IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電子機器 図1
  • 特許-電子機器 図2
  • 特許-電子機器 図3
  • 特許-電子機器 図4
  • 特許-電子機器 図5
  • 特許-電子機器 図6
  • 特許-電子機器 図7
  • 特許-電子機器 図8
  • 特許-電子機器 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/14 20060101AFI20231205BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20231205BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
H05K7/14 H
H04N5/64 551Z
G09F9/00 346Z
G09F9/00 336G
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020026662
(22)【出願日】2020-02-19
(65)【公開番号】P2021132121
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】宮内 恒治
(72)【発明者】
【氏名】渕川 俊作
【審査官】黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-092608(JP,A)
【文献】特許第3599332(JP,B2)
【文献】特許第4253350(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/14
H04N 5/64
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部において設置面に対して傾斜して配置されるシャーシ部であって、前記シャーシ部の一部が前記シャーシ部の背面に向かって突出した凸部と、前記凸部の上面の一部が前記シャーシ部の背面側に折り曲げられた第1支持部とを備えている前記シャーシ部と、
前記シャーシ部の背面に配置され、かつ前記凸部および前記第1支持部によって支持される回路基板とを備え
前記シャーシ部は、前記シャーシ部における前記凸部の以外の一部が前記シャーシ部の背面側に折り曲げられた第2支持部を備えており、
前記回路基板は、前記凸部、前記第1支持部、および前記第2支持部によって支持され、
前記シャーシ部は、前記シャーシ部の背面が前記設置面に向くように傾斜しており、
前記凸部は、前記シャーシ部における、前記第2支持部よりも前記シャーシ部の下端に近い位置に配置されており、
前記回路基板は、前記設置面に対して略垂直に配置されることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
筐体と、
前記筐体の内部において設置面に対して傾斜して配置されるシャーシ部であって、前記シャーシ部の一部が前記シャーシ部の背面に向かって突出した凸部と、前記凸部の上面の一部が前記シャーシ部の背面側に折り曲げられた第1支持部とを備えている前記シャーシ部と、
前記シャーシ部の背面に配置され、かつ前記凸部および前記第1支持部によって支持される回路基板とを備え、
前記回路基板に接続されるコネクタであって、前記コネクタの挿入口が、前記設置面と略垂直な方向に向いている前記コネクタを備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
前記シャーシ部は、前記シャーシ部における前記凸部の以外の一部が前記シャーシ部の背面側に折り曲げられた第2支持部を備えており、
前記回路基板は、前記凸部、前記第1支持部、および前記第2支持部によって支持されていることを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【請求項4】
前記シャーシ部は、前記回路基板の第1端部近辺に配置される複数の前記凸部および複数の前記第1支持部と、前記回路基板の第2端部近辺に配置される複数の前記第2支持部とを備えていることを特徴とする請求項1または3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記回路基板に接続されるコネクタであって、前記コネクタの挿入口が、前記設置面と略垂直な方向に向いている前記コネクタを備えていることを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記筐体の正面において、前記設置面に対して傾斜して配置される表示パネルと、
前記表示パネルの背面に配置されるバックライトとを備えており、
