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特許7396929車両用制御装置、情報処理装置及び車両用制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】車両用制御装置、情報処理装置及び車両用制御システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20231205BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20231205BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20231205BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20231205BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G08G1/09 F
G08G1/13
G08G1/01 A
A61B5/0245 C
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020032688
(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公開番号】P2021135218
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000419
【氏名又は名称】弁理士法人太田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 武史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 能英瑠
(72)【発明者】
【氏名】澄川 瑠一
(72)【発明者】
【氏名】杉山 明子
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-117800(JP,A)
【文献】特開2015-191256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G08G 1/00 - 99/00
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
A61B 5/02 - 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗員の生体情報を検出する検出部と、
前記車両の目的地を設定する目的地設定部と、
前記目的地までの前記車両の走行予定ルートにおける他車両での前記生体情報の検出精度に関する他車精度情報を取得する取得部と、
前記他車精度情報に基づいて前記走行予定ルートにおける前記検出精度が低下すると推定される区間を前記車両が通過する前に当該低下することを通知する通知部と、
を備える、車両用制御装置。
【請求項2】
前記車両用制御装置は、
前記検出部による前記生体情報の検出精度を推定する推定部と、
前記生体情報の検出精度が低下した区間の情報を含む精度低下情報を収集するデータ収集部と、
収集された前記精度低下情報を情報処理装置へ送信する送信制御部と、を備える、請求項1に記載の車両用制御装置。
【請求項3】
前記精度低下情報は、前記生体情報の検出精度が低下した区間の情報と併せて前記検出精度低下時の車両の走行環境の情報を含む、請求項2に記載の車両用制御装置。
【請求項4】
前記送信制御部は、同一区間において前記検出精度が低下した回数が所定回数以上の場合に、前記収集された前記精度低下情報を前記情報処理装置へ送信する、請求項2又は3に記載の車両用制御装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記目的地が設定され、前記走行予定ルートが設定されたときに、前記走行予定ルートの全区間に関連する前記他車精度情報を取得する、請求項1~4のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記車両が、設定された前記目的地に向かって走行する間に、想定される前記走行予定ルートに関連する前記他車精度情報を取得する、請求項1~4のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
【請求項7】
前記他車精度情報は、前記走行予定ルートを走行予定の前記車両の走行環境に類似する走行環境での前記他車両での前記生体情報の検出精度に関する情報を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
【請求項8】
前記検出部は、前記乗員の顔画像に基づいて前記生体情報を検出し、
前記車両用制御装置は、前記乗員の顔に関する所定の顔情報を算出する顔情報算出部を備え、
前記他車精度情報は、前記乗員の前記顔情報が類似する乗員の前記生体情報を検出する他車両での前記生体情報の検出精度に関する情報を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
【請求項9】
前記生体情報が、前記乗員の心拍の情報であり、
前記顔情報が、前記乗員の肌の色、肌の色の変化、又は頬の領域の広さのうちの少なくとも一つの情報を含む、請求項8に記載の車両用制御装置。
【請求項10】
前記生体情報が、前記乗員の視線の情報であり、
前記顔情報が、前記乗員の瞳の大きさ、瞼の大きさ、又はまつ毛の長さのうちの少なくとも一つの情報を含む、請求項8に記載の車両用制御装置。
【請求項11】
前記通知部は、前記検出精度が低下した区間を走行した車両の全台数に対する、前記検出精度が低下した車両の割合に応じて前記通知の内容を異ならせる、請求項1~10のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
【請求項12】
前記通知部は、同一区間において前記検出精度が低下した回数に基づいて、前記検出精度が低下する可能性があることを事前に通知する、請求項1~11のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
【請求項13】
前記車両用制御装置は、
車両に設けられた第1の検出器で取得される情報に基づいて検出される前記生体情報に基づいて前記所定の制御を実行し、少なくとも前記他車精度情報に基づいて前記走行予定ルートにおける前記検出精度が低下すると推定される区間を前記車両が通過する間、前記乗員に装着される第2の検出器で取得される前記生体情報に基づいて前記所定の制御を実行する制御部をさらに備える、
請求項1~12のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
【請求項14】
車両の乗員の生体情報を検出する機能を有する車両用制御装置から前記生体情報の検出精度が低下した区間の情報を含む精度低下情報を受信し蓄積するデータ処理部と、
前記検出精度が低下した区間を走行予定の車両に対して前記生体情報の検出精度に関する他車精度情報を送信する出力制御部と、を備える、情報処理装置。
【請求項15】
前記精度低下情報は、前記生体情報の検出精度が低下した区間の情報と併せて前記検出精度低下時の車両の走行環境の情報を含み、
前記データ処理部は、前記検出精度が低下した区間の情報を前記走行環境の情報で分類し蓄積する、請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記出力制御部は、前記検出精度が低下した区間を走行した車両の全数に対する、前記検出精度が低下した車両の割合に基づいて、前記検出精度が低下した区間を走行予定の車両に対して送信する前記他車精度情報の内容を異ならせる、請求項14又は15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
車両の乗員の生体情報を検出する機能を有する車両用制御装置と、複数の前記車両用制御装置と通信する情報処理装置と、を備えた車両用制御システムにおいて、
前記車両用制御装置は、
前記乗員の生体情報を検出する検出部と、
前記車両の目的地を設定する目的地設定部と、
前記目的地までの前記車両の走行予定ルートにおける他車両での前記生体情報の検出精度に関する他車精度情報を取得する取得部と、
前記他車精度情報に基づいて前記走行予定ルートにおける前記検出精度が低下すると推定される区間を前記車両が通過する前に当該低下することを通知する通知部と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記車両用制御装置から前記生体情報の検出精度が低下した区間の情報を含む精度低下情報を受信し蓄積するデータ処理部と、
前記検出精度が低下した区間を走行予定の車両に対して前記生体情報の検出精度に関する他車精度情報を送信する出力制御部と、
を備える、車両用制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用制御装置、情報処理装置及び車両用制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の運転操作を行うドライバの心拍や呼吸、体温等の生体情報を計測する技術が種々提案されている。ドライバの生体情報を計測するにあたり、ウェアラブル機器に代表されるようなドライバの人体に装着される接触式の検出器を用いて計測することが考えられる。例えば、特許文献1には、ユーザに装着されるウェアラブルデバイスを用いてユーザの生体情報を計測し、車両における所定の制御に利用する技術が開示されている。
【0003】
