[mm]以上のものとパイプ(グリルシャッター)で組み合わされたもので構成されており、主に電動で開閉制御されるものである。
【0004】
重量シャッター装置には、無線信号装置と座板スイッチで構成された障害物感知装置が設けられている。障害物感知装置は、シャッターの降下中に座板が障害物に接触した場合、座板に取り付けられた送信機が発信し、それを受光部が受信することによって、障害物を感知し、降下中のシャッターを停止させるように動作する。また、障害物感知装置の中には、無線信号装置を用いる代わりに有線方式にて座板スイッチのオン/オフを送信するものもある。
【0005】
さらに、障害物感知装置には、光電センサを用いたものもある。これは、シャッター停止中、光路上に障害物がある場合、押しボタンスイッチを押してもシャッターが動かないように動作すると共にシャッターが上昇中または下降中に人や車の出入りを感知してシャッターを停止させるように動作するものである。
【0006】
一方、特許文献1には、開閉体の巻取りや巻き戻しの際の開閉速度を一定化または略一定化するようにしたものが記載してある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2014-001553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の開閉体装置は、巻取装置への巻取り時の巻取り径がそれぞれ異なることを考慮して、開閉速度を一定化するために巻取装置の回転速度を制御するようにしたものである。
近年、開閉体の開閉速度が高速化されており、開閉動作時に開閉体装置近辺の監視が一層重要となっている。特に、重量シャッター装置は、障害物との接触時に障害物に与える感知力が非常に大きく、人などに接触した場合の危険性を考慮すると、開閉速度を常に一定とすることは、好ましくない場合がある。例えば、操作者が閉ボタンを操作してその場から離れたりすることがあり、このような場合、開閉体と人とが接触した際の危険性が高くなるという懸念が生じる。
【0009】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、開閉体の開閉動作時の開閉速度を適切な速度で開閉して開閉体装置の安全性及び信頼性を高く維持することのできる開閉体装置及び開閉体制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の開閉体装置の第1の特徴は、開口部を開閉するように動作する開閉手段と、モータの駆動力によって前記開閉手段の開閉停の各動作を制御する制御手段を備えた開閉体装置であって、開閉動作時における前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化に応じて前記開閉手段の開閉動作時の開閉速度を適切な速度に制御することにある。
これは、モータの駆動力によって制御される開閉体装置の開閉動作時における周辺の状態や事象の変化に応じて、開閉速度を適切な速度に制御するようにしたものである。周辺の状態及び事象の変化には、災害発生後に停電等で電力の供給が遮断し、その後停電が復帰した場合、大規模な地震の発生によって、建物自体が変形し、それに伴って開閉体装置に変形が生じるという事象が発生した場合、地震発生直後には建物自体が変形し、それに伴って開閉体装置が全体的に傾き、部品が正常に機能しない等の事象が発生した場合、非常電源や外部電源で緊急的に開閉体装置のシャッターカーテンを開閉させる必要性が生じた場合、電源容量が不足している可能性があるので、極力電力を消費しないで開閉動作を行う必要が生じた場合、人検出手段及び/又は車両検出手段によって人や車両の接近が検出された場合などが該当する。制御手段は、これらの各事象に応じて開閉速度を適切に制御する。本発明によれば、これらの事象に応じた適切な速度で開閉手段を開閉させることができるので、開閉体装置の安全性及び信頼性を高く維持することができる。
【0011】
本発明の開閉体装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉体装置において、前記開閉手段の開閉動作の移動方向に沿った範囲外の所定の領域に人が接近したことを、前記開閉体装置周辺の状態及び事象として検出する人検出手段と、前記開閉手段の開閉動作の移動方向に沿った範囲外の所定の領域に車両が接近したことを、前記開閉体装置周辺の状態及び事象として検出する車両検出手段の少なくとも一方の検出手段を備え、前記制御手段は、前記人検出手段及び前記車両検出手段の少なくとも一方が前記人又は前記車両の接近を検出した場合を前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として把握し、前記開閉手段の閉動作時の速度を開動作時の速度よりも低速度とすることにある。
これは、開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として、人検出手段及び/又は車両検出手段によって人や車両の接近が検出された場合に、開閉手段の閉動作時の速度を開動作時の速度よりも低速度とするようにしたものである。このように人や車両の接近に応じて、開閉手段を閉動作時の速度を低速度とすることによって、開閉体装置の安全性及び信頼性を高く維持することができる。
【0012】
本発明の開閉体装置の第3の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉体装置において、三相交流モータに供給されるモータ電流をトルク電流及び励磁電流に分割し、前記励磁電流が一定となるようにモータ電圧を調整しながら前記開閉手段の開閉停の各動作を制御し、前記開閉手段の開閉停の各動作制御時における前記モータ電流の変化に基づいて前記開閉手段に障害物が接触したことを感知する負荷感知手段を備え、前記制御手段は、前記負荷感知手段によって前記障害物を感知する場合を前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として把握し、前記開閉手段の閉動作時の速度を開動作時の速度よりも低速度とすることにある。