前記シャーシ部は、前記バックライトの背面に配置されるバックライトシャーシであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、外部機器に接続される接続ケーブルのコネクタが接続可能な外部接続端子が表示部の背面側に設けられた薄型表示装置において、前記表示部の背面には、前記外部接続端子が設けられた基板ユニットを固定する基板固定手段を有し、前記基板固定手段は、前記外部接続端子が前記表示部の画面垂直方向に対し所定の鋭角を成す状態で前記基板ユニットを固定し、前記基板固定手段は、前記外部接続端子が設けられる基板ユニットを固定するホルダと、前記ホルダを固定するブラケット金具とで構成され、前記ホルダは、前記基板ユニットと前記ブラケット金具との間を介して配置されたことを特徴とする薄型表示装置が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-350296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、基板を固定するためのホルダおよびブラケット金具を必要とするため、部品点数が増える問題が生ずる。
【0005】
本発明の一態様は、部品点数を増やすことなく回路基板を配置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電子機器は、筐体と、前記筐体の内部において設置面に対して傾斜して配置されるシャーシ部であって、前記シャーシ部の一部が前記シャーシ部の背面に向かって突出した凸部と、前記凸部の上面の一部が前記シャーシ部の背面側に折り曲げられた第1支持部とを備えている前記シャーシ部と、前記シャーシ部の背面に配置され、かつ前記凸部および前記第1支持部によって支持される回路基板とを備えている構成である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、部品点数を増やすことなく回路基板を配置することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の正面を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る表示装置の側面を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る表示装置の背面を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る表示装置の側面の断面を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る表示パネル、バックライト、およびバックライトシャーシの位置関係を模式的に示す図である。
図6】本発明の一実施形態における表示装置の背面側の内部を示す図である。
図7】本発明の一実施形態における表示装置の背面側の内部を示す図である。
図8】本発明の一実施形態における表示装置の側面側の内部を示す図である。
図9】本発明の一実施形態における表示装置の側面側の内部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(表示装置1の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の正面を示す図である。図2は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の側面を示す図である。図3は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の背面を示す図である。図4は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の側面の断面を示す図である。図5は、本発明の一実施形態に係る表示パネル13、バックライト14、およびバックライトシャーシ15の位置関係を模式的に示す図である。図5では、図4の一部を拡大して模式的に示している。
【0010】
表示装置1は、静止画および動画像を含む各種の映像を表示可能な表示装置であり、例えばテレビジョン装置として実現される。図1図5に示すように、表示装置1は、フロントキャビネット11、バックキャビネット12、表示パネル13、バックライト14、およびバックライトシャーシ15(シャーシ部)を備えている。
【0011】
フロントキャビネット11は、表示装置1の筐体のうち前方部分を構成する。バックキャビネット12は、表示装置1の筐体のうち後方部分を構成する。フロントキャビネット11およびバックキャビネット12は、いずれも例えば樹脂によって構成されている。フロントキャビネット11は、筐体のうち表示装置1の正面部分を構成し、バックキャビネット12は、筐体のうち表示装置1の側面および背面部分を構成する。
【0012】
図2に示すように、表示装置1は、表示装置1の上端から下端に向かうに従って前後方向の厚さがより大きくなる構造の装置である。すなわち、表示装置1は、従来の薄型の表示装置に比べると、全体的に肉厚である。表示装置1の下端(バックキャビネット12の下端)は、表示装置1が自立して設置可能なほどの前後方向の厚さを有している。これにより、表示装置1は、スタンドなどの補助部品を必要とせずに、表示装置1のみで表示装置1の設置面に立たせることができる。設置面とは、表示装置1が設置される場所(床、テーブルなど)の表面のことである。
【0013】