しかしながら、常時ウェアラブルデバイスを用いる場合には、ウェアラブルデバイスの電力が消費されて利用時間に制限がある。また、人体装着型の検出器では、ドライバが装着作業の煩わしさや、装着中の煩わしさを感じるおそれがあるため、車両に設けられた検出器を用いることが望ましい。例えば、特許文献2には、運転席のシートの背凭れ部に内蔵された非接触電波式の脈拍センサを用いてドライバの脈拍を検出する技術や車内カメラを用いてドライバの体温を検出する技術が開示されている。また、特許文献3には、電波式の無変調ドップラーセンサを用いてドライバの心拍を検出する技術が開示されている。また、特許文献4には、車内カメラを用いて脈波に対応した顔色の変化を抽出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-131445号公報
【文献】特開2018-019882号公報
【文献】特開2010-120493号公報
【文献】特開2018-127112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車両に設けられる検出器は、車両の走行状態や車室内の光環境等の要因に起因して検出精度が低下するおそれがある。生体情報の検出精度が低下した場合、当該生体情報を用いて行われる制御の精度が低下する。したがって、車両に設けられる検出器の検出精度が低下することを事前に乗員に通知することができれば、乗員は検出精度が低下したときに急な対応を強いられることがなくなり、乗員に安心感を与えることができる。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、走行予定ルートにおける生体情報の検出精度の低下を、乗員に対して事前に通知可能な車両用制御装置、情報処理装置及び車両用制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、車両の乗員の生体情報を検出する検出部と、車両の目的地を設定する目的地設定部と、目的地までの車両の走行予定ルートにおける他車両での生体情報の検出精度に関する他車精度情報を取得する取得部と、他車精度情報に基づいて走行予定ルートにおける検出精度が低下すると推定される区間を車両が通過する前に当該低下することを通知する通知部と、を備える車両用制御装置が提供される。
【0008】
また、車両用制御装置は、検出部による生体情報の検出精度を推定する推定部と、生体情報の検出精度が低下した区間の情報を含む精度低下情報を収集するデータ収集部と、収集された精度低下情報を情報処理装置へ送信する送信制御部と、を備えてもよい。
【0009】
また、精度低下情報は、生体情報の検出精度が低下した区間の情報と併せて検出精度低下時の車両の走行環境の情報を含んでもよい。
【0010】
また、送信制御部は、同一区間において検出精度が低下した回数が所定回数以上の場合に、収集された精度低下情報を情報処理装置へ送信してもよい。
【0011】
また、取得部は、目的地が設定され、走行予定ルートが設定されたときに、走行予定ルートの全区間に関連する他車精度情報を取得してもよい。
【0012】
また、取得部は、車両が、設定された目的地に向かって走行する間に、想定される走行予定ルートに関連する他車精度情報を取得してもよい。
【0013】
また、他車精度情報は、走行予定ルートを走行予定の車両の走行環境に類似する走行環境での他車両での生体情報の検出精度に関する情報を含んでもよい。
【0014】
また、検出部は、乗員の顔画像に基づいて生体情報を検出し、車両用制御装置は、乗員の顔に関する所定の顔情報を算出する顔情報算出部を備え、他車精度情報は、乗員の顔情報が類似する乗員の生体情報を検出する他車両での生体情報の検出精度に関する情報を含んでもよい。
【0015】
また、生体情報が、乗員の心拍の情報であり、顔情報が、乗員の肌の色、肌の色の変化、又は頬の領域の広さのうちの少なくとも一つの情報を含んでもよい。
【0016】
また、生体情報が、乗員の視線の情報であり、顔情報が、乗員の瞳の大きさ、瞼の大きさ、又はまつ毛の長さのうちの少なくとも一つの情報を含んでもよい。
【0017】
また、通知部は、検出精度が低下した区間を走行した車両の全台数に対する、検出精度が低下した車両の割合に応じて通知の内容を異ならせてもよい。
【0018】
また、通知部は、同一区間において検出精度が低下した回数に基づいて、検出精度が低下する可能性があることを事前に通知してもよい。
【0019】
また、制御部は、車両に設けられた第1の検出器で取得される情報に基づいて検出される生体情報に基づいて所定の制御を実行し、少なくとも他車精度情報に基づいて走行予定ルートにおける検出精度が低下すると推定される区間を車両が通過する間、乗員に装着される第2の検出器で取得される生体情報に基づいて所定の制御を実行してもよい。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、車両の乗員の生体情報を検出する機能を有する車両用制御装置から生体情報の検出精度が低下した区間の情報を含む精度低下情報を受信し蓄積するデータ処理部と、検出精度が低下した区間を走行予定の車両に対して生体情報の検出精度に関する他車精度情報を送信する出力制御部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0021】
また、精度低下情報は、生体情報の検出精度が低下した区間の情報と併せて検出精度低下時の車両の走行環境の情報を含み、データ処理部は、検出精度が低下した区間の情報を走行環境の情報で分類し蓄積してもよい。
【0022】
また、出力制御部は、検出精度が低下した区間を走行した車両の全数に対する、検出精度が低下した車両の割合に基づいて、検出精度が低下した区間を走行予定の車両に対して送信する他車精度情報の内容を異ならせてもよい。
【0023】
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、車両の乗員の生体情報を検出する機能を有する車両用制御装置と、複数の車両用制御装置と通信する情報処理装置と、を備えた車両用制御システムにおいて、車両用制御装置は、乗員の生体情報を検出する検出部と、車両の目的地を設定する目的地設定部と、目的地までの車両の走行予定ルートにおける他車両での生体情報の検出精度に関する他車精度情報を取得する取得部と、他車精度情報に基づいて走行予定ルートにおける検出精度が低下すると推定される区間を車両が通過する前に当該低下することを通知する通知部と、を備え、情報処理装置は、車両用制御装置から生体情報の検出精度が低下した区間の情報を含む精度低下情報を受信し蓄積するデータ処理部と、検出精度が低下した区間を走行予定の車両に対して生体情報の検出精度に関する他車精度情報を送信する出力制御部と、を備える車両用制御システムが提供される。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明によれば、走行予定ルートにおける生体情報の検出精度の低下を、乗員に事前に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る車両用制御システムの概略構成の一例を示す模式図である。
図2】同実施形態に係る車両用制御装置の構成例を示すブロック図である。
図3】生体情報の検出精度の推定方法の一例を示す説明図である。
図4】同実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図5】走行予定ルートにおいて生体情報の検出精度が低下した3つの区間A、B,Cを示す説明図である。
図6】他車精度情報に応じて車両用制御装置により実行される対処の例を示す説明図である。
図7】車両用制御装置により実行されるデータ収集送信処理の一例を示すフローチャートである。
図8】情報処理装置により実行されるデータ蓄積出力処理の一例を示すフローチャートである。
図9】車両用制御装置により実行される通知処理の一例を示すフローチャートである。
図10】車両用制御装置により実行される通知処理の他の例を示すフローチャートである。
図11】本発明の第2の実施の形態に係る車両用制御システムの概略構成の一例を示す模式図である。
図12】車両用制御装置により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0027】
<<第1の実施の形態>>
<1.車両用制御システムの概略構成>
まず、本発明の第1の実施の形態に係る車両用制御システムの概略構成を説明する。図1は、本実施形態に係る車両用制御システム100の概略構成の一例を示す模式図である。
【0028】
車両用制御システム100は、車両用制御装置(以下、単に「制御装置」ともいう)50a,50bと、当該制御装置50a,50bと通信可能に構成された情報処理装置10とを備える。以下、特に区別を要しない場合には、「車両1」あるいは「制御装置50」等と総称する。なお、発明の理解を容易にするために2台の車両1A,1Bを図示して説明するが、情報処理装置10と接続可能な車両は2台に限られるものではなく、その台数は制限されない。
【0029】
本実施形態に係る車両用制御システム100において、情報処理装置10は、各車両1に搭載された制御装置50から、生体情報の検出精度が低下した区間に関する精度低下情報を収集し、当該区間を走行予定の車両1に対して事前に検出精度に関する他車精度情報を送信して、乗員に通知させる。これにより、乗員は、突然の生体情報の検出精度の低下に対応する必要がなくなり、安心して生体情報に基づく制御を実行可能な車両を利用することができる。
【0030】
制御装置50は、車両1に搭載され、乗員の生体情報を検出するとともに検出された生体情報を用いて所定の制御を実行するように構成されている。本実施形態においては、乗員の生体情報として乗員の心拍を検出し、検出した心拍の情報に基づいて所定の制御を実行する例を説明する。制御装置50は、通信部51及び演算処理装置53を備え、例えば移動体通信等の無線通信ネットワーク5を介して情報処理装置10と通信可能に構成されている。
