(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】部品供給装置及び部品実装装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20231205BHJP
【FI】
H05K13/02 B
(21)【出願番号】P 2019236978
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大助
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 信義
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-084597(JP,A)
【文献】特開2008-085141(JP,A)
【文献】国際公開第2016/132438(WO,A1)
【文献】特開2014-082249(JP,A)
【文献】特開2005-142192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定面の第1軸方向に配置された複数の装着部を有するフィーダバンクと、
前記装着部に装着された状態で部品を供給するテープフィーダと、
前記テープフィーダに支持され、前記テープフィーダで覆われた第1装着部とは別の第2装着部を覆うカバー部材と、を備え
、
前記カバー部材は、前記テープフィーダの側面から前記第1軸方向に突出し、
前記装着部は、スロットを含み、
前記テープフィーダの下部にスライダが設けられ、
前記テープフィーダが前記第1軸方向と直交する前記所定面の第2軸方向にスライドすることにより、前記スライダが前記スロットに挿入され、
前記第2軸方向において、前記カバー部材の一方側の端部の位置と前記スライダの一方側の端部の位置とは、等しく、前記カバー部材の他方側の端部の位置と前記スライダの他方側の端部の位置とは、等しい、
部品供給装置。
【請求項2】
所定面の第1軸方向に配置された複数の装着部を有するフィーダバンクと、
前記装着部に装着された状態で部品を供給するテープフィーダと、
前記テープフィーダに支持され、前記テープフィーダで覆われた第1装着部とは別の第2装着部を覆うカバー部材と、を備え
、
前記カバー部材は、前記テープフィーダの側面から前記第1軸方向に突出し、
前記テープフィーダに前記部品の供給位置が規定され、
前記所定面と直交する第3軸方向において、前記カバー部材と前記装着部との距離は、前記供給位置と前記装着部との距離よりも短い、
部品供給装置。
【請求項3】
所定面の第1軸方向に配置された複数の装着部を有するフィーダバンクと、
前記装着部に装着された状態で部品を供給するテープフィーダと、
前記テープフィーダに支持され、前記テープフィーダで覆われた第1装着部とは別の第2装着部を覆うカバー部材と、を備え
、
前記カバー部材は、前記テープフィーダの側面から前記第1軸方向に突出し、
前記カバー部材は、板状であり、前記テープフィーダの側面から前記第1軸方向に向かって下方に傾斜するように突出する、
部品供給装置。
【請求項4】
所定面の第1軸方向に配置された複数の装着部を有するフィーダバンクと、
前記装着部に装着された状態で部品を供給するテープフィーダと、
前記テープフィーダに支持され、前記テープフィーダで覆われた第1装着部とは別の第2装着部を覆うカバー部材と、
前記テープフィーダに設けられ、前記カバー部材を移動可能に支持する移動機構と、を備え
、
前記移動機構は、前記第2装着部を覆う第1位置と前記第1位置から離れた第2位置との間を移動するように、前記カバー部材を支持し、
前記テープフィーダに前記部品の供給位置が規定され、
前記所定面と直交する第3軸方向において、前記第1位置と前記装着部との距離は、前記供給位置と前記装着部との距離よりも短い、
部品供給装置。
【請求項5】
前記第3軸方向において、前記第2位置と前記装着部との距離は、前記供給位置と前記装着部との距離よりも長い、
請求項
4に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記第3軸方向は、上下方向であり、
前記カバー部材が前記第1位置に配置された状態において、前記カバー部材の上端部は、前記供給位置よりも下方に配置され、
前記カバー部材が前記第2位置に配置された状態において、前記カバー部材の上端部は、前記供給位置よりも上方に配置される、
請求項
5に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記移動機構は、前記第3軸方向に移動するように、前記カバー部材を支持する、
請求項
6に記載の部品供給装置。
【請求項8】
前記移動機構は、前記カバー部材を前記第1位置に移動させる弾性力を発生する弾性部材を有する、
請求項
7に記載の部品供給装置。
【請求項9】
前記カバー部材が前記第2位置に配置された状態において、前記カバー部材と前記テープフィーダとの間に空間が形成される、
請求項4から請求項
8のいずれか一項に記載の部品供給装置。
【請求項10】
所定面の第1軸方向に配置された複数の装着部を有するフィーダバンクと、
前記装着部に装着された状態で部品を供給するテープフィーダと、
前記テープフィーダに支持され、前記テープフィーダで覆われた第1装着部とは別の第2装着部を覆うカバー部材と、を備え
、
前記装着部は、スロットを含み、
前記カバー部材の少なくとも一部は、前記テープフィーダで覆われた第1スロットとは別の第2スロットに挿入される、
部品供給装置。
【請求項11】
前記移動機構は、前記第1軸方向に移動するように、前記カバー部材を支持する、
請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項12】
請求項1から請求項
11のいずれか一項に記載の部品供給装置を備える、
部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品供給装置及び部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部品供給装置に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような電子部品供給装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
部品供給装置としてテープフィーダを使用する場合、部品を保持するキャリアテープがテープリールからテープフィーダに供給される。テープフィーダは、フィーダバンクに装着された状態で、テープリールから供給されたキャリアテープを搬送する。例えばテープリールの幅がテープフィーダの幅よりも広い場合、隣り合うテープフィーダの間に隙間が形成される可能性がある。隙間が形成されると、フィーダバンクに装着されるべきではないテープフィーダが隙間に誤装着されてしまう可能性がある。
【0005】