これは、開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として、負荷感知手段並びに人検出手段及び/又は車両検出手段を備えている場合に、開閉手段の閉動作時の速度を開動作時の速度よりも低速度とするようにしたものである。人や車両の接近に応じて、開閉手段を閉動作時の速度を低速度とすることによって、開閉体装置の安全性及び信頼性を高く維持することができる。一方、負荷感知手段は、開閉手段が障害物等に接触したときの負荷力によって障害物等との接触を感知するものなので、閉鎖時(下降時)の速度を通常速度よりも遅い低速度とすることによって、負荷感知力を比較的小さくするようにした。これによって、開閉体装置の安全性及び信頼性を高く維持することができる。
【0013】
本発明の開閉体装置の第4の特徴は、前記第1、第2又は第3の特徴に記載の開閉体装置において、前記制御手段は、閉ボタンが押し切り操作された場合を前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として把握し、通常の速度よりも早い高速で閉動作を実行することにある。
これは、閉ボタンが押し切り操作された場合は、操作者が開閉体装置付近で監視しながら操作していることを意味するので、通常の速度よりも早い高速度で閉動作を実行するようにしたものである。操作者が開閉体装置の近くで常に監視しながら閉動作を実行しているので、高速度で閉動作を実行しても、安全性・信頼性を十分に確保することが可能となる。
【0014】
本発明の開閉体装置の第5の特徴は、前記第1、第2、第3又は第4の特徴に記載の開閉体装置において、前記制御手段は、前記開閉体装置が停電から復帰した場合又は電源が投入された場合を前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として把握し、前記停電復帰時又は電源投入時から所定の時間が経過するまでは優先して前記開閉手段の開閉動作時の速度を通常速度よりも遅い低速で実行することにある。
これは、停電復帰後又は電源投入後から所定時間、例えば30秒間経過するまでは、通常動作処理に優先して、開閉手段の開閉動作速度を、例えば通常速度の約0.3倍速~0.7倍速としたものである。これによって、災害発生直後の停電復帰後又は電源投入後の過渡的状況における操作性・信頼性を向上することができる。
【0015】
本発明の開閉体制御方法の第1の特徴は、開口部を開閉する開閉手段の開閉停の各動作を、モータの駆動力によって制御する開閉体制御方法であって、開閉動作時における開閉体装置周辺の状態及び事象の変化に応じて前記開閉手段の開閉動作時の開閉速度を適切な速度に制御することにある。
これは、前記第1の特徴に記載の開閉体装置に対応する開閉体制御方法の発明である。
【0016】
本発明の開閉体制御方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉体制御方法において、前記開閉手段の開閉動作の移動方向に沿った範囲外の所定の領域に人が接近したことを検出する人検出方法と、前記開閉手段の開閉動作の移動方向に沿った範囲外の所定の領域に車両が接近したことを検出する車両検出方法の少なくとも一方の検出方法を備え、前記人検出方法及び前記車両検出方法の少なくとも一方の検出方法によって前記人又は前記車両の接近が検出された場合を前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として把握し、前記開閉手段の閉動作時の速度を開動作時の速度よりも低速度とすることにある。
これは、前記第2の特徴に記載の開閉体装置に対応する開閉体制御方法の発明である。
【0017】
本発明の開閉体制御方法の第3の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉体制御方法において、三相交流モータに供給されるモータ電流をトルク電流及び励磁電流に分割し、前記励磁電流が一定となるようにモータ電圧を調整しながら前記開閉手段の開閉停の各動作を制御し、前記開閉手段の開閉停の各動作制御時における前記モータ電流の変化に基づいて前記開閉手段に障害物が接触したことを感知する負荷感知方法を備え、前記負荷感知方法によって前記障害物が感知された場合を前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として把握し、前記開閉手段の閉動作時の速度を開動作時の速度よりも低速度とすることにある。
これは、前記第3の特徴に記載の開閉体装置に対応する開閉体制御方法の発明である。
【0018】
本発明の開閉体制御方法の第4の特徴は、前記第1、第2又は第3の特徴に記載の開閉体制御方法において、閉ボタンが押し切り操作された場合を前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として把握し、通常の速度よりも早い高速で閉動作を実行することにある。
これは、前記第4の特徴に記載の開閉体装置に対応する開閉体制御方法の発明である。
【0019】
本発明の開閉体制御方法の第5の特徴は、前記第1、第2、第3又は第4の特徴に記載の開閉体制御方法において、前記開閉体装置が停電から復帰した場合又は電源が投入された場合を前記開閉体装置周辺の状態及び事象の変化として把握し、前記停電復帰時又は電源投入時から所定の時間が経過するまでは優先して前記開閉手段の開閉動作時の速度を通常速度よりも遅い低速度で実行することにある。
これは、前記第5の特徴に記載の開閉体装置に対応する開閉体制御方法の発明である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、開閉体の開閉動作時の開閉速度を適切な速度で開閉して開閉体装置の安全性及び信頼性を高く維持することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係るシャッター装置の概略構成の第1の実施の形態を示す図である。
図2】第1の実施の形態に係る開閉体装置の制御装置の概略構成を示す図である。
図3】シャッターの下降動作時(ベクトル制御時)におけるモータトルク電流値の変化に基づいて障害物を感知する障害物検出部の一例を示す図である。
図4】ベクトル制御によってシャッターを下降動作している時に、シャッター先端部が障害物に接触した時のモータトルク電流値の変化の一例を示す図である。