【0031】
情報処理装置10は、制御装置50から送信される生体情報の検出精度のデータを蓄積し、制御装置50を介して乗員に検出精度の低下を通知させるように構成されている。情報処理装置10は、通信部11、演算処理装置13及び記憶部15を備え、無線通信ネットワーク5を介して各車両1の制御装置50と通信可能な情報処理装置である。情報処理装置10は、例えば、クラウドサーバであってもよい。
【0032】
<2.車両用制御装置の構成例>
次に、本実施形態に係る制御装置50の構成例を具体的に説明する。図2は、本実施形態に係る制御装置50の構成例を示すブロック図である。
【0033】
制御装置50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等の演算処理装置や、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶素子を備えて構成される。制御装置50の一部又は全部は、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、また、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。
【0034】
本実施形態において、制御装置50は、通信部51、演算処理装置53及び記憶部55を備えている。通信部51は、制御装置50と情報処理装置10との間で信号を送受信するためのインタフェースを含む。本実施形態において、通信部51は、無線通信ネットワーク5を介して情報処理装置10と通信できるように構成されている。
【0035】
演算処理装置53は、上述のとおり少なくとも一つのCPU又はMPUにより構成され、記憶部55に記憶されたプログラムを実行することにより、種々の演算処理を実行する。記憶部55は、RAMやROM等の記憶素子の他、あるいは、記憶素子に代えて、HDD(Hard Disk Drive)やCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)フラッシュ、ストレージ装置等の記憶媒体を備えていてもよい。
【0036】
制御装置50は、直接的に、又は、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Inter-Net)等の通信ラインを介して、乗員カメラ41、光センサ43、加速度センサ45及びGPS(Global Positioning System)アンテナ47と接続されている。乗員カメラ41は、車室内に設置されて乗員の生体情報を検出するために用いられる検出器である。乗員カメラ41は、乗員の人体に直接接触しない非接触式の検出器であり、少なくともドライバの顔を撮影できるように設置される。乗員カメラ41は、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を備え、乗員カメラ41により取得された撮像情報は制御装置50に送信される。制御装置50は、乗員カメラ41の撮像情報に基づいて検出される顔の色情報の変化に基づいて、乗員の心拍を検出する。
【0037】
車両1に設けられる検出器は、ドライバ等の車両1の乗員に装着されるものではなく、車両1に設置されて乗員の生体情報を検出するセンサ機器であって、生体情報を検出されていることの体感性が低いセンサ機器であることが好ましい。検出器は、例えば車両1の電源から電力供給を受けて作動する。
【0038】
なお、車両1に設けられる検出器は、乗員の心拍を検出するための乗員カメラ41に限られるものではない。例えば、乗員カメラ41は、乗員の体温を検出するために用いられてもよい。また、検出器は、乗員の心拍を検出するための電波式のドップラーセンサであってもよく、乗員の脈拍を検出するための非接触式の脈拍センサであってもよい。また、検出器は、乗員の心拍又は心電図を計測するためにステアリングホイールに埋設された電極組であってもよい。また、検出器は、乗員が運転席に着座している着座状態での座圧分布を計測するために運転席のシートに埋設された圧力計測器であってもよい。また、検出器は、乗員の心拍又は呼吸を計測するためにシートベルトの位置の変化を検出する変位センサであってもよい。また、検出器は、乗員の位置(生体位置)の情報を検出するためのTOF(Time of Flight)センサであってもよい。また、検出器は、乗員の皮膚の表面温度を計測するためのサーモグラフィであってもよい。
【0039】
光センサ43は、車室内に設置されて車内の明暗に関連する指標値を計測するために用いられる。特に、光センサ43は、運転席の乗員の顔の周囲の明暗を計測できるように設置される。明暗の指標値は、例えば明度、輝度又は照度のいずれかであってよい。光センサ43の種類は特に限定されるものではなく、公知の光センサを適宜用いることができる。光センサ43のセンサ信号は制御装置50に送信される。制御装置50は、光センサ43のセンサ信号に基づいて、乗員の心拍の検出精度を推定する。
【0040】
加速度センサ45は、車両1に設けられて車両1の振動を計測するために用いられる。加速度センサ45は、車両1の駆動制御に用いるために設けられる加速度センサであってもよい。加速度センサ45のセンサ信号は制御装置50に送信される。制御装置50は、加速度センサ45のセンサ信号に基づいて、車両1の振動を検出する。なお、他の制御装置が加速度センサのセンサ信号に基づいて車両1の振動を検出する場合、制御装置50は、当該他の制御装置から車両1の振動の情報を取得してもよい。
【0041】
GPSアンテナ47は、GPS衛星から送信される車両1の位置情報を含む衛星信号を受信する。GPSアンテナ47は、ナビゲーションシステムのGPSアンテナであってもよい。なお、GPSアンテナ47の代わりに、他の衛星システムから車両1の位置情報を含む衛星信号を受信可能なアンテナ機器であってもよい。
【0042】
また、制御装置50は、直接的に、又は、CANやLIN等の通信ラインを介して、入力部31、表示部33及び車両駆動制御装置37と接続されている。入力部31は、制御装置50に対するユーザ(例えば乗員)の操作入力を受け付ける。入力部31は、例えばタッチパネル式のディスプレイであってもよく、ダイヤル式の操作機器であってもよい。
【0043】
表示部33は、例えば、ダッシュボードに備えられる表示パネルや、フロントウィンドウに投影するHUD(Head Up Display)であり、乗員が視認できるように情報を提示する。表示部33は、インストルメントパネル内のメータ表示機器であってもよく、ナビゲーションシステムの表示装置であってもよく、種々の情報を提示するマルチファンクションディスプレイであってもよい。ただし、表示部33は、上述の表示パネルやHUDに限られない。また、表示部33が入力部31と一体化されていてもよい。
【0044】
車両駆動制御装置37は、車両1の駆動制御を実行する制御部であり、図示しないエンジンや、一つ又は複数の駆動用モータ、ステアリングシステム、ブレーキシステム等の駆動を制御する一つ又は複数の制御装置により構成される。車両駆動制御装置37は、基本的には、乗員の運転操作に基づいて、車両1の駆動制御を実行する。また、車両駆動制御装置37は、制御装置50からの指令に基づいて、車両1を緊急停止させる制御を実行する。
【0045】
演算処理装置53は、検出部61、推定部63、制御部65、データ収集部71、送信制御部73、目的地設定部75、取得部77、通知部79及び顔情報算出部81を備えている。制御部65は、検出される生体情報に基づいて制御を実行する機能構成であって、緊急停止制御部67及び警告制御部69を含む。演算処理装置53のこれらの各部は、具体的には、演算処理装置53によるプログラムの実行により実現される機能である。
【0046】
(検出部)
検出部61は、車両1の乗員の生体情報を検出する。本実施形態において、検出部61は、乗員カメラ41から送信される撮像情報に基づいて乗員の心拍を検出する。具体的に、検出部61は、乗員カメラ41から送信される撮像情報に基づいて画像処理を実行し、顔の色情報の変化に基づいて乗員の心拍を計測する。
【0047】
(推定部)
推定部63は、乗員カメラ41による生体情報の検出精度を推定する。本実施形態において、推定部63は、乗員カメラ41による乗員の顔の色情報の検出精度に影響を与え得る情報に基づいて、心拍の検出精度を推定する。図3は、推定部63による心拍の検出精度の推定方法の一例を示す説明図である。本実施形態において、推定部63は、車室内の明暗、光による乗員の顔への影の発生量、及び、車両1の振動の大きさに基づいて、乗員カメラ41による心拍の検出精度を推定する。本実施形態において、推定部63は、乗員カメラ41による心拍の検出精度のレベルを、第1のレベル(レベル1)~第3のレベル(レベル3)の3段階に分けて推定する。
【0048】
車室内の明暗は、光センサ43のセンサ信号に基づいて検出することができる。例えば、推定部63は、検出される明暗の指標値が適正範囲内か否かを判定する。また、車両1の振動の大きさは、加速度センサ45のセンサ信号に基づいて検出することができる。例えば、推定部63は、加速度センサ45のセンサ信号に基づいて、所定方向の車両1の振動の周期又は振幅の大きさを特定し、車両1の振動が大きいか小さいかを判定する。また、光による乗員の顔への影の発生量は、乗員カメラ41によって撮像される乗員の顔の撮像情報を画像処理することにより検出することができる。例えば、推定部63は、画像処理により認識される乗員の顔に対応する領域全体の画素あるいは画素群に対する、明暗の指標値が所定値を下回る画素あるいは画素群の比率に基づいて、光による影の発生が多いか少ないかを判定してもよい。
【0049】