本開示は、テープフィーダの誤装着を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、所定面の第1軸方向に配置された複数の装着部を有するフィーダバンクと、前記装着部に装着された状態で部品を供給するテープフィーダと、前記テープフィーダに支持され、前記テープフィーダで覆われた第1装着部とは別の第2装着部を覆うカバー部材と、を備える、部品供給装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、テープフィーダの誤装着を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る部品実装装置を模式的に示す平面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る部品供給装置を模式的に示す側面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るフィーダバンクを模式的に示す斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るテープフィーダを示す側断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るテープフィーダを示す斜視図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係るテープフィーダがフィーダバンクの装着部に装着された状態を模式的に示す平面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係るテープフィーダがフィーダバンクの装着部に装着された状態を模式的に示す背面図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係るテープフィーダとテープリールとの関係を模式的に示す平面図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係るテープフィーダがフィーダバンクの装着部に装着された状態を模式的に示す背面図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係るカバー部材が第2位置に配置されている状態を模式的に示す斜視図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態に係るテープフィーダがフィーダバンクの装着部に装着された状態を模式的に示す背面図である。
【
図12】
図12は、第3実施形態に係るカバー部材が第2位置に配置されている状態を模式的に示す斜視図である。
【
図13】
図13は、第4実施形態に係るテープフィーダがフィーダバンクの装着部に装着された状態を模式的に示す背面図である。
【
図14】
図14は、第4実施形態に係るカバー部材が第2位置に配置されている状態を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
実施形態においては、XYZ直交座標系を設定し、XYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面のX軸(第1軸)と平行な方向をX軸方向(第1軸方向)、X軸と直交する所定面のY軸(第2軸)と平行な方向をY軸方向(第2軸方向)、所定面に直交するZ軸(第3軸)と平行な方向をZ軸方向(第3軸方向)とする。また、X軸を中心とする回転又は傾斜方向をθX方向、Y軸を中心とする回転又は傾斜方向をθY方向、Z軸を中心とする回転又は傾斜方向をθZ方向とする。実施形態において、所定面は水平面と平行であり、Z軸方向は上下方向であることとする。なお、所定面は、水平面に対して傾斜してもよい。また、以下の説明においては、X軸及びY軸を含む所定面を適宜、XY平面、と称し、Y軸及びZ軸を含む面を適宜、YZ平面、と称し、Z軸及びX軸を含む面を適宜、ZX平面、と称する。
【0011】
[第1実施形態]
<部品実装装置>
部品実装装置1について説明する。
図1は、本実施形態に係る部品実装装置1を模式的に示す平面図である。部品実装装置1は、部品Cを基板Pに実装する。部品実装装置1は、ベースフレーム2と、基板Pを搬送する基板搬送装置3と、部品Cを供給する部品供給装置100Aと、ノズル4を有する実装ヘッド5と、実装ヘッド5を移動するヘッド移動装置6と、ノズル4を移動するノズル移動装置7とを備える。
【0012】
ベースフレーム2は、基板搬送装置3、部品供給装置100A、実装ヘッド5、ヘッド移動装置6、及びノズル移動装置7を支持する。
【0013】
基板搬送装置3は、基板Pを実装位置DMに搬送する。実装位置DMは、基板搬送装置3の搬送経路に規定される。基板搬送装置3は、基板Pを搬送する搬送ベルト3Bと、基板Pをガイドするガイド部材3Gと、基板Pを保持する保持部材3Hとを有する。搬送ベルト3Bは、アクチュエータの駆動により移動して、基板PをX軸方向に搬送する。また、不図示の昇降機構により、保持部材3Hと基板Pと搬送ベルト3BとがZ軸方向に移動する。基板Pは、実装位置DMに移動した後、昇降機構により上昇して、搬送ベルト3Bとガイド部材3Gとに挟まれる。実装ヘッド5は、実装位置DMに配置された基板Pの表面に部品Cを実装する。
【0014】
部品供給装置100Aは、部品Cを供給位置SMに供給する。部品供給装置100Aは、フィーダバンク105と、フィーダバンク105に装着される複数のテープフィーダ10Aとを有する。部品Cの供給位置SMは、テープフィーダ10Aに規定される。テープフィーダ10Aは、複数の部品Cを保持するキャリアテープTを搬送する。部品供給装置100Aは、複数の部品Cのうち少なくとも1つの部品Cを供給位置SMに供給する。部品供給装置100Aは、基板搬送装置3の+Y側及び-Y側の両方に配置される。なお、部品供給装置100Aは、基板搬送装置3の+Y側及び-Y側の一方に配置されてもよい。
【0015】
実装ヘッド5は、部品供給装置100Aから供給された部品Cをノズル4で保持して基板Pに実装する。実装ヘッド5は、複数のノズル4を有する。実装ヘッド5は、部品供給装置100Aから部品Cが供給される供給位置SMと、基板Pが配置されている実装位置DMとの間を移動可能である。供給位置SMと実装位置DMとは、XY平面内において異なる位置に規定される。実装ヘッド5は、供給位置SMに供給された部品Cをノズル4で保持して、実装位置DMに移動した後、実装位置DMに配置されている基板Pに部品Cを実装する。
【0016】
ヘッド移動装置6は、実装ヘッド5をX軸方向及びY軸方向のそれぞれに移動可能である。ヘッド移動装置6は、実装ヘッド5をX軸方向に移動するX軸移動装置6Xと、実装ヘッド5をY軸方向に移動するY軸移動装置6Yとを有する。X軸移動装置6X及びY軸移動装置6Yのそれぞれは、アクチュエータを含む。X軸移動装置6Xは、実装ヘッド5に連結される。X軸移動装置6Xの駆動により、実装ヘッド5がX軸方向に移動する。Y軸移動装置6Yは、X軸移動装置6Xを介して実装ヘッド5に連結される。Y軸移動装置6Yの駆動によりX軸移動装置6XがY軸方向に移動することによって、実装ヘッド5がY軸方向に移動する。
【0017】
ノズル4は、部品Cを着脱可能に保持する。ノズル4は、部品Cを吸着保持する吸引ノズルである。ノズル4の先端部に開口が設けられる。ノズル4の開口は、真空システムと接続される。ノズル4の先端部と部品Cとが接触した状態で、ノズル4の先端部に設けられた開口からの吸引動作が実施されることにより、ノズル4の先端部に部品Cが吸着保持される。開口からの吸引動作が解除されることにより、ノズル4から部品Cが解放される。なお、ノズル4は、部品Cを挟んで保持する把持ノズルでもよい。