図5図4のモータトルク電流値の波形によって障害物を感知する場合の別の変形例を示す図である。
図6図4又は図5に示したモータトルク電流値に基づいて障害物を感知した場合の処理の一例を示すフローチャート図である。
図7】本発明に係るシャッター装置の概略構成の第2の実施の形態を示す図である。
図8】本発明に係るシャッター装置の概略構成の第3の実施の形態を示す図である。
図9図8の第3の実施の形態に係る開閉体装置の制御装置の概略構成を示す図である。
図10図8及び図9に示すようにモータ負荷感知方式、光電センサ方式及び座板感知レバー方式の障害物検出方法によって障害物を感知した場合の処理の一例を示すフローチャート図である。
図11】本発明に係るシャッター装置の概略構成の第4の実施の形態を示す図である。
図12図11の第4の実施の形態に係る開閉体装置の制御装置の概略構成を示す図である。
図13図11及び図12に示すようにモータ負荷感知方式及び光電センサ方式の障害物検出方法によって障害物を感知した場合並びに人感センサ及び車両検出センサが人や車両の接近を検出した場合の処理の一例を示すフローチャート図である。
図14図6のステップS64、図10のステップS102又は図13のステップS132のシャッター通常動作処理の詳細を示すフローチャート図である。
図15】停電復帰後又は電源投入後の過渡的状況における開閉体装置の動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下添付図面に従って本発明に係る開閉体装置の好ましい実施の形態について説明する。この実施の形態では開閉手段として上下に開閉動作されるシャッター装置を例に説明する。図1は、本発明に係るシャッター装置の概略構成の第1の実施の形態を示す図である。図1において、開閉体装置10は出入口の開口部を上下方向に移動することによって開閉するシャッター装置である。
【0023】
開閉体装置10は、建物の開口部に設けられるものであり、基本的にシャッターケース11、シャッターカーテン12、ガイドレール13,14、巻取シャフト15、三相交流モータ17、制御装置18、操作スイッチ19及びリミットスイッチ20などを含んで構成される。この開閉体装置10は、通常時には、操作スイッチ19の操作に応じて、開閉機である三相交流モータ17を駆動して開閉制御するようになっている。さらに、この開閉体装置10では、シャッターカーテン12が巻取シャフト15に巻き取られている開放状態を機械的な保持機構(図示せず)によって保持しており、この開放状態で外部から火災の発生などを示す非常信号BSなどが制御装置18に入力された場合には、その保持機構による開放状態の保持が解除されて、シャッターカーテン12は、その自重で自然降下して開口部を自動閉鎖する機能を備えていてもよい。
【0024】
ガイドレール13,14は、シャッターカーテン12の両端部に接するように建物の開口部の両端側に設けられ、まぐさ部から床面まで掛け渡された断面形状がコの字型の案内溝を有する金属製部材又はこれと同等の部材で構成されている。シャッターカーテン12は、このガイドレール13,14の各案内溝に沿って上昇下降し、開口部の開閉動作を行う。
【0025】
巻取シャフト15は、シャッターケース11の両端側に回動可能に設けられ、シャッターカーテン12を巻き取ったり巻き戻したりする。
開閉機を構成するブレーキ16と三相交流モータ17が巻取シャフト15にそれぞれ設けてある。三相交流モータ17は、巻取シャフト15をダイレクトドライブ駆動(ギアレス)方式にて回転駆動するように構成された三相交流モータである。制御装置18は、ブレーキ16及び三相交流モータ17の動作を制御するものであり、ブレーキ16又は三相交流モータ17のいずれか一方の収納ケース内に設けられる。
【0026】
三相交流モータ17には、その回転位置すなわちシャッターカーテン12の開閉位置と開閉状態を検出するための位置検出装置(図示せず)が設けられている。この位置検出装置は、パルス発生型のロータリーエンコーダ等で構成される。三相交流モータ17の回転に応じたパルス信号が制御装置18に出力されるので、三相交流モータ17の回転位置やシャッターカーテン12の閉鎖側先端部の開口部における位置などは、このパルスの発生状況に基づいて制御装置18が演算にて求めることになる。
【0027】
制御装置18は、マイクロコンピューター構成になっており、電源ラインから三相交流電圧200[V]の電力が三相交流モータ17に供給されている。制御装置18は、操作スイッチ19上の各操作スイッチの操作状態に対応した制御信号や三相交流モータ17に設けられた位置検出装置からの信号やプロテクタからの信号などに基づいて三相交流モータ17の回転を制御する。
【0028】
操作スイッチ19は、開閉停の各動作に対応した制御スイッチとして、上昇(開)ボタン19A、停止(停)ボタン19B、下降(閉)ボタン19Cをそれぞれ有し、これら各ボタンの操作状態に応じた制御信号を制御装置18に出力する。
【0029】
図2は、第1の実施の形態に係る開閉体装置の制御装置の概略構成を示す図である。制御装置18は、マイクロコンピューターを備えて構成されている。なお、図示していないが、制御装置18は、三相交流モータ17を駆動制御するモータドライブ回路や操作者に異常を報知するLED・ブザーなどを備えている。
【0030】
制御装置18は、操作スイッチ19上の各操作ボタンの操作状態に対応した制御信号、上限リミットスイッチ20A及び下限リミットスイッチ20Bからの接点信号に基づいて、インバータから構成されるモータドライブ回路を介して開閉機を構成する三相交流モータ17にモータ運転指令信号を出力し、ブレーキ16にブレーキ作動指令信号を出力し、三相交流モータ17の回転を制御する。三相交流モータ17には、過熱保護装置のひとつであるサーマルプロテクタ(図示せず)が接続されている。モータ運転指令信号は、三相交流モータ17に供給されるモータ電流をトルク電流及び励磁電流に分割し、励磁電流が一定となるようにモータ電圧を調整しながら制御するベクトル制御信号である。
【0031】