図3に示した例では、車室内の明暗の指標値が適正範囲外にある場合、推定部63は、乗員カメラ41による心拍の検出精度のレベルを第1のレベル(レベル1)に設定する。例えば西日が眩しい場合等、車室内の明暗の指標値が高すぎる場合(明るすぎる場合)には、乗員カメラ41により撮影される乗員の顔画像が明るくなりすぎて乗員の顔の色情報を精度よく検出することが困難になるおそれがある。一方、車室内の明暗の指標値が低すぎる場合(暗すぎる場合)には、乗員カメラ41により撮影される乗員の顔画像が暗くなりすぎて乗員の顔の色情報を精度よく検出することが困難になるおそれがある。したがって、推定部63は、車室内の明暗の指標値が適正範囲外にある場合には、光による影の発生量及び車両1の振動の大小にかかわらず乗員カメラ41による心拍の検出精度のレベルを第1のレベル(レベル1)に設定する。
【0050】
また、車室内の明暗の指標値が適正範囲内にある場合、推定部63は、光による乗員の顔への影の発生量、及び、車両1の振動の大小に基づいて、乗員カメラ41による心拍の検出精度のレベルを第1のレベル(レベル1)~第3のレベル(レベル3)のいずれかに設定する。この場合、推定部63は、光による乗員の顔への影の発生量が少ないほど乗員カメラ41による心拍の検出精度のレベルを高くし(検出精度が高い)、車両1の振動が小さいほど心拍の検出精度のレベルを高くする。なお、乗員カメラ41による心拍の検出精度のレベルの段階は3段階でなくてもよく、2段階であってもよいし、4段階以上であってもよい。心拍の検出精度のレベルの段階が多いほど、後で説明する補正処理後の心拍の精度を高めることができる。また、推定部63は、さらに乗員の顔の動きに基づいて心拍の検出精度を推定してもよい。例えば、カーブや交差点を走行する際に、乗員は進行方向へ顔を向ける場合があり、このような場合には、乗員の顔の色情報の検出精度が低下するおそれがある。したがって、推定部63は、乗員カメラ41によって撮像される乗員の顔の向きがあらかじめ決められた範囲外を向いている場合に、心拍の検出精度が低下すると判定してもよい。
【0051】
(制御部)
制御部65は、生体情報に基づいて所定の制御を実行する。例えば、制御部65の緊急停止制御部67は、検出される乗員の心拍に基づいて乗員の身体の異常が検出された場合に、車両1を緊急停止させる制御を実行する。具体的に、緊急停止制御部67は、車両駆動制御装置37に対して車両1を安全かつ速やかに停止させるよう緊急停止指令を送信する。例えば、車両1は、車両1の周囲環境を検出するカメラやレーダ等の検出機器を備え、緊急停止指令を受信した車両駆動制御装置37は、エンジンや、一つ又は複数の駆動用モータ、ステアリングシステム、ブレーキシステムを制御して、車両1が人や他車両1その他の障害物に衝突しないように、スペースが確保された路側帯に車両1を停車させる。
【0052】
また、制御部65の警告制御部69は、検出される乗員の心拍に基づいて乗員の身体の異常が検出された場合に、身体の異常を警告する制御を実行する。具体的に、警告制御部69は、乗員の身体の異常が検出された場合に、警告装置35に対して当該身体の異常を警告するよう警告指令を送信する。警告指令を受信した警告装置35は、警告音や音声、警告ランプの点灯、振動発生等の手段により、乗員の身体の異常の警告動作を行う。
【0053】
(データ収集部)
データ収集部71は、推定部63により推定される生体情報の検出精度が低下した区間の情報を含む精度低下情報を収集する。データ収集部71は、収集した精度低下情報を記憶部55に記憶する。本実施形態において、精度低下情報は、生体情報の検出精度が低下した区間の情報を含む。データ収集部71は、推定部63によって生体情報の検出精度が低いと推定された期間中に車両1が走行している区間を、GPSアンテナ47が受信した衛星信号に基づいて特定する。GPSアンテナ47が受信する衛星信号に基づいて得られる位置情報と併せて車両1の位置を特定するための適宜の情報が用いられてもよい。
【0054】
また、精度低下情報は、生体情報の検出精度が低下した期間における車両1の走行環境の情報を含んでもよい。車両1の走行環境の情報は、生体情報の検出精度が低下した期間の時刻、天候又は季節の情報のうちの少なくとも一つを含む。車両1が走行する時刻によって、車室内の明暗が変化するため、車両1の走行環境の情報が時刻の情報を含むことが好ましい。時刻の情報は、車両1あるいは制御装置50に備えられた時計の時刻の情報であってもよい。また、天候によって、車室内の明暗や車両1の振動が変化するため、車両1の走行環境の情報が天候の情報を含むことが好ましい。天候の情報は、例えば、図示しない通信手段を介して接続された車外のテレマティクスサービスから取得されるローカル気象データであってもよい。また、季節によって、車室内への日光の照射角度が異なるため、車両1の走行環境の情報が季節の情報を含むことが好ましい。
【0055】
この他、車両1の走行環境の情報は、乗員カメラ41による心拍の検出精度に影響を及ぼす走行環境の情報を含んでもよい。例えば、車両1の走行環境の情報として、ワイパの作動状況、ヘッドライトの点灯状況、車室内の照明の点灯状況等の各種の情報を含んでもよい。ワイパの作動状況の情報は、例えば、天候の推定に用いることができ、また、心拍に起因しない顔の色の変化の影響の推定に用いることができる。また、ヘッドライトの点灯状況の情報は、車外の明るさの推定に用いることができる。また、車室内の照明の点灯状況の情報は、車外の明るさの推定に用いることができ、また、心拍に起因しない顔の色の変化の影響の推定に用いることができる。
【0056】
なお、車両1の制御装置50から情報処理装置10へ、生体情報の検出精度が低下した情報が車両1の現在位置の情報とともにリアルタイムで送信される場合、生体情報の検出精度が低下した期間の時刻、天候又は季節の情報は、制御装置50から情報処理装置10へ送信されなくてもよい。この場合、情報処理装置10が、制御装置50から検出精度が低下した情報を受信した時刻と、車両1の現在位置の情報に基づいて、時刻、季節又は天候を特定し、精度低下情報に付加することができる。
【0057】
(送信制御部)
送信制御部73は、収集された精度低下情報を情報処理装置10へ送信する。送信制御部73は、収集したすべての精度低下情報を情報処理装置10へ送信してもよく、同一区間において検出精度が低下した回数があらかじめ設定された所定回数以上となったときに、収集した精度低下情報を情報処理装置10へ送信してもよい。検出精度が低下した回数が所定回数以上となってから、精度低下情報を情報処理装置10へ送信することにより、誤検出したときの精度低下情報が情報処理装置10に蓄積されることを防ぐことができる。
【0058】
また、送信制御部73は、車両1の走行中に、GPSアンテナ47を介して取得される車両1の現在位置の情報を情報処理装置10へ送信する。車両1において、ナビゲーションシステムあるいは自動運転制御により走行予定ルートが設定されている場合、送信制御部73は、当該走行予定ルートの情報を現在位置の情報とともに送信してもよい。これにより、情報処理装置10は、各車両1の現在位置を把握し、各車両1がこれから走行するルートを推定することができる。
【0059】
また、送信制御部73は、車両1の走行中に、車外のテレマティクスサービス等から取得される現在地の天候の情報を現在位置の情報とともに送信してもよい。これにより、情報処理装置10は、蓄積されている精度低下情報のうち、類似する天候において心拍の検出精度が低下した情報を抽出して、各車両1における心拍の検出精度が低下する区間を推定することができる。したがって、車室内の明暗の影響を受けやすい乗員カメラ41による心拍の検出精度について、検出精度が低下する区間の推定結果の精度を高めることができる。
【0060】
(目的地設定部)
目的地設定部75は、車両1の目的地を設定する。例えば、目的地設定部75は、入力部31を介してドライバ等の乗員により入力される目的地の情報に基づいて目的地を設定する。あるいは、目的地設定部75は、自動運転を司る他の制御装置等から送信される目的地の情報に基づいて、車両1の目的地を設定してもよい。車両1がナビゲーションシステムを搭載している場合、目的地設定部75は、ナビゲーションシステムの機能であってもよい。この場合、ナビゲーションシステムは、設定された目的地にしたがって走行予定ルートを生成する。
【0061】
(取得部)
取得部77は、目的地までの車両1の走行予定ルートにおける他車両での生体情報の検出精度に関する他車精度情報を情報処理装置10から取得する。取得部77が取得する他車精度情報は、自車両1に設けられた検出器と同様に心拍を検出するための乗員カメラを備えた他車両での生体情報の検出精度に関する情報を含む。例えば、他車精度情報は、上述した乗員カメラ41、検出部61及び推定部63を少なくとも備えた車両1において推定された心拍の情報の検出精度の情報に基づいて生成された情報であってもよい。好ましくは、自車両1に備えられた制御装置50と同一の構成の制御装置及び乗員カメラ41を備えた他車両において推定された心拍の情報の検出精度の情報に基づいて生成された情報であってもよい。
【0062】
つまり、取得される他車精度情報は、過去に同様の機能を有する生体情報の検出器を備えた車両において生体情報の検出精度が低下した区間の情報を含み、通知部79による通知処理に用いられる。これにより、自車両1がこれから走行する区間において、生体情報の検出精度が低下する可能性があることを、乗員に対して事前に通知させることができる。また、他車精度情報は、情報処理装置10において推定される、検出精度が低下する要因についての情報を含んでもよい。これにより、検出精度が低下する要因に応じて、制御装置50による処理を異ならせることができる。
【0063】