【0018】
ノズル移動装置7は、ノズル4をZ軸方向及びθZ方向のそれぞれに移動可能である。ノズル移動装置7は、複数のノズル4のそれぞれに設けられる。ノズル移動装置7は、実装ヘッド5に支持される。ノズル4は、ノズル移動装置7を介して実装ヘッド5に支持される。
【0019】
ノズル4は、ヘッド移動装置6及びノズル移動装置7により、X軸、Y軸、Z軸、及びθZの4つの方向に移動可能である。ノズル4が移動することにより、ノズル4に保持されている部品Cも、X軸、Y軸、Z軸、及びθZの4つの方向に移動可能である。なお、ノズル4は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。
【0020】
<部品供給装置>
次に、部品供給装置100Aについて説明する。
図2は、本実施形態に係る部品供給装置100Aを模式的に示す側面図である。部品供給装置100Aは、電気駆動方式の部品供給装置である。テープフィーダ10Aは、電動式テープフィーダである。
【0021】
部品供給装置100Aは、キャスタ101に支持される台車102と、台車102に支持されるリールホルダ103と、台車102に支持されるフィーダバンク105と、フィーダバンク105に支持されるテープフィーダ10Aとを備える。テープリール104がリールホルダ103に装着される。
【0022】
台車102は、キャスタ101により床面を移動可能である。リールホルダ103は、テープリール104を回転可能に保持する。テープリール104にキャリアテープTが巻かれている。キャリアテープTは、テープリール104に巻かれた状態で、部品供給装置100Aに装着される。複数の部品CがキャリアテープTに保持される。
【0023】
フィーダバンク105は、部品実装装置1のベースフレーム2に接続される。テープフィーダ10Aは、フィーダバンク105に装着される。フィーダバンク105は、複数のテープフィーダ10Aを着脱可能に支持する。テープフィーダ10Aは、フィーダバンク105においてX軸方向に複数配置される。テープリール104からテープフィーダ10AにキャリアテープTが供給される。テープフィーダ10Aは、テープリール104から供給されたキャリアテープTをY軸方向に搬送する。テープフィーダ10AによりキャリアテープTが移動することによって、キャリアテープTに保持されている複数の部品Cのうち、特定の部品Cが供給位置SMに搬送される。
【0024】
テープリール104は、第1テープリール104Aと、第2テープリール104Bとを含む。テープフィーダ10Aは、第1テープリール104A及び第2テープリール104Bのそれぞれから供給されるキャリアテープTを搬送可能なダブルテープフィーダである。なお、テープフィーダ10Aは、ダブルテープフィーダでなくてもよい。
【0025】
部品Cは、キャリアテープTに設けられたポケットに配置される。ポケットは、キャリアテープTの長手方向に等間隔で複数設けられる。複数のポケットのそれぞれに部品Cが配置される。キャリアテープTに、カバーテープEが貼り合せられる。
【0026】
テープフィーダ10Aは、テープリール104から供給されたキャリアテープTをポケットの間隔で断続的に移動し、剥離部26においてキャリアテープTからカバーテープEを剥離し、カバーテープEが剥離されたキャリアテープTに保持されている部品Cを供給位置SMに移動する。
【0027】
<フィーダバンク>
次に、フィーダバンク105について説明する。
図3は、本実施形態に係るフィーダバンク105を模式的に示す斜視図である。
図3に示すように、フィーダバンク105は、複数のテープフィーダ10Aが搭載される支持台106と、支持台106の上面の+X側の端部に配置される側板部107と、支持台106の上面の-X側の端部に配置される側板部108と、支持台106の上面においてX軸方向に配置された複数の装着部110とを有する。
【0028】
支持台106の上面の外形は、X軸方向に長い長方形状である。側板部107及び側板部108のそれぞれは、長方形状の板部材である。支持台106は、部品実装装置1のベースフレーム2に接続される。ベースフレーム2と対向する支持台106の対向面に、第1バンクコネクタが設けられる。
図3に示す例において、ベースフレーム2と対向する支持台106の対向面は、+Y側を向く。第1バンクコネクタは、ベースフレーム2に設けられているメインコネクタと接続される。第1バンクコネクタとメインコネクタとが接続されることにより、部品実装装置1と部品供給装置100Aとは、通信データを通信することができる。
【0029】
テープフィーダ10Aは、装着部110に装着される。テープフィーダ10Aは、装着部110に装着された状態で、供給位置SMに部品Cを供給する。テープフィーダ10Aは、装着部110に着脱可能である。装着部110は、側板部107と側板部108との間においてX軸方向に複数配置される。装着部110は、X軸方向に間隔をあけて配置される。本実施形態において、装着部110は、X軸方向に等間隔に配置される。複数のテープフィーダ10Aのそれぞれが異なる装着部110に装着されることにより、複数のテープフィーダ10Aは、支持台106の上面においてX軸方向に配置される。
【0030】
本実施形態において、装着部110は、テープフィーダ10Aの少なくとも一部が挿入されるスロットを含む。テープフィーダ10Aは、装着部110に対してY軸方向にスライドすることにより、装着部110に着脱される。
図3に示す例において、スロットの-Y側の端部にスロットの開口端109が設けられる。テープフィーダ10Aの下部にスライダ24が設けられる。テープフィーダ10Aのスライダ24が開口端109に挿入された後、テープフィーダ10Aが+Y方向にスライドすることにより、スライダ24が装着部110に挿入され、テープフィーダ10Aが装着部110に装着される。装着部110に装着されているテープフィーダ10Aが-Y方向にスライドすることにより、スライダ24が開口端109から抜去され、テープフィーダ10Aが装着部110から外される。
【0031】
<テープフィーダ>
次に、テープフィーダ10Aについて説明する。
図4は、本実施形態に係るテープフィーダ10Aを示す側断面図である。
図4に示すように、テープフィーダ10Aは、メインフレーム20と、ハンドル部8と、スライダ24と、剥離部26と、ロック機構28と、ロックレバー9と、通信端子29と、搬送機構30と、剥離機構40とを備える。
【0032】
メインフレーム20は、キャリアテープTが移動する搬送部21と、テープリール104から供給されるキャリアテープTの入口22と、搬送部21を移動したキャリアテープTの出口23とを有する。
図4に示す例において、入口22は、メインフレーム20の-Y側の端部に設けられる。出口23は、メインフレーム20の+Y側の端部に設けられる。搬送部21は、メインフレーム20の-Y側の端部から+Y方向に向かって+Z方向に傾斜する傾斜部と、メインフレーム20の上端部に設けられXY平面と実質的に平行な水平部とを含む。
【0033】
ハンドル部8は、作業者に握られる。作業者は、ハンドル部8を握って、テープフィーダ10Aを運搬したり操作したりすることができる。ハンドル部8は、メインフレーム20に接続される。ハンドル部8は、メインフレーム20の-Y側且つ+Z側の端部に設けられる。