操作スイッチ19は、開閉停の各動作に対応した制御スイッチとして機能する開ボタン19A、停ボタン19B及び閉ボタン19Cを備えている。操作スイッチ19は、各ボタンの操作状態に応じた制御信号を制御装置18に出力する。図2の実施の形態では、開ボタン19A及び閉ボタン19Cは手動操作自動復帰型のa接点で構成されており、通常はオフ状態にある。停ボタン19Bは、手動操作残留型スイッチのb接点で構成され、通常はオン状態にある。
【0032】
上限リミットスイッチ20A及び下限リミットスイッチ20Bは、三相交流モータ17の回転位置に応じてオン・オフ状態を維持するものであり、シャッターカーテン12が上限又は下限位置に達すると、上限リミットスイッチ20A又は下限リミットスイッチ20Bの接点が開いて、シャッターカーテン12がこの上限位置又は下限位置に達したことを制御装置18に通知する。制御装置18は、シャッターカーテン12が上限又は下限位置に達すると、シャッターカーテン12を上限又は下限位置で停止させる。
【0033】
図3は、シャッターの下降動作時(ベクトル制御時)におけるモータトルク電流値の変化に基づいて障害物を感知する障害物検出部の一例を示す図である。障害物検出部21は、ベクトル制御時におけるモータ負荷すなわちモータトルク電流値を検出しながら、そのモータ電流値の変化に基づいて、シャッターカーテン12の先端部に障害物が接触したことを感知するものである。
【0034】
図3において、縦軸は制御装置18が三相交流モータ17に出力するモータ運転指令信号すなわちベクトル制御時のモータトルク電流値を示し、横軸はベクトル制御時の時間経過を示す。シャッターカーテン12の下降時に、モータトルク電流値は、図3に示すように、一定間隔で脈動しながら右肩上がりの直線又は曲線に沿って徐々に大きくなるという波形w1を示す。モータトルク電流値の波形w1が脈動しているのは、巻取シャフト15に巻き取られていたシャッターカーテン12が巻き戻される際のスラットの形状に依存するからである。また、モータトルク電流値の波形w1が徐々に大きくなるのは、シャッターカーテン12が巻き戻されることによって、巻取シャフト15に架かるスラットの重量が徐々に増加するためである。
【0035】
図3に示すように、脈動しながら徐々に大きくなる波形w1のピーク値から次のピーク値までの時間t01,t02,t03の間において、底値までの時間t1,t2,t3に置ける変化量Δi1,Δi2,Δi3を検出し、変化量Δi1,Δi2,Δi3が通常の変化の割合(これをしきい値Δithとする)を超えた場合に、シャッターカーテン12に何らかの障害物が接触したことを検出する。すなわち、脈動しながら徐々に大きくなる波形w1のピーク値から次のピーク値までの時間t01,t02,t03の間において、底値までの時間t1,t2,t3は、ほぼ同じ値を示すので、時間t1,t2,t3を経過しても底値に到達しない場合に、シャッターカーテン12に障害物が接触したことを検出する。図3に示すように制御装置18が三相交流モータ17に出力するモータ運転指令信号すなわちベクトル制御時のモータトルク電流値の変化量Δiを常時検出し、変化量Δiが通常の変化の割合Δith(しきい値)を超えた場合、又は所定時間t1,t2,t3を経過しても底値に到達しなかった場合に、シャッターカーテン12に障害物が接触したと判断する。
【0036】
図3において、ピーク値から時間t1を経過するまでにモータトルク電流値は、変化量Δi1だけ低下しているが、これは通常のトルク変動の範囲内であり、この場合は障害物に接触したとは判定されない。次の時間t2の間にもモータトルク電流値は、変化量Δi2だけ低下しているが、これも同じく通常のトルク変動の範囲内であり、障害物に接触したとは判定されない。次の時間t3の間もモータトルク電流値は、変化量iΔ3だけ低下しているが、これも同じく通常のトルク変動の範囲内であり、障害物に接触したとは判定されない。
【0037】
図4は、ベクトル制御によってシャッターを下降動作している時に、シャッター先端部が障害物に接触した時のモータトルク電流値の変化の一例を示す図である。図4において、一点鎖線の波形w1は、図3の波形w1である。一方、波形w2は、障害物がシャッターカーテン12の先端部に接触し、シャッターカーテン12の移動が停止した場合を示す。この場合、時間t1,t2の場合は、図3の波形w1と同じモータトルク電流値を示す。ところが、時刻t3aにおいて、モータトルク電流値は、しきい値であるΔith以上の変化(低下)を示す。従って、モータトルク電流値がしきい値であるΔithよりも低下した時刻t3aでシャッターカーテン12に障害物が接触したと判断する。
【0038】
すなわち、図4の波形w2は、時間t3を経過してもモータトルク電流値は低下し続けているので、この時点t3bでシャッターカーテン12に障害物が接触したと判断することもできる。すなわち、障害物がシャッターカーテン12の先端部に接触すると、シャッターカーテン12の移動が停止する。重量シャッター装置のスラットは、その剛性が非常に高いので、接触した瞬間にその接触力が巻取シャフト15側を介して三相交流モータ17側に伝達するので、モータトルク電流値は時刻t3bを経過しても低下し続けることになる。これによって、モータトルク電流値の変化に基づいて、シャッターカーテン12の先端部が障害物に接触したことを感知することができる。
【0039】
一方、図4に示すようにモータトルク電流値が波形w2のように変化した場合において、光電センサ22,23方式の障害物検出部及び/又は座板感知レバー方式の障害物検出部が障害物を何ら感知しなかった場合には、これらの障害物検出部に何らかの不具合が発生して作動しなかったこと、すなわち障害物検出部に故障等が発生したことを検知することが可能となる。
【0040】
図5は、図4のモータトルク電流値の波形によって障害物を感知する場合の別の変形例を示す図である。障害物等が存在しない状態のベクトル制御時におけるモータトルク電流値は、図3及び図4に示した波形w1のように変化する。そこで、図5の障害物感知方法では、シャッターカーテン12の開閉動作を繰り返し実行し、図3及び図4のように変化する波形w1を複数回サンプリングし、そのサンプリングした波形の平均値を算出し、図5に示すような平均波形w10を生成する。この平均波形w10に±1.1~±1.3を乗じてしきい値波形w3,w4を生成する。すなわち、このしきい値波形w3,w4は、Δi0の所定巾を持った波形となる。なお、平均波形w10に乗じる数値は、±αのように同じ値αを乗じてもいいし、+α,-βのようにそれぞれ異なる値α,βを乗じるようにしてもよい。