取得部77は、例えば、目的地設定部75により目的地が設定され、目的地までの走行予定ルートが設定されたときに、当該走行予定ルートの全区間に関連する他車精度情報を取得してもよい。あるいは、取得部77は、設定された目的地に向けて車両1が走行する間に、想定される走行予定ルートに関連する他車精度情報を逐次あるいは適宜の時間間隔で取得してもよい。
【0064】
なお、他車精度情報の生成に用いられる精度低下情報を情報処理装置10に提供した他車両は、過去の自車両1を含んでいてもよい。
【0065】
(通知部)
通知部79は、取得部77が取得した他車精度情報に基づいて、車両1の走行予定ルートにおける生体情報の検出精度が低下すると推定される区間を車両1が通過する前に、乗員に対して検出精度が低下することを通知する制御を行う。本実施形態において、通知部79は、過去に検出精度が低下した区間を走行した他車両の全台数に対する、検出精度が低下した車両の割合に応じて通知の内容を異ならせる。具体的に、取得部77が情報処理装置10から取得する他車精度情報は、上述の割合の情報を含んでいる。例えば、通知部79は、当該割合が高い場合には、該当区間において生体情報の検出精度が低下することを通知し、当該割合が低い場合には、該当区間において生体情報の検出精度が低下する可能性が高いことを通知してもよい。
【0066】
通知部79は、例えば、表示部33に表示させる地図データに、検出精度が低下する区間を示す情報を表示させてもよい。その際に、該当区間において検出精度が低下することを通知する表示と、検出精度が低下する可能性が高いことを通知する表示とを異ならせてもよい。また、通知部79は、検出精度が低下する区間が近付いた場合に警告動作を行ってもよい。警告動作は、例えば、警告表示、警告音、警告ランプの点灯又はシートの振動の発生等の少なくともいずれかであってもよい。また、通知部79は、警告動作を行う際に、警告の理由を併せて通知してもよい。警告の理由の通知は、表示部33への表示によるものであってもよく、音声による通知であってもよい。
【0067】
また、通知部79は、情報処理装置10から送信される他車精度情報に基づいて検出精度が低下する区間を走行する前に所定の通知処理を行うこととは別に、自車両1が同一区間において生体情報の検出精度が低下した回数に基づいて、検出精度が低下する可能性があることを通知してもよい。これにより、自車両1の過去の実績に基づいて、生体情報の検出精度が低下する区間を走行する前に乗員に通知することができる。
【0068】
(顔情報算出部)
また、本実施形態に係る制御装置50は、顔情報算出部81を備えている。顔情報算出部81は、乗員の顔に関する所定の顔情報を算出する。顔情報は、乗員の顔の肌の色、車室内の明暗の変化による肌の色の変化の仕方、又は頬の領域の広さのうちの少なくとも一つの情報を含む。乗員カメラ41による心拍の検出精度は、人物の顔の特徴の影響を受ける。例えば、車両1の運転開始時に、顔情報算出部81が、乗員カメラ41による撮像情報に基づいて乗員の顔情報を算出し、以降、情報処理装置10に所定の情報を送信する際に、併せて現在の乗員の顔情報を送信してもよい。これにより、情報処理装置10は、蓄積されている精度低下情報のうち、顔の特徴が類似する乗員が運転している場合に心拍の検出精度が低下した情報を抽出して、各車両1における心拍の検出精度が低下する区間を推定することができる。
【0069】
<3.情報処理装置の構成例>
次に、本実施形態に係る情報処理装置10の構成例を具体的に説明する。図4は、本実施形態に係る情報処理装置10の構成例を示すブロック図である。
【0070】
情報処理装置10は、各車両1の制御装置50から送信される精度低下情報を、生体情報の検出精度が低下する区間のデータとして蓄積する。情報処理装置10は、通信部11、演算処理装置13及び記憶部15を備える。通信部11は、無線通信ネットワーク5との通信を行うためのインタフェースを含む。情報処理装置10は、通信部11を介して、複数の車両1の制御装置50との間で通信できるように構成されている。
【0071】
記憶部15は、HDD(Hard Disk Drive)やCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)フラッシュ、ストレージ装置等の記憶媒体を備える。記憶部15は、複数の車両1の制御装置50から送信される精度低下情報を記憶する。
【0072】
演算処理装置13は、CPU等のプロセッサを備えて構成される。演算処理装置13の一部又は全部は、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、また、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。演算処理装置13は、データ処理部21及び出力制御部23を備える。これらの各部は、プロセッサによるプログラムの実行により実現される機能であってもよい。
【0073】
(データ処理部)
このうち、データ処理部21は、各車両1の制御装置50から送信される精度低下情報を受信し、記憶部15に記憶させる。本実施形態において、データ処理部21は、生体情報の検出精度が低下した区間の情報を、車両の走行環境の情報に含まれる時刻、天候又は季節の情報で分類し蓄積する。時刻は、例えば30分ごとであってもよく、1時間あるいは2時間ごとであってもよく、適宜の時間間隔ごとに分類されていてもよい。また、天候は、例えば、晴れ、曇り、雨、雪等に分類される。また、季節は、四季により分類されてもよく、月ごとの分類であってもよい。
【0074】
本実施形態において、データ処理部21は、各車両1の制御装置50から、精度低下情報とともに乗員の顔情報を受信する場合、生体精度の検出精度が低下した区間の情報を、当該顔情報で分類して蓄積する。
【0075】
(出力制御部)
また、出力制御部23は、各車両1から送信される位置情報に基づいて、生体情報の検出精度が低下した区間を走行予定の車両1を特定し、当該車両1に対して生体情報の検出精度に関する他車精度情報を送信する。他車精度情報を受信した制御装置50では、他車精度情報に基づいて、車両1が検出精度が低下した区間を通過する前に、検出精度が低下することを通知する制御が行われる。
【0076】
本実施形態において、出力制御部23は、各車両1から送信される走行環境の情報に基づいて、記憶部15に蓄積された精度低下情報のうち現在の時刻、季節及び各車両1の現在地の天候に分類された精度低下情報を抽出し、各車両1がこれから走行する予定のルートにおける生体情報の検出精度を統計的に算出する。出力制御部23は、算出した生体情報の検出精度に関する他車精度情報を該当する車両1の制御装置50へ送信する。他車精度情報は、検出精度が低下した区間を走行した車両の全数に対する、検出精度が低下した車両の割合の情報を含む。つまり、他車精度情報は、検出精度が低下した車両の割合に応じてその内容が異なる。
【0077】
なお、現在の時刻、季節及び各車両1の現在地の天候は、各車両1から送信されるのではなく、各車両1の現在位置の情報に基づいて情報処理装置10が特定してもよい。例えば、情報処理装置10が、図示しない通信手段を介して接続されたテレマティクスサービスから、車両1の現在位置に対応する天候の情報を取得してもよい。また、情報処理装置10が、時計及び暦の機能を有している場合、当該時計及び暦の機能を用いて時刻及び季節の情報を取得してもよい。
【0078】
また、本実施形態において、出力制御部23は、各車両1から乗員の顔情報が送信される場合、記憶部15に蓄積された精度低下情報のうち各車両1の乗員の顔情報に類似する顔情報に分類された精度低下情報を抽出し、各車両1がこれから走行する予定のルートにおける生体情報の検出精度を統計的に算出してもよい。これにより、各車両1の乗員の顔の特徴に応じて、各車両1の走行予定ルートにおける心拍の検出精度が低下する区間を算出する精度を高めることができる。
【0079】
<4.車両用制御システムの全体の動作例>
次に、本実施形態に係る車両用制御システム100の全体の動作の一例を説明する。
【0080】
図5は、車両1が現在地から目的地へ向かう走行予定ルートにおいて、過去に複数の他車両から生体情報の検出精度が低下した情報を含む精度低下情報が情報処理装置10に送信された3つの区間A、B,Cを示している。例えば、生体情報の検出精度の低下が所定の範囲内(Xm以内)で所定回数以上(N0以上)発生した範囲を一つの区間として区分けすることができる。図5において、×印で示す位置が生体情報の検出精度の低下が所定回数以上発生した位置を示し、それぞれの×印がXm以内にある範囲が一つの区間として区分けされている。あるいは、あらかじめ地図データ上で細分化した範囲を一つの区間として区分けしてもよい。
【0081】
図6は、情報処理装置10に蓄積された精度低下情報に基づいて算出される他車精度情報に応じて、車両1の制御装置50により実行される対処の例を示す説明図である。例えば、車両1の制御装置50と情報処理装置10とがリアルタイムで通信を行い、車両1の現在位置、走行予定ルート、走行環境の情報に合致する条件に分類された精度低下情報に基づいて、生体情報の検出精度が低下する区間が判定される。このとき、あらかじめ設定された過去の所定期間内に蓄積された精度低下情報が用いられてもよく、数時間以内に蓄積された精度低下情報が用いられてもよい。
【0082】
図6に示す例において、生体情報の検出精度の低下の判定及び対処の内容は、以下のように設定されている。
(A)過去の検出機能の低下率(P1)≧70%
→検出精度低下判定=高
→対処の内容=地図データ上に通知、100m手前で検出機能を強制停止
(B)70%>過去の検出機能の低下率(P1)≧30%
→検出精度低下判定=中
→対処の内容=地図データ上に通知、警告表示/警告音
(C)30%>過去の検出機能の低下率(P1)
→検出精度低下判定=低
→対処の内容=何もしない
【0083】