表示パネル13は、バックライト14からの光を用いて情報を表示する表示パネルであり、例えば液晶表示パネルとして実現される。図4に示すように、表示パネル13は、バックキャビネット12の正面に配置されている。すなわち、バックキャビネット12は、表示パネル13の背面に配置されている。バックライト14は、表示用の光を表示パネル13の背面に向かって照射する光源である。図4に示すように、バックライト14は、バックキャビネット12の内部において、表示パネル13の背面に配置されている。バックライトシャーシ15は、バックライト14を収容する金属製のシャーシである。図4に示すように、バックライトシャーシ15は、バックキャビネット12の内部において、バックライト14の背面に配置されている。
【0014】
図4および図5に示すように、バックライト14は、LED(Light Emission Diode)基板21、複数のLED22(発光部、発光素子)、複数の拡散レンズ23、および反射シート24を備えている。図示の都合により、図4および図5では1つのLED22および1つの拡散レンズ23のみを図示している。各LED22および拡散レンズ23は、LED基板21上に搭載されており、かつ、表示パネル13の背面に配置されている。拡散レンズ23は、対応するLED22の周囲を取り囲むように配置されている。拡散レンズ23は、対応するLED22が発光した光を拡散させる。
【0015】
図5に示すように、LED基板21は、バックライトシャーシ15上に配置されており、かつ、反射シート24の背面に配置されている。すなわち、LED基板21のうち各LED22および各拡散レンズ23が搭載されない箇所上には、反射シート24が配置されている。言い換えれば、反射シート24は、各LED22および各拡散レンズ23を表示パネル13に向けて露出させると共に、LED基板21における各LED22および各拡散レンズ23が搭載されない箇所を覆い隠すようにバックライトシャーシ15上に配置されている。
【0016】
図2図4、および図5に示すように、表示パネル13、バックライト14、およびバックライトシャーシ15は、表示装置1の設置面に対して傾斜して配置されている。詳細には、表示パネル13、バックライト14、およびバックライトシャーシ15は、いずれも、それぞれの背面が設置面を向くように傾斜している。一方、バックキャビネット12は、表示装置1の設置面に対して直交している。詳細には、バックキャビネット12の底面における一点と、バックキャビネット12の上端における一点とを結ぶ直線が、設置面に対して直交している。ユーザが表示装置1を正面から視認した場合、表示パネル13の下端が表示パネル13の上端よりもユーザにより近くに位置する。すなわち、表示パネル13は、ユーザから見てその上部が表示装置1の奥側に傾いた状態で配置されている。
【0017】
図6は、本発明の一実施形態における表示装置1の背面側の内部を示す図である。図6は、バックキャビネット12を取り外した状態の表示装置1の背面を示している。この図に示すように、表示装置1は、回路基板31、コネクタ32、および端子カバー33を備えている。回路基板31は、バックキャビネット12の内部において、バックライトシャーシ15の背面に配置されている。回路基板31は、表示装置1を制御するための各種の電子部品、電子回路、および配線などが搭載される基板である。コネクタ32は、バックキャビネット12の内部に配置され、かつバックキャビネット12の外部に露出している。コネクタ32は、回路基板31に接続されている。詳細には、コネクタ32は、回路基板31における、表示装置1の背面側の表面に搭載されている。コネクタ32は、例えば、HDMI(High Definition Multimedia Interface)規格に対応したコネクタである。コネクタ32は、あるいは、チューナーまたはコンポジット用のコネクタであってもよい。回路基板31には、一列に並んだコネクタ32を含む複数の端子群が搭載されている。端子カバー33は、回路基板31における、コネクタ32が搭載される側の端部に取り付けられている。端子カバー33は、コネクタ32を含む端子群をカバーする部品である。
【0018】
図7は、本発明の一実施形態における表示装置1の背面側の内部を示す図である。図7は、バックキャビネット12、回路基板31、コネクタ32、および端子カバー33を取り外した状態の表示装置1の背面を示している。図6および図7に示すように、バックライトシャーシ15は、凸部41および42、ならびに支持部43~46を備えている。
【0019】
凸部41および42は、いずれも、バックライトシャーシ15の一部が、バックライトシャーシ15の背面に向かって突出した部分である。すなわち、凸部41および42は、いずれも、バックライトシャーシ15に対して追加で設けられた部品ではなく、あくまでもバックライトシャーシ15と一体構成されたバックライトシャーシ15の一部である。したがって、凸部41および42は、バックライトシャーシ15と同一の金属材料によって構成されている。
【0020】
凸部41および42は、全体として略台形の形状を有している。凸部41は、バックライトシャーシ15の底面から離間した略方形の上面と、バックライトシャーシ15の底面から凸部41の上面に向かって延伸し、かつ凸部41の上面の周囲を取り囲むように配置される側面とを有している。凸部42も同様である。
【0021】