【0034】
スライダ24は、装着部110に装着される。スライダ24は、メインフレーム20の下部に配置される。Y軸方向において、スライダ24は、メインフレーム20の中間部と+Y側の端部との間に配置される。スライダ24は、Y軸方向に延伸する。上述のように、スライダ24が開口端109に挿入された後、テープフィーダ10Aが+Y方向にスライドすることにより、テープフィーダ10Aが装着部110に装着される。スライダ24が装着部110から抜去されるようにテープフィーダ10Aが-Y方向にスライドすることにより、テープフィーダ10Aが装着部110から外される。
【0035】
剥離部26は、キャリアテープTからカバーテープEを剥離する。剥離部26は、メインフレーム20に接続される上板11に設けられる。上板11は、搬送部21のキャリアテープTを上方から覆うように配置される。上板11の剥離部26において、キャリアテープTとカバーテープEとが剥離される。
【0036】
カバーテープEは、剥離部26において上方に折り返され、剥離機構40により-Y方向に移動する。キャリアテープTは、搬送機構30により+Y方向に移動する。カバーテープEが剥離機構40により移動されキャリアテープTが搬送機構30により移動されることにより、剥離部26においてキャリアテープTからカバーテープEが剥離される。
【0037】
カバーテープEが剥離されたキャリアテープTは、+Y方向に移動する。上板11は、剥離部26よりも+Y側に形成された開口部27を有する。上述のように、キャリアテープTは、部品Cが配置されるポケットを有する。部品Cは、キャリアテープTのポケットに配置された状態で搬送される。開口部27は、部品Cの寸法及びポケットの寸法よりも大きい。開口部27は、供給位置SMを含む。ポケットに配置された部品Cが開口部27に配置されることにより、ノズル4は、開口部27を介して、部品Cを保持することができる。
【0038】
ロック機構28は、フィーダバンク105に解放可能に固定される。ロック機構28は、メインフレーム20に支持される。ロック機構28は、メインフレーム20に回動可能に支持されるフック部28Aを有する。フック部28Aは、ヒンジ28Rを介して、メインフレーム20の下部に連結される。フック部28Aは、フィーダバンク105に固定される固定位置と、フィーダバンク105から解放される解放位置との間を回動可能である。
【0039】
フック部28Aが固定位置に回動して、フィーダバンク105に設けられている係合部に掛けられることにより、ロック機構28は、フィーダバンク105に固定される。フック部28Aが解放位置に回動して、フィーダバンク105に設けられている係合部から外れることにより、ロック機構28は、フィーダバンク105から解放される。
【0040】
通信端子29は、フィーダバンク105に設けられている第2バンクコネクタに接続される。通信端子29とフィーダバンク105の第2バンクコネクタとが接続されることにより、テープフィーダ10Aとフィーダバンク105とは、通信データを通信することができる。
【0041】
ロックレバー9は、ロック機構28を作動させる操作装置である。ロックレバー9は、ハンドル部8に回動可能に支持される。ロックレバー9は、ヒンジ9Rを介して、ハンドル部8の-Y側且つ-Z側の端部に連結される。ロックレバー9が操作されることにより、フック部28Aは、固定位置と解放位置との間を回動する。
【0042】
作業者は、ロックレバー9が回動するように、ロックレバー9を操作することができる。フック部28Aは、ロックレバー9に連動する。ロックレバー9が回動することにより、フック部28Aが回動する。
【0043】
搬送機構30は、部品Cを搬送する。搬送機構30は、キャリアテープTを搬送することにより、部品Cを搬送する。搬送機構30は、メインフレーム20に支持される。
【0044】
搬送機構30は、メインフレーム20に支持される駆動モータ31と、メインフレーム20に回転可能に支持されるスプロケット32と、駆動モータ31が発生する動力をスプロケット32に伝達する動力伝達機構33とを有する。本実施形態において、駆動モータ31は、ステッピングモータである。動力伝達機構33は、複数のギアを含む。スプロケット32は、駆動モータ31が発生する動力により回転して、部品Cを保持するキャリアテープTを+Y方向に移動する。
【0045】
スプロケット32は、キャリアテープTの少なくとも一部に接触した状態で回転する。スプロケット32が回転することにより、キャリアテープTが+Y方向に移動する。スプロケット32は、駆動モータ31のステップ動作により断続的に回転する。駆動モータ31は、ポケットに配置されている部品Cが開口部27に順次配置されるように、ステップ動作する。
【0046】
剥離機構40は、メインフレーム20に支持される駆動モータ41と、メインフレーム20に回転可能に支持される一対の搬送ローラ42と、駆動モータ41が発生する動力を搬送ローラ42に伝達する動力伝達機構43と、カバーテープEに張力を付与するテンションローラ44とを有する。
【0047】
動力伝達機構43は、複数のギアを含む。一対の搬送ローラ42は、カバーテープEを挟むように配置される。搬送ローラ42は、駆動モータ41が発生する動力により回転して、カバーテープEを-Y方向に移動する。
【0048】
駆動モータ41は、ステッピングモータである。搬送ローラ42は、駆動モータ41のステップ動作により断続的に回転する。駆動モータ41は、駆動モータ31と同期してステップ動作する。駆動モータ41は、駆動モータ31によるキャリアテープTの移動量とカバーテープEの移動量とが同じになるようにステップ動作する。搬送ローラ42により搬送されたカバーテープEは、メインフレーム20に設けられている回収ボックス45に回収される。
【0049】
<カバー部材>
次に、カバー部材13Aについて説明する。
図5は、本実施形態に係るテープフィーダ10Aを示す斜視図である。
図5に示すように、テープフィーダ10Aは、メインフレーム20に接続される上板11と、メインフレーム20に接続される側板12と、側板12に支持されるカバー部材13Aとを備える。
【0050】
上板11は、メインフレーム20の上端部に接続される。
図5に示す例において、上板11は、メインフレーム20の+Z側且つ+Y側の端部に接続される。
【0051】
側板12は、メインフレーム20の側部に接続される。側板12は、メインフレーム20の+X側の端部及び-X側の端部のそれぞれに接続される。
【0052】
テープフィーダ10Aの表面は、側面10Sと上面10Tとを含む。側面10Sは、側板12の表面である。側面10Sは、平坦である。側面10Sは、YZ平面と平行である。側面10Sは、+X側を向く側面10Sと、-X側を向く側面10Sとを含む。上面10Tは、上板11の表面である。上面10Tは、平坦である。上面10Tは、XY平面と平行である。上面10Tは、+Z側を向く。
【0053】
上述のように、上板11に開口部27が設けられる。部品Cの供給位置SMは、開口部27の内側に規定される。Z軸方向において、上面10Tの位置と供給位置SMとは、実質的に等しい。
【0054】