【0041】
このしきい値波形w3,w4の内側を図3及び図4に示すような波形w1が変化している場合は、正常な動作であると判断する。一方、シャッターカーテン12の先端部が障害物に接触した場合は、図4に示すような波形w2のように時刻T0でしきい値波形w3,w4の所定巾の内側からはみ出し、しきい値波形w3の下側に突出する。この時刻T0でシャッターカーテン12の先端部が障害物に接触したと判断することができる。なお、平均波形w10は、開口部の大きさ(高さ、巾)、シャッターカーテン12の形状、重さなどに依存し、個々の開閉体装置で異なるものとなる。従って、シャッターカーテン12の開閉動作を繰り返し実行し、開閉体装置固有の波形を学習し取得することが重要となる。シャッター設置後に複数回(例えば、10~100回)の開閉動作時の波形の平均を平均波形w10とし、それ以降はこの平均波形w10を基準として、しきい値波形w3,w4を生成する。正常に動作していても長年の使用によって、波形w1がしきい値波形w3,w4の所定巾の内側からはみ出したりする場合には、経年劣化によるものと判断し、メンテナンスの実行を促す表示やアナウンスを行うようにしてもよい。
【0042】
図6は、図4又は図5に示したモータトルク電流値に基づいて障害物を感知した場合の処理の一例を示すフローチャート図である。
ステップS61では、シャッターカーテン12が下降中であるか否かの判定を行い、下降中(yes)の場合は次のステップS62に進み、停止中又は上昇中(no)の場合はステップS64に進む。
【0043】
ステップS62では、モータトルク電流値の変化に異常があるか否かの判定を行い、異常あり(yes)の場合は次のステップS63に進み、異常なし(no)の場合はステップS64に進む。ここで、モータトルク電流値の変化に異常があるとは、図3及び図4に示すように波形w1が異常な変化を示した場合が該当する。すなわち、モータトルク電流値の変化に異常があったということは、シャッターカーテン12に障害物が接触し、それを感知したことを意味する。
【0044】
ステップS63では、下降中のシャッターカーテン12を直ちに停止し、反転上昇させる。上昇の高さは、シャッターカーテン12を全開するように上昇してもよいし、障害物を感知した高さから所定の高さ(30~100[cm])だけ上昇させるようにしてもよい。
ステップS64では、上昇(開)ボタン19A、停止(停)ボタン19B及び下降(閉)ボタン19Cの各ボタンの操作状態に応じた通常の開閉停の各動作を実行し、リターンする。
【0045】
図7は、本発明に係るシャッター装置の概略構成の第2の実施の形態を示す図である。図7において、図1と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。図7の開閉体装置は、上述のモータトルク電流値の変化の異常によって障害物を感知する負荷感知方式の障害物感知装置と共に光電センサ22,23を用いて人や物体(自動車)を感知する開閉体装置について説明する。
【0046】
光電センサ22,23は、人や自動車等の通過状態及び物体等の存在を確認するために使用される障害物感知装置であり、開口部の下側左右両端に設けられている。なお、図では、開口部の前後のいずれか一方の所定箇所に設けられているが、前後両方及び/又は開口部上方に設けるようにしてもよい。光電センサ22は、角柱状の投光器支持部材によって構成され、その反対側に同じ形状の受光器支持部材によって構成される光電センサ23が対となるように設けられている。これらの光電センサ22,23は、シャッターカーテン12の座板の長手方向寸法又は開口部の横幅寸法に相当する距離だけ互いに離間して配置されている。
【0047】
光電センサ22には、例えば赤外線等の光を自ら発光する発光素子からなる投光器が支持されている。一方、光電センサ23には、光を自ら受光感知する受光素子からなる受光器が支持されている。光電センサ22の投光器および光電センサ23の受光器は、互いに向かい合って配置され、開口部の下側位置で座板に沿って走る物体感知用の光線が光路24を形成している。光電センサ22,23が光路24内で人や物体(自動車)を感知した場合には、スイッチング機構によって、その感知信号が制御装置18に送信される。図7において、光路24は、光電センサ22,23の物体感知領域を模式的に示したものである。
【0048】
制御装置18は、光電センサ22の投光器と光電センサ23の受光器との間に人や物体(自動車)などが存在するか否かに応じて、シャッターカーテン12の開放動作及び/又は閉鎖動作を制御する。この実施の形態では、制御装置18は、光電センサ22に対する電源供給を遮断できるように構成されたスイッチング機構を備えている。スイッチング機構は、制御装置18からの制御信号に応じて動作するトランジスタ回路等にて構成されている。制御装置18は、所定の条件に合致した場合に光電センサ22への電源供給を一瞬遮断してから電源供給を復帰させることによって、光電センサ23の受光器の受光状態を確認し、故障等を検知している。
【0049】
図8は、本発明に係るシャッター装置の概略構成の第3の実施の形態を示す図である。図8において、図1と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。図8の開閉体装置は、上述のモータトルク電流値の変化の異常によって障害物を感知する負荷感知方式の障害物感知装置と、図7の光電センサ22,23を用いて人や物体(自動車)を感知する感知装置と、さらに、従来から使用されている座板スイッチの移動によって障害物を感知する障害物感知装置とを備えた開閉体装置について説明する。
【0050】
座板スイッチの移動によって障害物を感知する接触式の障害物感知器25は、シャッターカーテン12の下端部(座板)に無線送信機を備えており、座板スイッチの移動に対応した感知信号を制御装置18側の無線受信機26に送信し、また、その後の障害物の除去により座板スイッチの復帰移動時には、復帰信号を送信する構成となっている。障害物感知器25の無線送信機から制御装置18への信号の送信は、図のような無線方式に限らず、有線方式のものでもよい。また、シャッターカーテン12の下端部に障害物の接触で移動する座板スイッチの代わりに、障害物接触時の座板の移動力でガイドレールの高さ方向に沿って設けられたテープスイッチを押圧する構成や、テープスイッチから制御装置18に対し感知信号を有線出力する構成としてもよい。