支持部43(第1支持部)は、凸部41の上面の一部が、バックライトシャーシ15の背面側に折り曲げられた部分である。すなわち、支持部43は、バックライトシャーシ15に対して追加で設けられた部品ではなく、あくまでも凸部41と一体構成された凸部41の一部である。凸部41がバックライトシャーシ15の一部であることから、支持部43もまたバックライトシャーシ15の一部である。したがって、支持部43は、バックライトシャーシ15と同一の材料によって構成されている。
【0022】
支持部44(第1支持部)は、凸部42の上面の一部が、バックライトシャーシ15の背面側に折り曲げられた部分である。すなわち、支持部44は、バックライトシャーシ15に対して追加で設けられた部品ではなく、あくまでも凸部42と一体構成された凸部42の一部である。凸部42がバックライトシャーシ15の一部であることから、支持部44もまたバックライトシャーシ15の一部である。したがって、支持部44は、バックライトシャーシ15と同一の材料によって構成されている。
【0023】
支持部45(第2支持部)は、バックライトシャーシ15における凸部41および42以外の一部が、バックライトシャーシ15の背面側に折り曲げられた部分である。すなわち、支持部45は、バックライトシャーシ15に対して追加で設けられた部品ではなく、あくまでもバックライトシャーシ15と一体構成されたバックライトシャーシ15の一部である。したがって、支持部45は、バックライトシャーシ15と同一の材料によって構成されている。
【0024】
支持部46(第2支持部)は、バックライトシャーシ15における凸部41および42以外の一部が、バックライトシャーシ15の背面側に折り曲げられた部分である。すなわち、支持部46は、バックライトシャーシ15に対して追加で設けられた部品ではなく、あくまでもバックライトシャーシ15と一体構成されたバックライトシャーシ15の一部である。したがって、支持部46は、バックライトシャーシ15と同一の材料によって構成されている。
【0025】
支持部43は、凸部41の上面の一部を、バックライトシャーシ15の一方の側面側から他方の側面側に略90°折り曲げた構造を有している。支持部44は、凸部42の上面の一部を、バックライトシャーシ15の一方の側面側から他方の側面側に略90°折り曲げた構造を有している。支持部45および46は、バックライトシャーシ15の一部を、バックライトシャーシ15の一方の側面側から他方の側面側に略90°折り曲げた構造を有している。このように、支持部43~46は、いずれも、表示装置1の横方向に比べて表示装置1の縦方向により長い構造を有している。
【0026】
図6および図7に示すように、回路基板31は、凸部41および42、ならびに支持部43~46によって支持されている。支持部43~46は、回路基板31に接触しているため、回路基板31を直接支持している。凸部41および42は、回路基板31に接触していないが、支持部43および44の直下に配置されているため、回路基板31を間接的に支持している。回路基板31は、バックライトシャーシ15の底面上に直接配置されているのではなく、バックライトシャーシ15の底面から離れた位置に配置されている。これにより、回路基板31に搭載される電子部品および配線などがバックライトシャーシ15に接触してショートすることがないため、表示装置1を正常に動作させることができる。
【0027】
(主要な作用効果)
表示装置1では、バックライトシャーシ15の背面において、回路基板31を、凸部41および42、ならびに支持部43および44によって支持している。凸部41および42、ならびに支持部43および44は、いずれもバックライトシャーシ15の背面側の一部を加工した部分である。したがって、表示装置1は、回路基板31をバックライトシャーシ15の背面において支持するための追加部品を必要としない。すなわち、部品点数を増やすことなくバックキャビネット12内に回路基板31を配置することができる。
【0028】
表示装置1では、バックライトシャーシ15の背面において、回路基板31を、さらに支持部45および46によっても支持している。これにより、回路基板31の支持位置を増やすことができるため、回路基板31をより安定して支持することができる。
【0029】
回路基板31は、バックライトシャーシ15の一部である凸部41および42ならびに支持部43~46によって支持されている。バックライトシャーシ15は、表示装置1を構成する部品の中でもとりわけ大きくかつ頑丈である。したがって、回路基板31を凸部41および42ならびに支持部43~46によって支持することによって、支持部44を安定してバックライトシャーシ15の背面に支持することができる。
【0030】
支持部43~46は、表示装置1の縦方向により長い構造を有しているので、縦方向への揺れに対して強い。したがって、コネクタ32にケーブルを挿入する際に回路基板31に加わる、表示装置1の下方から上方に向かう圧力を、支持部43~46によって十分に吸収することができる。これにより、コネクタ32にケーブルを挿入した際の圧力によって回路基板31の位置がずれることを防止できる。
【0031】