具体的に、区間Aでは、昼間及び夜間にかかわらず、また、天候にかかわらず、生体情報の検出精度が低下した率(検出精度低下率)P1が70%以上となっており、検出精度低下判定は高となっている。区間Aでは、昼間及び夜間にかかわらず、また、天候にかかわらず検出精度が低下していることから、道路形状による振動に起因して検出精度が低下していると推定される。このため、制御装置50の通知部79は、区間Aにおいて道路形状に起因して検出精度が低下することを示す情報を地図データに反映させる方法で乗員にあらかじめ通知する。また、現在の時刻が昼間及び夜間にかかわらず、また、現在の天候にかかわらず、制御装置50の制御部65は、生体情報に基づいて車両1を緊急停止させる制御及び身体の異常を警告する制御を一時停止させる。精度の低い検出情報が記録されることを防ぐために、検出部61が、生体情報の検出機能を一時停止させてもよい。
【0084】
また、区間Bでは、昼間及び夜間にかかわらず、天候が晴の場合に、検出精度低下率P1が90%以上となっており、検出精度低下判定は高となっている。一方、区間Bでは、昼間及び夜間にかかわらず、天候が雨又は曇の場合に、検出精度低下率P1が2%以下となっており、検出精度低下判定は低となっている。区間Bでは、昼間及び夜間にかかわらず、天候が晴の場合に検出精度が低下すると推定される。このため、通知部79は、区間Bにおいて晴の場合に検出精度が低下することを示す情報を地図データに反映させる方法で乗員にあらかじめ通知する。また、現在の時刻が昼間及び夜間にかかわらず、現在の天候が晴の場合、制御部65は、生体情報に基づいて車両1を緊急停止させる制御及び身体の異常を警告する制御を一時停止させる。現在の天候が晴の場合、精度の低い検出情報が記録されることを防ぐために、検出部61が、生体情報の検出機能を一時停止させてもよい。一方、現在の天候が雨又は曇の場合、現在の時刻が昼間及び夜間にかかわらず、制御部65は、生体情報に基づく所定の制御の実行を継続する。
【0085】
また、区間Cでは、昼間及び夜間にかかわらず、また、天候にかかわらず、検出精度低下率P1が40~60%となっており、検出精度低下判定は中となっている。このため、通知部79は、区間Cにおいては、現在の時刻が昼間及び夜間にかかわらず、また、現在の天候にかかわらず、地図データに反映させる処理を行うことなく、警告表示又は警告音を作動させるのみとする。また、現在の時刻が昼間及び夜間にかかわらず、また、現在の天候にかかわらず、制御部65は、生体情報に基づく所定の制御の実行を継続する。
【0086】
なお、本実施形態に係る車両用制御システム100においては、情報処理装置10が、各区間(A/B/C)における過去の他車両での検出精度低下率P1及び検出精度低下判定結果を算出し、当該検出精度低下判定結果の情報を含む他車精度情報を、各区間(A/B/C)を走行予定の車両1の制御装置50に送信するように構成されている。また、検出精度低下判定結果の情報を含む他車精度情報を受信した車両1の制御装置50は、当該検出精度低下判定結果に基づいて対処の内容を選択して実行するように構成されている。つまり、図6に示した表における「対処」の内容は、車両1の制御装置50に設定されている。「対処」の内容は、車両1ごとに異なっていてもよい。
【0087】
ただし、情報処理装置10が、検出精度低下判定結果に応じた「対処」の内容まで設定して、当該「対処」の内容の情報を含む他車精度情報を車両1の制御装置50に送信してもよい。この場合、車両1の制御装置50は、他車精度情報に含まれる「対処」の内容にしたがって、各区間(A/B/C)を車両1が走行する前に通知あるいは検出機能を停止させる。
【0088】
あるいは、情報処理装置10が、「検出精度低下率P1」の計算までを行い、当該「検出精度低下率P1」の情報を含む他車精度情報を車両1の制御装置50に送信してもよい。この場合、車両1の制御装置50は、他車精度情報に含まれる検出精度低下率P1の情報に基づいて「検出精度低下判定結果」及び「対処」の内容を求め、当該「対処」の内容にしたがって、各区間(A/B/C)を車両1が走行する前に通知あるいは検出機能を停止させる。この他、上述した車両1の制御装置50の機能の一部が情報処理装置10により実行されてもよく、情報処理装置10の機能の一部が車両1の制御装置50により実行されてもよい。
【0089】
<5.車両用制御システムの動作例のフローチャート>
次に、本実施形態に係る車両用制御システム100を構成する制御装置50及び情報処理装置10の動作の一例を具体的に説明する。
【0090】
(車両用制御装置によるデータ収集送信処理)
図7は、車両1の制御装置50により実行される精度低下情報の収集送信処理の一例を示すフローチャートである。
まず、制御装置50の推定部63は、検出器による生体情報の検出精度の推定に用いる情報を算出する(ステップS11)。上述のとおり、本実施形態において、推定部63は、車室内の明暗、光による乗員の顔への影の発生量、及び、車両の振動の大きさに基づいて、乗員カメラ41の撮像情報に基づく心拍の検出精度を推定する。具体的に、推定部63は、光センサ43のセンサ信号に基づいて、車室内の明暗の指標値、特に、乗員の顔付近の明暗の指標値を算出する。また、推定部63は、乗員カメラ41によって撮像される乗員の顔の撮像情報を画像処理することにより、光による乗員の顔への影の発生量を算出する。また、推定部63は、加速度センサ45のセンサ信号に基づいて、車両の振動の大きさを算出する。
【0091】
次いで、推定部63は、検出器による生体情報の検出精度を推定する(ステップS12)。本実施形態において、推定部63は、あらかじめ設定された検出精度の推定方法(図3を参照)にしたがって、乗員カメラ41による心拍の検出精度のレベルを、第1のレベル(レベル1)~第3のレベル(レベル3)の3段階に分けて推定する。次いで、制御部65は、推定された心拍の検出精度が低いか否かを判別する(ステップS13)。例えば、制御部65は、心拍の検出精度のレベルが第1のレベル(レベル1)及び2の場合に検出精度が低いと判定し、レベルが第3のレベル(レベル3)の場合に検出精度が高いと判定する。
【0092】
乗員カメラ41による心拍の検出精度が高い場合(S13/No)、データ収集部71は、精度低下情報を収集することなく本ルーチンを終了させてステップS11に戻る。一方、乗員カメラ41による心拍の検出精度が低い場合(S13/Yes)、データ収集部71は、精度低下情報を収集する(ステップS14)。具体的に、データ収集部71は、心拍の検出精度が低下した位置の情報と、そのときの車両の走行環境の情報とを収集する。
【0093】
次いで、データ収集部71は、当該心拍の検出精度が低下した位置において、心拍の検出精度が低下したと判定された回数Nが所定回数以上(N0以上)となったか否かを判別する(ステップS15)。心拍の検出精度が低下したと判定された回数Nが所定回数に到達していない場合(S15/No)、データ収集部71は、本ルーチンを終了させてステップS11に戻る。一方、心拍の検出精度が低下したと判定された回数Nが所定回数以上の場合(S15/Yes)、制御装置50の送信制御部73は、収集した精度低下情報を情報処理装置10へ送信する(ステップS16)。このとき、送信制御部73は、乗員カメラ41による心拍の検出対象である乗員の顔情報を併せて情報処理装置10へ送信してもよい。
【0094】
各車両1の制御装置50は、上述したデータ収集送信処理を繰り返し実行することにより、心拍の検出精度が低下した回数Nが所定回数N0以上となった走行区間の情報と、そのときの走行環境の情報とを含む精度低下情報を情報処理装置10へと送信し、情報処理装置10に精度低下情報を蓄積させることができる。
【0095】
なお、同一区間において心拍の検出精度が低下した回数Nが所定回数N0以上となった場合、通知部79は、情報処理装置10から送信される他車精度情報に基づく通知処理とは別に、当該区間において心拍の検出精度が低下する可能性がある旨を乗員等の乗員へ事前に通知してもよい。これにより、乗員は、自車両1の過去の実績に基づいて、生体情報の検出精度が低下する区間を走行する前に心拍の検出精度が低下する可能性を知ることができる。
【0096】
(情報処理装置によるデータ蓄積出力処理)
図8は、情報処理装置10により実行されるデータ蓄積出力処理の一例を示すフローチャートである。
情報処理装置10のデータ処理部21は、車両1の制御装置50から精度低下情報を受信する(ステップS31)。次いで、データ処理部21は、精度低下情報に基づいて、心拍の検出精度が低下した区間を、走行環境の情報で分類して記憶部15に記憶させる(ステップS33)。上述のとおり、データ処理部21は、心拍の検出精度が低下した区間を、時刻、季節又は天候のうちの少なくとも一つで分類して記憶させる。データ処理部21は、その他、心拍の検出精度が低下した区間を、ワイパの作動状況、ヘッドライトの点灯状況、車室内の照明の点灯状況等で分類して記憶させてもよい。
【0097】
次いで、出力制御部23は、記憶された精度低下情報に基づいて、心拍の検出精度が低下した区間における、他車両を含めた検出精度低下率P1を算出する(ステップS35)。例えば、出力制御部23は、あらかじめ設定された過去の所定期間に、心拍の検出精度が低下した区間を走行した車両1の全台数に対する、検出精度が低下した車両1の台数の割合を求める。
【0098】
次いで、出力制御部23は、算出した検出精度低下率P1があらかじめ設定された第1の閾値α以上であるか否かを判別する(ステップS37)。第1の閾値αは、該当区間において心拍の検出精度が低下する可能性が高いか否かを判別するための閾値であって、上述の図6の例では70%に設定されている。検出精度低下率P1が第1の閾値α以上である場合(S37/Yes)、出力制御部23は、該当区間において検出精度が低下する可能性が大きいことを示す情報を含む他車精度情報を、当該区間をこれから走行予定の車両1へと送信する(ステップS39)。