【0051】
図9は、図8の第3の実施の形態に係る開閉体装置の制御装置の概略構成を示す図である。図9において、図2と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。図9のものが図2のものと異なる点は、障害物検出部21が図3又は図4に示したモータ負荷感知方式の障害物検出部と、図7及び図8に示した光電センサ方式を用いた障害物検出部と、図8に示した座板スイッチを用いた座板感知レバー方式の障害物検出部を備えている点である。
【0052】
図10は、図8及び図9に示すようにモータ負荷感知方式、光電センサ方式及び座板感知レバー方式の障害物検出方法によって障害物を感知した場合の処理の一例を示すフローチャート図である。
ステップS101では、シャッターカーテン12が下降中であるか否かの判定を行い、下降中(yes)の場合は次のステップS103に進み、停止中又は上昇中(no)の場合はステップS102に進む。
ステップS102では、上昇(開)ボタン19A、停止(停)ボタン19B及び下降(閉)ボタン19Cの各ボタンの操作状態に応じた通常の開閉停の各動作を実行し、リターンする。
【0053】
ステップS103では、光電センサ方式の障害物検出部(光電センサ22,23)及び/又は座板感知レバー方式の障害物検出部(障害物感知器25)が障害物を感知したか否かの判定を行い、感知した(yes)場合は次のステップS103に進み、感知していない(no)の場合はステップS105に進む。
【0054】
ステップS104では、障害物が感知されたので、下降中のシャッターカーテン12を直ちに停止し、反転上昇させる。上昇の高さは、シャッターカーテン12を全開するように上昇してもよいし、障害物を感知した高さから所定の高さ(30~100[cm])だけ上昇させるようにしてもよい。
【0055】
ステップS105では、シャッター制限動作1を設定し、反転上昇後に下降(閉)動作を実行しようとする場合には、下降(閉)ボタン19Cを押し切り操作しないと実行できないようにし、押し切り操作によってのみ下降動作を継続して実行できるようにしてリターンする。
【0056】
ステップS106では、モータトルク電流値の変化に異常があるか否かの判定を行い、異常あり(yes)の場合は次のステップS107に進み、異常なし(no)の場合はステップS102に進む。モータトルク電流値の変化に異常があるか否かの判定は、図6のステップS62の判定と同じように、図3及び図4に示す波形w1に基づいて処理する。
【0057】
ステップS107では、シャッターカーテン12に障害物が接触し、それを感知したので、下降中のシャッターカーテン12を直ちに停止し、反転上昇させる。上昇の高さは、シャッターカーテン12を全開するように上昇してもよいし、障害物を感知した高さから所定の高さ(30~100[cm])だけ上昇させるようにしてもよい。
【0058】
ステップS108では、シャッター制限動作2を設定し、反転上昇後に上昇(開)動作又は下降(閉)動作を実行しようとする場合には、上昇(開)ボタン19A又は下降(閉)ボタン19Cを押し切り操作しないと実行できないようにし、押し切り操作によってのみ上昇(開)動作又は下降(閉)動作を継続して実行できるようにしてステップS102に進む。
【0059】
図10の処理では、光電センサ方式の障害物検出部(光電センサ22,23)及び/又は座板感知レバー方式の障害物検出部(障害物感知器25)が障害物を感知した場合には、反転開動作後に操作者がシャッターカーテン12の閉動作を確認しながら、押し切り操作にて閉ボタン19Cを操作した場合に限り閉動作を実行できるようにし、モータ負荷感知方式の障害物検出部21が障害物を感知した場合には、反転開動作後に操作者がシャッターカーテン12の開動作又は閉動作を確認しながら、開ボタン19A又は閉ボタン19Cを押し切り操作した場合に限り押し切り操作に対応した開動作又は閉動作を実行することができる。
【0060】
これによって、閉動作及び閉動作の両方の動作が押し切り操作でなければ実行されない場合には、何らかの事象によってモータ負荷感知方式の障害物検出部21が障害物を感知した状態となっていることを操作者は理解することができる。また、開動作は開ボタンの操作で実行するが閉動作は押し切り操作しなければ実行されない場合には、何らかの事象によって光電センサ方式の障害物検出部(光電センサ22,23)及び/又は座板感知レバー方式の障害物検出部(障害物感知器25)が障害物を感知した状態となっていることを操作者は理解することができる。
【0061】
図11は、本発明に係るシャッター装置の概略構成の第4の実施の形態を示す図である。図11において、図8と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。図11の開閉体装置は、モータトルク電流値の変化の異常によって障害物を感知する障害物感知装置と、図7の光電センサ22,23を用いて人や物体(自動車)を感知する感知装置を備え、さらに、人の接近を検出する人感センサ(人検出手段)27及び車両の接近を検出する車両検出センサ(車両検出手段)28を備えた開閉体装置について説明する。
【0062】
人感センサ27は、マイクロ波と呼ばれる波動を広げて、そこに所定のエリアを作り、このマイクロ波内のエリアに人が進入又は接触した時に感知信号を制御装置18に出力するレーダーセンサである。車両検出センサ28は、人感センサ27と同様の原理で動作するレーダーセンサであって、人やシャッター装置の前を平行に横切る物体には反応しないように設定され、さらにシャッター装置に垂直に向かって来る車やフォークリフトのみを感知するように設定され、その感知信号を制御装置18に出力するレーダーセンサである。
【0063】