図6および図7に示すように、凸部41および42ならびに支持部43および44は、回路基板31の下端(第1端部)近辺に配置されている。より詳細には、支持部43は、回路基板31における紙面内左下隅の近辺に配置され、支持部44は、回路基板31における紙面内右下隅に配置されている。一方、支持部45および46は、回路基板31の上端(第2端部)近辺に配置されている。より詳細には、支持部45は、回路基板31における紙面内左上隅の近辺に配置され、支持部44は、回路基板31における紙面内右上隅の近辺に配置されている。このように、回路基板31の上端近辺および下端近辺を、それぞれ凸部41および42ならびに支持部43~46によって支持することによって、回路基板31の支持強度をより高めることができる。
【0032】
図8は、本発明の一実施形態における表示装置1の側面側の内部を示す図である。図8は、バックライトシャーシ15を取り外した状態の表示装置1の一方の側面を示している。図9は、本発明の一実施形態における表示装置1の側面側の内部を示す図である。図9は、バックライトシャーシ15を取り外した状態の表示装置1の他方の側面を示している。図8および図9に示すように、凸部41および42は、いずれも、バックライトシャーシ15における、支持部43および44よりもバックライトシャーシ15の下端に近い位置に配置されている。したがって、支持部45および46は、いずれも、バックライトシャーシ15における、支持部43および44よりもバックライトシャーシ15の下端に近い位置に配置されている。また、表示装置1が設置面に設置されている状態では、バックライトシャーシ15は、バックライトシャーシ15の背面が設置面に向くように傾斜している。一方で、回路基板31は、設置面に対して略垂直に配置されている。すなわち、回路基板31は、バックライトシャーシ15と平行に配置されているのではなく、バックライトシャーシ15に対して傾斜した状態で配置されている。
【0033】
図8および図9の例では、回路基板31における下端側の方が、回路基板31における上端側よりも、バックライトシャーシ15の底面から回路基板31までの直線距離が長い。ここで、凸部41および42が、回路基板31における下端側に配置されているので、回路基板31における下端側を、凸部41および42の一部を折り曲げた支持部43および44によって支持している。これにより、支持部43および44を必要以上に長くする必要がないので、支持部43および44の強度をより高めることができる。したがって、回路基板31における下端側を、強度の高い支持部43および44によって安定して支持することができる。
【0034】
図8および図9の例では、回路基板31に搭載されるコネクタ32の挿入口が、設置面と略垂直な方向を向いている。したがって、表示装置1のユーザは、コネクタ32にケーブルを接続する際、表示装置1の下方から上方に向かう方向に沿って、ケーブルの先端に設けられる端子部をコネクタ32の挿入口の方に移動させることによって、コネクタ32に当該端子部を挿入すればよい。コネクタ32の挿入口が表示装置1の設置面に対して傾斜している場合、ユーザはコネクタ32に対するケーブルの挿入方向を正確に特定することが難しい。一方、図8および図9のように、コネクタ32の挿入口が設置面と略垂直な方向を向いている場合、ユーザは、ユーザはコネクタ32に対するケーブルの挿入方向を正確に特定することができる。これにより、ユーザは、ケーブルをコネクタ32に容易に挿入することができる。
【0035】
図6図8、および図9に示すように、端子カバー33は、回路基板31における下端側に取り付けられる。端子カバー33は、さらに、凸部41および凸部42によって支持されている。具体的には、端子カバー33の一部が、凸部41および凸部42に接触している。これにより、端子カバー33をバックキャビネット12の内部において安定して支持することができる。仮に凸部41および42がなければ、端子カバー33が取り付けられる回路基板31の下端から、バックライトシャーシ15の底面までには、かなり長い距離がある。この場合、端子カバー33をバックライトシャーシ15の底面によって支持するために、端子カバー33を、バックライトシャーシ15の底面にまで届く大きさに変更する必要が生ずる。一方、本実施形態のように、凸部41および42が存在する場合、端子カバー33は、端子カバー33の近くにある凸部41および42に届けばよいため、端子カバー33を必要以上に大きくせずに済む。したがって、従来の表示装置において採用されていた端子カバーを、表示装置1用の端子カバー33としてそのまま採用することができる。なお、端子カバー33と、凸部41および凸部42とが、互いに固定されていてもよい。
【0036】
(各種変形例)
バックライトシャーシ15は、凸部41および42のうち一方のみと、支持部43および44のうち一方のみとを備えていてもよい。バックライトシャーシ15は、支持部45および46のうち一方のみを備えていても良い。バックライトシャーシ15は、凸部41および42を含む3つ以上の凸部を備えていてもよい。バックライトシャーシ15は、3つ以上の各凸部の上面の一部をそれぞれ折り曲げた、支持部43および44を含む3つ以上の支持部を備えていても良い。バックライトシャーシ15は、支持部45および46を含む、バックライトシャーシ15の一部を折り曲げた3つ以上の支持部を備えていてもよい。
【0037】