カバー部材13Aは、テープフィーダ10Aの側面10SからX軸方向に突出する。カバー部材13Aは、側面10SからX軸方向に突出するように、側面10Sに接続される。本実施形態において、カバー部材13Aは、メインフレーム20の+X側の端部及び-X側の端部のそれぞれに接続される一対の側板12のうち、+X側の側板12に支持される。カバー部材13Aは、+X側の側板12の側面10Sから+X方向に突出するように配置される。
【0055】
カバー部材13Aは、側板12の下部に接続される。Y軸方向において、カバー部材13Aは、側板12の中間部と+Y側の端部との間に配置される。カバー部材13Aは、Y軸方向に延伸する。
【0056】
Y軸方向において、カバー部材13Aの位置とスライダ24の少なくとも一部の位置とは、一致する。本実施形態においては、Y軸方向において、カバー部材13Aの寸法とスライダ24の寸法とは、実質的に等しい。Y軸方向において、カバー部材13Aの+Y側の端部の位置とスライダ24の+Y側の端部の位置とは、実質的に等しい。Y軸方向において、カバー部材13Aの-Y側の端部の位置とスライダ24の-Y側の端部の位置とは、実質的に等しい。
【0057】
カバー部材13Aの-X側の端部が側板12の下部に固定される。Z軸方向において、カバー部材13Aと装着部110との距離は、供給位置SMと装着部110との距離よりも短い。すなわち、カバー部材13Aは、供給位置SMよりも下方に配置される。カバー部材13Aは、上面10Tよりも下方に配置される。
【0058】
本実施形態において、カバー部材13Aは、板状の部材である。カバー部材13Aは、+X方向に向かって-Z方向に傾斜するように側板12に支持される。カバー部材13Aの下端部は、スライダ24よりも上方に配置される。
【0059】
図6は、本実施形態に係るテープフィーダ10Aがフィーダバンク105の装着部110に装着された状態を模式的に示す平面図である。
図7は、本実施形態に係るテープフィーダ10Aがフィーダバンク105の装着部110に装着された状態を模式的に示す背面図である。
【0060】
図6及び
図7に示すように、フィーダバンク105は、X軸方向に配置された複数の装着部110を有する。テープフィーダ10Aは、複数の装着部110のうち規定の装着部110に装着される。テープフィーダ10Aが装着される規定の装着部110は、テープフィーダ10Aのスライダ24が配置される装着部110である。テープフィーダ10Aは、装着部110に装着された状態で、キャリアテープTを搬送して、供給位置SMに部品Cを供給する。
【0061】
テープフィーダ10Aは、複数の装着部110を覆うようにフィーダバンク105に装着される。以下の説明においては、テープフィーダ10Aで覆われる装着部110を適宜、第1装着部110A、と称する。
【0062】
図7に示すように、第1装着部110Aは、スライダ24が配置される装着部110を含む。また、第1装着部110Aは、テープフィーダ10Aの下面と対向する装着部110を含む。
【0063】
テープフィーダ10Aの幅Wfが広いほど、テープフィーダ10Aで覆われる第1装着部110Aの数は多くなる。テープフィーダ10Aの幅Wfとは、X軸方向におけるテープフィーダ10Aの寸法をいう。本実施形態において、テープフィーダ10Aの幅Wfは、+X側の側面10Sと-X側の側面10Sとの距離である。
【0064】
カバー部材13Aは、テープフィーダ10Aに支持される。カバー部材13Aは、テープフィーダ10Aで覆われた第1装着部110Aとは別の装着部110を覆う。以下の説明においては、カバー部材13Aで覆われる装着部110を適宜、第2装着部110B、と称する。
【0065】
本実施形態において、カバー部材13Aで覆われる第2装着部110Bは、第1装着部110Aの+X側に配置される。第1装着部110Aと第2装着部110Bとは隣接する。なお、カバー部材13Aで覆われる第2装着部110Bの数は、1つでもよいし、2つ以上の任意の複数でもよい。
【0066】
カバー部材13Aで覆われた第2装着部110Bには、別のテープフィーダを装着することができない。
【0067】
<作用>
次に、カバー部材13Aの作用について説明する。
図8は、本実施形態に係るテープフィーダ10Aとテープリール104との関係を模式的に示す平面図である。
【0068】
例えば大型の部品Cを供給する場合、幅Wtの広いキャリアテープTが使用される。キャリアテープTの幅Wtとは、X軸方向におけるキャリアテープTの寸法をいう。幅Wtの広いキャリアテープTを使用する場合、キャリアテープTを保持するテープリール104の幅Wrを広くする必要がある。テープリール104の幅Wrとは、X軸方向におけるテープリール104の寸法をいう。大型の部品Cを保持するキャリアテープTの重量は大きい。そのため、テープリール104の剛性を維持するために、テープリール104の幅Wrを広くする必要がある。テープリール104の幅WrはキャリアテープTの幅Wtよりも十分に広い必要がある。
【0069】
また、幅Wtの広いキャリアテープTを使用する場合、テープフィーダ10Aの幅Wfも広くする必要がある。一方、テープフィーダ10Aの幅Wfをテープリール104の幅Wrと同等にすると、テープフィーダ10Aの重量が増大したり、テープフィーダ10Aのコストが上昇したりする可能性がある。そのため、テープフィーダ10Aの幅Wtは、キャリアテープTの幅Wtよりも広く、テープリール104の幅Wrよりも狭いことが望ましい。
【0070】
テープフィーダ10Aの幅Wfをテープリール104の幅Wrよりも狭くした場合、
図8に示すように、複数のテープリール104をY軸方向に密接させた状態で配置しても、隣り合うテープフィーダ10Aの間に隙間が形成されてしまう。隙間に存在する装着部110は露出する。装着部110が露出していると、フィーダバンク105に装着されるべきではないテープフィーダが、隙間に存在する装着部110に誤装着されてしまう可能性がある。
【0071】
本実施形態によれば、部品供給装置100Aは、テープフィーダ10Aで覆われた第1装着部110Aとは別の第2装着部110Bを覆うカバー部材13Aを有する。カバー部材13Aは、テープフィーダ10Aに設けられる。そのため、フィーダバンク105に装着されるべきテープフィーダ10Aを装着部110に装着するだけで、第2装着部110Bを塞ぐことができる。第2装着部110Bがカバー部材13Aで覆われることにより、フィーダバンク105に装着されるべきではないテープフィーダが第2装着部110Bに誤装着されることが抑制される。
【0072】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、部品供給装置100Aは、X軸方向に配置された複数の装着部110を有するフィーダバンク105と、装着部110に装着された状態で部品Cを供給するテープフィーダ10Aと、テープフィーダ10Aに支持され、テープフィーダ10Aで覆われた第1装着部110Aとは別の第2装着部110Bを覆うカバー部材13Aとを備える。これにより、フィーダバンク105に装着されるべきではないテープフィーダが装着部110(第2装着部110B)に誤装着されることが抑制される。
【0073】