図12は、図11の第4の実施の形態に係る開閉体装置の制御装置の概略構成を示す図である。図12において、図9と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。図12のものが図9のものと異なる点は、障害物検出部21が図8に示した座板スイッチを用いた座板感知レバー方式の障害物検出部を備えておらず、図11に示すような人や車両の接近を検出する人感センサ27及び車両検出センサ28を備えている点である。なお、図12において、座板感知レバー方式の障害物検出部を備えていてもよい。
【0064】
図13は、図11及び図12に示すようにモータ負荷感知方式及び光電センサ方式の障害物検出方法によって障害物を感知した場合並びに人感センサ27及び車両検出センサ28が人や車両の接近を検出した場合の処理の一例を示すフローチャート図である。
ステップS131では、シャッターカーテン12が下降中であるか否かの判定を行い、下降中(yes)の場合は次のステップS133に進み、停止中又は上昇中(no)の場合はステップS132に進む。
ステップS132では、上昇(開)ボタン19A、停止(停)ボタン19B及び下降(閉)ボタン19Cの各ボタンの操作状態に応じた通常の開閉停の各動作を実行し、リターンする。
【0065】
ステップS133では、モータ負荷感知方式の障害物検出部及び/又は光電センサ方式の障害物検出(障害物感知器25)が障害物を感知したか否かの判定を行い、感知した(yes)場合は次のステップS134に進み、感知していない(no)場合はステップS135に進む。
【0066】
ステップS134では、モータ負荷感知方式の障害物検出部及び/又は光電センサ方式の障害物検出(障害物感知器25)が障害物を感知したので、下降中のシャッターカーテン12を直ちに停止し、反転上昇させてステップS132に進む。上昇の高さは、シャッターカーテン12を全開するように上昇してもよいし、障害物を感知した高さから所定の高さ(30~100[cm])だけ上昇させるようにしてもよい。
【0067】
ステップS135では、人感センサ27又は車両検出センサ28が人や車両の接近を検出したか否かの判定を行い、検出した(yes)場合は次のステップS136に進み、感知していない(no)場合はステップS137に進む。
【0068】
ステップS136では、人や車両の接近が検出されたので、シャッターカーテン12の下降時の速度を通常の下降速度の30~70%とし、スローダウン(低速下降)を続行してステップS132に進む。なお、このときシャッターカーテン12の下端部面が床面からの高さ1~2[m]よりも大きい場合には、スローダウンさせることなく通常の下降速度で下降させて、床面からの高さが1~2[m]となった時点でスローダウンさせるようにしてもよい。下降時の利便性が極力損なわれないようにするためである。
【0069】
ステップS137では、モータ負荷感知方式の障害物検出部及び光電センサ方式の障害物検出(障害物感知器25)が障害物を感知せず、人感センサ27及び車両検出センサ28が人や車両の接近を検出していないので、下降中のシャッターカーテン12の下降をそのまま許可し、通常の下降速度で下降を続行してステップS132に進む。
【0070】
図8及び図9に示すように、障害物検出部21に、図3又は図4に示したモータ負荷感知方式の障害物検出部と、図7及び図8に示した光電センサ方式を用いた障害物検出部と、図8に示した座板スイッチを用いた座板感知レバー方式の障害物検出部の3方式を備えることで、重量シャッター装置の障害物感知の信頼性を向上させることができる。同様に、図11及び図12に示すように、障害物検出部21に、図3又は図4に示したモータ負荷感知方式の障害物検出部と図7及び図8に示した光電センサ方式を用いた障害物検出部との2方式の検出部を備えることで、重量シャッター装置の障害物感知の信頼性を向上させることができる。
【0071】
すなわち、重量シャッター装置の座板接触式の障害物感知方式においては、座板下部に感知レバーを設けた方式が主流であるが、座板の変形、凍結、故障により障害物を正常に感知できない可能性がある。例えば、変形の事例として、座板へのトラックやフォークリフトの接触によって変形又は破損する場合がある。凍結の事例として、寒冷地及び冷凍倉庫での使用によって感知レバーが凍結してしまう可能性がある。故障の事例として、図8に記載のもののように無線式の障害物感知装置の場合、座板内部のマイクロスイッチが故障する可能性がある。この座板下部に感知レバーを取り付けたものは、その感知力が小さく安全性が高いとう利点を有する。その一方、重量シャッター装置における負荷感知方式には、感知力がやや高いという欠点がある。
【0072】
そこで、図8及び図9に示すように、重量シャッター装置において、座板レバー方式、光電センサ方式及びモータ負荷感知方式の3種類の感知方式を組み合わせること又は図11及び図12に示すように、モータ負荷感知方式及び光電センサ方式の2種類の感知方式を組み合わせることで、上述の各事例(座板の変形、凍結、故障)を回避することのできる障害物感知システムを提供することが可能となる。これによって、重量シャッター装置の安全性及び信頼性を向上させることができると共に低コスト化も実現することができる。
【0073】
図14は、図6のステップS64、図10のステップS102又は図13のステップS132のシャッター通常動作処理の詳細を示すフローチャート図である。すなわち、図14は、操作スイッチ19の上昇(開)ボタン19A、停止(停)ボタン19B、下降(閉)ボタン19Cの通常の操作に応じた開閉停の各制御信号に基づいて実行する処理の一例を示すフローチャート図である。
【0074】
ステップS141では、操作スイッチ19から受信した制御信号が停止(停)ボタン19Bの操作に対応した停止信号か否かの判定を行い、停止信号(yes)の場合は次のステップS142に進み、停止信号以外(no)の場合はステップS144に進む。
ステップS142では、現在のシャッターカーテン12の動作が開動作中又は閉動作中か否(停止中)かの判定を行い、動作中(yes)の場合は次のステップS143に進み、停止中(no)の場合はリターンする。
ステップS143では、シャッターカーテン12が開動作中又は閉動作中なので、その動作を停止してリターンする。
【0075】
ステップS144では、操作スイッチ19から受信した制御信号が上昇(開)ボタン19Aの操作に対応した開信号か否かの判定を行い、開信号(yes)の場合は次のステップS145に進み、開信号以外(no)の場合はステップS148に進む。