【0099】
一方、検出精度低下率P1が第1の閾値α未満の場合(S37/No)、出力制御部23は、検出精度低下率P1が第1の閾値α未満、かつ、第2の閾値β以上であるか否かを判別する(ステップS41)。第2の閾値βは、該当区間において心拍の検出精度が低下する可能性が低いか否かを判別するための閾値であって、上述の図6の例では30%に設定されている。検出精度低下率P1が第1の閾値α未満、かつ、第2の閾値β以上である場合(S41/Yes)、出力制御部23は、該当区間において検出精度が低下する可能性が中程度であることを示す情報を含む他車精度情報を、当該区間をこれから走行予定の車両1へと送信する(ステップS43)。
【0100】
一方、検出精度低下率P1が第2の閾値β未満の場合(S41/No)、出力制御部23は、該当区間において検出精度が低下する可能性が低いことを示す情報を含む他車精度情報を、当該区間をこれから走行予定の車両1へと送信する。
【0101】
情報処理装置10は、上述したデータ蓄積出力処理を繰り返し実行することにより、心拍の検出精度が低下すると推定される区間を走行予定の車両1に対して、当該区間を車両1が通過する前に、検出精度が低下する可能性の情報を含む他車精度情報を送信する。これにより、車両1の制御装置50は、当該区間を通過する前に所定の対処を行うことができる。
【0102】
図8に示したフローチャートの例において、情報処理装置10は、すべての車両1の制御装置50に対して常時他車精度情報を送信するが、車両1の制御装置50から現在位置の情報とともに他車精度情報の提供のリクエストを受信したときに他車精度情報を送信するようにしてもよい。
【0103】
(車両用制御装置による通知処理)
図9は、車両1の制御装置50により実行される通知処理の一例を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートは、ナビゲーションシステムあるいは自動運転制御を搭載した車両1に適用可能な通知処理を示すフローチャートである。図9に示す例では、制御装置50は、目的地までの走行予定ルートが設定されたときに、走行予定ルートの全区間に関連する他車精度情報を取得し、所定の通知処理を実行する。
【0104】
まず、制御装置50の目的地設定部75は、ドライバ等の乗員の入力又は自動運転制御を司る制御装置からの指令等に基づいて車両1の目的地を設定する(ステップS21)。次いで、目的地設定部75は、現在地から設定した目的地までの走行予定ルートを設定する(ステップS23)。目的地設定部75は、ドライバ等の乗員に対して複数の走行予定ルートを提示し、乗員により選択されたルートを走行予定ルートとして設定してもよい。
【0105】
次いで、取得部77は、情報処理装置10から他車精度情報を取得する(ステップS25)。具体的に、送信制御部73が、設定された目的地及び走行予定ルートの情報と、車両1の現在位置の情報とを情報処理装置10へ送信し、取得部77は、情報処理装置10から送信される走行予定ルートの全区間に関連する他車精度情報を取得する。この他車精度情報は、走行予定ルートの全区間における心拍の検出精度が低下する区間の情報を含む。
【0106】
次いで、通知部79は、取得された他車精度情報に基づいて、走行予定ルート上に心拍の検出精度が低下する区間があるか否かを判別する(ステップS27)。心拍の検出精度が低下する区間がない場合(S27/No)、通知部79は、本ルーチンを終了させてステップS21に戻る。一方、心拍の検出精度が低下する区間がある場合(S27/Yes)、通知部79は、他車精度情報に基づいて、所定の通知処理を実行する(ステップS29)。
【0107】
具体的には、図5及び図6に基づいて説明したように、通知部79は、他車精度情報に含まれる検出精度低下率P1が高及び中の区間については、表示部33に表示される地図データに反映させて検出精度が低下する区間を乗員に通知する。また、通知部79は、検出精度低下率P1が高の区間については、該当区間の100m手前で検出部61による心拍の検出機能を強制停止させる。また、通知部79は、検出精度低下率P1が中の区間については、警告表示又は警告音等の適宜の警告動作により、該当区間において心拍の検出機能が低下することを乗員に通知する。
【0108】
なお、検出精度低下率P1が高区間について、心拍の検出機能を強制停止させる時期は、該当区間の100m手前である必要はなく、適宜設定されてよい。また、検出精度低下率P1に基づく対処の内容は、適宜設定されていてもよい。
【0109】
このように、図9に示したフローチャートの例によれば、設定された目的地までの走行予定ルートがあらかじめ設定されている場合に、制御装置50は、当該走行予定ルート上に心拍の検出精度が低下する区間があることを示す情報をあらかじめ取得し、乗員に対して所定の通知処理を事前に行うことができる。これにより、乗員が、心拍の検出精度が突然低下することによる急な対応を強いられることがなくなり、乗員に安心感を与えることができる。
【0110】
図10は、車両1の制御装置50により実行される通知処理の別の例を示すフローチャートである。図10に示す例では、制御装置50は、車両1が目的地に向かって走行する間に、想定される走行予定ルートに関連する他車精度情報を取得し、所定の通知処理を実行する。
【0111】
まず、目的地設定部75は、図9のフローチャートにおけるステップS21と同様に目的地を設定する(ステップS21)。次いで、通知部79は、情報処理装置10から他車精度情報が受信されているか否かを判別する(ステップS26)。具体的に、送信制御部73が、設定された目的地の情報と、車両1の現在位置の情報とを適宜のタイミングで情報処理装置10へ送信し、情報処理装置10は、車両1の現在位置から目的地へ向かうために想定される走行予定ルート上に、心拍の検出機能が低下する区間が存在する場合に、当該区間における検出精度低下率P1の情報を含む他車精度情報を制御装置50へ送信する。通知部79は、所定の期間ごとに、受信された他車精度情報が存在するか否かを確認してもよく、他車精度情報が受信されるごとに、当該受信したことを検知してもよい。
【0112】
他車精度情報が受信されていない場合(S26/No)、通知部79は、本ルーチンを終了させてステップS21に戻る。一方、他車精度情報が受信されている場合(S26/Yes)、通知部79は、図9のフローチャートにおけるステップS29と同様に他車精度情報に基づいて、所定の通知処理を実行する(ステップS29)。
【0113】
このように、図10に示したフローチャートの例によれば、制御装置50は、設定された目的地までの想定される走行予定ルート上に心拍の検出精度が低下する区間があることを示す情報を取得し、乗員に対して所定の通知処理を事前に行うことができる。これにより、乗員が、心拍の検出精度が突然低下することによる急な対応を強いられることがなくなり、乗員に安心感を与えることができる。
【0114】
<<第2の実施の形態>>
次に、本発明の第2の実施の形態に係る車両用制御システムを説明する。本実施形態に係る車両用制御システムは、乗員カメラ等の車両に設けられる第1の検出器を用いて心拍を検出して所定の制御を行うにあたり、第1の検出器による心拍の検出精度が低下する区間を通過する前に、第1の実施の形態と同様に所定の通知処理を事前に行うとともに、当該区間においては、乗員に装着される第2の検出器により心拍を検出して所定の制御を実行するように構成されている。以下、本実施形態に係る車両用制御システムについて、主として、第1の実施の形態に係る車両用制御システムとは異なる点を説明する。
【0115】
図11は、本実施形態に係る車両用制御システムに適用される車両用制御装置50Aの構成例を示すブロック図である。本実施形態においても、乗員の生体情報として心拍を検出し、検出した心拍に基づいて所定の制御を実行する例を説明する。
【0116】
制御装置50Aは、車両に設けられる第1の検出器としての乗員カメラ41と、乗員に装着される第2の検出器としてのウェアラブル機器20と接続されている。第1の検出器としての乗員カメラ41は、第1の実施の形態において説明した乗員カメラと同様に構成されていてよい。
【0117】
なお、本実施形態においても、車両1に設けられる第1の検出器は乗員カメラ41に限られるものではなく、電波式のドップラーセンサ、非接触式の脈拍センサ、ステアリングホイールに埋設された電極、運転席のシートに埋設された圧力計測器、シートベルトの位置の変化を検出する機器、乗員の位置(生体位置)の情報を検出するためのTOF(Time of Flight)センサ又は乗員の皮膚の表面温度を計測するためのサーモグラフィであってもよい。
【0118】
乗員に装着される第2の検出器としてのウェアラブル機器20は、有線又は無線の通信手段を介して制御装置50Aと接続されている。例えば、ウェアラブル機器20は、信号を送受信するためのインタフェースの機能を有する通信部52を介して制御装置50Aと通信可能に接続される。例えば、通信部52は、Blutooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、wifi(wireless fidelity)、無線LAN(Local Area Network)等の無線通信手段を介して、ウェアラブル機器20と通信できるように構成されている。
【0119】
ウェアラブル機器20は、乗員に装着されて乗員の生体情報を検出するために用いられる第2の検出器の一態様である。例えば、ウェアラブル機器20は、乗員の手首や腕等に装着されて乗員の心拍を計測する機能を有する。ウェアラブル機器20により検出される生体情報は、少なくとも乗員カメラ41により検出される生体情報と同一の生体情報を含む。ウェアラブル機器20により検出された生体情報は、制御装置50Aに送信できるように構成されている。また、ウェアラブル機器20の機能のうちの少なくとも心拍を検出する機能は、制御装置50Aからの遠隔操作により起動又は停止を切換えできるように構成されている。