カバー部材13Aは、テープフィーダ10Aの側面10SからX軸方向に突出する。これにより、テープフィーダ10Aの幅Wfがテープリール104の幅Wrよりも狭くても、第1装着部110Aとは別の第2装着部110Bを塞ぐことができる。そのため、テープフィーダ10Aの重量が増大したり、テープフィーダ10Aのコストが上昇したりすることが抑制される。
【0074】
カバー部材13Aは、側板12に固定されている。カバー部材13Aの少なくとも一部は、側板12の+Y側且つ-Z側の端部に配置され、ハンドル部8は、メインフレーム20の-Y側且つ+Z側の端部に設けられる。そのため、作業者は、ハンドル部8及びカバー部材13Aの両方を握ることにより、テープフィーダ10Aを円滑に運搬することができる。
【0075】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0076】
図9は、本実施形態に係るテープフィーダ10Bがフィーダバンク105の装着部110に装着された状態を模式的に示す背面図である。本実施形態において、部品供給装置100Bは、テープフィーダ10Bに設けられ、カバー部材13Bを移動可能に支持する移動機構50Bを備える。移動機構50Bは、側面10Sに設けられたガイド部51Bと、ガイド部51Bにガイドされるスライド部52Bとを有する。本実施形態において、ガイド部51Bは、側面10Sに設けられたガイド溝である。スライド部52Bは、ガイド溝を移動可能なスライド部材である。なお、ガイド部51Bは、側面10Sに設けられたガイドレールでもよい。カバー部材13Bは、スライド部52Bに固定される。
【0077】
図9に示すように、移動機構50Bは、カバー部材13Bが第1位置P1と第1位置P1から離れた第2位置P2との間を移動するように、カバー部材13Bを支持する。第1位置P1は、カバー部材13Bが第2装着部110Bを覆う位置である。
【0078】
カバー部材13Bが第1位置P1に配置された状態において、カバー部材13Bと装着部110(第2装着部110B)とは接触してもよいし、接触しなくてもよい。カバー部材13Bと装着部110とが接触する状態は、カバー部材13Bの少なくとも一部がフィーダバンク105に接触する状態を含む。装着部110がスロットである場合、カバー部材13Bと装着部110とが接触する状態は、カバー部材13Bの少なくとも一部がスロットの内側に配置される状態を含む。
【0079】
本実施形態において、移動機構50Bは、カバー部材13BがZ軸方向に移動するように、カバー部材13Bを支持する。本実施形態において、ガイド部51Bは、Z軸方向に延伸する。スライド部52Bは、ガイド部51BにガイドされながらZ軸方向に移動する。カバー部材13Bは、スライド部52Bに固定される。カバー部材13Bは、ガイド部51BにガイドされながらZ軸方向に移動する。
【0080】
本実施形態において、第1位置P1は、カバー部材13Bの可動範囲において最も-Z側の位置である。第2位置P2は、カバー部材13Bの可動範囲において最も+Z側の位置である。
【0081】
上述の実施形態と同様、供給位置SMは、上板11の開口部27の内側に規定される。Z軸方向において、上面10Tの位置と供給位置SMとは、実質的に等しい。
【0082】
図9に示すように、Z軸方向において、第1位置P1と装着部110との距離H1は、供給位置SMと装着部110との距離HSよりも短い。
【0083】
図9に示すように、Z軸方向において、第2位置P2と装着部110との距離H2は、供給位置SMと装着部110との距離HSよりも長い。
【0084】
カバー部材13Bが第1位置P1に配置された状態において、カバー部材13Bの上端部は、供給位置SMよりも下方に配置される。カバー部材13Bが第2位置P2に配置された状態において、カバー部材13Bの上端部は、供給位置SMよりも上方に配置される。
【0085】
図10は、本実施形態に係るカバー部材13Bが第2位置P2に配置されている状態を模式的に示す斜視図である。
【0086】
図10に示すように、カバー部材13Bが第2位置P2に配置された状態において、カバー部材13Bとテープフィーダ10Bとの間に空間SPが形成される。本実施形態において、ガイド部51Bは、Y軸方向に2つ設けられる。スライド部52Bは、Y軸方向に2つ設けられる。一方のスライド部52Bは、カバー部材13Bの+Y側の端部に接続される。他方のスライド部52Bは、カバー部材13Bの-Y側の端部に接続される。カバー部材13Bが第2位置P2に配置された状態において、カバー部材13Bの上端部は、上面10Tよりも上方に配置される。空間SPは、カバー部材13Bの下面と、テープフィーダ10Bの上面10Tと、一対のスライド部52Bとの間に規定される。
【0087】
作業者は、空間SPに手を差し込むことにより、カバー部材13Bを円滑に保持することができる。作業者は、カバー部材13Bを保持した状態で、テープフィーダ10Bを円滑に運搬することができる。また、作業者は、ハンドル部8及びカバー部材13Bの両方を保持することにより、テープフィーダ10Bを円滑に運搬することができる。
【0088】
以上説明したように、本実施形態によれば、カバー部材13Bは、移動機構50Bにより第1位置P1と第2位置P2との間を移動可能である。カバー部材13Bが第1位置P1に配置されることにより、第2装着部110Bが覆われるので、フィーダバンク105に装着されるべきではないテープフィーダの誤装着が抑制される。カバー部材13Bが第2位置P2に配置されることにより、作業者は、カバー部材13Bを保持して、テープフィーダ10Bを円滑に運搬することができる。
【0089】
カバー部材13Bが第1位置P1に配置された状態において、カバー部材13Bの上端部は、供給位置SMよりも下方に配置される。そのため、実装ヘッド5は、供給位置SMに供給された部品Cをノズル4で円滑に保持することができる。カバー部材13Bが第2位置P2に配置された状態において、カバー部材13Bの上端部は、供給位置SMよりも上方に配置される。そのため、作業者は、カバー部材13Bを保持して、テープフィーダ10Bを円滑に運搬することができる。
【0090】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0091】
図11は、本実施形態に係るテープフィーダ10Cがフィーダバンク105の装着部110に装着された状態を模式的に示す背面図である。部品供給装置100Cは、テープフィーダ10Cに設けられ、カバー部材13Cを移動可能に支持する移動機構50Cを有する。本実施形態において、移動機構50Cは、カバー部材13CがX軸方向に移動するように、カバー部材13Cを支持する。
【0092】
移動機構50Cは、テープフィーダ10Cの下部に設けられ、X軸方向に延伸するガイド部51Cと、ガイド部51Cにガイドされるスライド部52Cとを有する。スライド部52Cは、ガイド部51CにガイドされながらX軸方向に移動する。カバー部材13Cは、スライド部52Cに固定される。カバー部材13Cは、ガイド部51CにガイドされながらX軸方向に移動する。
【0093】
図11に示すように、移動機構50Cは、カバー部材13Cが第1位置P1と第1位置P1から離れた第2位置P2との間を移動するように、カバー部材13Cを支持する。第1位置P1は、カバー部材13Cが第1装着部110Aに隣接する第2装着部110Bを覆う位置である。カバー部材13Cが第1位置P1に配置された状態において、カバー部材13Cの-X側の端部は、側面10Sに接触する。