バックライトシャーシ15は、支持部45および46を備えずに、バックライトシャーシ15は、1つの凸部41および1つの支持部43を少なくとも備えていてもよい。あるいは、バックライトシャーシ15は、支持部45および46を備えずに、1つの凸部42および1つの支持部44を少なくとも備えていてもよい。
【0038】
支持部43~46は、回路基板31における4つの端部以外の任意の位置の近辺に配置されていてもよい。バックライトシャーシ15は、例えば、回路基板31の下端における略中央位置の近くに配置される凸部41と、凸部41に配置される支持部43と、回路基板31の上端における略中央位置の近くに配置される支持部45とを備えていても良い。
【0039】
バックライトシャーシ15は、凸部41および42を備えていなくてもよい。本構成では、バックライトシャーシ15は、バックライトシャーシ15の一部がバックライトシャーシ15の背面側に折り曲げられた支持部43および44を備えている。したがって、支持部43および44の長さは、支持部45および46の長さよりも大きくなる。本構成においても、バックライトシャーシ15の一部である支持部43~46によって回路基板31が支持されることに変わりはない。したがって、追加部品を要することなく、回路基板31をバックライトシャーシ15の背面に配置することができる。
【0040】
表示装置1は、設置面に対して傾斜しない表示パネル13、バックライト14、およびバックライトシャーシ15を備えていてもよい。すなわち、表示パネル13、バックライト14、バックライトシャーシ15は、いずれも、設置面に対して直交していてもよい。
【0041】
表示装置1は、テレビジョン装置に限らず、表示パネル13およびバックライト14を少なくとも備えた各種の電子機器であってもよい。このような電子機器として、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、またはノートパソコンなどが挙げられる。
【0042】
本発明の一実施形態に係る電子機器は、表示パネル13およびバックライト14を備えない電子機器であってもよい。すなわち、本発明の一実施形態に係る電子機器は、少なくともフロントキャビネット11、バックキャビネット12、シャーシ部、回路基板31、凸部41、支持部43、および支持部45を備えている各種の電子機器としても実現され得る。このような電子機器として、例えば、HDMIコネクタを有するパーソナルコンピュータの本体などが挙げられる。
【0043】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る電子機器は、筐体と、前記筐体の内部において設置面に対して傾斜して配置されるシャーシ部であって、前記シャーシ部の一部が前記シャーシ部の背面に向かって突出した凸部と、前記凸部の上面の一部が前記シャーシ部の背面側に折り曲げられた第1支持部とを備えている前記シャーシ部と、前記シャーシ部の背面に配置され、かつ前記凸部および第1支持部によって支持される回路基板とを備えている構成である。
【0044】
本発明の態様2に係る電子機器は、前記態様1において、前記シャーシ部は、前記シャーシ部における前記凸部の以外の一部が前記シャーシ部の背面側に折り曲げられた第2支持部を備えており、前記回路基板は、前記凸部、前記第1支持部、および前記第2支持部によって支持されている構成であってもよい。
【0045】
本発明の態様3に係る電子機器は、前記態様2において、前記シャーシ部は、前記回路基板の第1端部近辺に配置される複数の前記凸部および複数の前記第1支持部と、前記回路基板の第2端部近辺に配置される複数の前記第2支持部とを備えている構成であってもよい。
【0046】
本発明の態様4に係る電子機器は、前記態様1~3のいずれかにおいて、前記シャーシ部は、前記シャーシ部の背面が前記設置面に向くように傾斜しており、前記凸部は、前記シャーシ部における、前記第2支持部よりも前記シャーシ部の下端に近い位置に配置されており、前記回路基板は、前記設置面に対して略垂直に配置される構成であってもよい。
【0047】
本発明の態様5に係る電子機器は、前記態様1~4のいずれにおいて、前記回路基板に接続されるコネクタであって、前記コネクタの挿入口が、前記設置面と略垂直な方向に向いている前記コネクタを備えている構成であってもよい。
【0048】
本発明の態様6に係る電子機器は、前記態様1~5のいずれにおいて、前記筐体の正面において、前記設置面に対して傾斜して配置される表示パネルと、前記表示パネルの背面に配置されるバックライトとを備えており、前記シャーシ部は、前記バックライトの背面に配置されるバックライトシャーシである構成であってもよい。
【0049】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 表示装置
11 フロントキャビネット
12 バックキャビネット
13 表示パネル
14 バックライト
15 バックライトシャーシ
21 LED基板
22 LED
23 拡散レンズ
24 反射シート
31 回路基板
32 コネクタ
33 端子カバー
41、42 凸部
43、44、45、46 支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9