【0120】
なお、非接触式の第1の検出器とは、ドライバ等の車両の乗員に装着されるものではなく、車両に設置されて乗員の生体情報を検出するセンサ機器であって、生体情報を検出されていることの体感性が低いセンサ機器であることが好ましい。第1の検出器は、車両の電源から電力供給を受けて作動する。また、接触式の第2の検出器とは、ドライバ等の車両の乗員に装着されて乗員の生体情報を検出するセンサ機器であって、腕時計型、あるいは、頭部又は腕部装着型のデバイスが例示される。第2の検出器は、内蔵されたバッテリの充電電力により作動する。
【0121】
ここで、本実施形態に係る制御装置50の制御部65は、乗員カメラ41による心拍の検出精度が高いと推定される場合には乗員カメラ41により検出される心拍の情報(以下、第1の検出器により検出される生体情報を「第1の生体情報」ともいう)を用いて身体の異常を警告する制御及び車両を緊急停止させる制御を実行する。また、制御部65は、乗員カメラ41による心拍の検出精度が低いと推定される場合にはウェアラブル機器20により検出される心拍の情報(以下、第2の検出器により検出される生体情報を「第2の生体情報」ともいう)を用いて身体の異常を警告する制御及び車両を緊急停止させる制御を実行する。
【0122】
乗員カメラ41による心拍の検出精度が高い場合又は低い場合は、推定部63で推定された心拍の検出精度のレベルに応じてあらかじめ設定することができる。例えば、乗員カメラ41による心拍の検出精度のレベルが第3のレベル(レベル3)である場合に心拍の検出精度が高いと判定する一方、乗員カメラ41による心拍の検出精度のレベルが第2のレベル(レベル2)又は第1のレベル(レベル1)である場合に心拍の検出精度が低いと判定してもよい。
【0123】
制御部65は、乗員カメラ41による心拍の検出精度が高い場合、乗員カメラ41により検出される第1の生体情報を用いて所定の制御を実行するため、ウェアラブル機器20に対して少なくとも心拍の検出機能を停止状態にさせる指令を送信する。また、制御部65は、ウェアラブル機器20の心拍の検出機能が停止状態で、乗員カメラ41による心拍の検出精度が低くなった場合、ウェアラブル機器20により検出される第2の生体情報を用いて所定の制御を実行するため、ウェアラブル機器20に対して少なくとも心拍の検出機能を起動させる指令を送信する。これにより、検出精度の高い心拍の情報を用いて所定の制御を実行することができるとともに、乗員カメラ41による心拍の検出精度が高い期間にはウェアラブル機器20の少なくとも心拍の検出機能による電力消費量が抑制される。
【0124】
また、制御部65は、ウェアラブル機器20の心拍の検出機能が停止状態にされている期間に乗員カメラ41により検出された第1の生体情報をウェアラブル機器20に送信する。これにより、ウェアラブル機器20に記憶される心拍の検出データが補完され、ウェアラブル機器20単体での生体情報の検出機能が担保される。制御部65は、ウェアラブル機器20が停止状態から起動状態に切り換えられたときに、ウェアラブル機器20が停止状態の期間に検出されて記憶されたすべての第1の生体情報をウェアラブル機器20に送信してもよく、ウェアラブル機器20が停止状態の期間中、所定の時間ごとに検出されて記憶された第1の生体情報をウェアラブル機器20に送信してもよい。また、制御部65は、ウェアラブル機器20が停止状態の期間中、第1の生体情報が検出されるごとに第1の生体情報をウェアラブル機器20に送信してもよいが、ウェアラブル機器20の電力消費を抑制する観点から、所定の期間中に検出され記憶された第1の生体情報をまとめてウェアラブル機器20に送信することが好ましい。
【0125】
図12は、本実施形態に係る制御装置50Aによる制御の動作例を概略的に示すフローチャートであり、図9又は図10のフローチャートにおけるステップS29に続けて実行される。
【0126】
ステップS29において、通知部79が検出精度低下率P1に応じた所定の通知処理を実行した後、制御部65は、第2の検出器であるウェアラブル機器20の心拍の検出機能が起動状態であるか否かを判別する(ステップS51)。例えば、ウェアラブル機器20が心拍の検出機能の起動又は停止を切り換えた際に、制御装置50Aに対して起動又は停止を切り替えたことを示す信号を送信するように構成されている場合、制御部65は、記憶部55に記憶されている情報に基づいて、ウェアラブル機器20の心拍の検出機能が起動状態であるか否かを判別することができる。また、制御部65がウェアラブル機器20に対して心拍の検出機能を起動又は停止で切り換えるように指令を送信したときに当該送信した記録を記憶部55に記憶している場合、制御部65は、記憶部55に記憶されている情報に基づいて、ウェアラブル機器20の心拍の検出機能が起動状態であるか否かを判別することができる。また、制御部65は、その都度ウェアラブル機器20に対して心拍の検出機能が起動状態であるかを問い合わせてもよい。
【0127】
ウェアラブル機器20の心拍の検出機能が停止状態である場合(S51/No)、制御部65は、ウェアラブル機器20に対して、少なくとも心拍の検出機能を起動状態にさせる指令を送信し(ステップS53)、ステップS55に進む。一方、ウェアラブル機器20の心拍の検出機能が起動状態である場合(S51/Yes)、そのままステップS55に進む。
【0128】
ステップS55において、制御部65は、ウェアラブル機器20により検出される心拍の情報を用いて、身体の異常を警告する制御及び車両を緊急停止させる制御を実行するよう設定する(ステップS55)。これにより、緊急停止制御部67及び警告制御部69は、検出精度が低下し得る乗員カメラ41により検出される心拍の情報の代わりに、ウェアラブル機器20により検出される信頼度が高い心拍の情報を用いて所定の制御を実行することができる。
【0129】
次いで、制御部65は、乗員カメラ41による心拍の検出精度が低下する区間を車両1が通過したか否かを判別する(ステップS57)。車両1が当該区間を通過してない場合(S57/No)、制御部65は、ウェアラブル機器20により検出される心拍の情報を用いた所定の制御を継続する。一方、車両1が当該区間を通過した場合(S57/Yes)、制御部65は、乗員カメラ41により検出される心拍の情報を用いて所定の制御を実行するよう設定し(ステップS59)、ステップS21に戻る。
【0130】
以上説明したように、第2の実施の形態に係る車両用制御システムによれば、車両1に設けられる乗員カメラ41により検出される心拍の情報の検出精度が高い場合には、当該心拍の情報に基づいて所定の制御が実行される。一方、乗員カメラ41により検出される心拍の情報の検出精度が低い場合には、接触式の第2の検出器としてのウェアラブル機器20により検出される心拍の情報に基づいて所定の制御が実行される。したがって、検出精度の高い心拍の情報を用いて所定の制御を継続することができる。
【0131】
また、本実施形態に係る車両用制御システムにおいて、車両に設置されて車両の電源から電力供給を受ける乗員カメラ41により検出される心拍の情報の検出精度が高い場合、ウェアラブル機器20の心拍の検出機能を停止状態にしてもよい。これにより、内蔵されたバッテリの充電電力により作動するウェアラブル機器20の電力消費を抑制することができる。
【0132】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0133】
上述のとおり、車両に設けられる生体情報の検出器は、心拍を計測する乗員カメラに限られない。例えば、乗員カメラがドライバ等の乗員の視線を計測する場合、上述の顔情報算出部81において算出される顔情報は、乗員の瞳の大きさ、瞼の大きさ又はまつ毛の長さのうちの少なくとも一つの情報を含んでもよい。
【0134】
また、上記実施の形態においては、通知部79による通知処理として、地図データに反映させる処理及び警告表示あるいは警告音等の警告動作を例示したが、通知処理はかかる例に限定されるものではなく、他の適宜の方法で乗員へ通知してもよい。
【0135】
また、上記実施の形態で説明した生体情報の検出精度低下率P1の算出方法や、検出精度低下率P1に基づく検出精度低下判定の方法は、上述の例に限定されるものではなく、他の適宜の方法で、過去の他車両における生体情報の検出精度を統計的に算出してもよい。
【0136】
また、上記実施の形態においては、乗員の身体の異常があると判断された場合に、車両を安全かつ速やかに停止させる制御が行われるように構成されていたが、車両を緊急停止させる制御に代えて、近隣の適切な病院へ車両を案内する自動運転制御が行われるように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0137】
10…情報処理装置、11…通信部、13…演算処理装置、15…記憶部、21…データ処理部、23…出力制御部、41…乗員カメラ、43…光センサ、45…加速度センサ、47…GPSアンテナ、50…車両用制御装置、51…通信部、53…演算処理装置、55…記憶部、61…検出部、63…推定部、65…制御部、67…緊急停止制御部、69…警告制御部、71…データ収集部、73…送信制御部、75…目的地設定部、77…取得部、79…表示制御部、81…顔情報算出部、100…車両用制御システム
図1
図2
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図5
図6
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図10
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