【0094】
本実施形態において、第1位置P1は、カバー部材13Cの可動範囲において最も-X側の位置である。第2位置P2は、カバー部材13Cの可動範囲において最も+X側の位置である。
【0095】
上述の実施形態と同様、供給位置SMは、上板11の開口部27の内側に規定される。Z軸方向において、上面10Tの位置と供給位置SMとは、実質的に等しい。カバー部材13Cは、上面10T(供給位置SM)よりも下方に配置される。カバー部材13Cは、第1位置P1に配置された状態及び第2位置P2に配置された状態のそれぞれにおいて、上面10T(供給位置SM)よりも下方に配置される。
【0096】
図12は、本実施形態に係るカバー部材13Cが第2位置P2に配置されている状態を模式的に示す斜視図である。
【0097】
図12に示すように、カバー部材13Cが第2位置P2に配置された状態において、カバー部材13Cとテープフィーダ10Cとの間に空間SPが形成される。本実施形態において、ガイド部51Cは、Y軸方向に2つ設けられる。スライド部52Cは、Y軸方向に2つ設けられる。一方のスライド部52Cは、カバー部材13Cの+Y側の端部に接続される。他方のスライド部52Cは、カバー部材13Cの-Y側の端部に接続される。カバー部材13Cが第2位置P2に配置された状態において、カバー部材13Cの-X側の端部は、側面10Sから離れた位置に配置される。空間SPは、カバー部材13Cの-X側の端部と、テープフィーダ10Cの側面10Sと、一対のスライド部52Cとの間に規定される。
【0098】
作業者は、空間SPに手を差し込むことにより、カバー部材13Cを円滑に保持することができる。作業者は、カバー部材13Cを保持した状態で、テープフィーダ10Cを円滑に運搬することができる。また、作業者は、ハンドル部8及びカバー部材13Cの両方を保持することにより、テープフィーダ10Cを円滑に運搬することができる。
【0099】
以上説明したように、本実施形態においても、カバー部材13Cは、移動機構50Cにより第1位置P1と第2位置P2との間を移動可能である。カバー部材13Cが第1位置P1に配置されることにより、第2装着部110Bが覆われるので、フィーダバンク105に装着されるべきではないテープフィーダの誤装着が抑制される。カバー部材13Cが第2位置P2に配置されることにより、作業者は、カバー部材13Cを保持して、テープフィーダ10Cを円滑に運搬することができる。
【0100】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0101】
図13は、本実施形態に係るテープフィーダ10Dがフィーダバンク105の装着部110に装着された状態を模式的に示す背面図である。
図13に示すように、部品供給装置100Dは、テープフィーダ10Dに支持されたカバー部材13Dを備える。カバー部材13Dは、第2装着部110Bを覆う。カバー部材13Dは、テープフィーダ10Dの+側の側面10Sよりも+X側に配置される。
【0102】
装着部110は、スライダ24Dが挿入されるスロットを含む。本実施形態において、カバー部材13Dの少なくとも一部は、テープフィーダ10Dで覆われた第1装着部110Aとは別の第2装着部110Bに装着される。本実施形態において、第1装着部110Aは、テープフィーダ10Dで覆われた第1スロットである。第2装着部110Bは、第1スロットとは別の第2スロットである。カバー部材13Dの少なくとも一部は、第2装着部110B(第2スロット)に挿入される。
【0103】
本実施形態において、カバー部材13Dは、ボディ131と、ボディ131の下端部に配置されるスライダ132と、ボディ131の上端部に配置されるハンドル部133とを有する。ボディ131は、板状である。スライダ132は、第2装着部110B(第2スロット)に挿入される。ハンドル部133は、作業者に握られる。
【0104】
Y軸方向において、カバー部材13Dの+Y側の端部の位置とスライダ24Dの+Y側の端部の位置とは、実質的に等しい。
【0105】
テープフィーダ10Dは、カバー部材13Dを移動可能に支持する移動機構50Dを備える。移動機構50Dは、カバー部材13DがZ軸方向に移動するように、カバー部材13Dを支持する。移動機構50Dは、側面10Sに設けられたガイド部51Dと、ガイド部51Dにガイドされるスライド部52Dとを有する。本実施形態において、ガイド部51Dは、+X側の側面10Sから+X方向に突出するガイドロッドである。スライド部52Dは、カバー部材13Dのボディ131に形成された長孔である。長孔は、Z軸方向に延伸する。長孔にガイド部51Dが配置される。
【0106】
カバー部材13Dは、移動機構50Dにより、第2装着部110Bを覆う第1位置P1と、第1位置P1から離れた第2位置P2との間を移動することができる。本実施形態において、カバー部材13Dが第2装着部110Bを覆う状態は、カバー部材13Dのスライダ132が第2装着部110B(第2スロット)に挿入される状態である。
【0107】
本実施形態において、第2位置P2は、第1位置P1よりも+Z側の位置である。第1位置P1は、カバー部材13Dの可動範囲において最も-Z側の位置である。第2位置P2は、カバー部材13Dの可動範囲において最も+Z側の位置である。
【0108】
上述の実施形態と同様、供給位置SMは、上板11の開口部27の内側に規定される。Z軸方向において、上面10Tの位置と供給位置SMとは、実質的に等しい。
【0109】
図13は、カバー部材13Dが第1位置P1に配置されている状態を示す。
図13に示すように、カバー部材13Dが第1位置P1に配置された状態において、カバー部材13Dの上端部は、供給位置SMよりも下方に配置される。また、
図13に示すように、カバー部材13Dが第1位置P1に配置された状態において、スライダ132が第2装着部110Bに配置される。
【0110】
本実施形態において、移動機構50Dは、カバー部材13Dを第1位置P1に移動させる弾性力を発生する弾性部材53Dを有する。弾性部材53Dは、コイルばねを含む。弾性部材53Dは、カバー部材13Dが-Z方向に移動するように弾性力を発生する。弾性部材53Dは、テープフィーダ10Dとカバー部材13Dとを連結する。
図13に示すように、カバー部材13Dは、ボディ131の-X側の表面から-X方向に突出する第1凸部54Dを有する。テープフィーダ10Dは、+X側の側面10Sから+X方向に突出する第2凸部55Dを有する。第2凸部55Dは、第1凸部54Dよりも下方に配置される。弾性部材53Dの上端部は、第1凸部54Dに接続される。弾性部材53Dの下端部は、第2凸部55Dに接続される。
【0111】
図14は、本実施形態に係るカバー部材13Dが第2位置P2に配置されている状態を模式的に示す斜視図である。
【0112】