ステップS145では、現在のシャッターカーテン12が閉動作中か否かの判定を行い、閉動作中(yes)の場合は次のステップS146に進み、開動作中又は停止中(no)の場合はステップS147に進む。
【0076】
ステップS146では、ステップS145で閉動作中と判定されたので、閉動作停止後、開動作を開始してリターンする。
ステップS147では、ステップS145で開動作中又は停止中と判定されたので、開動作中の場合はそのまま開動作を継続し、停止中の場合は開動作開始してリターンする。
ステップS146及びステップS147における開動作の速度は、開動作又は閉動作時の通常速度の約1.5倍速とする。
【0077】
ステップS148では、操作スイッチ19から受信した制御信号が下降(閉)ボタン19Cの操作に対応した閉信号の受信か否かの判定を行い、閉信号(yes)の場合は次のステップS149に進み、閉信号以外(no)の場合はリターンする。
ステップS149では、現在のシャッターカーテン12が開動作中か否かの判定を行い、開動作中(yes)の場合はステップS14Aに進み、停止中(no)の場合はステップS14Cに進む。
ステップS14Aでは、シャッターカーテン12が開動作中なので、開動作を停止し、開動作停止後に閉動作を開始し、リターンする。
ステップS14Cでは、シャッターカーテン12が閉動作中又は停止中なので、閉動作中の場合はそのまま閉動作を継続し、停止中の場合は閉動作を開始してリターンする。
【0078】
ステップS14A及びステップS14Cにおける閉動作の速度は、開動作又は閉動作時の通常速度と同じかそれより低い速度(通常速度の約0.3倍速~0.7倍速)とする。また、操作スイッチ19の閉ボタン19Cが押し切り操作されている場合は、通常の速度又はそれ以上の高速度(1.1~1.5倍速などのような高速度)で閉動作する。これは、押し切り操作を行うということは、操作者が開閉体装置付近で監視しながら操作していることを意味するので、高速度で閉動作を実行しても安全性・信頼性を確保することができるからである。
図13又は図14に示すように、閉鎖時(下降時)の速度を通常速度よりも遅くすることによって、負荷感知方式における負荷感知時の負荷感知力を比較的小さくすることができるので、開閉体装置の安全性及び信頼性を高く維持することができる。
【0079】
図7図8及び図9の実施の形態では、モータ負荷感知方式の感知装置に加えて、光電センサ22,23を用いた障害物検出部と、座板スイッチを用いた座板感知レバー方式の障害物検出部の両方を設ける場合について説明したが、いずれか一方を設けるものでもよい。図11及び図12の実施の形態では、モータ負荷感知方式の感知装置に加えて、光電センサ22,23を用いた障害物検出部と、人感センサ27及び車両検出センサ28の両方を設ける場合について説明したが、人感センサ27及び車両検出センサ28のいずれか一方を設けるようにしてよいし、これに、光電センサ22,23を用いた障害物検出部及び座板スイッチを用いた座板感知レバー方式の障害物検出部の少なくとも一方を設けてもよい。
【0080】
図15は、停電復帰後又は電源投入後の過渡的状況における開閉体装置の動作の一例を示す図である。災害発生後に停電等で電力の供給が遮断し、その後に停電から復帰した場合は、シャッターカーテン12の開閉時の開閉速度を通常の開閉速度よりも遅い低速度とすることが望ましい。例えば、大規模な地震の発生した場合、建物自体が変形し、それに伴って開閉体装置10にも変形が生じるという事象が発生する可能性がある。このような事象が発生した場合、変形した状態で開閉体の開閉動作を行うと、シャッターカーテン12の左右端縁がブラケットと接触し、シャッターカーテン12の回転によってブラケットが磨耗して、巻取シャフト15と共にシャッターカーテン12が落下してしまう可能性が想定される。また、地震発生直後には建物自体の変形に伴って開閉体装置10が全体的に傾き、部品が正常に機能しない等の事象が発生する可能性がある。さらに、非常電源や外部電源で緊急的に開閉体装置のシャッターカーテン12を開閉させる場合には、電源容量が不足している可能性もあるため極力電力を消費しない方が好ましい。
【0081】
そこで、図15の実施の形態では、開閉体装置10が停電から復帰後、又は電源投入後、一定時間(例えば30~50秒間)の間、他の操作による開閉速度に優先して、シャッターカーテン12の開閉動作時の速度を通常速度の約0.3倍速~0.7倍速と低速度で実行する。
図15の処理は、停電から復帰した時点又は電源が投入された時点でスタートする。
ステップS151では、停電復帰後又は電源投入後から起算して30秒経過したか否かを判定し、経過した(yes)場合は次のステップS152に進み、経過していない場合はステップS153に進む。
ステップS152では、図14のシャッター通常動作処理を実行する。
ステップS153では、図14のシャッター通常動作処理に優先して、停電復帰後又は電源投入後から30秒間経過するまでは、シャッターカーテン12の開閉動作速度を通常速度の約0.3倍速~0.7倍速の低速度とする。これによって、災害発生直後の停電復帰後又は電源投入後の過渡的状況における操作性・信頼性を向上することができる。
【0082】
上述の実施の形態では、上下昇降方式で繰り出されるシャッターカーテンを例に説明したが、シャッター状の開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。また、開閉体装置としては、例えば、シャッター装置、窓シャッター装置、ブラインド装置、ロールスクリーン装置、垂れ幕装置、引戸装置、移動間仕切装置、オーニング装置、防水板装置などにも適用可能である。
【符号の説明】
【0083】
10…開閉体装置
11…シャッターケース
12…シャッターカーテン
13,14…ガイドレール
15…巻取シャフト
16…ブレーキ
17…三相交流モータ
18…制御装置
19…操作スイッチ
19A…開ボタン
19B…停ボタン
19C…閉ボタン
20…リミットスイッチ
21…障害物検出部
22,23…光電センサ
24…光路
25…障害物感知器
26…無線受信機
27…人感センサ
28…車両検出センサ
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