図14に示すように、カバー部材13Dは、板状のボディ131と、ボディ131の下端部に配置されたスライダ132と、ボディ131の上端部に配置されたハンドル部133とを有する。ハンドル部133は、2つ設けられる。一方のハンドル部133は、ボディ131の+Z側の端部において+Y側の端部に配置される。他方のハンドル部133は、ボディ131の+Z側の端部において-Y側の端部に配置される。ハンドル部133は、ボディ131の+Z側の端部から+Z側に延伸する第1アーム部133Aと、第1アーム部133Aの+Z側の端部に接続される第2アーム部133Bとを有する。ボディ131の+Y側の端部に配置されたハンドル部133において、第2アーム部133Bは、第1アーム部133Aの+Z側の端部から-Y方向に延伸する。ボディ131の-Y側の端部に配置されたハンドル部133において、第2アーム部133Bは、第1アーム部133Aの+Z側の端部から+Y方向に延伸する。
【0113】
上述のように、ガイド部51Dは、側面10Sから突出するガイドロッドである。本実施形態において、ガイドロッドとして、ねじが使用されてもよい。スライド部52Dは、ボディ131に設けられた長孔である。長孔は、Z軸方向に長い。本実施形態において、ガイド部51Dは、Y軸方向に2つ設けられる。スライド部52Dは、Y軸方向に2つ設けられる。
【0114】
図14に示すように、カバー部材13Dが第2位置P2に配置された状態において、カバー部材13Dの上端部は、供給位置SM(上面10T)よりも上方に配置される。本実施形態においては、カバー部材13Dが第2位置P2に配置された状態において、少なくともハンドル部133が供給位置SM(上面10T)よりも上方に配置される。
【0115】
カバー部材13Dが第2位置P2に配置された状態において、カバー部材13Dとテープフィーダ10Dとの間に空間SPが形成される。本実施形態において、空間SPは、ハンドル部133とテープフィーダ10Dの上面10Tとの間に規定される。空間SPの少なくとも一部は、第1アーム部133Aと第2アーム部133Bとの間に規定される。
【0116】
作業者は、空間SPに手を差し込むことにより、カバー部材13Dのハンドル部133を円滑に保持することができる。作業者は、例えば第2アーム部133Bを保持することができる。作業者は、ハンドル部133を保持した状態で、上方に引き上げることにより、テープフィーダ10Dを円滑に運搬することができる。また、作業者は、ハンドル部8及びカバー部材13Dの両方を保持することにより、テープフィーダ10Dを円滑に運搬することができる。
【0117】
作業者によるハンドル部133の保持が解除されると、弾性部材53Dの弾性力により、カバー部材13Dは、第1位置P1に移動することができる。作業者は、カバー部材13Dが第1位置P1に配置された状態で、テープフィーダ10Dを装着部110に装着することができる。テープフィーダ10Dのスライダ24D及びカバー部材13Dのスライダ132のそれぞれが装着部110に挿入されることにより、テープフィーダ10Dがフィーダバンク105に装着される。
【0118】
以上説明したように、本実施形態においても、カバー部材13Dは、移動機構50Dにより第1位置P1と第2位置P2との間を移動可能である。カバー部材13Dが第1位置P1に配置されることにより、第2装着部110Bが塞がれるので、フィーダバンク105に装着されるべきではないテープフィーダの誤装着が抑制される。カバー部材13Dが第2位置P2に配置されることにより、作業者は、カバー部材13Dを保持して、テープフィーダ10Dを円滑に運搬することができる。
【0119】
カバー部材13Dが第1位置P1に配置された状態において、カバー部材13Dのハンドル部133は、供給位置SMよりも下方に配置される。そのため、実装ヘッド5は、供給位置SMに供給された部品Cをノズル4で円滑に保持することができる。カバー部材13Dが第2位置P2に配置された状態において、カバー部材13Dのハンドル部133は、供給位置SMよりも上方に配置される。そのため、作業者は、ハンドル部133を保持して、テープフィーダ10Dを円滑に運搬することができる。
【0120】
移動機構50Dは、カバー部材13Dを第1位置P1に移動させる弾性力を発生する弾性部材53Dを有する。作業者がハンドル部133の保持を解除することにより、カバー部材13Dは、弾性部材53Dの弾性力により第1位置P1に配置される。作業者がハンドル部133を保持して持ち上げることにより、カバー部材13Dは、弾性部材53Dの弾性力に抗して第2位置P2に配置される。カバー部材13Dが第2位置P2に配置されることにより、作業者は、ハンドル部133を保持して、テープフィーダ10Dを円滑に運搬することができる。
【0121】
[その他の実施形態]
上述の実施形態においては、装着部110がスロットを含むこととした。装着部110は、テープフィーダ(10A,10B,10C,10D)を装着可能であればよい。装着部110は、例えばY軸方向に長孔でもよいし、テープフィーダを挟む凸部でもよい。
【0122】
上述の実施形態においては、カバー部材(13A,13B,13C.13D)は、テープフィーダ(10A,10B,10C,10D)の+X側の側面10S及び-X側の側面10Sのうち、+X側の側面10Sのみに配置されることとした。カバー部材(13A,13B,13C.13D)は、-X側の側面10Sのみに配置されてもよいし、+X側の側面10S及び-X側の側面10Sの両方に配置されてもよい。+X側の側面10Sに配置されるカバー部材(13A,13B,13C.13D)は、+X側の側面10Sから+X方向に突出する。-X側の側面10Sに配置されるカバー部材(13A,13B,13C.13D)は、-X側の側面10Sから-X方向に突出する。
【符号の説明】
【0123】
1…部品実装装置、2…ベースフレーム、3…基板搬送装置、3B…搬送ベルト、3G…ガイド部材、3H…保持部材、4…ノズル、5…実装ヘッド、6…ヘッド移動装置、6X…X軸移動装置、6Y…Y軸移動装置、7…ノズル移動装置、8…ハンドル部、9…ロックレバー、10A…テープフィーダ、10B…テープフィーダ、10C…テープフィーダ、10D…テープフィーダ、10S…側面、10T…上面、11…上板、12…側板、13A…カバー部材、13B…カバー部材、13C…カバー部材、13D…カバー部材、20…メインフレーム、21…搬送部、22…入口、23…出口、24…スライダ、24D…スライダ、26…剥離部、27…開口部、28…ロック機構、28A…フック部、29…通信端子、30…搬送機構、31…駆動モータ、32…スプロケット、33…動力伝達機構、40…剥離機構、41…駆動モータ、42…搬送ローラ、43…動力伝達機構、44…テンションローラ、45…回収ボックス、50B…移動機構、50C…移動機構、50D…移動機構、51B…ガイド部、51C…ガイド部、51D…ガイド部、52B…スライド部、52C…スライド部、52D…スライド部、53D…弾性部材、54D…第1凸部、55D…第2凸部、100A…部品供給装置、100B…部品供給装置、100C…部品供給装置、100D…部品供給装置、101…キャスタ、102…台車、103…リールホルダ、104…テープリール、104A…第1テープリール、104B…第2テープリール、105…フィーダバンク、106…支持台、107…側板部、108…側板部、109…開口端、110…装着部、110A…第1装着部、110B…第2装着部、131…ボディ、132…スライダ、133…ハンドル部、133A…第1アーム部、133B…第2アーム部、C…部品、DM…実装位置、P…基板、P1…第1位置、P2…第2位置、SM…供給位置、SP…空間、T…キャリアテープ。